JP2018153004A - 電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラム - Google Patents

電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電力設備の更新計画を効率良く立てることができる電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の電力供給経路評価装置は、第1選択部と、導出部と、第2選択部とを持つ。第1選択部は、電力系統を構成する複数の電力供給経路の中から、所定期間において生じた停電の回数に基づく指標値が閾値以下となる一以上の電力供給経路を選択する。導出部は、第1選択部により選択された電力供給経路の電気的な状態を導出する。第2選択部は、導出部により導出された電気的な状態に基づいて、第1選択部により選択された一以上の電力供給経路の中から、所定条件を満たす電力供給経路を選択する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラムに関する。
電力を送配電する送配電系統は、様々な電力流通設備で構成されている。これらの設備は、使用状態や使用年数などに応じて計画的に更新していく必要がある。これに関連し、合理的に設備の更新計画を立てるために、電力系統の複数の系統構成の供給信頼度を評価する技術が知られている。しかしながら、従来の技術では、効率良く電力設備の更新計画を立てることができない場合があった。
特開2004−242411号公報
本発明が解決しようとする課題は、電力設備の更新計画を効率良く立てることができる電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラムを提供することである。
実施形態の電力供給経路評価装置は、第1選択部と、導出部と、第2選択部とを持つ。第1選択部は、電力系統を構成する複数の電力供給経路の中から、所定期間において生じた停電の回数に基づく指標値が閾値以下となる一以上の電力供給経路を選択する。導出部は、第1選択部により選択された電力供給経路の電気的な状態を導出する。第2選択部は、導出部により導出された電気的な状態に基づいて、第1選択部により選択された一以上の電力供給経路の中から、所定条件を満たす電力供給経路を選択する。
実施形態における電力供給経路評価装置100の構成の一例を示す図。 電力系統構成情報132が示す電力系統を模式的に示す図。 実施形態における制御部110による一連の処理の流れの一例を示すフローチャート。 連結確率Pa算出時に利用する2分決定グラフのグラフ構造の一例を示す図。 送電線ごとの故障発生回数の一例を示す図。 図5に例示した送電線PLごとの故障発生回数を基に算出された電力供給経路PSの連結確率Paの一例を示す図。 SAIFI算出時に利用する2分決定グラフのグラフ構造の一例を示す図。 各負荷ノードNDと電気的に接続された需要家設備の総数の一例を示す図。 各電力供給経路PSのSAIFIの一例を示す図。 送電線PL1を停止させる場合に負荷条件Aを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図。 送電線PL1を停止させる場合に負荷条件Bを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図。 送電線PL1を停止させる場合に負荷条件Cを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図。 電線PL3を停止させる場合に負荷条件Aを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図。 送電線PL3を停止させる場合に負荷条件Bを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図。 送電線PL3を停止させる場合に負荷条件Cを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図。 送電線PL1を停止させるときの各負荷条件における電気的諸量の一例を示す図。 送電線PL3を停止させるときの各負荷条件における電気的諸量の一例を示す図。
以下、実施形態の電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。実施形態における電力供給経路評価装置は、電力系統に含まれる複数の電力供給経路のそれぞれを評価して、電力系統に含まれる各種電力設備を更新する際に、どの電力供給経路に対する電力供給を停止させるのが最も合理的であるのかを評価する装置である。
図1は、実施形態における電力供給経路評価装置100の構成の一例を示す図である。本実施形態の電力供給経路評価装置100は、例えば、制御部110と、記憶部130とを備える。
制御部110は、例えば、停止設備候補選択部112と、連結確率算出部114と、第1系統構成選択部116と、供給信頼度算出部118と、第2系統構成選択部120と、系統状態導出部122と、第3系統構成選択部124とを備える。第1系統構成選択部116は、「第3選択部」の一例であり、第2系統構成選択部120は、「第1選択部」の一例であり、第3系統構成選択部124は、「第2選択部」の一例である。また、供給信頼度算出部118は、「指標値算出部」の一例である。
制御部110の構成要素の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶部130に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、制御部110の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等によって実現されてよい。記憶部130は、制御部110のプロセッサが実行するプログラムを格納する他、電力系統構成情報132等を記憶する。
