JP2018155023A - ひび割れ発生時期の予測方法、および、アルカリシリカ反応の早期検知方法、 - Google Patents

ひび割れ発生時期の予測方法、および、アルカリシリカ反応の早期検知方法、 Download PDF

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【課題】本発明は、セメント質硬化体のひび割れ発生時期を、高い精度で簡易に予測する方法等を提供する。【解決手段】発明は、少なくとも、下記(A)〜(C)工程を経て導出した、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式と、下記(D)工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する、ひび割れ発生時期の予測方法である。(A)セメント質硬化体の取得対象面のデジタル画像を経時的に取得する、画像取得工程。(B)前記デジタル画像に基づきデジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最大主ひずみの経時変化を算出する、最大主ひずみの経時変化算出工程。(C)前記最大主ひずみの経時変化に基づき、フィッティングにより、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式を導出する、予測式導出工程。(D)ひび割れ発生時の最大主ひずみ値を予め設定する、最大主ひずみ値設定工程。【選択図】図8

Description

本発明は、コンクリート、およびモルタル(以下「セメント質硬化体」という。)のデジタル画像を解析して、セメント質硬化体のひび割れ、特に、アルカリシリカ反応によるひび割れの発生時期を予測する方法、および、アルカリシリカ反応を早期に検知する方法に関する。
アルカリシリカ反応は、反応性骨材中のシリカと、コンクリート中のアルカリ金属イオンが、高いpH条件下で反応して生成するアルカリシリカゲルが吸水して膨張することにより、セメント質硬化体にひび割れが生じる現象である。このアルカリシリカ反応に起因するひび割れは亀甲状を呈するため、乾燥収縮など他の劣化によるひび割れとは、ひび割れの形状で区別できる。そして、このアルカリシリカ反応は、セメント質硬化体の耐久性を低下させる主因の一つとして知られている。
したがって、セメント質硬化体の耐久性を確保するには、ひび割れの発生時期を予測して事前に補強等の対策をとる必要がある。
従来、ひび割れを測定する方法では、JIS A 1129−1〜3「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法」に準拠して、コンクリート表面に貼付したひずみゲージで測定したひずみ値を用いている。しかし、該方法をアルカリシリカ反応によるひび割れの発生時期の予測に用いる場合、下記(i)〜(iv)の課題がある。
(i)貼付されたひずみゲージが、アルカリシリカ反応に影響を与える水分を遮断し、ひずみ値を正確に測定できない場合がある。
(ii)水分によってひずみゲージが剥がれ、測定不能になる場合がある。
(iii)ひずみゲージによる測定は一地点に限られるため、ひび割れの発生箇所を予測できるひずみ値を、複数の地点で測定するのは難しい。
(iv)アルカリシリカ反応によるひび割れは進展性があるから、一地点でのひずみの測定では、ひび割れの進展を予測することは難しい。
したがって、この進展性により亀甲状に発生するアルカリシリカ反応によるひび割れを予測するには、ひび割れの発生が懸念される一定の広さの表面において、ひずみ分布の経時変化を捉える必要がある。
ところで、特許文献1に記載の方法は、アルカリシリカ反応によるひび割れを経時的に追跡する方法であり、具体的には、コンクリート構造物に小口径のモニタリングホールを削孔し、該ホールの壁面を第1センサーによりスキャニングし、画像解析によりアルカリシリカ反応の1次診断を行い、追跡調査の必要性があれば、残存耐荷力の照査を行い、残存耐荷力が必要耐荷力以上であれば、さらに、アルカリシリカ反応の進行性を確認するため、前記ホールの壁面に第2センサーを設置して、ひび割れの進行性をモニタリングするなどの方法である。しかし、該方法は、コンクリート構造物を削孔しなければならず、また追跡作業が煩雑である。
特開2014−189961号公報
