JP2018145517A - 圧粉体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼結工程を経ることなしに、従来品と同等の強度を有する機械部品を、低コストに提供する。【解決手段】本発明に係る圧粉体12は、一種又は複数種の金属粉末を主成分として含む原料粉末を圧縮成形してなる圧粉体本体13と、圧粉体本体13の表面13aに形成される皮膜11とを備え、圧環強さが100MPa以上を示す。【選択図】図1
Description
本発明は、金属粉末を含む原料粉末を圧縮成形してなる圧粉体の技術に関し、特に圧粉体を焼結することなく強化するための技術に関する。
従来、粉末冶金の分野においては、金属粉末を含む原料粉末を圧縮成形して得られた圧粉体を高温の炉中で焼結することによる高強度化が施されている。この焼結工程は、例えば鉄系粉末の場合、800℃以上の高温域で行われるのが一般的であり、そのコストは、製造コスト全体の25〜50%を占める。さらに、高温での焼結工程を経ることにより、圧粉体が変形(膨張あるいは収縮)するため、目的の寸法ないし形状に収めるために、焼結後の矯正工程が必須となる。
一方、圧粉体においては、焼結工程を経ることにより、圧粉体を構成する各金属粉末間に融着あるいはネッキングと呼ばれる部分的な結合が生じ、これにより焼結後の強度が向上する。このことから、焼結以外の処理、例えば焼結温度よりも低温での強化処理を圧粉体に施して最終製品の強度が担保できるのであれば、製造コストが低減できるだけではなく、焼結による寸法変化を抑制して、矯正工程も省略できる可能性が生じる。
例えば下記の特許文献1には、圧粉体の強化方法が記載されている。詳述すると、この特許文献には、成形用潤滑剤としての金属石けんを添加した金属粉末を圧縮成形した後、圧粉体を金属石けんの融点以上でかつ脱ろう温度以下の温度にまで加熱し、冷却することにより、圧粉体の機械的強度が増加することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、あくまで圧粉体を成形プレス機から焼結炉まで搬送する間の欠けや割れを防止することを目的としており、そのままでは製品(特に機械部品)としての強度を有していない。よって、当然ながら、その後の焼結工程を経なければ、製品としての強度を担保できないばかりか、焼結前の処理となるため、通常の焼結品の製造工程と比べて一工程増えることになり、却ってコストアップの要因となる。
以上の実情に鑑み、本発明では、焼結工程を経ることなしに、従来品と同等の強度を有する機械部品を、低コストに提供することを解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る圧粉体によって達成される。すなわち、この圧粉体は、一種又は複数種の金属粉末を主成分として含む原料粉末を圧縮成形してなる圧粉体本体と、圧粉体本体の表面に形成される皮膜とを備え、圧環強さが100MPa以上を示す点をもって特徴付けられる。なお、ここでいう圧環強さとは、JIS Z 2507「焼結軸受−圧環強さ試験方法」により評価される圧環強さを指すものとする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、圧粉体本体の表面に形成される皮膜の如何によっては、機械部品として要求されるレベルの機械的強度(圧環強さでいえば100MPa以上)を未焼結の圧粉体に付与し得ることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたもので、圧粉体本体の表面に所定の皮膜を形成し、圧粉体に100MPa以上の圧環強さを付与した。このように構成した圧粉体であれば、所定材質の又は所定厚み寸法の皮膜によって、圧粉体本体をなす金属粉末同士が相互に固定された状態となる。そのため、たとえ圧粉体本体の強度が不十分であったとしても、機械部品として要求されるレベルの機械的強度を発揮することが可能となる。また、皮膜の形成に要する温度は、通常、焼結温度(通常、800℃以上)よりも低温で足りるため、焼結工程よりも皮膜形成工程に要するコストを低く抑えることが可能となる。さらには、焼結温度よりも低温で圧粉体本体に熱処理(皮膜形成処理)を施すことで、皮膜形成後における圧粉体本体の寸法変化を小さく抑えることができる。よって、従来焼結工程の後に必要であった矯正工程を省略でき、このことによる製造コストのさらなる低減化を図ることが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体においては、皮膜が、圧粉体本体の表面に形成された開孔部を含めて表面を覆うように形成されていてもよい。
このように皮膜を形成することにより、穴のない連続的な皮膜を形成することができる。よって、皮膜自体の強度を高めて、圧粉体のさらなる強度向上を図ることが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体においては、皮膜の厚み寸法が5μmより大きくてもよい。
