JP2018169464A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、半導体装置及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、半導体装置及びレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各種材料との密着性、耐反り性及び剛性に優れる硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、光重合開始剤、無機フィラー、硬化剤及びビスマレイミド化合物を含有し、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、特定の構造を有するエポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸とのエステル化物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応物を含み、ビスマレイミド化合物の含有量が感光性樹脂組成物の全固形分量を基準として0.3〜35質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、半導体装置及びレジストパターンの形成方法に関する。
近年、電子機器の高性能化(小型化、軽量化及び多機能化)に伴い、LSI、チップ等の半導体部品の高集積化が進み、半導体部品の形態が多ピン化、小型化へと急速に変化している。半導体部品の高集積化に伴い、半導体部品を構成する半導体素子、半導体パッケージ、プリント配線板、フレキシブル配線板等の高密度化及び高精細化が進んでおり、半導体部品に用いられる表面保護膜又は層間絶縁膜としては、層間接続用のビア開口パターンを形成できること、基板材料、銅配線と接着するだけでなく、チップ部品と接着できることが要求されている。
プリント配線板分野では、プリント配線板上に永久マスクレジスト(保護膜)を形成することが行われている。近年、配線パターンの高密度化に伴い、永久マスクレジストには高解像性が求められており、感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法でパターンを形成する手法が盛んに用いられている。中でも炭酸ナトリウム水溶液等の弱アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型の感光性樹脂組成物が、作業環境保全及び地球環境保全の点から主流になっている。また、電子機器の小型化・高性能化の流れに伴い、半導体チップの配線の狭ピッチ化による高密度化の傾向が著しく、これに対応した半導体実装方法として、はんだバンプにより半導体チップと基板とを接合させるフリップチップ接続方式が主流となっている。
フリップチップ接続方式は、基板と半導体チップとの間にはんだボールを配置し全体を加熱して溶融接合させるリフロー方式による半導体実装方式である。そのため、はんだリフロー時に基板自体が高温環境に晒され、基板の熱収縮により、基板と半導体を接続するはんだボールに大きな応力が発生し、配線の接続不良、永久マスクレジスト又はアンダーフィルに割れ(クラック)が生じることがある。そのため、プリント配線板に用いられる絶縁材料には、アンダ−フィル、封止材等に対する密着性と、剛性とに優れる材料が求められている。
また、近年、環境問題に対する法規制等により、鉛を使用しない高融点はんだが主流となっている。鉛フリーはんだは従来の共晶はんだよりも使用温度が約20〜40℃高くなることから、感光性樹脂組成物にはこれまで以上に高い耐熱性が要求されている。そこで、耐熱性及び低熱膨張性の要求に対応できる樹脂材料として、例えば、4官能型ナフタレン系エポキシ樹脂が開示されている(特許文献1参照)。
特開平4−217675号公報
上記4官能型ナフタレン系エポキシ樹脂は、一般的なフェノールノボラック型エポキシ樹脂と比較して、架橋密度が高く、優れた低熱膨張率及び耐熱性を発現する硬化物を作製できると考えられる。一方、プリント配線板分野で用いられる感光性樹脂組成物には、優れた低熱膨張率及び耐熱性に加えて、銅、シリコンウェハ、アンダーフィル、封止材等の各種材料に対して優れた密着性を有し、搬送時の反りを低減する耐反り性及び剛性に優れる硬化膜を形成することが求められている。
本発明の目的は、各種材料との密着性、耐反り性及び剛性に優れる硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、半導体装置及びレジストパターンの形成方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)無機フィラー、(E)硬化剤及び(F)ビスマレイミド化合物を含有する感光性樹脂組成物であり、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、下記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び下記一般式(2)又は(4)で表される構造単位を有するビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸とのエステル化物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応物を含み、((F)ビスマレイミド化合物の含有量が感光性樹脂組成物の全固形分量を基準として0.3〜35質量%である、感光性樹脂組成物に関する。
Figure 2018169464

[式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n1は1以上の整数を示す。なお、複数存在するR11及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも一つのYはグリシジル基を示す。]
Figure 2018169464

[式(2)中、R12は水素原子又はメチル基を示し、Yはそれぞれ独立に水素原子又はグリシジル基を示す。なお、2つのR12は同一でも異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも一方はグリシジル基を示す。]
Figure 2018169464

[式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を示し、Yはそれぞれ独立に水素原子又はグリシジル基を示す。なお、2つのR13は同一でも異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも一方はグリシジル基を示す。]
本発明の第2の態様はまた、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光層とを備える感光性エレメントに関する。
本発明の第3の態様は、上記感光性樹脂組成物の硬化物を、表面保護膜又は層間絶縁膜として備える半導体装置に関する。
本発明の第4の態様は、基板上に、感光性樹脂組成物を用いて感光層を形成する工程と、上記感光層を所定のパターン露光し、露光加熱処理を行う工程と、加熱処理後の感光層を現像し、得られた樹脂パターンを露光又は加熱処理する工程と、を含む、レジストパターンの形成方法に関する。
本発明によれば、各種材料との密着性、耐反り性及び剛性に優れる硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、半導体装置及びレジストパターンの形成方法を提供することができる。
本実施形態の感光性エレメントを模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を模式的に示す図である。
以下、本発明の一実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。このことは、数値及び範囲についても同様であり、本発明を不当に制限するものではないと解釈すべきである。
なお、本明細書において、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。以下で例示する材料は、特に断らない限り、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分として(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂、(B)成分として(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)成分として(C)光重合開始剤、(D)成分として(D)無機フィラー、(E)成分として(E)硬化剤及び(F)成分として(F)ビスマレイミド化合物を含有する。本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び一般式(2)又は(4)で表される構造単位を有するビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸とのエステル化物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応物を含み、(F)ビスマレイミド化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分量を基準として0.3〜35質量%である。
