JP2018144488A - 刺激応答性の高性能ポリマーを使った積層造形法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形または3Dプリントを使ってポリマーでできた三次元物品を製造する。【解決手段】本発明は、成形または3Dプリントを使ってポリマーでできた三次元物品を製造するための高性能ポリマー(HPP)組成物、方法、プロセスおよびシステムを提供する。HPP組成物は溶媒に溶解した第一のHPPと、特定の粒径をもつ固体として存在する第二のHPPとを含む。【選択図】図1

Description

関連出願への相互参照
本願は2016年5月13日に出願された「高性能ポリマーを用いた室温での積層造形法に向けて」と題する米国仮出願第62/336,510号の利益を主張するものである。同出願の内容はここに参照によってその全体において組み込まれる。
技術分野
本発明は、高性能ポリマーの組成物ならびに該組成物を使って三次元物品を作り出すための方法および装置に関する。
三次元(3D)プリントとは、デジタル3Dオブジェクト・モデルおよび材料ディスペンサーに基づいて3Dオブジェクトを創出するプロセスを指す。3Dプリントにおいて、ディスペンサーは、少なくとも二次元的に動いて、所定のプリント・パターンに従って材料を分注する。3Dオブジェクトを構築するために、プリントされるオブジェクトを保持するプラットフォームが調節され、それによりディスペンサーは多層の材料を塗布することができ、一度に一層ずつ多層の材料をプリントすることで、3Dオブジェクトをプリントできる。
従来の既知の3Dプリント・プロセスは、UVインクジェット・プロセスである。これは、材料を塗布し、UV硬化性液をプリントし、最後にUV源を使用して硬化させる、三段階プロセスである。これらのステップは、一層ずつ繰り返される。特許文献1および特許文献2に開示される従来の3Dプリントにおいては、一般に、インクジェット型のプリント・ヘッドが、液状またはコロイド状結合材料を、粉末化された構築材料の層に送達する。このプリント手法は、典型的にはローラーを使用して、粉末化された構築材料の層を表面に塗布することを含む。構築材料が表面に塗布された後、プリント・ヘッドは、材料の層の所定のエリアに液状結合剤〔バインダー〕を送達する。結合剤は、材料にしみ込み、粉末と反応し、例えば粉末中の接着剤を活性化することにより、プリントされたエリアにおいて層を固化させる。結合剤はまた、下にある層中にも浸透して、層間結合を生成する。第一の断面部分が形成された後、その前の諸ステップを繰り返して、最終オブジェクトが形成されるまで相続く断面部分を構築していく。
最も古く、最もよく知られているレーザー系3Dプリント・プロセスは、ステレオリソグラフィー(SLA)である。このプロセスにおいては、放射線硬化性ポリマーの液体組成物を、レーザーを使用することにより一層ずつ硬化させる。類似のプロセスが、選択的レーザー焼結法(SLS: Selective Laser Sintering)であり、この方法では、熱可塑性樹脂または焼結可能な金属を、レーザーにより選択的に一層ずつ焼結させて、3Dオブジェクトを形成する。
特許文献3は、押出系のデジタル製造システムを使用する、三次元オブジェクトの生産のための熱溶解積層法(FDM: fused deposition modeling)を記載している。また、例えばフューズドフィラメント製作法(FFF: fused filament fabrication)、溶融押出製造法(MEM: melt extrusion manufacturing)または選択的堆積モデリング(SDM: selective deposition modeling)などの、わずかに違うが実質的に同類の他の既知のプロセスも知られている。
FDM法においては、二種の異なるポリマー・フィラメントをノズル中で溶融し、選択的にプリントする。材料の一方は支持材料に関わり、これは、3Dオブジェクトの張り出した部分がその上でプリントされ、その後のプリント手順の間に支持を必要とする位置でのみ必要とされる。その後、支持材料は、たとえば酸、塩基または水中での溶解などにより、除去することができる。他方の材料(構築材料)が実際の3Dオブジェクトを形成する。ここでもまた、プリントは、一般的に一層ずつ達成される。
米国特許第6,375,874号明細書 米国特許第6,416,850号明細書 米国特許第5,121,329号明細書
本発明は、高性能ポリマー(HPP: high performance polymer)のようなポリマーから構成される三次元物品の製造のための組成物、方法、プロセスおよびシステムを提供する。
HPPの組成物が開示される。該組成物は、溶媒に溶解した第一のHPPと、固体としての第二のHPPとを含む。
第一の側面では、三次元物品をプリントする方法が提供される。開示される方法は、溶媒に溶解した第一のHPPと、固体としての第二のHPPとを含む高性能ポリマー(HPP)組成物を堆積させる段階と;前記HPP組成物を刺激にさらして、前記三次元物品のポリマー層を形成する段階と、上記の段階を繰り返して前記三次元物品の残りを製造する段階とを含む。
もう一つの側面では、三次元物品を製造する方法が開示される。本方法は、第一のHPPの粉末を構築プレート上に堆積させて粉末床を形成する段階と、前記粉末床上の選択された諸位置において、溶媒に溶解した第二のHPPを含む溶液をプリントする段階と、プリントされた溶液を刺激にさらして、前記三次元物品のポリマー層を形成する段階と、上記の段階を繰り返して前記三次元物品の残りを製造する段階とを含む。
もう一つの側面では、三次元物品が、溶媒に溶解した第一のHPPと、固体としての第二のHPPとを含む高性能ポリマー(HPP)組成物をプリントし、前記HPP組成物を刺激にさらして、前記三次元物品のポリマー層を形成し、上記の段階を繰り返して前記三次元物品の残りを製造し、前記物品を約1分未満にわたって硬化させるプロセスによって作られる。
