JP2018160854A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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剛 内藤
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Yasuo Suda
康夫 須田
晃一 鷲巣
Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Akihiko Nagano
明彦 長野
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正史 木村
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真 追川
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【課題】フラッシュバンドの発生を高精度に検出可能な撮像装置及びその制御方法を提供する。【解決手段】本発明の一観点によれば、受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子と、撮影周期中の第1の蓄積期間において第1の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第1の映像信号、及び、撮影周期中の第2の蓄積期間において第2の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第2の映像信号、を読み出す読み出し部と、第1の映像信号の輝度分布と第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部と、を備えることを特徴とする撮像装置が提供される。【選択図】図31

Description

本発明は、蓄積期間の異なる複数の映像を同時に撮影可能な撮像装置及びその制御方法に関する。
動画と静止画を一台のカメラで同時に撮影することにより、撮影シーンを動画として視聴しながら、動画中の決定的なシーンを静止画として楽しむことができる。また、通常フレームレート動画と高フレームレート動画とを一台のカメラで同時に撮影することにより、通常フレームレート動画の特定のシーンを、高フレームレート動画のスローモーション映像に切り替えて、高品位な作品として楽しむことができる。このように、受光感度の異なる2つの光電変換部を有する撮像装置を用いることにより、視聴者に対して動感を豊かに伝えることができる映像が得られるので、撮影した映像の価値を大きく高めることができる。
例えば、特許文献1には、受光感度の異なる2つの光電変換部を備えた撮像装置が記載されている。このような構成により、特許文献1に記載の撮像装置は、単一の撮影レンズを通して信号電荷の蓄積期間(露光時間)が異なる動画と静止画を同時に撮影することを可能としている。
特開2014−48459号公報 特開2012−156634号公報 特開2013−172210号公報
一方で、画素の信号電荷の蓄積及び読み出しをラインごとに順に行ういわゆるローリング電子シャッター方式の撮像装置では、画素のラインごとに蓄積期間の遅れが生じる。このため、例えば撮影者の近くで別の撮影者がストロボ等を発光させると、その光を撮像素子が受光して、撮像素子が出力する映像信号にバンド(帯)状の明るい領域(フラッシュバンド)が発生する。この結果、映像信号から生成される画像に著しい画質の劣化が生じてしまう。
そこで、例えば特許文献2に記載の技術では、連続した複数の異なるフレームの画像を画素ごとに比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出している。しかし、このようなフレーム間で画像を比較する方法では、フレーム間に時間差が存在するため、例えば、高速で動く明るい物体がフレーム間において画像に映り込んだ場合等には、フラッシュバンドが発生した場合と区別するのが難しいという課題があった。
本発明の一観点によれば、受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子と、撮影周期中の第1の蓄積期間において第1の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第1の映像信号、及び、撮影周期中の第2の蓄積期間において第2の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第2の映像信号、を読み出す読み出し部と、第1の映像信号の輝度分布と第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部と、を備えることを特徴とする撮像装置が提供される。
本発明の別の観点によれば、光電変換部、第1の電荷保持部及び第2の電荷保持部を含む画素が行列状に配された撮像素子と、撮影周期中の第1の蓄積期間において光電変換部に生じた信号電荷を第1の電荷保持部に転送して得られる第1の映像信号、及び、撮影周期中の複数の第2の蓄積期間において光電変換部に生じた信号電荷を第2の電荷保持部に転送して得られる第2の映像信号、を読み出す読み出し部と、第1の映像信号の輝度分布と第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部と、を備えることを特徴とする撮像装置が提供される。
本発明の更に別の観点によれば、受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子を備える撮像装置の制御方法であって、撮影周期中の第1の蓄積期間において第1の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第1の映像信号、及び、撮影周期中の第2の蓄積期間において第2の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第2の映像信号、を読み出すステップと、第1の映像信号の輝度分布と第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するステップと、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法が提供される。
本発明によれば、フラッシュバンドの発生を高精度に検出可能な撮像装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態による撮像装置を示す外観図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置の撮像素子の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置における撮像素子の内部構造を示す断面図である。 画素に入射する光線の角度とフォトダイオードからの出力との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置における撮影光学系と撮像素子との関係を示す図である。 撮像素子から出力される映像信号を説明する概略図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置の撮像素子の画素の構成例を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置の撮像素子の画素の要部を示す平面レイアウト図(その1)である。 本発明の第1実施形態による撮像装置の撮像素子の画素の要部を示す平面レイアウト図(その2)である。 本発明の第1実施形態による撮像装置の撮像素子の読み出し回路構成例を示す回路図である。 撮像素子の駆動シーケンスを示すタイミングチャートである。 フォトダイオードにおける信号電荷の時間的な変化を示すグラフである。 図9のA−B線に沿った画素のポテンシャル図である。 撮像素子の内部における光の伝搬と光電変換により発生した信号電荷の挙動を示す断面図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置における撮像シーケンスを説明するためのタイミングチャートである。 動画データの各フレームに付加されるタイムコードの値の一例を示す図である。 pictureA及びpictureBのファイル構造の一例を示す図である。 pictureA及びpictureBの撮影条件の設定画面を説明する図である。 pictureA及びpictureBのISO感度範囲の関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置のデュアル映像モードにおけるプログラムAE線図である。 pictureA及びpictureBのシャッタースピードの差異を撮像シーケンス上で説明する図である。 撮像装置に電源を投入した後のライブビュー表示中の表示部の様子を示す図である。 スイッチST、スイッチMVを操作して取得された映像のうちの1フレームを示す図である。 デジタル信号処理部において行われるクロストーク補正処理を説明する図である。 クロストーク補正関数の具体例を示す図である。 クロストーク補正を施した後の映像の一例を示す図である。 表示部上にpictureA及びpictureBを並べて表示した様子を示す図である。 本発明の第1実施形態による画像再生方法を示す図である。 フラッシュバンドが発生した画像の例を示す図である。 フラッシュバンドが発生するメカニズムについて説明するためのシーケンス図である。 図31に示したタイミングチャートにおいて取得されるpictureA、pictureBを示す図である。 本発明の第1実施形態による撮像装置におけるフラッシュバンドの検出方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による撮像装置の撮像素子の画素の構成例を示す回路図である。 本発明の第2実施形態による撮像装置における撮像素子の駆動シーケンスを示す図である。 外部ストロボの発光が第1の発光タイミングで行われた場合のフラッシュバンドを示す図である。 外部ストロボの発光が第2の発光タイミングで行われた場合のフラッシュバンドを示す図である。 外部ストロボの発光が第3の発光タイミングで行われた場合のフラッシュバンドを示す図である。
一般に、動画撮影時のシャッタースピードが速いと、再生時にコマ送りのようないわゆるジャーキネスが表れて映像の滑らかさが失われてしまう。こういったジャーキネスを抑えた滑らかな映像を得るためには、一連の撮影において、1フレーム期間に近い蓄積期間を設定する必要がある。すなわち、フレームレートが30fpsであれば、1/30秒や1/60秒といった比較的長い蓄積期間が適切となる。特に、空撮などのカメラの姿勢が不安定な状況においては、この設定が重要である。
一方、静止画においては、ブレを抑えて一瞬を写し止めた、いわゆるストップモーション効果のある映像を撮影することが求められる。このため、例えば1/1000秒程度の短い蓄積期間を設定する必要がある。また、高フレームレートの動画では、1フレーム期間が短いので、例えばフレームレートが120fpsであれば、1/125秒や1/250秒といった必然的に短い蓄積期間を設定することとなる。
単一の撮影レンズを通して動画と静止画の2つの映像を同時に撮影するということは、それらの撮影で使用される絞りが共通であるということである。このときにも、2つの映像が異なる蓄積期間の設定で撮影されながらも、撮像素子においては同程度の信号電荷を得て、どちらもS/N比の良好なノイズ感のない映像となることが望ましい。
また、映画や家庭用のテレビの映像をより臨場感のあるものにするための技術として、動画のHDR(High Dynamic Range)技術がある。これは、表示画面の輝度再現範囲を拡大し、主に、瞬間的或いは部分的な輝度の突き上げによって、従来以上の臨場感を提供するものである。映像の入力から出力までの全体としてこの技術を高いレベルで完成させるためには、映像を取得する機器側でのダイナミックレンジの拡大がどうしても必要である。
このような背景から、蓄積期間が異なる2つの映像信号を同時に取得可能な画素群を撮像装置内の撮像素子に設け、これら画素群からの出力を合成することによってダイナミックレンジを拡大する技術が提案されている。この技術においても同様に、蓄積期間が異なる2つの映像信号のどちらからもS/N比の良好なノイズ感のない中間映像データを作成し、最終的に品位の高いHDR映像を合成できることが望ましい。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同じ機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による撮像装置について、図1乃至図33を用いて説明する。本実施形態では、撮像のための撮像素子や撮影光学系等を備えた撮像装置を、本発明の好適な実施形態の一例として説明する。ただし、撮影光学系等は、必ずしも撮像装置の一部として構成される必要はなく、撮像装置とは別に構成されていてもよい。
図1は、第1実施形態による撮像装置の一例としてのデジタルスチルモーションカメラの外観図である。図1(a)がその正面図を示し、図1(b)がその背面図を示している。
本実施形態による撮像装置100は、筐体151と、筐体151の正面部に設けられた撮影光学系152と、筐体151の上面部に設けられたスイッチST154及びプロペラ162とを有している。また、撮像装置100は、筐体151の背面部に、表示部153と、スイッチMV155と、撮影モード選択レバー156と、メニューボタン157と、アップダウンスイッチ158,159と、ダイアル160と、再生ボタン161とを有している。
筐体151は、撮像素子やシャッター装置等の撮像装置100を構成する種々の機能部品を収納する容器である。撮影光学系152は、被写体の光学像を結像するための光学系である。表示部153は、撮影情報や映像を表示するための表示装置により構成される。表示部153には、必要に応じて画面の向きを変えるための可動機構を設けてもよい。表示部153は、ダイナミックレンジの広い映像もその輝度範囲を抑制することなく表示できるだけの表示輝度範囲を有している。スイッチST154は、主に静止画の撮影を行うために使用するシャッターボタンである。スイッチMV155は、動画撮影の開始及び停止を行うためのボタンである。撮影モード選択レバー156は、撮影モードを選択するための切り替えスイッチである。メニューボタン157は、撮像装置100の機能設定を行う機能設定モードへ移行するためのボタンである。アップダウンスイッチ158,159は、各種の設定値を変更する際に用いるボタンである。ダイアル160は、各種の設定値を変更するためのダイアルである。再生ボタン161は、撮像装置100に収納されている記録媒体に記録されている映像を表示部153上で再生する再生モードへ移行するためのボタンである。プロペラ162は、空中からの撮影を行うために撮像装置100を空中に浮上させるためのものである。
図2は、本実施形態による撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。撮像装置100は、図2に示すように、絞り181、絞り制御部182、光学フィルター183、撮像素子184、アナログフロントエンド185,186、デジタル信号処理部187,188、タイミング発生部189を有している。また、撮像装置100は、システム制御CPU178、スイッチ入力手段179、映像メモリ190、飛行制御装置200を有している。また、撮像装置100は、表示インターフェース部191、記録インターフェース部192、記録媒体193、プリントインターフェース部194、外部インターフェース部196、無線インターフェース部198を有している。
撮像素子184は、撮影光学系152を介して結像された被写体の光学像を電気的な映像信号に変換するためのものである。撮像素子184は、特に限定されるものではないが、例えば、UHDTV(Ultra High Definition Television)の規格を満たすに十分な画素数、信号読み出し速度、色域、ダイナミックレンジを有している。絞り181は、撮影光学系152を通る光の量を調節するためのものである。絞り制御部182は、絞り181を制御するためのものである。光学フィルター183は、撮像素子184に入射する光の波長、撮像素子184に伝達する空間周波数を制限するためのものである。撮影光学系152、絞り181、光学フィルター183、撮像素子184は、撮影光学系152の光軸180上に配置されている。
