JP2018151417A - 調光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】調光フィルムを含む調光部が調光部を支持する支持部に対して相対的に移動する調光装置への採用が好適な給電構造を有した調光装置を提供する。【解決手段】2つの電極層に挟まれた調光層を含む内側調光部11と、第1方向D1に沿って延びる上枠部13aを含む窓枠13であって、内側調光部11が上枠部13aに沿って窓枠13に対して相対的に移動することが可能な状態で内側調光部11を支持する窓枠13と、窓枠13に含まれて電源に接続された2つの給電用端子と、内側調光部11に含まれた2つの受電用端子であって、各給電用端子に1つずつ対応付けられ、2つの給電用端子から受ける電圧を電極層間に印加する2つの受電用端子とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、調光装置に関する。
複数の液晶分子と樹脂とを含む調光層と、調光層を挟む2つの電極層とを備える調光フィルムが知られている。調光フィルムでは、電極層を通じて調光層に印加される電圧の大きさが変わることによって、調光層における透過率が変わる。こうした調光フィルムは、ガラス窓などに貼り付けられることによって、ガラス窓から室内に入射する光の光量を調節するためのフィルムとして、窓に沿って垂れ下がるブラインドやロールスクリーンなどの代わりに用いられている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2010/100807号
ところで、調光フィルムは、1つの方向に延びる桟に沿って移動するガラス板を備える引き違い窓や、1つの方向に延びる回転軸を中心に回転する片開きドア、すなわち、調光フィルムを含む調光部と、調光部を支持する支持部とを備え、支持部の位置に対して調光部の位置が相対的に移動する調光装置にも用いられつつある。こうした調光装置では、調光フィルムに電圧を印加するための給電構造として、調光部に対して支持部が相対移動する構成に採用することが好適な給電構造が求められている。
本発明は、調光フィルムを含む調光部が調光部を支持する支持部に対して相対的に移動する調光装置への採用が好適な給電構造を有した調光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための調光装置は、2つの電極層に挟まれた調光層を含む調光部と、1つの方向に沿って延びる支持要素を含む支持部であって、前記調光部が前記支持要素に沿って前記支持部に対して相対的に移動することが可能な状態で前記調光部を支持する前記支持部と、前記支持部に含まれて電源に接続された2つの給電用端子と、前記調光部に含まれる2つの受電用端子であって、前記各給電用端子に1つずつ対応付けられ、前記2つの給電用端子から受ける電圧を前記電極層間に印加する2つの受電用端子と、を備える。
上記構成によれば、給電用端子が支持部に含まれ、かつ、受電用端子が調光部に含まれるため、調光部が1つの方向に沿って支持部に対して相対的に移動することに伴って、受電用端子と電極層とを接続する配線が、1つの方向に沿って伸縮することが抑えられる。それゆえに、電極層に電圧を印加するための給電構造に機械的な負荷が掛かることが抑えられる。このように、上記構成によれば、調光部が支持部に対して相対的に移動する調光装置への採用が好適な給電構造を有した調光装置を提供することができる。
上記調光装置において、前記支持部は、前記給電用端子を端部に1つずつ含む給電用インダクターを含み、前記調光部は、前記受電用端子を端部に1つずつ含むとともに、前記給電用インダクターへの交流の供給によって電磁誘導が生じる受電用インダクターを含んでもよい。
上記構成によれば、給電用端子と受電用端子とが機械的に接続されていない。そのため、調光部が1つの方向に沿って移動することに伴って、給電用端子と受電用端子との接続される箇所において摩擦が生じることが抑えられる。それゆえに、電極層に電圧を印加する給電構造に機械的な負荷が掛かることがより抑えられる。
上記調光装置において、前記給電用インダクターは、給電用コイルであり、前記受電用インダクターは、受電用コイルであり、前記給電用コイルは、前記支持要素に位置するとともに、前記支持部に対して相対移動する前記調光部に向けて開口し、前記受電用コイルは、前記給電用コイルと対向する開口を有してもよい。
上記構成によれば、給電用コイルの開口と受電用コイルの開口とが互いに対向しているため、調光部が1つの方向に沿って支持部に対して相対移動しても、給電用コイルの磁束のうち、受電用コイルを貫く磁束の本数が変わらない。それゆえに、1つの方向における調光部の位置が変わることに伴って、受電用コイルにおける誘導起電力が変わることを抑えることができる。
上記調光装置において、前記支持部は、前記支持要素を含む枠状体であり、前記調光層は、前記支持部が取り囲む領域において二次元に広がり、前記給電用インダクターは、前記支持部の周方向に沿って少なくとも1周巻かれた平面コイルであり、前記受電用インダクターは、前記調光層に沿って広がるとともに、少なくとも1周巻かれた平面コイルであってもよい。
上記構成によれば、給電用コイルが区画する領域の内部において、磁束の密度はほぼ一定である。そのため、調光部が1つの方向に沿って移動したときに、受電用コイルにおける誘導起電力が変わることが抑えられる。
上記調光装置において、前記2つの電極層のなかの一方が第1電極層であり、前記2つの電極層のなかの他方が第2電極層であり、前記調光部は、前記第1電極層と同一の平面上に位置する抵抗素子をさらに含み、前記2つの受電用端子には、前記調光層が前記第1電極層と前記第2電極層とに挟まれた直列回路と、前記抵抗素子との並列回路が接続されていてもよい。
上記構成によれば、受電用コイルに対して、調光層を含む直列回路と、抵抗素子とが並列に接続されているため、調光層に印加される電圧の安定化を図ることが可能となる。さらに、抵抗素子は、第1電極層と同一の平面上に位置する。そのため、抵抗素子を別途調光部に組み込むための新たな部材の点数を低減することが可能ともなる。また、抵抗素子を第1電極層とともに製造することも可能となる。
上記調光装置において、前記調光部は、前記1つの方向に沿って延びる開環筒状を有して前記支持要素を囲むとともに、前記支持要素に沿った移動が可能な状態で前記支持要素に支持される被支持要素を含み、前記各受電用端子は、前記1つの方向に沿って延びる帯状を有する受電用電極であり、前記各受電用電極は、前記被支持要素のうち、前記支持要素と対向する2つの面に1つずつ位置し、前記各給電用端子は、前記支持要素に位置するとともに、互いに異なる1つの前記受電用電極と接するように前記支持要素から互いに異なる1つの前記受電用電極に向けて突き出ていてもよい。
上記構成によれば、受電用端子が1つの方向に沿って延びるため、調光部が1つの方向に沿って移動しても、受電用端子と給電用端子とが接する間は、給電用端子から受電用端子に電力を供給することができる。
上記課題を解決するための調光装置は、2つの電極層に挟まれた調光層を含む調光部と、1つの方向に沿って延びる回転軸を含む支持部であって、前記調光部が前記回転軸に沿って回転することが可能な状態で前記調光部を支持する前記支持部と、前記支持部に含まれて電源に接続された2つの給電用端子と、前記調光部に含まれる2つの受電用端子であって、前記各給電用端子に1つずつ対応付けられ、前記2つの給電用端子から受ける電圧を前記電極層間に印加する2つの受電用端子と、を備える。
上記構成によれば、給電用端子が支持部に含まれ、かつ、受電用端子が調光部に含まれるため、調光部が回転軸を中心に回転することに伴って、受電用端子と電極層とを接続する配線が、回転方向に沿って捻れることが抑えられる。それゆえに、電極層に電圧を印加するための給電構造に機械的な負荷が掛かることが抑えられる。このように、上記構成によれば、調光部が支持部に対して相対的に移動する調光装置への採用が好適な給電構造を有した調光装置を提供することができる。
上記調光装置において、前記調光部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記回転軸に対する回転が可能な受電側筒部を含み、前記支持部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記受電側筒部に接する給電側筒部を含み、前記受電用インダクターは、受電領域を区画する受電用巻線を含む受電用コイルであり、前記給電用インダクターは、給電領域を区画する給電用巻線を含む給電用コイルであり、前記受電用コイルは、前記受電領域を前記回転軸が通るように前記受電側筒部に位置し、前記給電用コイルは、前記給電領域を前記回転軸が通るように前記給電側筒部に位置してもよい。
上記構成によれば、受電用コイルと給電用コイルとが、受電領域と給電領域とが対向するように1つの回転軸に通されているため、給電用コイルに対して受電用コイルが回転しても、受電用コイルを貫く磁束の本数が変わらない。そのため、受電用コイルにおける誘導起電力が受電用コイルの回転に伴って変わることが抑えられる。
上記調光装置において、前記調光部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記回転軸に対する回転が可能な受電側筒部を含み、前記支持部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記受電側筒部に接する給電側筒部を含み、前記受電側筒部のうち、前記給電側筒部に接する端部が受電側端部であり、前記給電側筒部のうち、前記受電側筒部に接する端部が給電側端部であり、前記給電用端子は、前記回転軸を中心とする円環状を有するとともに、前記給電側端部にて露出し、前記受電用端子は、前記回転軸に沿って延びるとともに、前記受電用端子の端部が前記受電側端部にて露出することによって、前記給電用端子に接続してもよい。
上記構成によれば、各給電用端子が回転軸を中心とする円環状を有するため、調光部が回転軸を中心に回転しても、給電用端子と受電用端子との接続を保つことができる。
本発明によれば、調光フィルムを含む調光部が調光部を支持する支持部に対して相対的に移動する調光装置への採用が好適な給電構造を有した調光装置を提供することができる。
