JP7418286B2 - 優先度算出装置および優先度算出プログラム - Google Patents

優先度算出装置および優先度算出プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7418286B2
JP7418286B2 JP2020094405A JP2020094405A JP7418286B2 JP 7418286 B2 JP7418286 B2 JP 7418286B2 JP 2020094405 A JP2020094405 A JP 2020094405A JP 2020094405 A JP2020094405 A JP 2020094405A JP 7418286 B2 JP7418286 B2 JP 7418286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
equipment
priority
calculation
power flow
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020094405A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021191112A (ja
Inventor
俊治 森
雄介 高口
一浩 安並
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2020094405A priority Critical patent/JP7418286B2/ja
Publication of JP2021191112A publication Critical patent/JP2021191112A/ja
Priority to JP2023165951A priority patent/JP2023171430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7418286B2 publication Critical patent/JP7418286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本開示は、電力系統における設備の更新または新設の優先度を算出する優先度算出装置および優先度算出プログラムに関する。
電力系統(以下、単に系統ともいう)における変圧器、母線、遮断器、断路器などの設備は、安定した電力の供給を保ちつつ、コストを抑えて更新されることが望まれる。特に、送電系統を管理する送配電事業者は、超超高圧、超高圧、特別高圧といった電圧に対応する設備を管理しており、このような設備はコストが高く、コストを抑制するために、設備の更新および保守保全を適切な時期に行うことが求められる。
現在、一次変電所、二次変電所などに設けられている設備は、高度経済成長期に設置されたものが多く、順次更新すべき時期となるが、一度にすべての設備を更新することは、電力の安定的な供給およびコストの観点から望ましくない。しかしながら、現在は設備の更新の優先度を示す明確な指標はないため、設備の更新が適切な順序で行われているとは限らない。また、新たに設備を導入する場合に、当該設備が系統に与える影響は大きいほど、当該設備の導入が優先されるべきであるが、同様に設備の優先度を示す明確な指標がない。
電力品質を保つための従来技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の電力品質予測システムは、停電の発生を予測し、停電が発生したときの各需要家の設備の電力品質を求め、需要家ごとの対策を通知する。これにより、需要家が、停電の発生に備えた対策を講じることができる。
特開2006-101604号公報
特許文献1に記載の技術では、気象情報に基づいて送電線単位で発雷の確率を求め、当該確率と系統構成を示す情報とを用いて、需要家ごとに、電圧品質低下の発生確率、電圧品質の影響度を求め、電圧品質の影響度に応じて対策を決定している。しかしながら、特許文献1の技術を、仮に、設備の更新計画に適用したとしても、特許文献1に記載の技術は送電線単位で被雷を仮定して需要家ごとの影響を求めているため、例えば、変電所における既存の変圧器が系統にどの程度影響しているといった評価を行うことはできない。設備の更新計画は、例えば、各設備が系統に与える影響が大きいほど優先して更新を行うように策定されることが望ましい。新たな設備の導入における導入の優先度も同様に、各設備が系統に与える影響が大きいほど優先して導入されるように策定されることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、ある変圧器が系統にどの程度影響しているといった設備ごとの評価ができないため、特許文献1に記載の技術を系統の設備の設備計画のために用いることは適切ではない。系統の設備の設備計画のために、設備の更新または新設の優先度を適切に算出することが望まれている。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、設備の更新または新設の優先度を適切に算出することができる優先度算出装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる優先度算出装置は、電力系統の設備計画の策定のために評価される複数の評価対象設備から1つの設備を選択設備として選択し、電力系統の系統構成を示す系統構成情報を用いて選択設備の存在の有無を変更した系統構成を示す変更系統構成情報を作成する構成変更反映部、を備える。優先度算出装置は、変更系統構成情報と負荷量を用いて潮流計算を行う潮流計算部と、潮流計算の結果を用いて、電力系統を構成する設備であって選択設備以外の設備である他設備への影響の度合いを選択設備の更新の優先度として算出する優先度算出部と、を備え、優先度算出装置は、選択設備を変更することにより、複数の評価対象設備のそれぞれの優先度を算出する。
本開示によれば、設備の更新または新設の優先度を適切に算出することができるという効果を奏する。
実施の形態1の優先度算出装置である系統影響度算出装置の構成例を示す図 実施の形態1の電力系統の構成例を示す模式図 実施の形態1の系統影響度算出装置を実現する計算機システムの構成例を示す図 実施の形態1の系統影響度算出装置における処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態1の影響度情報の一例を示す図 実施の形態1の系統影響度の算出の対象となる時間断面の一例を示す図 実施の形態2の優先度算出装置である系統影響度算出装置の構成例を示す図 実施の形態2の系統影響度算出装置における処理手順の一例を示すフローチャート
