以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却装置(以下、「実施装置」と称呼する。)について説明する。実施装置は、図1乃至図3に示した内燃機関10(以下、単に「機関10」と称呼する。)に適用される。
図1に示したように、機関10は、ハイブリッド車両100に搭載される。ハイブリッド車両100(以下、単に「車両100」と称呼する。)は、走行駆動装置として、機関10、第1モータジェネレータ110、第2モータジェネレータ120、インバータ130、バッテリ(蓄電池)140、動力分配機構150及び動力伝達機構160を備えている。
機関10は、多気筒(本例においては、直列4気筒)・4サイクル・ピストン往復動型・ディーゼル機関である。しかしながら、機関10は、ガソリン機関であってもよい。
動力分配機構150は、機関10から出力されるトルク(以下、「機関トルク」と称呼する。)を「動力分配機構150の出力軸151を回転させるトルク」と「第1モータジェネレータ110(以下、「第1MG110」と称呼する。)を発電機として駆動するトルク」とに所定の割合(所定の分配特性)で分配する。
動力分配機構150は、図示しない遊星歯車機構によって構成される。遊星歯車機構は、それぞれ図示しないサンギア、ピニオンギア、プラネタリーキャリア及びリングギアを備えている。
プラネタリーキャリアの回転軸は、機関10の出力軸10aと接続されており、機関トルクをピニオンギアを介してサンギア及びリングギアに伝達する。サンギアの回転軸は、第1MG110の回転軸111と接続されており、サンギアに入力された機関トルクを第1MG110に伝達する。サンギアから第1MG110に機関トルクが伝達されると、第1MG110はその機関トルクによって回転されて電力を生成する。リングギアの回転軸は、動力分配機構150の出力軸151と接続されており、リングギアに入力された機関トルクは出力軸151を介して動力分配機構150から動力伝達機構160に伝達される。
動力伝達機構160は、動力分配機構150の出力軸151及び第2モータジェネレータ120(以下、「第2MG120」と称呼する。)の回転軸121と接続されている。動力伝達機構160は、減速ギア列161及びディファレンシャルギア162を含んでいる。
減速ギア列161は、ディファレンシャルギア162を介して車輪駆動軸180と接続されている。従って、「動力分配機構150の出力軸151から動力伝達機構160に入力された機関トルク」及び「第2MG120の回転軸121から動力伝達機構160に入力されたトルク」は、車輪駆動軸180を介して駆動輪である左右の前輪190に伝達される。但し、駆動輪は、左右の後輪であってもよいし、左右の前輪及び後輪であってもよい。
尚、動力分配機構150及び動力伝達機構160は公知である(例えば、特開2013−177026号公報等を参照。)。
第1MG110及び第2MG120は、それぞれ、永久磁石式同期電動機であり、インバータ130と接続されている。インバータ130は、第1MG110をモータとして作動させる場合、バッテリ140から供給される直流電力を三相交流電力に変換して、その変換した三相交流電力を第1MG110に供給する。一方、インバータ130は、第2MG120をモータとして作動させる場合、バッテリ140から供給される直流電力を三相交流電力に変換して、その変換した三相交流電力を第2MG120に供給する。
第1MG110は、車両の走行エネルギー又は機関トルク等の外力によってその回転軸111が回転されると、発電機として作動して電力を生成する。インバータ130は、第1MG110が発電機として作動している場合、第1MG110が生成する三相交流電力を直流電力に変換して、その変換した直流電力をバッテリ140に充電する。
外力として車両の走行エネルギーが駆動輪190、車輪駆動軸180、動力伝達機構160及び動力分配機構150を介して第1MG110に入力された場合、第1MG110によって駆動輪190に回生制動力(回生制動トルク)を与えることができる。
第2MG120も、上記外力によってその回転軸121が回転されると、発電機として作動して電力を生成する。インバータ130は、第2MG120が発電機として作動している場合、第2MG120が生成する三相交流電力を直流電力に変換して、その変換した直流電力をバッテリ140に充電する。
外力として車両の走行エネルギーが駆動輪190、車輪駆動軸180及び動力伝達機構160を介して第2MG120に入力された場合、第2MG120によって駆動輪190に回生制動力(回生制動トルク)を与えることができる。
<内燃機関の構成>
図2に示したように、機関10は、機関本体11、吸気システム20、排気システム30及びEGRシステム40を含んでいる。
機関本体11は、シリンダヘッド14、シリンダブロック15(図3を参照。)及びクランクケース等を含んでいる。機関本体11には、4つの気筒(燃焼室)12a乃至12dが形成されている。各気筒12a乃至12d(以下、「各気筒12」と称呼する。)の上部には、燃料噴射弁(インジェクタ)13が配設されている。燃料噴射弁13は、後述するECU(電子制御ユニット)90の指示に応答して開弁し、各気筒12内に燃料を直接噴射するようになっている。
吸気システム20は、インテークマニホールド21、吸気管22、エアクリーナ23、過給機24のコンプレッサ24a、インタークーラー25、スロットル弁26及びスロットル弁アクチュエータ27を含んでいる。
インテークマニホールド21は「各気筒12に接続された枝部」及び「枝部が集合した集合部」を含んでいる。吸気管22は、インテークマニホールド21の集合部に接続されている。インテークマニホールド21及び吸気管22は、吸気通路を構成している。吸気管22には、吸入空気の流れの上流から下流に向け、エアクリーナ23、コンプレッサ24a、インタークーラー25及びスロットル弁26が順に配設されている。スロットル弁アクチュエータ27は、ECU90の指示に応じてスロットル弁26の開度を変更するようになっている。
排気システム30は、エキゾーストマニホールド31、排気管32及び過給機24のタービン24bを含んでいる。
エキゾーストマニホールド31は「各気筒12に接続された枝部」及び「枝部が集合した集合部」を含んでいる。排気管32は、エキゾーストマニホールド31の集合部に接続されている。エキゾーストマニホールド31及び排気管32は、排気通路を構成している。タービン24bは、排気管32に配設されている。
EGRシステム40は、排気還流管41、EGR制御弁42及びEGRクーラ43を含んでいる。
排気還流管41は、タービン24bの上流位置の排気通路(エキゾーストマニホールド31)と、スロットル弁26の下流位置の吸気通路(インテークマニホールド21)と、を連通している。排気還流管41はEGRガス通路を構成している。
EGR制御弁42は、排気還流管41に配設されている。EGR制御弁42は、ECU90からの指示に応じてEGRガス通路の通路断面積を変更することにより、排気通路から吸気通路へと再循環される排ガス(EGRガス)の量を変更し得る。
EGRクーラ43は、排気還流管41に配設され、排気還流管41を通過するEGRガスの温度を後述する冷却水によって低下させる。従って、EGRクーラ43は、冷却水とEGRガスとの間で熱交換を行う熱交換器であり、特に、EGRガスから冷却水に熱を与える熱交換器である。
図3に示したように、シリンダヘッド14には、シリンダヘッド14を冷却するための冷却水を流すための水路51(以下、「ヘッド水路51」と称呼する。)が周知のように形成されている。ヘッド水路51は、実施装置の構成要素の1つである。以下の説明において、「水路」は、総て、冷却水を流すための通路である。
シリンダブロック15には、シリンダブロック15を冷却するための冷却水を流すための水路52(以下、「ブロック水路52」と称呼する。)が周知のように形成されている。特に、ブロック水路52は、各気筒12を画成するシリンダボアを冷却できるようにシリンダヘッド14に近い箇所からシリンダボアに沿ってシリンダヘッド14から離れた箇所まで形成されている。ブロック水路52は、実施装置の構成要素の1つである。
実施装置は、ポンプ70を含む。ポンプ70は、「冷却水をポンプ70内に取り込むための取込口70in(以下、「ポンプ取込口70in」と称呼する。)」及び「取り込んだ冷却水をポンプ70から吐出するための吐出口70out(以下、「ポンプ吐出口70out」と称呼する。)」を有する。
冷却水管53Pは、水路53を画成する。冷却水管53Pの第1端部53Aは、ポンプ吐出口70outに接続されている。従って、ポンプ吐出口70outから吐出された冷却水は、水路53に流入する。
冷却水管54Pは、水路54を画成し、冷却水管55Pは、水路55を画成する。冷却水管54Pの第1端部54A及び冷却水管55Pの第1端部55Aは、冷却水管53Pの第2端部53Bに接続されている。
冷却水管54Pの第2端部54Bは、水路54がヘッド水路51の第1端部51Aと連通するようにシリンダヘッド14に取り付けられている。冷却水管55Pの第2端部55Bは、水路55がブロック水路52の第1端部52Aと連通するようにシリンダブロック15に取り付けられている。
冷却水管56Pは、水路56を画成する。冷却水管56Pの第1端部56Aは、水路56がヘッド水路51の第2端部51Bと連通するようにシリンダヘッド14に取り付けられている。
冷却水管57Pは、水路57を画成する。冷却水管57Pの第1端部57Aは、水路57がブロック水路52の第2端部52Bと連通するようにシリンダブロック15に取り付けられている。
冷却水管58Pは、水路58を画成する。冷却水管58Pの第1端部58Aは、「冷却水管56Pの第2端部56B」及び「冷却水管57Pの第2端部57B」に接続されている。冷却水管58Pの第2端部58Bは、ポンプ取込口70inに接続されている。冷却水管58Pは、ラジエータ71を通るように配設される。以下、水路58を「ラジエータ水路58」と称呼する。
ラジエータ71は、そこを通る冷却水と外気との間で熱交換を行わせることにより、冷却水の温度を低下させる。尚、冷却水がラジエータ71を通って流れた場合の冷却水の温度の低下量は、冷却水が「EGRクーラ43及び/又はヒータコア72」を通って流れた場合に比べて大きい。
ラジエータ71とポンプ70との間において、冷却水管58Pには、遮断弁75が配設されている。遮断弁75は、開弁位置に設定されている場合、ラジエータ水路58内の冷却水の流通を許容し、閉弁位置に設定されている場合、ラジエータ水路58内の冷却水の流通を遮断する。
冷却水管59Pは、水路59を画成する。冷却水管59Pの第1端部59Aは、冷却水管58Pの第1端部58Aとラジエータ71との間の冷却水管58Pの部分58Pa(以下、「第1部分58Pa」と称呼する。)に接続されている。冷却水管59Pは、EGRクーラ43を通るように配設される。以下、水路59を「EGRクーラ水路59」と称呼する。
EGRクーラ43と冷却水管59Pの第1端部59Aとの間において、冷却水管59Pには、遮断弁76が配設されている。遮断弁76は、開弁位置に設定されている場合、EGRクーラ水路59内の冷却水の流通を許容し、閉弁位置に設定されている場合、EGRクーラ水路59内の冷却水の流通を遮断する。
冷却水管60Pは、水路60を画成する。冷却水管60Pの第1端部60Aは、冷却水管58Pの第1部分58Paとラジエータ71との間の冷却水管58Pの部分58Pb(以下、「第2部分58Pb」と称呼する。)に接続されている。冷却水管60Pは、ヒータコア72を通るように配設される。以下、水路60を「ヒータコア水路60」と称呼する。
以下、冷却水管58Pの第1端部58Aと冷却水管58Pの第1部分58Paとの間のラジエータ水路58の部分581を「ラジエータ水路58の第1部分581」と称呼し、冷却水管58Pの第1部分58Paと冷却水管58Pの第2部分58Pbとの間のラジエータ水路58の部分582を「ラジエータ水路58の第2部分582」と称呼する。
ヒータコア72は、そこを通る冷却水の温度がヒータコア72の温度よりも高い場合、その冷却水によって暖められ、熱を蓄積する。従って、ヒータコア72は、冷却水との間で熱交換を行う熱交換器であり、特に、冷却水から熱を奪う熱交換器である。ヒータコア72に蓄積された熱は、機関10が搭載された車両100の室内を暖房するために利用される。
ヒータコア72と冷却水管60Pの第1端部60Aとの間において、冷却水管60Pには、遮断弁77が配設されている。遮断弁77は、開弁位置に設定されている場合、ヒータコア水路60内の冷却水の流通を許容し、閉弁位置に設定されている場合、ヒータコア水路60内の冷却水の流通を遮断する。
冷却水管61Pは、水路61を画成する。冷却水管61Pの第1端部61Aは、冷却水管59Pの第2端部59B及び冷却水管60Pの第2端部60Bに接続されている。冷却水管61Pの第2端部61Bは、遮断弁75とポンプ取込口70inとの間の冷却水管58Pの部分58Pc(以下、「第3部分58Pc」と称呼する。)に接続されている。
冷却水管62Pは、水路62を画成する。冷却水管62Pの第1端部62Aは、冷却水管55Pに配設された切替弁78に接続されている。冷却水管62Pの第2端部62Bは、冷却水管58Pの第3部分58Pcとポンプ取込口70inとの間の冷却水管58Pの部分58Pd(以下、「第4部分58Pd」と称呼する。)に接続されている。
以下、切替弁78と冷却水管55Pの第1端部55Aとの間の水路55の部分551を「水路55の第1部分551」と称呼し、切替弁78と冷却水管55Pの第2端部55Bとの間の水路55の部分552を「水路55の第2部分552」と称呼する。更に、冷却水管58Pの第3部分58Pcと冷却水管58Pの第4部分58Pdとの間のラジエータ水路58の部分583を「ラジエータ水路58の第3部分583」と称呼し、冷却水管58Pの第4部分58Pdとポンプ取込口70inとの間のラジエータ水路58の部分584を「ラジエータ水路58の第4部分584」と称呼する。
切替弁78は、第1の位置(以下、「順流位置」と称呼する。)に設定されている場合、水路55の第1部分551と水路55の第2部分552との間の冷却水の流通を許容する一方、「第1部分551と水路62との間の冷却水の流通」及び「第2部分552と水路62との間の冷却水の流通」を遮断する。
一方、切替弁78は、第2の位置(以下、「逆流位置」と称呼する。)に設定されている場合、水路55の第2部分552と水路62との間の冷却水の流通を許容する一方、「水路55の第1部分551と水路62との間の冷却水の流通」及び「第1部分551と第2部分552との間の冷却水の流通」を遮断する。
更に、切替弁78は、第3の位置(以下、「遮断位置」と称呼する。)に設定されている場合、「水路55の第1部分551と第2部分552との間の冷却水の流通」、「水路55の第1部分551と水路62との間の冷却水の流通」及び「水路55の第2部分552と水路62との間の冷却水の流通」を遮断する。
以上説明したように、実施装置において、「水路56、水路57、水路55の第2部分552、水路62、ラジエータ水路58の第4部分584、水路53及び水路54」は、ヘッド水路51から流出した冷却水をラジエータ71、EGRクーラ43及びヒータコア72を通さずにブロック水路52に供給し、ブロック水路52から流出した冷却水をヘッド水路51に供給するための第1循環水路を構成している。
「水路56、ラジエータ水路58の第1部分581及び第2部分582、水路59乃至61、ラジエータ水路58の第3部分及び第4部分584、水路53、並びに、水路54」は、ヘッド水路51から流出した冷却水をEGRクーラ43及びヒータコア72を通した後、ブロック水路52に供給せずにヘッド水路51に供給するための第2循環水路を構成している。
「水路56、水路57、ラジエータ水路58の第1部分581及び第2部分582、水路59乃至61、ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584、並びに、水路53乃至55」は、ヘッド水路51及びブロック水路52から流出した冷却水をEGRクーラ43及びヒータコア72を通した後、ヘッド水路51及びブロック水路52に供給するための第3循環水路を構成している。
「水路56、水路57、ラジエータ水路58、及び、水路53乃至55」は、ヘッド水路51及びブロック水路52から流出した冷却水をラジエータ71を通した後、ヘッド水路51及びブロック水路52に供給するための第4循環水路を構成している。
更に、ヘッド水路51は、シリンダヘッド14に形成された第1水路であり、ブロック水路52は、シリンダブロック15に形成された第2水路である。水路53及び水路54は、ヘッド水路51(第1水路)の一方の端部である第1端部51Aをポンプ吐出口70outに接続する第3水路を構成している。
水路53、水路55、水路62、ラジエータ水路58の第4部分584及び切替弁78は、ブロック水路52(第2水路)の一方の端部である第1端部52Aとポンプ70との接続であるポンプ接続を、ブロック水路52の第1端部52Aをポンプ吐出口70outに接続する順流接続と、ブロック水路52の第1端部52Aをポンプ取込口70inに接続する逆流接続と、の間で切り替える接続切替機構を構成している。
水路56及び水路57は、ヘッド水路51(第1水路)の他方の端部である第2端部51Bとブロック水路52(第2水路)の他方の端部である第2端部52Bとを接続する第4水路を構成している。
ラジエータ水路58は、水路56及び水路57(第4水路)をポンプ取込口70inに接続する第5水路であり、遮断弁75は、ラジエータ水路58(第5水路)を遮断したり開放したりする遮断弁である。
更に、水路53及び水路55は、ブロック水路52(第2水路)の第1端部52Aをポンプ吐出口70outに接続する順流接続水路を構成しており、水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584は、ブロック水路52(第2水路)の第1端部52Aをポンプ取込口70inに接続する逆流接続水路を構成している。
切替弁78は、ブロック水路52(第2水路)の第1端部52Aを水路53及び水路55(順流接続水路)を介してポンプ吐出口70outに接続させる順流位置と、ブロック水路52(第2水路)の第1端部52Aを水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584(逆流接続水路)を介してポンプ取込口70inに接続させる逆流位置と、の何れか一方に選択的に設定される切替え部である。
