JP2018163070A - 溶射皮膜の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶射皮膜における、閉口き裂や閉口界面、粒界に発生するマイクロボイドやマイクロクラック等の内部欠陥、また、皮膜組織の不均一性等の微小不健全部の検出及び評価が可能であり、溶射皮膜の厚みも測定可能な溶射皮膜の検査方法を提供する。【解決手段】基材の表面に形成された溶射皮膜に、水を介して大振幅正弦波超音波を入射し、入射正弦波からの波形のゆがみを高調波として抽出するので、溶射皮膜における閉口き裂や閉口界面、内部欠陥、また、組織の微小不健全部の検出及び評価が可能になり、溶射皮膜の厚みも測定可能になる。【選択図】図1
Description
本発明は、溶射皮膜の特性を非破壊で評価するための溶射皮膜の検査方法に関する。
溶射技術は、部材(基材)表面に耐摩耗性や耐食性等の機能性を付与する表面処理技術として、また、摩耗損傷部の寸法復元技術として、鉄鋼産業を始めとする各産業界で広く利用されている。具体的には、例えば、数μm〜1mm程度の溶射材料粒子(粉末)を、燃焼炎や電気エネルギー(アーク熱やプラズマジェット等)により加熱し溶融させ、100〜1000m/sの粒子速度で基材に衝突させ急速凝固させて、基材の表面に溶射皮膜(以下、単に皮膜ともいう)を形成する技術である。
溶射皮膜の形成過程においては、溶射皮膜に不均質組織や内部欠陥(例えば、溶射粒子の酸化、急速な加熱(溶融)冷却による組織変化、皮膜内部の気孔、き裂、溶射粒子同士の密着性不足や基材と皮膜の密着性不足等)が生じ易いことが知られている。
このため、溶射皮膜の特性(主に、品質を低下させると考えられる内部欠陥等の要因)を非破壊で評価する方法として、従来、パルス反射超音波を用いて、音響インピーダンス差を利用する超音波法等が採用されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
このため、溶射皮膜の特性(主に、品質を低下させると考えられる内部欠陥等の要因)を非破壊で評価する方法として、従来、パルス反射超音波を用いて、音響インピーダンス差を利用する超音波法等が採用されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
日本学術振興会製鋼第19委員会編、超音波探傷法 改訂新版(日刊工業新聞社、1974年発行)p2、p173〜176
しかしながら、従来の方法を、閉口き裂や閉口界面、粒界に発生するマイクロボイドやマイクロクラック等の内部欠陥、また、皮膜組織の不均一性等の微小不健全部の検出及び評価に対して用いた場合、音響インピーダンス差が少ないこと、また、組成や物性の差が少ないことから、検出及び評価が困難であった。ここで、閉口き裂とは、開口部が部分的に接触したき裂を意味し、閉口界面とは、異種材料の結合部分が全て密着することなく、部分的に離れている界面を意味する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、溶射皮膜における、閉口き裂や閉口界面、粒界に発生するマイクロボイドやマイクロクラック等の内部欠陥、また、皮膜組織の不均一性等の微小不健全部の検出及び評価が可能であり、溶射皮膜の厚みも測定可能な溶射皮膜の検査方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る溶射皮膜の検査方法は、基材の表面に形成された溶射皮膜に、水を介して大振幅正弦波超音波を入射し、入射正弦波からの波形のゆがみを高調波として抽出する。
本発明に係る溶射皮膜の検査方法において、前記大振幅正弦波超音波は、前記基材と前記溶射皮膜を合わせた厚み方向の共振周波数の整数倍の周波数を中心とする、予め設定した周波数範囲で周波数を掃引する正弦波バースト波であることが好ましい。
本発明に係る溶射皮膜の検査方法において、前記溶射皮膜の厚みを検査対象とする場合には、ハイパスフィルタを介して前記高調波から抽出した高次高調波の前記掃引した周波数の範囲における複数の極大周波数を測定し、溶射皮膜の種類ごとに予め作成した皮膜厚さと極大周波数の校正線に基づき、前記溶射皮膜の厚みを求めることが好ましい。