本発明者らが皮膜の厚み寸法について検証した結果、後述する実験結果に示す通り、皮膜の厚み寸法が5μm以下の場合と5μmを超える場合とで、当該皮膜を備えた圧粉体の強度(圧環強さ)に顕著な違いがみられた。この結果から、皮膜の厚み寸法を5μmより大きくすることによって、圧粉体に所要の機械的強度を付与することができ、適用可能な皮膜の材質の範囲を広げることが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体においては、圧粉体本体の表面に対する皮膜を形成する材料の接触角が90度以下となるように、皮膜及び原料粉末の材料が選定されていてもよい。
このように接触角が所定の値(90度)以下となるように、皮膜及び原料粉末の材料を選定することによって、皮膜材料を液状で圧粉体本体の表面に供給した際の濡れ性が向上する。従って、この液状の皮膜材料を固化させて皮膜を形成した状態における皮膜と圧粉体本体との密着性を高めることができ、圧粉体のさらなる強度向上を図ることが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体においては、皮膜が、無機系材料としてのセラミック系材料もしくは固体潤滑剤で形成されていてもよい。
あるいは、皮膜が、有機系材料としてのエンジニアリングプラスチック(通称 エンプラ)とスーパーエンジニアリングプラスチック(通称 スーパーエンプラ)のうち少なくとも一方の種類のプラスチックで形成されていてもよい。
あるいは、皮膜が、無機系材料としてのセラミック系材料もしくは固体潤滑剤と、有機系材料としてのエンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックのうち少なくとも一方の種類のプラスチックとで形成されていてもよい。
このように、皮膜を無機系材料としてのセラミック系材料もしくは固体潤滑剤で形成することにより、皮膜ひいては圧粉体に機械部品として十分な機械的強度を付与することができる。特に、固体潤滑剤又は固体潤滑剤を含む材料で皮膜を形成することにより、皮膜に強度だけでなく優れた摺動特性(例えば低摩擦性)を付与することができるので、滑り軸受など摺動部を有する機械部品に好適である。
また、皮膜を有機系材料としてのエンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックのうち少なくとも一方の種類のプラスチックで形成することによっても、皮膜ひいては圧粉体に機械部品として十分な機械的強度を付与することができる。特に、エンジニアリングプラスチックに属するフッ素系樹脂で皮膜を形成することにより、皮膜に強度だけでなく優れた摺動特性を付与することができるので、滑り軸受など摺動部を有する機械部品に好適である。
また、本発明に係る圧粉体においては、圧粉体本体の相対密度が重量比で70%以上かつ95%以下であってもよく、好ましくは79%以上かつ89%以下であってもよい。
圧粉体本体の相対密度を少なくとも重量比で70%以上にすることによって、圧粉体のベースとなる圧粉体本体が最低限有するべき機械的強度を確保することができる。これにより、皮膜による補強効果を十分に発現させることが可能となる。また、圧粉体本体の相対密度を重量比で95%以下にすることによって、圧粉体本体を構成する金属粉末間の密着性を皮膜の形成により確保して、上記最低限有するべき機械的強度を保証することが可能となる。
また、前記課題の解決は、本発明に係る圧粉体の製造方法によっても達成される。すなわち、この製造方法は、一種又は複数種の金属粉末を主成分として含む原料粉末を圧縮成形して圧粉体本体を得る圧粉工程と、圧粉体本体の表面に皮膜を形成する皮膜形成工程とを備え、圧粉工程及び皮膜形成工程を経て得られた圧粉体の圧環強さが100MPa以上を示すように、皮膜を形成する点をもって特徴付けられる。
このように、圧粉体本体の表面に皮膜を形成することによって、本発明の圧粉体に係る発明と同様に、所定材質の又は所定厚み寸法の皮膜によって、圧粉体本体をなす金属粉末同士が相互に固定された状態となる。そのため、たとえ圧粉体本体の強度が不十分であったとしても、機械部品として要求されるレベルの機械的強度を発揮することが可能となる。また、皮膜の形成に要する温度は、通常、焼結温度よりも低温で足りるため、焼結工程よりも皮膜形成工程に要するコストを低く抑えることが可能となる。さらには、焼結温度よりも低温で圧粉体本体に熱処理を施すことで、皮膜形成後における圧粉体本体の寸法変化を小さく抑えることができる。よって、従来焼結工程の後に必要であった矯正工程を省略でき、このことによる製造コストのさらなる低減化を図ることが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体の製造方法においては皮膜形成工程において、噴霧塗装、ディッピング、物理蒸着、又は化学蒸着により、圧粉体本体の表面に皮膜を形成してもよい。
