JP2018159899A - 光照射装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、メタルハライドランプ等の紫外線ランプは、消灯後すぐに再点灯することが難しく、エネルギーロスが大きい、というデメリットがある。また、紫外線とともに発生する熱線により、被照射対象物が不所望に加熱されてしまう、という問題があった。
近年では、紫外線ランプの代替光源としてLEDを用いた光照射装置を備えた露光装置の開発が活発に行われている。
第一に、紫外線ランプは、電極間に形成されるアークの輝点から高い放射量の光を得ることが可能であるが、LEDは一チップあたりの光放射量は小さい。このため、露光装置用の光源として用いるためには、多数のLEDを搭載した光源部が必要となる。しかしながら、各LEDの光放射出力には、LEDの個体差や、熱分布の影響などに起因するバラツキが生じやすい。さらには、一部のLEDが不点灯となることも考えられる。このような理由から、多数のLEDを搭載した光源部を備えた光照射装置においては、光照射面での照度を均一にすることが難しい。
ここでいう「視角」とは、図9に示されるように、光照射面LSにおける任意の位置からの光の有効入射角の拡がり幅を示すもので、図9における角度αのことである。本明細書においては、光照射面LSに入射される光線の入射角度強度分布(入射角度あたりの光の相対強度分布)をとった場合の半値半幅から実効的な視角が定められる。図9において、30は光源部、31はLEDである。
まず、上記第一の課題に対しては、複数のLED31が同一平面上に配置されてなる光源部30と、被照射対象物Wとの間の距離(実際には光源部30と被照射対象物Wの間に配置されるマスク45との間の距離、ワーキングディスタンス)WDを大きくすることが記載されている。これにより、各LED31から放射される光が混ざり合うことで、個々のLED31の光放射出力のバラツキが緩和(補償)されて光照射面LSにおける照度の均一性を向上させることができるとされている。
また、上記第二の課題に対しては、図10Bに示すように、アパーチャーアレイ40を光源部30に近接した位置に設けることが記載されている。これにより、各LED31から放射される光の開き角θが小さくなり、被照射対象物Wに対する光処理の空間分解能を上げることができるとされている。
すなわち、各々、同一の基板32上に配置された複数のLED31と導光部35とよりなる複数のセグメント光源30aを基板32の面方向に並べて配置して光源部30を構成することが記載されている。これにより、各々のLED31から放射される光が導光部35の内面によって反射されることで混合されて光照射面LSにおける照度を均一化することができるとされている。
さらにまた、セグメント光源30a毎に照度のバラツキがある場合には、それぞれセグメント光源30a毎にフィードバック制御部を設ける必要があり、光照射面LSにおける照度の均一化を図ることが困難(非常に煩雑化)となってしまう。
さらにまた、特許文献2に記載の光照射装置においては、LED31から放射される光の開き角は導光部35内で保存される。このため、光照射面LSでの視角を狭めることはできない。また、導光部35の開口から出射された光は、光照射面LSに達するまでの間に、広がりやすいため、光照射面LSにおける照度が低下してしまう。光照射面LSにおける照度の低下を防ぐためには、図11において二点鎖線で示すように、導光部35の開口端から被処理対象物Wまでの距離をWD1からWD2に小さくすることが考えられる。しかしながら、このような場合には、装置設計上の制約となってしまい、好ましくない。
前記光源部におけるLED配置領域の中心位置を含むz方向に延びる軸を基準軸としたとき、当該基準軸を含むxz断面またはyz断面において、
前記反射部は、光出射方向前方に向かうに従って当該基準軸に対して外方に広がる形態を有しており、当該反射部における前記光源部側に位置される端部位置と当該反射部の光出射側開口端縁の位置とを結ぶ第一仮想線の、z方向に対する傾斜角度をθ1 、当該基準軸上における各々のLEDの光出射面が位置される平面と同じz方向レベル位置と当該反射部の光出射側開口端縁の位置とを結ぶ第二仮想線の、当該基準軸に対する傾斜角度をθ2 、前記LED配置領域の幅(Wa)と前記反射部の開口幅(Wb)との比率をA(=Wa/Wb)としたとき、下記(1)〜(3)の関係を満足することを特徴とする。
(1)15°≦θ1 ≦37.4°
(2)24.8°≦θ2 ≦41.2°,θ1 <θ2
(3)0.008≦A≦0.5
さらにまた、本発明の光照射装置においては、前記反射部は、光拡散性反射面を有することが好ましい。
このような構成のものにおいては、前記反射部の拡散性反射面が、多数の平坦面によって構成されていることが好ましく、反射部の内面に形成されたディンプルによって構成されていることが一層好ましい。
さらにまた、本発明の光照射装置においては、前記反射部は、光出射側開口端の開口形状が多角形状であることが好ましい。
図1Aは、本発明の光照射装置の一例における構成の概略を示す斜視図である。図1Bは、図1Aに示す光照射装置におけるx方向およびz方向に延びる平面による断面図である。図2は、光源部の一例における構成の概略を示す平面図である。
この光照射装置は、複数のLED12が同一平面上に配置されてなる光源部10と、光源部10からの光を反射する反射部20とにより構成された光照射器1を備えている。
