JP2018168488A - ポリエチレン繊維、およびそれを用いた製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐切創性に優れる新規なポリエチレン繊維、およびそれを含む製品を提供する。【解決手段】本発明のポリエチレン繊維は、極限粘度[η]が4.9dL/g以上40.0dL/g以下のポリエチレンからなる繊維であり、アスペクト比が3未満であり、平均粒径サイズが3.0μm以上15.0μm以下の硬質粒子を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、耐切創性に優れたポリエチレン繊維および該繊維を含む製品に関する。
従来、天然繊維の綿や一般的な有機繊維が耐切創性素材として用いられてきた。また、それらの繊維などを編みあげた手袋が耐切創性を必要とする分野で多く用いられてきた。そこで耐切創性機能の付与として、アラミド繊維などの高強度繊維の紡績糸からなる編物や織物などが考案されてきた。しかしながら、毛抜けや耐久性の観点で不満が見受けられた。一方、別の手段として、金属繊維を有機繊維や天然繊維と合わせて用いることにより耐切創性を向上させる試みが行われている。しかしながら、金属繊維を合わせることにより、風合いが堅くなり、柔軟性が損なわれるという問題がある。
そこで、硬質繊維を含む糸により耐切創性に優れる超高分子量ポリエチレン繊維の技術が知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特表2010−507026号公報 特表2015−518528号公報
しかし、近年安全意識の高まりから、従来よりも耐切創性の高い素材が求められている。
また、特許文献1や2に開示の技術を利用すると、添加する硬質繊維が紡糸工程における濾過フィルターを目詰まりさせ、生産性を著しく低下させるという問題がある。
そこで、本発明は、かかる従来技術の課題を解決するためになされた。すなわち、本発明の目的は、優れた耐切創性を有し、生産性の高い、新規なポリエチレン繊維を開発し、該繊維を用いた製品を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.極限粘度[η]が4.9dL/g以上40.0dL/g以下のポリエチレンからなる繊維であり、アスペクト比が3未満であり、平均粒径サイズが3.0μm以上15.0μm以下の硬質粒子を含有することを特徴とするポリエチレン繊維。
2.前記硬質粒子を5質量%以上含有する上記1に記載のポリエチレン繊維。
3.上記硬質粒子は、シリカまたはアルミナである上記1または2に記載のポリエチレン繊維。
4.ヨーロッパ規格であるEN388による耐切創性評価において、350g/m±35g/mの布帛にした場合の耐切創性のレベルが4以上である上記1から3のいずれか1つのポリエチレン繊維
5.上記1から4のいずれか1つに記載のポリエチレン繊維を含むことを特徴とする製品。
本発明により、優れた耐切創性を有し、生産性の高い、ポリエチレン繊維、および該繊維を用いた製品を提供することができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明のポリエチレン繊維は、その極限粘度が4.9dL/g以上であり、好ましくは8.0dL/g以上でありる。また、40.0dL/g以下であり、好ましくは30.0dL/g以下、より好ましくは25.0dL/g以下である。
極限粘度が4.9dL/g未満であると、高強度なマルチフィラメントが得られないことがある。一方、極限粘度の上限については、高強度なマルチフィラメントが得られる限り特に問題にならないが、ポリエチレンの極限粘度が高過ぎると、加工性が低下してマルチフィラメントを作製するのが困難になるため上述の範囲であることが好ましい。
本発明のポリエチレン繊維は、アスペクト比が3未満である複数の硬質粒子を含有している。本発明のポリエチレン繊維が含有する硬質粒子のアスペクト比は、3未満であればよいが、好ましくは1以上2以下である。ここで、硬質粒子のアスペクト比とは、JIS8900−1に基づき、硬質粒子の顕微鏡像において、最大長径/最大長径に直交する幅と定義される。硬質粒子のアスペクト比が3以上になると、紡糸時に濾過フィルターが目詰まりし、繊維の生産性を著しく低下させることが懸念される為、好ましくない。
本発明のポリエチレン繊維が含有する複数の硬質粒子の形状は、真球状、扁球状であることが好ましい。硬質粒子が繊維状の場合、紡糸時に濾過フィルターが目詰まりし、繊維の生産性を著しく低下させることが懸念されるため、好ましくない。本発明のポリエチレン繊維が含有する硬質粒子の主たる原料としては特に限定されないが、シリカ、アルミナ等でポリマー中で凝集し難いものであれば用いることができる。なかでも、シリカからなるものが好ましい。
本発明のポリエチレン繊維が含有する複数の硬質粒子は、そのまま用いてもよいし、
表面を修飾したものを用いてもよい、表面修飾としては、ジメチル基、エポキシ基、ヘキシル基、フェニル基、メタクリル基、ビニル基、イソシアネート基、等が適用できる。
本発明のポリエチレン繊維が含有する複数の硬質粒子の平均粒子径は、3.0μm以上であり、好ましくは5.0μm以上である。硬質粒子の平均粒子径が15.0μmよりも大きくなると、紡糸時に濾過フィルターが目詰まりし、繊維の生産性を著しく低下させ、特に延伸性を大幅に低下させる。
