JP2018153785A - 選択還元型NOx浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

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美穂 畑中
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孝 後藤
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宏和 且井
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Abstract

【課題】酸素過剰雰囲気下において高いアンモニアによるNOxの選択還元活性(NH3−SCR活性)を示す触媒及びその製造方法を提供すること。【解決手段】プラズマを利用して生成させた、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンをゼオライトの細孔内に導入することを特徴とする選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法、及びそれによって得られる選択還元型NOx浄化用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、選択還元型NOx浄化用触媒及びその製造方法に関し、より詳しくは、ゼオライトを用いた選択還元型NOx浄化用触媒及びその製造方法に関する。
従来から、自動車のエンジン等の内燃機関からの排ガスに含まれるNOxを浄化するために、ゼオライトを用いた様々な選択還元型NOx浄化用触媒が開発されている。中でも、鉄を活性種とする選択還元型NOx浄化用触媒は、銅を活性種とするものに比べて高温側でNOxを浄化できるため、銅を活性種とする選択還元型NOx浄化用触媒に次いで多くの提案がなされており、例えば、特開2016−5831号公報(特許文献1)には、塩化鉄(II)とチャバサイト型ゼオライトとを混合し、還元雰囲気下での熱処理及び水素還元を順次施してチャバサイト型ゼオライトに鉄を担持した鉄ゼオライト触媒が開示されている。この鉄ゼオライト触媒が、FeによるNH−NOx選択還元の活性が高いだけでなく、高温下においてもNHを酸化しないものであることが記載されている。
また、特開2007−245050号公報(特許文献2)には、NOxを浄化する際に、排ガス浄化用触媒の上流側に配置して使用するNOx吸着材として、ZSM−5型ゼオライト、ベータ型ゼオライト及びフェリエライト型ゼオライトのうちの少なくとも1種のゼオライトと、このゼオライトにイオン交換により常磁性の鉄(III)イオンとして担持された鉄と、を備える窒素酸化物吸着材が開示されている。
特開2016−5831号公報 特開2007−245050号公報
しかしながら、従来のゼオライトを用いたNHによる選択還元型NOx浄化用触媒(NH−SCR触媒)は、活性種が十分にゼオライト細孔内にイオン交換されていないため、酸素過剰雰囲気下においてNOx還元活性が十分に得られないという問題があった。また、活性種を十分にイオン交換させるために塩化物原料を使用する方法があるが、触媒製造上、装置の腐食といった問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、酸素過剰雰囲気下において高いNH−SCR活性を示す選択還元型NOx浄化用触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、プラズマを利用して生成させたFeイオン等の金属イオンをゼオライトの細孔内に導入することによって、酸素過剰雰囲気下において高いNH−SCR活性を示す選択還元型NOx浄化用触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法は、プラズマを利用して生成させた、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンをゼオライトの細孔内に導入することを特徴とする方法である。
このような本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法においては、(i)Cu錯体、Fe錯体、Co錯体、Ce錯体、Cu酢酸塩、Fe酢酸塩、Co酢酸塩、及びCe酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属原料とゼオライトとを混合した後、得られた混合物中の前記金属原料を、プラズマを発生させた酸化雰囲気下で分解及び活性化して前記金属イオンを生成させ、該金属イオンをゼオライトの細孔内に導入することが好ましく、また、(ii)プラズマを発生させた酸化雰囲気下で、Cu錯体、Fe錯体、Co錯体、Ce錯体、Cu酢酸塩、Fe酢酸塩、Co酢酸塩、及びCe酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属原料を分解及び活性化して前記金属イオンを生成させた後、該金属イオンをゼオライトに接触させて、その細孔内に導入することも好ましい。
