JP2018145267A - 動力伝達用樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温での物性に優れ、さらに優れた耐摩耗性や相手材の焼きを大幅に改良した動力伝達用樹脂組成物およびその製造方法を提供すること。【解決手段】 熱可塑性樹脂、炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を含有し、炭素繊維の熱伝導率が100〜1500W/m・K、芳香族ポリアミド繊維の繊維長が0.5〜5.0mmの範囲である動力伝達用樹脂組成物。さらには、樹脂組成物全体100重量部に対し、炭素繊維を5〜30重量部、芳香族ポリアミド繊維を1〜20重量部含有することや、炭素繊維のL/D(アスペクト比)が、10〜50であること、炭素繊維がピッチ系炭素繊維であることが好ましい。そしてもう一つの本発明の動力伝達用樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂、熱伝導率が100〜1500W/m・Kの炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を溶融混練する製造方法であり、その後成形する成形品の製造方法である。【選択図】 なし
Description
本発明は部品同士が接触した場合にも、相手材を傷つけることが少なく、動力伝達用の部品等に用いることが最適である繊維強化された動力伝達用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、低温から高温までの幅広い範囲で使用することができ、特に摺動部材に用いることに適した動力伝達用樹脂組成物に関すものである。
樹脂組成物は加工性に優れ、特に繊維補強された樹脂組成物は軽量性・高度な機械物性・易加工性・耐食性などの優れた特長を有するため、自動車部材など様々な用途において、動力伝達用の部材として利用され始めている。例えば特許文献1や特許文献2では、熱可塑性樹脂を、炭素繊維と有機繊維で補強した繊維強化樹脂成形品が挙げられている。
しかしながら、従来用いられてきた金属部品に対し、繊維強化樹脂からなる成形品は、耐熱性に劣るという問題があった。
しかしながら、従来用いられてきた金属部品に対し、繊維強化樹脂からなる成形品は、耐熱性に劣るという問題があった。
本発明の目的は、高温での物性に優れ、さらに優れた耐摩耗性や相手材の焼きを大幅に改良した動力伝達用樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明の動力伝達用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を含有し、炭素繊維の熱伝導率が100〜1500W/m・K、芳香族ポリアミド繊維の繊維長が0.5〜5.0mmの範囲であることを特徴とする。
さらには、樹脂組成物全体100重量部に対し、炭素繊維を5〜30重量部、芳香族ポリアミド繊維を1〜20重量部含有することや、炭素繊維のL/D(アスペクト比)が、10〜50であること、炭素繊維がピッチ系炭素繊維であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂の融点が200〜300℃であることや、熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であることが好ましい。
そしてもう一つの本発明の成形品は、上記発明の動力伝達用樹脂組成物からなるものである。
そしてもう一つの本発明の成形品は、上記発明の動力伝達用樹脂組成物からなるものである。
また、本発明の動力伝達用樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂、熱伝導率が100〜1500W/m・Kの炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を溶融混練することを特徴とし、本発明の成形品の製造方法は、熱可塑性樹脂、熱伝導率が100〜1500W/m・Kの炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を溶融混練し、その後成形することを特徴とする。
本発明によれば、高温での物性に優れ、さらに優れた耐摩耗性や相手材の焼きを大幅に改良した耐熱性動力伝達用樹脂組成物およびその製造方法が提供される。
本発明の動力伝達用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を含有するものであり、その樹脂組成物中に存在する炭素繊維の熱伝導率が100〜1500W/m・K、芳香族ポリアミド繊維の繊維長が0.5〜5.0mmの範囲である樹脂組成物である。