本発明に係る溶射皮膜の検査方法において、前記溶射皮膜の組織又は内部欠陥を検査対象とする場合には、前記正弦波バースト波は、サイクル数が1又は2であることが好ましい。
本発明に係る溶射皮膜の検査方法において、前記溶射皮膜の全部又は一部を、水中に浸漬させた状態、又は、水柱を介した状態で、前記大振幅正弦波超音波の送受信を行うことが好ましい。
本発明に係る溶射皮膜の検査方法は、溶射皮膜に、水を介して大振幅正弦波超音波を入射し、入射正弦波からの波形のゆがみを高調波として抽出するので、溶射皮膜における閉口き裂や閉口界面、内部欠陥、及び、組織の微小不健全部の検出及び評価が可能になり、溶射皮膜の厚みも測定可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る溶射皮膜の検査方法は、基材の表面に形成された溶射皮膜(以下、単に皮膜ともいう)に、水を介して正弦波バースト波(大振幅正弦波超音波の一例)を入射し、入射正弦波からの波形のゆがみを高調波として抽出して、溶射皮膜を検査する方法であって、非線形超音波法を用いている。以下、詳しく説明する。
本発明の一実施の形態に係る溶射皮膜の検査方法は、基材の表面に形成された溶射皮膜(以下、単に皮膜ともいう)に、水を介して正弦波バースト波(大振幅正弦波超音波の一例)を入射し、入射正弦波からの波形のゆがみを高調波として抽出して、溶射皮膜を検査する方法であって、非線形超音波法を用いている。以下、詳しく説明する。
皮膜としては、溶射材料に、例えば、金属、セラミックス、プラスチック、サーメットを使用したものがある。なお、金属には、例えば、自溶合金(Ni(ニッケル)基やCo(コバルト)基等)があるが、これに限定されるものではない。
基材には、金属、セラミックス、プラスチック、木等がある。
溶射方法には、例えば、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、コールドスプレー等があるが、これらに限定されるものではなく、使用する溶射材料に応じて種々選択できる。
溶射皮膜の後処理として、例えば、加熱拡散処理、再溶融処理、放電プラズマ焼結処理等の緻密化処理があるが、種々選択できる。
基材には、金属、セラミックス、プラスチック、木等がある。
溶射方法には、例えば、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、コールドスプレー等があるが、これらに限定されるものではなく、使用する溶射材料に応じて種々選択できる。
溶射皮膜の後処理として、例えば、加熱拡散処理、再溶融処理、放電プラズマ焼結処理等の緻密化処理があるが、種々選択できる。
検査対象は、溶射皮膜の異常(組織又は内部欠陥)と溶射皮膜の厚み(膜厚)等である。
この皮膜の異常には、例えば、以下のものがある。
・閉口き裂や閉口界面。
・粒界に発生するマイクロボイドやマイクロクラック等の内部欠陥。
・皮膜組織の不均一性等の微小不健全部。
この皮膜の異常には、例えば、以下のものがある。
・閉口き裂や閉口界面。
・粒界に発生するマイクロボイドやマイクロクラック等の内部欠陥。
・皮膜組織の不均一性等の微小不健全部。
溶射皮膜に入射する正弦波バースト波は、固体内部や界面を伝搬して非線形応答を示す大振幅正弦波超音波であり、送信波とは異なる周波数帯域の受信波により、皮膜の内部診断を行うことができる超音波である。なお、正弦波バースト波は、基材と溶射皮膜を合わせた厚み方向の共振周波数の整数倍の周波数を中心とする、予め設定した周波数範囲で周波数を掃引する超音波である。
これにより、例えば、皮膜の膜厚、また、皮膜内部に含まれる気孔や欠陥等の皮膜内散乱源密度変化を画像化(可視化)できる。
これにより、例えば、皮膜の膜厚、また、皮膜内部に含まれる気孔や欠陥等の皮膜内散乱源密度変化を画像化(可視化)できる。
ここで、図1を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る溶射皮膜の検査方法を適用する溶射皮膜の検査装置(以下、単に検査装置ともいう)10について説明する。
検査装置10は、前記した波形のゆがみを高調波として抽出して画像化する装置であり、バースト波信号発生器(周波数掃引式大振幅正弦波発生器)11と、バースト波信号増幅部(周波数掃引式大振幅正弦波増幅部)12と、超音波探触子13と、アナログハイパスフィルタ(ハイパスフィルタの一例)14と、走査機構15と、コンピュータ16とを有するものである。なお、検査装置10は、「川嶋紘一郎、非線形超音波を用いた固体材料の非破壊評価 −内部微細異質部の画像化− 非破壊検査第62巻1号、p.3−10、2013年」に記載の装置と略同様の構成であるため、以下、簡単に説明する。