また、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒は、ゼオライトと、該ゼオライトの細孔内にプラズマを利用して導入された、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンとを備えることを特徴とするものである。
このような本発明の選択還元型NOx浄化用触媒においては、前記金属イオンが前記ゼオライトの粒子表面から深さ100nmの範囲内の領域に配置されていることが好ましい。
なお、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒が、酸素過剰雰囲気下において高いNH−SCR活性を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のNOx浄化用触媒の製造方法においては、プラズマを利用してFe錯体等の金属原料を分解及び活性化し、生成したFeイオン等の金属イオンをゼオライトの細孔内に誘導するため、ゼオライトの粒子表面近傍の細孔から順にイオン交換が進行すると推察される。したがって、本発明のNOx浄化用触媒においては、ゼオライトの粒子表面近傍の細孔内に多くの活性サイトが存在するため、反応ガスが活性サイトへ効率的に接触することにより、高いNH−SCR活性を示すと推察される。
本発明の選択還元型NOx浄化用触媒に係る請求項においては、その一部に選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法が記載されている。しかしながら、本発明に係る選択還元型NOx浄化用触媒の構造や特性を特定することは著しく困難であるという事情がある。すなわち、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒においては、前述のとおり、プラズマを利用して生成させた特定の状態の金属イオンをゼオライトの細孔内に導入すること、又はこのようにして生成した活性サイトの分布によって、優れたNOx浄化性能が発現するようになっているものと本発明者らは推察している。しかしながら、プラズマを利用して生成させた金属イオンがゼオライトの細孔内に、どのような状態で付着しているのかを特定することが著しく困難であることは当業者にとって技術常識である。
本発明によれば、酸素過剰雰囲気下において高いNH−SCR活性を示す選択還元型NOx浄化用触媒及びその製造方法を提供することが可能となる。
本発明に用いられるプラズマ発生装置の一例を示す概略図である。 実施例3で得られたペレット触媒の走査透過電子顕微鏡写真(BF−STEM像)である。 実施例3で得られたペレット触媒を拡大した走査透過電子顕微鏡写真(拡大BF−STEM像)である。 図2Bの拡大STEM像に対応するFe−EDXマッピング像である。 比較例1で得られたペレット触媒の走査透過電子顕微鏡写真(BF−STEM像)である。 比較例1で得られたペレット触媒を拡大した走査透過電子顕微鏡写真(拡大BF−STEM像)である。 図3Bの拡大STEM像に対応するFe−EDXマッピング像である。 実施例3で得られたペレット触媒について領域EDX分析を行なった範囲を示す環状暗視野走査透過電子顕微鏡写真(ADF−STEM像)である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法について説明する。本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法は、プラズマを利用して生成させた、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンをゼオライトの細孔内に導入する方法である。
本発明に用いられるゼオライトとしては特に制限はなく、例えば、MFI型ゼオライト、BEA型ゼオライト、CHA型ゼオライト、FER型ゼオライト、MOR型ゼオライト、FAU型ゼオライト、LTA型ゼオライト、LTL型ゼオライトが挙げられ、中でも、耐熱性の観点から、MFI型ゼオライト、BEA型ゼオライト、CHA型ゼオライト、MOR型ゼオライトが好ましい。また、前記ゼオライトはプロトン型ゼオライトであることが好ましい。
