JP2018149079A - 義歯床、義歯床の製造方法、有床義歯及び有床義歯の製造方法 - Google Patents

義歯床、義歯床の製造方法、有床義歯及び有床義歯の製造方法 Download PDF

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Haruka Sugita
遥 杉田
奈緒之 加藤
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奈緒之 加藤
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Abstract

【課題】実際の歯肉の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、義歯床の所定の表面部位を安定した品質により加飾することができる義歯床、義歯床の製造方法、有床義歯及び有床義歯の製造方法を提供する。
【解決手段】義歯床の製造方法は、義歯床の三次元形状の情報を含む第1形状情報を取得し(S41)、第1形状情報において義歯床の所定の表面部位に凹部形状の情報を加えて(S42)、第1形状情報から第2形状情報を生成する(S43)。この第2形状情報に基づいて、第1樹脂材料により形成され、表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床が形成され(S54)、第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料が凹部に形成される(S8)。
【選択図】図5

Description

本発明は、義歯床、義歯床の製造方法、有床義歯及び有床義歯の製造方法に適用して有効な技術に関する。
下記特許文献1及び特許文献2には、有床義歯(Denture)及びその製造方法が開示されている。有床義歯は義歯床(Baseplate)に人工歯を装着して製作されている。義歯床及び有床義歯は歯科修復物である。
このような歯科修復物ではキャラクタライズ(characterize)又はステイン(stain)と呼ばれる術式が歯科技工士により行われている。術式では、歯科修復物の特に義歯床の歯肉部位や歯槽粘膜部位において、歯肉の色調、模様、色素沈着等を再現することができる。具体的には、義歯床に人工歯を装着して概形とされた歯科修復物に有色の光硬化レジンが塗布され、この光硬化レジンを硬化させて、歯肉の色調等が再現されている。光硬化レジンは、フリーハンドにおいて、歯科技工士の手により塗布されている。
しかしながら、実際の粘膜表面に似せて義歯床の表面に光硬化レジンを塗布して着色する術式では、技量が求められ、技術的な難易度が高いので、極限られた一部の熟練した歯科技工士により実施されている現状がある。このため、キャラクタライズ或いはステインが施された有床義歯は、高額な審美義歯として販売されている。
特開2014−207968号公報 特開2016−7439号公報
ところで、実際の口腔内の歯肉部位、歯槽粘膜部位又は口蓋舌面部位(これらを総称して単に「歯肉部位等」と表現する場合がある)の色合いは、主に粘膜や細胞を透けて見える毛細血管内に流れる血液の赤色である。そこで、義歯床の樹脂材料(レジン)に赤色の細繊維を混在させる手法が提案されている。しかしながら、このような手法では、赤色の細繊維が義歯床全体に均一に混在されてしまうので、実際の粘膜の場所による色調変化や血液色の濃淡を義歯床において再現することが難しい。
本発明は、上記事実を考慮し、実際の歯肉部位等の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、義歯床の所定の表面部位を安定した品質により加飾することができる義歯床、義歯床の製造方法、有床義歯及び有床義歯の製造方法を提供することにある。
本発明の第1実施態様に係る義歯床の製造方法は、義歯床の三次元形状の情報を含む第1形状情報を取得する工程と、第1形状情報において義歯床の所定の表面部位に凹部形状の情報を加えて、第1形状情報から第2形状情報を生成する工程と、第2形状情報に基づいて、第1樹脂材料により形成され、表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床を形成する工程と、第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料を凹部に形成する工程と、を備えている。
第1実施態様に係る義歯床の製造方法では、まず第1形状情報が取得される。第1形状情報には義歯床の三次元形状の情報が含まれる。この第1形状情報に基づいて、第1樹脂材料により樹脂製義歯床が形成される。
ここで、第1形状情報を取得した後、樹脂製義歯床を形成する前に、第1形状情報から第2形状情報が生成される。そして、樹脂製義歯床はこの第2形状情報に基づいて形成される。第2形状情報は、第1形状情報において義歯床の所定の表面部位に凹部形状の情報を加えて生成される。このため、樹脂製義歯床の所定の表面部位には凹部形状の情報に基づく凹部が形成される。この凹部には第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料が形成される。
例えば、実際の歯肉部位等の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に対応する、樹脂製義歯床の表面部位に凹部が形成され、この凹部に第1樹脂材料よりも幾分赤みを帯びた第2樹脂材料が形成される。これにより、実際の歯肉部位等の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、義歯床の所定の表面部位を加飾することができる。
本発明の第2実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様に係る義歯床の製造方法において、第2形状情報を生成する工程は、歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つに対応する表面部位に凹部形状の情報を加えて、第1形状情報から第2形状情報を生成する工程である。
第2実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する工程では、第1形状情報に凹部形状の情報が加えられる。ここで、凹部形状の情報は、歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つに対応する表面部位に加えられる。第2形状情報に基づいて形成された樹脂製義歯床の凹部には、樹脂製義歯床の第1樹脂材料の色調と異なる色調の第2樹脂材料が形成される。このため、歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位の少なくとも1つに似せて、樹脂製義歯床の表面部位を加飾することができる。
本発明の第3実施態様に係る義歯床の製造方法では、第2実施態様に係る義歯床の製造方法において、第2形状情報を生成する工程は、歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つの毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に対応する表面部位に凹部形状の情報を加えて、第1形状情報から第2形状情報を生成する工程である。
