JP2018145476A - 非ステンレス鋼材料、その製造方法およびその用途 - Google Patents

非ステンレス鋼材料、その製造方法およびその用途 Download PDF

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【課題】 耐食性に優れた非ステンレス鋼材料、その製造方法およびその用途を提供すること。【解決手段】 本発明による非ステンレス鋼材料は、少なくともFeおよびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有する合金であるオーステナイト相からなり、C(炭素)は、0.5wt%以上5wt%以下の範囲で合金の格子間に固溶している。【選択図】 図8

Description

本発明は、耐食性に優れた非ステンレス鋼材料、その製造方法およびその用途に関する。
山間部や海岸地帯など、塩水や融雪塩が飛来するなどの塩分腐食環境下にある道路橋等の橋梁構造物に使用する鋼材は、耐食性向上のため、従来から塗装されて用いられている。しかし、この塗装塗膜は必ず経時劣化するため、耐食性維持のために、一定周期で塗装しなおす維持管理の必要性がある。しかし、我が国においては、近年の社会インラフの老朽化の問題もあり、橋梁設置後の維持管理の負荷やコストの最小化と、橋梁自体の高寿命化が強く求められている。
そこで、この種の鋼材の耐食性の向上のために、母材である鋼材側からの改善技術が種々提案されている。例えば、この代表例として、P:0.15%以下やCu:0.2〜0.6%、Cr:0.3〜1.25%、Ni:0.65%以下を含む耐候性鋼がある。この耐候性鋼は、JIS G 3114(溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)あるいはJIS G 3125(高耐候性圧延鋼材)の2種が規格化されている。この耐候性鋼は、添加元素の作用によって、鋼材の使用中に、鋼表面に生成する錆が、裸耐候性に代表される高い耐食性を有する緻密な安定錆層(耐候性錆)となる自己防食機能を有している。そして、このような性質により、耐候性鋼は、橋梁や船舶など、これまで様々な構造物のメンテナンスフリーの構造として、基本的に無塗装で使用されてきた。
他方で、金属組成によらず、浸炭処理によって金属部材の強度、耐摩耗性等を向上させることも行われている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、浸炭処理は鉄鋼材料の表層内に炭化物を形成し、それが硬質層となり耐摩耗性、硬度に優れた鉄鋼材料となることを報告している。しかしながら、炭化物からなる硬質層はそれ自身が耐食性を有するものではない。したがって、このような表面処理をすることなく耐食性が向上した鉄鋼材料が求められている。
近年、ステンレス鋼に浸炭処理を施し、炭素を固溶させることで耐食性が向上することが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1によれば、オーステナイト系ステンレス鋼の表層に炭素を固溶させることにより、耐食性が向上する。また、非特許文献1は、耐食性の向上が確認できたオーステナイト系ステンレス鋼の表層への炭素の固溶量の平均値が2.6wt%であることを報告している。しかしながら、ステンレス鋼のように不働態皮膜を形成する鉄鋼材料に対しては、上述のような表面処理は有効であるが、非ステンレス鋼材料に対して、このような表面処理をすることなく耐食性を向上することが望まれている。
特開平7−278783号公報
A. Chibaら,J.Electrochem.Soc.,162(6)C270−C278(2015)
本発明の課題は、耐食性に優れた非ステンレス鋼材料、その製造方法およびその用途を提供することである。
本発明によるオーステナイト相からなる非ステンレス鋼材料は、前記オーステナイト相は、少なくともFeおよびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有する合金であり、C(炭素)は、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で前記合金の格子間に固溶しており、これにより上記課題を解決する。
前記C(炭素)は、0.5wt%以上2.5wt%以下の範囲で固溶していてもよい。
前記C(炭素)は、0.5wt%以上1.5wt%以下の範囲で固溶していてもよい。
次式で表されるパラメータXは、26以上60以下の範囲を満たしてもよい。
X=0.5×aMn+bNi+5×cCu+30×d+eCo+30×f
ここで、式中のaMn、bNi、cCu、d、eCoおよびfは、それぞれ、Mn、Ni、Cu、N、CoおよびCの含有量(wt%)の値である。
前記パラメータXは、32以上50以下の範囲を満たしてもよい。
前記Mは、少なくともMnを含み、C:0.5wt%以上5.0wt%以下、Cr:0wt%以上10.5wt%未満、Mn:11wt%以上40wt%以下、Si:0wt%以上0.35wt%以下、残部Fe、および、不可避不純物を含有してもよい。
