JP2018155841A - 光制御シート、光制御シートを備える窓部材及び建具 - Google Patents

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雅幸 関戸
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Abstract

【課題】虹のような光模様の発生を抑制することが可能な光制御シートを提供する。
【解決手段】光制御シートの光透過部に形成される複数の溝は、反射面と光の入射面に対する法線とのなす角度が第1角度である第1溝と、前記反射面と前記法線とのなす角度が第2角度である第2溝とを少なくとも含み、前記第1角度と前記第2角度が異なる。
【選択図】図3

Description

本開示は、光制御シート、光制御シートを備える窓部材及び建具に関する。
近年、省エネルギー等を目的として、日光等の外光の吸収、偏向、反射、透過等の調整を可能とする光制御シートの開発が進められている。特許文献1には、外光を採り入れるための光制御シートが開示されている。
特開2014−126713号公報
特許文献1の光制御シートは、一方の表面に複数の溝を有する光透過部と、上記溝内に形成された光制御部とを備えており、光透過部と光制御部との間の界面によって光を反射させることにより、外光を室内の奥まで導くことが可能である。従来では、光の反射面(すなわち、光透過部と光制御部との間の界面)の角度は、各溝で同じになるように形成されている。
上記の構成において、各波長の光が光透過部の入射側の面に同じ角度で入射した場合、屈折率は波長によって変わるため、各波長の光の屈折角は異なる。例えば、第1波長の光(例えば、赤の光)と第2波長の光(例えば、青の光)の屈折角は互いに異なる。したがって、各波長の光は上記反射面に対して異なる角度で入射し、その後、上記反射面で反射した各波長の光は、光透過部の出射側の面から出るときも、異なる角度で屈折する。結果として、各波長の光はそれぞれ異なる角度で光制御シートから出射して室内に導かれることになる。したがって、従来の光制御シートでは、各波長の光が混ざり合うことなく、室内に虹のような光模様を生じさせる場合がある。
本開示は、虹のような光模様の発生を抑制することが可能な光制御シートを提供する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例をあげるならば、第1面及び第2面を有し、前記第1面から入射する光の進行方向を変えて前記第2面へ透過させる光制御シートであって、前記第1面において間隔を空けて配置された複数の溝を有する光透過部と、前記溝に形成され、前記光透過部の屈折率と異なる屈折率を有する光制御部と、を含み、前記光透過部と前記光制御部との間の界面は、前記光の反射面を構成する第1界面と、前記第1界面に対して前記光制御部を挟んで反対側に位置する第2界面と、を有し、前記第1界面は、前記第1面の法線方向に非平行であり、前記複数の溝は、前記第1界面の前記反射面と前記法線とのなす角度が第1角度である第1溝と、前記第1界面の前記反射面と前記法線とのなす角度が第2角度である第2溝とを少なくとも含み、前記第1角度と前記第2角度が異なる、光制御シートが提供される。
本開示によれば、虹のような光模様の発生を抑制することができる。本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本開示の一実施形態に係る建物1の窓部材3の平面図である。 本開示の一実施形態に係る光制御シート10の一部を示す概略斜視図である。 図2の光制御シート10の概略拡大断面図である。 本開示の一実施形態に係る溝の複数の例を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る光制御シート10の一部を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る光制御シート10の一部を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る第1界面の反射面と光制御シート10の第1面10aの法線方向とのなす角度を説明するための図である。 本開示の一実施形態に係る関係式を説明するための図である。 本開示の一実施形態に係る光制御シート10を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る窓部材を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る窓部材を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。
