JP2018166474A - 光合成細菌株及び光合成細菌株を用いた環境浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重金属又は放射性物質等を吸着する能力を向上させた光合成細菌株及び光合成細菌株を用いた環境浄化方法を提供する。【解決手段】 光合成細菌株は、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液1に焼却可能な有機性高分子凝集沈殿剤を添加して得られた沈殿物3を少なくとも含むSSI沈殿5からなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、重金属等を吸着する能力を有する光合成細菌株及び光合成細菌株を用いた環境浄化方法に関する。
近年、工場排水、核実験又は原子力発電所の事故やトラブルなどによる土壌又は水等の重金属汚染又は放射能汚染が世界各地で問題となっている。これに対する対策として、重金属等を吸着する性質を有する光合成細菌を利用してヘドロ、堆積砂、土壌又は砂漠の砂から重金属等を回収する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の細菌株であるロドバクター・スファエロイデスSSI株は、光合成細菌ロドバクター・スファエロイデスS株を継代培養する間に得られた自然変異株である。上記ロドバクター・スファエロイデスSSI株は、茨城県つくば市東1−1−1中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されており、そこから容易に入手することができる。上記ロドバクター・スファエロイデスSSI株の受託番号はFERM P−21462である(平成19年12月7日受託)。
上記ロドバクター・スファエロイデスSSI株は、培養中に多量の細胞表面タンパク質やRNAを生産するため、これらのタンパク質やRNAによって菌体細胞同士が凝集する。また、これらのタンパク質やRNAの存在により、上記ロドバクター・スファエロイデスSSI株は、重金属等を電気的に吸着するため、従来の光合成細菌株と比べて顕著に高い重金属吸着能力を有する。従って、上記ロドバクター・スファエロイデスSSI株は、従来の光合成細菌株と比べて吸着が困難な重金属等であっても効果的に吸着することができる。
特許第5150282号公報
本発明は、重金属又は放射性物質等を吸着する能力を向上させた光合成細菌株及び光合成細菌株を用いた環境浄化方法を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態である光合成細菌株は、
ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液に焼却可能な有機性高分子凝集沈殿剤を添加して得られた沈殿物を少なくとも含むSSI沈殿からなる
ことを特徴とする。
本発明の一実施形態である環境浄化方法は、
前記SSI沈殿を環境媒体に投入し、
前記環境媒体中の少なくとも重金属又は放射性物質を前記SSI沈殿に吸着させ、
少なくとも重金属又は放射性物質が吸着した前記SSI沈殿を回収する
ことを特徴とする。
本発明の一実施形態である環境浄化方法は、
前記SSI沈殿を回収する前に、前記環境媒体の上澄み液を排出する。
本発明の一実施形態である環境浄化方法は、
前記環境媒体に投入するSSI沈殿は、回収後の前記SSI沈殿である。
本発明の一実施形態である環境浄化方法は、
前記SSI沈殿を前記環境媒体に投入した後、前記環境媒体を撹拌する。
本発明の一実施形態である環境浄化方法は、
前記SSI沈殿を前記環境媒体に投入した後、前記環境媒体に空気を供給する。
本発明の一実施形態である環境浄化方法は、
前記SSI沈殿を前記環境媒体に投入した後、前記環境媒体を加熱する。
本発明の一実施形態である光合成細菌株及び光合成細菌株を用いた環境浄化方法によれば、重金属又は放射性物質等を吸着する能力を向上させることが可能となる。
本発明に係る一実施形態のSSI沈殿の生成方法を示す。 本発明に係る一実施形態の環境浄化方法の一例を示す。 第1実験のカドミウム回収の結果を示す。 第1実験のクロム回収の結果を示す。 第1実験のセシウム回収の結果を示す。 第2実験のカドミウム回収の結果を示す。 第2実験のCOD回収の結果を示す。 第4実験の放射能回収の結果を示す。 第4実験の放射能回収の結果の内訳を示す。 本発明に係る一実施形態の環境浄化方法の他の例を示す。 本発明に係る一実施形態の環境浄化装置の一例を示す。 本発明に係る一実施形態の環境浄化方法の一例を示す。 本発明に係る一実施形態の環境浄化装置の他の例を示す。
本実施形態の光合成細菌株及び光合成細菌株を用いた環境浄化方法について説明する。