本発明の耐熱性樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂としては特に制限はないが、例えばポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリールスルホン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイドスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いることもできる。これらの中でも、低温から高温までの幅広い範囲で使用できる耐熱性の観点から、ポリアミド系樹脂やポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)が特に好ましい。
さらには本発明で用いる熱可塑性樹脂の融点としては、200〜300℃であることが好ましく、特には220〜260℃の範囲であることが好ましい。もっとも、融点が高いほど得られる繊維強化樹脂の耐熱性を高めることができるものの、高すぎると加工性は低下する傾向にある。このような耐熱性と加工性のバランスからは先に述べたポリアミド系樹脂が特に有用である。
ポリアミド系樹脂のさらに具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、ナイロン6、ナイロン66がより好ましい。
さて本発明の動力伝達用樹脂組成物は、上記のような熱可塑性樹脂に加え炭素繊維を含有し、その炭素繊維の熱伝導率が100〜1500W/m・Kの範囲であることが必要である。さらには、その炭素繊維の熱伝導率としては、300〜1000W/m・Kの範囲がより好ましい。特には500W/mK以上の熱伝導率であることが好ましい。100W/m・K未満では、動力伝達用の部材に用いた際に、摺動面で発生した摩擦熱の放熱性が低く、相手材の焼け低減が困難となる。一方、1500W/m・Kを超えると、摺動部材としての耐衝撃性が低くなる。
なお炭素繊維としては、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系(レーヨン系)炭素繊維、気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維などが挙げられるが、これらの中では、熱伝導性の高いピッチ系炭素繊維や黒鉛化繊維が好ましく用いられる。より具体的には、黒鉛炭素短繊維としては、異方性ピッチを出発原料とし、2300℃以上、より好ましくは2700℃以上、最も好ましくは3000℃で黒鉛化焼結されたピッチ系炭素短繊維(例えば帝人株式会社製「ラヒーマ(登録商標)」等)が好ましく例示される。
炭素繊維の平均繊維径は特に限定されないが、成形品の力学特性と表面外観の観点から、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。
炭素繊維の繊維長は0.1〜0.3mmでの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.25mmの範囲である。炭素繊維の繊維長が短すぎる場合には、得られる繊維強化樹脂の曲げ弾性が低下する傾向にあり、長すぎると相手材の傷つけ性が低下する傾向にある。これは、樹脂中に存在する単位体積あたりの炭素繊維の本数が少なくなるため、樹脂リッチな部分が多くなり、そのために相手材との接触時に、炭素繊維側に応力が集中しやすくなるためであると推測される。また炭素繊維のL/D{アスペクト比=繊維長さ(L)/繊維径(D)}は、10〜50であることが好ましく、20〜40であることがより好ましい。
特に、炭素繊維の繊維長が0.1〜0.3mm、かつ、そのL/Dが10〜50にある条件において、マトリックス樹脂の単位体積あたりの炭素繊維の本数が多くなるため、局所的に応力を受けるような場合においても、機械特性が向上する。また、炭素繊維は汎用的な補強用繊維である有機繊維に比べて耐熱性が高く、有機繊維と併用することで、低温から高温までの幅広い範囲での物性を向上させることが可能となった。特に本発明で用いる炭素繊維の熱伝導率は100〜1500W/m・Kと高く、動力伝達用部材の表面において摩擦等によって生じた熱を、速やかに拡散させることができるので、熱による変形(へたり)も少なくなり、耐熱性に優れた部材となる。特に動力伝達用部材は、基本的には対にして利用されるのであるが、本発明の樹脂組成物を用いることにより、80℃以上の高温雰囲気下で長時間使用しても、相手部材の焼けを効率的に防止することができるようになった。
そして本発明の動力伝達用樹脂組成物に用いられる芳香族ポリアミド繊維としては、主骨格を構成する芳香環がアミド結合により結合されてなるものである。ここで繊維となる芳香族基は同一または相異なる芳香族基からなるものでも構わない。また、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基で置換されていても良い(以下「芳香族ポリアミド繊維」を「アラミド繊維」ということがある。)。