第3実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する工程では、第1形状情報に凹部形状の情報が加えられる。ここで、凹部形状の情報は、第1形状情報の、歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つの毛細血管内に流れる血液が透けて見える部位に対応する表面部位に加えられる。このため、実際の歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つの毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位が織り成す模様に似せて、義歯床の表面部位に模様を加飾することができる。
本発明の第4実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様〜第3実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法において、第2形状情報を生成する工程は、第1形状情報において表面部位に深さが異なる複数の凹部形状の情報を加えて、第1形状情報から第2形状情報を生成する工程である。
第4実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する工程では、第1形状情報に凹部形状の情報が加えられる。ここで、凹部形状の情報は、深さが異なる複数の凹部形状の情報とされる。樹脂製義歯床の凹部に同一の色調を有する第2樹脂材料が形成されると、凹部の深さに対応して第2樹脂材料が織り成す陰影模様や色の濃淡模様が異なる。このため、実際の歯肉部位等の陰影模様や色の濃淡模様に似せて、義歯床の所定の表面部位を加飾することができる。
本発明の第5実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様〜第4実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法において、第2樹脂材料を凹部に形成する工程は、第1樹脂材料と同系色を有し、かつ、第1樹脂材料よりも濃い赤色を有する第2樹脂材料が凹部に形成される工程である。
第5実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、第2樹脂材料を凹部に形成する工程では、第1樹脂材料と同系色を有し、かつ、第1樹脂材料よりも濃い赤色を有する第2樹脂材料が凹部に形成される。このため、実際の歯肉部位等の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に似せて、義歯床の表面部位を加飾することができる。
本発明の第6実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様〜第5実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法において、第2樹脂材料を凹部に形成する工程の後に、第2樹脂材料を含めて、樹脂製義歯床の表面を研磨する工程を更に備えている。
第6実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、樹脂製義歯床の凹部に第2樹脂材料が形成された後に、更に第2樹脂材料を含めて樹脂製義歯床が研磨される。この研磨により、樹脂製義歯床の表面部位と第2樹脂材料の表面との段差形状が滑らかになり、樹脂製義歯床の色調から第2樹脂材料の色調への変化が連続的になる。このため、実際の歯肉部位等の表面部位に似せて、義歯床の表面部位に色のグラデーション(gradation)を含む加飾をすることができる。
本発明の第7実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様〜第6実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法において、第2形状情報を生成する工程は、コンピュータ支援設計システムを用いて、取得された第1形状情報から第2形状情報を生成する工程である。
第7実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する工程では、コンピュータ支援設計システムが使用される。コンピュータ支援設計システムでは、義歯床の第1形状情報が取得されると、この第1形状情報に凹部形状の情報が短時間に加えられ、第2形状情報を簡易に生成することができる。このため、実際の歯肉部位等の表面部位に似せて、安定した品質において義歯床の表面部位を加飾することができる。
また、コンピュータ支援設計システムが使用されるので、熟練した歯科技工士を必要とせずに、義歯床の表面部位を加飾することができる。加えて、義歯床の製作費用を削減することができる。
本発明の第8実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様〜第7実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法において、樹脂製義歯床を形成する工程は、第2形状情報を取得する工程と、コンピュータ支援製造システムを用い、第2形状情報に基づいて第1樹脂材料をミリングすることにより凹部を有する樹脂製義歯床を形成する工程と、を備えている。
第8実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、樹脂製義歯床を形成する工程では、コンピュータ支援製造システムが使用される。コンピュータ支援製造システムでは、第2形状情報が取得されると、この第2形状情報に基づいて第1樹脂材料がミリングされ、凹部を有する樹脂製義歯床を簡易に形成することができる。このため、実際の歯肉部位等に似せて、安定した品質において表面部位を加飾した義歯床を形成することができる。
また、コンピュータ支援製造システムが使用されるので、熟練した歯科技工士を必要とせずに、表面部位を加飾した義歯床を形成することができる。加えて、義歯床の製作費用を削減することができる。
本発明の第9実施態様に係る義歯床の製造方法では、第1実施態様〜第7実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法において、樹脂製義歯床を形成する工程は、第2形状情報を取得する工程と、三次元プリンタを用い、第2形状情報に基づいて第1樹脂材料を積層することにより凹部を有する前記樹脂製義歯床を形成する工程と、を備えている。
第9実施態様に係る義歯床の製造方法によれば、樹脂製義歯床を形成する工程では、三次元プリンタが使用される。三次元プリンタでは、第2形状情報が取得されると、この第2形状情報に基づいて第1樹脂材料を積層し、凹部を有する樹脂製義歯床を簡易に形成することができる。このため、実際の歯肉部位等に似せて、安定した品質において表面部位を加飾した義歯床を形成することができる。
また、三次元プリンタが使用されるので、熟練した歯科技工士を必要とせずに、表面部位を加飾した義歯床を形成することができる。加えて、義歯床の製作費用を削減することができる。
本発明の第10実施態様に係る義歯床は、第1樹脂材料により形成され、所定の表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床と、凹部に形成され、第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料により形成された加飾部と、を備えている。
