以下、複数点の測位方式の隣接設定に要する作業を簡略化した測位装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、工場、店舗等のフロアを移動する移動体の位置を、無線通信技術を利用して計測する測位システムを例示する。すなわち、フロアは測位領域である。測位領域は、1フロアであってもよいし、複数の階に跨っていてもよい。移動体は測位対象である。移動体は、典型的には人、車両または車両等によって運搬される物品等である。
[第1の実施形態]
図1は、測位システム100の概略構成を示すブロック図である。測位システム100は、複数の基地局1と、移動局2と、サーバ3と、ネットワーク4とを含む。
基地局1は、それぞれ測位領域内の所定の位置に設置される。基地局1は、固定局である。基地局1は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に則り、周期的にビーコン信号を発信する。すなわち基地局1は、ビーコン信号の発信局である。ビーコン信号には固有のビーコンIDが含まれる。ビーコンIDは、そのビーコンIDが含まれるビーコン信号を発信した基地局1毎に一意に設定された基地局IDであってもよい。基地局1は、原則的にはほぼ同じ発信強度でビーコン信号を発信する。基地局1は、周辺の環境に応じて、意図的に発信強度を変化させてもよい。
移動局2は、測位領域内を移動する移動体によって携行される。移動局2は、基地局1から発信されるビーコン信号を受信する。すなわち移動局2は、ビーコン信号の受信局である。移動局2は、RSSI測定回路21を備える。移動局2は、ビーコン信号の電波受信強度をRSSI測定回路21で測定する。移動局2は、無線ユニット(不図示)を内蔵する。移動局2は、無線ユニットを介してネットワーク4に接続する。ネットワーク4にはサーバ3が接続されており、移動局2は、ネットワーク4を介してサーバ3とデータ通信を行う。移動局2は、RSSI測定回路21で測定したビーコン信号の電波受信強度の値、いわゆるRSSI値を、当該ビーコン信号のビーコンIDと関連付けて、ネットワーク4を介してサーバ3へと送信する。このような移動局2は、典型的にはスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯型の情報端末である。通信ネットワーク4は、例えばWiFi(登録商標)規格の無線ネットワーク、またはモバイル通信ネットワーク等である。
サーバ3は、プロセッサ31、メモリ32、補助記憶デバイス33、通信回路34、入力部35、表示部36、及び、システム伝送路37を備える。システム伝送路37は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路37は、プロセッサ31と、メモリ32、補助記憶デバイス33、通信回路34、入力部35及び表示部36とを接続する。
プロセッサ31は、サーバ3の中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、サーバ3としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メモリ32は、サーバ3の主記憶部分に相当する。メモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等を記憶する。またメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する。さらにメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとする。
補助記憶デバイス33は、サーバ3の補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス33として使用される。
入力部35及び表示部36は、利用者とサーバ3との間の情報伝達を司るためのユーザインターフェースとして作用する。入力部35は、タッチパネル、マウス、キーボード等である。表示部36は、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等である。
通信回路34は、ネットワーク4に接続する。サーバ3のプロセッサ31は、通信回路34及びネットワーク4を介して移動局2とデータ通信を行う。
サーバ3は、移動局2から、RSSI値のデータ(RSSI値+ビーコンID)を受信すると、そのRSSI値を基に、ビーコンIDから特定される基地局1と移動局2との距離rを次の(1)式により算出する。なお,(1)式において、「A」は、当該基地局1の電波信号を1m離れた場所で計測されるRSSI値、「B」は電波減衰の定数(理論的には2)である。
RSSI(r)=A−10*B/log10(r) …(1)
サーバ3は、単一の若しくは複数の距離情報rを用いて、移動局2の位置を算出する。すなわち単一の距離情報rを用いる場合には、一点測位方式により移動局2の位置を算出する。例えば、最も距離的に近いと判断された基地局1を基準に移動局2の位置を算出する。複数の距離情報rを用いる場合には、二点測位方式又は三点測位方式により移動局2の位置を算出する。二点測位方式の場合には、二つの基地局1を結んだ線分上に、距離情報rの比を取った地点を移動局2の位置として特定する。三点測位方式の場合には、一般的な三点測量の方法によって移動局2の位置を特定する。ここに、サーバ3は、電波受信強度に基づいて移動局2の位置を計測する測位手段を備えた測位装置として機能する。
ところで、二点測位方式の場合、二つの基地局、例えば基地局1Aと基地局1Bとがそれぞれ線分の両端であることをサーバ3が認識できるように、二つの基地局1A,1Bが二点測位方式の一対の基地局であることを示す情報をサーバ3に設定する必要がある。具体的には、一方の基地局1Aの識別情報と関連付けて他方の基地局1Bの識別情報を設定するとともに、他方の基地局1Bの識別情報と関連付けて一方の基地局1Aの識別情報を関連付ける。識別情報は、その基地局1A,1Bから発信されるビーコン信号のビーコンIDを用いる。
そこで次に、このような識別情報の設定、いわゆる隣接設定について説明する。
サーバ3は、隣接設定を可能とするために、補助記憶デバイス33に基地局データベース333を備える。またサーバ3は、隣接設定を可能とするために、メモリ32の揮発性領域に地図テーブル321を形成する。
図2は、基地局データベース333に保存されるデータレコードの一例を示す模式図である。基地局データベース333は、基地局1毎にその基地局1に対する設定情報を記憶する。設定情報は、少なくとも「ビーコンID」、「マップ画像」、「設置座標」、「補正値」、「受信閾値」、「測位方式」及び「隣接ID」の各項目を含む。
項目「ビーコンID」には、基地局1から発信されるビーコン信号に含まれるビーコンIDが記憶される。サーバ3は、項目「ビーコンID」に記憶されたビーコンIDから、同じレコードの他の項目に記憶されたデータがどの基地局1に対する設定情報なのかを判別できる。すなわち項目「マップ画像」、項目「設置座標」、項目「補正値」、項目「受信閾値」、項目「測位方式」及び項目「隣接ID」には、項目「ビーコンID」に記憶されたビーコンIDで特定される基地局1(以下、当該基地局1と称する)の設定情報が記憶される。
具体的には、項目「マップ画像」には、当該基地局1が設置されている測位領域を表すマップ画像データを格納したデータファイルのファイル名(テキストデータ)が記憶される。補助記憶デバイス33には、測位領域であるフロア毎のマップ画像データを格納したデータファイルが保存されている。
