JP2018153172A - インターロイキン−6ファミリーサイトカインに対するアンタゴニスト - Google Patents
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Abstract
Description
(1)配列番号1の252番目のバリンから262番目のアルギニンまでのアミノ酸残基
(2)配列番号1の288番目のアスパラギン酸から300番目のアルギニンまでのアミノ酸残基
また本発明の第二の態様は、アンタゴニストが抗体である、第一の態様に記載のアンタゴニストである。
重鎖CDR1:配列番号18、配列番号28又は配列番号38に記載のアミノ酸配列
重鎖CDR2:配列番号19、配列番号29又は配列番号39に記載のアミノ酸配列
重鎖CDR3:配列番号20、配列番号30又は配列番号40に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR1:配列番号23、配列番号33又は配列番号43に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR2:配列番号24、配列番号34又は配列番号44に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR3:配列番号25、配列番号35又は配列番号45に記載のアミノ酸配列
また本発明の第四の態様は、抗体の重鎖CDRおよび軽鎖CDRのアミノ酸配列が、以下の(a)から(c)のいずれかである、第二又は三の態様に記載のアンタゴニストである。
(a)重鎖CDR1が配列番号18に、重鎖CDR2が配列番号19に、重鎖CDR3が配列番号20に、軽鎖CDR1が配列番号23に、軽鎖CDR2が配列番号24に、及び軽鎖CDR3が配列番号25に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(b)重鎖CDR1が配列番号28に、重鎖CDR2が配列番号29に、重鎖CDR3が配列番号30に、軽鎖CDR1が配列番号33に、軽鎖CDR2が配列番号34に、及び軽鎖CDR3が配列番号35に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(c)重鎖CDR1が配列番号38に、重鎖CDR2が配列番号39に、重鎖CDR3が配列番号40に、軽鎖CDR1が配列番号43に、軽鎖CDR2が配列番号44に、及び
軽鎖CDR3が配列番号45に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
また本発明の第五の態様は、抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列が、以下の(A)から(C)のいずれかである、第二〜四の態様いずれかに記載のアンタゴニストである。
(A)重鎖が配列番号16に、及び軽鎖が配列番号21に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(B)重鎖が配列番号26に、及び軽鎖が配列番号31に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(C)重鎖が配列番号36に、及び軽鎖が配列番号41に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
また本発明の第六の態様は、抗体の軽鎖フレームワーク領域のアミノ酸配列が、少なくとも配列番号170の34番目のトリプトファンから48番目のチロシンまでのアミノ酸配列を含む、第二〜四の態様いずれかに記載のアンタゴニストである。
(i)VH領域が配列番号140に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(ii)VH領域が配列番号142に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172又は配列番号204の1番目から107番目に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(iii)VH領域が配列番号144に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(iv)VH領域が配列番号146に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(v)VH領域が配列番号148に、VL領域が配列番号158、配列番号162、配列番号164、配列番号166又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む(vi)VH領域が配列番号150に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(vii)VH領域が配列番号152に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170又は配列番号172に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(viii)VH領域が配列番号154に、VL領域が配列番号158、配列番号164又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(ix)VH領域が配列番号156に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(x)VH領域が配列番号212の1番目から120番目、VL領域が配列番号200、202又は206の1番目から107番目に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
