JP2018164925A - 鍛造製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、上記のニッケル基超耐熱合金やチタン合金は熱間鍛造が難しい難加工性材として知られており、熱間鍛造時の鍛造荷重も著しく大きくなる。そのため、潤滑剤を用いて熱間鍛造時の摩擦を低減し、鍛造荷重を小さくする試みが行われている。例えば、特開平2−104435号公報(特許文献1)には、チタン合金素材を、加熱した金型を用いて加圧成形する際に、素材表面に予めガラス系およびボロンナイトライド系の潤滑剤を二重にコーティングしておいて加圧成形する、チタン合金の熱間成形のための潤滑方法の発明が開示されている。
かかる問題に鑑み、本発明は、大型鍛造素材を熱間鍛造する場合にも鍛造中の過度の荷重増加を抑制することが可能な鍛造製品の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、鍛造素材を下金型と上金型を用いて熱間鍛造する鍛造製品の製造方法であって、前記下金型の型彫り面の少なくとも一部を第1のガラス潤滑剤で被覆する第1の工程と、前記第1の工程を経た下金型を加熱する第2の工程と、前記鍛造素材の少なくとも一部を第2のガラス潤滑剤で被覆する第3の工程と、前記第3の工程を経た鍛造素材を前記第2の工程における下金型の加熱温度よりも高い温度に加熱する第4の工程と、前記第2の工程を経た下金型の型彫り面上に、前記第4の工程を経た鍛造素材を載置し、前記下金型と前記上金型とで熱間鍛造を行う第5の工程とを有し、前記第1のガラス潤滑剤と前記第2のガラス潤滑剤とは互いに材質が異なり、前記第2のガラス潤滑剤は前記第4の工程において軟化して前記鍛造素材表面に留まり、前記第1のガラス潤滑剤および第2のガラス潤滑剤が軟化している状態で前記第5の工程における熱間鍛造を開始することを特徴とする。
さらに、前記第2の工程は、予め加熱されたダミー材を下金型および上金型で挟持する金型加熱工程を含むことが好ましい。
さらに、前記下金型の型彫り面は部分的に前記第1のガラス潤滑剤で被覆され、前記第5の工程において、前記鍛造素材の端部は、前記第1のガラス潤滑剤で被覆された範囲内で前記下金型の型彫り面上を摺動することが好ましい。
さらに、前記鍛造素材は回転体状であることが好ましい。
さらに、前記第5の工程において、前記鍛造素材の端部は、前記下金型の型彫り面上を200mm以上変位することが好ましい。
第一の側面とは、第2のガラス潤滑剤は第4の工程において軟化して鍛造素材表面に留まり、第1のガラス潤滑剤および第2のガラス潤滑剤が軟化している状態で第5の工程における熱間鍛造を開始する点である。
また、第二の側面とは、第1のガラス潤滑剤は第5の工程における熱間鍛造開始時の前記下金型の型彫り面温度に相当する温度での粘度が1×107Pa・s以下であり、前記第2のガラス潤滑剤は前記第4の工程における鍛造素材の加熱温度に相当する温度での粘度が1×102Pa・s以上、かつ前記第5の工程における熱間鍛造開始時の前記鍛造素材の表面温度に相当する温度での粘度が1×107Pa・s以下である点である。これらの特徴により、鍛造の終盤まで潤滑剤の効果が維持されるため、熱間鍛造中の潤滑切れを抑制し、鍛造荷重を低減することが可能となる。
鍛造製品は、タービンディスク、タービンブレード等の、鍛造を経て製造される製品であり、鍛造素材は最終的な鍛造製品形状を得るための予備成形体である。鍛造素材には、ビレットの他、複数回(複数ブロー)の熱間鍛造を行う場合の途中段階の中間素材も含まれる。鍛造素材の材質としては、例えばNi基超耐熱合金、Ti合金等を用いることができる。
金型100は、下金型1と、下金型1に対向して配置された上金型2とで構成されている。図1の上下方向(z方向)が圧下方向である。なお、図1では下金型1および上金型2をそれぞれ固定するダイプレート、プレス機本体の図示は省略している。下金型1および上金型2は、製品形状に応じた所定の凹凸等を形成した型彫り面3を備え、下金型1の型彫り面と上金型2の型彫り面との間に製品形状に対応したキャビティが形成される。型彫り面3は、熱間鍛造後の、最終的な製品形状への加工代を含めて設計、加工された面である。