検査装置10は、前記した波形のゆがみを高調波として抽出して画像化する装置であり、バースト波信号発生器(周波数掃引式大振幅正弦波発生器)11と、バースト波信号増幅部(周波数掃引式大振幅正弦波増幅部)12と、超音波探触子13と、アナログハイパスフィルタ(ハイパスフィルタの一例)14と、走査機構15と、コンピュータ16とを有するものである。なお、検査装置10は、「川嶋紘一郎、非線形超音波を用いた固体材料の非破壊評価 −内部微細異質部の画像化− 非破壊検査第62巻1号、p.3−10、2013年」に記載の装置と略同様の構成であるため、以下、簡単に説明する。
バースト波信号発生器11は、電気信号(超音波信号)を発生させる機器である。
バースト波信号増幅部12は、バースト波信号発生器11で発生させた電気信号を電気的に増幅して送信する機器である。
超音波探触子13は、焦点型超音波探触子であり、送信と受信の機能を有している。
この焦点型超音波探触子は、バースト波信号増幅部12で増幅させた電気信号を正弦波バースト波として試験片(基材の表面に溶射皮膜が形成されたもの)17の溶射面に垂直入射させる機器である。また、焦点型超音波探触子を用いて、水を介して試験片17内に入射させた正弦波バースト波が試験片17を共振させた際に水中に漏洩した超音波信号(高調波)を受信する。
バースト波信号増幅部12は、バースト波信号発生器11で発生させた電気信号を電気的に増幅して送信する機器である。
超音波探触子13は、焦点型超音波探触子であり、送信と受信の機能を有している。
この焦点型超音波探触子は、バースト波信号増幅部12で増幅させた電気信号を正弦波バースト波として試験片(基材の表面に溶射皮膜が形成されたもの)17の溶射面に垂直入射させる機器である。また、焦点型超音波探触子を用いて、水を介して試験片17内に入射させた正弦波バースト波が試験片17を共振させた際に水中に漏洩した超音波信号(高調波)を受信する。
超音波探触子13に焦点型の探触子を用いることで、微細な内部異常を検出し画像化できる。なお、焦点型超音波探触子は、点集束型あるいは線集束型のいずれでもよい。
この場合、広帯域探触子を用いても、−6dB帯域幅は中心周波数と同程度であるため、高次高調波を検出できないと思われるが、アナログハイパスフィルタ14を用いて入射周波数成分を除去し、60〜80dB増幅することにより、5次高調波までは問題なく検出できる。
この場合、広帯域探触子を用いても、−6dB帯域幅は中心周波数と同程度であるため、高次高調波を検出できないと思われるが、アナログハイパスフィルタ14を用いて入射周波数成分を除去し、60〜80dB増幅することにより、5次高調波までは問題なく検出できる。
アナログハイパスフィルタ14は、焦点型受信超音波探触子で受信した波形から所望の高調波成分を抽出する多段切替式アナログハイパスフィルタである。この多段切替式アナログハイパスフィルタは、入射する正弦波バースト波の周波数と所望の高調波の各種組み合わせに対応できるものであり、波形がA/D変換される前の位置に配置されている。なお、多段切替式アナログハイパスフィルタを通過した信号は、受信増幅器18により増幅される。
上記した正弦波バースト波は、正弦波に近いことが必要であり、現実の固体内異質部や微細欠陥で励起される高調波振幅は基本波振幅の1%以下であるので、送信波に含まれる高調波振幅はそれ以下でなければならない。
上記した正弦波バースト波は、正弦波に近いことが必要であり、現実の固体内異質部や微細欠陥で励起される高調波振幅は基本波振幅の1%以下であるので、送信波に含まれる高調波振幅はそれ以下でなければならない。
走査機構15は、超音波探触子13(焦点型超音波探触子)を試験片17に対して相対的に移動させるものである。
図1においては、試験片17が水槽19内に水平に置かれ、超音波探触子13は水平面内で走査されるため、水中伝搬距離は一定である。このため、水に起因する高調波振幅は一定値であり、走査画像における高調波振幅の変化は全て試験片17から生じることになる。なお、表面粗さが選択した高調波次数に対応する波長と同程度以下であるときのみ、表面の影響が高調波画像に現れるが、それ以外は試験片17内部の高調波散乱源がコンピュータ16の表示部(図示しない)に表示される。