さらに本発明の第十の態様は、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36又は配列番号41に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。
る。
(1)252番目のバリンから262番目のアルギニンまでのアミノ酸残基(具体的にはVIILKYNIQYRからなるアミノ酸残基)または、
(2)288番目のアスパラギン酸から300番目のアルギニンまでのアミノ酸残基(具体的にはDLKPFTEYVFRIR)
に示すアミノ酸残基と結合することでヒトgp130受容体を通したシグナル伝達を抑制可能なアンタゴニストであり、好ましくは前記(1)の残基および前記(2)の残基の両方に結合可能なアンタゴニストである。本発明のアンタゴニストはヒトgp130受容体の細胞外領域に結合し、かつヒトgp130受容体を通したシグナル伝達の抑制効果がある物質であれば特に制約はなく、その一例として低分子化合物、DNAアプタマー、RNAアプタマー、抗体、低分子化抗体が挙げられる。中でも抗体または低分子化抗体が好ましく、さらに好ましくは抗体である。
(i)Fabフラグメント:VL領域、VH領域、CL1ドメインおよびCH1ドメインからなるフラグメント
(ii)F(ab’)2フラグメント:ヒンジ領域においてジスルフィド架橋で連結された2つのFabフラグメントを含むフラグメント
(iii)Fdフラグメント:VH領域およびCH1ドメインからなるフラグメント
(iv)Fvフラグメント:抗体の単一のアームのVL領域およびVH領域からなるフラグメント
が挙げられる。このうち(iv)Fvフラグメントの2つの領域であるVL領域およびVH領域は通常別々の遺伝子によってコードされているが、VL領域とVH領域とが対をなし、かつ合成リンカーを介して両領域が結合した態様(単鎖Fv(scFv))を遺伝子組換え技術を用いて作製してもよい。
重鎖CDR1:配列番号18、配列番号28又は配列番号38に記載のアミノ酸配列
重鎖CDR2:配列番号19、配列番号29又は配列番号39に記載のアミノ酸配列
重鎖CDR3:配列番号20、配列番号30又は配列番号40に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR1:配列番号23、配列番号33又は配列番号43に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR2:配列番号24、配列番号34又は配列番号44に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR3:配列番号25、配列番号35又は配列番号45に記載のアミノ酸配列
なお、本発明の抗体が前述したヒトgp130受容体中の特定領域(具体的には、配列番号1の252番目のバリンから262番目のアルギニンまでのアミノ酸残基および/または配列番号1の288番目のアスパラギン酸から300番目のアルギニンまでのアミノ酸残基)への結合能を有している限り、前記例示したアミノ酸配列において、アミノ酸の置換、欠失、挿入または付加が生じていてもよく、具体的には、抗体の重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2および軽鎖CDR3のアミノ酸配列は、前記例示したアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列であってよい。
(a)重鎖CDR1が配列番号18に、重鎖CDR2が配列番号19に、重鎖CDR3が配列番号20に、軽鎖CDR1が配列番号23に、軽鎖CDR2が配列番号24に、及び軽鎖CDR3が配列番号25に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(b)重鎖CDR1が配列番号28に、重鎖CDR2が配列番号29に、重鎖CDR3が配列番号30に、軽鎖CDR1が配列番号33に、軽鎖CDR2が配列番号34に、及び軽鎖CDR3が配列番号35に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(c)重鎖CDR1が配列番号38に、重鎖CDR2が配列番号39に、重鎖CDR3が配列番号40に、軽鎖CDR1が配列番号43に、軽鎖CDR2が配列番号44に、及び軽鎖CDR3が配列番号45に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
また本発明の抗体のさらにより好ましい態様として、抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列が、以下の(A)から(C)のいずれかである抗体が挙げられる。
(A)重鎖が配列番号16に、及び軽鎖が配列番号21に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(B)重鎖が配列番号26に、及び軽鎖が配列番号31に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(C)重鎖が配列番号36に、及び軽鎖が配列番号41に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
また本発明の抗体の別の態様として、抗体の重鎖および/または軽鎖のCDR以外のアミノ酸配列を、マウス抗体のアミノ酸配列からヒト抗体のアミノ酸配列へと変更した抗体(ヒト化抗体)が挙げられる(図4)。抗体全体におけるヒト抗体のアミノ酸配列の割合を増加させることにより、ヒト体内に適用した際に異物として排除されにくくなるというメリットが得られる。
