JP2018160915A - テント写像演算回路及びa/d変換回路 - Google Patents

テント写像演算回路及びa/d変換回路 Download PDF

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Abstract

【課題】A/D変換回路に用いるテント写像演算回路を提供することを目的とする。【解決手段】入力されるアナログ信号に対し、テント写像のアナログ演算を1回分行う1回分演算部と、入力されるアナログ信号をグレイコードのビット数nに応じた閾値と比較してnビットのデジタル値を抽出してグレイコードを出力する比較器とを具備する。前記1回分演算部には、複数のアナログ演算回路、前記複数のアナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路間に設けられたスイッチ及び前記入力アナログ信号を前記複数のアナログ演算回路中の所要アナログ演算回路に導く経路に設けられたスイッチにより構成されるスイッチ群と、前記A/D変換の対象信号と閾値との大小関係に基づき、前記スイッチ群の開閉制御と、前記大小関係により決定される一次関数の演算回路を実現する制御回路とが含まれている。【選択図】図10

Description

この発明はテント写像の演算を行うテント写像演算回路及び、このテント写像演算回路用いて、アナログ電圧をデジタル値に変換するA/D変換回路に関するものである。
従来、A/D変換回路としては、図24に示す並列型(フラッシュ型)A/D変換回路が知られている。この例では、7個のコンパレータCMP01〜CMP07を用いて、アナログ入力信号を上記コンパレータCMP01〜CMP07の反転入力端子へ与える。コンパレータCMP01〜CMP07の非反転入力端子には、基準電圧VREFを、直列接続された抵抗R01〜R08によって分圧した閾値電圧を与える。コンパレータCMP01〜CMP07は、それぞれの閾値電圧と入力電圧を比較してHまたはLをエンコーダ110へ出力する。エンコーダ110によりデジタル化が行われる。
改良型のA/D変換回路としては、特許文献1に記載の「並列型AD変換器」がある。この特許文献1には、複数の参照電圧とこの参照電圧と入力電圧との大小関係を判定する複数の比較器CMP1〜CMP9が配置された比較部120と、複数の比較器の出力から論理演算により変化点の検出を行い、検出結果に応じたデジタルコードを生成するエンコード部130とを有しており、比較器CMP1〜CMP9は、第1の参照電圧と第2の参照電圧の間に入力信号がある場合にのみ判定結果を出力する3値の判定機能を有し、更に、第1の参照電圧と第2の参照電圧との差が、全ての比較器CMP1〜CMP9で同じに構成されることが記載されている。
また、最も広く使用されているA/D変換回路として、図25に示す逐次比較型A/D変換回路が知られている。この逐次比較型A/D変換回路はコンパレータCMPと逐次比較レジスタ120とD/A変換器DACを主な構成要素とする。サンプルホールドアンプSHにアナログ入力信号を保持し、このアナログ入力信号に対しD/A変換器DACの出力信号を閾値として比較を行う。例えば、アナログ入力信号の最大電圧が1Vであるとする。初期状態で、逐次比較レジスタ120がMSBを1に設定すると、最大電圧1Vの半分である0.5VがD/A変換器DACから出力され、コンパレータCMPにおいて0.5Vを閾値としてアナログ入力信号の電圧と比較が行われる。ここでアナログ入力信号の電圧値の方が大きければ、MSBは1に維持される。続いて、逐次比較レジスタの2ビット目が1にされ、D/A変換器DACからは上記0.5Vに、その1/2の電圧0.25Vを加えた0.75Vが出力される。この値とアナログ入力信号の電圧とがコンパレータCMPで比較される。ここで入力信号の電圧が0.75Vより低ければ、逐次比較レジスタ120の2ビット目を「0」とする。以下同様の処理を所望の分解能に達するまで続ける。タイミングコントロール部125は、サンプルホールドアンプSHのサンプリングホールドタイミング及び逐次比較レジスタ120の信号取込及び信号出力タイミングの制御を行う。
更に、A/D変換回路としては、図26に示すΔΣ(デルタシグマ)型A/D変換回路も知られている。
このA/D変換回路は、積分回路130の前段において抵抗R2を介してD−FF(D型フリップフロップ)の出力をアナログ入力信号から減算する構成を備える。この減算結果は積分回路130へ与えられて積分され、積分値はコンパレータCMPにより比較されて1または0の出力とされてD−FFのD端子へ与えられる。1サンプルに対してD−FFのクロック数分の上記動作が繰り返され、D−FFの出力はカウンタ140によりデジタル変換値に変換される。
また、特許文献2には、スケール付きβ写像に基づくデータコンバート方式において、増幅係数がs(1−β)でダンピングファクターがβの離散時間積分器1と、この離散時間積分器1に直列に接続される量子化器2と、この量子化器2の出力側から前記離散時間積分器1の入力側に接続される帰還回路3を具備する、β写像を使用したA/D変換回路が記載されている。このA/D変換回路は、集積回路による実装に適合し、回路の安定な動作を行うことができる、A/D変換器乃至カオス発生回路に好適なβ写像に基づくデータコンバータ方式であると記載されている。
更に、図27に示すパイプライン型A/D変換回路も知られている。このパイプライン型A/D変換回路は、逐次比較型を直列につないだような構成をとっており、A/D変換を何段階かのステージに分けて、1ビットずつA/D変換を行うものである。
具体的には、各段は、入力側(或いは上位側)から到来する信号をA/D変換するADCと、ADCの出力をデジタル化するDACと、上記入力側(或いは上位側)から到来する信号とDACの出力信号とのアナログ残差を増幅する残差アンプとにより構成される。上位の段から下位の段へ信号を渡すためのサンプルホールド回路が段間に設けられる。
特開2010−11057号公報 国際公開第2011/125296号パンフレット
上記の図24に示すA/D変換回路は最も高速ではあるが、分解能の数だけ2の乗数倍のコンパレータCMPを必要とし、規模が大きくなるといった問題がある。即ち、この並列型(フラッシュ型)A/D変換回路は、分解能の数を大きくすることで、指数関数的にコンパレータが必要になり、規模が大きくなるといった問題がある。
上記の特許文献1に記載のA/D変換回路によれば、比較器の数を半分に低減することができるが、やはり回路規模が大きいという、並列型(フラッシュ型)A/D変換回路に共通した問題を有している。
図25に示す逐次比較型A/D変換回路によればコンパレータは1つで済むが、ビットを順番に比較していくため、そのシーケンスの最中にサンプリングした入力電圧信号をサンプルホールドアンプによって保持しておく必要があり、保持した入力電圧値が動くことで正しい変換値が得られないといった問題点がある。また、このA/D変換回路では、逐次比較を行うためにD/A変換が必要であり、分解能を高めることでD/A変換部の規模が大きくなり、素子のプロセスばらつきが問題となる。
図26に示すΔΣ(デルタシグマ)型A/D変換回路は中でも精度の高いA/D変換を実現する方式だが、精度を高めるためにサンプリング回数を増やす必要があり、一括変換が行えないため高速な変換に向いていないという問題点がある。
