JP2018163776A - 複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコンと炭素材料とを含む複合材料において、シリコンの体積変化に起因する導電経路の劣化を抑制するとともに、シリコン表面におけるSEIの生成を抑制する。【解決手段】複数の細孔を有する第1炭素材料と、細孔内に配置されたシリコン粒子と、細孔内に配置された酸化シリコンと、を含む複合材料であり、シリコン粒子の粒径は、例えば20nm未満である複合材料。【選択図】図2
Description
本発明は、複合材料およびその製造方法に関し、詳しくは、炭素材料とシリコンとを含む複合材料に関する。
リチウムイオン電池の電極材料として、炭素材料とシリコンとを含む複合材料が検討されている。シリコンがLi22Si5を形成するときの理論容量は4200mAh/gであり、黒鉛(LiC6)の理論容量372mAh/gの10倍以上であるため、複合材料は黒鉛よりも高容量になる。
しかし、シリコンがLi22Si5を生成するときの体積増加率が420%と非常に大きいため、シリコンがリチウムイオンの吸蔵と放出を繰り返すと、炭素材料とシリコンとの電気的接続が次第に切断され、導電経路が劣化する。
導電経路の劣化を抑制する観点から、有機ポリマーとシリコン粒子とを混合した後、ポリマーを炭化して、シリコン粒子をポリマーの炭化物で被覆する方法が提案されている。また、炭素材料とシリコンとを機械的に混合して、炭素材料で被覆されたシリコン粒子を得ることも検討されている。
また、シリコン粒子内では、リチウムイオンの拡散が遅く、リチウムイオン濃度の分布が不均一となりやすい。そのため、シリコン粒子の体積が不均一に膨張し、シリコン粒子に亀裂が入り、粒子崩れが生じることがある。
粒子崩れを抑制する観点からは、シリコン粒子の粒径をナノ(nm)サイズにすることが検討されている。シリコン粒子をナノサイズにすることで、シリコン粒子内におけるリチウムイオン濃度の不均一さが軽減され、粒子崩れが軽減される。例えば、特許文献1は、炭素基体上にナノシリコンを分散させたナノシリコン炭素複合材料を提案している。
しかし、炭素材料でシリコン粒子を被覆しても、シリコン粒子が膨張すると、炭素材料に亀裂を生じるため、導電経路が次第に劣化する点に変わりはない。また、炭素材料がシリコン粒子から剥がれると、電解質とシリコンとの接触によるSEI(Solid Electrolyte Interphase)の生成が過剰になり、容量の低下が顕著になる。
特許文献1のナノシリコン炭素複合材料においても、ナノシリコンがリチウムイオンを吸蔵して膨張すると、炭素材料の組織が破壊され、ナノシリコンと炭素材料との電気的接続が損なわれる。また、ナノシリコンの膨張と収縮の繰り返しにより、ナノシリコンと炭素材料との間に隙間が形成されると、電解質とナノシリコンとが接触し、過剰なSEIが生成し得る。
以上に鑑み、本発明の一側面は、複数の細孔を有する第1炭素材料と、前記細孔内に配置されたシリコン粒子と、前記細孔内に配置された酸化シリコンと、を含む複合材料に関する。
本発明の別の側面は、複数の細孔を有する第1炭素材料と、前記細孔内に配置されたシロキサンと、を含む前駆複合体を調製する工程と、前記前駆複合体にマグネシウム蒸気を接触させることにより、前記シロキサンをシリコンに還元するとともに、前記細孔内に、酸化マグネシウムと、酸化シリコンと、を生成させる工程と、前記酸化マグネシウムを除去する工程と、を具備する、複合材料の製造方法に関する。
本発明の上記側面によれば、シリコンと炭素材料とを含む複合材料において、シリコンの体積変化に起因する導電経路の劣化を抑制することができるとともに、シリコン表面におけるSEIの生成を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る複合材料は、複数の細孔を有する第1炭素材料と、第1炭素材料の細孔内に配置されたシリコン粒子と、第1炭素材料の細孔内に配置された酸化シリコンとを含む。第1炭素材料の細孔内に、更に炭化シリコンを配置してもよい。
細孔内に配置されているシリコン粒子は、リチウムイオンを吸蔵すると、細孔内空間で膨張する。体積の増加分の少なくとも一部は、細孔内空間に収容される。すなわち、第1炭素材料が具備する細孔内空間は、シリコン粒子の膨張を緩和する空間となる。よって、シリコン粒子がリチウムイオンの吸蔵と放出を繰り返す場合でも、第1炭素材料に大きな応力が印加されることがなく、第1炭素材料が損傷を受けにくく、導電経路の劣化が生じにくい。
細孔内に配置されている酸化シリコンおよび炭化シリコンは、シリコン粒子を電解質から遮蔽する役割を果たす。シリコン粒子と第1炭素材料との間に隙間が生じ、もしくはシリコン粒子に亀裂が入り、シリコンの活性な表面が形成された場合でも、少なくとも酸化シリコンによって、シリコンの活性な表面と電解質との接触が抑制される。よって、SEIの生成が抑制され、リチウムイオン電池の容量の低下が更に抑制される。
(第1炭素材料)
第1炭素材料は、複数の細孔を有する多孔質な炭素材料であればよいが、細孔径2nm以上50nm以下のメソ孔を多く有する第1炭素材料が好ましい。メソ孔内は、ナノサイズのシリコン粒子を配置するのに適している。第1炭素材料が具備するメソ孔が多いほど、より多くのシリコン粒子を細孔内に配置しやすくなる。第1炭素材料の全細孔容積に占めるメソ孔の体積比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。なお、細孔は、その細孔径により、マイクロ孔(<2nm)、メソ孔(2nm〜50nm)、マクロ孔(>50nm)に分類される。全細孔容積に占めるメソ孔の体積比率は、第1炭素材料の細孔径分布から求めることができる。