(i)VH領域が配列番号140に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(ii)VH領域が配列番号142に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172又は配列番号204の1番目から107番目に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(iii)VH領域が配列番号144に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(iv)VH領域が配列番号146に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(v)VH領域が配列番号148に、VL領域が配列番号158、配列番号162、配列番号164、配列番号166又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む(vi)VH領域が配列番号150に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(vii)VH領域が配列番号152に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170又は配列番号172に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(viii)VH領域が配列番号154に、VL領域が配列番号158、配列番号164又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(ix)VH領域が配列番号156に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
また、上記のヒト化抗体の重鎖および軽鎖の可変領域以外の定常領域はヒト抗体のサブクラスであるIgG1、IgG2、IgG3、IgG4のアミノ酸配列から選択し使用すればよい。
(x)VH領域が配列番号212の1番目から120番目、VL領域が配列番号200、202又は206の1番目から107番目に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
さらに本発明の抗体は前述したアミノ酸配列に限定されるものではなく、機能特性が実質的に変化していない置換体(保守的アミノ酸置換体)も本発明の抗体に含まれる。保守的アミノ酸置換の一例として、バリン−ロイシン−イソロイシン間の置換、フェニルアラニン−チロシン間の置換、リシン−アルギニン間の置換、アラニン−バリン間の置換、グルタミン酸−アスパラギン酸間の置換、アスパラギン−グルタミン間の置換が挙げられる。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるヒトgp130受容体のうち細胞外領域(配列番号1の1番目のメチオニンから619番目のグルタミン酸までの領域)を発現させるためのベクターを以下の方法で構築した。
(1−1)配列番号2に記載のジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、dhfr)およびSV40のPolyAをコードする遺伝子を全合成し(Integrated DNA Technologies社に委託)プラスミドにクローニングした。
(1−2)(1−1)で作製したプラスミドで大腸菌JM109株を形質転換した。得られた形質転換体を培養し、プラスミドを抽出したのち、制限酵素SacIIで消化することで、dhfr−SV40PolyAをコードする遺伝子を調製しdhfr−SV40PolyA−P1と命名した。
(1−3)pIRESベクター(Clontech社製)を鋳型として、配列番号3(5’−TCCCCGCGGGCGGGACTCTGGGGTTCGAAATGACCG−3’)および配列番号4(5’−TCCCCGCGGGGTGGCTCTAGCCTTAAGTTCGAGACTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行なった。具体的には、表1に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を98℃で30秒間熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で5分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル繰り返すことで実施した。このPCRにより、pIRESベクターのうちネオマイシン耐性遺伝子を除いた領域を増幅した。
可溶性ヒトgp130受容体タンパク質の生産細胞株を得た。
スコを用いてCO2インキュベーター中で振盪培養(37℃、8%のCO2)し、可溶性ヒトgp130受容体タンパク質を分泌発現させた。遠心分離によって細胞および不純物を除去し得られた上清を、AKTAprime plus(GEヘルスケア社製)を用いて、あらかじめ20mMのイミダゾールと150mMの塩化ナトリウムとを含んだ20mMのTris−HCl(pH7.4)で平衡化した1mLのHisTrap HPカラム(GEヘルスケア社製)に流速1mL/分でアプライした。前記平衡化に用いた緩衝液で洗浄後、0.5Mのイミダゾール、150mMの塩化ナトリウムを含んだ20mMのTris−HCl(pH7.4)で溶出した。溶出液を限外ろ過膜で150mMの塩化ナトリウムを含んだ20mMのTris−HCl(pH7.4)に緩衝液交換することで高純度な可溶性ヒトgp130受容体タンパク質を得た。
(1)実施例1で作製した可溶性gp130受容体タンパク質を、10日に1回50μgずつ、合計4回に渡りBALB/cマウスの腹腔に注射することで免疫を行なった。
(3−1)実施例1で調製した可溶性ヒトgp130受容体を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellで固定化した(4℃で一晩)。固定化終了後、2%(w/v)のSKIM MILK(Becton Dickinson社製)および150mM塩化ナトリウムを含んだ20mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.4)によりブロッキングした。