本開示の一実施形態に係る光制御シートは、建物の建具の一部として使用されるものである。例えば、建物は、複数の開口部を有し、当該開口部が窓として使用され得る。本明細書等において、窓とは、採光を目的として壁面に設けられた開口部であり、ガラス、樹脂、障子等の透光部材で外界と仕切るものを示す言葉として用いられる。窓という用語は、採光の機能を伴っていれば、人の出入り可能な通路としての開口部、いわゆる戸、扉をも含む広い概念として用いられる。
図1は、本開示の一実施形態に係る建物1の窓部材3の平面図である。建物1は、開口部2を有する。開口部2には窓部材3が配置されている。本例では、窓部材3は、枠4と、枠4の枠組み内に配置されたガラス等の透光部材5とを備える。
本開示の一実施形態に係る光制御シートは、透光部材5のガラスに沿って配置され、ガラスに入射する外光の光路を偏向して、外光が直接入射しない建物1の内部へ導くものである。例えば、光制御シートは、光透過部及び光制御部から構成されており、接着層等を介してガラスの表面に接着される。なお、光制御シートは、建物1の開口部2に沿って配置され、必要に応じて開口部2から入射する光を制御する巻き取り可能なカーテンの形態で使用されてもよい。
図2は、本開示の一実施形態に係る光制御シート10の一部を示す概略斜視図であり、図3は、図2の光制御シート10の概略拡大断面図である。光制御シート10は、第1面10aと、第1面10aに対して反対側にある第2面10bとを有し、第1面10aから入射する光の進行方向を変えて第2面10bへ透過させる。光制御シート10は、透光性を有するシート状の基材層11と、光を偏向する光偏向層12とを備える。基材層11は、第1基材面11aと、第2基材面11bとを有する。光偏向層12は、基材層11の第1基材面11aに形成されている。
基材層11は、光偏向層12を形成するための基材となる層である。基材層11は、透光性を有するとともに光偏向層12の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層11を構成する材料の具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
光偏向層12は、複数の溝21〜21を有する光透過部22と、複数の溝21〜21に形成され、光透過部22の屈折率と異なる屈折率を有する光制御部23とを備える。
光透過部22は、第1面10aにおいて間隔を空けて配置された複数の溝21〜21を有する。また、光透過部22は、光制御部23と屈折率が異なる部材である。本実施形態では、例えば図2に示すように、複数の溝21〜21が、第1面10aにおいて直線状かつ並列に配列されている。
光透過部22を構成する材料としては、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。ここで、光透過部22を構成する材料の屈折率は、基材層11の屈折率と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし両者間で屈折率差があるとその界面で光が偏向されてしまう可能性が高まるので、同じ材料であること、又は異なる材料であっても屈折率差が小さい、あるいは屈折率差がないことが好ましい。
光制御部23は、複数の溝21〜21に形成される部分であり、ここに照射された光を全反射して偏向可能に構成された部分である。そのため、光制御部23は、溝21〜21の空間の少なくとも一部に光透過部22よりも屈折率が低い材料が充填されることによって形成される。なお、図2及び図3では、光制御部23に充填される材料の図示は省略されている。光制御部23の具体的な構成は図5及び図6を用いて後述する。この構成によれば、光制御部23と光透過部22との屈折率差、及びその界面に入射する光の角度の関係により、入射した光が全反射条件を満たせばここでその光を全反射して偏向することができる。
なお、光透過部22と光制御部23に充填された材料との屈折率差は、0.03以上、より好ましくは0.05以上である。屈折率差が0より大きく0.03より小さい範囲では、全反射時の波長分散(波長により全反射角度が異なることによる分散。)が生じた際に長波長の成分が全反射せず、短波長の成分のみが全反射することがあり、色彩の変化が生じる虞がある。
光偏向層12は、光透過部22と光制御部23との間に界面を有する。光透過部22と光制御部23との間の界面は、光の反射面を構成する第1界面24と、第1界面24に対して光制御部23を挟んで反対側に位置する第2界面25とを有する。第1界面24は、第1面10aの法線方向に非平行な面を含む。ここで、第1面10aの法線方向とは、第1面10aに対して垂直な方向をさす。図面上では、第1面10aの断面は直線状であるため、第1面10aの法線方向とは、第1面10aに対して垂直な方向をさす。なお、実際には、第1面10aの表面に微小な凹凸がある場合もある。この場合には、第1面10aを直線で近似し、当該直線を第1面10aとみなして法線方向を定義してよい。