別の言い方をすると、切替弁78は、ブロック水路52(第2水路)の第1端部52Aをポンプ吐出口70outに接続する水路53及び水路55(順流接続水路)と、ブロック水路52(第2水路)の第1端部52Aをポンプ取込口70inに接続する水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584(逆流接続水路)と、の何れかを冷却水が選択的に流れるように水路切替えを行う切替え部である。
実施装置は、ECU90を備える。ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、ECU90は、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUは、メモリ(ROM)に格納されたインストラクション(ルーチン)を実行することにより後述する各種機能を実現する。
図2及び図3に示したように、ECU90は、エアフローメータ81、クランク角度センサ82、水温センサ83乃至86、外気温センサ87、ヒータスイッチ88及びイグニッションスイッチ89と接続されている。
エアフローメータ81は、コンプレッサ24aよりも吸気上流位置において吸気管22に配設されている。エアフローメータ81は、そこを通過する空気の質量流量Gaを測定し、その質量流量Ga(以下、「吸入空気量Ga」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて吸入空気量Gaを取得する。更に、ECU90は、後述するイグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後に最初に機関10が始動してから気筒12a乃至12dに吸入された空気の量ΣGa(以下、「始動後積算空気量ΣGa」と称呼する。)を吸入空気量Gaに基づいて取得する。
クランク角度センサ82は、機関10の図示しないクランクシャフトに近接して機関本体11に配設されている。クランク角度センサ82は、クランクシャフトが一定の角度(本例において、10°)だけ回転する毎にパルス信号を出力するようになっている。ECU90は、このパルス信号及び図示しないカムポジションセンサからの信号に基づいて所定の気筒の圧縮上死点を基準とした機関10のクランク角度(絶対クランク角度)を取得する。更に、ECU90は、クランク角度センサ82からのパルス信号に基づいて機関回転速度NEを取得する。
水温センサ83は、ヘッド水路51内の冷却水の温度TWhdを検出できるようにシリンダヘッド14に配設されている。水温センサ83は、検出した冷却水の温度TWhdを検出し、その温度TWhd(以下、「ヘッド水温TWhd」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてヘッド水温TWhdを取得する。
水温センサ84は、ブロック水路52内の領域であってシリンダヘッド14に近い領域の冷却水の温度TWbr_upを検出できるようにシリンダブロック15に配設されている。水温センサ84は、検出した冷却水の温度TWbr_up(以下、「上部ブロック水温TWbr_up」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて上部ブロック水温TWbr_upを取得する。
水温センサ85は、ブロック水路52内の領域であってシリンダヘッド14から離れた領域の冷却水の温度TWbr_lowを検出できるようにシリンダブロック15に配設されている。水温センサ85は、検出した冷却水の温度TWbr_low(以下、「下部ブロック水温TWbr_low」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて下部ブロック水温TWbr_lowを取得する。更に、ECU90は、上部ブロック水温TWbr_upに対する下部ブロック水温TWbr_lowの差ΔTWbr(=TWbr_up−TWbr_low)を取得する。
水温センサ86は、ラジエータ水路58の第1部分581を画成する冷却水管58Pの部分に配設されている。水温センサ86は、ラジエータ水路58の第1部分581内の冷却水の温度TWengを検出し、その温度TWeng(以下、「機関水温TWeng」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて機関水温TWengを取得する。
外気温センサ87は、外気の温度Taを検出し、その温度Ta(以下、「外気温Ta」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて外気温Taを取得する。
ヒータスイッチ88は、機関10が搭載された車両100の運転者によって操作される。ECU90は、ヒータスイッチ88が運転者によりオン位置に設定されると、ヒータコア72の熱を車両100の室内に放出させる。一方、ECU90は、ヒータスイッチ88が運転者によりオフ位置に設定されると、ヒータコア72から車両100の室内への熱の放出を停止する。
イグニッションスイッチ89は、車両100の運転者により操作される。イグニッションスイッチ89をオン位置に設定する操作(以下、「イグニッションオン操作」と称呼する。)が運転者により行われた場合、機関10の始動が許可される。一方、イグニッションスイッチ89をオフ位置に設定する操作(以下、「イグニッションオフ操作」と称呼する。)が運転者により行われたときに機関10の運転(以下、「機関運転」と称呼する。)が行われている場合、機関運転が停止される。
更に、ECU90は、スロットル弁アクチュエータ27、ECU制御弁42、ポンプ70、遮断弁75乃至77及び切替弁78に接続されている。
ECU90は、機関負荷KL及び機関回転速度NEにより定まる機関運転状態に応じてスロットル弁26の開度の目標値を設定し、スロットル弁26の開度が目標値と一致するようにスロットル弁アクチュエータ27の作動を制御する。
ECU90は、機関運転状態に応じてEGR制御弁42の開度の目標値EGRtgt(以下、「目標EGR制御弁開度EGRtgt」と称呼する。)を設定し、EGR制御弁42の開度が目標EGR制御弁開度EGRtgtと一致するようにEGR制御弁42の作動を制御する。
ECU90は、図4に示したマップを記憶している。ECU90は、機関運転状態が図4に示したEGR停止領域Ra又はRc内にある場合、目標EGR制御弁開度EGRtgtを「0」に設定する。この場合、各気筒12には、EGRガスは供給されない。
一方、機関運転状態が図4に示したEGR実行領域Rb内にある場合、ECU90は、機関運転状態に応じて目標EGR制御弁開度EGRtgtを「0」よりも大きい値に設定する。この場合、各気筒12にEGRガスが供給される。
ECU90は、後述するように、機関10の温度Teng(以下、「機関温度Teng」と称呼する。)に応じてポンプ70、遮断弁75乃至77及び切替弁78の作動を制御する。
更に、ECU90は、アクセル操作量センサ101、車速センサ102、バッテリセンサ103、第1回転角センサ104及び第2回転角センサ105と接続されている。
アクセル操作量センサ101は、図示しないアクセルペダルの操作量APを検出し、その操作量AP(以下、「アクセルペダル操作量AP」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてアクセルペダル操作量APを取得する。
車速センサ102は、車両100の速度Vを検出し、その速度V(以下、「車速V」と称呼する。)を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて車速Vを取得する。
バッテリセンサ103は、電流センサ、電圧センサ及び温度センサを含んでいる。バッテリセンサ103の電流センサは、「バッテリ140に流入する電流」又は「バッテリ140から流出する電流」を検出し、その電流を表す信号をECU90に送信する。バッテリセンサ103の電圧センサは、バッテリ140の電圧を検出し、その電圧を表す信号をECU90に送信する。バッテリセンサ103の温度センサは、バッテリ140の温度を検出し、その温度を表す信号をECU90に送信する。
ECU90は、電流センサ、電圧センサ及び温度センサから送信された信号に基づいて周知の手法によりバッテリ140に充電されている電力量SOC(以下、「バッテリ充電量SOC」と称呼する。)を取得する。
第1回転角センサ104は、第1MG110の回転角を検出し、その回転角を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて第1MG110の回転速度NM1(以下、「第1MG回転速度NM1」と称呼する。)を取得する。
第2回転角センサ105は、第2MG120の回転角を検出し、その回転角を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて第2MG120の回転速度NM2(以下、「第2MG回転速度NM2」と称呼する。)を取得する。
更に、ECU90は、インバータ130と接続されている。ECU90は、インバータ130を制御することにより、第1MG110及び第2MG120の作動を制御する。
<実施装置の作動の概要>
次に、実施装置の作動の概要について説明する。実施装置は、機関10の暖機状態(以下、単に「暖機状態」と称呼する。)並びに後述するEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の有無に応じて後述する作動制御A乃至Oの何れかを行う。
まず、暖機状態の判定について説明する。実施装置は、暖機状態が「冷間状態、第1半暖機状態、第2半暖機状態及び暖機完了状態(以下、これら状態をまとめて「冷間状態等」と称呼する。)の何れの状態」にあるかを判定する。
冷間状態は、機関温度Tengが所定の閾値温度Teng1(以下、「第1機関温度Teng1」と称呼する。)よりも低いと推定される状態である。
第1半暖機状態は、機関温度Tengが第1機関温度Teng1以上であり且つ所定の閾値温度Teng2(以下、「第2機関温度Teng2」と称呼する。)よりも低いと推定される状態である。第2機関温度Teng2は、第1機関温度Teng1よりも高い温度に設定される。
第2半暖機状態は、機関温度Tengが第2機関温度Teng2以上であり且つ所定の閾値温度Teng3(以下、「第3機関温度Teng3」と称呼する。)よりも低いと推定される状態である。第3機関温度Teng3は、第2機関温度Teng2よりも高い温度に設定される。
暖機完了状態は、機関温度Tengが第3機関温度Teng3以上であると推定される状態である。
実施装置は、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後の機関サイクル数Cig(以下、「始動後サイクル数Cig」と称呼する。)が所定の始動後サイクル数Cig_th以下である場合、以下に述べるように、「機関温度Tengに相関する機関水温TWeng」に基づいて暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるかを判定する。本例において、所定の始動後サイクル数Cig_thは、機関10における膨張行程の実施回数が8〜12回に相当する2〜3サイクルである。
<冷間条件>
実施装置は、機関水温TWengが所定の閾値水温TWeng1(以下、「第1機関水温TWeng1」と称呼する。)よりも低いとの冷間条件Cacが成立した場合、暖機状態が冷間状態にあると判定する。
冷間条件Cacが成立したときの冷却水の温度は、概して、後述する第2半暖機条件Ca2又は暖機完了条件Cawが成立した場合に比べて低い。従って、冷間条件Cacは、冷却水の温度が比較的低いとの条件である低温条件の1つである。
<第1半暖機条件>
一方、機関水温TWengが第1機関水温TWeng1以上であり且つ所定の閾値水温TWeng2(以下、「第2機関水温TWeng2」と称呼する。)よりも低いとの第1半暖機条件Ca1が成立した場合、実施装置は、暖機状態が第1半暖機状態にあると判定する。第2機関水温TWeng2は、第1機関水温TWeng1よりも高い温度に設定される。
第1半暖機条件Ca1が成立したときの冷却水の温度は、概して、後述する第2半暖機条件Ca2又は暖機完了条件Cawが成立した場合に比べて低い。従って、第1半暖機条件Ca1は、冷却水の温度が比較的低いとの条件である低温条件の1つである。
<第2半暖機条件>
更に、機関水温TWengが第2機関水温TWeng2以上であり且つ所定の閾値水温TWeng3(以下、「第3機関水温TWeng3」と称呼する。)よりも低いとの第2半暖機条件Ca2が成立した場合、実施装置は、暖機状態が第2半暖機状態にあると判定する。第3機関水温TWeng3は、第2機関水温TWeng2よりも高い温度に設定される。
第2半暖機条件Ca2が成立したときの冷却水の温度は、概して、先に述べた冷間条件Cac又は第1半暖機条件Ca1が成立した場合に比べて高い。従って、第2半暖機条件Ca2は、冷却水の温度が比較的高いとの条件である高温条件の1つである。
<暖機完了条件>
加えて、機関水温TWengが第3機関水温TWeng3以上であるとの暖機完了条件Cawが成立した場合、実施装置は、暖機状態が暖機完了状態にあると判定する。
暖機完了条件Cawが成立したときの冷却水の温度は、概して、先に述べた冷間条件Cac又は第1半暖機条件Ca1が成立した場合に比べて高い。従って、暖機完了条件Cawは、冷却水の温度が比較的高いとの条件である高温条件の1つである。
一方、始動後サイクル数Cigが上記所定の始動後サイクル数Cig_thよりも多い場合、実施装置は、以下に述べるように、「機関温度Tengに相関する上部ブロック水温TWbr_up、ヘッド水温TWhd、ブロック水温差ΔTWbr、始動後積算空気量ΣGa及び機関水温TWeng」のうち、少なくとも4つに基づいて暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるかを判定する。
<冷間条件>
実施装置は、以下に述べる条件Cbc1乃至条件Cbc4の少なくとも1つが成立している場合、冷間条件Cbcが成立しており、暖機状態が冷間状態にあると判定する。
条件Cbc1は、上部ブロック水温TWbr_upが所定の閾値水温TWbr_up1(以下、「第1上部ブロック水温TWbr_up1」と称呼する。)以下であることである。上部ブロック水温TWbr_upは、機関温度Tengに相関するパラメータである。従って、第1上部ブロック水温TWbr_up1及び後述する閾値水温を適切に設定することにより、上部ブロック水温TWbr_upに基づいて暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるかを判定することができる。
条件Cbc2は、ヘッド水温TWhdが所定の閾値水温TWhd1(以下、「第1ヘッド水温TWhd1」と称呼する。)以下であることである。ヘッド水温TWhdも、機関温度Tengに相関するパラメータである。従って、第1ヘッド水温TWhd1及び後述する閾値水温を適切に設定することにより、ヘッド水温TWhdに基づいて暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるかを判定することができる。
条件Cbc3は、始動後積算空気量ΣGaが所定の閾値空気量ΣGa1(以下、「第1空気量ΣGa1」と称呼する。)以下であることである。先に述べたように、始動後積算空気量ΣGaは、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後に最初に機関10が始動してから気筒12a乃至気筒12dに吸入された空気の量である。気筒12a乃至気筒12dに吸入された空気のトータルの量が多くなると、気筒12a乃至気筒12dに燃料噴射弁13から供給された燃料のトータルの量も多くなり、その結果、気筒12a乃至気筒12dにて発生したトータルの熱量も多くなる。このため、始動後積算空気量ΣGaが或る一定の量に達するまでは、始動後積算空気量ΣGaが多いほど、機関温度Tengが高くなる。故に、始動後積算空気量ΣGaは、機関温度Teng及び冷却水の温度に相関するパラメータである。従って、第1空気量ΣGa1及び後述する閾値空気量を適切に設定することにより、始動後積算空気量ΣGaに基づいて暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるかを判定することができる。
条件Cbc4は、機関水温TWengが所定の閾値水温TWeng4(以下、「第4機関水温TWeng4」と称呼する。)以下であることである。機関水温TWengは、機関温度Tengに相関するパラメータである。従って、第4機関水温TWeng4及び後述する閾値水温を適切に設定することにより、機関水温TWengに基づいて暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるかを判定することができる。
冷間条件Cbcが成立したときの冷却水の温度は、概して、後述する第2半暖機条件Cb2又は暖機完了条件Cbwが成立した場合に比べて低い。従って、冷間条件Cbcは、冷却水の温度が比較的低いとの条件である低温条件の1つである。
尚、実施装置は、上記条件Cbc1乃至条件Cbc4の少なくとも2つ又は3つ又は総てが成立している場合に冷間条件Cbcが成立しており、暖機状態が冷間状態にあると判定するようにも構成され得る。
<第1半暖機条件>
実施装置は、以下に述べる条件Cb11乃至条件Cb15の少なくとも1つが成立している場合、第1半暖機条件Cb1が成立しており、暖機状態が第1半暖機状態にあると判定する。
条件Cb11は、上部ブロック水温TWbr_upが第1上部ブロック水温TWbr_up1よりも高く且つ所定の閾値水温TWbr_up2(以下、「第2上部ブロック水温TWbr_up2」と称呼する。)以下であることである。第2上部ブロック水温TWbr_up2は、第1上部ブロック水温TWbr_up1よりも高い温度に設定される。
条件Cb12は、ヘッド水温TWhdが第1ヘッド水温TWhd1よりも高く且つ所定の閾値水温TWhd2(以下、「第2ヘッド水温TWhd2」と称呼する。)以下であることである。第2ヘッド水温TWhd2は、第1ヘッド水温TWhd1よりも高い温度に設定される。