本発明のポリエチレン繊維が含有する複数の硬質粒子の含有量は、5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上30質量%以下である。硬質粒子の含有量が5質量%未満であると、繊維中に存在する硬質粒子と刃の接触頻度が少なく、耐切創性を向上させる効果を得ることができ難い。
本発明のポリエチレン繊維を紡糸する際に用いる溶液と混合する際は、分散剤を硬質粒子に対して、0.1質量%以上30質量%未満添加することが望ましい。なお、分散剤としては、非イオン性、または、アニオン性界面活性剤が好ましい。分散剤を添加することにより、硬質粒子の沈降速度が低減し、粒子の分散性が向上する。また30質量%以上添加することにより、紡糸時において糸切れが発生する。
本発明のポリエチレン繊維は、単糸あたりの繊維径が45μm以下であるのが好ましく、37μm以下であるのがより好ましい。単糸あたりの繊維径が45μmよりも太くなると、織物または編物(織編物)に形成した際の風合いが堅くなり、柔軟性が損なわれる。なお、単糸あたりの繊維径は、例えば、dtexと繊維の比重より求める方法や、顕微鏡を用いて求める方法を用いることで求めることができる。
本発明のポリエチレン繊維の平均強度は、10cN/dtex以上であることが望ましく、好ましくは、15cN/dtex以上である。平均強度が10cN/dtex未満の場合、応用製品を作成したとき、強度が不足する可能性がある。
本発明のポリエチレン繊維を得るための方法については、高強度を確保する観点から例えば、ゲル紡糸法を用いることができる。溶融紡糸でも生産可能であるが、硬質粒子を添加することにより強度が低下するため、応用製品を作成したとき適用範囲が限られる。
よって、本発明のポリエチレン繊維の製造には溶融紡糸法を用いるのが好ましい。ゲル紡糸法を用いて本発明のポリエチレン繊維を製造する方法について、具体的に以下に説明する。なお、本発明のポリエチレン繊維を製造する方法は、以下の工程や数値に限定されない。
本発明の製造方法において、溶液中のポリエチレン濃度は、溶媒の性質及びポリエチレンの分子量、分子量分布に依存して変えてもよい。特に非常に高い分子量、例えば測定温度135℃、溶媒としてデカリンを用いた場合の極限粘度[η]が14dL/g以上のポリエチレンを用いた場合、50質量%以上の濃度の混合ドープは、高粘度となるため紡糸時に脆性破断を生じやすくなり紡糸が非常に困難になる。他方、例えば0.5質量%未満の濃度の混合ドープを用いた場合の欠点は、収率が低下し溶媒の分離及び回収の費用が増大することである。
用いられる混合ドープは、種々の方法、例えば、固体ポリエチレンを溶媒中に懸濁させ、継いで高温にて撹拌するか、または該懸濁液を混合及び搬送部を備えた2軸スクリュー押出し機を用いることにより製造できる。用いられる混合ドープは、溶液とポリエチレン樹脂に加えて、硬質粒子を混合したものを用い、分散剤をさらに添加してもよい。
本発明の製造方法において該混合ドープを複数のオリフィスが配列してなる紡糸口金を通してドープフィラメントとする。ドープフィラメントへの変換の際の温度は、溶解点以上で選択しなければならない。この溶解点は、もちろん選択した溶媒、濃度に依存しており、少なくとも140℃以上、好ましくは少なくとも150℃以上であることが望ましい。もちろん、この温度は該ポリエチレンの分解温度以下にて選択する。
本発明の製造方法においては、該ドープフィラメントは予め整流された気体、もしくは液体を用いて冷却される。用いる気体としては、空気、もしくは窒素やアルゴン等の不活性ガスが挙げられる。また、用いる液体としては水等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、オリフィス部の吐出速度に対して、少なくとも1段階以上の延伸工程を通過し、30倍以上に400倍以下に延伸されることが好ましい。
本発明のポリエチレン繊維を使用した製品、例えば、織編物は、耐切創性織編物、手袋及びベスト等として好適に用いられる。例えば、手袋は、本発明のポリエチレン繊維を編み機に掛けることで得られる。もしくは、本発明のポリエチレン繊維を織り機に掛けて布帛を得、それを裁断、縫製して手袋とすることもできる。
このようにして得られた手袋は、例えば、そのまま手袋として使用することもできるが、必要であれば滑り止め性を付与するために、樹脂を塗布することもできる。ここで用いられる樹脂は、例えば、ウレタン系やエチレン系などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明のポリエチレン繊維は、後述の実施例からも分かるように、耐切創性能に優れている。よって、上記した手袋やベスト以外にも、テープ、ロープ、ネット、釣糸、資材防護カバー、シート、カイト用糸、洋弓弦、セールクロス、幕材として好適に用いられる。もちろん、本発明のポリエチレン繊維を用いた製品はこれらに限定されない。
また、本発明のポリエチレン繊維は、高い耐切創性を有するため、該耐切創性を活かした材料、例えば、繊維強化樹脂補強材、セメント補強材、繊維強化ゴム補強材、あるいは環境変化が想定される防護材、防弾材、医療用縫合糸、人工腱、人工筋肉、工作機械部品、電池セパレーター、化学フィルターとして好適に用いられる。もちろん、本発明のポリエチレン繊維は、これらの材料として用いられるのに限定されず、様々な材料として用いることができる。
