JP2018162829A - 車両の制御装置 - Google Patents

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広康 原田
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Abstract

【課題】振り子ダンパを備える車両において、エンジン停止制御中に運転者に伝わる異音を適切に抑制できる制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン停止時に前進用クラッチC1を係合することで、タービン回転速度Ntが速やかに低下するため、振り子ダンパ66で発生する異音が抑制される。一方、前進用クラッチC1が係合される背反として振り子ダンパ66以外の部分において異音が発生する可能性があるが、タービン回転速度Ntが所定値α以下になるまでの間、エンジン12の駆動による暗騒音を発生させることで、その異音が車内で聞こえにくくなる。結果として、エンジン停止制御中に運転者に伝わる異音が抑制される。
【選択図】図5

Description

本発明は、振り子ダンパを備える車両の制御装置に係り、特にエンジン停止制御中の異音抑制に関するものである。
トルクコンバータ内部に振り子ダンパを備えたものが知られている。特許文献1の捩り振動低減装置がそれである。特許文献1には、トルクコンバータ内部に振り子ダンパ(捩り振動低減装置)を備える車両において、エンジンが停止する際に発進クラッチを解放し、且つ、ロックアップ状態でタービン回転速度を制御することに加え、エンジン回転速度とタービン回転速度とが反転しないようにロックアップクラッチの係合状態を制御することで、異音の発生を抑制しつつエンジンを停止させることが記載されている。
特開2015−214999号公報 特開2009−204065号公報 特開2012−224150号公報 特開2016−161070号公報
上記のように、特許文献1にあっては、エンジン停止制御中にロックアップクラッチの係合状態を制御することで、タービン回転速度を速やかに引き下げて振り子ダンパで発生する異音を抑制していた。ところで、車両が停止状態にある場合、エンジン停止制御中に発進クラッチを係合すれば、タービン回転速度をさらに速やかに引き下げて異音を効果的に抑制することができる。しかしながら、エンジン停止制御中に発進クラッチを係合させた場合には、例えば回転部材間の嵌合部や歯車の噛合部などの振り子ダンパ以外の部分において異音が発生する可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、振り子ダンパを備える車両において、エンジン停止制御中に運転者に伝わる異音を適切に抑制できる制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、そのエンジンに動力伝達可能に連結されているトルクコンバータと、そのトルクコンバータ内部に設けられている振り子ダンパと、前記トルクコンバータと駆動輪との動力伝達経路中に設けられ、車両発進時に係合される摩擦係合装置とを、備える車両の制御装置であって、(b)車両停止状態で前記エンジンを停止する際には、前記摩擦係合装置を係合してタービン回転速度を低下させ、そのタービン回転速度が所定値以下になるまでの間、暗騒音を発生させる制御部を備えることを特徴とする。
第1発明の車両の制御装置によれば、エンジン停止時に摩擦係合装置を係合することで、タービン回転速度が速やかに低下するため、振り子ダンパで発生する異音が抑制される。一方、摩擦係合装置が係合される背反として振り子ダンパ以外の部分において異音が発生する可能性があるが、タービン回転速度が所定値以下になるまでの間、暗騒音を発生させることで、その異音が車内で聞こえにくくなる。結果として、エンジン停止制御中に運転者に伝わる異音が抑制される。
本発明が適用された車両の概略構成を説明する図である。 図1の振り子ダンパを矢印A方向から見たときの矢視図である。 図1の車両における各種制御を実行する電子制御装置の制御機能および制御系統の要部を説明する図である。 図3の電子制御装置の制御作動の要部、すなわちエンジン停止制御中に運転者に伝わる異音を抑制する制御作動を説明するためフローチャートである。 図4のフローチャートに基づいてエンジン停止制御を実行したときの作動状態を示すタイムチャートの一態様である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両10の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の原動機として機能するエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのハウジング18内において、エンジン12に動力伝達可能に連結されている流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20の出力回転部材であるタービン軸と一体的に設けられた入力軸22、入力軸22に連結された無段変速機構としての公知のベルト式無段変速機24(以下、無段変速機24)、同じく入力軸22に連結された前後進切換装置26、前後進切換装置26を介して入力軸22に連結されて無段変速機24と並列に設けられた伝動機構としてのギヤ機構28、無段変速機24およびギヤ機構28の共通の出力回転部材である出力軸30、カウンタ軸32、出力軸30およびカウンタ軸32に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置34、カウンタ軸32に相対回転不能に設けられたギヤ36から動力が伝達されるデフギヤ38、デフギヤ38に連結された1対の車軸40等を備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ20、無段変速機24(或いは前後進切換装置26およびギヤ機構28)、減速歯車装置34、デフギヤ38、および車軸40等を順次介して1対の駆動輪14へ伝達される。