図1においては、試験片17が水槽19内に水平に置かれ、超音波探触子13は水平面内で走査されるため、水中伝搬距離は一定である。このため、水に起因する高調波振幅は一定値であり、走査画像における高調波振幅の変化は全て試験片17から生じることになる。なお、表面粗さが選択した高調波次数に対応する波長と同程度以下であるときのみ、表面の影響が高調波画像に現れるが、それ以外は試験片17内部の高調波散乱源がコンピュータ16の表示部(図示しない)に表示される。
コンピュータ16は、同期走査部20と、波形記録部(波形記憶部)21と、波形処理部(演算処理部)22と、画像化部(画像化処理部)23と、表示部とを有し、これらの処理部での各処理と、前記したバースト波信号発生器11、バースト波信号増幅部12、超音波探触子13、アナログハイパスフィルタ14、及び、走査機構15の各制御を、予めコンピュータ16に設定したプログラムにより行い、前記した波形のゆがみを高調波として抽出して画像化するものである。なお、コンピュータは、RAM、CPU、ROM、I/O、及び、これらの要素を接続するバスを備えた従来公知のものであるが、これに限定されるものではない。以下、簡単に説明する。
同期走査部20は、走査機構15の駆動とバースト波信号発生器11の信号を同期させる処理を行う。
波形記録部21は、受信増幅器18で増幅させたアナログ波形を高速かつ高分解能でAD変換して記憶する処理を行う。
波形記録部21は、受信増幅器18で増幅させたアナログ波形を高速かつ高分解能でAD変換して記憶する処理を行う。
波形処理部22は、波形記録部21で記憶した波形に対し、例えば、以下の超音波特性を演算処理する。
・最大振幅絶対値、引張側と圧縮側の最大振幅値、及び、それらの比。
・参照時間からの引張側と圧縮側の最大振幅受信時間差、及び、それらの比。
・周波数スペクトル、並びに、上記特性の入射電圧依存性。
画像化部23は、波形処理部22で演算処理された超音波特性を画像処理する。
表示部は、画像化部23で処理された画像を表示するディスプレイである。
・最大振幅絶対値、引張側と圧縮側の最大振幅値、及び、それらの比。
・参照時間からの引張側と圧縮側の最大振幅受信時間差、及び、それらの比。
・周波数スペクトル、並びに、上記特性の入射電圧依存性。
画像化部23は、波形処理部22で演算処理された超音波特性を画像処理する。
表示部は、画像化部23で処理された画像を表示するディスプレイである。
なお、図1では、試験片17を用いているため、試験片17全部を水槽19内の水中に浸漬させた状態で正弦波バースト波の送受信を行っているが、この方法に限定されるものではなく、検査の対象物(規模や形状、重量等)によって種々変更できる。
例えば、プラントの配管等の溶射皮膜を検査する場合は、配管等の溶射皮膜の検査領域(一部)を覆う部分的な水槽を用いて正弦波バースト波の送受信を行うこともでき、また、超音波探触子の周囲を水封容器で覆い極少量の水滴を漏洩させながら(水柱を介した状態で)正弦波バースト波の送受信を行うこともできる。
例えば、プラントの配管等の溶射皮膜を検査する場合は、配管等の溶射皮膜の検査領域(一部)を覆う部分的な水槽を用いて正弦波バースト波の送受信を行うこともでき、また、超音波探触子の周囲を水封容器で覆い極少量の水滴を漏洩させながら(水柱を介した状態で)正弦波バースト波の送受信を行うこともできる。
続いて、本発明の溶射皮膜の検査方法により、溶射皮膜の異常の検出と溶射皮膜の膜厚の測定を行った実施例について説明する。
溶射皮膜の検査は、上記した溶射皮膜の検査装置10と同じ構成を有する装置を使用して行った。この装置の主要構成要素は、具体的には、大振幅正弦波バースト波送受信機(RITEC RPR−4000:送信周波数 0.1−20MHz、バースト波送信サイクル数:1(2)−256、最大励起電圧:1800Vp−p、最大受信増幅率:99dB)、7軸スキャナー、画像化ソフトウエア(Insight Scan, Insight Analysis)、多段切替式アナログハイパスフィルタ(3〜100MHz)、及び、焦点型超音波探触子、である。