皮膜の形成対象となる圧粉体本体は金属粉末を主成分として含む原料粉末を圧縮成形してなるものであるから、上述のように、噴霧塗装、ディッピング、物理蒸着、化学蒸着などの手段を用いて、皮膜を形成することができる。これにより、材料選択の幅及び厚み寸法の取り得る範囲を広げることが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体の製造方法においては、圧粉工程の後でかつ皮膜形成工程の前に、化成処理、メッキ処理、又はブラスト処理を圧粉体本体に施して、圧粉体本体と皮膜との密着性を向上させるようにしてもよい。
このように圧粉体本体と皮膜との密着性を化学的又は物理的に向上させることによって、皮膜を形成することによる圧粉体の補強効果をさらに高めることができる。あるいは、本来的に密着性に乏しい圧粉体本体の材料と皮膜材料との組み合わせであっても、所要の強度を圧粉体に付与することが可能となる。
また、本発明に係る圧粉体の製造方法においては、皮膜が樹脂で形成される場合、皮膜の形成後に、皮膜に所定の熱処理を施して皮膜における樹脂の硬化度を高めるようにしてもよい。
このように皮膜が所定の樹脂で形成される場合、皮膜の形成後に、皮膜に所定の熱処理を施して皮膜における樹脂の硬化度を高めることにより、皮膜自体の強度をさらに高めることができる。よって、皮膜による圧粉体の補強効果をさらに向上させることが可能となる。
あるいは、皮膜が樹脂で形成される場合、皮膜の形成後に、皮膜に電子線を照射して皮膜における樹脂の架橋密度を高めるようにしてもよい。
このように、皮膜の組成によっては、皮膜に電子線を照射して皮膜における樹脂の架橋密度を高めることによっても、皮膜自体の強度をさらに高めることができる。よって、皮膜による圧粉体の補強効果をさらに向上させることが可能となる。
この種の圧粉成形工程においては、被成形粉末(原料粉末)と成形金型および原料粉末同士の潤滑を担保するべく、予め原料粉末に金属石けんやアミドワックスなどの粉末状潤滑剤を混合しておくのが一般的である。この場合、上記潤滑剤は、圧粉成形後も圧粉体中に残存する。従来の手法では、その後の焼結工程において高温に保持されることで上記潤滑剤が分解するので、結果的に焼結工程を経て得られる製品中には含まれることはない。しかし、本発明に係る製造方法を適用した場合には、圧粉体の密度や処理温度、保持時間によっては上記潤滑剤の成分が圧粉体中に残存し得る。そのため、除去が必要な場合には、皮膜の形成に先立って、予め上記潤滑剤成分を除去することにより、最終製品にとって不要な潤滑剤成分を製品中から排除することが可能となる。なお、この際取り得る除去手段としては、脱脂工程が挙げられる。この脱脂工程を経ることにより、圧粉体本体中の潤滑剤成分を分解して除去することが可能となる。もちろん、この脱脂工程時における温度は焼結温度よりも低温であるため、脱脂工程後の圧粉体の寸法変化を考慮せずともよい。
以上より、本発明によれば、焼結工程を経ることなしに、従来品と同等の強度を有する機械部品を、低コストに提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を具体的な実施例に基づいて説明する。
(試験片の共通する作製手順)
まず原料粉末の主成分となる金属粉末として還元鉄粉を用いると共に、圧縮成形用潤滑剤としてアミドワックス系の粉末状潤滑剤を還元鉄粉に配合してなる原料粉末を用いて、実施例1〜11、並びに比較例1〜4に係る試験片(圧粉体)を作製した。還元鉄粉に対する圧縮成形用潤滑剤の添加割合は0.5wt%とした。また、いずれの試験片についても、合金工具鋼SKD11製の成形金型を使用し、フローティングダイ方式による一軸加圧成形によって、所定形状、ここでは円筒形状の圧粉体本体を成形した。なお、この際、得られる圧粉体本体の内径寸法は8mm、外径寸法は16mm、長さ寸法(軸線方向寸法)は5.0±0.2mmとした。圧粉体本体の密度は特に言及がない場合(実施例8〜11を除いて)、6.5g/cm3(相対密度は真密度比で83%)とした。
まず原料粉末の主成分となる金属粉末として還元鉄粉を用いると共に、圧縮成形用潤滑剤としてアミドワックス系の粉末状潤滑剤を還元鉄粉に配合してなる原料粉末を用いて、実施例1〜11、並びに比較例1〜4に係る試験片(圧粉体)を作製した。還元鉄粉に対する圧縮成形用潤滑剤の添加割合は0.5wt%とした。また、いずれの試験片についても、合金工具鋼SKD11製の成形金型を使用し、フローティングダイ方式による一軸加圧成形によって、所定形状、ここでは円筒形状の圧粉体本体を成形した。なお、この際、得られる圧粉体本体の内径寸法は8mm、外径寸法は16mm、長さ寸法(軸線方向寸法)は5.0±0.2mmとした。圧粉体本体の密度は特に言及がない場合(実施例8〜11を除いて)、6.5g/cm3(相対密度は真密度比で83%)とした。
(試験片の個別の作製手順)
(実施例1)