図2は、電力系統構成情報132が示す電力系統を模式的に示す図である。電力系統構成情報132は、電力系統に含まれる各種電力設備および送電線(電力線)の数や、種類、接続経路などを表す情報である。本実施形態における電力系統は、送電系統や配電系統を含む。送電系統は、例えば、発電所などの電源設備や、超超高圧や超高圧などの電力を送電する送電線、発電された電力を変圧する変電所などを含む。配電系統は、例えば、送電系統を介して供給された電力を変圧する変電所や、高圧電力を送電(配電)する送電線(配電線)、柱上変圧器などを含む。
図中Pは、例えば、送電系統における電源設備を表していてもよいし、配電系統において、送電系統から受電する電力設備(例えば変電所など)を表していてもよい。また、図中ND0からND4は、電力系統における各電力設備(例えば変電所や柱上変圧器など)を表している。以下、ND0からND4として表す電力設備を「負荷ノード」と称して説明する。また、図中PL1からPL6は、電力系統における送電線を表している。電力系統構成情報132は、例えば、図示のように、負荷ノードND0が、負荷ノードND1と送電線PL1を介して接続されていると共に、負荷ノードND2と送電線PL2を介して接続されていることを表している。また、電力系統構成情報132は、負荷ノードND1および負荷ノードND2が同じ送電線PL3を介して互いに接続されていることを表している。また、電力系統構成情報132は、負荷ノードND1が、負荷ノードND3と送電線PL4を介して接続されていると共に、負荷ノードND2が負荷ノードND4と送電線PL5を介して接続されていることを表している。また、電力系統構成情報132は、負荷ノードND3および負荷ノードND4が同じ送電線PL6を介して互いに接続されていることを表している。
なお、図に例示した電力系統では、負荷ノードがND0からND4までの5つと、送電線がPL1からPL6の6つを含むものとして説明したがこれに限られず、更に多くの負荷ノードおよび送電線が追加されてもよいし、例示した負荷ノードおよび送電線のいずれか一つまたは複数が省略されてもよい。
以下、フローチャートを参照して、制御部110による処理について説明する。図3は、実施形態における制御部110による一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し行われてよい。
まず、停止設備候補選択部112は、電力系統構成情報132が示す電力系統において、電力系統内に存在する一つ以上の電力設備(送電線)の中から、設備更新のために運転を停止させる電力設備の候補(以下、停止設備候補と称する)を一つ以上選択する(ステップS100)。例えば、停止設備候補選択部112は、上述した図2において、送電線PL1からPL6のそれぞれを、停止設備候補として選択する。
次に、連結確率算出部114は、停止設備候補選択部112により選択された停止設備候補を停止させたときを想定して、電力系統において、停止設備候補である負荷ノードNDを除く他の負荷ノードNDのそれぞれに至る電力供給経路PSの連結確率Paを算出する(ステップS102)。連結確率Paは、各電力供給経路PSに接続された負荷ノードNDが停電しない確率を表している。
例えば、停止設備候補選択部112により、送電線PL1からPL6のそれぞれが停止設備候補として選択された場合、連結確率算出部114は、以下の電力供給経路PSの連結確率Paを算出する。
(1)送電線PL1を停止させたときに、負荷ノードND1からND4のそれぞれに電力供給がなされる電力供給経路PSの連結確率。
(2)送電線PL2を停止させたときに、負荷ノードND1からND4のそれぞれに電力供給がなされる電力供給経路PSの連結確率。
(3)送電線PL3を停止させたときに、負荷ノードND1からND4のそれぞれに電力供給がなされる電力供給経路PSの連結確率。
(4)送電線PL4を停止させたときに、負荷ノードND1からND4のそれぞれに電力供給がなされる電力供給経路PSの連結確率。
(5)送電線PL5を停止させたときに、負荷ノードND1からND4のそれぞれに電力供給がなされる電力供給経路PSの連結確率。
(6)送電線PL6を停止させたときに、負荷ノードND1からND4のそれぞれに電力供給がなされる電力供給経路PSの連結確率。
連結確率算出部114は、各電力供給経路PSの連結確率Paを、グラフ理論を用いて算出する。例えば、連結確率算出部114は、グラフ理論に基づいた手法として、2分決定グラフを用いて各電力供給経路PSの連結確率Paを算出する。
図4は、連結確率Pa算出時に利用する2分決定グラフのグラフ構造の一例を示す図である。本実施形態における2分決定グラフは、環状構造を持たないツリー構造の有向グラフで表現される。2分決定グラフにおいて、各決定ノードは、電力系統に存在する各送電線PLnを表し、決定ノード同士を接続する2分岐のエッジは、送電線PLn同士の接続の有無を表している。図示の例の2分決定グラフは、上記(1)の場合(送電線PL1を停止させた場合)に参照されるグラフである。
2分決定グラフにおいて、例えば、決定ノードである送電線PL同士が、負荷ノードNDを介して互いに接続されている場合、決定ノード間のエッジは“1”となり、送電線PL同士が接続されていない場合、決定ノード間のエッジは“0”となる。例えば、図中の電力供給経路PS5は、送電線PL2とPL3が接続され、送電線PL3とPL4が接続され、送電線PL4とPL5が接続されず、送電線PL5とPL6が接続された経路である。このような各電力供給経路PSにおいて、最も深い階層の決定ノード(始点とする開始ノードから辿るエッジ数が最も多い決定ノード)を親とした子ノード(以下、終端ノードと称する)の値が“0”または“1”であるのかに応じて、その電力供給経路PSに含まれるいずれか一つ以上の負荷ノードNDに対して電力が供給されるのか否かが判断される。終端ノードの値が“0”であることは、いずれか一つ以上の負荷ノードNDに対して電力が供給されないことを表し、終端ノードの値が“1”であることは、全ての負荷ノードNDに対して電力が供給されることを表している。