第10実施態様に係る義歯床によれば、第1樹脂材料により樹脂製義歯床が形成され、樹脂製義歯床の所定の表面部位に凹部が設けられる。この凹部には第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料により加飾部が形成される。
例えば、実際の歯肉部位等の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に対応する、樹脂製義歯床の表面部位に凹部が形成され、この凹部に第1樹脂材料よりも幾分赤みを帯びた第2樹脂材料が加飾部として形成される。これにより、実際の歯肉部位等の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、義歯床の所定の表面部位を加飾することができる。
本発明の第11実施態様に係る有床義歯の製造方法は、第1実施態様〜第9実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法の、第1樹脂材料により形成され、かつ、凹部を有する樹脂製義歯床を形成する工程と、樹脂製義歯床に人工歯を装着する工程と、第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料を凹部に形成する工程と、を備えている。
第11実施態様に係る有床義歯の製造方法では、第1実施態様〜第9実施態様のいずれか1つに係る義歯床の製造方法により得られる作用と同様の作用を得ることができる。
本発明の第12実施態様に係る有床義歯は、第1樹脂材料により形成され、所定の表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床と、凹部に形成され、第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料により形成された加飾部と、樹脂製義歯床に装着された人工歯と、を備えている。
第12実施態様に係る有床義歯によれば、第10実施態様に係る義歯床により得られる作用と同様の作用を得ることができる。
本発明によれば、実際の歯肉の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、義歯床の所定の表面部位を安定した品質により加飾することができる義歯床、義歯床の製造方法、有床義歯及び有床義歯の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る義歯床及び有床義歯の正面から見た写真である。 図1に示される義歯床及び有床義歯を側方側から見た概略的断面図である。 図1に示される下顎に装着される義歯床及び有床義歯の要部を上方側から見た概略的断面図である。 一実施の形態に係る義歯床及び有床義歯の製造システムの概略構成図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明するフローチャートである。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する、図3に対応させた第1工程における概略断面図である。 本発明の比較例に係る製造方法により形成された義歯床及び有床義歯の図6に対応する概略断面図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する第2工程における概略断面図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する第3工程における概略断面図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する第4工程における概略断面図である。 一実施の形態に係る製造方法が適用されて形成された義歯床及び有床義歯を正面やや上方から見た写真である。 本発明の比較例に係る製造方法により形成された義歯床及び有床義歯の斜め上方側から見た写真である。
以下、図1〜図12を用いて、本発明の一実施の形態に係る有床義歯及び有床義歯の製造方法を説明し、併せて義歯床及び義歯床の製造方法を説明する。
(義歯床及び有床義歯の構造)
図1及び図2に示されるように、本実施の形態に係る有床義歯10は、歯科修復物を実際に装着する装着者(例えば患者。以下、単に「患者」という)の下顎側に装着される第1有床義歯20と、上顎側に装着される第2有床義歯30とを含んで構成されている。
なお、有床義歯10は、全部床義歯(Full Denture)を対象としているが、部分床義歯(Partial Denture)とされてもよい。また、有床義歯10はインプラント患者用全部床義歯(Implant-over Denture)にも適用可能である。さらに、有床義歯10は、第1有床義歯20、第2有床義歯30のいずれか一方のみであってもよい。
第1有床義歯20は、下顎側に装着される第1義歯床22と、第1義歯床22に取り付けられた複数の第1人工歯28とを含んで構成されている。第1義歯床22は、図示を省略した口腔底に装着される床部24と、床部24の唇側に一体に形成され、上部に第1人工歯28が取り付けられる人工歯周組織部26とを備えている。第1人工歯28は人工歯周組織部26の上部に唇側が突出する円弧状に複数配列されている。また、第1人工歯28は人工歯周組織部26に接着剤40を用いて取り付けられている。
人工歯周組織部26において、第1人工歯28に近い唇側の表面部位は患者の歯肉に対応する人工的な歯肉部位26Aとされ、下顎に近い唇側の表面部位は患者の歯槽粘膜に対応する人工的な歯槽粘膜部位26Bとされている。
第1義歯床22は、第1樹脂材料として、例えばアクリル系樹脂材料を用いて形成されている。ここで、アクリル系樹脂とは、アクリル酸に由来する構造単位、メタクリル酸に由来する構造単位、アクリル酸エステルに由来する構造単位、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位からなる群から選択される少なくとも1種を含む重合体を指す。このアクリル系樹脂材料は、顔料、染料又は色素を含み、患者の歯肉や歯槽粘膜の表面部位の色調に似せて、薄いピンク色の色調に設定されている。ここで、色調は、色の三属性のうち、明度と彩度との組み合わせで表した色の系統である。また、第1樹脂材料は、フィラーを添加してアクリル系樹脂材料の透明度を調整してもよい。
第1有床義歯20と同様に、第2有床義歯30は、上顎側に装着される第2義歯床32と、第2義歯床32に取り付けられた複数の第2人工歯38とを含んで構成されている。第2義歯床32は、図示を省略した口蓋舌面に装着される床部34と、床部34の唇側に一体に形成され、下部に第2人工歯38が取り付けられる人工歯周組織部36とを備えている。第2人工歯38は人工歯周組織部36の下部に唇側が突出する円弧状に複数配列されている。第2人工歯38は人工歯周組織部36に接着剤42を用いて取り付けられている。
人工歯周組織部36において、第2人工歯38に近い唇側の表面部位は患者の歯肉に対応する人工的な歯肉部位36Aとされ、上顎に近い唇側の表面部位は患者の歯槽粘膜に対応する人工的な歯槽粘膜部位36Bとされている。また、床部34の口腔内側の表面部位は患者の口蓋舌面部位34Aとされている。
第2義歯床32は、第1義歯床22と同様の色調を有する第1樹脂材料を用いて形成されている。
