JP2018147745A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高品質の照明装置を提供する。
【解決手段】 第1の色のレーザ光を複数の方向に出射する第1フォトニック結晶レーザと、第1の色と異なる第2の色のレーザ光を複数の方向に出射する第2フォトニック結晶レーザと、第1フォトニック結晶レーザ及び第2フォトニック結晶レーザからのレーザ光の出射を制御する第1制御装置とを有する照明装置を提供する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、照明装置、たとえば車両用前照灯に関する。
ADB(adaptive driving beam)車両用前照灯は、照明光を動的に制御可能なヘッドランプの一例である。一般的に、動的に制御される照明には、車両用前照灯に要求される基本的な照明のほか、特定の対象物に向けられる照明、路面などに情報表示を行う照明等が含まれる。それらの基本技術は光の空間変調であり、たとえば広く普及しているプロジェクタと共通する。LCD(liquid crystal display)パネル、LCOS(liquid crystal on silicon)パネル、DLP(digital light processing)、MEMS(microelectromechanical systems)ミラー等によって動的な照明光制御を行うことができる。たとえば光の利用効率の観点からは、MEMSミラー等、入射光に対する傾きを変更可能なミラーを用いることが好ましい。MEMSミラー等のミラーを使用し、光源から出射された光を反射して照明光を形成する方法には、たとえば照明に必要な光ビームを、直接、車両前方に向けて走査しながら出射し、所望の照明光パターンを形成する方法と、光の波長変換作用をもつパネル(蛍光体パネル等)上に、光ビームを走査して所望の照明光対応パターンを形成し、それをレンズによって車両前方に投影する方法とがある。
前照灯に関する種々の発明が知られている(たとえば特許文献1及び2参照)。特許文献1には、大型化の抑制、消費電力の低減を実現するとともに、照明光パターンに所望の濃淡を形成することのできる前照灯の発明が記載されている。特許文献2には、高い演色性を有し、かつ、任意の投光パターンを実現可能な前照灯の発明の記載がある。
特許文献1に記載される前照灯においては、レーザ光の出射方向の制御(レーザ光の走査)に、2枚の可動ミラーが用いられる。機械的可動部を伴うため、前照灯の大きさ、重量、配光精度、信頼性、寿命等に課題がある。
また、レーザ光の出射を制御するレーザドライバに加え、2枚の可動ミラーの動作を制御するドライバが必要となる。更に、可動ミラーを出射するレーザ光の出射方向を監視する構成が必要となる場合もある。
ミラーの反射率も問題となる。反射率の低下は照明光の輝度低下につながるだけでなく、ミラー自体への熱的ストレスとなって、その信頼性や寿命に大きく影響する。
また、一本のレーザ光で照明領域を走査するため照明領域が広くなるほど、照明領域の中央部にレーザ光が入射する時間密度が低下する。このため配光(照明範囲)の中央部が周辺部に比べて暗くなる場合もありうる。なお、所定範囲を走査するにあたっては、部分的な走査に対応することが困難となる場合もある。
なお、通常のレーザ光源から出射したレーザ光は、ある角度の広がりをもつため、走査器に入射させる前に、レンズ等の光学系を用いてコリメートすることが必要となる場合がある。
フォトニック結晶レーザの研究がなされている(たとえば特許文献3及び4参照)。特許文献3には、最大45°の傾斜角で安定してレーザビーム(傾斜ビーム)を出射可能なフォトニック結晶レーザの発明が開示されている。特許文献4には、レーザビーム出射の傾斜角を大きくすることができ、2次元フォトニック結晶層の設計自由度が高いフォトニック結晶レーザの発明が開示されている。
特開2011−157022号公報 特開2013−232390号公報 特許第5794687号公報 特開2013−211542号公報
本発明の目的は、高品質の照明装置を提供することである。
本発明の一観点によると、第1の色のレーザ光を複数の方向に出射する第1フォトニック結晶レーザと、前記第1の色と異なる第2の色のレーザ光を複数の方向に出射する第2フォトニック結晶レーザと、前記第1フォトニック結晶レーザ及び前記第2フォトニック結晶レーザからのレーザ光の出射を制御する第1制御装置とを有する照明装置が提供される。
本発明によれば、高品質の照明装置を提供することができる。
図1A〜図1Cは、フォトニック結晶レーザの構造例を示す概略的な断面図である。 図2A及び図2Bは、フォトニック結晶レーザ41、42、43から出射されるレーザ光α、βを示す概略図であり、図2Cは、フォトニック結晶レーザ41、42、43から出射されるレーザ光を示す概略図である。 図3A及び図3Bは、レーザ光α、β、及び、出射方位面Psを示す概略図である。 図4は、レーザ光の出射制御例を示す概略図である。 図5は、レーザ光を同時照射する制御例を示す概略図である。 図6A〜図6Dは、フォトニック結晶レーザ41のAlGaInPフォトニック結晶層3の構成を示す概略的な平面図である。 図7A、図7Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ41におけるn側電極9、p側電極8の配置例を示す概略的な平面図であり、図7Cは、方位角φ=0°の出射方位面内でレーザ光を出射する場合における、傾斜角θとパラメータr、rの関係を示すグラフである。 図8A、図8Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ41におけるn側電極9、p側電極8の他の配置例を示す概略的な平面図である。 図9A、図9Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ41におけるn側電極9、p側電極8の、更に別の配置例を示す概略的な平面図である。 図10A及び図10Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ42、43が方位角φ=0°の出射方位面内でレーザ光を出射する場合における、傾斜角θとパラメータr、rの関係を示すグラフである。 図11Aは、実施例による照明装置の基本的構成を示す概略図であり、図11Bは、フォトニック結晶レーザ30を示す概略図であり、図11Cは、赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30Bを出射した赤色光、緑色光、青色光を示す概略図である。 図12Aは、実施例による車両用前照灯を示す概略図であり、図12Bは、ビーム整形回折素子31を示す概略的な斜視図であり、図12Cは、複数のフォトニック結晶レーザモジュールを備える構成を示す概略図である。 図13は、実施例による照明装置の応用例を示す概略図である。
フォトニック結晶レーザは、たとえば2次元フォトニック結晶のバンド端における群速度零効果を利用して、面内で定在波共振状態を形成し、その一部を面内方向と垂直な方向に回折させることで出力を得るレーザである。端面発光を行う通常の半導体レーザやVCSEL(vertical cavity surface emitting laser)のような面発光レーザとは異なる構造をもち、出力やビーム品質に優れる。
実施例による照明装置に用いられるフォトニック結晶レーザについて説明する。
図1Aは、フォトニック結晶レーザの一構造例を示す概略的な断面図である。本図に示すフォトニック結晶レーザ41は、たとえば赤色波長領域の光を出射するチップ状のフォトニック結晶レーザである。
フォトニック結晶レーザ41は、たとえばn型GaAs基板1、及び、n型GaAs基板1上に順に積層された、n型AlGaInPクラッド層2、AlGaInPフォトニック結晶層3、GaInP/AlGaInP量子井戸活性層4、AlGaInPガイド層5、p型AlGaInPクラッド層6、p型GaAsコンタクト層7の積層構造を有する。n型GaAs基板1の、積層構造と反対側の面にはn側電極9が配置される。p型GaAsコンタクト層7の、p型AlGaInPクラッド層6と反対側の面にはp側電極8が配置される。
フォトニック結晶レーザ41は、たとえば以下の方法で製造することができる。
まず、有機金属化学気相成長(metal organic chemical vapor deposition; MOCVD)法を用い、n型GaAs基板1上に、n型AlGaInPクラッド層2及びAlGaInP層を成長させる。