第1炭素材料は、複数の細孔を有する多孔質な炭素材料であればよいが、細孔径2nm以上50nm以下のメソ孔を多く有する第1炭素材料が好ましい。メソ孔内は、ナノサイズのシリコン粒子を配置するのに適している。第1炭素材料が具備するメソ孔が多いほど、より多くのシリコン粒子を細孔内に配置しやすくなる。第1炭素材料の全細孔容積に占めるメソ孔の体積比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。なお、細孔は、その細孔径により、マイクロ孔(<2nm)、メソ孔(2nm〜50nm)、マクロ孔(>50nm)に分類される。全細孔容積に占めるメソ孔の体積比率は、第1炭素材料の細孔径分布から求めることができる。
比表面積は、窒素ガス吸着によるBET(Brunauer-Emmett-Teller)法により求められる。この方法で求めた比表面積をBET比表面積という。第1炭素材料のBET比表面積は、1000m2/g以上が好ましい。BET比表面積がこのような範囲であれば、第1炭素材料とシリコン粒子の原料との接触面積を大きくすることができるため、より多くのシリコン粒子を容易に細孔内に配置することができる。
第1炭素材料としては、活性炭をはじめとする様々な多孔質炭素材料を用いることができる。第1炭素材料は、例えば、いわゆるソフトカーボンもしくはハードカーボンと称される炭素材料でもよい。第1炭素材料は、メソ孔を多く有するものが好ましい。メソ孔を多く有する炭素材料の例として、東洋炭素株式会社製の多孔質炭素であるクノーベル(登録商標)が挙げられる。
第1炭素材料と、シリコン粒子と、酸化シリコンとの合計に占める、第1炭素材料の質量比率は、例えば、20質量%以上50質量%以下が好ましい。これにより、シリコン粒子の膨張による応力を緩和し、かつ酸化マグネシウムによるSEIの生成を抑制しつつ、複合材料に占めるシリコン粒子の含有量を十分に高めることができる。
(シリコン粒子)
シリコン粒子は、リチウムイオン濃度の不均一さを軽減し、粒子崩れを軽減する観点から、ナノサイズであることが好ましい。シリコン粒子の粒径は、例えば20nm未満が好ましい。シリコン粒子の粒径がこのような範囲であれば、より多くのシリコン粒子を第1炭素材料の細孔内に配置しやすく、高容量の複合材料を容易に得ることができる。また、シリコン粒子の表層部と内部とでリチウムイオンの濃度差が小さくなり、シリコン粒子が不均一な体積膨張を生じにくい。よって、粒子崩れが顕著に軽減され、リチウムイオン電池の容量の低下が顕著に抑制される。シリコン粒子の粒径は、小さいほど好ましいが、1nm未満にまで小さくする必要はなく、1nm以上であれば十分であり、3nm以上でもよい。
シリコン粒子は、リチウムイオン濃度の不均一さを軽減し、粒子崩れを軽減する観点から、ナノサイズであることが好ましい。シリコン粒子の粒径は、例えば20nm未満が好ましい。シリコン粒子の粒径がこのような範囲であれば、より多くのシリコン粒子を第1炭素材料の細孔内に配置しやすく、高容量の複合材料を容易に得ることができる。また、シリコン粒子の表層部と内部とでリチウムイオンの濃度差が小さくなり、シリコン粒子が不均一な体積膨張を生じにくい。よって、粒子崩れが顕著に軽減され、リチウムイオン電池の容量の低下が顕著に抑制される。シリコン粒子の粒径は、小さいほど好ましいが、1nm未満にまで小さくする必要はなく、1nm以上であれば十分であり、3nm以上でもよい。
シリコン粒子の粒径は、複合材料の高分解能透過型電子顕微鏡(HR−TEM)画像で観測される任意の100個のシリコン粒子の粒径の平均値として求めればよい。HR−TEM画像で観測されるシリコン粒子は、一次粒径でも、二次粒径でもよく、一次粒子と二次粒子とを区別する必要はない。なお、シリコン粒子の粒径は、HR−TEM画像で得られるシリコン粒子の面積に等しい面積を有する相当円の直径として算出される。
第1炭素材料と、シリコン粒子と、酸化シリコンとの合計に占める、シリコン粒子の質量比率は、例えば、30質量%以上60質量%以下が好ましい。シリコン粒子の質量比率が30質量%以上であることで、複合材料に占めるシリコン粒子の含有量を十分に確保できるため、高容量の複合材料を実現することができる。すなわち、複合材料の容量が、黒鉛よりも十分に大きくなり、シリコン粒子を用いることによる容量向上の顕著な効果を享受できる。一方、シリコン粒子の質量比率が60質量%以下であることで、第1炭素材料が具備する細孔内にシリコン粒子を担持させることが容易となり、第1炭素材料の細孔外に存在するシリコン粒子を極力少量にすることができる。細孔外にシリコン粒子が存在すると、その膨張を緩和することが困難であり、応力を十分に緩和できず、容量劣化を抑制することが困難になる。
複合材料に占める各成分の含有量は、例えば、電子線マイクロアナライザ(Electron Probe x-ray Micro Analyze:EPMA)を用いるC、Si等の定量分析により求めることができる。
(酸化シリコン)
酸化シリコンは、シリコン粒子とともに第1炭素材料の細孔内に配置されている。酸化シリコンは、シリコン粒子と密着した状態で存在してもよく、シリコン粒子と一体に存在してもよい。電池内では、酸化シリコンにより、シリコン粒子の表面の少なくとも一部が電解質から遮蔽される。酸化シリコンは、粒子状でもよく、マトリックス状でもよい。例えば、酸化シリコンが形成するマトリックス中にシリコン粒子が存在してもよい。粒子状の酸化シリコンの粒径は特に限定されない。シリコン粒子の膨張と収縮による応力を顕著に緩和する観点から、酸化シリコンの少なくとも一部をシリコン粒子の内部に存在させてもよい。
酸化シリコンは、シリコン粒子とともに第1炭素材料の細孔内に配置されている。酸化シリコンは、シリコン粒子と密着した状態で存在してもよく、シリコン粒子と一体に存在してもよい。電池内では、酸化シリコンにより、シリコン粒子の表面の少なくとも一部が電解質から遮蔽される。酸化シリコンは、粒子状でもよく、マトリックス状でもよい。例えば、酸化シリコンが形成するマトリックス中にシリコン粒子が存在してもよい。粒子状の酸化シリコンの粒径は特に限定されない。シリコン粒子の膨張と収縮による応力を顕著に緩和する観点から、酸化シリコンの少なくとも一部をシリコン粒子の内部に存在させてもよい。
(炭化シリコン)