特に好ましい芳香族ポリアミド繊維としては、ポリアミドを構成する繰返し単位の80モル%以上好ましくは90モル%以上が、芳香族コポリアミドからなる繊維である。さらに芳香族ポリアミド繊維としては、芳香環がパラの位置に結合されたパラ系芳香族ポリアミド繊維と、芳香環がメタの位置に結合されたメタ系芳香族ポリアミド繊維があり、本発明ではどちらも用いられるものの、強度に優れたパラ系芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。そして特には、芳香族ポリアミド繊維としては、共重合芳香族ポリアミド繊維として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミド繊維であることが好ましい。共重合芳香族ポリアミド繊維を用いることにより、耐衝撃性をより向上させることが可能となる。コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維として、例えば、帝人株式会社製、「テクノーラ」が例示される。
本発明で用いられるポリアミド繊維の繊維長は、0.5〜5.0mmであることが必要であるが、さらには1.0〜3.0mmであることが好ましい。繊維長が短すぎると樹脂組成物の耐衝撃性が低下する傾向にあり、逆に繊維長が長すぎると、樹脂組成物の破断時の断面積あたりのポリアミド繊維の本数が少なくなるため、やはり耐衝撃性が低下する傾向にある。
ポリアミド繊維の単繊維繊度は、0.1〜5.5dtex、好ましくは0.3dtex〜2.5dtexの範囲である。細すぎると製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して生産することが困難になるだけでなく、コストも高くなるため好ましくない。一方、逆に繊度が大きすぎても、繊維の機械的物性、特に強度低下が大きくなり、かつ繊維強化樹脂成形体とした時に、成形体中に均一に繊維を分散させることが困難となるため好ましくない。
本発明で用いる芳香族ポリアミド繊維は、もう一つの繊維成分である炭素繊維に比べて剛性が低いため、部材として用いた際に相手材への攻撃性を少なくすることが可能となる。
本発明の動力伝達用樹脂組成物における繊維強化樹脂全体に対する繊維含有率は、繊維(アラミド繊維、炭素繊維)と樹脂(熱可塑性樹脂)の合計100重量部に対して、アラミド繊維を1〜20重量部、炭素繊維を5〜30重量部含むことが好ましく、アラミド繊維を5〜15重量部、炭素繊維を10〜20重量部含むことがより好ましい。アラミド繊維の含有量が少なすぎると、十分な耐衝撃性を得ることができず、逆に多すぎると、繊維、特に繊維長の長いアラミド繊維を、樹脂中に均一に分散させることが困難になる。一方、炭素繊維が少なすぎると十分な曲げ特性を得ることができず、多すぎると相手材を傷つけやすくなる。
さらに本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂、炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維に加えて、それ以外の他の成分を含有してもよい。他の成分の例としては、炭素繊維以外の無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、あるいは、カップリング剤などが挙げられる。
そしてこのような本発明の動力伝達用樹脂組成物はもう一つの本発明である動力伝達用樹脂組成物の製造方法として、非連続繊維にカットした熱伝導率が100〜1500W/m・Kの炭素繊維及びポリアミド繊維を、熱可塑性樹脂と溶融混練して製造することが可能である。各繊維をカットファイバー(短繊維)の形状として用いることにより、炭素繊維と有機繊維(アラミド繊維)という異質な材料を、樹脂と共に同時に加工することが可能となった。
混練加工時の繊維の形態は、混練工程にて繊維長が短くなることから、炭素繊維の繊維長としては20〜100mmの範囲であることが、アラミド繊維の繊維長は10〜60mmの範囲であることが好ましい。
カットの方法としては、繊維の切断が可能ないずれのカッターを用いても良いが、具体的にはロータリーカッター、ギロチンカッター等を用いてカットすることが好ましい。
その後引き続き繊維(カットファイバー)と熱可塑性樹脂を混練することにより、製造時の取扱性が良好で、成形体中で繊維が均一に分散・配置され、機械的強度にも優れた樹脂組成物を得ることができる。また混練工程後のこの繊維含有樹脂組成物を、溶融押出成形してペレット状に加工することも好ましい。
