JP2018149769A - 繊維強化樹脂部材の製造装置および繊維強化樹脂部材の製造方法 - Google Patents

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朝美 仲井
Asami Nakai
朝美 仲井
政隆 梶
Masataka Kaji
政隆 梶
光朗 ▲高▼木
光朗 ▲高▼木
Mitsuaki Takagi
大石 正樹
Masaki Oishi
正樹 大石
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Satoh Machinery Works Co Ltd
Gifu University NUC
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Abstract

【課題】引抜成形での引抜速度を高速化し得る繊維強化樹脂部品の製造装置およびその製造方法を提供する。【解決手段】成形手段16に貫通するよう設けたキャビティ21,23,25に熱可塑性樹脂および強化繊維を含んだ繊維基材12を挿通して所定形状に加熱成形した中空成形体13を、成形手段16の下流側に配置した引抜手段18により引き抜くことで繊維強化樹脂部材を製造する。この場合に、成形手段16の貫通孔21,23,25に対して内周面から離間した状態で挿通される芯材14と、芯材14を貫通孔21,23,25の貫通方向に進退移動させる駆動手段40とを備え、成形手段16で成形した中空成形体13を引抜手段18で引き抜きつつ、芯材14を貫通孔21,23,25の貫通方向に進退移動させる。【選択図】図1

Description

本発明は、強化繊維によって強化した繊維強化樹脂部材の製造装置および繊維強化樹脂部材の製造方法に関するものである。
近年では、軽量で強度特性に優れた繊維強化樹脂部材(FRP)に対する注目が高まっている。このような繊維強化樹脂部品は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維から構成されたものであり、金属部品と比べて極めて軽量に形成することができ、またその強度特性に優れていることが知られている。このため、このような繊維強化樹脂部材は、車両や船舶、航空機等の内外装部品等に利用されるばかりでなく、建材やスポーツ用品等の幅広い分野において利用されている。
このような繊維強化樹脂部材を中空や管状に成形する方法として、例えば特許文献1のように引抜成形法が知られており、このような引抜成形法は長尺体の成形や連続成形に優れている。このような引抜成形法は、貫通孔を形成した成形手段の一端部にマンドレルを差し込んで、当該成形型とマンドレルとの間隙内に熱硬化性樹脂を含浸した繊維基材を引き込み、当該成形手段において加熱硬化させた樹脂部材を、引抜き装置で連続または間欠的に引き抜くことで中空状の繊維強化樹脂部材を成形するようになっている。
特開平4−105924号公報
ところで、このような引抜成形により繊維強化樹脂部材を製造する場合の引抜速度は、2〜300mm/s程度の範囲とすることが可能であるという報告例があるが、実用可能な引抜速度は2〜4mm/s程度の低速度であるのが実情である。繊維強化樹脂部材の引抜速度をこれより高速にした場合は、成形手段内で繊維基材を保持する保持時間が低下して、繊維に対する樹脂の未含浸率が増加し、繊維基材を引き抜く際の引抜抵抗力の増加による繊維の破断等が原因と考えられる。
すなわち、本発明は、従来技術に内在する前記問題に鑑み、これらを解決するべく提案されたものであって、引抜成形での引抜速度を高速化し得る繊維強化樹脂部品の製造装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、
成形手段(16)に貫通するよう設けた貫通孔(21,23,25)に熱可塑性樹脂および強化繊維を含んだ繊維基材(12)を挿通して所定形状に加熱成形した成形体(13)を、成形手段(16)の下流側に配置した引抜手段(18)により引き抜くことで繊維強化樹脂部材を製造する製造装置であって、
前記成形手段(16)の貫通孔(21,23,25)に対して内周面から離間した状態で挿通される芯材(14)と、
前記芯材(14)を前記貫通孔(21,23,25)の貫通方向に進退移動させる駆動手段(40)とを備え、