このように、動力伝達装置16は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に並列に設けられた、無段変速機24およびギヤ機構28を備えている。よって、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を介して駆動輪14側(すなわち出力軸30)へ伝達する第1動力伝達経路と、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ機構28を介して駆動輪14側(すなわち出力軸30)へ伝達する第2動力伝達経路とを備え、車両10の走行状態に応じてその第1動力伝達経路とその第2動力伝達経路とが切り換えられるように構成されている。そのため、動力伝達装置16は、上記第1動力伝達経路と上記第2動力伝達経路とを選択的に切り替えるクラッチ機構として、上記第1動力伝達経路における動力伝達を断接するクラッチ機構としてのCVT走行用クラッチC2と、上記第2動力伝達経路における動力伝達を断接するクラッチ機構としての前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1とを備えている。CVT走行用クラッチC2、前進用クラッチC1、および後進用ブレーキB1は、断接装置に相当するものであり、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式摩擦係合装置(摩擦クラッチ)である。また、前進用クラッチC1は、トルクコンバータ20と駆動輪14との動力伝達経路中に設けられ、車両前進時に係合される発進クラッチとして機能し、後進用ブレーキB1は車両後進時に係合される発進クラッチとして機能する。なお、前進用クラッチC1が、本発明の車両発進時に係合される摩擦係合装置に対応している。
前後進切換装置26は、入力軸22の回転軸線Cまわりにその入力軸22に対して同軸心に設けられており、ダブルピニオン型の遊星歯車装置26p、前進用クラッチC1、および後進用ブレーキB1を主体として構成されている。遊星歯車装置26pのキャリヤ26cは入力軸22に一体的に連結され、遊星歯車装置26pのリングギヤ26rは後進用ブレーキB1を介してハウジング18に選択的に連結され、遊星歯車装置26pのサンギヤ26sは入力軸22まわりにその入力軸22に対して同軸心に相対回転可能に設けられた小径ギヤ42に連結されている。また、キャリヤ26cとサンギヤ26sとは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。
このように構成された前後進切換装置26では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、入力軸22が小径ギヤ42に直結され、上記第2動力伝達経路において前進用動力伝達経路が成立(達成)させられる。また、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、小径ギヤ42は入力軸22に対して逆方向へ回転させられ、上記第2動力伝達経路において後進用動力伝達経路が成立させられる。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、上記第2動力伝達経路は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
ギヤ機構28は、小径ギヤ42と、ギヤ機構カウンタ軸44に相対回転不能に設けられてその小径ギヤ42と噛み合う大径ギヤ46とを含んで構成されている。従って、ギヤ機構28は、1つのギヤ段(ギヤ比)が形成される伝動機構である。ギヤ機構カウンタ軸44まわりには、アイドラギヤ48がギヤ機構カウンタ軸44に対して同軸心に相対回転可能に設けられている。ギヤ機構カウンタ軸44まわりには、更に、ギヤ機構カウンタ軸44とアイドラギヤ48との間に、これらの間を選択的に断接する噛合式クラッチD1が設けられている。従って、噛合式クラッチD1は、動力伝達装置16に備えられた、上記第2動力伝達経路における動力伝達を断接するクラッチ機構として機能する。具体的には、噛合式クラッチD1は、ギヤ機構カウンタ軸44に形成された第1ギヤ50と、アイドラギヤ48に形成された第2ギヤ52と、これら第1ギヤ50および第2ギヤ52と嵌合可能(係合可能、噛合可能)な内周歯が形成されたハブスリーブ54とを含んで構成されている。このように構成された噛合式クラッチD1では、ハブスリーブ54がこれら第1ギヤ50および第2ギヤ52と嵌合することで、ギヤ機構カウンタ軸44とアイドラギヤ48とが接続される。また、噛合式クラッチD1は、第1ギヤ50と第2ギヤ52とを嵌合する際に回転を同期させる、同期機構としての公知のシンクロメッシュ機構S1を更に備えている。アイドラギヤ48は、そのアイドラギヤ48よりも大径の出力ギヤ56と噛み合っている。出力ギヤ56は、出力軸30と同じ回転軸心まわりにその出力軸30に対して相対回転不能に設けられている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の一方が係合され且つ噛合式クラッチD1が係合されると、エンジン12の動力が入力軸22から前後進切換装置26、ギヤ機構28、アイドラギヤ48、および出力ギヤ56を順次経由して出力軸30に伝達される、第2動力伝達経路が成立(接続)させられる。
