JP2018169360A - 電波時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度の電波時計を提供する。【解決手段】電波時計は、風防31と、裏蓋を含む金属製の外装ケースと、風防31の裏側に配置されるアンテナ10aと、外装ケースの中に配置される文字板51と、一端がアンテナ10aと接し、アンテナ10aと受信回路とを電気的に接続する導電ピン41と、導電ピン41の外側を覆い、外装ケースの内側に配置される高誘電部材36a、36bと、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、衛星等から信号を受信する電波時計に関する。
GPS(Global Positioning System)を構成する衛星等からの送信信号に含まれる時刻情報を受信して時刻を修正する携帯型の電波時計が実用に供されている。電波の受信のためのアンテナの種類および配置は、時計の機能を損なわずかつ必要な受信感度が得られるように決定されている。
特許文献1には、窓材の外周部の内面上にアンテナを形成し、アンテナとムーブメント内の回路基板とを導電ピンを介して導通することが開示されている。
特開2003−315475号公報
本願発明者らは、腕時計のような携帯時計の外周に沿ってアンテナ電極を配置し、受信回路が配置される基板とアンテナ電極とを導電ピンで接続することを検討している。一方、アンテナ電極と受信回路とを電気的に接続する配線は、周囲の金属部材やノイズの影響を受けやすく、受信感度が低下しやすかった。例えば、ベゼルが金属製の場合には、受信感度が大きく低下する。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高感度の電波時計を提供することである。
(1)風防と、裏蓋を含む金属製の外装ケースと、前記風防の裏側に配置されるアンテナと、前記外装ケースの中に配置される文字板と、一端が前記アンテナと接し、前記アンテナと受信回路とを接続する回路を構成する導電ピンと、前記導電ピンの外側を覆い、前記外装ケースの内側に配置される高誘電部材と、を含む電波時計。
(2)(1)において、前記風防と前記文字板との間に配置されるカバー部材をさらに含み、前記カバー部材は前記導電ピンが挿通する切欠きまたは開口を備え、前記高誘電部材は前記切欠きまたは前記開口に配置される、電波時計。
(3)(1)または(2)において、前記高誘電部材は、平面視で前記導電ピンを囲む、電波時計。
(4)(1)において、前記高誘電部材は、前記風防と前記文字板との間に配置され前記外装ケースの内周面に隣接するカバー部材である、電波時計。
(5)(1)から(4)のいずれかにおいて、前記カバー部材は、前記導電ピンに隣接しかつ前記風防から離れる方向に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記高誘電部材が配置される切欠きを備える、電波時計。
(6)(1)から(5)のいずれかにおいて、前記アンテナと前記裏蓋との間に配置されるバラン回路をさらに含み、前記導電ピンは前記アンテナと前記バラン回路とを電気的に接続し、前記高誘電部材は、前記バラン回路の外側を覆い、前記外装ケースの内側に配置される、電波時計。
(7)(6)において、前記高誘電部材は、さらに前記バラン回路と前記裏蓋との間に配置される、電波時計。
(8)(6)または(7)において、前記高誘電部材は、前記導電ピンが挿通される開口を有し、前記バラン回路の前記文字板側を覆う、電波時計。
(9)(1)から(7)のいずれかにおいて、前記文字板と前記裏蓋との間に配置され、前記受信回路を含むムーブメントをさらに含み、前記ムーブメントの前記裏蓋側を覆う第1の部分、および、前記ムーブメントの外周側を覆う第2の部分を含む第2の高誘電部材を有する、電波時計。
(10)(9)において、前記第2の高誘電部材の前記第2の部分は、樹脂により形成される、電波時計。
(11)(9)または(10)において、前記第2の高誘電部材は、開口または切欠きを有する、電波時計。
(12)(11)において、前記第2の高誘電部材に含まれる開口または切欠きに挿通される操作部材をさらに含む、電波時計。
(13)(11)において、前記第2の高誘電部材に含まれる開口または切欠きに挿通される接地配線をさらに含む、電波時計。
本発明によれば、受信感度の高い電波時計を提供することができる。
