JP2018153848A - 溶接部の改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素の導入によって溶込み深さを増加させた溶接部の信頼性を担保するための効果的な改質方法、及びそれにより得られる溶接構造物を提供する。【解決手段】摩擦攪拌処理を用いて溶融溶接部の表面に攪拌領域を形成させる表面改質方法であって、被溶接材が鉄系金属であり、溶融溶接部の酸素含有量が70ppm〜700ppmであること、を特徴とする溶接部の改質方法。溶融溶接部に酸化物粒子が分散しており、 酸素含有量が330ppm以下であること、が好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は溶接部の改質方法及びそれにより得られる溶接構造物に関し、より具体的には、酸素の導入によって溶込み深さを増加させた溶接部の効果的な改質方法、及びそれにより得られる溶接構造物に関する。
近年、船舶、海洋構造物及び橋梁等の大型溶接構造物に様々な鋼材が利用されている。鋼材の高張力化によって母材の疲労強度は向上するが、溶接構造物全体としての信頼性・安全性は、最も靭性や疲労強度が低い溶接部の特性によって律速されてしまう。
ここで、高品質な溶接部を得ることができる溶接方法としてはTIG溶接が知られているが、TIG溶接には溶込み深さが浅く、溶接効率が低いという欠点が存在する。これに対し、上述の大型溶接構造物では厚鋼板が使用されるため、効率的に溶込みの深い溶接部を形成させる溶接方法が切望されている。
このような状況下において、TIG溶接の溶込み深さを増加させる方法が盛んに検討されており、例えば、溶融池に界面活性元素である酸素を導入することで、溶込み深さが増加することが知られている。
特許文献1(国際公開第2013/168513号)では、筒状の溶接用ノズルの内部から金属材の表面に不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程と、前記不活性ガス供給工程で前記溶接用ノズルにより前記不活性ガスを供給されている前記金属材の表面を加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって前記金属材の表面に生じた溶融池に、前記不活性ガス供給工程での前記不活性ガスの流れに伴って生じた圧力の低下によって吸引された雰囲気中の酸素を導入する酸素導入工程と、を含む溶接方法が提案されている。
前記特許文献1に記載されている溶接方法においては、不活性ガスの流れに伴って生じた気圧の低下によって吸引された大気中の酸素が溶融池に導入されることから、二重シールドTIG溶接のように別途の酸素の供給源を用意しなくとも、溶融池に酸素を導入して溶込み深さをより深くし、溶接効率を高めることができる、としている。
また、特許文献2(特開2008−246501号公報)では、ニッケル基合金またはオーステナイト系ステンレス鋼製の溶接材からなる溶接部で部材を接合して構成された溶接構造物において、溶接部の表面、又は溶接部と溶接部近傍の部材との表面に、回転するツールを表面垂直方向の荷重負荷により圧着させた状態で移動させて摩擦攪拌処理を行い、摩擦攪拌処理を行った摩擦攪拌処理部の柱状晶方向を表面面内方向とすることを特徴とする溶接構造物の応力腐食割れ進展性の改善方法が提案されている。
前記特許文献2に記載の溶接構造物の応力腐食割れ進展性の改善方法においては、摩擦攪拌処理部の柱状晶方向を表面面内方向とすることにより、溶接部での応力腐食割れの発生を抑制し、また、溶接部に応力腐食割れが発生しても、深さ方向のき裂進展は、柱状晶方向が応力腐食割れ方向と垂直になっているので、応力腐食割れのき裂進展速度を応力腐食割れが柱状晶方向に沿って発生する場合と比べ1/10程度に減速させることが可能となる。これにより、溶接部の耐用年数を長くすることができ、溶接構造物の寿命を長くすることができるとしている。
国際公開第2013/168513号 特開2008−246501号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている溶接方法のように溶融池への酸素の導入によって溶込み深さを増加させた場合、最終的に得られる溶接部には一般的なTIG溶接と比較して大量の酸素が残留することになる。溶接部の靭性は酸素含有量の増加に伴って低下することが懸念されるため、このような溶接方法を実施工に活用する場合には、溶接部の機械的性質を十分に担保することが必要不可欠である。