溶射皮膜の検査は、上記した溶射皮膜の検査装置10と同じ構成を有する装置を使用して行った。この装置の主要構成要素は、具体的には、大振幅正弦波バースト波送受信機(RITEC RPR−4000:送信周波数 0.1−20MHz、バースト波送信サイクル数:1(2)−256、最大励起電圧:1800Vp−p、最大受信増幅率:99dB)、7軸スキャナー、画像化ソフトウエア(Insight Scan, Insight Analysis)、多段切替式アナログハイパスフィルタ(3〜100MHz)、及び、焦点型超音波探触子、である。
(試験方法)
溶射皮膜の組織又は内部欠陥を検査対象として、溶射皮膜内の散乱源及び皮膜/基材界面の画像化を行うために、図2(A)に示す後方散乱波法(パルス反射法)を用いた。
具体的には、正弦波バースト波(3〜100MHz、更には下限を20MHz)を溶射皮膜に入射し、それにより励起された繰返応力(σ=ρCv、ρ:密度、C:音速、v=2πfA、v:粒子速度、f:周波数、A:入射振幅)により皮膜内の微視構造や欠陥を揺り動かし、入射周波数(f) と異なる周波数の高調波(nf)を抽出して、内部の異常部を観察した。なお、溶射皮膜と基材との界面近傍の高調波散乱源(ボイド等の内部欠陥)の可視化には、図2(A)に示すように、1〜2サイクルの正弦波バースト波を送信し、16度あるいは19度斜角入射によりモード変換横波を励起し、超音波探触子を水平面内で走査して、溶射皮膜からの散乱波を受信し、画像化した。
溶射皮膜の組織又は内部欠陥を検査対象として、溶射皮膜内の散乱源及び皮膜/基材界面の画像化を行うために、図2(A)に示す後方散乱波法(パルス反射法)を用いた。
具体的には、正弦波バースト波(3〜100MHz、更には下限を20MHz)を溶射皮膜に入射し、それにより励起された繰返応力(σ=ρCv、ρ:密度、C:音速、v=2πfA、v:粒子速度、f:周波数、A:入射振幅)により皮膜内の微視構造や欠陥を揺り動かし、入射周波数(f) と異なる周波数の高調波(nf)を抽出して、内部の異常部を観察した。なお、溶射皮膜と基材との界面近傍の高調波散乱源(ボイド等の内部欠陥)の可視化には、図2(A)に示すように、1〜2サイクルの正弦波バースト波を送信し、16度あるいは19度斜角入射によりモード変換横波を励起し、超音波探触子を水平面内で走査して、溶射皮膜からの散乱波を受信し、画像化した。
皮膜厚さの測定には、図2(B)に示す局部共振法、即ち、試験片の厚さ方向の共振周波数を持つ長い正弦波バースト波(3〜100MHz、更には下限を20MHz)を送信して厚さ方向の定在波振幅を増大させる方法により、皮膜厚さと共振周波数の関係を求めた。
具体的には、図2(B)に示すように縦波垂直入射により板厚方向の高次共振周波数に対応する12あるいは22サイクルの正弦波バースト波を送信し、周波数を掃引して振幅が極大となる周波数(ハイパスフィルタを介して高調波から抽出した高次高調波の掃引した周波数の範囲における複数の極大周波数)を選択し、その周波数における高次高調波振幅を可視化した。
具体的には、図2(B)に示すように縦波垂直入射により板厚方向の高次共振周波数に対応する12あるいは22サイクルの正弦波バースト波を送信し、周波数を掃引して振幅が極大となる周波数(ハイパスフィルタを介して高調波から抽出した高次高調波の掃引した周波数の範囲における複数の極大周波数)を選択し、その周波数における高次高調波振幅を可視化した。
平板の厚さ方向の縦波共振周波数Frは、材料の縦波音速Vと板厚hを用いて次式で与えられる。
Fr=nV/(2h)
ただし、nは整数。
例えば、厚さ10mmの鋼板の1次共振周波数は約0.3MHzである。円筒の径に比べて超音波ビーム径が小さい場合には、平板と同様に共振周波数を推定できる。
また、測定では、10次程度の共振周波数を入射した。鋼より音速の速い溶射皮膜の存在により基材(鋼)と皮膜を併せた上記式のVが大きくなるため、共振周波数が鋼より増大する。
共振周波数測定には、中心周波数5MHz、焦点距離76mm、素子径9.6mmの超音波探触子を用いた。皮膜内散乱源の可視化には、中心周波数30MHz、焦点距離25mm、素子径6.4mmの超音波探触子を用いた。膜厚測定には、中心周波数30MHz、焦点距離25mm、素子径6.4mm、及び、中心周波数10MHzあるいは5MHz、焦点距離76mm、素子径9.6mmの超音波探触子を用いた。