第1界面24は、第1面10aから第2面10bに向かって形成され、第1面10aの法線方向に対して第1傾斜角度θを有する第1傾斜面24aと、第1傾斜面24aよりも第2面10b側に形成され、第1面10aの法線方向に対して、第1傾斜角度θよりも小さい第2傾斜角度θを有する第2傾斜面24bとを有する。このように、異なる角度の傾斜面を設けることにより、季節や時間により異なる太陽の高度を考慮し、太陽光を光透過部22と光制御部23との界面で全反射して偏向することができる場面を拡大することができる。したがって、第1傾斜角度θ及び第2傾斜角度θは上記の観点から決められることが好ましい。
なお、光透過部22における溝21〜21の断面及び光透過部22と光制御部23との間の界面の構成は、図3の例に限定されない。図4は、本開示の一実施形態に係る溝21の複数の例を示す概略断面図である。図4(a)に示すように、第1界面24及び/又は第2界面25が曲線状の断面を有してもよい。また、図4(b)に示すように、第1界面24が、第1面10aの法線方向に非平行な面を一部に含むように構成されてもよい。また、第2界面25は、第1面10aの法線方向に平行であってもよい。また、図4(c)に示すように、第1界面24の全体が、第1面10aの法線方向に非平行な面で構成されてもよい。また、図2及び図3では、全ての溝21〜21の断面が同じ形状で図示されているが、複数の溝21〜21は異なる断面形状の溝を含んでもよい。
図5及び図6は、本開示の一実施形態に係る光制御シート10を示す概略断面図であり、光制御部23の具体的な構成を説明する図である。図5の例では、光制御部23は、第1屈折率nを有する第1光制御部分26で構成されている。例えば、第1光制御部分26は樹脂である。第1光制御部分26に用いられる材料は、溝21内に充填することが可能な材料であり、かつ、全反射のための条件(光透過部22との屈折率差)を満たすことが可能な材料であれば特に限定されるものではない。第1光制御部分26に用いられる具体的な材料としては、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
図6の例では、光制御部23は、第1屈折率nを有する第1光制御部分26と、第1屈折率nと異なる第2屈折率nを有する第2光制御部分27とを有する。第1屈折率nは第2屈折率nよりも大きい。例えば、第1光制御部分26は樹脂であり、第2光制御部分27は空気である。なお、第2光制御部分27は、空気以外の気体でもよく、一例として、窒素などの気体でもよいし、複層ガラスで使用されるアルゴンガス等でもよい。この構成によれば、第1光制御部分26と第2光制御部分27との屈折率差、及びその界面に入射する光の角度の関係により、光制御部23に入射した光が全反射条件を満たせばここでその光を全反射して偏向することができる。この構成によれば、光透過部22と光制御部23の第1光制御部分26との間の界面だけでなく、第1光制御部分26と第2光制御部分27との間の界面でも、第1面10aから入射した光を反射させることができる。
なお、別の例として、光制御部23が空気のみで構成されてもよい。この場合、光透過部22と光制御部23の空気との間の界面で、第1面10aから入射した光を反射させることができる。
図2及び図3に戻り、本実施形態の構成をさらに説明する。本実施形態では、複数の溝21〜21において、第1界面24の反射面と第1面10aの法線方向(以下、単に「法線」という)とのなす角度が一様になっていない。「一様になっていない」とは、複数の溝21〜21において、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が互いに異なる溝が少なくとも2つ含まれていることをさす。図3に示すように、複数の溝21〜21は、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が第1角度αである第1溝21と、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が第2角度αである第2溝21を少なくとも含む。
ここで、「第1界面24の反射面」とは、第1界面24が角度の異なる2つ以上の面で構成されている場合は、第1界面24の始点と終点を結んだ線のことをさす。「第1界面24の反射面と法線とのなす角度」とは、第1界面24の始点と終点を結んだ線と法線とのなす角度をさす。
