JP2018154537A - シリカナノ粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の粒径のシリカナノ粒子を容易に得ることができるシリカナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】アルコキシシラン、アルカリ性触媒、及び、アルコールを含む混合物を撹拌しながら反応させる工程を有する、アルコキシシランとアルカリ性触媒とアルコールとの割合は、モル比で、アルコキシシラン:アルカリ性触媒:アルコール=1:2〜6:50〜80とする。アルコキシシランに対するアルカリ性触媒の量を変化させることにより、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御する。
【選択図】図1
【解決手段】アルコキシシラン、アルカリ性触媒、及び、アルコールを含む混合物を撹拌しながら反応させる工程を有する、アルコキシシランとアルカリ性触媒とアルコールとの割合は、モル比で、アルコキシシラン:アルカリ性触媒:アルコール=1:2〜6:50〜80とする。アルコキシシランに対するアルカリ性触媒の量を変化させることにより、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、シリカガラスフィラー材、特に封止材料用、精密樹脂成形用、焼結用材料として好ましく用いることができるシリカナノ粒子の製造方法に関する。
従来、合成石英粉は広く工業的に製造されている。例えば、特許文献1には、原料としてアルコキシシランを用い、触媒としてアンモニア等のアルカリ性触媒を用いて、反応温度を30℃〜50℃として加水分解することにより、シリカナノ粒子を製造する方法が記載されている。この方法によれば、原料等に不純物の少ない高品質の物質を用いることができるので、高純度のシリカナノ粒子を得ることができる。また、反応温度を制御することにより粒径が100nm以下のナノ粒子を得ることができる。特に、焼結用材料として用いる場合には、粒径が小さい方が焼結温度を低くすることができるので、環境的に好ましい。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、正確な温度制御が必要であるため、目的とする粒径のシリカナノ粒子を精度良く得ることは難しいという問題があった。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、所定の粒径のシリカナノ粒子を容易に得ることができるシリカナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシリカナノ粒子の製造方法は、アルコキシシラン、アルカリ性触媒、及び、アルコールを含む混合物を撹拌しながら反応させる工程を有するものであって、アルコキシシランとアルカリ性触媒とアルコールとの割合をモル比でアルコキシシラン:アルカリ性触媒:アルコール=1:2〜6:50〜80とし、アルコキシシランに対するアルカリ性触媒の量を変化させることにより、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御するものである。
本発明によれば、アルコールをアルコキシシランに対するモル比で50倍以上と多量に混合するようにしたので、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比を1:2〜6の範囲内で変化させることにより、容易に、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御することができる。
なお、アルコキシシランはテトラエトキシシラン、アルカリ性触媒はアンモニア、アルコールはエタノールを選択することがシリカナノ粒子の製造方法として特に好ましい。
なお、アルコキシシランはテトラエトキシシラン、アルカリ性触媒はアンモニア、アルコールはエタノールを選択することがシリカナノ粒子の製造方法として特に好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態のシリカナノ粒子の製造方法は、アルコキシシラン、アルカリ性触媒、及び、アルコールを含む混合物を撹拌しながら反応させる工程を有している。
アルコキシシランはシリカの原料であり、例えば、下記の一般式で表されるものが挙げられる。
(RO)xSiH4−x
(式中、Rは同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基であり、xは1〜4の整数である。)
中でも、安全性の面から、x=4のテトラアルコキシシランが好ましい。また、シリカナノ粒子の平均粒径を100nm以下と小さくするには、アルキル基がメチル基又はエチル基であるものが好ましく、特に好ましいのは、テトラエトキシシランである。
(RO)xSiH4−x
(式中、Rは同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基であり、xは1〜4の整数である。)
中でも、安全性の面から、x=4のテトラアルコキシシランが好ましい。また、シリカナノ粒子の平均粒径を100nm以下と小さくするには、アルキル基がメチル基又はエチル基であるものが好ましく、特に好ましいのは、テトラエトキシシランである。
アルカリ性触媒としては、アンモニアが好ましく挙げられる。アンモニアとしては、例えば、28%〜30%濃度水溶液を用いることが好ましい。アルコールは溶媒であり、エタノール又はメタノールが好ましく挙げられる。反応後にアルコールを蒸発させて除去する際に、沸点が低い方が好ましいからである。
これらアルコキシシランとアルカリ性触媒とアルコールとの割合は、モル比で、アルコキシシラン:アルカリ性触媒:アルコール=1:2〜6:50〜80とすることが好ましい。アルコールをアルコキシシランに対するモル比で50倍以上80倍以下と多量に混合することにより、温度の影響を排除し、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比で、シリカの粒径を制御することができるからである。なお、アルコールの比率がこれよりも高いとシリカ粒子の生成率が低下するので好ましくなく、アルコールの比率がこれよりも低いと粒子同士が結合して球形に近い粒子を得ることが難しくなる。
アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比は、アルカリ性触媒の濃度が低いほど粒径は小さくなる。例えば、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比が1:6であれば、得られるシリカナノ粒子の平均粒子径は100nmとなり、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比が1:2であれば、得られるシリカナノ粒子の平均粒子径は20nmとなる。アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比を1:2〜6の範囲内で変化させることにより、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御することができる。
製造時の温度は、例えば、20℃〜25℃の室温とすることができ、この温度であれば粒径は変化しない。撹拌時間は、10時間以上とすることが好ましく、24時間以上とすればより好ましい。十分に反応させることができるからである。
アルコキシシラン、アルカリ性触媒、及び、アルコールを含む混合物を撹拌しながら反応させたのち、例えば、溶媒を蒸発などにより除去する。これにより、平均粒径が20nm〜100nmのシリカナノ粒子が得られる。
このように本実施の形態によれば、アルコールをアルコキシシランに対するモル比で50倍以上と多量に混合するようにしたので、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比を1:2〜6の範囲内で変化させることにより、容易に、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御することができる。
(実施例1)