以下に、実施の形態にかかる優先度算出装置および優先度算出プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本開示にかかる実施の形態1の優先度算出装置である系統影響度算出装置の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の系統影響度算出装置1は、入力部11、設定部12、基準データ作成部13、故障後データ作成部14、潮流計算部15、系統影響度算出部16、情報記憶部17および提示部18を備える。本実施の形態の系統影響度算出装置1は、各設備が電力系統に与える影響の度合いを示す系統影響度を算出する。系統影響度は、例えば、電力系統の既存の各設備の更新のために用いられる。すなわち、系統影響度は、電力系統の各設備の更新の優先度である。ここでは、系統影響度が既存の各設備の更新の優先度として用いられる例を説明したが、系統影響度は、設備の新設のための優先度として用いられてもよい。本実施の形態の系統影響度算出装置1が評価対象とする設備は、例えば、送電系統、変電系統の設備であるが、系統影響度算出装置1が評価対象とする設備は電力系統の設備であればよく、この例に限定されない。
入力部11は、系統影響度算出装置1の外部から、情報の入力を受け付ける。入力部11は、他の装置から通信により情報を取得してもよいし、運用者などからキーボード、マウスなどを介して入力を受け付けてもよいし、記憶媒体から情報を読み出すことにより情報の入力を受け付けてもよい。入力部11は、系統の構成を示す系統構成情報と、系統に接続される発電機に関する情報を示す発電機情報と、系統に接続される負荷により消費される電力量である負荷量を示す負荷量情報と、系統を構成する各設備の運用制限値と、の入力を受け付け、情報記憶部17へこれらを記憶する。
系統構成情報、発電機情報、負荷量情報は、後述する潮流計算への入力データを生成するために用いられ、運用制限値は、系統影響度の算出に用いられる。系統構成情報は、系統を構成する各設備の位置と接続関係とを示す情報である。系統を構成する設備は、例えば、送電線、変圧器、母線、遮断器、断路器などである。一般に、電力系統においては、構成のパターン、すなわち各設備の接続関係のパターンが複数定められており、保守計画、イベントおよび季節などに応じて複数のパターンのなかから運用に用いられるパターンが選択される。このような場合には、系統構成情報は、パターンごとに各設備の接続関係を示す情報を含む。パターンの数は、例えば、7または8であるが、パターンの数はこれに限定されない。
発電機情報は、系統に接続される発電機の発電量の上限値、接続位置、運転制約、発電量の初期値などを示す情報である。発電量の初期値は、例えば、季節ごとの当該季節に対応する初期値を含む。負荷量情報は、系統に接続される各負荷により生じされる電力量を示す情報である。なお、負荷量は、定められた区間を単位とした区間単位の負荷量の総和であるが、需要家ごとの負荷量であってもよい。負荷量は、例えば、季節ごとの当該季節に対応する負荷量を含む。
運用制限値は、系統を構成する各設備の運用制限値を示す。運用制限値は、例えば、定格容量に基づいて定められており、定格容量自体であってもよいし、定格容量未満の値であってもよい。
設定部12は、対象時期および系統構成など潮流計算の入力データを決定するために必要な情報を設定する。設定部12における設定は、運用者などの入力により行われてもよいし、外部の装置から設定内容を受信することにより行われてもよい。対象時期は、系統影響度の算出対象の時期である。上述したように、本実施の形態では、系統影響度算出装置1は、例えば、更新計画のために、評価対象の各設備の系統影響度を更新の優先度として算出する。このため、対象時期としては、将来の日時が設定される。10年の計画を策定する際には、例えば、系統影響度算出装置1は、10年間分の季節ごとの系統影響度を算出する。このとき、1つの季節について1日を、複数の時間帯に分けてもよい。対象時期の詳細については後述する。
系統構成に関しては、複数の系統構成のパターンのうちのいずれかが選択されて用いられる場合、設定部12は、対象時期に対応するパターンを選択することにより、系統構成を設定する。なお、系統構成は、負荷量に応じて変更されるので、季節に依存する。また、系統構成は、保守点検、イベントのために変更されることがある。このため、設定部12は、対象時期ごとに、保守点検、イベントの有無などにパターンを系統構成として順次設定する。例えば、合計で#1から#7までの7つの系統構成のパターンがあり、春秋は#1から#5のいずれかが用いられ、夏冬は#3から#7のいずれかが用いられるとする。この場合、設定部12は、1つの対象時期あたり、5つの系統構成を順次設定する。
基準データ作成部13は、設定部12による設定と、情報記憶部17に記憶されている情報とに基づいて、電力系統内の設備の故障を仮定しないときの潮流計算の入力データに相当する基準データを作成する。後述するように、本実施の形態では、評価対象の設備ごとに、当該設備の故障を仮定して潮流し、潮流計算結果に基づいて系統影響度を算出する。基準データは、このような設備の故障を仮定せずに評価対象の全設備が稼働しているとしたときの潮流計算の入力データに相当する。
故障後データ作成部14は、評価対象の設備のなかから系統影響度の算出対象とする設備を1つ選択し、選択された設備すなわち選択設備の故障を仮定したときの潮流計算の入力データである故障後データを、基準データに基づいて作成する。詳細には、故障後データ作成部14は、基準データで示される系統構成を、選択した設備が故障したときの系統構成に変更する。
潮流計算部15は、故障後データを用いて潮流計算を行う。系統影響度算出部16は、潮流計算の結果を用いて、選択設備以外の設備である他設備への影響の度合いを選択設備の更新の優先度として算出する。潮流計算部15による潮流計算結果と情報記憶部17に記憶されている運用制限値とに基づいて、故障後データ作成部14により選択された設備の系統影響度を算出し、情報記憶部17へ影響度情報として格納する。なお、潮流計算部15は、潮流計算結果を系統影響度算出部16へ渡してもよいし、潮流計算部15が一旦潮流計算結果を情報記憶部17に格納し、系統影響度算出部16が潮流計算結果を情報記憶部17から読み出してもよい。系統影響度は、例えば、故障後データ作成部14により選択された設備以外の設備の過負荷量、需要家への供給停止量などに基づいて算出される。系統影響度の詳細については後述する。
情報記憶部17は、上述したように、入力部11が受け付けた各情報を記憶するとともに、系統影響度算出部16により算出された各設備の系統影響度を示す影響度情報を記憶する。
