以下、本発明を適用した解析装置、解析方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
[概要]
解析装置は、一以上のプロセッサによって実現される。解析装置は、アプリケーションが起動された画面をキャプチャした一以上のキャプチャ画像と、少なくとも一以上のキャプチャ画像が掲載されたアプリケーションの配信ページ(以下、アプリ配信ページと称する)を閲覧したユーザによってとられた行動が評価された評価値とを取得する。そして、解析装置は、取得したキャプチャ画像の特徴に関するパラメータと、取得した評価値とに基づいて、未知関数の最適化手法により、アプリ配信ページに掲載するキャプチャ画像の特徴に関するパラメータとして好ましいパラメータである改善パラメータを決定し、この改善パラメータを出力する。これによって、アプリケーションの配信ページに掲載される画像を自動的に決定することができることができる。
未知関数の最適化手法とは、事前に形状が分からない未知関数(未知の目的関数)を最適化する手法であり、例えば、ベイズ的最適化手法、遺伝的アルゴリズム、差分進化法、焼きなまし法、グリッドサーチ法などである。以下の実施形態では、未知関数の最適化手法としてベイズ的最適化手法を適用した場合の例について説明するが、遺伝的アルゴリズムや差分進化法などの他の手法を用いてもよい。この場合、更に、分布推定アルゴリズム(Estimation of Distribution Algorithms)などを利用して、最適化手法として行われる探索処理の過程で得られるパラメータ(探索点)を基に、ある確率モデルに従う関数(分布)を求めてもよい。
ベイズ的最適化手法とは、上述したように、ある未知関数を導出する際に、何かしらの事前分布を仮定し、関数の事後分布を基に未知関数を最適化する手法である。本実施形態では、一例として、ガウス過程(Gaussian process)と呼ばれる確率過程(確率変数の集合)を用いて事前分布を仮定するベイズ的最適化手法について説明するが、他の確率過程を用いて事前分布を仮定してもよい。
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、第1実施形態における解析装置200を含む解析システム1の一例を示す図である。第1実施形態における解析システム1は、例えば、一以上の端末装置10と、サービス提供装置100と、解析装置200とを備える。これらの装置は、ネットワークNWを介して接続される。なお、サービス提供装置100は、解析装置200内に集約されていてもよい。
図1に示す各装置は、ネットワークNWを介して種々の情報を送受信する。ネットワークNWは、例えば、無線基地局、Wi‐Fiアクセスポイント、通信回線、プロバイダ、インターネットなどを含む。なお、図1に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワークNWは、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
端末装置10は、ユーザによって使用される装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置である。
端末装置10は、ユーザから所定の操作を受け付けると、ウェブブラウザを介して、サービス提供装置100が提供するウェブサイトにアクセスする。例えば、サービス提供装置100により提供されるウェブサイトは、検索サイトやショッピングサイト、SNS(Social Networking Service)、メールサービス、情報提供サービス(例えばニュースや天気予報など)などを享受可能なウェブサイトである。
また、端末装置10は、ユーザから所定の操作を受け付けると、予めインストールされたアプリケーションを介してサービス提供装置100と通信を行い、アプリケーション上で表示或いは再生するコンテンツを取得する。コンテンツは、例えば、動画データや、画像データ、音声データ、テキストデータなどである。これによって、端末装置10には、アプリケーションを介して、上述した各種ウェブサイトにより提供されるサービスと同様のサービスが提供される。
サービス提供装置100は、インターネット上において、ショッピングサイトや検索サイトなどのウェブサイトを提供するウェブサーバ装置であってよいし、アプリケーションが起動された端末装置10と通信を行って、各種情報の受け渡しを行うアプリケーションサーバ装置であってもよい。
サービス提供装置100によってサービスとして提供されるウェブページまたはアプリケーション用のページは、例えば、端末装置10にインストール可能なアプリケーションの配信ページである。配信されるアプリケーションは、例えば、ゲームやスポーツ、SNS、動画編集などのツール、ニュース、ファイナンスなどに関するアプリケーションである。以下、アプリケーションが配信されるページを「アプリ配信ページ」と称して説明する。
図2は、アプリ配信ページの一例を示す図である。図示の例のように、アプリ配信ページには、アプリ配信ページにおいて配信されるアプリケーションのアイコンICや、端末装置10にアプリケーションをインストールするためのインストールボタンB、そのアプリケーションを起動(使用)したときの画面の様子をスクリーンショットとしてキャプチャした画像(以下、スクリーンショット画像SSと称する)、アプリケーションの説明文などが掲載される。図示の例では、スクリーンショット画像SSは、スマートフォンなどの携帯電話でアプリケーションを起動したときの画面像を表している。
例えば、アプリ配信ページにおいて配信されるアプリケーションがゲームアプリの場合、一般的に、そのアプリケーション特有の特徴的な画像がスクリーンショット画像SSとして選択される。例えば、戦闘シーンの画像やゲームシステムの特徴を示す画像、そのアプリケーション固有のキャラクターの画像などがスクリーンショット画像SSとして選択される。
解析装置200は、例えば、サービス提供装置100によりサービスとして提供されるアプリ配信ページを解析して、アプリ配信ページに掲載されるスクリーンショット画像SSを、ベイズ的最適化手法などの未知関数の最適化手法を用いて決定する。
[サービス提供装置の構成]
以下、サービス提供装置100および解析装置200の各構成について説明する。図3は、第1実施形態におけるサービス提供装置100の構成の一例を示す図である。図示のように、サービス提供装置100は、例えば、サービス提供側通信部102と、サービス提供側制御部110と、サービス提供側記憶部130とを備える。
サービス提供側通信部102は、例えば、NIC(Network Interface Card)などの通信インターフェースやDMA(Direct Memory Access)コントローラを含む。サービス提供側通信部102は、ネットワークNWを介して、端末装置10または解析装置200などと通信する。
サービス提供側制御部110は、例えば、サービス提供部112と、評価値導出部114と、解析依頼部116とを備える。サービス提供側制御部110の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサがサービス提供側記憶部130に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、サービス提供側制御部110の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