炭化シリコンは、シリコン粒子とともに第1炭素材料の細孔内に配置されている。炭化シリコンは、第1炭素材料またはシリコン粒子と密着した状態で存在してもよく、第1炭素材料またはシリコン粒子と一体に存在してもよい。電池内では、酸化シリコンに加え、炭化シリコンによっても、シリコン粒子の表面の少なくとも一部が電解質から遮蔽される。炭化シリコンは、粒子状でもよく、第1炭素材料とシリコン粒子との間に介在する膜状でもよい。炭化シリコンは、酸化シリコンとともにマトリックスを形成していてもよい。シリコン粒子の膨張と収縮による応力を顕著に緩和する観点から、炭化シリコンの少なくとも一部をシリコン粒子の内部に存在させてもよい。
炭化シリコンは、シリコン粒子とともに第1炭素材料の細孔内に配置されている。炭化シリコンは、第1炭素材料またはシリコン粒子と密着した状態で存在してもよく、第1炭素材料またはシリコン粒子と一体に存在してもよい。電池内では、酸化シリコンに加え、炭化シリコンによっても、シリコン粒子の表面の少なくとも一部が電解質から遮蔽される。炭化シリコンは、粒子状でもよく、第1炭素材料とシリコン粒子との間に介在する膜状でもよい。炭化シリコンは、酸化シリコンとともにマトリックスを形成していてもよい。シリコン粒子の膨張と収縮による応力を顕著に緩和する観点から、炭化シリコンの少なくとも一部をシリコン粒子の内部に存在させてもよい。
(第2炭素材料)
複合材料は、更に、無定形の第2炭素材料を含んでもよい。無定形の第2炭素材料は、例えば、導電助剤としての役割を果たす。具体的には、第2炭素材料は、シリコン粒子、酸化シリコン、更には炭化シリコンを細孔内に担持した第1炭素材料の粒子間の電気的接続を増加させ、複合材料の導電性を高める役割を果たす。無定形の第2炭素材料は、シリコン粒子とシリコン粒子との間およびシリコン粒子と第1炭素材料との間の電気的接続等を確保する役割を果たしてもよい。なお、無定形とは、特定の結晶構造を有さないこと、もしくは非晶質の状態をいう。
複合材料は、更に、無定形の第2炭素材料を含んでもよい。無定形の第2炭素材料は、例えば、導電助剤としての役割を果たす。具体的には、第2炭素材料は、シリコン粒子、酸化シリコン、更には炭化シリコンを細孔内に担持した第1炭素材料の粒子間の電気的接続を増加させ、複合材料の導電性を高める役割を果たす。無定形の第2炭素材料は、シリコン粒子とシリコン粒子との間およびシリコン粒子と第1炭素材料との間の電気的接続等を確保する役割を果たしてもよい。なお、無定形とは、特定の結晶構造を有さないこと、もしくは非晶質の状態をいう。
無定形の第2炭素材料としては、カーボンブラック、有機物の炭化物などを用いることができる。カーボンブラックは、複合材料と混合して用いればよい。有機物の炭化物は、炭化水素ガス、樹脂、ピッチ、タールなどの炭化物であればよい。例えば、樹脂を複合材料と混合した後、樹脂を熱分解により炭化させ、無定形の第2炭素材料を生成させてもよい。
次に、本発明に係る複合材料の製造方法について説明する。
複合材料の製造方法は、(i)複数の細孔を有する第1炭素材料と、第1炭素材料が具備する細孔内に配置されたシロキサンとを含む前駆複合体を調製する工程と、(ii)前駆複合体にマグネシウム蒸気を接触させることにより、細孔内に配置されたシロキサンをシリコンに還元するとともに、細孔内に、酸化マグネシウムと、酸化シリコンと、を生成させる工程と、酸化マグネシウムを除去する工程とを具備する。
複合材料の製造方法は、(i)複数の細孔を有する第1炭素材料と、第1炭素材料が具備する細孔内に配置されたシロキサンとを含む前駆複合体を調製する工程と、(ii)前駆複合体にマグネシウム蒸気を接触させることにより、細孔内に配置されたシロキサンをシリコンに還元するとともに、細孔内に、酸化マグネシウムと、酸化シリコンと、を生成させる工程と、酸化マグネシウムを除去する工程とを具備する。
工程(i)
第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体を調製する工程(i)では、第1炭素材料が具備する細孔内で有機ケイ素化合物からシロキサンを生成させればよい。例えば、第1炭素材料と加水分解性の官能基を有する有機ケイ素化合物とを混合し、加水分解性の官能基を加水分解させた後、加水分解生成物を脱水縮合させることにより、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体が得られる。加水分解性の官能基を加水分解すると水酸基(−OH)が生じる。加水分解生成物の分子間で、水酸基を脱水縮合させることにより、シロキサン結合(Si−O−Si)が形成され、シロキサン化合物が形成される。
第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体を調製する工程(i)では、第1炭素材料が具備する細孔内で有機ケイ素化合物からシロキサンを生成させればよい。例えば、第1炭素材料と加水分解性の官能基を有する有機ケイ素化合物とを混合し、加水分解性の官能基を加水分解させた後、加水分解生成物を脱水縮合させることにより、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体が得られる。加水分解性の官能基を加水分解すると水酸基(−OH)が生じる。加水分解生成物の分子間で、水酸基を脱水縮合させることにより、シロキサン結合(Si−O−Si)が形成され、シロキサン化合物が形成される。
有機ケイ素化合物の加水分解反応と、脱水縮合反応とを進行させる条件は、特に限定されない。加水分解反応と脱水縮合反応とは、液相で進行させてもよく、気相で進行させてもよい。
液相では、例えば、第1炭素材料と、有機ケイ素化合物と、有機溶媒と、水とを含む分散液を調製し、室温〜80℃の温度に維持された分散液の撹拌を行うことで、有機ケイ素化合物が加水分解される。分散液を調製する際には、先ず、第1炭素材料と有機溶媒と水とを混合して、十分に第1炭素材料に有機溶媒と水との混合液を浸透させてから、有機ケイ素化合物を添加することが好ましい。その後、遠心分離、濾過などの方法によって、有機溶媒と第1炭素材料に含浸されずに有機溶媒中に残存するケイ素化合物とが除去され、固形分が分離される。