Figure 2018169464

式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n1は1以上の整数を示す。なお、複数存在するR11及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも一つのYはグリシジル基を示す。
Figure 2018169464

式(2)中、R12は水素原子又はメチル基を示し、Yはそれぞれ独立に水素原子又はグリシジル基を示す。なお、2つのR12は同一でも異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも一方はグリシジル基を示す。
Figure 2018169464

式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を示し、Yはそれぞれ独立に水素原子又はグリシジル基を示す。なお、2つのR13は同一でも異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも一方はグリシジル基を示す。
<(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂>
アルカリ現像が可能であり、解像性及び接着性に優れる観点から、(A)成分は、一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び一般式(2)又は(4)で表される構造単位を有するビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸とのエステル化物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応物を含む。すなわち、(A)成分は、一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び一般式(2)又は(4)で表される構造単位を有するビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂(a)と、ビニル基含有モノカルボン酸(b)とを反応させて得られる樹脂(A’)に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる樹脂(A”)を含む。
エポキシ樹脂(a)として、プロセス裕度が優れると共に、耐溶剤性を向上する観点から、一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂を用いてもよい。
一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、公知の方法でフェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂と、エピクロルヒドリンとを反応させることにより得ることができる。
一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、YDCN−701、YDCN−702、YDCN−703、YDCN−704、YDCN−704L、YDPN−638、YDPN−602(以上、新日鉄住金化学(株)製、商品名)、DEN−431、DEN−439(以上、ダウケミカル(株)製、商品名)、EOCN−120、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1012、EOCN−1025、EOCN−1027、BREN(以上、日本化薬(株)製、商品名)、EPN−1138、EPN−1235、EPN−1299(以上、BASF社製、商品名)、N−730、N−770、N−865、N−665、N−673、VH−4150、VH−4240(以上、DIC(株)製、商品名)が商業的に入手可能である。
エポキシ樹脂(a)としては、薄膜基板の反り性をより低減すると共に、耐熱衝撃性を向上する観点から、一般式(2)又は一般式(4)で表される構造単位を有するビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いてもよい。
一般式(4)において、R13が水素原子であり、Yがグリシジル基であるエポキシ樹脂としては、EXA−7376シリーズ(DIC(株)、商品名)として、また、R13がメチル基であり、Yがグリシジル基のものは、EPON SU8シリーズ(三菱化学(株)社製、商品名)として商業的に入手可能である。
ビニル基含有モノカルボン酸(b)としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等のアクリル酸誘導体、水酸基含有アクリレートと二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、ビニル基含有モノグリシジルエーテル若しくはビニル基含有モノグリシジルエステルと二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物が挙げられる。
半エステル化合物は、水酸基含有アクリレート、ビニル基含有モノグリシジルエーテル若しくはビニル基含有モノグリシジルエステルと二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。これらのビニル基含有モノカルボン酸(b)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水酸基含有アクリレート、ビニル基含有モノグリシジルエーテル及びビニル基含有モノグリシジルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、グリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。
二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水イタコン酸が挙げられる。
エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)との反応において、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して、ビニル基含有モノカルボン酸(b)が0.6〜1.05当量となる比率で反応させることが好ましく、0.8〜1.0当量となる比率で反応させることがより好ましい。
エポキシ樹脂(a)及びビニル基含有モノカルボン酸(b)は、有機溶剤に溶かして反応させることができる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤が挙げられる。
エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)との反応を促進させるために触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルメチルアンモニウムアイオダイド及びトリフェニルホスフィンが挙げられる。触媒の使用量は、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)との合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部である。
反応中の重合を防止する目的で、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール及びピロガロールが挙げられる。重合禁止剤の使用量は、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部である。
エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)との反応温度は、好ましくは60〜150℃であり、より好ましくは80〜120℃である。
樹脂(A’)は、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基とビニル基含有モノカルボン酸(b)のカルボキシル基との開環付加反応により形成される水酸基を有していると推察される。また、樹脂(A”)においては、樹脂(A’)に、更に多塩基酸無水物(c)を反応させることにより、樹脂(A’)における水酸基(エポキシ樹脂(a)中にある元来ある水酸基も含む)と、多塩基酸無水物(c)の酸無水物基とが半エステル化されていると推察される。
