JP2018159516A - 冷却塔設備、及びその水質管理方法 - Google Patents

冷却塔設備、及びその水質管理方法 Download PDF

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祐二 中嶋
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Naoki Ogawa
尚樹 小川
正人 金留
Masato Kanetome
正人 金留
雄太 中土
Yuta Nakatsuchi
雄太 中土
昌則 藤岡
Masanori Fujioka
昌則 藤岡
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彰弘 濱崎
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Toru Tanaka
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Abstract

【課題】冷却塔設備内へのスケールの付着を抑えて、設備コスト及びランニングコストの低減を図る。
【解決手段】冷却塔設備20は、冷却塔21と、熱交換器14と、冷却塔21と熱交換器14との間で水を循環させる循環水ライン40と、水循環系統におけるスケール量を検出するスケール量計55と、スケール防止剤を水循環系統に供給する薬剤注入器33と、薬剤注入制御部61と、を備える。スケール量計55は、水中に配置された水晶振動子56を有する水晶振動子マイクロバランス装置である。薬剤注入制御部61は、スケール量に応じて、薬剤注入器33により、スケール防止剤を水循環系統内に注入させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水を冷却する冷却塔を備える冷却塔設備、及びその水質管理方法に関する。
冷却塔設備は、一般的に、水を冷却する冷却塔と、冷却塔で冷却された水と媒体とを熱交換させて媒体を冷却する熱交換器と、冷却塔と熱交換器との間で水を循環させる循環水ラインと、を備える。このような冷却塔設備では、熱交換器の伝熱管に対するスケーリング、腐食の対策等が、熱交換器における熱交換効率の維持や熱交換器の高寿命化の観点から重要である。このため、多くの冷却塔設備では、設備内で循環する水の水質が管理されることが多い。
以下の特許文献1には、冷却塔設備における水質管理装置が記載されている。この水質管理装置は、各種センサと、処理薬品を水中に注入する薬品注入手段と、この薬品注入手段を制御する制御装置と、を備える。この特許文献1では、センサとして、水の電導率を検知する電導率計、水中の特定イオンの濃度を検知するイオン濃度計、補給水の流量を検知する補給水流量計等が例示されている。この水質管理装置では、センサで検知された各種値に応じて、薬品注入手段を駆動して、水中に処理薬品を注入する。
特開2004−283755号公報
上記特許文献1に記載されている冷却塔設備でも、この設備内を循環する水中にスケール防止剤を注入することで、この設備、特に熱交換器の伝熱管へのスケール付着を抑制することができる。ところで、多くの冷却塔設備では、熱交換器の伝熱管にスケールがある程度付着することを前提として、熱交換器を設計し、設備内を循環する水量を定めている。このため、多くの冷却塔設備では、熱交換器や冷却塔が大型化して、設備コストがかさむと共にランニングコストもかさむ。
そこで、本発明は、設備内へのスケールの付着を抑えて、設備コスト及びランニングコストの低減を図ることができる冷却塔設備、及びその水質管理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための発明に係る第一態様の冷却塔設備は、
流入してきた水を冷却する冷却塔と、前記冷却塔で冷却された水と媒体とを熱交換させて、前記媒体を冷却する一方で前記水を加熱する熱交換器と、前記冷却塔と前記熱交換器との間で前記水を循環させる循環水ラインと、前記冷却塔と前記熱交換器と前記循環水ラインとを有して構成される水循環系統内におけるスケール量を検出するスケール量計と、薬剤であるスケール防止剤を前記水循環系統に供給する薬剤注入器と、前記スケール量計で検知された前記スケール量に応じて、前記薬剤注入器により、前記スケール防止剤を前記水循環系統内に注入させる薬剤注入制御部を有する制御装置と、を備える。前記スケール量計は、前記水中に配置された水晶振動子を有する水晶振動子マイクロバランス装置である。
多くの冷却塔設備では、熱交換器の伝熱管にスケールがある程度付着することを前提として、熱交換器を設計し、水循環系統内を循環する水量を定めている。当該冷却塔設備では、スケール量計として、水晶振動子マイクロバランス装置を用いている。この水晶振動子マイクロバランス装置は、マイクログラムからナノマイクログラムオーダーの微小な質量を検知することができる。このため、当該冷却塔設備では、スケール付着を敏感に検知することができる。当該冷却塔設備では、この水晶振動子マイクロバランス装置で検知されたスケール量に応じて、スケール防止剤が循環水中に注入される。このため、当該冷却塔設備では、伝熱管等に対するスケール発生を抑えつつ、このスケールの成長速度を抑えることができる。
よって、当該冷却塔設備では、冷却塔設備の設計過程で、伝熱管等に付着するスケール量及び水循環系統を流れる循環水の量を小さく見積もることができる。この結果、当該冷却塔設備では、熱交換器や冷却塔の小型化を図ることができ、設備コスト及びランニングコストを抑えることができる。
前記目的を達成するための発明に係る第二態様の冷却塔設備は、
前記第二態様の冷却塔設備において、前記水晶振動子マイクロバランス装置の前記水晶振動子は、前記熱交換器内で前記水が流れる領域中に配置されている。
水循環系統内でスケール付着により最も影響を受けるのは、熱交換器である。当該冷却塔設備では、この熱交換器内で水が流れる領域中に水晶振動子が配置されている。よって、当該冷却塔設備では、水循環系統内でスケール付着により最も影響を受ける熱交換器内でスケール付着を敏感に検知することができる。
前記目的を達成するための発明に係る第三態様の冷却塔設備は、
前記第二態様の冷却塔設備において、前記熱交換器は、前記冷却塔で冷却された水が流入する入水室と、前記媒体が流入してくる媒体室と、前記媒体室内に配置され前記入水室と連通している複数の伝熱管と、前記入水室から複数の前記伝熱管を経てきた水が流入する出水室と、を有する。前記水晶振動子マイクロバランス装置の前記水晶振動子は、前記出水室内に配置されている。
熱交換器の伝熱管内の循環水は、媒体との熱交換で加熱される。伝熱管を通過した循環水が出水室内に流入すると、媒体により加熱されなくなるため、この循環水の温度が低下する。スケールは、循環水の温度が低下すると、循環水から析出して水循環系統の内壁面等に付着する傾向がある。よって、当該冷却塔設備では、熱交換器内でのスケールの付着を敏感に検知することができる。
前記目的を達成するための発明に係る第四態様の冷却塔設備は、
前記第一態様の冷却塔設備において、前記循環水ラインは、前記冷却塔で冷却された水を前記熱交換器に送る冷却循環水ラインと、前記熱交換器で加熱された水を前記冷却塔に送る加熱循環水ラインと、を有する。前記水晶振動子マイクロバランス装置の前記水晶振動子は、前記加熱循環水ライン内に配置されている。
熱交換器で加熱された水は、加熱循環水ラインを流れる過程で次第に冷却される。したがって、冷却循環水ラインよりも、この加熱循環水ライン内にスケールが析出する傾向が高い。よって、当該冷却塔設備では、水循環系統内のスケールの付着を敏感に検知することができる。
前記目的を達成するための発明に係る第五態様の冷却塔設備は、
前記第一から前記第四態様のいずれかの冷却塔設備において、前記水中の前記薬剤の濃度を検知する薬剤濃度計を備える。前記薬剤注入制御部は、前記薬剤濃度計が検知した前記薬剤の濃度が予め定められた値以上になると、前記薬剤注入器による前記水への前記薬剤の注入を停止させる。
前記目的を達成するための発明に係る第六態様の冷却塔設備は、
前記第一から前記第五態様のいずれかの冷却塔設備において、前記水を前記水循環系統外に排出する排出器と、前記冷却塔内の前記水の量に応じて、補給水を前記水中に供給する補給水供給器と、を備える。
前記目的を達成するための発明に係る第七態様の冷却塔設備は、
前記第六態様の冷却塔設備において、前記水中の不純物総溶解度を検知する不純物総溶解度計を備える。前記制御装置は、前記不純物総溶解度計で検知された前記不純物総溶解度に応じて、前記排出器を駆動させる排出制御部を有する。
水中の不純溶解物質は、スケールの原因物質である。当該冷却塔設備では、不純物総溶解度に応じて、水を水循環系統外に排出する。このため、当該冷却塔設備では、スケールの発生及びスケールの成長速度を抑えることができる。