また、上記特許文献2に開示されている溶接構造物の応力腐食割れ進展性の改善方法は、溶接部の柱状晶方向を表面面内方向とすることを特徴としており、効果を奏する対象材がニッケル基合金及びオーステナイト系ステンレス鋼製の溶接材からなる溶接部に限定されている。加えて、腐食環境下にない場合の疲労強度に関する効果については記載されておらず、酸素含有量が多い溶接部に対する効果については全く開示されていない。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、酸素の導入によって溶込み深さを増加させた溶接部の信頼性を担保するための効果的な改質方法、及びそれにより得られる溶接構造物を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、酸素含有量の多い溶接部に対する摩擦攪拌処理について鋭意研究を重ねた結果、適当な酸素含有量範囲の溶接部に対して摩擦攪拌処理を施すこと等が極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
摩擦攪拌処理を用いて溶融溶接部の表面に攪拌領域を形成させる表面改質方法であって、
被溶接材が鉄系金属であり、
前記溶融溶接部の酸素含有量が70ppm〜700ppmであること、
を特徴とする溶接部の改質方法、を提供する。
鉄系金属の酸素含有量を70ppm〜700ppmとすることで、通常の溶融溶接方法を用いた場合と比較して、溶接部の溶込み深さを増加させることができる。より具体的には、酸素含有量を70ppm以上とすることで溶融池の表面張力に正の温度依存性を付与することができ、温度が高くなるアーク直下(溶融池の中心)における表面張力が溶融池の外縁よりも高くなることで、内向きの対流が生じる。その結果、溶融金属が溶融池の下向きに流れ、深溶け込みを達成することができる。一方で、酸素含有量を700ppmより大きくすると、溶融池表面における酸化皮膜の形成が顕著になる。当該酸化皮膜は深溶け込みの妨げになるだけでなく、溶接品質の観点からも好ましくない。なお、鉄系金属とは、鉄を主成分とする金属を広く含むものである。
本発明の溶接部の改質方法においては、溶融池への適当な量の酸素の導入によって溶込み深さを増加させた溶接部の表面に対して摩擦攪拌処理を施すことで、溶接部の靭性(信頼性)を向上させることができる。
摩擦攪拌処理は、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々の方法で摩擦攪拌処理を施すことができる。なお、摩擦攪拌処理とは、金属材の固相接合技術である摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)を金属材の表面改質技術として利用するものである。
また、本発明の溶接部の改質方法においては、前記溶融溶接部に酸化物粒子が分散しており、前記酸素含有量が330ppm以下であること、が好ましい。溶融溶接部に酸化物粒子が分散する場合は溶接部の靭性低下が顕著になるが、適当な酸化物粒子の存在によって摩擦攪拌処理による改質効果を向上させることができる。具体的には、酸化物粒子によって摩擦攪処理中に母材に導入されるひずみが局所的に増大する(再結晶粒がより微細化される)と共に、当該再結晶粒の静的な粒成長をピン止め効果によって抑制することができる。
ここで、酸素含有量が高過ぎると溶接部の靭性低下がより深刻となり、摩擦攪拌処理を施しても当該溶接部の靭性を母材と同等レベルにまで向上させることができないが、酸素含有量が330ppm以下であれば、摩擦攪拌プロセスによって接合部の靭性を母材と同等にまで向上させることができる。
なお、母材に固溶できる程度に酸素含有量が低い場合は酸化物粒子が生成しないため、「溶融溶接部に酸化物粒子が分散している」という構成要件は、実質的に溶接部における好適な酸素含有量の下限を示すことになる。
また、本発明の溶接部の改質方法においては、前記酸素含有量が167ppm〜330ppmであること、がより好ましい。酸素含有量が167ppm以上となると、確実に深溶け込みが得られる反面、溶接部の靭性低下が顕著になるが、摩擦攪拌処理を施すことによって、母材と同等にまで靭性を向上させることができる。