条件Cb13は、上部ブロック水温TWbr_upと下部ブロック水温TWbr_lowとの差であるブロック水温差ΔTWbr(=TWbr_up−TWbr_low)が所定閾値ΔTWbrthよりも大きいことである。イグニッションオン操作により機関10が始動した直後の冷間状態においては、ブロック水温差ΔTWbrはあまり大きくないが、機関温度Tengが上昇してゆく過程において、暖機状態が第1半暖機状態になると、ブロック水温差ΔTWbrが一時的に大きくなり、更に、暖機状態が第2半暖機状態になると、ブロック水温差ΔTWbrが小さくなる。このため、ブロック水温差ΔTWbrは、機関温度Teng及び冷却水の温度に相関するパラメータであり、特に、暖機状態が第1半暖機状態にあるときの機関温度Teng及び冷却水の温度に相関するパラメータである。従って、所定閾値ΔTWbrthを適切に設定することにより、ブロック水温差ΔTWbrに基づいて暖機状態が第1半暖機状態にあるか否かを判定することができる。
条件Cb14は、始動後積算空気量ΣGaが第1空気量ΣGa1よりも多く且つ所定の閾値空気量ΣGa2(以下、「第2空気量ΣGa2」と称呼する。)以下であることである。第2空気量ΣGa2は、第1空気量ΣGa1よりも大きい値に設定される。
条件Cb15は、機関水温TWengが第4機関水温TWeng4よりも高く且つ所定の閾値水温TWeng5(以下、「第5機関水温TWeng5」と称呼する。)以下であることである。第5機関水温TWeng5は、第4機関水温TWeng4よりも高い温度に設定される。
第1半暖機条件Cb1が成立したときの冷却水の温度は、概して、後述する第2半暖機条件Cb2又は暖機完了条件Cbwが成立した場合に比べて低い。従って、第1半暖機条件Cb1は、冷却水の温度が比較的低いとの条件である低温条件の1つである。
尚、実施装置は、上記条件Cb11乃至条件Cb15の少なくとも2つ又は3つ又は4つ又は総てが成立している場合に第1半暖機条件Cb1が成立しており、暖機状態が第1半暖機状態にあると判定するようにも構成され得る。
<第2半暖機条件>
実施装置は、以下に述べる条件Cb21乃至条件Cb24の少なくとも1つが成立している場合、第2半暖機条件Cb2が成立しており、暖機状態が第2半暖機状態にあると判定する。
条件Cb21は、上部ブロック水温TWbr_upが第2上部ブロック水温TWbr_up2よりも高く且つ所定の閾値水温TWbr_up3(以下、「第3上部ブロック水温TWbr_up3」と称呼する。)以下であることである。第3上部ブロック水温TWbr_up3は、第2上部ブロック水温TWbr_up2よりも高い温度に設定される。
条件Cb22は、ヘッド水温TWhdが第2ヘッド水温TWhd2よりも高く且つ所定の閾値水温TWhd3(以下、「第3ヘッド水温TWhd3」と称呼する。)以下であることである。第3ヘッド水温TWhd3は、第2ヘッド水温TWhd2よりも高い温度に設定される。
条件Cb23は、始動後積算空気量ΣGaが第2空気量ΣGa2よりも多く且つ所定の閾値空気量ΣGa3(以下、「第3空気量ΣGa3」と称呼する。)以下であることである。第3空気量ΣGa3は、第2空気量ΣGa2よりも大きい値に設定される。
条件Cb24は、機関水温TWengが第5機関水温TWeng5よりも高く且つ所定の閾値水温TWeng6(以下、「第6機関水温TWeng6」と称呼する。)以下であることである。第6機関水温TWeng6は、第5機関水温TWeng5よりも高い温度に設定される。
第2半暖機条件Cb2が成立したときの冷却水の温度は、概して、先に述べた冷間条件Cbc又は第1半暖機条件Cb1が成立した場合に比べて高い。従って、第2半暖機条件Cb2は、冷却水の温度が比較的高いとの条件である高温条件の1つである。
尚、実施装置は、上記条件Cb21乃至条件Cb24の少なくとも2つ又は3つ又は総てが成立している場合に第2半暖機条件Cb2が成立しており、暖機状態が第2半暖機状態にあると判定するようにも構成され得る。
<暖機完了条件>
実施装置は、以下に述べる条件Cbw1乃至条件Cbw4の少なくとも1つが成立している場合、暖機完了条件Cbwが成立しており、暖機状態が暖機完了状態にあると判定する。
条件Cbw1は、上部ブロック水温TWbr_upが第3上部ブロック水温TWbr_up3よりも高いことである。
条件Cbw2は、ヘッド水温TWhdが第3ヘッド水温TWhd3よりも高いことである。
条件Cbw3は、始動後積算空気量ΣGaが第3空気量ΣGa3よりも多いことである。
条件Cbw4は、機関水温TWengが第6機関水温TWeng6よりも高いことである。
暖機完了条件Cbwが成立したときの冷却水の温度は、概して、先に述べた冷間条件Cbc又は第1半暖機条件Cb1が成立した場合に比べて高い。従って、暖機完了条件Cbwは、冷却水の温度が比較的高いとの条件である高温条件の1つである。
尚、実施装置は、上記条件Cbw1乃至条件Cbw4の少なくとも2つ又は3つ又は総てが成立している場合に暖機完了条件が成立しており、暖機状態が暖機完了状態にあると判定するようにも構成され得る。
<EGRクーラ通水要求>
先に述べたように、機関運転状態が図4に示したEGR実行領域Rb内にある場合、EGRガスが各気筒12に供給される。各気筒12にEGRガスが供給される場合、冷却水をEGRクーラ水路59に供給し、その冷却水によりEGRクーラ43においてEGRガスを冷却することが好ましい。
ところが、EGRクーラ43を通る冷却水の温度が低すぎると、その冷却水によってEGRガスが冷却されたときにEGRガス中の水分が排気還流管41内で凝縮して凝縮水が発生する可能性がある。この凝縮水は、排気還流管41を腐食させてしまう原因となり得る。従って、冷却水の温度が低い場合、冷却水をEGRクーラ水路59に供給することは好ましくない。
そこで、実施装置は、機関運転状態がEGR実行領域Rb内にあるときに機関水温TWengが所定の閾値水温TWeng7(本例においては、60℃であり、以下、「第7機関水温TWeng7」と称呼する。)よりも高い場合、EGRクーラ水路59に冷却水を供給する要求(以下、「EGRクーラ通水要求」と称呼する。)があると判定する。
更に、機関水温TWengが第7機関水温TWeng7以下であっても、機関負荷KLが比較的大きければ、機関温度Tengが直ぐに高くなり、その結果、機関水温TWengが直ぐに第7機関水温TWeng7よりも高くなることが期待できる。従って、EGRクーラ水路59に冷却水を供給しても、発生する凝縮水の量は少なく、排気還流管41が腐食する可能性も低いと考えられる。
そこで、実施装置は、機関運転状態がEGR実行領域Rb内にあるときに機関水温TWengが第7機関水温TWeng7以下であっても、機関負荷KLが所定の閾値負荷KLth以上であれば、EGRクーラ通水要求があると判定する。従って、実施装置は、機関運転状態がEGR実行領域Rb内にあるときに機関水温TWengが第7機関水温TWeng7以下であり且つ機関負荷KLが上記閾値負荷KLthよりも小さい場合、EGRクーラ通水要求がないと判定する。
一方、機関運転状態が図4に示したEGR停止領域Ra又はRc内にある場合、EGRガスが各気筒12に供給されないので、EGRクーラ水路59に冷却水を供給する必要はない。そこで、実施装置は、機関運転状態が図4に示したEGR停止領域Ra又はRc内にある場合、EGRクーラ通水要求がないと判定する。
<ヒータコア通水要求>
ヒータコア水路60に冷却水を流すと、冷却水の熱がヒータコア72に奪われて冷却水の温度が低くなり、その結果、機関10の暖機完了が遅れる。一方、外気温Taが比較的低い場合、車両100の室内の温度も比較的低いことから、運転者を含む車両の搭乗者(以下、「運転者等」と称呼する。)により室内の暖房が要請される可能性が高い。従って、外気温Taが比較的低いときには、機関10の暖機完了が遅れるとしても、室内の暖房が要請された場合に備えて、ヒータコア水路60に冷却水を流してヒータコア72が蓄積する熱量を増大させておくことが望まれる。
そこで、実施装置は、外気温Taが比較的低いときには、機関温度Tengが比較的低い場合でも、ヒータスイッチ88の設定状態の如何にかかわらず、ヒータコア水路60に冷却水を供給する要求(以下、「ヒータコア通水要求」と称呼する。)があると判定する。しかしながら、機関温度Tengが非常に低いときには、外気温Taが比較的低い場合でも、ヒータコア通水要求がないと判定する。
より具体的に述べると、実施装置は、外気温Taが所定の閾値温度Tath(以下、「閾値温度Tath」と称呼する。)以下である場合、機関水温TWengが所定の閾値水温TWeng8(本例において、20℃であり、以下、「第8機関水温TWeng8」と称呼する。)よりも高ければ、ヒータコア通水要求があると判定する。
一方、外気温Taが閾値温度Tath以下であるときに機関水温TWengが第8機関水温TWeng8以下である場合には、実施装置は、ヒータコア通水要求がないと判定する。
更に、外気温Taが比較的高い場合、室内の温度も比較的高いことから、運転者等により室内の暖房が要請される可能性が低い。従って、外気温Taが比較的高いときには、機関温度Tengが比較的高く且つヒータスイッチ88がオン位置に設定された場合に限り、ヒータコア水路60に冷却水を流してヒータコア72を暖めておけば十分である。
そこで、実施装置は、外気温Taが比較的高いときには、機関温度Tengが比較的高く且つヒータスイッチ88がオン位置に設定されている場合、ヒータコア通水要求があると判定する。一方、外気温Taが比較的高いときに、機関温度Tengが比較的低い場合、或いは、ヒータスイッチ88がオフ位置に設定されている場合、実施装置は、ヒータコア通水要求がないと判定する。
より具体的に述べると、実施装置は、外気温Taが閾値温度Tathよりも高いときにヒータスイッチ88がオン位置に設定されており且つ機関水温TWengが所定の閾値水温TWeng9(本例において、20℃であり、以下、「第9機関水温TWeng9」と称呼する。)よりも高い場合、ヒータコア通水要求があると判定する。第9機関水温TWeng9は、第8機関水温TWeng8よりも高い温度に設定されてもよい。
一方、外気温Taが閾値温度Tathよりも高いときでも、ヒータスイッチ88がオフ位置に設定されている場合、或いは、機関水温TWengが第9機関水温TWeng9以下である場合、ヒータコア通水要求がないと判定する。
次に、実施装置が行う「ポンプ70、遮断弁75乃至77及び切替弁78(以下、これらをまとめて「ポンプ70等」と称呼する。)」の作動制御について説明する。実施装置は、暖機状態が冷間状態等の何れの状態にあるか、EGRクーラ通水要求の有無、及び、ヒータコア通水要求の有無に応じて、図5に示したように作動制御A乃至Oの何れかを行う。
<冷間制御>
まず、暖機状態が冷間状態にあると判定された場合における「ポンプ70等」の作動制御(冷間制御)について説明する。
<作動制御A>
ヘッド水路51及びブロック水路52に冷却水を供給すると、少なからず、シリンダヘッド14及びシリンダブロック15は冷却される。従って、暖機状態が冷間状態にある場合のように、シリンダヘッド14の温度(以下、「ヘッド温度Thd」と称呼する。)及びシリンダブロック15の温度(以下、「ブロック温度Tbr」と称呼する。)を上昇させたい場合、ヘッド水路51及びブロック水路52に冷却水を供給しないことが好ましい。加えて、EGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない場合、EGRクーラ水路59及びヒータコア水路60の何れにも冷却水を供給する必要はない。
そこで、実施装置は、暖機状態が冷間状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない場合、ポンプ70を作動させず、或いは、ポンプ70が作動している場合、ポンプ70の作動を停止する作動制御Aを冷間制御として行う。この場合、遮断弁75乃至77の設定位置は、それぞれ、開弁位置及び閉弁位置の何れでもよく、切替弁78の設定位置は、順流位置、逆流位置及び遮断位置の何れでもよい。
作動制御Aによれば、ヘッド水路51にもブロック水路52にも冷却水が供給されない。従って、ラジエータ71によって冷却された冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
<作動制御B>
一方、EGRクーラ通水要求がある場合、冷却水をEGRクーラ43に供給することが望まれる。そこで、実施装置は、暖機状態が冷間状態にあるときにEGRクーラ通水要求があり且つヒータコア通水要求がない場合、ポンプ70を作動し、図6に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁76を開弁位置に設定し、切替弁78の設定位置を遮断位置に設定する作動制御Bを冷間制御として行う。
この作動制御Bによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及びラジエータ水路58を介してEGRクーラ水路59に流入する。その冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ブロック水路52に冷却水は供給されない。一方、ヘッド水路51には冷却水が供給されるが、その冷却水はラジエータ71によって冷却されていない。従って、ラジエータ71によって冷却された冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、EGRクーラ水路59に冷却水が供給されるので、EGRクーラ通水要求に従った冷却水の供給を達成することもできる。
<作動制御C>
同様に、ヒータコア通水要求がある場合、冷却水をヒータコア72に供給することが望まれる。そこで、実施装置は、暖機状態が冷間状態にあるときにEGR通水要求がなく且つヒータコア通水要求がある場合、ポンプ70を作動し、図7に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75及び76をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁77を開弁位置に設定し、切替弁78の設定位置を遮断位置に設定する作動制御Cを冷間制御として行う。
この作動制御Cによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及びラジエータ水路58を介してヒータコア水路60に流入する。その冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、作動制御Bと同様に、ブロック水路52に冷却水は供給されず、一方、ヘッド水路51には冷却水が供給されるが、その冷却水はラジエータ71によって冷却されていない。従って、作動制御Bと同様に、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、ヒータコア水路60に冷却水が供給されるので、ヒータコア通水要求に従った冷却水の供給を達成することもできる。
<作動制御D>
更に、暖機状態が冷間状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の両方がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図8に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75を閉弁位置に設定し、遮断弁76及び77をそれぞれ開弁位置に設定し、切替弁78の設定位置を遮断位置に設定する作動制御Dを冷間制御として行う。
この作動制御Dによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及びラジエータ水路58を介してEGRクーラ水路59及びヒータコア水路60それぞれに流入する。
EGRクーラ水路59に流入した冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。一方、ヒータコア水路60に流入した冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、作動制御B及びCに関連して説明した効果と同様の効果を得ることができる。
<第1半暖機制御>
次に、暖機状態が第1半暖機状態にあると判定された場合におけるポンプ70等の作動制御(第1半暖機制御)について説明する。
<作動制御E>
暖機状態が第1半暖機状態にある場合、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させる要求がある。このときにEGRクーラ通水要求もヒータコア通水要求もない場合、上記要求にのみ応えるならば、実施装置は、暖機状態が冷間状態にある場合と同様に、上記作動制御Aを行えばよい。
しかしながら、暖機状態が第1半暖機状態にある場合、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrは、暖機状態が冷間状態にある場合に比べ、高くなっている。従って、実施装置が作動制御Aを行うと、ヘッド水路51及びブロック水路52内の冷却水が流れずに滞留し、その結果、ヘッド水路51及びブロック水路52内の冷却水の温度が部分的に非常に高くなる可能性がある。このため、ヘッド水路51及びブロック水路52内で冷却水の沸騰が生じる可能性がある。
そこで、実施装置は、暖機状態が第1半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない場合、ポンプ70を作動し、図9に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75乃至77をそれぞれ閉弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する作動制御Eを第1半暖機制御として行う。
この作動制御Eによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及び水路57を介してブロック水路52に流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水がラジエータ71、EGRクーラ43及びヒータコア72(以下、これらをまとめて「ラジエータ71等」と称呼する。)の何れも通ることなくブロック水路52に直接供給される。このため、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がブロック水路52に供給される場合に比べ、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