項目「設置座標」には、当該基地局1が設置されている測位領域内の位置を特定する座標値(テキストデータ)が記憶される。例えば、測位領域を二次元のX−Y平面とみなした場合、そのX−Y平面上の当該基地局の位置は、ピクセル単位又はメートル単位のX座標値とY座標値とで表わされる。項目「設置座標」に記憶される座標値は、そのX座標値とY座標値とである。
項目「補正値」には、当該基地局1から発信されたビーコン信号の電波受信強度を補正する値(テキストデータ)が記憶される。前述したように複数の基地局1は、原則的にはほぼ同じ発信強度でビーコン信号を発信する。しかしビーコン信号の強度は、基地局1の製造上の品質のばらつきや設置環境によって、他の基地局と一定の差が生じることがある。項目「補正値」に記憶される値は、その差分値である。
項目「受信閾値」には、当該基地局1から発信されたビーコン信号のRSSI値に対する閾値(テキストデータ)が記憶される。RSSI値は、発信局(基地局1)と受信局(移動局2)との間の距離が近いときには大きくなり、距離が遠いときには小さくなる。必要以上に遠い距離の情報は、移動体の測位に必要とされない。項目「受信閾値」に記憶される閾値は、移動体の測位に必要とされない距離情報が導出されるRSSI値の最大値である。なお、閾値は、ビーコンID毎、すなわち個々の基地局1毎に設定されてもよいし、測位領域を単位として一括して設定されてもよい。
項目「測位方式」には、当該基地局1から発信されたビーコン信号をどの測位方式のために利用するかを示すテキストデータが記憶される。例えば一点測位方式の測位のために利用する場合、テキストデータ「一点」が記憶される。二点測位方式の測位のために利用する場合、テキストデータ「二点」が記憶される。三点測位方式の測位のために利用する場合、テキストデータ「三点」が記憶される。
項目「隣接ID」には、当該基地局1から発信されたビーコン信号を二点測位方式の測位のために利用する場合において、当該基地局1と対になる他の基地局1から発信されるビーコン信号のビーコンID(テキストデータ)が記憶される。例えば二つの基地局1A,1Bを線分上で移動局2の位置を特定する場合、一方の基地局1Aに対するデータレコードの項目「隣接ID」には、他方の基地局1Bの識別情報として、基地局1Bから発信されるビーコン信号のビーコンIDが記憶される。また、当該基地局1Bに対するデータレコードの項目「隣接ID」には、一方の基地局1Aの識別情報として、基地局1Aから発信されるビーコン信号のビーコンIDが記憶される。
ここに、基地局データベース333は、記憶部を構成する。
図3は、地図テーブル321のエリア構成を示す模式図である。地図テーブル321は、1つのフロアに設置された基地局1に係るデータレコードを記憶する。データレコードは、少なくとも「ビーコンID」、「設置座標」、「測位方式」、「編集対象F」、「アイコンS」及び「隣接ID」の項目を含む。項目「ビーコンID」、「設置座標」、「測位方式」及び「隣接ID」のデータについては、前述したとおりである。
項目「編集対象F」には、後述する隣接設定動作において、対応するビーコンIDで特定される基地局1が編集対象であるか否かを識別するフラグが記憶される。フラグは、本実施形態では、編集対象であるとき“1”にセットされ、非編集対象であるとき“0”にリセットされる。フラグは、編集対象であるとき“0”にリセットされ、非編集対象であるとき“1”にセットされてもよい。
項目「アイコンS」には、対応するビーコンIDで特定される基地局1の属性を区別するためのアイコンが記憶される。アイコンは、本実施形態では、黒丸のアイコン(以下、アイコン「黒丸」と称する)、白丸のアイコン(以下、アイコン「白丸」と称する)、上向きの黒三角のアイコン(以下、アイコン「上向き黒三角」と称する)、上向きの白三角のアイコン(以下、アイコン「上向き白三角」と称する)、下向きの白三角のアイコン(以下、アイコン「下向き白三角」と称する)、黒四角のアイコン(以下、アイコン「黒四角」と称する)、白四角のアイコン(以下、アイコン「白四角」と称する)の7種類を例示する。アイコン「黒丸」は、一点測位方式による測位に利用される編集対象の基地局1を示す。アイコン「白丸」は、一点測位方式による測位に利用される非編集対象の基地局1を示す。アイコン「上向き黒三角」は、二点測位方式による測位に利用される編集対象の基地局1を示す。アイコン「上向き白三角」は、二点測位方式による測位に利用される非編集対象の基地局1であり、かつ編集対象の基地局1と隣接設定がなされた基地局1を示す。アイコン「下向き白三角」は、二点測位方式の測位に利用されるビーコン信号を発信する非編集対象の基地局1であり、かつ編集対象の基地局1と隣接設定がなされていない基地局1を示す。アイコン「黒四角」は、三点測位方式の測位に利用されるビーコン信号を発信する非編集対象の基地局1を示す。アイコン「白四角」は、三点測位方式の測位に利用されるビーコン信号を発信する非編集対象の基地局1を示す。
図4及び図5は、サーバ3の動作メニューのなかから隣接設定動作が選択された場合のプロセッサ31の処理手順を示す流れ図である。この処理手順は、予め設定されたプログラムに従ったものである。なお、図4及び図5に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
隣接設定動作を開始すると、プロセッサ31は先ず、表示部36に設定画面SC1(図6を参照)を表示させる(図4、Act1)。
図6は、設定画面SC1の一例を示す。図示するように設定画面SC1は、5つのテキスト領域T1〜T5と、2つのプルダウン領域D1,D2と、1つのマップ領域M1と、保存ボタンG1と、キャンセルボタンG2とを含む。
テキスト領域T1は、編集対象の基地局1を特定するビーコンIDの領域である。テキスト領域T2は、編集対象の基地局1に対して隣接設定がなされた基地局1を特定するビーコンIDの領域である。テキスト領域T3は、編集対象の基地局1に関して基地局データベース333に設定された補正値の領域である。テキスト領域T4は、編集対象の基地局1に関して基地局データベース333に設定された受信閾値の領域である。テキスト領域T5は、編集対象の基地局1に関して基地局データベース333に設定された設置座標の領域である。
プルダウン領域D1は、測位方式に係るテキストデータ(「一点」、「二点」、「三点」)をメニューとしたプルダウンリストの領域である。プルダウン領域D2は、マップ画像データを格納したデータファイルのファイル名を示すテキストデータ(「MAP1」、「MAP2」、…)をメニューとしたプルダウンリストの領域である。
マップ領域M1は、プルダウン領域D2のプルダウンリストの中から選択されたファイル名のデータファイルに格納されたマップ画像データに基づくマップ画像が表示される領域である。
保存ボタンG1は、テキスト領域T1〜T5に表示されているテキストデータを基地局データベース333に保存することを作業者が指示する場合に入力するボタンである。キャンセルボタンG2は、テキスト領域T1〜T5に表示されているテキストデータを基地局データベース333に保存しないことを作業者が指示する場合に入力するボタンである。
設定画面SC1を確認した作業者は、先ず、入力部35を操作して、隣接設定を行う2つの基地局1A,1Bのうち、一方の基地局1Aを特定するビーコンIDをテキスト領域T1に入力する。