調光装置を引き違い窓として具体化した第1実施形態における平面構造を示す平面図。 第1実施形態の引き違い窓が備える内側フィルムの断面構造を示す断面図。 第1実施形態における内側調光部の平面構造を示す平面図。 第1実施形態における上枠部の断面構造を示す断面図。 第1実施形態におけるサッシ上枠の断面構造を示す断面図。 第1実施形態における引き違い窓の作用を説明するための作用図。 第1実施形態の変形例におけるサッシ上枠の断面構造を示す断面図。 第1実施形態の変形例における引き違い窓の平面構造を示す平面図。 調光装置を引き違い窓として具体化した第2実施形態における平面構造を示す平面図。 第2実施形態における受電用コイルの平面構造を示す平面図。 第2実施形態における受電用コイルと内側フィルムとの断面構造を示す断面図。 第2実施形態における第1導電層の平面構造を示す平面図。 第2実施形態における第2電極層の平面構造を示す平面図。 第2実施形態における引き違い窓の作用を説明するための等価回路。 調光装置を引き違い窓として具体化した第3実施形態における引き違い窓を上面視した構造の一部を示す部分上面図。 第3実施形態における窓枠の一部断面構造と内側調光部の一部断面構造とを拡大して示す部分拡大断面図。 第3実施形態における給電用端子を上面視した構造を示す上面図。 調光装置を片開きドアとして具体化した第4実施形態における片開きドアの平面構造を示す平面図。 第4実施形態における片開きドアを上面視した構造を示す上面図。 第4実施形態における給電機構の断面構造を示す断面図。 第4実施形態における給電機構を上面視した構造を示す上面図。 調光装置を片開きドアとして具体化した第5実施形態における片開きドアの平面構造を示す平面図。 調光装置を片開きドアとして具体化した第6実施形態における給電用蝶番の断面構造を示す断面図。 第6実施形態における給電側端子を上面視した構造を示す上面図。
[第1実施形態]
図1から図6を参照して、調光装置を引き違い窓として具体化した第1実施形態を説明する。以下では、引き違い窓の全体構成、内側フィルムの構成、窓枠の構成、サッシ上枠の構成、および、引き違い窓の作用を順番に説明する。
[引き違い窓の全体構成]
図1は、引き違い窓の平面構造を示し、図1では、各調光部が有する調光フィルムの位置を分かりやすくする目的で、調光フィルムにドットが付されている。
図1が示すように、引き違い窓10は調光装置の一例であり、住宅などの壁部に形成された開口部に配置される建具である。引き違い窓10は、調光部の一例である内側調光部11、調光部の一例である外側調光部12、および、支持部の一例である窓枠13を備えている。
内側調光部11は、光を透過するとともに矩形板状を有した内側ガラス11aと、内側ガラス11aを覆う調光フィルムの一例である内側フィルム11bとを含んでいる。内側調光部11はさらに、内側ガラス11aの縁を支持する内側サッシ11cを含んでいる。内側フィルム11bは、内側ガラス11aのうち、内側サッシ11cの枠内に露出した部分の全体を覆っている。なお、内側フィルム11bは、内側ガラス11aのうち、内側サッシ11cの枠内に露出する部分の一部を覆っていてもよい。
内側サッシ11cは、矩形枠状を有している。内側サッシ11cは、1つの方向である第1方向D1に沿って延びるサッシ上枠11c1、サッシ上枠11c1と平行なサッシ下枠11c2、および、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って延びるとともに、サッシ上枠11c1とサッシ下枠11c2とに接続する2つのサッシ縦枠11c3から構成されている。
内側調光部11は、受電用コイル11dを含んでいる。受電用コイル11dはサッシ上枠11c1に位置するとともに、受電用コイル11dの外形は、第1方向D1に沿って延びる直線状を有している。第1方向D1における受電用コイル11dの長さは、内側ガラス11aの長さ以上であり、かつ、サッシ上枠11c1の長さ以下であることが好ましい。なお、第1方向D1における受電用コイル11dの長さは、内側ガラス11aの長さ未満であってもよい。
外側調光部12は、外側ガラス12aと、調光フィルムの一例である外側フィルム12bと、外側ガラス12aの縁を支持する外側サッシ12cと、受電用コイル12dとを含んでいる。外側調光部12は、引き違い窓10によって仕切られる空間に対する位置が内側調光部11とは異なる一方で、他の構成についてはほぼ同様である。すなわち、外側調光部12における外側ガラス12a、外側フィルム12b、外側サッシ12c、および、受電用コイル12dは、内側調光部11における内側ガラス11a、内側フィルム11b、内側サッシ11c、および、受電用コイル11dに対応する。
窓枠13は、矩形枠状を有している。窓枠13は、第1方向D1に沿って延びる支持要素の一例である上枠部13aを含んでいる。窓枠13は、内側調光部11および外側調光部12が上枠部13aに沿って窓枠13に対して相対的に移動することが可能な状態で、内側調光部11および外側調光部12を支持している。窓枠13は、上枠部13a、下枠部13b、および、2つの縦枠部13cとから構成されている。下枠部13bは、第1方向D1に沿って上枠部13aと平行に延びている。各縦枠部13cは、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って延びるとともに、上枠部13aと下枠部13bとに接続している。
窓枠13は、給電用インダクターの一例である給電用コイル13dを含んでいる。給電用コイル13dは、上枠部13aに位置するとともに、給電用コイル13dの外形は、第1方向D1に沿って延びる直線状を有している。窓枠13の枠内が内側調光部11と外側調光部12とによって覆われている状態において、第1方向D1における給電用コイル13dの長さは、内側調光部11が備える受電用コイル11dの全体と、外側調光部12が備える受電用コイル12dの全体との総和以上であることが好ましい。
なお、第1方向D1における給電用コイル13dの長さ、および、位置は、各調光部が第1方向D1に沿って移動する範囲の少なくとも一部において、各調光部の受電用コイルに電磁誘導を生じさせることが可能な長さ、および、位置であってもよい。
[内側フィルムの構成]
図2および図3を参照して内側フィルム11bの構成を説明する。内側フィルム11bと外側フィルム12bとの間では、引き違い窓10における位置が互いに異なる一方で、各フィルムにおける層構造は共通している。そのため以下では、内側フィルム11bの構成を詳しく説明し、外側フィルム12bの構成についての説明を省略する。
図2が示すように、内側フィルム11bは、液晶分子を含む調光層21と調光層21を挟む2つの電極層22とを備えている。2つの電極層22は、第1電極層22aおよび第2電極層22bである。内側フィルム11bはさらに、光透過性を有する2つの基材23を備えている。
2つの基材23のうち、第1電極層22aに対して調光層21とは反対側に位置する基材23が、電気的な絶縁性を有する第1基材23aであり、第2電極層22bに対して調光層21とは反対側に位置する基材23が、電気的な絶縁性を有する第2基材23bである。第1基材23aは、第1電極層22aに接する面とは反対側の面である表面23Saを含み、第2基材23bは、第2電極層22bに接する面とは反対側の面である表面23Sbを含んでいる。
調光層21は、調光層21に印加される電圧の大きさに応じて調光層21における光透過率が変わる特性を有している。調光層21は、例えば、樹脂から形成されたポリマーネットワークと、ポリマーネットワークが有する空隙に液晶分子が位置する構成であってもよいし、樹脂から形成された層内に、液晶分子が分散した構成であってもよい。調光層21は、例えば、電圧が印加された状態で第1の透過率を有し、電圧が印加されていない状態で第1の透過率よりも低い第2の透過率を有する特性を有している。
各電極層22は、光透過性と導電性とを有している。各電極層22は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)から形成されてもよいし、導電性高分子から形成されてもよい。各基材23は光透過性を有し、例えば、各種の樹脂から形成されるフィルムであればよい。
図3は、内側フィルム11bの第1基材23aと対向する平面視における内側フィルム11bの平面構造を示している。なお、図3では、内側フィルム11bが備える受電用電極の位置を分かりやすくする目的で、受電用電極にドットが付されている。
図3が示すように、内側フィルム11bは、各電極層22に1つずつ接続される2つの受電用電極24を含んでいる。各受電用電極24は、内側調光部11が有する各電極層22に1つずつ固定されている。
2つの受電用電極24のうち、第1電極層22aに接続される受電用電極24が第1受電用電極24aであり、第2電極層22bに接続される受電用電極24が第2受電用電極24bである。第1受電用電極24aは、第1基材23aの表面23Saに露出し、第2受電用電極24bは、第2基材23bの表面23Sbに露出している。
第1受電用電極24aおよび第2受電用電極24bは、第1方向D1に沿って延びる直線状を有し、第1受電用電極24aは、第1方向D1における内側フィルム11bの中央よりもサッシ上枠11c1寄りに位置し、第2受電用電極24bは、第1方向D1における内側フィルム11bの中央よりもサッシ下枠11c2寄りに位置している。
第1受電用電極24aは、受電用コイル11dが有する2つの端部の一方に接続され、第2受電用電極24bは、2つの端部の他方に接続されている。各受電用電極24は、例えば銅などの導電物から形成されている。
なお、第1受電用電極24aおよび第2受電用電極24bの各々は、受電用コイル11dに接続された状態で、外部に露出していないことが好ましい。各受電用電極24は、例えば、光透過性を有する絶縁層によって覆われていることが好ましい。
また、第1受電用電極24aは、第1電極層22aに接続し、かつ、第1基材23aの表面23Saに露出していれば、第1基材23aの表面23Saと対向する平面視における第1受電用電極24aの位置、および、第1受電用電極24aの延びる方向は、任意に変更することができる。第2受電用電極24bは、第2電極層22bに接続し、かつ、第2基材23bの表面23Sbに露出していれば、第2基材23bの表面23Sbと対向する平面視における第2受電用電極24bの位置、および、第2受電用電極24bの延びる方向は、任意に変更することができる。
[窓枠の構成]
図4を参照して窓枠13の構成を説明する。
図4は、窓枠13の上枠部13aにおける第1方向D1と直交する面に沿う断面構造を、内側サッシ11cのサッシ上枠11c1における第1方向D1と直交する面に沿う断面構造の一部とともに示している。
図4が示すように、窓枠13の上枠部13aは、給電用コイル13dを保持する保持辺13a1を含み、保持辺13a1は第1方向D1において、上枠部13aの全体に位置している。窓枠13は、例えば、アルミニウムから形成されてもよいし、各種の樹脂から形成されてもよい。なお、窓枠13と、窓枠13に配置される給電用コイル13dとを電気的に絶縁する上で、窓枠13は各種の樹脂から形成されることが好ましい。窓枠13がアルミニウムから形成されるときには、窓枠13と給電用コイル13dとの間に、これらの間を電気的に絶縁するための絶縁部材が位置していればよい。
給電用コイル13dは、上枠部13aの保持辺13a1上に位置し、かつ、給電用コイル13dの外形は、第1方向D1に沿って延びる直線状を有している。給電用コイル13dは、給電用巻線31と、給電用巻線31が巻かれるボビン32とから構成されている。給電用巻線31は、ボビン32に複数回巻き付けられ、給電用巻線31の一方の端部である第1給電用端部31aと、給電用巻線31の他方の端部である第2給電用端部31bとが、交流電源Pに接続されている。