また、本発明の溶接部の改質方法においては、前記摩擦攪拌処理において、前記攪拌領域の少なくとも一部の処理温度を前記鉄系金属のA点以下又はAcm点以下とすること、が好ましい。攪拌領域の少なくとも一部の処理温度を前記鉄系金属のA点以下又はAcm点以下とすることで、当該攪拌領域の一部分の母材結晶粒が微細等軸粒となり(マルテンサイト等の脆い変態組織とならず)、より効果的に靭性を向上させることができる。加えて、酸化物粒子に対してより強力なせん断応力が印加されるため、当該酸化物粒子が破砕、微細化され、靭性低下に及ぼす酸化物粒子の影響が低減されるだけでなく、摩擦攪拌処理による母材結晶粒の微細化効果が増進される。
また、本発明の溶接部の改質方法においては、前記摩擦攪拌処理において、前記攪拌領域の少なくとも一部の処理温度を前記鉄系金属のA点以下とすること、が好ましい。攪拌領域の少なくとも一部の処理温度を前記鉄系金属のA点以下とすることで、当該攪拌領域の母材結晶粒が微細等軸粒となり(マルテンサイト等の脆い変態組織とならず)、より効果的に靭性を向上させることができる。加えて、酸化物粒子に対してより強力なせん断応力が印加されるため、当該酸化物粒子が破砕、微細化され、靭性低下に及ぼす酸化物粒子の影響が低減されるだけでなく、摩擦攪拌処理による母材結晶粒の微細化効果が増進される。なお、摩擦攪拌処理のプロセス温度は、被処理領域に挿入する回転ツールの回転速度、移動速度及び荷重等によって制御できる。
また、本発明の溶接部の改質方法においては、前記溶融溶接部が突合せ接合部又は重ね接合部であること、が好ましい。本発明の溶接部の改質方法による溶接部の靭性向上は継ぎ手形状等に影響されないため、実際の構造物に多く存在する突合せ接合部又は重ね接合部に対しても好適に用いることができる。
また、本発明の溶接部の改質方法においては、前記溶融溶接部が低温用鋼材に形成されていること、が好ましい。低温用鋼材とはJISにおいて−10℃以下の温度域での使用に適した鋼材と規定されているものであり、溶接部には低温環境における信頼性が要求される。これに対し、本発明の溶接部の改質方法を用いて低温用鋼材の溶接部を改質することで、低温環境下における溶接部の靭性を確保することができる。
更に、本発明の溶接部の改質方法においては、前記溶融溶接部が9%Ni鋼材に形成されていること、が好ましい。9%Ni鋼材は、溶接部に酸素が導入されることによる靭性の低下が他の鋼材と比較して顕著であるが、本発明の溶接部の改質方法を用いることによって、当該9%Ni鋼材であっても、溶込み深さを増加させた溶接部の靭性を母材と同等にまで向上させることができる。
また、本発明は、
鉄系金属材に、酸素含有量が167ppm〜330ppmである溶融溶接部を有し、
前記溶融溶接部の表面に、再結晶粒を含む厚さが0.5mm〜3.0mmの攪拌領域を有し、
前記溶融溶接部及び前記攪拌領域に酸化物粒子が分散していること、
を特徴とする溶接構造物、も提供する。
本発明の溶接構造物においては、溶融溶接部の酸素含有量が167ppm〜330ppmとなっており、一般的なTIG溶接等で形成される溶接部と比較して溶接部のD(深さ)/W(幅)が大きな溶接部が形成されている。ここで、D/Wの値は特に限定されないが、0.4以上となっていることが好ましい。
また、溶融溶接部の表面に厚さが0.5mm〜3.0mmの攪拌領域が形成されており、当該攪拌領域には再結晶粒が含まれる。攪拌領域は回転ツールを圧入することによる摩擦攪拌処理で形成させることができる。ここで、回転ツールの底面にプローブを有さないフラットツールを用いても攪拌領域の厚さを0.5mm以上とすることができ、欠損が生じ難い、長さが3mm未満のプローブを有する回転ツールを用いることで、攪拌領域の厚さを3.0mm以下とすることができる。
一方で、厚さが0.5mm〜3.0mmの攪拌領域によって、溶融溶接部の靭性を十分に担保することができる。即ち、溶融溶接部の表面に形成させる攪拌領域の厚さを0.5mm〜3.0mmとすることで、信頼性の高い溶接部を有する安価な溶接構造物を実現することができる。
溶融溶接部及び攪拌領域に分散している酸化物粒子の種類、形状及びサイズは特に限定されないが、攪拌領域に分散している酸化物粒子は溶融溶接部に分散している酸化物粒子よりも微細であることが好ましい。また、攪拌領域に分散している酸化物粒子は溶融溶接部に分散している酸化物粒子よりも球状化されていることが好ましい。摩擦攪拌処理では母材に強ひずみが導入されるため、各種元素に関する固溶度が増大し、処理条件によっては酸化物粒子が母材に固溶した後に析出する。当該機構により、球状化した酸化物粒子を好適に形成することができる。攪拌領域に微細かつ球状化した酸化物粒子が分散していることで、当該攪拌領域に高い靭性を付与することができる。なお、炭化物及び窒化物等の酸化物以外の粒子であっても、基本的には同様の作用効果を有する。
