JP2018159824A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018159824A
JP2018159824A JP2017057134A JP2017057134A JP2018159824A JP 2018159824 A JP2018159824 A JP 2018159824A JP 2017057134 A JP2017057134 A JP 2017057134A JP 2017057134 A JP2017057134 A JP 2017057134A JP 2018159824 A JP2018159824 A JP 2018159824A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
temperature
image forming
forming apparatus
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017057134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6991727B2 (ja
Inventor
康平 若津
Kohei Wakatsu
康平 若津
隆史 ▲楢▼原
隆史 ▲楢▼原
Takashi Narahara
健史 宍道
Takeshi Shishido
健史 宍道
一洋 道田
Kazuhiro Michida
一洋 道田
徹 今泉
Toru Imaizumi
徹 今泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2017057134A priority Critical patent/JP6991727B2/ja
Publication of JP2018159824A publication Critical patent/JP2018159824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6991727B2 publication Critical patent/JP6991727B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、複数の温度検知手段の検知結果に基づいて状態を判定することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】 記録材Pに画像を形成するプロセスカートリッジ102を有する画像形成装置110であって、フィルム1と、該フィルム1の温度を一方の面より検知するサーミスタ5と、フィルム1の温度を他方の面より検知するサーミスタ6と、サーミスタ5,6の検知結果に基づいて画像形成装置110の状態を判定する制御部28(判定手段)と、を有することを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
複写機やプリンタ等の画像形成装置には定着装置が設けられる。特許文献1に示された定着装置は、円筒状のフィルムに発熱層を設け、その発熱層に給電することでフィルム自身を発熱させる。これにより記録材上のトナー像を定着させる。このような表面発熱方式の定着装置は、電源の投入から定着可能な温度に到達するまでの立ち上げ時間が短く、立ち上げ速度の高速化が図れる。
特開2007−272223号公報
特許文献1では、記録材と接するフィルムが発熱する。このため記録材が定着装置に滞留した状態で発熱層への給電が行われると記録材が高温になりフィルムに熱融着する可能性がある。フィルムの外周面に温度検知センサを設けた場合には、該温度検知センサと、フィルムとの間に記録材等の異物が介在することがある。この場合は、フィルムの正確な温度制御ができない。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、複数の温度検知手段の検知結果に基づいて状態を判定することができる画像形成装置を提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置であって、発熱体と、前記発熱体の温度を一方の面より検知する第一の温度検知手段と、前記発熱体の温度を他方の面より検知する第二の温度検知手段と、前記第一、第二の温度検知手段の検知結果に基づいて前記画像形成装置の状態を判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の温度検知手段の検知結果に基づいて画像形成装置の状態を判定することができる。
本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面説明図である。 第1実施形態の定着装置の構成を示す斜視説明図である。 第1実施形態の定着装置の構成を示す断面説明図である。 第1実施形態の定着装置のフィルムの内外周面にそれぞれ接触する温度検知手段の構成を示す断面説明図である。 第1実施形態の定着装置の給電動作に対してフィルムの内外周面にそれぞれ接触する温度検知手段の検知結果を示す図である。 第1実施形態の定着装置の制御を示すフローチャートである。 第2実施形態の定着装置の構成を示す斜視説明図である。 第2実施形態の定着装置の構成を示す断面説明図である。 第2実施形態の定着装置の制御を示すフローチャートである。 第2実施形態の定着装置の定着温度立ち上げ時におけるフィルムの内外周面にそれぞれ接触、或いは、対向して設けられた温度検知手段の温度変化を示す図である。 第2実施形態の定着装置の記録材巻き付き時におけるフィルムの内外周面にそれぞれ接触、或いは、対向して設けられた温度検知手段の温度変化を示す図である。 第2実施形態の定着装置のフィルムの回転停止時に発熱層に対して通電を行った際の該フィルムの内外周面にそれぞれ接触、或いは、対向して設けられた温度検知手段の温度変化を示す図である。
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図6を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
<画像形成装置>
先ず、図1を用いて本発明に係る画像形成装置110の構成について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置110の構成を示す断面説明図である。図1に示す画像形成装置110は、電子写真方式のレーザプリンタの一例を示す。図1に示す画像形成装置110は、光学走査装置101により像担持体となる感光ドラム103の表面上に露光走査された画像に基づいて記録材Pに画像を形成する画像形成手段となるプロセスカートリッジ102を備える。
図1に示す画像形成装置110は、得られた画像情報に基づいたレーザ光束Lを露光手段となる光学走査装置101により出射し、プロセスカートリッジ102に内蔵された像担持体としての感光ドラム103の表面上に照射する。プロセスカートリッジ102は、記録材Pに画像を形成する画像形成手段として構成される。プロセスカートリッジ102は、感光ドラム103と、該感光ドラム103に作用する画像形成プロセス手段として帯電手段となる帯電ローラ21、現像手段となる現像装置22、クリーニング手段となるクリーナ25等が一体的に設けられている。プロセスカートリッジ102は、画像形成装置110本体に対して着脱可能に設けられる。