設定画面を表示させたプロセッサ31は、テキスト領域T1にビーコンIDが入力されるのを待ち受ける(図4、Act2)。ビーコンIDが入力されると(Act2、YES)、プロセッサ31は、基地局データベース333を検索して、テキスト領域T1内のビーコンIDを含むデータレコードから項目「マップ画像」のファイル名を認識する。そしてプロセッサ31は、同じファイル名が項目「マップ画像」に設定された全てのデータレコードを基地局データベース333から取得してメモリ32に記憶する。またプロセッサ31は、同じファイル名が設定されたマップ画像データのデータファイルを補助記憶デバイス33から取得してメモリ32に記憶する(図4、Act3)。
プロセッサ31は、基地局データベース333から取得したデータレコードの項目「ビーコンID」、項目「設置座標」、項目「測位方式」、項目「隣接ID」のデータで地図テーブル321を作成する(図4、Act4)。そしてプロセッサ31は、地図テーブル321に対し、テキスト領域T1に入力されているビーコンID(以下、入力ビーコンIDと称する)に対応した項目「編集対象F」のフラグを“1”にセットする(図4、Act5)。またプロセッサ31は、他のビーコンIDに対応した項目「編集対象F」のフラグを“0”にリセットする(図4、Act6)。
次にプロセッサ31は、地図テーブル321において、入力ビーコンIDに対応した項目「測位方式」のデータが「二点」であるか否かを確認する(図4、Act7)。そして「二点」である場合(Act7、YES)、プロセッサ31は、入力ビーコンIDに対応した項目「アイコンS」に、アイコン「上向き黒三角」を記述する(図4、Act8)。またプロセッサ31は、入力ビーコンIDに対応した項目「隣接ID」に、ビーコンID(以下、隣接ビーコンIDと称する)が記述されているか否かを確認する(図4、Act9)。隣接ビーコンIDが記述されている場合(Act9、YES)、プロセッサ31は、地図テーブル321の項目「ビーコンID」に隣接ビーコンIDが記憶されたデータレコードの項目「アイコンS」に、アイコン「上向き白三角」を記述する(図4、Act10)。またプロセッサ31は、地図テーブル321の項目「ビーコンID」に入力ビーコンID及び隣接ビーコンID以外の他のビーコンIDが記憶されたデータレコードの項目「アイコンS」に、アイコン「白丸」、アイコン「下向き白三角」またはアイコン「白四角」を記述する(図4、Act11)。すなわちプロセッサ31は、項目「測位方式」のデータが「一点」のデータレコードに対しては、アイコン「白丸」を記述し、項目「測位方式」のデータが「二点」のデータレコードに対しては、アイコン「下向き白三角」を記述し、項目「測位方式」のデータが「三点」のデータレコードに対しては、アイコン「白四角」を記述する。
Act9において、隣接ビーコンIDが記述されていない場合には(Act9、NO)、プロセッサ31は、地図テーブル321の項目「ビーコンID」に入力ビーコンID以外の他のビーコンIDが記憶されたデータレコードの項目「アイコンS」に、アイコン「白丸」、アイコン「下向き白三角」またはアイコン「白四角」を記述する(図4、Act13)。すなわちプロセッサ31は、項目「測位方式」のデータが「一点」のデータレコードに対しては、アイコン「白丸」を記述し、項目「測位方式」のデータが「二点」のデータレコードに対しては、アイコン「下向き白三角」を記述し、項目「測位方式」のデータが「三点」のデータレコードに対しては、アイコン「白四角」を記述する。
一方、Act7において、入力ビーコンIDに対応した項目「測位方式」のデータが「二点」でない場合(Act7、NO)、プロセッサ31は、入力ビーコンIDに対応した項目「アイコンS」に、アイコン「黒丸」またはアイコン「黒四角」を記述する(図4、Act12)。すなわちプロセッサ31は、項目「測位方式」のデータが「一点」のデータレコードに対しては、アイコン「黒丸」を記述し、項目「測位方式」のデータが「三点」のデータレコードに対しては、アイコン「黒四角」を記述する。その後、プロセッサ31は、Act13の処理へと進む。すなわちプロセッサ31は、項目「測位方式」のデータが「一点」のデータレコードに対しては、アイコン「白丸」を記述し、項目「測位方式」のデータが「二点」のデータレコードに対しては、アイコン「下向き白三角」を記述し、項目「測位方式」のデータが「三点」のデータレコードに対しては、アイコン「白四角」を記述する。
Act11またはAct13の処理を終えると、プロセッサ31は、Act3において取得したデータファイルのマップ画像データと地図テーブル321のデータとから、マップ領域M1にマップ画像を表示させる(図4、Act14)。すなわちプロセッサ31は、マップ領域M1にマップ画像データに基づくマップ画像を表示させる。さらにプロセッサ31は、そのマップ画像に重ねて、地図テーブル321の項目「アイコンS」に記述されたアイコンを、同じデータレコードの項目「設置座標」に記述された座標値に従って表示させる。
図7は、マップ画像が表示された設定画面SC2の一例である。この例は、作業者が基地局1AのビーコンID「B01」をテキスト領域T1に入力したことで、地図テーブル321に図3に示すデータが記述された場合である。基地局1Aは、アイコン「上向き黒三角」によってマップ画像上に表わされている。他の基地局1B,1C,1D,1E,1Fは、それぞれアイコン「白丸」またはアイコン「下向き白三角」によってマップ画像上に表されている。なお、マップ画像上の区画H1,H2,H3は、移動体が移動できない障害物の領域を示している。
マップ画像上の各アイコンにより、作業者は、各基地局1A〜1Fの位置を知り得る。また作業者は、編集対象(隣接設定対象)の基地局1Aは二点測位方式に対応したものであること、二点測位方式の対となる他の基地局は設定されていないこと、を知り得る。さらに作業者は、編集対象以外の基地局1B〜1Fの位置と障害物となる区画H1,H2,H3の位置から、基地局1Aに対して二点測位方式の対となり得る他の基地局は、ビーコンID「B02」の基地局1Bと、ビーコンID「B03」の基地局1Cであることを知り得る。
ここで、基地局1Bを隣接設定する場合、作業者は、入力部35を操作して、マップ領域M1に表示された基地局1Bのアイコン「下向き白三角」を指定する。例えば入力部35がタッチパネルの場合、作業者は基地局1Bのアイコン「下向き白三角」にタッチする。例えば入力部35がマウスである場合、作業者は基地局1Bのアイコン「下向き白三角」にポインタ又はカーソルを重ねてクリックする。
マップ画像を表示させたプロセッサ31は、アイコンが指定されたか否かを判断する(図5、Act21)。アイコンが指定されていない場合(Act21、NO)、プロセッサ31は、キャンセルボタンG2が指定されたか否かを判断する(図5、Act22)。キャンセルボタンG2が指定されていない場合(Act22、NO)、プロセッサ31は、保存ボタンG1が指定されたか否かを判断する(図5、Act23)。保存ボタンG1が指定されていない場合(Act23、NO)、プロセッサ31は、Act21に戻る。ここにプロセッサ31は、Act21,Act22及びAct23の処理により、アイコンが指定されるか、キャンセルボタンG2または保存ボタンG1が指定されるのを待ち受ける。
この待ち受け状態において、プロセッサ31は、アイコンが指定されたことを検知した場合(Act21、YES)、地図テーブル321を検索して、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「編集対象F」、「測位方式」及び「隣接ID」のデータを取得する。そしてプロセッサ31は、先ず、項目「編集対象F」のフラグが“0”にリセットされているか否かを確認する(図5、Act24)。そしてフラグが“0”にセットされていることを確認したならば(Act24、YES)、プロセッサ31は、次に、項目「測位方式」のデータが「二点」であるか否かを確認する(図5、Act25)。そしてデータが「二点」であることを確認したならば(Act25、YES)、プロセッサ31は、次に、項目「隣接設定」にビーコンID「1A」が記述されているか否かを確認する(図5、Act26)。