前記Mは、Mnであり、C:0.5wt%以上1.5wt%以下、Cr:0wt%以上0.01wt%以下、Mn:28wt%以上35wt%以下、Si:0wt%以上0.05wt%以下、残部Fe、および、不可避不純物を含有してもよい。
前記Mは、少なくともNiを含み、C:0.5wt%以上5.0wt%以下、Cr:0wt%以上10.5wt%未満、Ni:5.5wt%以上15wt%以下、Si:0wt%以上0.35wt%以下、残部Fe、および、不可避不純物を含有してもよい。
前記Mは、少なくともCoを含み、C:0.5wt%以上5.0wt%以下、Cr:0wt%以上10.5wt%未満、Co:5.5wt%以上15wt%以下、Si:0wt%以上0.35wt%以下、残部Fe、および、不可避不純物を含有してもよい。
前記Mは、少なくともNを含み、C:0.5wt%以上5.0wt%以下、Cr:0wt%以上10.5wt%未満、N:0.01wt%以上2.0wt%以下、Si:0wt%以上0.35wt%以下、残部Fe、および、不可避不純物を含有してもよい。
前記Mは、少なくともCuを含み、C:0.5wt%以上5.0wt%以下、Cr:0wt%以上10.5wt%未満、Cu:0.1wt%以上5.0wt%以下、Si:0wt%以上0.35wt%以下、残部Fe、および、不可避不純物を含有してもよい。
本発明による上述の非ステンレス鋼材料を製造する方法は、少なくとも、Fe、C(炭素)およびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有し、前記Cは、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲を満たす、原料を溶解し、鋳造するステップと、前記鋳造するステップによって得られた鋳物を鍛造および圧延処理するステップと、前記鍛造および圧延処理された鋳物を溶体化処理し、これにより上記課題を解決する。
前記溶体化処理は、1000℃以上1200℃以下の温度範囲で行ってもよい。
本発明による陸上移動用車両、船舶、海洋構造物、海中構造物、または、鋼製橋梁構造物は、上述の非ステンレス鋼材料を用い、これにより上記課題を解決する。
本発明による非ステンレス鋼材料は、FeおよびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を少なくとも含有する合金であるオーステナイト相からなり、C(炭素)を所定濃度で合金の格子間に固溶させることによって、耐食性を向上させることができる。このような非ステンレス鋼は、陸上移動用車両、船舶、海洋構造物、海中構造物、または、鋼製橋梁構造物に有利である。
Fe(67wt%)およびMn(33wt%)の合金とC(炭素)との状態図における実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料を示す図 実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料のXRDパターンを示す図 実施例1による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図 実施例2による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図 実施例3による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図 比較例4による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図 比較例5による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図 実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料を用いて、pH12のNaSO水溶液中で測定したアノード分極曲線を示す図 実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料を用いて、pH10の緩衝液中で測定したアノード分極曲線を示す図 図8および図9に基づく溶解速度の炭素固溶量依存性を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。本願発明者らは、非ステンレス鋼材料の中でもオーステナイト相、および、C(炭素)の固溶量に着目し、所定の元素から構成されるオーステナイト相に、炭素を所定量固溶させることによって、劇的に耐食性が向上することを見出した。なお、本願明細書において、非ステンレス鋼材料とは、少なくとも鉄とCrとの合金であって、Crを10.5wt%以上含むステンレス鋼以外を意図している。
本発明による非ステンレス鋼材料は、少なくともFeおよびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有する合金であるオーステナイト相からなる。ここで、Mは、上記元素群から選択される元素であれば、Feと合金化し、オーステナイト相を構成できるだけでなく、後述する所定量のC(炭素)を、オーステナイト相を構成する合金の格子間に固溶させることができる。
