JP2018148668A - 回転電機用の導体線接合方法及び回転電機用導体 - Google Patents

回転電機用の導体線接合方法及び回転電機用導体 Download PDF

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理人 山内
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Abstract

【課題】回転電機の導体線の端部同士を接合するに際して、生産コスト及び回転電機の大型化を抑制する。
【解決手段】延在方向Lに直交する方向Hでの断面が矩形状の2本の導体線7の導体端部7tの延在方向Lに沿った側面P同士が対向する対向状態となるように2本の導体線7を配置し、対向状態の2本の導体端部7tを把持部材10により把持した状態で把持部材10を延在方向L周りに回転させて2本の導体線7を圧接する。
【選択図】図6

Description

本発明は、回転電機の導体線の端部同士を接合する技術に関する。
回転電機の導体線の端部同士を接合する一例として、コイル用導体(セグメントコイル)と称される導体を利用して回転電機にコイル用の導体線を配接するものがある。例えばV字形状やU字状に折り曲げた平角線などによって構成されたコイル用導体が、複数本、磁性体のコアに形成されたスロットに対して軸方向に挿入される。そして、コイル用導体の開放側において、重なり合う他のコイル用導体の開放端同士が接合されることによって連続したコイルが形成される。下記に出典を示す特許文献1に記載されているように、コイル用導体の接合には、しばしば溶接が用いられる(特許文献1:図1−2等)。
溶接の方法としては、TIG溶接(Tungsten Inert Gas溶接)やレーザ溶接等が知られている。特許文献1の図1にも示されているように、溶接を行うための装置は、大型化、複雑化する場合があり、生産コストが高くなる可能性がある。また、溶接対象の導体端部は溶接装置との接触や耐熱のため、一般的に長くなる傾向がある。このため、例えば回転電機のいわゆるコイルエンド部が大きくなって、回転電機の小型化の妨げとなる場合がある。
特開2000−350421号公報
上記背景に鑑みて、回転電機の導体線の端部同士を接合するに際して、生産コスト及び回転電機の大型化を抑制することができる技術が望まれる。
1つの態様として、上記に鑑みた、回転電機用の導体線の延在方向における端部である導体端部同士を接合するための回転電機用の導体線接合方法は、前記導体線が、前記延在方向に直交する方向での断面が矩形状であり、2本の前記導体線の前記導体端部の前記延在方向に沿った側面同士が対向する対向状態となるように当該2本の前記導体線を配置する第1工程と、前記対向状態の2本の前記導体端部を把持部材により把持する第2工程と、2本の前記導体端部を把持した状態で前記把持部材を前記延在方向周りに回転させて2本の前記導体線を圧接する第3工程と、を備える。
この方法によれば、把持部材と溶接装置とを別に用いることなく、把持部材により2本の導体線を把持した状態で、把持部材を回転させることにより、2本の導体線を適切に圧接することができる。このため、一般的に大型化、複雑化する可能性のある溶接装置を用いる必要がなく生産コストを抑制することができる。また、溶接装置の電極等を接触させる箇所が不要であるため、溶接に比べて接合される導体端部も短くすることができるので、回転電機が大型化することも抑制される。このように、この方法によれば、回転電機の導体線の端部同士を接合するに際して、生産コスト及び回転電機の大型化を抑制することができる。
また、上記に鑑みた、回転電機用の導体線の延在方向における端部である導体端部同士を接合して形成された回転電機用導体は、前記導体線が、前記延在方向に直交する方向での断面が矩形状であり、2本の前記導体線の前記導体端部が密着して接合された接合部を有し、当該接合部は、前記延在方向に沿って螺旋状に形成されている。
接合部が螺旋状であると、2本の導体線が広い接合面積を有して密着していることになる。従って、適切に導体線が接合された回転電機用導体を得ることができる。また、接合部が螺旋状に形成される際には、一般的に大型化、複雑化する可能性のある溶接装置などが用いられる必要がないため、生産コストが抑制され、回転電機用導体を安価に構成することができる。また、2本の導体線が螺旋状に密着して接合される際には溶接などとは異なり電極の接触や加熱も必要ないため、溶接等による接合に比べて導体端部も比較的短くなる。このように、この構成によれば、回転電機の導体線の端部同士を接合するに際して、生産コスト及び回転電機の大型化を抑制することができる。