多塩基酸無水物(c)としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水イタコン酸が挙げられる。
樹脂(A’)と多塩基酸無水物(c)との反応温度は、60〜120℃とすることが好ましい。
樹脂(A’)と多塩基酸無水物(c)との反応において、樹脂(A’)中の水酸基1当量に対して、多塩基酸無水物(c)を0.1〜1.0当量反応させることで、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂の酸価を調整することができる。
必要に応じて、エポキシ樹脂(a)として、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用してもよく、(A)成分は、スチレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチルアクリレート変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチルアクリレート変性物等のスチレン−マレイン酸系樹脂を併用してもよい。
(A)成分の酸価は30〜150mgKOH/gであることが好ましく、40〜120mgKOH/gであることがより好ましく、50〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が30mgKOH/g以上であると感光性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が向上する傾向があり、150mgKOH/g以下であると硬化膜の電気特性が向上する傾向がある。
(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることが特に好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であると、耐熱性、電気特性及び耐薬品性により優れた硬化膜を形成することができる。
<(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物>
(B)成分であるエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を1以上有する化合物であれば特に限定されない。
(B)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート化合物、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート化合物、メラミン(メタ)アクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン及びビニルトルエンが挙げられる。(B)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
光硬化による架橋密度を上げ耐熱性及び電気絶縁性を向上させる観点から、(B)成分は、エチレン性不飽和基を3以上有する光重合性化合物を含むことが好ましい。エチレン性不飽和基を3以上有する光重合性化合物として、例えば、ジペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。
<(C)光重合開始剤>
(C)成分である光重合開始剤としては、(B)成分を重合させることができれば、特に限定されない。(C)成分としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等のイミダゾール化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム]等のオキシムエステル化合物;N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミンが挙げられる。(C)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<(D)無機フィラー>
(D)成分である無機フィラーとしては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al/5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO−Al)、イットリア含有ジルコニア(Y−ZrO)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、ハイドロタルサイト、雲母、焼成カオリン、カーボン(C)等を使用することができる。(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
D)成分を一次粒径のまま、凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤で処理された無機フィラーを用いてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が挙げられる。具体的な化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルシラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン、モノメチルトリイソシアネートシラン、テトライソシアネートシラン及びγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
(A)成分のカルボキシキ基と反応する官能基を有するシランカップリング剤として、例えば、エポキシシラン、アクリルシラン又はメタクリルシランを用いてもよい。このようなシランカップリング剤は、(D)成分と(A)成分との結合を強めるため、硬化膜の強度をより高めることができ、温度サイクル試験における耐クラック性の低減に寄与する。また、(B)成分のエチレン性不飽和基との反応する官能基を有するシランカップリング剤として、例えば、メルカプトシラン又はイソシアネートシランを用いてもよい。
解像性及び低熱膨張率の観点から、(D)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として20〜60質量%であることが好ましいが、30〜55質量%であることがより好ましく、35〜50質量%であることが更に好ましい。(D)成分の含有量が上記範囲内である場合には、低熱膨張率、耐熱性、絶縁信頼性、耐熱衝撃性、解像性、膜強度等をより向上させることができる。
(D)成分の平均粒径は、0.01〜1μmが好ましく、実用性及び解像性の観点から、0.1〜1μmであることがより好ましく、0.3〜0.7μmであることが更に好ましい。(D)無機フィラーは、その最大粒子径が0.1〜5μmであると好ましく、0.1〜3μmであるとより好ましく、0.1〜1μmであると更に好ましい。
(D)成分は、低膨張性及び耐熱性を向上できる観点から、シリカを含んでもよい。(D)成分は、はんだ耐熱性、HAST性(絶縁信頼性)、耐クラック性(耐熱衝撃性)及び耐PCT試験後のアンダーフィルと硬化膜との接着強度を向上できる観点から、硫酸バリウム微粒子を含んでもよい。シリカは、凝集防止効果を向上できる観点から、アルミナ及び/又は有機シラン系化合物で表面処理されていてもよい。
(D)成分としてシリカを用いる場合の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0〜70質量%であることが好ましく、20〜65質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることが更に好ましい。シリカの含有量が上記範囲内であると、アンダーフィル等との密着性をより向上させ、反り性を低減させて剛性を維持し易くなる。
<(E)硬化剤>
(E)成分である硬化剤としては、それ自体が熱、紫外線等で硬化する化合物、又は、(A)成分のカルボキシル基又は水酸基と、熱、紫外線等で反応して硬化する化合物を用いることができる。(E)成分を用いることで、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の耐熱性、接着性、耐薬品性等を向上させることができる。
(E)硬化剤としては、例えば、エポキシ化合物、メラミン化合物、尿素化合物、オキサゾリン化合物、ブロック型イソシアネート等の熱硬化性化合物が挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂あるいは、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂及びビキシレノール型エポキシ樹脂が挙げられる。メラミン化合物としては、例えば、トリアミノトリアジン、ヘキサメトキシメラミン及びヘキサブトキシ化メラミンが挙げられる。尿素化合物としては、例えば、ジメチロール尿素が挙げられる。