第1の実施形態にかかる衛星電波腕時計の一例を示す平面図である。 図1に示される衛星電波腕時計のII−II切断線における断面図である。 導電ピンおよび高誘電部材の配置の一例を示す部分平面図である。 導電ピンに接続されるバラン基板の一例を示す平面図である。 アンテナ、バラン回路、受信回路の構成の一例を示すブロック図である。 導電ピンおよび高誘電部材の配置の他の一例を示す部分平面図である。 導電ピンおよび高誘電部材の配置の他の一例を示す部分平面図である。 導電ピンおよび高誘電部材の配置の他の一例を示す部分平面図である。 導電ピンおよび高誘電部材の配置の他の一例を示す部分平面図である。 導電ピンと見返しリングの配置の他の一例を示す部分平面図である。 導電ピンと見返しリングの配置の他の一例を示す部分平面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す断面図である。 図14に示される衛星電波腕時計の導電ピンおよび高誘電部材の配置を示す平面図である。 第2の実施形態にかかる衛星電波腕時計の一例を示す断面図である。 バラン基板を覆う高誘電部材の他の一例を示す部分断面図である。 バラン基板を覆う高誘電部材の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を模式的に示す断面図である。 導電ピンおよび高誘電部材の配置の一例を示す平面図である。 裏蓋および高誘電部材の配置の一例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では本発明の実施形態にかかる衛星電波腕時計1について説明する。本実施形態に係る衛星電波腕時計1は、時刻情報を含んだ衛星電波を受信し、当該受信された衛星電波に含まれる時刻情報を用いて自身が計時している時刻の修正や測位を行う。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態にかかる衛星電波腕時計1の外観の一例を示す平面図であり、図2は、図1に示される衛星電波腕時計1のII−II切断線における断面図である。これらの図に示されるように、衛星電波腕時計1は、風防ガラス31と、風防ガラス31を保持するベゼル32と、円筒状の胴38と、胴38の下に設けられる図示しない裏蓋39とを含む。これらは衛星電波腕時計1の外形を構成している。胴38およびベゼル32は、風防ガラス31および裏蓋39に挟まれている。胴38、ベゼル32、裏蓋39は、衛星電波腕時計1の外装ケースを構成している。以下では、衛星電波腕時計1の中心から風防ガラス31へ向かう向きを上、裏蓋39へ向かう向きを下と表記する。
胴38は金属からなり、上下方向に貫かれる穴を有する。ベゼル32は胴38の穴の上部の形状に応じたリング状の部材である。ベゼル32は、金属からなる。ベゼル32はその胴38の穴の上部にはめ込まれることで胴38に接続されている。また裏蓋39は金属からなり胴38の穴の下部の形状に応じた平面を有し、裏蓋39はその穴の下部にはめ込まれている。風防ガラス31は、ベゼル32の開口の上部の形状に応じた平面形状を有し、ベゼル32のその開口にはめ込まれている。風防ガラス31とベゼル32とは図示しないパッキンを介して接しており、パッキンにより風防ガラス31が固定されている。またベゼル32と胴38とは図示しないパッキンを介して接しており、パッキンによりベゼル32が固定されている。また、耐衝撃性と防水性が劣るものの、パッキンの代わりにカシメや接着などでベゼル32に風防ガラス31を固定してもよい。
また、衛星電波腕時計1は、目隠し領域61、アンテナ10a,10b、リング状の見返しリング34、高誘電部材36a,36b、文字板51、時針52a、分針52b及び秒針52c、バラン回路21、図示しないソーラーセル、ムーブメント59、を含む。これらは、風防ガラス31、ベゼル32、胴38、裏蓋39に囲まれた空間に配置されている。ムーブメント59は、外装ケース内に配置されており、日板や、地板、バラン基板43、回路モジュール47、駆動回路などを含む。
