JP2018162318A - レベチラセタム含有医薬組成物及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法、及びレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤 - Google Patents

レベチラセタム含有医薬組成物及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法、及びレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤 Download PDF

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Abstract

【課題】時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延を防止することができるレベチラセタム含有医薬組成物及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法、及びレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤を提供すること。
【解決手段】レベチラセタムと、崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤とを含み、前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかであり、即放性製剤であるレベチラセタム含有医薬組成物(ただし、微結晶セルロース、乳糖、マンニトール、クロスポビドン又はリン酸二カルシウムを含むものを除く)などである。
【選択図】なし

Description

本発明は、レベチラセタムを含有する医薬組成物及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法、及びレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤に関する。
レベチラセタムは、下記構造式で表される化合物である(化学名:(2S)−2−(2−Oxopyrrolidine−1−yl)butyramide)。レベチラセタムは、現在、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法などに用いられている。
レベチラセタム含有医薬組成物は、時間の経過に伴い有効成分の溶出の遅延が生じるという問題があることが知られている。
前記問題を解決するために、有効成分としてのレベチラセタム、並びに薬剤組成物の全重量に対して、崩壊剤2.0〜9.0重量%、滑剤0.0〜3.0重量%、結合剤0.5〜6.0重量%、及び潤滑剤0.0〜1.0重量%を含む薬剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記提案でも時間の経過に伴って生じる有効成分の溶出遅延を十分に防止することができず、前記溶出遅延の防止を達成できるより優れた技術の開発が強く求められているのが現状である。
特表2009−502835号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延を防止することができるレベチラセタム含有医薬組成物及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法、及びレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> レベチラセタムと、崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤とを含み、
前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかであることを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物である。
<2> 前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである前記<1>に記載のレベチラセタム含有医薬組成物である。
<3> ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを用いてレベチラセタムを造粒する工程を含むことを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法である。
<4> ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかが、ヒドロキシプロピルセルロースである前記<3>に記載のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法である。
<5> ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを用いてレベチラセタムを造粒する工程を含むことを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法である。
<6> ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかが、ヒドロキシプロピルセルロースである前記<5>に記載の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法である。
<7> レベチラセタム含有医薬組成物に用いられ、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを含有することを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤である。
<8> ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかが、ヒドロキシプロピルセルロースである前記<7>に記載の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延を防止することができるレベチラセタム含有医薬組成物及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法、及びレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤を提供することができる。
(レベチラセタム含有医薬組成物)
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物は、レベチラセタムと、崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<レベチラセタム>
前記レベチラセタムは、下記構造式で表される化合物である(化学名:(2S)−2−(2−Oxopyrrolidine−1−yl)butyramide)。
前記レベチラセタムは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記レベチラセタム含有医薬組成物におけるレベチラセタムの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、70質量%〜98質量%などが挙げられる。
<崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤>
前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかである。前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを単独で使用してもよいし、ヒプロメロースを単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤の中でも、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延をより防止できる点で、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
前記溶出遅延防止剤は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記溶出遅延防止剤の前記レベチラセタム含有医薬組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましく、0.5質量%〜2質量%が特に好ましい。前記好ましい範囲内であると、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延をより防止できる点で、有利である。