無段変速機24は、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路上に設けられている。無段変速機24は、入力軸22に設けられた有効径が可変のプライマリプーリ58と、出力軸30と同軸心の回転軸60に設けられた有効径が可変のセカンダリプーリ62と、その一対の可変プーリ58、62の間に巻き掛けられた伝動ベルト64とを備え、一対の可変プーリ58、62と伝動ベルト64との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる、よく知られたプッシュ式の無段変速機である。
プライマリプーリ58は、入力軸22に対して同軸に取り付けられた入力側固定回転体としての固定シーブ58aと、入力軸22に対して軸まわりの相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられた入力側可動回転体としての可動シーブ58bと、それらの間のV溝幅を変更するために可動シーブ58bを移動させるための推力を発生させるプライマリ側油圧アクチュエータ58c(以下、油圧アクチュエータ58cと称す)とを、備えている。
セカンダリプーリ62は、出力側固定回転体としての固定シーブ62aと、その固定シーブ62aに対して軸まわりの相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられた出力側可動回転体としての可動シーブ62bと、それらの間のV溝幅を変更するために可動シーブ62bを移動させるための推力を発生させるセカンダリ側油圧アクチュエータ62c(以下、油圧アクチュエータ62cと称す)とを、備えて構成されている。
無段変速機24では、一対の可変プーリ58、62のV溝幅が変化して伝動ベルト64の掛かり径(有効径)が変更されることで、変速比(ギヤ比)γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が連続的に変化させられる。例えば、プライマリプーリ58のV溝幅が狭くされると、ギヤ比γが小さくされる(すなわち無段変速機24がアップシフトされる)。また、プライマリプーリ58のV溝幅が広くされると、ギヤ比γが大きくされる(すなわち無段変速機24がダウンシフトされる)。出力軸30は、回転軸60まわりにその回転軸60に対して同軸心に相対回転可能に配置されている。CVT走行用クラッチC2は、無段変速機24よりも駆動輪14側に設けられており(すなわちセカンダリプーリ62と駆動輪14(出力軸30)との間に設けられており)、セカンダリプーリ62と出力軸30(駆動輪14)との間を選択的に断接する。このCVT走行用クラッチC2が係合されると、エンジン12の動力が入力軸22から無段変速機24を経由して出力軸30に伝達される、第1動力伝達経路が成立(接続)させられる。
トルクコンバータ20は、エンジン12に動力伝達可能に連結されているポンプ翼車20pと、ポンプ翼車20pに対向するように設けられているタービン翼車20tと、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの間に設けられ、ワンウェイクラッチOWCを介してハウジング18に連結されているステータ翼車20sと、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの間を選択的に断接するロックアップクラッチLCと、タービン翼車20tに一体的に連結されている振り子ダンパ66とを、備えて構成されている。
トルクコンバータ20の内部に設けられる振り子ダンパ66は、遠心振り子式の捩り振動低減装置である。図2は、図1の振り子ダンパ66を矢印A方向から見た矢視図である。図2に示すように、振り子ダンパ66は、軸線Cを中心にして径方向に伸びる円板状の回転板68と、その回転板68に回転方向に沿うように円弧状に形成されている複数個の転動穴70と、その転動穴70に脱落不能に嵌合させられている複数個の転動体72とを、含んで構成されている。転動体72は、回転板68よりも厚みを有する円板状に形成されており、外周面には転動穴70と嵌合するための凹溝76が形成されている。凹溝76は周方向に渡って連続的に形成されている。転動体72の凹溝76の溝底面と転動穴70の壁面との間には、僅かな隙間が形成されることで、転動体72は、転動穴70の壁面に沿って回転方向に揺動可能とされている。また、転動穴70および転動体72は、カバー78によって覆われている(図1参照)。
ロックアップクラッチLCは、ポンプ翼車20pに連結されたフロントカバー74と振り子ダンパ66との間に配置されている。ロックアップクラッチLCは、スプリングダンパ80を備えており、ロックアップクラッチLCのロックアップ制御中に発生するトルク変動を減衰させる。