前記目的を達成するための発明に係る第八態様の冷却塔設備は、
前記第六又は第七態様の冷却塔設備において、前記水中の浮遊物質の量を検知する浮遊物質計を備える。前記制御装置は、前記浮遊物質計で検知された前記浮遊物質の量に応じて、前記排出器を駆動させる排出制御部と、前記浮遊物質計で検知された前記浮遊物質の量に応じて、スケール量が増加する旨を示すアラームを発する出力部と、のうち少なくとも一方を有する。
水中の浮遊物質は、スケールの原因物質である。当該冷却塔設備では、浮遊物質の量に応じて、水を水循環系統外に排出する、又はアラームを発する。このため、当該冷却塔設備では、スケール量の増加可能性を検知することができ、スケール量の増加に対応することができる。
前記目的を達成するための発明に係る第九態様の冷却塔設備は、
前記第六から前記第八態様のいずれかの冷却塔設備において、前記冷却塔で冷却され前記熱交換器で加熱される前の水の温度を検知する第一温度計と、前記熱交換器で加熱され前記冷却塔に流入する前の水の温度を検知する第二温度計と、を備える。前記制御装置は、前記第一温度計で検知された温度と前記第二温度計で検知された温度との温度差に応じて、前記排出器を駆動させる排出制御部と、前記温度差に応じて、前記熱交換器の熱交換性能が低下した又はスケール量が増加した旨を示すアラームを発する出力部と、のうち少なくとも一方を有する。
熱交換器で加熱される前の水の温度と熱交換器で加熱された後の水の温度との差が、小さくなると、伝熱管に対するスケール量が増加し、熱交換器での熱交換性能が低下していることを意味する。当該冷却塔設備では、熱交換器の熱交換性能を間接的に検知することができ、熱交換器の伝熱管に対するスケール量の増加に対応することができる。
前記目的を達成するための発明に係る第十態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
流入してきた水を冷却する冷却塔と、前記冷却塔で冷却された水と媒体とを熱交換させて、前記媒体を冷却する一方で前記水を加熱する熱交換器と、前記冷却塔と前記熱交換器との間で前記水を循環させる循環水ラインと、を備える冷却塔設備の水質管理方法である。この水質管理方法は、前記冷却塔と前記熱交換器と前記循環水ラインとを有して構成される水循環系統内におけるスケール量を検出するスケール量検知工程と、前記スケール量検知工程で検知されたスケール量に応じて、薬剤であるスケール防止剤を前記水循環系統内に注入する薬剤注入工程と、を実行する。前記スケール量検知工程では、前記水中に配置された水晶振動子を有する水晶振動子マイクロバランス装置で前記スケール量を検知する。
前記目的を達成するための発明に係る第十一態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十態様の冷却塔設備の水質管理方法において、前記スケール量検知工程では、前記熱交換器内で前記水が流れる領域中でのスケール量を検知する。
前記目的を達成するための発明に係る第十二態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十一態様の冷却塔設備の水質管理方法において、前記熱交換器は、前記冷却塔で冷却された水が流入する入水室と、前記媒体が流入してくる媒体室と、前記媒体室内に配置され前記入水室と連通している複数の伝熱管と、前記入水室から複数の前記伝熱管を経てきた水が流入する出水室と、を有する。前記スケール量検知工程では、前記出水室内のスケール量を検知する。
前記目的を達成するための発明に係る第十三態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十態様の冷却塔設備の水質管理方法において、前記循環水ラインは、前記冷却塔で冷却された水を前記熱交換器に送る冷却循環水ラインと、前記熱交換器で加熱された水を前記冷却塔に送る加熱循環水ラインと、を有する。前記スケール量検知工程では、前記加熱循環水ライン内のスケール量を検知する。
前記目的を達成するための発明に係る第十四態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十から前記第十三態様のいずれかの冷却塔設備の水質管理方法において、前記水中の前記薬剤の濃度を検知する薬剤濃度検知工程を実行する。前記薬剤注入工程では、前記薬剤濃度検知工程で検知された前記薬剤の濃度が予め定められた値以上になると、前記水への前記薬剤の注入を停止する。
前記目的を達成するための発明に係る第十五態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十から前記第十四態様のいずれかの冷却塔設備の水質管理方法において、前記水を前記水循環系統外に排出する排出工程と、前記冷却塔内の前記水の量に応じて、補給水を前記水中に供給する補給水供給工程と、を実行する。
前記目的を達成するための発明に係る第十六態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十五態様の冷却塔設備の水質管理方法において、前記水中の不純物総溶解度を検知する不純物総溶解度検知工程を実行する。前記排出工程では、前記不純物総溶解度検知工程で検知された前記不純物総溶解度に応じて、前記水を前記水循環系統外に排出する。
前記目的を達成するための発明に係る第十七態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十五又は前記第十六態様の冷却塔設備の水質管理方法において、前記水中の浮遊物質の量を検知する浮遊物質量検知工程を実行する。前記排出工程では、前記浮遊物質量検知工程で検知された前記浮遊物質の量に応じて、前記水を前記水循環系統外に排出する。
前記目的を達成するための発明に係る第十八態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十五又は前記第十六態様の冷却塔設備の水質管理方法において、前記水中の浮遊物質の量を検知する浮遊物質量検知工程と、前記浮遊物質量検知工程で検知された前記浮遊物質の量に応じて、スケール量が増加する可能性がある旨を示すアラームを発するアラーム出力工程と、を実行する。
前記目的を達成するための発明に係る第十九態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十五から前記第十八態様のいずれかの冷却塔設備の水質管理方法において、前記冷却塔で冷却され前記熱交換器で冷却される前の水の温度と、前記熱交換器で加熱され前記冷却塔に流入する前の水の温度との温度差を検知する温度差検知工程を実行する。前記排出工程では、前記温度差検知工程で検知された前記温度差に応じて、前記水を前記水循環系統外に排出する。
前記目的を達成するための発明に係る第二十態様の冷却塔設備の水質管理方法は、
前記第十五から前記十八態様のいずれかの冷却塔設備の水質管理方法において、前記冷却塔で冷却され前記熱交換器で冷却される前の水の温度と、前記熱交換器で加熱され前記冷却塔に流入する前の水の温度との温度差を検知する温度差検知工程と、前記温度差検知工程で検知された前記温度差に応じて、前記熱交換器の熱交換性能が低下した又はスケール量が増加した旨を示すアラームを発するアラーム出力工程と、を実行する。
本発明の一態様によれば、冷却塔設備内へのスケールの付着を抑えて、設備コスト及びランニングコストの低減を図ることができる。
本発明に係る第一実施形態におけるプラントの系統図である。 本発明に係る第一実施形態における水晶振動子マイクロバランス装置の構成を示す模式図である。 本発明に係る第一実施形態における水質管理制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に係る第一実施形態における補給水供給制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に係る第二実施形態におけるプラントの系統図である。 本発明に係る第二実施形態における水質管理制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に係る第三実施形態におけるプラントの系統図である。 本発明に係る第三実施形態における水質管理制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る冷却塔設備を備えるプラントの各種実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
「第一実施形態」
本発明に係る冷却塔設備を備えるプラントの第一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態のプラントは、図1に示すように、蒸気タービン設備10と、冷却塔設備20と、排液処理設備70と、を備える。