上記の特許文献2に記載のA/D変換回路は、入力されるアナログ値を基に、β写像によるカオスを発生させデジタルデータを取得することを目的としており、得られたデジタルデータを一般的に利用可能なバイナリデータに変換する機構を有していない。また、ΔΣ型A/D変換のように積分回路を用いて構成されており、クロックパルス1回分での一括変換を目的としていない。
図27に示すパイプライン型A/D変換回路は、D/A変換が必要なためDACを備える必要があり、図27にも示されている通り各段に残差アンプや1ビット出力毎のサンプルホールドアンプを備える必要があり、構成が大型化する問題点を有している。
従来のA/D変換の特徴をまとめたものを図28に、速度と分解能の関係を図29示す。図29に明らかな通り、分解能はΔΣ型が良好で、相対的に並列型が悪く、中間に逐次比較型とパイプライン型が並んでいる。高速変換という観点からは、並列型、パイプライン型、逐次比較型、ΔΣ型の順に並ぶということになる。
本発明は、テント写像演算回路及びA/D変換回路を提供することを目的とする。
本発明に係るテント写像演算回路は、入力されるアナログ信号に対し、テント写像のアナログ演算を1回分行う1回分演算部と、入力されるアナログ信号をグレイコードのビット数nに応じた閾値と比較してnビットのデジタル値を抽出してグレイコードを出力する比較器と、を具備し、前記1回分演算部には、複数のアナログ演算回路と、前記複数のアナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路間に設けられたスイッチ及び前記A/D変換の対象信号を前記複数のアナログ演算回路中の所要アナログ演算回路に導く経路に設けられたスイッチにより構成されるスイッチ群と、前記A/D変換の対象信号と閾値との大小関係に基づき、前記スイッチ群のスイッチの開閉を制御し、前記閾値との大小関係により決定されるテント写像関数中の一次関数の演算回路を実現する制御回路とが含まれていることを特徴とする。
本発明に係るテント写像演算回路では、入力されるアナログ信号に対し、テント写像のアナログ演算を1回分行う1回分演算部と、入力されるアナログ信号をグレイコードのビット数nに応じた閾値と比較してnビットのデジタル値を抽出してグレイコードを出力する比較器と、を具備し、テント写像関数が一次式に定数を掛ける形式の関数であり、前記1回分演算部には、前記定数を掛ける演算を行う第1のアナログ演算回路と、前記一次式の演算を行う第2のアナログ演算回路と、前記1回分演算部へ入力された信号を、前記第1のアナログ演算回路へ直接導くか、または、前記第2のアナログ演算回路を介して前記第1のアナログ演算回路へ導くか、経路を切り換えるスイッチ群と、前記1回分演算部へ入力された信号の大きさに基づき前記スイッチ群のオンオフを制御する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明に係るテント写像演算回路では、前記1回分演算部は、1ビットまたは2ビット以上の所定ビットを出力することを特徴とする。
本発明に係るテント写像演算回路では、前記アナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路は、オペアンプ或いはNMOSトランジスタにより構成されていることを特徴とする。
本発明に係るテント写像演算回路では、前記アナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路は、オペアンプ或いはPMOSトランジスタにより構成されていることを特徴とする。
本発明に係るテント写像演算回路では、前記1回分演算部には、所定数を減算するアナログ演算回路が備えられていることを特徴とする。
本発明に係るA/D変換回路は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のテント写像演算回路と、前記テント写像演算回路内の1回分演算部の出力を入力へフィードバックする経路と、前記1回分演算部の1回演算毎の出力を蓄積するバッファと、を具備し、前記テント写像演算回路において、前記1回分演算部により演算を所定回繰り返して行い、前記バッファから所定ビットのA/D変換出力を得ることを特徴とする。
本発明に係るA/D変換回路では、前記得られるグレイコードをバイナリコードに変換する変換手段を具備することを特徴とする。
本発明によれば、テント写像のアナログ演算を行うことができ、テント写像演算回路を用いてA/D変換回路を得ることが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るA/D変換回路の構成図。 テント写像のリターンマップ。 テント写像の式(1)のrを横軸とし、Xr+1 を縦軸とした時系列を示す図。 テント写像の式(2)による4ビットのグレイコードを示す図。 テント写像からビット列を4ビット分取り出す場合のテントマップイメージを示す図。 図5に対応する、各初期値X0の範囲の値を示す図。 グレイコードをバイナリ変換する回路の一例を示す図。 本発明に係るA/D変換回路にて用いられるアナログ演算回路の第一の回路例を示す図。 本発明に係るA/D変換回路にて用いられるアナログ演算回路の第二の回路例を示す図。 本発明に係るA/D変換回路の第2の実施形態の要部の詳細構成図。 本発明に係るA/D変換回路の第2の実施形態の構成図。 本発明に係るA/D変換回路の第2の実施形態の動作を示すタイミングチャート。 本発明に係るA/D変換回路の第3の実施形態の構成図。 本発明に係るA/D変換回路の第4の実施形態において用いるテントマップイメージを示す図。 本発明に係るA/D変換回路の第4の実施形態の構成図。 本発明に係るA/D変換回路の第5の実施形態において用いるテントマップイメージを示す図。 本発明に係るA/D変換回路の第5の実施形態において得られるグレイコードと変換されたバイナリコード及びそれを反転処理した最終デジタル値を示す図。 本発明に係るA/D変換回路の第5の実施形態の構成図。 本発明に係るA/D変換回路の第5の実施形態の要部構成図。 図19の回路についてDC解析を行った結果を示す図。 本発明に係るA/D変換回路の第6の実施形態の構成図。 本発明に係るA/D変換回路の第6の実施形態の要部構成図。 図22の回路についてDC解析を行った結果を示す図。 従来の並列型(フラッシュ型)A/D変換回路の構成を示す図。 従来の逐次比較型A/D変換回路の構成を示す図。 従来のΔΣ(デルタシグマ)型A/D変換回路の構成を示す図。 従来のパイプライン型A/D変換回路の構成を示す図。 従来のA/D変換の特徴をまとめた図。 従来のA/D変換の速度と分解能の関係を示す図。
以下添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るテント写像演算回路及びA/D変換回路の実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
概要
本実施形態では、一例として、一次元の反復写像として知られるテント写像の演算をオペアンプにて行い、アナログ電圧値をデジタル値として変換するA/D(アナログ→デジタル)変換回路を提案する。