自然界の中で水中や土壌の有機物等の汚れは多くの糸状菌や細菌等によりアンモニアや硝酸イオン等に分解され、その窒素分を光合成細菌等が吸収する等の作用をし環境を浄化している。この特性を用いて光合成細菌を排水処理に応用した技術も開発されている。光合成細菌を用いた場合、排水の処理を無希釈で行なうことができ、副生される菌体は肥料等に利用できる等の利点がある。また、光合成細菌は、重金属等の回収にも利用でき、使用した菌体を焼却することにより回収した重金属等の再利用や処分時の減容にもなる。
光合成細菌は、光合成の機能を持つ細菌群であり、地球の大気に酸素がほとんど無い状態の頃に光エネルギーを用いて生育する機能を獲得した原核生物である。分類としては、紅色非硫黄細菌、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌、滑走性糸状緑色硫黄細菌に分けられ、自然界のいたるところに生息し、田の土壌、池や沼地に多く分布している。環境浄化に応用されているのは、すべて紅色非硫黄細菌である。本実施形態では、紅色非硫黄細菌の中でも、セシウムやストロンチウム等の有害金属を除去できる特徴を持つロドバクター・スファエロイデスSSI株(FERM P−21462)を培養した培養液にキトサンやアコフック等の焼却可能な有機性高分子凝集沈殿剤を添加し、沈殿したSSIに係る沈殿を光合成細菌株として用いる。
ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養の一例について説明する。本実施形態では、培地としてGM(Glutamate malate)培地のうちビタミン類の割合を変更したものを使用するが、培地がこれに限られないことは、言うまでもない。本培地の組成のうちビタミン類を除いたものを、水酸化ナトリウムを用いてpH6.8に調節し、ビタミン類を添加する。その後、オートクレーブ(121℃、1気圧、30分)により滅菌を行い培養に使用する。表1は、GM改変培地の組成の一例を示す。
(表1)
GM改変培地の組成 g/L
グルタミン酸ナトリウム 3.8
DLリンゴ酸 2.7
酵母エキス 2
リン酸二水素カリウム 0.25
リン酸水素二カリウム 0.25
リン酸アンモニウム 0.5
硫酸マグネシウム7水和物 0.2
塩化カルシウム2水和物 0.0135

ビタミン類 mg/L
ニコチン酸 5
チアミン塩酸塩 5
ビオチン 0.05
次に、菌株の保存方法について説明する。まず、GM改変培地に寒天を2%添加し、撹拌しながら10mlずつ試験管に分注し、オートクレーブで滅菌する。その後、斜面培地にし、クリーンベンチ内で白金耳を用いてロドバクター・スファエロイデスSSI株を接種する。そして、タングステンランプを約2〜5kluxで照射し、30℃の室温で3〜4日間培養を行い、保存する。
続いて、前培養を行う。前培養では、300mlの三角フラスコにGM改変培地を200mL分注し、オートクレーブにて滅菌する。その後、クリーンベンチ内で白金耳を用いてロドバクター・スファエロイデスSSI株をフラスコ内に接種する。そして、タングステンランプを約2〜5kluxで照射し、30℃の室温にて3日間静置培養を行う。
続いて、本培養を行う。本培養では、ルー式培養瓶にGM改変培地を1Lずつ分注し、オートクレーブにて滅菌する。そこに培養が終了した前培養液を注ぎ、タングステンランプを約2〜5kluxで照射し、30℃の室温にて3日間静置培養を行う。
次に、本培養が終了した培養液を用いてSSI沈殿を生成する。
図1は、本発明に係る一実施形態のSSI沈殿の生成方法を示す。
本実施形態のSSI沈殿5は、図1(a)に示すように、容器0に入ったロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液1(以下、単に「培養液1」という。)にキトサン溶液2を添加して生成する。添加するキトサン溶液2は、粉末キトサンを純水に溶かした1%のキトサン溶液2を用いる。このキトサン溶液2を培養液1に20分の1量添加し、培養液中のキトサンの濃度を0.05%とする。キトサン溶液2を添加する際は、培養液1と撹拌させながら混合する。また、この際、アンモニア水を用いてpH7.5になるように調整してもよい。なお、本実施形態では、キトサンを添加するものとしたが、キトサン以外には、アコフック等の焼却可能な有機性高分子凝集沈殿剤をはじめとし、SSI沈殿5を得られるものでありさえすれば、それを使用することができる。
キトサン溶液2を添加した後、図1(b)に示すように、沈殿物3が完全に沈殿するまで放置する。沈殿物3が沈殿した後、図1(c)に示すように、約1/10の液量になるように上澄み液4を除去する。残った沈殿物3とわずかな上澄み液4の混合液をSSI沈殿5とする。なお、わずかな上澄み液4を完全に除去し、沈殿物3のみをSSI沈殿5として重金属又は放射性物質等の回収に用いてもよい。
次に、光合成細菌株としてのSSI沈殿5を用いた環境媒体としての人工汚染水又は工場廃液等の汚染水6の環境浄化方法について説明する。なお、環境媒体としては、汚染水6に限らず、重金属等を含んでいて、SSI沈殿5に当該重金属等が吸着することによって、当該重金属等が回収可能でありさえすればよく、例えば、ヘドロ、堆積砂、土壌又は砂漠の砂等でもよい。