本発明における前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤は、フィルムコーティング剤に含まれるものを除く。
前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤を前記医薬組成物に含有させることにより、時間の経過に伴って生じる、レベチラセタム含有医薬組成物の崩壊遅延、及びレベチラセタムの溶出遅延の少なくともいずれかを防止することができる。
<その他の成分>
前記レベチラセタム含有医薬組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、流動化剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、香料、コーティング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レベチラセタム含有医薬組成物におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記レベチラセタム含有医薬組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−賦形剤−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マンニトール(以下、「D−マンニトール」と称することがある)、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、乳糖(無水物であってもよいし、水和物であってもよい)、白糖、タルク、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−流動化剤−
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−崩壊剤−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デンプン(トウモロコシデンプン等)、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−滑沢剤−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−矯味剤−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−香料−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−コーティング剤−
前記コーティング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酸化チタン、ポリエチレングリコール、セラック、エチルセルロース、魚鱗箔などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レベチラセタム含有医薬組成物の剤形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、素錠、チュアブル錠、フィルムコート錠、口腔内崩壊錠等の錠剤などが挙げられる。
前記レベチラセタム含有医薬組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法により製造することが好ましい。
(レベチラセタム含有医薬組成物の製造方法)
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法は、造粒工程を少なくとも含み、必要に応じて、打錠工程などの更にその他の工程を含む。
<造粒工程>
前記造粒工程は、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを用いてレベチラセタムを造粒し、レベチラセタム含有造粒物(以下、「顆粒」と称することがある)を得る工程である。
前記レベチラセタム含有造粒物は、前記レベチラセタム、並びにヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれか以外のその他の成分を含んでもよい。
−レベチラセタム−
前記レベチラセタムは、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の<レベチラセタム>の項目に記載したものと同様である。
−ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれか−
前記ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかは、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の<崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤>の項目に記載したものと同様である。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。
−造粒−
前記造粒の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式造粒法などが挙げられる。
前記湿式造粒法の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、レベチラセタムのかさを小さくし、重質化できる点で、攪拌造粒法が好ましい。
前記造粒の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記造粒の具体例としては、前記レベチラセタムと、必要に応じて前記その他の成分とを混合し、混合粉体とした後、攪拌造粒機に投入し、混合しながら前記ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを含む結合液を添加し、造粒する方法などが挙げられる。
前記造粒工程を含むことにより、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延を防止することができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、打錠工程、前記造粒工程の前に、前記レベチラセタムと、必要に応じて前記その他の成分から選択された成分とを混合する混合工程、前記レベチラセタム含有造粒物を解砕する解砕工程、前記レベチラセタム含有造粒物を乾燥する乾燥工程、前記レベチラセタム含有造粒物と、必要に応じて前記その他の成分から選択された成分とを混合し、打錠用顆粒とする打錠用顆粒調製工程、前記素錠にコーティング溶液を塗布し、フィルムコート錠を得るフィルムコーティング工程などが挙げられる。
前記その他の工程の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
−打錠工程−
前記打錠工程は、前記造粒工程で得られた顆粒と、必要に応じて前記その他の成分から選択された成分との混合物(以下、「打錠用顆粒」と称することがある)を打錠し、素錠を得る工程である。
前記打錠の方法の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリー式打錠機を用いる方法などが挙げられる。
前記打錠の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法によれば、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延が防止された本発明のレベチラセタム含有医薬組成物を効率良く製造することができる。
(レベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法)
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法は、造粒工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<造粒工程>
前記造粒工程は、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを用いてレベチラセタムを造粒する工程であり、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法の<造粒工程>の項目に記載したものと同様である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法の<その他の工程>の項目に記載したものなどが挙げられる。
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法によれば、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延を防止することができる。
(レベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤)
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤は、レベチラセタム含有医薬組成物に用いられ、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかを含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれか>
前記ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒプロメロースの少なくともいずれかは、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の<崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤>の項目に記載したものと同様である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の<その他の成分>の項目に記載したものなどが挙げられる。
本発明のレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤によれば、時間の経過に伴って生じるレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延を防止することができる。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
(試験例1)
<錠剤−1の製造>
−混合粉体の調製−
レベチラセタム(Lupin社製) 200gと、軟質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社製、アドソリダー101) 0.4gと、クロスカルメロースナトリウム(DFE Pharma社製、プリメロース) 6gとを混合した。次いで、目開き850μmの篩を用いて解砕し、混合粉体とした。
−結合液の調製−
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールEG−03P) 2gをエタノール水溶液(水 14g、エタノール 6g) 20gに溶解させ、結合液とした。
−造粒−
前記混合粉体を攪拌造粒機(株式会社パウレック製、VG−01)に投入し、混合しながら前記結合液を添加した。更に、3分間造粒し、造粒物を得た。
−解砕−
前記造粒物をスクリーン径 1.58mmの解砕機(株式会社パウレック製、コーミル)で湿式解砕した。
−乾燥−
前記解砕した造粒物を流動層乾燥機(株式会社パウレック製、MP−01)を用いて乾燥した。
−解砕−
前記乾燥後、スクリーン径 0.81mmの解砕機(株式会社パウレック製、コーミル)で乾式解砕した。
−打錠用顆粒の調製−
前記解砕した造粒物に、軟質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社製、アドソリダー101) 0.4gと、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製) 2gとを添加し、打錠用顆粒とした。
−打錠−
前記打錠用顆粒を、ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製)と、長径 16.4mm、短径 7.7mmのオーバル形状杵とを用い、打圧 1,500kgfの打錠圧で打錠し、錠剤−1を得た。下記表1に錠剤1錠中の処方を示す。
<錠剤−2の製造>
錠剤−1の製造の結合液において用いていたポリビニルアルコールをポリビニルピロリドン(ISP社製、プラスドン K29/32)に代えた以外は、錠剤−1の製造と同様にして、錠剤−2を得た。
<錠剤−3の製造>
錠剤−1の製造の結合液において用いていたポリビニルアルコールをヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、グレードSSL)に代えた以外は、錠剤−1の製造と同様にして、錠剤−3を得た。
<錠剤−4の製造>
錠剤−1の製造の結合液において用いていたポリビニルアルコールをヒプロメロース(信越化学工業株式会社製、TC−5E)に代えた以外は、錠剤−1の製造と同様にして、錠剤−4を得た。
<錠剤−5の製造>
錠剤−1の製造の結合液において用いていたポリビニルアルコールをポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(BASF製、コリコートIR)に代えた以外は、錠剤−1の製造と同様にして、錠剤−5を得た。
<錠剤−6の製造>
錠剤−1の製造の結合液において用いていたポリビニルアルコールをマグロゴール6000(三洋化成工業株式会社製)に代えた以外は、錠剤−1の製造と同様にして、錠剤−6を得た。
<錠剤−7の製造>
錠剤−1の製造の結合液において用いていたポリビニルアルコールを用いなかった以外は、錠剤−1の製造と同様にして、錠剤−7を得た。
<評価>
錠剤−1〜7のそれぞれについて、アルミ袋に入れ、ヒートシールで封をして苛酷試験用検体とした。保存条件は、4℃(初期品に相当)又は60℃とし、2週間保存した。
−溶出試験−
前記保存後の錠剤−1〜7について、溶出試験液として水を用い、日本薬局方一般試験法溶出試験第2法(パドル法)により溶出試験を行った。結果を表2に示す。
なお、前記溶出試験において溶出したレベチラセタムの量は、以下のようにして測定、算出した。
−−溶出したレベチラセタムの量の測定及び算出−−
[標準溶液の調製]
レベチラセタムの原薬を下記バッファーに溶かし、レベチラセタムの濃度が0.5mg/mLの溶液とした。
バッファー : 6.8gのリン酸二水素カリウムを1Lの水に溶かし、薄めた水酸化カリウムを用いてpHを5.6に調整したもの。
[試料溶液の調製]
所定の時間(5分間、10分間、15分間、又は30分間)にベッセルからサンプリングした液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、UPLCに供する試料溶液とした。
[分析条件]
装置 : UPLC(Waters社製)
検出波長 : 220nm
カラム : ACQUITY BEH C18(Waters社製、粒子径 1.7μm、2.1mm×50mm
注入量 : 1μL
流速 : 0.3mL/分間
移動相 : 前記バッファー:アセトニトリル=85:15(体積比)の混液
[レベチラセタムの量の算出]
前記UPLCの結果から、レベチラセタムの量(レベチラセタムの溶出率)を下記式から算出した。
レベチラセタムの溶出率(%)=(ru/rs)×(Cs/L)×V×100
上記式中、「ru」は前記試料溶液におけるレベチラセタムの面積を示し、「rs」は前記標準溶液におけるレベチラセタムの面積を示し、「Cs」は前記標準溶液におけるレベチラセタムの濃度(mg/mL)を示し、「L」は試料のレベチラセタム含量を示し、「V」は試験溶液の量(本試験では900mLとした。)を示す。
表2の結果から、ヒドロキシプロピルセルロースを用いた錠剤−3及びヒプロメロースを用いた錠剤−4では、保存後にレベチラセタムの溶出遅延は生じなかった。一方、他の結合剤を用いた錠剤−1、2、5、及び6では、溶出遅延が生じていた。したがって、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースを用いることで、保存後のレベチラセタムの溶出遅延を防止できることが示された。
なお、結合剤を用いなかった錠剤−7は、本試験では、溶出遅延は観察されなかったが、後述する崩壊試験で示されるように、崩壊遅延が生じていた。
−崩壊試験−
前記60℃で、2週間保存後の錠剤−1〜7について、日本薬局方収載の崩壊試験機(富山産業株式会社製)を用いて、試験液として水900mLを用いて崩壊試験を行った。前記崩壊試験は、6錠で行い、終点は、自動終点検出機(富山産業株式会社製)を用いて検出し、各錠剤の崩壊時間の平均値を求めた。また、初期品(0w)として、4℃で1週間保存した後の錠剤−1〜7についても同様にして試験した。結果を表3に示す。
表3の結果から、ヒドロキシプロピルセルロースを用いた錠剤−3及びヒプロメロースを用いた錠剤−4では、保存後の崩壊時間の遅延が生じなかった。一方、他の結合剤を用いた錠剤−1、2、5、及び6、並びに結合剤を用いなかった錠剤−7では、崩壊遅延が生じていた。したがって、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースを用いることで、保存後のレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊遅延を防止できることが示された。
前記溶出試験及び崩壊試験の結果から、崩壊遅延が生じたことにより、溶出遅延が生じたと考えられた。

