JP2018167428A - 樹脂成型品の製造方法及び光学部品の製造方法 - Google Patents

樹脂成型品の製造方法及び光学部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インプリント成型において、硬化前後で位置ずれが起こりにくい樹脂成型品の製造方法の提供。【解決手段】インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法であって、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に充填された硬化性組成物に、前記パターン形状部の水平面中心への積算光量が、前記パターン形状部の水平面端部への積算光量の10〜80%となるように光照射して、前記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を得る硬化工程S2を有する樹脂成形品の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂成型品の製造方法、及び光学部品の製造方法に関する。より詳細には、インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法、及び該樹脂成型品を用いて光学部品を製造する方法に関する。
近年、携帯電話、スマートフォンをはじめとする、モバイル電子機器について、センサーやカメラを搭載することによる製品価値の向上が進んでいる。年々、小型化、薄型化が進み、それらに使用されるレンズ等の光学部品も、より小型で、より薄型のものが求められている。そのような要求に対して、従来、射出成型によって光学部品を製造することで対応してきたが、射出成型法では小型化、薄型化への対応に限界がきている。そこで、射出成型法に代わる新たな成型方法としてインプリント成型技術が注目を浴びている(特許文献1参照)。
特開2010−266664号公報
一般的に、インプリント成型等により硬化性組成物を硬化させた場合、得られる樹脂成型品は硬化前の硬化性組成物に対して収縮する。これにより、得られる樹脂成型品の大きさがモールドの型よりも小さくなるという問題や、樹脂成型品中の各部位の位置が硬化前後でずれ、モールドの型に反映された設計時の位置からずれるという問題等がある。特に、インプリント成型により一度の成型で複数の製品の集合体を形成する場合、中心部からの距離が遠い製品ほど、硬化前後での位置ずれが大きくなり、設計時の位置(硬化前の位置)よりも中心部に近くなる傾向がある。
インプリント成型により一度の成型で複数の製品の集合体を形成する際、硬化後は、ダイシングにより個々の製品に裁断され、その後個々の製品としてピックアップされる。ここで、各製品の位置が設計時の位置よりも大きくずれている場合、裁断時には裁断箇所がずれる、ピックアップ時にはうまく製品をピックアップできないといった問題が生じることがあった。
近年、上記光学部品等は、さらなる高い精度が求められている。例えば、中心部から30mm程度の位置の製品では硬化前後で20μm程度のずれが生じることがある。紫外線照射で硬化させて複数の製品の集合体を成型する場合、この程度のずれであればこれまで問題とされていなかったが、近年ではそれ以上の位置精度が求められる傾向がある。
従って、本発明の目的は、インプリント成型において、硬化前後で位置ずれが起こりにくい樹脂成型品の製造方法、及び該樹脂成型品を用いた光学部品の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法において、モールドのパターン形状部に充填された硬化性組成物を硬化させる際、パターン形状部の水平面中心への積算光量が、水平面端部への積算光量の10〜80%となるように光照射することにより、得られる樹脂成型品の硬化前後での位置ずれを起こりにくくすることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法であって、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に充填された硬化性組成物に、前記パターン形状部の水平面中心への積算光量が、前記パターン形状部の前記水平面端部への積算光量の10〜80%となるように光照射して、前記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を得る硬化工程を有する、樹脂成型品の製造方法を提供する。
前記モールドが有するパターン形状部の水平面の形状のアスペクト比は0.1〜1であることが好ましい。
前記硬化工程の前に、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に硬化性組成物が塗布された2つのモールドが、前記硬化性組成物同士が接触するように重ね合わせられた積層物を準備する積層物準備工程を有することが好ましい。
前記硬化工程において、前記水平面中心から前記水平面端部にかけて、積算光量がグラデーションをなすように光照射を行うことが好ましい。
前記硬化性組成物はエポキシ化合物を含有することが好ましい。
前記モールドはシリコーン系樹脂製であることが好ましい。
前記モールドにおけるパターン形状が凹凸形状であり、凹部最底部と凸部最頂部の高低差が0.05mm以上であることが好ましい。
前記樹脂成型品はマイクロレンズアレイであることが好ましい。
また、本発明は、前記樹脂成型品の製造方法により得られる樹脂成型品を用いた光学部品の製造方法を提供する。