例えば、連結確率算出部114は、電力系統構成情報132を参照して、図4に例示するようなグラフ構造の2分決定グラフを生成する。例えば、連結確率算出部114は、開始ノードから下層の決定ノードへと移っていったときに現われる変数の順序が(どの経路でも)同じになるような順序付き二分決定グラフを生成する。
連結確率算出部114は、生成した2分決定グラフの終端ノードの値を参照することで、各送電線PLnを停止したときに全ての負荷ノードNDに電力が供給される電力供給経路PSを抽出する。図4の例の場合、全ての負荷ノードNDに電力が供給される電力供給経路PSとして、PS1〜PS3、PS5、PS8が抽出される。
そして、連結確率算出部114は、抽出した電力供給経路PSを構成する各送電線PLnの故障発生回数に基づき、電力供給経路PSの連結確率Paを算出する。
図5は、送電線ごとの故障発生回数の一例を示す図である。例えば、ある過去の時点において、送電線PL1の年間の故障発生回数が10回であった場合、一時間当たりの故障発生確率は0.00114回となる。連結確率算出部114は、図5に例示されるような各送電線PLnの1時間当たりの故障発生回数を確率(以下、非連結確率pbと称する)に置き換え、1から非連結確率pbを減算した値を、各送電線PLnの連結確率paとして算出する。
例えば、図5に例示した送電線ごとの故障発生回数を基に、送電線PLnごとに算出される連結確率paは、以下のようになる。
・送電線PL1の連結確率pa=(1−pb)=0.99886
・送電線PL2の連結確率pa=(1−pb)=0.99943
・送電線PL3の連結確率pa=(1−pb)=0.99372
・送電線PL4の連結確率pa=(1−pb)=0.99658
・送電線PL5の連結確率pa=(1−pb)=0.99772
・送電線PL6の連結確率pa=(1−pb)=0.99543
連結確率算出部114は、各送電線PLnの連結確率paを算出した後、抽出した電力供給経路PSのそれぞれに関して、電力供給経路PSに含まれる送電線PLnの連結確率paを乗算する。例えば、連結確率算出部114は、全ての負荷ノードNDに電力が供給される電力供給経路PSとして、PS1〜PS3、PS5、PS8の経路を抽出した場合、まず、電力供給経路PS1に含まれる送電線PL2からPL6のそれぞれの連結確率paを乗算する。
例えば、連結確率算出部114は、電力供給経路PS1に関しては、pa×pa×pa×pa×paを計算し、電力供給経路PS2に関しては、pa×pa×pa×pa×(1−pa)を計算する。また、連結確率算出部114は、電力供給経路PS3に関しては、pa×pa×pa×(1−pa)×paを計算し、電力供給経路PS5に関しては、pa×pa×pa×(1−pa)×paを計算する。また、連結確率算出部114は、電力供給経路PS8に関しては、pa×(1−pa)×pa×pa×paを計算する。
そして、連結確率算出部114は、電力供給経路PSごとに乗算した各送電線PLnの連結確率paを加算することで、電力供給経路PS全体の連結確率Paを算出する。上述した数値例の場合、電力供給経路PS全体の連結確率Paは、(pa×pa×pa×pa×pa)+(pa×pa×pa×pa×(1−pa))+(pa×pa×pa×(1−pa)×pa)+(pa×pa×pa×(1−pa)×pa)+(pa×(1−pa)×pa×pa×pa)=0.99933となる。
また、連結確率算出部114は、送電線PL1を停止させたときに各負荷ノードNDに電力が供給される電力供給経路PSの連結確率Paを算出したのと同様に、停止設備候補選択部112により選択された停止設備候補のうち、送電線PL1以外の他の送電線PLのそれぞれを停止させたときに各負荷ノードNDに電力が供給される電力供給経路PSの連結確率Paを算出する。上述した例の場合、停止設備候補選択部112により、送電線PL1からPL6のそれぞれが停止設備候補として選択されたため、連結確率算出部114は、送電線PL2を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの連結確率Paと、送電線PL3を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの連結確率Paと、送電線PL4を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの連結確率Paと、送電線PL5を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの連結確率Paと、送電線PL6を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの連結確率Paとを、上述した2分決定グラフを用いて算出する。このように、連結確率算出部114が2分決定グラフを用いて電力供給経路PS全体の連結確率Paを算出するため、グラフ構造を既約しながら効率的に電力供給経路PSを探索することができる。
図6は、図5に例示した送電線PLごとの故障発生回数を基に算出された電力供給経路PSの連結確率Paの一例を示す図である。送電線PL1を停止させたときの電力供給経路PSの連結確率Paは、上述したように0.99933となっている。
次に、第1系統構成選択部116は、連結確率算出部114により連結確率Paが算出された電力供給経路PSの中から、連結確率Paがある閾値(以下、連結確率閾値Pthと称する)以上の電力供給経路PSを選択する(ステップS104)。