アナログフロントエンド185,186は、撮像素子184から出力される映像信号のアナログ信号処理及びアナログ−デジタル変換処理を行うためのものである。アナログフロントエンド185,186は、例えば、ノイズを除去する相関二重サンプリング(CDS)回路、信号ゲインを調整するアンプ、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等により構成される。デジタル信号処理部187,188は、アナログフロントエンド185,186から出力されるデジタル映像データに対して各種の補正を行った後、映像データを圧縮するためのものである。タイミング発生部189は、撮像素子184、アナログフロントエンド185,186、デジタル信号処理部187,188に各種タイミング信号を出力するためのものである。システム制御CPU178は、各種演算の実行や撮像装置100の全体の制御を司る制御部である。映像メモリ190は、映像データを一時的に記憶するためのものである。
表示インターフェース部191は、撮影された映像を表示部153に表示するためのシステム制御CPU178と表示部153との間のインターフェースである。記録媒体193は、映像データや付加データ等を記録するための半導体メモリ等の記録媒体であり、撮像装置100に備え付けられていてもよいし着脱可能でもよい。記録インターフェース部192は、記録媒体193に記録又は記録媒体193から読み出しを行うためのシステム制御CPU178と記録媒体193との間のインターフェースである。外部インターフェース部196は、外部コンピュータ197等の外部機器と通信するためのシステム制御CPU178と外部機器との間のインターフェースである。プリントインターフェース部194は、撮影された映像を小型インクジェットプリンタ等のプリンタ195に出力し印刷するためのシステム制御CPU178とプリンタ195との間のインターフェースである。無線インターフェース部198は、インターネット等のネットワーク199と通信するためのシステム制御CPU178とネットワーク199との間のインターフェースである。スイッチ入力手段179は、スイッチST154やスイッチMV155、各種モードの切り替えを行う複数のスイッチを含む。飛行制御装置200は、空中からの撮影を行うためにプロペラ162を制御して撮像装置100を飛行させるための制御装置である。
本実施形態で説明する撮像装置100のような画像再生装置を備えた撮像装置では、撮影した映像データを表示部153や外部モニタ等を用いて再生することができる。映像データの再生時には、記録媒体193から映像データや付加データが読み出される。読み出されたデータは、システム制御CPU178の指示によりデジタル信号処理部187,188で復調され、表示インターフェース部191を介して表示部153に画像として提示される。また、再生時の動作は、撮像装置100の背面に備えられた操作部(メニューボタン157、アップダウンスイッチ158,159、ダイアル160など)をユーザが操作することによって制御することができる。ユーザの操作には、動画の再生、停止、一時停止などが含まれる。
図3は、撮像素子184の構成例を示すブロック図である。撮像素子184は、画素アレイ302、垂直走査回路307、読み出し回路308A,308B及びタイミング制御回路309A,309Bを含む。
画素アレイ302には、複数の画素303が行列状に配置されている。なお、画素アレイ302に属する画素303の実際の配列数は一般的には多数となるが、ここでは図面の簡略化のため、4行×4列の行列状に配置された16個の画素303のみを示している。複数の画素303の各々は、画素要素303Aと画素要素303Bとの組みを有する。図3では、画素303の上半分の領域を画素要素303Aとし、画素303の下半分の領域を画素要素303Bとしている。画素要素303A及び画素要素303Bは、それぞれ光電変換により信号を生成する。
画素アレイ302の各列には、列方向に延在する信号出力線304A,304Bが、それぞれ設けられている。各列の信号出力線304Aは、当該列に属する画素要素303Aに接続されている。信号出力線304Aには、画素要素303Aからの信号が出力される。各列の信号出力線304Bは、当該列に属する画素要素303Bに接続されている。信号出力線304Bには、画素要素303Bからの信号が出力される。画素アレイ302の各列には、列方向に延在する電源線305及び接地線306が、それぞれ設けられている。各列の電源線305及び接地線306は、当該列に属する画素303に接続されている。電源線305及び接地線306は、行方向に延在する信号線としてもよい。
垂直走査回路307は、画素アレイ302に対して行方向に隣接して配置される。垂直走査回路307は、画素アレイ302の複数の画素303に対して行単位で、行方向に延在して配された不図示の制御線を介して、画素303内の読み出し回路を制御するための所定の制御信号が出力される。図には、制御信号として、リセットパルスφRESn、転送パルスφTXnA,TXnBを示している(nは、行番号に対応した整数)。
読み出し回路308A,308Bは、画素アレイ302を挟むように、画素アレイ302に対して列方向に隣接して配置されている。読み出し回路308Aは、各列の信号出力線304Aに接続されている。読み出し回路308Aは、各列の信号出力線304Aを順次選択的に活性化することで、各列の信号出力線304Aからの信号を順次読み出し、所定の信号処理を実施する。同様に、読み出し回路308Bは、各列の信号出力線304Bに接続されている。読み出し回路308Bは、各列の信号出力線304Bを順次選択的に活性化することで、各列の信号出力線304Bからの信号を順次読み出し、所定の信号処理を実施する。読み出し回路308A,308Bは、それぞれ、雑音除去回路、増幅回路、アナログデジタル変換回路、水平走査回路などを含むことができ、所定の信号処理を実施した信号を順次出力する。
タイミング制御回路309Aは、垂直走査回路307及び読み出し回路308Aに接続されている。タイミング制御回路309Aは、垂直走査回路307及び読み出し回路308Aの駆動タイミングを制御する制御信号を出力する。タイミング制御回路309Bは、垂直走査回路307及び読み出し回路308Bに接続されている。タイミング制御回路309Bは、垂直走査回路307及び読み出し回路308Bの駆動タイミングを制御する制御信号を出力する。
図4は、撮像素子184の画素303の内部構造を示す断面図である。それぞれの画素303は、図4に示すように、2つのフォトダイオード310A,310Bと、ライトガイド255と、カラーフィルタ256とを含む。フォトダイオード310Aは画素要素303Aの一部を構成し、フォトダイオード310Bは画素要素303Bの一部を構成する。フォトダイオード310A,310Bは、シリコン基板251内に設けられている。ライトガイド255は、シリコン基板251上に設けられた絶縁層254内に設けられている。絶縁層254は例えば酸化シリコンにより構成され、ライトガイド255は絶縁層254よりも高屈折率の材料、例えば窒化シリコンにより構成される。ライトガイド255間の絶縁層254には、配線層252が設けられている。ライトガイド255上には、所定の分光透過率特性を有するカラーフィルタ256が設けられている。なお、図4には、隣接する2つの画素303のカラーフィルタを、互いに異なる分光透過率特性を有するカラーフィルタ256,257により構成した例を示している。
ライトガイド255は、絶縁層254との間の屈折率差によって内部に光を閉じ込める性質を有している。これにより、カラーフィルタ256を介して入射した光をライトガイド255によってフォトダイオード310A,310Bに導くことができる。フォトダイオード310A,310Bは、ライトガイド255に対して非対称に配置されており、ライトガイド255を伝搬した光束は、高い効率でフォトダイオード310Aに入射し、低い効率でフォトダイオード310Bに入射する。更に、ライトガイド255は、その深さや傾斜角を調節することにより、フォトダイオード310A,310Bが有効に光電変換できる入射光束に対して、その入射角特性に偏りが生じないようになっている。
図5は、画素に入射する光線の角度とフォトダイオードからの出力との関係を示すグラフである。図5において、横軸が画素に入射する光線の角度を表し、縦軸がフォトダイオードからの出力を表している。図5には、フォトダイオード310Aからの出力特性261と、フォトダイオード310Bからの出力特性262とを示している。
図5に示すように、出力特性261及び出力特性262は、ともに光線の入射角度がゼロのときをピークとする左右対称の僅かに山なりの形状となっている。また、出力特性262のピーク強度PBは、出力特性261のピーク強度PAの1/8程度になっている。このことは、フォトダイオード310A,310Bの入射角依存性はともに小さく、それらの受光感度はフォトダイオード310Aに比べてフォトダイオード310Bが1/8であるということを表している。すなわち、フォトダイオード310Bは、ISO感度の設定値に置き換えると、フォトダイオード310Aよりも3段分、感度が低いことになる。
次に、撮影光学系152と撮像素子184との関係を、図6を用いてより詳しく説明する。図6は、撮影光学系152と撮像素子184との関係を説明する図である。図6(a)は、撮影光学系152をその光軸180方向から見た図である。図6(b)は、図2の撮影光学系152から撮像素子184に至る部分をより詳細に示した図である。
撮像素子184が、図6(b)に示すように、撮像領域の中央部に位置する画素276と、撮像領域の外縁近傍に位置する画素277とを含むものとする。この場合、画素276は、光線272と光線273とで囲まれた領域からの光束を受光することができる。また、画素277は、光線274と光線275とで囲まれた領域からの光束を受光することができる。この際、フィールドレンズ270が光学フィルター183と撮影光学系152との間に配置されているため、撮影光学系152の付近では、画素276が受光する光束と画素277が受光する光束とは、図6(a)に領域271で示すように重なっている。この結果、撮影光学系152から射出される光束を何れの画素においても高効率で受光することが可能となっている。
図7は、撮像素子から出力される映像信号を説明する概略図である。ここで、画素アレイ302に、図7(a)に示すカラーフィルタ配列281で、所定の光透過率特性を有するカラーフィルタが配置されている場合を想定する。図7(a)は、6行×8列の行列状に画素303が配列された画素アレイ302と、各画素に配置されるカラーフィルタの色を模式的に示したものである。図中、Rは赤色カラーフィルタを、G1及びG2は緑色カラーフィルタを、Bは青色カラーフィルタを、それぞれ表している。図示するカラーフィルタ配列281は、いわゆるベイヤー配列と呼ばれるカラーフィルタ配列であり、行毎に、G1BG1B…,RG2RG2…,G1BG1B…,…、といった繰り返しで、各色のカラーフィルタが配置されている。
このようなカラーフィルタ配列281を有する画素アレイ302からは、図7(b)及び図7(c)に示される出力データ282,283が得られる。図7(b)中、g1A及びg2Aは、緑色カラーフィルタが配置された画素303の画素要素303Aからの出力を表している。bAは、青色カラーフィルタが配置された画素303の画素要素303Aからの出力を表している。rAは、赤色カラーフィルタが配置された画素303の画素要素303Aからの出力を表している。図7(c)中、g1B及びg2Bは、緑色カラーフィルタが配置された画素303の画素要素303Bからの出力を表している。bBは、青色カラーフィルタが配置された画素303の画素要素303Bからの出力を表している。rBは、赤色カラーフィルタが配置された画素303の画素要素303Bからの出力を表している。
図3を用いて説明したように、撮像素子184からは、読み出し回路308A,308Bからの2系統の出力が得られ、そのうちの一方が図7(b)に示す出力データ282であり、他方が図7(c)に示す出力データ283である。出力データ282は、所定の信号処理ののちに映像信号pictureAとなる。また、出力データ283は、所定の信号処理ののちに映像信号pictureBとなる。以後の説明では、出力データ282に基づく映像信号を「pictureA」、出力データ283に基づく映像信号を「pictureB」と表記するものとする。なお、pictureA,pictureBは、厳密には所定の補正等の処理を行った後の映像信号であるが、説明の便宜上、補正前或いは補正途中の映像信号についてもpictureA,pictureBと表記することがある。
図8は、画素303の構成例を示す回路図である。画素303は、上記のように、画素要素303A及び画素要素303Bを有する。画素要素303Aは、フォトダイオード310Aと、転送トランジスタ311Aと、フローティングディフュージョン領域313Aと、リセットトランジスタ314Aと、増幅トランジスタ315Aとを有する。画素要素303Bは、フォトダイオード310Bと、転送トランジスタ311Bと、フローティングディフュージョン領域313Bと、リセットトランジスタ314Bと、増幅トランジスタ315Bとを有する。なお、フォトダイオード310Aは、図4に示したフォトダイオード310Aに対応し、フォトダイオード310Bは、図4に示したフォトダイオード310Bに対応する。
フォトダイオード310Aのアノードは接地線306に接続され、フォトダイオード310Aのカソードは転送トランジスタ311Aのソースに接続されている。転送トランジスタ311Aのドレインは、リセットトランジスタ314Aのソース及び増幅トランジスタ315Aのゲートに接続されている。転送トランジスタ311Aのドレイン、リセットトランジスタ314Aのソース及び増幅トランジスタ315Aのゲートの接続ノードが、フローティングディフュージョン領域313Aを構成する。リセットトランジスタ314Aのドレイン及び増幅トランジスタ315Aのドレインは、電源線305に接続されている。画素信号出力部316Aを構成する増幅トランジスタ315Aのソースは、信号出力線304Aに接続されている。
同様に、フォトダイオード310Bのアノードは接地線306に接続され、フォトダイオード310Bのカソードは転送トランジスタ311Bのソースに接続されている。転送トランジスタ311Bのドレインは、リセットトランジスタ314Bのソース及び増幅トランジスタ315Bのゲートに接続されている。転送トランジスタ311Bのドレイン、リセットトランジスタ314Bのソース及び増幅トランジスタ315Bのゲートの接続ノードが、フローティングディフュージョン領域313Bを構成する。リセットトランジスタ314Bのドレイン及び増幅トランジスタ315Bのドレインは、電源線305に接続されている。画素信号出力部316Bを構成する増幅トランジスタ315Bのソースは、信号出力線304Bに接続されている。
各列の画素303は、垂直走査回路307から行方向に配されたリセット制御線319及び転送制御線320A,320Bに接続されている。リセット制御線319は、リセットトランジスタ314Aのゲート及びリセットトランジスタ314Bのゲートに接続されている。転送制御線320Aは、コンタクト部312Aを介して転送トランジスタ311Aのゲートに接続されている。転送制御線320Bは、コンタクト部312Bを介して転送トランジスタ311Bのゲートに接続されている。リセット制御線319は、リセットトランジスタ314Aのゲート及びリセットトランジスタ314Bのゲートに、垂直走査回路307から出力されるリセットパルスφRESnを供給する。転送制御線320Aは、転送トランジスタ311Aのゲートに、垂直走査回路307から出力される転送パルスφTXnAを供給する。転送制御線320Bは、転送トランジスタ311Bのゲートに、垂直走査回路307から出力される転送パルスφTXnBを供給する。なお、リセットパルスφRESn、転送パルスφTXnA及び転送パルスφTXnBの符号に付したnは、行番号に対応した整数である。図面には、nを行番号に対応した整数で置き換えた符号で表している。