回転電機用の導体線接合方法並びに回転電機用の導体線のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
回転電機のステータの一例を示す斜視図 回転電機の電気的接続形態の一例を示す回路ブロック図 導体線配置工程における導体線の一例を模式的に示す斜視図 被覆除去工程における導体線の一例を模式的に示す斜視図 把持工程における導体線と治具との関係の一例の模式図 把持工程において治具により導体線を把持した状態の一例の模式図 回転工程を終えた後の導体線の一例を模式的に示す斜視図 回転工程を終えた後の導体線の他の例を模式的に示す斜視図 導体線を接合する手順の一例を示すフローチャート 治具の他の形態の一例を示す模式図
以下、回転電機用の導体線の端部である導体端部同士を接合して回転電機用導体を形成する実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、コイル用の導体線(セグメントコイル)を複数個用い、異なる導体線の端部同士を接合して、図1に示すような回転電機のステータ1に設置されるステータコイル3(回転電機用導体70)を形成する形態を例示する。図3等を参照して後述するように、コイル用の導体線7は、断面が矩形状の平角線である。例えば平角線が松葉形状やU字状に折り曲げられて構成された導体線7が、複数本、磁性体のステータコア2に形成されたスロットに対して挿入される。ステータコア2の回転軸方向の端部における開放側において、重なり合う導体線7の開放端同士が接合されることによって連続したステータコイル3が形成される。ステータコイル3(回転電機用導体70)において、異なる導体線7が接合された部分を区別する場合は接合部71と称する(図1、図7等参照)。
尚、ステータコイル3に限らず、ロータ側にコイルを有する場合にはロータコイルを形成する際に本技術を適用しても良いし、例えば図2に示すように、インバータ100の動力線5(バスバーなど)と、ステータコイル3とを接続する際に本技術を適用してもよい。この場合、ロータコイルも回転電機用導体70に相当し、インバータ100の動力線5とステータコイル3との接続部も回転電機用導体70に相当する。
図2に示すように、回転電機80は、インバータ100を介して直流電源300に接続されている。インバータ100は、直流リンク電圧Vdcを有する直流電力を複数相(nを自然数としてn相、ここでは3相)の交流電力に変換して回転電機80に供給すると共に、回転電機80が発電した交流電力を直流電力に変換して直流電源に供給する。インバータ100の直流側には、直流リンク電圧Vdcを安定させるための平滑コンデンサ(直流リンクコンデンサ200)が備えられている。
インバータ100は、複数のスイッチング素子30を有して構成される。本実施形態では、スイッチング素子30としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる形態を例示している。この他、スイッチング素子30には、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やSiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などのパワー半導体素子を適用することができる。
インバータ100は、よく知られているように複数相のそれぞれに対応する数のアーム30Aを有するブリッジ回路により構成される。図2に示すように、インバータ100の直流正極側と直流負極側との間に2つのスイッチング素子30が直列に接続されて1つのアーム30Aが構成される。3相交流の場合には、この直列回路(1つのアーム)が3回線(3相)並列接続される。つまり、回転電機80の3相のステータコイル3のそれぞれに一組の直列回路(アーム30A)が対応したブリッジ回路が構成される。対となる各相のスイッチング素子30による直列回路(アーム30A)の中間点、つまり、上段側スイッチング素子31と下段側スイッチング素子32との接続点は、3相の動力線5(バスバーなど)を介して回転電機80の3相のステータコイル3にそれぞれ接続される。尚、それぞれのスイッチング素子30には、下段側から上段側へ向かう方向を順方向として、並列にダイオード(フリーホイールダイオード)が接続されている。