図1の時計回り方向に回転する感光ドラム103の表面は、帯電ローラ21により一様に帯電される。一様に帯電された感光ドラム103の表面に対して光学走査装置101により画像情報に応じたレーザ光束Lを露光走査する。これにより感光ドラム103の表面上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム103の表面上に形成された静電潜像に対して現像装置22に設けられた現像剤担持体となる現像ローラ22aによりトナー(現像剤)を供給してトナー像Tとして現像する。
一方、給送カセット104内に収容された記録材Pは、給送ローラ105により繰り出され、分離ローラ23との協働により一枚ずつ分離給送される。更に、搬送ローラ106により挟持搬送されて停止したレジストローラ24のニップ部に記録材Pの先端部が付き当てられて記録材Pの斜行が補正される。
感光ドラム103の表面と、転写手段となる転写ローラ107とにより形成される転写ニップ部N1に該感光ドラム103の表面上に形成されたトナー像Tが到達するタイミングに同期してレジストローラ24が回転する。これにより記録材Pはレジストローラ24により挟持されて転写ニップ部N1に搬送される。図示しない転写バイアス電源により転写ローラ107に転写バイアスが印加されて感光ドラム103の表面上に形成されたトナー像Tが記録材Pに転写される。転写後に感光ドラム103の表面上に残留した残トナーは、クリーナ25により除去されて回収される。
未定着のトナー像Tが形成された記録材Pは、感光ドラム103と転写ローラ107とにより挟持されて定着手段となる定着装置108に搬送される。定着装置108に設けられた定着ユニット26と加圧ローラ3とにより挟持搬送される過程において加熱及び加圧されてトナー像Tが熱溶融し、記録材Pに熱定着される。定着装置108の定着ユニット26と加圧ローラ3とにより挟持搬送された記録材Pは、排出ローラ109により機外に設けられた排出トレイ27上に排出される。加圧ローラ3は、図4に示す駆動源となる定着モータ30により回転駆動される。
本実施形態では、感光ドラム103に作用する画像形成プロセス手段としての帯電手段となる帯電ローラ21及び現像手段となる現像装置22をプロセスカートリッジ102の内部に感光ドラム103と一体的に設けた。他に、各画像形成プロセス手段を感光ドラム103とは別体で構成することも出来る。
<定着装置>
次に、図2〜図4を用いて本実施形態の定着装置108の構成について説明する。図2は、本実施形態の定着装置108の構成を示す斜視説明図である。図3は、本実施形態の定着装置108の構成を示す断面説明図である。図4は、本実施形態の定着装置108のフィルムの外周面1aと内周面1bにそれぞれ接触する温度検知手段の構成を示す断面説明図である。
図2及び図3に示すように、本実施形態の定着装置108は、発熱体となる円筒状のフィルム1と、該フィルム1を回転可能に支持するガイド部材2と、フィルム1の外周面1aと共に定着ニップ部N2を形成する加圧ローラ3とを有して構成されている。更に、図4に示すように、フィルム1の外周面1aに摺動可能に接触して該フィルム1の外周面1aの温度を検知する第一の温度検知手段としてのサーミスタ5が設けられている。更に、フィルム1の内周面1bに摺動可能に接触して該フィルム1の内周面1bの温度を検知する第二の温度検知手段としてのサーミスタ6が設けられている。
サーミスタ5(第一の温度検知手段)は、フィルム1(発熱体)の温度を一方の面より検知する。サーミスタ6(第二の温度検知手段)は、フィルム1(発熱体)の温度を他方の面より検知する。サーミスタ5(第一の温度検知手段)は、フィルム1(筒状フィルム)の外周面1a側(外周面側)に設けられる。サーミスタ6(第二の温度検知手段)は、フィルム1(筒状フィルム)の内周面1b側(内周面側)に設けられる。サーミスタ5,6は、制御手段となる制御部28に接続されている。
図1に示す感光ドラム103の表面と転写ローラ107とにより挟持搬送されるトナー像Tを担持した記録材Pが図3の右側から定着ニップ部N2に搬送される。定着ニップ部N2において加熱及び加圧されてトナー像Tが熱溶融し、記録材Pに熱定着される。
<発熱体>
発熱体となるフィルム1は、基層として通電により発熱する発熱層13を有している。発熱層13は、ポリイミド等の樹脂から形成されており、カーボン等の導電性フィラーを分散させている。発熱層13の外周面上には、被覆層14が設けられている。本実施形態の発熱層13は、導電性フィラーとしてのカーボンブラックを分散させたポリイミド樹脂を用いている。被覆層14は、離型性の良いPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を用いている。フィルム1(発熱体)は、通電により発熱する発熱層13を有する筒状フィルムとして構成される。
<ガイド部材>
ガイド部材2は、ポリマー樹脂等の耐熱性樹脂により形成されており、フィルム1の回転をガイドする役割を果たす。ガイド部材2の長手方向(図2の左右方向)の両端部は、装置フレームに支持された補強ステー4と係合する。図示しない付勢手段により補強ステー4の長手方向の両端部をガイド部材2がフィルム1を介して加圧ローラ3に押し当てるように付勢する。これによりフィルム1は、加圧ローラ3の回転に従動回転する。
補強ステー4は、鉄、ステンレス、ジンコート鋼板等の剛性を有する材料を用いて作成される。これにより図示しない付勢手段により補強ステー4の長手方向の両端部に受けた付勢力をガイド部材2の長手方向において均一に伝達する。本実施形態のガイド部材2は、液晶ポリマーを使用し、補強ステー4は、ジンコート鋼板を使用した。
<加圧ローラ>
回転体となる加圧ローラ3は、芯金10と弾性層11と離型層12とを有して構成されている。本実施形態の加圧ローラ3は、外径が11mmの鉄製の芯金10の外周面上に弾性層11としてシリコーンゴム層を形成している。更に、弾性層11の外周面上に離型層12として電気的絶縁性を有するPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを被覆している。
<サーミスタ>
サーミスタ5は、筒状のフィルム1の外周面1aに摺動可能に設けられ、該フィルム1の外周面1aの温度を検知する。本実施形態では、第一の温度検知手段であるサーミスタ5が発熱体であるフィルム1の記録材Pと接する外周面1aの温度を検知する。本実施形態のサーミスタ5は、フィルム1の軸方向(図2の左右方向)における略中央部に対向して設けられている。本実施形態の画像形成装置110では、記録材Pが定着ニップ部N2の長手方向(図2の左右方向)における中央基準で搬送される。これによりサーミスタ5は、定着ニップ部N2を通過する記録材Pの最小幅の範囲内に配置される。
サーミスタ5(第一の温度検知手段)は、フィルム1(発熱体)の記録材Pと対向する面の温度を検知し、且つサーミスタ5(第一の温度検知手段)は、画像形成装置110に使用される最小幅の記録材Pが通過する範囲内に設けられる。サーミスタ5を記録材Pの最小幅の範囲内に配置することで、画像形成装置110で使用可能な記録材Pのサイズに関わらず記録材Pのフィルム1の外周面1aに対する巻き付きを検知することが可能となる。
サーミスタ6は、筒状のフィルム1の内周面1bに摺動可能に設けられ、該フィルム1の内周面1bの温度を検知する。本実施形態のサーミスタ6は、フィルム1を挟んでサーミスタ5と対向する位置に設けられている。サーミスタ5(第一の温度検知手段)とサーミスタ6(第二の温度検知手段)とは、フィルム1(発熱体)を挟んで対向している。