また、前記ゼオライトにおいて、シリカとアルミナの比(SiO/Al)としては、20〜2000が好ましく、20〜1000がより好ましい。SiO/Alが前記下限未満になると、耐熱性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、金属イオンの交換量が少なくなり、活性サイトが不足する傾向にある。
さらに、前記ゼオライトの平均粒子径D50としては、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜20μmがより好ましい。ゼオライトの平均粒子径が前記下限未満になると、耐熱性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コート触媒を作製した場合に剥離する傾向にある。
本発明において、ゼオライトの細孔内に導入される金属イオンは、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種である。このような金属イオンを用いることによって、高いNH−SCR活性が発現する。また、金属酸化物のNH酸化活性が低く、金属酸化物によるNHの酸化消費が抑制されるという観点から、前記金属イオンとして、Feイオン及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
このような金属イオンの原料としては特に制限はないが、プラズマにより容易に金属イオンが生成し、副生物が酸化除去されるという観点から、Cu錯体、Fe錯体、Co錯体、Ce錯体、Cu酢酸塩、Fe酢酸塩、Co酢酸塩、及びCe酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属原料(金属錯体及び金属酢酸塩のうちの少なくとも1種)が好ましい。前記金属錯体としては、500℃以下の温度での加熱によって金属錯体の蒸気が生成する、又は、酸化分解するという観点から、アセチルアセトナート錯体、ジピバロイルメタン錯体が好ましい。このような金属錯体として具体的には、トリス(アセチルアセトナート)鉄(III)〔Fe(acac)〕、トリス(アセチルアセトナート)セリウム(III)〔Ce(acac)〕、トリス(ジピバロイルメタン)鉄(III)〔Fe(dpm)〕、トリス(ジピバロイルメタン)セリウム(III)〔Ce(dpm)〕等が挙げられる。また、前記金属酢酸塩としては、トリス(アセチル酢酸)鉄(III)〔Fe(C〕、酢酸鉄(II)〔Fe(CHCOO)〕、塩基性酢酸鉄(III)〔Fe(OH)(CHCOO)〕等が挙げられる。
本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法において、プラズマを利用して、金属イオンをゼオライトの細孔内に導入する方法としては、例えば、(i)前記金属原料と前記ゼオライトとを予め混合し、得られた混合物中の前記金属原料を、プラズマを発生させた酸化雰囲気下で分解及び活性化して前記金属イオンを生成させ、生成した金属イオンをゼオライトの細孔内に導入する方法、(ii)プラズマを発生させた酸化雰囲気下で、前記金属原料(好ましくは、蒸気状のもの)を分解及び活性化して前記金属イオンを生成させた後、生成した金属イオンをゼオライトに接触させて、その細孔内に導入する方法が挙げられる。
これらの方法によって得られる選択還元型NOx浄化用触媒は、ゼオライトの粒子表面近傍の細孔から順に金属イオンが交換されて活性サイトが形成されるため、反応ガスが活性サイトへ効率的に拡散して接触し、高いNH−SCR活性を示す、また、金属酸化物の量を少なくでき、NHの酸化反応が抑制されるという特長を有する。特に、前記(i)の方法は、金属量及び金属分布を制御しやすいという観点から、前記(ii)の方法より好ましい。
また、これらの方法に用いられる製造装置としては、例えば、図1に示すプラズマ発生装置が挙げられるが、前記(ii)の方法において、図1に示すプラズマ発生装置を使用すると、プラズマを発生させた酸化雰囲気下で前記金属原料を分解及び活性化して生成させた前記金属イオンを、静置したゼオライトに接触させることになるため、金属原料の供給速度によっては、前記金属イオンが前記ゼオライトの細孔内に導入されず、金属酸化物として堆積する場合がある。この金属酸化物は、還元剤として導入されたアンモニアを高温(例えば500℃)下で酸化する場合があり、還元剤の酸化消費により還元剤不足となって、NOxの浄化性能が十分に向上しない場合がある。このため、前記(ii)の方法においては、例えば、J.Zhangら、Journal of Alloys and Compounds、2010年、第502巻、第2号、371〜375頁に記載の装置を用いて、試料部を回転式とする等の工夫により、ゼオライトに金属原料を均一に供給することが好ましい。