本発明のこれらおよび他の側面は、以下の詳細な説明を参照すれば明白となるであろう。
本願において開示される、一層ずつ三次元物品をプリントする方法を示している。図1のAにおいては、ローラー5は、粉末床リザーバ(貯留槽)2から粉末床1へ、粉末としての高性能ポリマー(HPP)を堆積させる。構築プレート3は、必要に応じて上下方向に移動することができる。ヘッド4は、粉末床1上でHPP組成物をプリントする。図1のBは、パターン化された単一層を示している。図1のCにおいては、ローラー5は、粉末床リザーバ2から粉末床1へ、HPPを堆積させる。図1のDは、HPPが新しい粉末床層を形成したところを示しており、このプロセスを繰り返して一層ずつ三次元物品をプリントすることができる。 粉末PEEKおよびBPA-PEEK溶液のペーストの成形によって長方形の3Dプロダクトを用意するための手順を示している。図2のAはペーストを示す。図2のBは、長方形のモールド内に置かれたペーストを示す。図2のCは、モールドから取り出した後の3D直方体プロダクトを示す。図2のDは、硬化させた後の3D直方体プロダクトを示す。 各液浸(soaking)およびベーキング(baking)サイクル後の三次元プロダクトの動力学解析(DMA: dynamic mechanical analysis)を示す図である。図3Aは、E'値が第一の液浸およびベーキング・サイクル後には変化するが、追加的な液浸およびベーキング・サイクル後には変化しないことを示す。 各液浸(soaking)およびベーキング(baking)サイクル後の三次元プロダクトの動力学解析(DMA: dynamic mechanical analysis)を示す図である。図3Bは、液浸およびベーキング・サイクルがガラス転移温度(Tg)を変化させないことを示している。 粉末PEEKおよびBPA-PEEK溶液をプリントするシリンジによって製造されるプロダクトを示している。図4Aは、シリンジ・プリントによって製造された3Dの丸太様の構造を示す。 粉末PEEKおよびBPA-PEEK溶液をプリントするシリンジによって製造されるプロダクトを示している。図4Bは、シリンジ・プリントによって創出された文字「W」を示している。 より小さな粒径のPEEKポリマーを使ってなされた三次元プロダクトの動力学解析(DMA)と、より大きな粒径のPEEKポリマーを使ってなされたものとを示している。 三次元プロダクトの応力‐ひずみプロットである。 PEEK粉末を使って製造され、エポキシPEEKおよび光開始剤の、UV活性化されたフェンコン溶液を用いて結合された3Dプロダクトを示している。
〈I.定義〉
特に断わりのない限り、明細書および特許請求の範囲を含む、本願において使用される以下の用語は、以下に与えられる定義をもつ。明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるところでは、文脈がそうでないことを明確に示すのでない限り、単数形は、複数を指示することを含むことに注意しておく必要がある。
本願において使用されるところでは、「構築プレート」は、例えばガラス、金属、セラミック、プラスチック、ポリマーなどの材料から作られた固体表面を指す。
用語「任意的な」または「任意的に」は、続いて記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、および前記記載には、該事象または状況が起こる場合およびそれが起こらない場合が含まれることを意味する。
上記でも下記でも、本願において引用されるすべての刊行物、特許および特許出願は、ここに参照によってその全体において組み込まれる。
〈II.概観〉
HPPの不溶性の粒子を結合させ、融合させるためにHPP溶液を使うことに基づく、高性能ポリマー(HPP)の、積層造形法(additive manufacturing)のための方法ならびに三次元プリントを使用する、ポリマーでできた物品を製造するための方法が開示される。開示される方法は、より良好な機械的特性、より良好な熱的特性などを有する三次元物品を迅速にプリントできるという利点をもつ。開示される方法は、前記方法が、回路を作製するための導線などのように、三次元物品を別の物品の周囲に構築することが可能であるという点で、当該技術分野の他の方法よりフレキシブルである。さらに、製造された物品は、Kapton(登録商標)ポリマー、ポリケトンポリマー、およびポリエーテルスルホンポリマーなどの最終ポリマーにマッチする分子構造上の特徴および物理的特性を有する。
ある用途においては、可溶性のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーが用意され、トルエン、カルボン(carvone)、THF、スペアミント油、αテルピネン、リモネン、α-ピネン、フェンコン、ベンゼンおよびそれらの組み合わせのような有機溶媒中に溶解されることができる。これらの溶液は、PEEKのようなHPPまたは他の任意のポリマーの不溶性の粒子(10〜50ミクロンの直径)を結合するために使われることができる。結果として得られる混合物は、成形または押し出しされ、その後、焼結されることができるペーストを形成することができる。焼結する前に成形することは、再構成可能でないデザインから鋳造されていたパーツをHPPから生成する手段を提供した。材料押し出しは、材料押し出しプリンターを使って、デジタル式に再構成可能なデザインから3Dオブジェクトを生成する手段を提供した。HPP溶液は、1〜50cPの範囲の粘性をもつよう調合されて、インクジェット印刷を許容することもできる。HPPの溶液は、インクジェット噴射によって不溶性のHPP粉末粒子の床にプリントされることができ、こうして室温での結合剤噴射によって、HPP系のパーツを積層造形することを可能にする。最終的なプリントされたパーツは、最終プロダクトを与えるために、焼結など硬化されることができる。こうして得られた最終プロダクトは、未硬化のボディ・プリントに比べて、増大した機械的強度、張力係数および弾性率をもつ。