テント写像はカオス的性質を持つものとして、一般的に知られている。例えば、傾き2のテント写像において、ある初期値からテント写像演算を行い、写像が0.5以上の値を採ったときにビット"1"を取得し、0.5未満ではビット"0"を取得するものとする。このような取り決めの下で、取りうる初期値の範囲を均等に等分し、初期値を上記等分された各範囲内から始めてビット値を取得すると、各範囲に応じたグレイコードを出力することが知られている(例えば、「奥富秀俊、“テント写像から得られた疑似ランダムビット列に対する初期値推定法の性質について”、2012年1月30日発行、2012年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2012)、予稿集CD-ROM[2F3-6]」)。
本実施形態では、テント写像の初期値をサンプリングするアナログ電圧値とし、テント写像の演算をオペアンプによるアナログ演算で行い、コンパレータによるビット抽出を行ってグレイコードを取得する。更に、取得したグレイコードに対してバイナリ変換を行い、アナログ電圧値に相当するA/D変換値を得るものである。
本実施形態のテント写像によるA/D変換回路では、回路規模を大きくすることなく並列型(フラッシュ型)のような一括変換を実現でき、アナログ演算と同時にエンコードを行う構成となるため、エンコード回路は不要となる。また、本実施形態のテント写像によるA/D変換回路は、逐次比較型A/D変換回路のようにサンプリングした電圧値を保持しておく必要がなく、D/A変換回路も不要であるなどの様々な優位性を備えている。更に、本実施形態のA/D変換回路の回路規模はテント写像の反復演算を行う構成で主に決定され、より理想的な計算精度をもつアナログ演算回路を採用すれば、高い分解能を持つことができる。即ち、本実施形態によって小規模で高速なA/D変換回路を得ることができる。
原理
まず、実施形態の原理を説明する。
[I]テント写像について
テント写像は以下の式(1)で定義される。
Figure 2018160915
テント写像のリターンマップを図2に示し、更に、式(1)のrを横軸とし、Xr+1 を縦軸とした時系列を図3に示す。図2はテント写像の幾何学的イメージであり、Xrが0.5未満の場合 2Xr の演算を実行し、0.5以上の場合 2(1-Xr) の演算を実行し、値域となる区間[0,1]を反復して写像を行うことによって得られる。図2は、初期値X0=0.123とした場合であり、X4=0.032 までの例を載せている。
本実施形態では、式(1)の演算を実行するアナログ演算回路を用い、A/D変換回路を構成する。A/D変換のデジタル値は図3に示すように、0.5未満の場合にはビット"0"を、0.5以上の場合にはビット"1"を抽出する処理を継続する。
[II]グレイコードの生成について
グレイコードは2進数において、前後に隣接する符合のハミング距離が常に1となる特徴をもつ、デジタル回路用の数値符号として知られている。
グレイコードは以下の式(2)により変換する。ここで"b"は2進数ビット列になる。
Figure 2018160915
式(2)よる4ビットのグレイコードを図4に示す。
次に、テント写像によるグレイコードの生成について説明する。
テント写像において採り得る初期値の領域を均等に分割し、各領域内の値であれば、どれでもよく初期値を決め、テント写像演算を行い、写像が0.5以上の値を採ったときにビット"1"を取得し、0.5未満の値を採ったときにビット"0"を取得し、取得されたビット値を連続してビット列を取得すると、各範囲に対応するグレイコードが出力される。
ここで例として、初期値 X0 の領域を16分割し、各領域内より初期値X0を選択し、上記のルールにてテント写像からビット列を4ビット分取り出す場合のテントマップイメージが、図5になる。図5に対応する、各初期値X0の範囲の値を図6に示す。図6に示すように、各初期値X0の範囲からテント写像の最上位ビットを連続して取った場合、式(2)によるグレイコードと同じコードが出力される。
初期値X0は、図6で示した範囲内ならばどの値をとってもよく、各範囲に応じたグレイコードをテント写像の反復を行うことで出力できる。グレイコードをバイナリ変換することによって、元のバイナリのビット列を得ることができる。グレイコードをバイナリ変換する回路を図7に示す。グレイコードとバイナリ変換のビット列の関係は図4になる。
ここで、テント写像の演算により得られたビット列がグレイコードと一致しているかを、式を追跡して確かめることにする。
グレイコードに変換する前の任意のnビット分のビット列
Figure 2018160915
を与える。iは各ビット桁とする。
グレイコードのビット列をGiとすると式(2)より、グレイコードの各ビット桁は
Figure 2018160915
で表現される。
テント写像Xrのビット列を、写像の回数(ラウンド)を r 、ビット桁を i としてTr,iとする。
テント写像から得られる写像毎の最上位ビット桁Tr,n の値は、以下のようにグレイコードと等価に
Figure 2018160915
となるはずであるが、写像毎の最上位ビット桁Tr,nと、グレイコードの各ビット桁Giが等しくなっているかを確かめる。
初期値X0は、図6に示した各範囲の中間の値から取得した場合を考えて(例えば "n = 4" において、テント写像では図5の第1番目の区間の場合、中間の値は "0.03125(0.00001)2" となる)、初期値X0とすると、任意の初期値X0小数点以下のビット列は
Figure 2018160915
初期値X 0 (r=0)
初期値X0の最上位ビットは
Figure 2018160915
となり、グレイコードの最上位ビットGnと一致する。
1回の写像X 1 (r=1)
写像Xr が0.5以上の場合の計算結果を考慮すると、最上位ビットbnが"1"の場合は1−Xrの操作を行う必要がある。その場合は1の補数(ビット反転)に1を加える操作を行う。
反転を考慮したビット列をα1,iとすると、
Figure 2018160915
となる。
最後に、2 Xr 或いは 2 (1−Xr )の演算はβ1,iを1ビット右シフトするため、1回目のテント写像を行ったXのビットの並びT1,i
Figure 2018160915
となり、式(5)が成り立ち、1回のテント写像の最上位ビットはグレイコードの最上位から2つ目のビットと等しくなることがわかる。
2回の写像X 2 (r = 2)
1,i(最上位ビット)が1の場合、反転を考慮したビット列をα2,iとすると
Figure 2018160915
Figure 2018160915
となり、ラウンドごとに下位ビットは左1ビットずつシフトしてゆく構造となる。
これらからテント写像より出力された最上位ビットの列は、グレイコード変換したビット列と同じであることが確かめられ、以下の関係にあることが導かれる。
Figure 2018160915
任意の値X0(b0,i)から、テント写像の最上位ビット" Tr,n "を順番に出力したものと、グレイコードによって変換された値は一致する。
以上はデジタル演算で確かめたが、本実施形態では、デジタルサンプリングするアナログ電圧値をテント写像の初期値X0とし、アナログ演算回路によりテント写像の計算を行い、コンパレータでグレイコードを取り出して図7に示す回路によりバイナリ変換を行うことで、デジタル値を取得する。
[III]テント写像の演算を行うアナログ演算回路
テント写像の演算は、オペアンプを使用したアナログ演算で行う。