(E)硬化剤は、硬化膜の耐熱性をより向上させる観点から、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)又はブロック型イソシアネートを含むことが好ましく、エポキシ化合物とブロック型イソシアネートとを併用することがより好ましい。
ブロック型イソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、並びにこれらのアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体が挙げられる。
イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール及びエチルフェノール等のフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−パレロラクタム、γ−ブチロラクタム及びβ−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤;アセト酢酸エチル及びアセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル及び乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤;ホルムアルデヒドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド及びマレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;メチレンイミン及びプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤が挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。(E)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、2〜40質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。(E)成分の含有量を、上記範囲内にすることにより、良好な現像性を維持しつつ、形成される硬化膜の耐熱性をより向上することができる。
<(F)ビスマレイミド化合物>
(F)成分であるビスマレイミド化合物は、公知の方法(例えば、特公昭51−6153号公報、米国特許第3018290号明細書を参照)に従って、ジアミン化合物と無水マレイン酸を反応させて、ジアミン化合物をマレイミド化することにより合成される。
ジアミン化合物として、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン及び1,4−ビス{1−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1−メチルエチル}ベンゼンが挙げられる。
(F)成分として、例えば、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビスマレイミド、N,N’−デカメチレンビスマレイミド、N,N’−オクタメチレンビスマレイミド、N,N’−ヘプタメチレンビスマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−ペンタメチレンビスマレイミド、N,N’−テトラメチレンビスマレイミド、N,N’−トリメチレンビスマレイミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、N,N’−(オキシジメチレン)ビスマレイミド、1,13−ビスマレイミド−4,7,10−トリオキサトリデカン、1,11−ビスマレイミド−3,6,9−トリオキサウンデカン等の脂肪族系ビスマレイミド化合物;N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(1,2−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(1,5−ナフチレン)ビスマレイミド、N,N’−(4−クロロ−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(メチレンジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(スルホニルジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(オキシジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(ベンジリデンジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(3−クロロ−4−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(3−メチル−4−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(3−メトキシ−4−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(チオジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−3,3’−ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’−[メチレンビス(3−メチル−5−エチル−4−フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[テトラメチレンビス(オキシ−p−フェニレン)]ビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)]スルホン、1,4−フェニレンビス(4−マレイミドフェノキシ)、ビス[3−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−フェニレンビス(4−マレイミドフェノキシ)、ビス[4−(4−マレイミドフェニルチオ)フェニル]エーテル等の芳香族系マレイミド化合物が挙げられる。
(F)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全質量中の0.3〜35質量%であり、1〜32質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることが更に好ましい。この範囲であると、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜は、充分なアンダーフィルとの密着性を向上させ、反り性と剛性をより向上することができる。
<(G)顔料>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、製造装置の識別性又は外観を向上させる観点から、(G)成分として顔料を更に含有してもよい。(G)成分としては、配線を隠蔽する等の際に所望の色を発色する着色剤を用いることができる。(G)成分としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知の着色剤が挙げられる。
(G)成分の含有量は、配線をより隠蔽させる観点から、感光性樹脂組成物中の固形分全量を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜8質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
<(H)エラストマー>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(H)成分としてエラストマーを更に含有することができる。エラストマーを含有することにより、感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の可とう性、アンダーフィルとの密着性等をより向上させることができる。(H)成分は、特に、特に、本実施形態の感光性樹脂組成物を半導体パッケージ基板に用いる場合に好適に使用することができる。感光性樹脂組成物に(H)成分を添加することにより、(A)成分の硬化収縮による樹脂内部の歪み(内部応力)に起因する可とう性及び接着強度の低下を抑えることができる。
(H)成分としては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。これらのエラストマーは、耐熱性及び強度に寄与するハードセグメント成分と、柔軟性及び強靭性に寄与するソフトセグメント成分から構成されている。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマーが挙げられる。スチレン系エラストマーを構成する成分としては、スチレンの他に、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体を用いることができる。