更に、ヘッド水路51にも、ラジエータ71等の何れも通っていない冷却水が供給されるので、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がヘッド水路51に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thdを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52を流れるので、ヘッド水路51及びブロック水路52において冷却水の温度が部分的に非常に高くなることを防止することができる。その結果、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
ところで、ヘッド水路51及びブロック水路52に冷却水が流れると、シリンダヘッド14及びシリンダブロック15は少なからず冷却される。このため、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrの上昇率は低下し、その上昇率の低下量は、ヘッド水路51及びブロック水路52を流れる冷却水の流量が大きいほど大きい。一方、暖機状態が第1半暖機状態にある場合、機関10の暖機を早く完了させるために、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることが望まれる。
そこで、実施装置は、第1半暖機制御として上記作動制御Eを行う場合、ポンプ70から吐出される冷却水の流量がヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる最小限の流量(以下、「最小流量」と称呼する。)となるようにポンプ70の作動を制御する。これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52を流れる冷却水の流量が最小流量となる。このため、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrの上昇率が大きい上昇率に維持される。
従って、第1半暖機制御として行われる作動制御Eによれば、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止しつつ、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
尚、実施装置は、上記最小流量よりも大きい適切な流量を所定流量として予め設定し、第1半暖機制御として作動制御Eを行う場合、ポンプ70から吐出される流量(以下、「ポンプ吐出流量」と称呼する。)が上記所定流量よりも小さい流量となるようにポンプ70の作動を制御するようにも構成され得る。
更に、切替弁78がそこを通過する冷却水の流量を調整可能な構成を有している場合、実施装置は、切替弁78を通過する冷却水の流量が上記最小流量となるように「切替弁78の作動状態及び/又はポンプ70の作動」を制御するように構成され得る。これによっても、ヘッド水路51及びブロック水路52を流れる冷却水の流量が最小流量となる。
<作動制御F>
一方、暖機状態が第1半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求があり且つヒータコア通水要求がない場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図10に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁76を開弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する作動制御Fを第1半暖機制御として行う。
この作動制御Fによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水の一部は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及び水路57を介してブロック水路52に流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
一方、ヘッド水路51に流入した冷却水の残りは、水路56及びラジエータ水路58を介してEGRクーラ水路59に流入する。その冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水がラジエータ71を通らずにブロック水路52に直接供給される。このため、ラジエータ71を通った冷却水がブロック水路52に供給される場合に比べ、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
更に、ヘッド水路51にも、ラジエータ71を通っていない冷却水が供給されるので、ラジエータ71を通った冷却水がヘッド水路51に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thdを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、EGRクーラ水路59に冷却水が供給されるので、EGRクーラ通水要求に従った冷却水の供給を達成することもできる。
更に、冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52を流れるので、上記作動制御Eと同様に、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
<作動制御G>
更に、暖機状態が第1半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求がなく且つヒータコア通水要求がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図11に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75及び76をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁77を開弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する作動制御Gを第1半暖機制御として行う。
この作動制御Gによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水の一部は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及び水路57を介してブロック水路52に直接流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
一方、ヘッド水路51に流入した冷却水の残りは、水路56及びラジエータ水路58を介してヒータコア水路60に流入する。その冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水がラジエータ71を通らずにブロック水路52に直接供給される。このため、上記作動制御Fと同様に、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。更に、ヘッド水路51にも、ラジエータ71を通っていない冷却水が供給されるので、上記作動制御Fと同様に、ヘッド温度Thdを大きい上昇率で上昇させることができる。加えて、ヒータコア水路60に冷却水が供給されるので、ヒータコア通水要求に従った冷却水の供給を達成することもできる。
更に、冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52を流れるので、上記作動制御Eと同様に、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
<作動制御H>
加えて、暖機状態が第1半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の両方がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図12に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75を閉弁位置に設定し、遮断弁76及び77をそれぞれ開弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する作動制御Hを第1半暖機制御として行う。
この作動制御Hによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水の一部は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及び水路57を介してブロック水路52に直接流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55の第2部分552、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
一方、ヘッド水路51に流入した冷却水の残りは、水路56及びラジエータ水路58を介してEGRクーラ水路59及びヒータコア水路60それぞれに流入する。EGRクーラ水路59に流入した冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。一方、ヒータコア水路60に流入した冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、作動制御F及びGに関連して説明した効果と同様の効果を得ることができる。
<第2半暖機制御>
次に、暖機状態が第2半暖機状態にあると判定された場合におけるポンプ70等の作動制御(第2半暖機制御)について説明する。
<作動制御E>
暖機状態が第2半暖機状態にある場合、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを上昇させる要求がある。このときにEGRクーラ通水要求もヒータコア通水要求もない場合、上記要求にのみ応えるならば、実施装置は、暖機状態が冷間状態にある場合と同様に、上記作動制御Aを行えばよい。
しかしながら、暖機状態が第2半暖機状態にある場合、ブロック温度Tbrは、暖機状態が冷間状態にある場合に比べて高くなっている。従って、実施装置が作動制御Aを行うと、ヘッド水路51及びブロック水路52内の冷却水が流れずに滞留し、その結果、ヘッド水路51及びブロック水路52内の冷却水の温度が部分的に非常に高くなる可能性がある。このため、ヘッド水路51及びブロック水路52内で冷却水が沸騰する可能性がある。
そこで、実施装置は、暖機状態が第2半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない場合、ポンプ70を作動し、図9に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75乃至77をそれぞれ閉弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する作動制御Eを第2半暖機制御として行う。
先に述べたように、ヘッド水路51及びブロック水路52を冷却水が流れると、シリンダヘッド14及びシリンダブロック15が冷却され、その結果、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrの上昇率が低下し、その上昇率の低下量は、ヘッド水路51及びブロック水路52を流れる冷却水の流量が大きいほど大きい。
一方、暖機状態が第2半暖機状態にある場合、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrは、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べて高い。このため、ヘッド水路51及びブロック水路52内で冷却水の沸騰が生じる可能性が高い。従って、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止するためには、暖機状態が第2半暖機状態にある場合、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrの上昇率は、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べて小さいことが好ましい。
そこで、実施装置は、第2半暖機制御として作動制御Eを行う場合、ポンプ吐出流量が上記最小流量よりも大きい流量となるようにポンプ70の作動を制御する。これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52を流れる冷却水の流量は、第1半暖機制御として作動制御Eが行われた場合に比べて大きくなる。このため、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止しつつ、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを適度に大きい上昇率で上昇させることができる。
尚、実施装置が第1半暖機制御として作動制御Eを行うときにポンプ吐出流量が上記所定流量よりも小さい流量となるようにポンプ70の作動を制御するように構成されている場合、実施装置は、第2半暖機制御として作動制御Eを行う場合、ポンプ吐出流量が上記所定流量以上となるようにポンプ70の作動を制御するように構成される。
<作動制御I>
一方、暖機状態が第2半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求があり且つヒータコア通水要求がない場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図13に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁76を開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Iを第2半暖機制御として行う。
この作動制御Iによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入し、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入し、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。
ラジエータ水路58に流入した冷却水は、EGRクーラ水路59に流入する。EGRクーラ水路59に流入した冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に、「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52には、ラジエータ71を通っていない冷却水が供給される。従って、ラジエータ71を通った冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。更に、冷却水がEGRクーラ水路59に供給されるので、EGRクーラ通水要求に従った冷却水の供給を達成することもできる。
更に、暖機状態が第2半暖機状態にある場合、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べ、ブロック温度Tbrが比較的高くなっている。従って、シリンダブロック15の過熱を防止する観点から、ブロック温度Tbrの上昇率は、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べ、小さいほうが好ましい。加えて、ブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止する観点から、ブロック水路52内を冷却水が流れることが好ましい。
作動制御Iによれば、ブロック水路52には、ヘッド水路51から流出した冷却水が直接流入するのではなく、EGRクーラ43を通った冷却水が流入する。このため、ブロック温度Tbrの上昇率は、ヘッド水路51から流出した冷却水がブロック水路52に直接流入する場合、即ち、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べ、小さくなる。加えて、ブロック水路52内を冷却水が流れる。このため、シリンダブロック15の過熱及びブロック水路52内での冷却水の沸騰の両方を防止することができる。
<作動制御J>
更に、暖機状態が第2半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求がなく且つヒータコア通水要求がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図14に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁76を開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Jを第2半暖機制御として行う。
この作動制御Jによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入し、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、順に、水路56及びラジエータ水路58を介してヒータコア水路60に流入し、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路57及びラジエータ水路58を介してヒータコア水路60に流入する。
ヒータコア水路60に流入した冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に、「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52には、ラジエータ71を通っていない冷却水が供給される。従って、上記作動制御Iと同様に、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。更に、ヒータコア水路60に冷却水が供給されるので、ヒータコア通水要求に従った冷却水の供給を達成することもできる。