なお、項目「編集対象F」のフラグが“1”にセットされていた場合(Act24、NO)、あるいは項目「測位方式」のデータが「二点」でない場合には(Act25、NO)、プロセッサ31は、他の処理を実行する。
Act26において、項目「隣接設定」にビーコンID「1A」が記述されていない場合(Act26、NO)、プロセッサ31は、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「アイコンS」に、アイコン「上向き白三角」を記述する(図5、Act27)。すなわちプロセッサ31は、項目「アイコンS」のアイコンを、「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更する。またプロセッサ31は、項目「編集対象F」のフラグが“1”にセットされたデータレコードの項目「隣接ID」に、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「ビーコンID」に記述されているビーコンIDを記述する(図5、Act28)。さらにプロセッサ31は、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「隣接ID」に、項目「編集対象F」のフラグが“1”にセットされたデータレコードの項目「ビーコンID」に記述されているビーコンIDを記述する(図5、Act29)。
一方、Act26において、項目「隣接設定」にビーコンID「1A」が記述されている場合には(Act26、YES)、プロセッサ31は、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「アイコンS」に、アイコン「下向き白三角」を記述する(図5、Act30)。すなわちプロセッサ31は、項目「アイコンS」のアイコンを、「上向き白三角」から「下向き白三角」に変更する。またプロセッサ31は、項目「編集対象F」のフラグが“1”にセットされたデータレコードの項目「隣接ID」から、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「ビーコンID」に記述されているビーコンIDを削除する(図5、Act31)。さらにプロセッサ31は、指定されたアイコンが記述されたデータレコードの項目「隣接ID」から、項目「編集対象F」のフラグが“1”にセットされたデータレコードの項目「ビーコンID」に記述されているビーコンIDを削除する(図5、Act32)。
Act29又はAct32の処理を終えると、プロセッサ31は、地図テーブル321のデータに基づいてマップ領域M1に表示されているマップ画像を更新する(図5、Act33)。そしてプロセッサ31は、Act21〜Act23の待ち受け状態に戻る。
図8は、作業者が、図7のマップ領域M1に表示された基地局1Bのアイコン「下向き白三角」を指定したことで、更新された設定画面SC3の一例である。基地局1Bのアイコン「下向き白三角」を指定したことにより、プロセッサ31は、Act27〜Act29の処理を実行する。その結果、基地局1Bのアイコンは、「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更される。また、テキスト領域T2には、基地局1BのビーコンID「B02」が表示される。そして、この設定画面SC3により、作業者は、編集対象(隣接設定対象)の基地局1Aに対して、基地局1Bが二点測位方式の対となる基地局として設定されたことを視覚的に確認することができる。
ここで、さらに基地局1Cを隣接設定する場合には、作業者は、入力部35を操作して、マップ領域M1に表示された基地局1Cのアイコン「下向き白三角」を指定すればよい。その場合も、プロセッサ31は、Act27〜Act29の処理を実行する。その結果、基地局1Cのアイコンは、「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更される。また、テキスト領域T2には、基地局1CのビーコンID「B03」がビーコンID「B02」とともに表示される。そして、その設定画面(不図示)により、作業者は、編集対象(隣接設定対象)の基地局1Aに対して、基地局1Bと基地局1Cとが二点測位方式の対となる基地局として設定されたことを知り得る。
一方、基地局1Aに対して基地局1Cが隣接設定されている状態で、その隣接設定を解除する場合にも、作業者は、入力部35を操作して、基地局1Cのアイコン「上向き白三角」を指定する。この場合、プロセッサ31は、Act30〜Act32の処理を実行する。その結果、基地局1Cのアイコンは、「上向き白三角」から「下向き白三角」に戻される。また、テキスト領域T2からビーコンID「B03」が消去される。そして、その設定画面(不図示)により、作業者は、編集対象(隣接設定対象)の基地局1Aに対して、基地局1Cが二点測位方式の対となる基地局ではなくなったことを知り得る。
Act21〜Act23の待ち受け状態において、プロセッサ31は、保存ボタンG1が指定されたことを検知すると(Act23、YES)、地図テーブル321のデータで基地局データベース333を更新する(図5、Act34)。すなわちプロセッサ31は、地図テーブル321のビーコンID別のデータレコードに基づいて、基地局データベース333の同一のビーコンIDが設定されたデータレコードを更新する(図5、Act34)。その後、プロセッサ31は、設定画面を消去する(図5、Act35)。
なお、Act21〜Act23の待ち受け状態において、プロセッサ31は、キャンセルボタンG2が指定されたことを検知した場合には(Act22、YES)、Act34の処理を実行することなく、設定画面を消去する(図5、Act35)。以上で、プロセッサ31は、隣接設定動作が選択された場合の処理を終了する。
図9は、図8の設定画面SC3が表示されている状態、すなわち基地局1Aと基地局1Bとが隣接設定された状態で、作業者が保存ボタンG1を指定した場合の基地局データベース333を示す。図示するように基地局データベース333には、二点測位方式の一対の基地局1A,1Bの間で、一方の基地局1AのビーコンID「B01」が、他方の基地局1BのビーコンID「B02」が設定されたデータレコードの項目「隣接ID」に設定される。また、他方の基地局1BのビーコンID「B02」が、一方の基地局1AのビーコンID「B01」が設定されたデータレコードの項目「隣接ID」に設定される。その結果、プロセッサ31は、基地局1Aと基地局1Bとが二点測位方式において対となる基地局であると認識できる。
このように第1の実施形態によれば、作業者は、図7に示す設定画面SC2により、基地局1Aと隣接設定が可能な基地局は、基地局1B及び基地局1Cであると視覚的に特定することができる。そして作業者が、基地局1Bのアイコン「下向き白三角」を指定すると、図8に示す設定画面SC3に切り替わる。この設定画面SC3により、作業者は、基地局1Aに対して基地局1Bが隣接設定されたことを視覚的に確認することができる。そしてその後、作業者が保存ボタンG1を指定すると、基地局データベース333が、図2に示す状態から図9に示す状態に更新される。したがって作業者は、対となる相手側の基地局の識別情報を手入力で登録する必要がなくなる。また、一方の基地局には他方の基地局の識別情報を登録したが、他方の基地局には一方の基地局の識別情報を登録し忘れた、とうようなミスも起こり得ない。その結果、隣接設定に要する作業が簡略化される上、隣接設定が正しく行われないというミスも防ぐことができる。このような効果は、二点測位方式の対象となる基地局の組が多数ある場合に顕著であり、隣接設定に要する作業の手間と時間を大幅に簡略できるようになる。