スチレン系エラストマーとして、例えば、タフプレン、ソルプレンT、アサプレンT、タフテック(以上、旭化成(株)製)、エラストマーAR(アロン化成(株)製)、クレイトンG、過リフレックス(以上、シェルジャパン製)、JSR−TR、TSR−SIS、ダイナロン(以上、JSR(株)製)、デンカSTR(デンカ(株)製)、クインタック(日本ゼオン(株)製)、TPE−SBシリーズ(住友化学工業(株)製)、ラバロン(三菱化学(株)製)、セプトン、ハイブラー(以上、クラレ製)、スミフレックス(住友ベークライト(株)製)、レオストマー、アクティマー(以上、リケンテクノス(株)製)等を用いることができる。
オレフィン系エラストマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン等の炭素数2〜20のα−オレフィンの共重合体を用いることができる。オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数2〜20の非共役ジエンとα−オレフィン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性NBRが挙げられる。オレフィン系エラストマーとして、例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム及びブテン・α−オレフィン共重合体ゴムが挙げられる。オレフィン系エラストマーとして、例えば、ミラストマ(三井化学(株)製)、EXACT(エクソン化学製)、ENGAGE(ダウケミカル製)、水添スチレン−ブタジエンラバー“DYNABON HSBR”(JSR(株)製)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体“NBRシリーズ”(JSR(株)製)、両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体の“XERシリーズ”(JSR(株)製)、ポリブタジエンを部分的にエポキシ化したエポキシ化ポリブダジエンのBF−1000(日本曹達(株)製)、PB−4700((株)ダイセル製)等を用いることができる。
ウレタン系エラストマーとしては、低分子(短鎖)ジオール及びジイソシアネートからなるハードセグメントと、高分子(長鎖)ジオール及びジイソシアネートからなるソフトセグメントとから構成される化合物を用いることができる。
短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及びビスフェノールAが挙げられる。短鎖ジオールの数平均分子量は、48〜500が好ましい。短鎖ジオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及びビスフェノールAが挙げられる。
長鎖ジオールとして、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン−1,4−ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)及びポリ(1,6−ヘキシレン−ネオペンチレンアジペート)が挙げられる。長鎖ジオールの数平均分子量は、500〜10000が好ましい。
ウレタン系エラストマーの具体例としては、PANDEX T−2185、T−2983N(DIC(株)製)、ミラクトランE790(日本ミラクトラン(株)製)等が挙げられる。
ポリエステル系エラストマーとしては、ジカルボン酸又はその誘導体と、ジオール化合物又はその誘導体とを重縮合して化合物を用いることができる。
ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの芳香核の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオール又は脂環式ジオール、及び、下記一般式(5)で示される二価フェノールが挙げられる。
Figure 2018169464

式中、Y11は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基又はスルホニル基を示し、R21及びR22はそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、p及びqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、rは0又は1を示す。
一般式(5)で示される二価フェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン及びレゾルシンが挙げられる。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル系エラストマーとして、芳香族ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート)をハードセグメント成分に、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリテトラメチレングリコール)部分をソフトセグメント成分にしたマルチブロック共重合体を用いることができる。ハードセグメント及びソフトセグメントの種類、比率、分子量の違いによりさまざまなグレードのポリエステル系エラストマーがある。ポリエステル系エラストマーとして、ハイトレル(デュポン−東レ(株)製、「ハイトレル」は登録商標)、ペルプレン(東洋紡績(株)製、「ペルプレン」は登録商標)、エスペル(日立化成(株)製、「エスペル」は登録商標)等が商業的に入手可能である。
ポリアミド系エラストマーは、ハードセグメントにポリアミドを、ソフトセグメントにポリエーテル又はポリエステルを用いたポリエーテルブロックアミド型とポリエーテルエステルブロックアミド型との2種類に大別される。
ポリアミドとしては、ポリアミド−6、11、12等が用いられる。ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール等が用いられる。ポリアミド系エラストマーとして、例えば、UBEポリアミドエラストマ(宇部興産(株)製)、ダイアミド(ダイセルヒュルス(株)製)、PEBAX(東レ(株)製)、グリロンELY(エムスジャパン(株)製)、ノパミッド(三菱化学(株)製)、グリラックス(大日本インキ(株)製)を用いることができる。
アクリル系エラストマーは、アクリル酸エステルに基づく構成単位を主成分として含む化合物を用いることができる。アクリル酸エステルとして、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート及びエトキシエチルアクリレートが挙げられる。アクリル系エラストマーは、アクリル酸エステルと、アクリロニトリルとを共重合した化合物であってもよく、架橋点となる官能基を有するモノマーとを更に共重合した化合物であってもよい。官能基を有するモノマーとして、例えば、グリシジルメタクリレート及びアリルグリシジルエーテルが挙げられる。アクリル系エラストマーとして、例えば、アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−エチルアクリレート共重合体及びアクリロニトリル−ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
シリコーン系エラストマーは、オルガノポリシロキサンを主成分とする化合物である。オルガノポリシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン及びポリジフェニルシロキサンが挙げられる。一部をビニル基、アルコキシ基等で変性したものもある。シリコーン系エラストマーとして、例えば、KEシリーズ(信越化学工業(株)製)、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)等が挙げられる。
上述したエラストマー以外に、ゴム変性したエポキシ樹脂を用いることもできる。ゴム変性したエポキシ樹脂は、例えば、上述のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が有するエポキシ基の一部又は全部を、両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリロニトリルゴム、末端アミノ変性シリコーンゴム等で変性することによって得られる。これらのエラストマーの中で、せん断接着性の点で、両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、水酸基を有するポリエステル系エラストマーであるエスペル(日立化成(株)製、エスペル1612、1620)、エポキシ化ポリブダジエン等が好ましい。また、室温において液状であるエラストマーが特に好ましい。