本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法において、プラズマの発生条件としては、金属原料から金属イオンが生成する条件であれば特に制限はなく、マイクロ波プラズマ発生装置の場合には、出力が0.1〜1.2kWであることが好ましい。また、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法においては、アルゴンガス等の不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気下においてプラズマ照射することが好ましい。
次に、このようにして得られる本発明の選択還元型NOx浄化用触媒について説明する。本発明の選択還元型NOx浄化用触媒は、前記ゼオライトと、このゼオライトの細孔内にプラズマを利用して導入された、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンとを備えるものである。
このような本発明の選択還元型NOx浄化用触媒において、前記金属イオンは、前記ゼオライトの粒子表面から深さ100nmの範囲内の領域に配置されていることが好ましい。これにより、反応ガスがゼオライト粒子間及びゼオライト粒子内を拡散する際に、前記ゼオライトの粒子表面近傍(すなわち、ゼオライトの粒子表面から深さ100nmの範囲内の領域)の活性サイトに効率的に拡散して接触するため、最小限の金属イオン量で、高いNH−SCR活性が得られ、優れたNOx浄化性能が発現する。
本発明の選択還元型NOx浄化用触媒における前記金属イオンの付着量としては、触媒質量当たり、金属換算で0.5〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が更に好ましい。金属イオンの付着量が前記下限未満になると、活性サイトが不足し、高いNH−SCR活性が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、NOx浄化率がそれ以上向上しないばかりか、イオン交換率の低下により、触媒表面に金属酸化物が偏析してNHの酸化反応が起こりやすい傾向にある。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すプラズマ発生装置を用いてゼオライトの細孔内にFeイオンを導入した。すなわち、先ず、試料部1に、ゼオライトとして東ソー株式会社製MFI構造のプロトン型ZSM−5(SiO/Al≒40、BET比表面積:330m/g)を約0.3g設置し、原料部2に、金属原料としてトリス(アセチルアセトナート)鉄(III)〔Fe(acac):C1521FeO〕を約1.2g設置した。試料加熱部3を400℃に加熱しながら1時間排気した後、原料加熱部4を200℃に加熱しながらアルゴン(流量:170ml/min)と酸素(流量:80ml/min)とを流通させ、石英管5内の圧力を450Paに調整し、マイクロ波発生器(2.45GHz)6の出力を0.5kWに設定して10分間プラズマ処理を行い、生成したFeイオンをゼオライトに接触させて、その細孔内に導入し、試料を回収した。これら一連の操作を7回繰り返して合計約2gの試料を得た。この試料をICP分析したところ、Feの付着量は0.7質量%であった。得られた試料を圧粉して破砕し、直径0.5〜1mmのペレット触媒を調製した。
(実施例2)
実施例1と同様にして図1に示すプラズマ発生装置の試料部1と原料部2にそれぞれゼオライトと金属原料を設置した。その後、400℃での排気時間を15分間に、原料加熱部4の加熱温度を220℃に、石英管5内の圧力を400Paに、マイクロ波発生器6の出力を0.7kWに変更した以外は、実施例1と同様にしてプラズマ処理を行い、生成したFeイオンをゼオライトに接触させて、その細孔内にFeイオンを導入し、試料を回収した。これら一連の操作を7回繰り返して合計約2gの試料を得た。この試料をICP分析したところ、Feの付着量は0.53質量%であった。得られた試料を圧粉して破砕し、直径0.5〜1mmのペレット触媒を調製した。
(実施例3)
ゼオライトとして東ソー株式会社製MFI構造のプロトン型ZSM−5(SiO/Al≒40、BET比表面積:330m/g)8.3gと、金属原料としてトリス(アセチルアセトナート)鉄(III)〔Fe(acac):C1521FeO〕1.85gとを乳鉢で乾式混合した。得られた試料を圧粉して破砕し、直径0.5〜1mmのペレットを調製した。このペレット1.7gを、図1に示すプラズマ発生装置の試料部1に設置し、原料部2は空の状態とした。石英管5内にアルゴン(流量:170ml/min)と酸素(流量:80ml/min)とを流通させて石英管5内の圧力を100Paに調整し、マイクロ波発生器(2.45GHz)6の出力を0.6kWに設定してプラズマ処理を行いながら、試料加熱部3を400℃まで20分間で昇温加熱し、さらに、石英管5内の圧力を400Paに変更して10分間保持して、ゼオライトの細孔内にFeイオンを導入した。得られたペレット触媒をICP分析したところ、Feの付着量は3.5質量%であった。