Fr=nV/(2h)
ただし、nは整数。
例えば、厚さ10mmの鋼板の1次共振周波数は約0.3MHzである。円筒の径に比べて超音波ビーム径が小さい場合には、平板と同様に共振周波数を推定できる。
また、測定では、10次程度の共振周波数を入射した。鋼より音速の速い溶射皮膜の存在により基材(鋼)と皮膜を併せた上記式のVが大きくなるため、共振周波数が鋼より増大する。
共振周波数測定には、中心周波数5MHz、焦点距離76mm、素子径9.6mmの超音波探触子を用いた。皮膜内散乱源の可視化には、中心周波数30MHz、焦点距離25mm、素子径6.4mmの超音波探触子を用いた。膜厚測定には、中心周波数30MHz、焦点距離25mm、素子径6.4mm、及び、中心周波数10MHzあるいは5MHz、焦点距離76mm、素子径9.6mmの超音波探触子を用いた。
(溶射皮膜の作製)
ニッケル基自溶合金粉末を、アセチレン−酸素ガスを使用したフレーム溶射装置を用いて、事前にブラスト処理した軟鋼の基材上に溶射し成膜した。使用したニッケル基自溶合金粉末の組成は、質量%で、Cr:16.3%、Cu:2.24%、Mo:2.16%、B:3.58%、Si:3.96%、Fe:2.65%、C:0.60%、残部がNi、である。また、フレーム溶射装置には、5P−II粉末フレーム溶射ガン(エリコンメテコ製)を用い、アセチレン−酸素ガスの流量を、O2:30NL/分、C2H2:14NL/分、とした。
ニッケル基自溶合金粉末を、アセチレン−酸素ガスを使用したフレーム溶射装置を用いて、事前にブラスト処理した軟鋼の基材上に溶射し成膜した。使用したニッケル基自溶合金粉末の組成は、質量%で、Cr:16.3%、Cu:2.24%、Mo:2.16%、B:3.58%、Si:3.96%、Fe:2.65%、C:0.60%、残部がNi、である。また、フレーム溶射装置には、5P−II粉末フレーム溶射ガン(エリコンメテコ製)を用い、アセチレン−酸素ガスの流量を、O2:30NL/分、C2H2:14NL/分、とした。
形成したニッケル基自溶合金溶射皮膜を、アセチレン−酸素を使用したガスバーナーを用いて再溶融処理(溶射した皮膜を約1000℃に加熱溶融)し、散乱源密度測定に用いた。
なお、縦波及び横波の音速と膜厚の測定には、図3に示す供試材を用いた。
具体的には、鉄鋼製の基材上に形された自溶合金の再溶融皮膜を段階的に研削し、膜厚を、0mm(皮膜を無くした部分)、0.5mm、1.0mm、及び、2.0mm、とした。また、供試材の右側端部については、基材(図3中の二点鎖線部分)を除去し、再溶融皮膜のみの部分とした。なお、図3中の数値の単位はmmである。
なお、縦波及び横波の音速と膜厚の測定には、図3に示す供試材を用いた。
具体的には、鉄鋼製の基材上に形された自溶合金の再溶融皮膜を段階的に研削し、膜厚を、0mm(皮膜を無くした部分)、0.5mm、1.0mm、及び、2.0mm、とした。また、供試材の右側端部については、基材(図3中の二点鎖線部分)を除去し、再溶融皮膜のみの部分とした。なお、図3中の数値の単位はmmである。
(自溶合金の縦波及び横波の音速測定)
図3に示す供試材の右側端部の基材部を除去した自溶合金の再溶融皮膜の単体部分について、直接接触法により縦波と横波の多重反射波を収録して音速を求めた。なお、縦波については中心周波数5MHzの平面探触子を、横波については2.25MHzの平面探触子を、それぞれ用い、スパイク波パルス送受信器(パナメトリクス製 5900PR)を用いた。得られた波形図を図4に示す。
図4に示す波形図(横軸単位はμs、縦軸は相対受信振幅)から、縦波音速は約6360m/s、横波音速は3370m/sと計算された。この結果より、水中から自溶合金の皮膜に16度あるいは19度で斜角入射したときの横波屈折角は、38度あるいは47度となる。
図3に示す供試材の右側端部の基材部を除去した自溶合金の再溶融皮膜の単体部分について、直接接触法により縦波と横波の多重反射波を収録して音速を求めた。なお、縦波については中心周波数5MHzの平面探触子を、横波については2.25MHzの平面探触子を、それぞれ用い、スパイク波パルス送受信器(パナメトリクス製 5900PR)を用いた。得られた波形図を図4に示す。
