JP2018166710A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で背もたれ部の後倒を規制することができる椅子を提供する。【解決手段】椅子10は、座部18と背もたれ部20とを備え、着座者300の大腿部302が前方に向かって下方に傾斜した状態で大腿部302と体幹304とのなす角度θを鈍角に保持可能に構成されている。背もたれ部20は、後方へ負荷が作用することによって後倒可能であり、且つ負荷を除去又は低減することによって前方に戻るように構成されている。椅子10は、背もたれ部20から左右方向の外方に突出した突出部52と、突出部52に接触することによって背もたれ部20の後倒を規制する規制部54と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、座部と背もたれ部とを備え、着座者の大腿部が前方に向かって下方に傾斜した状態で前記大腿部と体幹とのなす角度を鈍角に保持可能な椅子に関する。
例えば、特許文献1には、座面の前端が下方に傾斜するように座部と背もたれ部とのなす角度を鈍角に保持することが可能な椅子が開示されている。また、特許文献1には、座部と背もたれ部との相互の角度位置を空気シリンダーで固定することが記載されている。
本発明者は、鋭意検討を重ね、着座者の大腿部が前方に向かって下方に傾斜した状態で大腿部と体幹とのなす角度を鈍角に保持した場合、着座者の骨盤が起立し易くなり、その結果、胸郭を広げて深い呼吸をし易くなるため脳に十分な酸素を送ることができ、着座者の集中力を高めることができることを見出した。
上述した特許文献1のような従来技術では、座部と背もたれ部との相互の角度位置を空気シリンダーで固定することによって背もたれ部の後倒を規制しているため、構造が複雑化するという問題がある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、簡易な構成で背もたれ部の後倒を規制することができる椅子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る椅子は、座部と背もたれ部とを備え、着座者の大腿部が前方に向かって下方に傾斜した状態で前記大腿部と体幹とのなす角度を鈍角に保持可能な椅子であって、前記背もたれ部は、後方へ負荷が作用することによって後倒可能であり、且つ前記負荷を除去又は低減することによって前方に戻るように構成され、前記背もたれ部から左右方向の外方に突出した突出部と、前記突出部に接触することによって前記背もたれ部の後倒を規制する規制部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、背もたれ部に設けられた突出部が規制部に接触することによって簡易な構成で背もたれ部の後倒を規制することができる。
上記の椅子において、前記背もたれ部に後方への負荷を作用させていない状態で前記背もたれ部を前記座部に対して複数の角度位置で保持することが可能な位置調整部を備えていてもよい。
このような構成によれば、後方への負荷を作用させていない状態で背もたれ位置を着座者の好みに応じて調整することができる。
上記の椅子において、前記座部に対して前倒する方向に前記背もたれ部を付勢する付勢部材を備えていてもよい。
このような構成によれば、背もたれ部の後方への負荷を低減することによって、付勢部材の付勢力によって背もたれ部を前方に容易に戻すことができる。
本発明によれば、背もたれ部に設けられた突出部が規制部に接触することによって簡易な構成で背もたれ部の後倒を規制することができる。
以下、本発明に係る椅子について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。以下の実施形態に示す椅子は、学校等で学習机と組み合わせて好適に用いることができるものである。ただし、椅子は、任意の用途に用いることができる。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る椅子10は、2本の前脚12と、2本の後脚14と、前脚12及び後脚14に支持された基部16と、基部16に設けられた座部18と、座部18に設けられた背もたれ部20とを備える。
前脚12は、上下方向に延在しており、横断面がU字状に形成されている。前脚12には、上下方向に沿って複数の高さ調整孔22が等間隔に形成されている。前脚12の構成材料としては、例えば、金属、硬質樹脂、木材等が挙げられる。後脚14は、前脚12よりも上下方向に長く形成されている点以外、前脚12と同様に構成されている。
前後方向に並ぶ前脚12と後脚14とは、補強部材24によって連結されている。補強部材24は、ボルト25aを補強部材24に形成された図示しない挿通孔と高さ調整孔22とに挿通させた状態でナット25bに螺合させることによって前脚12及び後脚14のそれぞれに対して固定される。補強部材24の高さ位置は、高さ調整孔22に合わせて任意に変更可能である。
基部16は、略四角板状に形成されている。基部16の構成材料としては、例えば、前脚12の構成材料と同様のものが挙げられる。基部16には、固定孔26が形成されている。基部16は、4つのブラケット28によって前脚12及び後脚14のそれぞれに固定されている。ブラケット28は、例えば、図示しないボルトを固定孔26に螺合することによって基部16に対して固定されるとともにボルト29aを高さ調整孔22に挿通させた状態でナット29bに螺合させることによって前脚12又は後脚14に対して固定される。基部16は、上面が前方に向かって下方に傾斜するように前脚12及び後脚14のそれぞれに対して固定される。
図1及び図2に示すように、座部18は、基部16の上面の中央部分に接合された台座30と、台座30の上面に設けられた第1クッション部32と第2クッション部34とを有する。台座30の構成材料としては、例えば、前脚12の構成材料と同じものが挙げられる。台座30と基部16は、一体成型品であってもよい。