プラズマCVD(chemical vapor deposition)法を用い、AlGaInP層上にSiN膜を成膜する。SiN膜上に、スピンコートでレジスト(たとえば日本ゼオン株式会社製のZEP520A)を塗布する。
電子線描画を用い、所望のフォトニック結晶パターンを露光する。
露光後、現像液(たとえば日本ゼオン株式会社製のZED−N50)を用いて現像する。
パターニングされたレジストをマスクとして、SiN膜をドライエッチャーでエッチングし、パターンをSiN膜に転写する。
レジスト(ZEP520A)を、剥離液(たとえば日本ゼオン株式会社製のZDMAC)を用いて除去する。
SiN膜をマスクとして、ドライエッチングによりAlGaInP層に空孔を形成する。
SiN膜をバッファードHF(フッ酸)で除去する。
再びMOCVD装置に投入し、空孔を残すように埋め込み再成長を行う。
この工程まででAlGaInPフォトニック結晶層3が形成される。
そのままMOCVD装置中で、GaInP/AlGaInP量子井戸活性層4(井戸層:GaInP、障壁層:AlGaInP)、AlGaInPガイド層5、p型AlGaInPクラッド層6、p型GaAsコンタクト層7を成長させる。
MOCVD装置から取り出して、電極8、9等を形成し、チップに切り出す。
このような工程を経て、フォトニック結晶レーザ41が製造される。
上述の方法は、再成長による製造方法である。たとえばp型GaAs基板を用い、n型GaAs基板とp型GaAs基板の間に積層構造を配置する構成のフォトニック結晶レーザを、2枚の基板の融着(貼り合わせ)による方法を用いて製造することもできる。なお、融着による製造方法では結晶欠陥の発生が多くなるため、再成長法を用いて製造することが好ましい。
また、図1Aに示す構成では、フォトニック結晶層3をn側に設けたが、p側に配置してもよい。この場合、積層構造は、たとえばn型GaAs基板1側から順に、n型AlGaInPクラッド層、n型AlGaInP結晶層、GaInP/AlGaInP量子井戸活性層、p型AlGaInPフォトニック結晶層、p型AlGaInPクラッド層、p型GaAsコンタクト層となる。
更に、半導体層はMOCVD法でなく、他の方法、たとえば分子線エピタキシ(molecular beam epitaxy; MBE)法を用いて成長させてもよい。
また、SiN膜でなく、SiO膜としてもよい。プラズマCVD法でなく、スパッタ法や蒸着法を用いて形成することもできる。
フォトニック結晶レーザ41の電極8、9間に電圧を印加し、GaInP/AlGaInP量子井戸活性層4に電流を供給することにより、n型GaAs基板1側からレーザ光(レーザビーム)が出射される。出射されるレーザ光は、たとえば波長650nm(赤色の波長領域)の光である。なお、赤色光を発光するレーザ構造であれば、基板や積層構造等は他の材料で形成してもよい。
本願明細書及び図面においては、フォトニック結晶レーザの面内(フォトニック結晶層の面内)にX軸及びY軸を規定する。また、フォトニック結晶レーザの面内方向の法線方向(フォトニック結晶層の法線方向)と平行な方向にZ軸を規定し、レーザ光が出射される側をZ軸正方向とする。
図1Bは、フォトニック結晶レーザの他の構造例を示す概略的な断面図である。本図に示すフォトニック結晶レーザ42は、たとえば緑色波長領域の光を出射するチップ状のフォトニック結晶レーザである。
フォトニック結晶レーザ42は、たとえばn型GaN基板10、及び、n型GaN基板10上に順に積層された、n型AlGaNクラッド層11、n型GaNフォトニック結晶層12、InGaN/InGaN量子井戸活性層13、ノンドープGaN層14、p型AlGaN電子ブロック層15、p型AlGaNクラッド層16、p型GaNコンタクト層17の積層構造を有する。n型GaN基板10の、積層構造と反対側の面にはn側電極19が配置される。p型GaNコンタクト層17の、p型AlGaNクラッド層16と反対側の面にはp側電極18が配置される。
フォトニック結晶レーザ42は、たとえば以下の方法で製造することができる。
まず、MOCVD法を用い、n型GaN基板10上に、n型AlGaNクラッド層11及びn型GaN層を成長させる。
プラズマCVD法を用い、n型GaN層上にSiN膜を成膜する。SiN膜上に、スピンコートでレジスト(たとえば日本ゼオン株式会社製のZEP520A)を塗布する。
電子線描画を用い、所望のフォトニック結晶パターンを露光する。
露光後、現像液(たとえば日本ゼオン株式会社製のZED−N50)を用いて現像する。
パターニングされたレジストをマスクとして、SiN膜をドライエッチャーでエッチングし、パターンをSiN膜に転写する。
レジスト(ZEP520A)を、剥離液(たとえば日本ゼオン株式会社製のZDMAC)を用いて除去する。
SiN膜をマスクとして、ドライエッチングによりGaN層に空孔を形成する。
SiN膜をバッファードHF(フッ酸)で除去する。
再びMOCVD装置に投入し、空孔を残すように埋め込み再成長を行う。
この工程まででn型GaNフォトニック結晶層12が形成される。
そのままMOCVD装置中で、InGaN/InGaN量子井戸活性層13(井戸層:InGaN、障壁層:InGaN)、ノンドープGaN層14、p型AlGaN電子ブロック層15、p型AlGaNクラッド層16、p型GaNコンタクト層17を成長させる。
MOCVD装置から取り出して、電極18、19等を形成し、チップに切り出す。
このような工程を経て、フォトニック結晶レーザ42が製造される。
図1Bに示す構成では、フォトニック結晶層12をn側に設けたが、p側に配置してもよい。
また、半導体層はMOCVD法でなく、他の方法、たとえばMBE法を用いて成長させることもできる。
更に、SiN膜でなく、SiO膜としてもよい。プラズマCVD法でなく、スパッタ法や蒸着法を用いて形成することもできる。
なお、InGaN/InGaN量子井戸活性層13を、InGaN/GaN量子井戸活性層(井戸層:InGaN、障壁層:GaN)としてもよい。
フォトニック結晶レーザ42の電極18、19間に電圧を印加し、InGaN/InGaN量子井戸活性層13に電流を供給することにより、n型GaN基板10側からレーザ光(レーザビーム)が出射される。出射されるレーザ光は、波長560nm(緑色の波長領域)の光である。なお、緑色光を発光するレーザ構造であれば、他の材料を用いる等してもよい。たとえば、n型GaN基板10上の積層構造を、n型GaN基板10側から順に、n型GaNクラッド層、InGaNフォトニック結晶層、InGaN/InGaN量子井戸活性層、InGaNガイド層、p型AlGaN電子ブロック層、p型GaNクラッド層、p型GaNコンタクト層とすることができる。
図1Cは、フォトニック結晶レーザの、更に別の構造例を示す概略的な断面図である。本図に示すフォトニック結晶レーザ43は、たとえば青色波長領域の光を出射するチップ状のフォトニック結晶レーザである。
フォトニック結晶レーザ43は、たとえばn型GaN基板20、及び、n型GaN基板20上に順に積層された、n型AlGaNクラッド層21、n型GaNフォトニック結晶層22、InGaN/GaN量子井戸活性層23、ノンドープGaN層24、p型AlGaN電子ブロック層25、p型AlGaNクラッド層26、p型GaNコンタクト層27の積層構造を有する。n型GaN基板20の、積層構造と反対側の面にはn側電極29が配置される。p型GaNコンタクト層27の、p型AlGaNクラッド層26と反対側の面にはp側電極28が配置される。
フォトニック結晶レーザ43は、たとえば以下の方法で製造することができる。
まず、MOCVD法を用い、n型GaN基板20上に、n型AlGaNクラッド層21及びn型GaN層を成長させる。
プラズマCVD法を用い、n型GaN層上にSiN膜を成膜する。SiN膜上に、スピンコートでレジスト(たとえば日本ゼオン株式会社製のZEP520A)を塗布する。
電子線描画を用い、所望のフォトニック結晶パターンを露光する。
露光後、現像液(たとえば日本ゼオン株式会社製のZED−N50)を用いて現像する。
パターニングされたレジストをマスクとして、SiN膜をドライエッチャーでエッチングし、パターンをSiN膜に転写する。
レジスト(ZEP520A)を、剥離液(たとえば日本ゼオン株式会社製のZDMAC)を用いて除去する。
SiN膜をマスクとして、ドライエッチングによりGaN層に空孔を形成する。
SiN膜をバッファードHF(フッ酸)で除去する。
再びMOCVD装置に投入し、空孔を残すように埋め込み再成長を行う。
この工程まででn型GaNフォトニック結晶層22が形成される。