提示部18は、情報記憶部17に記憶された影響度情報を、画面表示したり、外部の装置へ送信したり、印刷したりすることにより、運用者、管理者などに提示する。これにより、系統の管理者は、評価対象の設備から系統影響度の高いものすなわち更新の優先度の高いものを優先して更新するように設備計画を策定することができる。例えば、系統影響度が高いほど早く更新されるように更新計画を策定してもよいし、系統影響度が高い順に並べた上位の一定数の設備を、1年以内に更新するなどといったように更新計画を策定してもよい。本実施の形態の系統影響度算出装置1は、設備ごとの当該設備が系統に与える系統影響度を、当該設備の故障を仮定した潮流計算を行うことによって当該設備の更新の優先度として求めている。このため、設備ごとの更新の優先度を適切に算出することができる。
図2は、本実施の形態の電力系統の構成例を示す模式図である。図2に示すように、発電機2-1は、送電線3-1を介して変電所内の母線4-1に接続される。母線4-1には、変電所内の変圧器5-1~5-3が接続される。発電機2-2は、送電線3-2を介して、上述した変電所とは別の変電所内の母線4-2に接続される。発電機2-1,2-2は、発電所に設置される水力、火力、原子力などによる発電を行う発電機である。また、電力系統には、負荷7-1~7-3、太陽光発電装置8などが接続される。太陽光発電装置8が発電した電力は、電力系統へ逆潮流として供給される。負荷7-1~7-3は、電力系統から供給される電力を消費する需要家設備などであるが、複数の需要家を集約したものを負荷7-1~7-3としてもよい。発電機2-1,2-2のそれぞれを個別に区別せずに示すときは発電機2と呼び、送電線3-1,3-2のそれぞれを個別に区別せずに示すときは送電線3と呼び、母線4-1,4-2のそれぞれを個別に区別せずに示すときは母線4と呼び、変圧器5-1~5-3のそれぞれを個別に区別せずに示すときは変圧器5と呼ぶ。また、負荷7-1~7-3のそれぞれを個別に区別せずに示すときは負荷7と呼ぶ。図2では、図の簡略化のためすべての設備に符号を付してはいないが、遮断器6-1,6-2と同様の四角の矩形は遮断器6であり、変圧器5-1~5-3と同様の図形は変圧器5を示し、直線は母線4または送電線3を示す。また、送電線3-1,3-2以外の送電線にも遮断器6が設けられるが図示を省略している。
図2は、電力系統の一部を図示しており、一般には、電力系統には図2に示した各設備より多くの設備が含まれ、電力系統に接続される負荷7および太陽光発電装置8の数も図2に示した数より多い。また、図2では、再生可能エネルギーを用いた発電装置として、太陽光発電装置8以外の発電装置が接続されていてもよい。
図2に示すように、発電機2により発電された電力は、変電所の変圧器5により多段階に変圧される。これにより、各需要家には、低圧、高圧、特別高圧などの契約区分に応じた電圧が供給される。なお、低圧の契約の需要家には、配電用の変電所において変圧器5により変圧された電圧が、柱上変圧器、路上変圧器といった変圧器を介して電圧が供給される。
本実施の形態の系統影響度算出装置1が、評価対象とする設備、すなわち更新候補の設備は、変圧器5、母線4、遮断器6、図示しない断路器、図示しないガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)、などである。評価対象の設備は、電力系統を構成する設備の全てであってもよいし、一部であってもよい。一般には、運用開始から年数の経過している設備を評価対象とするので、評価対象の設備は電力系統を構成する設備の一部である。一方、評価対象の設備の系統影響度の算出のために、当該設備の故障の影響を受ける他の設備として考慮されるのは、電力系統の全ての設備である。ただし、実施の系統影響度の算出の際には、評価対象の設備の位置に応じて影響を与える範囲を定めておき、影響を与える範囲内の各設備に対する影響を考慮するようにしてもよい。
なお、以上の説明では、設備の更新を例に説明したが、設備の新設を検討する場合には、系統影響度算出装置1は、将来の時間断面における負荷、発電量を予測し、予測値を用いて現状の設備における潮流計算を行う。そして、系統影響度算出装置1は、複数の時間断面の潮流計算結果に基づいて供給支障および過負荷のうちの少なくとも一方が発生するか否かを判断し、供給支障および過負荷のうちの少なくとも一方に基づいて、現状の設備における通常時の系統状況のうちどの時間断面が最過酷断面であるのかを評価し、再過酷断面を仮定して設備の新設を検討することになる。すなわち、この場合、潮流計算部15は、複数の時間断面の将来の発電量の予測値と負荷量の予測値とを用いて潮流計算を行い、系統影響度算出装置1は、複数の時間断面の潮流計算の結果を用いて最過酷断面を決定し、最過酷断面の潮流計算の結果を用いて設備の新設の要否を決定する判定部をさらに備えることになる。この場合、系統影響度算出装置1は設備の新設の要否を決定することから、新設する設備の優先度を求めていることになる。系統影響度算出装置1は、複数の時間断面で、例えば、1年のなかの複数の時間断面で潮流計算を行うことで、各時間断面を評価することができる。なお、設備の新設の検討においても、1台設備が故障したケース、2台設備が故障したケースを考慮して複数の時間断面で系統影響度を算出してもよい。
次に、系統影響度算出装置1のハードウェア構成について説明する。系統影響度算出装置1は、計算機システムすなわちコンピュータにより実現される。系統影響度算出装置1を実現するコンピュータは1台であってもよいし、複数台であってもよい。例えば、系統影響度算出装置1の構成要素の一部の機能が1つのコンピュータで実現され、他の機能が別のコンピュータで実現されてもよい。また、例えば、潮流計算部15の計算が複数のコンピュータによって分散処理により行われるといったように、系統影響度算出装置1の1つ以上の機能部の計算が分散処理されてもよい。
優先度算出装置である系統影響度算出装置1は、計算機システム上で、系統影響度算出装置1における処理が記述されたプログラムである優先度算出プログラムが実行されることにより、計算機システムが系統影響度算出装置1として機能する。図3は、本実施の形態の系統影響度算出装置1を実現する計算機システムの構成例を示す図である。図3に示すように、この計算機システムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図3において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の系統影響度算出装置1における処理が記述された優先度算出プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、計算機システムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、計算機システムのユーザに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、プリンタなどである。なお、図3は、一例であり、計算機システムの構成は図3の例に限定されない。
