以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る搬送装置を適用した画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて画像を形成する画像出力装置2と、連続する媒体(ウェブ)の一例としての連続シート5を供給する供給装置3と、画像出力装置2によって画像が形成された連続シート5を排出して収容する排出装置4と、排出装置4の上部に設けられ、画像出力装置2、供給装置3及び排出装置4を制御する制御装置100とを備えている。なお、図示例の画像形成装置1は、供給装置3、排出装置4及び制御装置100を画像出力装置2の外部に別体として配置したものであるが、画像形成装置1は、画像出力装置2と供給装置3、排出装置4及び制御装置100の少なくとも一部とを一体的に配置したものであっても勿論良い。
画像出力装置2は、画像データに基づいて連続シート5に画像を形成する電子写真方式による画像形成部106を備える。画像形成部106は、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の画像形成手段の一例としての作像装置10と、各作像装置10で形成されるトナー像をそれぞれ保持して最終的に連続シート5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の連続シート5を搬送する本実施の形態に係る搬送装置60と、中間転写装置20で二次転写された連続シート5上のトナー像を定着させる加熱工程を含む定着手段の一例としての定着装置40とを備えている。
画像出力装置2は、例えば、連続シート5に形成すべき原稿画像を入力する図示しない画像読取部としての画像読取装置を追加して装備させた場合にはカラー複写機として構成することができる。図中の2aは画像出力装置2の筐体を示し、この筐体2aは支持構成部材、外装カバー等で構成されている。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これら4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、筐体2aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。
各作像装置10は、図2に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電器等の非接触型の帯電装置で構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11に接触した状態で配置される帯電ロール等の接触型の帯電装置を用いても勿論良い。
露光装置13は、画像出力装置2に入力される画像の情報に応じて構成される光を、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像出力装置2に任意の手段で入力され、画像処理部で画像処理された画像の情報(信号)が送信される。
現像装置14はいずれも、開口部と現像剤の収容室が形成された現像装置本体の内部に、現像剤を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール142と、現像剤を撹拌しながら現像ロール142に供給するよう搬送する2つのスクリューオーガー等の撹拌供給部材143及び撹拌搬送部材144と、現像ロール142に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材149などを配置して構成されたものである。現像装置14には、その現像ロール142と感光体ドラム11の間に現像用のバイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール142や撹拌供給部材143及び撹拌搬送部材144は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。現像剤としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
なお、図1中、符号145(Y,M,C,K)は、対応する現像装置14に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器としてのトナーカートリッジをそれぞれ示している。この実施の形態では、トナーカートリッジ145の内部にキャリアが混合されたトナーが収容されている。
一次転写装置15は、感光体ドラム11の周面に接触して回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、一部が開口する容器状の本体と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板と、清掃板により取り除かれた付着物を回収する回収装置等で構成されている。