動力伝達装置16の作動について、以下に説明する。先ず、ギヤ機構28を介してエンジン12の動力が出力軸30に伝達される走行パターン(すなわち第2動力伝達経路を通って動力が伝達される走行パターン)であるギヤ走行について説明する。このギヤ走行では、前進用クラッチC1および噛合式クラッチD1が係合される一方、CVT走行用クラッチC2および後進用ブレーキB1が解放される。
具体的には、前進用クラッチC1が係合されると、前後進切換装置26を構成する遊星歯車装置26pが一体回転させられるので、小径ギヤ42が入力軸22と同回転速度で回転させられる。また、小径ギヤ42はギヤ機構カウンタ軸44に設けられている大径ギヤ46と噛み合わされているので、ギヤ機構カウンタ軸44も同様に回転させられる。更に、噛合式クラッチD1が係合されているので、ギヤ機構カウンタ軸44とアイドラギヤ48とが接続される。このアイドラギヤ48は出力ギヤ56と噛み合わされているので、出力ギヤ56と一体的に設けられている出力軸30が回転させられる。このように、前進用クラッチC1および噛合式クラッチD1が係合されると、エンジン12の動力は、トルクコンバータ20、前後進切換装置26、ギヤ機構28、およびアイドラギヤ48等を順次介して出力軸30に伝達される。なお、このギヤ走行では、例えば後進用ブレーキB1および噛合式クラッチD1が係合される一方、CVT走行用クラッチC2および前進用クラッチC1が解放されると、後進走行が可能となる。
次いで、無段変速機24を介してエンジン12の動力が出力軸30に伝達される走行パターン(すなわち第1動力伝達経路を通って動力が伝達される走行パターン)であるCVT走行について説明する。このCVT走行では、例えばCVT走行用クラッチC2が係合される一方、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1、および噛合式クラッチD1が解放される。
具体的には、CVT走行用クラッチC2が係合されると、セカンダリプーリ62と出力軸30とが接続されるので、セカンダリプーリ62と出力軸30とが一体回転させられる。このように、CVT走行用クラッチC2が係合されると、エンジン12の動力は、トルクコンバータ20および無段変速機24等を順次介して出力軸30に伝達される。このCVT走行中に噛合式クラッチD1が解放されるのは、例えばCVT走行中のギヤ機構28等の引き摺りをなくすと共に、高車速においてギヤ機構28等が高回転化するのを防止する為である。
図3は、車両10における各種制御を実行する電子制御装置100の制御機能および制御系統の要部を説明する図である。車両10には、例えば動力伝達装置16の動力伝達状態を制御する制御装置を含む、図3に示す電子制御装置100が備えられている。図3は、電子制御装置100の入出力系統を示す図であり、また、電子制御装置100による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置100は、エンジン12の出力制御、無段変速機24の変速制御やベルト挟圧制御、走行パターンをCVT走行またはギヤ走行に切り換える切換制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置100には、車両10が備える各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ102、入力軸回転速度センサ104、出力軸回転速度センサ106、アクセル開度センサ108、スロットル弁開度センサ110、フットブレーキスイッチ112、Gセンサ114、油圧センサ118、120など)による検出信号に基づく各種実際値(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntに対応する入力軸22(およびプライマリプーリ58)の回転速度である入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する出力軸30(およびセカンダリプーリ62)の回転速度である出力軸回転速度Nout、運転者の加速要求量としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度θacc、スロットル弁開度θth、常用ブレーキであるフットブレーキが操作された状態を示す信号であるブレーキオンBon、車両10の前後加速度G、プライマリプーリ58の油圧アクチュエータ58cに供給されるプライマリ圧Pin、セカンダリプーリ62の油圧アクチュエータ62cに供給されるセカンダリ圧Poutなど)が、それぞれ供給される。
電子制御装置100からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、無段変速機24の変速に関する油圧制御の為の油圧制御指令信号Scvt、動力伝達装置16の走行パターンの切換えに関連する前後進切換装置26、CVT走行用クラッチC2、および噛合式クラッチD1を制御する為の油圧制御指令信号Sswt等が、それぞれ出力される。具体的には、エンジン出力制御指令信号Seとして、スロットルアクチュエータを駆動して電子スロットル弁の開閉を制御する為のスロットル信号や燃料噴射装置から噴射される燃料の量を制御する為の噴射信号や点火装置によるエンジン12の点火時期を制御する為の点火時期信号などが出力される。また、油圧制御指令信号Scvtとして、プライマリプーリ58の油圧アクチュエータ58cに供給されるプライマリ圧Pinを調整するソレノイド弁を駆動する為の指令信号、セカンダリプーリ62の油圧アクチュエータ62cに供給されるセカンダリ圧Poutを調整するソレノイド弁を駆動する為の指令信号などが無段変速機24の油圧制御回路82へ出力される。また、油圧制御指令信号Sswtとして、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1、CVT走行用クラッチC2、ハブスリーブ54を作動させるアクチュエータなどに供給される各油圧を制御する各ソレノイド弁を駆動する為の指令信号などが油圧制御回路82へ出力される。