(比較例1)
実施例3の乳鉢乾式混合した粉末4gを、管状炉に設置し、酸素(流量:0.2L/min)と窒素(流量:0.8L/min)との混合ガスを流通させながら、室温から600℃まで1時間かけて昇温し、さらに、600℃で30分間保持した後、放冷した。得られた試料を圧粉して破砕し、直径0.5〜1mmのペレット触媒を得た。得られたペレット触媒をICP分析したところ、Feの付着量は3.5質量%であった。
<NH−SCR活性>
実施例1〜3及び比較例1で得られた各ペレット触媒1gを固定床流通式反応装置に設置し、酸化ガス(10%O+10%CO+8%HO+N(残部))の流通下(ガス流量:10L/min)、550℃で20分間の前処理を行なった。次いで、試験ガス(600ppmNO+700ppmNH+10%O+10%CO+8%HO+N(残部))の流通下(ガス流量:10L/min)、400℃(実施例1〜3及び比較例1)又は500℃(実施例1〜3)における触媒出ガスのNOx濃度を測定し、下記式:
NOx浄化率(%)=[入ガスNO濃度−出ガスNOx濃度]/入ガスNO濃度×100
によりNOx浄化率を求めた。その結果を表1に示す。
表1に示したように、実施例1〜3で得られたペレット触媒は、比較例1で得られたペレット触媒に比べて、400℃でのNOx浄化率が高くなった。これは、実施例1〜3で得られたペレット触媒では、比較例1で得られたペレット触媒に比べて、ゼオライト細孔内により多くのFeイオンがイオン交換され、このFeイオンが酸素過剰雰囲気下におけるNHによるNOx選択還元活性サイトとして機能したためと考えられる。
また、表1に示したように、実施例3で得られたペレット触媒は、実施例1〜2で得られたペレット触媒に比べて、500℃でのNOx浄化率が特に高くなった。実施例3で得られたペレット触媒は、ゼオライトと金属原料であるFe錯体とを予め混合し、得られた混合物中の前記Fe錯体を、プラズマを発生させた酸化雰囲気下で分解及び活性化し、生成したFeイオンをゼオライト細孔内に導入することによって製造されたものである。このようにして製造されたペレット触媒においては、ゼオライトの粒子表面近傍の細孔から順にFeイオンが交換されて多くのFe活性サイトが形成され、酸素過剰雰囲気下におけるNHによるNOxの選択還元反応が促進されたこと、さらに、ゼオライトの粒子表面(細孔外)での酸化鉄の生成又は析出又は堆積が抑制され、NHの酸化による消費が抑制されたため、高温におけるNH−SCR活性がより高くなったと考えられる。これに対して、実施例1〜2で得られたペレット触媒は、金属原料であるFe錯体を蒸気の状態で輸送し、プラズマを発生させた酸化雰囲気下でこのFe錯体を分解及び活性化して生成させたFeイオンをゼオライトに接触させることによって製造されたものである。このようにして製造されたペレット触媒においては、原料の効率的な輸送が困難であり、Fe活性サイトが少ないことに加え、一部のFeイオンがゼオライト細孔内に導入されず、ゼオライト粉末の表面に金属酸化物として生成又は析出又は堆積したため、500℃において副反応であるNHの酸化反応が進行したため、NOx浄化率が低くなったと考えられる。
<STEM−EDX分析>
Fe付着量が同じである実施例3及び比較例1で得られたペレット触媒について、走査透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「HD−2700」)を用いてSTEM−EDX分析を行なった。その結果を図2A〜図3Cに示す。図2A及び図3Aは、それぞれ実施例3及び比較例1で得られたペレット触媒の走査透過電子顕微鏡写真(BF−STEM像)である。図2B及び図3Bは、それぞれ実施例3及び比較例1で得られたペレット触媒を拡大した走査透過電子顕微鏡写真(拡大BF−STEM像)である。図2C及び図3Cは、それぞれ図2B及び図3Bの拡大BF−STEM像に対応するFe−EDXマッピング像である。
図2Aに示した実施例3のペレット触媒のBF−STEM像では、ゼオライト粒子表面に僅かに酸化鉄粒子が観察される程度であったのに対して、図3Aに示した比較例1のペレット触媒のBF−STEM像では、ゼオライトの粒子表面及びゼオライトとは無関係に凝集した状態で酸化鉄粒子が観察された。