テトラエトキシシランとアンモニアとエタノールとをポリプロピレン製のディスポカップに入れ、300rpmでスターラーを用いて撹拌した。なお、アンモニアには28%〜30%濃度水溶液を用いた。テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比は1:4.4:77とし、テトラエトキシシランは5.2g使用した。また、撹拌時間は24時間とし、製造時の温度は20℃〜25℃の室温とした。撹拌終了後、ドラフト内で溶媒を乾燥させ、シリカナノ粒子粉を得た。粒径はSEM(日立ハイテクノロジーズS−4800、加速電圧2kV)により観察したところ、粒径は平均50nmであった。
テトラエトキシシランとアンモニアとエタノールとをポリプロピレン製のディスポカップに入れ、300rpmでスターラーを用いて撹拌した。なお、アンモニアには28%〜30%濃度水溶液を用いた。テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比は1:4.4:77とし、テトラエトキシシランは5.2g使用した。また、撹拌時間は24時間とし、製造時の温度は20℃〜25℃の室温とした。撹拌終了後、ドラフト内で溶媒を乾燥させ、シリカナノ粒子粉を得た。粒径はSEM(日立ハイテクノロジーズS−4800、加速電圧2kV)により観察したところ、粒径は平均50nmであった。
(実施例2)
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:3:77としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径は平均20nmであった。図1に実施例2で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1と実施例2とを比較すると、アンモニアの濃度を低くすると粒径が小さくなることが分かる。
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:3:77としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径は平均20nmであった。図1に実施例2で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1と実施例2とを比較すると、アンモニアの濃度を低くすると粒径が小さくなることが分かる。
(比較例1)
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:8:154としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径平均50nmの粒子がところどころあったが、未反応の不定形な物質がほとんどであった。図2に比較例1で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1,2と比較例1とを比較すると、エタノールの濃度を高くしすぎるとシリカナノ粒子の生成率が低下してしまい好ましくないことが分かる。
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:8:154としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径平均50nmの粒子がところどころあったが、未反応の不定形な物質がほとんどであった。図2に比較例1で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1,2と比較例1とを比較すると、エタノールの濃度を高くしすぎるとシリカナノ粒子の生成率が低下してしまい好ましくないことが分かる。
(比較例2)
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:17:38としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径平均100nmの粒子が凝集しており、粒径も真球からはずれていた。図3に比較例2で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1,2と比較例2とを比較すると、エタノールの濃度を低くしすぎるとシリカナノ粒子が結合して球形に近い粒子を得ることができないことが分かる。
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:17:38としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径平均100nmの粒子が凝集しており、粒径も真球からはずれていた。図3に比較例2で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1,2と比較例2とを比較すると、エタノールの濃度を低くしすぎるとシリカナノ粒子が結合して球形に近い粒子を得ることができないことが分かる。
(比較例3)
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:7:77としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径は平均200nmであった。図4に比較例3で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1,2と比較例3とを比較すると、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比を1:6よりも大きくすると平均粒径が100nmよりも大きくなることが分かる。
各実施例、比較例をまとめると表1のようになる。
テトラエトキシシラン:アンモニア:エタノールのモル比を1:7:77としたことを除き、他は実施例1と同様にしてシリカナノ粒子粉を製造し、同様にして粒径を観察した。その結果、粒径は平均200nmであった。図4に比較例3で得られたシリカナノ粒子のSEM写真を示す。実施例1,2と比較例3とを比較すると、アルコキシシランとアルカリ性触媒とのモル比を1:6よりも大きくすると平均粒径が100nmよりも大きくなることが分かる。
各実施例、比較例をまとめると表1のようになる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、シリカナノ粒子を得た後に、フッ素添加等の処理をおこなうようにしてもよく、このような処理を行ってもシリカナノ粒子の粒径は変化しない。
シリカガラスフィラー材などに好ましく用いることができる。
Claims (2)
- アルコキシシラン、アルカリ性触媒、及び、アルコールを含む混合物を撹拌しながら反応させる工程を有するナノシリカ粒子の製造方法であって、
アルコキシシランとアルカリ性触媒とアルコールとの割合をモル比でアルコキシシラン:アルカリ性触媒:アルコール=1:2〜6:50〜80とし、
アルコキシシランに対するアルカリ性触媒の量を変化させることにより、シリカナノ粒子の平均粒径を20nm〜100nmの間に制御する
ことを特徴とするシリカナノ粒子の製造方法。 - アルコキシシランがテトラエトキシシラン、アルカリ性触媒がアンモニア、アルコールがエタノールであることを特徴とする請求項1記載のシリカナノ粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017053832A JP2018154537A (ja) | 2017-03-20 | 2017-03-20 | シリカナノ粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017053832A JP2018154537A (ja) | 2017-03-20 | 2017-03-20 | シリカナノ粒子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017053832A Pending JP2018154537A (ja) | 2017-03-20 | 2017-03-20 | シリカナノ粒子の製造方法 |
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2017
- 2017-03-20 JP JP2017053832A patent/JP2018154537A/ja active Pending
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