ここで、本実施の形態の優先度算出プログラムが実行可能な状態になるまでの計算機システムの動作例について説明する。上述した構成をとる計算機システムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、優先度算出プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、優先度算出プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された優先度算出プログラムが記憶部103の主記憶領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の系統影響度算出装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、系統影響度算出装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、計算機システムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
本実施の形態の優先度算出プログラムは、後述するように、系統影響度算出装置1に、電力系統の設備計画の策定のために評価される複数の評価対象設備から1つの設備を選択設備として選択し、系統構成情報を用いて選択設備の存在の有無を変更した系統構成を示す変更系統構成情報を作成する系統構成変更ステップを実行させる。さらに、本実施の形態の優先度算出プログラムは、変更系統構成情報と負荷量を用いて潮流計算を行う潮流計算ステップと、潮流計算の結果を用いて、電力系統を構成する設備であって選択設備以外の設備である他設備への影響の度合いを選択設備の更新の優先度として算出する優先度算出ステップと、を実行させる。複数の評価対象設備のそれぞれの優先度が算出されるまで、系統構成変更ステップ、潮流計算ステップおよび優先度算出ステップが繰り返される。
図1に示した基準データ作成部13、故障後データ作成部14、潮流計算部15および系統影響度算出部16は、図3の制御部101により実現される。図1に示した入力部11および設定部12は、図3に示した入力部102、または図3に示した通信部105により実現される。図1に示した提示部18は、制御部101と、表示部104、通信部105および出力部106のうち1つ以上とにより実現される。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図4は、本実施の形態の系統影響度算出装置1における処理手順の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理の前に、情報記憶部17には、系統構成情報、発電機情報、負荷量情報および運用制限値が格納されているとする。
まず、設定部12が、対象時期および系統構成を設定する(ステップS1)。対象時期は、上述したように評価対象の時期である。また、このとき、設定部12は、どの設備を評価対象とするか、すなわちどの設備を系統影響度の算出対象とするかを設定してもよい。または、どの設備を評価対象とするかを示す情報、すなわち評価対象の全設備を示す情報は、系統構成情報の一部として情報記憶部17に記憶されていてもよい。評価対象の全設備は評価対象設備であり、例えば、既設の設備であって設備計画において更新の候補となる設備である。設定部12は、ステップS1で、の設備を評価対象とするかを設定した場合、評価の全設備を示す情報を、系統構成情報の一部として情報記憶部17に格納する。
次に、基準データ作成部13は、対象時期および系統構成に基づいて、基準データを作成する(ステップS2)。次に、故障後データ作成部14は、対象設備(選択設備)を選択し(ステップS3)、選択した設備が故障したと仮定したときの潮流計算への入力データである故障後データを生成する(ステップS4)。対象設備は、後述する潮流計算において故障を仮定する設備である。なお、評価対象の全設備を示す情報は、上述したように、情報記憶部17に記憶されている系統構成情報に含まれているため、基準データ作成部13は、系統構成情報を参照することにより、評価対象の全設備を把握することができる。基準データ作成部13は、評価対象の全設備のなかから未評価、すなわち系統影響度が算出されていない設備を対象設備として選択する。
ステップS4の後、潮流計算部15は、故障後データに基づいて潮流計算を実施する(ステップS5)。すなわち、潮流計算部15は、変更系統構成情報と、負荷量と、太陽光発電装置8による発電量とに基づいて潮流計算を行う。潮流計算の具体的な手法に特に制約はなく、一般的に用いられる任意の手法を用いることができる。
次に、系統影響度算出部16は、潮流計算結果を用いて、系統影響度を算出する(ステップS6)。系統影響度算出部16は、算出した系統影響度を影響度情報として情報記憶部17に格納し、系統影響度の算出が終了したことを故障後データ作成部14に通知する。
ここで、系統影響度の算出方法について説明する。図5は、本実施の形態の影響度情報の一例を示す図である。図5に示した例では、影響度情報として、系統影響度ランク(図では影響度ランクと略す)、系統影響額(図では影響額と略す)、総合評価値を含んでいる。系統影響度ランク、系統影響額は、それぞれ本実施の形態の系統影響度の一例である。系統影響度として、系統影響度ランクだけを用いてもよいし、系統影響額だけを用いてもよい。図5に示した例では、系統影響度ランクと系統影響額との両方を考慮した総合評価値も算出される。総合評価値は、例えば、系統影響度ランクと系統影響額との重み付け加算値である。総合評価値も系統影響度の一例である。
系統影響度ランクは、潮流計算の結果における、対象設備以外の設備である他設備の電力量と運用制限値とに基づいて算出される。x番目の設備である設備xの系統影響度ランクは、例えば、以下の式(1)により算出される。なお、Pは、設備x以外の他の設備のうちのi番目の設備の、設備xの故障を仮定した潮流計算結果における電力量を示す。Kは、i番目の設備の運用制限値を示す。このように、系統影響度は、潮流計算の結果における他の設備の電力量の運用制限値に対する比に基づいて算出されてもよい。
設備xの系統影響度ランク=max(P/K) ・・・(1)
系統影響額は、例えば、式(2)に示すように、供給支障量に契約に応じた単価を乗じたものの総和である。Sはj番目の供給支障発生箇所における供給支障量の絶対値であり、Lはh番目の過負荷発生箇所における過負荷電力量の絶対値である。なお、系統影響額は、供給支障量に契約に応じた単価を乗じたものの総和であってもよい。
系統影響額=Σ(S×単価) ・・・(2)
以上のように、系統影響度は、潮流計算によって算出される供給支障量に単価を乗じた値と、潮流計算によって算出される他設備における運用制限値からの逸脱量に単価を乗じた値とに基づいて算出されてもよい。
また、系統影響度ランクを影響の度合いに変換した値を、系統影響度としてもよい。系統影響額についても同様であり、系統影響額そのものを影響度とせずに、系統影響額を影響の度合いに変換した値を系統影響度としてもよい。