言い換えれば、第1給電用端部31aと第2給電用端部31bとが、窓枠13に含まれて交流電源Pに接続される2つの給電用端子の一例であり、窓枠13は、給電用端子を端部に1つずつ含む給電用コイル13dを含んでいる。なお、交流電源Pと給電用コイル13dとの間には、交流電源Pと給電用コイル13dとの接続と切断とを切り替えるスイッチを配置することができる。
ボビン32は、第1方向D1に沿って延びる柱状を有し、例えば各種の樹脂などの絶縁体から形成されている。なお、ボビン32の内部には、磁性体から形成されるコアが位置してもよく、これにより、コアを有しない構成と比べて、給電用コイル13dにおける磁気抵抗を小さくすることができる。
給電用巻線31の全体は、上枠部13aに沿って延び、かつ、内側調光部11に向けて延びる円筒空間である給電領域31cを区画している。給電用巻線31は、ボビン32の外周面のうち、上枠部13aからサッシ上枠11c1に向かう方向に沿って延びる円筒面に、螺旋状に巻き付けられている。すなわち、給電用コイル13dは、窓枠13に対して相対的に移動する内側調光部11に向けて開口している。
上枠部13aはさらに、サッシ上枠11c1の移動を案内する案内レール13a2を含んでいる。案内レール13a2は第1方向D1に沿って延びる直線状を有している。案内レール13a2は、案内レール13a2に沿って内側調光部11の移動を案内し、サッシ上枠11c1を支持している。
[サッシ上枠の構成]
図5を参照してサッシ上枠の構成を説明する。内側調光部11と外側調光部12との間では、引き違い窓10における位置が互いに異なる一方で、各調光部におけるサッシ上枠の構造は共通している。そのため以下では、内側調光部11の構成を詳しく説明し、外側調光部12の構成についての説明を省略する。
図5は、内側調光部11における第1方向D1と直交する面に沿う断面構造の一部を、窓枠13の上枠部13aにおける第1方向D1と直交する面に沿う断面構造の一部とともに示している。
図5が示すように、サッシ上枠11c1は、上枠部13aの案内レール13a2によって案内される被案内部c1aと、内側ガラス11aおよび内側フィルム11bを保持する保持部c1bとを備えている。被案内部c1aは第1方向D1に沿って延び、案内レール13a2に沿う移動が可能な状態で、案内レール13a2に支持されている。サッシ上枠11c1を含む内側サッシ11cは、例えば、アルミニウムから形成されてもよいし、各種の樹脂から形成されてもよい。なお、内側サッシ11cと、内側サッシ11cに配置される受電用コイル11dとを電気的に絶縁する上で、内側サッシ11cは各種の樹脂から形成されることが好ましい。内側サッシ11cがアルミニウムから形成されるときには、内側サッシ11cと受電用コイル11dとの間に、これらの間を電気的に絶縁するための絶縁部材が位置していればよい。
保持部c1bは、第1方向D1に沿って延びるとともに、内側ガラス11aにおける第2方向D2の端部、および、内側フィルム11bにおける第2方向D2の端部を保持するための保持空間を区画している。保持空間には、上述した受電用コイル11dが位置している。受電用コイル11dは、受電用端子を端部に1つずつ含むとともに、給電用コイル13dへの交流の供給によって電磁誘導が生じる受電用インダクターである。
受電用コイル11dは、受電用巻線41とボビン42とから構成され、ボビン42は保持部c1bが区画する保持空間に嵌め込まれている。ボビン42は第1方向D1に沿って延びるとともに、第1方向D1に沿って延び、かつ、内側ガラス11aおよび内側フィルム11bが嵌め込まれる溝を有している。ボビン42は、例えば各種の樹脂などの絶縁体から形成されている。
受電用巻線41は、ボビン42に複数回巻き付けられ、受電用巻線41の一方の端部である第1受電用端部41aが第1受電用電極24aに接続し、受電用巻線41の他方の端部である第2受電用端部41bが第2受電用電極24bに接続している。第1受電用端部41aおよび第2受電用端部41bが、受電用端子の一例である。第1受電用端部41aおよび第2受電用端部41bは、各給電用端部に1つずつ対応付けられ、2つの給電用端部から受ける電圧を2つの電極層22間に印加する。
受電用巻線41は、上述した円筒空間である給電領域31cの筒端と対向する筒端を有した円筒空間である受電領域41cを区画している。受電用巻線41は、ボビン42のうち、サッシ上枠11c1から上枠部13aに向かう方向に沿って延びる面に、螺旋状に巻き付けられている。すなわち、受電用コイル11dは、給電用コイル13dと対向する開口を有している。
[引き違い窓の作用]
図6を参照して引き違い窓10の作用を説明する。なお、以下では、内側調光部11に関する作用を記載するが、上述したように外側調光部12は内側調光部11と同等の構成を有するため、外側調光部12によっても内側調光部11と同等の作用を得ることができる。また、図6では、説明の便宜上、引き違い窓10のうち、給電用コイル13dと受電用コイル11dとのみが図示されている。
上述したように、引き違い窓10では、給電用コイル13dの第1給電用端部31aおよび第2給電用端部31bが窓枠13に位置し、かつ、受電用巻線41の第1受電用端部41aおよび第2受電用端部41bが内側調光部11に位置している。そのため、内側調光部11が第1方向D1に沿って窓枠13に対して相対的に移動することに伴って、受電用電極24と内側フィルム11bとを接続する配線が、第1方向D1に沿って伸縮することが抑えられる。それゆえに、内側フィルム11bに給電するための給電構造に機械的な負荷が掛かることが抑えられる。
これに対して、受電用端子が窓枠13に位置する構成では、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動するたびに、受電用端子と内側フィルムとに接続された配線が伸縮する。これにより、配線と引き違い窓10を構成する他の部材などとの間で摩擦が生じたり、内側調光部11の移動によって配線が引っ張られたりすることによって、給電構造に機械的な負荷が掛かる。
また、給電用端子の一例である給電用巻線31の端部と、受電用端子の一例である受電用巻線41の端部とが機械的に接続されていない。そのため、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動することに伴って、給電用端子と受電用端子との接続される箇所において摩擦が生じることが抑えられる。それゆえに、内側フィルム11bの電極層22に電圧を印加する給電構造に機械的な負荷が掛かることがより抑えられる。
なお、内側フィルム11bは、電圧の印加によって透過率が変わる調光層21として、液晶分子を含む調光層21を備え、液晶分子は交流電圧の印加によって配向性が変わる分子である。そのため、電磁誘導によって受電用コイル11dに生じる電圧を内側フィルム11bに印加することによって、内側フィルム11bの透過率を変えることができる。
図6が示すように、給電用コイル13dは複数の磁束Fを放出し、複数の磁束Fの少なくとも一部が受電用コイル11dを貫くことによって、受電用コイル11dにおいて誘導起電力が生じる。
上述したように、給電用コイル13dと受電用コイル11dとの間では、給電領域31cと受電領域41cとが対向している。言い換えれば、給電用コイル13dの開口と受電用コイル11dの開口とが互いに対向している。そのため、内側調光部11が第1方向D1に沿って窓枠13に対して相対移動しても、給電用コイル13dの磁束Fのうち、受電用コイル11dを貫く磁束Fの本数が変わらない。それゆえに、第1方向D1における内側調光部11の位置が変わることに伴って、受電用コイル11dにおける誘導起電力が変わることを抑えることができる。
以上説明したように、調光装置の第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)各調光部が第1方向D1に沿って窓枠13に対して相対的に移動することに伴って、受電用端子と調光フィルムとを接続する配線が、第1方向D1に沿って伸縮することが抑えられ、これにより、各調光フィルムに給電するための給電構造に機械的な負荷が掛かることが抑えられる。結果として、各調光部が窓枠13に対して第1方向D1に沿って相対的に移動する構成への採用が好適な給電構造を有した引き違い窓10を提供することができる。
(2)給電用端子と受電用端子とが機械的に接続されていないため、各調光部が第1方向D1に沿って移動することに伴って、給電用端子と受電用端子とが接続される箇所において摩擦が生じることが抑えられる。それゆえに、各電極層に電圧を印加する給電構造に機械的な負荷が掛かることがより抑えられる。
(3)各調光部が第1方向D1に沿って窓枠13に対して相対移動しても、給電用コイル13dの磁束Fのうち、各受電用コイルを貫く磁束Fの本数が変わらない。それゆえに、第1方向D1における各調光部の位置が変わることに伴って、各受電用コイルにおける誘導起電力が変わることを抑えることができる。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・窓枠13は、支持要素の一例であって、第1方向D1に沿って延びる上枠部13aを少なくとも備えていればよく、内側調光部11および外側調光部12の支持が可能であれば、下枠部13bおよび各縦枠部13cは省略されてもよい。なお、給電用コイル13dは、下枠部13bに位置してもよく、この構成では、下枠部13bが支持要素の一例であるため、窓枠13は、少なくとも下枠部13bを備えていればよい。
・内側調光部11の受電用コイル11d、および、外側調光部12の受電用コイル12dは、給電用コイル13dと同様、磁性体から形成されたコアを備えてもよい。以下では、2つの受電用コイルのうち、内側調光部11の受電用コイル11dの構成のみを説明する。
図7が示すように、受電用コイル11dは、第1受電用端部51aと第2受電用端部51bとを含む受電用巻線51、ボビン52、および、コア53を備えている。受電用巻線51はボビン52に複数回巻き付けられ、コア53はボビン52の内部に位置している。内側調光部11は、ボビン52とは別体の保持部材54を備え、保持部材54は、内側ガラス11aおよび内側フィルム11bを保持するための溝を有している。なお、保持部材54は、ボビン52と一体に形成されてもよい。保持部c1bが区画する保持空間には、受電用コイル11dと保持部材54とが位置し、受電用コイル11dは、保持部材54よりも上枠部13a寄りに位置している。
受電用コイル11dがコア53を備える構成によれば、上述した給電用コイル13dと同様、受電用コイル11dにおける磁気抵抗を小さくすることができる。
・内側調光部11の受電用コイル11dは、受電用コイル11dの全体が内側サッシ11cのサッシ上枠11c1に位置しなくてもよい。また、外側調光部12の受電用コイル12dは、受電用コイル12dの全体が外側サッシ12cのサッシ上枠12c1に位置しなくてもよい。
すなわち、図8が示すように、内側調光部11の受電用コイル61は、内側サッシ11cのサッシ上枠11c1とサッシ縦枠11c3とに跨るとともに、中心軸の延在方向が第2方向D2に沿う円筒空間を受電領域として有してもよい。また、外側調光部12の受電用コイル62は、外側サッシ12cのサッシ上枠12c1とサッシ縦枠12c3とに跨るとともに、中心軸の延在方向が第2方向D2に沿う円筒空間を受電領域として有してもよい。