したがって、本発明は、セメント質硬化体のひび割れ発生時期を、高い精度で簡易に予測する方法と、セメント質硬化体のアルカリシリカ反応を早期に検知できる方法を、提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的にかなう予測方法を検討した結果、デジタル画像相関法を用いて把握したセメント質硬化体表面のひずみの経時変化に基づき予測式を算出し、該予測式と、ひび割れが発生する最大主ひずみ値から、ひび割れが発生する時期等を、高い精度で簡易に予測できること等を見い出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記の構成を有するひび割れ発生時期の予測方法等である。
[1]少なくとも、下記(A)〜(C)工程を経て導出した、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式と、下記(D)工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する、ひび割れ発生時期の予測方法。
(A)セメント質硬化体の取得対象面のデジタル画像を経時的に取得する、画像取得工程
(B)前記デジタル画像に基づきデジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最大主ひずみの経時変化を算出する、最大主ひずみの経時変化算出工程
(C)前記最大主ひずみの経時変化に基づき、フィッティングにより、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式を導出する、予測式導出工程
(D)ひび割れ発生時の最大主ひずみ値を予め設定する、最大主ひずみ値設定工程
[2]前記セメント質硬化体が反応性骨材を含む、前記[1]に記載のひび割れ発生時期の予測方法。
[3]前記ひび割れが、アルカリシリカ反応により生じたひび割れである、前記[1]または[2]に記載のひび割れ発生時期の予測方法。
[4]少なくとも、下記(a)工程および(b)工程を経て得た最大主ひずみの分布の像における亀甲状のひずみの出現により、アルカリシリカ反応を早期に検知する、アルカリシリカ反応の早期検知方法。
(a)セメント質硬化体の取得対象面のデジタル画像を経時的に取得する、画像取得工程
(b)前記デジタル画像に基づきデジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最大主ひずみの分布を得る、最大主ひずみ分布取得工程
[5]前記[4]に記載のアルカリシリカ反応の早期検知方法によりアルカリシリカ反応を検知した場合において、前記(C)工程を経て導出した予測式と、前記(D)工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のひび割れ発生時期の予測方法。
本発明のひび割れ発生時期の予測方法は、高い精度で簡易に、ひび割れが発生する時期を予測することができる。また、本発明のアルカリシリカ反応の早期検知方法は、アルカリシリカ反応を早期に検知できる。
ブロック状の試験体および、そこから厚さ50mmに切り出す版体の試験体(灰色部分)を示す図である。ただし、図1中の数値の単位はmmである。 実施例で用いたデジタル画像取得用スキャナーを示す写真である。 デジタル画像相関法による試験体の計測範囲と、コンタクトゲージ用チップの貼付位置を示す図である。ただし、図3中の数値の単位はmmである。 促進養生期間が13日、28日、および56日における、最大主ひずみの分布を示す図である。ただし、図4中の数値は、×10−6が略されている。 コンタクトゲージを用いて測定した、ひずみの経時変化を示す図である。 ひび割れ発生時の最大主ひずみ値(数値×10−6)を設定するための根拠を示す図である。 デジタル画像を取得する3箇所を座標で示した図である。 座標(2600,12350)と座標(6100,4700)の箇所における、最大主ひずみの経時変化を示すグラフである。 座標(3600,7850)の箇所における、最大主ひずみの経時変化を示すグラフである。
本発明のひび割れ発生時期の予測方法は、前記のとおり、少なくとも、(A)画像取得工程、(B)最大主ひずみの経時変化算出工程、および(C)予測式導出工程を経て導出した予測式と、(D)最大主ひずみ値設定工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する方法である。また、本発明のアルカリシリカ反応の早期検知方法は、少なくとも、(a)画像取得工程、および(b)最大主ひずみ分布取得工程を経て得た最大主ひずみの分布の像における亀甲状のひずみの出現により、アルカリシリカ反応を早期に検知する方法である。