例えば、連結確率閾値Pthが0.995であるときに、電力供給経路PSの連結確率Paが上述した図6に例示する数値例の場合、第1系統構成選択部116は、連結確率Paが連結確率閾値Pth以上となる電力供給経路PSとして、送電線PL1を停止させたときの電力供給経路PS(Pa=0.99933)、送電線PL2を停止させたときの電力供給経路PS(Pa=0.99876)、送電線PL3を停止させたときの電力供給経路PS(Pa=0.99995)を選択する。
次に、供給信頼度算出部118は、第1系統構成選択部116により選択された電力供給経路PSのそれぞれについて、その電力供給経路PSに電力を供給した時の信頼性を表す指標値(以下、供給信頼度と称する)を算出する(ステップS106)。供給信頼度は、例えば、各負荷ノードNDから電力を受電する需要家の電力設備が、所定期間(例えば一年間)に停電する平均回数(SAIFI:System Average Interruption Frequency Index)として表される。例えば、SAIFI(例えば単位は[回/年])は、以下の数式(1)に基づき算出される。
Figure 2018153004
数式(1)の分子は、送電線PLnの非連結確率pbと、停電する総需要家設備数との積の総和を表している。すなわち、数式(1)の分子は、一つ以上の送電線PLnを含む、ある電力供給経路PS全体の非連結確率Pbと、その電力供給経路PSに含まれる各負荷ノードNDに接続された需要家設備のうちの停電する需要家設備の総数との積を、全ての電力供給経路PSについて足し合わせたものである。例えば、供給信頼度算出部118は、SAIFI算出式の分子(以下、需要家停電回数Xnと称する)を、上述した2分決定グラフを用いて算出する。
図7は、SAIFI算出時に利用する2分決定グラフのグラフ構造の一例を示す図である。図示の例は、送電線PL1を停止させたときに参照されるグラフ構造を表している。例えば、供給信頼度算出部118は、連結確率算出部114により生成された2分決定グラフの終端ノードの値を参照することで、各送電線PLnを停止したときにいずれか一つ以上の負荷ノードNDに電力が供給されない電力供給経路PS(終端ノードの値が“0”である経路)を抽出する。図7の例の場合、いずれか一つ以上の負荷ノードNDに電力が供給されない電力供給経路PSとして、PS4、PS6、PS7、PS9〜PS14が抽出される。なお、供給信頼度算出部118は、連結確率算出部114により生成された2分決定グラフを参照する代わりに、電力系統構成情報132を参照することで2分決定グラフを生成してもよい。
そして、供給信頼度算出部118は、抽出した電力供給経路PSを構成する各送電線PLnの故障発生回数に基づき、電力供給経路PS全体の非連結確率Pbを算出する。
例えば、各送電線PLnの故障発生回数が、上述した図5に例示する数値である場合、供給信頼度算出部118は、抽出した電力供給経路PSのそれぞれに関して、電力供給経路PSに含まれる各送電線PLnの非連結確率pbを乗算することで、各電力供給経路PSの非連結確率Pbを算出する。例えば、供給信頼度算出部118は、いずれか一つ以上の負荷ノードNDに電力が供給されない電力供給経路PSとして、PS4、PS6、PS7、PS9〜PS14の経路を抽出した場合、これらの各電力供給経路PSに含まれる送電線PLnのそれぞれの非連結確率pbを乗算する。
例えば、供給信頼度算出部118は、以下を計算することで、各電力供給経路PSの非連結確率Pbを算出する。
・PS4のPb
=(1−pb)×(1−pb)×(1−pb)×pb×pb
=(1−0.00057078)×(1−0.00627854)×(1−0.00342466)×0.00228311×0.00456621
=0.00001032
・PS6のPb
=(1−pb)×(1−pb)×pb×(1−pb)×pb
=(1−0.00057078)×(1−0.00627854)×0.00342466×(1−0.00228311)×0.00456621
=0.00001550
・PS7のPb
=(1−pb)×(1−pb)×pb×pb
=(1−0.00057078)×(1−0.00627854)×0.00342466×0.00228311
=0.00000777
・PS9のPb
=(1−pb)×pb×(1−pb)×(1−pb)×pb
=(1−0.00057078)×0.00627854×(1−0.00342466)×(1−0.00228311)×0.00456621
=0.00002849
・PS10のPb
=(1−pb)×pb×(1−pb)×pb
=(1−0.00057078)×0.00627854×(1−0.00342466)×0.00228311
=0.00001428
・PS11のPb
=(1−pb)×pb×pb×(1−pb)×(1−pb
=(1−0.00057078)×0.00627854×0.00342466×(1−0.00228311)×(1−0.00456621)
=0.00002134
・PS12のPb
=(1−pb)×pb×pb×(1−pb)×pb
=(1−0.00057078)×0.00627854×0.00342466×(1−0.00228311)×0.00456621
=0.00000010
・PS13のPb
=(1−pb)×pb×pb×pb
=(1−0.00057078)×0.00627854×0.00342466×0.00228311
=0.00000005
・PS14のPb=pb=0.00057078
そして、供給信頼度算出部118は、電力供給経路PSごとの非連結確率Pbに対して、その電力供給経路PSに含まれる各負荷ノードNDに電気的に接続された需要家設備の総数を乗算することで、上記数式(1)における分子を算出する。
図8は、各負荷ノードNDと電気的に接続された需要家設備の総数の一例を示す図である。図示の例では、各負荷ノードNDに接続された総需要家数は、いずれも35000軒となっている。例えば、図2に例示した電力系統において、送電線PLnの故障発生回数が上述した図5に例示する数値であり、各負荷ノードNDと電気的に接続された需要家設備の総数が図8に例示する値である場合、供給信頼度算出部118は、以下を計算する。