上述したように、本実施形態のステータコイル3は、平角線を用いた複数のコイル用の導体線7を接合して構成されている。換言すれば、導体線7は、回転電機80の各相のステータコイル3を複数に分割したものに相当する導体である。図3は、接合される2本の導体線7(導体線対7P)を示している。導体線7は、通電方向にほぼ等価な延在方向Lに直交する断面の形状が矩形状である。本実施形態では、導体線7は、断面形状が例えば長辺が3〜4[mm]、短辺が2〜3[mm]程度の矩形状(長方形状)の線状導体(平角線)である。また、導体線7は、屈曲部を除いて、基本的に、延在方向Lの位置にかかわらず同じ断面形状である。導体線7は、例えば銅やアルミニウム等の金属製の無酸素鋼(OFC)である。また、線状導体の表面(特に延在方向の周囲)は、例えばエナメルやポリアミドイミド等の樹脂からなる絶縁被覆7hにより被覆されている。被覆の厚みは、例えば、0.04〜0.05[mm]程度である。
以下、図7に示すような回転電機用導体70(例えばステータコイル3)を、導体線7の延在方向Lにおける端部である導体端部7t同士を接合して形成する手順について説明する。図9のフローチャートは、2本の導体線7を接合する手順の一例を示している。はじめに、2本の導体線7の導体端部7tの延在方向Lに沿った側面P同士が対向する対向状態となるように当該2本の導体線7を配置する導体線配置工程(LAYOUT)#10が行われる(図3参照)。次に、接合対象の2本の導体線7の対向する側面P(対向面F)の絶縁被覆7hを少なくとも除去する被覆除去工程(REMOVE)#15が行われる(図4参照)。次に、対向状態の2本の導体端部7tを把持部材10により把持する把持工程(GRIP)#20が行われる(図5、図6参照)。最後に、2本の導体端部7tを把持した状態で把持部材10を延在方向L周りに回転させて2本の導体線7を捻りながら圧接する回転工程(ROLLING)#25が行われる(図6参照)。
尚、被覆除去工程#15が実施されることなく、導体線配置工程#10、把持工程#20、回転工程#25のみが実施されてもよい。回転工程#25では、後述するように導体端部7tが捻られて2本の導体が圧接される。この際、絶縁被覆7hは部分的に摩擦によって擦り取られるため、被覆除去工程#15を省略することもできる。また、導体線7に絶縁被覆7hが設けられておらず、導体端部7tを接合した後に塗装等によって絶縁被覆7hが施される場合もある。この場合も、被覆除去工程#15を省略することができる。このため、被覆除去工程#15を除く3つの工程を、工程順に、第1工程(導体線配置工程#10)、第2工程(把持工程#20)、第3工程(回転工程#25)と称する場合がある。
但し、導体線7に絶縁被覆7hが施されている場合、より適切に電気抵抗を低減させてより安定的に2本の導体線7を接合するためには、被覆除去工程#15が実施されることが好ましい。そして、被覆除去工程#15が実施される場合には、被覆除去工程#15は、導体線配置工程#10の前に行われてもよい。つまり、被覆除去工程#15は、少なくとも把持工程#20よりも前に行われればよい。
図3は、導体線配置工程#10における導体線7を示している。導体線7は、ステータコア2のスロットに、接合対象の2本の導体線7(導体線対7P)が互いの側面P同士が対向するように(ここでは、長辺側の側面Pが対向するように)設置される。対向する側面Pを区別する場合には、対向面Fと称する。
次に、刃具等を用いて、接合対象の2本の導体線7の絶縁被覆7hを除去する被覆除去工程#15が実施される。この際、少なくとも対向面Fの絶縁被覆7hが除去されれば充分であるが、図4に示すように、導体端部7tの全周に亘って絶縁被覆7hが除去されてもよい。このように全周に亘って絶縁被覆7hが除去された導体端部7tを区別する場合には、裸導体端部7nと称する。
導体線7の絶縁被覆7hを除去しておくことによって、導体端部7t同士を低い電気抵抗で接合させることができる。尚、導体端部7tにおいて絶縁被覆7hが除去される長さは、溶接等によって導体端部7tを接合する場合に比べ、溶接装置の電極を接触させる箇所が不要なことや、加熱に対する耐熱性を考慮する必要がないことにより、短くすることができる。従って、導体線7の端部が長くなり、例えばステータ1におけるコイルエンド部等が大きくなって回転電機80が大型化することを抑制することができる。また、絶縁被覆7hを除去するために刃具を用いている場合には、刃具の摩耗等を抑制できるので、刃具の寿命を伸ばすことができる。