図2は、本発明に係る一実施形態の環境浄化方法の一例を示す。
図2(a)は、汚染水6を処理部11に貯留した状態を示す。汚染水6は、放射能汚染水又は重金属汚染水等であって、光合成細菌株としてのSSI沈殿5で放射能、放射性物質又は重金属等が回収ないし吸着可能なものでありさえすれば、液体に限らず、どのようなものであってもよい。処理部11は、汚染水6を貯留しているプール又は浄化のために形成した容器等でよい。また、処理部11は、自然に汚染水6が貯留した水たまりのような場所でもよい。さらに、処理部11は、ラジエータ等の既存の容器であってもよい。すなわち、処理部11とは、汚染水6が固定又は定着が可能でありさえすればどのような形状であってもよい。
図2(b)は、汚染水6にSSI沈殿5を投入した状態を示す。SSI沈殿5は、汚染水6内で分散し沈殿し、分散し沈殿する途中で重金属や放射性物質等を回収する。本実施形態の環境浄化方法では、1tの汚染水6に対して、100LのSSI沈殿5を投入する。
図2(c)は、汚染水6にSSI沈殿5が沈殿した状態を示す。SSI沈殿5を投入した後、30分〜一晩が経つと、重金属等を回収した回収後のSSI沈殿5が沈殿物7として残る。ここで、回収とは、SSI沈殿5が重金属等を吸着することによって、汚染水6が沈殿物7と上澄み液8に分離されることを意味する。また、吸着とは、SSI沈殿5の表面に重金属等の分子やイオンが結合する、あるいはSSI沈殿5の光合成細菌の菌体内に重金属等の分子やイオンが取り込まれる現象を意味する。なお、SSI沈殿5が沈殿しない場合(沈殿物7が生成しない場合)又はSSI沈殿5の沈殿を促進させる場合、凝集沈殿剤を添加してもよい。
図2(d)は、上澄み液8を排出した状態を示す。上澄み液8の排出は、上澄み排出部50によって行う。本実施形態の上澄み排出部50は、上澄み排出ポンプ51から上澄み排出管52を経て、処理部11から上澄み液8を排出する。上澄み液8の排出の際は、沈殿物7が舞い上がり、上澄み排出部50によって、沈殿物7が上澄み液8と一緒に排出されないようにすることが好ましい。排出した上澄み液8は、一時的に別の容器に貯留し、水質を分析し、問題がない場合には放流してもよい。
図2(e)は、沈殿物7を排出した状態を示す。沈殿物7としての回収後のSSI沈殿5の排出は、沈殿物排出部60によって行う。本実施形態の沈殿物排出部60は、沈殿物排出ポンプ61から沈殿物排出管62を経て、処理部11から沈殿物7を排出する。排出した沈殿物7は、例えば、乾燥後、焼却して、減容化し、一時的に容器に保管してもよい。その後、自治体の定める手順に従い処理することができる。なお、沈殿物排出部60は、上澄み排出部50と共用してもよい。
このように、光合成細菌株としてSSI沈殿5を用いた汚染水6の環境浄化方法によれば、簡単な方法で重金属や放射性物質等を効率良く回収することが可能となる。
次に、SSI沈殿5を用いて重金属等の回収について行った第1実験について説明する。第1実験では、人工汚染水からカドミウムとクロムの除去を行った。人工汚染水は、表2のような組成からなる。

(表2)
人工汚染水組成 g/L
グルコース 5
リン酸水素ナトリウム 0.0602
塩化アンモニウム 0.117
硫酸マグネシウム七水和物 0.056
塩化カルシウム 0.01
ペプトン 0.15

ビタミン類 mg/L
ニコチン酸 5
チアミン塩酸塩 5
ビオチン 0.05
本実験では、3Lの密閉できる容器の蓋にシリコンチューブを通す穴と換気のための穴を開けた円筒容器(以下、「3L容器」という。)を使用した。シリコンチューブはエアポンプに接続される。したがって、エアポンプからシリコンチューブを介して容器内に空気を供給することができる。
3L容器には、2L分の人工汚染水を注入した。サンプリングの後、塩酸又は水酸化ナトリウムを用いてpH6.8に調節した。なお、通気量は、約18ml/minであり、室温は、30℃に保持された。
図3は、第1実験のカドミウム回収の結果を示す。
図3に示すように、人工汚染水に、50ml/L、100ml/L、200ml/LのSSI沈殿5をそれぞれ添加した場合の全てにおいてカドミウムを回収することができた。特に、200ml/Lを添加した場合、最大で74.3%のカドミウムを回収することができた。
図4は、第1実験のクロム回収の結果を示す。
図4に示すように、人工汚染水に、50ml/L、100ml/L、200ml/LのSSI沈殿5をそれぞれ添加した場合の全てにおいてクロムを回収することができた。特に、50ml/Lと200mL/Lを添加した場合、最大で28.7%のクロムを回収することができた。