さらに本発明の耐熱性樹脂組成物は、繊維を含有する本発明の樹脂組成物を溶融し、成形して成形品を得ることが可能である。さらに成形方法としてはペレット状などの繊維含有樹脂組成物を直接プレス成形等を行っても良いが、再溶融して射出成形することが特に好ましい。
このようにして得られる本発明の成形品は、高温時の耐摩耗性や相手材の焼きを相手材への傷つけ性を大幅に改良し、耐衝撃性と共に摺動性に優れ、特に動力伝達用の樹脂部品として好ましく用いることができる。
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。しかしながら本発明はこれによって限定されるものではない。なお、以下の実施例における評価および特性値は、以下の測定法により求めた。
(1)繊維含有率
得られた繊維含有樹脂1.0gを蟻酸(88%)に入れて、常温で24時間以上放置して、樹脂成分を溶解させた。これを濾過し、ギ酸を水洗し、乾燥して繊維含有率測定用の残渣とした。
得られた繊維含有樹脂1.0gを蟻酸(88%)に入れて、常温で24時間以上放置して、樹脂成分を溶解させた。これを濾過し、ギ酸を水洗し、乾燥して繊維含有率測定用の残渣とした。
まず重量を測定し、その残渣を、500℃で2時間加熱して、有機繊維を灰化除去し、無機繊維のみの重量を測定した。有機繊維の重量は、濾過後の残渣から無機繊維の重量を引くことで求めた。
(2)繊維長
上記(1)で得られた濾過後の繊維含有率測定用の残渣について、その残渣をシャーレに入れて、エタノールを加えて超音波で分散後、有機繊維と、無機繊維の繊維長を、キーエンス社製光学顕微鏡(DEGITAL MICROSCOPE VHX−1000)を用いて、各々400本測定して、各繊維長の平均を求めた。
上記(1)で得られた濾過後の繊維含有率測定用の残渣について、その残渣をシャーレに入れて、エタノールを加えて超音波で分散後、有機繊維と、無機繊維の繊維長を、キーエンス社製光学顕微鏡(DEGITAL MICROSCOPE VHX−1000)を用いて、各々400本測定して、各繊維長の平均を求めた。
(3)無機繊維のL/D
上記(2)で得られた繊維長を、無機繊維(炭素繊維)の直径で割って、L/D(=繊維長/直径)を求めた。
上記(2)で得られた繊維長を、無機繊維(炭素繊維)の直径で割って、L/D(=繊維長/直径)を求めた。
(4)衝撃強度
JIS K 7171に準拠した、厚さ2mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を作製した。この試験片を用いて、ISO 179にしたがって、シャルピー衝撃強度の測定を行った。
JIS K 7171に準拠した、厚さ2mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を作製した。この試験片を用いて、ISO 179にしたがって、シャルピー衝撃強度の測定を行った。
(5)摺動面の状態
スラストシリンダー式摩耗試験法で実施した。得られた樹脂組成物から作製した試験片と、アルミ製筒とを、接触面圧:9.8MPa、滑り速度:0.35m/s、試験時間:60minの条件にてこすり合わせ、アルミ製筒の摺動面の温度を計測した。摺動面の実温が80℃未満を良好、80℃以上を不良と評価した。
スラストシリンダー式摩耗試験法で実施した。得られた樹脂組成物から作製した試験片と、アルミ製筒とを、接触面圧:9.8MPa、滑り速度:0.35m/s、試験時間:60minの条件にてこすり合わせ、アルミ製筒の摺動面の温度を計測した。摺動面の実温が80℃未満を良好、80℃以上を不良と評価した。
[実施例1]
芳香族ポリアミド繊維として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(共重合パラ系ポリアミド繊維、帝人株式会社製「テクノーラT−200H」、繊維径12μm、繊度1,670dtex、繊維本数1000本)を、3本合わせてS方向に35回/mの撚りを加えた。次いで、ポリウレタン樹脂(DIC株式会社製「ボンディック8510」)をイオン交換水で固形分濃度20重量%に希釈した液に、この撚りコードを連続浸漬させて、温度150℃の乾燥機に1分間通し、処理剤付着量を13重量%の芳香族ポリアミド繊維を得た。次いで、このアラミド繊維を、ギロチンカッターで3mm長にカットし、共重合芳香族ポリアミド繊維短繊維を得た。
芳香族ポリアミド繊維として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(共重合パラ系ポリアミド繊維、帝人株式会社製「テクノーラT−200H」、繊維径12μm、繊度1,670dtex、繊維本数1000本)を、3本合わせてS方向に35回/mの撚りを加えた。次いで、ポリウレタン樹脂(DIC株式会社製「ボンディック8510」)をイオン交換水で固形分濃度20重量%に希釈した液に、この撚りコードを連続浸漬させて、温度150℃の乾燥機に1分間通し、処理剤付着量を13重量%の芳香族ポリアミド繊維を得た。次いで、このアラミド繊維を、ギロチンカッターで3mm長にカットし、共重合芳香族ポリアミド繊維短繊維を得た。
