JP2018165559A - ピストンリング及びピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンリング及びピストンにおいて、摩擦抵抗を軽減してメカニカルな損失を低減すると共にガスシール機能の低下を抑制する。【解決手段】エンジンのピストン13の外周面に設けられるピストンリングにおいて、リング形状をなす本体32の外周面に、ピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝33を周方向に所定間隔を空けて複数設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関に用いられるピストンの外周部に装着されるピストンリング、このピストンリングが装着されるピストンに関するものである。
内燃機関において、エンジン本体に水平方向に複数のシリンダボアが並んで設けられ、各シリンダボアにピストンが上下動自在に支持されている。そして、エンジン本体とピストンにより区画される各燃焼室に対して吸気ポート及び排気ポートが設けられ、この吸気ポート及び排気ポートが吸気弁及び排気弁により開閉自在となっている。また、燃焼室や吸気ポートに対して燃料を噴射するインジェクタが装着されている。
上述したピストンは、外周部に複数のピストンリングが装着されている。複数のピストンリングとしては、ピストンの頂部側からトップリング、セカンドリング、オイルリングが用いられる。トップリングとセカンドリングは、ガスシール機能及び熱伝導機能を有し、オイルリングは、オイルコントロール機能を有している。このようなピストンリングとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
特開2012−107710号公報
内燃機関のメカニカルな損失として、ピストンリングのメカニカルな損失の割合は、約20%〜30%あり、ピストンリングの摩擦損失が内燃機関の効率を下げてしまうという問題がある。ところが、一方で、ピストンリングは、市リンダボアの内壁面に対して摺動しながら燃焼室内のガスをシールする機能、シリンダボアの壁面に接してピストンの熱をシリンダボア側に逃がす機能、シリンダボアの内壁面に付着した潤滑油を掻き落とす機能を有しており、エンジンの信頼性を維持するためにピストンリングの摩擦抵抗を単純に定差させることは困難である。
本発明は上述した課題を解決するものであり、摩擦抵抗を軽減してメカニカルな損失を低減すると共にガスシール機能の低下を抑制するピストンリング及びピストンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明のピストンリングは、内燃機関のピストンの外周面に設けられるピストンリングにおいて、リング形状をなすピストンリング本体の外周面に、前記ピストンの頂部側から最大外径部側に向けて前記ピストンの軸方向に沿う軸方向溝が、周方向に所定間隔を空けて複数設けられる、ことを特徴とするものである。
従って、ピストンリングは、燃焼室側のガス圧力が背面側に作用することで、外面がシリンダボアの内壁面に押圧されるが、燃焼室側のガス圧力が複数の軸方向溝を通して外面側にも作用することから、外面がシリンダボアの内壁面に押圧される荷重を低減することができ、ピストンリングの外面とシリンダボアの内壁面との摩擦抵抗を軽減し、メカニカルな損失を低減することができると共に、ガスシール機能の低下を抑制することができる。
本発明のピストンリングでは、前記軸方向溝は、前記ピストンの軸方向における長さ寸法が、前記ピストンの周方向における幅寸法より大きい寸法に設定されることを特徴としている。
従って、軸方向溝をピストンの軸方向に長く形成することで、燃焼室側のガス圧力を軸方向溝を通して外面側に効率良く作用させることができる。
本発明のピストンリングでは、前記軸方向溝は、前記ピストンの頂部側の端部が前記最大外径部側の端部より前記ピストンの径方向における中心側に配置されることを特徴としている。
従って、ピストンリングとシリンダボアとの間に油膜が形成されるが、軸方向溝におけるピストンの頂部側の端部がピストンの中心側まで延出されることで、燃焼室側のガス圧力を軸方向溝に適正に侵入させることができる。
本発明のピストンリングでは、前記ピストンリング本体は、外周面が円弧形状をなし、前記軸方向溝は、前記最大外径部側の端部が前記最大外径部に到達しない位置に配置されることを特徴としている。
従って、ピストンリング本体の外周面が円弧形状をなすとき、軸方向溝における最大外径部側の端部を最大外径部に到達しない位置に配置することで、最大外径部をシリンダボアの内壁面に密着させることで、シール性能の低下を抑制することができる。
本発明のピストンリングでは、前記ピストンリング本体は、外周面が平坦面形状をなし、前記軸方向溝は、前記最大外径部側の端部が前記最大外径部の中途部に配置されることを特徴としている。