電子制御装置100は、エンジン出力制御手段としてのエンジン出力制御部130、変速制御手段としての変速制御部132を、およびエンジン停止制御手段としてのエンジン停止制御部134を、機能的に備えている。
エンジン出力制御部130は、例えばエンジン12の出力制御の為にエンジン出力制御指令信号Seをそれぞれスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置へ出力する。エンジン出力制御部130は、例えば予め定められた不図示の関係(駆動力マップ)から実際のアクセル開度θaccおよび車速Vに基づいて運転者による駆動要求量としての要求駆動出力Pdemを算出し、その要求駆動出力Pdemが得られる為の目標エンジントルクTetgtを設定し、その目標エンジントルクTetgtが得られるようにスロットルアクチュエータにより電子スロットル弁を開閉制御する他、燃料噴射装置により燃料噴射量を制御したり、点火装置により点火時期を制御する。
変速制御部132は、CVT走行において、アクセル開度θacc、車速V、ブレーキ信号Bonなどに基づいて算出される目標ギヤ比γtgtとなるように無段変速機24のギヤ比γを制御する油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路82へ出力する。具体的には、変速制御部132は、無段変速機24のベルト挟圧を最適な値に調整しつつ、エンジン12の動作点が所定の最適ライン(例えばエンジン最適燃費線)上となる無段変速機24の目標ギヤ比γtgtを達成する予め定められた関係(例えばCVT変速マップ)を記憶しており、その関係からアクセル開度θaccおよび車速Vなどに基づいて、アクチュエータ58cに供給されるプライマリ圧Pinの指令値としてのプライマリ指示圧Pintgtと、油圧アクチュエータ62cに供給されるセカンダリ圧Poutの指令値としてのセカンダリ指示圧Pouttgtとを決定し、プライマリ指示圧Pintgtおよびセカンダリ指示圧Pouttgtを油圧制御回路82へ出力して、CVT変速を実行する。
また、変速制御部132は、ギヤ機構28を介してエンジン12の動力が出力軸30に伝達されるギヤ走行と、無段変速機24を介してエンジン12の動力が出力軸30に伝達されるCVT走行とを切り換える切換制御を実行する。変速制御部132は、車両走行中の走行パターンを切り換えるか否かを判定する。例えば、変速制御部132は、ギヤ走行からCVT走行への切換、およびCVT走行からギヤ走行への切換を判断するための切換マップを記憶しており、この切換マップに基づいて変速パターンの切換を判断する。
変速制御部132は、走行パターンの切換えを判断すると、走行パターンの切換えを実行する。変速制御部132は、例えばギヤ走行中にCVT走行への切換を判断すると、ギヤ走行からCVT走行へ走行パターンを切り換える。変速制御部132は、ギヤ走行からCVT走行へ切り換える場合、先ず、前進用クラッチC1を解放すると共にCVT走行用クラッチC2を係合するクラッチツゥクラッチ変速を実行する。このとき、動力伝達装置16における動力伝達経路は、ギヤ機構28を介して動力が伝達される第2動力伝達経路から無段変速機24を介して動力が伝達される第1動力伝達経路へ切り換えられる。次いで、変速制御部132は、係合中の噛合式クラッチD1を解放するようにシンクロ機構S1のハブスリーブ54を作動させる指令を出力して、CVT走行へ切り換える。ハブスリーブ54は、図示しない油圧アクチュエータによって駆動され、その油圧アクチュエータに供給される油圧によってハブスリーブ54への押圧力が調整される。
また、変速制御部132は、CVT走行中にギヤ走行への切換を判断すると、CVT走行からギヤ走行へ切り換える。変速制御部132は、CVT走行からギヤ走行へ切り換える場合、先ず、解放中の噛合式クラッチD1を係合するようにシンクロ機構S1のハブスリーブ54を作動させる指令を出力する。次いで、変速制御部132は、CVT走行用クラッチC2を解放すると共に前進用クラッチC1を係合するクラッチツゥクラッチ変速を実行する。このとき、動力伝達装置16における動力伝達経路は、無段変速機24を介して動力が伝達される第1動力伝達経路からギヤ機構28を介して動力が伝達される第2動力伝達経路へ切り換えられる。
上述した動力伝達装置16にあっては、走行中にギヤ走行とCVT走行とが切り替えられる過渡期などにおいてトルク変動が大きくなりやすい。このトルク変動を速やかに減衰させるために、振り子ダンパ66が設けられている。トルク変動が発生した際には、振り子ダンパ66の転動体72が転動穴70内を揺動することでトルク変動が減衰させられる。なお、通常走行時は、転動体72が遠心力によって径方向外側移動させられることから、転動体72は、転動穴70の径方向外側に位置する壁面に押し付けられており、転動体72はその壁面に沿って揺動させられる。