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態における設定画面SC4の一例である。図示するように設定画面SC4には、第1の実施形態の設定画面SC1〜SC3と比較して、プルダウン領域D3と、テキスト領域T6と、チェックボックス領域C1と、適用ボタンG3とが追加されている。
プルダウン領域D3は、編集対象の基地局1に対して隣接設定が可能な基地局1を絞り込むための条件をメニューとしたプルダウンリストの領域である。条件としては、「距離指定」と「範囲指定」とがある。条件「距離指定」は、編集対象の基地局1を中心として一定の距離を半径とする円内にある基地局1を隣接設定が可能な基地局1とする。条件「範囲指定」は、任意に指定された範囲内にある基地局1を隣接設定が可能な基地局1とする。因みに、範囲の指定は既存の技術で可能である。例えばマップ領域M1に表示されたマップ画像上をマウスでドラッグすればよい。なお、条件は、「距離指定」と「範囲指定」とに限定されるものではない。
テキスト領域T6は、条件値の領域である。条件が「距離指定」の場合、編集対象の基地局1からの距離(半径)が条件値となる。条件が「範囲指定」の場合には、テキスト領域T6への記述は無効となる。
チェックボックス領域C1は、編集対象の基地局1との間に障害物が介在する基地局1を絞り込み対象から除外するか否かを指定する領域である。本実施形態では、チェックボックス領域C1にチェックが入っていると、障害物が介在する基地局を絞り込み対象から除外する。
適用ボタンG3は、プルダウン領域D3、テキスト領域T6及びチェックボックス領域C1に入力されたデータを適用することを作業者が指示する場合に入力するボタンである。
図11は、設定画面SC4の適用ボタンG3が入力された後のプロセッサ31の処理手順を示す流れ図である。この処理手順は、予め設定されたプログラムに従ったものである。なお、図11に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
設定画面SC4が表示されている状態、すなわち第1の実施形態で説明した図5のAct21〜Act23の待ち受け状態において、プロセッサ31は、適用ボタンG3が入力されたか否かを確認する(Act41)。適用ボタンG3が入力された場合(Act41、YES)、プロセッサ31は、プルダウン領域D3で選択されている条件を判定する(Act42)。
条件が「距離指定」の場合(Act42、距離)、プロセッサ31は、テキスト領域T6に入力されている条件値を取得する(Act43)。条件が「範囲指定」の場合(Act42、範囲)、プロセッサ31は、マップ画像上で指定された範囲を取得する(Act44)。
Act43またはAct44の処理の後、プロセッサ31は、絞り込みの範囲を設定する(Act45)。すなわち、条件が「距離指定」の場合、プロセッサ31は、編集対象の基地局1Aを中心とする半径が条件値の正円を絞り込みの範囲とする。条件が「範囲指定」の場合、プロセッサ31は、Act44の処理で取得した範囲を絞り込みの範囲とする。
プロセッサ31は、マップ領域M1に絞り込みの範囲を表示する(Act46)。例えば図10に示すように、プロセッサ31は、マップ領域M1に絞り込みの範囲を破線で表示する。あるいはプロセッサ31は、絞り込み範囲内と範囲外とで背景色を変えることで、絞り込みの範囲を表示する。
プロセッサ31は、障害物回避の指示がなされているか否かを判断する(Act47)。チェックボックス領域C1にチェックが入っている場合、すなわち障害物回避の指示がなされている場合には(Act47、YES)、プロセッサ31は、絞り込み範囲内に存在する基地局のうち、編集対象の基地局1Aと結ぶ線分が障害物によって遮られる基地局を除外対象として抽出する(Act48)。チェックボックス領域C1にチェックが入っていない場合、すなわち障害物回避の指示がなされていない場合には(Act47、NO)、プロセッサ31は、Act48の処理を実行しない。プロセッサ31は、絞り込み範囲内にある基地局のうち、除外対象として抽出されておらず、項目「測位方式」のデータが「二点」の基地局のアイコンを隣接候補のアイコンとして識別表示する(Act49)。その後、プロセッサ31は、Act21〜Act23の待ち受け状態に戻る。
図10の設定画面SC4は、条件が「距離指定」であり、障害物回避の指示がなされた場合のマップ画像をマップ領域M1に表示している。この設定画面SC4から、作業者は、編集対象の基地局1Aに対して基地局1Bと基地局1Cとが隣接設定対象の基地局であることを容易に認識できる。また基地局1Eは、絞り込み範囲内であるものの、基地局1Aと直線で結ぶ線分上に障害物があるため、隣接設定対象外であることも容易に認識できる。その結果、作業者は、基地局1B及び基地局1Cのうちの少なくとも一方のアイコンを指定して隣接設定を行えばよい。
このように第2の実施形態によれば、隣接設定が可能な基地局1を絞り込むための条件を指定することで、その条件に該当しない基地局を隣接設定対象から除外することができる。その結果、隣接設定対象となる基地局を絞り込むことができる。その上、隣接設定対象となった基地局は他の基地局と識別して表示されるので、視覚的にも区別される。したがって、第1の実施形態よりも隣接設定をより効率的に行うことができる。
[第3の実施形態]
図12及び図13は、サーバ3の動作メニューのなかから隣接設定動作が選択された場合の、第3の実施形態におけるプロセッサ31の処理手順を示す流れ図である。この処理手順は、予め設定されたプログラムに従ったものである。なお、図12及び図13に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
隣接設定動作を開始すると、プロセッサ31は先ず、表示部36に設定画面SC5(図14を参照)を表示させる(図12、Act51)。
図14は、設定画面SC5の一例を示す。図示するように設定画面SC5は、3つのプルダウン領域D11〜D13と、2つのテキスト領域T11,T12と、チェックボックス領域C11と、1つのマップ領域M11と、保存ボタンG11と、キャンセルボタンG12と、適用ボタンG13とを含む。
プルダウン領域D11、プルダウン領域D12及びプルダウン領域D13は、それぞれ第1又は第2の実施形態で説明した設定画面SC1〜SC4のプルダウン領域D2、プルダウン領域D1及びプルダウン領域D3と同様の機能を有する。また、テキスト領域T12及びチェックボックス領域C11は、第2の実施形態で説明した設定画面SC4のテキスト領域T6及びチェックボックス領域C1と同様の機能を有する。また、マップ領域M11と、保存ボタンG11、キャンセルボタンG12及び適用ボタンG13も、第1又は第2の実施形態で説明したマップ領域M1、保存ボタンG1、キャンセルボタンG2及び適用ボタンG3と同様の機能を有する。
テキスト領域T11は、隣接設定対象の2つの基地局の組を、各々のビーコンIDを連結した表現形式(テキストデータ)で表わす領域である。テキスト領域T11は、隣接設定を行うものとして選択された組と、選択されていない組とを区別して表す。