中間転写装置20は、図1及び図2に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内周から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜24と、ベルト支持ロール24に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を連続シート5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するブレード状の清掃部材26を備えたベルト清掃装置25等で構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は中間転写ベルト21の面出しロール兼張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は二次転写のバックアップロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図2に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール24に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロール31を備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール31又は中間転写装置20のベルト支持ロール24には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
定着装置40は、図1に示されるように、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41に所要の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が連続シート5を加熱する加熱工程を含む所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部(ニップ部)となる。
供給装置3は、連続する媒体の一例として連続した長尺な連続シート5をロール状に巻き付けた供給ロール61を備え、供給ロール61から連続シート5を供給する。供給装置3は、画像出力装置2の連続シート5の搬送方向に沿った上流側に別体として離間した状態で配置されている。連続シート5としては、例えば、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、SBR(スチレン−ブタジエン−ブロックコポリマー)等の合成樹脂からなる厚さ10〜100μm程度の薄いフィルムやシートを挙げることができる。ただし、連続シート5は、これに限定されるものではなく、普通紙からなる連続紙、あるいはラベル紙等を用いても良い。尚、図1中、符号61aは、供給ロール61の回転軸を示している。
また、連続シート5としては、例えば、図3に示されるように、一般的には台紙としての役割を持ち使用時に廃棄されるグラシン紙等からなる剥離紙51上に、糊等の粘着剤又は接着剤からなる中間層としての粘着層52を介して最上層に設けられ、PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂製のシート或いは上質紙やコート紙等の紙からなる表面基材53が粘着された所謂ラベル紙が用いられる。連続シート5の一例としてのラベル紙は、表面基材53の表面に図柄や文字が印刷されて使用に供される。この連続シート5であるラベル紙は、その用途にもよるが、例えば、表面基材53側が画像形成面である表面(外周面)に位置するようにロール状に巻かれたロール紙61として供給されている。
供給装置3は、図1に示されるように、後述するように、駆動手段によって時計回り方向に回転駆動される供給ロール61と、供給ロール61から連続シート5を供給する供給ロール対62を備える。供給ロール対62は、上下に配置されて連続シート5を挟持した状態で搬送する一対の供給ロール62a、62bから構成されている。
画像出力装置2は、その筐体2aの内部に、供給装置3から供給された連続シート5を二次転写位置へと案内するように搬送する搬送ロール63を備える。この搬送ロール63は、連続シート5の画像形成面と反対側の面(図示例では、裏面)に接触して搬送する。
また、画像出力装置2の下流側には、画像出力装置2により画像が形成された連続シート5を排出して収容する排出装置4が配置されている。この排出装置4は、連続シート5を挟んだ状態で搬送する排出ロール対64と、図中時計回り方向に回転可能に配置され連続シート5をロール状に巻き取る巻取ロール65を備えている。排出ロール対64は、上下に配置されて連続シート5を挟持した状態で搬送する排出ロール64a、64bから構成されている。なお、排出装置4の入口部には、必要に応じて連続シート5を裁断する裁断装置66を配置しても良い。図1中、符号65aは、巻取ロール65の回転軸を示している。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1の画像出力装置2による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、画像出力装置2の4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を説明する。なお、画像出力装置2の4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のうちいずれか1色以上のトナー像を形成するときの画像形成動作も同様である。
画像出力装置2は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図2に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像出力装置2に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が感光体ドラム11の表面に残留するトナー等の付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、供給装置3及び排出装置4では、作像動作に先立って、供給装置3から画像出力装置2の筐体2aの内部に連続シート5が導入され、搬送装置60の搬送ロール63から二次転写位置及び定着装置40を通って画像出力装置2の外部に導出され、連続シート5の先端が排出装置4の排出ロール対64を介し巻取ロール65に巻き付けられる。画像形成時、供給装置3から供給された連続シート5は、画像出力装置2の内部を所要の搬送速度で搬送された後、排出装置4に収容される。