内側調光部11において、受電用コイル61が位置するサッシ縦枠11c3は、2つのサッシ縦枠11c3のうちのいずれであってもよく、また、外側調光部12において、受電用コイル62が位置するサッシ縦枠12c3は、2つのサッシ縦枠12c3のうちのいずれであってもよい。
こうした構成であっても、各受電用コイルが区画する受電領域は、給電用コイル13dが区画する給電領域31cと対向していることが好ましい。
・給電用コイル13dへの電力の供給によって受電用コイルにおいて電磁誘導を生じさせることが可能であれば、各受電用コイルは、各サッシのサッシ下枠に位置してもよい。なお、各受電用コイルが各サッシのサッシ下枠に位置する構成では、給電用コイルが、窓枠13の下枠部13bに位置するとともに、受電用コイルを貫く磁束を第1方向D1の全体にわたり発生させることが好ましい。
・内側調光部11および外側調光部12の各々は、複数の受電用コイルを備えてもよい。こうした構成では、例えば、サッシ上枠に位置し、かつ、第1方向D1に沿って並ぶ複数の受電用コイルを備えてもよい。あるいは、内側調光部11が、第1実施形態における受電用コイル11dと、図8を参照して先に説明した受電用コイル61を備え、また、外側調光部12が、第1実施形態における受電用コイル12dと、図8を参照して先に説明した受電用コイル62とを備える構成でもよい。
そして、内側調光部11や外側調光部12の移動する経路上において、複数の受電用コイルのなかの1つが各調光部11,12に電力を供給する構成であればよい。この構成においては、内側調光部11や外側調光部12の移動する経路上において、複数の受電用コイルのなかのいずれか1つが給電用コイル13dと対向するように、給電用コイル13dは上枠部13aの一部に位置してもよい。
・窓枠13は、複数の給電用コイルを備えてもよい。この場合には、例えば、上枠部13aに位置し、かつ、第1方向D1に沿って並ぶ複数の給電用コイルを備えてもよい。あるいは、下枠部13bに位置し、かつ、第1方向D1に沿って並ぶ複数の給電用コイルを備えてもよい。あるいは、窓枠13のうち、上枠部13aに位置する給電用コイルと、下枠部13bに位置する給電用コイルとを備えてもよい。
・内側サッシ11cにおける受電用コイルの位置と、外側サッシ12cにおける受電用コイルの位置とは互いに異なってもよい。すなわち、例えば、内側サッシ11cでは、サッシ上枠11c1に受電用コイル11dが位置する一方で、外側サッシ12cでは、サッシ上枠12c1とサッシ縦枠12c3とに跨るように受電用コイル62が位置してもよい。
・各調光部は光を透過する部材として、上述したガラスから形成される板状体に限らず、光を透過することが可能な各種の樹脂などから形成された板状体を備えてもよい。
・第1実施形態の調光装置は、引き違い窓に限らず、例えば、室内用の引き戸に適用されてもよいし、室内と室外との境界である玄関用の引き戸として適用されてもよい。あるいは、第1実施形態の調光装置は、住宅などの建造物に限らず、各種の装置に適用されてもよい。要は、1つの方向に沿って延びる支持要素、および、支持要素に沿って移動する調光部を備える構成であれば、上述した調光装置を適用することが可能である。
・内側フィルム11bおよび外側フィルム12bは、第1基材と第1電極層との間、および、第2基材と第2電極層との間にそれぞれ配向層を備える構成でもよい。配向層は、調光層が含む液晶分子の配向を制御する層であり、調光層に電圧が印加されていない状態で、液晶分子を所定の方向に配向させる。配向層を備える構成では、調光層に電圧が印加されていない状態での第1の透過率が、調光層に電圧が印加された状態での第2の透過率よりも高い。
・調光層は二色性色素を含み、二色性色素に応じた色を有する構成であってもよい。
・内側調光部11や外側調光部12は、紫外線を吸収する機能を調光フィルム以外の構成に含めることも可能である。紫外線を吸収する機能を含む調光部であれば、調光フィルムの有する調光機能が紫外線の照射によって劣化することを抑えることが可能ともなる。
[第2実施形態]
図9から図14を参照して、調光装置を引き違い窓として具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態の引き違い窓は、第1実施形態の引き違い窓と比べて、窓枠が備える給電用コイルの形状と、各調光部が備える受電用コイルの形状とが異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第1実施形態の引き違い窓と同等の構成には同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。また以下では、給電用コイルの構成、受電用コイルと内側フィルムとの構成、および、引き違い窓の作用を順番に説明する。
[給電用コイルの構成]
図9を参照して給電用コイルの構成を説明する。
図9が示すように、引き違い窓70が広がる平面と対向する平面視において、給電用コイル71は、窓枠13の周方向に沿って1周巻かれた平面コイルである。給電用コイル71は、窓枠13に位置する給電用巻線によって構成され、給電用巻線は、窓枠13の周方向のほぼ全体に位置している。言い換えれば、給電用コイル71は、窓枠13の周方向におけるほぼ全体に沿う有端の矩形環状を有している。なお、給電用コイル71の巻き数は、2以上であってもよく、給電用コイル71の周りに形成される磁場の強度を高くする上では、給電用コイル71の巻き数は、2以上であることが好ましい。
給電用コイル71のうち、一方の端部が第1給電用端部71aであり、他方の端部が第2給電用端部71bである。第1給電用端部71aおよび第2給電用端部71bは、交流電源Pに接続されている。第1給電用端部71aおよび第2給電用端部71bの各々は、給電用端子の一例である。
[受電用コイルと内側フィルムとの構成]
図10から図13を参照して、受電用コイルと内側フィルム11bとの構成を説明する。図10では、図示の便宜上、受電用コイルを保護する保護フィルムの図示が省略されている。また、内側フィルムと外側フィルムとの間では、引き違い窓70における位置が互いに異なる一方で、調光フィルムへの給電に関わる構造は共通である。そのため以下では、内側フィルム、および、内側フィルムに位置する受電用コイルを詳しく説明する一方で、外側フィルム、および、外側フィルムに位置する受電用コイルの説明を省略する。
図10が示すように、内側フィルム11bが広がる平面と対向する平面視において、受電用コイル72は、内側フィルム11bに沿って広がるとともに、内側フィルム11bが広がる平面に沿って複数回巻かれた平面コイルである。受電用コイル72は、内側フィルム11bに位置する受電用巻線によって構成されている。受電用巻線は、内側フィルム11bが広がる平面と対向する平面視において、内側フィルム11bの縁に沿うように複数回巻かれている。内側フィルム11bのなかで、内側フィルム11bの中央部は、受電用コイル72の位置しない非コイル領域であり、内側フィルム11bのなかで中央部よりも外側に位置する外縁部は、受電用コイル72が位置するコイル領域である。
受電用コイル72は、一方の端部である第1受電用端部72aと、他方の端部である第2受電用端部72bとを有している。第1受電用端部72aおよび第2受電用端部72bは、受電用端子の一例である。内側フィルム11bが広がる平面と対向する平面視において、第1受電用端部72aは内側フィルム11bにおける1つの隅部である第1隅部に位置し、第2受電用端部72bは内側フィルム11bの1つの隅部である第2隅部であって、第1隅部から延びる対角線上に位置する隅部に位置している。
なお、受電用コイル72の巻き数は、1以上であればよいが、上述したように、受電用コイル72の周りに形成される磁場の強度を高める上では、巻き数は2以上であることが好ましい。また、内側フィルム11bには、2つ以上の受電用コイルが位置してもよい。
受電用コイル72は、内側フィルム11bと対向する平面視において、給電用コイル71が区画する領域の内部に位置し、また、給電用コイル71が区画する領域の内部において、磁束の密度はほぼ一定である。そのため、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動したときに、受電用コイル72における誘導起電力が変わることが抑えられる。
図11は、内側フィルム11bと受電用コイル72とから構成される積層体の概略的な断面構造を示している。
図11が示すように、内側フィルム11bは、調光層21、2つの導電層73、および、2つの基材23を備えている。2つの導電層73は第1導電層73aおよび第2電極層73bであり、第1導電層73aに対して調光層21とは反対側に位置する基材23が第1基材23aであり、第2電極層73bに対して調光層21とは反対側に位置する基材23が第2基材23bである。
受電用コイル72は、第1基材23aの表面23Saの縁に沿うように表面23Saに位置している。受電用コイル72に対して第1基材23aとは反対側には、受電用コイル72を保護する保護層74が位置している。
図12は、第1基材23aの表面23Saと対向する平面視における第1導電層73aの平面構造を示している。
図12が示すように、第1導電層73aは、第1電極層73a1と、第1電極層73a1から電気的に絶縁された抵抗素子73a2とから構成されている。抵抗素子73a2は、第1導電層73aが広がる平面上にて第1電極層73a1から一部が離間することによって、第1電極層73a1とは異なる抵抗素子として機能する。すなわち、第1電極層73a1と抵抗素子73a2とは、同一の平面上に位置している。
抵抗素子73a2は、第1抵抗端部a21、第2抵抗端部a22、第1抵抗端部a21と第2抵抗端部a22とを繋ぐ配線部a23から構成されている。第1抵抗端部a21は、抵抗素子73a2において第1電極層73a1と一体となる部位であり、受電用コイル72の第1受電用端部72aに電気的に接続されている。第2抵抗端部a22は、受電用コイル72の第2受電用端部72bに電気的に接続されている。すなわち、受電用コイル72と抵抗素子73a2とは、これらが直列に接続された閉回路を構成している。
第1導電層73aが広がる平面と対向する平面視において、第1導電層73aは矩形状を有し、抵抗素子73a2の第1抵抗端部a21は、第1導電層73aの1つの隅部である第1隅部に位置し、第2抵抗端部a22は、第1導電層73aにおける1つの隅部である第2隅部であって、第1隅部から延びる対角線上に位置する隅部に位置している。配線部a23は所定の線幅であって、抵抗素子として機能する線幅を有している。なお、抵抗素子73a2に印加される電圧は、第1電極層73a1に印加される電圧とは異なる。そのため、抵抗素子73a2が有する線幅は、抵抗素子73a2に印加される電圧で調光層21が駆動しない程度に細いことが好ましい。
内側フィルム11bの厚さ方向において、抵抗素子73a2の第1抵抗端部a21と第1受電用端部72aとが重なっている。また、内側フィルム11bの厚さ方向において、抵抗素子73a2の第2抵抗端部a22と第2受電用端部72bとが重なっている。