ところで、振り子ダンパ66によってトルク変動が減衰される一方で、この背反としてエンジン12が回転停止する際に異音が発生する(または異音が顕著となる)可能性がある。タービン軸のタービン回転速度Nt(すなわち入力軸回転速度Nin)が高い状態では、転動体72にかかる遠心力が大きいために転動体72が径方向外側に移動させられ、転動体72が転動穴70の径方向外側に位置する壁面に押し付けられた状態となる。ここで、エンジン停止制御が実行されるに伴ってタービン回転速度Ntが低下すると、転動体72にかかる遠心力が小さくなるため、転動体72が転動穴70の径方向外側の壁面から落下し、転動体72が転動穴70の径方向内側に位置する壁面と衝突する。このように、転動体72が転動穴70の壁面と衝突することで異音が生じる。
この振り子ダンパ66から発生する異音は、タービン回転速度Ntの比較的低回転速度領域Sで発生し(または顕著となり)、エンジン停止制御中にタービン回転速度Ntが低下する過渡期において、タービン回転速度Ntがこの回転速度領域Sを通過する。従って、エンジン停止制御中において振り子ダンパ66から異音が発生する。これに対して、従来では、エンジン停止制御中に、トルクコンバータ20のロックアップクラッチL/Cを係合し、タービン回転速度Ntが速やかに回転速度領域Sを通過することで異音を抑制していた。
ところで、エンジン停止制御を実行するときに車両10が停止状態であれば、前進用クラッチC1を係合すれば、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sを一層速やかに通過することができるため、異音の抑制効果が高くなる。しかしながら、前進用クラッチC1が係合されると、動力伝達装置16が動力伝達状態に切り替えられる際に、動力伝達装置16を構成する回転部材間の嵌合部に形成される隙間が詰められ、このときの互いの回転部材の衝突によって異音が発生する。また、動力伝達装置16を構成する歯車の噛合部において、互いに噛み合う歯車の歯面の衝突によっても異音が発生する。このように、振り子ダンパ66以外の部位から異音が発生する可能性がある。これに対して、本実施例では、車両停止状態でエンジン停止制御を実行する際には、後述する制御を実行することで、エンジン停止制御中に運転者に伝わる異音を抑制する。以下、車両停止状態におけるエンジン停止制御を中心に説明する。
エンジン停止制御部134は、エンジン12を停止させる指令(エンジン停止指令)が出力されると、エンジン停止制御を実行する。エンジン停止制御部134は、車両停止判定手段としての車両停止判定部136、およびタービン回転判定手段としてのタービン回転判定部138を機能的に備えている。
車両停止判定部136は、エンジン停止指令が出力されると、車両10が停止した状態(車両停止状態)であるか否かを判定する。車両停止判定部136は、車速Vに対応する出力軸回転速度Noutが予め設定されている車両停止判定値以下であるか否かを判定し、出力軸回転速度Noutが前記車両停止判定値以下の場合に車両停止状態と判定する。前記車両停止判定値は、車両10が停止した状態と判断できる程度の低い値に設定されている。
車両停止判定部136によって車両停止状態と判定されると、エンジン停止制御部134は、車両停止状態でエンジン12を停止させるに際して、前進用クラッチC1を係合する指令を変速制御部132に出力する。この指令を受けて、変速制御部132は、前進用クラッチC1を係合する。車両停止状態にあっては、前進用クラッチC1が解放される一方、噛合式クラッチD1は係合された状態となっている。この状態で前進用クラッチC1が係合されることで、タービン軸と駆動輪14とが第2動力伝達経路を介して動力伝達可能に接続される。従って、駆動輪14からの回転抵抗によってタービン回転速度Ntが速やかに低下し、タービン軸が回転停止させられる。このタービン回転速度Ntが低下する過渡期において、振り子ダンパ66から異音が発生する回転速度領域Sを通過することとなるが、前進用クラッチC1が係合されることで、タービン回転速度Ntはその回転速度領域Sを速やかに通過するため、振り子ダンパ66から発生する異音が抑制される。ここで、前進用クラッチC1が係合されると、エンジン12の動力が、第2動力伝達経路を介して駆動輪14に伝達されるが、変速制御部132は、前進用クラッチC1のトルク容量を、車両10が移動しない範囲、すなわち駆動輪14に伝達される駆動力が車両10の移動に必要な駆動力以下となる範囲に制御(調整)する。従って、前進用クラッチC1の係合に伴う車両10の移動が防止される。
また、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sを通過する過渡期において、振り子ダンパ66以外の部位から異音が発生する可能性がある。具体的には、動力伝達装置16を構成する回転部材間の嵌合部や歯車の噛合部において異音が発生する可能性がある。これに対して、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sを通過する過渡期において、エンジン12が駆動した状態となっているため、主としてエンジン12からの暗騒音が発生し、車内の運転者にはその異音が聞こえにくくなる。また、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sを短時間で通過する際に振り子ダンパ66から異音が発生しても、その異音についてもエンジン12から発生する暗騒音によって聞こえにくくなる。結果として、運転者に伝わる異音が抑制される。なお、エンジン12の暗騒音とは、エンジン12の駆動に伴って発生する全ての騒音であり、運転者にとって違和感として認識されにくいものである。よって、エンジン停止制御中に、運転者が違和感を感じない。