そのままMOCVD装置中で、InGaN/GaN量子井戸活性層23(井戸層:InGaN、障壁層:GaN)、ノンドープGaN層24、p型AlGaN電子ブロック層25、p型AlGaNクラッド層26、p型GaNコンタクト層27を成長させる。
MOCVD装置から取り出して、電極28、29等を形成し、チップに切り出す。
このような工程を経て、フォトニック結晶レーザ43が製造される。
図1Cに示す構成では、フォトニック結晶層22をn側に設けたが、p側に配置してもよい。
また、半導体層はMOCVD法でなく、他の方法、たとえばMBE法を用いて成長させることもできる。
更に、SiN膜でなく、SiO膜としてもよい。プラズマCVD法でなく、スパッタ法や蒸着法を用いて形成することもできる。
なお、InGaN/GaN量子井戸活性層23を、InGaN/InGaN量子井戸活性層(井戸層:InGaN、障壁層:InGaN)としてもよい。
フォトニック結晶レーザ43の電極28、29間に電圧を印加し、InGaN/GaN量子井戸活性層23に電流を供給することにより、n型GaN基板20側からレーザ光(レーザビーム)が出射される。出射されるレーザ光は、波長450nm(青色の波長領域)の光である。なお、青色光を発光するレーザ構造であれば、他の材料を用いる等してもよい。
図2Aにフォトニック結晶レーザ41、42、43から出射されるレーザ光α、βを示す。フォトニック結晶レーザ41、42、43においては、一つのレーザ光出射位置Oから同時に2本のレーザ光(双ビーム)α、βが出射される。レーザ光αの出射方向とフォトニック結晶レーザ41、42、43の面内方向の法線方向(フォトニック結晶層3、12、22の法線方向)とがなす角と、レーザ光βの出射方向とフォトニック結晶レーザ41、42、43の面内方向の法線方向(フォトニック結晶層3、12、22の法線方向)とがなす角とは相互に等しい。以下、この角度を傾斜角θと呼ぶ。傾斜角θは、レーザ光α、βの出射方向がフォトニック結晶層3、12、22の法線に対してなす傾斜角である。
また、レーザ光αとレーザ光βの出力は相互に等しい。
図2Aとともに、図2Bを参照する。レーザ光α、βの出射方向は、フォトニック結晶レーザ41、42、43出射面(フォトニック結晶層3、12、22面)と直交する一つの平面Ps内の方向である。レーザ光出射位置Oを起点とするレーザ光α、βの出射方向及びフォトニック結晶レーザ41、42、43の面内方向の法線方向(フォトニック結晶層3、12、22の法線方向)がすべて平面Psの面内方向であるということもできる。図2A及び図2Bに示す例においては、レーザ光α、βの出射方向は、レーザ光出射位置Oを含む、XZ平面に平行な平面Psの面内方向である。以下、レーザ光出射位置Oを起点とするレーザ光α、βの出射方向及びフォトニック結晶レーザ41、42、43の面内方向の法線方向(フォトニック結晶層3、12、22の法線方向)をすべて面内方向とする平面Psを出射方位面Psと呼ぶ。
図2Cを参照する。フォトニック結晶レーザ41、42、43のレーザ光は、たとえばフォトニック結晶レーザ41、42、43の面内における数百μm×数百μmの範囲内から出射される。1本のレーザ光の広がり角はたとえば約1°である。2本のレーザ光(双ビーム)の合計出力は、たとえば1W〜10Wである。また、たとえば量子井戸活性層4、13、23に供給する電流のオン、オフを繰り返すことにより、数百MHzの繰り返し周波数(パルス変調可能周波数)までのパルス波(パルスレーザビーム)を出射することができる。なお、電流の供給を間断なく続けた場合には、連続波のレーザ光が出射される。
後述の実施例による照明装置に用いられるフォトニック結晶レーザ41、42、43は、上記の特徴をもつとともに、たとえば以下のレーザ光制御(出射ビーム制御)が可能である。
図3Aを参照する。傾斜角θは、0°≦θ≦45°の範囲で任意に変化させることができる。
図3Bを参照する。出射方位面Psは、レーザ光出射位置Oを通り、フォトニック結晶レーザ41、42、43の面内方向と直交する直線(フォトニック結晶層3、12、22の法線方向と平行な直線)を軸として、その周囲に任意の角度で回転させることができる。
傾斜角θの変化と、出射方位面Psの回転角度の変化を組み合わせると(傾斜角θと出射方位面Psの回転角度をともに制御すると)、レーザ光出射位置Oを頂点とする円錐内におけるレーザ光走査(任意の位置へのレーザ光照射)が可能となり、たとえば楕円状領域内の任意の範囲を照明することができる。
レーザ光の走査(往復や回転等)とともに、たとえばレーザ光のパルス幅制御(pulse width modulation; PWM)や点滅周波数(パルスの繰り返し周波数)制御(pulse frequency modulation; PFM)を行ってもよい。出力(強度)制御等も可能である。
図4に示す例においては、たとえば楕円状領域内を走査(照明)する場合に、楕円の中心部に照射するレーザ光の出力p2を、楕円の左右領域に照射するレーザ光の出力p1よりも大きくする(p1<p2)。これとは別に、またはこれとあわせて、楕円の中心部に照射するレーザ光の周波数f2を、楕円の左右領域に照射するレーザ光の周波数f1よりも小さくする(f2<f1)。このように、たとえば入射位置に応じ、レーザ光の出力や周波数等を制御する。なお、たとえば車両用前照灯においては、照射範囲の中心部に入射させるレーザ光の出力p2を、左右領域に入射させるレーザ光の出力p1よりも大きくすることが好ましい。周波数f1、f2は、中心部と左右領域で等しくてよい。
レーザ光の出射を制御する(傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅等の制御を行う)ことで、たとえば照明領域(照明範囲)の形状や、照明光の強度分布を制御することができる(照明パターンの動的な形成)。レーザ光の出射制御は、後述するように、たとえば電極への電圧の印加態様(電圧を印加する電極の選択を含む。)の制御によって行う。
更に、フォトニック結晶レーザ41、42、43においては、複数の双ビームを独立に制御することが可能である。たとえば2組の双ビームを同時に出射し、各組について傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅等を独立に変化させることができる。
なお、厳密には、傾斜角θや出射方位面Psの回転角度が異なるレーザ光は同一の出射位置から出射されるわけではなく、θやPsに応じた出射位置の変位がある。そのような変位は、たとえばnmからμmオーダー程度であり、図3A、図3B、図4、図5(後述)のような図では表現できないくらいの大きさである。しかも、本件の前照灯(後述)のような、レーザ光の到達位置の制御による照明装置では、そのような変位は問題とならない。
図5に、相互に傾斜角θが異なる複数組(4組)の双ビームを同時に出射する例を示した。4組の双ビームの出射方向はすべて平面Psの面内方向である。複数の双ビームを同時に出射することで、同時多点照射が可能となる。同時照射による効果で、帯状領域にレーザ光を照射することができる。なお、同時点灯させたままで、レーザ光の出力制御を行うこともできる。点滅周波数制御、パルス幅制御等を行うことも可能である。
レーザ光の傾斜角θ制御、及び、出射方位面Psの回転角度制御について詳細に説明する。
図6A〜図6Dは、フォトニック結晶レーザ41のAlGaInPフォトニック結晶層3の構成を示す概略的な平面図である。レーザ光の傾斜角θ制御、及び、出射方位面Psの回転角度制御は、たとえば特許文献4に記載される2次元フォトニック結晶層の構成と同様の構成を採用して行うことができる。
AlGaInPフォトニック結晶層3は、層状の母材(AlGaInP層)内に空孔(母材とは屈折率が異なる領域)が配置されて構成され、光共振状態形成用フォトニック結晶構造を形成する光共振状態形成用格子3a(図6A参照)、及び、光出射用フォトニック結晶構造を形成する光出射用格子3b(図6B参照)を有する。
図6Aを参照する。光共振状態形成用格子3aは、格子定数aを有する正方格子からなり、格子点3aは、X軸方向及びY軸方向に沿って間隔aで並ぶ。
図6Bを参照する。光出射用格子3b(格子点3b)では、(r,1)a及び(r,1)aの基本並進ベクトルを有する斜方格子が構成される。
図6C及び図6Dを参照する。AlGaInPフォトニック結晶層3は、光共振状態形成用格子3aと光出射用格子3bを重ね合わせた構造とする。このフォトニック結晶の格子3cの格子点3cに空孔3dを配置する。