尚、上記作動制御Iに関連して説明したように、暖機状態が第2半暖機状態にある場合、ブロック温度Tbrの上昇率は、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べ、小さいほうが好ましく、且つ、ブロック水路52内を冷却水が流れることが好ましい。
作動制御Jによれば、作動制御Iと同様に、ブロック水路52には、ヘッド水路51から流出した冷却水が直接流入するのではなく、EGRクーラ43を通った冷却水が流入する。このため、ブロック温度Tbrの上昇率は、ヘッド水路51から流出した冷却水がブロック水路52に直接流入する場合、即ち、暖機状態が第1半暖機状態にある場合に比べ、小さくなる。加えて、ブロック水路52内を冷却水が流れる。このため、シリンダブロック15の過熱及びブロック水路52内での冷却水の沸騰の両方を防止することができる。
<作動制御K>
加えて、暖機状態が第2半暖機状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の両方がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図15に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75を閉弁位置に設定し、遮断弁76及び77をそれぞれ開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Kを第2半暖機制御として行う。
この作動制御Kによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入し、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入し、一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。
ラジエータ水路58に流入した冷却水は、EGRクーラ水路59及びヒータコア水路60それぞれに流入する。
EGRクーラ水路59に流入した冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に、「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。一方、ヒータコア水路60に流入した冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に、「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、作動制御I及びJに関連して説明した効果と同様の効果を得ることができる。
<暖機完了制御>
次に、暖機状態が暖機完了状態にあると判定された場合におけるポンプ70等の作動制御(暖機完了制御)について説明する。
暖機状態が暖機完了状態にある場合、シリンダヘッド14及びシリンダブロック15の両方を冷却する必要がある。そこで、実施装置は、暖機状態が暖機完了状態にある場合、ラジエータ71によって冷却された冷却水を利用してシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却する。
<作動制御L>
より具体的に述べると、実施装置は、暖機状態が暖機完了状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない場合、ポンプ70を作動し、図16に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁76及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁75を開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Lを暖機完了制御として行う。
この作動制御Lによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。一方、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入する。一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。ラジエータ水路58に流入した冷却水は、ラジエータ71を通った後、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52には、ラジエータ71を通った冷却水が供給されるので、温度の低くなった冷却水によってシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却することができる。
<作動制御M>
一方、暖機状態が暖機完了状態にあるときにEGRクーラ通水要求があり且つヒータコア通水要求がない場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図17に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁77を閉弁位置に設定し、遮断弁75及び76をそれぞれ開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Mを暖機完了制御として行う。
この作動制御Mによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。一方、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入する。一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。
ラジエータ水路58に流入した冷却水の一部は、そのまま、ラジエータ水路58を流れ、ラジエータ71を通った後、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
一方、ラジエータ水路58に流入した冷却水の残りは、EGRクーラ水路59に流入する。その冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、EGRクーラ水路59に冷却水が供給される。加えて、ヘッド水路51及びブロック水路52にラジエータ71を通った冷却水が供給される。従って、EGRクーラ通水要求に従った冷却水の供給を達成しつつ、温度の低くなった冷却水によってシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却することができる。
<作動制御N>
更に、暖機状態が暖機完了状態にあるときにEGRクーラ通水要求がなく且つヒータコア通水要求がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図18に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁76を閉弁位置に設定し、遮断弁75及び77をそれぞれ開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Nを暖機完了制御として行う。
この作動制御Nによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。一方、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入する。一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。
ラジエータ水路58に流入した冷却水の一部は、そのまま、ラジエータ水路58を流れ、ラジエータ71を通った後、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
一方、ラジエータ水路58に流入した冷却水の残りは、ヒータコア水路60に流入する。その冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヒータコア水路60に冷却水が供給される。加えて、ヘッド水路51及びブロック水路52にラジエータ71を通った冷却水が供給される。従って、ヒータコア通水要求に従った冷却水の供給を達成しつつ、温度の低くなった冷却水によってシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却することができる。
<作動制御O>
加えて、暖機状態が暖機完了状態にあるときにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の両方がある場合、実施装置は、ポンプ70を作動し、図19に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75乃至77をそれぞれ開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する作動制御Oを暖機完了制御として行う。
この作動制御Oによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。一方、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入する。ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。
ラジエータ水路58に流入した冷却水の一部は、そのまま、ラジエータ水路58を流れ、ラジエータ71を通った後、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
一方、ラジエータ水路58に流入した冷却水の残りは、EGRクーラ水路59及びヒータコア水路60それぞれに流入する。EGRクーラ水路59に流入した冷却水は、EGRクーラ43を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。一方、ヒータコア水路60に流入した冷却水は、ヒータコア72を通った後、順に「水路61」並びに「ラジエータ水路58の第3部分583及び第4部分584」を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、作動制御L乃至Nに関連して説明した効果と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、実施装置によれば、機関温度Tengが低い場合(暖機状態が第1半暖機状態又は第2半暖機状態にある場合)において、「ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrの早い上昇」及び「ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰の防止」の両方を、一般的な冷却装置に水路62、切替弁78及び遮断弁75を追加するという、製造コストの安価な方法により実現することができる。
<作動制御の切替>
ところで、実施装置は、作動制御を作動制御E乃至Hの何れかから作動制御I乃至Oの何れかに切り替えるためには、「遮断弁75乃至77の少なくとも1つ(以下、「遮断弁75等」と称呼する。)」の設定位置を閉弁位置から開弁位置に切り替えるとともに、切替弁78の設定位置を逆流位置から順流位置に切り替える必要がある。
これに関し、遮断弁75等の設定位置が閉弁位置から開弁位置に切り替えられる前に切替弁78の設定位置が逆流位置から順流位置に切り替えられると、切替弁78の設定位置が切り替えられてから遮断弁75等の設定位置が切り替えられるまで、水路が遮断された状態が発生する。或いは、遮断弁75等の設定位置が閉弁位置から開弁位置に切り替えられると同時に切替弁78の設定位置が逆流位置から順流位置に切り替えられた場合にも、瞬間的ではあるが、水路が遮断された状態が発生する。
こうした状態が発生すると、冷却水が水路を循環することができないにもかかわらず、ポンプ70が作動している状態が発生してしまう。
そこで、実施装置は、作動制御を作動制御E乃至Hの何れかから作動制御I乃至Oの何れかに切り替える場合、まず、「遮断弁75等のうち閉弁位置から開弁位置に切り替えられるべき遮断弁」の設定位置を閉弁位置から開弁位置に切り替え、その後、切替弁78の設定位置を逆流位置から順流位置に切り替える。
これによれば、作動制御が作動制御E乃至Hの何れかから作動制御I乃至Oの何れかに切り替えられるときに、水路が遮断されて冷却水が循環しないにもかかわらず、ポンプ70が作動している状態が発生することを防止することができる。
<ハイブリッド制御>
次に、ECU90が行う機関10、第1MG110及び第2MG120の制御について説明する。ECU90は、アクセルペダル操作量AP及び車速Vに基づいて要求トルクTQreqを取得する。要求トルクTQreqは、駆動輪190を駆動するために駆動輪190に与えられる駆動トルクとして運転者によって要求されているトルクである。
ECU90は、要求トルクTQreqに第2MG回転速度NM2を乗ずることにより、駆動輪190に入力されるべき出力Pdrv(以下、「要求駆動出力Pdrv」と称呼する。)を算出する。
ECU90は、バッテリ充電量SOCの目標値SOCtgt(以下、「目標充電量SOCtgt」と称呼する。)と現在のバッテリ充電量SOCとの差ΔSOC(=SOCtgt−SOC)に基づいて、バッテリ充電量SOCを目標充電量SOCtgtに近づけるために第1MG110に入力されるべき出力Pchg(以下、「要求充電出力Pchg」と称呼する。)を取得する。
ECU90は、要求駆動出力Pdrvと要求充電出力Pchgとの合計値を、機関10から出力させるべき出力Peng(以下、「要求機関出力Peng」と称呼する。)として算出する。
ECU90は、要求機関出力Pengが「機関10の最適動作出力の下限値」よりも小さいか否かを判定する。機関10の最適動作出力の下限値は、機関10が所定の効率以上の効率にて運転できる出力の最小値である。最適動作出力は「最適機関トルクTQeopと最適機関回転速度NEeop」との組み合わせによって規定される。
要求機関出力Pengが機関10の最適動作出力の下限値よりも小さい場合、ECU90は、機関運転条件が成立していないと判定する。ECU90は、機関運転条件が成立していないと判定した場合、機関トルクの目標値TQeng_tgt(以下、「目標機関トルクTQeng_tgt」と称呼する。)及び機関回転速度の目標値NEtgt(以下、「目標機関回転速度NEtgt」と称呼する。)を共に「0」とする。
更に、ECU90は、第2MG回転速度NM2に基づいて要求駆動出力Pdrvの出力を駆動輪190に入力するために第2MG120から出力させるべきトルクの目標値TQmg2_tgt(以下、「目標第2MGトルクTQmg2_tgt」と称呼する。)を算出する。
一方、要求機関出力Pengが機関10の最適動作出力の下限値以上である場合、ECU90は、機関運転条件が成立していると判定する。ECU90は、機関運転条件が成立していると判定した場合、機関10から要求機関出力Pengの出力を出力させるための最適機関トルクTQeopの目標値及び最適機関回転速度NEeopの目標値をそれぞれ目標機関トルクTQeng_tgt及び目標機関回転速度NEtgtとして決定する。この場合、目標機関トルクTQeng_tgt及び目標機関回転速度NEtgtは、それぞれ、「0」よりも大きい値に設定される。
ECU90は、目標機関回転速度NEtgt及び第2MG回転速度NM2に基づいて目標第1MG回転速度NM1tgtを算出する。
ECU90は、目標機関トルクTQeng_tgt、目標第1MG回転速度NM1tgt、第1MG回転速度NM1及び「動力分配機構150による機関トルクの分配特性(以下、「トルク分配特性」と称呼する。)に基づいて目標第1MGトルクTQmg1_tgtを算出する。
加えて、ECU90は、要求トルクTQreq、目標機関トルクTQeng_tgt及びトルク分配特性に基づいて目標第2MGトルクTQmg2_tgtを算出する。
ECU90は、目標機関トルクTQeng_tgt及び目標機関回転速度NEtgtが達成されるように機関運転を制御する。尚、目標機関トルクTQeng_tgt及び目標機関回転速度NEtgtが共に「0」よりも大きい場合、即ち、機関運転条件が成立している場合、ECU90は、機関10を運転させる。一方、目標機関トルクTQeng_tgt及び目標機関回転速度NEtgtが共に「0」である場合、即ち、機関運転条件が成立していない場合、ECU90は、機関運転を停止する。
一方、ECU90は、目標第1MG回転速度NM1tgt、目標第1MGトルクTQmg1_tgt及び目標第2MGトルクTQmg2_tgtが達成されるようにインバータ130を制御することにより第1MG110及び第2MG120の作動を制御する。このとき、第1MG110が発電している場合、第2MG120は、バッテリ140から供給される電力に加えて、第1MG110が生成している電力によっても駆動され得る。
尚、上述したハイブリッド車両100における目標機関トルクTQeng_tgt、目標機関回転速度NEtgt、目標第1MGトルクTQmg1_tgt、目標第1MG回転速度NM1tgt及び目標第2MGトルクTQmg2_tgtの算出方法は公知である(例えば、特開2013−177026号公報等を参照。)。
上述したように、機関運転条件が成立していないと判定した場合、ECU90は、目標機関トルクTQeng_tgt及び目標機関回転速度NEtgtを共に「0」に設定する。この場合、機関運転が停止される。この機関運転の停止が「第2半暖機条件Ca2及びCb2並びに暖機完了条件Caw及びCbw(以下、これら条件をまとめて「第2半暖機条件Ca2等」と称呼する。)」の何れかの成立後に行われた場合、機関運転の停止中に冷却水の温度が低下し、機関運転が再開されたときに「第1半暖機条件Ca1及びCb1並びに冷間条件Cac及びCbc(以下、これら条件をまとめて「第1半暖機条件Ca1等」」と称呼する。)の何れかが成立することがあり得る。
ところが、冷却水の温度は、機関温度Tengを代表するパラメータであるが、機関温度Tengと常に一致しているとは限らない。特に、ヘッド水路51及びブロック水路52から流出した冷却水の温度、即ち、水温センサ86によって検出される機関水温TWengは、機関温度Tengと一致していない可能性が高い。