次に、図5及び図6に示すように、把持部材10により、対向状態の2本の導体端部7t(裸導体端部7n)を把持する把持工程#20が実施される。把持部材10は、図5に示すように、基部11とチャッカーアーム12とを有している。チャッカーアーム12は、延在方向Lに直交する方向(H)に移動可能であり、2本の導体線7を同時に把持する。図5及び図6では、延在方向Lに直交する方向において2本の導体線の対向面Fとは反対側の面である背面Bに把持部材10のチャッカーアーム12が当接する状態で把持される形態を例示している。つまり、把持部材10が、接合対象の2本の導体線7に対して、対向面F同士が接近する方向(図5における“H”方向)の荷重を作用させるように、2本の導体端部7tを把持する形態を例示している。把持部材10により、2本の導体線7が当接する方向に把持されるので、導体端部7tにおける2本の導体線7の接合強度を高くすることができる。
当然ながら、把持工程#20において把持部材10が導体端部7tを把持する際に、チャッカーアーム12が把持力を作用させる方向は、2本の導体線7の対向面F同士が接近する方向に限定されるものではない。導体線7は、図4における横側面Sに、チャッカーアーム12が当接する状態で把持されてもよい。つまり、把持部材10が、接合対象の2本の導体線7に対して、延在方向Lに直交すると共に対向面Fに平行な方向の荷重を作用させるように、2本の導体端部7tを把持してもよい。
尚、把持工程#20において、絶縁被覆7hが除去されていない導体基部7bが、チャッカーアーム12とは異なる押さえ部材13によって把持されてもよい(図6参照)。絶縁被覆7hが除去されている導体端部7t(裸導体端部7n)は、絶縁被覆7hが除去されていない導体基部7bよりも細い。導体基部7bを押さえ部材13で押さえて固定した状態で、回転工程#25において導体端部7t(裸導体端部7n)を把持しているチャッカーアーム12を回転させると、押さえ部材13によって把持された導体基部7bは回転せず、細い導体端部7tの側のみが回転して捻じられる。これにより、絶縁被覆7hが除去されている部分(裸導体端部7n)の全体を圧接することができるので、導体線7の接合される箇所の形状が安定する。また、除去の必要な絶縁被覆7hの面積も低減することができる。
次に、図6に示すように、2本の導体端部7tを把持した状態で把持部材10の基部11を延在方向L周りに(図示“C”方向に)回転させて2本の導体線7を圧接する回転工程#25が実施される。基部11には不図示のモータなどのアクチュエータが備えられており、当該アクチュエータによって基部11が回転する。導体端部7tを把持しているチャッカーアーム12は基部11と一体回転し、2本の導体線7は捻られて圧接される。チャッカーアーム12により把持している部分(図6における被把持部72n)には捻りの力は加わらず、導体端部7t(裸導体端部7n)において被把持部72nを除く部分である変形部71nが捻られる。把持部材10が回転を続けると、被把持部72nと変形部71nとの境界部分において導体線対7Pが切断される。
上述したように、チャッカーアーム12により把持している部分(図6における被把持部72n)には捻りの力は加わらないため、被把持部72nは接合されない。このため、被把持部72nは、可能な限り短いことが好ましい。従って、チャッカーアーム12は、導体端部7tの先端側を把持すると好適である。特に、上述したように、導体基部7bが、チャッカーアーム12とは異なる押さえ部材13によって把持される場合には、押さえ部材13により導体基部7bの回転は抑制されるので、導体端部7tの先端側のみを把持するような簡素な構造のチャッカーアーム12により、導体線7を適切に接合することができる。
また、把持工程#20で導体基部7bが押さえ部材13によって把持されている場合、回転工程#25において、チャッカーアーム12が、導体端部7tの導体基部7bの側を把持した状態で回転を開始し、把持及び回転を継続した状態で導体端部7tの先端側に移動して、導体線7を接合してもよい。チャッカーアーム12がこのように動くことにより、チャッカーアーム12の先端部において回転力が最も加わる位置が、導体端部7tの全体に亘って(導体基部7bの側から先端部へ向かって)移動することになる。従って、導体線7が良好な螺旋状に接合され、導体線7が適切に密着する。