第1導電層73aは、例えばITOから形成されている。第1導電層73aは、例えば、1枚のITO膜が成膜された後、第1電極層73a1と抵抗素子73a2との境界がエッチングされることによって形成される。または、第1導電層73aは、例えば、第1電極層73a1の形状に対応するマスク孔と、抵抗素子73a2の形状に対応するマスク孔とを有するマスクを用いてITO膜が成膜されることによって形成される。
図13は、第1基材23aの表面23Saと対向する平面視における第2電極層73bの平面構造を示している。
図13が示すように、第2電極層73bは矩形状を有し、周方向の一部に他の部分よりも外側に突き出た第2電極接続部73b1を含んでいる。第2電極接続部73b1は、第2電極層73bの1つの隅である。第2電極層73bの外側には、第2電極層73bの周方向におけるほぼ全体を取り囲む周回配線75が位置している。周回配線75は、第1周回端部75aおよび第2周回端部75bを含んでいる。
第1周回端部75aは、第2抵抗端部a22に電気的に接続されている。第2周回端部75bは、第2電極接続部73b1に重なることによって、第2電極接続部73b1に電気的に接続され、かつ、第2受電用端部72bに電気的に接続されている。周回配線75のうち、第2周回端部75b以外の部分は、第2電極層73bから離間することによって、第2電極層73bと電気的に絶縁されている。なお、第2周回端部75b、第2受電用端部72b、および、第2電極接続部73b1は、例えば、調光層21の外側において、内側フィルム11bの厚さ方向に沿って互いに重なることによって、互いに接続されている。
[引き違い窓の作用]
図14を参照して、引き違い窓70の作用を説明する。
図14が示すように、内側調光部11の等価回路において、第1導電層73aの第1電極層73a1、調光層21、第2電極層73bは、第1電極層73a1に対応する第1抵抗82、調光層21に対応する容量84、および、第2電極層73bに対応する第2抵抗83が、この順に接続された直列回路を構成する。内側調光部11の等価回路は、受電用コイル72に対応する受電用コイル81に対して、この直列回路と抵抗素子73a2に対応する第3抵抗85とが並列に接続されている。すなわち、第1受電用端部72aと第2受電用端部72bとには、直列回路と抵抗素子との並列回路が接続されている。
ここで、上述した内側調光部の等価回路において第3抵抗85としての抵抗素子73a2が割愛された構成では、受電用コイル81に対する負荷が、容量84を含む直列回路、すなわち、容量性負荷のみとなる。結果として、受電用コイル81における誘導起電力の誤差が、容量84としての調光層21に印加される電圧の誤差として大きく反映され、調光層21に印加される電圧の不安定化を招くおそれがある。
これに対して、上述した内側調光部11では、受電用コイル81に対して、容量84を含む直列回路と、第3抵抗85としての抵抗素子73a2とが並列に接続されているため、これら並列回路に流れる電流の安定化を図ることが可能となる。ひいては、調光層21に印加される電圧の安定化を図ることが可能となる。
以上説明したように、調光装置の第2実施形態によれば、上述した(1)および(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
(4)給電用コイル71が区画する領域の内部において磁束の密度はほぼ一定であるため、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動したときに、受電用コイル72における誘導起電力が変わることが抑えられる。
(5)受電用コイル81に対して、容量84を含む直列回路と、第3抵抗85とが並列に接続されているため、調光層21に印加される電圧の安定化を図ることが可能となる。さらに、抵抗素子73a2は、第1導電層73aの一部として、第1電極層73a1と同一の平面上に位置する。そのため、抵抗素子73a2を別途内側フィルム11bに組み込むための新たな部材の点数を低減することが可能ともなる。また、抵抗素子73a2を第1導電層73aの一部として第1電極層73a1とともに製造することも可能となる。
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・引き違い窓70は、給電用コイル71が窓枠13に位置する平面コイルであり、かつ、受電用コイル72が内側調光部11に位置する平面コイルであれば、以下の構成であってもよい。すなわち、受電用コイル72において、第1導電層73aが単一の第1電極層であり、周回配線75が省略された構成でもよい。そして、受電用コイル72の第1受電用端部72aが第1電極層に接続し、受電用コイル72の第2受電用端部72bが第2電極層73bに接続した構成でもよい。こうした構成であっても、上述した(4)と同等の効果を得ることはできる。
・第2実施形態にて説明した内側フィルム11bの構成は、第1実施形態の内側調光部11が備える内側フィルム11bとして用いることができる。これにより、第1実施形態の引き違い窓10においても、上述した(5)と同等の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
図15から図17を参照して、調光装置を引き違い窓として具体化した第3実施形態を説明する。第3実施形態の引き違い窓は、第1実施形態の引き違い窓と比べて、給電用端子と受電用端子とが直に接する点が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第1実施形態と共通する構成には同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。
また以下では、引き違い窓の概略構成、および、給電用電極および受電用電極の構成を順番に説明する。この際、内側調光部11と外側調光部12との間では、引き違い窓における位置が互いに異なる一方で、各調光部が備える調光フィルムに電力を供給する給電構造は共通しているため、内側調光部11を詳しく説明する一方で、外側調光部12についての説明を省略する。
[引き違い窓の概略構成]
図15を参照して引き違い窓の概略構成を説明する。なお、図15では、引き違い窓が備える給電用電極と受電用電極とを説明する便宜上、引き違い窓が備える構成の一部が省略されている。
図15が示すように、引き違い窓90の上枠部13aは、第1方向D1に沿って延びる案内レール13a2を含み、案内レール13a2は、内側調光部11が案内レール13a2に沿う移動が可能な状態で内側調光部11の被案内部c1aを支持している。
内側調光部11が備える各受電用端子は、第1方向D1に沿って延びる帯状を有する受電用電極91である。各受電用電極91は、被案内部c1aのうち、案内レール13a2と対向する2つの面に1つずつ位置している。
2つの受電用電極91は、第1受電用電極91aおよび第2受電用電極91bであり、第1受電用電極91aと第2受電用電極91bとは、案内レール13a2を挟んで互いに対向している。第1方向D1において、第1受電用電極91aおよび第2受電用電極91bの各々は、被案内部c1aのほぼ全体にわたる長さを有している。
窓枠13が備える各給電用電極92は、案内レール13a2に位置するとともに、互いに異なる1つの受電用電極91と接するように案内レール13a2から1つの受電用電極91に向けて突き出ている。給電用電極92は給電用端子の一例である。
2つの給電用電極92は、第1給電用電極92aおよび第2給電用電極92bである。第1給電用電極92aは、第1受電用電極91aに接するように第1受電用電極91aに向けて案内レール13a2から突き出ている。これに対して、第2給電用電極92bは、第2受電用電極91bと接するように第2受電用電極91bに向けて案内レール13a2から突き出ている。
第1方向D1における内側調光部11の位置のうち、内側調光部11が縦枠部13cに接し、かつ、外側ガラス12aと重ならない状態で、窓枠13の枠内を塞いでいるときの位置が、内側調光部11の初期位置である。これに対して、内側調光部11における初期位置からの変位量が最も大きい位置が、最大移動位置である。
第1方向D1における第1給電用電極92aの位置は、内側調光部11が初期位置から最大移動位置に移動するまでの間にわたって第1受電用電極91aに接する位置である。また、第1方向D1における第2給電用電極92bの位置は、内側調光部11が初期位置から最大移動位置に移動するまでの間にわたって第2受電用電極91bに接する位置である。
引き違い窓90によれば、受電用電極91が第1方向D1に沿って延びるため、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動しても、受電用電極91と給電用電極92とが接することによって、給電用電極92から受電用電極91に電力を供給することができる。
[給電用電極および受電用電極の構成]
図16および図17を参照して、給電用電極92および受電用電極91の構成をより詳しく説明する。
図16が示すように、上枠部13aは被固定辺13a3を含み、被固定辺13a3は、引き違い窓90が適用される住宅などに固定される。案内レール13a2は、被固定辺13a3に固定されるとともに、第1方向D1に沿って延びる開環の矩形筒状を有している。案内レール13a2は、被固定辺13a3とともに所定の空間を区画している。
上枠部13aは、例えばアルミニウムから形成され、第1給電用電極92aは、例えば各種の金属から形成されている。案内レール13a2は、案内レール13a2の壁部を貫通する支持孔を有し、第1給電用電極92aは支持孔に通されることによって、案内レール13a2に支持されている。そのため、案内レール13a2の内側面および外側面であって、第1給電用電極92aが接触しやすい部分には、上枠側絶縁層93が位置している。
被案内部c1aは、第1方向D1に沿って延びる開環筒状を有して案内レール13a2を囲むとともに、案内レール13a2に沿った移動が可能な状態で案内レール13a2に支持されている。被案内部c1aは、開環の矩形筒状を有している。被案内部c1aの内側面のうち、第1方向D1に沿って延びる面であって、互いに対向し、かつ、案内レール13a2と対向する2つの面のほぼ全体には、電極用絶縁層94が1つずつ位置している。
2つの電極用絶縁層94のうち、一方の電極用絶縁層94には第1受電用電極91aが位置し、他方の電極用絶縁層94には第2受電用電極91bが位置している。第1受電用電極91aは、内側フィルム11bの第1受電用電極24aに接続し、第2受電用電極91bは、内側フィルム11bの第2受電用電極24bに接続している。
内側サッシ11cは、例えばアルミニウムから形成されているため、各電極用絶縁層94によって、第1受電用電極91aと内側サッシ11cとが、あるいは、第2受電用電極91bと内側サッシ11cとが、互いに絶縁されている。
保持部c1bが区画する保持空間には、保持部材95が位置している。保持部材95は第1方向D1に沿って延びる溝を有し、溝において内側ガラス11aと内側フィルム11bとが保持されている。保持部材95は、絶縁体から形成されている。