アンテナ10a,10bは、風防ガラス31の下側(裏側)に、風防ガラス31の周縁に沿って延びるように配置されている。図1の例では、アンテナ10a,10bのそれぞれは円弧状である。アンテナ10a,10bは衛星から送信される衛星信号を受信する。特に本実施形態では、アンテナ10a,10bはいわゆるダイポールアンテナであり、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される周波数約1.6GHzの電波を受信する。GPSは、衛星測位システムの一種であって、地球の周囲を周回する複数のGPS衛星によって実現されている。また、アンテナ10a,10bは準天頂衛星システムを構成する衛星やGLONASSから送信される電波を受信してもよく、Bluetooth(登録商標)規格等に従った約2.4GHzの電波を送受信してもよい。
アンテナ10a,10bと風防ガラス31との間には、平面視でリング状の目隠し領域61が設けられている。目隠し領域61の下側の面の上にアンテナ10a,10bが接着あるいは蒸着されている。目隠し領域61は、例えば印刷により形成され、目隠し領域61により、アンテナ10a,10bが表側から視認されないようになっている。なお、目隠し領域61は設けられていなくてもよく、アンテナ10a,10bは風防ガラス31に直接的に接着あるいは蒸着されていてもよい。
見返しリング34は、ムーブメント59と風防ガラス31との間にあるリング状の部材であり、ベゼル32または胴38の内周面に沿って設けられている。見返しリング34の材質は、例えば樹脂やセラミックスである。見返しリング34は、外周面と、外周面の上端から内周側に向かう上面と、上面の内周側の端から文字板51へ向かう傾斜面と、傾斜面に接続する内周面と、外周面と内周面との下端を接続する底面とを含む。
2本の導電ピン41はアンテナ10a,10bと1対1で対応しており、アンテナ10a,10bのそれぞれは、対応する導電ピン41によりバラン基板43と電気的に接続されている。2本の導電ピン41の上端はアンテナ10a,10bに突き当たっている。導電ピン41は、アンテナ10a,10bからみて、風防ガラス31から遠ざかる方向に延びている。また2本の導電ピン41の下端はそれぞれバラン基板43上に設けられた2つの接続端子に接触している。
ベゼル32は内周側の面から張り出し、見返しリング34の下を延び、文字板51の外周側の端に隣接する張出部32eを有する。平面視で、ベゼル32の張出部32eは、導電ピン41および高誘電部材36a,36bが通る領域には設けられていない。
張出部32eは文字板51に乗り上げるような構成であってもよい。ベゼル32の張出部32eが文字板51に乗り上げる場合は、張出部32eが文字板51の縁を押えることでムーブメント59の位置を合わせることができる。
高誘電部材36a,36bの誘電率は、見返しリング34の誘電率や文字板51の誘電率より高いことが望ましい。高誘電部材36a,36bは、例えばセラミックスなどの部材であり、高誘電部材36の材質は、例えば、アルミナや窒化ケイ素(誘電率8〜10)、ジルコニア(誘電率28〜33)であってもよいし、酸化チタン(誘電率60〜100)を混ぜた焼結体であってもよい。また高誘電部材36の材質は誘電率の高いその他のセラミックス材料や樹脂材料であってもよい。
図3は、導電ピン41および高誘電部材36aの配置の一例を示す部分平面図である。見返しリング34の外周側には切欠き34nが設けられている。切欠き34nは見返しリング34の外周面、上面、底面の一部が削られた形状である。上下方向に延びる2本の導電ピン41と高誘電部材36aとが切欠き34nの内部に配置されている。また、高誘電部材36aは導電ピン41の外側かつベゼル32の内側に配置されている。高誘電部材36aおよび見返しリング34は、導電ピン41を挟んでいる。
図4は、導電ピン41に接続されるバラン基板43の一例を示す平面図である。高誘電部材36bは、高誘電部材36aの下側に隣接して設けられており、導電ピン41およびバラン基板43の外側に配置され、かつベゼル32および胴38の内周面の内側に配置されている。図2および図4の例では、高誘電部材36aと高誘電部材36bとは異なる部材であるが、高誘電部材36aと高誘電部材36bとが一体的に成型されてもよい。また、導電ピン41の外側に高誘電部材36bが配置されなくてもよい。
図5は、アンテナ10a,10b、バラン回路21、受信回路22の構成の一例を示すブロック図である。バラン回路21はバラン基板43に配置されている。アンテナ10a,10bは、それぞれ導電ピン41を介してバラン回路21に電気的に接続されている。またバラン回路21は、同軸ピン45を介して受信回路22に接続されている。なお、同軸ピン45の代わりに、例えば同軸ケーブルのような同軸線が用いられてもよい。