(3−2)洗浄緩衝液(0.05%[w/v]のTween 20と150mMのNaClとを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4))で洗浄後、抗体を含んだハイブリドーマ上清を添加し、抗体と固定化組換えヒトgp130受容体タンパク質とを反応させた(30℃で1時間)。
(3−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、100ng/mLに希釈したペルオキシターゼで標識された抗マウス抗体(Bethyl社製)を100μL/wellで添加した。
(3−4)30℃で1時間反応し、前記洗浄緩衝液で洗浄した後、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を50μL/wellで添加した。その後、1Mのリン酸を50μL/wellで添加することで発色を止め、マイクロプレートリーダー(テカン社製)を用いて450nmの吸光度を測定し、測定値の高いハイブリドーマを選択した。
(4−1)96穴プレートの各ウェルにマウス由来の抗ヒトgp130受容体モノクローナルAM64抗体(特開平3−219894号公報)を固定化した。
(4−2)各ウェルに、実施例1で調製した可溶性ヒトgp130受容体を加えて前記ヒトgp130受容体抗体と結合させた。
(4−3)各ウェルに、組換えヒトインターロイキン−6(IL−6)(和光純薬社製)と組換えヒトIL−6受容体(IL−6R)(PeproTech社製)との混合物、および各ハイブリド−マの培養液上清を同時に添加した。
(4−4)前記条件下でAM64抗体および可溶性ヒトgp130受容体を介して固定化されたIL−6Rに、モルモットにIL−6Rを免疫して製造した抗IL−6Rポリクローナル抗体およびアルカリフォスファターゼで標識した抗モルモットイムノグロブリン抗体を添加し、洗浄後、アルカリフォスファターゼ基質を添加することにより、添加した可溶性ヒトgp130受容体タンパク質に対する抗体のIL−6の結合阻害効果を測定した。
(1)実施例2で得られた3種類のハイブリドーマから得られるモノクローナル抗体をそれぞれ抗体A、抗体B、抗体Cと名付けた。前記3種類のハイブリドーマをそれぞれ100μg/mLのカナマイシンおよび10%(w/v)のウシ血清を含んだDMEM培地(Thermo Fisher Scientific社製)10mLを添加した、90mmφの培養ディッシュにて培養した。培養上清をIsoStrip Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Kit(ロッシュ社製)を用いて各抗体のサブクラスを確認したところ、抗体AはH鎖がIgG1でL鎖がκ、抗体BはH鎖がIgG2bでL鎖がκ、抗体CはH鎖がIgG2aでL鎖がκであることを確認した。
具体的には、抗体Aの重鎖(H鎖)遺伝子の増幅には、鋳型として抗体Aを発現するハイブリドーマのcDNAライブラリーを用い、PCRプライマーとして配列番号10(5’−GCATAGAATTCCCCGGG−3’)および配列番号11(5’−ATGAATGCGGCCGCTCATTTACCAGGAGAGTGGGAGAGGCTCTTC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた。
また抗体Bおよび抗体Cの重鎖遺伝子の増幅には、鋳型として抗体Bまたは抗体Cを発現するハイブリドーマのcDNAライブラリーを用い、PCRプライマーとして配列番号10および配列番号12(5’−ATGAATGCGGCCGCTCATTTACCCGGAGWCCGGGAGAWGSTCTTMKTC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた。
また抗体A、抗体Bおよび抗体Cの軽鎖(L鎖)の遺伝子の増幅には、鋳型として各抗体を発現するハイブリドーマのcDNAライブラリーを用い、PCRプライマーとして配列番号10および配列番号13(5’−ATGAATGCGGCCGCCTAACACTCATTCCTGTTGAAGCTCTTGAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた。
PCRは、表4に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を98℃で5分熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1.5分間の3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。
(1)50μg/mLのカナマイシンおよび10%(w/v)のウシ血清を含んだDMEM培地(Thermo Fisher Scientific社製)を添加した6ウェルプレートを用いて、各ウェルにCOS1細胞株を添加し、37℃、5%CO2の条件で培養した。
(1)実施例2で得た3種類のハイブリドーマを、30mLのHybridoma−SFM培地(Thermo Fisher Scientific社製)が入った5枚の150mmφディッシュ(住友ベークライト社製)で、それぞれ培養した。培養後、遠心分離により培養上清を取得した。
(1)配列番号1に記載のヒトgp130受容体のアミノ酸配列のうち、124番目のロイシン(Leu)から324番目のアスパラギン酸(Asp)までの領域(全201アミノ酸残基)に対して、2アミノ酸残基のギャップで当該領域をカバーするよう、15アミノ酸残基からなるオリゴペプチドを計94本合成した(表5、配列番号46から配列番号139に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチド)。
(1)ヒトIL−6に感受性があり、かつヒトIL−6の添加により細胞増殖が促進される細胞株である7−TD−1(文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトを介して、理研BRCから提供されたRIKEN BRC Cell Bank No.RCB1190)を10%(w/v)のウシ血清を含んだDMEM培地(Thermo Fisher Scientific社製)で培養した。