タービン回転判定部138は、前進用クラッチC1の係合に伴うタービン回転速度Ntの低下過渡期において、タービン回転速度Ntが予め設定されている所定値α以下になったか否かを判定する。この所定値αは、予め実験的または設計的に求められる値であり、振り子ダンパ66から異音が発生する(または異音が顕著となる)回転速度領域Sの下限閾値またはその近傍の値に設定されている。従って、タービン回転速度Ntが所定値αよりも大きい間は、振り子ダンパ66から異音が発生し、タービン回転速度Ntが所定値α以下になると振り子ダンパ66からの異音がなくなる、或いは運転者に聞こえない程度に小さくなる。
エンジン停止制御部134は、タービン回転速度Ntが所定値α以下になったと判定されると、エンジン出力制御部130に対してエンジン12への燃料供給を停止する所謂フューエルカットを実行する指令を出力する。この指令を受けてエンジン出力制御部130は、エンジン12への燃料供給を停止することから、エンジン12のエンジン回転速度Neが成り行きで低下し、エンジン12が回転停止する。タービン回転速度Ntが所定値α以下になると異音が問題にならないため、エンジン12による暗騒音も不要となる。よって、タービン回転速度Ntが所定値α以下になるとエンジン12が回転停止させられる。言い換えれば、エンジン停止制御部134は、タービン回転速度Ntが所定値α以下になるまでの間、エンジン12を駆動させて暗騒音を発生させる。なお、エンジン停止制御部134が、本発明の制御部に対応している。
エンジン12のフューエルカットが開始されると、タービン回転判定部138は、入力軸回転速度センサ104によって検出される入力軸回転速度Nin(すなわちタービン回転速度Nt)に基づいて、タービン回転速度Ntがゼロになったか否かを判定する。タービン回転速度Ntがゼロになったと判定されると、エンジン停止制御部134は、変速制御部132に前進用クラッチC1を解放する指令を出力する。この指令を受けて、変速制御部132は、前進用クラッチC1を解放する。
このように、エンジン停止指令が出力されると、前進用クラッチC1を係合することでタービン回転速度Ntが速やかに低下させられ、振り子ダンパ66から発生する異音が抑制される。また、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sを通過する際に発生する、振り子ダンパ66以外から発生する異音は、エンジン12の駆動に伴って発生する暗騒音によって聞こえにくくなる。また、タービン回転速度Ntが所定値α以下になると、振り子ダンパ66から異音が発生せず(または異音が問題とならない程度に小さくなり)、エンジン12の駆動による暗騒音も不要となることから、エンジン12のフューエルカットが開始されてエンジン12が成り行きで回転停止する。
また、エンジン停止制御を実行するに際して、車両10が走行状態にある場合には、例えばエンジン停止制御中にロックアップクラッチLCを係合するなどして、タービン回転速度Ntを速やかに低下させて異音を抑制する。なお、ロックアップクラッチLCの係合を伴うエンジン停止制御については、公知であるため詳細な説明を省略する。
図4は、電子制御装置100の制御作動の要部、すなわちエンジン停止制御中に運転者に伝わる異音を抑制する制御作動を説明するためフローチャートである。このフローチャートは、エンジン12の駆動中にエンジン停止指令が出力される度に実行される。
車両停止判定部136の制御機能に対応するステップS1(以下、ステップを省略する)では、車両10が停止状態にあるか否かが判定される。車両10が停止状態にないとき、S1が否定されてS7に進み、車両走行状態でのエンジン停止制御が実行される。車両10が停止状態にあるとき、S1が肯定されてS2に進む。エンジン停止制御部134および変速制御部132の制御機能に対応するS2では、前進用クラッチC1が係合させられる。タービン回転判定部138の制御機能に対応するS3では、タービン回転速度Ntが所定値α以下か否かが判定される。タービン回転速度Ntが所定値αよりも大きい場合、S3が否定され、S2に戻って前進用クラッチC1の係合が継続して実行される。タービン回転速度Ntが所定値α以下の場合、S3が肯定されてS4に進む。エンジン停止制御部134およびエンジン出力制御部130の制御機能に対応するS4では、エンジン12のフューエルカット(F/C)が開始される。タービン回転判定部138の制御機能に対応するS5では、タービン回転速度Ntがゼロになったか否かが判定される。タービン回転速度Ntがゼロよりも大きい場合、S5が否定され、タービン回転速度Ntがゼロと判定されるまでS5が繰り返し実行される。タービン回転速度Ntがゼロになると、S5が肯定されてS6に進む。エンジン停止制御部134および変速制御部132に対応するS6において、前進用クラッチC1が解放されてエンジン停止制御が完了する。