バラン回路21は、アンテナ10a,10bからの平衡な受信信号を不平衡な信号に変換する。バラン回路21は、アンテナ10a,10b側のコイル21aと、受信回路22側のコイル21bとを含む。アンテナ10aは、コイル21aの一端に電気的に接続され、アンテナ10bは、コイル21bの他端に電気的に接続されている。コイル21bの一端は接続配線を介して受信回路22に接続されており、コイル21bの他端は回路の接地電位GNDを供給する配線に接続されている。コイル21a,21bからなるトランスにより、平衡な受信信号が不平衡な信号に変換される。導電ピン41、バラン回路21、同軸ピン45は、アンテナ10a,10bと受信回路22とを接続する回路を構成している。
受信回路22はアンテナ10a,10bが受信した信号を復号し、復号の結果得られる衛星信号の内容を示すビット列(受信データ)を出力する。より具体的には、受信回路22は高周波回路(RF回路)及びデコード回路を含んでいる。高周波回路は、高周波数で動作し、アンテナ10a,10bが受信したアナログ信号に対して増幅、検波を行って、ベースバンド信号に変換する。デコード回路は、高周波回路が出力するベースバンド信号を復号してGPS衛星から受信したデータの内容を示すビット列を生成し出力する。
ここで、ムーブメント59は、図示しない制御回路と駆動機構とを含む。制御回路は、受信回路22から取得されたビット列を取得し、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路や駆動機構を制御する。駆動機構は、ステップモータであるモーターと、輪列と、を含んで構成される。モーターの回転を輪列が伝達することによって、例えば時針52a、分針52b、及び秒針52cのうちいずれかを回転させる。これにより現在時刻が表示される。
アンテナ10a,10bと、受信回路22との間の経路には、アンテナ10a,10bが受信した高周波信号が流れる。この経路を流れる高周波信号は、周囲の金属やノイズの影響を受けやすい。一方、高誘電部材36a,36bが高周波信号の経路と金属またはノイズ源との間に配置されると、金属やノイズによる高周波信号への影響を軽減することができ、受信感度が向上する。特にベゼル32が金属の場合には、ベゼル32が導電ピン41に最も近接する金属部材となり、このベゼル32と導電ピン41との間に高誘電部材36aが配置されることによって、受信感度が大きく向上する。
導電ピン41および高誘電部材36a,36bの配置は、図2や図3に示されるものには限られない。図6は、導電ピン41および高誘電部材36aの配置の他の一例を示す部分平面図である。図6の例では、見返しリング34に、切欠き34nの代わりに上下方向に貫通する開口34sが設けられている。開口34sは、見返しリング34の上面と底面とを貫いている。導電ピン41および高誘電部材36aは、開口34sを通るように設けられている。また、高誘電部材36aは導電ピン41の外側かつベゼル32の内側に配置されている。
図7は、導電ピン41および高誘電部材36aの配置の他の一例を示す部分平面図である。図7の例では、見返しリング34の内周側に切欠き34mが設けられている。切欠き34mは見返しリング34の内周面、傾斜面、上面、底面の一部が削られた形状である。上下方向に延びる2本の導電ピン41と高誘電部材36aとが切欠き34mの内部に配置されている。また、高誘電部材36aは導電ピン41の外側かつベゼル32の内側に配置されており、見返しリング34および高誘電部材36aは、導電ピン41とベゼル32の内周面との間に挟まれている。
図8は、導電ピン41および高誘電部材36aの配置の他の一例を示す部分平面図である。図8の例では、図3の例と異なり、見返しリング34の切欠き34nには高誘電部材36aが配置される。また、見返しリング34には上下に貫通する開口34r,34qが設けられ、2本の導電ピン41は、それぞれ開口34r,34qの内側を通るように配置されている。
図9は、導電ピン41および高誘電部材36aの配置の他の一例を示す部分平面図である。図9の例では、見返しリング34の外周側に切欠き34nが設けられており、切欠き34nの中に高誘電部材36aが配置されている。高誘電部材36aには、上から下に貫通する開口36r,36qが設けられ、2本の導電ピン41は、それぞれ開口36r,36qの内側を通るように配置されている。