さらに、本発明による非ステンレス鋼材料は、C(炭素)が、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で上記合金の格子間に固溶している。固溶量が0.5wt%未満である場合、炭素が少ないため、耐食性が向上しない。固溶量が5.0wt%を超える場合、炭素が多いため、固溶せず炭化物が生成し得る。
好ましくは、C(炭素)は、0.5wt%以上2.5wt%以下の範囲で合金の格子間に固溶している。この範囲であれば、炭素が固溶し、耐食性が向上し得る。さらに好ましくは、C(炭素)は、0.5wt%以上1.5wt%以下の範囲で合金の格子間に固溶している。この範囲であれば炭素が確実に固溶するので、歩留まりよく耐食性が向上した非ステンレス鋼材料を提供できる。
なお、合金がオーステナイト相であるか否かは、X線回折法によるX線回折パターンが、面心立方格子(fcc)構造を有するγ鉄のピークを有するか否かによって判定でき、C(炭素)が固溶していることは、XRDパターンがγ鉄以外のピーク、例えば、鉄の炭化物のピークを有しないことによって判定できる。
本発明による非ステンレス鋼材料は、好ましくは、次式で表されるパラメータXが所定の範囲を満たすことにより、所定量の炭素が固溶したオーステナイト相を構成し、耐食性が向上する。
X=0.5×aMn+bNi+5×cCu+30×d+eCo+30×f
ここで、式中のaMn、bNi、cCu、d、eCoおよびfは、それぞれ、Mn、Ni、Cu、N、CoおよびCの含有量(wt%)の値である。本願発明者らは、パラメータXが26以上60以下の範囲を満たすように組成を制御することにより、本発明の非ステンレス鋼材料を提供できることを見出した。好ましくは、パラメータXは、32以上50以下の範囲を満たす。この範囲であれば、強度を維持しつつ、耐食性に優れた本発明の非ステンレス鋼材料が提供される。
次に、本発明の非ステンレス鋼材料を構成するFe(鉄)以外の元素の機能および含有量について説明する。なお、Feの含有量は以下詳述する元素の残部となる。
C(炭素):オーステナイト相を安定化させるとともに、耐食性を向上させる。また、本発明の非ステンレス鋼材料の耐力および靭性を向上させる。Cは、上述したように、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲を満たし、好ましくは、0.5wt%以上2.5wt%以下の範囲を満たし、より好ましくは、0.5wt%以上1.5wt%以下の範囲を満たす。さらに好ましくは、0.8wt%以上1.5wt%以下の範囲を満たす。
Cr(クロム):必須ではないが、オーステナイト相を安定化させ、耐力を向上させる。Crは、0wt%以上10.5wt%未満の範囲を満たし、好ましくは0wt%以上5.0wt%以下の範囲を満たし、より好ましくは0wt%以上1.0wt%以下の範囲を満たし、さらに好ましくは0wt%以上0.01wt%以下の範囲を満たす。
Si(ケイ素):溶鋼の脱酸のために有効な元素である。また、強度を向上させることができる。しかしながら、多すぎると、脱酸による生成物であるSiOが鋼中に存在し、鋼の清浄度を害し、靭性を低下させる。また、多すぎると、金属間化合物であるラーベス相が生成され、脆性が助長する。このような観点から、Siは、0wt%以上0.35wt%以下の範囲を満たし、好ましくは0wt%以上0.05wt%以下の範囲を満たし、より好ましくは0.01wt%以上0.05wt%以下の範囲を満たす。
M:Mは、上述したように、Feと合金化してオーステナイト相を構成する元素であり、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である。各元素について説明する。
(1)Mn(マンガン):Mが少なくともMnを含む場合、Mnは、オーステナイト相を安定化させるとともに、溶鋼の脱酸のために有効である。また、所定量含有することにより、降伏応力および低温靭性の向上が期待できる。このような観点から、Mnは、11wt%以上40wt%以下の範囲を満たす。この範囲であれば、例えば、Mn以外のMとの組み合わせであっても、上記パラメータXは26以上60以下の範囲を満たす。11wt%未満あるいは40wt%を超えると、オーステナイト相以外のα’マルテンサイト、β−フェライトなどが生成する場合がある。好ましくは、Mnは28wt%以上35wt%以下の範囲を満たす。この範囲であれば、オーステナイト相を生成しやすく、加工性や溶接性に優れる。
(2)Ni(ニッケル):Mが少なくともNiを含む場合、Niは、オーステナイト相を安定化させるとともに、鋼の焼き入れ性を高め、靭性の向上に有効である。このような観点から、Niは、5.5wt%以上15wt%以下の範囲を満たす。この範囲であれば、例えば、Ni以外のMとの組み合わせであっても、上記パラメータXは26以上60以下の範囲を満たす。