フォトニック結晶レーザ41からは、たとえば波長650nmの赤色レーザ光α、βが出射される。また、AlGaInPフォトニック結晶層3の有効屈折率neffは、母材を形成するAlGaInPの屈折率及び空孔3dが母材内に占める割合により定まる。空孔3dの面積を調整することで、たとえば有効屈折率neff=3.6とした。
フォトニック結晶レーザ41からは、格子点3bの位置を示すパラメータr及びrが以下の式(1)及び(2)を満たす方向にレーザ光が出射される。
Figure 2018147745
Figure 2018147745
ここで方位角φは、出射されるレーザ光(傾斜ビーム)のAlGaInPフォトニック結晶層3に平行な面への射影の該面内での向きを表す方位角(X軸方向を基準とする方位角)を表す。
なお、格子定数a、有効屈折率neff、出射されるレーザ光の波長λの間には、以下の式(3)の関係がある。

Figure 2018147745
たとえば式(1)、(2)より、r、rが変化すれば、傾斜角θ、方位角φが変化することがわかる。したがって一例として、r、rが異なる領域を形成し、レーザ光の出射方向(傾斜角θ、方位角φ)を変化させることができる。所望の傾斜角θ、方位角φで、フォトニック結晶レーザ41の外部にレーザ光を取り出すことも可能である。
図7A〜図7Cを参照し、傾斜角θの制御例について説明する。
図7A、図7Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ41におけるn側電極9、p側電極8の配置例を示す概略的な平面図である。図7Aに示すように、n側電極9は、Z軸に沿って見たとき、たとえば窓枠状に形成される。図7Bに示す例においては、p側電極8は、相互に電気的に分離された複数のp側電極8a〜8dを含んで構成される。
p側電極8a〜8dのうちの単数または複数とn側電極9との間に電圧を印加すると、たとえば電圧を印加されたp側電極8a〜8dとn側電極9との間の量子井戸活性層4(各p側電極8a〜8dに対応する位置の量子井戸活性層4)に電流が供給され、その位置からレーザ光が発光される。発光されたレーザ光は、窓枠状のn側電極9に囲まれた領域(窓9a)を通り、傾斜角θ、方位角φでフォトニック結晶レーザ41の外部に向けて出射される。
図7Bに示す例においては、各p側電極8a〜8dとn側電極9との間の量子井戸活性層4(各p側電極8a〜8dに対応する位置の量子井戸活性層4)で発光された光が入射する位置の(各p側電極8a〜8dに対応する位置の)AlGaInPフォトニック結晶層3が、式(1)、(2)に従って設計されている。すなわち、各p側電極8a〜8dに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域に対応して、r、rが規定され、AlGaInPフォトニック結晶層3が作製されている。一例として、AlGaInPフォトニック結晶層3は、p側電極8aに対応する領域から、p側電極8dに対応する領域に向かって、傾斜角θを連続的に変化させるよう、式(1)、(2)に従い、r、rがともに連続的に大きくなるように設計されている。
図7Bに示す例においては、p側電極8aに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、たとえば(θ、φ)=(0°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。また、p側電極8b、8c、8dに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、それぞれたとえば(θ、φ)=(10°,0°)、(20°,0°)、(30°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。すなわち、たとえばp側電極8aとn側電極9との間のみに電圧を印加すると、フォトニック結晶レーザ41からは、(θ、φ)=(0°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射される。同様に、各p側電極8b、8c、8dとn側電極9との間のみに電圧を印加すると、フォトニック結晶レーザ41からは、それぞれ(θ、φ)=(10°,0°)、(20°,0°)、(30°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射される。
たとえば相互に隣接する電極8a〜8dに印加する電圧値(p側電極8a〜8dに対応する位置の量子井戸活性層4に供給する電流値)のバランスにより、中間の傾斜角θ方向にレーザ光を出射することが可能である。
一例として電極8a、9間及び電極8b、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8a、9間に印加する電圧値と電極8b、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、0°<θ<10°、φ=0°の方向にレーザ光を出射させることができる。この場合、電極8b、9間に印加する電圧値の割合を増加させると、傾斜角θは大きくなる。
また、電極8b、9間及び電極8c、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8b、9間に印加する電圧値と電極8c、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、10°<θ<20°、φ=0°の方向にレーザ光を出射させることができる。電極8c、9間に印加する電圧値の割合を増加させると、傾斜角θは大きくなる。
同様に、電極8c、9間及び電極8d、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8c、9間に印加する電圧値と電極8d、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、20°<θ<30°、φ=0°の方向にレーザ光を出射させることが可能である。電極8d、9間に印加する電圧値の割合を増加させると、傾斜角θは大きくなる。
図7Bに示す構成においては、0°≦θ≦30°の範囲で連続的に傾斜角θを制御することができる。
図7Cは、方位角φ=0°の出射方位面内でレーザ光を出射する場合における、傾斜角θとパラメータr、rの関係を示すグラフである。グラフの横軸は、傾斜角θを単位「°」で表し、縦軸はr及びrを表す。本設計の場合、r=rとなる。なお、レーザ光の波長は650nm、AlGaInPフォトニック結晶層3の有効屈折率neffは3.6とした。
グラフから、たとえばr及びrを連続的に変化させてAlGaInPフォトニック結晶層3を作製することで、傾斜角θを連続的に変化させてレーザ光を出射可能であることがわかる。
図7A〜図7Cに示したのは、φ=0°とする1つの出射方位面内においてレーザ光の出射方向(傾斜角θ)を変化させる例であり、レーザ光は1軸方向に走査される。図8A及び図8Bを参照し、複数の出射方位面内においてレーザ光の出射方向(傾斜角θ)を変化させる制御例を説明する。図8A及び図8Bに示す例においては、レーザ光は2軸方向に走査される。
図8A、図8Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ41におけるn側電極9、p側電極8の他の配置例を示す概略的な平面図である。図8Aは、図7Aと同図であり、n側電極9は、Z軸に沿って見たとき、たとえば窓枠状に形成される。図8Bに示す例においては、p側電極8は、相互に電気的に分離された複数のp側電極8a〜8gを含んで構成される。
p側電極8a〜8gのうちの単数または複数とn側電極9との間に電圧を印加すると、たとえば電圧を印加されたp側電極8a〜8gとn側電極9との間の量子井戸活性層4(各p側電極8a〜8gに対応する位置の量子井戸活性層4)に電流が供給され、その位置からレーザ光が発光される。発光されたレーザ光は、窓枠状のn側電極9に囲まれた領域(窓9a)を通り、傾斜角θ、方位角φでフォトニック結晶レーザ41の外部に向けて出射される。
図8Bに示す例においては、各p側電極8a〜8gとn側電極9との間の量子井戸活性層4(各p側電極8a〜8gに対応する位置の量子井戸活性層4)で発光された光が入射する位置の(各p側電極8a〜8gに対応する位置の)AlGaInPフォトニック結晶層3が、式(1)、(2)に従って設計されている。すなわち、各p側電極8a〜8gに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域に対応して、r、rが規定され、AlGaInPフォトニック結晶層3が作製されている。一例として、AlGaInPフォトニック結晶層3は、p側電極8aに対応する領域から、p側電極8dに対応する領域に向かって、図7Bに示す場合と同様に、r、rがともに連続的に大きくなるように設計されている。また、p側電極8aに対応する領域から、p側電極8gに対応する領域に向かって、p側電極8a〜8dとは異なる方位角φで、傾斜角θを連続的に変化させるように、式(1)、(2)に従い、rは連続的に大きくなるように、rは連続的に小さくなるように設計されている。