蒸気タービン設備10は、蒸気を発生するボイラー11と、蒸気で駆動する蒸気タービン12と、蒸気タービン12の駆動で発電する発電機13と、蒸気タービン12から排気された蒸気を水に戻す復水器14と、復水器14からの水をボイラー11に送る給水ポンプ15と、を備える。
復水器14は、冷却塔設備20で冷却された循環水と蒸気タービン12から排気された蒸気とを熱交換させる熱交換器である。この復水器14は、入水室14iと、凝縮室(媒体室)14cと、複数の伝熱管14tと、出水室14oと、を有する。入水室14iには、冷却塔設備20で冷却された循環水が流入する。凝縮室14cには、蒸気タービン12から排気された蒸気が流入する。この凝縮室14cでは、この蒸気が凝縮する。複数の伝熱管14tは、凝縮室14cに配置され、入水室14iと連通している。出水室14oは、入水室14iから複数の伝熱管14tを経てきた水が流入する。
ボイラー11と蒸気タービン12の蒸気入口とは、主蒸気ライン16で接続されている。蒸気タービン12の蒸気排気口と復水器14の蒸気流入口とは、接続されている。復水器14の凝縮室14cとボイラー11とは、給水ライン17で接続されている。給水ライン17には、給水ポンプ15が設けられている。蒸気タービン設備10では、以上の各種ライン16,17等により、水(気体又は液体)が循環する水循環系統が構成されている。ボイラー11には、ボイラー11内に流入した水の一部を排出するための排水ライン18が接続されている。この排水ライン18には、排出弁19が設けられている。なお、この排水ライン18は、給水ライン17中で給水ポンプ15とボイラー11との間の位置に接続されてもよい。
冷却塔設備20は、循環水を冷却する冷却塔21と、循環水と蒸気とを熱交換させる復水器14と、冷却塔21と復水器14との間で循環水を循環させる循環ポンプ31と、薬液が貯められる薬液タンク32と、薬液を循環水中に注入する薬液ポンプ(薬剤注入器)33と、循環水中に補給水を供給する補給水ポンプ(補給水供給器)35と、循環水を冷却塔設備20外に排出する排出弁(排出器)36と、を備える。
冷却塔21は、循環水を外気(空気)と接触させて、循環水と外気とを熱交換させて、循環水を冷却する。冷却塔21では、循環水と外気との熱交換の過程で、循環水の一部を蒸発させる。残りの循環水は、循環水の一部の蒸発による気化熱により、冷却される。この冷却塔21は、ケーシング22と、ファン24と、散水器25と、ルーパー26と、を有する。ケーシング22の下部は、冷却された循環水が溜まる水槽23を形成する。ケーシング22の側部には、ケーシング22内に外気を取り込むためのルーパー26が設けられている。ケーシング22の頂部には、ファン24が設けられている。ファン24は、ルーパー26を経てケーシング22内に外気を流入させると共に、この外気と気化した循環水とを外部へ排気する役目を担う。散水器25は、ケーシング22内であって、ファン24よりも下方で水槽23よりも上方の位置に配置されている。散水器25は、ケーシング22内に循環水を散布する。水槽23の側部には、水槽23内に溜まった循環水の液面レベルを検知するレベル計50が設けられている。
復水器14は、冷却塔設備20と蒸気タービン設備10との共有機器である。冷却塔設備20は、この復水器14と冷却塔21との間で循環水を循環させる循環水ライン40を有する。この循環水ライン40は、冷却塔21の水槽23と復水器14の入水室14iとを接続する冷却循環水ライン41と、復水器14の出水室14oと冷却塔21の散水器25とを接続する加熱循環水ライン42と、を有する。循環ポンプ31は、冷却循環水ライン41に設けられている。この冷却塔設備20では、冷却塔21と、循環水ライン40と、循環ポンプ31と、復水器(熱交換器)14と、循環水ライン40とで、水循環系統を構成する。
薬液タンク32に貯められる薬液中の薬剤は、水循環系統内にスケールが付着するのを防止するスケール防止剤である。スケール防止剤としては、例えば、アミノトリメチレンホスホン酸遠、ホスホノブタントリカルボン酸、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸系コーポリマー、アクリル酸系ターポリマー、無水マレイン酸系コーポリマー、リグニンスルホン酸ナトリウム等がある。
薬液タンク32と冷却塔21の水槽23とは、薬液ライン43で接続されている。薬液ポンプ33は、この薬液ライン43に設けられている。なお、ここでは、薬液タンク32から延びる薬液ライン43を冷却塔21の水槽23に接続しているが、薬液を循環水に注入できれば、この薬液ライン43を他の箇所に接続してもよい。例えば、薬液タンク32から延びる薬液ライン43を冷却塔21のケーシング22の上部や、冷却循環水ライン41等に接続してもよい。
補給水源34と冷却塔21の水槽23とは、補給水ライン44で接続されている。補給水ポンプ35は、この補給水ライン44に設けられている。なお、ここでは、補給水源34から延びる補給水ライン44を冷却塔21の水槽23に接続しているが、補給水を循環水に注入できれば、この補給水ライン44を他の箇所に接続してもよい。例えば、補給水源34から延びる補給水ライン44を冷却塔21のケーシング22の上部等に接続してもよい。
冷却循環水ライン41中で循環ポンプ31と復水器14との間には、排水ライン46が接続されている。この排水ライン46には、排出弁36が設けられている。
本実施形態の冷却塔設備20は、さらに、薬剤濃度計51と、不純物総溶解度計(以下、TDS(Total Dissolved Solid)計)52と、水晶振動マイクロバランス(以下、QCM(Quartz Crystal Microbalance))装置55と、制御装置60と、を備える。
薬剤濃度計51は、循環水中のスケール防止剤の濃度を検知する。この薬剤濃度計51は、例えば、冷却塔21の水槽23に設けられている。なお、薬剤濃度計51は、循環水中のスケール防止剤の濃度を検知できれば、基本的に、水循環系統の如何なる場所に設けてもよい。
TDS計52は、循環水中の不純物総溶解度(TDS)を検知する。すなわち、TDS計は、水に溶け込んでいる全不純物の濃度を検知する。このTDS計52は、例えば、水に流れる電流の伝導度を検知し、この伝導度を不純物の濃度に換算して出力する。このTDS計52は、例えば、冷却塔21の水槽23に設けられている。なお、TDS計52は、循環水中に溶け込んでいる全不純物の濃度を検知できれば、基本的に、水循環系統の如何なる場所に設けてもよい。
QCM装置55は、水循環系統内におけるスケール量を検出するスケール量計である。このQCM装置55は、図2に示すように、水晶振動子56と、この水晶振動子56に交流電圧を印加する交流電源57と、この水晶振動子56の振動周波数を検知する周波数検知器58と、を有する。水晶振動子56は、水晶薄膜56aの両面に電極56bを配置したものである。水晶振動子56の振動周波数は、電極56b上の付着した物質の質量に応じて変化する。このQCM装置55は、この現象を利用して、電極56bに付着した物質の質量を検知する。本実施形態のQCM装置55の水晶振動子56は、水循環系統で循環水が流れる領域内に配置される。よって、本実施形態のQCM装置55は、水晶振動子56に付着したスケールSCの量を検知する。このQCM装置55は、マイクログラムからナノマイクログラムオーダーの微小な質量を検知することができる。
水晶振動子56は、前述したように、水循環系統で循環水が流れる領域内に配置されていれば、水循環系統内の如何なる箇所に配置されてもよい。水循環系統で、スケールの付着により最も影響を受けるのは、復水器14である。このため、水晶振動子56は、復水器14内で循環水が流れる領域中に配置されていることが好ましい。復水器14の伝熱管14t内の循環水は、蒸気との熱交換で加熱される。伝熱管14tを通過した循環水が出水室14o内に流入すると、蒸気により加熱されなくなるため、この循環水の温度が低下する。スケールは、循環水の温度が低下すると、循環水から析出して水循環系統の内壁面等に付着する傾向がある。よって、スケールの付着を敏感に検知するためには、復水器14の出水室14o内に水晶振動子56を配置することが特に好ましい。このため、本実施形態では、図1に示すように、QCM装置55の水晶振動子56を出水室14o内に配置している。また、QCM装置55の水晶振動子56を加熱循環水ライン42内に配置してもよい。
制御装置60は、図1に示すように、薬液ポンプ33の駆動を制御する薬剤注入制御部61と、排出弁36の開閉駆動を制御する排出制御部62と、補給水ポンプ35の駆動を制御する補給水供給制御部63と、を有する。
薬剤注入制御部61には、スケール量に関する閾値Ssvと、スケール防止剤の濃度に関する閾値Smcとが格納されている。薬剤注入制御部61は、QCM装置55で検知されたスケール量が閾値Ssv以上になると、薬液ポンプ33を駆動させ、この薬液ポンプ33により循環水中に薬液タンク32内の薬液を注入させる。また、薬剤注入制御部61は、薬剤濃度計51で検知されたスケール防止剤の濃度が閾値Smc以上になると、薬液ポンプ33を停止させ、この薬液ポンプ33による循環水中への薬液注入を停止させる。