従って、ピストンリング本体の外周面が平坦面形状をなすとき、軸方向溝における最大外径部側の端部を前記最大外径部の中途部に配置することで、最大外径部をシリンダボアの内壁面に密着させることで、シール性能の低下を抑制することができる。
本発明のピストンリングでは、前記ピストンリング本体の外周面に、複数の前記軸方向溝における前記最大外径部側の端部同士を連通する周方向溝が周方向に沿って設けられることを特徴としている。
従って、複数の軸方向溝における最大外径部側の端部同士を連通する周方向溝を設けることで、軸方向溝に侵入する燃焼室側のガス圧力を周方向溝により均一化して外周面に適切に作用させることができる。
本発明のピストンリングでは、前記軸方向溝は、前記ピストンの軸方向に対して前記ピストンの周方向に傾斜して配置されることを特徴としている。
従って、軸方向溝を傾斜して配置することで、ピストンの往復移動時に軸方向溝により潤滑油をピストンの周方向に拡散することができ、ピストンとシリンダボアとの間の油膜を周方向で均一化することができる。
また、本発明のピストンは、内燃機関のシリンダボアに移動自在に設けられるピストンにおいて、外周面に周方向に沿って設けられるリング溝に、前記ピストンリングが装着される、ことを特徴とするものである。
従って、ピストンリングは、燃焼室側のガス圧力が背面側に作用することで、外面がシリンダボアの内壁面に押圧されるが、燃焼室側のガス圧力が複数の軸方向溝を通して外面側にも作用することから、外面がシリンダボアの内壁面に押圧される荷重を低減することができ、ピストンリングの外面とシリンダボアの内壁面との摩擦抵抗を軽減し、メカニカルな損失を低減することができると共に、ガスシール機能の低下を抑制することができる。
本発明のピストンでは、前記軸方向溝は、前記ピストンの頂部側の端部が前記シリンダボアの内壁面に形成される油膜の内方まで延出されることを特徴としている。
従って、ピストンリングとシリンダボアとの間に油膜が形成されるが、軸方向溝におけるピストンの頂部側の端部が油膜の内方まで延出されることで、燃焼室側のガス圧力を軸方向溝に適正に侵入させることができる。
本発明のピストンでは、前記軸方向溝は、前記ピストンの頂部側の端部が燃焼室側の空間部に連通し、前記最大外径部側の端部がクランク室側の空間部に連通しないことを特徴としている。
従って、ピストンリングの最大外径部をシリンダボアの内壁面に密着させることで、シール性能の低下を抑制することができる。
本発明のピストンリング及びピストンによれば、摩擦抵抗を軽減してメカニカルな損失を低減することができると共に、ガスシール機能の低下を抑制することができる。
図1は、第1実施形態のピストンが適用されるエンジンを表す概略構成図である。 図2は、第1実施形態のピストンに装着されたピストンリングの正面図である。 図3は、図2のIII−III断面図である。 図4は、第2実施形態のピストンに装着されたピストンリングの正面図である。 図5は、図4のV−V断面図である。 図6は、第3実施形態のピストンに装着されたピストンリングの正面図である。 図7は、第4実施形態のピストンに装着されたピストンリングの断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るピストンリング及びピストンの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態のピストンが適用されるエンジンについて詳細に説明する。図1は、第1実施形態のピストンが適用されるエンジンを表す概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態のエンジン10は、シリンダブロック上にシリンダヘッドが締結されてエンジン本体11が構成されている。このエンジン本体11は、複数(図1では、1個を図示)のシリンダボア12が設けられ、各シリンダボア12にシリンダライナ(図示略)を介してピストン13がそれぞれ上下移動自在に支持されている。エンジン本体11は、図示しないが、下部にクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストン13がコネクティングロッド14を介してクランクシャフトにそれぞれ連結されている。