このように、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液にキトサンを添加して生成したSSI沈殿5を用いることによって、汚染水から重金属等を回収することが可能であることがわかった。なお、重金属等としては、カドミウム及びクロムに限らず、銅、アルミニウム、ナトリウム、鉛、水銀、ストロンチウム等も回収することが可能である。
図5は、第1実験のセシウム回収の結果を示す。
図5に示すように、人工汚染水に、100ml/LのSSI沈殿5をそれぞれ添加した場合、全てセシウムを回収することができた。特に、3nの場合、最大で80%のセシウムを回収することができた。ここで、nは通気量を示している。1nは5.8L/minのエアポンプが1つ、2nは2つ、3nは3つ使用されたことを表している。したがって、通気が多いほどセシウムの除去率が多くなることがわかる。
このように、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液にキトサンを添加して生成したSSI沈殿5を用いることによって、汚染水から放射性物質等を回収することが可能であることがわかった。なお、放射性物質等としては、セシウムに限らず、ストロンチウム、ウラン、コバルトなど他の物質も回収することが可能である。
次に、第2実験について説明する。
第2実験では、環境媒体としての人工汚染水からカドミウム及びクロムの除去を行った。人工汚染水は、表3のような組成からなる。

(表3)
人工汚染水組成 g/L
グルコース 5
リン酸水素ナトリウム 0.0602
塩化アンモニウム 0.117
硫酸マグネシウム七水和物 0.053
ペプトン 0.158

硝酸カドミウム4水和物 27.4mg/L
第2実験では、第1実験と同様に、シリコンチューブがエアポンプに接続された3L容器を使用した。
3L容器には、Cd濃度が10mg/Lに調整された2L分の人工汚染水を注入し、毎日塩酸又は水酸化ナトリウムを用いてpH7に調節した。そして、1日1回サンプリングを行い、遠心分離の後測定を行った。なお、通気量は、約214ml/minであり、室温は、30℃に保持された。
図6は、第2実験のカドミウム回収の結果を示す。
図6は、以下の表4(表中の単位は「mg/L」)をグラフ化したものである。図6及び表4に示すように、人工汚染水に、50ml/L、100ml/L、200ml/LのSSI沈殿5をそれぞれ添加した場合の全てにおいて、カドミウムを回収することができた。特に、50ml/Lを添加した場合、最大で83.7%のカドミウムを回収することができた。
Figure 2018166474
図7は、第2実験の化学的酸素要求量:COD(Chemical Oxygen Demand)減少の結果を示す。
図7は、以下の表5(表中の単位は「mg/L」)をグラフ化したものである。図7及び表5に示すように、人工汚染水に、50ml/L、100ml/L、200ml/LのSSI沈殿5をそれぞれ添加した場合、全てにおいてCODを減少させることができた。特に、50ml/Lと100mL/Lを添加した場合、最大で96%のCODを減少させることができた。
Figure 2018166474
このように、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液にキトサンを添加して生成したSSI沈殿5を用いることによって、汚染水から重金属等を回収することが可能であることがわかった。
次に、第3実験について説明する。
第3実験では、メッキ工場の廃液を環境媒体としてSSI沈殿5を添加させたものである。
第3実験は、第1実験及び第2実験と同様に、シリコンチューブがエアポンプに接続された3L容器を使用した。
3L容器内の廃液には、100ml/LのSSI沈殿5が添加される。室温は、30℃に保持され、毎日塩酸又は水酸化ナトリウムを用いてpH7に調節した。1日1回サンプリングとして遠心分離の後測定を行い、最終的に3日後の測定値を処理後の測定値とした。
第3実験では、六価クロムは、処理前の144mg/Lに対して、3日後の処理後には113mg/Lとなった。マンガンは、処理前の1.63mg/Lに対して、3日後の処理後には1.15mg/Lとなった。フッ素は、処理前の1.37mg/Lに対して、3日後の処理後には0.98mg/Lとなった。全鉄は、処理前の0.40mg/Lに対して、3日後の処理後には0.34mg/Lとなった。
このように、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液にキトサンを添加して生成したSSI沈殿5を用いることによって、廃水から各種物質を回収することが可能であることがわかった。
次に、第4実験について説明する。
第4実験では、ゴミ処理場の浸出液を環境媒体としてSSI沈殿5を添加させたものである。
第4実験は、第1実験〜第3実験と同様に、シリコンチューブがエアポンプに接続された3L容器を使用した。
3L容器内の廃液には、100ml/LのSSI沈殿5が添加される。室温は、30℃に保持され、毎日塩酸又は水酸化ナトリウムを用いてpH7に調節した。1日1回サンプリングとして遠心分離の後測定を行い、最終的に3日後の測定値を処理後の測定値とした。