図17を参照して、第1給電用電極92aの構成をより詳しく説明する。なお、内側フィルム11bに接続される第2給電用電極92bの構成、および、外側フィルム12bに接続される2つの給電用電極の構成は、内側フィルム11bに接続される第1給電用電極92aの構成と同等であるため、これらの構成の説明を省略する。
図17が示すように、第1給電用電極92aは、本体部92a1を有し、本体部92a1は、案内レール13a2から第1受電用電極91aに向けて延びる棒状を有している。本体部92a1は、第1受電用電極91aに接する先端部92ad、先端部92adとは反対側の基端部92ap、および、先端部92adと基端部92apとに挟まれる中央部92acから構成されている。
基端部92apは、案内レール13a2が区画する空間内に位置し、かつ、案内レール13a2が有する支持孔よりも外側に張り出す大きさを有している。中央部92acは、先端部92adおよび基端部92apよりも細い棒状を有している。
第1受電用電極91aは、中央部92acの周りに位置する付勢部材92a2を備え、付勢部材92a2は、案内レール13a2から第1受電用電極91aに向かう方向に沿って、本体部92a1を付勢している。これにより、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動しても、第1給電用電極92aが第1受電用電極91aに接触した状態が保たれやすくなる。
以上説明したように、調光装置の第3実施形態によれば、上述した(1)の効果に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(6)受電用電極91が第1方向D1に沿って延びるため、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動しても、受電用電極91と給電用電極92とが接することによって、給電用電極92から受電用電極91に電力を供給することができる。
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・第1方向D1において、受電用電極91の長さは、被案内部c1aのうち、各受電用電極91が位置する面の一部のみに沿う長さであってもよい。こうした構成であっても、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動するときに、受電用電極91と給電用電極92とが接している間では、給電用電極92から受電用電極91に電力を供給することはできる。
・第1方向D1において、給電用電極92の位置は、内側調光部11の位置が初期位置から最大移動位置まで変わる間の一部において、給電用電極92と受電用電極91とが接することが可能な位置であってもよい。こうした構成であっても、内側調光部11が第1方向D1に沿って移動するときに、給電用電極92と受電用電極91とが接している間では、給電用電極92から受電用電極91に電極を供給することはできる。
[第4実施形態]
図18から図21を参照して、調光装置を片開きドアとして具体化した第4実施形態を説明する。第4実施形態の片開きドアは、第1実施形態の引き違い窓と比べて、調光部の移動に関わる構成が異なる。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第1実施形態の引き違い窓と同等の構成には同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。また以下では、片開きドアの全体構成、および、給電機構の構成を順番に説明する。
[片開きドアの全体構成]
図18および図19を参照して片開きドアの全体構成を説明する。
図19が示すように、片開きドア100は調光装置の一例であり、住宅などの壁部に形成された開口部に配置される建具である。片開きドア100は、ドア本体101、回転軸102、ドア枠103、2つの取付機構104、および、給電機構105を備えている。
ドア本体101は、光を透過するガラス窓101aと、ガラス窓101aを覆う調光フィルム101bとを含んでいる。ドア本体101はさらに、ガラス窓101aの縁を支持する窓枠部101cを含んでいる。ガラス窓101aおよび調光フィルム101bは矩形状を有し、窓枠部101cはガラス窓101aおよび調光フィルム101bを取り囲む矩形枠状を有している。すなわち、ドア本体101は、第2方向D2に沿って延びる矩形状を有している。
回転軸102は、第2方向D2に沿って延びるとともに、ドア本体101から離間している。ドア枠103は、ドア本体101、および、回転軸102を取り囲み、回転軸102を支持している。
2つの取付機構104は、第1取付機構104aおよび第2取付機構104bから構成されている。第1取付機構104aと第2取付機構104bとは、回転軸102に通され、第2方向D2における位置が互いに異なっている。
第1取付機構104aは、ドア本体101に固定された回転側要素104a1と、ドア枠103に固定された固定側要素104a2とから構成されている。回転側要素104a1は、回転軸102を中心とする回転が可能な状態で回転軸102に通され、ドア本体101の開閉に伴って、回転軸102を中心に回転する。固定側要素104a2は、回転軸102を中心とする回転が可能な状態で回転軸102に通されてもよいし、回転軸102を中心とする回転ができない状態で回転軸102に通されてもよい。
第2取付機構104bは、第1取付機構104aと同様、回転側要素104b1と固定側要素104b2とから構成されている。第2取付機構104bの回転側要素104b1は、第1取付機構104aの回転側要素104a1と同等の構成であり、第2取付機構104bの固定側要素104b2は、第1取付機構104aの固定側要素104a2と同等の構成である。
給電機構105は、ドア本体101に固定された回転側要素105aと、ドア枠103に固定された固定側要素105bとから構成されている。回転側要素105aは、回転軸102を中心とする回転が可能な状態で回転軸102に通され、ドア本体101の開閉に伴って、回転軸102を中心に回転する。固定側要素105bは、回転軸102を中心とする回転が可能な状態で回転軸102に通されてもよいし、回転軸102を中心とする回転ができない状態で回転軸102に通されてもよい。
こうした片開きドア100では、ドア本体101、各取付機構104の回転側要素、および、給電機構105の回転側要素105aによって調光部の一例が構成され、回転軸102、ドア枠103、各取付機構104の固定側要素、および、給電機構105の固定側要素によって支持部の一例が構成されている。こうした支持部は、調光部が回転軸102に沿って回転することが可能な状態で調光部を支持している。
図19が示すように、片開きドア100の上面視において、ドア枠103はドア本体101よりも突き出ている。回転軸102は、ドア本体101に対してドア枠103が突き出た側に位置している。取付機構104は、ドア本体101とドア枠103との両方に固定されることによって、回転軸102を中心とするドア本体101の回転を可能にしている。
[給電機構の構成]
図20および図21を参照して、給電用コイルおよび受電用コイルの構成を説明する。
図20は、回転軸102の中心軸Aを通り、かつ、第2方向D2に沿って延びる面における給電機構105の断面構造を示している。
図20が示すように、回転側要素105aは、回転軸102が通る筒状を有するとともに、回転軸102に対する回転が可能な受電側筒部111を含んでいる。回転側要素105aは、受電側筒部111から突き出た受電側固定片112を備え、受電側固定片112は、固定部材113によってドア本体101に固定されている。受電側筒部111および受電側固定片112は、例えば各種の樹脂などの絶縁体から形成されている。
受電側筒部111の内部には、受電用コイル114が位置している。受電用コイル114は、受電領域115cを区画する受電用巻線115と、受電用巻線115が巻き付けられるボビン116とから構成されている。ボビン116は、例えば各種の樹脂などの絶縁体から形成される。
受電用コイル114は、受電領域115cを回転軸102が通るように受電側筒部111に位置している。すなわち、ボビン116は第2方向D2に沿って延びる筒状を有し、受電用巻線115は、ボビン116に対して第2方向D2に沿って螺旋状に複数回巻き付けられている。
受電用巻線115は、第1受電用端部115aおよび第2受電用端部115bを含み、第1受電用端部115aが調光フィルム101bの第1受電用電極24aに接続し、第2受電用端部115bが調光フィルム101bの第2受電用電極24bに接続している。第1受電用端部115aおよび第2受電用端部115bが、受電用端子の一例である。
固定側要素105bは、回転軸102が通る筒状を有するとともに、受電側筒部111に接する給電側筒部121を含んでいる。固定側要素105bは、給電側筒部121から突き出た給電側固定片122を備え、給電側固定片122は、図示されない固定部材によってドア枠103に固定されている。給電側筒部121および給電側固定片122は、例えば各種の樹脂などの絶縁体から形成されている。
給電側筒部121の内部には、給電用コイル123が位置している。給電用コイル123は、給電領域124cを区画する給電用巻線124と、給電用巻線124が巻き付けられるボビン125とから構成されている。ボビン125は、例えば各種の樹脂などの絶縁体から形成されることが好ましい。
給電用コイル123は、給電領域124cを回転軸102が通るように給電側筒部121に位置している。すなわち、ボビン125は、受電用コイル114のボビン116と同様、第2方向D2に沿って延びる筒状を有し、給電用巻線124は、ボビン125に対して第2方向D2に沿って螺旋状に複数回巻き付けられている。これにより、給電領域124cと受電領域115cとが対向している。
給電用巻線124は、第1給電用端部124aおよび第2給電用端部124bを含み、第1給電用端部124aおよび第2給電用端部124bが交流電源Pに接続している。すなわち、第1給電用端部124aおよび第2給電用端部124bが、支持部に含まれて交流電源Pに接続された2つの給電用端子の一例である。
こうした給電機構105によれば、ドア本体101が、3つの回転側要素を通じて回転軸102を中心に回転することに伴って、受電用端子と調光フィルム101bとを接続する配線が、回転方向に沿って捻れることが抑えられる。それゆえに、調光フィルム101bに給電するための給電構造に機械的な負荷が掛かることが抑えられる。
これに対して、受電用端子が支持部に位置する構成では、ドア本体101が回転軸102を中心に回転したときに、受電用端子は回転しないため、調光フィルム101bと受電用端子とを接続する配線が、回転方向に沿って捻れる。それゆえに、調光フィルム101bに給電するための給電構造に機械的な負荷が掛かる。
また、受電用コイル114と給電用コイル123とが、受電領域115cと給電領域124cとが対向するように1つの回転軸102に通されているため、給電用コイル123に対して受電用コイル114が回転しても、受電用コイル114を貫く磁束の本数が変わらない。そのため、受電用コイル114における誘導起電力が受電用コイル114の回転によって変わることが抑えられる。