また、本発明の溶接構造物においては、前記溶融溶接部が低温用鋼材に形成されていることが好ましく、9%Ni鋼材に形成されていることがより好ましい。低温用鋼材は低温環境下における信頼性が要求され、9%Ni鋼材は溶接部に酸素が導入されることによる靭性の低下が他の鋼材と比較して顕著であるが、本発明の溶接構造物では、当該低温用鋼材及び9%Ni鋼材であっても、溶込み深さを増加させた溶接部の靭性が母材と同等にまで向上している。つまり、本発明の溶接構造物においては、前記攪拌領域を有する前記溶融溶接部と前記鉄系金属材の靭性が略同一となっている。
本発明によれば、酸素の導入によって溶込み深さを増加させた溶接部の信頼性を担保するための効果的な改質方法、及びそれにより得られる溶接構造物を提供することができる。
本発明の溶接部の改質方法の模式図である。 酸素導入による溶込み深さ増加のメカニズムを示す模式的である。 本発明の溶接部の改質方法で用いる摩擦攪拌用工具の概略正面図である。 本発明の溶接構造物における溶接部の概略断面図である。 摩擦攪拌処理を施した酸素含有量167ppm溶接部の断面マクロ写真である。 微小衝撃試験片の採取方法を示す概略図である。 摩擦攪拌処理前の溶接部に関する吸収エネルギーである。 摩擦攪拌処理前後の溶接部に関する吸収エネルギーである。 摩擦攪拌処理前後における78ppm溶接部の硬度分布である。 摩擦攪拌処理前後における330ppm溶接部の硬度分布である。 受け入れままの母材の組成像である。 摩擦攪拌処理を施した330ppm溶接部の組成像である。 摩擦攪拌処理を施した330ppmの溶接部の二次電子像である。 330ppm溶接部のSEM−EDSマッピングである。 摩擦攪拌処理前後の230ppm溶接部及び摩擦攪拌処理後の330ppm溶接部のEBSDマッピングである。
以下、図面を参照しながら本発明の溶接部の改質方法及び溶接構造物の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
(1)溶接部の改質方法
図1は、本発明の溶接部の改質方法の模式図である。本発明の溶接部の改質方法は、摩擦攪拌処理を用いて溶融溶接部2の表面に攪拌領域4を形成させる表面改質方法であって、被溶接材6が鉄系金属であり、溶融溶接部2の酸素含有量が70ppm〜700ppmであること、を特徴とするものである。
(1−1)酸素導入による溶け込み深さの増加
ここで、溶融溶接部2の酸素含有量が70ppm〜700ppmとなっているのは溶込み深さを増加させるためであり、溶融池に適量の酸素を取り込むことで深溶け込みが達成されている。酸素導入による溶込み深さ増加のメカニズムを模式的に図2に示す。
一般に、純金属や多くの合金の表面張力は負の温度勾配を有する。この場合、表面張力は温度が相対的に低い溶融池周辺の方が高くなる。したがって、溶融池表面における流れは、中央から外へ向かう。このとき熱流は溶融池周辺に輸送され、溶融池形状は図2aに示すように広く浅いものになる。これに対し、溶融池中に酸素のような界面活性元素が含まれると、表面張力の温度勾配が負から正に変化し、図2bに示すように、対流の方向が変化する。この場合、溶融池は幅が狭く、溶込み深さが大きくなる。溶融溶接部2の酸素含有量を70ppm〜700ppmとすることで、当該メカニズムにおける溶込み深さの増加を効率的に発現することができる。
また、溶融溶接部2には酸化物粒子が分散しており、溶融溶接部2の酸素含有量は330ppm以下であること、が好ましい。溶融溶接部2に酸化物粒子が分散する場合は溶接部の靭性低下が顕著になるが、適当な酸化物粒子の存在によって摩擦攪拌処理による改質効果を向上させることができる。なお、酸素含有量が高過ぎると溶融溶接部2の靭性低下がより深刻となり、摩擦攪拌処理を施しても靭性を母材と同等レベルにまで向上させることができないが、酸素含有量が330ppm以下であれば、摩擦攪拌プロセスによって溶融溶接部2の靭性を母材と同等にまで向上させることができる。