図7は、本開示の一実施形態に係る第1界面24の反射面と光制御シート10の第1面10aの法線方向とのなす角度を説明するための図である。図7(a)に示すように、第1界面24が2つの傾斜面(第1傾斜面24a及び第2傾斜面24b)で構成されている場合、第1界面24の反射面とは、第1傾斜面24aの第1面10a側の始点から第2傾斜面24bの終点を結んだ線をさす。図7(b)に示すように、第1界面24が曲線で構成されている場合、第1界面24の反射面とは、第1界面24の第1面10a側の始点から終点を結んだ線をさす。なお、第1界面24が直線及び曲線の両方の面を含む場合でも同様である。
本実施形態では、図3に示すように、第1溝21の第1界面24が、第1面10aの法線方向に対して第1傾斜角度θを有する第1傾斜面24aと、第1面10aの法線方向に対して第2傾斜角度θを有する第2傾斜面24bとを有する。また、第2溝21の第1界面24が、第1面10aの法線方向に対して第3傾斜角度θを有する第1傾斜面24aと、第1面10aの法線方向に対して第4傾斜角度θを有する第2傾斜面24bとを有する。これにより、第1溝21の第1角度αと第2溝21の第2角度αが異なるように構成されている。
上記では、θ、θ、θ、θが互いに異なる角度であるが、これに限定されない。第1溝21の第1角度αと第2溝21の第2角度αが異なるように構成されればよいため、例えば、第1溝21のθとθの少なくとも一方が、第2溝21のθとθに対して異なっていればよい。
従来では、光の反射面(すなわち、光透過部と光制御部との間の界面)の角度は、各溝で同じになるように形成されていたが、本実施形態では、光の反射面が複数の溝21〜21において一様となっていないため、入射光を溝ごとで異なる角度で反射することができ、各波長の光が近接し又は混ざり合うことになる。これにより、室内に虹のような光模様が映るのを防ぐことができる。
各波長の光がより効果的に近接し又は混ざり合うことを目的として、第1角度αを有する第1溝21と第2角度αを有する第2溝21が交互に配置されてもよい。ここで、「第1溝21と第2溝21が交互に配置されている」とは、一連の複数の溝21〜21の全体において交互に配置されている必要はなく、少なくとも一部分で交互に配置されていればよい。
次に、より効果的に虹のような光模様を防ぐために、赤色光(656.3nm)と青色光(486.1nm)が光制御シート10から出射する角度(以下、出射角度という)について検討する。虹のような光模様を防ぐためには、例えば、赤色光の出射角度と青色光の出射角度が近接していることが好ましい。以下では、赤色光の出射角が青色光の出射角よりも小さくなるように設定する際の関係式を求める。
図8は、上記関係式を説明するための図であり、光制御シート10に入射する光の入射角度、光の反射面、及び、光制御シート10から出射する光の出射角度を模式的に表した図である。第1面10aに入射する光の入射角をθinとする。赤色光(656.3nm)の光に対する光透過部22の屈折率をnrとし、青色光(486.1nm)の光に対する光透過部22の屈折率をnbとする。また、赤色光の屈折角及び青色光の屈折角を、それぞれ、φr、φbとする。また、赤色光の出射角及び青色光の出射角を、それぞれ、θoutr、θoutbとする。また、複数の溝21〜21における第1界面24の反射面と法線とのなす角度のうち、最小となる角度をα、最大となる角度をα’とする。
1.0×sinθin = nb sinφb= nr sinφr
nb sin(φb-2α)=1.0×sinθout b
nr sin(φr-2α’)=1.0×sinθout r
sinθout b≧sinθout r
となる。これらの式から、φb, φr,θout b,θout rを削除すると、以下の式(1)となる。
α’≧1/2[Arcsin(sinθin/nr)-Arcsin(nb/nr {sin(Arcsin(sinθin/nb)-2α)})] (1)
以上から、本実施形態が式(1)を満たすことが好ましい。式(1)の関係を満たすことにより、赤色光の出射角度と青色光の出射角度が近接し又は混ざり合うことになり、虹のような光模様をより効果的に防ぐことができる。
また、各波長の光が混ざり合うためには、α’とαの角度の差が所定の値以上あることが好ましい。好ましくは、α’− α≧0.7°であり、より好ましくは、α’− α≧1°である。なお、虹模様を軽減する効果に影響はないものの、αの値によって光の出射角(すなわち、出射する方向)が決まるため、α’の値が大きすぎると、所望の方向に光が出射できない場合もある。したがって、好ましくは、α’− α≦10°であり、より好ましくは、α’− α≦5°である。