第4実験では、ホウ素が、処理前の1.3mg/Lに対して、3日後の処理後には0.82mg/Lとなった。ホウ素の除去率は、36.9%となった。
次に、第5実験について説明する。
第5実験は、福島県内の自動販売機や自動車に用いられたラジエータの洗浄後の廃液を環境媒体としてSSI沈殿5を添加させたものである。処理は、初めに5Lの廃液をpH7に調整され、処理槽に入れられる。その後、SSI沈殿5を500ml加える。SSI沈殿5を添加した廃液は、ヒーターで30℃に保持され、エアレーションを3日間行う。
エアレーションを3日間行った後、SSI沈殿5の交換を行う。まず、エアレーションとヒーターを止めて30分ほど静置し、SSI沈殿5が沈むのを待つ。続いて、処理槽の底からSSI沈殿5を排出する。SSI沈殿5はビーカーに静置しておく。ビーカーに静置したSSI沈殿5がさらに沈んだら、上澄み液を処理槽に戻す。ビーカーに残ったSSI沈殿5は1Lのメスシリンダーに移してさらに沈殿させる。SSI沈殿5が500mlまで沈殿したら、上澄み液を吸い出して処理槽に戻す。ここまでの3日間の一連の処理を1回の処理とカウントする。次に、処理槽に新しいSSI沈殿5を入れ、エアレーションとヒーターの電源を入れて、処理を再開する。
1回目、3回目、5回目のSSI沈殿5の処理の後には、処理槽に残った上澄み液500mlをサンプリングとして採取する。SSI沈殿5は、1回目の処理後では400ml、2回目の処理後では450ml、3回目の処理後では400ml、4回目の処理後では450ml加える。すなわち、廃液1Lに対してSSI沈殿5を100mlの割合を保つ。
第5実験の結果、浮遊物質量は、処理前の310mg/Lに対して、第5回目の処理後には130mg/Lとなった。ここで、浮遊物とは、水中に浮遊する粒子径約2mm以下の不溶解性物質の総称である。浮遊物質量は、pH処理後に増加している。これは、廃液が強いアルカリ性であり、pH処理前に溶存していたものが中性になったことで溶存できずに析出してしまったと考えられる。この浮遊物は沈殿するため、その後容易に除去されている。また、3回目の処理後と5回目の処理後に浮遊物質量が微増しているのは、SSI沈殿5の分泌する多糖類等の分泌物や雑菌等が検出されたものと考えられる。
アルミニウムは、処理前の870mg/Lに対して、第5回目の処理後には0.18mg/Lとなった。銅は、処理前の1.5mg/Lに対して、第5回目の処理後には0.04mg/Lとなった。鉄は、処理前の1.9mg/Lに対して、第5回目の処理後には0mg/Lとなった。ナトリウムは、処理前の1700mg/Lに対して、第5回目の処理後には910mg/Lとなった。
このように、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液にキトサンを添加して生成したSSI沈殿5を用いることによって、廃水から各種物質を回収することが可能であることがわかった。
図8は、第5実験の放射能回収の結果を示す。図9は、第5実験の放射能回収の結果の内訳を示す。
図8に示すように、放射能は、処理前の729.2Bq/mgに対して、実験第5回目には171.7Bq/mgとなった。すなわち、放射能は、処理前と比較して76.5%除去されたことになる。
また、図9に示すように、セシウム134は、処理前の94.7Bq/mgに対して、実験第5回目には23.1Bq/mgとなり、セシウム137は、処理前の634.5Bq/mgに対して、実験第5回目には148.6Bq/mgとなった。すなわち、セシウム134及びセシウム137の両方が減少した。なお、セシウム134が3回目より5回目で微増しているのは、誤差範囲内であると考えられる。
このように、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液にキトサンを添加して生成したSSI沈殿5を用いることによって、廃水から放射能又は放射性物質等を回収可能であることがわかった。なお、放射性物質等としては、セシウムに限らず、ストロンチウム、ウラン、コバルトなど他の物質も回収することが可能である。
図10は、本発明に係る一実施形態の環境浄化方法の他の例を示す。
図10に示す例は、第3実験とは異なり、SSI沈殿5を新しいものに交換することなく複数回用いることで、汚染水6から重金属又は放射性物質等を回収する効率を向上させるものである。本実施形態は、SSI沈殿5を3度用いる例であるが、これに限らず、SSI沈殿5を何度用いてもよいことは、言うまでもない。
図10(a)は、1回目の未処理の汚染水6の処理を示す。汚染水6は、処理部11に貯留されている。この汚染水6に用いられるのは、すでに他の汚染水6から重金属又は放射性物質等を2度回収している2度使用済みSSI沈殿5である2度使用済み沈殿物7bである。