図5は、図4のフローチャートに基づいてエンジン停止制御を実行したときの作動状態を示すタイムチャートの一例であり、車両停止状態にあったときのエンジン停止制御の作動状態を示している。図5において、横軸は時間を示し、縦軸は、上から順番に、エンジン回転速度Ne(一点鎖線)およびタービン回転速度Nt(実線)、前進用クラッチC1の係合指令、エンジン12のフューエルカット指令(F/C指令)、エンジン12から発生する暗騒音の音圧(一点鎖線)および振り子ダンパ66から発生する異音の音圧(実線)をそれぞれ示している。なお、音圧は、音の強さに対応している。また、図5のt1時点は、エンジン停止指令が出力されることにより、前進用クラッチC1の係合が開始された時点を示している。t2時点は、タービン回転速度Ntが振り子ダンパ66から異音が発生する回転速度領域Sに入った時点に対応している。t3時点は、タービン回転速度Ntが所定値αに到達した時点に対応している。t4時点は、タービン回転速度Ntがゼロになった時点に対応している。
エンジン停止指令が出力されると、t1時点において前進用クラッチC1の係合が開始されることでタービン回転速度Ntが低下している。t2時点において、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sに入ると、振り子ダンパ66から異音が発生する。しかしながら、このとき前進用クラッチC1が係合されることで、タービン回転速度Ntが速やかに異音の発生する回転速度領域Sを通過するため、振り子ダンパ66から異音が発生する期間が短くなる。結果として、振り子ダンパ66からの異音が抑制される。一方、タービン回転速度Ntが速やかに低下した際に、振り子ダンパ66以外からの異音が発生する可能性があるものの、t2時点〜t3時点の間はエンジン12が駆動しているため、エンジン12の暗騒音によって運転者には異音が聞こえにくくなる。さらに、t2時点〜t3時点で発生する振り子ダンパ66からの異音についても、エンジン12の暗騒音によって聞こえにくくなる。なお、図5に示すように、エンジン12の暗騒音の音圧は、少なくとも振り子ダンパ66から発生する異音の音圧に比べて十分に大きく、図5では図示されないが、振り子ダンパ66以外から発生する異音の音圧についても、エンジン12の暗騒音の音圧に比べて十分に小さい。
t3時点において、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sの下限閾値である所定値αに到達すると、振り子ダンパ66からの異音が発生しなくなる。このとき、エンジン12からの暗騒音が不要となることから、エンジン12のフューエルカットが開始される。t4時点において、タービン回転速度Ntがゼロになると、前進用クラッチC1が解放され、エンジン停止制御が終了する。
上述のように、本実施例によれば、エンジン停止時に前進用クラッチC1を係合することで、タービン回転速度Ntが速やかに低下するため、振り子ダンパ66で発生する異音が抑制される。一方、前進用クラッチC1が係合される背反として振り子ダンパ66以外の部分において異音が発生する可能性があるが、タービン回転速度Ntが所定値α以下になるまでの間、エンジン12の駆動による暗騒音を発生させることで、その異音が車内で聞こえにくくなる。結果として、エンジン停止制御中に運転者に伝わる異音が抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、タービン回転速度Ntが異音の発生する回転速度領域Sを通過する過渡期において、エンジン12を駆動させて暗騒音を発生させていたが、必ずしもエンジン12の駆動による暗騒音に限定されない。例えば、タービン回転速度Ntが回転速度領域Sを通過する間、ラジエータのファンを駆動させることで暗騒音を発生させても構わない。或いは、エアコンのコップレッサーを駆動させて暗騒音を発生させることもできる。このように、暗騒音を発生させて運転者に異音を聞こえにくくするものであれば適宜使用することができる。
また、前述の実施例では、動力伝達装置16は、ベルト式無段変速機24とギヤ機構28とを並列に備えて構成されるものであったが、本発明は必ずしもこの構成に限定されない。例えば、有段式の自動変速機を備えた動力伝達装置、或いはベルト式無段変速機のみを備えた動力伝達装置などにも適用できる。すなわち、トルクコンバータ内部に振り子ダンパを備えた構成であれば、本発明を適宜適用することができる。
また、前述の実施例では、エンジン停止制御時において前進用の前進用クラッチC1が係合されていたが、発進時に係合される摩擦係合装置として後進用の後進用ブレーキB1が係合されるものであっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン
14:駆動輪
20:トルクコンバータ
66:振り子ダンパ
100:電子制御装置
134:エンジン停止制御部(制御部)
B1:後進用ブレーキ(摩擦係合装置)
C1:前進用クラッチ(摩擦係合装置)
α:所定値

Claims (1)

  1. エンジンと、該エンジンに動力伝達可能に連結されているトルクコンバータと、該トルクコンバータ内部に設けられている振り子ダンパと、前記トルクコンバータと駆動輪との動力伝達経路中に設けられ、車両発進時に係合される摩擦係合装置とを、備える車両の制御装置であって、
    車両停止状態で前記エンジンを停止する際には、前記摩擦係合装置を係合してタービン回転速度を低下させ、該タービン回転速度が所定値以下になるまでの間、暗騒音を発生させる制御部を備える
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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