(3)Co(コバルト):Mが少なくともCoを含む場合、Coは、オーステナイト相を安定化させるとともに、高温強度の向上に有効である。このような観点から、Coは、5.5wt%以上15wt%以下の範囲を満たす。この範囲であれば、例えば、Co以外のMとの組み合わせであっても、上記パラメータXは26以上60以下の範囲を満たす。
(4)N(窒素):Mが少なくともNを含む場合、Nは、オーステナイト相を安定化させるとともに、耐力の向上に有効である。このような観点から、Nは、0.01wt%以上2.0wt%以下の範囲を満たす。この範囲であれば、例えば、N以外のMとの組み合わせであっても、上記パラメータXは26以上60以下の範囲を満たす。
(5)Cu(銅):Mが少なくともCuを含む場合、Cuは、オーステナイト相を安定化させるとともに、耐力および強度の向上に有効である。このような観点から、Cuは、0.1wt%以上5.0wt%以下の範囲を満たす。この範囲であれば、例えば、Cu以外のMとの組み合わせであっても、上記パラメータXは26以上60以下の範囲を満たす。
不可避不純物:不可避不純物としてP(りん)およびS(硫黄)がある。これらは原料中に含有されるが、Pは、焼戻し脆化感受性を増大させる元素であり、経年劣化を減少させ、信頼性を向上させるためには極力減少させることが望ましい。このような観点から、Pは、精錬技術の限界を考慮して、0.030wt%以下とする。Sは、Feと硫化物を形成し、靭性を劣化させるので、とりべ精錬により極力減少させることが望ましい。このような観点から、Sは、精錬技術の限界を考慮して、0.035wt%以下とする。
その他の不可避不純物としてAs、Sn、Sb等がある。これらの不純物は、Pと同様に焼戻し脆化感受性を増大させるため、極力減少させることが望ましいが、原料に付随して混入するため、除去は困難な場合がある。このため、Asは0.008wt%以下、Snは0.01wt%以下、Sbは0.005wt%以下とすることが望ましい。
なお、Mは、2以上の元素を任意に組み合わせてもよい。例えば、Mとして、MnとNiとを組み合わせてもよいし、MnとCoとNとを組み合わせてもよい。Mが2以上の元素の組み合わせからなる場合、2以上のMのそれぞれが上述した元素に好ましい含有量を満たすとともに、残部Feの含有量が変化する。
例示的には、Mが少なくともMnを含有する本発明の非ステンレス鋼材料は、
C:0.5wt%以上5.0wt%以下、
Cr:0wt%以上10.5wt%未満、
Mn:11wt%以上40wt%以下、
Si:0wt%以上0.35wt%以下、
残部Fe、および、
不可避不純物を含有する。さらに、本発明の非ステンレス鋼材料は、残部Feの一部に代えて、Mとして、Mnに加えて、Ni、Co、NおよびCuからなる群から選択される元素を含有してもよい。この場合、各元素の含有量は、
Ni:5.5wt%以上15wt%以下
Co:5.5wt%以上15wt%以下
N:0.01wt%以上2.0wt%以下
Cu:0.1wt%以上5.0wt%以下
を満たす。
本発明の非ステンレス鋼材料は、材料全体にわたって耐食性が向上しているため、さらなる表面処理などを不要とし、単に所望の形状に加工するだけで、耐食性の求められる環境下において使用できる。したがって、本発明の非ステンレス鋼材料は、陸上移動用の車両、船舶、海洋構造物、海中構造物、または、鋼製橋梁構造物に好ましい。
ここで、本発明の非ステンレス鋼材料と、特許文献1あるいは非特許文献1の技術との差異について説明する。特許文献1の浸炭処理をした鉄鋼材料は、表層に炭化物を形成しているため、炭素が鉄鋼材料中に固溶しているものではない。このため、本発明の炭素が固溶した非ステンレス鋼材料とは異なる。また、浸炭処理は、通常、耐摩耗性や硬度を向上するために行われるため、仮に、一部の炭素が固溶したとしても、非ステンレス鋼材料において、オーステナイト相中に炭素を0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で固溶させることによって耐食性が向上することを示唆するものではないといえる。
また、非特許文献1では、金属表面へ不働態皮膜を形成することを特徴とするステンレス鋼の表層に炭素を固溶させ、耐食性を向上させるが、非ステンレス鋼材料の耐食性については開示していない。また、非特許文献1は、表面処理をすることなく、非ステンレス鋼材料そのものの耐食性を向上させる目的を開示していないため、オーステナイト相からなる非ステンレス鋼材料に炭素を0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で固溶させることを示唆するものではない。