また、溶融溶接部2の酸素含有量は167ppm〜330ppmであること、がより好ましい。酸素含有量が167ppm以上となると、確実に深溶け込みが得られる反面、溶融溶接部2の靭性低下が顕著になるが、摩擦攪拌処理を施すことによって、母材と同等にまで靭性を向上させることができる。
本発明の溶接部の改質方法を適用することができる溶融溶接部は特に限定されず、摩擦攪拌処理が可能な範囲で従来公知の種々の鉄系金属に形成させた溶接部が対象となるが、被接合材6に低温用鋼材を用いることが好ましく、9%Ni鋼材を用いることがより好ましい。9%Ni鋼材は溶融溶接部2に酸素が導入されることで靭性が大きく低下するが、本発明の溶接部の改質方法を用いることで、溶融溶接部2と母材の靭性を略同一にすることができる。
なお、溶融溶接部2の酸素含有量の測定方法は特に限定されず、従来公知の種々の方法で測定することができるが、例えば、市販の酸素・窒素分析装置を用いて測定することができる。当該装置は、不活性ガス融解‐非分散型赤外線吸収法によって酸素含有量を測定するものである。
(1−2)摩擦攪拌処理
摩擦攪拌処理とは、摩擦攪拌接合を金属材の表面改質に応用したものであり、用いる工具の形状等が異なる場合がある他は、基本的には摩擦攪拌接合と同様の技術である。具体的には、回転工具の先端に設けられた突起部(プローブ)を被処理材に挿入し、回転工具を回転させつつ移動させることによって、攪拌領域を得る方法である。
図3は、本発明の溶接部の改質方法で用いる摩擦攪拌用工具の概略正面図である。本発明の溶接部の改質方法で用いる摩擦攪拌用工具10の底面には長さが3mm以下のプローブ12を有していることが好ましく、長さが2mm以下のプローブ12を有していることがより好ましい(図3a)。また、プローブ12を有していない底面が略平面のフラットツール(図3b)を用いることもできる。更には、プローブ12を有しておらず、摩擦攪拌用工具10の底面が凸形状となっているツールを用いることもできる。
プローブ12を有する摩擦攪拌用工具10を、高い融点及び高温変形抵抗を有する鉄系金属に圧入して移動させる場合、プローブ12の根本から破断して摩擦攪拌用工具10の寿命となることが多い。これに対し、底面が略平面の摩擦攪拌用工具10を用いることでプローブ12の破断による工具寿命を考慮する必要がなくなり、長さが2mm以下のプローブ12を有する摩擦攪拌用工具10を用いることで、プローブ12の破断を抑制することができる。
プローブ12の形状は特に限定されず、単純な円柱状や根本が太く先端が細いテーパー状等を用いることができる。プローブ12にはネジ加工や面取り加工等を施してもよいが、工具寿命の観点からはそれらの加工を施さない方が好ましい。
摩擦攪拌用工具10の底面を略平面とすることで、摩擦攪拌用工具10の素材として用いることができる材料の範囲を広くすることができる。プローブ12を有さない場合、摩擦攪拌用工具10の形状は基本的に円柱状であるため、難焼結材や難加工材を用いることも可能である。なお、本発明で用いることができる摩擦攪拌用工具10には、底面が凹形状を有するものも含まれる。
摩擦攪拌用工具10の材質は、例えば、JISに規格されているSKD61鋼等の工具鋼や、タングステンカーバイト(WC)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)からなる超硬合金、コバルト(Co)基合金、タングステン(W)合金、イリジウム(Ir)等の高融点金属及びその合金、またはSi等のセラミックスからなるものとすることができる。ここで、被溶接材6が高張力鋼等の鋼材である場合、タングステンカーバイト(WC)、コバルト(Co)からなる超硬合金、コバルト(Co)基合金、イリジウム(Ir)等の高融点金属及びその合金、またはSi等のセラミックスならなるものを使用することが好ましい。
攪拌領域4は溶融溶接部2の表面に形成させればよく、攪拌領域4は必要以上に厚くする必要はない。摩擦攪拌用工具10の寿命及び処理のし易さの観点から、攪拌領域4の厚さは0.5mm〜3.0mmとすることが好ましく、0.5mm〜2.0mmの深さとすることがより好ましい。なお、底面が略平面の直径10〜15mm程度の摩擦攪拌用工具10を用いた場合、処理条件にも依存するが、0.5mm程度の厚さを有する攪拌領域4を好適に得ることができる。また、攪拌領域4の幅は溶融溶接部2の幅よりも広く、溶融溶接部2が攪拌領域に含まれるように形成させることが好ましい。