図4に示すように、サーミスタ5,6は、それぞれフィルム1の外周面1aと内周面1bで同位置の温度を検知する。サーミスタ5,6は、それぞれ接触式の温度検知手段として構成される。これにより記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたとき等の異常時を除く通常時には、サーミスタ5,6の検知温度差が小さくなる。これにより異常時の判定を精度良く行うことができる。
サーミスタ5,6は同一の素子で構成される。サーミスタ5,6は、それぞれサーミスタ素子15と、導電性を有するアーム16とを有して構成される。図4に示すように、サーミスタ素子15は、感温素子19の外周をカプトンテープ18で巻いて構成されている。カプトンテープ18は、耐熱・耐寒性、機械特性、電気特性、耐薬品性等に優れたカプトン(ポリイミドフィルム)を基材としてシリコーン系粘着剤を塗布した電気絶縁用、耐熱マスキング用テープである。低温から高温まで広い温度範囲において、優れた機械的、電気的、物理的、化学的特性等を持続する。このためカプトンテープ18は、フィルム1の外周面1aと内周面1bとの摺擦から感温素子19を保護する役割を果たす。
アーム16は、サーミスタ素子15をフィルム1の外周面1aと内周面1bにそれぞれ押圧している。可撓性を有するフィルム1の回転軌道が変化した場合でも各サーミスタ素子15は、フィルム1の外周面1aと内周面1bに安定して接する状態で維持される。
また、導電性を有するアーム16は、信号線の役割を兼ねており、感温素子19とアーム16とが導電性を有するジュメット線(Dumet wire)20により接続されている。ジュメット線20は、鉄とニッケルの合金のまわりを銅でコーティングしたものである。本実施形態では、異常時の判定を精度良く行うために、サーミスタ5,6をフィルム1の外周面1aと内周面1bで同位置に配置したが、必ずしも同位置に配置する必要はない。
記録材Pが定着ニップ部N2を通過する際に、フィルム1は記録材Pにより熱を奪われる。このため定着ニップ部N2における記録材Pの通過領域Ap(本実施形態では中央部)のフィルム1の温度は、定着ニップ部N2における記録材Pの非通過領域An(本実施形態では両端部)のフィルム1の温度よりも低くなることがある。
記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたとき等の異常時を除く通常時には、各サーミスタ5,6の検知結果の変化が同様であることが望ましい。そのためサーミスタ6もサーミスタ5と同様に定着ニップ部N2を通過する記録材Pの最小幅の範囲内に配置するのが好ましい。
本実施形態のサーミスタ5,6は、フィルム1の外周面1aと加圧ローラ3とにより形成される定着ニップ部N2よりもフィルム1の回転方向(図3の時計回り方向)下流側に設けた一例である。サーミスタ5,6の配置位置は、これに限定する必要はなく、フィルム1の外周面1aと内周面1bの種々の位置に配置することができる。
<給電部材>
図2に示すように、フィルム1の内周面1b側に設けられた発熱層13の長手方向(図2の左右方向)の両端部で該発熱層13の更に内周面1b側には、一対の導電層7がそれぞれ設けられている。導電層7は、銀ペーストをフィルム1の周方向全域(一周分)に亘ってコーティングして形成されている。各導電層7には、導電性を有するステンレス製の板金からなる一対の給電部材9が電気的に接触して摺動可能に設けられている。
一対の給電部材9には、電気ケーブル8を介して交流電源29が接続されている。交流電源29から一対の給電部材9に交流電圧を印加することでフィルム1の内周面1b側に設けられた導電層7を介して発熱層13に給電し、該発熱層13に交流電流が流れてジュール熱により発熱する。本実施形態では、交流電源29から一対の給電部材9に印加する交流電圧は、100Vに設定している。一対の給電部材9は、図示しない付勢手段によりフィルム1を介在して加圧ローラ3に向かって押圧されている。
導電層7の表面抵抗値は、発熱層13の表面抵抗値よりも小さい値に設定されている。本実施形態では、フィルム1の長手方向(図2の左右方向)における一対の給電部材9間の電気抵抗値は20Ωである。一方、フィルム1の厚み方向における給電部材9と導電層7との間の電気抵抗値は1.8Ωである。発熱層13の内周面1b上に導電層7を形成しないで、一対の給電部材9から直接、発熱層13に給電を行う構成とした場合は、フィルム1の長手方向における一対の給電部材9間の電気抵抗値は42Ωである。
本実施形態のように、フィルム1の長手方向(図2の左右方向)両端部で発熱層13の内周面1b上に該フィルム1の周方向全域に亘って導電層7を形成する。これにより交流電源29から一対の給電部材9に印加された交流電流は、該給電部材9から導電層7を経由して発熱層13の回転方向に流れ易くなっていることが分かる。尚、導電層7と発熱層13とが接着し易くするために、導電層7と発熱層13との間に導電性を有する図示しない中間層を介在させても良い。
<画像形成装置の状態判定>
次に、図5を用いて本実施形態のサーミスタ5,6により検知した温度の検知結果を用いて画像形成装置110の状態を判定する原理について説明する。交流電源29から一対の給電部材9と導電層7を介してフィルム1の内周面1b側に設けられた発熱層13に給電を行う。その際に、図5は、フィルム1の外周面1aと内周面1bにそれぞれ当接摺動するサーミスタ5,6により検知した温度の検知結果が変化するか否かを示す図である。図5に示す「○」は、サーミスタ5,6が温度上昇を検知したことを示し、「×」は、サーミスタ5,6が温度上昇を検知しないか、或いは、検知結果が殆ど変化しなかったことを示す。
記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたとき等の異常時を除く通常時では、サーミスタ5,6はフィルム1の温度変化に対応して検知結果が変化する。一方、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたときは、フィルム1の外周面1aに当接摺動するサーミスタ5と、フィルム1の外周面1aとの間に紙等の記録材Pが介在する。このためフィルム1の外周面1aの熱は記録材Pに奪われてサーミスタ5により検出される温度が低下する。このためサーミスタ5は、フィルム1の外周面1aの温度を正確に検知することができない。
一方、サーミスタ6は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いたときもフィルム1の内周面1bに当接摺動する状態を維持している。このためフィルム1の内周面1bの温度変化に対応してサーミスタ6により検出される温度が変化する。記録材P以外の異物がサーミスタ5とフィルム1の外周面1aとの間に介在した場合も各サーミスタ5,6は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いたときと同様の検知結果を示す。
また、交流電源29と発熱層13との間の電気回路が断線する等の異常によりフィルム1の内周面1b側に設けられた発熱層13に給電が正常に行われない場合には、フィルム1の外周面1aと内周面1bの温度変化が生じない。そのためサーミスタ5,6は、ともに検知結果が変化しない。