なお、系統影響度の算出方法は、上述した例に限定されず、例えば、系統影響度は、供給支障量であってもよい。または、系統影響度は、他設備の過負荷すなわち運用制限値からの逸脱の発生の有無であってもよいし、供給支障の発生の有無であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
また、系統影響度は、潮流計算結果における他設備の電力量の運用制限値からの逸脱量および供給支障量のうち少なくとも一方が、しきい値を超える期間の全期間に対する比率すなわち時間比率であってもよい。すなわち、系統影響度算出部16は、系統影響度(優先度)を、潮流計算によって算出される他設備における潮流の当該他設備の運用制限値からの逸脱量と、潮流計算によって算出される供給支障量とのうち少なくとも1つがしきい値を超えた期間の、定められた期間に対する比として算出してもよい。例えば、ある年の春の1日分の24時間断面で上述した潮流計算を行うことにより、ある設備に関して24個の他設備の過負荷量を求めたとする。この場合に、24個のうち5個の他設備の過負荷量がしきい値を超えた場合、5/24が系統影響度となる。また、他設備の過負荷量と供給支障量の重み付け和が、しきい値を超える時間比率を系統影響度としてもよい。
また、以上述べた例では、基準データを用いた潮流計算は行っていないが、基準データを用いた潮流計算も実施し、基準データを用いた潮流計算結果と、故障後データを用いた潮流計算結果との差を用いて、系統影響度を算出してもよい。
図4の説明に戻る。故障後データ作成部14は、系統影響度の算出が終了したことを通知されると、評価対象の全設備の系統影響度を算出したか否かを判断し(ステップS7)、評価対象の全設備の系統影響度を算出した場合(ステップS7 Yes)、処理を終了する。故障後データ作成部14は、評価対象の全設備のうち系統影響度を算出していない設備がある場合(ステップS7 No)、ステップS3の処理を再度実施し、以降同様にステップS4からの処理が繰り返される。すなわち、系統影響度算出装置1は、選択設備を変更することにより、評価対象の全設備すなわち複数の評価対象設備のそれぞれの系統影響度を算出する。
以上の処理により、評価対象の設備ごとの系統影響度が算出され、影響度情報として情報記憶部17に格納される。また、図4に示した処理を、対象時期および系統構成のうち少なくとも1つを変更して繰り返すことにより、例えば、10年間などの期間の系統影響度を算出することができる。なお、電力系統の各設備にとって最も過酷な時期があらかじめ想定できる場合には、当該時期を対象時期として図4に示した処理を1回行うことで、系統影響度を算出してもよい。この場合には、1回の処理で、評価対象の設備の更新の優先度を決定することができる。例えば、5年後の夏の電力の消費が多いことが想定されるときには、対象時期として5年後の夏を設定して図4に示した処理を実施する。
一方、一般には、最も過酷な時期を決定することは容易ではないこともある。特に近年は、太陽光発電装置8による逆潮流も考慮する必要があり電力系統が複雑化しており、消費電力が最も多い時期が最も過酷であるとは限らず、設備の更新計画のために過酷な条件を見積もるのは困難である。このため、さまざまな条件すなわちさまざまな断面の潮流を計算することにより各設備の系統影響度を求め、これらを総合的に考慮して更新の計画を作成することがより望ましい。例えば、全ての断面の各設備の系統影響度を、系統影響度の高い順に並べ、系統影響度の高い順に更新を検討してもよいし、各設備の全ての断面の系統影響度の平均値を求め、平均値の高い順に更新を検討してもよい。または、長期計画の期間を複数の期間に分けて、期間ごとに各設備の系統影響度を高い順に並べて、各期間において系統影響度の高い順に更新を検討するようにしてもよい。
また、複数の断面で各設備の供給支障量を求めた後、1年間の供給支障量の合計値を系統影響度としてもよい。
図6は、本実施の形態の系統影響度の算出の対象となる時間断面の一例を示す図である。図6に示した例では、1年を4つに分けた各季節の昼と夜をそれぞれ対象時期すなわち評価対象断面としている。例えば、現在が2020年の春であるとしたら、系統影響度算出装置1は、まず、対象時期を2020年の春のある日の0:00を対象時期に設定して図4に示した系統影響度の算出処理を行い、次に同日の12:00を対象時期に設定して系統影響度の算出処理を行う。次に、系統影響度算出装置1は、2020年を対象時期に設定して系統影響度の算出処理を行うといったように、順次対象時期を設定する。なお、ここでは、1日分を0:00と12:00の2つの時間断面で計算したが、時間断面の時刻はこれに限定されない。また、1日分の時間断面の数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば、系統影響度算出装置1は、1時間ごとの24時間断面の計算を行ってもよい。
なお、各時間断面に対応する負荷量は、過去の実績を負荷量情報として蓄積しておき、統計処理を行うことにより算出されてもよい。例えば、系統影響度算出装置1は、過去の同一季節の複数の日の、同一時間帯の負荷量を平均することで、時間帯ごとの負荷量の平均値を算出しておき、系統影響度の算出の際には、対象時期に対応する時間帯の平均値を負荷量として用いてもよい。太陽光発電装置8の発電量についても同様に、過去の実績を発電機情報内に太陽光発電情報として蓄積しておき、統計処理を行うことにより各時間断面に対応する発電量が算出されてもよい。このように、系統影響度算出装置1は、複数の時期のそれぞれに対応する系統影響度を算出し、負荷量および発電量は時期に応じて決定される。また、系統影響度算出装置1は、快晴と曇りの場合に分けて過去の発電量を蓄積するなどにより、快晴の場合と曇りの場合で発電量を分けて算出してもよい。この場合、設定部12は、対象時期と系統構成だけでなく、天候についても設定を行う。
また、長期計画の策定などのときには、将来の負荷量および太陽光発電量の変化を予測して、予測値に基づいて、負荷量および発電量を設定してもよい。図6の上部には、ある区間の負荷量の将来の変化の予測値が模式的に示されている。この負荷量の予測値は、将来の人口予測、工場の新設、廃止などの計画、大型商業施設の新設、廃止などの計画、などに基づいて算出される。また、系統影響度算出装置1は、保全計画などにより工事などが予定されているときには、当該計画に基づいて系統構成を対象時期に基づいて決定してもよい。
また、系統影響度算出装置1は、太陽光発電装置についても将来の増加を予測して、対象時期に応じた発電量を設定してもよい。また、系統影響度算出装置1は、太陽光発電装置の発電量を、例えばマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC:Markov Chain Monte Carlo methods)などの確率分布からサンプルを生成する方法などを用いて決定してもよい。