〈III.ポリマー〉
三次元の形は、一種または二種以上の材料から作ることができる。ある種の実施形態においては、三次元の形はポリマーを含むことができる。三次元の形を形成するためにいかなる型のポリマーを使用してもよく、ポリマーは、三次元の形が所望の特性を有するように選択されることができる。よって、ポリマーは、ポリイミド、ポリケトン、還元された形態のポリケトン、ポリエーテルスルホンなどでありうる。
ポリケトンポリマー
ある側面では、三次元の形は、ポリケトン、たとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、またはポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)である、最終ポリマーから作られることができる。ポリケトンポリマーがPEEKである場合には、典型的には、以下に示すように、少なくとも一種の芳香族ジヒドロキシ化合物と、少なくとも一種のジハロベンゾイド化合物または少なくとも一種のハロフェノール化合物との、実質的に等モルの混合物を反応させることにより得ることができる。
かかるプロセスにおいて有用な芳香族ジヒドロキシ化合物の非限定的な例は、ヒドロキノン、4,4'-ジヒドロキシビフェニルおよび4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノンである。例示的な好適な芳香族ジヒドロキシ化合物には、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン、たとえばビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2-メチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-1,1-ジメチルプロパン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)プロパン[「ビスフェノールA」]、2-(4'-ヒドロキシフェニル)-2-(3”-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3'-メチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-エチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-n-プロピル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-イソプロピル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-sec-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-シクロヘキシル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-アリル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-メトキシ-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジメチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2',3',5',6'-テトラメチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-クロロ-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジクロロ-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'-ブロモ-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジブロモ-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2',6'-ジブロモ-3',5'-ジメチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)シアノメタン、3,3-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-1-シアノブタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが含まれる。
かかるプロセスにおいて有用なジハロベンゾイド化合物の非限定的な例は、4,4'-ジフルオロベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、4-クロロ-4'-フルオロベンゾフェノンなどであり;かかるプロセスにおいて有用なハロフェノール化合物の非限定的な例は、4-(4-クロロベンゾイル)フェノールおよび(4-フルオロベンゾイル)フェノールである。したがって、PEEKポリマーを、たとえば、米国特許第4,176,222号明細書に記載されるような求核的プロセスにより、または米国特許第6,566,484号明細書に記載されるような出発物質を求電子的に重合することにより、生産することができる。他のポリ(アリールエーテルケトン)を、たとえば、米国特許出願公開第2003/0130476号明細書に記載されているものなどの他のモノマーから出発することにより生産することができる。ポリケトンポリマーが、PAEK、PEK、PEKK、PEEEK、PEEKK、PEKEKK、またはPEKKKである場合には、それらを既知の方法を使用して合成することができる。あるいはまた、商業的に入手可能なPEEK、PAEK、PEK、PEKK、PEEEK、PEEKK、PEKEKKまたはPEKKKポリマーを使用することも同じようにできる。