燃焼室15は、エンジン本体11の下面とシリンダボア12の内壁面とピストン13の頂面とにより区画されて構成されている。燃焼室15は、上方、つまり、エンジン本体11に吸気ポート16及び排気ポート17が並んで形成されており、吸気ポート16及び排気ポート17に対して吸気弁18及び排気弁19の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁18及び排気弁19は、エンジン本体11に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート16及び排気ポート17を閉止する方向(図1にて上方)に付勢支持されている。吸気弁18及び排気弁19は、図示しない吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの吸気カム及び排気カムが作用することで、吸気ポート16及び排気ポート17を開閉することができる。また、燃焼室15は、上方、つまり、エンジン本体11に燃料噴射弁20が設けられている。燃料噴射弁20は、燃焼室15に高圧燃料を噴射することができる。
そのため、エンジン10は、クランクシャフトが2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトが1回転し、吸気弁18及び排気弁19が吸気ポート16及び排気ポート17を開閉することとなる。そして、エンジン本体11は、吸気ポート16から燃焼室15に空気が供給されると、ピストン13の上昇によりこの空気が圧縮され、燃料噴射弁20により燃焼室15に高圧燃料が噴射されると、この高圧燃料が自然着火して燃焼する。そして、発生した燃焼ガスは、排ガスとして排気ポート17から排出される。
上述したピストン13は、外周部に3個のピストンリング21,22,23が上下方向に所定間隔を空けて装着されている。3個のピストンリング21,22,23は、上方側に装着されるトップリング21及びセカンドリング22と、その下方側に装着されるオイルリング23である。トップリング21及びセカンドリング22は、ガスシール機能及び熱伝導機能を有し、オイルリング23は、オイルコントロール機能を有している。このガスシール機能は、エンジン10の吸気、圧縮、膨張、排気行程における燃焼室15の機密性を確保するものである。即ち、燃焼室15における燃焼ガスの膨張によりピストン13が圧力を受けて下降するが、このとき、燃焼ガスがシリンダボア12とピストン13との隙間を通ってクランクケース内に漏れないように、トップリング21及びセカンドリング22がシリンダボア12の内壁面に接して機密性を確保する。熱伝導機能は、トップリング21及びセカンドリング22がシリンダボア12の内壁面に接することで、ピストン13の熱をシリンダボア12側に逃がすことで、ピストン13やトップリング21及びセカンドリング22の性能を確保するものである。オイルコントロール機能は、潤滑油を必要最小限の量だけシリンダボア12の内壁面に残し、余分な潤滑油をかき落として回収するものである。
ここで、トップリング21について詳細に説明する。図2は、第1実施形態のピストンに装着されたピストンリングの正面図、図3は、図2のIII−III断面図である。
ピストン13は、外周面に周方向に沿ってリング溝31が形成されている。このリング溝31は、天井面31aと側面31bと底面31cとから構成される矩形断面形状をなしし、天井面31aと側面31bと底面31cはそれぞれ平面となっている。天井面31aと底面31cは平行をなして対向し、天井面31aと底面31cは、側面31bと略直角をなしている。
トップリング21は、本体(ピストンリング本体)32に対して外面21aと上面21bと背面21cと下面21dとから構成される矩形断面形状をなし、外面21aは、円弧形状面をなし、上面21bと背面21cと下面21dは、平面となっている。なお、このトップリング21は、リング形状をなすものの、シリンダボア12の内壁面に対して張力を発生して密着を確保するため、1箇所に合口(図示略)と呼ばれる切れ目が設けられている。この合口は、低温時と高温時における熱膨張差を吸収するために、合口隙間が設けられている。
トップリング21は、ピストン13のリング溝31に装着されている。このとき、トップリング21とピストン13のリング溝31は、上面21bが天井面31aに対向し、背面21cが側面31bに対向し、下面21dが底面31cに対向している。そして、トップリング21は、外面21aが油膜Fを介してシリンダボア12の内壁面に対向している。
第1実施形態のトップリング21にて、本体32は、外面21aにピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝33が周方向に所定間隔を空けて複数設けられている。この軸方向溝33は、ピストン13の軸方向に平行に設けられ、ピストン13の軸方向における長さ寸法が、ピストン13の周方向における幅寸法より大きい寸法に設定されている。