有床義歯10では、第1有床義歯20の第1義歯床22の所定の表面部位に加飾部44が形成されている。詳しく説明すると、加飾部44は、患者の歯肉及び歯槽粘膜に対応する、人工歯周組織部26の唇側の歯肉部位26A及び歯槽粘膜部位26Bより選ばれる少なくとも1つの部位に形成されている。ここでは、歯肉部位26A及び歯槽粘膜部位26Bの双方に加飾部44が形成されている。
図3に示されるように、加飾部44は、歯肉部位26A、歯槽粘膜部位26Bのそれぞれに深さ方向に凹んで形成された凹部46と、この凹部46に形成された第2樹脂材料48とを含んで形成されている。第2樹脂材料48として、第1義歯床22の第1樹脂材料の色調と異なる色調を有するアクリル系樹脂材料が使用されている。ここで、例えば、第2樹脂材料48として、クラレノリタケデンタル株式会社製のクロマゾーン(登録商標)、カラーステイン、又は株式会社GC社製のGRADIA(登録商標)、gum shadesを実用的に使用することができる。このアクリル系樹脂材料は、顔料、染料又は色素を含み、患者の歯肉や歯槽粘膜の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える、第1樹脂材料よりも幾分赤みを帯びた色調に設定されている。
すなわち、第2樹脂材料は、第1樹脂材料と同系色の赤色を有し、第1樹脂材料よりも濃淡が濃い赤色に設定されている。ここで、同系色とは、色相環において隣り合う色や近い色を意味する。
第2樹脂材料は、第1樹脂材料よりも粘度の低い性質を有し、凹部46内に例えば毛細血管現象を利用して流し込んで、又は練り込んで形成されている。
さらに、第1義歯床22の歯肉部位26Aの表面及び歯槽粘膜部位26Bの表面並びに凹部46に形成された第2樹脂材料48の表面は研磨され、研磨された表面上にはコート層50が形成されている。コート層50は、少し曇った白色の色調を有する第3樹脂材料を用いて形成されている。第3樹脂材料として、顔料、染料、色素又はフィラーを含むアクリル系樹脂材料が使用されている。具体的には、第3樹脂材料には、例えば第2樹脂材料48として例示した市販品を実用的に使用することができる。
また、図3に示されるように、加飾部44は、部分的に凹部46の深さを変える設定とされている。例えば、左側に形成された加飾部44の凹部46の深さd1は、右側に形成された加飾部44の凹部46の深さd2よりも深く形成されている。深さd1を有する凹部46に形成される第2樹脂材料48の深さ方向の厚さは、深さd2を有する凹部46に形成される第2樹脂材料48の深さ方向の厚さよりも厚くなる。つまり、同一色の同一の第2樹脂材料48を用いたとき、深さd1を有する凹部46に形成される第2樹脂材料48の赤みは濃くなり、深さd2を有する凹部46に形成される第2樹脂材料48の赤みは淡くなる。このため、凹部16の深さの制御により色の濃淡を表現することができる。
同様に、有床義歯10では、第2有床義歯30の第2義歯床32の所定の表面部位に加飾部44が形成されている。加飾部44は、患者の歯肉、歯槽粘膜及び口蓋舌面に対応する、人工歯周組織部36の唇側の歯肉部位36A、歯槽粘膜部位36B及び床部34の口蓋舌面部位34Aより選ばれる少なくとも1つの部位に形成されている。本実施の形態では、歯肉部位36A、歯槽粘膜部位36B及び口蓋舌面部位34Aに加飾部44が形成されている。
加飾部44は第1有床義歯20の第1義歯床22に形成された加飾部44と同一構成又は実質的に同一構成とされているので、ここでの説明は省略する。
また、第2義歯床32の歯肉部位36Aの表面、歯槽粘膜部位36Bの表面及び口蓋舌面部位34Aの表面並びに凹部46に形成された第2樹脂材料48の表面は研磨され、研磨された表面上にはコート層50が形成されている(図3参照)。
(義歯床及び有床義歯の製造システムの構成)
本実施の形態に係る第1有床義歯20及び第2有床義歯30の製作には、図4に示される製造システム60が使用されている。製造システム60は、コンピュータ支援設計システム(CAD:Computer Aided Design system)ユニット64と、コンピュータ支援製造システム(CAM:Computer Aided Manufacturing system)ユニット66とを備えている。さらに、製造システム60は、三次元(3D:Three Dimension)走査ユニット62を備えている。三次元走査ユニット62、CADユニット64及びCAMユニット66は、ネットワーク68を介して相互に接続されている。ネットワーク68は、無線及び有線の少なくとも一方によって構築されている。
三次元走査ユニット62は、患者の口腔内の下顎顎提及び上顎顎提の印象を採取した印象物の三次元形状(立体表面形状)のスキャンニングを行い、印象物の三次元形状情報を第1形状情報として形成する。この第1形状情報には、図1及び図2に示される第1有床義歯20の第1義歯床22の三次元形状情報と、第2有床義歯30の第2義歯床32の三次元形状情報とが少なくとも含まれている。印象物には、患者の歯や義歯の形状が含まれる場合がある。このとき、上顎と下顎の咬合関係を採得した印象物の三次元形状(立体表面形状)のスキャンニングを含んでいてもよい。ここで、三次元走査ユニット62として、三次元レーザスキャナを実用的に使用することができる。
CADユニット64は、詳細な説明を省略するが、第1形状情報を入力する入力部と、取得された第1形状情報に所定の処理を実行するマイクロコンピュータと、処理が実行されて生成された第2形状情報を出力する出力部とを含んで構成されている。また、CADユニット64は、第1形状情報、第2形状情報、更にマイクロコンピュータを実行させるプログラム等の情報を記憶する記憶装置を備えている。このため、CADユニット64では、三次元走査ユニット62により形成された第1形状情報を取得し、この第1形状情報に基づきコンピュータを用いて第1義歯床22及び第2義歯床32の第2形状情報をデジタルデータとして設計し、かつ、製作する。
ここで、CADユニット64では、図1及び図2に示される加飾部44の図3に示される凹部46の凹部形状の情報が第1形状情報に加えられ(合成され)、凹部形状の情報を含む第2形状情報が第1形状情報から生成される。
詳しく説明すると、第1形状情報において、第1義歯床22の歯肉部位26A、歯槽粘膜部位26Bのそれぞれに、貫通しない例えば数mmの深さを有する凹部形状の情報が加えられる。同様に、第1形状情報において、第2義歯床32の歯肉部位36A、歯槽粘膜部位36B、更に本実施の形態では口蓋舌面部位34Aのそれぞれに、凹部形状の情報が加えられる。凹部形状の情報は、様々な患者の歯肉や歯槽粘膜の状態、具体的には血色の陰影の状態、色素沈着の状態、歯垢(Plaque)の状態、喫煙者におけるヤニ汚れの状態等に対応する複数種類をテンプレートとして記憶装置に予め格納されている。
例えば、患者の歯槽粘膜において、毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位の赤色を濃く見せたいときには、図3に示される深さd1を有する凹部46を形成する凹部形状の情報を含むテンプレートが選択される。逆に、赤色を淡く(薄く)見せたいときには、深さd2を有する凹部46を形成する凹部形状の情報を含むテンプレートが選択される。勿論、深さd1を有する凹部形状の情報と深さd2を有する凹部形状の情報とが1つのテンプレートに含まれていてもよい。
CAMユニット66は、本実施の形態において、三次元プリンタ66A及びミリングマシン66Bを含んで構成されている。CAMユニット66はCADユニット64により形成された第2形状情報を取得する。ミリングマシン66Bは、第2形状情報に基づいて樹脂製のブロック材料を切削し、第1義歯床22及び第2義歯床32を形成する。