図5に示すように、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたとき等の異常時を除く通常時を考慮する。更に、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた巻き付き時を考慮する。更に、断線等の装置異常による給電故障時を考慮する。これらの通常時、巻き付き時、給電故障時において、サーミスタ5,6による温度の検知結果に違いが生じる。フィルム1の外周面1aに当接摺動するサーミスタ5と、フィルム1の内周面1bに当接摺動するサーミスタ6との検知結果を用いる。これにより記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた巻き付き時と、断線等の装置異常による給電故障時とを判別することができる。
次に、図6を用いて本実施形態の定着装置108の制御方法について説明する。図6は、本実施形態の定着装置108の制御方法を示すフローチャートである。図6において、「○」は、サーミスタ5,6がフィルム1の温度上昇を検知したことを示し、「×」は、サーミスタ5,6がフィルム1の温度上昇を検知しないか、或いは、検知結果が殆ど変化しないことを示す。
ステップS1において、画像形成装置110の印刷動作が開始されると、ステップS2において、制御手段となる制御部28は、定着モータ30を回転駆動すると共に交流電源29を制御してフィルム1の発熱層13に交流電流を印加する。その後、ステップS3において、制御部28は、サーミスタ5,6の温度検知結果を取得する。
前記ステップS3において、サーミスタ5,6の両方がフィルム1の温度上昇を検知した「○」の場合には、制御部28は、異常なしと判定して、ステップS4に進む。前記ステップS4において、制御部28は、交流電源29を制御してフィルム1の発熱層13に交流電流を印加して、通常の温調制御を行って印刷が行われる。
その後、ステップS5において、制御部28は、受け付けた印刷ジョブが終了したか否かを判定し、受け付けた印刷ジョブが終了した場合は、ステップS6に進む。受け付けた印刷ジョブが終了しない間は、前記ステップS4,S5を繰り返す。前記ステップS6において、制御部28は、交流電源29からフィルム1の発熱層13に印加する交流電流をOFFし、定着モータ30の回転駆動をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。その後、ステップS7に進んで動作を終了する。
前記ステップS3において、サーミスタ5の検知結果が殆ど変化せず(「×」)、サーミスタ6が温度上昇を検知した「○」の場合には、制御部28は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いたと判定する。記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたまま印刷すると、記録材P上に担持されたトナー像に十分熱が伝わらず、トナー像が未定着のまま排出されて画像不良が発生する。
また、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いたまま加熱を繰り返すと、記録材Pがフィルム1の外周面1aに熱融着する場合がある。そのため前記ステップS3において、制御部28は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いたと判定した場合には、ステップS8に進む。前記ステップS8において、制御部28は、交流電源29を制御してフィルム1の発熱層13に印加する交流電流を遮断(OFF)し、定着モータ30をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。
その後、ステップS9に進んで、画像形成装置110の図示しない操作部に設けられた表示パネルに記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いている旨を表示する。これによりユーザに知らせてフィルム1の外周面1aに巻き付いた記録材Pを取り除くよう報知するエラー表示を行う。制御部28(判定手段)は、サーミスタ5,6(第一、第二の温度検出手段)の検知結果に基づいてサーミスタ5(第一の温度検出手段)とフィルム1(発熱体)との間に異物が滞留していることを判定することができる。その後、前記ステップS7に進んで動作を終了する。
前記ステップS3において、両方のサーミスタ5,6の検知結果が殆ど変化しなかった「×」の場合には、制御部28は、電気ケーブル8の断線等による給電部の故障であると判定する。この場合には、ステップS10に進んで制御部28は、交流電源29を制御してフィルム1の発熱層13に印加する交流電流を遮断(OFF)し、定着モータ30をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。
その後、ステップS11に進んで制御部28は、画像形成装置110の図示しない操作部に設けられた表示パネルに定着装置108が故障している旨を表示してユーザに報知するエラー表示を行う。その後、前記ステップS7に進んで動作を終了する。即ち、判定手段を兼ねる制御部28は、両方のサーミスタ5,6(第一、第二の温度検出手段)の検知結果に基づいて画像形成装置110の定着装置108の状態を判定する。
本実施形態の定着装置108では、フィルム1の外周面1aの温度を検知するサーミスタ5と、フィルム1の内周面1bの温度を検知するサーミスタ6との検知結果をモニタする。これによりフィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いた場合と、交流電源29とフィルム1の発熱層13との間を接続する電気ケーブル8の断線等の定着装置108の給電部の故障を切り分けて判定することができる。
電気ケーブル8の断線等の定着装置108の故障はユーザには復帰させることはできないが、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた場合はユーザ自身で復帰させることができる。本実施形態では、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた場合と、電気ケーブル8の断線等の定着装置108の故障とを判別できる。フィルム1の外周面1aに巻き付いた記録材Pはユーザでも除去出来る。このため定着装置108に故障が発生して該定着装置108が使用不可となる機会を減らすことができる。
図5に示すように、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたとき等の異常時を除く通常時を考慮する。更に、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた巻き付き時を考慮する。通常時と巻き付き時とでは、フィルム1の外周面1aの温度を検知するサーミスタ5と、フィルム1の内周面1bの温度を検知するサーミスタ6との検知結果に違いが生じる。制御部28は、両方のサーミスタ5,6の検知結果の違いをモニタする。これにより記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた場合を検知することができる。
また、制御部28は、両方のサーミスタ5,6の検知結果の温度差をモニタする。これにより定着装置108のフィルム1の発熱層13に交流電流が印加されているか否かを判定することができる。或いは、記録材P等の異物がフィルム1の外周面1aとサーミスタ5との間に滞留しているか否かを判定することができる。これらを切り分けて判定することが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、図7〜図12を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図7は、本実施形態の定着装置108の構成を示す斜視説明図である。図8は、本実施形態の定着装置108の構成を示す断面説明図である。