芳香族ジヒドロキシ化合物は、光開始チオーレン重合に関与することができる、一つまたは複数のアルケン基、一つまたは複数のチオール基、または一つまたは複数のエポキシド基を含むことができる。例示的な構造を下記に示す。
一つまたは複数のアルケン官能基を有するすべての化合物が、本願において提示される教示に関連して好適であることを理解しておくべきである。しかしながら、ポリアルケンまたはアルケン化合物が少なくとも二つのアルケン基を有することが、一般的には好ましい。アルケン基は、アリル、アリルエーテル、ビニルエーテルまたはアクリレートにより提供されうる。たとえば、オレフィン部位は、任意の好適なエチレン的に(ethylenically)不飽和な基、たとえばアリル、アリルエーテル、ビニル、ビニルエーテル、アセチル、アクリレート、メタクリレート、ノルボルネン、または炭素-炭素二重結合を有する他のモノマーあるいはそれらの組み合わせから選択することができる。たとえば、モノマーは、2,2'-ジアリルビスフェノール-A、O,O'-ジアリルビスフェノールA、3,3'-ジアリルビスフェノールA、およびビスフェノールAビスアリルカーボネートでありうる。他のアリル性(allylic)モノマーは、ジアリルフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、およびジアリルジフェネートを含む。
ポリケトンポリマーは、以下に示すように、アルケン基を有する少なくとも一つのモノマー、少なくとも一つの芳香族性ジヒドロキシ化合物および少なくとも一つのジハロベンゾイド化合物または少なくとも一つのハロフェノール化合物の混合物を反応させることにより得ることができる。
これら3つのモノマーを、交互配列に、またはランダムな順序でモノマーのブロックとして配置することができ、いかなる比率でもありうる。好ましくは、ケトンモノマーは、反応混合物の約50%である。よって、反応混合物は、実質的に等モルの、ジヒドロキシ化合物およびジハロベンゾイド化合物の混合物を含みうる。よって、アルケン基を有するモノマーの、芳香族性ジヒドロキシモノマーに対する比は、100:0、95:5、90:10、75:25、50:50、25:75、10:90、5:95、0:100、またはこれらの間のいかなる比率でもありうる。
HPPは、ポリケトンポリマーのケタールでありうる。ここで、カルボニル基(>C=O)の一つまたは複数がジエーテル(>C(OR)2)に変換されていることができ、ここで、各Rは、独立して、アルキル、アルキレン、アルケニレン、アリールまたはこれらの組み合わせであるように選択されうる。ケタールは、カルボニル基を、たとえば、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、またはこれらの組み合わせなどのアルコールと反応させることにより生産できる。ケタールは、非環式、環式、またはスピロ環式ケタールでありうる。HPPはまた、ポリケトンポリマーのチオケタール、ジチオケタール、またはヘミケタールでありうる。ケタール、ヘミケタール、チオケタール、またはジチオケタールは、以下に示すように、ジハロベンゾイド化合物を、アルコールとまたはチオールと反応させることにより得ることができる。
ここで、Xは、酸素または硫黄などのヘテロ原子でありうる。好適な一官能性アルコールの例には、メタノール、エタノール;プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、セチルアルコールおよびステアリルアルコールの、さまざまな直線状のおよび分岐状の異性体;シクロヘキサノール、シクロオクタノール、ノルボルニルアルコールなどのシクロアルキルアルコール;エチニルアルコール、3-メチルペンタ-1-イン-3-オール、テトラデカ-9-イノールなどのアルキニルアルコール;フェノール、ベンジルアルコール、トルオール、キシリルアルコール、5-フェニルペンタノールなどのアリールおよびアルカリールアルコール;さまざまな官能基をもつアルコール、たとえば1,1,1-トリクロロ-2-メチル-2-プロパノール、5-フルオロ-1-ペンタノール、5-アミノ-1-ペンタノール、5-ベンジルオキシ-1-ペンタノール、5-メトキシ-1-ペンタノール、3-ニトロ-2-ペンタノール、4-メチルチオ-1-ブタノール、6-ヒドロキシヘキサン酸、ラクトアミドなどが含まれる。いくつかの実施形態において、ケタールは、ポリオールとカルボニル部位との反応により形成される環状ケタールでありうる。好適なポリオールの例には、1,2-エタンジオール(エチレングリコール)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,2,3-プロパントリオール(グリセロール)、ジグリセロール(第一級および第二級ヒドロキシル部位において結合したグリセロールダイマーの混合物)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール(チオグリセロール)、ジチオトレイトール、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ペンタエリトリトール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、1,4-ジオキサン-2,3-ジオールなどが含まれる。
ポリケトンのケタール、ヘミケタール、チオケタールまたはジチオケタールは、次いで、最終ポリマーが生産される重合反応を行うためのHPPとして使用されることができる。あるいはまた、ポリマーをまず得ることができ、次いで、カルボニル基の少なくとも一つを、ケタール、ヘミケタール、チオケタールまたはジチオケタールに変換して、HPPを提供することができる。