写像 Xr を電圧値として、0.5[V]未満の場合には、図8に示したオペアンプ30による非反転増幅回路のアナログ演算にて、Xr+1 = 2 Xrの演算を行い、Xr が0.5[V]以上の場合には図9のオペアンプ31による反転増幅回路で、1 - Xr の計算を実行した後、図8の非反転増幅回路にてXr+1 = 2(1 - Xr) の演算を行う。ここで図9のオペアンプ31による反転増幅回路は抵抗の比が1対1(増幅率は1)となっており、レファレンス電圧は0.5[V]のため、0.5[V]を境に折り返すようにして、1 - Xr の演算を行う。注意点として、反転増幅回路は負帰還型であり、前の回路に電流が生じることで影響を及ぼすため、抵抗素子の抵抗値(Ω)を高抵抗にすることが望ましい。
図10、に式(1)のテント写像の1回分の演算を行う回路図を示す。図10に示すように、始めに Xr の電圧値が、0.5[V]未満か或いは0.5[V]以上かによってコンパレータ24が Low あるいはHighレベルを出力し、クロック信号がHigh状態となったとき、どちらも入力がHigh状態となるAND回路の出力がHighになり、アナログスイッチSW1かSW2が選択され、どちらかの導通を行う。この図10の回路については、後に詳細に説明する。
スイッチSW1が選択された場合、Xr+1 = 2 Xr の演算が行われ、電圧レベルXr+1を出力する。スイッチSW2が選択された場合は、1 - Xr の演算を反転増幅回路(図9)によって行い、その後、非反転増幅回路(図8)にてXr+1 = 2(1 - Xr) の演算を行い、電圧レベルXr+1を出力する。出力された電位レベルが、テント写像1回の演算結果となり、この演算結果の電位レベルを再び入力値として、テント写像の反復演算(図10)を継続する。
図1に本発明の第1の実施形態に係るA/D変換回路の構成図を示す。このA/D変換回路は、サンプルホールド手段11、演算手段12、変換手段13を備える。サンプルホールド手段11は、A/D変換の対象信号(アナログ信号)をサンプルホールドするものである。演算手段12は、サンプルホールドされた信号に対しテント写像のアナログ演算を行うと共に初期値及び演算結果をグレイコードのビット数に応じた閾値と比較する比較器を備えグレイコードを出力するものである。既に説明した通り、アナログ信号の初期値に対しテント写像のアナログ演算を行い、演算結果が採り得る値(上記例では、「1」)の1/2である「0.5」を閾値として比較器により比較を行うことでグレイコードが得られる。変換手段13は、演算手段により得られるグレイコードをバイナリコードに変換するものである。この第1の実施形態によって、アナログ信号を適切にデジタル信号に変換することができる。
図11に、第2の実施形態に係るA/D変換回路の構成図を示す。この第2の実施形態は、一括型と称することができ、クロック信号のHighエッジをトリガとしてHighエッジを受けるたびに、一括でA/D変換(標本化・量子化・符号化)を行う回路構成となっている。このA/D変換回路は、4ビットの分解能を有するために、テント写像のアナログ演算を1回分行う1回分演算部であるテント写像演算回路1(1−1〜1−3)を3回路カスケード接続して構成される。1回分演算部であるテント写像演算回路1の数は、分解能に応じて変更される。最終段のテント写像演算回路1−3の出力は比較器CMPに与えられる。
テント写像演算回路1−1〜1−3のグレイコード端子Gからの出力と比較器CMPの出力は、バイナリ変換回路3へ与えられて、バイナリ変換回路3ではグレイコードをバイナリコードへ変換する処理が行われる。バイナリ変換回路3の出力は出力バッファ4に保持されて、ここから出力される。
1回分演算部であるテント写像演算回路1は、図10に示すように構成される。即ち、テント写像演算回路1は、制御部21、第1の演算回路であるアナログ演算回路22、第2の演算回路であるアナログ演算回路23、スイッチ群である(アナログ)スイッチSW1、SW2を備えている。スイッチ群であるスイッチSW1、SW2は、上記1回分演算部へ入力された信号を、上記第1の演算回路へ直接導くか、または、上記第2の演算回路を介して上記第1の演算回路へ導くか、経路を切り換えるスイッチ群である。
制御部21は、上記1回分演算部へ入力された信号の大きさに基づき上記スイッチ群のオンオフを制御するものである。制御部21には、入力信号をグレイコード(1ビット)に変換するコンパレータ(比較器)24と、コンパレータ24の出力に基づきスイッチSW1、SW2を制御する制御信号を作成する論理回路25により構成される。ここでは、論理回路25は、インバータ25a、ANDゲート25b、25c、ORゲート25dにより構成されている。スイッチSW1、SW2の切り替えタイミングはコンパレータ24の出力がHighかLowに確定した後に行うため、入力クロック信号に遅延回路を設けることで切り替えの同期を取ることができる。
本実施形態では、テント写像関数が一次式に定数を掛ける形式の関数であるため、アナログ演算回路22を、上記定数を掛ける演算を行う第1の演算回路として構成し、アナログ演算回路23を、上記一次式の演算を行う第2の演算回路として構成している。
アナログ演算回路(第1の演算回路)22は、図8に示したオペアンプ30による非反転増幅回路のアナログ演算にて入力信号Xrまたは1 - Xrに定数2を掛ける演算を行う。
アナログ演算回路(第2の演算回路)23は、反転増幅回路であり、抵抗の比が1対1(増幅率は1)となっており、入力信号Xrを1 - Xrとする一次式の計算を行う。
以上の通りに構成された第2の実施形態に係るA/D変換回路は、次の通りに動作する。変換対象のアナログ信号は、スイッチSW1を介してサンプルホールドアンプ2へ与えられる。また、サンプルホールドアンプ2の出力は、スイッチSW2を介してテント写像演算回路1−1へ与えられている。クロック信号がLow状態にあるとき、スイッチSW1が導通状態、スイッチSW2が非導通状態にあり、サンプルホールドの出力の電圧レベルは入力のアナログ信号と常に同期している。次にクロック信号がHigh状態になることで、スイッチSW1が非導通状態に遷移され、その時の電圧レベルがサンプリングされ保持される。
サンプルホールドアンプ2によりサンプリングされた電圧レベルは、スイッチSW2が導通状態になると、テント写像の初期値X0として、テント写像演算回路1−1に与えられ、演算結果X1が出力される。演算結果X1は入力値として、次のテント写像演算回路1−2に与えられる。一方、テント写像演算回路1−1のコンパレータ24によって、0.5以上かまたは0.5未満かの判別により得られた信号が論理回路25へ出力され、ORゲート25dの出力クロック信号のHigh状態がテント写像演算回路1−2へ送られる。このような繰り返しの動作が分解能のビット分のテント写像演算回路1−1〜1−3において行われ、テント写像の演算が行われて行く。
テント写像演算回路1−1〜1−3による演算結果の各Xr+1は、それぞれが内蔵する0.5以上か0.5未満の判別を行うコンパレータ24によって1か0かに分別されることで、グレイコードが生成される最終段のテント写像演算回路1−3の出力は比較器CMPに与えられ、閾値0.5[V]と比較されてグレイコードとされる。グレイコードはバイナリ変換回路3を介してバイナリコードとされ、最終的に出力バッファ4からデジタル値を得ることができる。