前記第1実施形態では、フィルム1の外周面1aの温度を該フィルム1の外周面1aに当接摺動するサーミスタ5により検知する構成とした。本実施形態では、図7及び図8に示すように、サーミスタ5の代わりにフィルム1の外周面1aから離れた位置からフィルム1の外周面1aの温度を検知するサーモパイル(thermopile;熱電堆)17を設けて構成した。サーモパイル17は、物体から放射される赤外線を受けると、入射エネルギー量に応じた熱起電力を発生する熱型の赤外線センサである。サーモパイル17は、複数の熱電対(thermocouple)を直列あるいは並列に接続したものである。
本実施形態の定着装置108は、フィルム1の外周面1aの温度を検知する第一の温度検知手段として非接触式の温度検知素子であるサーモパイル17がフィルム1の外周面1aに対向して設けられる。また、フィルム1の内周面1bの温度を検知する第二の温度検知手段として接触式の温度検知素子であるサーミスタ6がフィルム1の内周面1bに摺動可能に設けられている。
本実施形態においてもサーモパイル17(第一の温度検知手段)は、フィルム1(発熱体)の温度を一方の面より検知する。サーミスタ6(第二の温度検知手段)は、フィルム1(発熱体)の温度を他方の面より検知する。サーモパイル17(第一の温度検知手段)は、フィルム1(筒状フィルム)の外周面1a側に設けられる。サーミスタ6(第二の温度検知手段)は、フィルム1(筒状フィルム)の内周面1b側に設けられる。
サーモパイル17は、フィルム1の外周面1aから所定の距離だけ離間して外側に配置され、フィルム1の外周面1aの温度を検知する。画像形成装置110に使用される記録材Pのサイズに関わらず記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いた場合を検知する。このためサーモパイル17は、画像形成装置110に使用される最小幅サイズの記録材Pが定着ニップ部N2を通過する最小幅領域Am内に配置する。図7に示すように、本実施形態の画像形成装置110は、記録材Pが定着ニップ部N2を中央基準で搬送される。このためサーモパイル17は、フィルム1の長手方向(図7の左右方向)における中央位置に配置されている。
サーミスタ6は、フィルム1の内周面1b側に配置され、フィルム1の内周面1bの温度を検知する。サーミスタ6は、フィルム1を挟んでサーモパイル17と対向する位置に配置されている。サーモパイル17(第一の温度検知手段)とサーミスタ6(第二の温度検知手段)とは、フィルム1(発熱体)を挟んで対向している。
本実施形態では、サーモパイル17とサーミスタ6とをフィルム1の同位置に配置した。これにより精度良く検知することができる。しかし、必ずしもサーモパイル17とサーミスタ6とをフィルム1の同位置に配置する必要はない。
記録材Pによりフィルム1は熱を奪われる。このためフィルム1の外周面1aの記録材Pの通過領域Apは、記録材Pの非通過領域Anに比べて温度が低くなることがある。そのためサーミスタ6もサーモパイル17と同様にフィルム1の外周面1aの最小幅サイズの記録材Pが通過する最小幅領域Am内に配置するのが好ましい。サーモパイル17(第一の温度検知手段)は、フィルム1(発熱体)の記録材Pと対向する面の温度を検知し、且つサーモパイル17(第一の温度検知手段)は、画像形成装置110に使用される最小幅の記録材Pが通過する範囲内に設けられる。
また、本実施形態では、図8に示すように、サーモパイル17とサーミスタ6とをフィルム1の外周面1aと加圧ローラ3とにより形成される定着ニップ部N2よりもフィルム1の回転方向(図8の時計回り方向)下流側に設置している。しかし、サーモパイル17とサーミスタ6の配置位置は、これに限定する必要はない。
本実施形態の定着装置108は、昇温速度が速く、立ち上げ時間が短い。また、フィルム1自身が発熱するためにフィルム1の回転が停止した状態で交流電源29からフィルム1の発熱層13に給電される場合を考慮する。すると、加圧ローラ3に当接したフィルム1の定着ニップ部N2以外の部位は、加圧ローラ3に熱を奪われないためフィルム1の回転時に比べて更に昇温速度が速くなる。
このような速い昇温速度に対して、接触式のサーミスタ5,6の応答性は十分でない場合がある。そのため接触式のサーミスタ5,6を用いた温度制御では、フィルム1のスリップ等の何らかの装置異常によりフィルム1の回転が停止した状態で交流電源29からフィルム1の発熱層13に給電が行われるとフィルム1への熱的ダメージが発生する場合がある。
一方で、サーモパイル17の応答性は十分に高く、フィルム1の速い昇温速度に十分対応することができる。このためフィルム1の回転が停止した状態で交流電源29からフィルム1の発熱層13に給電がなされた場合でもフィルム1への熱的ダメージが発生する前に安全にフィルム1の温度制御を行うことができる。つまり本実施形態の定着装置108では、前記第1実施形態の作用効果に加えて、フィルム1のスリップ等の何らかの装置異常時でもフィルム1の過昇温を抑制することができる。
次に、図9を用いて、本実施形態の定着装置108の制御方法について説明する。図9は、本実施形態の定着装置108の制御方法を示すフローチャートである。尚、前記第1実施形態と共通する制御については、重複する説明を省略する。
図9に示すステップS21〜S23は、サーミスタ5がサーモパイル17に代った以外は、図6に示すステップS1〜S3と同様であるため重複する説明を省略する。前記ステップS23において、フィルム1の外周面1aに対向して非接触で設けられたサーモパイル17と、フィルム1の内周面1bに対して摺動可能に設けられたサーミスタ6との両方がフィルム1の温度上昇(「○」)を検知する。その場合には、ステップS24に進んで、制御部28は、サーモパイル17の検知結果に基づいて制御を変更する。
前記ステップS24において、サーモパイル17が通常の印刷時には到達しない異常温度(250℃を超える温度)を検知した場合を考慮する。その場合には、制御部28は、フィルム1のスリップ等により該フィルム1の回転が停止した状態で交流電源29からフィルム1の発熱層13に給電がなされていると判定する。
本実施形態では、サーモパイル17が検知する温度が250℃を越えた場合に制御部28は、異常温度に達したものと判定するように設定した。サーモパイル17が検知する温度が250℃を越えた場合には、ステップS25に進んで、制御部28は、交流電源29を制御してフィルム1の発熱層13に印加する交流電流を遮断(OFF)し、定着モータ30をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。
その後、ステップS26に進んで制御部28は、画像形成装置110の図示しない操作部に設けられた表示パネルに定着装置108が故障している旨を表示してユーザに報知するエラー表示を行う。その後、前記ステップS27に進んで動作を終了する。
前記ステップS24において、サーモパイル17が検知する温度が250℃以下であった場合には、ステップS28に進み、制御部28は、交流電源29を制御してフィルム1の発熱層13に交流電流を印加して、通常の温調制御を行って印刷が行われる。