サービス提供側記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより実現される。サービス提供側記憶部130は、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムの他に、後述するアプリインストールログ情報D1やアプリ毎評価情報D2などを記憶する。
サービス提供部112は、例えば、サービス提供側通信部102を用いて、サービスとしてアプリ配信ページを端末装置10に提供する。例えば、サービス提供装置100がウェブサーバ装置である場合、サービス提供部112は、サービス提供側通信部102により端末装置10からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストが受信されると、このリクエストに対応したウェブページとして、HTML形式のテキストデータや、CSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート、画像データ、動画データ、音声データなどを、HTTPリクエストの送信元である端末装置10に送信する。このとき、画像データは、上述したスクリーンショット画像SSを少なくとも含む。これを受けて、端末装置10の画面には、ウェブブラウザの機能によりアプリ配信ページが描画される。
また、例えば、サービス提供装置100がアプリケーションサーバ装置である場合、サービス提供部112は、アプリケーションが起動された端末装置10からサービス提供側通信部102により所定のリクエストが受信されると、このリクエストに応じて、少なくともスクリーンショット画像SSを含む画像データなどのコンテンツを、リクエストの送信元である端末装置10に送信する。端末装置10は、コンテンツを受信すると、例えば、アプリケーションのインストール時に合わせて取得しておいたスタイルシートなどに基づいて、受信したコンテンツを画面上に配置することで、アプリ配信ページを描画する。
また、例えば、アプリ配信ページがウェブページである場合、サービス提供部112は、セッションごと、またはウェブサイトにおいてログインが継続している期間ごとに、インプレッション数およびコンバージョン数を収集することでアプリインストールログ情報D1を生成する。
図4は、アプリインストールログ情報D1の一例を示す図である。図示のように、アプリインストールログ情報D1は、例えば、アプリ配信ページを識別するためのページIDに対して、インプレッション数と、コンバージョン数とが対応付けられた情報である。
セッションとは、例えば、クッキー等の状態管理機能の有効期間である。例えば、ウェブサイト内のあるウェブページにアクセスしてから所定時間経過(タイムアウト)するまでの期間が一つのセッションとして扱われる。また、セッションとは、ウェブサイト内のあるウェブページにアクセスしてから、当該ウェブサイト内の他のウェブページ、または他のウェブサイト内のウェブページに切り替わるまでの期間であってもよい。また、セッションとは、ウェブサイト内のあるウェブページにアクセスしてから、当該ウェブページを表示するウェブブラウザを閉じるまでの期間であってもよい。
インプレッションとは、例えば、アプリ配信ページに対してアクセス(訪問)があり、アクセス要求元(例えばHTTPリクエストの送信元)である端末装置10の画面にアプリ配信ページが表示されることである。
コンバージョンとは、例えば、アプリ配信ページにおいてアプリケーションを配信する配信主が期待する所定の行動を、そのアプリ配信ページを閲覧したユーザがとったことを意味する。所定の行動とは、例えば、アプリ配信ページにおいて、上述したインストールボタンBなどを操作するなどしてアプリケーションを端末装置10にインストールすることである。また、所定の行動は、アプリ配信ページから、その配信ページで配信されるアプリケーションの詳細情報が掲載された詳細画面が閲覧されることであってもよいし、アプリ配信ページがお気に入り登録されることであってもよい。
また、例えば、アプリ配信ページがアプリ用のページである場合、サービス提供部112は、アプリのログインが継続している期間ごとに、インプレッション数およびコンバージョン数を収集することでアプリインストールログ情報D1を生成してよい。
評価値導出部114は、上述したアプリ配信ページを閲覧したユーザによってとられた行動が評価された評価値を、アプリ配信ページごとに導出する。
例えば、評価値導出部114は、端末装置10のユーザが、アプリケーションの配信主が期待する所定の行動として、アプリ配信ページからアプリケーションをインストールした場合、「コンバージョンが成立した」と判定し、そのコンバージョンの成立回数をカウントする。そして、評価値導出部114は、例えば、コンバージョンの成立回数、すなわち、インストール回数をアプリ配信ページのインプレッション数で除算したCVR(Conversion Rate)を、対象のアプリ配信ページの評価値として導出する。
また、評価値導出部114は、CVRを導出するのに代えて、或いは加えて、所定期間におけるインストール回数を同じ所定期間におけるアンインストール回数で除算した値を評価値として導出してもよいし、インストールされてから所定期間内に起動された回数を評価値として導出してもよい。なお、上述した評価値はあくまでも一例であり、例示していない他の評価値が導出されてもよい。
そして、評価値導出部114は、導出した評価値と、その評価の対象としたアプリ配信ページとを対応付けた情報を生成し、この生成した情報をアプリ毎評価情報D2としてサービス提供側記憶部130に記憶させる。
図5は、アプリ毎評価情報D2の一例を示す図である。図示のように、アプリ毎評価情報D2は、例えば、アプリ配信ページを識別するためのページIDに対して、そのアプリ配信ページの評価値が対応付けられた情報である。例えば、「AAA」のページIDには、評価値としてCVRが対応付けられ、「BBB」のページIDには、評価値としてインストール回数をアンインストール回数で除算した値が対応付けられている。このように、各ページIDには、互いに異なる評価値が対応付けられてもよいし、同じ評価値が対応付けられてもよい。また、各ページIDには、互いに異なる複数の評価値が対応付けられてもよい。
また、アプリ毎評価情報D2において、評価値が対応付けられたアプリ配信ページが改変された場合、評価値導出部114は、改変されたアプリ配信ページの評価値を再度導出してよい。アプリ配信ページの「改変」とは、例えば、アプリ配信ページに掲載されるスクリーンショット画像SSを変更することである。
例えば、プログラマーやデザイナーなどのアプリ配信ページの設計者が、評価値導出部114により導出された評価値を参照して、現状のアプリ配信ページから、よりコンバージョンが成立しやすいアプリ配信ページへと改変するために、掲載するスクリーンショット画像SSを変更することが想定される。
例えば、アプリ配信ページが改変されると、サービス提供部112は、サービス提供側通信部102を用いて、改変されたアプリ配信ページ(以下、改変済みアプリ配信ページと称する)を、所定のユーザが操作する端末装置10へと送信する。所定のユーザとは、例えば、不特定多数のユーザにより構成されたクラウドソーシング形式のワーキンググループに参加するユーザである。クラウドソーシングとは、依頼した業務の協力を募ることである。例えば、サービス提供部112は、クラウドソーシングに参加するユーザの端末装置10に対して、改変済みアプリ配信ページを提供することで、提供した改変済みアプリ配信ページにアクセスしてもらい、興味や関心があればアプリケーションをインストールしてもらう。