図4に示す波形図(横軸単位はμs、縦軸は相対受信振幅)から、縦波音速は約6360m/s、横波音速は3370m/sと計算された。この結果より、水中から自溶合金の皮膜に16度あるいは19度で斜角入射したときの横波屈折角は、38度あるいは47度となる。
(膜厚測定)
周波数5MHz、素子径9.6mm、焦点距離76mmの超音波探触子を用いて、送信サイクル数12の正弦波バースト波を送信し、膜厚測定を行った。皮膜厚さと共振周波数(極大周波数)及び正規化振幅(3.3MHz)との関係を、図5に示す。
図5に示すように、皮膜厚さと共振周波数は略線形関係となり、3.3MHz正弦波バースト波送信時の受信振幅は、皮膜厚さに対し単調に増大することが判った。
従って、溶射皮膜の種類ごとに共振周波数と厚さの校正曲線(校正線)を予め作成し、この校正曲線に基づいて、検査対象となる皮膜の厚みを求めることで、皮膜厚さを0.1mm程度の誤差で測定できる。
周波数5MHz、素子径9.6mm、焦点距離76mmの超音波探触子を用いて、送信サイクル数12の正弦波バースト波を送信し、膜厚測定を行った。皮膜厚さと共振周波数(極大周波数)及び正規化振幅(3.3MHz)との関係を、図5に示す。
図5に示すように、皮膜厚さと共振周波数は略線形関係となり、3.3MHz正弦波バースト波送信時の受信振幅は、皮膜厚さに対し単調に増大することが判った。
従って、溶射皮膜の種類ごとに共振周波数と厚さの校正曲線(校正線)を予め作成し、この校正曲線に基づいて、検査対象となる皮膜の厚みを求めることで、皮膜厚さを0.1mm程度の誤差で測定できる。
(画像化)
自溶合金の溶射皮膜の平板試験片を用い、再溶融処理の有無による皮膜内の散乱源の違いを、20MHz、2サイクル、19度斜角入射、60MHzハイパスフィルタ使用により画像化した。なお、正弦波バースト波は、サイクル数が1でもよい。
図6(A)は高調波振幅を画像化した説明図、図6(B)の上側は溶射後再溶融処理を行わなかった皮膜の散乱源画像、下側は再溶融処理後の皮膜の散乱源画像、である。再溶融処理なしの皮膜では、再溶融処理後の皮膜に比べて有意に散乱源密度が高いことが判った。
自溶合金の溶射皮膜の平板試験片を用い、再溶融処理の有無による皮膜内の散乱源の違いを、20MHz、2サイクル、19度斜角入射、60MHzハイパスフィルタ使用により画像化した。なお、正弦波バースト波は、サイクル数が1でもよい。
図6(A)は高調波振幅を画像化した説明図、図6(B)の上側は溶射後再溶融処理を行わなかった皮膜の散乱源画像、下側は再溶融処理後の皮膜の散乱源画像、である。再溶融処理なしの皮膜では、再溶融処理後の皮膜に比べて有意に散乱源密度が高いことが判った。
これは、図6(C)に示す再溶融処理なしの皮膜の断面組織と、図6(D)に示す再溶融処理後の皮膜の断面組織から、再溶融処理なしの皮膜では溶射粒子の形状がはっきりしており、溶射粒子表面(粒子と粒子の界面)に酸化膜の存在や粒子間に気孔が存在することから、散乱源密度が高いことに起因すると思われる。
それに比較して、再溶融処理後の皮膜は溶射粒子同士の界面が融合し、気孔も減少していることから、再溶融処理なしの皮膜より均質で、散乱源密度が低かったと思われる。しかし、皮膜と基材界面には空隙(気孔)があり、それらの要因により、散乱が発生したものと思われる。
それに比較して、再溶融処理後の皮膜は溶射粒子同士の界面が融合し、気孔も減少していることから、再溶融処理なしの皮膜より均質で、散乱源密度が低かったと思われる。しかし、皮膜と基材界面には空隙(気孔)があり、それらの要因により、散乱が発生したものと思われる。
図7(A)〜(C)に皮膜表面からの深さの増大に伴う散乱源画像の違いを示す。なお、図7(A)から図7(C)へかけて、皮膜表面からの深さが深くなっている。
図7(A)〜(C)に示すように、浅い位置では目視で観察されるコントラストに対応する円形の高散乱領域が見られ、深い位置になるに伴いこのコントラストは弱くなることが判った。
従って、溶射皮膜の内部異常を非破壊で画像化することができる。
図7(A)〜(C)に示すように、浅い位置では目視で観察されるコントラストに対応する円形の高散乱領域が見られ、深い位置になるに伴いこのコントラストは弱くなることが判った。
従って、溶射皮膜の内部異常を非破壊で画像化することができる。
