JP2018155988A - 帯線材で構成したナイロール式メガネフレーム - Google Patents

帯線材で構成したナイロール式メガネフレーム Download PDF

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政信 福島
Masanobu Fukushima
政信 福島
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Abstract

【課題】 ハーフリムと高張力糸の組み合わせでレンズを保持し、丈夫で壊れにくく、製作コストの安いナイロール式メガネフレームの提供。
【解決手段】 メガネフレームは1本の連続した帯線材7を用いて構成し、フロント部1を構成するフレームは半円弧状に湾曲すると共に内周面には凹溝9を設けた両ハーフリム4,4の間には滑らかな山形に湾曲した連結部5を設け、該ハーフリム4,4の両先端には帯線材7を90°捩って形成したヨロイ6,6を連続して設けている。そして該ヨロイ6,6からは滑らかに湾曲して延びるツル2,2を設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は細長い連続した帯線でフロント部とツルを構成するナイロール式メガネフレームに関するものである。
メガネフレームはフロント部と該フロント部の両側に取付けた2本のツルで構成され、フロント部に形成しているリムにレンズが嵌っている。そして、ツルは蝶番などの継手を介して折畳みすることが出来るように成っている。
図6は従来の一般的な金属製のメガネフレームを示しているが、フロント部(イ)の両リム(ロ)、(ロ)は連結部材(ハ)にて左右対称に連結され、該フロント部(イ)の両側にはヨロイ(ニ)、(ニ)がロウ付けされ、該ヨロイ(ニ)、(ニ)に蝶番(ホ)、(ホ)を介してツル(ヘ)、(ヘ)が折畳み出来るように取付けられている。
メガネフレームには色々なデザインが施されているが、基本的な形態は上記図6に示しているように構成している。
レンズが嵌るようにリング状をなすリム(ロ)、(ロ)の形状、両リムを連結する連結部材(ハ)の形状、フロント部(イ)の両側にロウ付けして固定されるヨロイ(ニ)の形状、さらにヨロイ(ニ)に蝶番(ホ)を介して取付けられるツルの形状などは様々である。
ところで、これら各部品は別々に製作されてメガネフレームとして組み立てられる。上記リム(ロ)はレンズが嵌るように凹溝を有す線材として引き抜き加工され、これをレンズが嵌るリング体に曲げ成形され、切口にはブローチがロウ付けされている。また、両リム(ロ)、(ロ)を連結する連結部材(ハ)は金型にて成形(鍛造加工)される。そして、ヨロイ(ニ)も金型を用いて概略L形に成形され、ツル(ヘ)にしても、一定断面でないために金型にて圧縮成形によって製作している。
このように、個々の部品を成形するために、それぞれ別々の金型を必要とし、さらに出来上がった部品をロウ付けにて組立て、メガネフレームとして完成するには多くの工程を必要としている。
勿論、メガネフレームには別の形態があり、リムを半円弧状のハーフリムとして水糸などの高張力糸と組み合わせてレンズを保持するようにしたナイロールフレームと称されるメガネフレームも知られている。
しかし、このようなナイロールフレームにしても、数多くの部品を別々に加工し、それぞれの部品をロウ付けして組立てなくて成らず、その為に多くの工程を必要としている。
ところで、前記図6に示すような従来のメガネを掛けて横になって寝ることは困難である。寝返りをして横向きになると顔と枕の間にメガネが挟まれ、該メガネは潰されて壊れる虞がある。また、同時に顔がキズ付く虞もある。
従来において、メガネを掛けたままで寝ることが出来るように構成したメガネは存在していない。
特開2015−222361号に係る「眼鏡部材及びその製造方法」は、金属製線材及び合成樹脂製シート材を組み合せて容易に製造することができると共に、軽量で良好な着用感が得られるものである。
眼鏡フレームは、金属製線材からなるワイヤと、合成樹脂製シート材からなると共に、ワイヤを内側及び外側から挟持するように設けられた内側シート体及び外側シート体とを備え、ワイヤは内側シート体及び外側シート体に埋め込まれて周囲が両シート体に溶着一体化しており、内側シート体及び外側シート体はワイヤとの溶着一体化により互いに固定されている。