フォトダイオード310Aは光電変換により電荷を生成する第1の光電変換部であり、フォトダイオード310Bは光電変換により電荷を生成する第2の光電変換部である。フローティングディフュージョン領域313A,313Bは、電荷を蓄積する領域である。転送トランジスタ311Aは、フォトダイオード310Aにより生成された電荷をフローティングディフュージョン領域313Aに転送するためのものである。転送トランジスタ311Bは、フォトダイオード310Bにより生成された電荷をフローティングディフュージョン領域313Bに転送するためのものである。
垂直走査回路307からハイレベルの転送パルスφTXnAが出力されると、転送トランジスタ311Aがオン状態となり、フォトダイオード310Aとフローティングディフュージョン領域313Aとが接続される。同様に、垂直走査回路307からハイレベルの転送パルスφTXnBが出力されると、転送トランジスタ311Bがオン状態となり、フォトダイオード310Bとフローティングディフュージョン領域313Bとが接続される。垂直走査回路307からハイレベルのリセットパルスφRESnが出力されると、リセットトランジスタ314A,314Bがオン状態となり、フォトダイオード310A,310B、フローティングディフュージョン領域313A,313Bがリセットされる。
垂直走査回路307からローレベルの転送パルスφTXnAが出力されると、転送トランジスタ311Aがオフ状態となり、フォトダイオード310Aは、光電変換により生成した信号電荷の蓄積を開始する。次いで、垂直走査回路307からハイレベルの転送パルスφTXnAが出力されると、転送トランジスタ311Aがオン状態となり、フォトダイオード310Aの信号電荷はフローティングディフュージョン領域313Aに転送される。すると、増幅トランジスタ315Aは、フォトダイオード310Aから転送された信号電荷の量に応じたフローティングディフュージョン領域313Aの電圧を増幅して信号出力線304Aに出力する。
同様に、垂直走査回路307からローレベルの転送パルスφTXnBが出力されると、転送トランジスタ311Bがオフ状態となり、フォトダイオード310Bは、光電変換により生成した信号電荷の蓄積を開始する。次いで、垂直走査回路307からハイレベルの転送パルスφTXnBが出力されると、転送トランジスタ311Bがオン状態となり、フォトダイオード310Bの信号電荷はフローティングディフュージョン領域313Bに転送される。すると、増幅トランジスタ315Bは、フォトダイオード310Bから転送された信号電荷の量に応じたフローティングディフュージョン領域313Bの電圧を増幅して信号出力線304Bに出力する。
図9及び図10は、画素303の要部を示す平面レイアウト図である。図9には、画素303の構成要素のうち、フォトダイオード310A,310B、転送トランジスタ311A,311B、フローティングディフュージョン領域313A,313Bを示している。リセットトランジスタ314A,314B及び増幅トランジスタ315A,315Bを含むその他の回路要素は、図面において読み出し回路部321として表し、詳細な図示は省略している。また、画素303の垂直方向に配される信号出力線304A,304B及び電源線305を省略し、リセット制御線319、電源線305、接地線306のコンタクト部を省略している。図10には、図9に示した構成要素に加え、図4において説明したライトガイド255を示している。ライトガイド255は、斜影線を付した部分が低屈折率領域を示し、白抜き部分が高屈折率領域、すなわち導光部分を示している。
図9及び図10において、コンタクト部312Aは、転送制御線320Aと転送トランジスタ311Aのゲートとを接続するコンタクト部である。コンタクト部312Bは、転送制御線320Bと転送トランジスタ311Bのゲートとを接続するコンタクト部である。フォトダイオード310A,310Bは、光電変換を行う光電変換部であり、第1導電型(例えばP型)の半導体領域と、第1導電型の半導体領域とPN接合を構成する第2導電型(例えばN型)の半導体領域(N型の電子蓄積領域)とを有する。フォトダイオード310Aの第2導電型の半導体領域とフォトダイオード310Bの第2導電型の半導体領域とは、分離部322によって分離されている。
転送トランジスタ311A,311B、コンタクト部312A,312B、転送制御線320A,320Bは、フォトダイオード310A,310B間にある分離部322に対し、それぞれ線対称又は略線対称に配置されている。一方、ライトガイド255は、図10に示すように、分離部322に対して偏った位置に配置されている。すなわち、フォトダイオード310Aがライトガイド255の底部分の多くの面積を占めるのに対して、フォトダイオード310Bはライトガイド255の底部分に僅かに掛かるだけとなっている。この結果、フォトダイオード310Aの受光感度は高く、フォトダイオード310Bの受光感度は低くなっている。
本実施形態による撮像素子184では、フォトダイオード310A,310Bの受光感度の比を8:1程度、すなわち感度の差を3段程度に設定している。そして、2つの映像が異なる蓄積期間の設定で撮影しつつ、画素要素においては同程度の信号電荷を得て、どちらもS/N比の良好なノイズ感のない映像としたり、或いは、品位の高いHDR映像を合成可能としたりすることに供している。詳細については、後述する。
図11は、撮像素子184の読み出し回路308A,308Bの構成例を示す回路図である。なお、図11には、読み出し回路308Aを想定して、一部の構成要素の符号の末尾に「A」を付記している。読み出し回路308Bにおいては、対応する構成要素の符号の末尾に「B」が付記されるものと理解されたい。
読み出し回路308Aは、図11に示すように、クランプ容量C0、フィードバック容量Cf、オペアンプ406、基準電圧源407、スイッチ423を含む。オペアンプ406の一方の入力端子は、クランプ容量C0を介して信号出力線304Aに接続されている。オペアンプ406の当該一方の入力端子と出力端子との間には、フィードバック容量Cfとスイッチ423とが並列に接続されている。オペアンプの他方の入力端子は、基準電圧源407に接続されている。基準電圧源407は、オペアンプ406に基準電圧Vrefを供給するためのものである。スイッチ423は、信号PC0Rで制御されるスイッチであり、信号PC0Rがハイレベルのときにオン状態となり、フィードバック容量Cfの両端を短絡させる。
読み出し回路308Aは、また、スイッチ414,415,418,419、容量CTSA、容量CTNA、水平出力線424,425、出力アンプ421を含む。スイッチ414,415は、容量CTSA,CTNAへの画素信号の書き込みを制御するスイッチである。スイッチ414は、信号PTSAで制御されるスイッチであり、信号PTSAがハイレベルのときにオン状態となり、オペアンプ406の出力端子と容量CTSAとを接続する。スイッチ415は、信号PTNAで制御されるスイッチであり、信号PTNAがハイレベルのときにオン状態となり、オペアンプ406の出力端子と容量CTNAとを接続する。
スイッチ418,419は、容量CTSA,CTNAに保持されている画素信号の出力アンプ421への出力を制御するためのスイッチである。スイッチ418,419は、水平シフトレジスタからの制御信号に応じてオン状態となる。これにより、容量CTSAに書き込まれた信号は、スイッチ418及び水平出力線424を介して出力アンプ421に出力される。また、容量CTNAに書き込まれた信号は、スイッチ419及び水平出力線425を介して出力アンプ421に出力される。信号PC0R、信号PTNA及び信号PTSAは、システム制御CPU178による制御の下でタイミング発生部189から供給される信号である。
読み出し回路308Bも、読み出し回路308Aと同等の構成を有している。また、以下の説明における信号PTNB及び信号PTSBは、システム制御CPU178による制御の下でタイミング発生部189から供給される信号であって、読み出し回路308Aでの信号PTNA及び信号PTSAと同等の役割を担っている。
次に、撮像素子184におけるリセット、蓄積及び読み出しの動作について、第1行目の画素303からの読み出し動作を例にして、図12のタイミングチャートを用いて順次説明する。
まず、時刻t1において、垂直走査回路307は、転送制御線320A,320Bに出力する転送パルスφTX1A,TX1Bを、ローレベルからハイレベルへと遷移する。これにより、転送トランジスタ311A,311Bは、オン状態となる。このとき、垂直走査回路307からは、リセット制御線319にハイレベルのリセットパルスφRES1が出力されており、リセットトランジスタ314A,314Bもオン状態である。これにより、フォトダイオード310A,310Bは、転送トランジスタ311A,311B及びリセットトランジスタ314A,314Bを介して電源線305に接続され、リセット状態となる。この際、フローティングディフュージョン領域313A,313Bも、リセット状態となる。
次いで、時刻t2において、垂直走査回路307は、転送パルスφTX1Bをハイレベルからローレベルへと遷移する。これにより、転送トランジスタ311Bはオフ状態となり、フォトダイオード310Bでは光電変換による信号電荷の蓄積が開始する。
次いで、時刻t3において、垂直走査回路307は、転送パルスφTX1Aをハイレベルからローレベルへと遷移する。これにより、転送トランジスタ311Aはオフ状態となり、フォトダイオード310Aでは光電変換による信号電荷の蓄積が開始する。
次いで、時刻t4において、垂直走査回路307は、リセットパルスφRES1をハイレベルからローレベルへと遷移する。これにより、リセットトランジスタ314A,314Bはオフ状態となり、フローティングディフュージョン領域313A,313Bのリセットを解除する。
これにより、フローティングディフュージョン領域313Aの電位が信号出力線304Aに増幅トランジスタ315Aを介してリセット信号レベルとして読み出され、読み出し回路308Aに入力される。また、フローティングディフュージョン領域313Bの電位が信号出力線304Bに増幅トランジスタ315Bを介してリセット信号レベルの画素信号として読み出され、読み出し回路308Bに入力される。
時刻t4において、タイミング発生部189から読み出し回路308A及び読み出し回路308Bには、ハイレベルの信号PC0Rが出力されており、スイッチ423はオン状態である。このため、読み出し回路308Aには、オペアンプ406が基準電圧Vrefの出力をバッファする状態で、画素要素303Aからリセット信号レベルの画素信号が入力される。図には示していないが、読み出し回路308Bにも同様に、画素要素303Bからリセット信号レベルの画素信号が入力される。
次いで、時刻t5において、タイミング発生部189から読み出し回路308A及び読み出し回路308Bに出力する信号PC0Rをハイレベルからローレベルへと遷移し、スイッチ423をオフ状態にする。
次いで、時刻t6において、タイミング発生部189から読み出し回路308Aへ出力する信号PTNAをローレベルからハイレベルへと遷移してスイッチ415をオン状態にし、そのときのオペアンプ406の出力を容量CTNAへ書き込む。同様に、タイミング発生部189から読み出し回路308Bへ出力する信号PTNBをローレベルからハイレベルへと遷移してスイッチ415をオン状態にし、そのときのオペアンプ406の出力を容量CTNBへ書き込む。
次いで、時刻t7において、タイミング発生部189から読み出し回路308Aへ出力する信号PTNAをハイレベルからローレベルへと遷移してスイッチ415をオフ状態にし、容量CTNAへの書き込みを終了する。同様に、タイミング発生部189から読み出し回路308Bへ出力する信号PTNBをハイレベルからローレベルへと遷移してスイッチ415をオフ状態にし、容量CTNBへの書き込みを終了する。
次いで、時刻t8において、垂直走査回路307は、転送パルスφTX1A,φTX1Bをローレベルからハイレベルへと遷移し、転送トランジスタ311A,311Bをオン状態にする。これにより、フォトダイオード310Aに蓄積されていた信号電荷をフローティングディフュージョン領域313Aに転送し、フォトダイオード310Bに蓄積されていた信号電荷をフローティングディフュージョン領域313Bに転送する。
時刻t8において転送パルスφTX1A,φTX1Bを同時にハイレベルにすることで、フォトダイオード310A,310Bの蓄積期間の終了タイミングが揃うため、両者が蓄積しきったところで同時に読み出すことになる。したがって、pictureAのデータを用いてpictureBのデータを補正する、pictureBのデータを用いてpictureBのデータを補正する、といったクロストーク補正が非常に簡単な演算で実現できるようになる。
次いで、時刻t9において、垂直走査回路307は、転送パルスφTX1A,φTX1Bをハイレベルからローレベルへと遷移し、転送トランジスタ311A,311Bをオフ状態にする。これにより、フォトダイオード310Aに蓄積された信号電荷のフローティングディフュージョン領域313Aへの読み出し及びフォトダイオード310Bに蓄積された信号電荷のフローティングディフュージョン領域313Bへの読み出しを終了する。
これにより、信号電荷により変化したフローティングディフュージョン領域313Aの電位が信号出力線304Aに増幅トランジスタ315Aを介して光信号レベルとして読み出され、読み出し回路308Aに入力される。また、信号電荷により変化したフローティングディフュージョン領域313Bの電位が信号出力線304Bに増幅トランジスタ315Bを介して光信号レベルとして読み出され、読み出し回路308Bに入力される。
そして、読み出し回路308Aでは、クランプ容量C0とフィードバック容量Cfとの容量比率で電圧変化に対して反転ゲインがかかった電圧が、オペアンプ406から出力される。同様に、読み出し回路308Bにおいても、クランプ容量C0とフィードバック容量Cfとの容量比率で電圧変化に対して反転ゲインがかかった電圧が、オペアンプ406から出力される。
次いで、時刻t10において、タイミング発生部189から読み出し回路308Aへ出力する信号PTSAをローレベルからハイレベルへと遷移してスイッチ414をオン状態にし、そのときのオペアンプ406の出力を容量CTSAへ書き込む。同様に、タイミング発生部189から読み出し回路308Bへ出力する信号PTSBをローレベルからハイレベルへと遷移してスイッチ414をオン状態にし、そのときのオペアンプ406の出力を容量CTSBへ書き込む。
次いで、時刻t11において、タイミング発生部189から読み出し回路308Aへ出力する信号PTSAをハイレベルからローレベルへと遷移してスイッチ414をオフ状態にし、容量CTSAへの書き込みを終了する。同様に、タイミング発生部189から読み出し回路308Bへ出力する信号PTSBをハイレベルからローレベルへと遷移してスイッチ414をオフ状態にし、容量CTSBへの書き込みを終了する。
次いで、時刻t12において、垂直走査回路307は、リセットパルスφRES1をローレベルからハイレベルへと遷移し、リセットトランジスタ314A,314Bをオン状態とする。これにより、フローティングディフュージョン領域313A,313Bは、リセットトランジスタ314A,314Bを介して電源線305に接続され、リセット状態となる。
図13は、フォトダイオード310A,310Bにおいて光電変換によって生成され蓄積されていく信号電荷の時間的な変化を示すグラフである。同図において、グラフの横軸は時間を表し、縦軸は信号電荷の量を表している。時間軸上には、図12に示した時刻t1から時刻t12を表示している。
時刻t2において、転送パルスφTX1Bをローレベルとして転送トランジスタ311Bをオフ状態にし、フォトダイオード310Bにおける信号電荷の蓄積を開始すると、フォトダイオード310Bが保持する信号電荷の量は、時間の経過とともに増加する。信号電荷の増加は、時刻t8において転送パルスφTX1Bをハイレベルにして転送トランジスタ311Bをオン状態にし、フォトダイオード310Bの信号電荷をフローティングディフュージョン領域313Bへ転送するまで継続する。