前記芯材(14)に対巻き付けて前記成形手段(16)の貫通孔(21,23,25)に挿通した前記繊維基材(12)を前記成形手段(16)で成形体に成形して前記引抜手段(18)で引き抜くと共に、当該引抜手段(18)で成形体(13)を引き抜きつつ、前記芯材(14)を前記貫通孔(21,23,25)の貫通方向に進退移動させるよう構成されたことを要旨とする。
この構成によれば、芯材と成形体との間の摩擦抵抗を低減して引き抜き時の引抜抵抗力を低減することが可能となる。これにより、強化繊維の破断を招くことなく引抜手段による引抜速度を高速化することが可能となる。
請求項2に係る発明は、
前記成形手段(16)は、前記繊維基材(12)を加熱する加熱部(22)の下流側に冷却部(24)を備え、当該加熱部(229で溶融させた繊維基材(12)の熱可塑性樹脂を冷却部(24)で冷却するよう構成され、
前記芯材(14)は、当該芯材(14)の少なくとも一部が前記冷却部(24)の貫通孔(25)内に至るよう前記成形手段(16)の上流側から挿通されて、
前記引抜手段(18)で成形体(13)を引き抜きつつ、前記芯材(14)を前記冷却部(24)の貫通孔(25)の内部で貫通方向に進退移動させるよう構成されたことを要旨とする。
この構成によれば、冷却固化する熱可塑性樹脂が芯材に固着するのを防止して引き抜き時の引抜抵抗力を効果的に低減することが可能となる。
請求項3に係る発明は、
熱可塑性樹脂および強化繊維を含んだ繊維基材(12)を成形手段(16)の貫通孔(21,23,25)に挿通して加熱することで所定形状の成形体(13)に形成すると共に、形成した成形体(13)を当該成形手段(16)から下流側に引き抜くようにした繊維強化樹脂部材の製造方法であって、
前記繊維基材(12)を巻き付けた前記芯材(14)を前記成形手段(16)の貫通孔(21,23,25)内に挿通した状態で、当該繊維基材(12)を加熱して熱可塑性樹脂を溶融することで所定形状の成形体(13)を形成すると共に、
前記成形体(13)を成形手段(16)から引き抜きつつ、前記芯材(14)を前記貫通孔(21,23,25)の貫通方向に進退移動させることを要旨とする。
この構成によれば、芯材と成形体との間の摩擦抵抗を低減して引き抜き時の引抜抵抗力を低減することが可能となる。これにより、強化繊維の破断を招くことなく引抜手段による引抜速度を高速化することが可能となる。
請求項4に係る発明は、
前記成形手段(16)で加熱した熱可塑性樹脂を、当該成形手段(16)の下流側で冷却固化して前記成形体を形成すると共に、
前記芯材(14)の少なくとも一部を、前記熱可塑性樹脂の冷却位置に至るよう挿通して、
前記芯材(14)の少なくとも一部が前記冷却位置に至る状態で、当該芯材(14)成形手段(16)の貫通孔(21,23,25)の貫通方向に進退移動させつつ前記成形体(13)を引き抜くようにしたことを要旨とする。
この構成によれば、冷却固化する熱可塑性樹脂が芯材に固着するのを防止して引き抜き時の引抜抵抗力を効果的に低減することが可能となる。
本発明によれば、繊維基材を引き抜く際の引抜抵抗力を低減して引抜速度の高速化を図り得る。
繊維強化樹脂部材の製造装置の概略図である。 芯材と成形手段との関係を示す概略説明図であって、(a)は芯材がストッパにより位置規制される前の状態を示し、(b)は成形体を引き抜きつつ芯材を成形手段の貫通孔の貫通方向に進退移動させる状態を示している。 実験例における発明例、比較例1および比較例2の夫々に関して中空成形体の引抜長さと、引抜力との関係を示すグラフ図である。
次に、本発明に係る繊維強化樹脂部材の製造装置および繊維強化樹脂部材の製造方法につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1に示すように、本発明に係る繊維強化樹脂部材の製造装置10は、外周面に繊維基材12が配置される長尺棒状の芯材14と、当該芯材14を挿通する貫通孔(キャビティ)を有し、繊維基材12を中空成形体13に成形する成形手段16と、当該成形手段16で成形された中空成形体13を引き抜く引抜手段18とを備え、引抜成形法により繊維強化樹脂部材としての中空成形体13を製造する装置である。すなわち、成形手段16で繊維基材12を加熱および固化して形成される中空成形体13を引抜手段18により下流側に引き抜くよう移動することにより、芯材14に巻き付けた繊維基材12を成形手段16に導入して中空成形体13を連続的に成形可能に構成したものである。