こうした冷却水の温度と機関温度Tengとの関係から、本願の発明者は、冷却水の温度が第2半暖機条件Ca2等の何れかを成立させる閾値温度以上になった後にその閾値温度よりも低くなった場合、機関温度Tengが「ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させる必要がある温度」よりも高い温度を維持している可能性が高いとの知見を得た。
従って、第2半暖機条件Ca2等の何れかが成立した後に第1半暖機条件Ca1等の何れかが成立した場合に第1半暖機制御を行うと、ブロック温度Tbrが過剰に高くなり、その結果、ブロック水路52内で冷却水の沸騰が生じる可能性がある。
そこで、実施装置は、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定されて以降(即ち、機関運転が許可されて以降)、第2半暖機条件Ca2等の何れかがいったん成立して第2半暖機制御又は暖機完了制御が行われた後に第1半暖機条件Ca1等の何れかが成立した場合においても、第1半暖機制御又は冷間制御を行わずに、第2半暖機制御を行う。
これによれば、EGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れかがあれば、作動制御I乃至Kの何れかが行われる。作動制御I乃至Kの何れかが行われた場合、ヘッド水路51及びブロック水路52から流出した冷却水がEGRクーラ43及びヒータコア72の少なくとも一方を通した後、ヘッド水路51及びブロック水路52に供給される。
従って、ブロック温度Tbrの上昇率は、第1半暖機制御又は冷間制御が行われる場合に比べて小さい。このため、ブロック温度Tbrが過剰に高くなることを防止することができ、その結果、ブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
尚、EGRクーラ通水要求もヒータコア通水要求もなく、従って、EGRクーラ43にもヒータコア72にも冷却水を通さない場合に通常循環を行うためには、冷却水をラジエータ71を通す必要がある。しかしながら、これによると、ラジエータ71によって冷却された冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52に供給され、その結果、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrの上昇率が小さくなってしまう。
一方、作動制御Aを行えばポンプ70が作動されず、ヘッド水路51及びブロック水路52内を冷却水が流れないので、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。しかしながら、先に述べたように、機関運転の停止前に第2半暖機条件Ca2等の何れかが成立していた場合、機関運転の再開時点でヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrが比較的高い可能性がある。この場合に、作動制御Aを行うと、ヘッド温度Thd及びブロック温度Tbrが過剰に高くなり、その結果、ヘッド水路51内又はブロック水路52内で冷却水の沸騰が生じる可能性がある。
そこで、EGRクーラ通水要求もヒータコア通水要求もない場合、実施装置は、第2半暖機制御として作動制御Eを行う。
<機関停止時作動制御>
次に、イグニッションオフ操作が行われた場合におけるポンプ70等の作動制御について説明する。先に述べたように、イグニッションオフ操作が行われた場合、実施装置は、機関運転を停止させる。その後、イグニッションオン操作が行われ且つ上記機関運転条件が成立すると、実施装置は、機関10を始動させる。このとき、機関運転の停止中に、遮断弁75が閉弁位置に設定されたまま固着し(作動しない状態となり)且つ切替弁78が逆流位置に設定されたまま固着してしまう(作動しない状態となってしまう)と、機関10の始動後、ラジエータ71によって冷却された冷却水をヘッド水路51及びブロック水路52に供給できなくなってしまう。この場合、機関10の暖機完了後に機関10の過熱を防止できなくなる可能性がある。
そこで、実施装置は、イグニッションオフ操作が行われた場合、ポンプ70の作動を停止し、そのときに切替弁78が逆流位置に設定されていれば、切替弁78を順流位置に設定し、遮断弁75が閉弁位置に設定されていれば、遮断弁75を開弁位置に設定する機関停止時制御を行う。これによれば、機関運転の停止中、遮断弁75及び切替弁78は、それぞれ、開弁位置及び順流位置に設定されている。従って、機関運転の停止中に遮断弁75及び切替弁78が固着してしまっても、機関始動後、遮断弁75及び切替弁78は、それぞれ、開弁位置及び順流位置に設定されているので、ラジエータ71によって冷却された冷却水をヘッド水路51及びブロック水路52に供給することができる。このため、機関10の暖機完了後に機関10が過熱することを防止することができる。
<実施装置の具体的な作動>
次に、実施装置の具体的な作動について説明する。実施装置のECUのCPUは、図20にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUは、図20のステップ2000から処理を開始してステップ2005に進み、機関10の始動後のサイクル数(始動後サイクル数)Cigが所定の始動後サイクル数Cig_th以下であるか否かを判定する。始動後サイクル数Cigが所定の始動後サイクル数Cig_thよりも大きい場合、CPUは、ステップ2005にて「No」と判定してステップ2095に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、始動後サイクル数Cigが所定の始動後サイクル数Cig_th以下である場合、CPUは、ステップ2005にて「Yes」と判定してステップ2007に進み、機関運転中であるか否かを判定する。機関運転中ではない場合、CPUは、ステップ2007にて「No」と判定してステップ2095に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関運転中である場合、CPUは、ステップ2007にて「Yes」と判定してステップ2010に進み、上記冷間条件Cacが成立しているか否かを判定する。
冷間条件Cacが成立している場合、CPUは、ステップ2010にて「Yes」と判定してステップ2015に進み、図21にフローチャートにより示した冷間制御ルーチンを実行する。
従って、CPUは、ステップ2015に進むと、図21のステップ2100から処理を開始してステップ2105に進み、後述する図26のルーチンにて設定されるEGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」であるか否か、即ち、EGRクーラ通水要求があるか否かを判定する。
EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2105にて「Yes」と判定してステップ2110に進み、後述する図27のルーチンにて設定されるヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否か、即ち、ヒータコア通水要求があるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2110にて「Yes」と判定してステップ2115に進み、上述した作動制御D(図8を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2195を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2110の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2110にて「No」と判定してステップ2120に進み、上述した作動制御B(図6を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2195を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ2105の処理を実行する時点においてEGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2105にて「No」と判定してステップ2125に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2125にて「Yes」と判定してステップ2130に進み、上述した作動制御C(図7を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2195を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2125の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2125にて「No」と判定してステップ2135に進み、上述した作動制御Aを実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2195を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
CPUが図20のステップ2010の処理を実行する時点において冷間条件Cacが成立していない場合、CPUは、ステップ2010にて「No」と判定してステップ2020に進み、上記第1半暖機条件Ca1が成立しているか否かを判定する。
第1半暖機条件Ca1が成立している場合、CPUは、ステップ2020にて「Yes」と判定してステップ2025に進み、図22にフローチャートにより示した第1半暖機制御ルーチンを実行する。
従って、CPUは、ステップ2025に進むと、図22のステップ2200から処理を開始してステップ2205に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」であるか否か、即ち、EGRクーラ通水要求があるか否かを判定する。
EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2205にて「Yes」と判定してステップ2210に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否か、即ち、ヒータコア通水要求があるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2210にて「Yes」と判定してステップ2215に進み、上述した作動制御H(図12を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2295を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2210の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2210にて「No」と判定してステップ2220に進み、上述した作動制御F(図10を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2295を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ2205の処理を実行する時点においてEGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2205にて「No」と判定してステップ2225に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2225にて「Yes」と判定してステップ2230に進み、上述した作動制御G(図11を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2295を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2225の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2225にて「No」と判定してステップ2235に進み、上述した作動制御E(図9を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2295を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
CPUが図20のステップ2020の処理を実行する時点において第1半暖機条件Ca1が成立していない場合、CPUは、ステップ2020にて「No」と判定してステップ2030に進み、第2半暖機条件Ca2が成立しているか否かを判定する。
第2半暖機条件Ca2が成立している場合、CPUは、ステップ2030にて「Yes」と判定してステップ2035に進み、図23にフローチャートにより示した第2半暖機制御ルーチンを実行する。
従って、CPUは、ステップ2035に進むと、図23のステップ2300から処理を開始してステップ2305に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」であるか否か、即ち、EGRクーラ通水要求があるか否かを判定する。
EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2305にて「Yes」と判定してステップ2310に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否か、即ち、ヒータコア通水要求があるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2310にて「Yes」と判定してステップ2315に進み、上述した作動制御K(図15を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。
その後、CPUは、ステップ2340に進んで暖機状態フラグXdの値を「1」に設定した後、ステップ2395を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
暖機状態フラグXdは、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後、第2半暖機条件又は暖機完了条件が成立したことがあるか否かを示すフラグである。暖機状態フラグXdの値は、イグニッションスイッチ89がオフ位置に設定された場合、「0」に設定される。
暖機状態フラグXdの値が「1」である場合、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後、第2半暖機条件又は暖機完了条件が少なくとも一度成立したことを示している。暖機状態フラグXdの値が「0」である場合、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後、第2半暖機条件及び暖機完了条件が一度も成立していないことを示している。
尚、第2半暖機制御は、図23のステップ2315、ステップ2320、ステップ2330及びステップ2335それぞれにおける作動制御K、I、J及びEであり、暖機完了制御は、後述する図24のステップ2415、ステップ2420、ステップ2430及びステップ2435それぞれにおける作動制御O、M、N及びLである。
暖機状態フラグXdの値が「1」に設定されると、後述する図25のステップ2512又はステップ2522にて「No」と判定されるようになり、その結果、その後に冷間条件又は第1半暖機条件が成立しても、第2半暖機制御が行われる。
CPUが図23のステップ2310の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2310にて「No」と判定してステップ2320に進み、上述した作動制御I(図13を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、先に述べたステップ2340の処理を行った後、ステップ2395を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
CPUが図23のステップ2305の処理を実行する時点においてEGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2305にて「No」と判定してステップ2325に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2325にて「Yes」と判定してステップ2330に進み、上述した作動制御J(図14を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、先に述べたステップ2340の処理を行った後、ステップ2395を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2325の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2325にて「No」と判定してステップ2335に進み、上述した作動制御E(図9を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、先に述べたステップ2340の処理を行った後、ステップ2395を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
CPUが図20のステップ2030の処理を実行する時点において第2半暖機条件Ca2が成立していない場合、CPUは、ステップ2030にて「No」と判定してステップ2040に進み、図24にフローチャートにより示した暖機完了制御ルーチンを実行する。
従って、CPUは、ステップ2040に進むと、図24のステップ2400から処理を開始してステップ2405に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」であるか否か、即ち、EGRクーラ通水要求があるか否かを判定する。
EGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2405にて「Yes」と判定してステップ2410に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否か、即ち、ヒータコア通水要求があるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2410にて「Yes」と判定してステップ2415に進み、上述した作動制御O(図19を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、ステップ2440に進み、暖機状態フラグXdの値を「1」に設定した後、ステップ2495を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
CPUが図24のステップ2410の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2410にて「No」と判定してステップ2420に進み、上述した作動制御M(図17を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、先に述べたステップ2440の処理を行った後、ステップ2495を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
一方、CPUが図24のステップ2405の処理を実行する時点においてEGRクーラ通水要求フラグXegrの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2405にて「No」と判定してステップ2425に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」であるか否かを判定する。
ヒータコア通水要求フラグXhtの値が「1」である場合、CPUは、ステップ2425にて「Yes」と判定してステップ2430に進み、上述した作動制御N(図18を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、先に述べたステップ2440の処理を行った後、ステップ2495を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2425の処理を実行する時点においてヒータコア通水要求フラグXhtの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2425にて「No」と判定してステップ2435に進み、上述した作動制御L(図16を参照。)を実行してポンプ70等の作動状態を制御する。その後、CPUは、先に述べたステップ2440の処理を行った後、ステップ2495を経由して図20のステップ2095に進み、図20のルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、図25にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図25のステップ2500から処理を開始してステップ2505に進み、イグニッションオン操作による機関10の始動後のサイクル数(始動後サイクル数)Cigが所定の始動後サイクル数Cig_thよりも大きいか否かを判定する。
始動後サイクル数Cigが所定の始動後サイクル数Cig_th以下である場合、CPUは、ステップ2505にて「No」と判定してステップ2595に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、始動後サイクル数Cigが所定の始動後サイクル数Cig_thよりも大きい場合、CPUは、ステップ2505にて「Yes」と判定してステップ2506に進み、機関運転中であるか否かを判定する。機関運転中ではない場合、CPUは、ステップ2506にて「No」と判定してステップ2595に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関運転中である場合、CPUは、ステップ2506にて「Yes」と判定してステップ2510に進み、上記冷間条件Cbcが成立しているか否かを判定する。冷間条件Cbcが成立している場合、CPUは、ステップ2510にて「Yes」と判定してステップ2512に進み、暖機状態フラグXdの値が「0」であるか否かを判定する。暖機状態フラグXdの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2512にて「Yes」と判定してステップ2515に進み、上述した図21に示した冷間制御ルーチンを実行し、その後、ステップ2595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ2512の処理を実行する時点において暖機状態フラグXdの値が「1」である場合、即ち、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定されて以降、第2半暖機条件又は暖機完了条件がいったん成立している場合、CPUは、ステップ2512にて「No」と判定してステップ2545に進み、上述した図23に示した第2半暖機制御ルーチンを実行する。その後、CPUは、ステップ2595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ2510の処理を実行する時点において冷間条件Cbcが成立していない場合、CPUは、ステップ2510にて「No」と判定してステップ2520に進み、上記第1半暖機条件Cb1が成立しているか否かを判定する。
第1半暖機条件Cb1が成立している場合、CPUは、ステップ2520にて「Yes」と判定してステップ2522に進み、暖機状態フラグXdの値が「0」であるか否かを判定する。暖機状態フラグXdの値が「0」である場合、CPUは、ステップ2512にて「Yes」と判定してステップ2525に進み、上述した図22に示した第1半暖機制御ルーチンを実行し、その後、ステップ2595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2522の処理を実行する時点において暖機状態フラグXdの値が「1」である場合、即ち、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定されて以降、第2半暖機条件又は暖機完了条件がいったん成立している場合、CPUは、ステップ2522にて「No」と判定してステップ2545に進み、上述した図23に示した第2半暖機制御ルーチンを実行する。その後、CPUは、ステップ2595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ2520の処理を実行する時点において第1半暖機条件Cb1が成立していない場合、CPUは、ステップ2520にて「No」と判定してステップ2530に進み、上記第2半暖機条件Cb2が成立しているか否かを判定する。第2半暖機条件Cb2が成立している場合、CPUは、ステップ2530にて「Yes」と判定してステップ2535に進み、上述した図23に示した第2半暖機制御ルーチンを実行する。その後、CPUは、ステップ2595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2530の処理を実行する時点において第2半暖機条件Cb2が成立していない場合、CPUは、ステップ2530にて「No」と判定してステップ2540に進み、上述した図24に示した暖機完了制御ルーチンを実行する。その後、CPUは、ステップ2595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、図26にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図26のステップ2600から処理を開始してステップ2605に進み、機関運転状態がEGR実行領域Rb内にあるか否かを判定する。
機関運転状態がEGR実行領域Rb内にある場合、CPUは、ステップ2605にて「Yes」と判定してステップ2610に進み、機関水温TWengが第7機関水温TWeng7よりも高いか否かを判定する。
機関水温TWengが第7機関水温TWeng7よりも高い場合、CPUは、ステップ2610にて「Yes」と判定してステップ2615に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値を「1」に設定する。その後、CPUは、ステップ2695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関水温TWengが第7機関水温TWeng7以下である場合、CPUは、ステップ2610にて「No」と判定してステップ2620に進み、機関負荷KLが閾値負荷KLthよりも小さいか否かを判定する。
機関負荷KLが閾値負荷KLthよりも小さい場合、CPUは、ステップ2620にて「Yes」と判定してステップ2625に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ2695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関負荷KLが閾値負荷KLth以上である場合、CPUは、ステップ2620にて「No」と判定してステップ2615に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値を「1」に設定する。その後、CPUは、ステップ2695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ2605の処理を実行する時点において機関運転状態がEGR実行領域Rbにない場合、CPUは、ステップ2605にて「No」と判定してステップ2630に進み、EGRクーラ通水要求フラグXegrの値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ2695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、図27にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図27のステップ2700から処理を開始してステップ2705に進み、外気温Taが閾値温度Tathよりも高いか否かを判定する。
外気温Taが閾値温度Tathよりも高い場合、CPUは、ステップ2705にて「Yes」と判定してステップ2710に進み、ヒータスイッチ88がオン位置に設定されているか否かを判定する。
ヒータスイッチ88がオン位置に設定されている場合、CPUは、ステップ2710にて「Yes」と判定してステップ2715に進み、機関水温TWengが第9機関水温TWeng9よりも高いか否かを判定する。
機関水温TWengが第9機関水温TWeng9よりも高い場合、CPUは、ステップ2715にて「Yes」と判定してステップ2720に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値を「1」に設定する。その後、CPUは、ステップ2795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関水温TWengが第9機関水温TWeng9以下である場合、CPUは、ステップ2715にて「No」と判定してステップ2725に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ2795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUがステップ2710の処理を実行する時点においてヒータスイッチ88がオフ位置に設定されている場合、CPUは、ステップ2710にて「No」と判定してステップ2725に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ2795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ2705の処理を実行する時点において外気温Taが閾値温度Tath以下である場合、CPUは、ステップ2705にて「No」と判定してステップ2730に進み、機関水温TWengが第8機関水温TWeng8よりも高いか否かを判定する。
機関水温TWengが第8機関水温TWeng8よりも高い場合、CPUは、ステップ2730にて「Yes」と判定してステップ2735に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値を「1」に設定する。その後、CPUは、ステップ2795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、機関水温TWengが第8機関水温TWeng8以下である場合、CPUは、ステップ2730にて「No」と判定してステップ2740に進み、ヒータコア通水要求フラグXhtの値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ2795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、図28にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図28のステップ2800から処理を開始してステップ2805に進み、イグニッションオフ操作が行われたか否かを判定する。
イグニッションオフ操作が行われた場合、CPUは、ステップ2805にて「Yes」と判定してステップ2807に進み、ポンプ70の作動を停止し、その後、ステップ2810に進み、遮断弁75が閉弁位置に設定されているか否かを判定する。
遮断弁75が閉弁位置に設定されている場合、CPUは、ステップ2810にて「Yes」と判定してステップ2815に進み、遮断弁75を開弁位置に設定する。その後、CPUは、ステップ2820に進む。
これに対し、遮断弁75が開弁位置に設定されている場合、CPUは、ステップ2810にて「No」と判定してステップ2820に直接進む。
CPUは、ステップ2820に進むと、切替弁78が逆流位置に設定されているか否かを判定する。切替弁78が逆流位置に設定されている場合、CPUは、ステップ2820にて「Yes」と判定してステップ2825に進み、切替弁78を順流位置に設定する。その後、CPUは、ステップ2895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ2820の処理を実行する時点において切替弁78が順流位置に設定されている場合、CPUは、ステップ2820にて「No」と判定してステップ2895に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUがステップ2805の処理を実行する時点においてイグニッションオフ操作が行われていない場合、CPUは、ステップ2805にて「No」と判定してステップ2895に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上が実施装置の具体的な作動であり、これにより、機関10の暖機が完了するまでの間、EGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求に従った冷却水の供給を達成しつつ、機関温度Tengを大きい上昇率で上昇させることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
<第1変形例>
例えば、本発明は、図29に示した本発明の実施形態の第1変形例に係る冷却装置(以下、「第1変形装置」と称呼する。)にも適用可能である。第1変形装置において、切替弁78は、冷却水管55Pではなく、冷却水管54Pに配設されている。冷却水管62Pの第1端部61Aは、その切替弁78に接続されている。
切替弁78は、順流位置に設定されている場合、切替弁78と冷却水管54Pの第1端部54Aとの間の水路54の部分541(以下、「水路54の第1部分541」と称呼する。)と、切替弁78と冷却水管54Pの第2端部54Bとの間の水路54の部分542(以下、「水路54の第2部分542」と称呼する。)と、の間の冷却水の流通を許容する一方、「水路54の第1部分541と水路62との間の冷却水の流通」及び「水路54の第2部分542と水路62との間の冷却水の流通」を遮断する。
一方、切替弁78は、逆流位置に設定されている場合、水路54の第2部分542と水路62との間の冷却水の流通を許容する一方、「水路54の第1部分541と水路62との間の冷却水の流通」及び「水路54の第1部分541と第2部分542との間の冷却水の流通」を遮断する。
更に、切替弁78は、遮断位置に設定されている場合、「水路54の第1部分541と第2部分542との間の冷却水の流通」、「水路54の第1部分541と水路62との間の冷却水の流通」及び「水路54の第2部分542と水路62との間の冷却水の流通」を遮断する。
<第1変形装置の作動>
第1変形装置は、上記実施装置が各作動制御A乃至Oを行う条件とそれぞれ同じ条件で作動制御A乃至Oの何れかを行う。以下、第1変形装置が行う作動制御A乃至Oのうち、代表的な作動制御である作動制御E及びLについて説明する。
<作動制御E>
第1変形装置は、作動制御Eを行う場合、ポンプ70を作動し、図30に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75乃至77をそれぞれ閉弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する。
この作動制御Eによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水は、水路55を介してブロック水路52に流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57及び水路56を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、順に、水路54の第2部分542、水路62及びラジエータ水路58の第4部分584を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水は、水路54の第2部分542、切替弁78、水路62、ラジエータ水路58の第4部分584、ポンプ70、水路53及び水路55を流れた後ではあるが、ラジエータ71等の何れも通ることなくブロック水路52に流入する。このため、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がブロック水路52に供給される場合に比べ、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