HPPが、PEEKのケタールである場合には、ケトン部位のカルボニル基は、水、酸性溶液、熱、光、塩基触媒作用、触媒的水素化、またはこれらの組み合わせを使用した加水分解により容易に再生されることができる。たとえば、PEEKのケタールは、ブレンステッド酸またはルイス酸系試薬である刺激を使用して、最終ポリケトンポリマーに変換することができる。よって、たとえば、希釈溶液である塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、酢酸、硫酸、アリールスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸一水和物のようなそれらの水和物、リン酸またはオルトリン酸、ポリリン酸、スルファミン酸などが、刺激として使用されることができる。他の実施形態では、用いられる酸触媒は、ルイス酸とも称され、非プロトン性である。かかるルイス酸触媒には、たとえば、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化第二スズなどが含まれうる。いくつかの実施形態においては、二つ以上の型の酸触媒が使用され;よって、上述した酸の一つまたは複数種のブレンドが、反応を触媒する混合物中で使用されてもよい。
ポリケトンポリマーは、三次元物品が高強度を有し、もろくないような分子量を有することができる。ポリケトンは、好ましくは1,000〜400,000の、より好ましくは10,000〜350,000の、なおより好ましくは15,000〜100,000の平均分子量を有する。よって、ポリケトンは、約5,000、7,000、10,000、15,000、17,000、19,000、20,000、22,000、23,000、24,000、25,000などの平均分子量を有しうる。
別の側面においては、ポリケトンは、分子量分布が、約500〜約20,000の範囲、好ましくは約1,000〜約10,000の範囲、またはより好ましくは約3,000〜約7,000の範囲にある、平均分子量(ダルトン単位)を有する。よって、ポリケトンは、約3,000〜約5,000、約10,000〜約13,000、約15,000〜約18,000、約23,000〜約27,000などの分子量分布を有しうる。
ポリケトンHPPは、当該技術分野において知られる熱、光、電気分解、金属触媒または化学的酸化剤といった刺激に曝露することによって、最終ポリケトンポリマーに変換されることができる。光は、紫外光、赤外光、可視光、またはこれらの組み合わせでありうる。光源は、当該技術分野において従来から周知であり、低圧、中圧または高圧水銀ランプ、および金属ハロゲン化物ランプ、キセノンランプ、陰極管、LEDなどを含む。ある実施形態においては、光の適用は、中立的条件下であってもよく、任意的に、触媒、たとえば、ヨウ素、インジウム(III)トリフルオロメタンスルホネートまたはテトラキス(3,5-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ルイス酸触媒などの存在下でありうる。
ある側面では、三次元物品は、ポリイミドポリマーである最終ポリマーから作られる。ポリイミドポリマーは、その特性、たとえば高接着特性、高強度、機械的特性、耐熱性、耐薬品性、電気的絶縁性などに基づいて選択されることができる。ポリイミドポリマーは、当該技術分野において既知の方法を使用して、ポリ(アミド酸)のイミド化により調製されることができる。よって、たとえば、ポリ(アミド酸)は、熱または化学的イミド化反応体である刺激に曝露されることができる。
別の側面においては、三次元オブジェクトは、ポリスルホンポリマーである、最終ポリマーから作られることができる。本願において使用されるところのポリスルホンは、下記に示すような、−アリール−SO2−アリール−、より具体的には、−アリール−SO2−アリール−O−というサブユニットを含むポリマーのファミリーを指す。
ここで、R1、R2、R3、R4は、独立して、アルキル、アルキレン、アリール、またはハロゲンであるように選択される。芳香族ポリエーテルスルホンを、たとえば、溶媒中でジフェノールのジアルカリ金属塩とジハロジアリールスルホンとの反応などにより、調製することができる。ジフェノールのジアルカリ塩はまた、in situで生産されてもよく、あるいは別個の反応において生産されてもよい。ジフェノールは、上記のものまたは当該技術分野において知られているものの、いずれかでありうる。ポリスルホンには、一般にポリスルホンとして知られている、4-[2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-2-イル]フェノールおよび4-(4-ヒドロキシフェニル)スルホニルフェノールのポリマー、ならびに一般にポリエーテルスルホンとして知られている、ベンゼン-1,4-ジオールおよび4-(4-ヒドロキシフェニル)スルホニルフェノールのポリマーが含まれる。ポリエーテルスルホン(PES)はまた、ポリアリールエーテルスルホン(PAES)および/またはポリフェニルスルホン(PPSU)としても知られている。別の好適なポリスルホンは、ポリフェニルスルホンとしても知られている、4-(4-ヒドロキシフェニル)フェノールおよび4-(4-ヒドロキシフェニル)スルホニルフェノールのコポリマーである。他の例示的なポリスルホンは、米国特許第5,911,880号明細書に記載されている。