有機溶媒としては、例えばトルエンを用いることができる。有機溶媒は、第1炭素材料との親和性が高く、かつ少量の水を溶解できるものであれば、特に限定されない。
分散液において、第1炭素材料に対する有機ケイ素化合物の量は、複合材料に含ませるシリコン粒子の目的量に応じて選択すればよい。
分散液において、第1炭素材料に対する有機溶媒の量は、特に限定されず、第1炭素材料の表面が有機溶媒で十分に濡れた状態となる量であればよい。分散液において、第1炭素材料に対する水の量も特に限定されず、第1炭素材料に水分子が十分に浸透する量であればよい。
次に、固形分(有機ケイ素化合物の加水分解生成物を含む第1炭素材料)を、加熱もしくは乾燥することにより、加水分解生成物の脱水縮合反応が進行し、シロキサンが生成する。例えば、乾燥させた固形分を、減圧下で加熱することで、加水分解生成物の脱水縮合によるシロキサン生成反応が促進される。
気相では、例えば、第1炭素材料を、有機ケイ素化合物の蒸気と水蒸気に暴露させて、有機ケイ素化合物の分子と水分子とを第1炭素材料の細孔内に侵入させ、その後、加熱すればよい。加熱により、細孔内で、有機ケイ素化合物の加水分解反応と、加水分解生成物の脱水縮合反応とが促進される。
例えば、減圧下の反応室内に第1炭素材料を導入し、反応室内で有機ケイ素化合物の蒸気と第1炭素材料とを接触させ、第1炭素材料の細孔内に有機ケイ素化合物を侵入させる。次に、有機ケイ素化合物を排気し、減圧下の反応室内に水蒸気を導入し、第1炭素材料の細孔内に水分子を侵入させる。このような操作を1回以上繰り返すとともに、適宜、加熱を行うことで、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体を得ることが可能である。
有機ケイ素化合物の種類は、特に限定されないが、シリコン粒子に還元されやすい点で、アルコキシシラン、クロロシランなどの加水分解性の官能基を有するケイ素化合物が好ましい。中でもアルコキシシランは、安定性が高く、取り扱いが容易である点で好ましい。アルコキシシランは、Si−C結合(ケイ素原子に直接結合するアルキル基)を含まないアルコキシシランを用いてもよく、Si−C結合を含むアルコキシシランを用いてもよい。
Si−C結合を含まないアルコキシシランとしては、テトラメチルオルソシリケート(Si(OCH3)4)、テトラエチルオルソシリケート(Si(OC2H5)4)、テトラプロピルオルソシリケート(Si(OC3H7)4)、テトラブチルオルソシリケート(Si(OC4H9)4)などが挙げられる。
Si−C結合を含むアルコキシシランとしては、メチルトリエトキシシラン(CH3Si(OC2H5)3)、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(H2N(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2)などが挙げられる。
Si−C結合は、700℃未満の温度では切断されにくいため、後工程の還元反応時にSi−C結合が切断されずに残存することがある。よって、アルコキシシランは、Si−C結合を含まないことがより好ましい。Si−C結合を含まないアルコキシシランからは、Si−C結合を含まないシロキサンが高効率で生成する。Si−C結合を含まないシロキサンは、シリコン粒子に還元されやすく、シリコン粒子が高効率で生成する。
工程(ii)
シロキサンをシリコンに還元する工程(ii)では、マグネシウム蒸気を含む非酸化性雰囲気下で、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体を加熱すればよい。シロキサンをマグネシウム蒸気で還元すると、ナノサイズのシリコン粒子と、酸化マグネシウムと、酸化シリコンとが生成する。よって、第1炭素材料が具備する細孔内に、容易にナノサイズのシリコン粒子と酸化シリコンとを配置することができる。シリコン粒子はシロキサンの還元により生成するため、シリコン粒子表面には、ケイ素酸化物の被膜が形成されにくく、ケイ素酸化物の含有量が極めて少ないシリコン粒子が得られる。炭化シリコンも、シロキサンをマグネシウム蒸気で還元するときに細孔内に生成する。
シロキサンをシリコンに還元する工程(ii)では、マグネシウム蒸気を含む非酸化性雰囲気下で、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体を加熱すればよい。シロキサンをマグネシウム蒸気で還元すると、ナノサイズのシリコン粒子と、酸化マグネシウムと、酸化シリコンとが生成する。よって、第1炭素材料が具備する細孔内に、容易にナノサイズのシリコン粒子と酸化シリコンとを配置することができる。シリコン粒子はシロキサンの還元により生成するため、シリコン粒子表面には、ケイ素酸化物の被膜が形成されにくく、ケイ素酸化物の含有量が極めて少ないシリコン粒子が得られる。炭化シリコンも、シロキサンをマグネシウム蒸気で還元するときに細孔内に生成する。
非酸化性雰囲気は、真空下、減圧雰囲気もしくは不活性ガス雰囲気であればよい。不活性ガスには、アルゴンなどの希ガス、窒素などを用いることができる。酸化性雰囲気では、発生させたマグネシウム蒸気が酸化されて、酸化マグネシウム(MgO)または二酸化マグネシウム(MgO2)を生成するため、シロキサンの還元が十分に進行しないことがある。
マグネシウムの融点は650℃である。マグネシウムは、融点付近では、非常に高い蒸気圧(372Pa)を有している。マグネシウム蒸気の存在下で、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体を加熱すると、下記式(1)で表される化学反応が進行し、シロキサンがシリコンに還元され、同時に酸化マグネシウム(MgO)が生成する。マグネシウムの蒸気圧が高いほど、還元反応の反応効率が向上する。
式(1): 2Mg + −(O−Si−O)− → 2MgO + Si