図21が示すように、給電機構105の回転側要素105aと対向する平面視において、受電側固定片112に対して回転軸102が位置する側とは反対側には、受電側調節部117が位置している、受電側調節部117は、受電側固定片112が含む1つの面上に位置している。
給電機構105の回転側要素105aと対向する平面視において、給電側固定片122に対して回転軸102が位置する側とは反対側には、給電側調節部126が位置している。給電側調節部126は、給電側固定片122が含む1つの面上に位置している。
給電機構105の直径が取付機構104の直径よりも小さいときには、給電機構105が受電側固定片112および給電側固定片122を備えることによって、給電機構105の中心軸を回転軸102の中心軸Aに一致させた状態で、給電機構105を片開きドア100に取り付けることができる。なお、給電機構105の直径が取付機構104の直径に等しいときには、受電側固定片112および給電側固定片122を省略することができる。
上述した調光フィルム101bおよび給電機構105は、ドア枠103およびドア本体101から離間するとともに、第2方向D2に沿って延びる回転軸102を有した片開きドアに対して後付けすることができる。例えば、調光フィルムを有しない既設の片開きドア100において、ドア本体101および回転軸102をドア枠103から取り外し、ドア本体101のガラス窓101aに調光フィルム101bを貼り付ける。
次いで、一方の取付機構104を回転軸102から取り外した後、給電機構105と、取り外した取付機構104を回転軸102に取り付ける。その後、ドア本体101を、回転軸102、取付機構104、および、給電機構105を介してドア枠103に取り付ける。そして、給電機構105と調光フィルム101bとを電気的に接続することによって、既設の片開きドア100に対して、調光フィルム101bおよび給電機構105を後付けすることができる。
以上説明したように、調光装置の第4実施形態によれば、上述した(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
(7)ドア本体101が、3つの回転要素を通じて回転軸102を中心に回転することに伴って、受電用コイル114の第1受電用端部115aと調光フィルム101bとを接続する配線、および、第2受電用端部115bと調光フィルム101bとを接続する配線が、回転方向に沿って捻れることが抑えられる。それゆえに、調光フィルム101bに給電するための給電構造に機械的な負荷が掛かることが抑えられる。
(8)受電用コイル114と給電用コイル123とが、受電領域115cと給電領域124cとが対向するように1つの回転軸102に通されているため、給電用コイル123に対して受電用コイル114が回転しても、受電用コイル114を貫く磁束の本数が変わらない。そのため、受電用コイル114における誘導起電力が受電用コイル114の回転に伴って変わることが抑えられる。
なお、上述した第4実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・第4実施形態の調光フィルム101bの構成には、第2実施形態の内側フィルム11bの構成を採用することができる。これにより、第4実施形態の片開きドア100においても、上述した(5)と同等の効果を得ることができる。
・ドア本体101は光を透過する部材として、上述したガラス窓101aに限らず、光を透過することが可能な各種の樹脂などから形成された板状体を備えてもよい。
・第2方向D2において、給電機構105は、2つの取付機構104に挟まれているが、第2方向D2において、2つの取付機構104と給電機構105とが並ぶ順番は適宜変更してもよい。
・取付機構104の数は、ドア本体101の回転が可能な状態でドア本体101をドア枠103に支持させることが可能であれば、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
[第5実施形態]
図22を参照して、調光装置を片開きドアとして具体化した第5実施形態を説明する。第5実施形態の片開きドアは、第4実施形態の片開きドアと比べて、ドア本体をドア枠に対して取り付けるための機構が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第4実施形態と同等の構成には同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。
[片開きドアの全体構成]
図22を参照して片開きドアの全体構成を説明する。
図22が示すように、片開きドア130は、ガラス窓101a、調光フィルム101b、および、窓枠部101cから構成されるドア本体101、ドア枠103、給電用蝶番131、および、取付用蝶番132を備えている。第2方向D2において、給電用蝶番131と取付用蝶番132とが並び、給電用蝶番131は取付用蝶番132よりも上方に位置している。
給電用蝶番131は、回転軸131a、回転側要素131b、および、固定側要素131cとから構成されている。回転側要素131bは、第2方向D2に沿って延びるとともに、回転軸131aに通される筒状を有する部分を含んでいる。回転側要素131bは、回転軸131aを中心とする回転が可能な状態で回転軸131aに通され、かつ、ドア本体101の窓枠部101cに固定されている。回転側要素131bは、ドア本体101の開閉に伴って、回転軸131aを中心に回転する。
固定側要素131cは、第2方向D2に沿って延びるとともに、回転軸131aに通される筒状を有する部分を含んでいる。固定側要素131cは、回転軸131aを中心とする回転が可能な状態で回転軸131aに通されてもよいし、回転軸131aを中心とする回転ができない状態で回転軸131aに通されてもよい。固定側要素131cは、ドア枠103に固定されている。
回転軸131aは、第2方向D2に沿って延びる柱状を有している。第2方向D2における回転軸131aの長さは、第2方向D2における回転側要素131bの長さと、第2方向D2における固定側要素131cの長さとの合計にほぼ等しい。すなわち、回転軸131aのほぼ全体が、回転側要素131bと固定側要素131cとによって覆われている。回転軸131aは、例えば、鉄などの磁性体から形成されることが好ましい。
回転側要素131bは、第4実施形態の給電機構105における回転側要素105aと同等の構成である。すなわち、回転側要素131bの内部には、受電用コイルが位置している。また、固定側要素131cは、第4実施形態の給電機構105における固定側要素105bと同等の構成である。すなわち、固定側要素131cの内部には、給電用コイルが位置している。
回転軸131aが磁性体から形成されていれば、回転軸131aが磁性体以外から形成されている構成と比べて、給電用コイルおよび受電用コイルにおける磁気抵抗を小さくすることができる。
取付用蝶番132は、回転軸132a、回転側要素132b、および、固定側要素132cから構成されている。回転側要素132bは、調光フィルム101bへの給電に関わる構成を有しない以外は、給電用蝶番131の回転側要素131bと同等の構成であり、固定側要素132cは、調光フィルム101bへの給電に関わる構成を有しない以外は、給電用蝶番131の固定側要素131cと同等の構成である。回転軸132aは、給電用蝶番131の回転軸131aと同等の構成であるが、磁性体から形成されていなくてもよい。
こうした片開きドア130では、ドア本体101、給電用蝶番131の回転側要素131b、および、取付用蝶番132の回転側要素132bによって調光部の一例が構成されている。また、片開きドア130では、給電用蝶番131の回転軸131aと固定側要素131c、取付用蝶番132の回転軸132aと固定側要素132c、および、ドア枠103によって支持部の一例が構成されている。
以上説明した調光装置の第5実施形態によるように、ドア枠103にドア本体101を取り付けるための蝶番が、調光フィルム101bに電力を供給するための給電機構として機能してもよい。こうした構成であっても、上述した(7)および(8)と同等の構成を得ることができる。
なお、上述した第5実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・第5実施形態の調光フィルム101bの構成には、第2実施形態の内側フィルム11bの構成を採用することができる。これにより、第5実施形態の片開きドア130においても、上述した(5)と同等の効果を得ることができる。
・給電用蝶番131は、取付用蝶番132よりも下方に位置してもよい。すなわち、上述した実施形態における給電用蝶番131の位置に取付用蝶番132が位置し、取付用蝶番132の位置に給電用蝶番131が位置してもよい。
・片開きドア130は、2つ以上の取付用蝶番132を備えてもよい。こうした構成では、給電用蝶番131と複数の取付用蝶番132とは、第2方向D2において任意の順番に並んでよい。
[第6実施形態]
図23および図24を参照して、調光装置を片開きドアとして具体化した第6実施形態を説明する。第6実施形態の片開きドアは、第5実施形態の片開きドアと比べて、給電用蝶番の構造が異なる。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第5実施形態と同等の構成についての詳しい説明を省略する。また以下では、給電用蝶番の構成を説明する。
[給電用蝶番の構成]
図23および図24を参照して、給電用蝶番の構成を説明する。
図23が示すように、給電用蝶番141は、回転軸141a、回転側要素141b、および、固定側要素141cから構成されている。回転側要素141bは、回転軸141aが通る筒状を有するとともに、回転軸141aに対する回転が可能な受電側筒部151を含んでいる。受電側筒部151は、第2方向D2に沿って並ぶ導電部分151aと絶縁部分151bとから構成されている。受電側筒部151のうち、絶縁部分151bが、受電側筒部151において固定側要素141cに接する端部である受電側端部151b1を含んでいる。
回転側要素141bは、受電側筒部151から突き出た受電側固定片152を備え、受電側固定片152は、固定部材153によってドア本体101に固定されている。
絶縁部分151bの内部には、第1受電用端子154aと第2受電用端子154bとが位置している。第1受電用端子154aおよび第2受電用端子154bの各々は、回転軸141aに沿って延びている。第1受電用端子154aの端部、および、第2受電用端子154bの端部が受電側端部151b1にて露出することによって、各受電用端子は、互いに異なる1つの給電用端子に接続している。第1受電用端子154aは、調光フィルムの第1受電用電極24aに接続し、第2受電用端子154bは、調光フィルムの第2受電用電極24bに接続している。
第1受電用端子154aには、第1付勢部材155aが接続し、第1付勢部材155aは、第1受電用端子154aを回転側要素141bから固定側要素141cに向かう方向に沿って付勢している。第2受電用端子154bには第2付勢部材155bが接続し、第2付勢部材155bは、第2受電用端子154bを回転側要素141bから固定側要素141cに向かう方向に沿って付勢している。