ここで、繊維基材12は、複数の繊維ロール26から引き出した繊維糸27を芯材14の外周面に巻き付けるフィラメントワインディング法と呼ばれる方法により形成するようにしてもよく、また繊維糸27を織布状または不織布状に形成したプリプレグとも呼ばれる繊維シートを芯材14の外周面に巻き付けるシートワインディング法と呼ばれる方法により形成することができる。なお、図1では、複数の繊維ロール26から引き出した繊維糸27を、ガイド部材28に形成した通孔(図示せず)に挿通して芯材14に対して所定の方向に引き揃えた状態で所定の芯材14の外周面に巻き付けるフィラメントワインディング法により芯材14の外周面に繊維基材12を配置するよう構成した状態を示している。
ここで、繊維基材12を形成する繊維糸27は、連続した熱可塑性樹脂繊維と連続した強化繊維とを含む混繊糸により構成されている。この熱可塑性樹脂繊維は、熱可塑性樹脂により形成された複数の繊維を束ねた繊維束として構成されている。熱可塑性樹脂としては、複合材料用混繊糸に用いるものを広く使用することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、熱可塑性ポリエーテルイミド、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、植物繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、金属繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の有機繊維を用いることができる。また、強化繊維としては、無機繊維を用いることが好ましく、特に強度特性に優れた特徴を有する炭素繊維やガラス繊維が特に好ましい。
ここで、一本の混繊糸における熱可塑性樹脂繊維の繊度の合計と強化繊維の繊度の合計の比(熱可塑性樹脂繊維の繊度の合計/強化繊維の繊度の合計)は0.1〜10であることが好ましく、0.1〜6.0であることがより好ましく、0.3〜1.5がさらに好ましい。また、熱可塑性樹脂繊維の繊維数の合計と強化繊維の繊維数の合計の比(熱可塑性樹脂繊維の繊維数の合計/強化繊維の繊維数の合計)は0.001〜1であることが好ましく、0.001〜0.5であることがより好ましく、0.05〜0.2であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、混繊糸の混繊性が向上し、複合材料としての物性と質感により優れたものが得られる。
前記芯材14は、図2に示すように、前記成形手段16に形成した貫通孔(キャビティ)の貫通方向(中空成形体13の引抜方向)に沿って移動可能に構成されると共に、当該芯材14に対する繊維基材12の配置部分よりも上流側となる位置に規制部14aが設けられている。この規制部14aは、予熱部20の上流側に設けられたストッパ15に対して中空成形体13の引抜方向の上流側から当接し得るよう構成されている。すなわち、芯材14を成形手段16の上流側に抜き出した引抜成形の準備段階において、当該芯材14の外周面に繊維基材12を配置すると共に、当該繊維基材12を成形手段16に形成した貫通孔に挿通して引抜手段18のローラ18aに挟むようにし、当該引抜手段18で繊維基材12を下流側に引き抜くよう移動することにより、当該繊維基材12の下流への移動に伴って一体で移動する芯材14の規制部14aがストッパ15に当接して芯材14が位置規制されることで、引抜成形が可能な状態となる。なお芯材14の断面形状は特に限られるものではないが、断面円形状や断面楕円形状、断面矩形状等の適宜の断面形状とすることができる。