また、下金型1および上金型2は、それぞれ型彫り面3に肉盛層4としてNi基超耐熱合金層を有することが好ましい。かかる構成は、Ni基超耐熱合金、Ti合金等の難加工性材の熱間鍛造を行う場合に好適である。これは、以下の理由による。難加工性材を熱間鍛造する場合には、鍛造温度は例えば1000℃以上になり、金型表面(作業面)が高温に晒される。一方、鍛造温度が熱間金型用鋼の焼戻し温度を超える場合には、熱間金型用鋼が軟化してしまう。これに対して、作業面となる型彫り面に高温強度に優れるNi基超耐熱合金の肉盛層を形成すれば、肉盛層は金型の母材の軟化防止層として機能する。また、熱伝導率が低いため、肉盛層には予熱した金型の保熱の効果もある。また、別な効果として、Ni基超耐熱合金層と第1のガラス潤滑剤とは、金型の温度が高くなったときにその接合界面でNi基超耐熱合金に含まれる元素による自己酸化被膜と、第1のガラス潤滑剤に含まれる元素とが化学反応を生じ、第1のガラス潤滑剤の成分が若干変化して、第1のガラス潤滑剤の粘度を高める効果があることが分かった。これにより、熱間鍛造前の金型の昇温時において、第1のガラス潤滑剤の粘度の過度な低粘度化を抑制することができる。
さらに、肉盛層は作業面の耐酸化性を高め、高強度化にも寄与する。なお、Ni基超耐熱合金とは、質量%でNiを最も多く含有し、γ´相等の金属間化合物を析出させて合金を強化(硬化)することが可能な合金である。例えば、Udimet520相当合金(UDIMETはSpecial Metals社の登録商標)、Udimet720相当合金、Waspaloy相当合金(WaspaloyはUnited Technologies社の登録商標)、Alloy718相当合金、を用いることができる。肉盛層は、例えば、ワイヤ状、粉末状等の合金を用いた溶接によって形成することができる。
図1に示す実施形態では、下金型1および上金型2は、それぞれ型彫り面3の全面に肉盛層4を有しているが、型彫り面の一部に肉盛層を有する構成も適用可能である。例えば高温になりやすい部位だけに肉盛層を形成することでコストを削減することができる。
<第1の工程>
第1の工程では、下金型1の型彫り面3の少なくとも一部を第1のガラス潤滑剤5で被覆する。図1に示すように下金型の型彫り面3の全体を第1のガラス潤滑剤5で被覆すれば、潤滑性はより確実になるが、図2に示すように潤滑切れを生じやすい部分等を部分的に第1のガラス潤滑剤5−2で被覆することでも十分な効果を得ることができる。図2(a)は図1と同様に上下非対称の型彫り面を持つ金型200において、下金型1の型彫り面3を部分的に第1のガラス潤滑剤5−2で被覆した例、図2(b)は上下対称的な型彫り面を持つ金型201において、下金型1の型彫り面3を部分的に第1のガラス潤滑剤5−2で被覆した例である。潤滑剤は、必ずしも、型彫り面全体に設ける必要はない。第1のガラス潤滑剤5を型彫り面3の一部に用いることで、潤滑剤の使用量の低減、被覆工程の短縮にも寄与する。例えば、円盤状の鍛造素材6を熱間鍛造する場合であれば、円盤中央に対応する型彫り面の中心側を除く、円環状の領域を第1のガラス潤滑剤で被覆することもできる。具体的には、少なくとも、後述する第5の工程において鍛造素材の端部が摺動する範囲を含む領域を第1のガラス潤滑剤で被覆することが好ましい。なお、下金型の型彫り面3に肉盛層4が設けられている場合は、ガラス潤滑剤はかかる肉盛層4上から型彫り面3を覆う。
下金型に対して型彫り面の被覆を行うことで、必要な鍛造荷重低減の効果が得られるため、工程を簡略化する観点から下金型の型彫り面の被覆を行えば十分であるが、上金型の型彫り面を第1のガラス潤滑剤で覆うことも可能である。なお、前述したように、第1のガラス潤滑剤と下金型との接合界面において、加熱による化学反応で第1のガラス潤滑剤の成分を変化させるには、下金型を構成する金属材料を露出しておくのが好ましい。そのため、第1のガラス潤滑剤を被覆する場所においては、例えば、サンドブラストやグラインダ等により、金属材料表面を確実に露出させておくのが好ましい。