図8Bに示す例においては、p側電極8aに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、たとえば(θ、φ)=(0°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。また、p側電極8b、8c、8dに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、それぞれたとえば(θ、φ)=(10°,0°)、(20°,0°)、(30°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。更に、p側電極8e、8f、8gに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、それぞれたとえば(θ、φ)=(10°,90°)、(20°,90°)、(30°,90°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。
たとえばp側電極8aとn側電極9との間のみに電圧を印加すると、フォトニック結晶レーザ41からは、(θ、φ)=(0°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射される。同様に、各p側電極8b、8c、8d、8e、8f、8gとn側電極9との間のみに電圧を印加すると、フォトニック結晶レーザからは、それぞれ(θ、φ)=(10°,0°)、(20°,0°)、(30°,0°)、(10°,90°)、(20°,90°)、(30°,90°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射される。
たとえば相互に隣接する電極8a〜8gに印加する電圧値(p側電極8a〜8gに対応する位置の量子井戸活性層4に供給する電流値)のバランスにより、中間の傾斜角θ方向にレーザ光を出射することが可能である。
たとえばX軸方向に配列された電極8a〜8dに関しては、図7Bを参照して行った説明と同様である。
Y軸方向に配列された電極8a、8e〜8gに関しては、一例として電極8a、9間及び電極8e、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8a、9間に印加する電圧値と電極8e、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、0°<θ<10°、φ=90°の方向にレーザ光を出射させることができる。この場合、電極8e、9間に印加する電圧値の割合を増加させると、傾斜角θは大きくなる。
また、電極8e、9間及び電極8f、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8e、9間に印加する電圧値と電極8f、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、10°<θ<20°、φ=90°の方向にレーザ光を出射させることができる。電極8f、9間に印加する電圧値の割合を増加させると、傾斜角θは大きくなる。
同様に、電極8f、9間及び電極8g、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8f、9間に印加する電圧値と電極8g、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、20°<θ<30°、φ=90°の方向にレーザ光を出射させることが可能である。電極8g、9間に印加する電圧値の割合を増加させると、傾斜角θは大きくなる。
図8Bに示す構成においては、φ=0°、90°となる2つの出射方位面内において、0°≦θ≦30°の範囲で連続的に傾斜角θを制御することができる。
図9A及び図9Bを参照し、傾斜角θ及び方位角φの制御例について説明する。
図9A、図9Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ41におけるn側電極9、p側電極8の、更に別の配置例を示す概略的な平面図である。図9Aは、図7Aと同図であり、n側電極9は、Z軸に沿って見たとき、たとえば窓枠状に形成される。図9Bに示す例においては、p側電極8は、相互に電気的に分離された複数のp側電極8a、8h〜8lを含んで構成される。
p側電極8a、8h〜8lのうちの単数または複数とn側電極9との間に電圧を印加すると、たとえば電圧を印加されたp側電極8a、8h〜8lとn側電極9との間の量子井戸活性層4(各p側電極8a、8h〜18lに対応する位置の量子井戸活性層4)に電流が供給され、その位置からレーザ光が発光される。発光されたレーザ光は、窓枠状のn側電極9に囲まれた領域(窓9a)を通り、傾斜角θ、方位角φでフォトニック結晶レーザ41の外部に向けて出射される。
図9Bに示す例においては、各p側電極8a、8h〜8lとn側電極9との間の量子井戸活性層4(各p側電極8a、8h〜8lに対応する位置の量子井戸活性層4)で発光された光が入射する位置の(各p側電極8a、8h〜8lに対応する位置の)AlGaInPフォトニック結晶層3が、式(1)、(2)に従って設計されている。すなわち、各p側電極8a、8h〜8lに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域に対応して、r、rが規定され、AlGaInPフォトニック結晶層3が作製されている。
一例として、AlGaInPフォトニック結晶層3は、p側電極8aに対応する領域から、p側電極8iに対応する領域に向かって、図8Bに示す場合と同様に、r、rがともに連続的に大きくなるように作製されている。また、p側電極8aに対応する領域から、p側電極8kに対応する領域に向かって、rは連続的に大きくなるように、rは連続的に小さくなるように作製されている。更に、p側電極8lに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、p側電極8jに対応する領域よりも、r、rがともに大きく、かつ、p側電極8hに対応する領域よりも、rは大きく、rは小さく作製されている。
図9Bに示す例においては、p側電極8aに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、たとえば(θ、φ)=(0°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。また、p側電極8h、8iに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、それぞれたとえば(θ、φ)=(15°,0°)、(30°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。更に、p側電極8j、8kに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、それぞれたとえば(θ、φ)=(15°,90°)、(30°,90°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。また、p側電極8lに対応するAlGaInPフォトニック結晶層3の領域は、たとえば(θ、φ)=(15°,45°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rが規定され、形成されている。
たとえばp側電極8aとn側電極9との間のみに電圧を印加すると、フォトニック結晶レーザ41からは、(θ、φ)=(0°,0°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射される。同様に、各p側電極8h、8i、8j、8k、8lとn側電極9との間のみに電圧を印加すると、フォトニック結晶レーザ41からは、それぞれ(θ、φ)=(15°,0°)、(30°,0°)、(15°,90°)、(30°,90°)、(15°,45°)の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射される。