本発明の樹脂成型品の製造方法によれば、得られる樹脂成型品の硬化前後での位置ずれを起こりにくくすることができる。例えば、中心部から30mm程度の位置では、硬化前後でのずれを20μm未満とすることが可能となる。このため、本発明の樹脂成型品の製造方法は、特に高い位置精度が求められる、複数の製品の集合体(特に、複数の光学部品(光学素子)の集合体)の製造に特に適する。
第1の基板と第2の基板を重ね合わせる前の状態の一例を示す概略図(斜視図)である。 積層物準備工程で得られた積層物の一例を示す概略図(断面図)である。 本発明の樹脂成型品の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
本発明の樹脂成型品の製造方法は、インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法であって、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に充填された硬化性組成物に、上記パターン形状部の水平面中心への積算光量が、上記パターン形状部の水平面端部への積算光量の10〜80%となるように光照射して、上記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を得る硬化工程を有する。なお、本明細書において、本発明の樹脂成型品の製造方法を、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある。
上述のように、本発明の製造方法は、インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法であり、基板に樹脂成型品を形成する硬化性組成物を塗布し、塗布された硬化性組成物を挟み込むように他の基板を重ね合わせ、その後上記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を製造する。なお、少なくとも一方の基板としてパターン形状部を有するモールド(以下、単に「モールド」と称する場合がある)を用いる。
(硬化工程)
上記硬化工程では、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に充填された硬化性組成物に光照射して、上記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を得る。なお、パターン形状部に硬化性組成物が充填されたモールドは、例えば、後述の積層物準備工程にて得ることができる。
上記硬化工程において、硬化性組成物への光照射は、上記パターン形状部の水平面中心への積算光量が、上記パターン形状部の水平面端部への積算光量の10〜80%となるように行う。なお、上記パターン形状の水平面は、上記モールドのパターン形状部に該パターン形状部からはみ出ないように硬化性組成物が充填された状態の硬化性組成物表面に相当する。そして、上記パターン形状部の水平面中心は、上記パターン形状部の水平面の形状の外接円の中心、すなわちパターン形状部が上面となるように上記モールドを水平位置に静置した時の、上面から見たパターン形状部の外接円の直径の中点である。例えば、上面から見たパターン形状部が円形である場合、上記水平面中心は円の中心となる。そして、上記水平面端部は、上記水平面中心から最も遠い上記水平面の部分であり、上記外接円の円周上の部分である。
上記水平面中心への積算光量は、上述のように、上記水平面端部への積算光量の10〜80%であり、好ましくは20〜70%、より好ましくは30〜70%である。上記水平面端部への積算光量に対する上記水平面中心への積算光量が上記範囲内であることにより、樹脂成型品の上記水平面中心と上記水平面端部とで硬化度が均等となりやすく、その結果硬化前後の収縮が抑制され、硬化前後で位置ずれが起こりにくい。
上記光照射は、上記水平面中心から上記水平面端部にかけて、積算光量がグラデーションをなすように光照射を行うことが好ましい。他の言い方をすれば、上記水平面中心から上記水平面端部方向へ、上記水平面中心を中心とする同心円状に徐々に積算光量がグラデーション状に高くなるように設定して光照射を行うことが好ましい。このように光照射することにより、樹脂成型品全体で硬化度が均等となりやすく、樹脂成型品全体の収縮がよりいっそう抑制され、硬化前後で位置ずれがよりいっそう起こりにくくなる。なお、上記水平面端部への積算光量の方が上記水平面中心への積算光量よりも大きくなるように光照射を行う。
上記水平面端部への積算光量に対する上記水平面中心への積算光量を上記範囲内とする方法としては、例えば、光照射時に上記水平面中心に相当する箇所と上記水平面端部に相当する箇所において透過照度が異なるマスク(フィルター)を用いる方法、照射強度の異なる複数の光源を用いる等して光源の照射強度を制御する方法等が挙げられる。また、上記水平面中心から上記水平面端部方向へ、上記水平面中心を中心とする同心円状に徐々に積算光量がグラデーション状に高くなるように設定して光照射を行う場合も同様の方法を用いることができる。
上記水平面端部(好ましくは、上記水平面中心からの距離が30mmの位置)への積算光量は、目的とする樹脂成型品の種類に応じて適宜選択されるが、例えば500〜10000mJ/cm2、好ましくは500〜8000mJ/cm2、より好ましくは800〜6000mJ/cm2である。上記積算光量が500mJ/cm2以上であると、硬化性組成物が十分に硬化する傾向がある。上記積算光量が10000mJ/cm2以下であると、上記水平面端部の硬化性組成物の収縮がより抑制され、得られる樹脂成型品において硬化前後で位置ずれがより起こりにくくなる傾向がある。上記水平面端部への照射強度は、例えば10〜200mW/cm2、好ましくは20〜150mW/cm2である。