その後、ステップS29において、制御部28は、受け付けた印刷ジョブが終了したか否かを判定し、受け付けた印刷ジョブが終了した場合は、ステップS30に進む。受け付けた印刷ジョブが終了しない間は、前記ステップS24に戻る。前記ステップS30において、制御部28は、交流電源29からフィルム1の発熱層13に印加する交流電流をOFFし、定着モータ30の回転駆動をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。その後、ステップS27に進んで動作を終了する。
図9に示すステップS31〜S34は、サーミスタ5がサーモパイル17に代った以外は、図6に示すステップS8〜S11と同様であるため重複する説明を省略する。即ち、判定手段を兼ねる制御部28は、サーモパイル17とサーミスタ6(第一、第二の温度検出手段)の検知結果に基づいて画像形成装置110の定着装置108の状態を判定する。これによりフィルム1のスリップ時においても該フィルム1の過昇温を防ぐことが可能となる。
本実施形態の画像形成装置110では、制御部28(判定手段)は、サーモパイル17(第一の温度検知手段)の検知結果と、サーミスタ6(第二の温度検知手段)の検知結果との差分を考慮する。そして、その差分が所定の閾値を超えたとき、画像形成装置110の定着装置108に何らかの異常が発生したと判定する。
具体的には、前記ステップS23において、交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を開始した時刻から1.0秒が経過した時点で、制御部28は、サーモパイル17の検知温度D17とサーミスタ6の検知温度D6とを比較する。そして、フィルム1の外周面1aに対向して非接触で設けられたサーモパイル17の検知温度D17を考慮する。更に、フィルム1の内周面1bに対して摺動可能に設けられたサーミスタ6の検知温度D6を考慮する。サーモパイル17の検知温度D17がサーミスタ6の検知温度D6よりも20℃以上低い場合には、制御部28は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いていると判定する。
次に、図10〜図12を用いて本実施形態の定着装置108におけるサーモパイル17とサーミスタ6のそれぞれの検知温度の挙動について説明する。図10は、本実施形態の定着装置108の定着温度立ち上げ時におけるフィルム1の外周面1aと内周面1bにそれぞれ接触する温度検知手段の温度変化を示す図である。図11は、本実施形態の定着装置108の記録材Pの巻き付き時におけるフィルムの外周面1aと内周面1bにそれぞれ接触する温度検知手段の温度変化を示す図である。図12は、本実施形態の定着装置108のフィルム1の回転停止時に発熱層13に対して通電を行った際の該フィルム1の外周面1aと内周面1bにそれぞれ接触する温度検知手段の温度変化を示す図である。
図10は、定着装置108の立ち上げ時のサーモパイル17とサーミスタ6の検知温度D17,D6の変化を示す。図10に示すように、交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電時間の経過と共にフィルム1が温度上昇し、サーモパイル17とサーミスタ6とがフィルム1の温度上昇を検知していることが分かる。
図10では、交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を開始した時刻(0.0秒)から1.0秒が経過した時点でサーモパイル17の検知温度D17は113℃であった。一方、サーミスタ6の検知温度D6は100℃であった。サーモパイル17の検知温度D17と、サーミスタ6の検知温度D6との検知温度差ΔDは13℃(=113℃−100℃)である。13℃の検知温度差ΔDは、異常と判断する閾値の20℃よりも小さいため制御部28は、異常なしと判定する。
すると、図9に示すステップS23、S24、S28、S29に進んで通常の印刷動作が行われる。また、図10に示すように、サーモパイル17とサーミスタ6とのそれぞれの検知温度間に検知温度差ΔDがあることが分かる。サーモパイル17の方がサーミスタ6よりも応答性が高い。このためフィルム1の温度変化に対してサーモパイル17の方がサーミスタ6よりもより早く検知温度が変化するためである。
図11は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いた状態で交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を行った際のサーモパイル17とサーミスタ6の検知温度D17,D6の変化を示す。図11では、交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を開始した時刻(0.0秒)から1.0秒が経過した時点でサーモパイル17の検知温度D17は26℃であった。一方、サーミスタ6の検知温度D6は80℃であった。サーモパイル17の検知温度D17と、サーミスタ6の検知温度D6との検知温度差ΔDは54℃(=80℃−26℃)である。
このとき、サーモパイル17とフィルム1の外周面1aとの間に記録材Pが介在しているためサーモパイル17はフィルム1の外周面1aの正確な温度を検知することができない。このため図11に示すように、サーモパイル17の検知温度D17は、あまり変化していない。一方、サーミスタ6はフィルム1の内周面1bに接触した状態を保っている。このためフィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いてもサーミスタ6の検知温度D6は大きく低下せず、フィルム1の内周面1bの昇温を正しく検知している。図11に示す場合には、54℃の検知温度差ΔDは、異常と判断する閾値の20℃よりも大きい。
このため制御部28は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いていると判定する。そして、図9に示すステップS23、S31、S32、S27に進んで交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電を停止する。更に、定着モータ30の回転駆動をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。制御部28(判定手段)は、サーモパイル17とサーミスタ6(第一、第二の温度検出手段)の検知結果に基づいてサーモパイル17(第一の温度検出手段)とフィルム1(発熱体)との間に記録材P等の異物が滞留していることを判定することができる。
図12は、フィルム1の回転が停止した状態で交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を行った際のサーモパイル17とサーミスタ6の検知温度D17,D6の変化を示す。図12では、交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を開始した時刻(0.0秒)から1.0秒が経過した時点でサーモパイル17の検知温度D17は199℃であった。一方、サーミスタ6の検知温度D6は86℃でああった。サーモパイル17の検知温度D17と、サーミスタ6の検知温度D6との検知温度差ΔDは113℃(=199℃−86℃)である。
サーモパイル17とサーミスタ6とは、何れもフィルム1の温度上昇を検知している。図12では、サーミスタ6は応答性が遅く、検知温度に遅れが生じている。そして、交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を開始した時刻(0.0秒)から約1.3秒が経過した時点でサーモパイル17の検知温度D17は250℃に到達する。