以下に、実施例を例示し、本発明を具体的に説明する。しかし、本発明は下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
まず、後述の実施例および比較例で作製した繊維(繊維サンプル)およびそれを用いた筒編み物(編物サンプル)に対して行った特性値の測定及び評価について説明する。
(1)極限粘度
135℃のデカリンにてウベローデ型毛細粘度管により、種々の希薄溶液の比粘度を測定し、その比粘度を濃度で除した値の濃度に対するプロットの最小2乗近似で得られる直線の原点への外挿点より極限粘度を決定した。測定に際し、サンプルをポリマーに対して1質量%の酸化防止剤(商標名「ヨシノックスBHT」吉富製薬製)を添加し、135℃で24時間攪拌溶解して測定溶液を調整した。
(2)硬質粒子のアスペクト比
硬質粒子のアスペクト比は、SEM写真を用いることによって求めた。繊維サンプルをるつぼの中に入れ、灰と炭素質物質になるまで燃焼をさせた後、電気炉に入れ、ポリエチレンの分解温度以上で加熱した。炭素質物質が完全に灰になったら、デシケータ中で放冷して灰分を得た。灰分のSEM写真を撮影し、無作為に選択した硬質粒子10個の長軸と短軸の長さを測定し、その平均値を求めることで、アスペクト比を算出した。なお、硬質粒子は硬度が高い為、加熱しても形状が変化しないと考えられる。
(3)硬質粒子の含有量
硬質粒子の含有量は、JIS−2272に基づき、灰分測定を用いることによって求めた。繊維サンプル1.0gをるつぼの中に入れ、灰と炭素質物質になるまで燃焼をさせた後、電気炉に入れ、ポリエチレンの分解温度以上で加熱した。炭素質物質が完全に灰になった後、デシケータ中で放冷して質量を測定し、灰分を求めた。得られた灰分量と上記繊維量とから、硬質粒子の含有量を求めた。
(4)耐切創性
耐切創性は、クープテスター(ソドマット(SODMAT)社製)を用い、欧州規格であるEN388法に基づいて測定を行った。この装置の試料台にはアルミ箔が設けられており、この上に編物サンプルを載置した。次いで、装置に備えられた円形の刃を、走行方向とは逆方向に回転させながら試料の上を走らせた。なお、編物サンプルが切断されると、円形刃とアルミ箔とが接触して通電することで、耐切創性試験が終了したことが検知された。円形刃が作動している間中、装置に取り付けられているカウンターがカウントを行うので、その数値を記録した。
この試験では、目付け約200g/mの平織りの綿布をブランクとし、編物サンプルの切創レベルを評価した。ブランクからテストを開始し、ブランクのテストと編物サンプルのテストとを交互に行い、編物サンプルを5回テストし、最後に6回目のブランクをテストして、1セットの試験を終了した。以上の試験を5セット行い、5セットの平均のIndex値(インデックス値)を耐切創性の代用評価とした。インデックス値が高いほど、耐切創性に優れることを意味する。
インデックス値は、次式により算出される。
A=(サンプルテスト前の綿布のカウント値+サンプルテスト後の綿布のカウント値)/2
インデックス値=(サンプルのカウント値+A)/A
耐切創性の評価に使用したカッターは、OLFA株式会社製のロータリーカッターL型用φ45mmである。材質はSKS−7タングステン鋼であり、刃厚0.3ミリ厚であった。また、テスト時にかかる荷重は3.14N(320gf)にして評価を行った。
(実施例1)
極限粘度が18.0dL/gであるポリエチレン樹脂88質量%と、アスペクト比が1.4、平均粒子径が3μmである球状シリカ(硬質粒子)12質量%とを混ぜたポリマーを、1デカノールを5%含有したデカリンで3%まで希釈しドープを作製した。なお、硬質粒子のアスペクト比は、上記したように10個の平均であり、その範囲は、1.1から2.3であった。このドープを押出機に供給して190℃でゲル化させ、オリフィス径φ0.8mm、48Hからなる紡糸口金からノズル面温度190℃にて単孔吐出量2.0g/minで吐出させた。
吐出された糸条を水で冷却させ、乾燥および加熱工程を通過した後、紡糸速度50m/minでチーズ形状に捲き取り、未延伸糸を得た。次いで、145℃の熱風で加熱して安定的に延伸できる最大の倍率で延伸した後、巻き取って全体として880dtex±88dtexとなるように合糸を実施し、実施例1の繊維を得た。なお、本実施例を含め以下の実施例及び比較例では、延伸糸を所望のdtexとなるように合糸を行ったが、分繊を行う場合もある。
得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量を表1に示す。また、得られた繊維を用い、島精機製作所社製の丸編み機を用いて、目付が350g/m±35g/mの実施例1の筒編み物を作製した。得られた筒編み物のクープテスターのインデックス値を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の条件において、アスペクト比が1.5、平均粒子径が7μmであるシリカ粒子(硬質粒子)12質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、実施例2の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の条件において、極限粘度が18.0dL/gであるポリエチレン樹脂95質量%と、アスペクト比が1.5、平均粒子径が7μmであるシリカ粒子(硬質粒子)5質量%とを用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、実施例3の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の条件において、アスペクト比が1.5、平均粒子径が15μmであるシリカ粒子(硬質粒子)12質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、実施例4の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