前記成形手段16は、図1、図2に示すように、引抜手段18による中空成形体13の引抜方向の上流側から予熱部20、加熱成形部22および冷却部24を順に配置して構成されている。予熱部20は、図示しない加熱ヒータを有する上型20aおよび下型20bにより中空成形体13の引抜方向に所定形状の貫通孔を形成するよう構成され、当該貫通孔により芯材14の外周面に配置された繊維基材12を予熱する予熱キャビティ21を形成するようになっている。ここで、前記予熱キャビティ21を形成する予熱部20の上型20aおよび下型20aの型面は、芯材14の周囲に配置された繊維基材12から所定間隔離間して位置するよう構成されており、当該予熱部20において加圧することなく予備的に加熱しながら繊維基材12(芯材14)が下流に移動するようになっている。なお、この予熱部20では、繊維基材12を形成する熱可塑性樹脂繊維の融点(溶融温度)より低い温度で加熱するよう構成されており、当該予熱部20において熱可塑性樹脂繊維が溶融しないようになっている。すなわち、引抜手段18により中空成形体13を引き抜くのに伴って予熱部20に導入される繊維基材12を、当該予熱部20において加圧することなく熱可塑性樹脂繊維が溶融しない程度に加熱して下流の加熱成形部22に送り込むようにすることで、当該加熱成形部22での熱可塑性樹脂繊維の溶融時間を短縮すると共に、加熱成形部22で繊維基材12が加圧される際に繊維の乱れが生ずるのを抑制している。
前記加熱成形部22は、図示しない加熱ヒータ等の加熱手段を有する上型22aおよび下型22bにより中空成形体13の引抜方向に所定形状の貫通孔を形成するよう構成され、当該貫通孔により芯材14の周囲に配置された繊維基材12を加熱しながら加圧する加熱加圧キャビティ23を形成するようになっている。具体的に、加熱成形部22は、加熱加圧キャビティ23の上流側の開口端から下流に向けキャビティ23の開口面積が縮小するよう上下の成形型22a,22bの型面が傾斜形成された傾斜部30と、傾斜部30の傾斜下端部から加熱加圧キャビティ23の下流側の開口端に亘ってキャビティ23の開口面積が一定になるよう上下の成形型22a,22bの型面が形成された直線部32とを備えるよう形成されている。
ここで、前記加熱成形部22は、上下の成形型22a,22bにおける傾斜部30の傾斜上端部(加熱加圧キャビティ23の上流側の開口端)において、芯材14の周囲に配置された繊維基材12の外形よりも加熱加圧キャビティ23の開口面積が大きくなるよう形成されて、当該傾斜部30が繊維基材12から所定間隔離間して位置している。その一方で、前記加熱成形部22は、上下の成形型22a,22bにおける傾斜部30の傾斜下端部において、芯材14の周囲に配置された繊維基材12の加熱加圧キャビティ23に挿通した時点での外形よりも加熱加圧キャビティ23の開口面積が小さくなるよう形成され、当該傾斜部30を通過する際に繊維基材12(実際には、後述のように溶融した熱可塑性樹脂と強化繊維との混合体)が加圧・圧縮されるようになっている。また、加熱成形部22の直線部32は、加熱加圧キャビティ23に挿通される芯材14より当該キャビティの開口面積が大きく形成され、傾斜部30で加圧・圧縮された繊維基材12が芯材14の外周面に沿って下流に移動し得るよう構成されている。
また、この加熱成形部22では、繊維基材12を形成する熱可塑性樹脂繊維の融点(溶融温度)より高い温度で加熱するよう構成され、当該加熱成形部22において熱可塑性樹脂繊維を溶融させるようになっている。すなわち、加熱成形部22では、引抜手段18により中空成形体13を引き抜くのに伴って加熱成形部22に導入される繊維基材12の熱可塑性樹脂繊維を溶融させることで熱可塑性樹脂が強化繊維に含浸した混合体の状態を生成し、傾斜部30を通過する際に、当該混合体となった繊維基材12を加圧・圧縮することで、強化繊維に対する溶融した熱可塑性樹脂の含浸率を高めると共に、余剰な熱可塑性樹脂を除去して強化繊維の割合を高めて、成形される中空成形体13の強度特性を向上し得るようになっている。
冷却部24は、図示しない冷却手段を備えた上型24aおよび下型24bにより中空成形体13の引抜方向に所定形状の貫通孔を形成するよう構成され、加熱成形部22において加熱された繊維基材12(前記混合体)を冷却する冷却キャビティ25を形成するようになっている。なお予熱部20、加熱成形部22および冷却部24は、各キャビティ21,23,25の中心が直線状に並ぶように配置されている。ここで、冷却手段としては、冷却部24の上下の成形型24a,24bに冷却水等を流通する冷却水配管を設けたり、上下の成形型24a,24bに対して冷却ユニットを別途配設した構成を採用できる。また、冷却部24では、加熱成形部22において加熱された繊維基材12に含まれる熱可塑性樹脂繊維の融点(溶融温度)よりも低温となるよう冷却するよう構成される。ここで、予熱部20、加熱成形部22に挿通した芯材14の先端(下流端部)が冷却部24の冷却キャビティ25に至るよう構成されている。すなわち、加熱加圧部において溶融した熱可塑性樹脂を冷却部24において芯材14の外周面で冷却固化することで、繊維基材12から繊維強化樹脂部材としての中空成形体13が形成される。