実用新案登録第3184849号に係る「入浴時に使用するメガネ」は、簡単な構造で低コストで製作でき、入浴時に着用する為の使い捨てタイプのメガネである。すなわち、メガネフレームはオール樹脂製とし、フロント部のリムに嵌るレンズは射出成形し、成形後にレンズ表面に曇り止め処理を施して曇り止め層を形成している。
ところで、これらのメガネはその構造は簡単であるが、着用したままで寝ることは出来ない。
特開2015−222361号に係る「眼鏡部材及びその製造方法」 実用新案登録第3184849号に係る「入浴時に使用するメガネ」
このように、従来のメガネフレームには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、1本の細長い連続した帯線材にて構成することで、その製作も簡単で、また壊れることのない丈夫なメガネフレームを提供する。
本発明のメガネフレームは、そのフロントフレーム及び2本のツル(テンプル)を1本の細い帯線材にて構成している。すなわち、フロント部を構成するフレームは中央の連結部両側にハーフリム部を連続して設け、そして、該ハーリムの先端からはヨロイ及びツルが連続して延びている。
ここで、上記帯線材は基本的に一定幅の線材であるが、厚さは中央部が僅かに大きく膨らんでいて、表面は滑らかな凸面を形成している。
上記ハーフリムの内周面にはレンズ外周が嵌るように凹溝を形成し、レンズはこのハーフリムと該ハーフリムの両端部に止着した水糸などの高張力糸にて保持される。
ハーフリムの先端は帯線材を90°捩ってヨロイ部を形成し、該ヨロイ部からツルが滑らかに湾曲して延びている。ツルは帯線材が起立した状態で延び、その為に自由に撓み変形することが出来る。
本発明のメガネフレームは連続した1本の細長い帯線材を用いて、これを曲げ加工並びに捩れ加工することで製作している。したがって、従来の一般的なメガネフレームのように個々の部品を加工し、これら複数部品をロウ付けして組立てる場合と異なり、製作は簡単であり、その為に製作コストは安くなる。
また、1本の帯線材で構成している本発明のフレームはその構造が簡単である為に、壊れる虞は極めて少ない。
本発明のメガネフレームを用いて構成するメガネの用途は限定しないが、介護を必要とする寝たきりの老人が着用するに適している。すなわち、フロント部を支える為の鼻当てパットが無いことで、横に寝返りしてもメガネはズレ落ちて顔に無理が掛ることはなく、該メガネが潰れて壊れる虞もない。
そして、帯線材で構成されるツルは先端部にモダンはなくて撓み易く、その為に介護する人は寝たきりの被介護者に対してメガネの着脱がし易い。
一方、複数部品でなく連続した1本の帯線材で構成することで、付着した汚れを拭き取り易く、その為に不特定多数の人が掛けるメガネとしての利用価値も高い。
本発明に係るメガネを示す実施例で、平面図を示している。 本発明に係るメガネを示す実施例で、正面図を示している。 本発明に係るメガネを示す実施例で、側面図を示している。 本発明のメガネフレームを構成する帯線材を示している。 図2のA−A断面拡大図を示している。 従来の一般的なメガネフレーム。
図1〜図3は本発明に係るメガネフレームを示す実施例であり、図1は平面図、図2は正面図、図3は側面図をそれぞれ表している。同図の1はフロント部、2はツル、3はレンズを表している。
上記フロント部1を構成するフロントフレームは両ハーフリム4,4を有し、ハーフリム4,4は中央の連結部5にて左右対称に繋がれている。すなわち、該連結部5は別部品ではなく、同じ帯線材にて連続して構成している。
そして、ハーフリム4,4の先端にはヨロイ6,6を連続して形成し、該ヨロイ6,6から上記ツル2,2が延びている。図2から明らかなように両ハーフリム4,4、ヨロイ6,6、そしてツル2,2は連続し、1本の細長い帯線材にて構成している。帯線材を曲げ成形し、並びに捩れ加工して本発明のメガネフレームが作られる。
図4は該メガネフレームの材料となる帯線材7を表しているが、その断面を示すように、コーナーが角張った完全な長方形ではなく、両面8,8は滑らかな凸状曲面を成して中央部が膨らんでいる。この帯線材7を用いて曲げ加工することで連結部5及びハーフリム4,4が成形され、ハーフリム4,4の先端にて捩れ加工してヨロイ6,6が形成される。