バイナリ変換回路3は、図7に示すように3つの排他的論理和回路により構成される。最上位側の排他的論理和回路は、MSBと第2桁目の排他的演算を行い、2番目の排他的論理和回路は、最上位側の排他的論理和回路の出力と第3桁目の排他的演算を行い、3番目の排他的論理和回路は、2番目の排他的論理和回路の出力と第3桁目の排他的演算を行う。
図12は、図11に示した第2の実施形態に係るA/D変換回路の動作時における各部の信号波形の遷移を示すタイミングチャートである。クロック信号のHighエッジを受けるたびに、その時点のアナログ信号の電圧値をテント写像の初期値X0として、サンプルホールドアンプ2により取り込まれ、テント写像演算回路1−1〜1−3においてテント写像の演算が一括で行われる。演算の結果、テント写像演算回路1−1〜1−3のVoutからアナログ電圧値として出力された各電圧レベルをX1,X2,X3として示している。
各アナログ電圧値X0,X1,X2,X3は、テント写像演算回路1−1〜1−3内のコンパレータ24と図11に示すコンパレータCMPにより0.5[V]以上か0.5[V]未満かにより1と0とに峻別されたグレイコードとして出力され、バイナリ変換回路3によるバイナリ変換を経て、最終的に図11と図12にOUT0,OUT1,OUT2,OUT3として示したデジタル値とされて出力される。
図12では、1回目のクロック信号のHighエッジによる一連のA/D変換が、テント写像の初期値X0=0.15[V]によって実行された例を示している。テント写像演算回路1−1〜1−3によるテント写像の結果として、X0=0.15[V],X1=0.30[V],X2=0.60[V],X3=0.80[V]の電圧レベルが出力されている。この電圧レベルを受けて、テント写像演算回路1−1〜1−3内のコンパレータ24と図11に示すコンパレータCMPによりグレイコード(0 0 1 1)が出力され、図7のバイナリ変換回路3により、最終的にデジタル出力(0 0 1 0)が出力されている。
2回目のクロック信号のHighエッジによる一連のA/D変換においては、テント写像の初期値X0=0.48[V]が取り込まれ、3回目のクロック信号のHighエッジによる一連のA/D変換においては、テント写像の初期値X0=0.79[V]が取り込まれ、2回目のクロック信号のHighエッジによる一連のA/D変換においては、テント写像の初期値X0=0.63[V]が取り込まれ、それぞれの回において前述の通りの動作によりグレイコードが得られ、更にバイナリコードが得られることが図12により示されている。
図12中に示されている"遅延"は、図10のサンプリングするクロックが遅延回路により遅延された時間に該当している。クロック信号がLowになった場合は、全てのスイッチSW1、SW2が非導通状態とされるため、各電圧レベルXr+1(図11と図12に示したX0,X1,X2,X3) は、リセットされた状態になる。
なお、ここでは基準電圧を1[V]としているが、例えば基準電圧を10[V]とした場合、コンパレータの閾値は5[V]となり、5[V]以上か未満で判定がされることになる。このように、基準電圧やコンパレータの閾値は、実装環境によって基準電圧を任意に設定してよい。
この一括型の第2の実施形態に係るA/D変換回路は、1回のクロックでA/D変換を終了させるといった点で、従来のA/D変換回路として並列型(フラッシュ型)、またはパイプライン型に相当する。従来の並列型(フラッシュ型)では分解能が256階調の8ビットの場合、コンパレータ(オペアンプ)を255(=28-1)個必要とする。これに対して、第2の実施形態に係るA/D変換回路では、図11に示す4ビットで段数に応じてテント写像演算回路1が3個であるので、8ビットではテント写像演算回路1が7個で済むことが分かる。1つのテント写像演算回路1にはオペアンプが3個含まれており、8ビット分の回路設計には、3 x 7 = 21個のオペアンプに、サンプルホールドと最後のコンパレータの2個を追加すると実質23個となることが分かる。
更に分解能16ビットの回路を考えると、従来の並列型(フラッシュ型)は必要とするコンパレータ(オペアンプ)が65535(=216-1)個になるのに対し、本実施形態による構成では15段となるため、3 x 15 + 2 = 47個程度で一括変換が構成可能であることが分かる。また、並列型(フラッシュ型)A/D変換回路(図24)では、各抵抗による分圧が閾値電圧として入力され、アナログ入力の電圧レベルとの区分けによるコンパレータ群による量子化後に、符号化のためのエンコード回路が必要であるが、テント写像による方式では、0.5以上か、0.5未満かでコンパレータによる1/0ビット抽出を行い、アナログ演算と同時にエンコードを行える性質のため、エンコード回路は不要となる。
図13に、第3の実施形態に係るA/D変換回路の構成図を示す。この第3の実施形態は、反復型と称することができ、クロック信号のHighエッジを受け、1回のテント写像の演算を行い、Lowエッジにより演算結果の電圧レベルをサンプルホールドアンプ38で保持し、次のクロック信号のHighエッジを受けて2回目のテント写像の演算を行う。以下同様にクロック信号のHighエッジを受けてテント写像の演算を行うもので、1クロックに1ビットずつ繰り返し連続してグレイコードを抽出するタイプである。
第3の実施形態に係るA/D変換回路は、サンプルホールドアンプ38、テント写像演算回路1、レジスタ32、スイッチSW0、SW1、SW2、制御部5を備えている。スイッチSW0は、A/D変換対象のアナログ入力信号をサンプルホールドアンプ38の入力端子に導く経路に設けられ、スイッチSW1は、サンプルホールドアンプ38の出力をテント写像演算回路1の入力端子に導く経路に設けられ、スイッチSW2は、テント写像演算回路1の出力信号をサンプルホールドアンプ38の入力端子に導く経路に設けられる。
制御部5は、スイッチSW0、SW1、SW2の開閉制御を行う制御部である。制御部5は、第3の実施形態に係るA/D変換回路の分解能をNビットとした場合、最初のアナログ信号のサンプリングは、クロック信号のLowエッジを受けてスイッチSW0を導通状態とし、アナログ信号をサンプルホールドアンプ38へ取り込む。次に制御部5は、クロック信号のHighエッジでスイッチSW0を非導通状態とし、スイッチSW1を導通状態として、サンプルホールドされた電圧レベルを、テント写像演算回路1へ転送する。クロック信号における2回目からは、そのLowエッジでスイッチSW2を導通状態(スイッチSW1は非導通状態)とし、HighエッジでスイッチSW1を導通状態(スイッチSW2は非導通状態)とする制御を行い、テント写像演算回路1によるテント写像の演算結果の電圧レベルをサンプルホールドアンプ38に送り、以降”N−1“回繰り返しテント写像演算回路1においてテント写像の演算を行う。また、テント写像演算回路1内のコンパレータ24によって抽出されグレイコード端子Gから出力されたグレイコードは1ビットずつレジスタ32に蓄積されて、Nビット分蓄えられた時点で、バイナリ変換回路3へと転送されて変換がなされ、出力バッファ4を介し、最終的にデジタル値を得るように制御が行われる。このような動作を1セットとして繰り返し動作が行われ、Nビットずつの取得が可能である。
この第3の実施形態に係るA/D変換回路は、第2の実施形態に係るA/D変換回路(一括型)に比べて時間を要するが、1回分のテント写像回路(テント写像演算回路1)が1つで済むため、オペアンプの個数としては4個となり、面積削減になる。回数の点では逐次比較型に近くなる。