ポリエーテルスルホンは、さまざまな方法により生産できる。たとえば、米国特許第4,108,837号および第4,175,175号明細書は、ポリアリールエーテル、および特にポリアリールエーテルスルホンの調製を記載している。米国特許第6,228,970号明細書は、改善された多分散性およびより少量のオリゴマーを有する、ポリアリールエーテルスルホンの調製を記載している。英国特許第1,264,900号明細書は、4,4'-ビフェノール、ビスフェノール-A(4,4'-イソプロピリデンジフェノール)、および4,4'-ジクロロジフェニルスルホンから誘導された構造単位を含むポリエーテルスルホンの生産のためのプロセスを教示している。このように、ポリスルホンポリマーは、既知の方法を使用して合成できる。あるいはまた、商業的に入手可能なポリスルホンポリマーを使用することも同じようにできる。
〈IV.固体の高性能ポリマー〉
任意の高性能ポリマー(HPP)の固体の粉末は、溶媒の除去により固体として得ることができる。HPPをさらに処理して、所望の粒径分布または粒子形状を有する粉末を提供することができる。固体HPPの粒径は、機械的デバイス、たとえば、すり鉢とすりこぎ、ミリング、超音波エネルギーの適用を利用することにより、スプレー乾燥により、または制約された通路において高速で流れる液体中で粒子を剪断することにより、減少させることができる。たとえば、固体HPPは、すり鉢を使ってすりつぶされる、ミリングされる、ミクロンサイズの微粉にされる、あるいはナノメートルサイズの微粉にされることができ、所望の平均粒径を有するHPP粉末を提供することができる。よって、固体HPPをミリングして、約5ミクロン〜約250ミクロン、または約10ミクロン〜約100ミクロンなどの平均粒径を有するポリ(アミド酸)粉末を提供することができる。このようにして、HPP粉末は、約5ミクロン〜約25ミクロン、約20ミクロン〜約60ミクロン、約10ミクロン〜約20ミクロン、約20ミクロン〜約30ミクロン、約40ミクロン〜約50ミクロン、または約25ミクロン〜約50ミクロンの平均粒径を有することができる。
10nm〜10ミクロンの平均粒径を有するHPP粉末が、本願において記載される組成物において有用である。いくつかの側面においては、粒子は、約1nm〜約1000nm、約10nm〜約200nm、および約50nm〜約150nmの直径を有するナノ粒子でありうる。別の側面においては、粒子は、約500nm〜約600nmのサイズ範囲を有しうる。
粒子は、いかなる形状も有することができるが、一般的には球形である。好適な粒子は、球状、スフェロイド状、平坦、プレート状、チューブ状、立方体状、直方体状、オーバル状、楕円状、円筒状、円錐状、または角錐状でありうる。粒子はまた、ランダムまたは不明瞭形状を有していてもよく、またはアモルファスであってもよい。
好ましくは、粉末を形成するために使用される方法は、粒子の単一分散性分布を生じる。しかしながら、多分散性粒径分布を生じる方法が使われてもよい。前記方法が単一分散性サイズ分布を有する粒子を生じない場合には、粒子形成後に粒子は分離されて所望のサイズ範囲および分布を有する複数の粒子を生じることができる。あるいはまた、商業的に入手可能なHPPが、開示される方法において使用されることも同じようにできる。
〈HPP組成物〉
HPP組成物は、溶媒に溶解した第一のHPPと、前記溶媒に不溶で初期には固体材料として存在する第二のHPPとを含む。第一のHPPおよび第二のHPPは同じポリマーであることができ、あるいは異なることができ、ポリイミド、ポリケトン、還元された形態のポリケトン、ポリエーテルスルホンまたはそれらの組み合わせでありうる。
ポリケトンポリマーまたは他の任意の高性能ポリマー(HPP)が溶媒に溶解されることができる。開示される方法を実行する際に使われる溶媒は、好ましくは、極性である不活性有機溶媒である。かかる溶媒は高い沸点をもつことができ、かかる溶媒にHPPは可溶であるが、最終ポリマーは不溶であるまたはより低い溶解度をもつ。使用できる溶媒の例としては、分子中に窒素原子を有する溶媒、たとえば、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン(pyrrolidone)、2-ピロリドン(pyrolydon)、N-メチル-2-ピロリドン(pyrolydon)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、およびN-メチルカプロラクタム;分子中に硫黄原子を有する溶媒、たとえばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、およびヘキサメチルスルホンアミド、テトラメチレンスルホン;フェノールである溶媒、たとえばクレゾール、フェノール、およびキシレノール;分子中に酸素原子を有する溶媒、たとえばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、およびテトラグライム;芳香族の溶媒、たとえばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、i-プロピルベンゼン、1-クロロベンゼン、2-クロロトルエン、3-クロロトルエン、4-クロロトルエン、t-ブチルベンゼン、n-ブチルベンゼン、i-ブチルベンゼン、s-ブチルベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、1,3-ジクロロベンゼン,1,4-ジクロロベンゼン、1,3-ジイソプロピルベンゼン、1,4-ジイソプロピルベンゼン、1,2-ジフルオロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、3-メチルアニソール、3-フェノキシトルエン、ジフェニルエーテル、アニソールおよびそれらの混合物;および他の溶媒、たとえば、アセトン、ジメチルイミダゾリン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、およびテトラメチル尿素、が含まれる。さらに、R3O-(CH2nC(O)NR1R2などのアミド系溶媒を使用することができる。ここで、R1、R2、およびR3は、独立して、Hまたは低級アルキル、たとえば、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(n-Pr)、イソ-プロピル(i-Pr)、n-ブチル(n-Bu)、s-ブチル(s-Bu)、tert-ブチル(t-Bu)などであるように選択されうる。これらを、二種以上の組み合わせで使用してもよい。ある側面においては、溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、またはそれらの組み合わせでありうる。