上記水平面中心から上記水平面端部までの距離(上記外接円の半径)は、例えば5〜200mm程度であり、好ましくは7〜150mm、より好ましくは10〜120mm、さらに好ましくは20〜100mmである。上記距離が上記範囲内であると、樹脂成型品全体において硬化前後の収縮が起こりにくく、硬化前後の位置ずれがより起こりにくくなる。
上記水平面中心への積算光量は、目的とする樹脂成型品の種類に応じて適宜選択されるが、例えば200〜5000mJ/cm2、好ましくは200〜4000mJ/cm2、より好ましくは300〜3000mJ/cm2である。上記積算光量が200mJ/cm2以上であると、硬化性組成物が十分に硬化する傾向がある。上記積算光量が5000mJ/cm2以下であると、樹脂成型品全体の収縮がより抑制され、得られる樹脂成型品において硬化前後で位置ずれがより起こりにくくなる傾向がある。上記水平面中心への照射強度は、例えば10〜180mW/cm2、好ましくは20〜150mW/cm2である。
上記硬化工程では、具体的には、上記硬化性組成物に含まれる硬化性化合物(特に、カチオン硬化性化合物)の重合反応を進行させることにより、該硬化性組成物を硬化させることができる。上記硬化は、光照射(特に、活性エネルギー線の照射)により行う。上記活性エネルギー線としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等のいずれを使用することもできる。中でも、取り扱い性に優れる点で、紫外線が好ましい。
紫外線照射を行う際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等が用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒である。照度は、例えば5〜200mW/cm2程度である。活性エネルギー線照射後は、必要に応じて加熱(ポストキュア)を行って硬化の促進を図ってもよい。上記ポストキュアの温度は、例えば80〜200℃、好ましくは100〜180℃である。
上記硬化性組成物は、硬化性の化合物(硬化性化合物)を含有する。上記硬化性組成物としては、公知乃至慣用のインプリント成型に用いられる組成物を使用することができ、目的とする樹脂成型品の種類に応じて適宜選択される。上記硬化性化合物としては、例えば、カチオン硬化性化合物、ラジカル硬化性化合物、アニオン硬化性化合物等が挙げられる。上記カチオン硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)、オキセタニル基を有する化合物(オキセタン化合物)、ビニルエーテル基を有する化合物(ビニルエーテル化合物)が挙げられ、好ましくはエポキシ化合物である。上記硬化性組成物がエポキシ化合物を含む場合、硬化前後の位置ずれがよりいっそう起こりにくい。上記硬化性化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記エポキシ化合物としては、分子内に1以上のエポキシ基(オキシラン環)を有する公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、脂環式エポキシ化合物(脂環式エポキシ樹脂)、芳香族エポキシ化合物(芳香族エポキシ樹脂)、脂肪族エポキシ化合物(脂肪族エポキシ樹脂)等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ化合物としては、分子内に1個以上の脂環と1個以上のエポキシ基とを有する公知乃至慣用の化合物が挙げられ、特に限定されないが、例えば、(1)分子内に脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(「脂環エポキシ基」と称する)を有する化合物;(2)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物;(3)分子内に脂環及びグリシジルエーテル基を有する化合物(グリシジルエーテル型エポキシ化合物)等が挙げられる。
上記(1)分子内に脂環エポキシ基を有する化合物としては、下記式(i)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018167428
上記式(i)中、Yは単結合又は連結基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。上記連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、これらが複数個連結した基等が挙げられる。なお、式(i)におけるシクロヘキサン環(シクロヘキセンオキシド基)を構成する炭素原子の1以上には、アルキル基等の置換基が結合していてもよい。
上記二価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。上記二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の二価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等が挙げられる。
上記炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基(「エポキシ化アルケニレン基」と称する場合がある)におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基等の炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルケニレン基等が挙げられる。特に、上記エポキシ化アルケニレン基としては、炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたアルケニレン基が好ましく、より好ましくは炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化された炭素数2〜4のアルケニレン基である。