一方、ミリングマシン66Bは使用せず三次元プリンタ66Aを使用し、三次元プリンタ66Aが第2形状情報に基づいて第1樹脂材料を積層して(プリンティングにより)第1義歯床22及び第2義歯床32を形成する場合もある。CAMユニット66は、三次元プリンタ66A及びミリングマシン66Bの少なくとも一方を備えていればよい。
第1義歯床22に例えば接着剤により第1人工歯28(図1及び図2参照)が装着されると、第1有床義歯20を形成することができる。同様に、第2義歯床32に人工歯38が装着されると、第2有床義歯30を形成することができる。
(義歯床及び有床義歯の製造方法)
本実施の形態に係る義歯床及び有床義歯の製造方法は以下の工程を備えている。なお、以下の説明では、図1〜図4並びに図5に示されるフローチャートが適宜参照される。
まず最初に、図5に示されるように、患者に対して、下顎の印象及び上顎の印象が形成される(S1)。
図示を省略しているが、下顎の印象は以下の手順により形成される。下顎用印象トレイに例えばシリコンラバーが装填され、下顎の顎提にシリコンラバーを装填した下顎用印象トレイが押し付けられる。シリコンラバーを硬化させて顎提の形状がシリコンラバーに転写され、下顎の印象物が形成される。同様に、上顎の印象は以下の手順により形成される。上顎用印象トレイにシリコンラバーが装填され、上顎の顎提にシリコンラバーを装填した上顎用印象トレイが押し付けられる。シリコンラバーを硬化させて顎提の形状がシリコンラバーに転写され、上顎の印象物が形成される。
その後、上顎と下顎の咬合関係が採得される。咬合関係の採得には例えばDENTCAトレイシステム(米国DENTCA社製)を使用することができる。
次に、図4に示される製造システム60の三次元走査ユニット62を用いて、印象物のスキャンニングが行われる(S2)。これにより、印象物の第1形状情報としての三次元形状情報が形成される(S3)。第1形状情報は、第1義歯床22を形成するための立体表面形状情報及び第2義歯床32を形成するための立体表面形状情報である。
次に、図4に示されるCADユニット64において、第1形状情報から第2形状情報が生成される(S4)。詳しく説明すると、まずCADユニット64において、三次元走査ユニット62により形成された第1形状情報が取得される(S41)。第1形状情報の伝送にはネットワーク68が使用される(図4参照)。そして、図示を省略している記憶装置に予め格納されたテンプレートのうち、患者に適合した凹部形状の情報を有するテンプレートが選択され、第1形状情報に選択されたテンプレートの凹部形状の情報が加えられる(S42)。これにより、図3に示される加飾部44の凹部46に対応する、凹部形状の情報が含まれた第2形状情報としての立体形状情報が生成される(S43)。
なお、ここでは、記憶装置に格納される1種類のテンプレートには、第1義歯床22の歯肉部位26A、歯槽粘膜部位26B、第2義歯床32の歯肉部位36A、歯槽粘膜部位36B及び口蓋舌面部位34Aに形成されるすべての凹部形状の情報が含まれている。
勿論、歯肉部位26Aにのみ形成される凹部形状の情報が含まれたテンプレート、歯槽粘膜部位26Bにのみ形成される凹部形状の情報が含まれたテンプレート等の複数のテンプレートが記憶装置に格納されてもよい。この方式によれば、比較的視認され易い(目立つ)歯肉部位26A、歯槽粘膜部位26B、歯肉部位36A及び歯槽粘膜部位36Bにおいて第1形状情報に凹部形状の情報を加え、口蓋舌面部位34Aには凹部形状の情報を加えない調整が簡単に実行可能である。
次に、図4に示されるCAMユニット66において、第1義歯床22及び第2義歯床32が形成される(S5)。詳しく説明すると、まずCAMユニット66において、CADユニット64により生成された第2形状情報が取得される(S51)。第2形状情報の伝送にはネットワーク68が使用される(図4参照)。
図4に示されるCAMユニット66のミリングマシン66Bでは、第2形状情報に基づいて、第1樹脂材料としてのブロック材料が切削され(S52)、図6に示される下顎に装着される第1義歯床22が形成される(S54)。第1樹脂材料は、患者の歯肉や歯槽粘膜の表面部位の色調に似せて、薄いピンク色に設定されている。ここで、第1義歯床22では、第2形状情報に凹部形状の情報が含まれているので、歯肉部位26A等に加飾部44を形成する凹部46が形成されている。
同様に、ミリングマシン66Bでは、第2形状情報に基づいて、樹脂製のブロック材料が切削され、上顎に装着される第2義歯床32が形成される(図2参照)。第1義歯床22と同様に、第2義歯床32の歯肉部位32A等には加飾部44を形成する凹部46が形成されている(図6参照)。
ここで、図7に比較例が示されている。比較例では、凹部形状の情報が含まれていない第1形状情報に基づいて、ミリングマシン66Bにより樹脂製のブロック材料が切削され、第1義歯床22Eが形成されている。第1義歯床22Eでは、凹部形状の情報が加えられていないので、歯肉部位26A等に図6に示される凹部46が形成されていない。
一方、図4に示されるCAMユニット66の三次元プリンタ66Aでも、第2形状情報に基づいて、第1樹脂材料を積層して(53S)、図6に示される凹部46を有する第1義歯床22及び第2義歯床32を形成することができる。
CAMユニット66において形成された第1義歯床22の人工歯周組織部26の上部に接着剤40を用いて第1人工歯28が接着されて取り付けられる(S6、図1及び図2参照)。接着剤40には例えばアクリル系樹脂接着剤を実用的に使用することができる。第1義歯床22に第1人工歯28が装着されると、第1有床義歯20が形成される(S7、図1及び図2参照)。
同様に、CAMユニット66において形成された第2義歯床32の人工歯周組織部36の上部に接着剤42を用いて第2人工歯38が接着されて取り付けられる(S6)。接着剤42には接着剤40と同様のものが使用されている。第2義歯床32に第2人工歯38が装着されると、第2有床義歯30が形成される。
図8に示されるように、第1有床義歯20の第1義歯床22において、歯肉部位26A等の凹部46に第2樹脂材料48が形成される。第2樹脂材料48は、第1義歯床32のベース材料としての第1樹脂材料の色調と異なる色調に設定されている。具体的には、第2樹脂材料48は、第1樹脂材料のピンク色と同系色、かつ、濃い赤色の色調に設定され、第1樹脂材料よりも粘度を低く設定している。すなわち、患者の歯肉や歯槽粘膜の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に似せた第2樹脂材料48が使用される。第2樹脂材料48は、凹部46内に毛細管現象を利用して埋め込まれる。また、第2樹脂材料48は凹部46内に練り込まれる。
ここで、第2樹脂材料48は、凹部46の深さd1又は深さd2と同等の厚さを持って凹部46内に形成されてもよいが、凹部46の深さd1又は深さd2の5割〜9割の薄さを持って凹部46内に形成されてもよい。なお、第2樹脂材料48は、逆に凹部46の深さd1又は深さd2よりも1割〜5割程度厚く形成してもよい。凹部46内に第2樹脂材料48が形成されると、第1義歯床22に加飾部44が形成され、加飾部44を有する第1有床義歯が形成される(S8)。
同様に、第2有床義歯30の第2義歯床32において、歯肉部位36A等の凹部46に第2樹脂材料48が形成される。凹部46内に第2樹脂材料48が形成されると、第2義歯床32に加飾部44が形成され、そしてこの加飾部44を有する第2有床義歯30が形成される(S8)。