摩擦攪拌処理によって得られる攪拌領域4の組織は、急冷凝固組織を有する溶融溶接部2と比較して微細化及び均質化されている。溶融溶接部2の靭性は母材と比較して大幅に低下しているが、発明者が鋭意研究を重ねた結果、溶融溶接部2の表面に優れた機械的性質を有する攪拌領域4を形成させることで、溶融溶接部2全体の信頼性を担保することができることが明らかとなった。
ここで、溶融溶接部2に酸化物粒子が分散する場合は溶接部の靭性低下が顕著になるが、適当な酸化物粒子の存在によって摩擦攪拌処理による改質効果を向上させることができる。よって、溶融溶接部2の深溶け込みを実現しつつ、溶融溶接部2に母材と同等の靭性を付与するためには、溶融溶接部2の酸素含有量に適当な範囲が存在し、例えば、酸素含有量が330ppm以下であれば、摩擦攪拌処理によって溶融溶接部2の靭性を母材と同等にまで向上させることができる。なお、酸素含有量が167ppm以上となると、確実に深溶け込みが得られる反面、溶融溶接部2の靭性低下が顕著になるが、摩擦攪拌処理を施すことによって、母材と同等にまで靭性を向上させることができる。
本発明における摩擦攪拌処理とは、(1)摩擦攪拌用工具10を回転させつつ処理方向に向けて移動させる態様、(2)摩擦攪拌用工具10を回転させつつ処理位置で移動させない態様、(3)(1)で形成される処理領域を重畳させる態様、(4)(2)で形成される処理領域を重畳させる態様、及び(5)(1)〜(4)の処理を任意に組み合わせる態様、が含まれる。
(2)溶接構造物
本発明の溶接構造物は、上記本発明の溶接部の改質方法によって改質された溶接部を有する溶接構造物を提供する。溶接構造物全体の機械的性質を律速する溶接部が改質されていることで、用いた構造用材の機械的性質を十分に発現し得る溶接構造物を得ることができる。
本発明の溶接構造物における溶接部の概略断面図を図4に示す。本発明の溶接構造物は、鉄系金属材20に、酸素含有量が167ppm〜330ppmである溶融溶接部2を有し、溶融溶接部2の表面に、再結晶粒を含む厚さが0.5mm〜3.0mm攪拌領域4を有し、溶融溶接部2及び攪拌領域4に酸化物粒子が分散していること、を特徴としている。
溶融溶接部2に167ppm〜330ppmの酸素を含み、溶接時の深溶け込みが達成されていることから、一般的なTIG溶接等で形成される溶接部と比較して溶接部のD(深さ)/W(幅)が大きな溶接部が形成されている。ここで、D/Wの値は特に限定されないが、0.4以上となっていることが好ましい。
攪拌領域4の厚さは0.5mm〜3.0mmであり、攪拌領域4には再結晶粒が含まれる。攪拌領域4の厚さを0.5mm〜3.0mmとすることで、信頼性の高い溶融溶接部2を有する安価な溶接構造物が実現されている。溶融溶接部2は酸化物粒子が分散した急冷凝固組織となり、母材と比較すると靭性が大きく低下しているが、その表面に摩擦攪拌処理によって改質された攪拌領域4が存在することから、溶融溶接部2全体としての信頼性を確保することができる。より具体的には、改質領域4は摩擦攪拌処理によって組織が微細化及び均質化された領域であり、溶融溶接部2に外部応力が印加された場合、改質領域4が当該応力に耐えることで、溶融溶接部2の破壊及び変形等を抑制することができる。
溶融溶接部2及び攪拌領域4に分散している酸化物粒子の種類、形状及びサイズは特に限定されないが、攪拌領域4に分散している酸化物粒子は溶融溶接部2に分散している酸化物粒子よりも微細であることが好ましい。また、攪拌領域4に分散している酸化物粒子は溶融溶接部2に分散している酸化物粒子よりも球状化されていることが好ましい。攪拌領域4に微細かつ球状化した酸化物粒子が分散していることで、攪拌領域4に高い靭性を付与することができる。
溶融溶接部2は低温用鋼材に形成されていることが好ましく、9%Ni鋼材に形成されていることがより好ましい。9%Ni鋼材は、溶融溶接部2に酸素が導入されることによる靭性の低下が他の鋼材と比較して顕著であるが、本発明の溶接構造物では、当該9%Ni鋼材であっても、溶込み深さを増加させた溶融溶接部2の靭性が母材と同等にまで向上している。つまり、本発明の溶接構造物においては、攪拌領域4を有する溶融溶接部2と鉄系金属材20の靭性が略同一となっている。
本発明の溶接構造物においては、溶融溶接部2の全ての領域が改質されている必要はないが、溶接構造物の機械的性質を律速する領域に摩擦攪拌処理が施されていることが好ましい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例≫