そして、評価値導出部114は、改変されたアプリ配信ページがサービス提供部112により端末装置10へと提供され、その端末装置10を操作するユーザによってインストールなどがなされると、この改変されたアプリ配信ページの評価値を導出する。例えば、評価値導出部114は、アプリ毎評価情報D2において、その改変済みアプリ配信ページのページIDに対応付けられた評価値を更新してもよいし、改変済みアプリ配信ページのページIDを新たなページIDとして扱うことで、アプリ毎評価情報D2に改変済みアプリ配信ページごとに評価値のログをレコードとして追加してもよい。
解析依頼部116は、サービス提供側通信部102を用いて、サービス提供部112によりサービスとして提供されるアプリ配信ページのうち、任意の解析対象のアプリ配信ページを解析依頼として解析装置200に送信する。解析対象のアプリ配信ページは、予めアプリ配信ページの設計者が決めてもよいし、所定のアルゴリズムにより決定されてもよい。所定のアルゴリズムとは、例えば、所定期間におけるアプリ配信ページのインプレッション数(アクセス数)の減少度合が閾値以上のアプリ配信ページを優先的に解析対象のアプリ配信ページとする、といったアルゴリズムである。また、サービス提供装置100により提供される全てのアプリ配信ページが解析対象のアプリ配信ページとして決定されてもよい。
このとき、解析依頼部116は、解析依頼として解析対象のアプリ配信ページを送信する際に、アプリ配信ページにおいて配信されるアプリケーションのキャプチャ動画D3を送信する。キャプチャ動画D3とは、アプリ配信ページにおいて配信されるアプリケーションを起動したときの画面の様子をキャプチャした動画である。このキャプチャ動画D3は、例えば、所定の端末装置の画面を仮想的に撮像する動画キャプチャアプリケーションを、インストールされたアプリケーションと共に起動させて画面を撮像させることで生成されてもよいし、ビデオカメラなどの撮像装置(不図示)を用いて、アプリケーションが起動された所定の端末装置の画面が直撮りされることで生成されてもよい。所定の端末装置とは、例えば、アプリケーションのデバックなどを行うことが可能な開発者用の端末装置であってもよいし、一般ユーザが利用する端末装置10であってもよい。上述したスクリーンショット画像SSは、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像のうちの任意のキャプチャ画像である。
また、解析依頼部116は、解析依頼として解析対象のアプリ配信ページを解析装置200に送信する前に、予め、評価値が導出されたアプリ配信ページと、そのアプリ配信ページの評価値を含むアプリ毎評価情報D2とを、サービス提供側通信部102を用いて解析装置200に送信する。また、解析依頼部116は、解析依頼として解析対象のアプリ配信ページを送信するタイミングで、評価値が導出されたアプリ配信ページと、そのアプリ配信ページの評価値を含むアプリ毎評価情報D2とを送信してもよい。以下の説明では、解析依頼がなされる前にアプリ配信ページおよびアプリ毎評価情報D2が送信されるものとする。
[解析装置の構成]
図6は、第1実施形態における解析装置200の構成の一例を示す図である。図示のように、解析装置200は、例えば、解析側通信部202と、解析側制御部210と、解析側記憶部230とを備える。
解析側通信部202は、例えば、NICなどの通信インターフェースやDMAコントローラを含む。解析側通信部202は、例えば、ネットワークNWを介して、サービス提供装置100などと通信する。
解析側制御部210は、例えば、取得部212と、パラメータ抽出部214と、パラメータ決定部216と、候補画像抽出部218と、出力部220とを備える。解析側制御部210の構成要素は、例えば、CPUやGPUなどのプロセッサが解析側記憶部230に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、解析側制御部210の構成要素の一部または全部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
解析側記憶部230は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM、RAMなどにより実現される。解析側記憶部230は、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムの他に、上述したアプリ毎評価情報D2およびキャプチャ動画D3と、パラメータ情報D4と、ページ毎関数情報D5などを記憶する。パラメータ情報D4およびページ毎関数情報D5については後述する。
[事前処理]
以下、フローチャートに即して解析側制御部210の各構成要素について説明する。図7は、第1実施形態における解析側制御部210により実行される処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、サービス提供装置100により解析依頼として解析対象のアプリ配信ページが送信される前に、事前処理としてアプリ配信ページと、そのアプリ配信ページの評価値を含むアプリ毎評価情報D2が送信される場合に、解析側制御部210によって行われる処理を表している。この処理は、所定の周期で繰り返し行われてよい。
まず、取得部212は、解析側通信部202によってサービス提供装置100からアプリ配信ページと、そのアプリ配信ページの評価値を含むアプリ毎評価情報D2とが受信されるまで待機し(S100)、アプリ配信ページおよびアプリ毎評価情報D2が受信されると、これらの受信情報を解析側通信部202から取得し、これを解析側記憶部230に記憶させる。
例えば、取得部212は、アプリ配信ページがウェブページである場合、HTML形式のテキストデータ、CSSなどのスタイルシート、スクリーンショット画像SSとして掲載するための画像データなどをアプリ配信ページとして取得してよい。また、取得部212は、アプリ配信ページがアプリ用のページである場合、HTMLや、CSS、JavaScript(登録商標)などで記述されたスタイルシートと、スクリーンショット画像SSとして掲載するための画像データとをアプリ配信ページとして取得してよい。
次に、パラメータ抽出部214は、取得部212によってアプリ毎評価情報D2と共に取得されたアプリ配信ページに掲載された一又は複数のスクリーンショット画像SSから、画像の特徴に関するパラメータを抽出する(S102)。
例えば、パラメータ抽出部214は、各スクリーンショット画像SSから、所定の画像特徴をパラメータとして抽出する。所定の画像特徴は、例えば、画素の輝度差に基づく特徴(例えばHaar−Like特徴)、画像の局所領域における輝度勾配に関する特徴(例えばHOG(Histograms of Oriented Gradients)やEOH(Edge of Orientation Histograms))などを含む。
また、パラメータ抽出部214は、アプリ配信ページに複数のスクリーンショット画像SSが掲載されている場合、スクリーンショット画像SS同士の特徴の変化度合をパラメータとして抽出してもよい。例えば、アプリケーションがゲームアプリである場合において、そのゲーム内の進行状況に応じて爆発シーンを描画した画像が表示されるものとする。この場合、その爆発シーンに相当するキャプチャ画像と、そのキャプチャ画像の前後のキャプチャ画像とを比較した場合、画像内のテクスチャが著しく変化する。そこで、パラメータ抽出部214は、このようなシーンごとのキャプチャ画像がスクリーンショット画像SSとしてアプリ配信ページに掲載されるという想定のもとで、スクリーンショット画像SS同士の特徴の変化度合をパラメータとして抽出する。