・PS4の需要家停電回数X4
=(PS4のPb)×(ND4に接続された需要家設備の総数)
=0.00001032×35000
=0.36114[回/時間]
・PS6の需要家停電回数X6
=(PS6のPb)×(ND3に接続された需要家設備の総数)
=0.00001550×35000
=0.54233[回/時間]
・PS7の需要家停電回数X7
=(PS7のPb)×(ND3、ND4に接続された需要家設備の総数)
=0.00000777×(35000+35000)
=0.54357[回/時間]
・PS9の需要家停電回数X9
=(PS9のPb)×(ND1、ND3に接続された需要家設備の総数)
=0.00002849×(35000+35000)
=1.99426[回/時間]
・PS10の需要家停電回数X10
=(PS10のPb)×(ND1、ND3、ND4に接続された需要家設備の総数)
=0.00001428×(35000+35000+35000)
=1.49912[回/時間]
・PS11の需要家停電回数X11
=(PS11のPb)×(ND3に接続された需要家設備の総数)
=0.00002134×35000
=0.74699[回/時間]
・PS12の需要家停電回数X12
=(PS12のPb)×(ND1、ND3に接続された需要家設備の総数)
=0.00000010×(35000+35000)
=0.00685[回/時間]
・PS13の需要家停電回数X13
=(PS13のPb)×(ND1、ND3、ND4に接続された需要家設備の総数)
=0.00000005×(35000+35000+35000)
=0.00515[回/時間]
・PS14の需要家停電回数X14
=(PS14のPb)×(ND1〜ND4に接続された需要家設備の総数)
=0.00057078×(35000+35000+35000+35000)
=79.90868[回/時間]
そして、供給信頼度算出部118は、算出した電力供給経路PS4、PS6、PS7、PS9〜PS14のそれぞれの需要家停電回数Xnを、上述した数式(1)に代入することにより、SAIFIを算出する。例えば、各需要家停電回数Xnが代入された数式(1)は、以下の数式(2)のように表される。
Figure 2018153004
また、供給信頼度算出部118は、送電線PL1を停止させたときの電力供給経路PSの非連結確率Pbを算出したのと同様に、第1系統構成選択部116により選択された電力供給経路PSのうち、送電線PL1以外の他の送電線PLのそれぞれを停止させたときの各電力供給経路PSの非連結確率Pbを算出する。上述した例の場合、第1系統構成選択部116により、送電線PL1、PL2、PL3のそれぞれが選択されたため、供給信頼度算出部118は、送電線PL2を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの非連結確率Pbと、送電線PL3を停止させたときの一つまたは複数の電力供給経路PSの非連結確率Pbとを、上述した2分決定グラフを用いて算出する。これによって、停止させる候補の送電線PLを変更しながら、その都度、各電力供給経路PSのSAIFIが算出される。この結果、供給信頼度算出部118が2分決定グラフを用いて電力供給経路PS全体の非連結確率Pbを算出するため、効率良くSAIFIが算出される。
供給信頼度算出部118により算出された各電力供給経路PSのSAIFI(供給信頼度の一例)は、例えば、図9に例示する値となる。図9は、各電力供給経路PSのSAIFIの一例を示す図である。図示の例では、第1系統構成選択部116により、送電線PL1を停止させたときの電力供給経路PSのSAIFI(=5.35662)と、送電線PL2を停止させたときの電力供給経路PSのSAIFI(=10.38770)と、送電線PL3を停止させたときの電力供給経路PSのSAIFI(=0.17212)を示している。
なお、上述した数式(1)に例示するSAIFIでは、数式内のパラメータを需要家設備の総数としたがこれに限られず、例えば、需要家設備の総消費電力量など置き換えてもよい。また、各需要家設備の消費電力を一定とした場合、需要家設備の総数と需要家設備の総消費電力量は同程度の値と見做してもよい。各負荷ノードNDと電気的に接続された需要家設備は、「負荷」の一例であり、需要家設備の総数や需要家設備の総消費電力量は、「負荷の規模」の一例である。
次に、第2系統構成選択部120は、供給信頼度算出部118により供給信頼度としてSAIFIが算出された電力供給経路PSの中から、SAIFIがある閾値(以下、SAIFI閾値Sthと称する)以下の電力供給経路PSを選択する(ステップS108)。
例えば、SAIFI閾値Sthが10[回/年]であるときに、電力供給経路PSのSAIFIが上述した図9に例示する数値例の場合、第2系統構成選択部120は、SAIFIがSAIFI閾値Sth以下となる電力供給経路PSとして、送電線PL1を停止させたときの電力供給経路PS(SAIFI=5.35662)と、送電線PL3を停止させたときの電力供給経路PS(SAIFI=0.17212)を選択する。
次に、系統状態導出部122は、第2系統構成選択部120により選択された電力供給経路PSの電気的な状態を導出する(ステップS110)。電気的な状態とは、例えば、各負荷ノードNDにおける電圧[pu]、各送電線PLを流れる電力量[MVA]、各電力供給経路PSの送電損失[MW]、各送電線PLの送電容量の超過有無などである。
例えば、系統状態導出部122は、第2系統構成選択部120により選択された電力供給経路PSの電気的な状態を、潮流計算を用いて導出する。例えば、系統状態導出部122は、電力供給経路PSに対して所定の負荷条件を設定することで潮流計算を行い、電気的な状態を表す諸量を導出する。