そして、実施例1〜11のうち、実施例1に係る試験片については、セラミック系材料を上記圧粉体本体の表面(ここでは外表面全域)に噴霧塗装し、乾燥後に250℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は30μmとした。なお、皮膜の厚み寸法については、円筒形状の試験片を半分に切断し、その切断面が露出するように切断後の試験片に対し樹脂埋め及び鏡面研磨を実施した。鏡面研磨した試験片の切断面(研磨面)をデジタルマイクロスコープなどの顕微鏡で観察し、画像上で計測した5箇所以上の厚み寸法値の平均値を、皮膜の厚み寸法とした。以降の試験片についても同様に皮膜の厚み寸法を評価した。
(実施例1)
そして、実施例1〜11のうち、実施例1に係る試験片については、セラミック系材料を上記圧粉体本体の表面(ここでは外表面全域)に噴霧塗装し、乾燥後に250℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は30μmとした。なお、皮膜の厚み寸法については、円筒形状の試験片を半分に切断し、その切断面が露出するように切断後の試験片に対し樹脂埋め及び鏡面研磨を実施した。鏡面研磨した試験片の切断面(研磨面)をデジタルマイクロスコープなどの顕微鏡で観察し、画像上で計測した5箇所以上の厚み寸法値の平均値を、皮膜の厚み寸法とした。以降の試験片についても同様に皮膜の厚み寸法を評価した。
(実施例2)
実施例2に係る試験片については、固体潤滑剤としての二硫化モリブデン(MoS2)に同じく固体潤滑剤としての黒鉛(Gr)を配合したものを上記圧粉体本体の表面に噴霧塗装し、乾燥後に230℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は13μmとした。
実施例2に係る試験片については、固体潤滑剤としての二硫化モリブデン(MoS2)に同じく固体潤滑剤としての黒鉛(Gr)を配合したものを上記圧粉体本体の表面に噴霧塗装し、乾燥後に230℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は13μmとした。
(実施例3)
実施例3に係る試験片については、フッ素系樹脂としてのPTFEを上記圧粉体本体の表面に噴霧塗装し、乾燥後に380℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は19μmとした。
実施例3に係る試験片については、フッ素系樹脂としてのPTFEを上記圧粉体本体の表面に噴霧塗装し、乾燥後に380℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は19μmとした。
(実施例4)
実施例4に係る試験片については、ケトン系樹脂としてのPEEKを上記圧粉体本体の表面に噴霧塗装し、乾燥後に380℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は17μmとした。
実施例4に係る試験片については、ケトン系樹脂としてのPEEKを上記圧粉体本体の表面に噴霧塗装し、乾燥後に380℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は17μmとした。
(実施例5)
実施例5に係る試験片については、皮膜を形成する前に、上記圧粉体本体の表面に化成処理としてリン酸塩処理を施した。それ以外の条件は実施例4と同じである。
実施例5に係る試験片については、皮膜を形成する前に、上記圧粉体本体の表面に化成処理としてリン酸塩処理を施した。それ以外の条件は実施例4と同じである。
(実施例6)
実施例6に係る試験片については、フッ素系樹脂としてのPTFEに固体潤滑剤としての黒鉛(Gr)を配合したものを上記圧粉体本体に噴霧塗装し、乾燥後に230℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機−無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は35μmとした。
実施例6に係る試験片については、フッ素系樹脂としてのPTFEに固体潤滑剤としての黒鉛(Gr)を配合したものを上記圧粉体本体に噴霧塗装し、乾燥後に230℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機−無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は35μmとした。
(実施例7)
実施例7に係る試験片については、フッ素系樹脂としてのPTFEとイミド系樹脂としてのポリアミドイミドとの2種混合樹脂に、固体潤滑剤としてのカーボンブラック(CB)を配合したものを上記圧粉体本体に噴霧塗装し、乾燥後に380℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機−無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は20μmとした。なお、皮膜形成材料の全量に対する固体潤滑剤(CB)の配合比は35vol%とした。この場合、皮膜形成材料に含まれる有機系材料は真密度、固体潤滑剤(CB)はかさ密度をそれぞれ用いて配合比を算出した。