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を連続シート5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した後の中間転写装置20では、ベルト清掃装置25が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された連続シート5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール30から剥離された後に定着装置40まで搬送される。定着装置40では、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を連続シート5に定着させる。最後に、定着が終了した後の連続シート5は、画像出力装置2の外部に排出され、排出装置4の内部に設けられた巻取ロール65によって巻き取られる。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて形成されるフルカラー画像が形成された連続シート5が出力される。
<搬送装置の構成>
図4及び図5はこの実施の形態1に係る搬送装置を示す構成図である。
この実施の形態に係る搬送装置60は、図4に示されるように、連続シート5を搬送する搬送系を構成する搬送手段をすべて含むものである。具体的に、搬送装置60は、連続シート5を供給する供給装置3と、連続シート5を排出して収容する排出装置4と、画像出力装置2の内部において連続シート5を搬送する搬送ロール63、二次転写ロール31及び中間転写装置20の支持ロール24、及び定着装置40とを備える。
供給装置3の供給ロール61は、図5に示されるように、第1駆動手段としての第1駆動モータ66によって回転駆動される。第1駆動モータ66は、例えば、連続シート5を一定の張力及び一定の速度で供給することが可能なトルクモータによって構成される。トルクモータは、回転速度に応じてトルクが反比例するように変化する。そのため、新たな供給ロール61から連続シート5を供給する場合は、供給ロール61の外径が相対的に大きく、連続シート5の送出速度は相対的に遅い速度に設定される。また、新たな供給ロール61から連続シート5を供給する場合は、供給ロール61の重量が相対的に大きく、トルクは相対的に大きな値に設定される。一方、供給ロール61の連続シート5の残量が少なくなった状態では、供給ロール61の外径が相対的に小さく、連続シート5の送出速度は相対的に速い速度に設定される。また、供給ロール61の連続シート5の残量が少なくなった状態では、供給ロール61の重量が相対的に小さく、トルクは相対的に小さな値に設定される。また、供給ロール対62のうち、下方に配置された駆動ロールとしての供給ロール62bは、第2駆動手段としての第2駆動モータ67によって回転駆動される。第2駆動モータ67としては、例えば、ステッピングモータが用いられる。
画像出力装置2は、その筐体2aの内部に、供給装置3から供給された連続シート5を二次転写位置へと搬送するように案内する搬送ロール63を備える。この搬送ロール63は、連続シート5の画像形成面と反対側の面(図示例では、裏面)に接触して搬送する。搬送ロール63は、連続シート5の移動に伴って従動回転する。
また、画像出力装置2の二次転写ロール31は、第3駆動手段としての第3駆動モータ68によって回転駆動される。第3駆動モータ68としては、例えば、ステッピングモータが用いられる。なお、二次転写ロール31は、独自の駆動手段を備えず、図示しない駆動手段によって回転駆動される中間転写ベルト21に従動して回転するよう構成しても良い。中間転写ベルト21は、駆動ロールとして機能するベルト支持ロール22によって回転駆動される。
定着装置40の加圧用回転体42は、第4駆動手段としての第4駆動モータ69によって回転駆動される。第4駆動モータ69としては、例えば、ステッピングモータが用いられる。また、定着装置40は、加圧用回転体42に代えて加熱用回転体41を第4駆動モータ69によって回転駆動するように構成しても良い。
定着装置40は、上述したように、加熱用回転体41と加圧用回転体42とによって連続シート5を所要の圧力で挟持しつつ搬送する。そのため、定着装置40は、連続シート5を挟持した状態で保持するニップ力(保持力)が他の搬送手段と比較して最も大きく、連続シート5に与える搬送力は支配的となる。
また、排出装置4の排出ロール対64のうち、下方に配置された駆動ロールとしての排出ロール64bは、第5駆動手段としての第5駆動モータ70によって回転駆動される。第5駆動モータ70としては、例えば、ステッピングモータが用いられる。
排出装置6の巻取ロール65は、第6駆動手段としての第6駆動モータ71によって回転駆動される。第6駆動モータ71としては、第1駆動モータ66と同様に、例えば、連続シート5を一定の張力及び一定の速度で供給することが可能なトルクモータから構成される。なお、図示例では、排出装置6の巻取ロール65として、外径が大きな巻取ロール65を図示しているが、連続シート5の供給開始時は、巻取ロール65の外径が相対的に小さいことは勿論である。
上述した搬送装置60は、第1乃至第6駆動モータ66〜71の駆動軸に被駆動側のロールを直結した状態で示されている。しかしながら、第1乃至第6駆動モータ66〜71の駆動軸に被駆動側のロールとの間に複数枚の駆動力伝達ギアを介在させても良いことは勿論である。