図9に示されるように、歯肉部位26A等、加飾部44が形成された部位を含めて(第2樹脂材料48を含めて)、第1義歯床22の表面部位が研磨剤52を用いて研磨される(S9)。同様に、歯肉部位36A等、加飾部44が形成された部位を含めて、第2義歯床32の表面部位が研磨される。
そして、図10に示されるように、加飾部44の表面上を含んで、歯肉部位26A等、第1義歯床22の表面上にコート層50が形成される(S10)。コート層50は、例えば、少し曇った白色のアクリル系樹脂膜を複数回塗り重ねて形成されている。
コート層50が形成されると、患者の粘膜に似せて歯肉部位26A等の表面を加飾することができる。同様に、加飾部44の表面上を含んで、歯肉部位36A等、第2義歯床32の表面上にコート層50が形成される。
これら一連の工程が完了すると、図1〜図3及び図11に示されように、本実施の形態に係る第1義歯床22及びこの第1義歯床22を有する第1有床義歯20、第2義歯床32及びこの第2義歯床32を有する第2有床義歯30のそれぞれが完成する。つまり、有床義歯10の制作が完了する。
(本実施の形態の作用及び効果)
以上、説明したように、本実施の形態に係る義歯床の製造方法では、図5に示されるように、まず第1形状情報が取得される(S41)。第1形状情報には第1義歯床22、第2義歯床32の三次元形状の情報が含まれる。この第1形状情報に基づいて、第1樹脂材料により凹部46を含まない第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの樹脂製義歯床が形成される。
ここで、第1形状情報を取得した後、樹脂製義歯床を形成する前に、第1形状情報から第2形状情報が生成される(S43)。そして、樹脂製義歯床はこの第2形状情報に基づいて形成される。第2形状情報は、第1形状情報において第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位に凹部形状の情報を加えて生成される(S42)。所定の表面部位は、例えば第1義歯床22では歯肉部位26A等であり、第2義歯床32では歯肉部位36A等である。このため、図6に示されように、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位には凹部形状の情報に基づく凹部46が形成される。この凹部46には第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料48が形成される。この第2樹脂材料48が形成された部位は、図1〜図3に示されるように、加飾部44とされる。
例えば、実際の歯肉部位等の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に対応する、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位に凹部46が形成され、この凹部46に第1樹脂材料よりも幾分赤みを帯びた第2樹脂材料48が形成される。これにより、図11に示されるように、実際の歯肉部位等の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位を加飾することができる。
図12に比較例に係る有床義歯90が示されている。有床義歯90は、下顎側に装着され、第1義歯床72に第1人工歯74が固定された第1有床義歯70と、上顎側に装着され、第2義歯床82に第2人工歯84が固定された第2有床義歯80とを備えている。第1義歯床72、第2義歯床82は、いずれも本実施の形態における色調と同様の色調を有する第1樹脂材料により形成され、凹部46及び第2樹脂材料48を含む加飾部44を備えていない。
この有床義歯90に比較して明らかなように、本実施の形態に係る義歯床の製造方法では、実際の歯肉部位等の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、所定の表面部位を安定した品質により加飾して第1義歯床22及び第2義歯床32を形成することができる。
また、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する(S43)工程では、第1形状情報に凹部形状の情報が加えられる(S42)。ここで、凹部形状の情報は、図2に示される歯肉部位26A、36A、歯槽粘膜部位26B、36B及び口蓋舌面部位34Aより選ばれる少なくとも1つに対応する表面部位に加えられる。第2形状情報に基づいて形成された第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの凹部46には、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの第1樹脂材料の色調と異なる色調の第2樹脂材料48が形成される。このため、歯肉部位26A、36A、歯槽粘膜部位26B、36B及び口蓋舌面部位34Aの少なくとも1つに似せて、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位を加飾することができる。
さらに、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する(S43)工程では、第1形状情報に凹部形状の情報が加えられる(S42)。ここで、凹部形状の情報は、図2に示される第1形状情報の、歯肉部位26A、36A、歯槽粘膜部位26B、36B及び口蓋舌面部位34Aより選ばれる少なくとも1つの毛細血管内に流れる血液が透けて見える部位に対応する表面部位に加えられる。このため、実際の歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つの毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位が織り成す模様に似せて、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位に模様を加飾することができる。
また、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する(S43)工程では、第1形状情報に凹部形状の情報が加えられる(S42)。ここで、凹部形状の情報は、図3に示される深さd1と深さd2とが異なる複数の凹部形状の情報とされる。第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの凹部46に同一の色調を有する第2樹脂材料48が形成されると、凹部46の深さd1、深さd2のそれぞれに対応して第2樹脂材料48が織り成す陰影模様や色の濃淡模様が異なる。このため、実際の歯肉部位等の陰影模様や色の濃淡模様に似せて、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位を加飾することができる。
さらに、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第2樹脂材料を凹部に形成する(S8)工程では、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの第1樹脂材料と同系色を有し、かつ、第1樹脂材料よりも濃い赤色を有する第2樹脂材料48が凹部46に形成される。このため、実際の歯肉部位等の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に似せて、第1義歯床22、第2義歯床32の表面部位を加飾することができる。