このとき、制御部28は、記録材Pがフィルム1の外周面1aに巻き付いたとき等の異常時を除く通常時には到達しない異常温度(250℃を超える温度)に到達していると判定する。この場合には、制御部28は、フィルム1のスリップ時に交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電が行われていると判定する。そして、図9に示すステップS23、S33、S34、S27に進んで交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電を停止する。更に、定着モータ30の回転駆動をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。
本実施形態のように、制御部28は、交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電を開始した時刻(0.0秒)から1.0秒が経過した時点でのサーモパイル17とサーミスタ6のそれぞれの検知温度をモニタする。そして、図11に示すように、サーミスタ6の検知温度D6がサーモパイル17の検知温度D17よりも20℃以上高温である場合には、制御部28は、フィルム1の外周面1aに記録材Pが巻き付いていると判定する。そして、交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電を停止する。更に、定着モータ30の回転駆動をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。
また、制御部28は、交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電時に常にサーモパイル17の検知温度D17をモニタする。そして、図12に示すように、サーモパイル17の検知温度D17が250℃以上になれば、制御部28は、フィルム1のスリップ時に交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電が行われていると判定する。そして、交流電源29からフィルム1の発熱層13への通電を停止し、定着モータ30の回転駆動をOFFして加圧ローラ3の回転を停止する。
本実施形態の定着装置108では、制御部28によりフィルム1の外周面1aに対する記録材Pの巻き付きと、交流電源29とフィルム1の発熱層13との間を接続する電気ケーブル8の断線等の定着装置108の故障とを判別できる。フィルム1の外周面1aに巻き付いた記録材Pはユーザでも除去出来る。これにより定着装置108の故障発生により定着装置108が使用不可となる機会を減らすことができる。
フィルム1のスリップ時に交流電源29からフィルム1の発熱層13に通電が行われることによるフィルム1の熱的ダメージを抑制することができる。これにより定着装置108に故障が発生する機会を更に減らすことができる。制御部28が異常判定に使用する温度や時間等の各設定値は、定着装置108の設計により適宜設定することができる。
本実施形態では、フィルム1の外周面1aの温度を検知する第一の温度検知手段としてサーモパイル17を用いた一例について説明したが、他の応答性の速いボロメータ(bolometer)やパイロセンサ(焦電型赤外線センサ)等の素子を用いても良い。ボロメータは、電磁波などの放射エネルギーを温度に依存する電気抵抗を持つ物質の受ける熱を通して温度を計測する。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
P…記録材
1…フィルム(発熱体;筒状フィルム)
5…サーミスタ(第一の温度検知手段)
6…サーミスタ(第二の温度検知手段)
28…制御部(判定手段)
102…プロセスカートリッジ(画像形成手段)
110…画像形成装置

Claims (7)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置であって、
    発熱体と、
    前記発熱体の温度を一方の面より検知する第一の温度検知手段と、
    前記発熱体の温度を他方の面より検知する第二の温度検知手段と、
    前記第一、第二の温度検知手段の検知結果に基づいて前記画像形成装置の状態を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第一の温度検知手段は、非接触式の温度検知手段であり、
    前記第二の温度検知手段は、接触式の温度検知手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第一の温度検知手段と、前記第二の温度検知手段とは、前記発熱体を挟んで対向していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記判定手段は、前記第一の温度検知手段の検知結果と、前記第二の温度検知手段の検知結果との差分が所定の閾値を超えたとき、前記画像形成装置が異常であると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第一の温度検知手段は、前記発熱体の記録材と対向する面の温度を検知し、且つ前記第一の温度検知手段は、前記画像形成装置に使用される最小幅の記録材が通過する範囲内に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記判定手段は、前記第一、第二の温度検知手段の検知結果に基づいて前記第一の温度検知手段と、前記発熱体との間に異物が滞留していることを判定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記発熱体は、通電により発熱する発熱層を有する筒状フィルムからなり、
    前記筒状フィルムの外周面側に前記第一の温度検知手段が設けられ、
    前記筒状フィルムの内周面側に前記第二の温度検知手段が設けられたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像形成装置。
JP2017057134A 2017-03-23 2017-03-23 画像形成装置 Active JP6991727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057134A JP6991727B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057134A JP6991727B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018159824A true JP2018159824A (ja) 2018-10-11
JP6991727B2 JP6991727B2 (ja) 2022-01-12

Family

ID=63795599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017057134A Active JP6991727B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6991727B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001092298A (ja) * 1999-09-24 2001-04-06 Toshiba Tec Corp 画像形成装置および定着装置