この場合、トップリング21は、本体32の外面21aが円弧形状面をなし、背面21cが平面をなすことから、上下方向における中間位置、つまり、円弧形状面をなす外面21aの頂点の位置が最大外径部34となっている。そして、軸方向溝33は、ピストン13の頂部側の端部33aが平面である上面21bに到達した位置に配置され、最大外径部34側の端部33bがこの最大外径部34に到達しない手前の位置に配置されている、また、軸方向溝33は、ピストン13の頂部側の端部33aが最大外径部34側の端部33bよりピストン13の径方向における中心側(図3の左側)に配置されている。
そして、軸方向溝33は、ピストン13の頂部側の端部33aがシリンダボア12の内壁面に形成される油膜Fより内方まで延出され、最大外径部34側の端部33bがこの油膜F内に位置している。また、軸方向溝33は、ピストン13の頂部側の端部が燃焼室15側の空間部に連通し、最大外径部34側の端部がクランク室側の空間部に連通していない。
そのため、トップリング21は、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力が背面21c側に作用することで、外面21aがシリンダボア12の内壁面側に押圧される。また、トップリング21は、外面21aに複数の軸方向溝33が設けられていることから、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力がこの複数の軸方向溝33を通して外面21a側にも作用する。このとき、トップリング21は、背面21cの面積に対して軸方向溝33の面積が極めて小さいことから、外面21aが油膜Fを介してシリンダボア12の内壁面に押圧されるものの、軸方向溝33によりその押圧力(荷重)が低減される。
即ち、トップリング21の外面21aとシリンダボア12の内壁面との間の圧力は、燃焼室15側に軸方向溝33が設けられた領域L1で圧力P1と高く、クランク室側の軸方向溝33が設けられていない領域L2で圧力P2と低く、領域L1と領域L2間の領域L3で変動するものとなっている。そのため、トップリング21は、最大外径部34の位置でシリンダボア12の内壁面と密着することでシール性能が確保され、軸方向溝33の位置でシリンダボア12の内壁面への押圧力が低減されて摩擦抵抗が低減される。
このように第1実施形態のピストンリングにあっては、エンジン10のピストン13の外周面に設けられるピストンリングにおいて、リング形状をなす本体32の外周面に、ピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝33を周方向に所定間隔を空けて複数設けている。
従って、トップリング21は、燃焼室15側のガス圧力が背面21c側に作用することで、外面21aがシリンダボア12の内壁面に押圧されるが、燃焼室15側のガス圧力が複数の軸方向溝33を通して外面21a側にも作用することから、外面21aがシリンダボア12の内壁面に押圧される荷重を低減することができる。その結果、トップリング21の外面とシリンダボア12の内壁面との摩擦抵抗を軽減し、メカニカルな損失を低減することができると共に、ガスシール機能の低下を抑制することができる。
第1実施形態のピストンリングでは、軸方向溝33におけるピストン13の軸方向における長さ寸法をピストン13の周方向における幅寸法より大きい寸法に設定している。従って、軸方向溝33をピストン13の軸方向に長く形成することで、燃焼室15側のガス圧力を軸方向溝33を通して外面21a側に効率良く作用させることができる。
第1実施形態のピストンリングでは、軸方向溝33におけるピストン13の頂部側の端部33aを最大外径部34側の端部33bよりピストン13の径方向における中心側に配置している。従って、トップリング21とシリンダボア12との間に油膜Fが形成されるが、軸方向溝33におけるピストン3の頂部側の端部33aがピストン13の中心側まで延出されることで、燃焼室15側のガス圧力を軸方向溝33に適正に侵入させることができる。
第1実施形態のピストンリングでは、本体32の外面21aを円弧形状とし、軸方向溝33における最大外径部34側の端部33bを最大外径部34に到達しない位置に配置している。従って、本体32の外面21aが円弧形状をなすとき、軸方向溝33における最大外径部34側の端部33bを最大外径部34に到達しない位置に配置することで、最大外径部34をシリンダボア12の内壁面に密着させることで、シール性能の低下を抑制することができる。
また、第1実施形態のピストンにあっては、エンジン本体11のシリンダボア12に移動自在に設けられるピストン13において、外周面に周方向に沿って設けられるリング溝31に、複数の軸方向溝33が設けられたトップリング21を装着している。
従って、トップリング21は、燃焼室15側のガス圧力が背面21c側に作用することで、外面21aがシリンダボア12の内壁面に押圧されるが、燃焼室15側のガス圧力が複数の軸方向溝33を通して外面21a側にも作用することから、外面21aがシリンダボア12の内壁面に押圧される荷重を低減することができる。その結果、トップリング21の外面とシリンダボア12の内壁面との摩擦抵抗を軽減し、メカニカルな損失を低減することができると共に、ガスシール機能の低下を抑制することができる。