実施例7に係る試験片については、フッ素系樹脂としてのPTFEとイミド系樹脂としてのポリアミドイミドとの2種混合樹脂に、固体潤滑剤としてのカーボンブラック(CB)を配合したものを上記圧粉体本体に噴霧塗装し、乾燥後に380℃で熱処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に有機−無機系皮膜を形成した。その際の皮膜の厚み寸法は20μmとした。なお、皮膜形成材料の全量に対する固体潤滑剤(CB)の配合比は35vol%とした。この場合、皮膜形成材料に含まれる有機系材料は真密度、固体潤滑剤(CB)はかさ密度をそれぞれ用いて配合比を算出した。
(実施例8)
実施例8に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成(PEEK)、前処理(なし)、熱処理(380℃)、皮膜厚み(17μm)とし、上記圧粉体本体の密度を6.0g/cm3とした。
実施例8に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成(PEEK)、前処理(なし)、熱処理(380℃)、皮膜厚み(17μm)とし、上記圧粉体本体の密度を6.0g/cm3とした。
(実施例9)
実施例9に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成、前処理、熱処理、皮膜厚みとし、上記圧粉体本体の密度を6.5g/cm3とした。
実施例9に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成、前処理、熱処理、皮膜厚みとし、上記圧粉体本体の密度を6.5g/cm3とした。
(実施例10)
実施例10に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成、前処理、熱処理、皮膜厚みとし、上記圧粉体本体の密度を6.75g/cm3とした。
実施例10に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成、前処理、熱処理、皮膜厚みとし、上記圧粉体本体の密度を6.75g/cm3とした。
(実施例11)
実施例11に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成、前処理、熱処理、皮膜厚みとし、上記圧粉体本体の密度を7.0g/cm3とした。
実施例11に係る試験片については、実施例4と同じ皮膜組成、前処理、熱処理、皮膜厚みとし、上記圧粉体本体の密度を7.0g/cm3とした。
(比較例1)
比較例1に係る試験片については、上記圧粉体本体そのままとした。すなわち、実施例1〜11のような皮膜を形成することなく、また熱処理を施すことなく試験片とした。
比較例1に係る試験片については、上記圧粉体本体そのままとした。すなわち、実施例1〜11のような皮膜を形成することなく、また熱処理を施すことなく試験片とした。
(比較例2)
比較例2に係る試験片については、上記圧粉体本体に対し窒素雰囲気中において350℃で90分間脱脂処理を施して圧粉体本体中の潤滑剤成分(アミドワックス系潤滑剤)を除去し、試験片とした。実施例1〜11のような皮膜の形成は行わなかった。
比較例2に係る試験片については、上記圧粉体本体に対し窒素雰囲気中において350℃で90分間脱脂処理を施して圧粉体本体中の潤滑剤成分(アミドワックス系潤滑剤)を除去し、試験片とした。実施例1〜11のような皮膜の形成は行わなかった。
(比較例3)
比較例3に係る試験片については、上記圧粉体本体に対し溶液処理による黒染め処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に酸化鉄皮膜を形成した。黒染め処理時の温度は室温とした。また、上記処理により形成された皮膜の厚み寸法は1μm未満とした。
比較例3に係る試験片については、上記圧粉体本体に対し溶液処理による黒染め処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に酸化鉄皮膜を形成した。黒染め処理時の温度は室温とした。また、上記処理により形成された皮膜の厚み寸法は1μm未満とした。
(比較例4)
比較例4に係る試験片については、上記圧粉体本体に対し溶液処理(電気化学的な反応)による低温黒色クロム処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に黒色クロム皮膜を形成した。低温黒色クロム処理時の温度は0℃以下とした。また、上記処理により形成された皮膜の厚み寸法は5μmとした。