第2の工程では、第1の工程を経て、型彫り面の少なくとも一部が第1のガラス潤滑剤5で被覆された下金型1を加熱する。第2の工程では、下金型1とともに上金型2も一緒に加熱することが好ましい。下金型1の加熱温度、第1のガラス潤滑剤5の材質等を選択することによって、第1のガラス潤滑剤5を軟化させ、第5の工程における熱間鍛造開始時の下金型の型彫り面温度に相当する温度での粘度を1×107Pa・s以下とする。熱間鍛造中の鍛造素材の温度低下を防止するためには、金型は加熱炉等を用いて250℃以上で、かつ熱間金型用鋼の焼戻し温度未満に温度域に予熱して鍛造に供することが好ましい。例えば、SKD61、SKT4等の熱間金型用鋼であれば、350℃〜550℃が代表的な加熱温度である。なお、前記の下金型の加熱において、母材に熱間金型用鋼を用いて、型彫り面にNi基超耐熱合金を肉盛りした構造のものであっても、母材の熱間金型用鋼の焼戻し温度未満の温度域で加熱するのが好ましい。また、型彫り面にNi基超耐熱合金を肉盛りした場合、Ni基超耐熱合金の自己酸化被膜形成による第1のガラス潤滑剤との化学反応を生じさせるには、加熱炉内の酸素を十分に確保するのが好ましく、下金型の型彫り面は少なくとも大気雰囲気下に露出した状態で加熱を行うことが好ましい。
Twhの好ましい範囲は、500℃以上、550℃以下である。Twhの下限はより好ましくは530℃以上である。熱間金型用鋼を単純に加熱してTwhを上げる場合には、上述のように軟化による制限がある。これに対して、上述の肉盛層を設けることで、以下の金型加熱工程を実施することができる。かかる金型加熱工程とは、金型表面温度を高く保つために、予め加熱されたダミー材を下金型1および上金型2で挟持する工程である。型彫り面3の表面温度は熱間金型用鋼の強度を劣化させない範囲でなるべく高くすることが好ましい。例えば、900℃以上に加熱したダミー材を用いることで、型彫り面表面を500℃以上の温度に加熱することができる。肉盛層を設けることで、型彫り面表面温度をTwhよりも高い温度、例えば580℃以上、さらには600℃以上にすることも可能である。かかるダミー材による加熱は、肉盛層またはその近傍の温度だけを上昇させ、金型の母材の温度上昇を回避できるため、加熱炉による金型加熱温度よりも高い温度まで型彫り面温度を高めることもできる。
円盤状等の単純な形状のダミー材を用いることもできるが、均一に、効率的に金型表面を加熱するためには、型彫り面の形状にならった形状を有するダミー材を用いることが好ましい。かかる形状のダミー材は、熱間鍛造に使用する金型を用いて予めダミー素材を成形することで得ることができる。なお、ダミー材による加熱工程を含む場合、金型取付工程は第2の工程の途中に行うこととなる。
第3の工程では、鍛造素材6の少なくとも一部を第2のガラス潤滑剤7で被覆する。潤滑切れを生じやすい部分等を部分的に被覆することも可能であるが、鍛造素材6の全体を第2のガラス潤滑剤7で被覆すれば、潤滑性はより確実になる。また、ガラス潤滑剤は断熱効果もあるため、鍛造素材を加熱炉から取出して金型上に載置して鍛造開始されるまでの間での温度低下を抑制できるため、鍛造素材の全体を被覆することが望ましい。
この場合、熱間鍛造時に潤滑切れを起こしやすい箇所(例えば端部)において150μm以上の被覆厚さを確保することが好ましい。さらには、鍛造素材の表面全体において平均150μm以上の被覆厚さを確保することが好ましく、鍛造素材の表面全体において被覆厚さが150μm以上であることがさらに好ましい。型彫り面全体の被覆厚さを測定する場合は、少なくとも型彫り面中央、端部およびそれらの中間点での測定点を含む複数の点で評価する。