第1炭素材料の細孔内に配置されたシロキサンをマグネシウム蒸気で還元するには、第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体と、マグネシウムとを混合し、その混合物を加熱すればよい。このとき、前駆複合体とマグネシウムとの混合物は、黒鉛、ステンレス鋼などで形成された容器内で加熱すればよい。
第1炭素材料とシロキサンとを含む前駆複合体に混合するマグネシウムの形態は、マグネシウム蒸気を生じ得るものであれば特に限定されない。例えば、粉末、粒子、リボン、ロッド、ペレットなどの形態のマグネシウムを用いることができる。
前駆複合体とマグネシウムとの混合物を加熱する温度は、特に限定されないが、高温であるほど、マグネシウムの蒸気圧は高くなる。ただし、マグネシウムの融点を大きく上回る温度では、溶融マグネシウムの凝集が生じるため、蒸発を起こすマグネシウムの表面積が減少する。加熱温度は、例えば、マグネシウムの融点付近であればよい。
前駆複合体に対するマグネシウムの量は、マグネシウムの大半を気化させることができ、かつ複合材料への金属マグネシウムの混入を低減できるように適宜選択すればよい。
工程(iii)
酸化マグネシウムを除去する工程では、例えば、酸またはアンモニウム塩の水溶液により酸化マグネシウムを溶解させて、細孔内から酸化マグネシウムを溶出させればよい。マグネシウムの融点付近で生成させた酸化マグネシウムは、酸またはアンモニウム塩の水溶液に容易に溶解する。酸化マグネシウムを除去することで、第1炭素材料の細孔内においてシリコン粒子の膨張を緩和する空間が広くなるため、第1炭素材料に印加される応力が顕著に低減される。
酸化マグネシウムを除去する工程では、例えば、酸またはアンモニウム塩の水溶液により酸化マグネシウムを溶解させて、細孔内から酸化マグネシウムを溶出させればよい。マグネシウムの融点付近で生成させた酸化マグネシウムは、酸またはアンモニウム塩の水溶液に容易に溶解する。酸化マグネシウムを除去することで、第1炭素材料の細孔内においてシリコン粒子の膨張を緩和する空間が広くなるため、第1炭素材料に印加される応力が顕著に低減される。
酸としては、硫酸、硼酸、リン酸、塩酸、硝酸などの無機酸を用いてもよく、酢酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸などの有機酸を用いてもよい。アンモニウム塩としては、塩化アンモニウムが挙げられる。
無定形の第2炭素材料を用いる場合、予め、第2炭素材料と混合もしくは複合化させた第1炭素材料を用いてもよいが、先に、第1炭素材料とシリコン粒子と酸化シリコンとの複合材料または第1炭素材料とシリコン粒子と酸化シリコンと炭化シリコンとの複合材料を調製し、その後、複合材料と第2炭素材料とを混合もしくは複合化させることが好ましい。後者の場合、第1炭素材料の細孔の開口が第2炭素材料で遮蔽されることがなく、効率的に細孔内にシロキサンを配置することができる。
複合材料と、無定形の第2炭素材料とを混合もしくは複合化する方法は、特に限定されない。例えば、複合材料とカーボンブラックとを機械的に混合してもよく、複合材料と原料樹脂とを混合し、原料樹脂を熱分解させて、複合材料に付着した状態の無定形の第2炭素材料を生成させてもよい。
第2炭素材料の原料樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、フルフリルアルコール(FFA)などを使用できる。
複合材料を結着剤等の他成分と混合することにより、電極合剤が調製される。電極合剤は、更に、導電助剤、イオン伝導体などを、任意成分として含んでもよい。電極合剤と液状成分とを含むスラリーを調製し、スラリーを集電体に付着させ、乾燥後、集電体とともに圧延することにより電極を得ることができる。こうして得られた電極を負極として具備するリチウムイオン電池は、負極における導電経路の劣化が生じにくく、容量低下も生じにくいため、充放電サイクル特性に優れている。
以下、リチウムイオン電池の一例について図面を参照しながら説明する。図5は、ラミネート型のリチウムイオン電池の一例の一部を切り欠いた平面図であり、図6は、同電池のIII−III線断面図である。以下、第1電極および第2電極の一方が正極であり、他方が負極である。第1集電体シートおよび第2集電体シートは、いずれもシート状の集電体であり、多孔質でもよく、無孔でもよい。第1活物質層および第2活物質層の一方が正極合剤層であり、他方が負極合剤層である。負極合剤層は、複合材料を含む電極合剤から形成されている。
リチウムイオン電池100は、電極群103と、図示しないリチウムイオン伝導性を有する電解質(electrolyte)と、これらを収納する外装体108とを備える。電極群103は、外側に位置する一対の第1電極110と、これらの間に配置されている第2電極120と、第1電極110と第2電極120との間に介在するセパレータ107を具備する。第1電極110は、第1集電体シート111およびその一方の表面に付着した第1活物質層112を含む。第2電極120は、第2集電体シート121およびその両方の表面に付着した第2活物質層122を含む。一対の第1電極110は、セパレータ107を介して第1活物質層112と第2活物質層122とが向かい合うように、第2電極120を挟んで配置される。
第1集電体シート111の一辺からは、第1集電体シート111と一体の第1タブ114が突出している。一対の第1電極110の第1タブ114は、互いに重ねられ、例えば溶接により接続され、集合タブ114Aとなる。集合タブ114Aには、第1リード113が接続され、第1リード113は外装体108の外部に引き出されている。
同様に、第2集電体シート121の一辺からは、第2集電体シート121と一体の第2タブ124が突出している。第2タブ124には第2リード123が接続され、第2リード123は外装体108の外部に引き出されている。
外装体108の外部に導出された第1リード113および第2リード123の端部は、それぞれが極性の異なる外部端子として機能する。外装体108と各リードとの間には、密閉性を高めるためにシール材130が介在している。シール材130には、例えば、熱可塑性樹脂が用いられる。