図6は、画像形成装置の動作を制御する制御装置を示している。
図6において、符号100は、画像形成装置1及び搬送装置60の動作を統括的に制御するとともに張力変更手段としても機能する制御装置を示している。制御装置100は、画像形成装置1及び搬送装置60の動作を統括的に制御するCPU101(Central Processing Unit)や、CPU101で実行するプログラムを記憶したROM102(Read Only Memory)、制御パラメータなどを一時的に記憶するRAM103(Random Access Memory)、あるいはこれらCPU101やROM102等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
また、制御装置100には、後述するように、連続シート5の搬送状態を検出する検出手段の一例としての検出装置80から出力信号が入力される。
また、制御装置100は、供給装置駆動部111、二次転写ロール駆動部112、定着装置駆動部113、排出装置駆動部114を介して、第1乃至第7駆動モータ66〜71の駆動を制御するように構成されている。供給装置駆動部111は、制御装置100からの制御信号に基づいて第1駆動モータ66及び第2駆動モータ67を個別に駆動する。二次転写ロール駆動部112は、制御装置100からの制御信号に基づいて第3駆動モータ68を駆動する。定着装置駆動部113は、制御装置100からの制御信号に基づいて第4駆動モータ69を駆動する。排出装置駆動部114は、制御装置100からの制御信号に基づいて第5駆動モータ70及び第6駆動モータ71を個別に駆動する。
図6中、符号104はユーザが画像を形成するラベル紙を含む連続シート5の種類やサイズ、あるいはプリント枚数等を入力並びに表示するユーザーインターフェイス部を、106は画像出力装置2の画像形成部をそれぞれ示している。
ところで、この実施の形態1に係る搬送装置60は、上述したように、連続シート5を供給する供給装置3と、連続シート5を収容する排出装置4と、画像出力装置2の内部において連続シート5を搬送する搬送ロール63、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24、及び定着装置40とを備える。
搬送装置60を構成する部材のうち、定着装置40は、連続シート5を保持する保持力が最も大きいため、連続シート5を搬送する上で支配的となる。また、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24は、中間転写ベルト21上から連続シート5にトナー像を二次転写する手段であり、連続シート5上に転写されるトナー像の画質に直接影響を与えるため、連続シート5を搬送する際にシワの発生等を防止乃至抑制する必要がある。
また、供給ロール対62及び排出ロール対64は、連続シート5上に形成される画像に直接影響するものではないが、連続シート5を搬送する際にシワの発生等を防止乃至抑制する必要がある。
連続シート5は、例えば、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と、定着装置40のニップ部との間で搬送される際の張力が変動すると、連続シート5にしわや波打ちなどの変形、あるいや振動などが発生することが判明している。
更に説明すると、搬送装置60では、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と、定着装置40のニップ部との間で連続シート5の張力が過大であると、図7(a)に示されるように、連続シート5の不均一な伸びなどに起因してしわや波打ちなどの変形201が生じることがある。この連続シート5に発生したしわや波打ちなどの変形201は、図8(a)に示されるように、そのまま定着装置40のニップ部に進入すると、当該ニップ部に作用する押圧力によって固定化され連続シート5の搬送方向に沿ったしわ202となる場合がある。
また、搬送装置60では、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と、定着装置40のニップ部との間で連続シート5の張力が過小であると、図7(b)に示されるように、連続シート5の搬送姿勢が不安定となって定着装置40のニップ部の入口近傍などにおいて連続シート5が上下に振動する振動現象203が生じることがある。この連続シート5に発生した振動現象203は、図8(b)に示されるように、そのまま定着装置40のニップ部に進入すると、当該ニップ部に作用する押圧力により固定化されて連続シート5の搬送方向と交差する方向に沿ったしわ204となる場合がある。
そこで、この実施の形態では、図4に示されるように、連続シート5の搬送方向に沿った所要の位置としての定着装置40の上流側近傍において、連続シート5の搬送状態を検出する検出手段の一例としての検出装置80を備えている。検出装置80としては、例えば、光学的に連続シート5の搬送状態を検出するものが用いられる。ここで、連続シート5の搬送状態とは、連続シート5の振動的でない搬送状態(搬送位置の変位等)及び連続シート5の振動的な搬送状態などを意味する。
光学式の検出装置80は、図9に示されるように、連続シート5の搬送方向と交差する方向に沿った両端部に、連続シート5の表面に直交する方向(図中、上下方向)に沿ってそれぞれ配置された複数の発光素子81a〜84aからなる発光部85と、複数の受光素子81b〜84bからなる受光部86とからなる光学センサを備えている。検出装置80は、各発光素子81a〜84aから方向性を有するレーザ光のような光LBを連続シート5の表面と平行な方向に出射し、当該レーザ光LBを対向する位置に配置された各受光素子81b〜84bでそれぞれ受光する。検出装置80は、連続シート5の表面と交差する方向に沿って連続シート5の表面側と裏面側に少なくとも1組ずつ、望ましくは複数組(図示例では、2組ずつ)配置されている。