そして、該ヨロイ6,6からはツル2,2が延びているが、滑らかに湾曲した形状とし、顔に掛けた場合には両ツル2,2は顔の側面に所定のバネ力を付勢してフイットすることが出来る。しかも、帯線材7の断面はその中央部が膨らんで、滑らかな凸状面8,8を形成していることで、肌当りは良好となる。
上記ハーフリム4にはレンズ3が嵌って保持されるが、その為にハーフリム4の内周面には凹溝9が形成され、レンズ3の外周にも凹溝10を設けている。
図2のA−A断面拡大図を図5に示しているように、上記凹溝9,10には高張力糸11が嵌ってレンズ3をハーフリム4に止着している。すなわち、レンズ3の下側は高張力糸11を介してハーフリム4に固定されている。
別の高張力糸13の両先端はハーフリム4の両側に設けている小さい穴に挿通して止着され、該高張力糸13はレンズ3の上側外周に形成している凹溝10に嵌り、該レンズ3がハーフリム4から外れないように拘束している。すなわち、レンズ3が嵌ることで該高張力糸13には大きな張力が働き、この張力の作用でレンズ3はハーフリム4から外れないように拘束される。
ところで、フロント部1には鼻当てパットはなく、両ハーフリム4,4を繋ぐ連結部5は滑らかな山形に湾曲していて、この連結部5が鼻に当たって支持される。鼻当てパットが無いことで、メガネを掛けた場合のフロント部1の安定性は多少欠けるが、該メガネを掛けたままで寝ることも出来る。
寝たきりの老人であれば無意識のうちに眠ってしまい、そのうち寝返りをして横向きに成ってもフロント部1は適当に位置ズレして、メガネに無理な力が働くことはない。勿論、顔に痛みを覚えることもない。
一方、フロント部1のヨロイ6から後方へ延びるツル2は、図3に示すように帯線材7は縦方向に起立した状態で延びている。
ツル2はその基部12から外側へ湾曲し、そして後方へ滑らかに湾曲して延びている。すなわち、ツル2は顔の側面から後頭部にかけての領域を包み込むような形状とし、しかも、メガネを掛けた場合にはツル2を多少外方向へ押し開くようになり、その反力としてのバネ力が顔側面及び後頭部に働くようになる。
該ツル2はその先端部にモダンを挿着しておらず、すなわち帯線材7を滑らかな形状に成形しただけのものであり、その為にメガネを掛けたままで横向きに成って寝てしまった場合でも、ツル2は頭と枕の間に挟まれて適度に変形し、また介護者は着用しているメガネを取外し易い。すなわち、頭と枕に挟まれているツル2はスムーズに引抜かれる。勿論、ツル2が破損することはなく、メガネフレームによって、顔がキズ付く虞もない。
上記実施例で示したフロント部1のハーフリム4はレンズ3の下側が嵌るように成っている。勿論、この方が中央の連結部5とハーフリム4,4は滑らかな曲線にて連続し易い形状となる為に好ましいが、レンズ3の上側半分を拘束することが出来るようにハーフリムを上側に配置することも可能である。
ところで、上記実施例では一定幅で一定厚さの帯線材7を使用しているが、ハーフリム4やツル2の基部を構成する領域での帯線材7の幅寸法を小さくする場合もある。また、その他の領域での帯線材7の幅寸法又は厚さ寸法を僅かに変更することも可能である。
1 フロント部
2 ツル
3 レンズ
4 ハーフリム
5 連結部
6 ヨロイ
7 帯線材
8 面
9 凹溝
10 凹溝
11 高張力糸
12 基部
13 高張力糸

Claims (3)

  1. ハーフリムと高張力糸の組み合わせでレンズを保持するようにしたナイロール式メガネフレームにおいて、該メガネフレームは1本の連続した帯線材を用いて構成し、フロント部を構成するフレームは半円弧状に湾曲すると共に内周面には凹溝を設けた両ハーフリムの間には滑らかな山形に湾曲した連結部を設け、該ハーフリムの両先端には帯線材を90°捩って形成したヨロイを連続して設け、そして該ヨロイからは滑らかに湾曲して延びるツルを設けたことを特徴とするナイロール式メガネフレーム。
  2. 上記帯線材はその両面が滑らかな凸状を形成するように中央部を膨らませた請求項1記載のナイロール式メガネフレーム。
  3. 上記ハーフリム又はツル基部を構成する領域での帯線材の幅寸法を小さくした請求項1、又は請求項2記載のナイロール式メガネフレーム。













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