図10は、導電ピン41と見返しリング34の配置の他の一例を示す部分平面図である。図10の例では、見返しリング34の誘電率は、図2や図9の例における見返しリング34よりも高くなっている。見返しリング34の材質は、図2等の例における高誘電部材36aと同様であってよい。図10の例では、見返しリング34の内周側に切欠き34mが設けられている。切欠き34mは見返しリング34の内周面、傾斜面、上面、底面の一部が削られた形状である。上下方向に延びる2本の導電ピン41は切欠き34mの内部に配置されている。
図11は、導電ピン41と見返しリング34の配置の他の一例を示す部分平面図である。図11の例では、図10の例と同様に、見返しリング34の誘電率が高くなっている。また、見返しリング34には、上から下に貫通する開口34sが設けられている。開口34sの端は見返しリング34の上面および下面に達しており、開口34sの断面は略矩形である。開口34sの断面は、例えば4つの辺のうち隣り合う辺が、曲線により接続される形状である。開口34sの内部には、上下方向に延びる2本の導電ピン41が配置されている。
図6から11の例においても、金属やノイズによる高周波信号への影響が軽減され、受信感度が向上する。
図12は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す断面図である。図12の例では、図10の例と同様に、見返しリング34の誘電率が高くなっている。また、見返しリング34は、導電ピン41に隣接し、下面から下方向に突出する突出部34pを有している。ベゼル32は張出部32eを有する。内周側の面から張り出し、見返しリング34の下を延び、文字板51の外周側の端に隣接する張出部32eを有する。平面視で、ベゼル32の張出部32eは、見返しリング34の突出部34pと重なる領域には設けられていない。突出部34pと張出部32eとがかみ合うことにより見返しリング34の位置が合わせられる。
図13は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す断面図である。図13の例では、図12の例と異なり、導電ピン41の下端、バラン基板43および同軸ピン45の外側を覆う高誘電部材36bが設けられている。見返しリング34の突出部36pには、高誘電部材36bの上端に対応する形状の切欠きが設けられており、高誘電部材36bは切欠きにより横方向に動かないように位置決めされている。また、ムーブメント59や回路モジュール47に高誘電部材36bに応じた切欠きを設けることにより、これらの位置を正確に合わせることが可能になる。たとえば、導電ピン41や同軸ピン45が正確に接触することにより、製造のばらつきを抑えることも可能になる。
図14は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す断面図である。図15は、図14に示される衛星電波腕時計1の導電ピン41および高誘電部材36bの配置を示す平面図である。図14、図15の例では、図13の例と異なり、バラン基板43が設けられておらず、導電ピン41は回路モジュール47の接続端子に接触している。図14の例では、回路モジュール47にバラン回路21が設けられてもよい。また、バラン回路21が設けられなくてもよい。
図14の例では高誘電部材36bは平面視でリング状であり、回路モジュール47の外側に設けられている。高誘電部材36bのうち導電ピン41に隣接する部分には、リング状の部分から上方に延びる突出部36pが設けられている。突出部36pは導電ピン41の外側を覆っている。図13の例と同様に見返しリング34の突出部36pには、高誘電部材36bの突出部36pに対応する形状の切欠きが設けられており、高誘電部材36bは切欠きにより横方向に動かないように位置決めされている。また、高誘電部材36bには開口36uが設けられており、外装ケースの外からその開口36uを通り回路モジュール47に接続される操作部材65が設けられている。操作部材65は図15の例のような竜頭であってもよいし、ボタンなどの他の部材であってもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、主に第1の実施形態との相違点について説明する。第2の実施形態にかかる衛星電波腕時計1では、バラン基板43と外装ケースの裏蓋39との間にも誘電率の高い部材が設けられている。