以下、前記ひび割れ発生時期の予測方法と、アルカリシリカ反応の早期検知方法について詳細に説明する。
1.ひび割れ発生時期の予測方法
(A)画像取得工程
該工程は、セメント質硬化体(試験体)の取得対象面のデジタル画像を経時的に取得する工程である。
ここで、前記セメント質硬化体は、特に制限されず、普通コンクリート、水密コンクリート、暑中コンクリート、寒中コンクリート、マスコンクリート、流動化コンクリート、高流動コンクリート、高強度コンクリート、低発熱コンクリート、膨張コンクリート、プレストレストコンクリート、低収縮コンクリート、繊維補強コンクリート、軽量コンクリート、ポリマーコンクリート、およびモルタルが挙げられる。
良好なデジタル画像を取得するために、セメント質硬化体の取得対象面は、研磨することが好ましい。
また、セメント質硬化体が変形する前後において、取得対象面のデジタル画像を取得する。画像を取得する時期は、ひび割れが発生すると蓄積されたひずみが開放されてしまうため、セメント質硬化体が硬化した後から、少なくともひび割れが発生する前までには取得する。前記変形には、アルカリシリカ反応による膨張が含まれる。ここで、変形前のセメント質硬化体の画像取得時に、画像の取得面に水分が付着していると、色のコントラストが小さくなり、また色むらが生じて、乾燥後に取得した画像との相関性が著しく低下する場合がある。この相関性の低下を避けるため、画像取得前に、乾燥前のセメント質硬化体の撮影面に圧縮空気等を噴射して撮影面の水分を除去するか、または撮影面から水分がなくなるまで静置して風乾するなどの前処理を行う。なお、当該前処理は、画像の取得面に水分が付着している場合に行う任意の処理である。
(B)最大主ひずみの経時変化算出工程
該工程は、前記デジタル画像に基づき、デジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最大主ひずみの経時変化を算出する工程である。前記デジタル画像は、セメント質硬化体の変形前後のデジタル画像であり、デジタル画像相関法を用いて変形後の最大主ひずみを算出する。
前記デジタル画像相関法は、ひずみによる変形の前後に取得したデジタル画像の輝度値の分布に基づいて、セメント質硬化体上の移動量を算出し最大主ひずみに変換する方法である。
具体的には、以下の計算過程を経てひずみを算出する。
(i)変形前のデジタル画像において、任意の位置を中心とするサブセット内の輝度値分布を求める。
(ii)変形後のデジタル画像の輝度値分布と最も相関性が高い輝度値分布を有する、変形前のデジタル画像のサブセットを探索し、その中心点を着目点が変位した後の位置として捉えて、着目点から該中心点へ変位した量を算出し、さらに該変位した量を最大主ひずみに変換する。なお、変形前後のサブセットの相関性は、下記(1)式の相関係数Rを用いて表す。
ただし、実際は、矩形に設定した変形前のサブセットに対し、変形後のデジタル画像そのものが変形しているため、サブセットが矩形にならない場合がある。この場合、これを補正するため、サブセット内部において変位勾配が一定と仮定して、変形前後の座標(x,y)および(x*,y*)には下記(2)式を用いる。
以上の計算は、市販の画像解析用ソフトウエア(例えば、digital:Correlated solutions社製)を用いて行なうことができる。
(C)予測式導出工程
該工程は、前記最大主ひずみの経時変化に基づき、フィッティングにより、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式を導出する工程である。該フィッティングは、市販のアプリケーションソフト(例えば、Microsoft Excel、マイクロソフト社製)を用いて行なうことができる。なお、前記予測式の一例として、下記(i)式が挙げられる。
Y=aebX ・・・(i)
ただし、(1)式中、Yは最大主ひずみ値、Xは時期(日)、a、bはフィッティングにより求まる定数を表す。
(D)最大主ひずみ値設定工程
該工程は、ひび割れ発生時の最大主ひずみ値を予め設定する工程であり、ひび割れが発生する時期とその時のひずみ値に関する今までの経験(経験則)に基づきひび割れ発生時の最大主ひずみ値を設定する。経験上、ひび割れ発生時の最大主ひずみ値は、ひび割れが発生する原因、セメント質硬化体を構成する材料、およびセメント質硬化体の表面状態等により若干異なるが、デジタル画像相関法により算出した最大主ひずみは、図6に示すように、概ね7000×10−6に設定してよい。また、セメント質硬化体の面内に初期のひび割れの発生が確認できるときは、そのときの最大主ひずみ値を用いると精度は向上する。