なお、Act51においては、テキスト領域T11,T12は空欄である。マップ領域M11にもマップ画像は表示されていない。また、適用ボタンG13は、入力が無効化されている。
隣接設定を行う作業者は、設定画面SC5を確認すると、プルダウン領域D11を操作して、隣接設定を行うフロアの地図(ファイル名)を選択する。また作業者は、プルダウン領域D12を操作して、測位方式を選択する。プルダウン領域D12のプルダウンリストには、「一点測位」、「二点測位」、「三点測位」及び「全て」のメニューがあるので、作業者は、「二点測位」又は「全て」を選択する。さらに作業者は、プルダウン領域D13から絞り込み条件を選択する。そして作業者は、必要に応じて、テキスト領域T11への条件値の入力又はチェックボックス領域C11へのチェック入力を行う。その後、作業者は、適用ボタンG13を入力する。
設定画面SC5を表示させたプロセッサ31は、プルダウン領域D11において、マップ画像データを格納したデータファイルのファイル名が選択されるのを待ち受ける(図12、Act52)。ファイル名が選択されると(Act52、YES)、プロセッサ31は、地図テーブル321を作成する(図12、Act53)。すなわちプロセッサ31は、選択されたファイル名が項目「マップ画像」に設定された全てのデータレコードを基地局データベース333から取得してメモリ32に記憶する。またプロセッサ31は、同じファイル名が設定されたマップ画像データのデータファイルを補助記憶デバイス33から取得してメモリ32に記憶する。そしてプロセッサ31は、基地局データベース333から取得したデータレコードの項目「ビーコンID」、項目「設置座標」、項目「測位方式」、項目「隣接ID」のデータで地図テーブル321を作成する。
次に、プロセッサ31は、地図テーブル321の項目「アイコンS」に、アイコン「白丸」、アイコン「下向き白三角」またはアイコン「白四角」を記述する(図5、Act54)。すなわちプロセッサ31は、項目「測位方式」のデータが「一点」のデータレコードに対しては、アイコン「白丸」を記述し、項目「測位方式」のデータが「二点」のデータレコードに対しては、アイコン「下向き白三角」を記述し、項目「測位方式」のデータが「三点」のデータレコードに対しては、アイコン「白四角」を記述する。
次に、プロセッサ31は、プルダウン領域D12において、隣接設定を行うメニューが選択されているか否かを確認する(図12、Act55)。隣接設定を行うメニューは、「全て」又は「二点測位」である。他のメニューが選択されていた場合(Act55、NO)、プロセッサ31は他の処理を実行する。
「全て」又は「二点測位」が選択されていた場合(Act55、YES)、プロセッサ31は、適用ボタンG13の入力を有効化する(図12、Act56)。そしてプロセッサ31は、適用ボタンG13が入力されるのを待ち受ける(図12、Act57)。プロセッサ31は、適用ボタンG13が入力されたことを検知すると(Act57、YES)、プルダウン領域D3で選択されている条件を判定する(図12、Act58)。
条件が「距離指定」の場合(Act58、距離)、プロセッサ31は、テキスト領域T12に入力されている条件値を取得する(図12、Act59)。条件が「範囲指定」の場合(Act58、範囲)、プロセッサ31は、マップ画像上で指定された範囲を取得する(Act60)。
Act59またはAct60の処理の後、プロセッサ31は、絞り込みの範囲を設定する(図12、Act61)。すなわち、条件が「距離指定」の場合、プロセッサ31は、基地局間の距離が条件値以下を絞り込みの範囲とする。条件が「範囲指定」の場合、プロセッサ31は、Act60の処理で取得した範囲を絞り込みの範囲とする。そしてプロセッサ31は、絞り込みの範囲内に存在する2つの基地局間を直線で結ぶ線分を検出する(図12、Act62)。
プロセッサ31は、障害物回避の指示がなされているか否かを判断する(図12、Act63)。チェックボックス領域C1にチェックが入っている場合、すなわち障害物回避の指示がなされている場合には(Act63、YES)、プロセッサ31は、2つの基地局間を結ぶ線分のうち障害物によって遮られる線分を除外対象として抽出する(図12、Act64)。チェックボックス領域C1にチェックが入っていない場合、すなわち障害物回避の指示がなされていない場合には(Act63、NO)、プロセッサ31は、Act64の処理を実行しない。
プロセッサ31は、Act53において取得したデータファイルのマップ画像データと地図テーブル321のデータとから、マップ領域M1にマップ画像を表示させる(図12、Act65)。さらにプロセッサ31は、除外対象として抽出された線分を除いて、絞り込みの範囲内に存在する2つの基地局間を直線で結ぶ線分を破線で表示する(図12、Act66)。
図14に示す設定画面SC5において、マップ領域M1に表示されているマップ画像は、条件が「距離指定」であり、条件値が90cmであり、障害物回避が選択されていた場合である。このような条件下では、基地局間が90cm以下で、尚且つ障害物によって遮られない線分L1,L2,L3,L4が破線によって表示される。
このようなマップ画像を確認した作業者は、例えば基地局1Aと基地局1Bとを隣接設定する場合、線分L1を指定する。例えば入力部35がタッチパネルの場合、作業者は線分L1をタッチする。例えば入力部35がマウスである場合、作業者は線分L1にポインタ又はカーソルを重ねてクリックする。
線分を表示させたプロセッサ31は、いずれかの線分が指定されたか否かを判断する(図13、Act71)。線分が指定されていない場合(Act71、NO)、プロセッサ31は、キャンセルボタンG12が指定されたか否かを判断する(図13、Act72)。キャンセルボタンG12が指定されていない場合(Act72、NO)、プロセッサ31は、保存ボタンG11が指定されたか否かを判断する(図13、Act73)。保存ボタンG11が指定されていない場合(Act73、NO)、プロセッサ31は、Act71に戻る。ここにプロセッサ31は、Act71,Act72及びAct73の処理により、線分が指定されるか、キャンセルボタンG12または保存ボタンG11が指定されるのを待ち受ける。
この待ち受け状態において、プロセッサ31は、線分が指定されたことを検知した場合(Act71、YES)、その指定された線分が破線表示なのか実線表示なのかを確認する(図13、Act74)。破線表示の場合(Act74、YES)、プロセッサ31は、その線分L1の両端にある一対の基地局1A,1Bに対して隣接設定を行う(Act75)。すなわちプロセッサ31は、一方の基地局1AのビーコンID「B01」を含む地図テーブル321のデータレコードの項目「アイコンS」のアイコンを「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更する。またプロセッサ31は、同データレコードの項目「隣接ID」に、他方の基地局1BのビーコンID「B02」を記述する。同様に、プロセッサ31は、他方の基地局1BのビーコンID「B02」を含む地図テーブル321のデータレコードの項目「アイコンS」のアイコンを「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更する。またプロセッサ31は、同データレコードの項目「隣接ID」に、一方の基地局1AのビーコンID「B01」を記述する。その後、プロセッサ31は、線分L1を実線で表示する(Act76)。