負極の集電体には、銅、銅合金、ニッケル、チタン、ステンレス鋼などが用いられる。正極の集電体には、銀、ニッケル、パラジウム、金、白金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが用いられる。
正極合剤層は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる正極活物質と、結着剤とを含み、必要に応じて、導電助剤、イオン伝導体などを含んでもよい。正極活物質は、特に限定されないが、例えば、LiCoO2、LiNiO2のようなリチウム含有複合酸化物が用いられる。
セパレータとしては、微多孔膜、不織布などが好ましく用いられる。セパレータの材質としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロースなどの樹脂が好ましいが、ガラス、セラミックスなどでもよい。
リチウムイオン伝導性を有する電解質は、例えば、非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩とを含む。非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、環状エステル、鎖状エステル、フッ素溶媒などが挙げられる。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiSO3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiC(SO2CF3)3などが挙げられる。
なお、リチウムイオン電池の形態は、図4および図5に示されるようなラミネート型もしくはシート型に限定されない。リチウムイオン電池は、コイン型、ボタン型、別形態の積層型、円筒型、角型などでもよい。リチウムイオン電池の組み立て方法も特に限定されない。
以下、本発明を実施例に基づき、更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
第1炭素材料として、東洋炭素株式会社製の「クノーベル(CNovel)−MH(登録商標)」(以下、第1炭素材料CNと称する。)を用いた。第1炭素材料CNの物性を以下に示す。
第1炭素材料として、東洋炭素株式会社製の「クノーベル(CNovel)−MH(登録商標)」(以下、第1炭素材料CNと称する。)を用いた。第1炭素材料CNの物性を以下に示す。
全細孔容積に占めるメソ孔(細孔径2nm以上50nm以下)の体積比率:91%
窒素ガス吸着によるBET法により求められる比表面積:1518m2/g
窒素ガス吸着によるBET法により求められる比表面積:1518m2/g
第1炭素材料CNを1000mg秤量し、水4mL、トルエン500mLとともにガラス製密閉容器内に入れて、室温で1時間撹拌した後、テトラエチルオルソシリケート(Si(OC2H5)4)(以下、TEOS)を37mL添加し、80℃で100時間撹拌した。その後、遠心分離機を用いて固形分を分離し、分離された固形分をトルエンおよびアセトンで洗浄し、乾燥させた。
乾燥させた固形分(TEOSの加水分解生成物を含む第1炭素材料)1000mgを秤量し、ステンレス製ボートに入れ、減圧下、500℃で3時間加熱し、加水分解生成物の脱水縮合によるシロキサン生成反応を進行させ、第1炭素材料とシロキサンとの前駆複合体(以下、試料CSO1)を生成させた。
次に、100mgの試料CSO1と60mgのマグネシウム粉(粒径:180μm以下)との混合物を、真空排気ラインおよびストップバルブを有する金属製の密閉容器内に封入し、容器内を真空排気した。その後、容器外部の雰囲気に窒素ガスを流通させながら、容器内の混合物を650℃で6時間加熱し、マグネシウム蒸気によるシロキサンの還元反応を進行させ、第1炭素材料とシリコン粒子と酸化マグネシウムと酸化シリコンと炭化シリコンとを含む複合材料(以下、試料CSM1)を得た。
次に、試料CSM1を、濃度1Mの塩酸80mL中に入れて、12時間撹拌し、その後、濾過、水洗し、乾燥させて、試料CSM1から酸化マグネシウムを除去し、第1炭素材料とシリコン粒子と酸化シリコンと炭化シリコンとを含む複合材料の試料CS1を得た。
(実施例2)
第1炭素材料として、大阪ガスケミカル株式会社製の活性炭「カルボラフィン」(以下、第1炭素材料CBFと称する。)を用いた。第1炭素材料CBFの物性を以下に示す。
第1炭素材料として、大阪ガスケミカル株式会社製の活性炭「カルボラフィン」(以下、第1炭素材料CBFと称する。)を用いた。第1炭素材料CBFの物性を以下に示す。
全細孔容積に占めるメソ孔(細孔径2nm以上50nm以下)の体積比率:50%
窒素ガス吸着によるBET法により求められる比表面積:1760m2/g
窒素ガス吸着によるBET法により求められる比表面積:1760m2/g
第1炭素材料CBFを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で、第1炭素材料とシリコン粒子と酸化シリコンと炭化シリコンとの複合材料(以下、試料CS2)を得た。
(参考例1)
平均粒径が45μmの鱗片状天然黒鉛に、発煙硝酸および塩素酸カリウムを加え、60℃で3時間かけて黒鉛を酸化させた後、水洗、濾過、乾燥することにより、酸化黒鉛(FGO:Graphite Oxide)を得た(Brodie法)。
平均粒径が45μmの鱗片状天然黒鉛に、発煙硝酸および塩素酸カリウムを加え、60℃で3時間かけて黒鉛を酸化させた後、水洗、濾過、乾燥することにより、酸化黒鉛(FGO:Graphite Oxide)を得た(Brodie法)。
酸化黒鉛1000mgを秤量し、スクリューキャップ付きバイアル瓶に移した。バイアル瓶にn−ブチルアミン24mLを加えた後、スクリューキャップを締め、60℃で3時間加熱した。その後、バイアル瓶の内容物を室温に戻し、水を2.2mL、トルエンを150mL加え、室温で1時間撹拌した。次に、TEOSを20mL添加し、80℃で100時間撹拌した。その後、遠心分離機を用いて固形分を分離し、トルエンおよびアセトンで固形分を洗浄し、乾燥させた。