連続シート5に図7(a)に示されるようなしわや波打ちなどの変形201が発生した場合には、図9(c)に示されるように、検出装置80の発光素子81a〜84aから出射されたレーザ光LBが連続シート5のしわや波打ちなどの変形201によって遮られ、レーザ光LBが遮られた発光素子81a〜84aと対応する受光素子81b〜84bは、レーザ光LBを受光しなくなる。そのため、検出装置80の受光素子81b〜84bの受光の有無を検出することにより、連続シート5にしわや波打ちなどの変形201が検出される。
また、連続シート5に図7(b)に示されるような振動現象203が発生した場合には、同様に、図9(d)に示されるように、検出装置80の発光素子81a〜84aから出射されたレーザ光LBが連続シート5の振動現象203によって遮られ、レーザ光LBが遮られた発光素子81a〜84aと対応する受光素子81b〜84bは、レーザ光LBを受光しなくなる。ただし、連続シート5に振動現象203が生じた場合には、連続シート5の変形領域が時間的に変化するため、レーザ光LBを受光しなくなる受光素子81b〜84bが時間的に変動する。そのため、検出装置80の受光素子81b〜84bの受光の有無及び時間的な変動を検出することにより、連続シート5に振動現象203が発生していることが検出される。
制御装置100は、検出装置80の受光素子81b〜84bから出力される出力信号及び出力信号の時間的な変化に基づいて、連続シート5の搬送状態を判別する。すなわち、受光素子81b〜84bからの出力信号がいずれもON状態である場合には、連続シート5が正常に搬送されていると判別する。また、検出装置80のいずれか1つ以上の受光素子81b〜84bからの出力がOFF状態となっており、当該OFF状態が時間的に変化しない場合には、連続シート5にしわや波打ち等の変形201が発生していると判別する。また、検出装置80の出力がOFF状態となっている受光素子81b〜84bの数によって、連続シート5に発生しているしわや波打ち等の変形201の大きさを判別する。複数の受光素子81b〜84bの出力がOFF状態となっている場合には、連続シート5に発生している波打ちが大きく、単数の受光素子81b〜84bの出力のみがOFF状態となっている場合には、連続シート5に発生しているしわや波打ち等の変形201が小さいと判別する。なお、連続シート5にしわや波打ち等の変形201が発生している場合であっても、受光素子81b〜84bからの出力信号がOFF状態からON状態へと変化する場合もある。この場合、制御装置100は、各受光素子81b〜84bから出力を時間的に平均して、連続シート5にしわや波打ち等の変形201が発生しているか否かを判別するように構成しても良い。
さらに、検出装置80のいずれか1つ以上の受光素子81b〜84bからの出力信号がOFF状態となっており、当該受光素子81b〜84bのOFF状態が時間的にOFF状態からON状態に変化している場合には、連続シート5に振動現象203が発生していると判別する。
制御装置100は、検出装置80の検出結果に基づいて、二次転写ロール31及び/又は定着装置40における連続シート5の搬送速度を制御して連続シート5の張力を調整し、連続シート5に発生したしわや波打ち等の変形201、あるいは振動現象203を防止乃至抑制するように構成されている。
<搬送装置の動作>
この実施の形態1に係る搬送装置60では、図1に示されるように、画像形成動作に伴って供給装置3から連続シート5が供給され、画像出力装置2を介して排出装置4に収容される。その際、搬送装置60では、図4に示されるように、定着装置40の連続紙5の搬送方向に沿った上流側の近傍において、検出装置80によって連続シート5の搬送状態が検出される。
制御装置100は、検出装置80によって検出された連続シート5の搬送状態に基づいて、連続シート5にしわや波打ち等の変形201、あるいは振動現象203が発生しているか否かを判定する。
制御装置100は、検出装置80から出力される出力信号に基づいて、連続シート5にしわや波打ち等の変形201が発生していることを検出すると、図6に示されるように、例えば、定着装置駆動部113を介して第5駆動モータ70を制御し、加圧用回転体42の回転速度を変化させる。
制御装置100は、連続シート5にしわや波打ち等の変形201が発生していることを検出すると、定着装置駆動部113を介して第4駆動モータ69を制御し、加圧用回転体42の回転速度を所要の値(例えば、速度値の数%程度)だけ遅くなるように調整する。
このように、加圧用回転体42の回転速度を所要の値(例えば、速度値の数%程度)だけ遅くなるように調整することにより、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と、定着装置40のニップ部との間で連続シート5の張力が過大であったことに起因して連続シート5に発生したしわや波打ち等の変形201が防止乃至抑制される。
また、制御装置100は、加圧用回転体42の回転速度を所要の値(例えば、速度値の数%程度)だけ遅くなるように調整すると同時に、定着装置40と排出ロール対64との間で連続シート5の張力が過大となることないように、必要に応じて排出装置駆動部114を介して第5駆動モータ70を制御し、排出ロール対64の回転速度を定着装置40に合わせて所要の値(例えば、速度値の数%程度)だけ遅くなるように調整する。ただし、排出ロール対64における連続シート5の搬送力は、それ程大きくないため、排出ロール対64の回転速度を必ずしも制御しなくとも良い。