排出制御部62には、TDSに関する閾値Stdsと、水槽23内の循環水量に関する許容最少量とが格納されている。排出制御部62は、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上になると、排出弁36に開指令を出力し、排出弁36に開動作させる。また、排出制御部62は、レベル計50で検知された循環水量が許容最少量になると、排出弁36に閉指令を出力し、排出弁36に閉動作させる。
補給水供給制御部63は、水槽23内の循環水量に関する許容最少量と、水槽23内の循環水量に関する許容最大量とが格納されている。補給水供給制御部63は、レベル計50で検知された循環水量が許容最少量になると、補給水ポンプ35に対してON指令を出力し、補給水ポンプ35を駆動させる。また、補給水供給制御部63は、レベル計50で検知された循環水量が許容最大量になると、補給水ポンプ35に対してOFF指令を出力し、補給水ポンプ35を停止させる。
排液処理設備70は、蒸気タービン設備10から排出された水や、冷却塔設備20から排出された循環水を処理して、これらの水中の有害物質等の濃度を環境基準値未満にしてから、プラント外に排出する設備である。この排液処理設備70には、蒸気タービン設備10の排水ライン18、及び冷却塔設備20の排水ライン46が接続されている。
次に、以上で説明したプラントの動作について説明する。まず、蒸気タービン設備10の動作について説明する。
ボイラー11で発生した蒸気は、主蒸気ライン16を介して、蒸気タービン12に送られる。蒸気が蒸気タービン12に供給されると、この蒸気タービン12が駆動する。発電機13は、この蒸気タービン12の駆動により発電する。蒸気タービン12を駆動させた蒸気は、復水器14の凝縮室14c内に流入する。この蒸気は、復水器14の複数の伝熱管14t内を流れる循環水との熱交換により、冷却されて水になる。この水は、給水ライン17に流入し、給水ポンプ15で昇圧される。給水ポンプ15で昇圧された水は、給水ライン17を介して、ボイラー11に送られる。
次に、冷却塔設備20の動作について説明する。
冷却塔21の水槽23内の循環水は、冷却循環水ライン41に流入し、循環ポンプ31で昇圧される。循環ポンプ31で昇圧された水は、冷却循環水ライン41を介して、復水器14の入水室14iに流入する。この水は、入水室14iから複数の伝熱管14t内に流入する。伝熱管14t内に流入した循環水は、復水器14の凝縮室14c内に流入した蒸気との熱交換により加熱される。加熱された循環水は、復水器14の出水室14oを経て、加熱循環水ライン42に流入する。加熱循環水ライン42内を流れた循環水は、冷却塔21の散水器25から冷却塔21のケーシング22内に散布される。ケーシング22内に散布された循環水は、ルーパー26を経てケーシング22内に流入した外気と熱交換する。この結果、循環水の一部が気化して蒸気になる。残りの循環水は、一部の循環水の気化による気化熱により冷却される。循環水と熱交換した外気は、ファン24により、蒸気と共にケーシング22外に排気される。一方、冷却された循環水は、水槽23内に一時的に溜まる。この循環水は、前述したように、冷却循環水ライン41に流入する。
次に、冷却塔設備20の制御動作について、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。
冷却塔設備20では、図3のフローチャートに示す水質管理制御ルーチンが繰り返し実行される。
水質管理制御ルーチンでは、図3のフローチャートに示すように、まず、TDS計52が、循環水中のTDSを検知する(S11:TDS検知工程)。制御装置60の排出制御部62は、このTDSを受け付け、このTDSが閾値Stds以上であるか否かを判断する(S12:TDS判断工程)。排出制御部62は、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上であると判断すると、以下で説明する排出工程(S13)を実行する。
排出工程(S13)では、排出制御部62が、排出弁36に開指令を出力し、排出弁36に開動作させる(S14:排出開始工程)。排出弁36が開くと、冷却循環水ライン41を流れている循環水の一部が、排水ライン46を介して、排液処理設備70に流出する。
排出制御部62は、排出弁36に開指令を出力した後、冷却塔21のレベル計50で検知された循環水量が許容最少量になったか否かを判断する(S15:循環水量判断工程)。排出制御部62は、レベル計50で検知された循環水量が許容最少量になったと判断すると、排出弁36に対して閉指令を出力して、排出弁36に閉動作させる(S16:排出停止工程)。排出弁36が閉じると、循環水の排出が停止される。循環水の排出が停止されると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排液処理設備70は、蒸気タービン設備10から排出された水や、冷却塔設備20から排出された循環水を処理して、これらの水中の有害物質等の濃度を環境基準値未満にしてから、プラント外に排出する。具体的に、排液処理設備70は、蒸気タービン設備10から排出された水や冷却塔設備20から排出された循環水中に含まれる灰分等の除去処理を実行する。さらに、排液処理設備70は、流入する水中に薬剤が含まれる場合、プラント外に排出する水中の薬剤の濃度を環境基準値未満にしてから、この水をプラント外に排出する。
排出制御部62が、TDS判断工程(S12)で、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上ではないと判断すると、QCM装置55が、水循環系統内におけるスケール量を検出する(S21:スケール量検知工程)。制御装置60の薬剤注入制御部61は、このスケール量を受け付け、このスケール量SVが閾値Ssv以上であるか否かを判断する(S22:スケール量判断工程)。
薬剤注入制御部61は、QCM装置55で検知されたスケール量SVが閾値Ssv以上ではないと判断すると、この水質管理制御ルーチンが終了する。一方、薬剤注入制御部61は、QCM装置55で検知されたスケール量SVが閾値Ssv以上であると判断すると、以下で説明する薬剤注入工程(S23)を実行する。
薬剤注入工程(S23)では、薬剤注入制御部61が、薬液ポンプ33に対してON指令を出力し、薬液ポンプ33を駆動させる(S24:薬剤注入開始工程)。この薬液ポンプ33の駆動により、薬液タンク32内の薬液が薬液ライン43を介して、冷却塔21の循環水中へ注入される。
薬剤濃度計51は、循環水中の薬剤であるスケール防止剤の濃度を検知する(S25:薬剤濃度検知工程)。薬剤注入制御部61は、薬液ポンプ33に対してON指令を出力した後に、薬剤濃度計51から薬剤濃度を受け付ける。この薬剤注入制御部61は、この薬剤濃度が閾値Smc以上であるか否かを判断する(S26:薬剤濃度判断工程)。
薬剤注入制御部61は、薬剤濃度計51で検知された薬剤濃度が閾値Smc以上ではないと判断すると、薬剤濃度計51からの新たな薬剤濃度を受け付ける。一方、薬剤注入制御部61は、薬剤濃度計51で検知された薬剤濃度が閾値Smc以上であると判断すると、薬液ポンプ33に対してOFF指令を出力し、薬液ポンプ33を停止させる(S27:薬剤注入停止工程)。この薬液ポンプ33の停止により、冷却塔21の循環水中への薬液の注入が停止される。
以上で、本実施形態における水質管理制御ルーチンの一連の処理が終了する。
冷却塔21では、循環水の一部が蒸発して、外部に排気されるため、冷却塔設備20内の循環水の量が次第に少なくなる。さらに、本実施形態の冷却塔設備20では、水循環系統から循環水を排出する排出工程(S13)を実行する。このため、冷却塔設備20では、さらに、図4のフローチャートに示す補給水供給制御ルーチンが繰り返し実行される。
この補給水供給制御ルーチンでは、図4のフローチャートに示すように、まず、補給水供給制御部63が、冷却塔21のレベル計50で検知された水槽23内の循環水量が許容最少量であるか否かを判断する(S51:循環水量判断工程)。補給水供給制御部63は、レベル計50で検知された循環水量が許容最少量ではないと判断すると、レベル計50からの新たな循環水量を受け付ける。一方、補給水供給制御部63は、レベル計50で検知された循環水量が許容最少量であると判断すると、以下で説明する補給水供給工程(S52)を実行する。
補給水供給工程(S52)では、補給水供給制御部63が、補給水ポンプ35に対してON指令を出力し、補給水ポンプ35を駆動させる(S53:補給水供給開始工程)。この補給水ポンプ35の駆動により、補給水源34からの補給水が補給水ライン44を介して、冷却塔21の循環水中に供給される。