傾斜角度θ1 が過小である場合には、後述する比較例7および比較例17の結果に示されるように、光照射面での視角の大きさを小さく抑制することが困難となる。一方、傾斜角度θ1 が過大である場合には、後述する比較例10の結果に示されるように、光照射面での視角の大きさを小さく抑制することが困難となる。
傾斜角度θ2 が過小である場合には、光照射面での視角の大きさを小さく抑制することが困難となる。後述する比較例4および比較例5の結果に示されるように、θ1 の値が小さくなると、視角が大きくなっていることから、θ1 についての関係(1)を満足する構成のものを想定した場合には、比較例4に係る光照射装置よりも視角の大きさが小さくなるが、実施例の各々に係る視角の大きさよりは大きくなることが予想される。一方、傾斜角度θ2 が過大である場合には、後述する比較例12および比較例15の結果に示されるように、光照射面での視角の大きさを小さく抑制することが困難となると共に十分に高い照度均一度を得ることが困難となる。
比率Aが過小である場合には、後述する比較例19および比較例20の結果並びに図7に示されるように、光照射面において十分に高い照度を得ることが困難となる。一方、比率Aが過大である場合には、図7に示されるように、十分に高い照度均一度を得ることが困難となる。
視角が例えば40°以下である場合には、図4に示すように、被照射対象物の厚み方向(深さ方向)での光吸収の偏りを小さく抑制することができて、光処理の処理精度を高くすることができる。図4における上下方向は被照射対象物の厚み方向を示し、左右方向は被照射対象物の面方向の位置を示す。また、Laは光吸収領域を示す。
従って、上記の光照射装置によれば、後述する実施例の結果に示されるように、光照射面LSでの視角を小さく抑制することができる。また、上記の光照射装置によれば、各LED12からの光の混光性が高くなる。このため、LEDの光放射出力のバラツキや、任意のLEDの経時的な光量減少などといった不具合が生じた場合であっても、光照射面LSにおいて各LED12からの光が重畳されて互いに補償し合うことにより、光照射面LSにおける照度の均一性を高くすることができると共に、安定性の高い光照射を行うことができる。
例えば、反射部は、上記(1)〜(3)の関係を満足するものであれば、上記実施の形態に係る構成のものに限定されない。例えば、反射部を構成する第一ミラー素子はz方向に対する傾斜角度が互いに異なる複数の傾斜面部を有する構成とされている必要はない。
さらにまた、反射部は、光源部側の端部が光源部と同じz方向レベル位置に位置された状態で配置されている必要はなく、光源部より光出射方向前方側に配置されていてもよい。
さらにまた、本発明の光照射装置においては、複数個の光照射器を備えた構成とされていてもよい。このような構成のものにおいては、上述のように、光照射器における反射部の光出射側開口端の開口形状が多角形状とされることにより光照射器を隙間なく並べることができ、上記効果を確実に得ることができる。
このコンタクト露光装置(以下、単に「露光装置」という。)は、露光光(例えば紫外光)をフォトマスクMを介して被照射対象物(以下、「ワーク」ともいう。)Wに照射する、例えば図1に示す光照射器1を備えた光照射装置により構成された光照射部5と、ワークWに露光(転写)するパターンが形成されたフォトマスクMを保持するマスクステージ50と、ワークWを保持するワークステージ55と、ワークステージ55に保持されたワークWとフォトマスクMとの位置合わせを行うためのアライメント機構60と、ワークWを搬送するワーク搬送機構と、装置の各動作を制御する制御部(不図示)とを備えている。ワークWとしては、例えばプリント基板、半導体基板、液晶基板といった基板材料を例示することができる。
なお、マスクステージ50は、適宜のステージ駆動機構(図示せず)によって、ワークステージ55のワーク載置面に沿った水平面内でXYθ方向に移動可能に構成されていてもよい。
ワークステージ55は、ステージ駆動機構56によって、XYZθ方向(ワーク載置面に沿った面方向、高さ方向およびワーク載置面に垂直な軸を中心とした回転方向)に移動可能に構成されている。ステージ駆動機構56は、例えばXYθステージ57と、昇降ステージ(Zステージ)58とを備えている。
また、ワーク搬送機構は、搬入側搬送機構65aにおけるコンベア上のワークWをワークステージ55上に移載する搬入側移載機構70a、および、露光処理後のワークWをワークステージ55上から搬出側搬送機構65bのコンベア上に移載する搬出側移載機構70bを備えている。搬入側移載機構70aおよび搬出側移載機構70bは、例えばワークWを吸着保持する移載アーム71を備えており、当該移載アーム71は、ワークステージ55とマスクステージ50との間の位置に挿入退避可能に設けられている。
先ず、搬入側搬送機構65aによって装置内に搬入されたワークWが搬入側移載機構70aによってワークステージ55上に移載される。すなわち、コンベア上のワークWが移載アーム71よって吸着保持された後、移載アーム71がワークWを保持した状態で水平方向に移動されてワークステージ55の上方に位置される。この状態において、移載アーム71によるワークWの吸着保持が解除されることによりワークWがワークステージ55上に載置される。その後、移載アーム71は所定位置に退避される。ワークステージ55上に載置されたワークWは、ワークステージ55に設けられたワーク保持手段によって例えば吸着保持される。