導体端部7tの内、把持部材10によって把持される部分は、把持部材10が回転しても捻りによる力が掛からないため、接合はされない。従って、把持される部分が導体端部7tに残存していても、接合力の向上及び電気抵抗の低減への寄与は少なく、導体端部7tの長さの短縮化の妨げともなる。把持部材10が導体線7を把持した状態で、導体線7がねじ切れるまで回転すると、2本の導体線7に充分な接合力を与えると共に2本の導体線7の間の電気抵抗を充分に低減させ、さらに、導体端部7tも短縮することができる。
図7は、回転工程#25が完了した状態の導体線対7P、つまり、完成された回転電機用導体70を示している。導体線7の導体端部7t同士を接合して形成された回転電機用導体70は、図7に示すように、2本の導体線7の導体端部7tが密着して接合された接合部71を有している。この接合部71は、延在方向Lに沿って螺旋状に形成されている。
このように接合部71が螺旋状であると、2本の導体線7が広い接合面積を有して密着していることになる。つまり、適切に導体線7が接合された回転電機用導体70を得ることができる。また、上述したように、接合部71が螺旋状に形成される際には、一般的に大型化、複雑化する可能性のある溶接装置などを用いていないため、生産コストが抑制され、回転電機用導体70を安価に構成することができる。また、溶接を行っていないため、2本の導体線7を螺旋状に密着させる際に、加熱や電極の接触も必要なく、導体端部7tも比較的短くすることができる。
尚、回転工程#25では、必ずしも、被把持部72nと変形部71nとの境界部分で導体線対7Pが切断されるまで回転を続ける必要はない。図8に示すように、被把持部72nに対応する場所に基端部72を有して接合部71が形成されていてもよい。
〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記においては、図5及び図6を参照して、背面Bに把持部材10のチャッカーアーム12が当接する状態で導体線7が把持される形態を例示した。しかし、延在方向Lに対して傾斜した姿勢で基部11に取り付けられたチャッカーアーム12Bが、導体端部7tの背面Bの側の角部に当接して導体線7を把持する形態であってもよい。この場合も、把持部材10(チャッカーアーム12B)は、接合対象の2本の導体線7に対して、対向面F同士が接近する方向の荷重を作用させるように、2本の導体端部7tを把持するということができる。
(2)上記においては、回転工程#25において、延在方向Lにおける位置を変更することなく、把持部材10が回転して導体線対7Pを捻る形態を説明した。しかし、回転工程#25において、把持部材10が延在方向Lに沿って移動して、延在方向Lに沿った方向にも力を印加することによって、被把持部72nと変形部71nとの境界部分において、導体線対7Pを切断し易くしてもよい。この場合において、把持部材10の延在方向Lにおける移動方向は、導体線対7Pから離れて導体線対7Pを引っ張る方向(図6において上方向)とすると好適である。当然ながら、これとは逆に導体線対7Pを押す方向(図6において下方向)に移動してもよいし、引っ張る方向及び押す方向への移動(上下方向への移動)を繰り返してもよい。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した回転電機用の導体線接合方法、及び回転電機用導体(70)の概要について簡単に説明する。
1つの態様として、上記に鑑みた、回転電機用の導体線(7)の延在方向(L)における端部である導体端部(7t)同士を接合するための回転電機用の導体線接合方法は、前記導体線(7)が、前記延在方向(L)に直交する方向(H)での断面が矩形状であり、2本の前記導体線(7)の前記導体端部(7t)の前記延在方向(L)に沿った側面(P)同士が対向する対向状態となるように当該2本の前記導体線(7)を配置する第1工程(#10)と、前記対向状態の2本の前記導体端部(7t)を把持部材(10)により把持する第2工程(#20)と、2本の前記導体端部(7t)を把持した状態で前記把持部材(10)を前記延在方向(L)周りに回転させて2本の前記導体線(7)を圧接する第3工程(#25)と、を備える。