更に、ヘッド水路51にも、ラジエータ71等の何れも通っていない冷却水が供給されるので、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がヘッド水路51に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thdを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52を流れるので、ヘッド水路51及びブロック水路52において冷却水の温度が部分的に非常に高くなることを防止することができる。その結果、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
<作動制御L>
一方、第1変形装置は、作動制御Lを行う場合、ポンプ70を作動し、図31に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁76及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁75を開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する。
この作動制御Lによれば、ポンプ吐出口70outから水路53に吐出された冷却水の一部は、水路54を介してヘッド水路51に流入する。一方、水路53に吐出された冷却水の残りは、水路55を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56を介してラジエータ水路58に流入する。一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57を介してラジエータ水路58に流入する。ラジエータ水路58に流入した冷却水は、ラジエータ71を通った後、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52には、ラジエータ71を通った冷却水が供給されるので、温度の低くなった冷却水によってシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却することができる。
<第2変形例>
更に、本発明は、図32に示した本発明の実施形態の第2変形例に係る冷却装置(以下、「第2変形装置」と称呼する。)にも適用可能である。第2変形装置においては、ポンプ70は、ポンプ取込口70inがラジエータ水路58に接続され且つポンプ吐出口70outが水路53に接続されるように配設されている。
<第2変形装置の作動>
第2変形装置は、上記実施装置が各作動制御A乃至Oを行う条件とそれぞれ同じ条件で作動制御A乃至Oの何れかを行う。以下、第2変形装置が作動制御A乃至Oのうち、代表的な作動制御である作動制御E及びLについて説明する。
<作動制御E>
第2変形装置は、作動制御Eを行う場合、ポンプ70を作動し、図33に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75乃至77をそれぞれ閉弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する。
この作動制御Eによれば、ポンプ吐出口70outからラジエータ水路58に吐出された冷却水は、水路62及び水路55の第2部分552を介してブロック水路52に流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、水路57及び水路56を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、順に、水路54及び水路53を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水は、水路54、水路53、ポンプ70、ラジエータ水路58の第4部分584、水路62、切替弁78及び水路55の第2部分552を流れた後ではあるが、ラジエータ71等の何れも通ることなくブロック水路52に流入する。このため、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がブロック水路52に供給される場合に比べ、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
更に、ヘッド水路51にも、ラジエータ71等の何れも通っていない冷却水が供給されるので、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がヘッド水路51に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thdを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52を流れるので、ヘッド水路51及びブロック水路52において冷却水の温度が部分的に非常に高くなることを防止することができる。その結果、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
<作動制御L>
一方、第2変形装置は、作動制御Lを行う場合、ポンプ70を作動し、図34に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁76及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁75を開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する。
この作動制御Lによれば、ポンプ吐出口70outからラジエータ水路58に吐出された冷却水の一部は、水路56を介してヘッド水路51に流入する。一方、ラジエータ水路58に吐出された冷却水の残りは、水路57を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、順に、水路54及び水路53を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55及び水路53を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52には、ラジエータ71を通った冷却水が供給されるので、温度の低くなった冷却水によってシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却することができる。
<第3変形例>
更に、本発明は、図35に示した本発明の実施形態の第3変形例に係る冷却装置(以下、「第3変形装置」と称呼する。)にも適用可能である。第3変形装置においては、第1変形装置と同様に、切替弁78は、冷却水管55Pではなく、冷却水管54Pに配設されている。冷却水管62Pの第1端部61Aは、切替弁78に接続されている。
更に、第3変形装置においては、第2変形装置と同様に、ポンプ70は、ポンプ取込口70inがラジエータ水路58に接続され且つポンプ吐出口70outが水路53に接続されるように配設されている。
第3変形装置の切替弁78が順流位置及び逆流位置それぞれに設定された場合の切替弁78の作用は、第1変形装置の切替弁78の作用と同じである。
<第3変形装置の作動>
第3変形装置は、上記実施装置が各作動制御A乃至Oを行う条件とそれぞれ同じ条件で作動制御A乃至Oの何れかを行う。以下、第3変形装置が行う作動制御A乃至Oのうち、代表的な作動制御である作動制御E及びLについて説明する。
<作動制御E>
第3変形装置は、作動制御Eを行う場合、ポンプ70を作動し、図36に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁75乃至77をそれぞれ閉弁位置に設定し、切替弁78を逆流位置に設定する。
この作動制御Eによれば、ポンプ吐出口70outからラジエータ水路58に吐出された冷却水は、水路62及び水路54の第2部分542を介してヘッド水路51に流入する。その冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、水路56及び水路57を介してブロック水路52に流入する。その冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55及び水路53を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水は、ラジエータ71等の何れも通ることなくブロック水路52に直接流入する。このため、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がブロック水路52に供給される場合に比べ、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
更に、ヘッド水路51にも、ラジエータ71等の何れも通っていない冷却水が供給されるので、ラジエータ71等の何れかを通った冷却水がヘッド水路51に供給される場合に比べ、ヘッド温度Thdを大きい上昇率で上昇させることができる。
加えて、冷却水がヘッド水路51及びブロック水路52を流れるので、ヘッド水路51及びブロック水路52において冷却水の温度が部分的に非常に高くなることを防止することができる。その結果、ヘッド水路51及びブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
<作動制御L>
一方、第3変形装置は、作動制御Lを行う場合、ポンプ70を作動し、図37に矢印で示したように冷却水が循環するように、遮断弁76及び77をそれぞれ閉弁位置に設定し、遮断弁75を開弁位置に設定し、切替弁78を順流位置に設定する。
この作動制御Lによれば、ポンプ吐出口70outからラジエータ水路58に吐出された冷却水の一部は、水路56を介してヘッド水路51に流入する。一方、ラジエータ水路58に吐出された冷却水の残りは、水路57を介してブロック水路52に流入する。
ヘッド水路51に流入した冷却水は、ヘッド水路51を流れた後、順に、水路54及び水路53を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。一方、ブロック水路52に流入した冷却水は、ブロック水路52を流れた後、順に、水路55及び水路53を流れ、ポンプ取込口70inからポンプ70に取り込まれる。
これにより、ヘッド水路51及びブロック水路52には、ラジエータ71を通った冷却水が供給されるので、温度の低くなった冷却水によってシリンダヘッド14及びシリンダブロック15を冷却することができる。
<第4変形例>
本発明は、図38に示した本発明の実施形態の第4変形例に係る冷却装置(以下、「第4変形装置」と称呼する。)にも適用可能である。第4変形装置においては、ラジエータ71は、水路56の第2端部56B及び水路57の第2端部57Bをポンプ70に接続する水路58には配設されておらず、水路53に配設されている。
<第4変形装置の作動>
第4変形装置は、上記実施装置が作動制御I乃至Kをそれぞれ行う条件が成立した場合、上記実施装置とは異なり、作動制御F乃至Hをそれぞれ行う。一方、第4変形装置は、上記実施装置が作動制御A乃至H及びL乃至Oをそれぞれ行う条件が成立した場合、上記実施装置と同様に、作動制御A乃至H及びL乃至Oをそれぞれ行う。
第4変形装置が作動制御A乃至D及びL乃至Oを行った場合、上記実施装置が作動制御A及びL乃至Oを行った場合に得られる効果と同様の効果を得ることができる。
第4変形装置が作動制御E乃至Kを行った場合、ヘッド水路51には、ラジエータ71により冷却されて温度の低くなった冷却水が供給されるが、ブロック水路52には、ヘッド水路51を流れて温度の高くなった冷却水が直接供給される。このため、少なくとも、ラジエータ71により冷却されて温度の低くなった冷却水がブロック水路52に直接供給される場合に比べ、ブロック温度Tbrを大きい上昇率で上昇させることができる。
<第5変形例>
更に、本発明は、暖機状態並びにEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の有無に応じて図39に示したように作動制御A乃至Oの何れかを行う本発明の実施形態の第5変形例に係る冷却装置(以下、「第5変形装置」と称呼する。)にも適用可能である。
図39に示した第5変形装置の作動制御は、暖機状態が第2半暖機状態にあり且つEGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない場合に作動制御Iを行うように構成されている点を除いて、図5に示した実施装置の作動制御と同じである。
第5変形装置によれば、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定されて以降(即ち、機関運転が許可されて以降)、EGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない状態で第2半暖機条件Ca2等の何れかがいったん成立して作動制御Iが行われた後に、EGRクーラ通水要求及びヒータコア通水要求の何れもない状態で第1半暖機条件Ca1等の何れかが成立した場合、作動制御Eが行われるのではなく、作動制御Iが行われる。
従って、ブロック温度Tbrの上昇率は、作動制御Eが行われる場合に比べて小さい。このため、ブロック温度Tbrが過剰に高くなることを防止することができ、その結果、ブロック水路52内での冷却水の沸騰を防止することができる。
更に、本発明は、車両が運転者のブレーキ操作によって停止されたときに機関運転を停止し、運転者がアクセルペダルを操作したときに機関運転を再開するいわゆるアイドリングストップ制御を行うようになっている内燃機関にも適用可能である。
更に、車両が極寒冷地を走行している場合等の外気温が極低温である場合、第2半暖機条件Ca2等の何れかの成立後、機関運転が長時間に渡ってアイドリング運転状態等の機関負荷が極めて小さい状態にあると、ヘッド水路及びブロック水路から流出した冷却水の温度が低下して第1半暖機条件Ca1等の何れかが成立する可能性がある。従って、本発明は、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定されている間に機関運転を停止することがない内燃機関にも適用可能である。
尚、上記実施装置及び変形装置において、EGRシステム40は、EGRガスがEGRクーラ43をバイパスするように、EGRクーラ43よりも上流側の排気還流管41の部分と、EGRクーラ43よりも下流側の排気還流管41と、を接続するバイパス管を含むように構成され得る。
この場合、上記実施装置及び変形装置は、機関運転状態がEGR停止領域Ra(図4を参照。)内にあるとき、各気筒12へのEGRガスの供給を停止するのではなく、バイパス管を介してEGRガスを各気筒12に供給するように構成され得る。この場合、EGRガスは、EGRクーラ43をバイパスするので、比較的高い温度のEGRガスが各気筒12に供給される。
或いは、上記実施装置及び変形装置は、機関運転状態がEGR停止領域Ra内にあるとき、機関運転状態を含むパラメータに関する条件に応じて「各気筒12へのEGRガスの供給の停止」及び「バイパス管を介した各気筒12へのEGRガスの供給」の何れかを選択的に行うように構成され得る。
更に、上記実施装置及び変形装置は、シリンダブロック15自体の温度(特に、燃焼室を画成するシリンダボア近傍におけるシリンダブロック15の部分の温度)を検出する温度センサがシリンダブロック15に配設されている場合、上部ブロック水温TWbr_upの代わりにシリンダブロック15自体の温度を用いるように構成され得る。更に、上記実施装置及び変形装置は、シリンダヘッド14自体の温度(特に、燃焼室を画成するシリンダヘッド14の壁面近傍の温度)を検出する温度センサがシリンダヘッド14に配設されている場合、ヘッド水温TWhdの代わりにシリンダヘッド14自体の温度を用いるように構成され得る。
更に、上記実施装置及び変形装置は、始動後積算空気量ΣGaの代わりに或いはそれに加えて、イグニッションスイッチ89がオン位置に設定された後に最初に機関10が始動してから気筒12a乃至気筒12dに燃料噴射弁13から供給された燃料のトータルの量である始動後積算燃料量ΣQを用いるように構成され得る。
この場合、上記実施装置及び変形装置は、始動後積算燃料量ΣQが第1閾値燃料量ΣQ1以下である場合、暖機状態が冷間状態にあると判定し、始動後積算燃料量ΣQが第1閾値燃料量ΣQ1よりも多く且つ第2閾値燃料量ΣQ2以下である場合、暖機状態が第1半暖機状態にあると判定する。更に、上記実施装置及び変形装置は、始動後積算燃料量ΣQが第2閾値燃料量ΣQ2よりも多く且つ第3閾値燃料量ΣQ3以下である場合、暖機状態が第2半暖機状態にあると判定し、始動後積算燃料量ΣQが第3閾値燃料量ΣQ3よりも多い場合、暖機状態が暖機完了状態にあると判定する。
更に、上記実施装置及び変形装置は、機関水温TWengが第7機関水温TWeng7以上である場合、機関運転状態が図4に示したEGR停止領域Ra又はRc内にあっても、EGRクーラ通水要求があると判定するように構成され得る。この場合、図26のステップ2605及びステップ2630の処理が省略される。これによれば、機関運転状態がEGR停止領域Ra又はRcからEGR実行領域Rbに移行した時点で既に冷却水がEGRクーラ水路59に供給されている。このため、各気筒12へのEGRガスの供給の開始と同時にEGRガスを冷却することができる。
更に、上記実施装置及び変形装置は、外気温Taが閾値温度Tathよりも高いときに機関水温TWengが第9機関水温TWeng9よりも高ければ、ヒータスイッチ88の設定位置の如何にかかわらず、ヒータコア通水要求があると判定するように構成され得る。この場合、図27のステップ2710の処理が省略される。
更に、本発明は、上記実施装置及び変形装置において、「水路59及び遮断弁76を備えていない冷却装置」並びに「水路60及び遮断弁77を備えていない冷却装置」にも適用可能である。