また、時刻t3において、転送パルスφTX1Aをローレベルとして転送トランジスタ311Aをオフ状態にし、フォトダイオード310Aにおける信号電荷の蓄積を開始する。これにより、フォトダイオード310Aが保持する信号電荷の量は、時間の経過とともに増加する。信号電荷の増加は、時刻t8において転送パルスφTX1Aをハイレベルにして転送トランジスタ311Aをオン状態にし、フォトダイオード310Aの信号電荷をフローティングディフュージョン領域313Aへ転送するまで継続する。
時刻t8において、フォトダイオード310Bが保持する信号電荷量LBとフォトダイオード310Aが保持する信号電荷量LAとは、受光感度の差を蓄積期間の差によって相殺することにより、ほぼ同程度となっている。
転送パルスφTX1Bと転送パルスφTX1Aがともにローレベルである期間TM1において、フォトダイオード310Aとフォトダイオード310Bの間のクロストークが発生する。期間TM1は、フォトダイオード310Aの蓄積期間とフォトダイオード310Bの蓄積期間のうちの短い方の値である。クロストーク量は、信号電荷の量にほぼ比例するので、信号電荷量が大きくなる期間TM1の後半の期間TM2において、相対的に多くのクロストークが発生する。
フォトダイオード310Aからフォトダイオード310Bへのクロストーク量CTABは、右下がりの斜影線を付した領域953の面積に比例する。また、フォトダイオード310Bからフォトダイオード310Aへのクロストーク量CTBAは、左下がりの斜影線を付した領域954の面積に比例する。これらの比例定数をそれぞれk,gと定義すると、クロストーク量CTAB,CTBAは、
CTAB=k×(LA×TM1)/2 …(1)
CTBA=g×(LA+LBS)×TM1/2 …(2)
と表すことができる。ここで、LBSは、時刻t3におけるフォトダイオード310Bの信号電荷量である。また、この図には表現していないが、時刻t2から時刻t3までの期間が期間TM1に対して十分に小さいと仮定すると、LB=LBSと近似することができる。したがって、式(2)は、
CTBA=g×LB×TM1 …(3)
と変形することができる。
したがって、式(1)及び式(3)から、クロストーク量CTABは、信号電荷量LAと、フォトダイオード310Aの蓄積期間とフォトダイオード310Bの蓄積期間のうちの短い方の値(期間TM1)との関数であることが判る。また、クロストーク量CTBAは、信号電荷量LBと、フォトダイオード310Aの蓄積期間とフォトダイオード310Bの蓄積期間のうちの短い方の値(期間TM1)との関数であることが判る。
図14は、図9のA−B線に沿った画素303のポテンシャル図である。図14(a)は図12の時刻taにおけるポテンシャル図、図14(b)は図12の時刻tbにおけるポテンシャル図、図14(c)は図12の時刻tcにおけるポテンシャル図である。
時刻taにおいては、図14(a)に示すように、転送トランジスタ311A,311Bはオフ状態であり、フォトダイオード310A,310Bには、それぞれ信号蓄積レベル323A,323Bの信号電荷が蓄積されている。前述のように、フォトダイオード310Aとフォトダイオード310Bとでは受光感度が異なるが、蓄積期間の差によって受光感度の差を相殺することで、信号蓄積レベル323A,323Bは同程度になっている。この状態は比較的長く続くため、フォトダイオード310Aの蓄積電荷が隣接するフォトダイオード310Bに漏れる現象及びフォトダイオード310Bの蓄積電荷が隣接するフォトダイオード310Aに漏れる現象が、無視できないレベルで発生する。
時刻tbにおいては、図14(b)に示すように、転送トランジスタ311A,311Bはオン状態であり、転送トランジスタ311A,311Bのポテンシャル障壁が低くなっている。これにより、フォトダイオード310Aに蓄積されていた信号電荷はフローティングディフュージョン領域313Aに転送され、フォトダイオード310Bに蓄積されていた信号電荷はフローティングディフュージョン領域313Bに転送される。この際、分離部322のポテンシャル障壁も低くなるが、転送トランジスタ311A,311Bのポテンシャル障壁は十分に小さくなっている。そのため、このタイミングでフォトダイオード310A,310Bの蓄積電荷が分離部322を介して隣接するフォトダイオード310B,310Aへ漏れる現象はほとんど生じない。
時刻tcにおいては、図14(c)に示すように、転送トランジスタ311A,311Bはオフ状態であり、ポテンシャルは図14(a)の状態に戻る。
図15は、撮像素子184の内部における光の伝搬と光電変換により発生した信号電荷の挙動を示す断面図である。図において、画素303に入射する光束451は、まずカラーフィルタ256に入射して所定の波長成分がここで吸収され、絶縁層254の最上部にあたる界面不活性化膜(図示せず)を通過し、ライトガイド255に入射する。ライトガイド255内では、先に図5を用いて説明したように、光の波動的な振る舞いによって光線の方位情報、すなわち瞳情報が消失する。光束451は、ライトガイド255と絶縁層254との屈折率差によってライトガイド255の内部に閉じ込められたままシリコン基板251側に進み、ライトガイド255の底部分に達する。ライトガイド255の底部分はシリコン基板251に隣接し、ライトガイド255を射出した光束はシリコン基板251に入射する。シリコン基板251内に隣接して設けられたフォトダイオード310Aとフォトダイオード310Bとは、ライトガイド255に対して大きく偏芯して配置されている。このため、ライトガイド255を射出した光束のうちの大部分の光束452がフォトダイオード310Aへ入射し、ライトガイド255を射出した光束のうちの残りの一部分の光束453がフォトダイオード310Bへ入射する。フォトダイオード310A,310Bでは、入射した光子が信号電荷へと変換される。
この際、撮像素子184のシリコン基板251内部で発生した信号電荷は、拡散によって隣接する画素要素に漏れ込む。例えば、フォトダイオード310Aで発生した信号電荷454は、拡散によってフォトダイオード310Bに漏れ込む。また。フォトダイオード310Bで発生した信号電荷455は、拡散によってフォトダイオード310Aに漏れ込む。この現象は映像に悪影響を及ぼし、画像の滲みとなって現れる。
図16は、本実施形態による撮像装置における撮像シーケンスを説明するためのタイミングチャートである。図面の最上部の「タイムコード」は、電源を投入してからの時間を示し、「00:00:00:00」は、「時:分:秒:フレーム」を表している。
時刻t31は、撮像装置100の電源投入時刻である。
時刻t32において、動画撮影ボタンであるスイッチMV155が使用者によって操作されてONとなり、これに応じて、pictureBの撮像及びpictureAの撮像が開始される。動画撮影のためのボタンであるスイッチMV155が操作されることに応じて、pictureBについては、所定の信号処理を経て記録媒体193にその映像データが書き込まれる。
なお、pictureBの撮像だけでなくpictureAの撮像も同時に行っているのは、後述するクロストーク補正を常に有効にするためである。図13に示した転送パルスφTX1Aがローレベルにならなければ、転送トランジスタ311Aはオン状態であるため、フォトダイオード310Aで発生した信号電荷は蓄積されることはない。しかし、仮にスイッチST154が操作された期間のみをクロストーク補正の対象にすると、クロストーク補正誤差の影響で、スイッチST154の操作タイミングにおいて記録されたpictureBに微妙な輝度変化や色相の変化が生じることとなる。
時刻t33から時刻t34の期間及び時刻t35から時刻t36の期間では、静止画の撮影を行うために使用するスイッチST154が操作されている。これを受けてこれら期間においては、pictureAについても、所定の信号処理を経て記録媒体193にその映像データが書き込まれる。なお、pictureAの映像データは、時刻t33から時刻t34の期間及び時刻t35から時刻t36の期間のみならず、pictureBの映像データと同じ期間の間、記録媒体193に書き込むようにしてもよい。
pictureA及びpictureBの何れについても、記録媒体193に記録された各映像データは、同一フレームレート、例えば60fpsの動画であり、NTSC方式のタイムコードが付加されているものとする。動画データの各フレームに付加されるタイムコードの値は、例えば図17に示すようになる。
図18は、pictureA及びpictureBの映像データのファイル構造の一例を示す図である。ここでは映像データのフォーマットとしてMP4ファイルの例を示すが、映像データのフォーマットはこれに限定されるものではない。MP4ファイルフォーマットは、ISO/IEC 14496−1/AMD6で規格化されている。全ての情報はBoxと呼ばれる構造体に格納されており、多重化されたビデオおよびオーディオビットストリーム(メディアデータ)と、これらメディアデータに対する管理情報(メタデータ)から構成されている。各Boxは4文字の識別子でそれぞれのBoxタイプが表される。ファイルタイプBox501(ftyp)は、ファイル先頭にあり、ファイルを識別するためのBoxである。メディアデータBox502(mdat)は、ビデオとオーディオのビットストリームが多重化されて格納されている。ムービーBox503(moov)は、メディアデータBox502に格納されたビットストリームを再生するための管理情報が格納されている。スキップBox504(skip)は、再生時にはスキップBox504内に格納されているデータを読み飛ばし、スキップするためのBoxである。
スキップBox504内には、この映像データファイルを含むクリップのクリップ名508、本素材に付与されているクリップのUMID(Unique Material Identifier)509(CLIP−UMID)が格納される。スキップBox504内には、また、クリップ先頭フレームのタイムコード値(タイムコード先頭値)510、本素材ファイルが記録された記録メディアのシリアル番号511が格納される。なお、本図においては、スキップBox504に、フリースペース505、ユーザデータ506、メタデータ507も含まれている。本素材ファイルのUMIDや記録メディアのシリアル番号のような特殊なデータは、スキップBoxに格納されているので、汎用のビューアで再生する際に影響を与えない。
pictureA及びpictureBのそれぞれのMP4ファイルには、同じCLIP−UMIDが設定される。これにより、CLIP―UMIDを使って1つの素材ファイルから同じCLIP−UMIDのファイルを検索し、人手による確認作業をすることなく機械的に関連付けを行うことができる。
図19は、pictureA及びpictureBの撮影条件の設定画面を説明する図である。撮影モード選択レバー156を、例えば図1(b)の位置から時計方向に90度回転させることによって、2つの映像を同時に撮影することができるデュアル映像モードに入るものとする。表示部153には、そのときの被写体の輝度に応じたBv値521、Fナンバー522、pictureA及びpictureBのそれぞれのISO感度523,524、シャッタースピード525,526が表示される。また、pictureA及びpictureBのそれぞれについて、現在設定されているピクチャーモード527,528が表示される。ピクチャーモードは、アップダウンスイッチ158,159及びダイアル160を用いて複数の選択肢の中から撮影の目的に合ったものを選択することができる。
前述したように、フォトダイオード310Aとフォトダイオード310Bとの間の受光感度の差は、3段に設定されている。このため、pictureAとpictureBとの間のISO感度範囲には、3段の差がある。図20に示すように、pictureAはISO100〜ISO102400、pictureBはISO12〜ISO12800となっている。
図21は、デュアル映像モードにおけるプログラムAE(Automatic Exposure)線図である。横軸がTv値とそれに対応するシャッタースピードを示し、縦軸がAv値とそれに対応する絞り値を示している。また、斜め方向は等Bv線となっている。pictureAのBv値とISO感度との関係がゲイン表記領域556に表されており、pictureBのBv値とISO感度との関係がゲイン表記領域557に表されている。なお、図21において各Bv値は、他のパラメータと区別するために、四角で囲んだ数値で表している。
高輝度から低輝度になるに従って、シャッタースピード、絞り値、ISO感度がどのように変化するかについて、図21を用いて説明する。
まず、Bv13のときは、pictureAでは、ISO感度はISO100に設定される。pictureAの等Bv線は、pictureAのプログラム線図558と点551で交差し、点551からシャッタースピード1/4000秒、絞り値F11と定まる。一方、pictureBでは、ISO感度はISO12に設定される。pictureBの等Bv線は、pictureBのプログラム線図559と点552で交差し、点552からシャッタースピード1/500秒、絞り値F11と定まる。
Bv10のときは、pictureAでは、ISO感度は1段分上昇してISO200に設定される。pictureAの等Bv線は、pictureAのプログラム線図558と点553で交差し、点553からシャッタースピード1/1000秒、絞り値F11と定まる。一方、pictureBでは、ISO感度はISO12に設定される。pictureBの等Bv線は、pictureBのプログラム線図559と点560で交差し、点560からシャッタースピード1/60秒、絞り値F11と定まる。
Bv6のときは、pictureAでは、ISO感度はISO200に設定される。pictureAの等Bv線は、pictureAのプログラム線図558と点554で交差し、点554からシャッタースピード1/1000秒、絞り値F2.8と定まる。一方、pictureBでは、ISO感度はISO12に設定される。pictureBの等Bv線は、pictureBのプログラム線図559と点555で交差し、点555からシャッタースピード1/60秒、絞り値F2.8と定まる。
Bv5のときは、pictureAでは、ISO感度は1段分上昇してISO400に設定される。pictureAの等Bv線は、pictureAのプログラム線図558と点554で交差し、点554からシャッタースピード1/1000秒、絞り値F2.8と定まる。一方、pictureBでは、ISO感度はISO25に設定される。pictureBの等Bv線は、pictureBのプログラム線図559と点555で交差し、点555からシャッタースピード1/60秒、絞り値F2.8と定まる。
以降、輝度が下がるにつれて、pictureA、pictureBともに、シャッタースピードと絞り値は変化せずにゲインアップしISO感度が上昇していく。
このプログラムAE線図に示した露光動作を行うことにより、表記した全輝度範囲においてpictureAは1/1000秒以上のシャッタースピードを保ち、pictureBは多くの輝度範囲で1/60秒のシャッタースピードを保っている。これにより、pictureAではストップモーション効果を得つつ、pictureBではジャーキネスの抑制された高品位な動画を得ることができる。
図22は、pictureAとpictureBとの間のシャッタースピードの差異を撮像シーケンス上で説明する図である。図には、横軸を時間として、垂直同期信号481、pictureAの蓄積期間482,483、pictureBの蓄積期間484,485を示している。nは、フレーム番号である。
蓄積期間482は、pictureAの画面上端ラインの蓄積期間であり、蓄積期間483は、pictureAの画面下端ラインの蓄積期間である。撮像素子184はローリング電子シャッター機能で露光動作を行うために、画面上端のラインから画面下端のラインに向かって、所定の時間間隔で順次蓄積が開始され、当該時間間隔で順次蓄積が終了する。蓄積が終了すると信号電荷は撮像素子184から順次読み出され、アナログフロントエンド185に入力される。時刻t53から時刻t54までが蓄積期間482であり、時刻t55から時刻t56までが蓄積期間483である。