比較例4に係る試験片については、上記圧粉体本体に対し溶液処理(電気化学的な反応)による低温黒色クロム処理を施すことで、上記圧粉体本体の表面に黒色クロム皮膜を形成した。低温黒色クロム処理時の温度は0℃以下とした。また、上記処理により形成された皮膜の厚み寸法は5μmとした。
(圧環強さの評価)
得られた試験片の強度を、JIS Z 2507に準拠して実施した圧環強さの測定結果に基づき評価した。ここでは、試験片(実施例1〜11、比較例1〜4)を各3個用意し、それぞれ3個の試験片につき圧環強さを測定した。また、ここで使用した試験装置は、株式会社島津製作所製、オートグラフAG−5000Aである。ここで圧環強さとは、圧環荷重から一定の方法で求められる円筒状圧粉体の強度をいい、圧環荷重とは、円筒状圧粉体を軸に平行な二面で圧縮して割れが生じ始めたときの荷重をいう。
得られた試験片の強度を、JIS Z 2507に準拠して実施した圧環強さの測定結果に基づき評価した。ここでは、試験片(実施例1〜11、比較例1〜4)を各3個用意し、それぞれ3個の試験片につき圧環強さを測定した。また、ここで使用した試験装置は、株式会社島津製作所製、オートグラフAG−5000Aである。ここで圧環強さとは、圧環荷重から一定の方法で求められる円筒状圧粉体の強度をいい、圧環荷重とは、円筒状圧粉体を軸に平行な二面で圧縮して割れが生じ始めたときの荷重をいう。
本試験では、圧環強さの判定基準を以下のように定めた。すなわち、圧環強さを100MPa未満、100MPa以上でかつ120MPa未満、120MPa以上でかつ150MPa未満、及び150MPa以上の4段階に分け、それぞれに対応する評価を下値から順に×、○、◎、◎◎で表すものとする。本試験では、試験片ごとに得られた各3つの圧環強さの平均値に対して、上記判定基準に基づく評価を下した。
次に、評価結果を表1及び表2に基づいて説明する。
圧環強さについて、表1及び表2に示すように、皮膜の組成(無機、有機の別)に関係なく、全ての実施例1〜11において、機械部品として要求されるレベルの機械的強度(圧環強さ100MPa以上)を示した。また、実施例4及び実施例5を見ると分かる通り、皮膜形成前に皮膜と圧粉体本体との密着性向上のための表面処理を施すことは強度向上に有効であることが分かる一方で、この種の表面処理(前処理)なしでも十分な強度が期待できることが分かった。
一方、比較例2に示すように、単に不活性ガス雰囲気下において350℃程度で熱処理するだけでは十分な強度が発現しなかった。このことから、圧粉体の高強度化には、皮膜の形成が必要なことが分かった。また、実施例1〜11と同様に皮膜を形成した場合(比較例3、比較例4)であっても、皮膜の組成が適切でない、あるいは皮膜厚みが不足している場合にあっては、機械部品として耐え得る程度の強度を発現することが難しいことが分かった。
また、圧粉体本体の密度に着目した場合、表2に示すように、密度が6.25〜7.0g/cm3の場合に優れた圧環強さを示し、特に、密度が6.75g/cm3の場合に極めて優れた機械的強度(150MPa超え)を示した。皮膜形成前の圧粉体(圧粉体本体)においては、その密度が高くなるにつれて圧環強さが増大する一方で、内部空孔のサイズ及び数は減少する傾向にある。特に、本発明のように圧粉体本体の表面に形成される皮膜で圧粉体の高強度化を図る場合、表面に開口した空孔(開孔部)及び表面から内部に至る領域(表層部)の空孔のサイズ又は数が減少することで、皮膜(を形成する材料)の空孔内への侵入度合いが低下し、ひいては圧粉体本体をなす金属粉末間の密着性(結合性)低下につながる。以上より、本実施例に係る材料系においては、圧粉体本体の密度が6.75g/cm3(相対密度でいえば約86%)の場合に、強度が極大化したものと考えられる。
図1に、無機系の皮膜11を備えた実施例2に係る圧粉体12の要部(ここでは皮膜1を含む圧粉体2の表層部)断面写真、図2に、有機系の皮膜21を備えた実施例4に係る圧粉体22の要部断面写真、及び図3に、有機−無機系の皮膜31を備えた実施例6に係る圧粉体32の要部断面写真をそれぞれ示す。これらの写真から、何れの皮膜11,21,31についても、各圧粉体本体13,23,33の表面13a,23a,33aを覆うように形成されると共に、各表面13a,23a,33aに形成された開孔部14,24,34を塞ぐように形成されている。その一方で、各皮膜11,21,31は、対応する各圧粉体本体13,23,33の内部空孔15,25,35にまで侵入していない。以上より、皮膜11,21,31は、開孔部14,24,34を含め圧粉体本体13,23,33の表面13a,23a,33aの全域を覆うように形成されていれば、十分な補強効果が期待できることが分かった。