より具体的には、系統状態導出部122は、送電線PL1を停止させたときの電力供給経路PSと、送電線PL3を停止させたときの電力供給経路PSの双方に、仮想的に同一の負荷条件と系統インピーダンスを設定し、ニュートンラフソン法などの解(近似解)を反復計算により求める手法を用いることで潮流計算を行う。例えば、負荷条件および系統インピーダンスは、以下のような数値に設定されてよい。
(負荷条件A)
負荷ノードND1の有効電力P:47.3[MW]、無効電力Q:23.0[MVar]
負荷ノードND2の有効電力P:47.3[MW]、無効電力Q:23.0[MVar]
負荷ノードND3の有効電力P:47.3[MW]、無効電力Q:23.0[MVar]
負荷ノードND4の有効電力P:47.3[MW]、無効電力Q:23.0[MVar]
(負荷条件B)
負荷ノードND1の有効電力P:52.5[MW]、無効電力Q:25.5[MVar]
負荷ノードND2の有効電力P:52.5[MW]、無効電力Q:25.5[MVar]
負荷ノードND3の有効電力P:52.5[MW]、無効電力Q:25.5[MVar]
負荷ノードND4の有効電力P:52.5[MW]、無効電力Q:25.5[MVar]
(負荷条件C)
負荷ノードND1の有効電力P:57.8[MW]、無効電力Q:28.1[MVar]
負荷ノードND2の有効電力P:57.8[MW]、無効電力Q:28.1[MVar]
負荷ノードND3の有効電力P:57.8[MW]、無効電力Q:28.1[MVar]
負荷ノードND4の有効電力P:57.8[MW]、無効電力Q:28.1[MVar]
(系統インピーダンス)
送電線PL2:0.02[pu]+j0.09[pu]
送電線PL3:0.20[pu]+j1.00[pu]
送電線PL4:0.11[pu]+j0.55[pu]
送電線PL5:0.07[pu]+j0.36[pu]
送電線PL6:0.05[pu]+j0.27[pu]
各負荷条件による潮流計算結果を以下の図に示す。図10は、送電線PL1を停止させる場合に負荷条件Aを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図である。図11は、送電線PL1を停止させる場合に負荷条件Bを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図である。図12は、送電線PL1を停止させる場合に負荷条件Cを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図である。図13は、送電線PL3を停止させる場合に負荷条件Aを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図である。図14は、送電線PL3を停止させる場合に負荷条件Bを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図である。図15は、送電線PL3を停止させる場合に負荷条件Cを与えたときの潮流計算結果の一例を示す図である。これらの各図に例示する潮流計算では、各負荷ノードNDを有効電力と無効電力の指定ノードとして扱うものとするがこれに限られず、各負荷ノードNDを、電力系統構成情報132が示す電力系統において実際に負荷ノードNDとして利用されている電力設備の状態に合わせて電圧と有効電力の指定ノードとしてよい。
例えば、図10において、負荷ノードND0から送電線PL2に供給される有効電力Pは、191.54[MW]であり、無効電力Qは、104.23[MVar]である。また、負荷ノードND0の電圧は、V0(=1.000[pu])として示している。負荷ノードND0から送電線PL2に供給された各種電力は、送電線PL2の内部のインピーダンスにより電圧降下を起こす。送電線PL2内部のインピーダンスが上述した数値例(0.02[pu]+j0.09[pu])である場合、送電線PL2を通電して負荷ノードND2へと供給される有効電力Pは、190.59[MW]となり、無効電力Qは、99.95[MVar]となる。負荷ノードND2に供給された電力は、送電線PL3側と、送電線PL5側と、自身のノードに接続された需要家設備側に分流分圧される。
負荷ノードND2から送電線PL3に供給される有効電力Pは、47.63[MW]となり、無効電力Qは、25.51[MVar]となる。また、負荷ノードND2から送電線PL5に供給される有効電力Pは、95.68[MW]となり、無効電力Qは、51.51[MVar]となる。また、負荷ノードND2から需要家設備に供給される有効電力Pは、47.25[MW]となり、無効電力Qは、22.95[MVar]となる。送電線PL3を通電して負荷ノードND1へと供給される有効電力Pは、送電線PL3の内部インピーダンスにより電圧降下が生じ、47.03[MW]となり、無効電力Qは、22.51[MVar]となる。負荷ノードND1に供給された電力は、送電線PL4側と、自身のノードに接続された需要家設備側に分流分圧される。
負荷ノードND1から送電線PL4に供給される有効電力Pは、0.20[MW]となり、無効電力Qは、0.43[MVar]となる。また、負荷ノードND1から需要家設備に供給される有効電力Pは、47.23[MW]となり、無効電力Qは、22.95[MVar]となる。送電線PL4を通電して負荷ノードND3へと供給される有効電力Pは、送電線PL4の内部インピーダンスにより電圧降下が生じ、0.20[MW]となり、無効電力Qは、0.43[MVar]となる。
一方、送電線PL5を通電して負荷ノードND4へと供給される有効電力Pは、送電線PL5の内部インピーダンスにより電圧降下が生じ、94.83[MW]となり、無効電力Qは、47.14[MVar]となる。負荷ノードND4に供給された電力は、送電線PL6側と、自身のノードに接続された需要家設備側に分流分圧される。