たとえば電極8a、8h〜8lに印加する電圧値(p側電極8a、8h〜8lに対応する位置の量子井戸活性層4に供給する電流値)のバランスにより、中間の傾斜角θ及び方位角φ方向にレーザ光を出射することが可能である。
たとえばX軸方向に配列された電極8a、8h、8iに関しては、図7Bを参照し、電極8a〜8dに関して行った説明と同様である。また、たとえばY軸方向に配列された電極8a、8j、8kに関しては、図8Bを参照し、電極8a、8e〜8gに関して行った説明と同様である。図9Bに示す構成においても、図8Bに示した構成と同様に、φ=0°、90°となる2つの出射方位面内において、0°≦θ≦30°の範囲で連続的に傾斜角θを制御することができる。
更に、図9Bに示す構成においては、たとえば電極8h、9間及び電極8l、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8h、9間に印加する電圧値と電極8l、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、θ=15°、0°<φ<45°の方向にレーザ光を出射させることができる。
また、たとえば電極8l、9間及び電極8j、9間のみに電圧を印加するという条件のもと、電極8l、9間に印加する電圧値と電極8j、9間に印加する電圧値との割合を変更することにより、θ=15°、45°<φ<90°の方向にレーザ光を出射させることができる。
このように、図9Bに示す構成においては、出射方位面を回転させるような態様で、レーザ光を出射させることができる。
更に、図9Bに示す構成においては、たとえば電極8a、8h、8l、8jに印加する電圧値(p側電極8a、8h、8l、8jに対応する位置の量子井戸活性層4に供給する電流値)のバランスにより、傾斜角θが0°≦θ≦15°、方位角φが0°≦φ≦90°となる方向にレーザ光を出射することが可能である。
図7A〜図9Bを参照し、3つの構成例について説明したが、構成はこれらに限られず、傾斜角θ及び方位角φの範囲は任意に設定することができる。
なお、図7A〜図9Bにおいては、理解の容易のために電極数を少なくしたが、中間の角度の精度を高めるには、より多くの電極を用いることが好ましい。
図6A〜図9Bを参照し、赤色光を出射するフォトニック結晶レーザ41について説明したが、緑色光、青色光を出射するフォトニック結晶レーザ42、43についても同様である。フォトニック結晶レーザ42、43(図1B、図1C参照)のn型GaNフォトニック結晶層12、22も、たとえば図6A〜図6Dに示すように構成される。n型GaNフォトニック結晶層12、22の有効屈折率neffは、それぞれたとえば2.4、2.5とすることができる。フォトニック結晶レーザ42、43では、それぞれたとえば波長560nm、450nmの緑色、青色レーザ光が発光され、パラメータr及びrが式(1)及び(2)を満たす方向に出射される。フォトニック結晶レーザ42、43においても、格子定数a、有効屈折率neff、出射されるレーザ光の波長λの間には、式(3)の関係がある。
フォトニック結晶レーザ42、43においても、たとえばr、rが異なる領域をもつn型GaNフォトニック結晶層12、22が形成され、所望の傾斜角θ、方位角φで、レーザ光が取り出される。フォトニック結晶レーザ42、43のp側電極18、28、n側電極19、29は、フォトニック結晶レーザ41のp側電極8a〜8l、n側電極9と同様の構成とすることができる。p側電極18、28に対応するn型GaNフォトニック結晶層12、22の領域は、式(1)、(2)に従い、たとえば(θ、φ)=(0°,0°)、(10°,0°)、(20°,0°)等の方向に(方向を中心に)レーザ光が出射されるようにr、rを規定して、形成される。傾斜角θ、方位角φの制御もフォトニック結晶レーザ41の場合と同様に行うことが可能である(図7A〜図9B参照)。
図10A及び図10Bは、それぞれフォトニック結晶レーザ42、43が方位角φ=0°の出射方位面内でレーザ光を出射する場合における、傾斜角θとパラメータr、rの関係を示すグラフであり、フォトニック結晶レーザ41について示した図7Cに対応する。図10A、図10Bともに、グラフの横軸は、傾斜角θを単位「°」で表し、縦軸はr及びrを表す。また、r=rとしたときの関係を示す。レーザ光の波長は、560nm(図10A)、450nm(図10B)とし、n型GaNフォトニック結晶層12、22の有効屈折率neffは2.4(図10A)、2.5(図10B)とした。
グラフから、フォトニック結晶レーザ42、43においても、たとえばr及びrを連続的に変化させてn型GaNフォトニック結晶層12、22を作製することで、傾斜角θを連続的に変化させてレーザ光を出射可能であることがわかる。
図11Aは、実施例による照明装置(車両用前照灯)の基本的構成を示す概略図である。実施例による車両用前照灯は、たとえば自動車の前照灯であり、フォトニック結晶レーザ30及び第1制御装置60を含む。
フォトニック結晶レーザ30は、たとえばチップ状のフォトニック結晶レーザ41、42、43を含む。チップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43は、前述のように、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のレーザ光α、βを複数の方向に、具体的には任意の傾斜角θ(θ≦45°)及び方位角φで出射することができる。
第1制御装置60は、フォトニック結晶レーザ30(41、42、43)からのレーザ光の出射を制御する。
フォトニック結晶レーザ30を出射したレーザ光は、照明光として車両前方に自動車前照灯照明パターンを形成する。
図11Bは、フォトニック結晶レーザ30を示す概略図である。フォトニック結晶レーザ30は、たとえばX軸方向、Y軸方向に沿って規則的に交互に配置される赤色光出射部30R、緑色光出射部30G、及び、青色光出射部30Bを備える。
赤色光出射部30Rは、単数のチップ状フォトニック結晶レーザ41により、または複数のフォトニック結晶レーザ41を、一例としてブロック状に配置して形成される。同様に、緑色光出射部30G、青色光出射部30Bは、それぞれ単数のチップ状フォトニック結晶レーザ42、43により、または複数のフォトニック結晶レーザ42、43を、一例としてブロック状に配置して形成される。
図11Cに示すように、たとえば赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30Bを出射した赤色光α、緑色光α、青色光αは、ビームスポットを重畳されて(同一領域に照射されて)白色光を形成する。赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30Bを出射した赤色光β、緑色光β、青色光βも同様である。なお、レーザ光α、βの出射方向制御においても、赤色光、緑色光、青色光は、たとえば重畳された状態を維持される。
図12Aを参照する。実施例による車両用前照灯は、更に、ビーム整形回折素子31、第2制御装置63、センシング機器64等を備えてもよい。
図12Bは、ビーム整形回折素子31を示す概略的な斜視図である。本図には、2次元的に繰り返し配置される赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30B(図11B参照)の各々が、それぞれ単数のチップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43により形成される場合を示した。
ビーム整形回折素子31は、たとえば赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30B(チップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43)のレーザ光出射面側に密着して配置される。また、たとえば2次元的に繰り返し配置されたチップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43の各々に対応する、2次元的なビーム整形回折パターンを備える。ビーム整形回折素子31は、赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30B(チップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43)の各々から出射されたビーム(赤色光、緑色光、青色光)の出射方向を維持し、その形状及びサイズを揃える機能を有する。