この方法によれば、把持部材(10)と溶接装置とを別に用いることなく、把持部材(10)により2本の導体線(7)を把持した状態で、把持部材(10)を回転させることにより、2本の導体線(7)を適切に圧接することができる。このため、一般的に大型化、複雑化する可能性のある溶接装置を用いる必要がなく生産コストを抑制することができる。また、溶接装置の電極等を接触させる箇所が不要であるため、溶接に比べて接合される導体端部(7t)も短くすることができるので、回転電機(80)が大型化することも抑制される。このように、この方法によれば、回転電機の導体線の端部同士を接合するに際して、生産コスト及び回転電機の大型化を抑制することができる。
ここで、前記導体線(7)は、絶縁被覆(7h)が設けられた被覆導体であり、前記第2工程(#20)よりも前に、接合対象の2本の前記導体線(7)の対向する前記側面(P)の前記導体端部(7t)における前記絶縁被覆(7h)を少なくとも除去する工程(#15)を備えると好適である。
導体線(7)の絶縁被覆(7h)を除去しておくことによって、導体端部(7t)同士を低い電気抵抗で接合させることができる。尚、導体端部(7t)において絶縁被覆(7h)が除去される長さは、溶接等によって導体端部(7t)を接合する場合に比べ、溶接装置の電極を接触させる箇所が不要なことや、加熱に対する耐熱性を考慮する必要がないことにより、短くすることができる。従って、導体線(7)の端部が長くなり、例えばコイルエンド部等が大きくなって回転電機が大型化することを抑制することができる。また、絶縁被覆を除去するために刃具を用いている場合には、刃具の摩耗等が進み刃具の寿命を縮める可能性も低減することができる。
また、前記第2工程(#20)では、前記把持部材(10)は、接合対象の2本の前記導体線(7)に対して対向する前記側面(P(F))同士が接近する方向(H)の荷重を作用させるように、2本の前記導体端部(7t)を把持すると好適である。
把持部材(10)により、2本の導体線(7)が当接する方向に把持されるので、導体端部(7t)における2本の導体線(7)の接合強度を高くすることができる。
また、前記第3工程(#25)では、接合対象の2本の前記導体線(7)がねじ切れるまで前記把持部材(10)を回転させると好適である。
導体端部(7t)の内、把持部材(10)によって把持される部分は、把持部材(10)が回転しても捻りによる力が掛からないため、接合はされない。従って、把持される部分が導体端部(7t)に残存していても、接合力の向上及び電気抵抗の低減には寄与せず、導体端部(7t)の長さの短縮化の妨げともなる。把持部材(10)が導体線(7)を把持した状態で、導体線(7)がねじ切れるまで回転すると、2本の導体線(7)に充分な接合力を与えると共に2本の導体線(7)の間の電気抵抗を充分に低減させることができる。さらに、導体端部(7t)も短縮することができるので、回転電機(80)の小型化も図ることができる。
また、前記導体線(7)が、絶縁被覆(7h)が設けられた被覆導体である場合、前記第2工程(#20)では、さらに前記絶縁被覆(7h)が除去されていない導体基部(7b)を、前記把持部材(12)とは異なる押さえ部材(13)によって把持すると好適である。
絶縁被覆(7h)が除去されている導体端部(7t)は、絶縁被覆(7h)が除去されていない導体基部(7b)よりも細い。導体基部(7b)を押さえ部材(13)で押さえて固定した状態で、第3工程(#25)において導体端部(7t)を把持している把持部材(12)を回転させると、押さえ部材(13)によって把持された導体基部(7b)は回転せず、細い導体端部(7t)の側のみが回転して捻じられる。これにより、絶縁被覆(7h)が除去されている部分の全体を圧接することができるので、導体線(7)の接合される箇所の形状が安定する。また、除去の必要な絶縁被覆(7h)の面積も低減することができる。
また、前記第2工程(#20)では、前記絶縁被覆(7h)が除去されていない導体基部(7b)が前記把持部材(12)とは異なる押さえ部材(13)によって把持されている場合に、前記把持部材(12)が前記導体端部(7t)の先端側を把持すると好適である。
これによれば、把持部材(12)は、導体端部(7t)の先端側のみを把持すれば足りる。従って、簡素な構造の把持部材(12)により、導体線(7)を適切に接合することができる。
また、前記第2工程(#20)で前記絶縁被覆(7h)が除去されていない導体基部(7b)が前記把持部材(12)とは異なる押さえ部材(13)によって把持されている場合、前記第3工程(#25)では、前記把持部材(12)は、前記導体端部(7t)の前記導体基部(7b)の側を把持した状態で回転を開始し、把持及び回転を継続した状態で前記導体端部(7t)の先端側に移動すると好適である。