そして、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式に、前記設定した最大主ひずみ値を代入して、ひび割れが発生する時期を算出する。
後述する実施例に示すように、本発明のひび割れ発生時期の予測方法は、セメント質硬化体のひび割れ発生時期を、高い精度で簡易に予測することができる。
また、段落0003に記載したように、従来の方法をアルカリシリカ反応によるひび割れの発生時期の予測に用いる場合、前記課題があるが、本発明のひび割れ発生時期の予測方法では前記課題を解決できるから、本発明が予測の対象とするセメント質硬化体は、反応性骨材を含むものが好ましく、また、予測の対象とするひび割れは、進行が継続するアルカリシリカ反応により生じたひび割れが好ましい。
2.アルカリシリカ反応の早期検知方法
該方法は、少なくとも、前記(a)工程および(b)工程を経て得た最大主ひずみの分布の像における亀甲状のひずみの出現により、アルカリシリカ反応を早期に検知する方法である。なお、前記(a)工程は前記(A)工程と同じであり、前記(b)工程は、最大主ひずみの分布を得るか、最大主ひずみの経時変化を算出するかの違いだけで、前記(B)工程と実質同じである。
本発明のアルカリシリカ反応の早期検知方法により、アルカリシリカ反応の発生を早期に発見した場合、対策を速やかに実施でき、また、本発明のひび割れ発生時期の予測方法によりひび割れ発生時期を予測すれば、ひび割れが発生する時までに対策を実施できる。
したがって、本発明において、前記ひび割れ発生時期の予測方法の他の態様は、前記アルカリシリカ反応の早期検知方法によりアルカリシリカ反応を検知した場合において、前記(C)工程を経て導出した予測式と、前記(D)工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する方法である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.使用材料とコンクリート(試験体)の配合
表1に使用材料を示し、表2にコンクリートの配合、フレッシュ性状、および圧縮強度を示す。ここでは、アルカリシリカ反応に起因するひずみを測定対象とした。
2.試験体の作製
表2の配合に従い、縦400mm、横400mm、厚さ300mmの、図1に示すブロック状の試験体を作製し、そこから厚さ50mmに切り出した版体(試験体)の測定面を研磨して試験に用いた。なお、前記ブロック状の試験体は表3に示す条件で養生した。
また、参考として、試験体全体の長さ変化を把握するため、コンタクトゲージ法に準拠してコンタクトゲージを用いて、図3に示すように、打込み面を除く試験体の残り3つの側面の長さ変化も測定して、その平均値を求めた。その結果を図5に示す。
3.試験体のデジタル画像の取得と最大主ひずみの分布
試験体のデジタル画像は、前記の前養生2の終了後(材齢28日)を基長として、基長時、促進養生期間13、28および56日において、図2に示すラインセンサタイプのデジタル画像取得用スキャナー(全視野ひずみ計測装置)を用いて、図3に示す範囲を走査して取得した。なお、温度によるひずみ変化と、水分の影響による輝度値の変化を避けるため、画像を取得する前に、20℃、相対湿度60%の環境下で、20時間以上、試験体を保管した。
次に、最大主ひずみの分布の算出は、取得したデジタル画像を用いて、デジタル画像相関法により解析し、下記(i)と(ii)の計算過程を経て、試験体の表面における最大主ひずみの分布を算出した。ここで算出した最大主ひずみの分布を
(i)基長時と促進養生した後の試験体のデジタル画像上で、任意の位置を中心としてサブセット内の輝度値分布を求めた。
(ii)促進養生した後の試験体のデジタル画像の輝度値分布と最も相関性が高い輝度値分布を有する、乾燥前の試験体のデジタル画像のサブセットを探索し、その中心点を着目点が移動(変位)した後の位置として捉えて、着目点から該中心点へ移動した距離(変位量)を算出し、さらに該移動した距離を最大主ひずみに変換した。
図4に最大主ひずみの分布を示す。また、参考として、図5にコンタクトゲージにより測定した試験体全体の長さ変化を示す。また、図8、図9に最大主ひずみの経時変化を示す。
なお、アルカリシリカ反応では亀甲状のひずみが発生するため、図4の右図に示すように、ひび割れが発生する前でも、最大主ひずみの分布の像において亀甲状のひずみの出現により、アルカリシリカ反応の発生を知ることができる。