一方、制御装置100は、検出装置80から出力される出力信号に基づいて、連続シート5に振動現象203が発生していることを検出すると、図6に示されるように、例えば、定着装置駆動部113を介して第4駆動モータ69を制御し、加圧用回転体42の回転速度を変化させる。
制御装置100は、連続シート5に振動現象203が発生していることを検出すると、定着装置駆動部113を介して第4駆動モータ69を制御し、加圧用回転体42の回転速度を所要の値(例えば、速度値の数%程度)だけ速くなるように調整する。
このように、加圧用回転体42の回転速度を所要の値(例えば、速度値の数%程度)だけ速くなるよう調整することにより、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と、定着装置40のニップ部との間で連続シート5の張力が過少であったことに起因して連続シート5に発生した振動現象203が防止乃至抑制される。
[実施の形態2]
図10は、実施の形態2に係る搬送装置を適用した画像形成装置を示すものである。
この実施の形態2に係る搬送装置60では、図10に示されるように、検出手段として反射型の光学センサ87を用いている。反射型の光学センサ87は、連続シート5の搬送方向と交差する方向に沿って複数配置し、反射型の光学センサ87によって連続シート5の表面までの距離を検出するように構成されている。反射型の光学センサ87によって連続シート5の表面までの距離が変動したことを検出した場合に、しわや波打ち等の変形201、あるいは振動現象203が発生したと検出する。この場合には、しわや波打ち等の変形201、あるいは振動現象203のいずれにおいても、連続シート5の表面までの距離が時間的に変動する場合があるが、振動現象203の場合は、変動周期がしわや波打ち等の変形201に比較して大幅に短いため、変動周期の時間によってしわや波打ち等の変形201か振動現象203かを判別することが可能である。
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3に係る搬送装置を適用した画像形成装置を示すものである。
この実施の形態3に係る搬送装置60では、図11に示されるように、検出手段80として 搬送ロール対の軸間距離を測定するものを用いている。搬送ロール対としては、相対的に連続シート5を挟持するニップ力が小さい供給ロール対62や排出ロール対64などの場合に適している。
小さい供給ロール対62や排出ロール対64の位置及びその近傍において、連続シート5にしわや波打ち等の変形201あるいは振動現象203が発生した場合には、供給ロール対62や排出ロール対64の上方に配置された供給ロール62a及び排出ロール64aの位置が上下に変位する。そのため、検出装置80は、供給ロール62aと供給ロール62b、あるいは排出ロール64aと排出ロール64bとの軸間距離を光学的あるいは機械的な手段により検出することにより、連続シート5の搬送状態を検出する。
[実施の形態4]
図12は、実施の形態4に係る搬送装置を適用した画像形成装置を示すものである。
この実施の形態4に係る搬送装置60では、図12に示されるように、検出手段として 連続シート5の搬送状態をカメラ88によって撮影し、当該カメラ88によって撮影された連続シート5の搬送状態を示す画像情報に基づいて、連続シート5の搬送状態を検出する。
カメラ88によって撮影された画像情報は、図13に示されるように、画像処理装置120に入力される。画像処理装置120では、入力された画像情報に基づいて連続シート5の搬送状態を検出する。連続シート5の搬送状態を示す画像が一様な画像であって、部分的に濃度が変化している領域があるか否か、及び部分的に濃度が変化している領域の濃度が経時的に変化しているか否かに応じて、連続シート5にしわや波打ち等の変形201あるいは振動現象203が発生しているか振動が否かを制御装置100によって判別する。
制御装置100は、連続シート5の搬送状態を撮影した画像が一様な画像であって、部分的に濃度が変化している領域がないと判別した場合には、連続シート5が正常に搬送されていると判定する。
また、制御装置100は、連続シート5の搬送状態を撮影した画像に、部分的に濃度が変化している領域があると判別した場合には、連続シート5にしわや波打ち等の変形201が発生していると判定する。
また、制御装置100は、連続シート5の搬送状態を撮影した画像に、部分的に濃度が変化している領域が存在し、当該部分的に濃度が変化している領域が時間的にに変化している場合には、連続シート5に振動現象203が発生していると判定する。
なお、前記実施の形態では、画像形成装置としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像を形成するフルカラー画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、モノクロの画像を形成する画像形成装置についても同様に適用できることは勿論である。
また、前記実施の形態では、主として、二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と、定着装置40のニップ部との間における連続シート5の搬送状態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、供給ロール対と二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部との間における連続シート5の搬送状態、あるいは二次転写ロール31と中間転写装置20の支持ロール24とのニップ部と排出ロール対との間における連続シート5の搬送状態などにも同様に適用できることは勿論である。