また、蓄積期間484は、pictureBの画面上端ラインの蓄積期間であり、蓄積期間485は、pictureBの画面下端ラインの蓄積期間である。pictureBにおいてもpictureAと同様に、画面上端のラインから画面下端のラインに向かって、所定の時間間隔で蓄積が開始され、当該時間間隔で順次蓄積が終了する。蓄積が終了すると信号電荷は撮像素子184から順次読み出され、アナログフロントエンド186に入力される。時刻t51から時刻t54までが蓄積期間484であり、時刻t52から時刻t56までが蓄積期間485である。
pictureAとpictureBの2つの映像は、異なる蓄積期間の設定で撮影されるが、pictureAについてゲインアップするのではなく、撮像素子184において同程度のレベルの信号電荷を得ている。このため、pictureA及びpictureBのどちらもS/N比の良好なノイズ感のない映像となる。
図23は、撮像素子184に電源を投入した後のライブビュー表示中の表示部153の様子を表す図である。表示部153には、撮影光学系152を通して捉えられた人物163のスポーツシーンが表示されている。また、撮影モード選択レバー156が図1(b)の状態から時計方向に90度回動した位置にあるので、デュアル映像モードでのpictureAとpictureBのシャッタースピード491,492及びFナンバー493が表示されている。
図24(a),(b)は、スイッチST154、スイッチMV155を操作することにより取得された映像のうちの1フレームを示したものである。図24(a)は、シャッタースピード1/1000秒、絞り値F4.0で撮影されたpictureAの映像である。図24(b)は、シャッタースピード1/60秒、絞り値F4.0で撮影されたpictureBの映像である。図24(b)に示した映像は、シャッタースピードが遅いため、被写体の動きが止まらずにぶれている。ただし、これを60fps程度のフレームレートの動画として再生すると、このぶれがむしろ良い方向に働いてジャーキネスの抑制された滑らかな高品位な映像となる。一方、図24(a)に示した映像は、シャッタースピードが速く、本来であればストップモーション効果が現れるはずである。しかしながら、図15を用いて先に説明したように、シリコン基板内部で発生した信号電荷が拡散によって隣接する画素要素に漏れ込み、図24(b)に示した映像があたかも足し合わされたかのような滲んだ映像となっている。このクロストーク現象は、図24(b)に示した映像においても発生しているが、元々ぶれた映像であるためほとんど目立たない。
そこで、速いシャッタースピードによる本来のストップモーション効果を得るために、本実施形態による撮像装置においては、撮像素子184から出力された映像信号に対して以下に説明するクロストーク補正を施す。
図25は、デジタル信号処理部187,188において行われるクロストーク補正処理を説明するための図である。実際の処理は、デジタル信号処理として実行される。
デジタル信号処理部187において、A/D変換処理が施された後の信号471Aは、クロストーク量補正部473Aに入力され、また、クロストーク量演算部472Aを介してクロストーク量補正部473Bに入力される。同様に、デジタル信号処理部188において、A/D変換処理が施された後の信号471Bは、クロストーク量補正部473Bに入力され、また、クロストーク量演算部472Bを介してクロストーク量補正部473Aに入力される。
クロストーク量補正部473Aでは、信号471Aと、クロストーク量演算部472Bにおいてクロストーク補正関数gij(n)により所定の演算が施された後の信号471Bとに基づき、信号471Aのクロストーク補正を行い、出力信号474Aを得る。出力信号474Aに対しては、デジタル信号処理部187における後段の処理である現像や圧縮処理が施される。
クロストーク量補正部473Bでは、信号471Bと、クロストーク量演算部472Aにおいてクロストーク補正関数fij(n)により所定の演算が施された後の信号471Aとに基づき、信号471Bのクロストーク補正を行い、出力信号474Bを得る。出力信号474Bに対しては、デジタル信号処理部188における後段の処理である現像や圧縮処理が施される。
クロストークは生成される信号電荷の量に依存するため、クロストーク量補正部473A,473Bにより、一方の画素要素で生成された信号電荷の量に応じたクロストーク量によって他方の画素要素の出力信号を補正することでクロストーク補正が可能となる。これにより、他方の画素の出力信号から、これに重畳している一方の画素要素からのクロストーク成分を除去することができる。
クロストークは生成される信号電荷の量に依存するため、クロストーク量補正部473A,473Bにより、一方の画素要素で生成された信号電荷の量に応じたクロストーク量によって他方の画素要素の出力信号を補正することでクロストーク補正が可能となる。これにより、他方の画素の出力信号から、これに重畳している一方の画素要素からのクロストーク成分を除去することができる。
ここで、nフレーム目のpictureAの画素アドレスijにおけるデータをDATA_Aij(n)、nフレーム目のpictureBの画素アドレスijにおけるデータをDATA_Bij(n)、補正係数をαとする。クロストークは入力光量に依存することから、nフレーム目のpictureAの画素アドレスijの補正されたデータC_DATA_Aij(n)は、式(4)のように表すことができる。
C_DATA_Aij(n)
=DATA_Aij(n)−α×DATA_Bij(n) …(4)
クロストーク補正関数fij(n)を、
fij(n)=−α×DATA_Bij(n)
とすると、式(4)は、
C_DATA_Aij(n)=DATA_Aij(n)+fij(n)
と表すことができる。
同様に、nフレーム目のpictureBの画素アドレスijにおける補正されたデータC_DATA_Bij(n)は、補正係数をβとして、式(5)のように表すことができる。
C_DATA_Bij(n)
=DATA_Bij(n)−β×DATA_Aij(n) …(5)
クロストーク補正関数gij(n)を、
gij(n)=−β×DATA_Aij(n)
とすると、式(5)は、
C_DATA_Bij(n)=DATA_Bij(n)+gij(n) …(6)
と表すことができる。
前述したように、pictureBでもクロストークは発生しているが、元々ぶれた映像であるためにほとんど目立たないので、式(5)〜式(6)に示した処理は省略してもよい。比較的短い蓄積期間の映像に対してはクロストーク補正を行い、比較的長い蓄積期間の映像に対してはクロストーク補正を行わないようにすれば、演算負荷を低減することも可能である。
図26は、クロストーク補正関数fij(n),gij(n)の具体例を示す図である。同図において、横軸が入力データの大きさを示し、縦軸が補正すべきクロストーク補正量を示している。クロストーク補正関数fij(n),gij(n)は、いずれも、入力データに比例したクロストーク補正量を得る関数である。厳密には、画素構造に依存して異なるものの、補正係数αと補正係数βとは同程度の数値となる。ただし、画素要素への光の入射角に依存してシリコン基板内部で発生した信号電荷が拡散によって隣接する画素要素に漏れ込む度合いは異なる。このことから、絞り181を開けてFナンバーが大きくなっているときほどクロストークは大きく、クロストーク補正量の絶対値も大きくなる。一方、絞り181を絞ってFナンバーが小さくなっているときほどクロストークは小さく、クロストーク補正量の絶対値も小さくなる。図において、特性591はF2.8のときのクロストーク補正関数であり、特性592はF5.6のときのクロストーク補正関数であり、特性593はF11のときのクロストーク補正関数である。特性591、特性592、特性593の順に傾きが小さくなっている。なお、撮影光学系152のFナンバーは連続的に変化させることができるので、補正係数α及び補正係数βをFナンバーの関数とすれば、より高精度なクロストーク補正を実現することができる。
また、図13を用いて先に説明したように、補正係数αと補正係数βは、相対的に短く設定したpictureA用のフォトダイオードの蓄積期間の関数とするとよい。更に、像高によってもクロストーク補正量を変えることで、より正確なクロストーク補正を実現することができる。ライトガイド255への光の入射が斜めになることでクロストークは増加するので、画素アドレスijを基に光軸180から画素までの距離ZKを算出し、距離ZKに比例して絶対値が増加するようにクロストーク補正を加えるとよい。さらに、ライトガイド255への光の入射角の変化は、撮影光学系152の射出瞳と撮像素子184との距離HKにも依存するので、クロストーク補正関数を距離HKの関数とすることでより高精度な補正を行うことができる。
図27は、シャッタースピード1/1000秒、絞り値F4.0で撮影されたpictureAの映像(図24(a))に対してクロストーク補正を施した後のpictureAの映像である。図24(a)の映像では、シリコン基板内部で発生した信号電荷が拡散により隣接画素要素に漏れ込み、図24(b)に示した映像があたかも足し合わされたかのような滲んだ映像となっていた。それに対して、図28の映像では、本来の速いシャッタースピードによるストップモーション効果が現れている。デジタルスチルモーションカメラの表示部153上では、再生ボタン161が操作されたときに、例えば図28に示すように、pictureAによる画像496とpictureBによる画像497の両方を並べて表示できることが望ましい。このようにすれば、映像を比較することでストップモーション効果のレベルを確認することができる。なお、この処理は、映像データを、ネットワークを介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行するように構成してもよい。
図29は、ストレージに格納されたpictureA及びpictureBを含むデータファイルの画像再生装置における再生方法を説明する図である。画像再生装置としては、本実施形態で説明した撮像装置100が有する画像再生装置のみならず、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、テレビモニタなどを活用することができる。タブレット端末、パーソナルコンピュータ、テレビモニタ等の装置には、MP4ファイル等の動画ファイルを再生するための構成(CPU、復調部、表示部など)が設けられており、画像再生装置として動作する。本実施形態の撮像装置100では、画像再生部としての機能は、主にシステム制御CPU178が実施する。
ここで、pictureA及びpictureBのデータファイルは、ネットワーク上のストレージ等に格納されているものとする。図において、フレーム群581は、MP4ファイルに格納されたpictureAのフレーム群であり、フレーム群571は、別のMP4ファイルに格納されたpictureBのフレーム群である。これらのMP4ファイルには、撮影時に同じCLIP−UMIDが設定され、関連付けがなされている。
動画の再生をスタートすると、pictureBのフレーム群571の先頭フレーム572から決められたフレームレートで順次フレームが再生される。pictureBは、シャッタースピードが過度に速くならないような設定(この例では1/60秒)で撮影されているため、再生された映像はジャーキネスの抑制された高品位なものである。なお、本明細書では、撮影時のフレームレート以上のフレームレートで動画の再生を行う場合の動画ファイルの再生モードを、時間に応じて提示画像を変化する提示モードと表現することがある。
ここで、pictureBの動画の提示中に、使用者から再生モードの切り替え指示があった場合を想定する。例えば、フレーム573まで再生が進んだ時点で使用者が一時停止の操作を行うと、自動的にpictureBに対応するpictureAのデータファイルから同一タイムコードのフレーム582が検索され、表示される。pictureAは、ストップモーション効果が得られやすい高速シャッタースピード(この例では1/1000秒)で撮影されており、スポーツシーンの一瞬を写し止めた迫力のある映像である。pictureA,pictureBの2つの映像は、異なる蓄積期間の設定で撮影されるが、pictureAについてゲインアップするのではなく、撮像素子184において同程度の信号電荷を得ている。このため、pictureA及びpictureBのどちらもS/N比の良好なノイズ感のない映像となる。
ここで、印刷の指示を行うと、pictureAのフレーム582のデータがプリントインターフェース部194を介してプリンタ195に対して出力される。したがって、印刷物も、pictureAを反映したストップモーション効果がある迫力のあるものとなる。
使用者が一時停止を解除すると、自動的にpictureBのフレーム群571に戻って、フレーム574から再生が再開する。このとき、再生される映像はジャーキネスの抑制された高品位なものである。
次に、上述した撮像素子184を備えた撮像装置において、フラッシュバンドを検出する方法について説明する。図30は、フラッシュバンドが発生した画像の例を示す図である。図30(b)〜図30(d)に示す斜線部は、フラッシュバンドの発生した領域を表している。一方、図30(a)は、フラッシュバンドが発生していない画像を比較用として示している。図30(b)〜図30(d)では、それぞれ画像の下方、上方、中央にフラッシュバンド801b〜801dが発生している。フラッシュバンド801b〜801dが発生した領域では、フラッシュバンド発生していない領域と比べて高輝度な映像信号が得られる。
このようなフラッシュバンドは、画素の信号電荷の蓄積及び読み出しをライン(行)ごとに順に行ういわゆるローリング電子シャッター方式に特有な現象である。ローリング電子シャッター方式では、画素のラインごとに蓄積期間の遅れが生じる。このため、例えば撮影者の近くで別の撮影者がストロボ(以下、「外部ストロボ」という)等を発光させると、その光を撮像素子が受光して、撮像素子が出力する映像信号にバンド状(帯状)の明るい領域(フラッシュバンド)が発生する。したがって、外部ストロボが発光するより前に信号電荷の蓄積期間が終了したラインでは映像信号の輝度が適切となるが、外部ストロボが発光している期間に信号電荷の蓄積期間が重なったラインでは映像信号の輝度が高くなってしまう。
フラッシュバンドが発生するメカニズムについて、図31に示す撮像シーケンスを用いて説明する。図31は、pictureA及びpictureBの蓄積期間と外部ストロボの発光タイミング802との関係をタイミングチャートで示している。発光タイミング802のHighの部分は外部ストロボが発光している期間を示し、Lowの部分は外部ストロボが発光していない期間を示している。また、図31には垂直同期信号481を示している。
図31に示す外部ストロボの発光開始タイミング803は、第2フレームのpictureAの蓄積期間805と交差している。また、図31に示す外部ストロボの発光終了タイミング804は、第2フレームのpictureAの蓄積期間806と交差している。すなわち、蓄積期間805は第2フレームのpictureAの蓄積期間が外部ストロボの発光期間と重なる一番上のラインを表し、蓄積期間806は第2フレームのpictureAの蓄積期間が外部ストロボの発光期間と重なる一番下のラインを表している。したがって、pictureAでは、第2フレームの蓄積期間805のラインから第2フレームの蓄積期間806のラインまでにおいて取得された信号電荷に基づく映像信号が、外部ストロボの影響を受けてフラッシュバンドとなる。
同様に、図31に示す外部ストロボの発光開始タイミング803は、第2フレームのpictureBの蓄積期間807のライン以下の蓄積期間と交差している。また、図31に示す外部ストロボの発光終了タイミング804は、第3フレームのpictureBの蓄積期間808のライン以上の蓄積期間と交差している。すなわち、蓄積期間807は第2フレームのpictureBの蓄積期間が外部ストロボの発光期間と重なる一番上のラインを表し、蓄積期間808は第3フレームのpictureBの蓄積期間が外部ストロボの発光期間と重なる一番下のラインを表している。したがって、pictureBでは、第2フレームの蓄積期間807のラインから第3フレームの蓄積期間808のラインまでにおいて取得された信号電荷に基づく映像信号が、外部ストロボの影響を受けてフラッシュバンドとなる。