補給水供給制御部63は、補給水ポンプ35に対してON指令を出力した後、レベル計50で検知された循環水量が許容最大量であるか否かを判断する(S54:循環水量判断工程)。補給水供給制御部63は、レベル計50で検知された循環水量が許容最大量であると判断すると、補給水ポンプ35に対してOFF指令を出力し、補給水ポンプ35を停止させる(S55:補給水供給停止工程)。この補給水の停止により、冷却塔21の循環水中への補給水の供給が停止される。
以上で補給水供給制御ルーチンでの一連の処理が終了する。
以上で説明した補給水供給制御ルーチンの実行で循環水に補給水が補給される毎に、循環水中の不純溶解物質や浮遊物質(以下、SS(suspended solids))が増加する。また、冷却塔21では、循環水の一部が蒸発して、外部に排気されるため、冷却塔設備20内の循環水の量が次第に少なくなる。このように、循環水の量が少なくなると、循環水中のTDSやSS濃度が高まる。不純溶解物質及びSSは、いずれも、スケールの原因物質である。熱交換器の一種である復水器14の伝熱管14tに対するスケーリング量が多くなると、復水器14での熱交換性能が低下する。このため、TDS等が高まると、スケールの原因物質である不純溶解物質やSSを多く含む循環水を排出することが好ましい。そこで、本実施形態では、以上で説明した水質管理制御ルーチンを実行して、循環水の一部を水循環系統外に排出する。なお、この水質管理制御ルーチンの実行で、冷却塔21内の循環水量が許容最少量になると、補給水供給制御ルーチンの実行で、循環水中に補給水が補給される。
以上のように、本実施形態では、スケールの原因物質の循環水中の濃度が高まると、循環水を排出するので、スケールの成長速度を抑えることができる。
本実施形態では、水質管理制御ルーチンの実行過程で、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上ではないと判断されると(S12:TDS判断工程)、スケール量検知工程(S21)が実行される。このスケール量検知工程(S21)では、マイクログラムからナノマイクログラムオーダーの微小な質量を検知することができるQCM装置55を用いて、スケール量を検知する。このため、このスケール量検知工程(S21)では、僅かなスケール量でも検知することができる。さらに、本実施形態では、QCM装置55の水晶振動子が、スケールの付着により最も影響を受ける復水器14内であって、スケールの発生傾向が高い出水室14o内に配置されている。このため、スケールの付着により最も影響を受ける復水器14でのスケール付着を極めて敏感に検知することができる。
薬剤注入制御部61により、QCM装置55で検知されたスケール量が閾値Ssv以上あると判断されると(S22:スケール量判断工程)、薬剤注入工程(S23)が実行される。この薬剤注入工程(S23)の実行により、循環水からスケールの構成物質になる炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、けい酸マグネシウム等の析出が抑えられ、伝熱管14t等に対するスケール発生及びスケールの成長速度を抑えることができる。
多くの冷却塔設備では、熱交換器の伝熱管にスケールがある程度付着することを前提として、熱交換器を設計し、水循環系統内を循環する水量を定めている。
本実施形態では、スケールの原因物質の循環水中の濃度が高まると、循環水を排出する上に、スケール付着を敏感に検知し、スケール付着が検知されると、スケール防止剤を循環水に注入する。よって、本実施形態では、伝熱管14t等に対するスケール発生を抑えつつ、このスケールの成長速度を抑えることができる。このため、本実施形態では、冷却塔設備20の設計過程で、伝熱管14tに付着するスケール量及び水循環系統を流れる循環水の量を小さく見積もることができる。この結果、本実施形態では、復水器14(熱交換器)や冷却塔の小型化を図ることができ、設備コスト及びランニングコストを抑えることができる。
「第二実施形態」
本発明に係る冷却塔設備を備えるプラントの第二実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。
本実施形態のプラントも、第一実施形態のプラントと同様、図5に示すように、蒸気タービン設備10と、冷却塔設備20aと、排液処理設備70と、を備える。本実施形態の蒸気タービン設備10及び排液処理設備70は、第一実施形態の蒸気タービン設備10及び排液処理設備70と同一である。一方、本実施形態の冷却塔設備20aは、第一実施形態の冷却塔設備20と異なる。
本実施形態の冷却塔設備20aは、第一実施形態の構成に加えて、浮遊物質計(以下、SS計)53を備えている。この関係で、本実施形態の冷却塔設備20aにおける制御装置60aの構成及び動作も、第一実施形態の制御装置60と異なる。
SS計53は、循環水中の浮遊物質(SS)の量を検知する。SS計53としては、例えば、液の濁度を検知する濁度計を用いることができる。濁度計には、透過散乱光方式の濁度計、表面散乱光方式の濁度計、積分球方式の濁度計等があるが、いずれの方式の濁度計を用いてもよい。このSS計53は、例えば、冷却塔21の水槽23に設けられている。なお、SSS計53は、循環水中に溶け込んでいるSSの量(又は濁度)を検知できれば、基本的に、水循環系統の如何なる場所に設けてもよい。
制御装置60aは、第一実施形態の制御装置60と同様に、薬液ポンプ33の駆動を制御する薬剤注入制御部61aと、排出弁36の開閉駆動を制御する排出制御部62aと、補給水ポンプ35の駆動を制御する補給水供給制御部63と、を有する。さらに、本実施形態の制御装置60aは、出力部64を有する。出力部64は、表示器65と、表示器65を制御する表示制御部66と、を有する。
本実施形態の冷却塔設備20aでも、図4を用いて説明した補給水供給制御ルーチンが繰り返し実行される。
本実施形態の冷却塔設備20aでは、図6のフローチャートに示す水質管理制御ルーチンが繰り返し実行される。
水質管理制御ルーチンでは、第一実施形態の水質管理制御ルーチンと同様、まず、TDS計52が、循環水中のTDSを検知する(S11:TDS検知工程)。制御装置60aの排出制御部62aは、このTDSを受け付け、このTDSが閾値Stds以上であるか否かを判断する(S12:TDS判断工程)。
排出制御部62aが、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上であると判断すると、QCM装置55が、水循環系統におけるスケール量を検出する(S21a:スケール量検知工程)。排出制御部62aは、このスケール量を受け付け、このスケール量SVが閾値Ssv1以上であるか否かを判断する(S22a:スケール量判断工程)。排出制御部62aは、スケール量SVが閾値Ssv1以上であると判断すると、第一実施形態で説明した排出工程(S13)を実行する。排出工程(S13)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62aが、スケール量判断工程(S22a)で、QCM装置55で検知されたスケール量SVが閾値Ssv1以上ではないと判断すると、SS計53が循環水中のSS量(又は濁度)を検知する(S31a:SS検知工程)。排出制御部62aは、このSS量を受け付け、このSS量が閾値Sss1以上であるか否かを判断する(S32a:SS判断工程)。排出制御部62aは、SS量が閾値Sss1以上であると判断すると、スケール量が増加する可能性がある旨を示すアラームを出力部64に出力させる(S33a:アラーム出力工程)。又は、排出制御部62aは、排出工程(S34a)を実行する。この排出工程(S34a)は、第一実施形態で説明した排出工程(S13)と同一の処理である。アラーム出力工程(33a)又は排出工程(S34a)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62aが、SS判断工程(S32a)で、SS量が閾値Sss1以上ではないと判断すると、排出工程等を実施することなく、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62aが、TDS判断工程(S12)で、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上でないと判断した場合も、QCM装置55が、水循環系統におけるスケール量を検出する(S21b:スケール量検知工程)。薬剤注入制御部61aは、このスケール量を受け付け、このスケール量SVが閾値Ssv2以上であるか否かを判断する(S22b:スケール量判断工程)。薬剤注入制御部61aは、スケール量SVが閾値Ssv2以上であると判断すると、第一実施形態で説明した薬剤注入工程(S23)を実行する。薬剤注入工程(S23)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