上記式(i)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、下記式(i−1)〜(i−10)で表される化合物等が挙げられる。なお、下記式(i−5)、(i−7)中のl、mは、それぞれ1〜30の整数を表す。下記式(i−5)中のR’は炭素数1〜8のアルキレン基であり、中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(i−9)、(i−10)中のn1〜n6は、それぞれ1〜30の整数を示す。また、上記式(i)で表される脂環式エポキシ化合物としては、その他、例えば、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル等が挙げられる。
Figure 2018167428
Figure 2018167428
上述の(2)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物としては、例えば、下記式(ii)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018167428
式(ii)中、R"は、p価のアルコールの構造式からp個の水酸基(−OH)を除いた基(p価の有機基)であり、p、nはそれぞれ自然数を表す。p価のアルコール[R"(OH)p]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコール(炭素数1〜15のアルコール等)等が挙げられる。pは1〜6が好ましく、nは1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの( )内(外側の括弧内)の基におけるnは同一でもよく異なっていてもよい。上記式(ii)で表される化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物[例えば、商品名「EHPE3150」((株)ダイセル製)等]等が挙げられる。
上述の(3)分子内に脂環及びグリシジルエーテル基を有する化合物としては、例えば、脂環式アルコール(特に、脂環式多価アルコール)のグリシジルエーテルが挙げられる。より詳しくは、例えば、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン等のビスフェノールA型エポキシ化合物を水素化した化合物(水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物);ビス[o,o−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[o,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[p,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン等のビスフェノールF型エポキシ化合物を水素化した化合物(水素化ビスフェノールF型エポキシ化合物);水素化ビフェノール型エポキシ化合物;水素化フェノールノボラック型エポキシ化合物;水素化クレゾールノボラック型エポキシ化合物;ビスフェノールAの水素化クレゾールノボラック型エポキシ化合物;水素化ナフタレン型エポキシ化合物;トリスフェノールメタンから得られるエポキシ化合物の水素化エポキシ化合物;下記芳香族エポキシ化合物の水素化エポキシ化合物等が挙げられる。
上記芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール類[例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール等]と、エピハロヒドリンとの縮合反応により得られるエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;これらのエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を上記ビスフェノール類とさらに付加反応させることにより得られる高分子量エピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノール類[例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等]とアルデヒド[例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等]とを縮合反応させて得られる多価アルコール類を、さらにエピハロヒドリンと縮合反応させることにより得られるノボラック・アルキルタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フルオレン環の9位に2つのフェノール骨格が結合し、かつこれらフェノール骨格のヒドロキシ基から水素原子を除いた酸素原子に、それぞれ、直接又はアルキレンオキシ基を介してグリシジル基が結合しているエポキシ化合物等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、q価の環状構造を有しないアルコール(qは自然数である)のグリシジルエーテル;一価又は多価カルボン酸[例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸等]のグリシジルエステル;エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ひまし油等の二重結合を有する油脂のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン等のポリオレフィン(ポリアルカジエンを含む)のエポキシ化物等が挙げられる。