従来の逐次比較型ではD/A変換回路を搭載するため、分解能を大きくするほど回路規模も大きくなる、といった問題があった。逐次比較型との違いとして、この第3の実施形態に係るA/D変換回路は、一連のデジタル変換が終了するまで、初期電圧値をサンプルホールドアンプ38で保つ必要がなく、D/A変換回路がいらない(コンパレータのレファレンス電圧が0.5[V]のみでよい)ことが利点である。
次に、第4の実施形態に係るA/D変換回路の説明を行う。この実施形態に係るA/D変換回路は、1回の写像につき、複数ビット出力する。1回の写像演算につき、2ビット分の出力を行う場合、以下の式(7)を使用する。
Figure 2018160915
式(7)のテント写像マップの幾何学的イメージは図14に示すように、2つの山を持つようなテント写像になる。
Xr の範囲が、
Figure 2018160915
というように、式(7)の演算1回につき、ビット列を2ビット分出力して、分解能ビット数分を連続して、グレイコード(デジタル値)を取得する構成を備えている。
例えば、4ビットの分解能を有する構成とする場合には、図6に対応した初期値X0の16種の範囲から、はじめに初期値 X0 から2ビット分を出力し、次に初期値 X0を用いて式(7)の演算を実行して得られたX1 から2ビット分を得て、合わせて4ビット分のグレイコード(デジタル値)が得られるため、写像の演算は1回分を行うことで済む構成となっている。
図15に、第4の実施形態に係るA/D変換回路の構成図を示す。このA/D変換回路は、制御部41、アナログ演算回路42、43、44及びスイッチSW1〜SW6を備えている。制御部41は、スイッチSW1〜SW6のオンオフを制御する制御信号を作成すると共に、入力端子40から到来する初期値及び演算結果をグレイコードのビット数に応じた閾値と比較する比較器を備えグレイコードを出力するものである。
スイッチSW1は、入力端子40とアナログ演算回路42との間の経路に設けられ、スイッチSW2はアナログ演算回路43の出力端子とアナログ演算回路42の入力端子の間に設けられている。更に、スイッチSW3は、アナログ演算回路42の出力端子と出力端子49との間の経路に設けられ、スイッチSW4はアナログ演算回路42の出力端子とアナログ演算回路44の入力端子の間に設けられている。また、スイッチSW5は、アナログ演算回路43へレファレンス電圧0.75[V]を与えるためのスイッチであり、スイッチSW6は、アナログ演算回路43へレファレンス電圧0.25[V]を与えるためのスイッチである。
アナログ演算回路42は、入力された信号を4倍する回路であり、アナログ演算回路43は入力信号Xr(Vin)を0.5 - Xr or 1.5 - Xrとする一次式の計算を行う回路であり、アナログ演算回路44は2を引く引き算を行う回路である。アナログ演算回路44は、ダイオード接続したNMOSトランジスタ44aのドレインにNMOSトランジスタ44bのドレインを接続し、この接続点を出力端子とした回路である。また、NMOSトランジスタ44aのソースとゲートの接続点にスイッチSW4が接続されて入力信号を取込可能とされている。NMOSトランジスタ44bのゲートには0.0[V]が与えられ、NMOSトランジスタ44bのソースには−2.0[V]が与えられている。
制御部41には、コンパレータCMP51〜53が備えられている。コンパレータCMP51は、入力信号と閾値0.25[V]とを比較するもので、その出力をインバータ41aにより反転させて“-025A”を作成する。コンパレータCMP52は、入力信号と閾値0. 5[V]とを比較するもので、その出力“High05”を作成する。“High05”はスイッチSW4に対する制御信号であり、“High05”がHレベルのときSW4が閉成される。“High05”をインバータ41bにより反転させて“Low05”を作成する。“Low05”はスイッチSW3に対する制御信号であり、“Low05”がHレベルのときSW3が閉成される。
コンパレータCMP53は、入力信号と閾値0.75[V]とを比較するもので、その出力“075-D”を作成する。“075-D”はスイッチSW5に対する制御信号であり、“075-D”がHレベルのときSW5が閉成される。“Low05”とコンパレータCMP51の出力をANDゲートにより論理積演算して“025-05B”を作成する。“025-05B”はスイッチSW6に対する制御信号であり、“025-05BがHレベルのときSW6が閉成される。
コンパレータCMP53の出力“075-D”とANDゲート41cの出力信号“025-05B”はORゲート41eにより論理和演算され、この論理和信号はANDゲート41fによりクロック信号と論理積演算されスイッチSW2の制御信号が作成される。スイッチSW2の制御信号がHレベルのときにスイッチSW2が閉成される。
また、ANDゲート41dにより作成された信号“05-075C”とインバータ41aの出力は、ORゲート41gにより論理和演算され、この論理和信号はANDゲート41hによりクロック信号と論理積演算されスイッチSW1の制御信号が作成される。スイッチSW1の制御信号がHレベルのときにスイッチSW1が閉成される。
また制御部41には、それぞれの一方の入力端子が接続されたORゲート41i、41jが備えられている。ORゲート41iに信号“075-D”と信号“05-075C”とを与えてグレイコードの1ビット目の信号G1を得ると共に、ORゲート41jに信号“025-05B”と信号“05-075C”とを与えてグレイコードの2ビット目の信号G2を得るように構成されている。
以上の通りに構成された第4の実施形態に係るA/D変換回路においては、入力端子40へ入力される入力信号Xr(Vin)が、Xr<0.25のとき、スイッチSW1、SW3が閉成されてXr+1=4Xrの写像演算が実行される。また、入力端子40へ入力される入力信号Xr(Vin)が、0.25≦Xr<0.5のとき、スイッチSW2、SW3、SW6が閉成されてXr+1=2−4Xrの写像演算が実行される。
更に、入力端子40へ入力される入力信号Xr(Vin)が、0.5≦Xr<0.75のとき、スイッチSW1、SW4が閉成されてXr+1=4Xr−2の写像演算が実行される。また、入力端子40へ入力される入力信号Xr(Vin)が、0.75≦Xrのとき、スイッチSW2、SW4、SW5が閉成されてXr+1=4−4Xrの写像演算が実行される。
第3の実施形態では写像の反復毎に1ビットずつ出力しているが、式(7)を使用する本第4の実施形態に係るA/D変換回路によれば、反復毎に2ビットずつ出力できるため、分解能のビット数が4とした場合、必要なクロック数は2でよい。第3の実施形態にあってはA/D変換に必要なクロック数が4であるのに対し、少ないクロックで済むことが分かる。
本第4の実施形態に係るA/D変換回路は、従来例に係るA/D変換回路が用いていたD/A変換を使用せず、従来のパイプライン型A/D変換回路が採用していた残差アンプや1ビット出力毎のサンプルホールドアンプを使用しない特徴を有している。更に本第4の実施形態に係るA/D変換回路は、テント写像によるA/D変換において1回の写像で数ビットを出力できる写像関数を用意するので、フラッシュ型とパイプライン型を合わせたサブレンジ型のような、変換速度と回路面積、分解能精度のトレードオフ的な構成をとることが可能である。