また、本実施例の引抜手段18は、上下に所定間隔を空けて離間する位置に配置されたローラ18により構成されており、冷却部24において冷却固化した中空成形体13を上下のローラ18の間に挟み込むようになっている。この上下のローラ18は、モータ等の図示しない駆動手段により回転駆動可能に構成されて、挟み込んだ中空成形体13を下流方向(冷却部24から離間する方向)に移動するようになっている。ここで、上下のローラ18の外周面は、ウレタン等の弾性を有する材質によって形成され、中空成形体13にローラ18が弾性的に挟圧して、挟圧した中空成形体13の滑りや傷つき等を防止するようになっている。なお、引抜手段18としては、前述した上下のローラ18により中空成形体13を挟み込む構成である必要はなく、回転駆動可能なベルト部材により挟み込む構成としてもよく、また冷却部24において冷却固化した中空成形体13を下流側に引き抜くように移動させ得るものであればよい。
このように、引抜手段18により中空成形体13を下流方向へ移動することにより、芯材14の周囲に配置された繊維基材12が予熱部20を通過して予備的に加熱されると共に加熱成形部22に引き込まれ、当該加熱成形部22で繊維基材12を加熱して熱可塑性樹脂を溶融しつつ加圧して冷却部24に送り込まれる。そして、加熱加圧部において溶融した熱可塑性樹脂が冷却部24において冷却固化することで、中空成形体13を連続的に成形し得るようになっている。
ここで、前記芯材14を位置規制するストッパ15は、前記成形手段16のキャビティ21,23,25の貫通方向(中空成形体13の引抜方向)に所定幅で移動可能に構成されると共に駆動手段40が接続されている。なお、駆動手段40としては、モータやシリンダ等の従来公知の手段を採用できる。そして、引抜手段18で中空成形体13(繊維基材12)を引き抜く際に、駆動手段40を駆動して当該ストッパ15を成形手段16のキャビティ21,23,25の貫通方向に往復移動するよう構成されている。すなわち、引抜手段18で繊維基材12を引き抜く際に、位置規制された芯材14がストッパ15と連動して移動することにより、成形手段16のキャビティ21,23,25の貫通方向(中空成形体13の引抜方向)に芯材14が進退移動するよう構成されている。
繊維基材12の下流への移動に伴って移動する芯材14がストッパ15により位置規制されて所定位置で停止した場合は、繊維基材12が芯材14と一体に移動する状態から、位置規制された芯材14の表面を繊維基材12が滑って移動する状態に移行することにより、引抜手段18による引抜力が急激に高まる。このような芯材14が位置規制されて引抜手段18による引抜力が高まる状態において、ストッパ15の移動に伴って芯材14を成形手段16のキャビティ21,23,25の貫通方向に進退移動することにより、芯材14と中空成形体13(繊維基材12)との間の摩擦抵抗を低減することができ、引抜手段18により引き抜く際の引抜抵抗力を低減することが可能となる。このように、引抜抵抗力が低減することにより、強化繊維の破断を招くことなく引抜手段18の引抜速度を高速化することが可能となる。
また、ストッパ15の往復移動幅は、当該ストッパ15を予熱部20から最も離間させた状態(最も上流側に移動した状態)で、前記芯材14の下流端部が前記冷却部24の冷却キャビティ25内に位置するよう構成されている。すなわち、引抜手段18で中空成形体13(繊維基材12)を引き抜く際に、前記芯材14が冷却部24の冷却キャビティ25の内部で進退移動するようになっている。すなわち、芯材14を冷却部24の冷却キャビティ25の内部で貫通方向に進退移動させつつ、冷却部24において熱可塑性樹脂を冷却固化することで、冷却固化する熱可塑性樹脂(中空成形体13)が芯材14に固着するのを防止することができる。これにより、引抜手段18により引き抜く際の引抜抵抗力を効果的に低減することが可能となる。そして、引抜抵抗力が低減することにより、引抜手段18の引抜速度を高速化することが可能となる。