なお、上記q価の環状構造を有しないアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等の一価のアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の二価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の三価以上の多価アルコール等が挙げられる。また、q価のアルコールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等であってもよい。
上記オキセタン化合物としては、分子内に1以上のオキセタン環を有する公知乃至慣用の化合物が挙げられ、特に限定されないが、例えば、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル)}オキセタン、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、分子内に1以上のビニルエーテル基を有する公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(エチレングリコールモノビニルエーテル)、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,8−オクタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールジビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールジビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールジビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールジビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールジビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、イソソルバイドジビニルエーテル、オキサノルボルネンジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、ヒドロキシオキサノルボルナンメタノールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
上記硬化性組成物中の硬化性化合物(特に、エポキシ化合物)の含有量は、特に限定されないが、硬化性組成物の総量(100重量%)に対して、10〜95重量%が好ましく、より好ましくは15〜90重量%、さらに好ましくは20〜85重量%である。上記含有量が10重量%以上であると、硬化性組成物の硬化性、樹脂成型品の耐熱性、耐光性、及び透明性に優れる傾向がある。
上記硬化性組成物は、上記硬化性化合物と共に光重合開始剤を含有することが好ましく、特に光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤は、光の照射によって酸を発生して、硬化性組成物に含まれる硬化性化合物(特に、カチオン硬化性化合物)の硬化反応を開始させる化合物であり、光を吸収するカチオン部と酸の発生源となるアニオン部からなる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩系化合物、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、セレニウム塩系化合物、オキソニウム塩系化合物、アンモニウム塩系化合物、臭素塩系化合物等が挙げられる。本発明においては、中でも、スルホニウム塩系化合物を使用することが、硬化性に優れた樹脂成型品を形成することができる点で好ましい。
上記スルホニウム塩系化合物のカチオン部としては、例えば、トリフェニルスルホニウムイオン、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムイオン、トリ−p−トリルスルホニウムイオン、(4−ヒドロキシフェニル)メチルベンジルスルホニウムイオン、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムイオン等のアリールスルホニウムイオン(特に、トリアリールスルホニウムイオン)が挙げられる。
上記アニオン部としては、例えば、[(X)sB(Phf)4-s-(式中、Xはフェニル基又はビフェニリル基を示す。Phfは水素原子の少なくとも1つが、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種で置換されたフェニル基を示す。