第1実施形態のピストンでは、軸方向溝33におけるピストン13の頂部側の端部33aをシリンダボア12の内壁面に形成される油膜Fの内方まで延出している。従って、トップリング21とシリンダボア12との間に油膜Fが形成されるが、軸方向溝33におけるピストン13の頂部側の端部33aが油膜Fの内方まで延出されることで、燃焼室15側のガス圧力を軸方向溝33に適正に侵入させることができる。
第1実施形態のピストンでは、軸方向溝33におけるピストン13の頂部側の端部33aを燃焼室15側の空間部に連通し、最大外径部34側の端部33bをクランク室側の空間部に連通しない。従って、トップリング21の最大外径部34をシリンダボア12の内壁面に密着させることで、シール性能の低下を抑制することができる。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態のピストンに装着されたピストンリングの正面図、図5は、図4のV−V断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、図4及び図5に示すように、トップリング21Aにて、本体32は、外面21aと上面21bと背面21cと下面21dとから構成される矩形断面形状をなし、外面21aは、円弧形状面をなし、上面21bと背面21cと下面21dは、平面となっている。トップリング21Aは、ピストン13のリング溝31に装着されている。第2実施形態のトップリング21Aは、本体32の外面21aにピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝33が周方向に所定間隔を空けて複数設けられている。
また、トップリング21Aは、本体32の外周面に、複数の軸方向溝33における最大外径部34側の端部同士を連通する周方向溝35が周方向に沿って設けられている。この周方向溝35は、複数の軸方向溝33を連通するものであるが、複数の軸方向溝33を複数のブロック単位に区分けし、ブロック単位に区分けされた複数の軸方向溝33同士をそれぞれ複数の周方向溝35により連通してもよい。また、周方向溝35は、複数の軸方向溝33における最大外径部34側の端部同士を連通するものとしたが、複数の軸方向溝33の長手方向の中間位置などを連通してもよい。
そのため、トップリング21Aは、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力が背面21c側に作用することで、外面21aがシリンダボア12の内壁面側に押圧される。また、トップリング21Aは、外面21aに複数の軸方向溝33及び周方向溝35が設けられていることから、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力がこの複数の軸方向溝33及び周方向溝35を通して外面21a側にも作用する。このとき、トップリング21Aは、背面21cの面積に対して軸方向溝33の面積が極めて小さいことから、外面21aが油膜Fを介してシリンダボア12の内壁面に押圧されるものの、軸方向溝33及び周方向溝35によりその押圧力(荷重)が低減される。また、複数の軸方向溝33が周方向溝35により連通されていることから、複数の軸方向溝33に侵入した燃焼ガスがトップリング21Aの外面21aに作用する圧力が周方向で均一化される。
このように第2実施形態のピストンリングにあっては、本体32の外周面にピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝33を周方向に所定間隔を空けて複数設けると共に、複数の軸方向溝33における最大外径部34側の端部同士を連通する周方向溝35を周方向に沿って設けている。
従って、複数の軸方向溝33における最大外径部34側の端部同士を連通する周方向溝35を設けることで、各軸方向溝33に侵入する燃焼室15側の燃焼ガスの圧力を周方向溝35により均一化して外周面に適切に作用させることができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態のピストンに装着されたピストンリングの正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態において、図6に示すように、トップリング21Bにて、本体32は、外面21aと上面21bと背面21c(図3参照)と下面21dとから構成される矩形断面形状をなし、外面21aは、円弧形状面をなし、上面21bと背面21cと下面21dは、平面となっている。トップリング21Bは、ピストン13のリング溝31に装着されている。第3実施形態のトップリング21Bは、本体32の外面21aにピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝36,37が周方向に所定間隔を空けて複数設けられている。この軸方向溝36,37は、ピストン13の軸方向に対してピストン13の周方向に向けて傾斜して配置されている。例えば、軸方向溝36,37は、ピストン13の軸方向に対して20度から50度の範囲で傾斜することが好ましい。そして、軸方向溝36,37は、ピストン13の頂部側の端部で連通すると共に、最大外径部34側の端部で連通している。なお、軸方向溝36,37の一端部だけを連通したり、軸方向溝36,37の両端部を連通しなかったりしてもよい。