図16は、第2の実施形態にかかる衛星電波腕時計1の一例を示す断面図である。図16は図2に対応する図である。図16の例では、バラン基板43の外周側かつ外装ケースの内周側に高誘電部材36bが配置されるだけでなく、バラン基板43の上側、バラン基板43の下側、を覆う高誘電部材36cが設けられている。高誘電部材36cは、バラン基板43のうち外周側と反対の側(径方向内側)も覆っている。2本の導電ピン41は高誘電部材36cを貫通し、アンテナ10a,10bおよびバラン基板43に接触している。バラン基板43の下側も覆うことにより、金属の裏蓋39の影響や、下側からのノイズの影響を軽減し、受信感度を向上させることができる。
ここで、バラン基板43を覆う誘電率の高い部材はバラン基板43の上側を覆う部材と下側を覆う部材とで分割されていてもよい。図17は、バラン基板43を覆う高誘電部材36d,36eの一例を示す部分断面図である。図17では、説明のために、高誘電部材36d、高誘電部材36e、導電ピン41、同軸ピン45が互いに離間しているが、それらは図中の矢印の方向に動かされる。また図17の例の実際の形状は図16の例とほぼ同じである。図17の例では、バラン基板43の上側および径方向内側を覆う高誘電部材36dと、バラン基板43の下側および径方向外側を覆う高誘電部材36eとが配置される。高誘電部材36eは図16における高誘電部材36bの箇所にも設けられている。
高誘電部材36dと高誘電部材36eとは、バラン基板43の径方向外側の上および、径方向内側の下で接している。また、高誘電部材36eは、突出部36pを有していてもよい。高誘電部材36dには、導電ピン41が貫通する開口36sが設けられ、高誘電部材36eには同軸ピン45が貫通する開口36tが設けられている。
図18は、バラン基板43を覆う高誘電部材36d,36eの他の一例を示す部分断面図である。図18の例では、高誘電部材36eはバラン基板43の下側、径方向内側および径方向外側を覆う。言い換えれば、バラン基板43が配置されるくぼみを有する。一方、高誘電部材36dは、バラン基板43の上側を覆い、高誘電部材36eの上端と接する板状の部材である。高誘電部材36dには開口36sが、高誘電部材36eには開口36tが設けられている。バラン基板43を覆う誘電率の高い部材は、一体的に成型されていてもよいし、複数の部材に分割されていてもよい。
図19は、衛星電波腕時計1の他の一例を模式的に示す断面図である。図20は、導電ピン41および高誘電部材36bの配置の一例を示す平面図である。図21は、裏蓋39および高誘電部材36gの配置の一例を示す平面図である。図19から図21の例では、高誘電部材36b,36gは、バラン基板43および回路モジュール47を含むムーブメント59の下側および外周側も覆っている。図19は、説明上の都合で操作部材65が、導電ピン41、バラン基板43等と同じ断面にあるように記載されている。しかし、実際には操作部材65の上方にはバラン基板43や導電ピン41は配置されていない(図20参照)。図21は、高誘電部材36gおよび裏蓋39、接地配線64を、上側からみた平面図である。
高誘電部材36bは筒状の部材であり、バラン基板43および回路モジュール47を含むムーブメント59の外周側を囲むように配置されている。高誘電部材36bには、操作部材65を通すための開口36uが設けられている。また、高誘電部材36gはムーブメント59と裏蓋39との間に設けられている。高誘電部材36gには接地配線64を通すための開口36wが設けられている。接地配線64は、回路モジュール47やバラン基板43内の配線と、裏蓋39とを電気的に接続し、回路モジュール47やバラン基板43に接地電位を供給している。高誘電部材36gは、高誘電部材36bの下端と接している。
図19から21の例では、高周波を扱う受信回路22と外装ケースとの間にも誘電率の高い部材が配置されている。これにより、外装ケースの金属によるバラン回路21や受信回路22への影響を軽減し、受信感度を向上させることができる。ここで、開口36uや開口36wは必要最低限しか設けられておらず、開口36u,36wの大きさは受信高周波の波長に比べて十分に小さいため、開口36u,36wによる実質的な受信感度の低下は最低限に抑えられる。
なお、接地配線64が通る開口36wは高誘電部材36bの側に設けられてもよい。この場合、開口36wを通る接地配線64は回路モジュール47の外周側の面に設けられる。