(H)成分を用いる場合の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.5〜20質量%であることが好ましく、0.8〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。(H)エラストマーの含有量を、上記範囲内にすることにより、良好な現像性を維持しつつ、アンダーフィル材と硬化膜との密着性をより向上させることができる。また、薄膜基板に用いる場合には、薄膜基板の反り性を低減させることができる。
<その他の成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、形成される硬化膜の耐熱性、接着性、耐薬品性等の諸特性をさらに向上させる目的で、硬化促進剤を添加してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト:三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;上述の多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
硬化促進剤を用いる場合の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、硬化膜の可とう性をより向上させる観点から、熱可塑性樹脂を加えてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂を含有させる場合の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、各種添加剤を更に混合してもよい。添加剤としては、例えば、メラミン、有機ベントナイト等の有機微粒子、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、ビニル樹脂系の消泡剤、シランカップリング剤、臭素化エポキシ化合物、酸変性臭素化エポキシ化合物、アンチモン化合物、及びリン系化合物のホスフェート化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等の難燃剤及び希釈剤が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の各成分をロールミル、ビーズミル等で均一に混合することにより調製することができる。
[感光性エレメント]
本実施形態の感光性エレメントは、支持フィルムと、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光層とを備える。図1は、本実施形態の感光性エレメントを模式的に示す断面図である。図1に示されるように、感光性エレメント1は、支持フィルム10と、支持フィルム10上に形成された感光層20とを備えている。また、感光層20上には、感光層20を被覆する保護フィルム30を更に備えていてもよい。
本実施形態の感光性エレメント1は、本実施形態の感光性樹脂組成物を、リバースロールコート、グラビアロールコート、コンマコート、カーテンコート等の公知の方法で支持フィルム10上に塗布した後、塗膜を乾燥して感光層20を形成することで作製することができる。
支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。支持フィルムの厚さは、例えば、5〜100μmである。感光層の厚さは、例えば、10〜100μmである。
塗膜の乾燥は、熱風乾燥、遠赤外線又は近赤外線を用いた乾燥を用いることができ、乾燥温度は、例えば、60〜120℃であり、乾燥時間は、1〜60分である。
本実施形態の感光性エレメント1は、感光層20の支持フィルム10と接する面とは反対側の面に保護フィルム30を積層することもできる。保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムを用いてもよい。
[レジストパターンの形成方法]
本実施形態のレジストパターンの形成方法は、基板上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて感光層を形成する工程と、感光層を所定のパターン露光し、露光後加熱処理を行う工程と、加熱処理後の感光層を現像し、得られた樹脂パターンを露光又は加熱処理する工程とを含む。
まず、銅張積層板等の基板を準備し、該基板上に、感光層を形成する。スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、カーテンコート法、静電塗装法等の方法で、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して形成された塗膜を60〜110℃で乾燥させて、感光層を設けることができる。塗膜の厚さは、10〜200μmであってもよい。また、ラミネータを用いて感光性エレメントの感光層を基板上に熱ラミネートすることにより、感光層を設けてもよい。
次に、感光層にネガフィルムを直接接触(又は支持フィルム等の透明なフィルムを介して非接触)させて、活性光を照射して、上記感光層を所定のパターンに露光する。活性光としては、電子線、紫外線、X線等が挙げられ、好ましくは紫外線である。光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等を使用することができる。露光量は、10〜1000mJ/cmが好ましい。さらに、露光後に加熱処理(露光後ベーク)を行った後、未露光部を希アルカリ水溶液で溶解除去(現像)してレジストパターンを形成する。加熱処理は、50〜150℃で1〜60分間することが好ましい。
次に、感光層の露光部分を後露光(紫外線露光)及び後加熱の少なくとも一方の処理によって十分硬化させて硬化膜を形成する。後露光の露光量は、1〜5J/cmで行うことが好ましく、後加熱は、100〜200℃で30分〜12時間行うことが好ましい。
[半導体装置]
本実施形態の半導体装置は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物を備えている。本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物は、例えば、半導体素子の表面保護膜及び/又は層間絶縁膜として好適に用いることができる。半導体素子の表面保護膜(オーバーコート膜)及び/又は層間絶縁膜(パッシベーション膜)、あるいは、多層プリント配線板におけるソルダーレジスト及び/又は層間絶縁層として好適に用いることができる。
図2は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物をソルダーレジスト及び/又は層間絶縁膜として含む多層プリント配線板の製造方法を示す図である。図2の(f)に示す多層プリント配線板100Aは表面及び内部に配線パターンを有する。多層プリント配線板100Aは、銅張積層体、層間絶縁膜、金属箔等を積層するとともにエッチング法又はセミアディティブ法によって配線パターンを適宜形成することによって得られる。以下、多層プリント配線板100Aの製造方法を図2に基づいて簡単に説明する。
まず、表面に配線パターン102を有する銅張積層体101の両面に層間絶縁膜103を形成する(図2の(a)参照)。層間絶縁膜103は、スクリーン印刷機又はロールコータを用いて感光性樹脂組成物を印刷することにより形成してもよいし、上述の感光性エレメントを予め準備し、ラミネータを用いて、該感光性エレメントにおける感光層をプリント配線板の表面に貼り付けて形成することもできる。
次いで、外部と電気的に接続することが必要な箇所以外の領域を露光し、現像処理することで、開口部104を形成する(図2の(b)参照)。開口部104周辺のスミア(残渣)はデスミア処理により除去する。次いで、無電解めっき法によりシード層105を形成する(図2の(c)参照)。上記シード層105上に感光性樹脂組成物を含む感光層を形成し、所定の箇所を露光、現像処理して配線パターン106を形成する(図2の(d)参照)。次いで、電解めっき法により配線パターン107を形成し、剥離液により感光性樹脂組成物の硬化物を除去した後、上記シード層105をエッチングにより除去する(図2の(e)参照)。
以上の操作を繰り返し行い、最表面に上述の感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト108を形成することで多層プリント配線板100Aを作製することができる(図2の(f)参照)。このようにして得られた多層プリント配線板100Aは、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することが可能である。