(1)実施例5で調製した抗体A溶液を、限外ろ過にて濃縮しながらHBS−EP+緩衝液(GEヘルスケア社製)に置換後、HBS−EP+緩衝液(GEヘルスケア社製)にて16μg/mL、8μg/mL、4μg/mL、2μg/mL、1μg/mL、0.5μg/mL、0.25μg/mLおよび0.125μg/mLに希釈した。
(1)配列番号16に記載のアミノ酸配列のうち20番目のグルタミン酸から139番目のセリンまでのアミノ酸残基からなる、抗体Aの重鎖可変(VH)領域中のフレームワーク領域(FR)、および配列番号21に記載のアミノ酸配列のうち23番目のグルタミンから129番目のアルギニンまでのアミノ酸残基からなる、抗体Aの軽鎖可変(VL)領域中のフレームワーク領域(FR)を、マウス抗体のアミノ酸残基からヒト抗体のアミノ酸残基に変更したもの(以下、ヒト化抗体Aともいう)を、統合計算化学システム「MOE」(Chemical Computing Group社製)を用いて設計した。
(配列番号159)を含むプラスミドをpFU−AL1と命名し、AL2(配列番号160)をコードするポリヌクレオチド(配列番号161)を含むプラスミドをpFU−AL2と命名し、AL3(配列番号162)をコードするポリヌクレオチド(配列番号163)を含むプラスミドをpFU−AL3と命名し、AL4(配列番号164)をコードするポリヌクレオチド(配列番号165)を含むプラスミドをpFU−AL4と命名し、AL5(配列番号166)をコードするポリヌクレオチド(配列番号167)を含むプラスミドをpFU−AL5と命名し、AL6(配列番号168)をコードするポリヌクレオチド(配列番号169)を含むプラスミドをpFU−AL6と命名し、AL7(配列番号170)をコードするポリヌクレオチド(配列番号171)を含むプラスミドをpFU−AL7と命名し、AL8(配列番号172)をコードするポリヌクレオチド(配列番号173)を含むプラスミドをpFU−AL8と命名した。
(1)実施例9(6)で作製したヒト化抗体AのH鎖を発現するプラスミド100ngおよび実施例9(8)で作製したヒト化抗体AのL鎖を発現するプラスミド100ngを加えた25μLのOpti−MEM培地(Thermo Fisher Scientific社製社製)と、1μLのLipofectamine2000(Thermo Fisher Scientific社製社製)を含んだ25μLのOpti−MEM培地とを混合し室温で20分間静置した。
実施例10でヒトgp130受容体への結合性を示したヒト化抗体AのVH領域とVL領域との組み合わせのうち、AH2(配列番号142)−AL3(配列番号162)およびAH2(配列番号142)−AL4(配列番号164)の組み合わせについて親和性を測定した。
6×104[1/Ms]、kd=2.68×10−4[1/s]、KD=3.80×10
−9[M]であり、AH2−AL4の親和性はka=6.27×104[1/Ms]、k
d=2.89×10−4[1/s]、KD=4.61×10−9[M]であった。このこ
とから、ヒト化抗体AH2−AL3およびヒト化抗体AH2−AL4の親和性は、実施例
8に記載のヒト化前の抗体A(マウス抗体)の親和性(KD=6.67×10−10[M
])とほぼ同等の親和性を有していることが確認された。
(1)配列番号21に記載のアミノ酸配列のうち23番目のグルタミン(Gln)から129番目のアルギニン(Arg)までのアミノ酸残基からなる、抗体Aの軽鎖可変(VL)領域中のフレームワーク領域(FR)をヒト化した抗体のアミノ酸残基を、統合計算化学システム「MOE」(Chemical Computing Group社製)を用いて5種設計した。
設計したヒト化抗体AのVL領域(AL9からAL13)のうち、AL9のアミノ酸配列を配列番号176に、AL9をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号177に、AL10のアミノ酸配列を配列番号178に、AL10をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号179に、AL11のアミノ酸配列を配列番号180に、AL11をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号181に、AL12のアミノ酸配列を配列番号182に、AL12をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号183に、AL13のアミノ酸配列を配列番号184に、AL13をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号185に示した。
作製したプラスミドのうち、AL9(配列番号176)をコードするポリヌクレオチド(配列番号177)を含むプラスミドをpFU−AL9と命名し、AL10(配列番号178)をコードするポリヌクレオチド(配列番号179)を含むプラスミドをpFU−AL10と命名し、AL11(配列番号180)をコードするポリヌクレオチド(配列番号181)を含むプラスミドをpFU−AL11と命名し、AL12(配列番号182)をコードするポリヌクレオチド(配列番号183)を含むプラスミドをpFU−AL12と命名し、AL13(配列番号184)をコードするポリヌクレオチド(配列番号185)を含むプラスミドをpFU−AL13と命名した。