一方、炭素繊維として、ピッチ系炭素繊維として、帝人株式会社製ラヒーマ(繊維径8μm、長さ0.2mm、熱伝導率600W/m・K)を、熱可塑性樹脂としてポリアミド66樹脂(融点265℃)を用意した。
次いで、ポリアミド樹脂66を80.0重量部を二軸押出機の供給口に供給し、サイドフィーダーより芳香族ポリアミド繊維10重量部と炭素繊維10重量部を供給し、溶融混練をおこなった。押出機のシリンダー温度は280〜300℃、スクリュー回転数は300rpm、吐出量は35kg/時間であった。
次いで、溶融樹脂組成物をダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得て、動力伝達用の樹脂組成物とした。
得られたペレット(樹脂組成物)を用いて、射出成形機を用いて成形品(摺動部材)を作製して、この成形品の繊維含有率、繊維長、L/D、を求めた。また、衝撃強度、摺動面の状態を評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
芳香族ポリアミド線を、メタ系のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」、3mm)に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
芳香族ポリアミド線を、メタ系のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」、3mm)に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
炭素繊維を用いずに、芳香族ポリアミド繊維:熱可塑性樹脂=20:80の組成(重量部)とする以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
炭素繊維を用いずに、芳香族ポリアミド繊維:熱可塑性樹脂=20:80の組成(重量部)とする以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
炭素繊維として、熱伝導率が10W/m・Kの炭素繊維チョップドストランド(東邦テナックス株式会社製「テナックス(HT C605)」、繊維長6mm、繊維径7μm)を用いて、実施例1と同様にして成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
炭素繊維として、熱伝導率が10W/m・Kの炭素繊維チョップドストランド(東邦テナックス株式会社製「テナックス(HT C605)」、繊維長6mm、繊維径7μm)を用いて、実施例1と同様にして成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂、炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を含有し、炭素繊維の熱伝導率が100〜1500W/m・K、芳香族ポリアミド繊維の繊維長が0.5〜5.0mmの範囲であることを特徴とする動力伝達用樹脂組成物。
- 樹脂組成物全体100重量部に対し、炭素繊維を5〜30重量部、芳香族ポリアミド繊維を1〜20重量部含有する請求項1記載の動力伝達用樹脂組成物。
- 炭素繊維のL/D(アスペクト比)が、10〜50である請求項1または2に記載の耐熱性樹脂組成物。
- 炭素繊維がピッチ系炭素繊維である請求項1〜3のいずれか1項記載の動力伝達用樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂の融点が200〜300℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の動力伝達用樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の動力伝達用樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の動力伝達用樹脂組成物からなる成形品。
- 熱可塑性樹脂、熱伝導率が100〜1500W/m・Kの炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を溶融混練することを特徴とする動力伝達用樹脂組成物の製造方法。
- 熱可塑性樹脂、熱伝導率が100〜1500W/m・Kの炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維を溶融混練し、その後成形することを特徴とする成形品の製造方法。
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