溶媒は、スペアミント油、フェンコンであることができ、テルペン、たとえばこれに限られないがメントール、リモネン、d-リモネン、リモネンオキシド、ゲラニオール、α-ピネン、α-ピネンオキシド、チモール、メントン、ネオメントール、3-カレン、l-カルボール、カルボン、1,8-シネオール(ユーカリプトール)、シトラール、ジヒドロカルベオール、ジヒドロカルボン、4-テルピノール、フェントン、プレゴン、プレゴール、イソプレゴール、ピペリトン、カンファー、α-テルピネオール、テルピネン-4-オール、リナロール、カルバクロール、trans-アニソール、アスカリドール、サフロール、それらのラセミ混合物、それらの異性体およびそれらの混合物であってもよい。よって、溶媒は、非環式テルペン、たとえばテルペン炭化水素(たとえばオシメン、ミルセン)、テルペンアルコール(たとえばゲラニオール、リナロール、シトロネロール)またはテルペンアルデヒドおよびケトン(たとえばシトラール、プソイドイオノン、β-イオノン)であることができる。溶媒は、単環式テルペン、たとえばテルペン炭化水素(たとえばテルピネン、α-テルピネン、テルピノレン、リモネン)、テルペンアルコール(たとえばテルピネオール、チモール、メントール)またはテルペンケトン(たとえばプレゴン、カルボン)であることができる。溶媒は、二環式テルペン、たとえばテルペン炭化水素(たとえばカラン、ピナン、ボルナン)、テルペンアルコール(たとえばボルネオール、イソボルネオール)またはテルペンケトン(たとえばカンファー)であることができる。
溶媒は、アロオシメン、アロオシメンアルコール、アネトール、アニスアルデヒド、カンフェン、カンファー、10-カンファースルホン酸、3-カレン、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、p-シメン、ジペンテン(p-メンタ-1,8-ジエン)、ゲラニオール、7-ヒドロキシジヒドロシトロネラール、7-メトキシジヒドロシトロネラール、イソボルネオール、イソボルニルアセタート、p-メンタン-8-オール、p-メンタン-8-イルアセタート、メントール、メントン、ノポール、オシメン、ジヒドロミセノール、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、ピナン、2-ピナンヒドロペルオキシド、松油、α-ピネン、β-ピネン、2-ピナノール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、抱水テルピン、α-テルピニルアセタートおよびそれらの混合物であることができる。
溶媒は、水性溶媒、たとえば水または水と有機溶媒、酸、塩基などの混合物であることができる。
HPPは、有機溶媒または水性溶媒のような溶媒に溶解されることができる。有機溶媒は、NMP、DMF、DMAc、テルペン、トルエン、スペアミント油、フェンコンまたは上記で詳細に記載された他のいずれかを単独でまたは二つ以上の溶媒の組み合わせとして使ったものであることができる。HPPは溶解されて、1%溶液、2%溶液、3%溶液、4%溶液、5%溶液、6%溶液、7%溶液、8%溶液、8%溶液、10%溶液、15%溶液、20%溶液、25%溶液、30%溶液、35%溶液、40%溶液、45%溶液、50%溶液などを提供することができる。
溶解されたHPPの溶液は、あるポリマーまたはあるHPPの不溶性の粒子を結合するために使われることができる。ある側面では、溶解されたHPPの溶液に、固体として存在しており溶媒に可溶でない第二のHPPが加えられる。結果として得られる混合物は、ペーストが得られるような条件にかけられる。ペーストは、成形または押し出しされて、再構成できないデザインから鋳造された、HPPからのオブジェクトを生成することができる。
ポリマーまたはHPPの不溶性の粒子は、上記で詳細に記載されたいかなる所望される粒径を有することもできる。たとえば、約5ミクロン〜約250ミクロンまたは約10ミクロンから約100ミクロンなどの平均粒径をもつことができる。材料の厳密な粒子寸法は一般に決定的ではない。だが、ある種の側面では、材料の粒径が重要になることがある。特に、材料の粒径は、プリント設備のタイプが比較的小さな粒径またはより大きな粒径が所望されることを指定する側面では、重要であることがある。たとえば、粒径は、成形または押し出しプロセスの間に材料の流れをよくするために重要であることがある。
もう一つの側面では、ポリマーまたはHPPの不溶性粒子の粒径は、3Dプロダクトの所望される特性を得るよう選択されることができる。たとえば、粒径は、よりよい形状保持、より大きな凝集性、より大きな強度、より大きな機械的もしくは構造的一体性などを提供するものが選択されることができる。そのような側面では、不溶性粒子の粒径は有利には小さめであり、たとえば5ミクロン、10ミクロン、20ミクロンなどであることができる。この側面によれば、いかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、小さな粒径が、より大きな強度など、よりよい機械的特性をもつ3Dプロダクトを提供すると思われる。