図9は、本開示の一実施形態に係る光制御シート10を示す概略断面図である。好ましくは、複数の溝21〜21は、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が互いに異なる3つ以上の溝を含む。図9の複数の溝21〜21は、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が第1角度αである第1溝21と、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が第2角度αである第2溝21と、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が第3角度α’である第3溝21とを含む。第1溝21と第2溝21の構成は図3と同じであるため、説明を省略する。第3溝21の第1界面24が、第1面10aの法線方向に対して第5傾斜角度θを有する第1傾斜面24aと、第1面10aの法線方向に対して第6傾斜角度θを有する第2傾斜面24bとを有する。これにより、第1溝21の第1角度αと第2溝21の第2角度αと第3溝21の第3角度α’が互いに異なるように構成されている。
ここでは、第1角度αが、複数の溝21〜21における第1界面24の反射面と法線とのなす角度のうち最小となる角度であり、第3角度α’は最大となる角度である。図9の例では、α<α<α’である。好ましくは、光制御シート10の第1面10aは、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が第1面10aの所定の方向に関してαからα’へ連続的に変化する部分を含んでもよい。図9の例では、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が、上方向に向かって徐々に大きくなっているが、これとは反対の下方向に向かって徐々に大きくなるような構成でもよい。この構成によれば、各波長の光がより効果的に近接し又は混ざり合うことになり、室内に虹のような光模様が映るのを防ぐことができる。
なお、「αからα’へ連続的に変化する」とは、図9の例に限定されず、第1角度αを有する第1溝21が1つ以上並んだ後に、第2角度αを有する第2溝21が1つ以上並び、その次に、第3角度α’を有する第3溝21が1つ以上並ぶような構成でもよい。
次に、本実施形態の光制御シート10の製造方法を説明する。
連続帯状の透明2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(膜厚:100μm)の一方の表面に、アクリル系モノマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、光重合開始剤等からなる液状の光透過部用組成物を、硬化後の膜厚が120μmとなるように塗布した。
表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ165μm、版表面側の幅が33μm、版表面から遠い側の幅が10μmの台形の凸部を、59μm周期で互いに平行に配列した複数の凸状群(溝21と同形状且つ逆凹凸)が形成されたロール金型を準備した。
上記ロール金型とPETフィルムとの間に上記光透過部用組成物が挟まれた状態で、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、上記光透過部用組成物を架橋硬化させた後、ロール金型を剥離した。これにより、PETフィルム(基材層11)の片面上に、複数の溝21〜21を有する光透過部22を形成した。
溝21〜21の断面形状は、上記ロール金型の凸状群の反転形状である。すなわち、複数の溝21〜21は、略台形の凹状群である。
上記紫外線照射の際に、成型箇所が水銀灯の中央部分と端部分でランプ照射角度が異なることから、第1界面24を構成する傾斜面の角度が変化する。これにより、複数の溝21〜21において、第1界面24の反射面と法線とのなす角度が一様にならない光制御シート10を製造することができる。この構成によれば、複数の溝21〜21で反射した光の出射角がそれぞれ変化する。
図10は、本開示の一実施形態に係る窓部材を示す概略断面図である。本実施形態では、光制御シート10の第1面10aが、接着層31を介して窓部材を構成する透光部材(例えば、ガラス)32の表面に接着される。なお、光制御シート10は、図示しない追加の層を備えてもよい。例えば、光制御シート10は、第2面10bに、表面保護を目的として、ハードコート層を備えてもよい。
図11は、本開示の一実施形態に係る窓部材を示す概略断面図である。光制御シート10は、合わせガラス構造の中間膜として用いられてもよい。窓部材は、第1透光部材(例えば、ガラス)32と、第2透光部材(例えば、ガラス)34と、第1透光部材32と第2透光部材34との間に配置された光制御シート10とを備える。第1透光部材32は、光制御シート10の第1面10aに第1接着層31を介して接着されている。第2透光部材34は、光制御シート10の第2面10bに第2接着層33を介して接着されている。本実施形態では、光制御シート10が合わせガラス構造の中間膜として使用されているため、日光等の外光を室内へ導く機能を備えながらも、外部衝撃に強く、また、遮音性も高めた窓部材を提供することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることがあり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 …建物