回路を形成するための方法については特に制限はなく、内層回路の上に感光層を形成し、この感光層の上に、めっき法により外層回路を形成する。外層回路の形成では、まず、感光層を粗化処理することが好ましい。粗化液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液等の酸化性粗化液を用いることができる。粗化処理としては、例えば、まず膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとNaOHとの水溶液を80℃に加温して積層板又は多層配線板を5分間浸漬処理する。次に、粗化液として、KMnOとNaOHとの水溶液を80℃に加温して10分間浸漬処理する。引き続き、中和液、例えば、塩化第一錫(SnCl)の塩酸水溶液に室温で5分間浸漬処理し、KMnOを還元する。
粗化処理後、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬して行われる。次に、無電解めっき液に浸漬してプライマー樹脂組成物層の表面全面に厚さが0.1〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる。必要により、更に電気めっきを行って必要な厚さとする。無電解めっきに使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。また、電気めっきについても公知の方法によることができ特に制限はない。これらのめっきは銅めっきであることが好ましい。さらに、不要な箇所をエッチング除去して回路層を形成することができる。更に同様の工程を繰り返して層数の多い多層配線板を製造できる。
なお、粗化処理はビアのスミアを除去するためにも行われるため、粗化条件に関しては使用したガラスクロス入り基材のスミア除去性を考慮して選んでよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコに、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(EXA−7376、DIC(株)製、一般式(II)中、Y及びYがグリシジル基、R12が水素原子である構造を有するビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:186)350質量部、アクリル酸70質量部、メチルハイドロキノン0.5質量部及びカルビトールアセテート120質量部を仕込み、90℃で加熱攪拌して混合物を完全に溶解した。次に、得られた溶液を60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン2質量部を加え、100℃に加熱して、溶液の酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応後の溶液に、テトラヒドロ無水フタル酸(THPAC)98質量部とカルビトールアセテート85質量部とを加え、80℃で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、固形分が73質量%である(A1)成分としてのTHPAC変性ビスフェノールFノボラック型エポキシアクリレート(エポキシアクリレート(1))を得た。
(合成例2)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(一般式(IV)中、Yが水素原子、R14が水素原子である構造を有するビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:526)1052質量部、アクリル酸144質量部、メチルハイドロキノン1質量部、カルビトールアセテート850質量部及びソルベントナフサ100質量部を仕込み、70℃で加熱撹拌して混合物を溶解した。次に、溶液を50℃に冷却し、トリフェニルホスフィン2質量部及びソルベントナフサ75質量部を加え、100℃に加熱して、溶液の酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させた。次に、反応後の溶液に、THPAC745質量部、カルビトールアセテート75質量部及びソルベントナフサ75質量部を加え、80℃で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、固形分酸価が80mgKOH/g、固形分が62質量%である(A2)成分としてのTHPAC変性ビスフェノールF型エポキシアクリレート(エポキシアクリレート(2))を得た。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
表1に示す配合量(単位:質量部)で各成分を配合し、3本ロールミルで混練し、固形分濃度が70質量%になるようにカルビトールアセテートを加えて、感光性樹脂組成物を得た。なお、表1中の各成分の配合量は、固形分の質量部である。
Figure 2018169464
なお、表1中の各材料の詳細は以下の通りである。
・エポキシアクリレート(1):合成例1で得られた酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂
・エポキシアクリレート(2):合成例2で得られた酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂
・DPHA:ジペンタエリストールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名)
・イルガキュア907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン(BASF社製、商品名)
・DETX−S:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製、商品名)
・B34:硫酸バリウム粒子(堺化学工業(株)製、商品名、平均粒径:0.3μm)
・SFP20M:シリカ粒子(デンカ(株)製、商品名、平均粒径:0.3μm)
・YX4000X:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名)
・BMI−3000:ビスマレイミド化合物(大和化成工業)
・フタロシアニン系顔料:(山陽色素(株)製、商品名)
・PB−3600:エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学(株)製、商品名)
<感光性エレメントの作製>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名「G2−16」)上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように均一に塗布した後、熱風対流式乾燥機を用いて75℃で約30分間乾燥して感光層を形成した。次いで、感光層の支持エレメントと接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−15」)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性エレメントを得た。
感光性エレメントを用いて、下記に示す条件で各評価を行った。結果を表2に示す。
(解像性)
感光性エレメントの保護フィルムを剥離しながら厚さ1.0mmの銅張積層基板(日立化成(株)製、商品名「MCL−E−67」)上に、連プレス式真空ラミネータ((株)名機製作所製、商品名「MVLP−500」)を用いて、圧着圧力0.4MPa、プレス熱板温度80℃、真空引き時間40秒間、ラミネートプレス時間20秒間、気圧4kPa以下で行い、感光層をラミネートし、積層体を得た。次いで、積層体の支持体を剥がし、所定サイズのビアパターンを有するネガマスクを介してi線露光装置(ウシオ(株)製、商品名「UX−2240SM―XJ−01」)を用いて100〜500mJ/cmの範囲で50mJ/cmずつ変化させながら露光した。その後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で30℃での最短現像時間(感光層の未露光部が除去される最短時間)の2倍に相当する時間、1.765×10Paの圧力でスプレー現像し、未露光部を溶解現像した。次に、紫外線露光装置(GS YUASA製、商品名「6kW×2」)を用いて2000mJ/cmの露光量で露光し、170℃で1時間加熱して、試験片を作製した。その後、金属顕微鏡を用い、以下の基準で評価した。
A:開口するマスクの最小径が50μm未満。
B:開口するマスクの最小径が50〜100μm。
C:開口するマスクの最小径が100μm超。
(銅との密着性)
上記積層体の支持体を剥がし、i線露光装置を用いて500mJ/cmで全面露光した後、紫外線露光装置を用いて2000mJ/cmの露光量で露光し、170℃で1時間加熱し、銅張積層基板上に硬化膜を形成した。