Claims (8)

  1. レベチラセタムと、崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤とを含み、
    前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤が、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかであり、
    即放性製剤であることを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物(ただし、微結晶セルロース、乳糖、マンニトール、クロスポビドン又はリン酸二カルシウムを含むものを除く)。
  2. 前記レベチラセタム含有医薬組成物における前記崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤の含有量が、0.1質量%〜5質量%である請求項1に記載のレベチラセタム含有医薬組成物。
  3. レベチラセタムと、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかとを含むレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法であって、
    ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかを用いてレベチラセタムを造粒する工程を含み、
    前記医薬組成物が即放性製剤であることを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物(ただし、微結晶セルロース、乳糖、マンニトール、クロスポビドン又はリン酸二カルシウムを含むものを除く)の製造方法。
  4. 前記レベチラセタム含有医薬組成物における前記ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかの含有量が、0.1質量%〜5質量%である請求項3に記載のレベチラセタム含有医薬組成物の製造方法。
  5. レベチラセタムと、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかとを含むレベチラセタム含有医薬組成物(ただし、微結晶セルロース、乳糖、マンニトール、クロスポビドン又はリン酸二カルシウムを含むものを除く)の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法であって、
    ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかを用いてレベチラセタムを造粒する工程を含み、
    前記医薬組成物が即放性製剤であることを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法。
  6. 前記レベチラセタム含有医薬組成物における前記ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかの含有量が、0.1質量%〜5質量%である請求項5に記載の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止方法。
  7. レベチラセタム含有医薬組成物(ただし、微結晶セルロース、乳糖、マンニトール、クロスポビドン又はリン酸二カルシウムを含むものを除く)に用いられ、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかを含有するレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤であって、
    前記医薬組成物が即放性製剤であることを特徴とするレベチラセタム含有医薬組成物の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤。
  8. 前記レベチラセタム含有医薬組成物における前記ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースの少なくともいずれかの含有量が、0.1質量%〜5質量%となるように用いられる請求項7に記載の崩壊及び溶出の少なくともいずれかの遅延防止剤。
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