また、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、図6に示される第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの凹部46に第2樹脂材料48が形成された(S8)後に、更に第2樹脂材料48を含めて第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面が研磨される(S9)。この研磨により、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位と第2樹脂材料48の表面との段差形状が滑らかになり、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの第1樹脂材料が持つ色調から第2樹脂材料の色調への変化が連続的になる。このため、実際の歯肉部位等の表面部位に似せて、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位に色のグラデーションを含む加飾をすることができる。
さらに、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第2形状情報を生成する(S43)工程では、図4に示されるCADシステム64が使用される。CADシステム64では、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの第1形状情報が取得される(S41)と、この第1形状情報に凹部形状の情報が短時間に加えられ(S42)、第2形状情報を簡易に生成することができる(S43)。このため、実際の歯肉部位等の表面部位に似せて、安定した品質において第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位を加飾することができる。
加えて、本実施の形態に係る義歯床の製造方法では、CADシステム64が使用されるので、熟練した歯科技工士を必要とせずに、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位を加飾することができる。また、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの製作費用を削減することができる。
また、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第1義歯床22、第2義歯床32を形成する(S54)工程では、図4に示されるCAMシステム66が使用される。CAMシステム66では、第2形状情報が取得される(S51)と、この第2形状情報に基づいて第1樹脂材料がミリングマシン66Bを用いてミリングされ、図6に示される凹部46を有する第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれを簡易に形成することができる。このため、実際の歯肉部位等に似せて、安定した品質において表面部位を加飾した第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれを形成することができる。
加えて、本実施の形態に係る義歯床の製造方法では、CAMシステム66が使用されるので、熟練した歯科技工士を必要とせずに、表面部位を加飾した第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれを形成することができる。また、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの製作費用をより一層削減することができる。
さらに、本実施の形態に係る義歯床の製造方法によれば、第1義歯床22、第2義歯床32を形成する(S54)工程では、図4に示される三次元プリンタ66Aが使用される。三次元プリンタ66Aでは、第2形状情報が取得される(S51)と、この第2形状情報に基づいて第1樹脂材料を積層し、凹部46を有する第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれを簡易に形成することができる。このため、実際の歯肉部位等に似せて、安定した品質において表面部位を加飾した第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれを形成することができる。
加えて、三次元プリンタ66Aが使用されるので、熟練した歯科技工士を必要とせずに、表面部位を加飾した第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれを形成することができる。また、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの製作費用をより一層削減することができる。
また、本実施の形態に係る義歯床によれば、図6に示されるように、第1樹脂材料により第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれが形成され、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位に凹部46が設けられる(S54)。図8に示されるように、この凹部46には第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料48により加飾部44が形成される。
例えば、実際の歯肉部位等の毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に対応する、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの表面部位に凹部46が形成され、この凹部46に第1樹脂材料よりも幾分赤みを帯びた第2樹脂材料48が加飾部44として形成される。これにより、実際の歯肉部位等の色調及び模様の少なくとも1つに似せて、第1義歯床22、第2義歯床32のそれぞれの所定の表面部位を加飾することができる。
さらに、本実施の形態に係る有床義歯の製造方法では、上記のいずれか1つに係る義歯床の製造方法により得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
また、本実施の形態に係る有床義歯によれば、上記義歯床により得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
[上記実施の形態の補足説明]
本発明は、上記実施の形態に限定されものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、上記実施の形態は、CADユニットにおいて、取得された第1形状情報にテンプレートとして準備された凹部形状の情報を加えて第2形状情報が生成されている。これに対して、本発明は、患者の歯肉や歯槽粘膜の状態をカメラを用いて撮影して撮影画像を形成し、この撮影画像情報に基づいて画像処理により色の濃淡を抽出し、第1形状情報において色の濃い部位に凹部形状の情報を加えて第2形状情報を生成してもよい。このとき、色の濃さに応じて凹部の深さを変えた凹部形状の情報を加えてもよい。
10 有床義歯
20 第1有床義歯
22 第1義歯床
26A、36A 歯肉部位
26B、36B 歯槽粘膜部位