以上を総括すると、従来の焼結工程を含む製造方法と比べて、低温での処理で済むため、製造時の熱及び電気エネルギーを低減化することが可能となる。また、上述した組成の皮膜であれば、一般的な皮膜の形成手段を適用することができるので、従来と同様の原料粉末、混合装置、及び圧縮成形装置をそのまま使用することができる。また、熱処理による圧粉体の寸法変化を考慮せずに済むので、実質的に圧粉体本体を成形金型から取り出した際のスプリングバック量、及び皮膜の厚み寸法のみを考慮して設計すれば足りる。よって、従来よりも製品(圧粉体)及び成形金型の設計が容易になる。加えて、本発明に係る圧粉体であれば、上述した皮膜で圧粉体本体が覆われることになるため、防錆性に優れている(防錆処理が不要となる)。もちろん、皮膜を固体潤滑剤やフッ素系樹脂など摺動特性に優れた材料で形成することにより、油の染み出しを嫌う環境に特に好適に使用することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明に係る圧粉体及びその製造方法は上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得ることはもちろんである。
例えば上記実施形態では、原料粉末の主成分となる金属粉末として、純鉄粉末(還元鉄粉)を用いた場合を説明したが、もちろん、純鉄以外の鉄系粉末(合金粉末を含む)を用いることも可能であり、鉄系以外の金属粉末を用いることも可能である。あるいは、互いに合金化する二種類の金属粉末を事前に混合したプレミックス粉や、予合金化したプレアロイ粉、あるいは部分的に拡散合金化させてなる部分拡散合金粉なども使用することが可能である。もちろん、各粉末のサイズ(粒度)も圧縮成形可能な限りにおいて任意である。
また、上記実施形態では、還元法により得られた金属粉末(還元鉄粉)を例示したが、もちろん、これ以外の方法により得られた金属粉末を使用することも可能である。具体例として、アトマイズ法、電解法、スタンプ法、カルボニル法などを挙げることができる。
また、上記実施形態では、主成分以外の粉末として、圧縮成形用の潤滑剤(アミドワックス)を用いた場合を説明したが、もちろんこれ以外の機能を圧粉体本体に付与するための各種粉末、例えば圧粉体本体のさらなる高強度化を目的としてSn、Znなどの低融点金属粉末を主成分となる金属粉末に配合してもよい。
また、上記実施形態では、圧粉体本体の圧縮成形手法として、一軸加圧成形を使用した場合を例示したが、もちろん、この他の成形手法を採用することも可能である。例えば、CNCプレス等による多軸加圧成形や、射出成形(MIM)など種々の成形手法を圧粉体の成形手法に採用することが可能である。
また、上記実施形態では、皮膜の材料としてセラミック系材料や固体潤滑剤を用いた場合(実施例1、実施例2)を例示したが、もちろん、これ以外の無機系材料を皮膜の材料に使用することも可能である。また、固体潤滑剤の材質は上記例示のものに限らず、例えば、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、黒鉛(グラファイト, Gr)、カーボンブラック(CB)、窒化ホウ素(BN)、シリコーン類の少なくとも1種類以上を固体潤滑剤として使用することが可能である。同様に、上記実施形態では、皮膜の材料としてフッ素系樹脂やケトン系樹脂、及び2種類の混合樹脂を用いた場合(実施例3〜11)を例示したが、もちろん、これ以外の有機系材料、例えばエンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックの何れか一方の種類のプラスチック、又は二種類以上のプラスチックを混合してなる樹脂を皮膜の材料に使用することも可能である。また、有機系材料と、無機系材料とで皮膜を形成してもよい。ただし、皮膜材料を例えば液状で圧粉体本体の表面に供給した際の濡れ性(親和性)を考慮する観点からは、皮膜材料と圧粉体本体との接触角が90度以下となるように、原料粉末の材料に応じて適切な皮膜材料を選定することが肝要である。
また、上記実施形態では、噴霧塗装により圧粉体本体の表面に皮膜を形成した場合を例示したが、もちろん、これ以外の手段で皮膜を形成することも可能である。具体例として、ディッピング、物理蒸着、化学蒸着、メッキ処理などの手段を挙げることが可能である。
また、上記実施形態では、圧粉体本体の外表面全域に皮膜を形成した場合を例示したが、もちろん、外表面の一部(例えば円筒状の圧粉体本体であれば外周面と端面のみ)に皮膜を形成することも可能である。
また、上記実施形態では、圧粉工程の後でかつ皮膜形成工程の前に、圧粉体本体の表面に化成処理を施す場合(実施例5)を例示したが、もちろん、これ以外の手段で皮膜と圧粉体本体との密着性を向上させることも可能である。具体例として、メッキ処理、ブラスト処理などを挙げることができる。
また、上記実施形態では、特に例示しなかったが、皮膜が樹脂で形成される場合(実施例3〜11)、皮膜の形成後に、皮膜に所定の熱処理を施して皮膜における樹脂の硬化度を高めるようにしてもよい。あるいは、皮膜に電子線を照射して皮膜における樹脂の架橋密度を高めるようにしてもよい。ただし、圧粉体本体の著しい変形や溶融などが生じない範囲、具体的には600℃以下の範囲で上記熱処理を施すことが肝要である。