また、引抜手段18により中空成形体13(繊維基材12)を引き抜く間、加熱成形部22の貫通孔の貫通方向に芯材14を連続的(継続的)に進退移動させるようにしてもよく、また芯材14を断続的(間欠的)に進退移動させるようにしてもよいが、芯材14を連続的(継続的)に進退移動させる場合の方が引抜抵抗力を継続して効果的に低減することができることから好ましい。また、中空成形体13の引抜方向の下流側に向けて芯材14を移動する際の移動速度は、引抜手段18による中空成形体13(繊維基材12)の引抜速度と同じ速度となるようにしてもよいが、当該芯材14の移動速度が中空成形体13(繊維基材12)の引抜速度より低速になるよう構成することが好適である。すなわち、中空成形体13の引抜方向の下流側に向けて移動する芯材14と中空成形体13(繊維基材12)との間に速度差を生じさせることで、冷却固化する熱可塑性樹脂(中空成形体13)が芯材14に固着するのをより効果的に防止して引抜抵抗力を効果的に低減することができる。
(実験例)
次に、本発明に係る製造装置および製造方法を用いて繊維強化樹脂部材を製造した実験例を示す。
この実験例では、加熱成形部22における傾斜部30部の長さが450mmに形成されると共に、加熱成形部22の加熱加圧キャビティ23内に芯材14の下流端部が挿入されてから695mm移動した時点で、芯材14の規制部14aがストッパ15に当接して位置規制されるよう構成してある。また、発明例、比較例1および比較例2に係る繊維基材12は、何れも同一素材の熱可塑性樹脂繊維および強化繊維から成る混繊糸により形成された同一のものを採用してあり、熱可塑性樹脂繊維としてポリアミド樹脂を用いると共に、強化繊維として炭素繊維を用いている。また、発明例、比較例1および比較例2の夫々における引抜手段18の引抜速度は150mm/sに設定してある。また、加熱成形部22における成形温度は、発明例および比較例2では330℃とし、比較例1では290℃とした。そして、発明例では、芯材14の規制部14aがストッパ15に当接するタイミングでストッパ15の往復移動を開始して芯材14を中空成形体13の引抜方向に進退移動させる一方で、比較例1および比較例2では、芯材14の規制部14aがストッパ15に当接した以降もストッパ15を停止させている。
図3は、加熱成形部22の加熱キャビティ内への芯材14の下流端部が挿入された以降に引き抜かれた中空成形体13(繊維基材12)の引抜長さ(以下、引抜長さという)と、中空成形体13(繊維基材12)の引抜力との関係を示すグラフである。図に示されるように、発明例、比較例1および比較例2の夫々は、引抜長さが450mmとなる辺りまで略同等の引抜力で中空成形体13(繊維基材12)が引き抜かれ、引抜長さが450mmとなる辺りから引抜力が増大することが分かる。これは、加熱成形部22の加熱キャビティ内を芯材14と一体的に移動する繊維基材12が、加熱成形部22の型面に接触することによるものである。また、発明例、比較例1および比較例2の夫々において、引抜長さが695mmになる辺りから、引抜力が一段高くなることが分かる。これは、芯材14の規制部14aがストッパ15に当接して位置規制されることに起因して、引抜抵抗力が高まっていることを示している。ここで、比較例1および比較例2では、図に示されるように引抜長さが695mmとなった辺り以降に引抜力が極めて高くなり、強化繊維の破断が生じる不具合が発生した。この一方で、発明例では、比較例1および比較例2と同じく引抜長さが695mmとなった辺り以降に引抜力が高くなるものの、その上昇幅が抑制されることで、強化繊維の破断が生じることなく良好な中空成形体13を得ることができた。すなわち、ストッパ15の移動に伴って芯材14を成形手段16のキャビティ21,23,25の貫通方向に進退移動することにより、芯材14と中空成形体13(繊維基材12)との間の摩擦抵抗を低減することができ、引抜手段18により引き抜く際の引抜抵抗力を低減できることが分かる。
本発明は、前述した実施形態に示したものに限られるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更することができる。以下に、実施形態に示した繊維強化樹脂部材の製造装置および繊維強化樹脂部材の製造方法の変更例の一例を示すが、これに限られるものではないことは当然である。