なお、レーザ光の透過率は低下するが、ビーム整形回折素子31に、光散乱機能をもたせることも可能である。光透過率は、ホログラフィックビーム整形ディフーザで85%程度となる。
再び、図12Aを参照する。
第2制御装置63では、たとえば配光制御ソフトウェアが用いられる。
センシング機器64は、たとえばカメラ、レーダ等である。
なお、第1制御装置60は、たとえばレーザ駆動回路61及びビーム走査演算回路62を含んで構成される。
センシング機器64は、一例として、車両前方をセンシングし、歩行者、対向車、先行車、障害物等の車両周辺情報を入手する。また、配光(照明光)をモニタする配光モニタカメラを含む。入手されたセンシング情報は、第2制御装置63の配光制御ソフトウェアに入力される。配光制御ソフトウェアは、入力されたセンシング情報等に基づき、たとえば最適な配光(照明光)パターンを決定する。
なお、配光制御ソフトウェアは、書き換え可能なプログラムによって、任意の配光を動的に制御する。配光制御ソフトウェアのプログラムを書き換えることで、一つの照明装置、たとえば実施例による車両用前照灯が種々の照明目的に使用可能となる。
第2制御装置63の配光制御ソフトウェアで決定された配光パターンの情報(配光パターンの形状や輝度分布等)は第1制御装置60に出力される。
第1制御装置60は、第2制御装置63から入力された配光パターンの情報に基づき、フォトニック結晶レーザ30からのレーザ光の出射を制御する。具体的には、たとえばチップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43の各々について、傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅、同時出射等の制御を行う。すべてのチップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43について等しい制御を行ってもよいし、複数のチップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43のうちの一部について等しい制御を実施してもよい。
傾斜角θは、たとえば図7A〜図9Bを参照して行った説明と同様に制御することができる。出射方位面Psの回転角度は、たとえば図9A及び図9Bを参照して行った説明と同様に制御することが可能である。レーザ光出力は、電極8(18、28)、9(19、29)間に印加する電圧値(量子井戸活性層4(13、23)に供給する電流値)の大小や、印加電圧波形(供給電流波形)のデューティ比の高低で制御することができる。点滅周波数は、印加電圧(供給電流)のオン、オフの回数で制御可能である。パルス幅は、印加電圧(供給電流)のオン期間の長短で制御することができる。同時出射は、たとえば赤色光の場合、一例としてp側電極8a〜8lのうちの複数とn側電極9の間への電圧印加を同時に行うことにより実現され、たとえば図5を参照して説明した効果等を得ることができる。電圧を印加するp側電極8a〜8lの数で、1つのチップ状フォトニック結晶レーザ41から出射されるレーザ光の数を制御可能である。緑色光、青色光の同時出射制御も同様に行うことができる。
ビーム走査演算回路62は、たとえば最適配光パターンを実現するレーザ光(RGB双ビーム)の、傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅等を演算して求める。レーザ駆動回路61は、求められた傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅等で、フォトニック結晶レーザ30からレーザ光(RGB双ビーム)を出射させる。出射された赤色、緑色、青色のレーザ光が重畳して車両前方に投射され、自動車前照灯照明パターンが形成される。
形成された自動車前照灯照明パターンは、たとえばセンシング機器64の配光モニタカメラで確認され、第2制御装置63で決定された配光パターンに合致するようにフィードバックがかけられる。
なお、たとえばセンシング機器64で得られる情報は逐次更新される。第2制御装置63は、所定の時間間隔で繰り返し、更新された情報に基づいて、たとえば最適な配光パターンを決定し、決定された最適配光パターンの情報を第1制御装置60に出力する。
図12Cを参照する。図12Aに示す車両用前照灯は、1つのフォトニック結晶レーザモジュール(図12Aでは赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30B、ビーム整形回折素子31、及び、レーザ駆動回路61で構成される部分)を有する構成であるが、図12Cに示すように複数のフォトニック結晶レーザモジュールを備える構成としてもよい。
ビーム走査演算回路62は、第2制御装置63から入力された配光パターンの情報に基づき、たとえば最適配光パターンを実現するレーザ光(RGB双ビーム)の、傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅等を演算して求める。求められた結果は、各フォトニック結晶レーザモジュールのレーザ駆動回路61に出力され、求められた傾斜角θ、出射方位面Psの回転角度、レーザ光出力、点滅周波数、パルス幅等で、各フォトニック結晶レーザモジュールからレーザ光(RGB双ビーム)が出射される。出射されたレーザ光(RGB双ビーム)により、車両前方に自動車前照灯照明パターンが形成される。
図12Cに示す構成においては、各フォトニック結晶レーザモジュールの出力が低い場合であっても、複数のフォトニック結晶レーザモジュールから出射されたレーザ光の合成により、目的の配光を実現することができる。また、たとえばフォトニック結晶レーザモジュールの不具合に対するフェイルセーフが図られる。更に、通常のADB機能だけではなく、複数の対象物への独立した照明や、隠蔽物を回避した照明など、多彩な配光制御に対応することができる。
実施例による照明装置には、レーザ光源として、通常のレーザ発振器とは異なる構造と制御機能をもつフォトニック結晶レーザ30(チップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43)が用いられる。実施例による照明装置においては、フォトニック結晶レーザ41、42、43のビーム制御機能(傾斜角θ制御、出射方位面Psの回転角度制御、レーザ光出力制御、点滅周波数制御、パルス幅制御、同時出射制御等)を活用し、所望の自動車前照灯照明パターン(たとえば第2制御装置63で決定された最適配光パターン)が形成可能である。フォトニック結晶レーザ41、42、43から出射される赤色光、緑色光、青色光の重ね合わせによる動的な前照灯配光が実現される(ソフトウェア配光制御)。また、照明パターンを多彩に変化させることができる。照明パターンは、文字、図形等の情報を含むものであってもよい。
たとえば単純なラスター走査制御とは異なり、水平、垂直方向から傾いた明暗境界や所定の輝度分布の形成においても、滑らかな配光(離散的な点灯制御による輝度段差や、輝度の不連続部分(暗線等)の生じない滑らかな配光)を実現することができる。また、たとえばLED(light emitting diode)アレイを用いる照明システムのように、解像度が光源のハードウェアに依存しない。
また、実施例による照明装置においては、フォトニック結晶レーザ41、42、43のビーム出射特性が活用され、たとえばスペースを必要とする投影レンズが不要である。このため、半導体パッケージレベルサイズの照明システムとすることができる。したがって設置個数、設置場所等、設置の自由度が高い。
更に、実施例による照明装置は、半導体発光素子を製造する設備と同程度の設備で製造することができる。このため、照明装置の精度や信頼性を向上させることができるとともに、製造コストを低減することが可能である。
また、フォトニック結晶レーザ41、42、43を用いて照明装置を構成すると、レーザ光の出射制御をたとえば電極への電圧の印加態様の制御によって行うことができる。機械的可動部をもつMEMSミラーやポリゴンミラー等を使用しないため、たとえば小型、軽量、高配光精度、高信頼性、長寿命の照明装置とすることができる。また、MEMSミラーやポリゴンミラー等を使用する照射装置よりも、多彩な制御を行うことが可能である。
このように実施例による照明装置は、高品質の照明装置である。