次に、乾燥させた固形分(TEOSの加水分解生成物と酸化黒鉛との混合物)1000mgを秤量し、ステンレス製ボートに入れ、減圧下、500℃で1時間加熱し、加水分解生成物の脱水縮合によるシロキサン生成反応を進行させ、酸化黒鉛とシロキサンとの複合体(以下、試料FGSO1)を生成させた。
次に、100mgの試料FGSO1と60mgのマグネシウム粉(粒径:180μm以下)との混合物を、真空排気ラインおよびストップバルブを有する金属製の密閉容器内に封入し、容器内を真空排気した。その後、容器外部の雰囲気に窒素ガスを流通させながら、容器内の混合物を650℃で6時間加熱し、マグネシウム蒸気によるシロキサンの還元反応を進行させ、酸化黒鉛とシリコン粒子と酸化マグネシウムとの複合材料(以下、試料FGSM1)を得た。
次に、試料FGSM1を、濃度1Mの塩酸80mL中に入れて、12時間撹拌し、その後、濾過、水洗し、乾燥させて、試料FGSM1から酸化マグネシウムを除去し、試料FGS1を得た。
[評価1]
実施例1の試料CS1、実施例2の試料CS2および参考例1の試料FGS1について、Cu−Kα線を用いたX線回折(XRD)による分析を実施した。XRDチャートを図1に示す。すべての試料において、シリコン(Si)に由来するピークが観察される。試料CS1およびCS2では、それぞれ酸化シリコンおよび炭化シリコンに由来するピークが観察される。一方、試料FGS1では、鱗片状天然黒鉛の層状構造炭素に由来するピークが見られ、酸化シリコンまたは炭化シリコンに由来するピークは見られない。
実施例1の試料CS1、実施例2の試料CS2および参考例1の試料FGS1について、Cu−Kα線を用いたX線回折(XRD)による分析を実施した。XRDチャートを図1に示す。すべての試料において、シリコン(Si)に由来するピークが観察される。試料CS1およびCS2では、それぞれ酸化シリコンおよび炭化シリコンに由来するピークが観察される。一方、試料FGS1では、鱗片状天然黒鉛の層状構造炭素に由来するピークが見られ、酸化シリコンまたは炭化シリコンに由来するピークは見られない。
[評価2]
実施例1の試料CS1について、高分解能TEM(HR−TEM)による形態観察を行った。図2は、試料CS1のTEM画像である。TEM画像では、粒径約10nmのシリコン粒子の存在(黒色領域)が確認できる。
実施例1の試料CS1について、高分解能TEM(HR−TEM)による形態観察を行った。図2は、試料CS1のTEM画像である。TEM画像では、粒径約10nmのシリコン粒子の存在(黒色領域)が確認できる。
[評価3]
実施例1の試料CS1について、走査透過型電子顕微鏡(STEM)によるエネルギー分散型X線分光分析(EDX元素分析)を行った。C、Si、Oのマッピング結果を図3の(a)〜(c)に示す。図3(b)、(c)より、第1炭素材料の細孔の内部にまでSiとOとが存在することが確認できる。すなわち、図3は、第1炭素材料の細孔内に酸化シリコンが存在することを示している。
実施例1の試料CS1について、走査透過型電子顕微鏡(STEM)によるエネルギー分散型X線分光分析(EDX元素分析)を行った。C、Si、Oのマッピング結果を図3の(a)〜(c)に示す。図3(b)、(c)より、第1炭素材料の細孔の内部にまでSiとOとが存在することが確認できる。すなわち、図3は、第1炭素材料の細孔内に酸化シリコンが存在することを示している。
(実施例3)
実施例1の試料CS1について、無定型の第2炭素材料を添加する処理を行った。具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)1.0gを水100mLに溶解させてPVA水溶液を調製し、PVA水溶液中に試料CS1を0.5g投入し、真空脱泡後、固形分を濾過し、80℃で16時間乾燥させた。乾燥させた固形分を、窒素ガス雰囲気下、600℃で6時間加熱し、PVAを炭化させて、試料CS1と無定型の第2炭素材料との複合体(以下、試料CSC3)を得た。
実施例1の試料CS1について、無定型の第2炭素材料を添加する処理を行った。具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)1.0gを水100mLに溶解させてPVA水溶液を調製し、PVA水溶液中に試料CS1を0.5g投入し、真空脱泡後、固形分を濾過し、80℃で16時間乾燥させた。乾燥させた固形分を、窒素ガス雰囲気下、600℃で6時間加熱し、PVAを炭化させて、試料CS1と無定型の第2炭素材料との複合体(以下、試料CSC3)を得た。
(参考例2)
実施例1の試料CS1の代わりに、試料FGS1を用いたこと以外は、実施例3と同様の方法で、試料GS1と無定型の第2炭素材料との複合体である試料FGSC2を得た。
実施例1の試料CS1の代わりに、試料FGS1を用いたこと以外は、実施例3と同様の方法で、試料GS1と無定型の第2炭素材料との複合体である試料FGSC2を得た。
(実施例4)
試料CSC3を用いて、リチウムイオン電池のラミネート型ハーフセルを作製した。
CSC3と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリビニリデンフルオライド(PVDF)とを、質量比85:5:10で秤量して乳鉢で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて電極合剤スラリーを調製した。スラリーを厚み10μmの銅箔上に塗工し、乾燥後、圧延して、電極合剤層を形成した。圧延後の電極合剤層および銅箔の総厚みは18μmとした。次に、電極合剤層および銅箔を20mm×20mmの大きさに打ち抜き、ニッケル製タブリードを銅箔に接続し、作用極を得た。作用極における電極合剤層の質量は4.0mgであった。
試料CSC3を用いて、リチウムイオン電池のラミネート型ハーフセルを作製した。