2 …開口部
3 …窓部材
4 …枠
5 …透光部材
10 …光制御シート
10a …光制御シートの第1面
10b …光制御シートの第2面
11 …基材層
11a …第1基材面
11b …第2基材面
12 …光偏向層
21〜21…溝
22 …光透過部
23 …光制御部
24 …第1界面
24a …第1傾斜面
24b …第2傾斜面
25 …第2界面
26 …第1光制御部分
27 …第2光制御部分

Claims (13)

  1. 第1面及び第2面を有し、前記第1面から入射する光の進行方向を変えて前記第2面へ透過させる光制御シートであって、
    前記第1面において間隔を空けて配置された複数の溝を有する光透過部と、
    前記溝に形成され、前記光透過部の屈折率と異なる屈折率を有する光制御部と、を含み、
    前記光透過部と前記光制御部との間の界面は、前記光の反射面を構成する第1界面と、前記第1界面に対して前記光制御部を挟んで反対側に位置する第2界面と、を有し、
    前記第1界面は、前記第1面の法線方向に非平行であり、
    前記複数の溝は、前記第1界面の前記反射面と前記法線とのなす角度が第1角度である第1溝と、前記第1界面の前記反射面と前記法線とのなす角度が第2角度である第2溝とを少なくとも含み、
    前記第1角度と前記第2角度が異なる、光制御シート。
  2. 前記複数の溝における前記第1界面の前記反射面と前記法線とのなす角度のうち、最小となる角度をα、最大となる角度をα’とした際に、
    α’≧1/2[Arcsin(sinθin/nr)-Arcsin(nb/nr{sin(Arcsin(sinθin/nb)-2α)})]
    を満たし、ここで、θinは、前記第1面に入射する光の入射角、nrは、656.3nmの光に対する前記光透過部の屈折率であり、nbは、486.1nmの光に対する前記光透過部の屈折率である、請求項1に記載の光制御シート。
  3. α’− α≧1°である、請求項2に記載の光制御シート。
  4. α’− α≧0.7°である、請求項2に記載の光制御シート。
  5. 前記第1面は、前記第1界面の前記反射面と前記法線とのなす角度が前記第1面の所定の方向に関して前記αから前記α’へ連続的に変化する部分を含む、請求項2に記載の光制御シート。
  6. 前記第1界面は、
    前記第1面から前記第2面に向かって形成され、前記法線方向に対して第1傾斜角度を有する第1傾斜面と、
    前記第1傾斜面よりも前記第2面側に形成され、前記法線方向に対して、前記第1傾斜角度よりも小さい第2傾斜角度を有する第2傾斜面と、
    を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光制御シート。
  7. 前記光透過部の前記屈折率は、前記光制御部の前記屈折率よりも大きい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光制御シート。
  8. 前記光制御部は、樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光制御シート。
  9. 前記光制御部は、気体を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光制御シート。
  10. 前記光制御部は、気体のみを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光制御シート。
  11. 前記第1面は、前記第1溝及び前記第2溝が交互に配置されている部分を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光制御シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光制御シートと、
    前記光制御シートの前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に接着層を介して配置された透光部材と、
    を備える窓部材。
  13. 請求項12に記載の窓部材を備える建具。
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