また、図2Cに示した実施例3のペレット触媒のFe−EDXマッピング像では、図2Bの拡大BF−STEM像におけるゼオライト粒子の表面上の位置にFeによる明瞭な輪郭は観察されず、ゼオライト粒子中に一様にFeが検出された。一方、図3Cに示した比較例1のペレット触媒のFe−EDXマッピング像では、図3Bの拡大BF−STEM像におけるゼオライト粒子の表面、つまり、輪郭部分に酸化鉄粒子や酸化鉄層が検出され、ゼオライト粒子の輪郭以外の部分のFeは実施例3に比べて検出感度が低かった。以上の結果から、実施例3のペレット触媒では、ゼオライトの粒子表面に酸化鉄層はほとんど形成されず、ゼオライトの細孔内にFeイオンが導入されたのに対して、比較例1のペレット触媒では、ゼオライトの粒子表面に酸化鉄層が形成され、ゼオライトの細孔内へのFeイオン導入は少ないことがわかった。
さらに、実施例3で得られたペレット触媒について、ゼオライトの粒子最表面から粒子中心に向かって約20nmのステップで約10nm×100nmの領域のEDX分析を行なった。その結果を表2示す。また、図4は領域EDX分析を行なった範囲を示す環状暗視野走査透過電子顕微鏡写真(ADF−STEM像)である。
表2に示したように、ゼオライト粒子全体の平均Fe濃度(1.0at%)に対して、ゼオライト粒子の最表面側ほどFe濃度が高く、内側ほど徐々にFe濃度が低くなり、ほぼ一定となることがわかった。このことから、実施例3のペレット触媒において、Feはゼオライトの粒子表面近傍の細孔からイオン交換が進行し、ある深さまでFeが分布していることがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、酸素過剰雰囲気下において高いNH−SCR活性を示す選択還元型NOx浄化用触媒を得ることが可能となる。
したがって、本発明の選択還元型NOx浄化用触媒は、還元剤としてアンモニアを添加した又は含有する排ガスにおいて、アンモニアの酸化反応を抑制し、アンモニアによるNOxの選択還元反応を効率的に起こすことが可能であり、例えば、自動車の内燃機関から排出されるガスに含まれるNOxを浄化するための触媒等として有用である。
1:試料部
2:原料部
3:試料加熱部
4:原料加熱部
5:石英管
6:マイクロ波発生部
7:位相整合機

Claims (5)

  1. プラズマを利用して生成させた、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンをゼオライトの細孔内に導入することを特徴とする選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法。
  2. Cu錯体、Fe錯体、Co錯体、Ce錯体、Cu酢酸塩、Fe酢酸塩、Co酢酸塩、及びCe酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属原料とゼオライトとを混合した後、得られた混合物中の前記金属原料を、プラズマを発生させた酸化雰囲気下で分解及び活性化して前記金属イオンを生成させ、該金属イオンをゼオライトの細孔内に導入することを特徴とする請求項1に記載の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法。
  3. プラズマを発生させた酸化雰囲気下で、Cu錯体、Fe錯体、Co錯体、Ce錯体、Cu酢酸塩、Fe酢酸塩、Co酢酸塩、及びCe酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属原料を分解及び活性化して前記金属イオンを生成させた後、該金属イオンをゼオライトに接触させて、その細孔内に導入することを特徴とする請求項1に記載の選択還元型NOx浄化用触媒の製造方法。
  4. ゼオライトと、該ゼオライトの細孔内にプラズマを利用して導入された、Cuイオン、Feイオン、Coイオン、及びCeイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンとを備えることを特徴とする選択還元型NOx浄化用触媒。
  5. 前記金属イオンが前記ゼオライトの粒子表面から深さ100nmの範囲内の領域に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の選択還元型NOx浄化用触媒。
JP2017054663A 2017-03-21 2017-03-21 選択還元型NOx浄化用触媒及びその製造方法 Pending JP2018153785A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111715304A (zh) * 2020-08-03 2020-09-29 江苏肯创催化剂再生技术有限公司 Scr脱硝催化剂干法深度清洁的工艺方法

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