CSC3と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリビニリデンフルオライド(PVDF)とを、質量比85:5:10で秤量して乳鉢で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて電極合剤スラリーを調製した。スラリーを厚み10μmの銅箔上に塗工し、乾燥後、圧延して、電極合剤層を形成した。圧延後の電極合剤層および銅箔の総厚みは18μmとした。次に、電極合剤層および銅箔を20mm×20mmの大きさに打ち抜き、ニッケル製タブリードを銅箔に接続し、作用極を得た。作用極における電極合剤層の質量は4.0mgであった。
厚み42μmのリチウム箔を、25mm×25mmの大きさに切断し、ニッケル製タブリードを接続し、対極を得た。作用極と対極とをセパレータを介して対向させて積層し、アルミニウム箔を含むラミネートフィルムで作製した外装体に収容し、外装体内に非水電解質を0.3cm3注入し、真空脱泡により作用極に含浸させた。セパレータには、厚み30μmの宇部興産株式会社製のポリオレフィン製多孔質フィルム「ユーポア(登録商標)」を用いた。また、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(体積比1:3)に、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を濃度1Mで溶解させた非水電解質(三菱化学株式会社製)を用いた。その後、外装体の開口端部をヒートシールで密閉し、ラミネート型ハーフセルを完成させた。
(参考例3)
試料CSC3の代わりに試料FGSC2を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で、ラミネート型ハーフセルを得た。
試料CSC3の代わりに試料FGSC2を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で、ラミネート型ハーフセルを得た。
[評価4]
実施例4および参考例3で得られたラミネート型ハーフセルについて、充放電サイクル試験を行った。充放電は0.20mAの定電流で行い、放電時の電圧が1.5Vに到達した時点で電流を止めた。図4Aおよび図4Bに、実施例4および参考例3のハーフセルの試験結果を示す。図4Aは、放電容量とサイクル数との関係を示し、図4Bは、容量維持率とサイクル数との関係を示している。
実施例4および参考例3で得られたラミネート型ハーフセルについて、充放電サイクル試験を行った。充放電は0.20mAの定電流で行い、放電時の電圧が1.5Vに到達した時点で電流を止めた。図4Aおよび図4Bに、実施例4および参考例3のハーフセルの試験結果を示す。図4Aは、放電容量とサイクル数との関係を示し、図4Bは、容量維持率とサイクル数との関係を示している。
図4Aから明らかなように、実施例4のハーフセルの初期容量は、参考例3のハーフセルよりやや低いが、実施例4のハーフセルは、充放電サイクルを繰り返しても、容量の劣化が小さく、高い放電容量を維持している。図4Bは、実施例4のハーフセルが、参考例3のハーフセルよりも容量維持率に優れていることを示している。
実施例4の試料CSC3では、シリコン粒子が第1炭素材料の細孔内に配置されているため、充放電に伴うシリコン粒子の体積膨張による応力が緩和されている。また、実施例4の試料CSC3は、酸化シリコンと炭化シリコンを含むため、シリコン粒子表面へのSEIの生成が抑制されている。一方、参考例3の試料FGSC2では、シリコンの膨張を緩和する空間がなく、黒鉛粒子間の電気的接続が次第に損なわれたものと考えられる。また、試料FGSC2は、酸化シリコンおよび炭化シリコンを含まないため、シリコン粒子表面にSEIが過剰に形成され、容量が減少したものと考えられる。
本発明に係る複合材料は、リチウムイオン電池の負極材料として適しており、中でも、大容量かつ高耐久性を兼ね備えたリチウムイオン電池の負極材料として適している。
100:リチウムイオン電池、103:電極群、107:セパレータ、108:外装体、110:第1電極、111:第1集電体シート、112:第1活物質層、113:第1リード、114:第1タブ、120:第2電極、121:第2集電体シート、122:第2活物質層、123:第2リード、124:第2タブ、130:シール材
Claims (9)
- 複数の細孔を有する第1炭素材料と、
前記細孔内に配置されたシリコン粒子と、
前記細孔内に配置された酸化シリコンと、を含む複合材料。 - 前記細孔内に配置された炭化シリコンを更に含む、請求項1に記載の複合材料。
- 前記シリコン粒子の粒径が、20nm未満である、請求項1または2に記載の複合材料。
- 更に、無定形の第2炭素材料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料を含む負極と、
正極と、
リチウムイオン伝導性を有する電解質と、を備える、リチウムイオン電池。 - 複数の細孔を有する第1炭素材料と、前記細孔内に配置されたシロキサンと、を含む前駆複合体を調製する工程と、
前記前駆複合体にマグネシウム蒸気を接触させることにより、前記シロキサンをシリコンに還元するとともに、前記細孔内に、酸化マグネシウムと、酸化シリコンと、を生成させる工程と、
前記酸化マグネシウムを除去する工程と、を具備する、複合材料の製造方法。 - 前記酸化マグネシウムを除去する工程が、酸またはアンモニウム塩の水溶液により前記酸化マグネシウムを溶解させて、前記細孔内から溶出させることを含む、請求項6に記載の複合材料の製造方法。
- 前記前駆複合体を調製する工程が、前記細孔内で、有機ケイ素化合物から前記シロキサンを生成させることを含む、請求項6または7に記載の複合材料の製造方法。
- 前記有機ケイ素化合物が、Si−C結合を含まないアルコキシシランである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
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