さらに、本発明の非ステンレス鋼材料と、既存の炭素鋼との差異について説明する。炭素鋼は、0.02wt%〜2.14wt%の範囲で炭素を含有する鋼であるが、ここで炭素の含有量は、鉄あるいは鉄と炭素以外の元素との合金中に固溶する含有量ではなく、炭化物として存在する炭素も含んでいることに留意されたい(例えば、朝倉書店、マテリアル工学シリーズ2「材料組織学」第59頁〜第61頁を参照)。例えば、炭素が6.69wt%含有される炭素鋼としてセメンタイト相が知られているが、これは鉄と炭素との鉄炭化物(FeC)である。炭素が0.77wt%含有される炭素鋼としてパーライトが知られているが、鋼がA1変態点で生じた共析晶であり、フェライト相と鉄炭化物(FeC)とが交互に並んだものである。また、もっとも炭素が固溶するとされる500℃付近のフェライト相においても、最大で0.02wt%であると報告されている。このように、既存の炭素鋼は、いずれも、オーステナイト相中に炭素が0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で固溶した非ステンレス鋼材料とは異なる。
次に、本発明の非ステンレス鋼材料の例示的な製造方法について説明する。
ステップS110:少なくとも、Fe、C(炭素)およびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有する原料を溶解し、鋳造する。ここで、この原料中のCの含有量は、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲を満たす。このような原料には、例えば、鉄鉱石、焼結鉱、石灰石、スクラップ、純鉄、固体炭素、Mの単体材料等任意の材料が使用される。純鉄、固体炭素あるいはMの単体材料を用いる場合には、純度99%以上、好ましくは99.9%以上の材料を用いることにより、不可避不純物を極力低減できる。溶解は、鉄の融点より高ければ特に制限はないが、例示的には、1600℃以上1800℃以下の温度範囲で行われる。この際、雰囲気に特に制限はないが、例えば大気、不活性ガス、真空などが挙げられる。
原料は、好ましくは、選択したMについて、上述のパラメータXを満たすように調製され、さらに好ましくは、上述したMの含有量を満たすように調製される。必要に応じて、原料はCr、Siなどを含有してもよい。この場合も上述の含有量を満たすように調製される。
ステップS120:ステップS110で得られた鋳物を鍛造および圧延処理する。鍛造および圧延処理は、例示的には900℃〜1100℃の温度範囲で行われる。
ステップS130:ステップS120で得られた鋳物を溶体化処理する。以上のステップS110〜S130によって、本発明の非ステンレス鋼材料が得られる。溶体化処理は、1000℃以上1200℃以下の温度範囲で行われる。詳細には、1000℃以上1200℃以下の温度範囲で10分以上3時間以下の間熱処理し、その後水冷等の焼入れをすればよい。熱処理の雰囲気は、特に制限はないが、例えば大気、不活性ガス、真空などが挙げられる。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[実施例1]
実施例1では、Mとして少なくともMn(約33wt%)を含有するオーステナイト相中にC(炭素)を0.55wt%固溶させた非ステンレス鋼材料を製造した。Fe(67wt%)とMn(33wt%)との合金の状態図(図1)中に実施例1の非ステンレス鋼材料を示す。
原料として、純鉄(純度99.9%以上)、純マンガン(純度99.9%以上)および固体炭素(純度99%以上)を、表1に示すように秤量した。まず、純鉄を高周波真空溶解炉で1600℃に加熱して溶解し、炭素を用いて脱酸した。次いで、これに固体炭素、純マンガンを添加し、溶融し、鋳型に入れ、鋳造した。鋳物を1000℃で加熱し、鍛造および圧延処理により2m×2cm×4cmの試料を得た。鍛造および圧延処理した試料を、大気中、1000℃で1時間溶体化処理し、水冷した。
水冷後の試料を、1.25cm×0.75cm×0.5cmにカットし、X線回折を用いて結晶構造解析を行った。結果を図2に示す。この試料の表面を、SiC研磨紙で湿式研磨し、表面の汚染を除去した。除去後の試料中の炭素および硫黄ついて、高周波燃焼・赤外線吸収装置を用いて、ガス分析を行った。さらに、この試料0.5gを酸溶液(塩酸−硝酸の混酸)に溶解させ、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を行った。これらの結果を表2に示す。
水冷後の試料を、2.5cm×1.5cm×0.5cmにカットし、光学顕微鏡により観察した。観察用の試料の表面はSiC研磨紙で湿式研磨され、その後、ダイヤモンドペーストにより鏡面研磨された。結果を図3に示す。
耐食性を評価するため、腐食環境中での試料の溶解速度を調べた。具体的には、pH12に調整された0.1M NaSO水溶液中で、鏡面研磨後の試料のアノード分極曲線を測定した。また、pH10の緩衝液(0.1M NaSOを添加した0.05M Na−NaOH)中における試料のアノード分極曲線を測定した。測定には、ポテンショスタットを用いた。なお、測定に用いた試料は1cm四方をむき出しとし、それ以外を絶縁体で覆った。参照電極にはAg/AgCl(飽和KCl溶液)を用いた。結果を図8〜図10に示す。
[実施例2]