負荷ノードND4から送電線PL6に供給される有効電力Pは、47.58[MW]となり、無効電力Qは、24.21[MVar]となる。また、負荷ノードND4から需要家設備に供給される有効電力Pは、47.24[MW]となり、無効電力Qは、22.95[MVar]となる。送電線PL6を通電して負荷ノードND3へと供給される有効電力Pは、送電線PL6の内部インピーダンスにより電圧降下が生じ、47.43[MW]となり、無効電力Qは、23.37[MVar]となる。送電線PL4側から供給された電力と、送電線PL6側から供給された電力は、負荷ノードND3において合成され、負荷ノードND3に接続された需要家設備へと供給される。負荷ノードND3から需要家設備へと供給される有効電力Pは、47.23[MW]となり、無効電力Qは、22.95[MVar]となる。
このように、系統状態導出部122は、送電線PLのインピーダンスと、負荷ノードNDのインピーダンスと、負荷ノードNDに接続された需要家設備のインピーダンスとを考慮すると共に、送電線PLの接続関係を考慮することで、負荷ノードNDの電圧や送電線PLの入出力時の電力量、送電損失などの電気的な状態諸量を導出する。
図16は、送電線PL1を停止させるときの各負荷条件における電気的諸量の一例を示す図である。また、図17は、送電線PL3を停止させるときの各負荷条件における電気的諸量の一例を示す図である。例えば、送電線PL1を停止させるときにおいて、潮流計算時に負荷条件Aが設定された場合、図16に例示するように、負荷ノードND1の電圧は0.952[pu]となり、負荷ノードND2の電圧は0.987[pu]となり、負荷ノードND3の電圧は0.953[pu]となり、負荷ノードND4の電圧は0.962[pu]となる。また、送電線PL2の電力量(潮流)は218.1[MVA]となり、送電線PL3の電力量(潮流)は54.0[MVA]となり、送電線PL4の電力量(潮流)は0.5[MVA]となり、送電線PL5の電力量(潮流)は108.7[MVA]となり、送電線PL6の電力量(潮流)は53.4[MVA]となる。これらの電力量(潮流)は、各送電線PLの入力時の有効電力Pおよび無効電力Qを用いて導出される。また、送電損失は、2.6[MW]となる。負荷条件BおよびCにおける各送電線PLの電気的諸量は、それぞれ図11と図12に例示する値であってよい。
次に、第3系統構成選択部124は、系統状態導出部122により電力供給経路PSごとに導出された電気的な状態に基づいて、第2系統構成選択部120により選択された一以上の電力供給経路PSの中から、系統として成立する電力供給経路PSを選択する(ステップS112)。
例えば、第3系統構成選択部124は、電力供給経路PSごとに導出された電気的諸量が以下の制約条件を満たす場合、その電力供給経路PSを、系統として成立する電力供給経路PSとして選択する。制約条件は、「所定条件」の一例である。
(制約条件)
・各負荷ノードNDの電圧:1[pu]±0.05[pu]
・送電線PL1の送電容量:250[MVA]
・送電線PL2の送電容量:250[MVA]
・送電線PL3の送電容量:100[MVA]
・送電線PL4の送電容量:200[MVA]
・送電線PL5の送電容量:200[MVA]
・送電線PL6の送電容量:100[MVA]
・送電損失上限 :3[MW]
上述した制約条件の場合、図16に電気的諸量を例示するように、第2系統構成選択部120により選択された2つの電力供給経路PSのうち、送電線PL1を停止させるときの電力供給経路PSについては制約条件を満たさないため、第3系統構成選択部124は、送電線PL1を停止させるときの電力供給経路PSを、系統として成立する電力供給経路PSとして選択しない。
一方、図17に電気的諸量を例示するように、第2系統構成選択部120により選択された2つの電力供給経路PSのうち、送電線PL3を停止させるときの電力供給経路PSについては制約条件を満たすため、第3系統構成選択部124は、送電線PL3を停止させるときの電力供給経路PSを、系統として成立する電力供給経路PSとして選択する。
そして、第3系統構成選択部124は、系統として成立する電力供給経路PSとして選択した電力供給経路PSに関する情報を表示装置(不図示)などに出力させる。これによって、例えば、メンテナンスなどを行う作業者は、電力系統構成情報132が示す電力系統において、どの電力供給経路PSから優先して設備更新をしていけばよいのかを効率良く計画することができる。
以上説明した実施形態によれば、電力系統を構成する複数の電力供給経路PSの中から、供給信頼度(SAIFI)がSAIFI閾値Sth以下となる一以上の電力供給経路PSを選択する第2系統構成選択部120(第1選択部の一例)と、第2系統構成選択部120により選択された電力供給経路PSの電気的な状態を導出する系統状態導出部122と、系統状態導出部122により導出された電気的な状態に基づいて、第2系統構成選択部120により選択された一以上の電力供給経路PSの中から、制約条件を満たす電力供給経路PSを、系統として成立する電力供給経路PSとして選択する第3系統構成選択部124(第2選択部の一例)とを備えることにより、電力設備の更新計画を効率良く立てることができる。