配列番号188に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号190に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして得られたPCR産物はヒト化L鎖の可変領域にある4つのFRのうちFR1をコードしておりAL−FR1と命名した。また配列番号189に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号192に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして得られたPCR産物はヒト化L鎖の可変領域にある4つのFRのうちFR2をコードしておりAL−FR2と命名した。また配列番号191に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号194に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして得られたPCR産物はヒト化L鎖の可変領域にある4つのFRのうちFR3をコードしておりAL−FR3と命名した。また配列番号193に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号195に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして得られたPCR産物はヒト化L鎖の可変領域にある4つのFRのうちFR4をコードしておりAL−FR4と命名した。
(1)実施例3で作製したpAP−AH(抗体A重鎖、ヒト化前のマウス抗体)を鋳型とし配列番号196(5’−AGATGCTAGCACCATGGGATGGAGCTGGATC−3’)および配列番号197(5’−AAGGGCGGCCGCTCATTTACCAGGAGAGTG−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行なった。具体的には、表7に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を98℃で1分間熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1.5分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。このPCRにより増幅したPCR産物(配列番号16に記載の抗体A重鎖のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド)をAH−Pと命名した。
(1)実施例13で得られたヒト化抗体L鎖発現プラスミドのうちpFU−AL−13H10を選択し、当該プラスミド2μgと実施例9で作製した重鎖可変(VH)領域がAH2(配列番号142)であるヒト化抗体AのH鎖発現プラスミドpFU−AH2 1μgとを混合し、NeonTransfection System(Thermo Fisher Scientific社製)を用いたエレクトロポレーション(1700V、20ms、1回)でCHO細胞(DG44株)に遺伝子導入した。
(1)実施例9で作製した重鎖可変(VH)領域がAH2(配列番号142)であるヒト化抗体AのH鎖発現プラスミドpFU−AH2を鋳型とし、配列番号208(5’−CACTTGTCACGAATTCGCAGGTTCAACTCCAGCAACCAGG−3’)または配列番号209(5’−GCGGTTTACTACTGCGCTCGTACCTACTAC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号210(5’−GTAGTAGGTACGAGCGCAGTAGTAAACCGC−3’)または配列番号211(5’−GGCCCTTGGTGCTAGCCGCAGAAACAGTAACGAGGGTACC−3’)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとしてPCRを行なった。具体的には表10に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を98℃で5分間熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で30秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。
配列番号208に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号210に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして得られたPCR産物をAH2−2P1と命名し、配列番号209に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号211に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして得られたPCR産物をAH2−2P2と命名した。
Claims (13)
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるヒトgp130受容体の、少なくとも以下の(1)および/または(2)に示すアミノ酸残基と結合可能な、インターロイキン−6ファミリーサイトカインに対するアンタゴニスト。
(1)配列番号1の252番目のバリンから262番目のアルギニンまでのアミノ酸残基
(2)配列番号1の288番目のアスパラギン酸から300番目のアルギニンまでのアミノ酸残基 - アンタゴニストが抗体である、請求項1に記載のアンタゴニスト。
- 抗体の重鎖相補性決定領域(CDR)1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2および軽鎖CDR3が、それぞれ以下に示すアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含む、請求項2に記載のアンタゴニスト。
重鎖CDR1:配列番号18、配列番号28又は配列番号38に記載のアミノ酸配列
重鎖CDR2:配列番号19、配列番号29又は配列番号39に記載のアミノ酸配列