また、以上に述べた対象時期における負荷量、および太陽光発電装置の発電量は、系統影響度算出装置1により算出されてもよいし、系統影響度算出装置1以外の装置により算出され、当該装置から系統影響度算出装置1へ入力されてもよい。
以上述べたように、本実施の形態の系統影響度算出装置1は、評価対象の設備の故障を仮定した潮流計算を実施し、潮流計算結果に基づいて、当該設備の系統影響度を当該設備の更新の優先度として求めている。このため、設備ごとの更新の優先度を適切に算出することができる。また、時期、系統構成および天候のうち少なくとも1つが異なる複数の条件で、設備ごとの系統影響度を算出する場合には、系統影響度算出装置1は、逆潮流などが想定される複雑な電力系統であっても設備ごとの更新の優先度を適切に求めることができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2の優先度算出装置である系統影響度算出装置の構成例を示す図である。図7に示すように、本実施の形態の系統影響度算出装置1aは、運用制限値補正部19が追加され情報記憶部17の代わりに情報記憶部17aを備える以外は、実施の形態1の系統影響度算出装置1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態の系統影響度算出装置1aは、実施の形態1の系統影響度算出装置1と同様に計算機システムにより実現される。本実施の形態の系統影響度算出装置1aを実現する計算機システムの構成は実施の形態1と同様である。本実施の形態の系統影響度算出装置1aは、実施の形態1と同様に、系統影響度算出装置1aの処理が記述された優先度算出プログラムが計算機システムによって実行されることにより実現される。
本実施の形態では、ダイナミックレイティングと呼ばれる手法に対応した系統影響度の算出方法について説明する。ダイナミックレイティングは、気温を計測し、気温に基づいて運用制限値を変更することで設備の余力を有効に活用する仕組みである。例えば、変圧器などの設備の運用制限値は、気温を一定値と仮定した上で、変圧器を構成する部品が、動作保証範囲の上限の温度である限界温度値を超えないように設定されている。したがって、気温が上記一定値より低い場合には、運用制限値を大きくしても問題ない。ダイナミックレイティングでは、このことを利用して、運用制限値を変更することで、設備の余力を有効に活用する。
本実施の形態では、系統影響度算出装置1aの、運用制限値を補正することで、運用制限値補正部19が、気温が上記の一定値部品より低い場合、限界温度値を増加させる補正を行う。これにより、設備の活用を図り、コストを抑制することができる。
本実施の形態では、入力部11は、気温情報の入力を受け付け、情報記憶部17aへ保持する。気温情報は、例えば季節および時間帯ごとの気温の平均値を示す情報である。気温情報は、これに限らず、実施の形態1で述べた評価対象とする時間断面に対応する情報であればよい。
図8は、本実施の形態の系統影響度算出装置1aにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理の前に、情報記憶部17aには、系統構成情報、発電機情報、負荷量情報、気温情報および運用制限値が格納されているとする。
まず、設定部12が、実施の形態1と同様にステップS1を実施する。なお、気温情報が情報記憶部17aに記憶される代わりに、対象時期に応じた気温がステップS1で入力されてもよい。
次に、運用制限値補正部19は、運用制限値の補正を行う(ステップS8)。詳細には、運用制限値補正部19は、設定部12により設定された対象時期と、情報記憶部17aに格納されている気温情報とに基づいて気温を決定し、決定した気温に基づいて運用制限値を補正し、補正後の運用制限値を系統影響度算出部16へ渡す。補正方法は、例えば、気温1度あたりの補正係数であるAを定めておき、気温が予め定めた温度よりD度低ければ、運用制限値をA×D%増加させるといった方法でもよいし、気温1度あたりの補正量Bを定めておき、気温が予め定めた温度よりD度低ければ、運用制限値をB×DkW増加させるといった方法でもよいし、これら以外の方法であってもよい。なお、補正係数、補正値などは、設備の機種または種別ごとに定められる。また、設備の機種または種別ごとに気温と補正値との対応を予め定めておき、この対応をテーブルとして情報記憶部17aに格納しておいてもよい。
以降のステップS2~ステップS5は実施の形態1と同様である。ステップS6aでは、系統影響度算出部16が、補正後の運用制限値を用いて実施の形態1と同様に、系統影響度を算出する。これにより、気温が予め定めた温度より低い場合には、各設備の運用制限値が大きくなり、過負荷と判断される設備が抑制されることになる。したがって、本来は更新する必要の無い設備が優先して更新されることを防ぐことができる。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態では、気温に基づいて、運用制限値を補正し、補正した運用制限値を用いて実施の形態1と同様の系統影響度を算出するようにした。このため、本実施の形態では、実施の形態1の同様の効果が得られるとともに、設備の能力を有効に活用することができコストを抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1a 系統影響度算出装置、11 入力部、12 設定部、13 基準データ作成部、14 故障後データ作成部、15 潮流計算部、16 系統影響度算出部、17,17a 情報記憶部、18 提示部、19 運用制限値補正部。

Claims (9)

  1. 電力系統の設備計画の策定のために評価される複数の評価対象設備から1つの設備を選択設備として選択し、前記電力系統の系統構成を示す系統構成情報を用いて前記選択設備の存在の有無を変更した系統構成を示す変更系統構成情報を作成する構成変更反映部と、
    前記変更系統構成情報と負荷量を用いて潮流計算を行う潮流計算部と、
    前記潮流計算の結果を用いて、前記電力系統を構成する設備であって前記選択設備以外の設備である他設備への影響の度合いを前記選択設備の更新の優先度として算出する優先度算出部と、
    を備え、
    前記選択設備を変更することにより、前記複数の評価対象設備のそれぞれの前記優先度を算出することを特徴とする優先度算出装置。
  2. 前記潮流計算部は、前記変更系統構成情報と、前記負荷量と、太陽光発電装置による発電量とに基づいて前記潮流計算を行い、
    前記優先度算出装置は、複数の時期のそれぞれに対応する前記優先度を算出し、
    前記負荷量および前記発電量は、前記時期に応じて決定されることを特徴とする請求項1に記載の優先度算出装置。
  3. 前記評価対象設備は、既設の設備であって前記設備計画において更新の候補となる設備であり、