また、上記実施形態では、圧粉体本体の被成形粉末となる原料粉末に、原料粉末と金型及び粉末同士の潤滑を担保するべく、アミドワックスなどの粉末状潤滑剤を混合した場合を例示した。この潤滑剤は、その後の皮膜成形処理の如何によっては、圧粉体本体中に残存し得る。よって、圧粉体本体中に上記潤滑剤が残存している場合には、皮膜形成処理の前又は後に、上記潤滑剤を除去する工程を追加してもよい。具体例として、脱脂処理(例えば350℃程度)を挙げることができる。なお、脱脂処理は、酸化性、還元性、不活性の各ガス雰囲気中で、あるいは真空雰囲気中で行うことが可能である。
また、以上の説明に係る圧粉体は、摺動部を有する機械部品(摺動部品)に限らず、他の用途に係る機械部品に広範に適用可能である。また、その形状についても円筒状に限らず、他の形状を有する機械部品全般に適用できることはもちろんである。
11,21,31 皮膜
12,22,32 圧粉体
13,23,33 圧粉体本体
13a,23a,33a 表面(圧粉体本体)
14,24,34 開孔部
12,22,32 圧粉体
13,23,33 圧粉体本体
13a,23a,33a 表面(圧粉体本体)
14,24,34 開孔部
Claims (15)
- 一種又は複数種の金属粉末を主成分として含む原料粉末を圧縮成形してなる圧粉体本体と、前記圧粉体本体の表面に形成される皮膜とを備え、
圧環強さが100MPa以上を示すことを特徴とする圧粉体。 - 前記皮膜は、前記圧粉体本体の表面に形成された開孔部を含めて前記表面を覆うように形成されている請求項1に記載の圧粉体。
- 前記皮膜の厚み寸法が5μmより大きい請求項1又は2に記載の圧粉体。
- 前記圧粉体本体の表面に対する前記皮膜を形成する材料の接触角が90度以下となるように、前記皮膜及び前記原料粉末の材料が選定されている請求項1〜3の何れか一項に記載の圧粉体。
- 前記皮膜は、無機系材料としてのセラミック系材料もしくは固体潤滑剤で形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の圧粉体。
- 前記皮膜は、有機系材料としてのエンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックのうち少なくとも一方の種類のプラスチックで形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の圧粉体。
- 前記皮膜は、無機系材料としてのセラミック系材料もしくは固体潤滑剤と、有機系材料としてのエンジニアリングプラスチックとスーパーエンジニアリングプラスチックのうち少なくとも一方の種類のプラスチックとで形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の圧粉体。
- 前記圧粉体本体の相対密度が重量比で70%以上かつ95%以下である請求項1〜7の何れか一項に記載の圧粉体。
- 前記圧粉体本体の相対密度が重量比で79%以上かつ89%以下である請求項1〜7の何れか一項に記載の圧粉体。
- 一種又は複数種の金属粉末を主成分として含む原料粉末を圧縮成形して圧粉体本体を得る圧粉工程と、
前記圧粉体本体の表面に皮膜を形成する皮膜形成工程とを備え、
前記圧粉工程及び前記皮膜形成工程を経て得られた圧粉体の圧環強さが100MPa以上を示すように、前記皮膜を形成することを特徴とする圧粉体の製造方法。 - 前記皮膜形成工程において、噴霧塗装、ディッピング、物理蒸着、又は化学蒸着により、前記圧粉体本体の表面に前記皮膜を形成する請求項10に記載の圧粉体の製造方法。
- 前記圧粉工程の後でかつ前記皮膜形成工程の前に、化成処理、メッキ処理、又はブラスト処理を前記圧粉体本体に施して、前記圧粉体本体と前記皮膜との密着性を向上させる請求項10又は11に記載の圧粉体の製造方法。
- 前記皮膜が樹脂で形成される場合、
前記皮膜の形成後に、前記皮膜に所定の熱処理を施して前記皮膜における前記樹脂の硬化度を高める請求項10〜12の何れか一項に記載の圧粉体の製造方法。 - 前記皮膜が樹脂で形成される場合、
前記皮膜の形成後に、前記皮膜に電子線を照射して前記皮膜における前記樹脂の架橋密度を高める請求項10〜13の何れか一項に記載の圧粉体の製造方法。 - 前記原料粉末は粉末状潤滑剤を含み、
前記圧粉工程の後でかつ前記皮膜形成工程の前に、前記圧粉体本体に含まれる前記粉末状潤滑剤を除去する請求項10〜14の何れか一項に記載の圧粉体の製造方法。
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- 2017-09-26 JP JP2017184815A patent/JP2018145517A/ja active Pending
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