特にpictureBの蓄積期間はpictureAの蓄積期間と比べて長く調整されるため、第2フレームのpictureBでは、蓄積期間807のライン以下が全て外部ストロボの影響を受けてフラッシュバンドとなってしまう。また、第3フレームのpictureBでは、蓄積期間808のライン以上が全て外部ストロボの影響を受けてフラッシュバンドとなってしまう。
前述のように、本実施形態ではpictureAの蓄積期間の長さとpictureBの長さの比が、pictureAの受光感度とpictureBの受光感度の比に応じて調整される。典型的にはpictureAの蓄積期間の長さとpictureBの長さの比は、pictureAの受光感度とpictureBの受光感度の比に反比例するように調整される。
pictureAの受光感度はpictureBの受光感度と比べて高いため、pictureAの蓄積期間は相対的に短く設定される。このため、蓄積期間が外部ストロボの発光期間と重なるpictureAのライン数は、pictureBと比べて相対的に少なくなる。例えば図31に示すタイミングチャートでは、第2フレームのpictureAの蓄積期間805及び蓄積期間806だけが、外部ストロボの発光期間と重なっている。
一方、pictureBの受光感度はpictureAの受光感度と比べて低いため、pictureBの蓄積期間は相対的に長く設定される。このため、蓄積期間が外部ストロボの発光期間と重なるpictureBのライン数は、pictureAと比べて相対的に多くなる。例えば図31に示すタイミングチャートでは、第2フレームのpictureBの蓄積期間807以下の全ラインと、第3フレームのpictureBの蓄積期間808以上の全ラインが、外部ストロボの発光期間と重なっている。
次に、図31に示したタイミングチャートにおいてpictureA、pictureBに発生するフラッシュバンドの検出方法について、図32を用いて説明する。図32(a)は、図31に示したタイミングチャートにおいて取得された第2フレームのpictureAの画像を表しており、画像の中央の開始ライン809から終了ライン810までの領域にフラッシュバンドが発生している。図32(b)は、図31に示したタイミングチャートにおいて取得された第2フレームのpictureBの画像を表しており、画像の下方の開始ライン811以下の領域にフラッシュバンドが発生している。図32(c)は、図31に示したタイミングチャートにおいて取得された第3フレームのpictureBの画像を表しており、画像の上方の終了ライン812以上の領域にフラッシュバンドが発生している。
図32(d)は、図32(a)に示す破線813に沿った画像の高さ方向の輝度分布を概略的に表している。図32(e)は、図32(b)に示す破線814に沿った画像の高さ方向の輝度分布を概略的に表している。図32(f)は、図32(c)示す破線815に沿った画像の高さ方向の輝度分布を概略的に表している。
撮影者の近くで外部ストロボが発光して撮影画像にフラッシュバンドが発生した場合には、図32(d)〜図32(f)に示すように、pictureAとpictureBとで画像の高さ方向の輝度分布が異なる。そこで、pictureAとpictureBの輝度分布を比較することでフラッシュバンドの発生を検出することができる。以下、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインの検出方法についてより具体的に説明するが、以下で説明するフラッシュバンドの検出方法は一例であり、本発明は必ずしもこの方法に限定されるものではない。
以下の説明において、フラッシュバンドの開始ラインとは、撮像素子184から映像信号を読み出す際に、フラッシュバンドの影響が最初に現れるラインのことをいう。また、フラッシュバンドの終了ラインとは、撮像素子184から映像信号を読み出す際に、フラッシュバンドの影響が最後に現れるラインのことをいう。図32(a)には、pictureAに発生したフラッシュバンドの開始ライン809及び終了ライン810を示している。図32(b)には、pictureBに発生したフラッシュバンドの開始ライン811を示している。図32(c)には、pictureBに発生したフラッシュバンドの終了ライン812を示している。
まず、フラッシュバンドの開始ラインの検出方法について説明する。前述のように、本実施形態では、pictureAとpictureBの輝度が概ね等しくなるように、両信号の蓄積期間の長さが調整される。このため、通常はpictureAとpictureBとで輝度は概ね等しい。しかし、外部ストロボのように強い光が短期間に発光される場合には、1撮影周期中に受光される光量は両信号で等しくならず、pictureAとpictureBの輝度は、両信号の受光感度に比例して異なってくる。したがって、pictureAとpictureBの輝度の比が大きく変化しているラインを検出することで、フラッシュバンドの開始ラインと終了ラインを判定することができる。
以下では説明を簡単にするため、フラッシュバンドが発生した場合でもpictureA及びpictureBは飽和しないことを仮定する。その他の場合として、pictureA及びpictureBの両方が飽和する場合や、受光感度の高いpictureAのみが飽和する場合等が考えられるが、このような場合であっても以下で説明する手法を適用することは可能である。
図32(d)〜図32(f)はそれぞれ、図32(a)〜図32(c)に示した破線813、814、815に沿った、画像の高さ方向の輝度分布を示している。図32(d)に示すpictureAに発生したフラッシュバンドの輝度816と、図32(e)及び図32(f)に示すpictureBに発生したフラッシュバンドの輝度817は、概ね両信号の受光感度に比例して大きさが異なっている。一方、図32(d)〜図32(e)に示すフラッシュバンドが発生していない領域820、821では、pictureAとpictureBの輝度が概ね等しくなっている。
したがって、図32(d)及び図32(e)に示すように、pictureAのpictureBに対する輝度の比が大きく変化して、例えば所定の第1の閾値を超えた場合に、そのラインをフラッシュバンドの開始ラインとして判定することができる。
或いは、フラッシュバンドの開始ラインの判定方法として別の方法を用いることもできる。本実施形態では、図31に示したようにpictureAとpictureBで読み出しタイミングが一致するように制御される。すなわち、pictureAとpictureBとで蓄積期間の終了タイミングが一致する。この場合、図32(a)及び図32(b)に示すように、pictureAのフラッシュバンドの開始ライン809と、pictureBのフラッシュバンドの開始ライン811は一致する。したがって、pictureAの輝度及びpictureBの輝度が共に所定の閾値以上に変化したラインを、フラッシュバンドの開始ラインと判定することもできる。これらのフラッシュバンドの開始ラインの判定方法は、組み合わせて用いることも可能である。
次に、フラッシュバンドの終了ラインの検出方法について説明する。フラッシュバンドの終了ラインについても、フラッシュバンドの開始ラインと同様に、pictureAとpictureBの輝度の比が大きく変化しているラインとして検出することができる。したがって、図32(d)及び図32(e)に示すように、pictureAのpictureBに対する輝度の比が大きく変化して、第1の閾値を下回った場合に、そのラインをpictureAのフラッシュバンドの終了ラインとして判定することができる。
但し、pictureBのフラッシュバンドの終了ラインを判定する場合は、pictureAのフラッシュバンドの終了ラインを判定する場合とは異なる方法を用いる必要がある。pictureBではジャーキネスを抑えるために、受光感度を抑えつつ蓄積期間が長くなるように制御される。このため、外部ストロボのように強い光が短期間に発光される場合には、外部ストロボの影響がpictureBの多くのラインに及ぶ。例えば図32(b)に示したpictureBでは、第2フレームの開始ライン811以下の全てのラインにフラッシュバンドの影響が現れる。そして、フラッシュバンドの終了ライン812は、図32(c)に示すように、次の第3フレームに現れる。一方、図32には示していないが、pictureAでは、蓄積期間が短くなるように制御されるため、第3フレームにはフラッシュバンドが現れない。
したがって、第3フレームのpictureBの第3フレームのpictureAに対する輝度の比が大きく変化して、所定の閾値を下回った場合に、そのラインをpictureBのフラッシュバンドの終了ラインとして判定することができる。或いは、pictureBのフラッシュバンドの終了ラインの判定方法として、より単純な方法を用いることもできる。例えば、フラッシュバンドの開始ラインを検出した後にpictureBの輝度が大きく変化して、所定の第2の閾値を下回った場合に、そのラインをpictureBのフラッシュバンドの終了ラインとして判定してもよい。
このように、本実施形態では、受光感度の異なる2つの光電変換部から得られる同一フレームのpictureAとpictureBの輝度分布を比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出することが可能となる。これにより、従来のようにフレーム間で画像を比較してフラッシュバンドを検出する方法と比較して、以下のような優れた効果が得られる。すなわち、例えば高速で動く明るい物体がフレーム間において画像に映り込んだ場合等であっても、本実施形態では、同一フレームの被写体の位置が変わらない2つの画像を比較するため、フラッシュバンドが発生した場合を区別することができる。
また、本実施形態ではpictureAとpictureBとで受光感度及び蓄積期間の長さが異なるため、高速で動く物体は、pictureAとpictureBとでブレの程度が異なる。したがって、高速で動く物体が明るい物体であっても、pictureAとpictureBとで高速で動く物体の輪郭のブレの程度を比較することで、高速で動く明るい物体映り込んだ場合とフラッシュバンドが発生した場合とを区別することができる。
次に、上述した方法により検出したフラッシュバンドを補正して適切な露出の画像を得る方法について説明する。本実施形態では、pictureAとpictureBを相互に補正することが可能である。例えば、図31に示した外部ストロボの発光タイミング802の場合には、第3フレームのpictureBにはフラッシュバンドが発生するが、第3フレームのpictureAにはフラッシュバンドが発生しない。したがって、第3フレームのpictureAを用いて、第3フレームのpictureBを補正することができる。
また、図32(b)にした第2フレームのpictureBでは、開始ライン811以下の全てのラインにフラッシュバンドが発生している。一方、図32(a)に示した第2フレームのpictureAでは、終了ライン810以下にはフラッシュバンドが発生していない。したがって、第2フレームのpictureAのフラッシュバンドが発生していないラインを用いて、第2フレームのpictureBのフラッシュバンドが発生しているライン補正することができる。なお、pictureA及びpictureBの両方にフラッシュバンドが発生しているラインについては、従来のフレーム間の補正を行うことが考えられる。
次に、上述したフラッシュバンドの検出方法及び補正方法について、図33に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS701では、図16に示した撮像シーケンスの時刻t32におけるスイッチMVの操作に応じて、図12に示したシーケンスに従って、pictureA及びpictureBを取得するための信号電荷の蓄積と読み出しを行う。
ステップS702では、読み出された信号を、アナログフロントエンド185、186によりデジタル化(A/D変換)する。
ステップS703では、光電変換部に発生した信号電荷が拡散して隣接する画素要素に漏れ込むことによるクロストークを補正する。この処理はデジタル信号処理部187、188において行われる。
ステップS704では、クロストーク補正が行われたpictureA及びpictureBに基づいて、上述したフラッシュバンドの検出を行う。この処理もデジタル信号処理部187、188において行われる。すなわち、デジタル信号処理部187、188はフラッシュバンド検出部として機能する。
ステップS705では、ステップS704で検出したフラッシュバンドの領域に対して、上述したフラッシュバンドの補正を行う。この処理もデジタル信号処理部187、188において行われる。すなわち、デジタル信号処理部187、188はフラッシュバンド補正部としても機能する。フラッシュバンドの補正方法に関しては、上述した方法以外の公知の方法を用いてもよい。
ステップS706では、ガンマ補正等の現像処理と、必要に応じて圧縮処理を行う。ガンマ補正は、入力された光量分布に対してガンマ関数を施す処理である。この結果、入力された光量分布に対してその出力は線形性が保たれず、クロストークの比もその時の光量によって変わってきてしまう。現像後にクロストークの補正を行なう場合は、光量の大きさによってクロストーク処理を変えたり、映像信号そのものを逆ガンマ補正してからクロストーク低減の補正をしたりする必要がある。このため、クロストーク補正は、ステップS706よりも前に行うようにする。
ステップS707では、記録媒体193に映像の記録を行う。或いは、無線インターフェース部198を介してネットワーク上に映像を保存してもよい。
以上のように、本実施形態の撮像装置は、受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子を備えている。また、同一フレームの第1の映像信号の輝度分布と第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部(デジタル信号処理部)を備えている。このような構成により、フラッシュバンドの発生を高精度に検出可能な撮像装置及びその制御方法を提供することができる。
また、本実施形態の撮像装置では、第1の蓄積期間の長さと第2の蓄積期間の長さの比が、第1の光電変換部の受光感度と第2の光電変換部の受光感度の比に応じて設定される。したがって、第1の映像信号の輝度の第2の映像信号の輝度に対する比が、所定の第1の閾値以上に変化したラインを、第1の映像信号及び第2の映像信号の開始ラインと判定することができる。また、第1の映像信号の輝度の第2の映像信号の輝度に対する比が、第1の閾値未満に変化したラインを、第1の映像信号の終了ラインと判定することができる。また、フラッシュバンドの開始ラインを判定した後に、第2の映像信号の輝度が所定の第2の閾値未満に変化したラインを、第2の映像信号の終了ラインと判定することができる。
また、本実施形態の撮像装置は、フラッシュバンド検出部により検出したフラッシュバンドの補正を行うフラッシュバンド補正部(デジタル信号処理部)を備えている。このような構成により、フラッシュバンドを補正可能な撮像装置及びその制御方法を提供することができる。
(第2実施形態)
以下、第5実施形態に係る撮像装置について、図34乃至図38を用いて説明する。先の第1実施形態では、受光感度の異なる2つのフォトダイオードを有する画素303を用いて、蓄積期間が異なる2つの映像信号を得る構成について説明した。これに対し、本実施形態では、1つのフォトダイオードに対して2つの電荷保持部を有する画素303を用いて、蓄積期間が異なる2つの映像信号を得る構成について説明する。本実施形態の撮像装置は、画素303の構成が主に第1実施形態と異なっている。その他の構成については概ね第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
図34は、第1実施形態による撮像装置における画素303の構成例を示す回路図である。図34には、行列状に配置された複数の画素303のうち、第1行第1列(1、1)の画素303と、第m行第1列(m、1)の画素303を示し、その他の画素303については記載を省略している。第m行は画素アレイ302の最下行を表し、mは典型的には数千程度である。画素アレイ302を構成する各画素303は、概ね同一の構成を有している。このため、図4に示す第1行第1列(1、1)の画素303と第m行第1列(m、1)の画素303には同一の符号を付している。