第4の工程では、熱間鍛造のために第3の工程を経た鍛造素材6を加熱する。第2のガラス潤滑剤7の材質に応じて鍛造素材の加熱温度を調整することによって、第2のガラス潤滑剤7を軟化させるとともに、鍛造素材の加熱温度に相当する温度での粘度は1×102Pa・s以上を確保する。第4の工程において、第2のガラス潤滑剤は、その粘度が低すぎると、加熱時に鍛造素材から剥離してしまうおそれがある。鍛造素材の加熱温度での粘度を1×102Pa・s以上にすることで、第2のガラス潤滑剤は軟化したうえで鍛造素材表面に留まることができる。かかる粘度はより好ましくは1×103Pa・s以上である。なお、鍛造素材の加熱温度に「相当する」温度での粘度を用いることの意味は、実際に加熱時の鍛造素材での粘度を測定することは困難であるため、予めオフラインで鍛造素材の加熱温度と同じ温度で粘度を評価するということである。
鍛造素材の加熱温度は鍛造素材の材質に応じて設定すればよい。例えば、Ni基超耐熱合金の場合は850〜1150℃、Ti合金の場合は800〜1100℃が実用的な範囲である。上述のように下金型の加熱温度は、焼戻し温度を超えないように設定されるため、鍛造素材は、第2の工程における下金型の加熱温度よりも高い温度に加熱されることになる。鍛造素材の加熱は例えば加熱炉を用いて行うことができる。
第5の工程では、第2の工程を経た下金型1の型彫り面3上に、第4の工程を経た鍛造素材6を載置し、下金型1と上金型2とで熱間鍛造を行う。
第5の工程における熱間鍛造開始時の鍛造素材の表面温度に相当する温度での第2のガラス潤滑剤の粘度を1×107Pa・s以下にする。第2のガラス潤滑剤の粘度を1×107Pa・s以下にするのは、潤滑剤としての機能を発揮するように軟化させるためである。かかる粘度はより好ましくは1×106Pa・s以下、さらに好ましくは1×105Pa・s以下である。なお、熱間鍛造開始時の鍛造素材の表面温度に「相当する」温度での粘度を用いることの意味は、実際に熱間鍛造開始時の鍛造素材での粘度を測定することは困難であるため、予め熱間鍛造開始時の鍛造素材の表面温度を評価または推測しておき、オフラインで熱間鍛造開始時の鍛造素材の表面温度と同じ温度で粘度を評価するということである。
第4の工程を経て加熱炉から取り出した鍛造素材6は、第5の工程において下金型1上に載置されるが、熱間鍛造開始時までに鍛造素材の表面温度が低下する。加熱された鍛造素材の表面温度は、熱間鍛造開始時には、典型的にはNi基超耐熱合金の場合で850℃〜1000、Ti合金の場合で800℃〜900℃の範囲となる。そのため、熱間鍛造開始時の鍛造素材の表面温度に相当する温度での粘度を指標として用いる。Ni基超耐熱合金の場合であれば、熱間鍛造開始時の第2のガラス潤滑剤の粘度は、簡易的、代表的には850℃で評価することもできる。
上述の第1〜第5の工程の前後、途中に他の工程を含むことができる。例えば、第5の工程の後に加工工程を実施することができる。また、第1および第2の工程と、第3および第4の工程とは、その順序は特に限定するものではなく、並行して進めることが好ましい。
第1および第2のガラス潤滑剤についてさらに詳述する。上述のように、第1のガラス潤滑剤と第2のガラス潤滑剤とは互いに材質が異なる点が重要な点の一つである。ガラス潤滑剤はガラス組成物、媒体、添加物等を含む。材質が異なるとは、ガラス組成物の組成が異なることを意味する。第1のガラス潤滑剤の種類としては、例えばリン酸塩系ガラスを主体成分とするガラス潤滑剤を用いることができる。一方、第2のガラス潤滑剤としては例えばホウ珪酸塩系ガラスを主体成分とするガラス潤滑剤を用いることができる。なお、第1のガラス潤滑剤に樹脂バインダを更に添加しても良い。樹脂バインダを添加することにより、第1のガラス潤滑剤と金型との剥離をより確実に防止することができる。
ガラス潤滑剤の粘度の測定は、平行平板法を用いて測定することができる。
(実施例)
Alloy718(材質)製の、外径880mmの円盤状の鍛造素材を用いた。鍛造素材はサンドブラスト処理を施した。下金型の型彫り面の外周側を円環状に第1のガラス潤滑剤で被覆した(第1の工程)。第1のガラス潤滑剤には、リン酸塩系ガラス潤滑剤を用い、被覆は塗布によって行った。用いたガラス潤滑剤の粘度の温度依存性を図4に示す。粘度測定は、平行平板粘度計(オプト企業社製PPVM−1100)を用いて行った。図4に示すように、使用したガラス潤滑剤は520℃以上で軟化し、温度の上昇に伴い急激に粘度が低下し、530〜590℃の範囲で1×109〜10Pa・sの粘度を有していた。具体的には、粘度は550℃で7×107Pa・s、580℃で2×105Pa・sであった。第1のガラス潤滑剤は、鍛造素材を載置した場合に上下方向(図3のz方向)から見て鍛造素材の外周側の一部と重なるように、水平方向の位置で見て中心から270mmの位置から620mmの範囲に塗布した。第1のガラス潤滑剤の厚さは280mmの位置と、440mmの位置と、610mmの位置で測定し、それぞれ99μm、107μm、81μm、平均で96μmであった。