例えば、送電線PLが100設備存在するような電力系統において1つの送電線PLを停止させる(更新のために一時的に停止させる)場合、2分決定グラフを用いると決定ノードが2100個存在することになる。この場合、その電力系統における電力供給経路PSは、1.3×1030パターン存在することになり、全パターンの電力供給経路PSについて供給信頼度(SAIFI)を算出したり潮流計算を行ったりすると、演算コストが膨大となりやすい。また、潮流計算時にニュートンラフソン法などを用いて近似解を求めることから、電力供給経路PSのパターンが大きければ大きいほど得られる解が発散しやすい。この結果、電力設備の更新計画を立てること自体が困難となる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、停止設備候補を含む全ての電力供給経路PSについて供給信頼度の算出と潮流計算を行うのではなく、一定の連結確率Paが見込まれる電力供給経路PS(連結確率Paが連結確率閾値Pth以上となる電力供給経路PS)についてのみ供給信頼度を算出し、更に、一定の供給信頼度が見込まれる電力供給経路PS(SAIFIがSAIFI閾値Sth以下となる電力供給経路PS)についてのみ潮流計算を実施するため、電力供給経路PSを選択するのに要する演算処理を可能な限り削減しながら演算処理を効率化することができる。この結果、設備更新の対象とする停止設備候補を効率的に選択することができ、電力設備の更新計画を効率良く立てることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、電力系統を構成する複数の電力供給経路PSの中から、供給信頼度(SAIFI)がSAIFI閾値Sth以下となる一以上の電力供給経路PSを選択する第2系統構成選択部120(第1選択部の一例)と、第2系統構成選択部120により選択された電力供給経路PSの電気的な状態を導出する系統状態導出部122と、系統状態導出部122により導出された電気的な状態に基づいて、第2系統構成選択部120により選択された一以上の電力供給経路PSの中から、制約条件を満たす電力供給経路PSを、系統として成立する電力供給経路PSとして選択する第3系統構成選択部124(第2選択部の一例)とを備えることにより、電力設備の更新計画を効率良く立てることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…電力供給経路評価装置、110…制御部、112…停止設備候補選択部、114…連結確率算出部、116…第1系統構成選択部、118…供給信頼度算出部、120…第2系統構成選択部、122…系統状態導出部、124…第3系統構成選択部、130…記憶部、132…電力系統構成情報、PS…電力供給経路、ND…負荷ノード、PL…送電線

Claims (8)

  1. 電力系統を構成する複数の電力供給経路の中から、所定期間において生じた停電の回数に基づく指標値が閾値以下となる一以上の電力供給経路を選択する第1選択部と、
    前記第1選択部により選択された電力供給経路の電気的な状態を導出する導出部と、
    前記導出部により導出された電気的な状態に基づいて、前記第1選択部により選択された一以上の電力供給経路の中から、所定条件を満たす電力供給経路を選択する第2選択部と、
    を備える電力供給経路評価装置。
  2. 前記複数の電力供給経路のそれぞれに接続された負荷が停電しない確率を示す連結確率を、前記電力供給経路ごとに算出する確率算出部と、
    前記確率算出部により前記電力供給経路ごとに算出された連結確率に基づいて、前記複数の電力供給経路の中から、一以上の電力供給経路を選択する第3選択部と、を更に備え、
    前記第1選択部は、前記第3選択部により選択された一以上の電力供給経路の中から、前記指標値が閾値以下となる電力供給経路を選択する、
    請求項1に記載の電力供給経路評価装置。
  3. 前記確率算出部は、前記電力系統に含まれる電力線をノードとし、前記電力線の接続の有無を2分岐のエッジとして表現したグラフ構造のデータを用いて、前記電力供給経路を表すノードとエッジとを辿ることで前記連結確率を算出する、
    請求項2に記載の電力供給経路評価装置。
  4. 前記第3選択部により選択された電力供給経路ごとの停電が生じる確率を示す非連結確率と、前記第3選択部により選択された電力供給経路に接続された負荷の規模とに基づいて、前記指標値を算出する指標値算出部を更に備え、
    前記第1選択部は、前記指標値算出部により算出された前記指標値が閾値以下となる電力供給経路を選択する、
    請求項2または3に記載の電力供給経路評価装置。
  5. 前記指標値算出部は、
    前記電力系統に含まれる電力線をノードとし、前記電力線の接続の有無を2分岐のエッジとして表現したグラフ構造のデータを用いて、前記第3選択部により選択された電力供給経路を表すノードとエッジとを辿ることで前記連結確率を算出し、
    前記算出した非連結確率と、前記第3選択部により選択された電力供給経路に接続された負荷の規模とに基づいて、前記指標値を算出する、
    請求項4に記載の電力供給経路評価装置。
  6. 前記導出部は、前記第1選択部により選択された電力供給経路に供給される電力の潮流を計算することにより、前記電気的な状態を導出する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電力供給経路評価装置。
  7. コンピュータが、
    電力系統を構成する複数の電力供給経路の中から、所定期間において生じた停電の回数に基づく指標値が閾値以下となる一以上の電力供給経路を選択し、
    前記選択した電力供給経路の電気的な状態を導出し、
    前記導出した電気的な状態に基づいて、前記選択した一以上の電力供給経路の中から、所定条件を満たす電力供給経路を選択する、
    電力供給経路評価方法。
  8. コンピュータに、
    電力系統を構成する複数の電力供給経路の中から、所定期間において生じた停電の回数に基づく指標値が閾値以下となる一以上の電力供給経路を選択させ、
    前記選択させた電力供給経路の電気的な状態を導出させ、
    前記導出させた電気的な状態に基づいて、前記選択させた一以上の電力供給経路の中から、所定条件を満たす電力供給経路を選択させる、
    プログラム。
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