図10(a−1)は、汚染水6に2度使用済み沈殿物7bを投入した状態を示す。2度使用済み沈殿物7bは、汚染水6内で分散し沈殿していく。図10(a−2)は、2度使用済み沈殿物7bが分散し沈殿する途中で重金属や放射性物質等を回収し、3度使用済み沈殿物7cとして沈殿した状態を示す。すなわち、汚染水6は、3度使用済み沈殿物7cと1度上澄み液8aに分離される。3度使用済み沈殿物7cは、例えば、乾燥後に焼却等によって処理される。
図10(b)は、2回目の汚染水の処理を示す。汚染水は、図10(a)に示した1回目の汚染水6の処理によって処理された1度上澄み液8aであって、処理部11に貯留されている。この1度上澄み液8aに用いられるのは、すでに他の汚染水から重金属又は放射性物質等を1度回収している1度使用済みSSI沈殿5である1度使用済み沈殿物7aである。
図10(b−1)は、汚染水としての1度上澄み液8aに1度使用済み沈殿物7aを投入した状態を示す。1度使用済み沈殿物7aは、1度上澄み液8a内で分散し沈殿していく。図10(b−2)は、1度使用済み沈殿物7aが分散し沈殿する途中で重金属や放射性物質等を回収し、2度使用済み沈殿物7bとして沈殿した状態を示す。すなわち、1度上澄み液8aは、2度使用済み沈殿物7bと2度上澄み液8bに分離する。2度使用済み沈殿物7bは、図10(a−1)に示した汚染水6に使用される。
図10(c)は、3回目の汚染水の処理を示す。汚染水は、図10(b)に示した2回目の汚染水の処理によって処理された2度上澄み液8bであって、処理部11に貯留されている。この2度上澄み液8bに用いられるのは、未使用のSSI沈殿5である。
図10(c−1)は、汚染水としての2度上澄み液8bにSSI沈殿5を投入した状態を示す。SSI沈殿5は、2度上澄み液8b内で分散し沈殿していく。図10(c−2)は、SSI沈殿5が分散し沈殿する途中で重金属や放射性物質等を回収し、1度使用済み沈殿物7aとして沈殿した状態を示す。すなわち、2度上澄み液8bは、1度使用済み沈殿物7aと3度上澄み液8cに分離する。1度使用済み沈殿物7aは、図10(b−1)に示した1度上澄み液8aに使用される。
このように、SSI沈殿5を複数回用いることで、SSI沈殿5に限界まで重金属又は放射性物質等を回収することができ、汚染水6からの重金属又は放射性物質等の回収効率を向上させることが可能となる。
汚染水6からSSI沈殿5を用いて重金属又は放射性物質等を回収するために、環境浄化装置を用いてもよい。
図11は、本発明に係る一実施形態の環境浄化装置の一例を示す。
図11に示した環境浄化装置10は、処理部11と、処理部11の内部を撹拌する撹拌部20と、処理部11の内部に空気を供給する空気供給部30と、処理部11を加熱する加熱部40と、処理部11内の上澄み液を排出する上澄み排出部50と、処理部11内の沈殿物を排出する沈殿物排出部60と、を備える。
本実施形態の処理部11は、円筒形の側部と円形の底部を有し、上方が開放され、汚染水を貯留する。本実施形態の処理部11は、約1tの汚染水を貯留することが可能である。なお、処理部11は、本実施形態の形状及び容積に限らず、どのような形状及び容積であってもよい。
撹拌部20は、モータやアクチュエータ等からなる駆動部材21と、駆動部材21によって駆動される撹拌部材22と、を有する。本実施形態の駆動部材21はモータからなる。また、本実施形態の撹拌部材22は、駆動部材21によって回転される軸部材22aと、軸部材22aの先端に取り付けられる回転翼22bと、を有する。すなわち、駆動部材21が駆動することで回転翼22bが回転する。なお、回転翼22bの形状はスクリュー型に限らない。
空気供給部30は、空気を送り出すエアポンプ31と、空気を通すエア管32と、空気を排出するエア排出部33と、を有する。本実施形態の空気供給部30では、エアポンプ31で送り出された空気が、エア管32を通り、エア排出部33としてのエアストーン、あるいは散気管から空気が排出される。
加熱部40は、処理部11の内部を加熱するヒーター41を有する。本実施形態では、処理部11内に貯留した汚染水内にヒーター41を配置する。ヒーター41は、図示しない電源によって電力を与えられる。
上澄み排出部50は、上澄み液を排出する上澄み排出ポンプ51と、上澄み排出ポンプ51によって送り出された上澄み液を処理部11の外部に排出する上澄み排出管52と、を有する。
沈殿物排出部60は、沈殿物を排出する沈殿物排出ポンプ61と、沈殿物排出ポンプ61によって送り出された沈殿物を処理部11の外部に排出する沈殿物排出管62と、を有する。
図12は、本発明に係る一実施形態の環境浄化方法の一例を示す。
図12(a)は、汚染水6を処理部11に貯留した状態を示す。汚染水6は、放射能汚染水又は重金属汚染水等の光合成細菌株としてのSSI沈殿5で浄化可能な汚染水でありさえすれば何でもよい。