第1クッション部32及び第2クッション部34のそれぞれは、例えば、ウレタン等の柔軟な材料によって構成されている。第1クッション部32の硬度は、第2クッション部34の硬度よりも高い。
図1〜図3Aに示すように、座部18は、左右方向の中央に位置する座部本体36と、座部本体36の左右方向の両側に位置するとともに上方に突出して着座者300の臀部306及び大腿部302を両側から支持可能な左右一組の上方延出部38L、38Rとを有する(図4参照)。座部本体36の前方部分は第1クッション部32を有し、座部本体36の後方部分は第2クッション部34を有している。図1及び図2において、座部本体36の上面である座面36aには、着座者300の臀部306を支持する凹部40が形成されている。凹部40は、座部本体36の第2クッション部34に形成されている。座面36aの前端は、座面36aの後端よりも下方に位置している。凹部40及び第1クッション部32は、着座者300の着座位置を維持するための着座位置維持部として機能する。
座部18の台座30は、左右一組の上方延出部38L、38Rの間隔L1が調整可能に構成されている。具体的には、台座30は、左右一組の上方延出部38L、38Rの間に着座者300が位置することによって左右一組の上方延出部38L、38Rの間隔L1を押し広げることが可能なように弾性変形可能に構成されている。図1において、上方延出部38L、38Rは、座部本体36の前後方向の全長に亘って延在している。上方延出部38L、38Rは、その略全体に亘って第2クッション部34を有している。
図1及び図3Bに示すように、背もたれ部20は、台座30に設けられた背板部42と、背板部42の前面に設けられたクッション部44とを有する。背板部42の構成材料としては、例えば、前脚12の構成材料と同じものが挙げられる。背板部42は、台座30に対して一体的に設けられている。ただし、台座30に対して分離した状態で背板部42は、基部16に設けられていてもよい。クッション部44は、例えば、ウレタン等の柔軟な材料によって構成されている。クッション部44の硬度は、第1クッション部32の硬度よりも低く、第2クッション部34の硬度と略同じである。
背もたれ部20は、左右方向の中央に位置する背もたれ部本体46と、背もたれ部本体46の左右方向の両側に位置するとともに前方に突出して着座者300の腰部308を両側から支持可能な左右一組の前方延出部48L、48Rとを有する(図4参照)。
背もたれ部20は、左右一組の前方延出部48L、48Rの間隔L2が調整可能に構成されている。具体的には、背もたれ部20は、左右一組の前方延出部48L、48Rの間に着座者300が位置することによって左右一組の前方延出部48L、48Rの間隔L2を押し広げることが可能なように弾性変形可能に構成されている。前方延出部48L、48Rは、背もたれ部本体46の上方部分に設けられている。
図4に示すように、背もたれ部20は、後方へ負荷が作用することによって後倒可能であり、且つ負荷を除去又は低減することによって所定の角度位置に戻るように構成されている。すなわち、背もたれ部20は、台座30と背板部42との連結部分が撓むことによって後倒可能に構成されている。
図1及び図4に示すように、椅子10は、座部18に対して前倒する方向に背もたれ部20を付勢する付勢部材50(図2参照)と、背もたれ部20から左右方向の外方に突出した突出部52(ピン)と、突出部52に接触することによって背もたれ部20の後倒を規制する規制部54とを備えている。図2において、付勢部材50は、略L字状に形成された板ばねとして構成されている。付勢部材50の延在方向の一端側は基部16の上面に固定され、付勢部材50の延在方向の他端側は背もたれ部20の背面に固定されている。付勢部材50は、板ばねに限定されず、ゴム等であってもよい。
図1及び図4に示すように、突出部52は、背もたれ部20の座部18に対する回動軸Ax(図1参照)の近傍に位置している。すなわち、突出部52は、背もたれ部20の傾動によって回動軸Axの回りに沿って移動する。規制部54には、突出部52が挿通された挿通孔56が形成されている。挿通孔56は、背もたれ部20の傾動に伴う突出部52の軌跡に沿って円弧状に延在した長孔である。突出部52は、挿通孔56の外側まで突出している。挿通孔56の長さ及び形状は、任意に設定可能である。
規制部54には、背もたれ部20に後方への負荷を作用させていない状態で背もたれ部20を座部18に対して複数の角度位置で保持することが可能な位置調整部58が設けられている。位置調整部58は、規制部54に回転軸61を介して設けられたストッパ部60と、ストッパ部60を所定の位置に係止するための複数(図示例では3つ)の係止孔62a〜62cとを有する。ストッパ部60は、例えば、挿通孔56の延在方向の略中央の下方に位置している。係止孔62a〜62cは、挿通孔56の上方に位置している。
このように構成された椅子10は、図4に示すように、着座者300の大腿部302が前方に向かって下方に傾斜した状態で大腿部302と体幹304とのなす角度θを鈍角に保持することができる。そのため、着座者300の骨盤が起立し易くなり、その結果、胸郭を広げて深い呼吸をし易くなるため脳に十分な酸素を送ることができ、着座者300の集中力を高めることができる。
椅子10では、着座者300が背もたれ部20に後方への負荷を作用させると、背もたれ部20が後倒するととともに突出部52が挿通孔56内を円弧状に後方に移動する。そして、挿通孔56の延在方向の後端に位置する部分を構成する壁面(後端面56a)に突出部52が接触することによって、背もたれ部20の後倒が規制される。