これによれば、把持部材(12)の先端部における回転力が最も加わる位置が、導体端部(7t)の全体に亘って移動することになるので、導体線(7)が良好な螺旋状に接合され、導体線(7)が適切に密着する。
また、1つの態様として、回転電機用の導体線(7)の延在方向における端部である導体端部(7t)同士を接合して形成された回転電機用導体(70)は、前記導体線(7)が、前記延在方向(L)に直交する方向(H)での断面が矩形状であり、2本の前記導体線(7)の前記導体端部(7t)が密着して接合された接合部(71)を有し、当該接合部(71)は、前記延在方向(L)に沿って螺旋状に形成されている。
接合部(71)が螺旋状であると、2本の導体線(7)が広い接合面積を有して密着していることになる。従って、適切に導体線(7)が接合された回転電機用導体(70)を得ることができる。また、接合部(71)を螺旋状に形成する際には、一般的に大型化、複雑化する可能性のある溶接装置などを用いる必要がないため、生産コストが抑制され、回転電機用導体(70)を安価に構成することができる。また、2本の導体線(7)が螺旋状に密着して接合される際には溶接などとは異なり電極の接触や加熱も必要ないため、溶接等による接合に比べて導体端部(7t)も比較的短くなる。このように、この構成によれば、回転電機の導体線の端部同士を接合するに際して、生産コスト及び回転電機の大型化を抑制することができる。
3 :ステータコイル(回転電機用導体)
5 :動力線(導体線)
7 :導体線
7h :絶縁被覆
7t :導体端部
10 :把持部材
70 :回転電機用導体
71 :接合部
80 :回転電機
F :対向面(側面)
L :延在方向
P :側面

Claims (8)

  1. 回転電機用の導体線の延在方向における端部である導体端部同士を接合するための回転電機用の導体線接合方法であって、
    前記導体線は、前記延在方向に直交する方向での断面が矩形状であり、
    2本の前記導体線の前記導体端部の前記延在方向に沿った側面同士が対向する対向状態となるように当該2本の前記導体線を配置する第1工程と、
    前記対向状態の2本の前記導体端部を把持部材により把持する第2工程と、
    2本の前記導体端部を把持した状態で前記把持部材を前記延在方向周りに回転させて2本の前記導体線を圧接する第3工程と、
    を備える回転電機用の導体線接合方法。
  2. 前記導体線は、絶縁被覆が設けられた被覆導体であり、前記第2工程よりも前に、接合対象の2本の前記導体線の対向する前記側面の前記導体端部における前記絶縁被覆を少なくとも除去する工程を備える請求項1に記載の回転電機の導体線接合方法。
  3. 前記第2工程では、前記把持部材は、接合対象の2本の前記導体線に対して対向する前記側面同士が接近する方向の荷重を作用させるように、2本の前記導体端部を把持する請求項1又は2に記載の回転電機の導体線接合方法。
  4. 前記第3工程では、接合対象の2本の前記導体線がねじ切れるまで前記把持部材を回転させる請求項1から3の何れか一項に記載の回転電機の導体線接合方法。
  5. 前記導体線が、絶縁被覆が設けられた被覆導体である場合、前記第2工程では、さらに前記絶縁被覆が除去されていない導体基部を、前記把持部材とは異なる押さえ部材によって把持する請求項2から4の何れか一項に記載の回転電機の導体線接合方法。
  6. 前記第2工程では、前記把持部材は前記導体端部の先端側を把持する請求項5に記載の回転電機の導体線接合方法。
  7. 前記第3工程では、前記把持部材は、前記導体端部の前記導体基部の側を把持した状態で回転を開始し、把持及び回転を継続した状態で前記導体端部の先端側に移動する請求項5に記載の回転電機の導体線接合方法。
  8. 回転電機用の導体線の延在方向における端部である導体端部同士を接合して形成された回転電機用導体であって、
    前記導体線は、前記延在方向に直交する方向での断面が矩形状であり、
    2本の前記導体線の前記導体端部が密着して接合された接合部を有し、当該接合部は、前記延在方向に沿って螺旋状に形成されている回転電機用導体。
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