また、本第4の実施形態に係るA/D変換回路を用いて、例えば、分解能8ビットのA/D変換を行う装置を、図11に示した第2の実施形態のような構成によって実現することができる。即ち、図11に示すテント写像演算回路1−1〜1−3のそれぞれを図15に記載の本実施形態に係るA/D変換回路によって置換し、図11のコンパレータCMPを図15に示す制御部41によって置換することになる。すると、本実施形態に係るA/D変換回路は、1つのA/D変換回路のコンパレータ(オペアンプ)を5個含むから、テント写像演算回路1−1〜1−3の3回路で、合計5×3=15個である。また、制御部41には、3個のコンパレータ(オペアンプ)が含まれるから15+3=18個となり、サンプルホールド1個を含めると合計19個である。これに対し並列型(フラッシュ型)で同様の分解能が8ビット回路を作成する場合にはコンパレータを255個必要とすることから、本実施形態が遥かに少ない部品点数で同じ分解能の回路を実現することが可能である。
次に、第5の実施形態に係るA/D変換回路に適用される1回分演算部の説明を行う。式(1)の写像を1回分行う1回分演算部であるテント写像演算回路1を、既に図10に示した。この図10に示す反転増幅回路は負帰還型であり、“1 - Xr”を実行するが、応答時間(レイテンシ)が遅くなるという懸念と、複数段のカスケード接続を行う場合に、前段の回路に電流が生じることで演算精度に影響を及ぼす懸念を有している。そのため、上記反転増幅回路を例えばNMOSトランジスタを用いて構成することで、応答時間(レイテンシ)向上や演算精度向上、更に回路面積削減といった効果を上げることが期待できる。そこで、本実施形態のA/D変換回路では、テント写像式として、以下の式(8)を使用することができる。
Figure 2018160915
図16に、上記式(8)のテント写像マップの幾何学的イメージを示す。このテント写像マップはV字型のテント写像になり、値域[1,2]を反復する。Xr の範囲が、
Xr < 1.5 の時 ビット列 " 1 "
1.5 ≦ Xr の時 ビット列 " 0 "
を取得する。
式(8)を実現する場合、図17に示す各初期値X0の範囲から写像を行い、グレイコードを生成し、バイナリ変換を行うことで、最終的なデジタル値を取得する。ところが、式(8)により上記のルールによってビット列を取得すると、図17に示すように、バイナリ変換した値が降順(初期値X0の昇順と逆)に生成されてしまう。このため、最後にバイナリ変換した値を反転することで、最終的に適正なデジタル値(昇順)を得ることができる。
図10に示した反転増幅回路を、NMOSトランジスタに置き換えて構成したテント写像演算回路50を図18に示す。この図18に示すテント写像演算回路50は、式(8)を実現する1回分演算部である。即ち、テント写像演算回路50は、制御部51、第1の演算回路であるアナログ演算回路52、第2の演算回路であるアナログ演算回路53、第3の演算回路であるアナログ演算回路54、スイッチ群である(アナログ)スイッチSW1、SW2を備えている。
スイッチ群であるスイッチSW1、SW2は、上記1回分演算部へ入力された信号を、上記第1の演算回路へ直接導くか、または、上記第2の演算回路を介して上記第1の演算回路へ導くか、経路を切り換えるスイッチ群である。
制御部51は、上記1回分演算部へ入力された信号の大きさに基づき上記スイッチ群のオンオフを制御するものである。制御部51には、入力信号をグレイコード(1ビット)に変換するコンパレータ(比較器)56及びインバータ51aと、コンパレータ56の出力に基づきスイッチSW1、SW2を制御する制御信号を作成する論理回路55により構成される。ここでは、論理回路55は、ANDゲート55b、55c、ORゲート55dにより構成されている。論理回路55の出力は、図11に示したカスケード接続を利用する場合の次段へ送るクロック信号となる。
本実施形態では、テント写像関数が一次式に第1の定数を掛け、更に第2の定数を引く形式の関数であるため、アナログ演算回路52を、上記第1の定数を掛ける演算を行う第1の演算回路として構成し、アナログ演算回路53を、上記一次式の演算を行う第2の演算回路として構成し、更にアナログ演算回路54を、上記第2の定数を引く演算を行う第3の演算回路として構成している。
アナログ演算回路(第1の演算回路)52は、図8に示したオペアンプ30による非反転増幅回路のアナログ演算にて入力信号Xrまたは3 - Xrに定数2を掛ける演算を行う。
アナログ演算回路(第2の演算回路)53は、Xr<1.5の場合に、図16に示す"1.5"を折り返すようにして、"3 − Xr"の演算を、NMOSトランジスタ53a、53bで構成した引き算回路で行うものである。ここでアナログ演算回路(第2の演算回路)53は、図19に示すように、ダイオード接続したNMOSトランジスタ53aのドレインに別のNMOSトランジスタ53bを接続して構成される。ダイオード接続したNMOSトランジスタ53aのゲートとソースの接続点に電圧値Vgsが与えられている。上記別のNMOSトランジスタ53bではゲートがVinに接続され、ソースがVsに接続されている。2つのNMOSトランジスタ53a、53bの接続点は出力端子であり、出力Voutの電圧レベルは、"Vout = Vgs - Vin + Vs (但しVin ≦ Vgs/2) "の関係にある。
図20に、図19に示したNMOSトランジスタ53a、53bによる回路のDC解析を行った結果を示す。この図20では、Vinを 0.0[V]〜3.0[V]まで変化させた場合のVoutの電圧レベルを示している。"Vin≦Vgs/2(=1.5[V])"の範囲では、 Vout は 1.5[V]を境に Vin の電圧レベルに対して、Vgs=3.0[V]からの引き算を行った値が図20にリニアに現れている。なお、DC解析の電圧条件については、Vgs=3.0[V]、Vs=0.0[V]である。
アナログ演算回路(第3の演算回路)54は、アナログ演算回路(第2の演算回路)53と構成は同じである。アナログ演算回路(第3の演算回路)54では、アナログ演算回路(第1の演算回路)52の出力信号を、ダイオード接続したNMOSトランジスタのゲートとソースの接続点に入力している。この構成により、アナログ演算回路(第3の演算回路)54は入力から2を引く回路として機能する。
図18において電圧レベル入力Vinに相当する"Xr"が、Xr<1.5のとき制御部51によりスイッチSW2が閉成され、1.5 ≦ Xr のとき、スイッチSW1が閉成される。以上の構成により、1.5 ≦ Xrのとき制御部51によりスイッチSW1が閉成(SW2は開放)され、アナログ演算回路52とアナログ演算回路54とが接続されて、Xr+1 ="2Xr - 2 "の演算を行う回路が構成され、Xr+1 が得られる。一方、Xr<1.5のとき制御部51によりスイッチSW2が閉成(SW1は開放)され、アナログ演算回路53とアナログ演算回路52とアナログ演算回路54が接続されて、Xr+1 =" 2(3 - Xr) - 2 (=4 - 2 Xr) "の演算を行う回路が構成され、Xr+1 が得られる。
図18に示した、第5の実施形態に係るA/D変換回路に適用される1回分演算部は、図10に示した1回分演算部と比較して、図10の反転増幅回路により構成されるアナログ演算回路23をNMOSトランジスタにより構成されるアナログ演算回路53へ置き換えることで、応答時間(レイテンシ)向上、演算精度向上、また回路面積削減、といった効果が期待される。