(実施例5)
実施例1の条件において、アスペクト比が1.6、平均粒子径が7μmであるアルミナ粒子(硬質粒子)12質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、実施例5の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の条件において、アスペクト比が1.5、平均粒子径が2μmであるシリカ粒子(硬質粒子)12質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、比較例1の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
(比較例2)
極限粘度が18.0dL/gであるポリエチレン樹脂65質量%と、アスペクト比が1.5、平均粒子径が7μmであるシリカ粒子(硬質粒子)35質量%とを混ぜてドープを作製したが、十分に混ざり合わず、未延伸糸を得ることができなかった。
(比較例3)
実施例1の条件において、アスペクト比が1.5、平均粒子径が17μmであるシリカ粒子(硬質粒子)12質量%を用いてドープを作製したが、紡糸時、詰まりが発生し、未延伸糸を得ることができなかった。
(比較例4)
実施例1の条件において、極限粘度が18.0dL/gであるポリエチレン樹脂97質量%と、アスペクト比が1.5、平均粒子径が7μmであるシリカ粒子(硬質粒子)3質量%とを用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、比較例4の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
(比較例5)
実施例1の条件において、アスペクト比が18、平均粒子径が7μmであるシリカ粒子(硬質粒子)12質量%を用いてドープを作製したが、紡糸時、詰まりが発生し、未延伸糸を得ることができなかった。
(比較例6)
実施例1の条件において、極限粘度が1.5dL/gであるポリエチレン樹脂88質量%と、アスペクト比が1.5、平均粒子径が7μmであるシリカ粒子(硬質粒子)12質量%とを用いた以外は、実施例1と同様にして未延伸糸を得た。得られた未延伸糸から実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸から、実施例1と同様に、比較例6の繊維および筒編み物を得た。得られた繊維の物性、硬質粒子の含有量、筒編み物のインデックス値を表1に示す。
このように、上記実施例1〜5および比較例1〜6から、平均粒径サイズが3.0μm以上15.0μm以下複数の硬質粒子を含有するポリエチレン繊維は、耐切創性に優れた繊維であることがわかる。
以上、本発明の実施の形態および各実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および各実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
本発明のポリエチレン繊維は、高い耐切創性を有するため、該耐切創性を活かした耐切創性織編物、手袋及びベスト等に利用可能である。また、該繊維単独としてテープ、ロープ、ネット、釣糸、資材防護カバー、シート、カイト用糸、洋弓弦、セールクロス、幕材、防護材、防弾材、医療用縫合糸、人工腱、人工筋肉、繊維強化樹脂補強材、セメント補強材、繊維強化ゴム補強材、工作機械部品、電池セパレーター、化学フィルター等の産業用資材に利用可能である。このように、本発明のポリエチレン繊維は、優れた性能を発揮でき、幅広く応用できるため、産業界へ大きく寄与できる。

Claims (5)

  1. 極限粘度[η]が4.9dL/g以上40.0dL/g以下のポリエチレンからなる繊維であり、アスペクト比が3未満であり、平均粒径サイズが3.0μm以上15.0μm以下の硬質粒子を含有することを特徴とする、ポリエチレン繊維。
  2. 前記硬質粒子を5質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン繊維。
  3. 前記硬質粒子は、シリカもしくはアルミナであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン繊維。
  4. ヨーロッパ規格であるEN388による耐切創性評価において、350g/m±35g/mの布帛にした場合の耐切創性のレベルが4以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン繊維。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のポリエチレン繊維を含むことを特徴とする製品。
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