薬剤注入制御部61aが、スケール量判断工程(S22b)で、スケール量SVが閾値Ssv2以上ではないと判断すると、SS計53が循環水中のSS量(又は濁度)を検知する(S31b:SS検知工程)。排出制御部62aは、このSS量を受け付け、このSS量が閾値Sss2以上であるか否かを判断する(S32b:SS判断工程)。排出制御部62aは、SS量が閾値Sss2以上であると判断すると、スケール量が増加する可能性がある旨を示すアラームを出力部64に出力させる(S33b:アラーム出力工程)。又は、排出制御部62aは、排出工程(S34b)を実行する。この排出工程(S33b)は、第一実施形態で説明した排出工程(S13)と同一の処理である。アラーム出力工程(33b)又は排出工程(S34b)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62aが、SS判断工程(S32b)で、SS量が閾値Sss2以上ではないと判断すると、排出工程等を実施することなく、水質管理制御ルーチンが終了する。
以上で、本実施形態における水質管理制御ルーチンでの一連の処理が終了する。
以上のように、本実施形態では、TDS判断工程(S12)で、TDSが閾値Stds以上であると判断された場合でも、第一実施形態のように、直ちに、排出工程(S13)が実行されない。本実施形態では、TDSが閾値Stds以上であると判断された後、スケール量判断工程(S22a)で、スケール量SVが閾値Ssv1以上であるか否かが判断される。そして、本実施形態では、スケール量SVが閾値Ssv1以上であると判断された場合に、排出工程(S13)が実行される。すなわち、本実施形態では、TDSが閾値Stds以上である上に、実際にスケール量SVが閾値Ssv1以上である場合に、排出工程(S13)が実行させる。よって、本実施形態では、第一実施形態よりも、循環水の排出を厳格に管理するため、排出による循環水の減少が少なくなり、冷却塔設備のランニングコストを抑えることができる。
本実施形態では、スケール量判断工程(S22a,S22b)で、スケール量SVが閾値Ssv1又はSsv2以上ではないと判断された場合でも、第一実施形態のように、直ちに水質管理制御ルーチンを終了しない。本実施形態では、スケール量SVが閾値Ssv1又はSsv2以上ではないと判断された後、SS判断工程(S32a,S32b)で、スケールの原因物質であるSS量が閾値Sss1又はSss2以上であるか否かが判断される。そして、本実施形態では、SS量が閾値Sss1又はSss2以上であると判断された場合に、アラーム出力工程(33a,33b)又は排出工程(S34a,S34b)が実行される。このため、本実施形態では、スケール量の増加可能性を察知し、スケール量の増加に対応することができる。
なお、スケール量判断工程(S22a)で用いるスケール量に関する閾値Ssv1と、スケール量判断工程(S22b)で用いるスケール量に関する閾値Ssv2とは、異なっていてもよい。この場合、スケール量判断工程(S22a)で用いる閾値Ssv1が、スケール量判断工程(S22b)で用いる閾値Ssv2より小さくてもよい。
また、SS判断工程(S32a)で用いるSS量に関する閾値Sss1と、SS判断工程(S32b)で用いるSS量に関する閾値Sss2とは、異なっていてもよい。この場合、SS判断工程(S32a)で用いる閾値Sss1が、SS判断工程(S32b)で用いる閾値Sss2より小さくてもよい。
「第三実施形態」
本発明に係る冷却塔設備を備えるプラントの第三実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。
本実施形態のプラントも、第一実施形態のプラントと同様、図7に示すように、蒸気タービン設備10と、冷却塔設備20bと、排液処理設備70と、を備える。本実施形態の蒸気タービン設備10及び排液処理設備70は、第一実施形態の蒸気タービン設備10及び排液処理設備70と同一である。一方、本実施形態の冷却塔設備20bは、第一実施形態の冷却塔設備20と異なる。
本実施形態の冷却塔設備20bは、第一実施形態の構成に加えて、第一温度計54i及び第二温度計54oを備えている。この関係で、本実施形態の冷却塔設備20bにおける制御装置60bの構成及び動作も、第一実施形態の制御装置と異なる。
第一温度計54iは、冷却塔21で冷却され復水器14で加熱される前の循環水の温度を検知する。この第一温度計54iは、冷却循環水ライン41に設けられている。なお、この第一温度計54iは、復水器14の入水室14iに設けられてもよい。第二温度計54oは、復水器14で加熱され冷却塔21に流入する前の循環水の温度を検知する。この第二温度計54oは、加熱循環水ライン42に設けられている。なお、この第二温度計54oは、復水器14の出水室14oに設けられてもよい。
制御装置60bは、第一実施形態の制御装置60と同様に、薬液ポンプ33の駆動を制御する薬剤注入制御部61bと、排出弁36の開閉駆動を制御する排出制御部62bと、補給水ポンプ35の駆動を制御する補給水供給制御部63と、を有する。さらに、本実施形態の制御装置60bは、出力部64を有する。出力部64は、表示器65と、表示器65を制御する表示制御部66と、を有する。
本実施形態の冷却塔設備20bでも、図4を用いて説明した補給水供給制御ルーチンが繰り返し実行される。
本実施形態の冷却塔設備20bでは、図8のフローチャートに示す水質管理制御ルーチンが繰り返し実行される。
水質管理制御ルーチンでは、第一実施形態の水質管理制御ルーチンと同様、まず、TDS計52が、循環水中のTDSを検知する(S11:TDS検知工程)。制御装置60bの排出制御部62bは、このTDSを受け付け、このTDSが閾値Stds以上であるか否かを判断する(S12:TDS判断工程)。
排出制御部62bが、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上であると判断すると、QCM装置55が、水循環系統におけるスケール量を検出する(S21a:スケール量検知工程)。排出制御部62bは、このスケール量を受け付け、このスケール量SVが閾値Ssv1以上であるか否かを判断する(S22a:スケール量判断工程)。排出制御部62bは、スケール量SVが閾値Ssv1以上であると判断すると、第一実施形態で説明した排出工程(S13)を実行する。排出工程(S13)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62bが、スケール量判断工程(S22a)で、QCM装置55で検知されたスケール量SVが閾値Ssv1以上ではないと判断すると、第一温度計54iが循環水の温度を検知すると共に、第二温度計54oが循環水の温度を検知する。排出制御部62bは、各温度計54i,54oで検知された温度を受け付け、両温度の温度差を求める(S41a:温度差検知工程)。排出制御部62bは、この温度差ΔTが閾値St1以下であるか否かを判断する(S42a:温度差判断工程)。この温度差は、復水器14で加熱される前の循環水の温度と復水器14で加熱された後の循環水の温度との温度差であるため、この温度差が小さくなると、復水器14の伝熱管14tに対するスケール量が増加し、復水器14での熱交換性能が低下していることを意味する。そこで、排出制御部62bは、温度差が閾値St1以下であると判断すると、復水器14の熱交換性能が低下した又はスケール量が増加した旨を示すアラームを出力部64に出力させる(S43a:アラーム出力工程)。又は、排出制御部62bは、排出工程(S44a)を実行する。この排出工程(S44a)は、第一実施形態で説明した排出工程(S13)と同一の処理である。アラーム出力工程(43a)又は排出工程(S44a)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62bが、温度差判断工程(S42a)で、温度差が閾値St1以下ではないと判断すると、排出工程等を実施することなく、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62bが、TDS判断工程(S12)で、TDS計52で検知されたTDSが閾値Stds以上でないと判断した場合も、QCM装置55が、水循環系統におけるスケール量を検出する(S21b:スケール量検知工程)。薬剤注入制御部61bは、このスケール量を受け付け、このスケール量SVが閾値Ssv2以上であるか否かを判断する(S22b:スケール量判断工程)。薬剤注入制御部61bは、スケール量SVが閾値Ssv2以上であると判断すると、第一実施形態で説明した薬剤注入工程(S23)を実行する。薬剤注入工程(S23)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