次に、第6の実施形態に係るA/D変換回路に適用される1回分演算部の説明を行う。図21に、第6の実施形態に係るA/D変換回路に適用される1回分演算部であるテント写像演算回路であるテント写像演算回路20の回路図を示す。この1回分演算部であるテント写像演算回路20は、図10に示した1回分演算部に対して、図10の反転増幅回路により構成されるアナログ演算回路23をPMOSトランジスタ63a、63bによる構成で置き換えたものである。この1回分演算部であるテント写像演算回路20は、式(1)の写像演算を行うものである。
図10のアナログ演算回路23を、PMOSトランジスタ63a、63bによる構成で置き換えたアナログ演算回路63は、" 1 - Xr "を実行する引き算回路であり、図22に示すように2個のPMOSトランジスタで構成される。図の下側に示されるPMOSトランジスタ63bはソースとゲートがVs=0.0[V]に接続されている。このPMOSトランジスタ63bのドレインには別のPMOSトランジスタ63aのドレインが接続されている。上記別のPMOSトランジスタ63aのソースから電源がVdd=1.0[V]が供給され、そのPMOSトランジスタ63aのゲートに演算対象である入力電位レベルVinがXr として供給されている。ソースとゲートがVs=0.0[V]に接続されたPMOSトランジスタ63bのドレインからの出力電圧 Voutは、" Vout = Vdd - Vin (但しVdd/2≦Vin) "の関係である。
図23に、図22のPMOSトランジスタ63a、63bにより構成される回路のDC解析を行った結果を示す。図23には、入力電位レベルVinを 0.0[V]〜1.0[V]まで変化させた場合における、出力電圧レベルVoutの変化が示されている。"Vdd/2(=0.5[V]) ≦ Vin"の範囲では、 Vout は 0.5[V]を境に Vin の電圧レベルに対して、Vdd=1.0[V]からの引き算を行った値が、図23にリニアに現れている。
この第6の実施形態によれば、図18に示した、第5の実施形態に係るA/D変換回路に適用される1回分演算部同様に、図10に示した1回分演算部に対して、図10の反転増幅回路により構成されるアナログ演算回路23をPMOSトランジスタ63a、63bによる構成で置き換え構成することで、応答時間(レイテンシ)向上や演算精度向上、また回路面積削減といった効果を上げることができる。
本願発明の利用分野などを説明する。本発明は、アナログ電圧値をデジタル値に変換するA/D変換に使用可能である。特に、並列型(フラッシュ型)のように高速変換が必要とされるビデオ用途などに利用すると好適である。また、未知な高い周波数成分を含む、自然な波の科学技術解析や、センサによる信号のサンプリングの用途にも好適である。
2 サンプルホールドアンプ
3 バイナリ変換回路
4 出力バッファ
5 制御部
11 サンプルホールド手段
12 演算手段
13 変換手段
20 テント写像演算回路
21 制御部
22、23 アナログ演算回路
24 コンパレータ
25 論理回路
30、31 オペアンプ
32 レジスタ
38 サンプルホールドアンプ
41、51 制御部
42、43、44 アナログ演算回路
50 テント写像演算回路
52、53、54 アナログ演算回路
55 論理回路
56 コンパレータ
63 アナログ演算回路
110 エンコーダ
120 逐次比較レジスタ
125 タイミングコントロール部
130 積分回路
140 カウンタ

Claims (8)

  1. 入力されるアナログ信号に対し、テント写像のアナログ演算を1回分行う1回分演算部と、
    入力されるアナログ信号をグレイコードのビット数nに応じた閾値と比較してnビットのデジタル値を抽出してグレイコードを出力する比較器と、
    を具備し、
    前記1回分演算部には、
    複数のアナログ演算回路と、
    前記複数のアナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路間に設けられたスイッチ及び前記A/D変換の対象信号を前記複数のアナログ演算回路中の所要アナログ演算回路に導く経路に設けられたスイッチにより構成されるスイッチ群と、
    前記A/D変換の対象信号と閾値との大小関係に基づき、前記スイッチ群のスイッチの開閉を制御し、前記閾値との大小関係により決定されるテント写像関数中の一次関数の演算回路を実現する制御回路と
    が含まれていることを特徴とするテント写像演算回路。
  2. 入力されるアナログ信号に対し、テント写像のアナログ演算を1回分行う1回分演算部と、
    入力されるアナログ信号をグレイコードのビット数nに応じた閾値と比較してnビットのデジタル値を抽出してグレイコードを出力する比較器と、
    を具備し、
    テント写像関数が一次式に定数を掛ける形式の関数であり、
    前記1回分演算部には、
    前記定数を掛ける演算を行う第1のアナログ演算回路と、
    前記一次式の演算を行う第2のアナログ演算回路と、
    前記1回分演算部へ入力された信号を、前記第1のアナログ演算回路へ直接導くか、または、前記第2のアナログ演算回路を介して前記第1のアナログ演算回路へ導くか、経路を切り換えるスイッチ群と、
    前記1回分演算部へ入力された信号の大きさに基づき前記スイッチ群のオンオフを制御する制御部と
    を備えることを特徴とするテント写像演算回路。
  3. 前記1回分演算部は、1ビットまたは2ビット以上の所定ビットを出力することを特徴とする請求項1または2に記載のテント写像演算回路。
  4. 前記アナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路は、オペアンプ或いはNMOSトランジスタにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテント写像演算回路。
  5. 前記アナログ演算回路中の所要のアナログ演算回路は、オペアンプ或いはPMOSトランジスタにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテント写像演算回路。
  6. 前記1回分演算部には、
    所定数を減算するアナログ演算回路が備えられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のテント写像演算回路。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のテント写像演算回路と、
    前記テント写像演算回路内の1回分演算部の出力を入力へフィードバックする経路と、
    前記1回分演算部の1回演算毎の出力を蓄積するバッファと、
    を具備し、
    前記テント写像演算回路において、前記1回分演算部により演算を所定回繰り返して行い、前記バッファから所定ビットのA/D変換出力を得ることを特徴とするA/D変換回路。
  8. 前記得られるグレイコードをバイナリコードに変換する変換手段を具備することを特徴とする請求項7に記載のA/D変換回路。
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