sは0〜3の整数である)、BF4 -、[(Rf)nPF6-n-(Rf:水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基、n:0〜5の整数)、AsF6 -、SbF6 -、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、(4−ヒドロキシフェニル)メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[4−(2−チオキサントニルチオ)フェニル]フェニル−2−チオキサントニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、商品名「サイラキュアUVI−6970」、「サイラキュアUVI−6974」、「サイラキュアUVI−6990」、「サイラキュアUVI−950」(以上、米国ユニオンカーバイド社製)、「イルガキュア250」、「イルガキュア261」、「イルガキュア264」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「SP−150」、「SP−151」、「SP−170」、「オプトマーSP−171」(以上、(株)ADEKA製)、「CG−24−61」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「DAICAT II」((株)ダイセル製)、「UVAC1590」、「UVAC1591」(以上、ダイセル・サイテック(株)製)、「CI−2064」、「CI−2639」、「CI−2624」、「CI−2481」、「CI−2734」、「CI−2855」、「CI−2823」、「CI−2758」、「CIT−1682」(以上、日本曹達(株)製)、「PI−2074」(ローディア社製、テトラキス(ペンタフルオロフェニルボレート)トルイルクミルヨードニウム塩)、「FFC509」(3M社製)、「BBI−102」、「BBI−101」、「BBI−103」、「MPI−103」、「TPS−103」、「MDS−103」、「DTS−103」、「NAT−103」、「NDS−103」(以上、ミドリ化学(株)製)、「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」(以上、米国、Sartomer社製)、「CPI−100P」、「CPI−101A」、「CPI−200K」(以上、サンアプロ(株)製)等の市販品を使用できる。
上記光重合開始剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。その使用量(配合量)は、硬化性組成物に含まれる硬化性化合物(特に、カチオン硬化性化合物)100重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。光重合開始剤を上記範囲内で使用することにより、硬化性、耐熱性、耐光性、透明性、光学特性等に優れた樹脂成型品を得ることができる。
上記硬化性組成物は、上記硬化性化合物、上記光重合開始剤、及び必要に応じて他の成分(例えば、溶剤、酸化防止剤、光増感剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、界面活性剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤等)を含有していてもよい。上記硬化性組成物として、例えば、商品名「CELVENUS OUH106」((株)ダイセル製)等の市販品を使用することもできる。
上記モールドは、樹脂成型品に所望の形状を付与するための、当該形状に対応する逆凹凸のパターン形状(所望の樹脂成型品の反転形状)が付与されている。上記モールドが有するパターン形状部の上記水平面の形状は、特に限定されないが、アスペクト比が0.1〜1であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1であり、1に近いほど好ましい。上記アスペクト比は、上記水平面の形状のうち最長の方向を横方向としたときの横方向の長さに対する縦方向の長さの割合である。上記アスペクト比が上記範囲内であると、樹脂成型品全体で硬化度が均等となりやすく、樹脂成型品全体の収縮がよりいっそう抑制され、硬化前後で位置ずれがよりいっそう起こりにくくなる。上記水平面の形状は、例えば、第1の基板をパターン形状部が上面となるように水平位置に静置したときの上面から見た形状である。
上記モールドは、樹脂製であることが好ましい。上記モールドを形成する樹脂としては、上記硬化性組成物との相性(濡れ性等)、硬化後の樹脂成型品の形状精度、剥離性(離型性)等を考慮して選択され、例えば、シリコーン系樹脂(ジメチルポリシロキサン等)、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ環状オレフィン等)、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。上記樹脂としては、中でも、シリコーン系樹脂が好ましい。シリコーン系樹脂を用いると、エポキシ化合物を含む硬化性組成物との相性、形状精度に優れる。また、樹脂成型品の離型性及びモールドの柔軟性にも優れるため、樹脂成型品をより容易に取り出すことができる。
上記モールドは、市販品を用いてもよいし、製造したものを用いてもよい。モールドを製造する場合、例えば、モールドを形成する樹脂組成物を成型(好ましくは、インプリント成型)し、その後熱硬化させることにより製造することができる。樹脂組成物の成型には、所望の凹凸形状を有する金型を使用することができ、例えば、下記(1)、(2)の方法で製造することができる。
(1)基板上に塗布した樹脂組成物の塗膜に対し、金型を押し付け、樹脂組成物の塗膜を硬化させたうえで、金型を剥離する方法
(2)金型に対し樹脂組成物を直接塗工し、その上から基板を密着させた後、樹脂組成物の塗膜を硬化させたうえで、金型を剥離する方法
上記モールドは、パターン形状部の少なくとも一部に離型剤が塗布されていてもよい。硬化性組成物の塗布前にモールドに離型剤が塗布されていると、形成された樹脂成型品をモールドから取り出す(離型する)際に容易に離型することができる。この場合、通常は離型層も同時にモールドから離型するため、得られる樹脂成型品は、表面に離型層を少なくとも1層有することとなる。