薬剤注入制御部61bが、スケール量判断工程(S22b)で、スケール量SVが閾値Ssv2以上ではないと判断すると、第一温度計54iが循環水の温度を検知すると共に、第二温度計54oが循環水の温度を検知する。排出制御部62bは、各温度計54i,54oで検知された温度を受け付け、両温度の温度差を求める(S41b:温度差検知工程)。排出制御部62bは、この温度差ΔTが閾値St2以下であるか否かを判断する(S42b:温度差判断工程)。この温度差が小さくなると、前述したように、復水器14の伝熱管14tに対するスケール量が増加し、復水器14での熱交換性能が低下していることを意味する。そこで、排出制御部62bは、温度差が閾値St2以下であると判断すると、復水器14の熱交換性能が低下した又はスケール量が増加した旨を示すアラームを出力部64に出力させる(S43b:アラーム出力工程)。又は、排出制御部62bは、排出工程(S44b)を実行する。この排出工程(S44b)は、第一実施形態で説明した排出工程(S13)と同一の処理である。アラーム出力工程(43b)又は排出工程(S44b)が終了すると、水質管理制御ルーチンが終了する。
排出制御部62bが、温度差判断工程(S42b)で、温度差ΔTが閾値St2以下ではないと判断すると、排出工程等を実施することなく、水質管理制御ルーチンが終了する。
以上で、本実施形態における水質管理制御ルーチンでの一連の処理が終了する。
以上のように、本実施形態では、TDS判断工程(S12)で、TDSが閾値Stds以上であると判断された場合でも、第一実施形態のように、直ちに、排出工程(S13)が実行されない。本実施形態では、第二実施形態度と同様、TDSが閾値Stds以上であると判断された後、スケール量判断工程(S22a)で、スケール量SVが閾値Ssv1以上であるか否かが判断される。そして、本実施形態では、スケール量SVが閾値Ssv1以上であると判断された場合に、排出工程(S13)が実行される。すなわち、本実施形態では、TDSが閾値Stds以上である上に、実際にスケール量SVが閾値Ssv1以上である場合に、排出工程(S13)が実行させる。よって、本実施形態でも、第二実施形態と同様、第一実施形態よりも、循環水の排出を厳格に管理するため、排出による循環水の減少が少なくなり、冷却塔設備のランニングコストを抑えることができる。
本実施形態では、第二実施形態と同様、スケール量判断工程(S22a,S22b)で、スケール量SVが閾値Ssv1又はSsv2以上ではないと判断された場合でも、第一実施形態のように、直ちに水質管理制御ルーチンを終了しない。本実施形態では、スケール量SVが閾値Ssv1又はSsv2以上ではないと判断された後、温度差判断工程(S42a,S42b)で、温度差ΔTが閾値St1又はSt2以下であるか否かが判断される。そして、本実施形態では、温度差ΔTが閾値St1又はSt2以下であると判断された場合に、アラーム出力工程(43a,43b)又は排出工程(S44a,S44b)が実行される。このため、本実施形態では、復水器14の伝熱管14tに対するスケール量の増加を察知し、スケール量の増加に対応することができる。
なお、本実施形態でも、第二実施形態で説明したように、スケール量判断工程(S22a)で用いるスケール量に関する閾値Ssv1と、スケール量判断工程(S22b)で用いるスケール量に関する閾値Ssv2とは、異なっていてもよい。
また、温度差判断工程(S42a)で用いる温度差に関する閾値St1と、温度差判断工程(S42b)で用いる温度差に関する閾値St2とは、異なっていてもよい。この場合、温度差判断工程(S42a)で用いる閾値St1が、温度差判断工程(S42b)で用いる閾値St2より大きくてもよい。
以上のように、本実施形態では、復水器14の熱交換性能を間接的に検知して、復水器14の伝熱管14tに対するスケール量の増加に対応できるようにしている。このため、灰分除去等の処理がまったく施されていない水を循環水として用いる場合に、本実施形態の冷却塔設備20bを採用することが好ましい。
また、第二実施形態では、SS成分を検知し、このSS成分に応じて、スケール量の増加に対応できるようにしているが、本実施形態のように、復水器14の熱交換性能を間接的に検知していない。このため、水処理が施されているものの、この処理が十分でない水、又は地下水等で、SS成分の除去が不十分な水を循環水として用いる場合に、第二実施形態の冷却塔設備20aを採用することが好ましい。
また、第一実施形態では、SS成分の検知、復水器14の熱交換性能の間接的な検知を行わない。このため、灰分が適切に除去された上水や工業用水等を循環水として用いる場合に、第一実施形態の冷却塔設備20を採用することが好ましい。
なお、本実施形態の冷却塔設備20bは、第一実施形態の構成に、第一温度計54i及び第二温度計54oを追加したものであるが、さらに、第二実施形態で説明したSS計53を追加してもよい。この場合、第二実施形態におけるSS検知工程(S31a)及びSS判断工程(S32a)を、本実施形態における温度差検知工程(S41a)及び温度差判断工程(S42a)と同時に又は前後して実行し、第二実施形態におけるSS検知工程(S31b)及びSS判断工程(S32b)を、本実施形態における温度差検知工程(S41b)及び温度差判断工程(S42b)と同時に又は前後して実行するとよい。
「変形例」
以上の各実施形態の補給水供給器は、補給水ポンプ35、レベル計50、及び補給水供給制御部63を有して構成されている。しかしながら、補給水供給器は、例えば、水槽23内の液面レベルの変化に応じて上下動するフロートと、このフロートの上下動に応じて開閉動作する弁と、を有するフロート弁で、補給水供給器を構成してもよい。
以上の各実施形態及び各変形例の薬剤注入器は、薬液ポンプ33を有して構成されている。しかしながら、薬剤注入器は、薬液ライン43に設けられた弁で、構成してもよい。
以上の各実施形態の排出器は、排出弁36を有して構成されている。しかしながら、排出器は、排水ライン46に設けられたポンプで、構成してもよい。
以上の各実施形態の冷却塔設備は、いずれも、復水器14で加熱された循環水を冷却する設備である。しかしながら、本発明の冷却塔設備は、復水器14で加熱された循環水を冷却する設備に限定されない。本発明の冷却塔設備は、例えば、冷凍機の凝縮器で冷媒との熱交換で加熱された循環水を冷却する設備であってもよい。
10:蒸気タービン設備
11:ボイラー
12:蒸気タービン
13:発電機
14:復水器(熱交換器)
14c:凝縮室(媒体室)
14i:入水室
14o:出水室14o
14t:伝熱管14t
15:給水ポンプ
16:主蒸気ライン
17:給水ライン
18:排水ライン
19:排出弁
20,20a,20b:冷却塔設備
21:冷却塔
22:ケーシング
23:水槽
24:ファン
25:散水器
26:ルーパー
31:循環ポンプ
32:薬液タンク
33:薬液ポンプ(薬剤注入器)
34:補給水源
35:補給水ポンプ(補給水供給器)
36:排出弁(排出器)
40:循環水ライン
41:冷却循環水ライン
42:加熱循環水ライン
43:薬液ライン
44:補給水ライン
46:排水ライン
50:レベル計
51:薬剤濃度計
52:不純物総溶解度計(TDS計)
53:浮遊物質計(SS計)
54i:第一温度計
54o:第二温度計
55:水晶振動マイクロバランス装置(QCM装置、スケール量計)
56:水晶振動子
56a:水晶薄膜
56b:電極
57:交流電源
58;周波数検知器
60,60a,60b:制御装置
61,61a,61b:薬剤注入制御部
62,62a,62b:排出制御部
63:補給水供給制御部
64:出力部
65:表示器
66:表示制御部
70:排液処理設備

Claims (20)

  1. 流入してきた水を冷却する冷却塔と、
    前記冷却塔で冷却された水と媒体とを熱交換させて、前記媒体を冷却する一方で前記水を加熱する熱交換器と、
    前記冷却塔と前記熱交換器との間で前記水を循環させる循環水ラインと、
    前記冷却塔と前記熱交換器と前記循環水ラインとを有して構成される水循環系統内におけるスケール量を検出するスケール量計と、
    薬剤であるスケール防止剤を前記水循環系統に供給する薬剤注入器と、
    前記スケール量計で検知された前記スケール量に応じて、前記薬剤注入器により、前記スケール防止剤を前記水循環系統内に注入させる薬剤注入制御部を有する制御装置と、
    を備え、
    前記スケール量計は、前記水中に配置された水晶振動子を有する水晶振動子マイクロバランス装置である、
    冷却塔設備。
  2. 請求項1に記載の冷却塔設備において、
    前記水晶振動子マイクロバランス装置の前記水晶振動子は、前記熱交換器内で前記水が流れる領域中に配置されている、
    冷却塔設備。
  3. 請求項2に記載の冷却塔設備において、
    前記熱交換器は、前記冷却塔で冷却された水が流入する入水室と、前記媒体が流入してくる媒体室と、前記媒体室内に配置され前記入水室と連通している複数の伝熱管と、前記入水室から複数の前記伝熱管を経てきた水が流入する出水室と、を有し、