固定側要素141cは、回転軸141aが通る筒状を有するとともに、受電側筒部151に接する給電側筒部161を含んでいる。給電側筒部161は、第2方向D2に沿って並ぶ導電部分161aと絶縁部分161bとから構成されている。給電側筒部161のうち、絶縁部分161bが受電側筒部151に接する端部である給電側端部161b1を含んでいる。
固定側要素141cは、給電側筒部161から突き出た給電側固定片162を備え、給電側固定片162は、固定部材163によってドア枠103に固定されている。
絶縁部分161bの内部には、第1給電用端子164aと第2給電用端子164bとが位置している。第1給電用端子164aおよび第2給電用端子164bは、回転軸141aを中心とする円環状を有し、第1給電用端子164aが第2給電用端子164bよりも内側に位置している。第1給電用端子164aおよび第2給電用端子164bは、それぞれ給電側端部161b1にて露出し、第1給電用端子164aが第1受電用端子154aに接続し、第2給電用端子164bが第2受電用端子154bに接続している。第1給電用端子164aおよび第2給電用端子164bは、交流電源Pに接続している。
すなわち、図24が示すように、給電側筒部161の給電側端部161b1と対向する平面視において、第1給電用端子164aは中心軸Aを中心とする円環状を有し、第2給電用端子164bは中心軸Aを中心とする円環状であって、第1給電用端子164aよりも直径が大きい円環状を有している。言い換えれば、第1給電用端子164aと第2給電用端子164bとは互いに同心の円環状を有している。
このように、各給電用端子が回転軸141aを中心とする円環状を有するため、回転側要素141bがドア本体101とともに回転軸141aを中心に回転しても、給電用端子と受電用端子との接続を保つことができる。
以上説明したように、調光装置の第6実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(9)各給電用端子が回転軸141aを中心とする円環状を有するため、回転側要素141bがドア本体101とともに回転軸141aを中心に回転しても、給電用端子と受電用端子との接続を保つことができる。
なお、上述した第6実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・受電側筒部151および給電側筒部161の各々は、導電部分151a,161aを有しなくてもよく、受電側筒部151および給電側筒部161の各々の全体が、絶縁体から構成されてもよい。
10,70,90…引き違い窓、11…内側調光部、11a…内側ガラス、11b…内側フィルム、11c…内側サッシ、11c1,12c1…サッシ上枠、11c2…サッシ下枠、11c3,12c3…サッシ縦枠、11d,12d,61,62,72,81,114…受電用コイル、12…外側調光部、12a…外側ガラス、12b…外側フィルム、12c…外側サッシ、13…窓枠、13a…上枠部、13a1…保持辺、13a2…案内レール、13a3…被固定辺、13b…下枠部、13c…縦枠部、13d,71,123…給電用コイル、21…調光層、22…電極層、22a,73a1…第1電極層、22b,73b…第2電極層、23…基材、23a…第1基材、23b…第2基材、23Sa,23Sb…表面、24,91…受電用電極、24a,91a…第1受電用電極、24b,91b…第2受電用電極、31,124…給電用巻線、31a,71a,124a…第1給電用端部、31b,71b,124b…第2給電用端部、31c,124c…給電領域、32,42,52,116,125…ボビン、41,51,115…受電用巻線、41a,51a,72a,115a…第1受電用端部、41b,51b,72b,115b…第2受電用端部、41c,115c…受電領域、53…コア、54,95…保持部材、73…導電層、73a…第1導電層、73a2…抵抗素子、73b1…第2電極接続部、74…保護層、75…周回配線、75a…第1周回端部、75b…第2周回端部、82…第1抵抗、83…第2抵抗、84…容量、85…第3抵抗、92…給電用電極、92a…第1給電用電極、92a1…本体部、92a2…付勢部材、92ac…中央部、92ad…先端部、92ap…基端部、92b…第2給電用電極、93…上枠側絶縁層、94…電極用絶縁層、100,130…片開きドア、101…ドア本体、101a…ガラス窓、101b…調光フィルム、101c…窓枠部、102,131a,132a,141a…回転軸、103…ドア枠、104…取付機構、104a…第1取付機構、104a1,104b1,105a,131b,132b,141b…回転側要素、104a2,104b2,105b,131c,132c,141c…固定側要素、104b…第2取付機構、105…給電機構、111,151…受電側筒部、112,152…受電側固定片、113,153,163…固定部材、117…受電側調節部、121,161…給電側筒部、122,162…給電側固定片、126…給電側調節部、131,141…給電用蝶番、132…取付用蝶番、151a,161a…導電部分、151b,161b…絶縁部分、151b1…受電側端部、154a…第1受電用端子、154b…第2受電用端子、155a…第1付勢部材、155b…第2付勢部材、161b1…給電側端部、164a…第1給電用端子、164b…第2給電用端子、A…中心軸、F…磁束、P…交流電源、a21…第1抵抗端部、a22…第2抵抗端部、a23…配線部、c1a…被案内部、c1b…保持部。

Claims (10)

  1. 2つの電極層に挟まれた調光層を含む調光部と、
    1つの方向に沿って延びる支持要素を含む支持部であって、前記調光部が前記支持要素に沿って前記支持部に対して相対的に移動することが可能な状態で前記調光部を支持する前記支持部と、
    前記支持部に含まれて電源に接続された2つの給電用端子と、
    前記調光部に含まれる2つの受電用端子であって、前記各給電用端子に1つずつ対応付けられ、前記2つの給電用端子から受ける電圧を前記電極層間に印加する2つの受電用端子と、を備える
    調光装置。
  2. 前記支持部は、前記給電用端子を端部に1つずつ含む給電用インダクターを含み、
    前記調光部は、前記受電用端子を端部に1つずつ含むとともに、前記給電用インダクターへの交流の供給によって電磁誘導が生じる受電用インダクターを含む
    請求項1に記載の調光装置。
  3. 前記給電用インダクターは、給電用コイルであり、
    前記受電用インダクターは、受電用コイルであり、
    前記給電用コイルは、前記支持要素に位置するとともに、前記支持部に対して相対移動する前記調光部に向けて開口し、
    前記受電用コイルは、前記給電用コイルと対向する開口を有する
    請求項2に記載の調光装置。
  4. 前記支持部は、前記支持要素を含む枠状体であり、
    前記調光層は、前記支持部が取り囲む領域において二次元に広がり、
    前記給電用インダクターは、前記支持部の周方向に沿って少なくとも1周巻かれた平面コイルであり、
    前記受電用インダクターは、前記調光層に沿って広がるとともに、少なくとも1周巻かれた平面コイルである
    請求項2に記載の調光装置。
  5. 前記2つの電極層のなかの一方が第1電極層であり、
    前記2つの電極層のなかの他方が第2電極層であり、
    前記調光部は、前記第1電極層と同一の平面上に位置する抵抗素子をさらに含み、
    前記2つの受電用端子には、前記調光層が前記第1電極層と前記第2電極層とに挟まれた直列回路と、前記抵抗素子との並列回路が接続されている
    請求項2から4のいずれか一項に記載の調光装置。
  6. 前記調光部は、前記1つの方向に沿って延びる開環筒状を有して前記支持要素を囲むとともに、前記支持要素に沿った移動が可能な状態で前記支持要素に支持される被案内部を含み、
    前記各受電用端子は、前記1つの方向に沿って延びる帯状を有する受電用電極であり、
    前記各受電用電極は、前記被案内部のうち、前記支持要素と対向する2つの面に1つずつ位置し、
    前記各給電用端子は、前記支持要素に位置するとともに、互いに異なる1つの前記受電用電極と接するように前記支持要素から互いに異なる1つの前記受電用電極に向けて突き出ている
    請求項1に記載の調光装置。
  7. 2つの電極層に挟まれた調光層を含む調光部と、
    1つの方向に沿って延びる回転軸を含む支持部であって、前記調光部が前記回転軸に沿って回転することが可能な状態で前記調光部を支持する前記支持部と、
    前記支持部に含まれて電源に接続された2つの給電用端子と、
    前記調光部に含まれる2つの受電用端子であって、前記各給電用端子に1つずつ対応付けられ、前記2つの給電用端子から受ける電圧を前記電極層間に印加する2つの受電用端子と、を備える
    調光装置。
  8. 前記支持部は、前記給電用端子を端部に1つずつ含む給電用インダクターを含み、
    前記調光部は、前記受電用端子を端部に1つずつ含むとともに、前記給電用インダクターへの交流の供給によって電磁誘導が生じる受電用インダクターを含む
    請求項7に記載の調光装置。
  9. 前記調光部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記回転軸に対する回転が可能な受電側筒部を含み、
    前記支持部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記受電側筒部に接する給電側筒部を含み、
    前記受電用インダクターは、受電領域を区画する受電用巻線を含む受電用コイルであり、
    前記給電用インダクターは、給電領域を区画する給電用巻線を含む給電用コイルであり、
    前記受電用コイルは、前記受電領域を前記回転軸が通るように前記受電側筒部に位置し、
    前記給電用コイルは、前記給電領域を前記回転軸が通るように前記給電側筒部に位置する
    請求項8に記載の調光装置。
  10. 前記調光部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記回転軸に対する回転が可能な受電側筒部を含み、
    前記支持部は、前記回転軸が通る筒状を有するとともに、前記受電側筒部に接する給電側筒部を含み、
    前記受電側筒部のうち、前記給電側筒部に接する端部が受電側端部であり、
    前記給電側筒部のうち、前記受電側筒部に接する端部が給電側端部であり、
    前記給電用端子は、前記回転軸を中心とする円環状を有するとともに、前記給電側端部にて露出し、
    前記受電用端子は、前記回転軸に沿って延びるとともに、前記受電用端子の端部が前記受電側端部にて露出することによって、前記給電用端子に接続している
    請求項7に記載の調光装置。
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