一方、指定された線分が実線表示の場合(Act74、NO)、プロセッサ31は、その線分L1の両端にある一対の基地局1A,1Bに対して隣接解除設定を行う(Act77)。すなわちプロセッサ31は、一方の基地局1AのビーコンID「B01」を含む地図テーブル321のデータレコードの項目「アイコンS」のアイコンを「上向き白三角」から「下向き白三角」に戻す。またプロセッサ31は、同データレコードの項目「隣接ID」から、他方の基地局1BのビーコンID「B02」を削除する。同様に、プロセッサ31は、他方の基地局1BのビーコンID「B02」を含む地図テーブル321のデータレコードの項目「アイコンS」のアイコンを「上向き白三角」から「下向き白三角」に戻す。またプロセッサ31は、同データレコードの項目「隣接ID」から、一方の基地局1AのビーコンID「B01」を削除する。その後、プロセッサ31は、線分L1を破線で表示する(Act78)。
Act76又はAct78の処理を終えると、プロセッサ31は、隣接設定または隣接解除設定によって変更されたアイコンをマップ画像に表示させる(Act79)。
図15は、図14の設定画面SC5から、基地局1Aと基地局1Bとを結ぶ線分L1を指定して、基地局1Aと基地局1Bとを隣接設定した場合の設定画面SC6である。図示するように、基地局1Aと基地局1Bとを示すアイコンは、「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更されている。また、基地局1Aと基地局1Bとを結ぶ線分L1が破線から実線に変更されている。したがって作業者は、このマップ画像から、基地局1Aと基地局1Bとが隣接設定されたことを視覚的に確認することができる。
Act71〜Act73の待ち受け状態において、プロセッサ31は、保存ボタンG11が指定されたことを検知すると(Act73、YES)、第1の実施形態と同様に、地図テーブル321のデータで基地局データベース333を更新する(図13、Act80)。その後、プロセッサ31は、設定画面を消去する(図13、Act81)。
なお、Act71〜Act73の待ち受け状態において、プロセッサ31は、キャンセルボタンG12が指定されたことを検知した場合には(Act72、YES)、Act80の処理を実行することなく、設定画面を消去する(図13、Act81)。以上で、プロセッサ31は、隣接設定動作が選択された場合の処理を終了する。
このように第3の実施形態によれば、基地局間を結ぶ線分を指定するだけで、その線分の両端にある一対の基地局を隣接設定することができる。したがって、基地局を特定するためのビーコンIDを手入力する必要が全くないので、入力ミスを未然に防ぐことができる。また、隣接設定に要する作業の手間と時間も大幅に簡略化することができる。
[第4の実施形態]
図16は、サーバ3の動作メニューのなかから隣接設定動作が選択された場合の、第4の実施形態におけるプロセッサ31の処理手順を示す流れ図である。この処理手順は、予め設定されたプログラムに従ったものである。なお、図16に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
隣接設定動作を開始すると、プロセッサ31は先ず、表示部36に設定画面SC7(図17を参照)を表示させる(図16、Act91)。
図17は、設定画面SC7の一例を示す。図示するように設定画面SC7は、2つのプルダウン領域D21、D22と、8つのテキスト領域T21〜T28と、1つのマップ領域M21と、保存ボタンG21と、キャンセルボタンG22とを含む。
プルダウン領域D21は、マップ画像データを格納したデータファイルのファイル名を示すテキストデータ(「MAP1」、「MAP2」、…)をメニューとしたプルダウンリストの領域である。プルダウン領域D22は、測位方式に係るテキストデータ(「一点」、「二点」、「三点」)をメニューとしたプルダウンリストの領域である。
テキスト領域T21は、編集対象である当該基地局1のビーコンIDが表示される領域である。テキスト領域T22〜T24は、当該基地局1のビーコンIDに関連付けて基地局データベース333に設定された補正値、受信閾値及び設置座標が表示される領域である。
テキスト領域T25は、当該基地局1に対して隣接設定される基地局1のビーコンIDが表示される領域である。テキスト領域T26〜T28は、隣接設定される基地局1のビーコンIDに関連付けて基地局データベース333に設定された補正値、受信閾値及び設置座標が表示される領域である。
マップ領域M21は、プルダウン領域D2のプルダウンリストの中から選択されたファイル名のデータファイルに格納されたマップ画像データに基づくマップ画像が表示される領域である。
保存ボタンG21は、設定画面SC7上で隣接設定された1の基地局と他の基地局との関連付けに係る情報を基地局データベース333に保存することを作業者が指示する場合に入力するボタンである。キャンセルボタンG22は、同情報を基地局データベース333に保存しないことを作業者が指示する場合に入力するボタンである。
設定画面SC7を確認した作業者は、先ず、プルダウン領域D21を操作して、隣接設定を行うフロアの地図(ファイル名)を選択する。また作業者は、プルダウン領域D22を操作して、測位方式を選択する。プルダウン領域D22のプルダウンリストには、「一点測位」、「二点測位」、「三点測位」及び「全て」のメニューがあるので、作業者は、「二点測位」又は「全て」を選択する。
設定画面SC7を表示させたプロセッサ31は、プルダウン領域D21において、マップ画像データを格納したデータファイルのファイル名が選択されるのを待ち受ける(図16、Act92)。ファイル名が選択されると(Act92、YES)、プロセッサ31は、第3の実施形態のAct53と同様に、地図テーブル321を作成する(図16、Act53)。またプロセッサ31は、同実施形態のAct54と同様に、地図テーブル321の項目「アイコンS」に、アイコン「白丸」、アイコン「下向き白三角」またはアイコン「白四角」を記述する(図16、Act94)。そしてプロセッサ31は、マップ画像データと地図テーブル321のデータとから、マップ領域M21にマップ画像を表示させる(図16、Act95)。
マップ画像を確認した作業者は、入力部35を操作して、そのマップ画像に表示されているアイコンの中から、編集対象とする当該基地局1のアイコンを指定する。例えば入力部35がタッチパネルの場合、作業者は当該基地局1のアイコンにタッチする。例えば入力部35がマウスである場合、作業者は当該基地局1のアイコンにポインタ又はカーソルを重ねてクリックする。
マップ画像を表示させたプロセッサ31は、アイコンが指定されるのを待ち受ける(図16、Act96)。アイコンが指定されると(Act96、YES)、プロセッサ31は、地図テーブル321に対し、指定されたアイコンでマップ画像上に表わされている基地局1のビーコンID(以下、指定ビーコンIDと称する)に対応した項目「編集対象F」のフラグを“1”にセットする(図16、Act97)。またプロセッサ31は、他のビーコンIDに対応した項目「編集対象F」のフラグを“0”にリセットする(図16、Act98)。
次にプロセッサ31は、地図テーブル321において、指定ビーコンIDに対応した項目「測位方式」のデータが「二点」であるか否かを確認する(図16、Act99)。そして「二点」である場合(Act99、YES)、プロセッサ31は、指定ビーコンIDに対応した項目「アイコンS」に、アイコン「上向き黒三角」を記述する(図16、Act100)。またプロセッサ31は、指定ビーコンIDに対応した項目「隣接ID」に、ビーコンID(以下、隣接ビーコンIDと称する)が記述されているか否かを確認する(図16、Act101)。隣接ビーコンIDが記述されている場合(Act101、YES)、プロセッサ31は、地図テーブル321の項目「ビーコンID」に隣接ビーコンIDが記憶されたデータレコードの項目「アイコンS」に、アイコン「上向き白三角」を記述する(図16、Act102)。Act101において、隣接ビーコンIDが記述されていない場合には(Act101、NO)、プロセッサ31は、Act102の処理をスキップする。