図12(b)は、汚染水6にSSI沈殿5を投入した状態を示す。SSI沈殿5は、汚染水6内で分散し沈殿していく。SSI沈殿5は、分散し沈殿する途中で重金属や放射性物質等を回収する。本実施形態の環境浄化方法では、1tの汚染水6に対して、100LのSSI沈殿5を投入する。
図12(c)は、SSI沈殿5を投入した汚染水6を撹拌部20、空気供給部30及び加熱部40によって処理した状態を示す。この状態では、SSI沈殿5を投入した汚染水6をpH7前後に調整する。この状態を2〜5日間、好ましくは3日間又は4日間、維持し、SSI沈殿5に重金属や放射性物質等をさらに吸着させる。
撹拌部20は、SSI沈殿5を投入した汚染水6を撹拌する。撹拌部20は、回転翼22bを50〜200rpmで回転させる。撹拌部20を用いることによって、SSI沈殿5を広く拡散させることができ、重金属や放射性物質等をSSI沈殿5に効率良く吸着させることが可能となる。
空気供給部30は、SSI沈殿5を投入した汚染水6に空気を供給する。空気供給部30の供給量は、0.1〜0.5vvmとする。空気供給部30を用いることによって、SSI沈殿5に空気を送り込むことができるだけでなく、SSI沈殿5を広く拡散させることができ、重金属や放射性物質等をSSI沈殿5に効率良く吸着させることが可能となる。
加熱部40は、SSI沈殿5を投入した汚染水6を加熱する。加熱部40は、SSI沈殿5を投入した汚染水6の温度を28〜32℃の範囲で維持する。加熱部40は、ヒーター41として30℃に設定されたサーモスタットを使用してもよい。また、処理部11の外周を断熱マット等で覆ってもよい。加熱部40を用いることによって、汚染水6の温度を適温に保持することができ、重金属や放射性物質等に対するSSI沈殿5の吸着能力を向上させることが可能となる。
図12(d)は、汚染水6にSSI沈殿5が沈殿した状態を示す。図12(c)の状態の後、30分〜一晩が経つと、重金属等を回収した回収後のSSI沈殿5が沈殿物7として残る。すなわち、汚染水6は、沈殿物7と上澄み液8に容易に分離する。なお、SSI沈殿5が沈殿しない場合(沈殿物7が生成しない場合)又はSSI沈殿5の沈殿を促進させる場合、焼却可能で有毒ガスを発生しない有機性高分子凝集沈殿剤を添加してもよい。
図12(e)は、上澄み液8を排出した状態を示す。上澄み液8の排出は、上澄み排出部50によって行う。本実施形態の上澄み排出部50は、上澄み排出ポンプ51から上澄み排出管52を経て、処理部11から上澄み液8を排出する。上澄み排出ポンプ51は11の外部に置いても良い。上澄み液8の排出の際は、沈殿物7が舞い上がり、上澄み排出部50によって、沈殿物7が上澄み液8と一緒に排出されないようにすることが好ましい。排出した上澄み液8は、一時的に別の容器に貯留し、水質を分析し、問題がない場合には放流する。
図12(f)は、沈殿物7を排出した状態を示す。沈殿物7としての回収後のSSI沈殿5の排出は、沈殿物排出部60によって行う。本実施形態の沈殿物排出部60は、沈殿物排出ポンプ61から沈殿物排出管62を経て、処理部11から沈殿物7を排出する。沈殿物7は液状であるため液体用ポンプで移送できる。沈殿物排出部60、及び沈殿物排出ポンプ61は汚水対応のものであることが望ましい。また沈殿物排出部60及び沈殿物排出ポンプ61は、それぞれ上澄み排出部50及び上澄み排出ポンプ51と共用が可能である。排出した沈殿物7は、例えば、乾燥後、焼却して、減容化し、一時的に容器に保管してもよい。その後、自治体の定める手順に従い処理することができる。
本実施形態の環境浄化装置によれば、簡単な構造の装置で重金属や放射性物質等を回収することが可能となる。また、本実施形態の環境浄化装置は、容易に持ち運びすることができ、広範な現場で重金属や放射性物質等を回収することが可能となる。
図13は、本発明に係る一実施形態の環境浄化装置の他の例を示す。
図13に示した環境浄化装置10は、処理部11と、処理部11の内部に空気を供給する空気供給部30と、温水を流すことで処理部11の温度を調節する温度調節部40と、処理部11内の上澄み液を排出する上澄み排出部50と、処理部11内の沈殿物を排出する沈殿物排出部60と、を備える。なお、図13には示していないが、処理部11の内部を撹拌する撹拌部20を設けてもよい。
本実施形態の処理部11は、円筒形の側部と下方に向かうほど径が小さくなる円錐状の底部を有し、上方が開放され、汚染水を貯留する。本実施形態の処理部11は、約1tの汚染水を貯留することが可能である。なお、処理部11は、本実施形態の形状及び容積に限らず、どのような形状及び容積であってもよい。
空気供給部30は、空気を送り出すコンプレッサ36と、空気を通すエア管37と、空気を排出するエア排出部38と、を有する。本実施形態の空気供給部30では、コンプレッサ36で送り出された空気が、エア管37を通り、エア排出部38としてのスパージャーから空気が排出される。スパージャーからのエアリフト力により撹拌部がなくても効率よく撹拌できる。