図5に示すように、椅子10は、背もたれ部20に後倒への負荷を作用させていない状態における背もたれ部20の座部18に対する角度位置(背もたれ位置)を変更することができる。具体的には、背もたれ部20を後倒させた状態でストッパ部60を回転軸61に対して回転させてストッパ部60の図示しない凸部を係止孔62bに嵌合させる。このとき、ストッパ部60は、挿通孔56を跨ぐように固定される。その後、背もたれ部20の後方への負荷を除去又は低減する。
そうすると、背もたれ部20が前倒するとともに突出部52が挿通孔56内を円弧状に前方に移動する。この際、突出部52のうち挿通孔56から突出している部分がストッパ部60に接触するため、背もたれ部20は、ストッパ部60を設けない場合の背もたれ位置に比べて後倒した位置に保持されることになる。この状態で、突出部52は、挿通孔56を後方に移動可能であるため、背もたれ部20を後倒させることができる。なお、ストッパ部60は、係止孔62aに嵌合させてもよい。
図6に示すように、椅子10は、背もたれ部20の後倒を規制する位置(後倒角度)を変更することができる。具体的には、背もたれ部20が後倒していない状態でストッパ部60を回転軸61に対して回転させてストッパ部60の図示しない凸部を係止孔62cに嵌合させる。このとき、ストッパ部60は、挿通孔56を跨ぐように固定される。これにより、背もたれ部20を後倒させた際に、突出部52が後端面56aに達することなくストッパ部60に接触するため、背もたれ部20の後倒角度を小さくすることができる。なお、ストッパ部60は、係止孔62bに嵌合させてもよい。
次に、本実施形態に係る椅子10の効果について説明する。
椅子10は、座部18と背もたれ部20とを備え、着座者300の大腿部302が前方に向かって下方に傾斜した状態で大腿部302と体幹304とのなす角度θを鈍角に保持可能に構成されている。背もたれ部20は、後方へ負荷が作用することによって後倒可能であり、且つ負荷を除去又は低減することによって前方に戻るように構成されている。椅子10は、背もたれ部20から左右方向の外方に突出した突出部52と、突出部52に接触することによって背もたれ部20の後倒を規制する規制部54と、を備える
これにより、背もたれ部20に設けられた突出部52が規制部54に接触することによって簡易な構成で背もたれ部20の後倒を規制することができる。
椅子10は、背もたれ部20に後方への負荷を作用させていない状態で背もたれ部20を座部18に対して複数の角度位置で保持することが可能な位置調整部58を備える。これにより、後方への負荷を作用させていない状態で背もたれ位置を着座者300の好みに応じて調整することができる。
椅子10は、座部18に対して前倒する方向に背もたれ部20を付勢する付勢部材50を備える。そのため、背もたれ部20の後方への負荷を低減することによって、付勢部材50の付勢力によって背もたれ部20を前方に容易に戻すことができる。
本発明に係る椅子は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…椅子 18…座部
20…背もたれ部 52…突出部
54…規制部 300…着座者
20…背もたれ部 52…突出部
54…規制部 300…着座者
Claims (3)
- 座部と背もたれ部とを備え、着座者の大腿部が前方に向かって下方に傾斜した状態で前記大腿部と体幹とのなす角度を鈍角に保持可能な椅子であって、
前記背もたれ部は、後方へ負荷が作用することによって後倒可能であり、且つ前記負荷を除去又は低減することによって前方に戻るように構成され、
前記背もたれ部から左右方向の外方に突出した突出部と、
前記突出部に接触することによって前記背もたれ部の後倒を規制する規制部と、を備える、
ことを特徴とする椅子。 - 請求項1記載の椅子において、
前記背もたれ部に後方への負荷を作用させていない状態で前記背もたれ部を前記座部に対して複数の角度位置で保持することが可能な位置調整部を備える、
ことを特徴とする椅子。 - 請求項1記載の椅子において、
前記座部に対して前倒する方向に前記背もたれ部を付勢する付勢部材を備える、
ことを特徴とする椅子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017065837A JP2018166710A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 椅子 |
PCT/JP2017/038152 WO2018179541A1 (ja) | 2017-03-29 | 2017-10-23 | 椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017065837A JP2018166710A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 椅子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018166710A true JP2018166710A (ja) | 2018-11-01 |
Family
ID=64018034
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017065837A Pending JP2018166710A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 椅子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018166710A (ja) |
-
2017
- 2017-03-29 JP JP2017065837A patent/JP2018166710A/ja active Pending
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A521 | Written amendment |
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