    前記水晶振動子マイクロバランス装置の前記水晶振動子は、前記出水室内に配置されている、
    冷却塔設備。
  4. 請求項1に記載の冷却塔設備において、
    前記循環水ラインは、前記冷却塔で冷却された水を前記熱交換器に送る冷却循環水ラインと、前記熱交換器で加熱された水を前記冷却塔に送る加熱循環水ラインと、を有し、
    前記水晶振動子マイクロバランス装置の前記水晶振動子は、前記加熱循環水ライン内に配置されている、
    冷却塔設備。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の冷却塔設備において、
    前記水中の前記薬剤の濃度を検知する薬剤濃度計を備え、
    前記薬剤注入制御部は、前記薬剤濃度計が検知した前記薬剤の濃度が予め定められた値以上になると、前記薬剤注入器による前記水への前記薬剤の注入を停止させる、
    冷却塔設備。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の冷却塔設備において、
    前記水を前記水循環系統外に排出する排出器と、
    前記冷却塔内の前記水の量に応じて、補給水を前記水中に供給する補給水供給器と、
    を備える、
    冷却塔設備。
  7. 請求項6に記載の冷却塔設備において、
    前記水中の不純物総溶解度を検知する不純物総溶解度計を備え、
    前記制御装置は、前記不純物総溶解度計で検知された前記不純物総溶解度に応じて、前記排出器を駆動させる排出制御部を有する、
    冷却塔設備。
  8. 請求項6又は7に記載の冷却塔設備において、
    前記水中の浮遊物質の量を検知する浮遊物質計を備え、
    前記制御装置は、前記浮遊物質計で検知された前記浮遊物質の量に応じて、前記排出器を駆動させる排出制御部と、前記浮遊物質計で検知された前記浮遊物質の量に応じて、スケール量が増加する旨を示すアラームを発する出力部と、のうち少なくとも一方を有する、
    冷却塔設備。
  9. 請求項6から8のいずれか一項に記載の冷却塔設備において、
    前記冷却塔で冷却され前記熱交換器で加熱される前の水の温度を検知する第一温度計と、
    前記熱交換器で加熱され前記冷却塔に流入する前の水の温度を検知する第二温度計と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記第一温度計で検知された温度と前記第二温度計で検知された温度との温度差に応じて、前記排出器を駆動させる排出制御部と、前記温度差に応じて、前記熱交換器の熱交換性能が低下した又はスケール量が増加した旨を示すアラームを発する出力部と、のうち少なくとも一方を有する、
    冷却塔設備。
  10. 流入してきた水を冷却する冷却塔と、前記冷却塔で冷却された水と媒体とを熱交換させて、前記媒体を冷却する一方で前記水を加熱する熱交換器と、前記冷却塔と前記熱交換器との間で前記水を循環させる循環水ラインと、を備える冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記冷却塔と前記熱交換器と前記循環水ラインとを有して構成される水循環系統内におけるスケール量を検出するスケール量検知工程と、
    前記スケール量検知工程で検知されたスケール量に応じて、薬剤であるスケール防止剤を前記水循環系統内に注入する薬剤注入工程と、
    を実行し、
    前記スケール量検知工程では、前記水中に配置された水晶振動子を有する水晶振動子マイクロバランス装置で前記スケール量を検知する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  11. 請求項10に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記スケール量検知工程では、前記熱交換器内で前記水が流れる領域中でのスケール量を検知する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  12. 請求項11に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記熱交換器は、前記冷却塔で冷却された水が流入する入水室と、前記媒体が流入してくる媒体室と、前記媒体室内に配置され前記入水室と連通している複数の伝熱管と、前記入水室から複数の前記伝熱管を経てきた水が流入する出水室と、を有し、
    前記スケール量検知工程では、前記出水室内のスケール量を検知する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  13. 請求項10に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記循環水ラインは、前記冷却塔で冷却された水を前記熱交換器に送る冷却循環水ラインと、前記熱交換器で加熱された水を前記冷却塔に送る加熱循環水ラインと、を有し、
    前記スケール量検知工程では、前記加熱循環水ライン内のスケール量を検知する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  14. 請求項10から13のいずれか一項に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記水中の前記薬剤の濃度を検知する薬剤濃度検知工程を実行し、
    前記薬剤注入工程では、前記薬剤濃度検知工程で検知された前記薬剤の濃度が予め定められた値以上になると、前記水への前記薬剤の注入を停止する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  15. 請求項10から14のいずれか一項に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記水を前記水循環系統外に排出する排出工程と、
    前記冷却塔内の前記水の量に応じて、補給水を前記水中に供給する補給水供給工程と、
    を実行する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  16. 請求項15に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記水中の不純物総溶解度を検知する不純物総溶解度検知工程を実行し、
    前記排出工程では、前記不純物総溶解度検知工程で検知された前記不純物総溶解度に応じて、前記水を前記水循環系統外に排出する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  17. 請求項15又は16に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記水中の浮遊物質の量を検知する浮遊物質量検知工程を実行し、
    前記排出工程では、前記浮遊物質量検知工程で検知された前記浮遊物質の量に応じて、前記水を前記水循環系統外に排出する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  18. 請求項15又は16に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記水中の浮遊物質の量を検知する浮遊物質量検知工程と、
    前記浮遊物質量検知工程で検知された前記浮遊物質の量に応じて、スケール量が増加する可能性がある旨を示すアラームを発するアラーム出力工程と、
    を実行する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  19. 請求項15から18のいずれか一項に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記冷却塔で冷却され前記熱交換器で冷却される前の水の温度と、前記熱交換器で加熱され前記冷却塔に流入する前の水の温度との温度差を検知する温度差検知工程を実行し、
    前記排出工程では、前記温度差検知工程で検知された前記温度差に応じて、前記水を前記水循環系統外に排出する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
  20. 請求項15から18のいずれか一項に記載の冷却塔設備の水質管理方法において、
    前記冷却塔で冷却され前記熱交換器で冷却される前の水の温度と、前記熱交換器で加熱され前記冷却塔に流入する前の水の温度との温度差を検知する温度差検知工程と、
    前記温度差検知工程で検知された前記温度差に応じて、前記熱交換器の熱交換性能が低下した又はスケール量が増加した旨を示すアラームを発するアラーム出力工程と、
    を実行する、
    冷却塔設備の水質管理方法。
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