次いで、化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200mL/L、水酸化ナトリウム:5g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して10分間浸漬処理した。次に、粗化液として、過マンガン酸カリウム:60g/L、水酸化ナトリウム:40g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して15分間浸漬処理した。引き続き、中和液(塩化スズ(SnCl):30g/L、塩化水素:300ml/L)の水溶液を調製し、40℃に加温して5分間浸漬処理し、過マンガン酸カリウムを還元した。
硬化膜上に導体層を形成するために、まず、塩化鉛(PdCl)を含む無電解めっき用触媒アクチベーターネオガント834(アトテック・ジャパン社製、商品名)を35℃に加温して5分間浸漬処理し、無電解銅めっき用のめっき液プリントガントMSK−DK(アトテック・ジャパン社製、商品名)に室温(25℃)で15分間浸漬し、硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを180℃で60分間行い、厚さ35μmの導体層を形成した。導体層にエッチング処理によって、幅10mm、長さ50mmの領域を形成し、この領域の一端を導体層(銅層)と硬化膜との界面で10mm剥がした。次いで、剥がした硬化膜をつかみ具でつまみ、シリコンウェハの厚み方向(垂直方向)に引張り速度50mm/分、室温で引き剥がした時の荷重(ピール強度)を測定した。銅との密着性を以下の基準で評価した。
A:ピール強度が0.6kN/m超。
B:ピール強度が0.4〜0.60kN/m。
C:ピール強度が0.4kN/m未満。
[アンダーフィルとの密着性]
上記積層体の支持体を剥がし、i線露光装置を用いて500mJ/cmで全面露光した後、紫外線露光装置を用いて2000mJ/cmの露光量で露光し、170℃で1時間加熱し、銅張積層基板上に硬化膜を形成して、試験片を作製した。試験片の硬化膜上に、直径3.0mmの円形であるモールドアンダーフィル(日立化成(株))製、商品名「CEL−C−3730」)を接着後、試験片に対して平行方向にモールドアンダーフィルを引っかき、モールドアンダーフィル剥離後の試験片面の様子を観察した。以下の基準で、判断した。
A:アンダーフィルと硬化膜とが高強度で密着したことにより、剥離部分にレジストがなくなり、試験片材料の銅箔面が析出した。
C:アンダーフィルと硬化膜との密着不良により、剥離部分にレジストが残った。
(シリコンウェハとの密着性)
感光性エレメントの保護層を剥離しながら6インチのウェハ上にプレス式真空ラミネータを用いて、圧着圧力0.4MPa、プレス熱板温度80℃、真空引き時間40秒間、ラミネートプレス時間20秒間、気圧4kPa以下で行い、感光層をラミネートし、積層体を得た。次いで、積層体の支持体を剥がし、i線露光装置を用いて500mJ/cmで全面露光した。次に、紫外線露光装置を用いて2000mJ/cmの露光量で露光し、170℃で1時間加熱し、シリコンウェハ上に硬化膜を形成した。その後、エポキシ接着剤のついたAl製スタッドを硬化膜上に垂直に設置し、オーブンで150℃、1時間加熱処理を行い、試験片を得た。試験片上のスタッドを薄膜密着強度測定装置(QuadGroup社製)のチャックへ固定し、硬化膜に対して垂直に力を加え、以下の基準で評価した。
A:エポキシ接着剤が凝集破壊。
C:硬化膜とシリコンウェハとの界面で剥離。
(反り性及び剛性)
感光性エレメントの保護層を剥離しながら厚さ40μmの銅無し積層基板(340mm×340mm、日立化成(株)製、商品名「MCL−E−700」)上に、連プレス式真空ラミネータを用いて、圧着圧力0.4MPa、プレス熱板温度80℃、真空引き時間40秒間、ラミネートプレス時間20秒間、気圧4kPa以下で行い、感光層をラミネートし、積層体を得た。次に、積層体の支持体を剥がし、所定サイズのビアパターンを有するネガマスクを介してi線露光装置を用いて100〜500mJ/cmの範囲で50mJ/cmずつ変化させながら露光した。その後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で30℃での最短現像時間(感光性樹脂組成物層の未露光部が除去される最短時間)の2倍に相当する時間、1.765×10Paの圧力でスプレー現像し、未露光部を溶解現像した。次に、紫外線露光装置を用いて2000mJ/cmの露光量で露光し、170℃で1時間加熱して、基板上に硬化膜が形成された試験片を作製した。
硬化膜を下にして試験片を定盤上に置き、反りの高さを測定した。反り性を以下の基準で評価した。
A:反りが1mm未満。
B:反りが1〜2mm。
C:反りが2mm超。
試験片の端を100mm固定し、試験片をたらした際の変形する長さを測定した。剛性を以下の基準で評価した。
A:変形が200mm超。
B:変形が100〜200mm。
C:変形が100mm未満。
Figure 2018169464
表2から明らかなように、実施例1〜5では、解像性、各種材料との密着性、耐反り性及び剛性に優れていた。本発明の感光性樹脂組成物によれば、優れた解像性を維持しつつ、各種材料との密着性、耐反り性及び剛性を有する硬化膜を形成できることが確認された。
1…感光性エレメント、10…支持フィルム、20…感光層、30…保護フィルム、100A…多層プリント配線板、101…銅張積層体、102、106、107…配線パターン、103…層間絶縁膜、104…開口部、105…シード層、108…ソルダーレジスト。

Claims (7)

  1. (A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)無機フィラー、(E)硬化剤及び(F)ビスマレイミド化合物を含有する感光性樹脂組成物であり、
    前記(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、下記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び下記一般式(2)又は(4)で表される構造単位を有するビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸とのエステル化物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応物を含み、
    前記(F)ビスマレイミド化合物の含有量が、前記感光性樹脂組成物の全固形分量を基準として0.3〜35質量%である、感光性樹脂組成物。
    Figure 2018169464

    [式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n1は1以上の整数を示す。なお、複数存在するR11及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも一つのYはグリシジル基を示す。]
    Figure 2018169464

    [式(2)中、R12は水素原子又はメチル基を示し、Yはそれぞれ独立に水素原子又はグリシジル基を示す。なお、2つのR12は同一でも異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも一方はグリシジル基を示す。]
    Figure 2018169464

    [式(4)中、R13は水素原子又はメチル基を示し、Yはそれぞれ独立に水素原子又はグリシジル基を示す。なお、2つのR13は同一でも異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも一方はグリシジル基を示す。]
  2. (B)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を3以上有する光重合性化合物を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. (G)顔料を更に含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (H)エラストマーを更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 支持フィルムと、該支持フィルム上に形成された請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える、感光性エレメント。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を、表面保護膜又は層間絶縁膜として備える、半導体装置。
  7. 基板上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光層を形成する工程と、
    前記感光層を所定のパターン露光し、露光後加熱処理を行う工程と、
    前記加熱処理後の前記感光層を現像し、得られた樹脂パターンを露光又は加熱処理する工程と、
    を含む、レジストパターンの形成方法。
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