以上のことから、本発明の溶射皮膜の検査方法を用いることで、溶射皮膜における閉口き裂や閉口界面、内部欠陥、また、組織の微小不健全部の検出及び評価が可能になり、溶射皮膜の厚みも測定可能になることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の溶射皮膜の検査方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
10:溶射皮膜の検査装置、11:バースト波信号発生器、12:バースト波信号増幅部、13:超音波探触子、14:アナログハイパスフィルタ(ハイパスフィルタ)、15:走査機構、16:コンピュータ、17:試験片、18:受信増幅器、19:水槽、20:同期走査部、21:波形記録部、22:波形処理部、23:画像化部
Claims (5)
- 基材の表面に形成された溶射皮膜に、水を介して大振幅正弦波超音波を入射し、入射正弦波からの波形のゆがみを高調波として抽出することを特徴とする溶射皮膜の検査方法。
- 請求項1記載の溶射皮膜の検査方法において、前記大振幅正弦波超音波は、前記基材と前記溶射皮膜を合わせた厚み方向の共振周波数の整数倍の周波数を中心とする、予め設定した周波数範囲で周波数を掃引する正弦波バースト波であることを特徴とする溶射皮膜の検査方法。
- 請求項2記載の溶射皮膜の検査方法において、前記溶射皮膜の厚みを検査対象とし、ハイパスフィルタを介して前記高調波から抽出した高次高調波の前記掃引した周波数の範囲における複数の極大周波数を測定し、溶射皮膜の種類ごとに予め作成した皮膜厚さと極大周波数の校正線に基づき、前記溶射皮膜の厚みを求めることを特徴とする溶射皮膜の検査方法。
- 請求項2記載の溶射皮膜の検査方法において、前記溶射皮膜の組織又は内部欠陥を検査対象とし、前記正弦波バースト波は、サイクル数が1又は2であることを特徴とする溶射皮膜の検査方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶射皮膜の検査方法において、前記溶射皮膜の全部又は一部を、水中に浸漬させた状態、又は、水柱を介した状態で、前記大振幅正弦波超音波の送受信を行うことを特徴とする溶射皮膜の検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060956A JP2018163070A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 溶射皮膜の検査方法 |
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---|---|---|---|---|
CN109765303A (zh) * | 2019-01-18 | 2019-05-17 | 湘潭大学 | 用于衬砌结构背后脱空程度的检测方法 |
CN116382380A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-07-04 | 四川馨香源环保科技有限公司 | 一种玄武岩纤维复合板喷涂状态检测控制系统 |
-
2017
- 2017-03-27 JP JP2017060956A patent/JP2018163070A/ja active Pending
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CN109765303A (zh) * | 2019-01-18 | 2019-05-17 | 湘潭大学 | 用于衬砌结构背后脱空程度的检测方法 |
CN109765303B (zh) * | 2019-01-18 | 2021-06-15 | 湘潭大学 | 用于衬砌结构背后脱空程度的检测方法 |
CN116382380A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-07-04 | 四川馨香源环保科技有限公司 | 一种玄武岩纤维复合板喷涂状态检测控制系统 |
CN116382380B (zh) * | 2023-06-05 | 2023-08-18 | 四川馨香源环保科技有限公司 | 一种玄武岩纤维复合板喷涂状态检测控制系统 |
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