    前記構成変更反映部は、前記系統構成情報を用いて前記選択設備が故障した場合の系統構成を示す情報を前記変更系統構成情報として作成することを特徴とする請求項1または2に記載の優先度算出装置。
  4. 前記優先度算出部は、前記優先度を、前記潮流計算によって算出される供給支障量に単価を乗じた値に基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載の優先度算出装置。
  5. 前記優先度算出部は、前記優先度を、前記潮流計算によって算出される供給支障量に単価を乗じた値と、前記潮流計算によって算出される前記他設備における運用制限値からの逸脱量に単価を乗じた値と、に基づいて算出することを特徴とする請求項4に記載の優先度算出装置。
  6. 前記優先度算出部は、前記優先度を、前記潮流計算によって算出される前記他設備における電力量の運用制限値に対する比に基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載の優先度算出装置。
  7. 気温に基づいて前記運用制限値を補正する運用制限値補正部、
    をさらに備え、
    前記優先度算出部は、前記運用制限値補正部により補正された前記運用制限値を用いて前記優先度を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の優先度算出装置。
  8. 前記優先度算出部は、前記優先度を、前記潮流計算によって算出される前記他設備における潮流の当該他設備の運用制限値からの逸脱量と、前記潮流計算によって算出される供給支障量とのうち少なくとも1つがしきい値を超えた期間の、定められた期間に対する比として算出することを特徴とする請求項3に記載の優先度算出装置。
  9. 優先度算出装置に、
    電力系統の設備計画の策定のために評価される複数の評価対象設備から1つの設備を選択設備として選択し、前記電力系統の系統構成を示す系統構成情報を用いて前記選択設備の存在の有無を変更した系統構成を示す変更系統構成情報を作成する系統構成変更ステップと、
    前記変更系統構成情報と負荷量を用いて潮流計算を行う潮流計算ステップと、
    前記潮流計算の結果を用いて、前記電力系統を構成する設備であって前記選択設備以外の設備である他設備への影響の度合いを前記選択設備の更新の優先度として算出する優先度算出ステップと、
    を実行させ、
    前記複数の評価対象設備のそれぞれの前記優先度が算出されるまで、前記系統構成変更ステップ、前記潮流計算ステップおよび前記優先度算出ステップが繰り返されることを特徴とする優先度算出プログラム。
JP2020094405A 2020-05-29 2020-05-29 優先度算出装置および優先度算出プログラム Active JP7418286B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020094405A JP7418286B2 (ja) 2020-05-29 2020-05-29 優先度算出装置および優先度算出プログラム
JP2023165951A JP2023171430A (ja) 2020-05-29 2023-09-27 優先度算出装置および優先度算出プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020094405A JP7418286B2 (ja) 2020-05-29 2020-05-29 優先度算出装置および優先度算出プログラム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023165951A Division JP2023171430A (ja) 2020-05-29 2023-09-27 優先度算出装置および優先度算出プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021191112A JP2021191112A (ja) 2021-12-13
JP7418286B2 true JP7418286B2 (ja) 2024-01-19

Family

ID=78848689

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020094405A Active JP7418286B2 (ja) 2020-05-29 2020-05-29 優先度算出装置および優先度算出プログラム
JP2023165951A Pending JP2023171430A (ja) 2020-05-29 2023-09-27 優先度算出装置および優先度算出プログラム

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023165951A Pending JP2023171430A (ja) 2020-05-29 2023-09-27 優先度算出装置および優先度算出プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7418286B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002216850A (ja) 1998-04-22 2002-08-02 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
JP3862970B2 (ja) 2000-05-31 2006-12-27 洛南 陳 送電可能容量計算システム、最適潮流計算方法及び発電機の負荷配分を計算する方法並びにプログラム
JP2018139468A (ja) 2017-02-24 2018-09-06 株式会社日立製作所 電力需給調整力調達計画支援装置、方法、および電力需給調整力調達計画支援システム
JP2018153004A (ja) 2017-03-13 2018-09-27 株式会社東芝 電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラム
JP2019154113A (ja) 2018-03-01 2019-09-12 株式会社日立製作所 計算機システム及び系統構成の管理方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002216850A (ja) 1998-04-22 2002-08-02 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
JP3862970B2 (ja) 2000-05-31 2006-12-27 洛南 陳 送電可能容量計算システム、最適潮流計算方法及び発電機の負荷配分を計算する方法並びにプログラム
JP2018139468A (ja) 2017-02-24 2018-09-06 株式会社日立製作所 電力需給調整力調達計画支援装置、方法、および電力需給調整力調達計画支援システム