例えば、複数のスクリーンショット画像SSのアスペクト比が同じ比率の場合、パラメータ抽出部214は、異なるスクリーンショット画像SS同士で、同じ座標に位置する画素の輝度値などの特徴を比較して、その特徴の差分をパラメータとして抽出する。また、パラメータ抽出部214は、異なるスクリーンショット画像SS同士で、画像全体の平均輝度値などの特徴を比較して、その比較した特徴の差分をパラメータとして抽出してもよい。
また、パラメータ抽出部214は、複数のスクリーンショット画像SSの特徴が類似する度合(以下、類似度と称する)をパラメータとして抽出してもよい。例えば、パラメータ抽出部214は、各スクリーンショット画像SSの特徴点を抽出し、スクリーンショット画像SS同士の特徴点をマッチングさせることで、特徴点の一致する度合を類似度として導出する。また、パラメータ抽出部214は、例えば、各スクリーンショット画像SSのカラーヒストグラムを導出し、スクリーンショット画像SS同士のカラーヒストグラムの形状を比較することで、その形状が一致する度合を類似度として導出してもよい。そして、パラメータ抽出部214は、導出した類似度をパラメータとして出力する。
次に、パラメータ抽出部214は、抽出したパラメータと、そのパラメータの抽出元であるアプリ配信ページとを対応付けた情報を生成し、この情報をパラメータ情報D4として解析側記憶部230に記憶させる(S104)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
図8は、第1実施形態におけるパラメータ情報D4の一例を示す図である。図示のように、例えば、パラメータ情報D4は、各アプリ配信ページのページIDに対して、そのアプリ配信ページに掲載されたスクリーンショット画像SSのIDと、スクリーンショット画像SSの画像特徴に関するパラメータとが対応付けられた情報である。例えば、アプリ配信ページのページIDには、上述した種々の画像特徴のうち、代表的な一つの画像特徴に関する一次元のパラメータが対応付けられてもよいし、複数の画像特徴に関する多次元のパラメータが対応付けられてもよい。図示の例では、ページIDが「AAA」のアプリ配信ページのパラメータは、スクリーンショット画像SS1の画像特徴F1に関する一次元のパラメータである。
このとき、各パラメータは、その値が0〜1の数値範囲となるように正規化される。例えば、パラメータが「赤」「緑」「青」を基準としたRGBカラーモデルの画像特徴である場合、パラメータ抽出部214は、抽出したRGBカラーモデルの輝度値を、その輝度値が取り得る最大値(255)で除算することで正規化してよい。
[解析処理]
図9は、第1実施形態における解析側制御部210により実行される処理の他の例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、解析依頼としてサービス提供装置100により解析対象のアプリ配信ページが送信された後に、解析側制御部210によって行われる処理を表している。この処理は、所定の周期で繰り返し行われてよい。
まず、取得部212は、解析側通信部202によってサービス提供装置100から解析依頼として解析対象のアプリ配信ページと、その解析対象のアプリ配信ページにおいて配信されるアプリケーションのキャプチャ動画D3が受信されるまで待機し(S200)、解析対象のアプリ配信ページおよびキャプチャ動画D3が受信されると、これらの受信情報を取得した情報として解析側記憶部230に記憶させる。
次に、パラメータ抽出部214は、取得部212により取得された解析対象のアプリ配信ページに掲載された一又は複数のスクリーンショット画像SSから、画像の特徴に関するパラメータを抽出する(S202)。上述したように、例えば、パラメータ抽出部214は、各スクリーンショット画像SSから、所定の画像特徴をパラメータとして抽出してもよいし、スクリーンショット画像SS同士の特徴の変化度合をパラメータとして抽出してもよいし、複数のスクリーンショット画像SSの特徴の類似度をパラメータとして抽出してもよい。
次に、パラメータ決定部216は、事前処理において生成されたパラメータ情報D4を参照し、パラメータ抽出部214により抽出されたパラメータと同じパラメータに対応付けられたページIDを特定し、アプリ毎評価情報D2から、特定したページIDに対応付けられた評価値を抽出し、その抽出した評価値を用いて、ベイズ的最適化手法により、解析対象のアプリ配信ページに掲載するスクリーンショット画像SSの特徴として好ましいパラメータ(以下、改善パラメータと称する)を決定する(S204)。
また、パラメータ決定部216は、解析対象のアプリ配信ページとして、HTML形式のテキストデータや、CSSなどのスタイルシート、スクリーンショット画像SSとして掲載するための画像データの他に、そのアプリ配信ページのページIDが取得された場合、上述したS202の処理を省略し、アプリ毎評価情報D2において、解析対象のアプリ配信ページのページIDを同じIDに対応付けられた評価値を用いて、ベイズ的最適化手法により、改善パラメータを決定してもよい。
図10は、ベイズ的最適化手法による改善パラメータの決定方法を説明するための図である。例えば、スクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータをXとした場合、評価値は、パラメータXを要素とした、ある未知関数(以下、ブラックボックス関数F(X)と称する)として表すことができる。
ブラックボックス関数F(X)を導出するために、パラメータ決定部216は、事前処理の過程で求められた実測値であるアプリ毎評価情報D2の評価値を初期値として利用する。図示の例では、初期値として評価値F(Xa)およびF(Xa)が与えられている。この評価値F(Xa)およびF(Xa)の其々のパラメータは、Xa、Xbである。図中μは、この2点の初期値を基にガウス過程(確率変数であるパラメータXがN次元のガウス分布N(μ,σ2)に従う)により推定されるブラックボックス関数F(X)の平均を表している。また、図中CBは、ブラックボックス関数F(X)の平均μに標準偏差σ(分散σ2)を加算した信頼区間(μ±σ)を表している。例えば、標準偏差σ(分散σ2)は、ガウス過程を基に求められてよく、1σ、2σ、3σのように任意に決定されてよい。
例えば、パラメータ決定部216は、ブラックボックス関数F(X)の信頼区間CBの大きさ(絶対値)を表すacquisition function(以下、a(X)と称する)が最も大きくなるパラメータX(不確実性の高いパラメータX)を、改善パラメータとして決定する。a(X)は、例えば、以下の数式(1)に基づいて求められてよい。式中Kは、カーネル関数を表す。
a(X)=(μ(X)+Kσ(X))…(1)
図示の例では、パラメータXcのときにa(X)が最大となるため、パラメータ決定部216は、パラメータXcを改善パラメータに決定する。このように、改善パラメータは、一時的に推定したブラックボックス関数F(X)の大きさ、すなわち指標値に依存せずに、a(X)の大きさに応じて決定される。