実施例2では、C(炭素)を0.83wt%固溶させた以外は、実施例1と同様の手順で非ステンレス鋼材料を製造した。実施例2の非ステンレス鋼材料の製造に用いた原料は表1に示すように秤量された。Fe(67wt%)とMn(33wt%)との合金の状態図(図1)中に実施例2の非ステンレス鋼材料を示す。得られた試料について、XRDによる結晶構造解析、および、ガス分析およびICP発光分析による組成分析を行い、光学顕微鏡により表面観察をし、アノード分極曲線を測定した。結果を図2、図4、図8〜図10および表2に示す。
[実施例3]
実施例3では、C(炭素)を0.83wt%固溶させた以外は、実施例1と同様の手順で非ステンレス鋼材料を製造した。実施例3の非ステンレス鋼材料の製造に用いた原料は表1に示すように秤量された。Fe(67wt%)とMn(33wt%)との合金の状態図(図1)中に実施例3の非ステンレス鋼材料を示す。得られた試料について、XRDによる結晶構造解析、および、ガス分析およびICP発光分析による組成分析を行い、光学顕微鏡により表面観察をし、アノード分極曲線を測定した。結果を図2、図5、図8〜図10および表2に示す。
[比較例4]
比較例4では、原料に固体炭素を用いない以外は実施例1と同様の手順で非ステンレス鋼材料を製造した。比較例4の非ステンレス鋼材料の製造に用いた原料は表1に示すように秤量された。Fe(67wt%)とMn(33wt%)との合金の状態図(図1)中に比較例4の非ステンレス鋼材料を示す。得られた試料について、XRDによる結晶構造解析、および、ガス分析およびICP発光分析による組成分析を行い、光学顕微鏡により表面観察をし、アノード分極曲線を測定した。結果を図2、図6、図8〜図10および表2に示す。
[比較例5]
実施例3では、C(炭素)を0.29wt%固溶させた以外は、実施例1と同様の手順で非ステンレス鋼材料を製造した。比較例5の非ステンレス鋼材料の製造に用いた原料は表1に示すように秤量された。Fe(67wt%)とMn(33wt%)との合金の状態図(図1)中に比較例5の非ステンレス鋼材料を示す。得られた試料について、XRDによる結晶構造解析、および、ガス分析およびICP発光分析による組成分析を行い、光学顕微鏡により表面観察をし、アノード分極曲線を測定した。結果を図2、図7〜図10および表2に示す。
表1に実施例/比較例1〜5で製造した非ステンレス鋼材料の原料の混合の一覧を示す。
図1は、Fe(67wt%)およびMn(33wt%)の合金とC(炭素)との状態図における実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料を示す図である。
図1によれば、Fe(67wt%)とMn(33wt%)との合金であれば、炭素は、オーステナイト相であるfcc構造中に固溶し、その固溶量は最大で2.5wt%であることが分かった。特に、1000℃以上1200℃以下の範囲で溶体化処理を行う場合には、炭素を1.5wt%以下にすることが好ましい。なお、Mnの含有量を変化させるか、あるいは、オーステナイト相となるMとして他の元素を用いるかすれば、炭素は、状態図上、最大で5.0wt%固溶させることができることを確認した。
図2は、実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料のXRDパターンを示す図である。
図2によれば、実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料は、いずれも、2θが42°〜43°および50°〜51°に明瞭なピークを有した。これらのピークは、それぞれ、オーステナイト相のγ(111)およびγ(200)に相当した。中でも、実施例1〜3および比較例5による非ステンレス鋼材料は、これ以外のピークを示さなかったことから、オーステナイト単相であることが確認された。
また、実施例1〜3および比較例5による非ステンレス鋼材料のγ(111)およびγ(200)のピーク位置に着目すると、炭素の固溶量の増大にともなって、ピーク位置が低角側にシフトし、格子定数が増大した。このことから、格子定数の増大は、炭素が合金の格子間に固溶していることを示す。
一方、比較例4による非ステンレス鋼材料は、2θが44°、47°近傍にさらなる明瞭なピークを有し、これらはいずれもFeの(410)、(330)に一致した。これは、比較例4による非ステンレス鋼材料の耐食性が低く、表面が腐食し、腐食生成物としてFeを生成したことによる。
表2は、実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料の組成比およびパラメータXの一覧を示す。
表2によれば、本発明の製造方法によれば、実質的に仕込み組成が反映された組成を有する非ステンレス鋼材料が得られることが分かった。なお、比較例4では、原料に固体炭素を用いなかったが、得られた非ステンレス鋼材料は炭素を有した。実施例/比較例1〜5のいずれの非ステンレス鋼材料も、Si、P、SおよびCuを含有した。これらは、原料中に微量に存在する炭素や不可避不純物に起因する。