これまでに、衛星電波腕時計1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は例えば腕時計と異なる携帯用の小型の時計にも適用できる。
1 衛星電波腕時計、10a,10b アンテナ、20 接続配線、21 バラン回路、21a,21b コイル、22 受信回路、31 風防ガラス、32 ベゼル、32e 張出部、34 見返しリング、34m,34n 切欠き、34p 突出部、34r,34q,34s 開口、36a,36b,36c,36d,36e,36g 高誘電部材、36p 突出部、36q,36r,36s,36t,36u,36w 開口、38 胴、39 裏蓋、41 導電ピン、43 バラン基板、45 同軸ピン、47 回路モジュール、51 文字板、52a 時針、52b 分針、52c 秒針、59 ムーブメント、61 目隠し領域、64 接地配線、65 操作部材。

Claims (13)

  1. 風防と、
    裏蓋を含む金属製の外装ケースと、
    前記風防の裏側に配置されるアンテナと、
    前記外装ケースの中に配置される文字板と、
    一端が前記アンテナと接し、前記アンテナと受信回路とを接続する回路を構成する導電ピンと、
    前記導電ピンの外側を覆い、前記外装ケースの内側に配置される高誘電部材と、
    を含む電波時計。
  2. 請求項1に記載の電波時計において、
    前記風防と前記文字板との間に配置されるカバー部材をさらに含み、
    前記カバー部材は前記導電ピンが挿通する切欠きまたは開口を備え、
    前記高誘電部材は前記切欠きまたは前記開口に配置される、
    電波時計。
  3. 請求項1または2に記載の電波時計において、
    前記高誘電部材は、平面視で前記導電ピンを囲む、
    電波時計。
  4. 請求項1に記載の電波時計において、
    前記高誘電部材は、前記風防と前記文字板との間に配置され前記外装ケースの内周面に隣接するカバー部材である、
    電波時計。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電波時計において、
    前記カバー部材は、前記導電ピンに隣接しかつ前記風防から離れる方向に突出する突出部を有し、
    前記突出部は、前記高誘電部材が配置される切欠きを備える、
    電波時計。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の電波時計において、
    前記アンテナと前記裏蓋との間に配置されるバラン回路をさらに含み、
    前記導電ピンは前記アンテナと前記バラン回路とを電気的に接続し、
    前記高誘電部材は、前記バラン回路の外側を覆い、前記外装ケースの内側に配置される、
    電波時計。
  7. 請求項6に記載の電波時計において、
    前記高誘電部材は、さらに前記バラン回路と前記裏蓋との間に配置される、
    電波時計。
  8. 請求項6または7に記載の電波時計において、
    前記高誘電部材は、前記導電ピンが挿通される開口を有し、前記バラン回路の前記文字板側を覆う、
    電波時計。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の電波時計において、
    前記文字板と前記裏蓋との間に配置され、前記受信回路を含むムーブメントをさらに含み、
    前記ムーブメントの前記裏蓋側を覆う第1の部分、および、前記ムーブメントの外周側を覆う第2の部分を含む第2の高誘電部材を有する、
    電波時計。
  10. 請求項9に記載の電波時計において、
    前記第2の高誘電部材の前記第2の部分は、樹脂により形成される、
    電波時計。
  11. 請求項9または10に記載の電波時計において、
    前記第2の高誘電部材は、開口または切欠きを有する、
    電波時計。
  12. 請求項11に記載の電波時計において、
    前記第2の高誘電部材に含まれる開口または切欠きに挿通される操作部材をさらに含む、
    電波時計。
  13. 請求項11に記載の電波時計において、
    前記第2の高誘電部材に含まれる開口または切欠きに挿通される接地配線をさらに含む、
    電波時計。
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