次に、候補画像抽出部218は、パラメータ決定部216により決定された改善パラメータに基づいて、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像の中から、解析対象のアプリ配信ページに新たにスクリーンショット画像SSとして掲載する候補のキャプチャ画像を抽出する(S208)。
例えば、候補画像抽出部218は、改善パラメータと類似するパラメータを有する一以上のキャプチャ画像(以下、類似キャプチャ画像と称する)を、新たなスクリーンショット画像SSの候補とするキャプチャ画像として抽出する。「改善パラメータと類似する」とは、例えば、改善パラメータの値を基準としたある数値範囲内に、キャプチャ画像の画像特徴に関するパラメータが収まることをいう。なお、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像の其々のパラメータは、キャプチャ動画D3が取得されてからいずれかのタイミングにおいて(例えば上述したS202の処理時)、パラメータ抽出部214によって抽出されるものとする。
例えば、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像の中に、複数の類似キャプチャ画像が存在する場合、候補画像抽出部218は、複数の類似キャプチャ画像のうち、全部の類似キャプチャ画像を、新たなスクリーンショット画像SSの候補とするキャプチャ画像として抽出してよい。
また、候補画像抽出部218は、複数の類似キャプチャ画像のうち、一部の類似キャプチャ画像を、新たなスクリーンショット画像SSの候補とするキャプチャ画像として抽出してもよい。例えば、スクリーンショット画像SSの候補として抽出するキャプチャ画像の数が予め決められている場合に、その決められた数以上の類似キャプチャ画像が存在する場合、候補画像抽出部218は、改善パラメータとの類似度が大きい類似キャプチャ画像(改善パラメータにより近い数値のパラメータを有する類似キャプチャ画像)から優先的に、スクリーンショット画像SSの候補画像として抽出する。
次に、出力部220は、解析依頼に対する解析結果として、候補画像抽出部218によって新たなスクリーンショット画像SSの候補として抽出された類似キャプチャ画像を出力する(S206)。例えば、出力部220は、解析側通信部202を用いて、解析依頼として解析対象のアプリ配信ページを送信したサービス提供装置100に対して、類似キャプチャ画像を送信する。
これを受けて、サービス提供装置100のサービス提供部112は、解析依頼として送信された解析対象のアプリ配信ページに掲載するスクリーンショット画像SSを、解析装置200の出力部220により出力された類似キャプチャ画像に変更することで、解析対象のアプリ配信ページを改変した改変済みアプリ配信ページを生成する。なお、解析対象のアプリ配信ページのスクリーンショット画像SSを類似キャプチャ画像に変更することは、アプリ配信ページの設計者などが行ってもよい。
サービス提供装置100のサービス提供部112は、スクリーンショット画像SSが類似キャプチャ画像へと変更されることで解析対象のアプリ配信ページが改変されると、サービス提供側通信部102を用いて、改変済みアプリ配信ページを所定のユーザが操作する端末装置10に送信する。そして、サービス提供装置100の評価値導出部114は、改変済みアプリ配信ページの評価値を導出する。
次に、解析装置200の取得部212は、解析側通信部202を用いて、サービス提供装置100から改変済みアプリ配信ページの評価値を取得する(S210)。
次に、パラメータ決定部216は、改変済みアプリ配信ページの評価値(実測値)を用いて、ベイズ的最適化手法により、改善パラメータを再決定する(S212)。
図11は、改善パラメータを再決定する方法を説明するための図である。例えば、上述した図10において例示したように、パラメータXcが改善パラメータに決定され、このパラメータXcに類似する類似キャプチャ画像が新たに解析対象のアプリ配信ページに掲載されることでアプリ配信ページが改変された場合、パラメータ決定部216は、評価値の初期値F(Xa)およびF(Xb)と、前回改善パラメータとして決定したパラメータXcの実測値として取得された評価値F(Xc)とを固定点(確率的に求めた推測値ではなく観測したい事象の実測値)として用いて、ガウス過程によりブラックボックス関数F(X)の平均μを推定する。そして、パラメータ決定部216は、a(X)が最も大きくなるパラメータXを、改善パラメータとして再度決定する。図示の例では、パラメータXdのときにa(X)が最大となるため、パラメータ決定部216は、パラメータXdを改善パラメータに決定する。
このとき、パラメータ決定部216は、設計者がスクリーンショット画像SSを掲載する際に考慮する知見に基づいて、改善パラメータを決定してもよい。例えば、これまでの設計で培った知識として、スクリーンショット画像SSの黒色の割合が多いほど(すなわちスクリーンショット画像SS全体の配色が黒色に近いほど)、インストール数が減少してCVRなどの評価値が低下しやすいという知見があるとする。この場合、パラメータ決定部216は、画像特徴に関するパラメータにおいて、画像全体に対する黒色の割合が多いときに導出されるパラメータ値に対して予め評価値が小さくなるような重みを付与してよい。これによって、例えば、黒色以外の他の色の割合が多くなるときに導出されるパラメータが改善パラメータとして決定されやすくなる。このように、パラメータ決定部216は、既に評価値との関係が明らかになっているパラメータについては、そのパラメータを改善パラメータとして決定せずに、未だ評価値との関係が十分に明らかでないパラメータについては優先的に改善パラメータとして決定することで、例えば、インストールがよりなされるアプリ配信ページを生成させることができる。
次に、候補画像抽出部218は、パラメータ決定部216により再度決定された改善パラメータに基づいて、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像の中から、解析対象のアプリ配信ページに新たにスクリーンショット画像SSとして掲載する候補のキャプチャ画像を抽出する(S214)。
次に、出力部220は、解析側通信部202を用いて、候補画像抽出部218によって新たなスクリーンショット画像SSの候補として抽出された類似キャプチャ画像を、前回類似キャプチャ画像の送信先であったサービス提供装置100に対して出力(送信)する(S216)。
次に、解析側制御部210は、改善パラメータを決定する演算処理の回数が所定回数に達したか否かを判定し(S218)、演算回数が所定回数に達していない場合、上述したS210に処理を移す。これによって、演算回数が所定回数に達するまでの間に、改善パラメータが繰り返し決定されるのに応じて、解析対象のアプリ配信ページのスクリーンショット画像SSが変更され、その変更の都度、改変済みアプリ配信ページが生成される。改善パラメータが繰り返し決定されるのに応じて生成される改変済みアプリ配信ページは、「各世代の配信ページ」の一例である。例えば、改善パラメータの決定する演算処理が一回繰り返される毎に、アプリ配信ページの「世代」が一世代分更新される。
サービス提供装置100のサービス提供部112は、改変済みアプリ配信ページが生成される度に、各世代の改変済みアプリ配信ページをクラウドソーシングに参加するユーザの端末装置10に送信する。そして、評価値導出部114は、各世代の改変済みアプリ配信ページごとに評価値を導出する。