(1) 芯材14を成形手段16のキャビティ21,23,25の貫通方向に進退移動させる構成としてストッパ15を往復移動する構成に限られるものではなく、芯材14を移動させる別の構成を備えるようにしてもよい。また、駆動手段を芯材14に接続して直接進退移動させる構成も可能である。
(2) 芯材14の下流端部が冷却部24の冷却キャビティ25内に位置するよう構成したが、芯材14が冷却部24を貫通するようにしてもよい。すなわち、芯材14の少なくとも一部が冷却部24の冷却キャビティ25(貫通孔)内に至るよう構成することができる。
(3) 成形手段16において加熱成形部22と冷却部24とを別の成形型により構成したが、1つの成形型の上流側を熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して加熱部を形成すると共に下流側を熱可塑性樹脂を固化し得る温度に冷却して冷却部を形成するように、1つの成形型に温度勾配を設ける構成としてもよい。
(4) 繊維基材12を熱可塑性樹脂繊維と強化繊維とを含む混繊糸により形成するようにしたが、これに限られるものではなく、強化繊維に樹脂組成を含む形態であれば良い。例えば、強化繊維により形成された繊維糸27をロール状に巻き取った繊維ロールから引き出した繊維糸27を、熱可塑性樹脂を溶融した溶液に浸漬して樹脂を繊維糸27に含浸させて、芯材14の外周面に巻き付けるようにしてもよい。また、強化繊維により形成された繊維糸27により形成した繊維シートを、熱可塑性樹脂を溶融した溶液に浸漬して樹脂を繊維シートに含浸させて、芯材14の外周面に巻き付ける構成でも可能である。すなわち、芯材14の外周面に配置された状態で、熱可塑性樹脂および強化繊維を含んだ状態であればよい。
12 繊維基材
13 中空成形体(成形体)
14 芯材
16 成形手段
18 引抜手段
21 予熱キャビティ(貫通孔)
22 加熱成形部(加熱部)
23 加熱加圧キャビティ(貫通孔)
24 冷却部
25 冷却キャビティ(貫通孔)
40 駆動手段

Claims (4)

  1. 成形手段に貫通するよう設けた貫通孔に熱可塑性樹脂および強化繊維を含んだ繊維基材を挿通して所定形状に加熱成形した成形体を、成形手段の下流側に配置した引抜手段により引き抜くことで繊維強化樹脂部材を製造する製造装置であって、
    前記成形手段の貫通孔に対して内周面から離間した状態で挿通される芯材と、
    前記芯材を前記貫通孔の貫通方向に進退移動させる駆動手段とを備え、
    前記芯材に対巻き付けて前記成形手段の貫通孔に挿通した前記繊維基材を前記成形手段で成形体に成形して前記引抜手段で引き抜くと共に、当該引抜手段で成形体を引き抜きつつ、前記芯材を前記貫通孔の貫通方向に進退移動させるよう構成された
    ことを特徴とする繊維強化樹脂部材の製造装置。
  2. 前記成形手段は、前記繊維基材を加熱する加熱部の下流側に冷却部を備え、当該加熱部で溶融させた繊維基材の熱可塑性樹脂を冷却部で冷却するよう構成され、
    前記芯材は、当該芯材の少なくとも一部が前記冷却部の貫通孔内に至るよう前記成形手段の上流側から挿通されて、
    前記引抜手段で成形体を引き抜きつつ、前記芯材を前記冷却部の貫通孔の内部で貫通方向に進退移動させるよう構成された請求項1記載の繊維強化樹脂部材の製造装置。
  3. 熱可塑性樹脂および強化繊維を含んだ繊維基材を成形手段の貫通孔に挿通して加熱することで所定形状の成形体に形成すると共に、形成した成形体を当該成形手段から下流側に引き抜くようにした繊維強化樹脂部材の製造方法であって、
    前記繊維基材を巻き付けた前記芯材を前記成形手段の貫通孔内に挿通した状態で、当該繊維基材を加熱して熱可塑性樹脂を溶融することで所定形状の成形体を形成すると共に、
    前記成形体を成形手段から引き抜きつつ、前記芯材を前記貫通孔の貫通方向に進退移動させる
    ことを特徴とする繊維強化樹脂部材の製造方法。
  4. 前記成形手段で加熱した熱可塑性樹脂を、当該成形手段の下流側で冷却固化して前記成形体を形成すると共に、
    前記芯材の少なくとも一部を、前記熱可塑性樹脂の冷却位置に至るよう挿通して、
    前記芯材の少なくとも一部が前記冷却位置に至る状態で、当該芯材成形手段の貫通孔の貫通方向に進退移動させつつ前記成形体を引き抜くようにした請求項3記載の繊維強化樹脂部材の製造方法。
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