温度調節部40は、処理部11の外周の温度を調節するジャケット46を有する。本実施形態のジャケット46は、温度を調節された媒体が注入される媒体注入部46aと、処理部11の温度を調節した媒体が排出される媒体排出部46bと、を有する。媒体注入部46aから注入された媒体は、ジャケット46で処理部11と温度交換をした後、媒体排出部46bから排出される。媒体排出部46bから排出された媒体は図に記していない温度調節器で温度調節された後、再度媒体注入部46aから注入されるように循環する。
上澄み排出部50は、上澄み液を処理部11の外部に排出する。沈殿物排出部60は、沈殿物を処理部11の外部に排出する。
本実施形態の環境浄化装置によれば、簡単な構造の装置で重金属や放射性物質等を回収することが可能となる。また、本実施形態の環境浄化装置は、容易に持ち運びすることができ、現場で重金属や放射性物質等を回収することが可能となる。さらに、本実施形態の環境浄化装置は、上澄み液と沈殿物の分離、及び上澄み液の排出、沈殿物の排出に対して、動力を必要としないので、エネルギー効率を向上させることが可能となる。加えて縦型なので敷地スペースを取らない利点がある。
以上、本実施形態の光合成細菌株は、ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液に焼却可能な有機性高分子凝集沈殿剤としてのキトサンを添加して得られた沈殿物を少なくとも含むSSI沈殿5からなる。したがって、重金属又は放射性物質等を吸着する能力を向上させることが可能となる。
本実施形態の環境浄化方法は、SSI沈殿5を環境媒体としての汚染水6に投入し、汚染水6中の少なくとも重金属又は放射性物質等をSSI沈殿5に吸着させ、少なくとも重金属又は放射性物質等が吸着したSSI沈殿5を回収する。したがって、簡単な方法で重金属や放射性物質等を効率良く回収することが可能となる。
本実施形態の環境浄化方法は、SSI沈殿5を回収する前に、汚染水6の上澄み液8を排出する。したがって、重金属又は放射性物質等が吸着したSSI沈殿5を含む沈殿物7を効率的に回収することが可能となる。
本実施形態の環境浄化方法は、汚染水6に投入するSSI沈殿5は、回収後のSSI沈殿5である。したがって、汚染水6から重金属又は放射性物質等を回収する効率を向上させることが可能となる。
本実施形態の環境浄化方法は、SSI沈殿5を汚染水6に投入した後、汚染水6を撹拌する。したがって、SSI沈殿5を広く拡散させることができ、重金属や放射性物質等をSSI沈殿5に効率良く吸着させることが可能となる。
本実施形態の環境浄化方法は、SSI沈殿5を汚染水6に投入した後、汚染水6に空気を供給する。したがって、SSI沈殿5を広く拡散させることができ、重金属や放射性物質等をSSI沈殿5に効率良く吸着させることが可能となる。
本実施形態の環境浄化方法は、SSI沈殿5を汚染水6に投入した後、汚染水6を加熱する。したがって、汚染水6の温度を適温に保持することができ、重金属や放射性物質等に対するSSI沈殿5の吸着能力を向上させることが可能となる。
なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではなく、色々なバリエーションや変更を加えても、本発明の範囲を超えるものではない。
1…(ロドバクター・スファエロイデスSSI株の)培養液
2…キトサン(有機性高分子凝集沈殿剤)
3…沈殿物
4…上澄み液
5…SSI沈殿
6…汚染水,廃液(環境媒体)
7…沈殿物
8…上澄み液
11…処理部
20…撹拌部
30…空気供給部
40…温度調節部
50…上澄み排出部
60…沈殿物排出部

Claims (7)

  1. ロドバクター・スファエロイデスSSI株の培養液に焼却可能な有機性高分子凝集沈殿剤を添加して得られた沈殿物を少なくとも含むSSI沈殿からなる
    ことを特徴とする光合成細菌株。
  2. 請求項1に記載のSSI沈殿を環境媒体に投入し、
    前記環境媒体中の少なくとも重金属又は放射性物質を前記SSI沈殿に吸着させ、
    少なくとも重金属又は放射性物質が吸着した前記SSI沈殿を回収する
    ことを特徴とする環境浄化方法。
  3. 前記SSI沈殿を回収する前に、前記環境媒体の上澄み液を排出する
    請求項2に記載の環境浄化方法。
  4. 前記環境媒体に投入するSSI沈殿は、回収後の前記SSI沈殿である
    請求項2又は3に記載の環境浄化方法。
  5. 前記SSI沈殿を前記環境媒体に投入した後、前記環境媒体を撹拌する
    請求項2乃至4のいずれか1つに記載の環境浄化方法。
  6. 前記SSI沈殿を前記環境媒体に投入した後、前記環境媒体に空気を供給する
    請求項2乃至5のいずれか1つに記載の環境浄化方法。
  7. 前記SSI沈殿を前記環境媒体に投入した後、前記環境媒体を加熱する
    請求項2乃至6のいずれか1つに記載の環境浄化方法。
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