本実施形態の画素303は、1つのフォトダイオード600に対して2つの電荷保持部607A、607Bを有することを特徴とする。例えば特許文献3には、1つのフォトダイオード600に対して1つの電荷保持部を有する画素の構成が開示されているため、電荷保持部の詳細については説明を省略する。以下では、画素303が、1つのフォトダイオード600に対して2つの電荷保持部607A、607Bを有する構成について説明する。
画素303は、フォトダイオード600、電荷保持部607A、607B、転送トランジスタ601A、転送トランジスタ601B、フローティングディフュージョン領域608を少なくとも有している。画素303は、更に、リセットトランジスタ604、増幅トランジスタ605、選択トランジスタ606、転送トランジスタ602A、転送トランジスタ602B、オーバーフロートランジスタ603等を有してもよい。
以下、第1行第1列(1、1)の画素303の構成について説明するが、その他の行及び列の画素303の構成についても概ね同じである。画素303は、垂直走査回路307が出力する制御信号であるφTX1A(n)、φTX2A(n)、φTX1B(n)、φTX2B(n)、φTX3(n)、φRES(n)、φSEL(n)により制御される(nは、行番号に対応した整数)。信号出力線623には、画素303からの映像信号が出力される。電源線620、621は、各トランジスタに電源を供給する。
フォトダイオード600は、被写体からの入射光を光電変換し、生じた信号電荷を蓄積する。転送トランジスタ601Aは転送パルスφTX1Aにより制御され、フォトダイオード600に蓄積された信号電荷を電荷保持部607Aへ転送する。電荷保持部607Aは、フォトダイオード600から転送された信号電荷を保持する。転送トランジスタ602Aは転送パルスφTX2Aにより制御され、電荷保持部607Aが保持する信号電荷をフローティングディフュージョン領域608へ転送する。
同様に、転送トランジスタ601Bは転送パルスφTX1Bにより制御され、フォトダイオード600に蓄積された信号電荷を電荷保持部607Bへ転送する。電荷保持部607Bは、フォトダイオード600から転送された信号電荷を保持する。転送トランジスタ602Bは転送パルスφTX2Bにより制御され、電荷保持部607Bが保持する信号電荷をフローティングディフュージョン領域608へ転送する。
増幅トランジスタ605はフローティングディフュージョン領域608へ転送された信号電荷量に基づく映像信号を出力する。選択トランジスタ606は選択パルスφSELにより制御され、増幅トランジスタ605が出力する映像信号を信号出力線623に出力する。リセットトランジスタ604はリセットパルスφRESにより制御され、フローティングディフュージョン領域608に転送された信号電荷をリセットする。
このような画素303の構成により、第1映像信号用の蓄積期間に生じた信号電荷を電荷保持部607Aへ転送して保持しつつ、第2映像信号用の蓄積期間に生じた信号電荷を電荷保持部607Bへ転送して保持することができる。すなわち、蓄積期間が異なる2つの映像信号用の信号電荷を、2つの電荷保持部607A、607Bにおいて独立に保持することができる。
更に、図34に示す画素303は、オーバーフロートランジスタ603を備えている。オーバーフロートランジスタ603は転送パルスφTX3により制御され、フォトダイオード600に蓄積されている信号電荷を電源線621を介して排出する。これにより、フォトダイオード600には、オーバーフロートランジスタ603がオフである間にだけ信号電荷が蓄積されるため、フォトダイオード600における信号電荷の蓄積期間をより自由に制御することができる。
以後の説明では、電荷保持部607Aに保持した信号電荷に基づく第1映像信号を「pictureA」、電荷保持部607Bに保持した信号電荷に基づく第2映像信号を「pictureB」と表記するものとする。なお、pictureA、pictureBは、厳密には所定の補正等の処理を行った後の映像信号であるが、説明の便宜上、補正前或いは補正途中の映像信号についてもpictureA、pictureBと表記することがある。また、映像信号pictureA,pictureBに基づいて得られた画像を、それぞれpictureA,pictureBと表記することもある。
図35は本発明の撮像装置において、第1の映像信号である静止画と、第2の映像信号である動画とを同時に撮影するための、撮像素子184における蓄積、読み出しタイミングを説明するための図である。ここでいう蓄積とは、フォトダイオード600で発生した電荷を電荷保持部607A、607Bに転送することをいう。また読み出しとは、電荷保持部607、607Bに保持された電荷を、フローティングディフュージョン領域608を介して撮像素子184の外部に出力することをいう。
本実施形態の撮像装置は、垂直同期信号850の1撮影周期Tf(図35ではTf1〜Tf3と表記)中に静止画と動画を読み出せるようになっている。図35では、便宜的に16行のタイミングを図示しているが、実際の撮像素子184は数千行を有している。以下の説明では、最終行を第m行とする。
本実施形態の撮像装置は、更に、垂直同期信号850の1撮影周期Tf中に、第1の映像信号である静止画を、1回の蓄積期間861により生成し、第2の映像信号である動画を、複数Np回に分割された蓄積期間863により生成することを特徴とする。1撮影周期Tf中の蓄積期間861において生成された静止画用の信号電荷は電荷保持部607Aに保持され、1撮影周期Tf中の複数Np回の蓄積期間863において生成された動画用の信号電荷は電荷保持部607Bに加算して保持される。本実施形態では、第2の映像信号である動画の1撮影周期Tf中に行われる蓄積の回数は16回で、1撮影周期Tf中に均等の時間間隔で蓄積加算が行われる。垂直同期信号850の間隔Tfは動画のフレームレートに相当し、本実施形態では1/60秒である。
これにより、動画と静止画を同時に撮影することが可能で、かつ静止画は撮影者の意図する蓄積期間の短いブレのない画像を取得可能で、一方動画はジャーキネスを抑えた滑らかな画像を取得可能となる。
図35に示す静止画の蓄積期間861は、撮影者によって設定されたシャッタースピードT1と同じ値となるように設定されている。以下の説明では、シャッタースピードT1=1/500秒とする。本実施形態では、静止画の蓄積を第1行から第m行まで順次行い、その後静止画の読み出しが終わると動画の読み出しが開始される(850)。つまり、全行の静止画の読み出し期間865が終了した後に、動画の読み出し期間866が開始される。したがって、第1の映像信号である静止画のシャッタースピードT1は、基本的には撮影者によって設定されたフレームレートの半分(例えば図35では1/120秒)よりも短くされる。また、1撮影周期Tf中の動画の最初の蓄積期間863の開始時間は、撮影者の設定した動画のフレームレート及び、静止画のシャッタースピードT1に基づいて決定される。
一方、動画の蓄積は1撮影周期Tf中に均等の時間間隔で行われ、各行の動画の読み出し期間866が開始する直前までに、本実施形態では複数Np=16回に分割された蓄積期間863が終了するように時間間隔が設定される。このとき動画の複数の蓄積期間863の間隔は、水平同期信号851の間隔Thの整数倍に設定される。その結果、各行の動画の蓄積タイミングが同じになっている。図35では便宜的に、動画の複数の蓄積期間863の間隔が水平同期信号の間隔Thと等しくなるように図示されている。典型的には、動画の複数の蓄積期間863の間隔は、撮像素子184の行数をm、1撮影周期Tf中の動画の蓄積期間863の回数をNpとすると、m/Npを超えない整数に水平同期信号851の間隔Thを掛けた値に設定される。また、動画の1回当りの蓄積期間863は、T1/16(=1/8000秒)に設定される。すなわち複数の動画の蓄積期間863を合計した長さは、静止画の蓄積期間861の長さと等しくなっている。
以下、本実施形態の撮像装置による動画および静止画の撮影における、蓄積、転送、読み出しのタイミングについて図34及び図35を参照しながら説明する。まず、第1の映像信号である静止画の取得タイミングについて述べる。
時刻t80において、第1行の転送パルスφTX2A(1)、φTX2B(1)がハイレベルとなると、第1行の転送トランジスタ602B、全行の転送トランジスタ602Aがオンとなる。このとき既に全行のリセットパルスφRESがハイレベルになり、リセットトランジスタ604がオン状態になっている。このため、全行のフローティングディフュージョン領域608、全行の静止画の電荷保持部607A、第1行の動画の電荷保持部607Bがリセットされる。なお、第1行の選択パルスφSEL(1)はローレベルになっている。
その後、第1行の転送パルスφTX3(1)がローレベルとなると、第1行のオーバーフロートランジスタ603がオフとなる。この結果、第1行のフォトダイオード600のリセットが解除されて、第1行のフォトダイオード600での静止画用の信号電荷の蓄積期間861が開始される。
時刻t81において、第1行と同様に、第2行の転送パルスφTX3(2)がローレベルとなると、第1行のオーバーフロートランジスタ603がオフとなる。この結果、第2行のフォトダイオード600のリセットが解除されて第1行のフォトダイオード600での静止画の信号電荷の蓄積期間861が開始される。以下、第m行まで、各行の蓄積期間861が順次開始される。
時刻t82において、第1行のリセットパルスφRES(1)がローレベルとなると、第1行のリセットトランジスタ604がオフとなり、フローティングディフュージョン領域608のリセット状態が解除される。同時に、第1行の選択パルスφSEL(1)がハイレベルとなると、第1行の選択トランジスタ606がオンとなり、第1行の映像信号の読み出しが可能となる。更に、第1行の転送パルスφTX1A(1)がハイレベルとなると、第1行の転送トランジスタ601Aがオンとなり、第1行のフォトダイオード600に蓄積された静止画用の信号電荷が第1行の電荷保持部607Aに転送されて保持される。この転送期間862は、転送パルスφTX1A(1)がローレベルになるまで行われる。
時刻t83において、第1行と同様に、第2行のリセットパルスφRES(2)がローレベルとなると、第2行のリセットトランジスタ604がオフとなり、フローティングディフュージョン領域608のリセット状態が解除される。同時に、第2行の選択パルスφSEL(2)がハイレベルとなると、第2行の選択トランジスタ606がオンとなり、第2行の映像信号の読み出しが可能となる。更に、第2行の転送パルスφTX1A(2)がハイレベルとなると、第2行の転送トランジスタ601Aがオンとなり、第2行のフォトダイオード600に蓄積された静止画用の信号電荷が第2行の電荷保持部607Aに転送されて保持される。この転送期間862は、転送パルスφTX1A(2)がローレベルになるまで行われる。
第3行以降についても同様に、静止画の転送が行われ、最終行の転送パルスφTX1A(m)がローレベルになるまで転送が行われる。各行において、転送パルスφTX1Aがローレベルになると、転送トランジスタ601Aがオフとなり、フォトダイオード600に蓄積された信号電荷の電荷保持部607Aへの転送が終了する。
時刻t84において、第1行の転送パルスφTX2A(1)がハイレベルとなると、第1行の転送トランジスタ602Aがオンとなり、第1行の電荷保持部607Aに蓄積された静止画用の信号電荷がフローティングディフュージョン領域608に転送される。更に、フローティングディフュージョン領域608の電位の変化に応じた出力が、第1行の増幅トランジスタ605及び選択トランジスタ606を介して信号出力線623に供給される。信号出力線623に供給された信号は、読み出し期間865において、不図示の読み出し回路により第1行の静止画信号として外部に出力する。
時刻t85において、第2行の転送パルスφTX2A(2)がハイレベルとなると、第2行の転送トランジスタ602Aがオンとなり、第2行の電荷保持部607Aに蓄積された静止画用の信号電荷がフローティングディフュージョン領域608に転送される。そして第1行目と同様に、フローティングディフュージョン領域608の電位の変化に応じた出力が、読み出し回路により第2行の静止画信号として外部に出力される。以下、第m行まで、各行の映像信号が順次取得される。
次に、第2の映像信号である動画の取得タイミングについて述べる。時刻t80において、静止画の場合と同様に、第1行の転送パルスφTX2B(1)、及び全行の転送パルスφTX2A(1)がハイレベルとなると、第1行の転送トランジスタ602B、全行の転送トランジスタ602Aがオンとなる。このとき既に全行のリセットパルスφRESがハイレベルになり、リセットトランジスタ604がオン状態になっている。このため、全行のフローティングディフュージョン領域608、全行の静止画の電荷保持部607A、第1行の動画の電荷保持部607Bがリセットされる。
時刻t86において、第1行の転送パルスφTX3(1)がローレベルとなると、第1行のオーバーフロートランジスタ603がオフとなる。この結果、第1行のフォトダイオード600のリセットが解除されて、第1行のフォトダイオード600での動画の信号電荷の蓄積期間863が開始される。
時刻t87において、第1行の転送パルスφTX1B(1)がハイレベルとなり、第1行の転送トランジスタ601Bがオンとなる。この結果、第1行のフォトダイオード600に蓄積された信号電荷が第1行の動画の電荷を保持する電荷保持部607Bに転送されて保持される。この転送期間864は、転送パルスφTX1B(1)がローレベルになるまで行われる。
時刻t88において、時刻t86と同様の動作が行われ、第1行のフォトダイオード600において第2回の動画の信号電荷の蓄積が行われる。時刻t89において、時刻t87と同様にフォトダイオード600に蓄積された信号電荷が電荷保持部607Bに転送される。時刻t89で転送された信号電荷は、時刻t87で転送された信号電荷に加算して保持される。動画の蓄積においては、この間欠的なフォトダイオード600での電荷信号の蓄積と、転送および加算が繰り返される。
第1行と同様に、時刻t88において、第2行のフォトダイオード600での蓄積が開始される。時刻t89において、第2行のフォトダイオード600に蓄積された信号電荷が電荷保持部607Bに転送され、転送パルスφTX1B(2)がローレベルになるまで転送が行われる。このように、各行において電荷の蓄積と転送が同様に行われ、図35に示すように動画の蓄積が順次行われる。
時刻t90において、第1行の16回目の電荷保持部607Bへの転送が終了すると、第1行のリセットパルスφRES(1)がローレベルとなり第1行のリセットトランジスタ604がオフとなる。この結果、フローティングディフュージョン領域608のリセット状態が解除される。同時に、第1行の選択パルスφSEL(1)がハイレベルとなると、第1行の選択トランジスタ606がオンとなり、第1行の映像信号の読み出しが可能となる。更に、第1行の転送パルスφTX2B(1)がハイレベルとなると、第1行の転送トランジスタ602Bがオンとなり、電荷保持部607Bに加算蓄積された動画用の信号電荷がフローティングディフュージョン領域608に転送される。
更に、フローティングディフュージョン領域608の電位の変化に応じた出力が、増幅トランジスタ605及び選択トランジスタ606を介して信号出力線623に供給される。信号出力線623に供給された信号は、読み出し期間866において、不図示の読み出し回路により第1行の動画信号として外部に出力される。
第1行と同様に、第2行以降に関しても同様の処理が行われる。時刻t91において、第2行の16回目の電荷保持部607Bへの転送が終了すると、第2行のリセットパルスφRES(2)がローレベルとなり、第2行のリセットトランジスタ604がオフとなる。この結果、フローティングディフュージョン領域608のリセット状態が解除される。同時に、第2行の選択パルスφSEL(2)がハイレベルとなると、第2行の選択トランジスタ606がオンとなり、第2行の映像信号の読み出しが可能となる。そして、第2行の転送パルスφTX2B(2)がハイレベルとなると、第2行の転送トランジスタ602Bがオンとなり、電荷保持部607Bに加算蓄積された動画の信号電荷がフローティングディフュージョン領域608に転送される。