そのため、トップリング21Bは、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力が背面21c側に作用することで、外面21aがシリンダボア12の内壁面側に押圧される。また、トップリング21Bは、外面21aに複数の軸方向溝36,37が設けられていることから、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力がこの複数の軸方向溝36,37を通して外面21a側にも作用する。このとき、トップリング21Bは、背面21cの面積に対して軸方向溝36,37の面積が極めて小さいことから、外面21aが油膜Fを介してシリンダボア12の内壁面に押圧されるものの、軸方向溝36,37によりその押圧力(荷重)が低減される。また、複数の軸方向溝36,37により連通されていることから、複数の軸方向溝36,37に侵入した燃焼ガスがトップリング21Bの外面21aに作用する圧力が周方向で均一化される。
このように第3実施形態のピストンリングにあっては、本体32の外周面にピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝36,37を周方向に所定間隔を空けて複数設け、この複数の軸方向溝36,37をピストン13の軸方向に対して周方向に傾斜して配置している。
従って、軸方向溝36,37を傾斜して配置することで、ピストン13の往復移動時に軸方向溝36,37により潤滑油をピストン13の周方向に拡散することができ、ピストン13とシリンダボア12との間の油膜Fを周方向で均一化することができる。
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態のピストンに装着されたピストンリングの断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態において、図7に示すように、トップリング41にて、本体42は、外面41aと上面41bと背面41cと下面41dとから構成される矩形断面形状をなし、外面41aと上面41bと背面41cと下面41dは、平面となっており、外面41aと上面41b及び下面41dとの間に湾曲部41e,41fが設けられている。トップリング41は、ピストン13のリング溝31に装着されている。第4実施形態のトップリング41は、本体42の外面41aにピストン13の頂部側から最大外径部34側に向けてピストン13の軸方向に沿う軸方向溝43が周方向に所定間隔を空けて複数設けられている。
トップリング41は、本体42の外面41aが平坦面形状であることから、外面41aの領域L4の範囲が最大外径部である。軸方向溝43は、ピストン13の頂部側の端部が上面41bまで延出し、最大外径部側の端部が最大外径部である外面41aの領域L4の中途部まで延出されている。この場合、軸方向溝43の最大外径部側の端部は、トップリング41の上下方向の中間位置を下方に超えて設けることが好ましいが、中間位置の上方位置までとしてもよい。
なお、上述の説明では、軸方向溝43を第1実施形態の軸方向溝33とほぼ同様の形状としたが、第2実施形態の周方向溝35を設けてもよいし、第3実施形態の軸方向溝36,37を設けてもよい。
そのため、トップリング41は、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力が背面41c側に作用することで、外面41aがシリンダボア12の内壁面側に押圧される。また、トップリング41は、外面41aに複数の軸方向溝43が設けられていることから、燃焼室15側の燃焼ガスの圧力がこの複数の軸方向溝43を通して外面41a側にも作用する。このとき、トップリング41は、背面41cの面積に対して軸方向溝33の面積が極めて小さいことから、外面41aが油膜Fを介してシリンダボア12の内壁面に押圧されるものの、軸方向溝43によりその押圧力(荷重)が低減される。
このように第4実施形態のピストンリングにあっては、本体42の外面41aを平坦面形状とし、軸方向溝43における最大外径部側の端部を最大外径部の中途部に配置している。