これによって、パラメータXに応じてどの程度の評価値が得られるのかが判明するため、ブラックボックス関数F(X)は、どういった傾向の関数であるのかをパラメータ決定部216によって導出されることになる。
一方、演算回数が所定回数に達した場合、解析側制御部210は、解析対象のアプリ配信ページと、ブラックボックス関数F(X)とを対応付けた情報を、ページ毎関数情報D5として解析側記憶部230に記憶させる(S220)。
図12は、ページ毎関数情報D5の一例を示す図である。例えば、ページ毎関数情報D5は、各アプリ配信ページのページIDに対して、そのアプリ配信ページのパラメータXと、所定回数演算することにより導出されたブラックボックス関数F(X)とが対応付けられた情報である。
次に、候補画像抽出部218は、所定回数演算することにより導出されたブラックボックス関数F(X)において、評価値F(X)が閾値以上となるパラメータX(以下、最適パラメータと称する)と類似するパラメータを有する一以上の類似キャプチャ画像を、解析対象のアプリ配信ページに掲載させるスクリーンショット画像SS(単なる候補としてではなく掲載するのが確定的な画像)として抽出する(S222)。
次に、出力部220は、候補画像抽出部218によりスクリーンショット画像SSとして抽出された一以上の類似キャプチャ画像を、サービス提供装置100に対して出力する(S224)。
サービス提供装置100のサービス提供部112は、サービス提供側通信部102が解析装置200から確定的なスクリーンショット画像SSとして複数の類似キャプチャ画像を受信した場合、液晶ディスプレイなどの表示装置(不図示)に、これらの類似キャプチャ画像を一覧形式で提示(表示)させる。この表示装置は、例えば、アプリ配信ページの設計者が、ページを改変する際に利用する表示装置である。
図13は、類似キャプチャ画像が一覧形式で提示された画面の一例を示す図である。図示の例では、画面上に10枚の類似キャプチャ画像が提示されている。この10枚の類似キャプチャ画像は、評価値F(X)が閾値以上となる最適パラメータXに基づいて抽出されたキャプチャ画像であるため、これらのいずれを掲載した場合であっても閾値以上の評価値F(X)が得られることが見込まれる。例えば、解析対象のアプリ配信ページに最大5枚までの画像を掲載することができる場合、設計者は、所定の入力インタフェース(例えばマウスやキーボードなど)を用いて、画面に提示された10枚の類似キャプチャ画像から、任意の5枚の類似キャプチャ画像を指定する。サービス提供部112は、スクリーンショット画像SSとして抽出された一以上の類似キャプチャ画像のうち、設計者により指定された類似キャプチャ画像(図示の例では、類似キャプチャ画像3、5、8)を、アプリ配信ページに掲載することでアプリ配信ページを改変した改変済みアプリ配信ページを生成する。
そして、サービス提供部112は、掲載されたスクリーンショット画像SSを、改善パラメータを基に抽出された類似キャプチャ画像に変更した改変済みアプリ配信ページを端末装置10に提供する。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
なお、上述したフローチャートの処理において、解析装置200は、改善パラメータと類似するパラメータを有する類似キャプチャ画像をサービス提供装置100に送信するものとして説明したがこれに限られない。例えば、解析装置200は、類似キャプチャ画像を送信するのに代えて、改善パラメータそのものをサービス提供装置100に送信してもよい。この場合、サービス提供装置100のサービス提供側制御部110は、解析装置200側の候補画像抽出部218に相当する機能部を備えているものとする。サービス提供側制御部110の候補画像抽出部は、例えば、解析装置200により改善パラメータが送信された場合、解析装置200に送信する予定のキャプチャ動画D3から、この改善パラメータと類似する類似キャプチャ画像を抽出する。これによって、解析対象のアプリ配信ページにおいて、今まで掲載されていたスクリーンショット画像SSが類似キャプチャ画像に変更される。
また、上述した候補画像抽出部218は、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像の中から類似キャプチャ画像を抽出する際に、各キャプチャ画像の一部をクロッピングして拡大した画像を、類似キャプチャ画像の候補とするキャプチャ画像としてよい。このとき、キャプチャ画像の一部をクロッピングしたキャプチャ画像が類似キャプチャ画像として抽出された場合、サービス提供部112は、提供するアプリ配信ページに、クロッピング元のキャプチャ画像をスクリーンショット画像SSとして掲載してもよいし、クロッピングして拡大した画像をスクリーンショット画像SSとして掲載してもよい。
以上説明した第1実施形態によればアプリケーションが起動された画面をキャプチャした一以上のキャプチャ画像と、少なくとも一以上のキャプチャ画像が掲載されたアプリ配信ページを閲覧したユーザによってとられた行動が評価された評価値とを取得する取得部212と、取得部212により取得されたキャプチャ画像の特徴に関するパラメータと、取得部212により取得された評価値とに基づいて、ベイズ的最適化手法などの未知関数の最適化手法により、アプリ配信ページに掲載するキャプチャ画像の特徴に関するパラメータとして好ましいパラメータである改善パラメータを決定するパラメータ決定部216とを備えることにより、アプリケーションの配信ページに掲載される画像を自動的に決定することができる。
また、上述した第1実施形態によれば、ベイズ的最適化手法などの未知関数の最適化手法により改善パラメータを決定することから、設計者がこれまで思いもしなかったスクリーンショット画像SSをアプリ配信ページに掲載することができ、従来の常識を覆すような革新的なアプリ配信ページを生成することができる。
また、上述した第1実施形態によれば、例えば、未知関数の最適化手法として、ベイズ的最適化手法を用いた場合、ガウス過程に基づくブラックボックス関数(連続性のある関数)を仮定し、そのブラックボックス関数において不確実性の高いパラメータを改善パラメータに決定するため、上述したような、アプリ配信ページの改変に対してユーザがどういった行動をとったのかという一連の試行処理(ライブテスト)に時間を要する場合、試行処理の結果が大量に必要な遺伝的アルゴリズムなどの他の未知関数の最適化手法と比べて、より速く目的関数であるブラックボックス関数を最適化することができる。
また、上述した第1実施形態によれば、導出したブラックボックス関数を、そのアプリ配信ページ毎に対応付けて記憶するため、ベイズ的最適化手法などの未知関数の最適化手法により得られた知見として、どの画像をアプリ配信ページに掲載すれば評価値を向上させることができるのかを、設計者間で共有することができる。これによって、例えば、アプリ配信ページの設計知識の乏しい設計者であっても、高い評価値を得ることが可能なアプリ配信ページを設計することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、解析装置200が最適パラメータに基づき抽出した複数の類似キャプチャ画像を、スクリーンショット画像SSの候補としてサービス提供装置100に送信する場合がある。この場合、複数の類似キャプチャ画像の其々をスクリーンショット画像SSとしてアプリ配信ページに掲載した場合であっても、複数の類似キャプチャ画像の組み合わせによっては、評価値が見込み通りの結果とならない場合がある。例えば、類似キャプチャ画像を、改善パラメータに類似するパラメータを有する画像とすることから、カラーヒストグラムが同じような傾向のキャプチャ画像ばかりが類似キャプチャ画像として抽出され得る。より具体的には、キャプチャ動画D3の特定のシーンの前後数キャプチャ画像のみが類似キャプチャ画像として抽出される可能性がある。この結果、アプリ配信ページには、同じようなシーンばかりのスクリーンショット画像SSが掲載されることになる。