上記離型剤としては、例えば、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等が挙げられる。上記離型剤は、1種を使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。上記離型剤の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
(積層物準備工程)
本発明の製造方法は、上記硬化工程の前に、硬化性組成物が塗布された第1の基板と、第2の基板とが、上記硬化性組成物を挟み込むように重ね合わせられた積層物を準備する積層物準備工程を有していてもよい。
上記第1の基板への硬化性組成物の塗布は、公知乃至慣用の塗布方法により行うことができる。上記塗布としては、例えば、スピンコート塗布、ロールコート塗布、スプレー塗布(スプレー噴霧)、ディスペンスコート、ディップコート、インクジェット塗布、エアーブラシ塗布(エアーブラシ噴霧)、超音波塗布(超音波噴霧)等が挙げられる。
上記第1の基板は、上記パターン形状部を有するモールドであってもよいし、パターン形状部を有しない基板(平面基板)であってもよい。中でも、モールドであることが好ましい。すなわち、上記硬化性組成物が塗布された第1の基板は、硬化性組成物が塗布されたモールドであることが好ましい。
上記平面基板としては、例えば、ガラス板;シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板;金属基板;これらの材料の組み合わせ等が挙げられる。上記平面基板は、微細配線、結晶構造、光導波路、ホログラフィ等の光学的構造等のパターン構造物を有していてもよい。
上記硬化性組成物が塗布された第1の基板に重ね合わせる上記第2の基板は、パターン形状部を有するモールドであってもよいし、平面基板であってもよい。なお、上記第1の基板及び上記第2の基板のうちの少なくとも一方はモールドである。例えば、一方の面のみに凹凸形状を有する樹脂成型品を製造する場合は第1の基板及び第2の基板の組み合わせとしてモールドと平面基板を用いることができ、両面に凹凸形状を有する樹脂成型品を製造する場合は第1の基板及び第2の基板として2つのモールドを用いることができる。
上記第1の基板及び上記第2の基板の両方がモールドである場合、2つのモールドは、異なる材料から形成されていてもよいし、同じ材料から形成されていてもよい。また、上記の2つのモールドは、同じパターン形状部を有していてもよいし、異なるパターン形状部を有していてもよい。
上記第2の基板には、硬化性組成物が塗布されていてもよいし、塗布されていなくてもよい。すなわち、上記第2の基板は、硬化性組成物が塗布された第2の基板であってもよい。第2の基板への硬化性組成物の塗布は、上述の第1の基板への硬化性組成物の塗布と同様の方法で行うことができる。
図1に、第1の基板と第2の基板を重ね合わせる前の状態の一例の概略図(斜視図)を示す。第1の基板1aは、真円状のパターン形状部を有するモールドであり、パターン形状部に硬化性組成物2が塗布されている。なお、図1において、Fはパターン形状部の水平面を表し、Fの円周がパターン形状部の水平面の形状の外接円に相当する。そして、第1の基板1aの硬化性組成物2が塗布されている面に、第2の基板1bを重ね合わせる。なお、図2では、第2の基板1bは、パターン形状部を有するモールドであり、第2の基板1bのパターン形状部が形成されている面(図1では下面)を、第1の基板1aの硬化性組成物2が塗布された面と向かい合う(対向する)ようにし、第1の基板1aと第2の基板1bとを、硬化性組成物2を挟み込むようにして重ね合わせる。
図2に、積層物準備工程で得られた積層物の一例の概略図(断面図)を示す。図2に示す積層物1は、第1の基板1aと第2の基板1bとが硬化性組成物2を挟み込むように重ね合わせられた状態である。Fは第1の基板におけるパターン形状部の水平面である。2bはパターン形状部の水平面中心であり、2aはパターン形状部の水平面端部、すなわち上記水平面中心2bから最も遠い水平面の上記外接円上の部分である。
上記硬化工程では硬化性組成物に光照射を行うため、上記第1の基板及び上記第2の基板のうちの少なくとも一方は透明であり、硬化性の観点から、両方が透明であることが好ましい。
上記硬化性組成物が塗布された第1の基板(第2の基板に硬化性組成物が塗布されている場合、硬化性組成物が塗布された第1の基板及び第2の基板)は、それぞれ塗布された硬化性組成物中に気泡がある時は脱泡されることが好ましい。
上記脱泡は、公知乃至慣用の脱泡方法により行うことができ、減圧による脱泡(減圧脱泡、真空脱泡)が好ましい。上記減圧脱泡は、例えば、上記硬化性組成物が塗布された基板を、圧力0.1〜20kPaの環境下に1〜10分間静置して行うことができる。
上記硬化性組成物が塗布された第1の基板(第2の基板に硬化性組成物が塗布されている場合、硬化性組成物が塗布された第1の基板及び第2の基板)は、上記脱泡でも泡が残存する場合、直接液を吸引し泡を除去する方法や液の振動によって泡を取り除いてもよい。
上記硬化性組成物が塗布された第1の基板と、第2の基板とは、必要に応じて上記脱泡を経た後、それぞれ、上型と下型として用い、硬化性組成物を挟み込むようにして上型及び下型を重ね合わせて型閉じされる。この際、どちらが上型又は下型であってもよい。
上記型閉じして得られる積層物は、その後、上型の上部からプレスされてもよい。これにより、得られる樹脂成型品の厚みバラツキを小さくすることができる。プレスする際の圧力は、例えば、0.01〜100MPaである。