JP2018153004A (ja) 2017-03-13 2018-09-27 株式会社東芝 電力供給経路評価装置、電力供給経路評価方法、およびプログラム
JP2019154113A (ja) 2018-03-01 2019-09-12 株式会社日立製作所 計算機システム及び系統構成の管理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023171430A (ja) 2023-12-01
JP2021191112A (ja) 2021-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cadini et al. A modeling and simulation framework for the reliability/availability assessment of a power transmission grid subject to cascading failures under extreme weather conditions
Ding et al. Power system resilience enhancement in typhoons using a three-stage day-ahead unit commitment
Bie et al. Battling the extreme: A study on the power system resilience
Biswas et al. Optimum distributed generation placement with voltage sag effect minimization
Banerjee et al. Reliability based optimum location of distributed generation
Mei et al. An improved OPA model and blackout risk assessment
WO2015163121A1 (ja) 電圧安定度監視装置および方法
David et al. Quantitative comparison of cascading failure models for risk-based decision making in power systems
Chen et al. Toward bulk power system resilience: Approaches for regional transmission operators
Yu et al. Optimal placement of FACTs devices in deregulated systems considering line losses
Naderi et al. NaS technology allocation for improving reliability of DG-enhanced distribution networks
Kemabonta et al. A syncretistic approach to grid reliability and resilience: Investigations from Minnesota
Mieth et al. Risk-aware dimensioning and procurement of contingency reserve
Moreno et al. Future transmission network operation and design standards to support a low carbon electricity system
Ameli et al. Reliability analysis and role of energy storage in resiliency of energy systems
Zare-Bahramabadi et al. A risk-based dispatchable distributed generation unit and tie line planning framework to improve the resilience of distribution systems
Kiran et al. A mixed integer optimization model for reliability indices enhancement in Micro-grid system with renewable generation and energy storage
Reppen Increasing utilization of the transmission grid requires new reliability criteria and comprehensive reliability assessment
JP7418286B2 (ja) 優先度算出装置および優先度算出プログラム
Tumelo-Chakonta et al. Assessing the value of employing dynamic thermal rating on system-wide performance
Dialynas et al. Modelling and evaluation of microgrids reliability and operational performance and its impact on service quality
Zhao et al. Characterization of congestion in distribution network considering high penetration of PV generation and EVs
Keyvani et al. Incorporating line security constraints within network planning for dynamic line rating systems
Bhandari et al. Ranking of bulk transmission assets for maintenance decisions
Alshammari Evaluation of Power System Reliability and Quality Levels for (N-2) Outage Contingency.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230711

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7418286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150