供試材料として、100mm×120mm×12mmの9%Ni鋼(JIS G 3127 SL 9N)板を用いた。9%Ni鋼は、溶接部に酸素が含有することで靭性が低下する典型的な鉄系金属である。当該供試材に対し、電流150A、溶接速度120mm/min、Arシールドガスの条件でビードオンプレート溶接を実施した。ここで、Arシールドガスには、高純度Ar及び、酸素含有量をそれぞれ0.3%、0.45%、0.6%に調製したAr−O混合ガスを用いた。
各シールドガスを使用して得られた溶融溶接部及び母材の酸素含有量を酸素窒素分析装置によって測定した。結果を表1に示す。
その後、溶接部の最表面に対して、ツール回転数200rpm、ツール移動速度150mm/min、ツール荷重2500kgfの条件で摩擦攪拌処理を施した。なお、摩擦攪拌処理には、ショルダ径15mm、プローブ径6mm、プローブ長2.8mmの超硬合金製ツール1、又はショルダ径12mm、プローブ径4mm、プローブ長0.8mmの超硬合金製ツール2を用いた。
酸素含有量167ppmの溶接部表面を超硬合金製ツール2で摩擦攪拌処理した試料の断面マクロ写真を図5に示す。溶融溶接部の表面に最大厚さ約1mmの攪拌領域が形成されていることが分かる。なお、超硬合金製ツール1で摩擦攪拌処理を施した場合、最大厚さ約3mmの攪拌領域が形成された。
摩擦攪拌処理前の各溶接部及び超硬合金製ツール1で摩擦攪拌処理を施した各溶接部に関して微小衝撃試験を行い、吸収エネルギーを算出することにより破壊靭性を評価した。なお、図6に示すように微小衝撃試験片を摩擦攪拌処理方向に対して垂平に切り出した。試験片のノッチは攪拌領域の中央になるようにし、試験片の寸法は長さ:20mm、厚さ:0.5mm、幅:0.5mm、ノッチ:0.1mmとした。なお、測定はパンチャー速度を1m/sとして室温で行い、得られた荷重変位曲線の積分により吸収エネルギーを算出した。
摩擦攪拌処理前の試料に関する結果を図7に示す。以下、溶接部の酸素含有量を図中に記載している。溶接部の酸素含有量が78ppmの場合は母材と同等の吸収エネルギーを有しており、溶接部は母材と同等の靭性を有していることを示している。これに対し、酸素含有量が167ppmに増加すると吸収エネルギーが急激に低下し、330ppmの場合は更に低下している。当該結果は、酸素含有量が167ppm以上となる場合、当該溶接部の使用には靭性の改善が必要であることを示唆している。
摩擦攪拌処理前後の試料に関する結果を図8に示す。摩擦攪拌処理前において母材よりも大幅に小さな吸収エネルギーを示した167ppm及び330ppmの溶接部に関し、摩擦攪拌処理によって母材と同等の吸収エネルギーが得られていることが分かる。特に、酸化物粒子をより多く含む330ppmの溶接部において、摩擦攪拌処理による吸収エネルギーの増加が顕著である。なお、酸素含有量が330ppmよりも高くなる場合、溶接部の靭性低下が大きく、摩擦攪拌処理を施しても吸収エネルギーが母材よりも小さな値となった。
摩擦攪拌処理前後における78ppm及び330ppmの溶接部の硬度分布を、それぞれ図9及び図10に示す。なお、硬度測定にはビッカース硬度計(株式会社フューチュアテック製F−300)を用い、溶接部断面の硬度測定を行った(表面から深さ1mmにおける溶接部中央の水平方向)。測定条件は、荷重:300gf、保持時間:10sとした。
酸素含有量が78ppmと低い場合は摩擦攪拌前後で硬度分布に大きな変化は認められないが、酸素含有量が330ppmと高い場合は、摩擦攪拌による硬度上昇が認められる。当該結果は、摩擦攪拌処理の効果は酸素含有量が高い場合(酸化物粒子が多い場合)により顕著であることを示している。
酸化物粒子の状態を観察するために、溶接部の断面のSEM観察を行った。なお、SEM観察にはFE−SEM(日本電子株式会社製JSM−7001FA)を用いた。受け入れままの母材の組成像を図11に示す。組成像では母材より暗い色で酸化物粒子が示され、母材中に多数分散していることが分かる。
摩擦攪拌処理を施した330ppmの溶接部の組成像を図12に示す。受け入れまま材と比較すると、大きな酸化物粒子の数が少なくなっている。ここで、より高倍率の二次電子像で観察すると、極めて微細な酸化物粒子が大量に分散している様子を確認することができる(図13)。当該結果は、摩擦攪拌処理によって酸化物粒子が破砕され、より微細になったことを示している。また、摩擦攪拌処理による酸化物粒子の球状化も確認できる。