JP2004348036A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Canon Inc 加熱装置および画像形成装置
JP2005049390A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Canon Inc 定着装置
JP2006259733A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Toshiba Corp 定着装置および加熱装置制御方法
JP2007058061A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Fuji Xerox Co Ltd 画像記録装置
JP2007272223A (ja) * 2006-03-10 2007-10-18 Ist Corp 発熱定着ベルト及びその製造方法並びに画像定着装置
JP2008058645A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Oki Data Corp 画像形成装置
JP2010054683A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Ricoh Co Ltd 定着装置の制御方法、定着装置及び画像形成装置
JP2012083791A (ja) * 2012-01-31 2012-04-26 Canon Inc 画像形成装置
JP2015197520A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 ブラザー工業株式会社 定着装置および画像形成装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001092298A (ja) * 1999-09-24 2001-04-06 Toshiba Tec Corp 画像形成装置および定着装置
JP2004348036A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Canon Inc 加熱装置および画像形成装置
JP2005049390A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Canon Inc 定着装置
JP2006259733A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Toshiba Corp 定着装置および加熱装置制御方法
JP2007058061A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Fuji Xerox Co Ltd 画像記録装置
JP2007272223A (ja) * 2006-03-10 2007-10-18 Ist Corp 発熱定着ベルト及びその製造方法並びに画像定着装置
JP2008058645A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Oki Data Corp 画像形成装置
JP2010054683A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Ricoh Co Ltd 定着装置の制御方法、定着装置及び画像形成装置
JP2012083791A (ja) * 2012-01-31 2012-04-26 Canon Inc 画像形成装置
JP2015197520A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 ブラザー工業株式会社 定着装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6991727B2 (ja) 2022-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9829839B2 (en) Image heating apparatus having an electric power shut-off member, thermal fuse, or thermal switch operable in response to an abnormal temperature rise
JPH10221986A (ja) 画像形成装置及び加熱定着装置の加熱用ヒータ
US10444682B2 (en) Fixing device that detects a rotational state of a rotatable member based on a temperature lowering rate of a detected temperature of a temperature detecting member
JP6759024B2 (ja) 定着装置
JP2010008829A (ja) 定着装置及び画像形成装置
US9217966B1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP5528194B2 (ja) 画像形成装置
JP2015227917A (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置
JP4950684B2 (ja) 画像形成装置
US9989903B2 (en) Fixing apparatus for fixing a toner image on a recording material at a nip portion
JP2003057116A (ja) 温度検出方法
JP6991727B2 (ja) 画像形成装置
JP4546233B2 (ja) 像加熱装置
JP2008026362A (ja) 画像加熱装置、及び画像形成装置
JP2004021079A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2003005572A (ja) 像加熱装置
JP2018049093A (ja) 発熱ユニット、定着装置及び画像形成装置
JP4928293B2 (ja) 定着装置
JP2010271459A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP2013003503A (ja) 像加熱装置
JP6991799B2 (ja) 画像形成装置
JP2004053398A (ja) 温度検出装置、像加熱装置および画像形成装置
JP2016001247A (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置
JP2023073906A (ja) 画像形成装置
JP3767406B2 (ja) 定着装置の温度検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211208

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6991727

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151