ワークWに対する露光処理が終了すると、ステージ駆動機構56を構成する昇降ステージ58によってワークステージ55が下降され、搬出側移載機構70bによって、ワークステージ55上のワークWが搬出側搬送機構65bにおけるコンベア上に移載される。そして、搬出側搬送機構65bによって、ワークWが装置外部に搬出される。
図1Aおよび図1Bに示す構成に従い、下記表1に示す仕様を有する本発明に係る光照射装置を製作した。また、下記表2に示す仕様を有する比較用の光照射装置を製作した。
各々の光照射装置において、光源部は、図2に示すように、LED配置領域において、約2000個のLEDがx方向およびy方向に並ぶよう配置されて構成されている。各々のLEDは、光放射角が60°であるものである。LED配置領域は、x方向の寸法(Wa)が下記表1および表2に示す大きさであって、y方向の寸法が360mmである。また、表1における「LED配列」において、「10列」とは、図2においてx方向に並ぶLEDの数が10個であることを示し、「n並列」とは、10列のLED配列を一のLED群としたとき、図2においてx方向に並ぶLED群の数がn個であることを示す。
反射部を構成する第一ミラー素子および第二ミラー素子の各々の内面には、ハンマーパターンあるいはスタッコパターンが設けられ、拡散反射面とされている。
照度は、光照射面における複数の測定箇所において測定された照度の平均値である。
照度均一度は、光照射面における複数の測定箇所において測定された照度の平均値をEa、複数の測定箇所の各々における照度分布幅をΔEとしたとき、(式)(Ea−ΔE)/Ea〔%〕により定義される。
図7に示す結果より明らかなように、比率Aの値が高くなるほど、照度均一度は低下する傾向にあり、特に比率Aの値が0.5を超える範囲では、照度均一度(混光性)の悪化が著しいことが確認された。また、比率Aの値が0.008を下回ると、照度値が著しく低下してしまうことが確認された。よって、照度均一度および照度の観点からは、比率Aが上記の(3)の関係を満たすこと(0.008≦A≦0.5)により、光照射面において十分に高い照度が得られ、しかも高い照度均一度が得られることが確認された。
5 光照射部
10 光源部
10a LED配置面
11 基板
12 LED
15 LED配置領域
20 反射部
21 第一ミラー素子
21a 内面(反射面)
22 第一傾斜面部
23 第二傾斜面部
25 第二ミラー素子
30 光源部
30a セグメント光源
31 LED
32 基板
35 導光部
40 アパーチャーアレイ
45 マスク
50 マスクステージ
55 ワークステージ
56 ステージ駆動機構
57 XYθステージ
58 昇降ステージ
60 アライメント機構
61 アライメントマーク検出手段
65a 搬入側搬送機構
65b 搬出側搬送機構
66 コンベア軸
67 ローラ
70a 搬入側移載機構
70b 搬出側移載機構
71 移載アーム
Am マスク・アライメントマーク
Aw ワーク・アライメントマーク
C 基準軸
F 仮想平面
LS 光照射面
M フォトマスク
O LED配置領域の中心位置
W 被照射対象物(ワーク)
Claims (6)
- 互いに直交する3つの方向をx方向、y方向およびz方向としたとき、x方向およびy方向に延びる同一平面上において、各々光軸がz方向に延びる複数のLEDがx方向およびy方向に並んで配置されてなる光源部と、当該光源部からの光を反射する反射部とを備えた光照射装置において、
前記光源部におけるLED配置領域の中心位置を含むz方向に延びる軸を基準軸としたとき、当該基準軸を含むxz断面またはyz断面において、
前記反射部は、光出射方向前方に向かうに従って当該基準軸に対して外方に広がる形態を有しており、当該反射部における前記光源部側に位置される端部位置と当該反射部の光出射側開口端縁の位置とを結ぶ第一仮想線の、z方向に対する傾斜角度をθ1 、当該基準軸上における各々のLEDの光出射面が位置される平面と同じz方向レベル位置と当該反射部の光出射側開口端縁の位置とを結ぶ第二仮想線の、当該基準軸に対する傾斜角度をθ2 、前記LED配置領域の幅(Wa)と前記反射部の開口幅(Wb)との比率をA(=Wa/Wb)としたとき、下記(1)〜(3)の関係を満足することを特徴とする光照射装置。
(1)15°≦θ1 ≦37.4°
(2)24.8°≦θ2 ≦41.2°,θ1 <θ2
(3)0.008≦A≦0.5 - 前記光源部を構成する複数のLEDは、中心発光波長が異なる複数種類のものよりなることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
- 前記反射部は、光拡散性反射面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光照射装置。
- 前記反射部の拡散性反射面が、多数の平坦面によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
- 前記反射部の拡散性反射面が、当該反射部の内面に形成されたディンプルによって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
- 前記反射部は、光出射側開口端の開口形状が多角形状であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光照射装置。
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