なお、たとえば自動車前照灯照明パターンの全体にわたって走査(フォトニック結晶レーザ30によるレーザ光照射)を行うのではなく、非走査型の照明(従来の照明装置を含む固定的な配光をもつ照明)との組み合わせにより、動的な配光制御が必要な部分だけ走査を行ってもよい。また、固定配光の照明に、照明範囲の中心部の高輝度領域の照射を分担させることもできる。
更に、フォトニック結晶レーザ30に、センシング用の波長領域の光(たとえば近赤外線)を出射するレーザ光源を加えてもよい。センシングのための独立した制御を行い、TOF(time of flight)センサやLIDAR(laser imaging detection and ranging)の光源としての機能を含めることができる。
図13を参照する。実施例による照明装置の構成を、たとえば街路灯に応用することができる。通常の街路照明だけを行う街路灯ではなく、照明光に照射面(路面)への表示機能をもたせた街路灯とすることが可能である。たとえば積雪時に車線ラインや横断歩道、警告等を表示し、歩行者、車両等へ情報を提供する。特定の対象物への照明を行う等の機能をもたせてもよい。
以上、実施例等に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば実施例においては、ビーム整形回折素子31を、チップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43のレーザ光出射面側に密着して配置したが、ビーム整形回折素子31の代わりにカバーガラスまたはビーム整形機能を有しないディフーザを用いてもよい。
また、実施例においては、赤色光、緑色光、青色光の混色(照射領域での重ね合わせ)により白色光を得る構成を示したが、複数の色のレーザ光を用いる構成であればこれに限られない。フォトニック結晶レーザ41、42、43の独立制御により、色度の制御を行うことができるし、それに限らず、たとえば複数の色のレーザ光の混色により所望の照明色を得る構成とすることができる。第1の色のレーザ光を出射する第1のフォトニック結晶レーザと、第1の色と異なる第2の色のレーザ光を出射する第2のフォトニック結晶レーザを用いればよい。
更に、複数のチップ状フォトニック結晶レーザ41、42、43をブロック状に配置して赤色、緑色、青色光出射部30R、30G、30Bを構成する点について言及したが、ライン状に配置して構成してもよい。
なお、実施例のように、同数のフォトニック結晶レーザ41、42、43を用いて、フォトニック結晶レーザ30を構成するのではなく、各フォトニック結晶レーザ41、42、43の出力や照明装置の用途に応じ、照明色の合成に必要な数や割合でフォトニック結晶レーザ41、42、43を用いることができる。
また、実施例においては、たとえばフォトニック結晶レーザ41、42、43を形成する材料を異ならせて複数の色のレーザ光を得たが、第2高調波発生(second harmonic generation; SHG)等を利用して複数の色のレーザ光を得てもよい。また、緑色フォトニック結晶レーザ42の代わりに、InGaAs/GaAs量子井戸活性層を有する赤外線波長の第2高調波発生を利用してもよい。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
実施例による、動的な配光制御機能(情報提示機能を含む。)を有する照明装置は、たとえば車両用灯具、一例として自動車用前照灯として好適に利用可能である。また、車両用灯具に限らず、種々の照明器具等に好適に利用できる。
自動車用前照灯は、極端な明暗領域のある特徴的な配光分布をもち、潜在的に動的な配光制御を必要とする。たとえば実施例では、自動車用前照灯として用いられる照明装置を説明したが、照明装置は、書き換え可能なプログラムによって、任意の配光を動的に制御する。したがって、実施例による照明装置は、プログラムを書き換えることで一般照明を含む種々の照明目的や、文字、図形等による情報表示にも使用可能なプログラマブル照明装置ということができる。
1 n型GaAs基板
2 n型AlGaInPクラッド層
3 AlGaInPフォトニック結晶層
3a 光共振状態形成用格子
3a 格子点
3b 光出射用格子
3b 格子点
3c 格子
3c 格子点
3d 空孔
4 GaInP/AlGaInP量子井戸活性層
5 AlGaInPガイド層
6 p型AlGaInPクラッド層
7 p型GaAsコンタクト層
8、8a〜8l p側電極
9 n側電極
9a 窓
10 n型GaN基板
11 n型AlGaNクラッド層
12 n型GaNフォトニック結晶層
13 InGaN/InGaN量子井戸活性層
14 GaN層
15 p型AlGaN電子ブロック層
16 p型AlGaNクラッド層
17 p型GaNコンタクト層
18、18a〜18d p側電極
19 n側電極
20 n型GaN基板
21 n型AlGaNクラッド層
22 n型GaNフォトニック結晶層
23 InGaN/GaN量子井戸活性層
24 GaN層
25 p型AlGaN電子ブロック層
26 p型AlGaNクラッド層
27 p型GaNコンタクト層
28、28a〜28d p側電極
29 n側電極
30 フォトニック結晶レーザ
30R 赤色光出射部
30G 緑色光出射部
30B 青色光出射部
31 ビーム整形回折素子
41、42、43 フォトニック結晶レーザ
60 第1制御装置
61 レーザ駆動回路
62 ビーム走査演算回路
63 第2制御装置
64 センシング機器

Claims (10)

  1. 第1の色のレーザ光を複数の方向に出射する第1フォトニック結晶レーザと、
    前記第1の色と異なる第2の色のレーザ光を複数の方向に出射する第2フォトニック結晶レーザと、
    前記第1フォトニック結晶レーザ及び前記第2フォトニック結晶レーザからのレーザ光の出射を制御する第1制御装置と
    を有する照明装置。
  2. 更に、前記第1、第2フォトニック結晶レーザのレーザ光出射面側に配置され、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されたレーザ光の出射方向を維持し、形状及びサイズを揃える回折素子を備える請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第1制御装置は、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されるレーザ光の傾斜角θを制御する請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記第1制御装置は、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されるレーザ光の出射方位面Psの回転角度φを制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置。
  5. 前記第1制御装置は、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されるレーザ光の出力を制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 前記第1制御装置は、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されるレーザ光の点滅周波数を制御する請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 前記第1制御装置は、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されるレーザ光のパルス幅を制御する請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 前記第1制御装置は、前記第1、第2フォトニック結晶レーザから出射されるレーザ光の数を制御する請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 更に、センシング情報に基づいて配光パターンを決定する第2制御装置を含み、
    前記第1制御装置は、前記第2制御装置で決定された配光パターンの情報に基づいて、前記第1、第2フォトニック結晶レーザからのレーザ光の出射を制御する請求項1〜8のいずれか1項に記載の照明装置。
  10. 前記第2制御装置では、書き換え可能なプログラムによって、任意の配光を動的に制御する配光制御ソフトウェアが用いられる請求項9に記載の照明装置。
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