重鎖CDR3:配列番号20、配列番号30又は配列番号40に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR1:配列番号23、配列番号33又は配列番号43に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR2:配列番号24、配列番号34又は配列番号44に記載のアミノ酸配列
軽鎖CDR3:配列番号25、配列番号35又は配列番号45に記載のアミノ酸配列 - 抗体の重鎖CDRおよび軽鎖CDRのアミノ酸配列が、以下の(a)から(c)のいずれかである、請求項2又は3に記載のアンタゴニスト。
(a)重鎖CDR1が配列番号18に、重鎖CDR2が配列番号19に、重鎖CDR3が配列番号20に、軽鎖CDR1が配列番号23に、軽鎖CDR2が配列番号24に、及び軽鎖CDR3が配列番号25に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(b)重鎖CDR1が配列番号28に、重鎖CDR2が配列番号29に、重鎖CDR3が配列番号30に、軽鎖CDR1が配列番号33に、軽鎖CDR2が配列番号34に、及び軽鎖CDR3が配列番号35に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(c)重鎖CDR1が配列番号38に、重鎖CDR2が配列番号39に、重鎖CDR3が配列番号40に、軽鎖CDR1が配列番号43に、軽鎖CDR2が配列番号44に、及び
軽鎖CDR3が配列番号45に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む - 抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列が、以下の(A)から(C)のいずれかである、請求項2〜4いずれかに記載のアンタゴニスト。
(A)重鎖が配列番号16に、及び軽鎖が配列番号21に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(B)重鎖が配列番号26に、及び軽鎖が配列番号31に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(C)重鎖が配列番号36に、及び軽鎖が配列番号41に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む - 抗体の軽鎖フレームワーク領域のアミノ酸配列が、少なくとも配列番号170の34番目のトリプトファンから48番目のチロシンまでのアミノ酸配列を含む、請求項2〜4いずれかに記載のアンタゴニスト。
- 抗体の軽鎖可変(VL)領域のアミノ酸配列が、少なくとも配列番号170に記載のアミノ酸配列を含む、請求項2〜4及び6のいずれかに記載のアンタゴニスト。
- 抗体の重鎖可変(VH)領域のアミノ酸配列が、少なくとも配列番号142又は配列番号152に記載のアミノ酸配列を含む、請求項2〜4、6及び7のいずれかに記載のアンタゴニスト。
- 抗体のVH領域およびVL領域のアミノ酸配列が、以下の(i)から(ix)のいずれかである、請求項2〜4いずれかに記載のアンタゴニスト。
(i)VH領域が配列番号140に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(ii)VH領域が配列番号142に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172又は配列番号204の1番目から107番目にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(iii)VH領域が配列番号144に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(iv)VH領域が配列番号146に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(v)VH領域が配列番号148に、VL領域が配列番号158、配列番号162、配列番号164、配列番号166又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む(vi)VH領域が配列番号150に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(vii)VH領域が配列番号152に、VL領域が配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170又は配列番号172に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(viii)VH領域が配列番号154に、VL領域が配列番号158、配列番号164又は配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(ix)VH領域が配列番号156に、VL領域が配列番号170に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む
(x)VH領域が配列番号212の1番目から120番目、VL領域が配列番号200、202又は206の1番目から107番目に、それぞれ記載のアミノ酸配列を含む - 配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36又は配列番号41に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
- 請求項10に記載のポリヌクレオチドを少なくとも含む、ベクター。
- 請求項11に記載のベクターで宿主を形質転換して得られる、形質転換体。
- 請求項12に記載の形質転換体を培養して抗体を発現させた後、前記形質転換体の培養物から発現した抗体を回収する、抗体の製造方法。
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