4.ひび割れの発生時期の予測
(1)ひび割れが発生するひずみの設定
実施例では、デジタル画像相関法により算出した最大主ひずみが7000×10−6程度以上でひび割れが発生し、6000×10−6程度以下ではひび割れの発生が確認できなかったことから、図6に示すように、ひび割れが発生する最大主ひずみ値を7000×10−6にした。なお、対象としたひび割れの幅は0.06mm以上であった。
(2)最大主ひずみの経時変化に基づく予測式の導出
図7に示す座標(2600,12350)、座標(3600,7850)、および座標(6100,4700)の測定箇所における、促進養生期間が13日、28日、および56日の最大主ひずみ値を表4に示す。
表4に記載の促進養生期間と最大主ひずみ値を用いてフィッティングにより求めた関係式は、座標(2600,12350)では下記(ii)式、座標(3600,7850)では下記(iii)式、座標(6100,4700)では下記(vi)式である。なお、ひび割れは、座標(2600,12350)と座標(6100,4700)では発生せず、座標(3600,7850)では発生した。
Y=14.659e0.0937X ・・・(ii)
Y=603.19e0.0744X ・・・(iii)
Y=44.544e0.0805X ・・・(vi)
ただし、式中、Yは最大主ひずみ値、Xは促進養生期間(日)を表す。
(3)ひび割れの発生時期の予測
そして、ひび割れが発生する最大主ひずみ値であるY=7000×10−6を前記(ii)〜(vi)式に代入すると、座標(2600,12350)ではひび割れの発生予測時期Xは65.8日、座標(3600,7850)ではひび割れの発生時期Xは32.9日、座標(6100,4700)ではひび割れの発生時期Xは62.8日である。
ちなみに、座標(3600,7850)におけるひび割れの発生時期は、撮影したデジタル画像から28〜56日の間であり、前記ひび割れの発生予測時期の32.9日と近似していることから、本発明のひび割れ発生時期の予測方法は、予測精度が高いといえる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、下記(A)〜(C)工程を経て導出した、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式と、下記(D)工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する、ひび割れ発生時期の予測方法。
    (A)セメント質硬化体の取得対象面のデジタル画像を経時的に取得する、画像取得工程
    (B)前記デジタル画像に基づきデジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最大主ひずみの経時変化を算出する、最大主ひずみの経時変化算出工程
    (C)前記最大主ひずみの経時変化に基づき、フィッティングにより、最大主ひずみ値と時間を変数として含む予測式を導出する、予測式導出工程
    (D)ひび割れ発生時の最大主ひずみ値を予め設定する、最大主ひずみ値設定工程
  2. 前記セメント質硬化体が反応性骨材を含む、請求項1に記載のひび割れ発生時期の予測方法。
  3. 前記ひび割れが、アルカリシリカ反応により生じたひび割れである、請求項1または2に記載のひび割れ発生時期の予測方法。
  4. 少なくとも、下記(a)工程および(b)工程を経て得た最大主ひずみの分布の像における亀甲状のひずみの出現により、アルカリシリカ反応を早期に検知する、アルカリシリカ反応の早期検知方法。
    (a)セメント質硬化体の取得対象面のデジタル画像を経時的に取得する、画像取得工程
    (b)前記デジタル画像に基づきデジタル画像相関法を用いてひずみを算出し、該ひずみに基づき最大主ひずみの分布を得る、最大主ひずみ分布取得工程
  5. 請求項4に記載のアルカリシリカ反応の早期検知方法によりアルカリシリカ反応を検知した場合において、前記(C)工程を経て導出した予測式と、前記(D)工程で設定した最大主ひずみ値を用いて、ひび割れが発生する時期を算出して予測する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のひび割れ発生時期の予測方法。

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