28 第1人工歯
30 第2有床義歯
32 第2義歯床
34A 口蓋舌面部位
38 第2人工歯
44 加飾部
46 凹部
48 第2樹脂材料
60 製造システム
62 三次元走査ユニット
64 CADシステム
66 CAMシステム
66A 三次元プリンタ
66B ミリングマシン
本発明の一実施の形態に係る義歯床及び有床義歯の正面から見た正面図である。 図1に示される義歯床及び有床義歯を側方側から見た概略的断面図である。 図1に示される下顎に装着される義歯床及び有床義歯の要部を上方側から見た概略的断面図である。 一実施の形態に係る義歯床及び有床義歯の製造システムの概略構成図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明するフローチャートである。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する、図3に対応させた第1工程における概略断面図である。 本発明の比較例に係る製造方法により形成された義歯床及び有床義歯の図6に対応する概略断面図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する第2工程における概略断面図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する第3工程における概略断面図である。 一実施の形態に係る義歯床の製造方法及び有床義歯の製造方法を説明する第4工程における概略断面図である。 一実施の形態に係る製造方法が適用されて形成された義歯床及び有床義歯を正面やや上方から見た斜視図である。 本発明の比較例に係る製造方法により形成された義歯床及び有床義歯の斜め上方側から見た斜視図である。
そして、図10に示されるように、加飾部44の表面上を含んで、歯肉部位26A等、第1義歯床22の表面上にコート層50が形成される(S10)。コート層50は、例えば、少し曇った白色のアクリル系樹脂膜を複数回塗り重ねて形成されている。
コート層50が形成されると、患者の粘膜に似せて歯肉部位26A等の表面を加飾することができる。同様に、加飾部44の表面上を含んで、歯肉部位36A等、第2義歯床32の表面上にコート層50が形成される。
これら一連の工程が完了すると、図1〜図3及び図11に示されように、本実施の形態に係る第1義歯床22及びこの第1義歯床22を有する第1有床義歯20、第2義歯床32及びこの第2義歯床32を有する第2有床義歯30のそれぞれが完成する。つまり、有床義歯10の製作が完了する。

Claims (12)

  1. 義歯床の三次元形状の情報を含む第1形状情報を取得する工程と、
    前記第1形状情報において前記義歯床の所定の表面部位に凹部形状の情報を加えて、前記第1形状情報から第2形状情報を生成する工程と、
    前記第2形状情報に基づいて、第1樹脂材料により形成され、前記表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床を形成する工程と、
    前記第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料を前記凹部に形成する工程と、
    を備えた義歯床の製造方法。
  2. 前記第2形状情報を生成する工程は、歯肉部位、歯槽粘膜部位及び口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つに対応する前記表面部位に前記凹部形状の情報を加えて、前記第1形状情報から前記第2形状情報を生成する工程である請求項1に記載の義歯床の製造方法。
  3. 前記第2形状情報を生成する工程は、前記歯肉部位、前記歯槽粘膜部位及び前記口蓋舌面部位より選ばれる少なくとも1つの毛細血管内に流れる血液が粘膜や細胞を透けて見える部位に対応する前記表面部位に前記凹部形状の情報を加えて、前記第1形状情報から前記第2形状情報を生成する工程である請求項2に記載の義歯床の製造方法。
  4. 前記第2形状情報を生成する工程は、前記第1形状情報において前記表面部位に深さが異なる複数の前記凹部形状の情報を加えて、前記第1形状情報から前記第2形状情報を生成する工程である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の義歯床の製造方法。
  5. 前記第2樹脂材料を前記凹部に形成する工程は、前記第1樹脂材料と同系色を有し、かつ、前記第1樹脂材料よりも濃い赤色を有する前記第2樹脂材料が前記凹部に形成される工程である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の義歯床の製造方法。
  6. 前記第2樹脂材料を前記凹部に形成する工程の後に、前記第2樹脂材料を含めて、前記樹脂製義歯床の表面を研磨する工程を更に備えた請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の義歯床の製造方法。
  7. 前記第2形状情報を生成する工程は、コンピュータ支援設計システムを用いて、取得された前記第1形状情報から前記第2形状情報を生成する工程である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の義歯床の製造方法。
  8. 前記樹脂製義歯床を形成する工程は、前記第2形状情報を取得する工程と、コンピュータ支援製造システムを用い、前記第2形状情報に基づいて前記第1樹脂材料をミリングすることにより前記凹部を有する前記樹脂製義歯床を形成する工程と、を備える請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の義歯床の製造方法。
  9. 前記樹脂製義歯床を形成する工程は、前記第2形状情報を取得する工程と、三次元プリンタを用い、前記第2形状情報に基づいて前記第1樹脂材料を積層することにより前記凹部を有する前記樹脂製義歯床を形成する工程と、を備える請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の義歯床の製造方法。
  10. 第1樹脂材料により形成され、所定の表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床と、
    前記凹部に形成され、前記第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料により形成された加飾部と、
    を備えた義歯床。
  11. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の、前記第1樹脂材料により形成され、かつ、前記凹部を有する前記樹脂製義歯床を形成する工程と、
    前記樹脂製義歯床に人工歯を装着する工程と、
    前記第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料を前記凹部に形成する工程と、
    を備えた有床義歯の製造方法。
  12. 第1樹脂材料により形成され、所定の表面部位に凹部を有する樹脂製義歯床と、
    前記凹部に形成され、前記第1樹脂材料の色調と異なる色調を有する第2樹脂材料により形成された加飾部と、
    前記樹脂製義歯床に装着された人工歯と、
    を備えた有床義歯。
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