これに対して、第2実施形態では、複数の類似キャプチャ画像の組み合わせを考慮するために、アプリ配信ページに掲載されるスクリーンショット画像SSの各画像特徴に関するパラメータを要素とする多次元のパラメータを、ベイズ的最適化手法に適用することで、改善パラメータを決定する。この改善パラメータは、組み合わせた類似キャプチャ画像の其々のパラメータを要素とした多次元のパラメータである。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
第2実施形態におけるパラメータ抽出部214は、アプリ配信ページに掲載された複数のスクリーンショット画像SSから、画像の特徴や、その特徴の変化度合、類似度を抽出し、これらを要素とする一つのパラメータと、そのパラメータの抽出元であるアプリ配信ページとを対応付けた情報を生成し、この情報をパラメータ情報D4として解析側記憶部230に記憶させる。
図14は、第2実施形態におけるパラメータ情報D4の一例を示す図である。図示のように、例えば、パラメータ情報D4は、各アプリ配信ページのページIDに対して、そのアプリ配信ページに掲載されたスクリーンショット画像SSのIDと、各スクリーンショット画像SSの画像特徴を要素とする多次元のパラメータとが対応付けられた情報である。図示の例では、ページIDが「AAA」のアプリ配信ページのパラメータPは、スクリーンショット画像SS1の画像特徴F1、スクリーンショット画像SS2の画像特徴F2、スクリーンショット画像SS3の画像特徴F3などを要素とする多次元のパラメータである。これによって、アプリ配信ページに掲載された複数のスクリーンショット画像SSの組み合わせごとに一つのパラメータが抽出される。
第2実施形態におけるパラメータ決定部216は、パラメータ情報D4を参照し、パラメータ抽出部214により抽出された多次元のパラメータと同じパラメータに対応付けられたページIDを特定し、アプリ毎評価情報D2から、特定したページIDに対応付けられた評価値を抽出し、その抽出した評価値を用いて、ベイズ的最適化手法により、解析対象のアプリ配信ページの改善パラメータを決定する。この改善パラメータは、上述したように多次元のパラメータである。
第2実施形態における候補画像抽出部218は、改善パラメータに基づいて、キャプチャ動画D3を構成する複数のキャプチャ画像の中から、スクリーンショット画像SSの候補とするキャプチャ画像を抽出する。このとき、候補画像抽出部218は、改善パラメータの要素となるそれぞれの特徴と類似するキャプチャ画像を抽出する。例えば、アプリ配信ページに5枚のスクリーンショット画像SSが掲載される場合、改善パラメータの要素は5つとなる。この場合、候補画像抽出部218は、5つのそれぞれの特徴と類似するキャプチャ画像として計5枚のキャプチャ画像を抽出し、これらの5枚のキャプチャ画像を、スクリーンショット画像SSの候補とする。これにより、サービス提供部112は、スクリーンショット画像SSの候補である5枚のキャプチャ画像を、解析対象のアプリ配信ページに掲載した上で端末装置10に送信する。
以上説明した第2実施形態によれば、アプリ配信ページに複数のスクリーンショット画像SSが掲載される場合、複数のスクリーンショット画像SSのそれぞれから得られる画像特徴を要素とする多次元のパラメータをベイズ的最適化手法に用いるため、スクリーンショット画像SSの組み合わせに応じて改善パラメータを決定することができる。これにより、アプリ配信ページに掲載される画像を、より適切に決定することができる。この結果、コンバージョンが更に成立しやすいアプリ配信ページを提供することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。上述した第1および第2実施形態では、所定回数演算した後、評価値F(X)が閾値以上となる最適パラメータと類似するパラメータを有する一以上の類似キャプチャ画像を、解析対象のアプリ配信ページに掲載させるスクリーンショット画像SSとして抽出した。第3実施形態では、最適パラメータと類似するパラメータを有する一以上の類似キャプチャ画像を、あるパラメータに集中しないように分散させる点で上述した第1および第2実施形態と相違する。以下、第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1および第2実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第3実施形態の説明において、第1および第2実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
第3実施形態における候補画像抽出部218は、例えば、所定回数演算処理が繰り返されたことにより導出されたブラックボックス関数F(X)を示す波形から、評価値F(X)が閾値以上となるピークを抽出し、抽出した各ピークの周辺のパラメータから所定数(例えば1つ)のパラメータを最適パラメータとして決定し、その決定した最適パラメータを有する類似キャプチャ画像を、解析対象のアプリ配信ページに掲載させるスクリーンショット画像SSとして抽出する。
図15は、ブラックボックス関数F(X)を示す波形の一例を示す図である。図中THは閾値である。例えば、候補画像抽出部218は、ブラックボックス関数F(X)の二次微分の極小値のパラメータXを抽出し、そのパラメータXの評価値F(X)から所定幅(半値幅)以内で評価値F(X)が半値となる場合に、その二次微分の極小値のパラメータXをピークとして抽出する。図示の例では、パラメータXk、Xl、Xmがピークとして抽出されている。この場合、候補画像抽出部218は、例えば、パラメータXkを有する類似キャプチャ画像と、パラメータXlを有する類似キャプチャ画像と、パラメータXmを有する類似キャプチャ画像とを、解析対象のアプリ配信ページに掲載させるスクリーンショット画像SSとして抽出する。
以上説明した第3実施形態によれば、類似キャプチャ画像を抽出する際に決定する最適パラメータを、ブラックボックス関数F(X)のピークに基づいて分散させるため、互いに類似した類似キャプチャ画像同士を、スクリーンショット画像SSとして解析対象のアプリ配信ページに掲載させることがなくなる。
例えば、上述した図15の例において、ピークごとに最適パラメータを分散させない場合、最も評価値の大きいパラメータXmの周辺のパラメータが最適パラメータとして選ばれやすくなる。例えば、横軸のパラメータXが色彩に関するパラメータを表し、パラメータXmが赤色を表すものとする場合、解析対象のアプリ配信ページには、画像全体に対して赤色の割合が多いスクリーンショット画像SSばかりが掲載されやすくなる。これに対して、本実施形態では、ブラックボックス関数F(X)のピークに基づいて最適パラメータを分散させるため、解析対象のアプリ配信ページに、配色などを考慮してバランス良くスクリーンショット画像SSを掲載させることができる。この結果、コンバージョンが更に成立しやすいアプリ配信ページを提供することができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、アプリ配信ページに掲載されるスクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータの他に、更にアプリケーションの内容を説明した説明文に含まれるキーワードをパラメータとして抽出する点で上述した第1から第3実施形態と相違する。以下、第1から第3実施形態との相違点を中心に説明し、第1から第3実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第4実施形態の説明において、第1から第3実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