図3は、実施例1による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図である。
図4は、実施例2による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図である。
図5は、実施例3による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図である。
図6は、比較例4による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図である。
図7は、比較例5による非ステンレス鋼材料の光学顕微鏡写真を示す図である。
図3〜図5によれば、わずかながら黒い点状の介在物がみられるが、全体にわたって均質な表面を有しており、腐食による外観の変化は見られなかった。一方、図6および図7によれば、図3〜図5のそれと比較して、黒い点状の介在物に加え、斑点状の腐食による外観の変化が見られた。このことから、少なくともFeとMnとを含有するオーステナイト相の合金に、炭素が0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で固溶した非ステンレス鋼材料は、耐食性が向上することが示唆される。
さらに表2の組成から、パラメータXが26以上60以下の範囲を満たすオーステナイト相からなる非ステンレス鋼材料が耐食性を有しており、中でも、FeとMnとを含有するオーステナイト相からなる非ステンレス鋼材料においては以下の組成を満たすことが耐食性の向上に望ましいことが示された。
C:0.5wt%以上1.5wt%以下、
Cr:0wt%以上0.01wt%以下、
Mn:28wt%以上35wt%以下、
Si:0wt%以上0.05wt%以下、
残部Fe、および、
不可避不純物(例えば、P、S)を含有する。
図8は、実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料を用いて、pH12のNaSO水溶液中で測定したアノード分極曲線を示す図である。
図8によれば、腐食環境下であるpH12に調整した0.1M NaSO水溶液中では、実施例1〜3による非ステンレス鋼材料は、0〜0.5Vにおける電流密度が2×10−1A・m−2となり、不働態化(金属が溶けにくい状態)を示したが、比較例4〜5による非ステンレス鋼材料は、不働態化の挙動を示さなかった。すなわち、比較例4〜5による非ステンレス鋼材料のアノード分極曲線は、電位に対して電流密度が増加し、活性溶解(金属が活性に溶解する状態、腐食する状態)を示した。
図9は、実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料を用いて、pH10の緩衝液中で測定したアノード分極曲線を示す図である。
図8を参照して説明した0.1M NaSO水溶液中では、材料表面の例えば介在物や傷などを起点として溶解が起こった場合、その溶解により生成された金属イオン、例えばFe2+イオンが加水分解することで、金属表面近傍の水溶液のpHが局部的に低下し、溶解反応がさらに進むことがある。そこで、緩衝液中で測定を行うことにより、金属表面近傍の水溶液のpHの低下を避け、金属材料の溶解速度の比較を行うことができる。例えば、図9において、実施例/比較例1〜5による非ステンレス鋼材料の0.2Vにおける電流密度に着目する。電流密度は、比較例5、比較例4、実施例1、実施例2、実施例3の順に小さくなり、この順で溶解速度が小さくなることを示した。すなわち、この順で溶解速度が抑制され、耐食性が向上していることを示す。
図10は、図8および図9に基づく溶解速度の炭素固溶量依存性を示す図である。
図10には、図8および図9における0.3Vの電流密度が、炭素固溶量に対してプロットされている。図10によれば、腐食環境下(pH12)および緩衝液中(pH10)それぞれにおける溶解速度を抑制するためには、炭素の固溶量の下限は、電流密度がそれぞれ0.05A・m−2および0.3A・m−2となる0.5wt%とすることが妥当であることが示された。
図8〜図10から、少なくともFeとMnとを含有するオーステナイト相の合金に、炭素が0.5wt%以上1.5wt%以下の範囲で固溶した非ステンレス鋼材料は、耐食性が確実に向上することが示された。
実施例では、MとしてMnに着目して説明してきたが、MはMnに限定されるものではなく、用途や求められる材料の機能に応じて、Mn以外にNi、Cu、N、および、Coからなる群から適宜選択される。このような選択は当業者であれば適宜なし得る。
本発明の非ステンレス鋼材料は、さらなる表面処理をすることなく、耐食性に優れるため、橋梁など維持管理の遂行が困難な構造物や、陸上移動用車両や船舶のような特に軽量化と溶接性・強度を両立させた構造材料に好適である。また、本発明の非ステンレス鋼材料は、腐食環境下で使用される海洋構造物や海中構造物に適用される。

Claims (14)

  1. オーステナイト相からなる非ステンレス鋼材料であって、