一方、Act99において、指定ビーコンIDに対応した項目「測位方式」のデータが「二点」でない場合(Act99、NO)、プロセッサ31は、指定ビーコンIDに対応した項目「アイコンS」に、アイコン「黒丸」またはアイコン「黒四角」を記述する(図16、Act103)。すなわちプロセッサ31は、項目「測位方式」のデータが「一点」のデータレコードに対しては、アイコン「黒丸」を記述し、項目「測位方式」のデータが「三点」のデータレコードに対しては、アイコン「黒四角」を記述する。
Act102又はAct103の処理を終えるか、Act102の処理をスキップすると、プロセッサ31は、第1の実施形態で説明した図5のAct21の処理へと進む。
すなわちプロセッサ31は、アイコンが指定されるか、キャンセルボタンG2または保存ボタンG1が指定されるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、アイコンが指定されると(Act21、YES)、プロセッサ31は、Act24乃至Act33の処理を実行する。キャンセルボタンG2が指定されると(Act22、YES)、プロセッサ31は、設定画面を消去する(図5、Act35)。保存ボタンG1が指定されると(Act23、YES)、プロセッサ31、地図テーブル321のデータで基地局データベース333を更新する(図5、Act34)。その後、プロセッサ31は、設定画面を消去する(図5、Act35)。
このように第4の実施形態においては、作業者は、図17に示す設定画面SC7のマップ領域M21に表示されたマップ画像から、例えば基地局1Aと隣接設定が可能な基地局は、基地局1B及び基地局1Cであると視覚的に特定することができる。そこで作業者は、先ず、当該基地局である基地局1Aのアイコンを指定する。そうすると、図18に示す設定画面SC8のように、基地局1Aのアイコンが「下向き白三角」から「上向き黒三角」切り替わる。また、テキスト領域T21〜T24に、基地局1AのビーコンID「B01」、補正値「+5」、受信閾値「−70」、設置座標「215,370」が表示される。次いで、作業者は、例えば基地局1Aに対する隣接基地局として基地局1Bのアイコンを指定する。そうすると、設定画面SC8のように、基地局1Bのアイコンが「下向き白三角」から「上向き白三角」切り替わる。また、テキスト領域T21〜T24に、基地局1BのビーコンID「B02」、補正値「−5」、受信閾値「−70」、設置座標「230,300」が表示される。この設定画面SC8により、作業者は、基地局1Aに対して基地局1Bが隣接設定されたことを視覚的に確認することができる。そしてその後、作業者が保存ボタンG1を指定すると、第1の実施形態と同様に、基地局データベース333が、図2に示す状態から図9に示す状態に更新される。したがって、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下、実施形態の変形例について説明する。
第1の実施形態において、基地局1Bのアイコンを指定するのでなく、テキスト領域T2に基地局1BのビーコンID「B02」を手入力してもよい。その場合も、図8に示すように、基地局1Bのアイコンが「下向き白三角」から「上向き白三角」に変更される。したがって、作業者は、アイコン「上向き黒三角」で示されている基地局1Aとアイコン「上向き白三角」で示された基地局1Bとが隣接設定されたことを視覚的に確認することができる。
第1〜第4の実施形態では、移動局2は、RSSI値をサーバ3に送信した。移動局2はRSSI値を距離情報に変換し、距離情報をサーバ3に送信してもよい。
第1〜第4の実施形態では、各基地局1をビーコン信号の発信局とし、移動局2をビーコン信号の受信局とした。移動局2をビーコン信号の発信局とし、各基地局1をビーコン信号の受信局としてもよい。この場合、サーバ3は、各基地局1からRSSI値又はRSSI値を変換した距離情報を取得する。そしてサーバ3は、このRSSI値又は距離情報に基づいて、移動局2の位置を特定する。
第1〜第4の実施形態では、サーバ3を測位装置とした。測位装置は、サーバ3に限定されるものではない。例えば移動局2が測位装置としての機能を有することも可能である。
第1〜第4の実施形態では、複数点の測位方式として二点測位方式を例示した。例えば三点測位方式の場合も、同一の組となる3つの基地局に対し、それぞれ画像に対する入力により、3点測位方式の組となる基地局であることを示す情報を関連付けることで、この発明を適用することができる。
第1〜第4の実施形態では、設定画面の操作によって、基地局データベース333に保存される基地局1毎のデータレコードに対し、隣接設定の組となる基地局であることを示す情報を追加、削除、または変更した。このようなデータレコードの更新は、画面操作ではない方法で行うこともできる。例えば、データレコードの記述されている各項目の情報を1行毎に記載してある設定ファイルとして書き出す機能、いわゆるエクスポート機能と、その設定ファイルを読み込む機能、いわゆるインポート機能とを有する場合である。すなわち、エクスポート機能によって書き出した設定ファイルを直接編集することで隣接設定に関する情報を追加、削除または変更し、それをインポート機能によってシステム上に反映させる方法である。このように方法で基地局データベース333のデータレコードが更新された場合でも、例えば設定画面のマップ領域M1に、更新内容を反映させたマップ画像を表示させることで、視覚的に隣接設定の状況を確認することができる。
ところで、基地局データベース333のデータレコードを直接編集した場合には、その編集が正しいか否かを検証する必要がある。検証としては、以下の項目が挙げられる。
・一方から他方への隣接設定がなされている場合に、他方からも同様に隣接設定がなされているか
・隣接設定されている基地局1の測位方式は二点測位方式か否か
・隣接設定されている基地局1のビーコンIDが存在するか
なお、これらの項目について全て検証するのではなく、検証に必要な項目を選択できるようにすることが好ましい。
検証された結果は、更新内容を反映させたマップ画像とともに画面上に表示して作業者に通知できるようにする。検証結果を通知することで、作業者は、どのような誤りがあったのかを確認できる。その場合において、通知とともにその誤った箇所を修正するか否かを作業者に問い合わせるようにしてもよい。例えばビーコンID「B01」のデータレコードには、隣接設定となる他のビーコンIDとして「B03」が記述されているのに対し、ビーコンID「B03」のデータレコードには、隣接設定となる他のビーコンIDとして「B01」が記述されていない場合、ビーコンID「B01」と「B03」とのアイコンを編集対象として画面に表示する。若しくは、隣接設定の組が正確に指定されていないことを通知し、修正するかどうかを作業者に問い合わせる画面を表示する。このような作業者への通知方法の選択や、修正を促すための問合せを行うか、問合せを行わずに強制的に修正するか、といったような設定は、適宜変更できるようにする。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。