このようにして、硬化性組成物が塗布された第1の基板と、第2の基板とが、上記硬化性組成物を挟み込むように重ね合わせられた積層物を得ることができる。なお、得られる積層物では、上記第1の基板及び第2の基板のうちの少なくとも一方としてモールドが用いられるため、硬化性組成物はモールドのパターン形状部に充填されている。
本発明の製造方法では、積層物準備工程及び硬化工程以外のその他の工程を有していてもよい。
上記硬化工程を経て、硬化性組成物が硬化し、樹脂成型品を得ることができる。上記硬化工程後、上型と下型とを開き、モールドから樹脂成型品を取り出すことができる。
図3は、本発明の製造方法の一実施形態を示す工程図である。図3に示す本発明の製造方法は、硬化性組成物が塗布された第1の基板と、第2の基板とが、上記硬化性組成物を挟み込むように重ね合わせられた積層物を準備する積層物準備工程S1(但し、上記第1の基板及び上記第2の基板のうちの少なくとも一方はモールドである)、及び、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に充填された上記硬化性組成物に、上記パターン形状部の水平面中心への積算光量が、上記パターン形状部の水平面端部への積算光量の10〜80%となるように光照射して、上記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を得る硬化工程S2を、この順に有する。
本発明の製造方法により得られる樹脂成型品は、上記水平面中心から30mmの距離の部分の硬化前後でのずれが30μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm未満である。
本発明の製造方法により得られる樹脂成型品は、例えば、レンズ、プリズム、LED、有機EL素子、半導体レーザー、トランジスタ、太陽電池、CCDイメージセンサ、光導波路、光ファイバー、代替ガラス(例えば、ディスプレイ用基板、ハードディスク基板、偏光フィルム)等の光学部品として好ましく使用することができる。
本発明の樹脂成型品の製造方法は、得られる樹脂成型品の硬化前後での位置ずれを起こりにくくすることができる。このため、本発明の製造方法により得られる樹脂成型品は、特に高い位置精度が求められる、複数の製品の集合体(特に、複数の光学部品の集合体)であることが特に好ましい。
上記光学部品として、例えばレンズを製造する際は、上記複数の光学部品の集合体であるマイクロレンズアレイ[例えば、複数のマイクロレンズが縦横方向に、行列状に並置された形状を有する構造体]として得てもよい。即ち、上記モールドは、マイクロレンズアレイの形状に対応するパターン形状を有することが好ましい。
得られる樹脂成型品が上記複数の光学部品の集合体(特に、マイクロレンズアレイ)である場合、個々の光学部品(特に、マイクロレンズ)1個のサイズは、直径が例えば0.01〜100mm程度、厚みが例えば0.1〜2.0mm程度であることが好ましい。また、複数の光学部品の集合体(特に、マイクロレンズアレイ)におけるピッチ幅は、例えば10〜1000μm程度であることが好ましい。
1 積層物
1a 第1の基板
1b 第2の基板
2 硬化性組成物
2a パターン形状部の水平面端部
2b パターン形状部の水平面中心
F 第1の基板のパターン形状部の水平面
S1 積層物準備工程
S2 硬化工程

Claims (9)

  1. インプリント成型により樹脂成型品を製造する方法であって、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に充填された硬化性組成物に、前記パターン形状部の水平面中心への積算光量が、前記パターン形状部の前記水平面端部への積算光量の10〜80%となるように光照射して、前記硬化性組成物を硬化させて樹脂成型品を得る硬化工程を有する、樹脂成型品の製造方法。
  2. 前記モールドが有するパターン形状部の水平面の形状のアスペクト比が0.1〜1である、請求項1に記載の樹脂成型品の製造方法。
  3. 前記硬化工程の前に、パターン形状部を有するモールドの該パターン形状部に硬化性組成物が塗布された2つのモールドが、前記硬化性組成物同士が接触するように重ね合わせられた積層物を準備する積層物準備工程を有する、請求項1又は2に記載の樹脂成型品の製造方法。
  4. 前記硬化工程において、前記水平面中心から前記水平面端部にかけて、積算光量がグラデーションをなすように光照射を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成型品の製造方法。
  5. 前記硬化性組成物がエポキシ化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成型品の製造方法。
  6. 前記モールドがシリコーン系樹脂製である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂成型品の製造方法。
  7. 前記モールドにおけるパターン形状が凹凸形状であり、凹部最底部と凸部最頂部の高低差が0.05mm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂成型品の製造方法。
  8. 前記樹脂成型品がマイクロレンズアレイである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂成型品の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂成型品の製造方法により得られる樹脂成型品を用いた光学部品の製造方法。
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