摩擦攪拌処理を施す前の330ppmの溶接部に分散している酸化物粒子をSEM−EDS分析によって同定したところ、アルミニウム酸化物であった。EDSマッピング結果を図14に示す。アルミニウム及び酸素の分布が重畳していることが確認できる。
母材組織及び酸化物粒子の変化を観察するために、試料断面のEBSD測定を行った。なお、EBSD測定にはFE−SEM(日本電子株式会社製JSM−7001FA)及びTSL社製のOIM data Collection ver5.31を用いた。
摩擦攪拌処理前後の230ppm溶接部及び摩擦攪拌処理後の330ppm溶接部のEBSDマッピング結果を図15に示す。なお、摩擦攪拌処理後の試料に関しては、攪拌領域を測定対象としている。
230ppm溶接部に関し、摩擦攪拌処理によって母材組織及び酸化物粒子(代表的な酸化物粒子を〇で囲っている)が微細化していることが分かる。また、摩擦攪拌処理を施した230ppm溶接部と330ppm溶接部を比較すると、酸素含有量の高い330ppm溶接部において、組織がより微細化していることが確認できる。なお、摩擦攪拌処理後の330ppm溶接部においては酸化物粒子の微細化が顕著であり、EBSDマッピングでは明瞭に観察することができない。
2・・・溶融溶接部、
4・・・攪拌領域、
6・・・被溶接材、
10・・・摩擦攪拌用工具、
12・・・プローブ、
20・・・鉄系金属材。

Claims (12)

  1. 摩擦攪拌処理を用いて溶融溶接部の表面に攪拌領域を形成させる表面改質方法であって、
    被溶接材が鉄系金属であり、
    前記溶融溶接部の酸素含有量が70ppm〜700ppmであること、
    を特徴とする溶接部の改質方法。
  2. 前記溶融溶接部に酸化物粒子が分散しており、
    前記酸素含有量が330ppm以下であること、
    を特徴とする請求項1に記載の溶接部の改質方法。
  3. 前記酸素含有量が167ppm〜330ppmであること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の溶接部の改質方法。
  4. 前記摩擦攪拌処理において、前記攪拌領域の少なくとも一部の処理温度を前記鉄系金属のA点以下又はAcm点以下とすること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の溶接部の改質方法。
  5. 前記摩擦攪拌処理において、前記攪拌領域の少なくとも一部の処理温度を前記鉄系金属のA点以下とすること、
    を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の溶接部の改質方法。
  6. 前記溶融溶接部が突合せ接合部又は重ね接合部であること、
    を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の溶接部の改質方法。
  7. 前記溶融溶接部が低温用鋼材に形成されていること、
    を特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載の溶接部の改質方法。
  8. 前記溶融溶接部が9%Ni鋼材に形成されていること、
    を特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載の溶接部の改質方法。
  9. 鉄系金属材に、酸素含有量が167ppm〜330ppmである溶融溶接部を有し、
    前記溶融溶接部の表面に、再結晶粒を含む厚さが0.5mm〜3.0mmの攪拌領域を有し、
    前記溶融溶接部及び前記攪拌領域に酸化物粒子が分散していること、
    を特徴とする溶接構造物。
  10. 前記鉄系金属材が低温用鋼材であること、
    を特徴とする請求項9に記載の溶接構造物。
  11. 前記鉄系金属材が9%Ni鋼材であること、
    を特徴とする請求項9に記載の溶接構造物。
  12. 前記攪拌領域を有する前記溶融溶接部と前記鉄系金属材の靭性が略同一であること、
    を特徴とする請求項9〜11のうちのいずれかに記載の溶接構造物。
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