下金型の型彫り面を第1のガラス潤滑剤で被覆しない以外は、上記実施例と同様にして、鍛造製品を得た。鍛造における最大荷重等の評価結果を表1に示す。
1:下金型
2、2−2:上金型
3:型彫り面
4:肉盛層
5、5−2:第1のガラス潤滑剤
6:鍛造素材
7:第2のガラス潤滑剤
8:型彫り面
9:下金型
10:上金型
11:肉盛層
Claims (7)
- 鍛造素材を下金型と上金型を用いて熱間鍛造する鍛造製品の製造方法であって、
前記下金型の型彫り面の少なくとも一部を第1のガラス潤滑剤で被覆する第1の工程と、
前記第1の工程を経た下金型を加熱する第2の工程と、
前記鍛造素材の少なくとも一部を第2のガラス潤滑剤で被覆する第3の工程と、
前記第3の工程を経た鍛造素材を前記第2の工程における下金型の加熱温度よりも高い温度に加熱する第4の工程と、
前記第2の工程を経た下金型の型彫り面上に、前記第4の工程を経た鍛造素材を載置し、前記下金型と前記上金型とで熱間鍛造を行う第5の工程とを有し、
前記第1のガラス潤滑剤と前記第2のガラス潤滑剤とは互いに材質が異なり、
前記第2のガラス潤滑剤は前記第4の工程において軟化して前記鍛造素材表面に留まり、
前記第1のガラス潤滑剤および第2のガラス潤滑剤が軟化している状態で前記第5の工程における熱間鍛造を開始する鍛造製品の製造方法。 - 鍛造素材を、型彫り面を有する下金型と上金型を用いて熱間鍛造する鍛造製品の製造方法であって、
前記下金型の型彫り面の少なくとも一部を第1のガラス潤滑剤で被覆する第1の工程と、
前記第1の工程を経た下金型を加熱する第2の工程と、
前記鍛造素材の少なくとも一部を第2のガラス潤滑剤で被覆する第3の工程と、
前記第3の工程を経た鍛造素材を前記第2の工程における下金型の加熱温度よりも高い温度に加熱する第4の工程と、
前記第2の工程を経た下金型の型彫り面上に、前記第4の工程を経た鍛造素材を載置し、前記下金型と前記上金型とで熱間鍛造を行う第5の工程とを有し、
前記第1のガラス潤滑剤と前記第2のガラス潤滑剤とは互いに材質が異なり、
前記第1のガラス潤滑剤の、前記第5の工程における熱間鍛造開始時の前記下金型の型彫り面温度に相当する温度での粘度が1×107Pa・s以下であり、
前記第2のガラス潤滑剤の、前記第4の工程における鍛造素材の加熱温度に相当する温度での粘度が1×102Pa・s以上、かつ前記第5の工程における熱間鍛造開始時の前記鍛造素材の表面温度に相当する温度での粘度が1×107Pa・s以下である鍛造製品の製造方法。 - 前記下金型および上金型は、それぞれ型彫り面に肉盛層としてNi基超耐熱合金層を有する請求項1または2に記載の鍛造製品の製造方法。
- 前記第2の工程は、予め加熱されたダミー材を下金型および上金型で挟持する金型加熱工程を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の鍛造製品の製造方法。
- 前記下金型の型彫り面は部分的に前記第1のガラス潤滑剤で被覆され、
前記第5の工程において、前記鍛造素材の端部は、前記第1のガラス潤滑剤で被覆された範囲内で前記下金型の型彫り面上を摺動する請求項1〜4のいずれか一項に記載の鍛造製品の製造方法。 - 前記鍛造素材は回転体状である請求項1〜5のいずれか一項に記載の鍛造製品の製造方法。
- 前記第5の工程において、前記鍛造素材の端部は、前記下金型の型彫り面上を200mm以上変位する請求項1〜6のいずれか一項に記載の鍛造製品の製造方法。
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