従って、本体42の外面41aが平坦面形状をなすとき、軸方向溝43における最大外径部側の端部を最大外径部の中途部に配置することで、最大外径部をシリンダボア12の内壁面に密着させることで、シール性能の低下を抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、各軸方向溝33,36,37,43を直線形状としたが、曲線形状としてもよい。また、各軸方向溝33,36,37,43の幅を同じにしたが、長手方向でその幅を変化させてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明のピストンリングをトップリング21に適用したが、セカンドリング22に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、エンジン10を4ストロークのディーゼルエンジンとして説明したが、このエンジンに限定されるものではなく、例えば、ガソリンエンジンや天然ガスエンジン、または、2ストロークのエンジンなどを含むレシプロエンジン(往復動機関)の全てに適用することができる。
10 エンジン
11 エンジン本体
12 シリンダボア
13 ピストン
15 燃焼室
21,21A,21B,41 トップリング(ピストンリング)
21a,41a 外面
22 セカンドリング(ピストンリング)
23 オイルリング(ピストンリング)
31 リング溝
32,42 本体(ピストンリング本体)
33,36,37,43 軸方向溝
34 最大外径部
35 周方向溝
F 油膜

Claims (10)

  1. 内燃機関のピストンの外周面に設けられるピストンリングにおいて、
    リング形状をなすピストンリング本体の外周面に、前記ピストンの頂部側から最大外径部側に向けて前記ピストンの軸方向に沿う軸方向溝が、周方向に所定間隔を空けて複数設けられる、
    ことを特徴とするピストンリング。
  2. 前記軸方向溝は、前記ピストンの軸方向における長さ寸法が、前記ピストンの周方向における幅寸法より大きい寸法に設定されることを特徴とする請求項1に記載のピストンリング。
  3. 前記軸方向溝は、前記ピストンの頂部側の端部が前記最大外径部側の端部より前記ピストンの径方向における中心側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のピストンリング。
  4. 前記ピストンリング本体は、外周面が円弧形状をなし、前記軸方向溝は、前記最大外径部側の端部が前記最大外径部に到達しない位置に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピストンリング。
  5. 前記ピストンリング本体は、外周面が平坦面形状をなし、前記軸方向溝は、前記最大外径部側の端部が前記最大外径部の中途部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピストンリング。
  6. 前記ピストンリング本体の外周面に、複数の前記軸方向溝における前記最大外径部側の端部同士を連通する周方向溝が周方向に沿って設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のピストンリング。
  7. 前記軸方向溝は、前記ピストンの軸方向に対して前記ピストンの周方向に傾斜して配置されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のピストンリング。
  8. 内燃機関のシリンダボアに移動自在に設けられるピストンにおいて、
    外周面に周方向に沿って設けられるリング溝に、請求項1から請求項7のいずれか一項のピストンリングが装着される、
    ことを特徴とするピストン。
  9. 前記軸方向溝は、前記ピストンの頂部側の端部が前記シリンダボアの内壁面に形成される油膜の内方まで延出されることを特徴とする請求項8に記載のピストン。
  10. 前記軸方向溝は、前記ピストンの頂部側の端部が燃焼室側の空間部に連通し、前記最大外径部側の端部がクランク室側の空間部に連通しないことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のピストン。
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JP2010236649A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Piston Ring Co Ltd ピストンリングとシリンダまたはシリンダライナの組合せ、およびこれに用いられるピストンリング

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