    前記オーステナイト相は、少なくともFeおよびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有する合金であり、
    C(炭素)は、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で前記合金の格子間に固溶している、非ステンレス鋼材料。
  2. 前記C(炭素)は、0.5wt%以上2.5wt%以下の範囲で固溶している、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  3. 前記C(炭素)は、0.5wt%以上1.5wt%以下の範囲で固溶している、請求項2に記載の非ステンレス鋼材料。
  4. 次式で表されるパラメータXは、26以上60以下の範囲を満たす、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
    X=0.5×aMn+bNi+5×cCu+30×d+eCo+30×f
    ここで、式中のaMn、bNi、cCu、d、eCoおよびfは、それぞれ、Mn、Ni、Cu、N、CoおよびCの含有量(wt%)の値である。
  5. 前記パラメータXは、32以上50以下の範囲を満たす、請求項4に記載の非ステンレス鋼材料。
  6. 前記Mは、少なくともMnを含み、
    C:0.5wt%以上5.0wt%以下、
    Cr:0wt%以上10.5wt%未満、
    Mn:11wt%以上40wt%以下、
    Si:0wt%以上0.35wt%以下、
    残部Fe、および、
    不可避不純物を含有する、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  7. 前記Mは、Mnであり、
    C:0.5wt%以上1.5wt%以下、
    Cr:0wt%以上0.01wt%以下、
    Mn:28wt%以上35wt%以下、
    Si:0wt%以上0.05wt%以下、
    残部Fe、および、
    不可避不純物を含有する、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  8. 前記Mは、少なくともNiを含み、
    C:0.5wt%以上5.0wt%以下、
    Cr:0wt%以上10.5wt%未満、
    Ni:5.5wt%以上15wt%以下、
    Si:0wt%以上0.35wt%以下、
    残部Fe、および、
    不可避不純物を含有する、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  9. 前記Mは、少なくともCoを含み、
    C:0.5wt%以上5.0wt%以下、
    Cr:0wt%以上10.5wt%未満、
    Co:5.5wt%以上15wt%以下、
    Si:0wt%以上0.35wt%以下、
    残部Fe、および、
    不可避不純物を含有する、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  10. 前記Mは、少なくともNを含み、
    C:0.5wt%以上5.0wt%以下、
    Cr:0wt%以上10.5wt%未満、
    N:0.01wt%以上2.0wt%以下、
    Si:0wt%以上0.35wt%以下、
    残部Fe、および、
    不可避不純物を含有する、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  11. 前記Mは、少なくともCuを含み、
    C:0.5wt%以上5.0wt%以下、
    Cr:0wt%以上10.5wt%未満、
    Cu:0.1wt%以上5.0wt%以下、
    Si:0wt%以上0.35wt%以下、
    残部Fe、および、
    不可避不純物を含有する、請求項1に記載の非ステンレス鋼材料。
  12. 請求項1〜11に記載の非ステンレス鋼材料を製造する方法であって、
    少なくとも、Fe、C(炭素)およびM(Mは、Mn、Ni、Cu、N、および、Coからなる群から少なくとも1種選択される元素である)を含有し、前記Cは、0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲を満たす、原料を溶解し、鋳造するステップと、
    前記鋳造するステップによって得られた鋳物を鍛造および圧延処理するステップと、
    前記鍛造および圧延処理された鋳物を溶体化処理する、方法。
  13. 前記溶体化処理は、1000℃以上1200℃以下の温度範囲で行う、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の非ステンレス鋼材料を用いた陸上移動用車両、船舶、海洋構造物、海中構造物、または、鋼製橋梁構造物。
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