第4実施形態におけるパラメータ抽出部214は、アプリ配信ページから、そのページに掲載されたスクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータと共に、そのページで配信されるアプリケーションの説明文に含まれる所定のキーワードをパラメータとして抽出する。所定のキーワードとは、スクリーンショット画像SSと関連付けられたキーワードである。例えば、アプリケーションが、スマートフォンの縦持ちと横持ちに対応した画面を提供する場合、そのアプリケーションが配信されるアプリ配信ページには、「スマートフォンの縦持ち」または「スマートフォンの横持ち」の使用状況を表すスクリーンショット画像SSと共に、「スマートフォンの縦持ちと横持ちに対応」という説明文が合わせて掲載されてよい。「スマートフォンの縦持ち」は、例えば、ユーザの視線の上下方向にスマートフォンの長手方向が、ユーザの視線の左右方向にスマートフォンの短手方向が置かれた状況でスマートフォン(端末装置10の一例)が使用されることである。「スマートフォンの横持ち」は、縦持ちの関係が反対の状況でスマートフォンが使用されることである。例えば、所定のキーワードと、そのキーワードが示すスクリーンショット画像SSとの関連付けは、アプリ配信ページの設計者などが予め行っているものとする。
パラメータ抽出部214は、アプリ配信ページから、スクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータと、説明文に含まれる所定のキーワードを示すパラメータとを抽出した場合、これらを抽出元のアプリ配信ページに対応付けた情報を生成し、この情報をパラメータ情報D4として解析側記憶部230に記憶させる。
図16は、第4実施形態におけるパラメータ情報D4の一例を示す図である。図示のように、例えば、パラメータ情報D4は、各アプリ配信ページのページIDに対して、そのアプリ配信ページに掲載されたスクリーンショット画像SSのIDと、各スクリーンショット画像SSの画像特徴Fと、各スクリーンショット画像SSに関連付けられた説明文のキーワードWと、スクリーンショット画像SSの画像特徴FおよびキーワードWを要素とした多次元のパラメータPとが対応付けられた情報である。これによって、ベイズ的最適化手法においてブラックボックス関数F(X)の要素とするパラメータXは、スクリーンショット画像SSの画像特徴FおよびキーワードWを要素とした多次元のパラメータとして扱われることになる。
第4実施形態におけるパラメータ決定部216は、パラメータ情報D4を参照し、パラメータ抽出部214により抽出された多次元のパラメータと同じパラメータに対応付けられたページIDを特定し、アプリ毎評価情報D2から、特定したページIDに対応付けられた評価値を抽出し、その抽出した評価値を用いて、ベイズ的最適化手法により、解析対象のアプリ配信ページの改善パラメータを決定する。この改善パラメータは、スクリーンショット画像SSの画像特徴FおよびキーワードWを要素とした多次元のパラメータである。これによって、スクリーンショット画像SSと説明文との双方の組み合わせを考慮した改善パラメータを決定することができる。
以上説明した第4実施形態によれば、アプリ配信ページに掲載されるスクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータの他に、更にアプリケーションの内容を説明した説明文に含まれるキーワードをパラメータとして抽出することにより、スクリーンショット画像SSと説明文との双方の組み合わせを考慮した改善パラメータを決定することができる。これにより、解析対象のアプリ配信ページの説明文に相応しいスクリーンショット画像SSを掲載させることができる。この結果、コンバージョンが更に成立しやすいアプリ配信ページを提供することができる。
なお、上述した第4実施形態では、スクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータと組み合わせるパラメータを、説明文に含まれるキーワードとしたがこれに限られない。例えば、アプリ配信ページのアイコンの形状などを示すパラメータをスクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータに組み合わせるパラメータとしてもよいし、スクリーンショット画像SSとは別に表示される動画の有無を示すパラメータをスクリーンショット画像SSの特徴に関するパラメータに組み合わせるパラメータとしてもよい。この動画は、例えば、キャプチャ動画D3の一部または全部であってよい。
<ハードウェア構成>
上述した実施形態の解析システム1に含まれる複数の装置のうち、サービス提供装置100および解析装置200は、例えば、図17に示すようなハードウェア構成により実現される。図17は、実施形態のサービス提供装置100および解析装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
サービス提供装置100は、NIC100−1、CPU100−2、RAM100−3、ROM100−4、フラッシュメモリやHDDなどの二次記憶装置100−5、およびドライブ装置100−6が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。ドライブ装置100−6には、光ディスクなどの可搬型記憶媒体が装着される。二次記憶装置100−5、またはドライブ装置100−6に装着された可搬型記憶媒体に格納されたプログラムがDMAコントローラ(不図示)などによってRAM100−3に展開され、CPU100−2によって実行されることでサービス提供側制御部110が実現される。CPU100−2が参照するプログラムは、ネットワークNWを介して他の装置からダウンロードされてもよい。
解析装置200は、NIC200−1、CPU200−2、RAM200−3、ROM200−4、フラッシュメモリやHDDなどの二次記憶装置200−5、およびドライブ装置200−6が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。ドライブ装置200−6には、光ディスクなどの可搬型記憶媒体が装着される。二次記憶装置200−5、またはドライブ装置200−6に装着された可搬型記憶媒体に格納されたプログラムがDMAコントローラ(不図示)などによってRAM200−3に展開され、CPU200−2によって実行されることで、解析側制御部210が実現される。解析側制御部210が参照するプログラムは、ネットワークNWを介して他の装置からダウンロードされてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。