更に、フローティングディフュージョン領域608の電位の変化に応じた出力が、増幅トランジスタ605及び選択トランジスタ606を介して信号出力線623に供給され、不図示の読み出し回路により第2行の動画信号として外部に出力される。
このようにして、各行での読み出しが行われ、時刻t92においてm行目の読み出しが開始され、時刻t93においてm行目の読み出しが終了する。このようにして最下行である第m行までの処理が行われると、動画の1フレームの映像信号を得ることができる。以上のようにして、第1の映像信号である静止画と、第2の映像信号である動画を1フレーム期間中に同時に取得することが可能になる。
次に、このような2つの電荷保持部を用いて蓄積期間が異なる2つの映像信号を得る撮像装置において、フラッシュバンドを検出及び補正する方法について説明する。図36〜図38は、静止画及び動画の蓄積期間と外部ストロボの発光タイミングとの関係をタイミングチャートで示している。図36〜図38では、外部ストロボの発光タイミングが互いに異なっている。
図36(a)は、外部ストロボの発光が第1の発光タイミング871で行われた場合のタイミングチャートを表している。図36(b)は、フレーム期間Tf1において取得された第1フレームの静止画を表している。図36(c)は、フレーム期間Tf1において取得された第1フレームの動画を表している。第1の発光タイミング871のHighの部分は外部ストロボが発光している期間を示し、Lowの部分は外部ストロボが発光していない期間を示している。
なお、図36に示すようなローリングシャッター方式の撮像動作においては、画素のラインごとに信号電荷の蓄積期間に遅れが生じる。このため、第1フレームの下方のラインの映像信号は、厳密にはフレーム期間Tf1において発生した信号電荷のみに基づくものではなく、次のフレーム期間Tf2において発生した信号電荷に基づく成分も含まれる。そこで、以下の説明では、このようなフレーム期間Tfnがラインごとに遅延するローリングシャッター方式の1撮影周期において取得された画像を「第nフレーム」の画像という。後の図37及び図38についても同様である。
図36(a)に示す第1の発光タイミング871において、外部ストロボの発光開始タイミング872及び発光終了タイミング873は、第1フレームの静止画の蓄積期間861とは交差しないが、第1フレームの動画の蓄積期間863とは交差している。
このため、第1フレームの静止画は、図36(b)に示すようにフラッシュバンドの影響のない画像となり、第1フレームの動画は、図36(c)に示すようにフラッシュバンドの影響を受けた画像となる。したがって、第1フレームの静止画の輝度分布と第1フレームの動画の輝度分布とを比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出することができる。
次に、図37(a)は、外部ストロボの発光が第2の発光タイミング874で行われた場合のタイミングチャートを表している。図37(b)は、第1フレームの静止画を表している。図37(c)は、第1フレームの動画を表している。図37(d)は、第2フレームの静止画を表している。図37(e)は、第2フレームの動画を表している。第2の発光タイミング874のHighの部分は外部ストロボが発光している期間を示し、Lowの部分は外部ストロボが発光していない期間を示している。
図37(a)に示す第2の発光タイミング874において、外部ストロボの発光開始タイミング875及び発光終了タイミング876は、第1フレームの動画の蓄積期間863、及び第2フレームの静止画の蓄積期間861と交差している。
このため、第1フレームの静止画は、図37(b)に示すようにフラッシュバンドの影響のない画像となり、第1フレームの動画は、図37(c)に示すようにフラッシュバンドの影響を受けた画像となる。また、第2フレームの静止画は、図37(d)に示すように、フラッシュバンドの影響を受けた画像となり、第2フレームの動画は、図37(e)に示すようにフラッシュバンドの影響のない画像となる。したがって、図37(a)に示す場合でも、図36(a)に示した場合と同様に、同一フレームの静止画の輝度分布と動画の輝度分布とを比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出することができる。
このように、図37に示した第1の発光タイミング871や図38に示した第2の発光タイミング874の場合は、同一フレームの2つの画像のうちの一方のみにフラッシュバンドが発生し、他方にはフラッシュバンドが発生していない。したがって、同一フレームの2つの画像の輝度分布を比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出することができる。
次に、図38(a)は、外部ストロボの発光が第3の発光タイミング877で行われた場合のタイミングチャートを表している。図38(b)は、第2フレームの静止画を表している。図38(c)は、第2フレームの動画を表している。第3の発光タイミング877のHighの部分は外部ストロボが発光している期間を示し、Lowの部分は外部ストロボが発光していない期間を示している。
図38(a)に示す第3の発光タイミング877において、外部ストロボの発光開始タイミング878及び発光終了タイミング879は、第2フレームの静止画の蓄積期間861、及び第2フレームの動画の蓄積期間863と交差している。
このため、第2フレームの静止画は、図38(b)に示すように画像の下方の領域にフラッシュバンドの影響を受けた画像となる。また、第2フレームの動画は、図38(c)に示すように画像の上方の領域にフラッシュバンドの影響を受けた画像となる。したがって、図38(a)に示す第3の発光タイミング877の場合は、図36(a)や図37(a)の場合とは異なり、同一フレームの動画と静止画の両方にフラッシュバンドが発生する。しかし、この場合でも、図37や図38に示した場合と同様に、同一フレームの静止画の輝度分布と動画の輝度分布とを比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出することができる。
なお本実施形態でも第1実施形態と同様に、静止画と動画とで輝度が概ね等しくなるように両信号の蓄積期間の長さが調整される。具体的には、複数の動画の蓄積期間863を合計した長さが、静止画の蓄積期間861の長さと等しくなるように制御される。したがって、フラッシュバンドが発生していないときには、同一フレームの2つの画像の輝度分布は概ね等しく一定となる。
また、本実施形態では、静止画と動画の2つの画像を取得するために、1つのフォトダイオード600が共用される。このため、先の第1実施形態とは異なり、フラッシュバンドが発生したときでも、フラッシュバンドが同一フレームの静止画と動画とで同じラインに現れることはない。
したがって、同一フレームの2つの映像信号の輝度分布を比較して、バンド状の高輝度領域が静止画と動画で異なるラインに存在する場合には、高輝度領域が開始しているラインをそれぞれの画像のフラッシュバンドの開始ラインと判定することができる。また、高輝度領域が終了しているラインをそれぞれの画像のフラッシュバンドの終了ラインと判定することができる。
また、例えば、図35に示すタイミングチャートでは、同一のフレーム期間において、静止画の蓄積が動画の蓄積よりも前に行われる。したがって、図38に示すように、同一フレームの2つの画像を比較すると、静止画のフラッシュバンドは必ず動画のフラッシュバンドよりも下方に現れる。このような傾向も含めて、同一フレームの2つの画像の輝度分布を比較することで、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインをより高精度に検出することもできる。なお、動画の蓄積が静止画の蓄積よりも前に行われる場合には、静止画のフラッシュバンドは動画のフラッシュバンドよりも上方に現れる。
上述した方法により検出したフラッシュバンドを補正する方法については、第1実施形態と同様に、同一フレームの2つの画像を用いて相互に補正することができる。或いは、従来のようにフレーム間の補正を行うようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の撮像装置は、光電変換部、第1の電荷保持部及び第2の電荷保持部を含む画素が行列状に配された撮像素子を備えている。また、同一フレームの第1の映像信号の輝度分布と第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部(デジタル信号処理部)を備えている。このような構成によっても、第1実施形態と同様に、フラッシュバンドの発生を高精度に検出可能な撮像装置及びその制御方法を提供することができる。
また、本実施形態の撮像装置は、フラッシュバンド検出部により検出したフラッシュバンドの補正を行うフラッシュバンド補正部(デジタル信号処理部)を備えている。このような構成により、フラッシュバンドを補正可能な撮像装置及びその制御方法を提供することができる。
(変形実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に記載の撮像装置の構成は一例を示したものであり、本発明を適用可能な撮像装置はこのような構成に限定されるものではない。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100…撮像装置
152…撮影光学系
178…システム制御CPU
184…撮像素子
187,188…デジタル信号処理部
191…表示インターフェース部
192…記録インターフェース部
302…画素アレイ
303…画素
307…垂直走査回路
303A,303B…画素要素
308A、308B…読み出し回路(読み出し部)
310A,310B,600…フォトダイオード(光電変換部)
313A,313B,608…フローティングディフュージョン領域
607A,607B…電荷保持部

Claims (15)

  1. 受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子と、
    撮影周期中の第1の蓄積期間において前記第1の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第1の映像信号、及び、前記撮影周期中の第2の蓄積期間において前記第2の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第2の映像信号、を読み出す読み出し部と、
    前記第1の映像信号の輝度分布と前記第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第1の蓄積期間の長さと前記第2の蓄積期間の長さの比が、前記第1の光電変換部の受光感度と前記第2の光電変換部の受光感度の比に応じて設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の蓄積期間の長さと前記第2の蓄積期間の長さの比が、前記第1の光電変換部の受光感度と前記第2の光電変換部の受光感度の比に反比例するように設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の光電変換部の受光感度が前記第2の光電変換部の受光感度よりも大きく、
    前記第1の映像信号の輝度の前記第2の映像信号の輝度に対する比が、所定の第1の閾値以上に変化したラインを、前記第1の映像信号及び前記第2の映像信号の前記開始ラインと判定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の映像信号の輝度の前記第2の映像信号の輝度に対する比が、前記第1の閾値未満に変化したラインを、前記第1の映像信号の前記終了ラインと判定し、
    前記開始ラインを判定した後に、前記第2の映像信号の輝度が所定の第2の閾値未満に変化したラインを、前記第2の映像信号の前記終了ラインと判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記第1の蓄積期間の終了タイミングと前記第2の蓄積期間の終了タイミングとが一致しており、
    前記第1の映像信号の輝度及び前記第2の映像信号の輝度が共に所定の閾値以上に変化したラインを前記開始ラインと判定する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 光電変換部、第1の電荷保持部及び第2の電荷保持部を含む画素が行列状に配された撮像素子と、
    撮影周期中の第1の蓄積期間において前記光電変換部に生じた信号電荷を前記第1の電荷保持部に転送して得られる第1の映像信号、及び、前記撮影周期中の複数の第2の蓄積期間において前記光電変換部に生じた信号電荷を前記第2の電荷保持部に転送して得られる第2の映像信号、を読み出す読み出し部と、
    前記第1の映像信号の輝度分布と前記第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するフラッシュバンド検出部と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  8. 複数の前記第2の蓄積期間を合計した長さが、前記第1の蓄積期間の長さと等しくなるように設定される
    ことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記第1の映像信号の輝度分布と前記第2の映像信号の輝度分布とで、バンド状の高輝度領域が異なるラインに存在する場合に、前記高輝度領域が開始しているラインを前記開始ラインと判定し、前記高輝度領域が終了しているラインを前記終了ラインと判定する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の撮像装置。
  10. 画素のラインごとに前記第1の蓄積期間及び前記第2の蓄積期間の遅れが生じている
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 前記フラッシュバンド検出部により検出したフラッシュバンドの補正を行うフラッシュバンド補正部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記フラッシュバンド補正部は、前記第1の映像信号及び前記第2の映像信号のうちの一方のフラッシュバンドが発生していないラインの映像信号を用いて他方のフラッシュバンドが発生しているラインの映像信号を補正する
    ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子を備える撮像装置の制御方法であって、
    撮影周期中の第1の蓄積期間において前記第1の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第1の映像信号、及び、前記撮影周期中の第2の蓄積期間において前記第2の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第2の映像信号、を読み出すステップと、
    前記第1の映像信号の輝度分布と前記第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出するステップと、
    を有することを特徴とする制御方法。
  14. 受光感度が異なる第1の光電変換部及び第2の光電変換部を含む画素が行列状に配された撮像素子を備える撮像装置において、コンピュータを、
    撮影周期中の第1の蓄積期間において前記第1の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第1の映像信号、及び、前記撮影周期中の第2の蓄積期間において前記第2の光電変換部に生じた信号電荷に基づく第2の映像信号、を読み出す手段と、
    前記第1の映像信号の輝度分布と前記第2の映像信号の輝度分布とを比較して、フラッシュバンドの開始ライン及び終了ラインを検出する手段と、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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