当業者は認識するであろうが、ポリマーまたはHPPの不溶性粒子の粒径と3Dプロダクトの測定された特性との間の相関関係が生成されることができる。測定された特性の例は、これに限られないが、ガラス転移温度(Tg)、分解温度、ヤング率、貯蔵弾性率などを含む。本方法は、入力として、ポリマーの平均粒径および3Dプロダクトの測定された機械的特性を取る。すると、上記相関関係を使って、3Dプリント方法において使うための粒径を選択することができ、所定の機械的特性をもつ3Dプロダクトが生産できる。
もう一つの側面では、溶解されたHPPの溶液に、不溶性HPPの粒子が加えられ、結果として得られる混合物が、粘性溶液が得られるような条件にかけられることができる。組成物の粘性は、典型的には、約0.1センチポアズ(cp)〜約100cp、好ましくは約1cp〜約50cpであることができる。HPP組成物の粘性率は、より多いもしくはより少ない溶媒を加えることによって、HPP溶液の濃度を選択することによって、あるいは当該技術分野で既知の何らかの他の手段によって、調整されることができる。組成物の粘性率は、組成物が、押し出し温度において押し出し装置を通って流れるようなものである。
〈VI.成形(molding)〉
三次元オブジェクトは成形(molding)プロセスによって形成(form)されることができる。よって、整形(shaping)および乾燥段階は、好適な形状または断面の空洞においてHPP組成物を鋳造または成形する動作を含むことができる。成形(molding)という用語は、その最も広い意味で解釈されるべきであり、開放的な型〔モールド〕における鋳造、ダイを通じた押し出しおよび押し出し物の切断、射出成形(射出圧縮成形、ガス支援射出成形およびインサート成形など)、吹き込み成形、回転成形、押し出し成形、プレス成形、トランスファー成形など任意の型の構成法をカバーする。
HPP組成物は、型〔モールド〕または押し出し成形中に入れられることができ、所望される形状をもつ3D物品が生産されることができる。任意的に、熱または光のような刺激が適用されることができる。
〈VII.プリント〉
HPP組成物の溶液およびHPPの粉末を、三次元プリントシステムを使用して三次元物品を創出するためのプロセスにおいて使用することができる。HPP組成物は、上記で詳細に述べたように、溶媒に溶解した第一のHPPおよび固体として存在する第二のHPPを含む。こうして得られる混合物は、混合されて、粘性溶液を与える。三次元プリントシステムは、コンピュータ、三次元プリンター、ならびにHPP粉末およびHPP組成物を分注するための手段を有しうる。三次元プリントシステムは、任意的に、ポストプリント処理システムを含みうる。コンピュータは、デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、またはタブレットなどのパーソナルコンピュータでありうる。コンピュータは、スタンドアローンのコンピュータあるいはローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)の一部でありうる。よって、コンピュータは、コンピュータ支援設計(CAD)/コンピュータ援用製造(CAM)プログラムまたはカスタム・ソフトウエア・アプリケーションなどのソフトウエア・アプリケーションを含むことができる。CAD/CAMプログラムは、データ保存エリアに保存されている三次元物品のデジタル表現を操作することができる。ユーザーが、三次元物品を製作したいとき、ユーザーは、保存された表現をソフトウエア・プログラムにエクスポートし、次いで、プログラムにプリントするように指示を与える。プログラムは、三次元プリンターを動作させる該プリンター中の電子回路を制御する指示を送ることにより、各層をプリントする。あるいはまた、物品のデジタル表現は、プリンター・ハードウエアにより、コンピュータ可読媒体(たとえば磁気または光学ディスク)から直接読まれることができる。
典型的には、HPP固体または粉末の第一層が、構築プレート上に堆積されることができる。堆積されたHPP固体または粉末は、約200°C未満の温度まで加熱される。前記温度は、約30°C〜170°Cの範囲、好ましくは約50°C〜約150°Cの範囲でありうる。前記温度は、HPPの重合が起こる温度よりは低いが、HPP組成物が添加されたときにHPPの重合を助けるように選択される。よって、堆積されたHPP固体または粉末は、約40°C、50°C、60°C、70°C、80°C、100°C、110°C、120°C、130°C、140°C、150°C、160°Cなどの構築温度まで加熱されうる。堆積されたHPP固体または粉末を、所望の温度まで加熱されることができる。堆積されたHPP固定または粉末を所望される温度まで加熱するのは、既知の接触または非接触法のいかなるものを使用してもよく、たとえば、これに限定されないが、マイクロ波ヒーター、赤外ヒーター、誘導ヒーター、マイカサーミックヒーター(micathermic heater)、太陽光ヒーター、熱交換器、アークヒーター、誘電ヒーター、ガスヒーター、プラズマヒーター、ランプヒーター、赤外ヒーターまたはそれらの任意の組み合わせを含むヒーターなどを使用して行なうことができる。加熱は、加熱されたプレートまたは加熱されたローラーを使用することにより、またはたとえば、走査炭酸ガスレーザーなどのレーザーもしくはレーザーダイオードを使用してHPP固体または粉末を局所的に加熱することにより、行なうことができる。
HPP固体または粉末の第一層は、ローラーを使用して、ヘラを使用して、機械的手段を使用して、など、既知の方法のいずれかを使用して構築プレート上に堆積されることができる。よって、たとえば、測定された量のHPP固体または粉末を、ローラーを使用して構築プレート上で所望の厚さに分布させることができる。別の側面においては、PEEK粉末の層は、約0.1nm〜500nm未満の、約5nm〜約250nmの、約0.2nm〜約100nmの、約0.3nm〜約50nmの、約0.3nm〜約25nmの、約0.3nm〜約20nmの、約0.3nm〜約15nmの、約0.3nm〜約10nmの、約0.3nm〜約5nmなどの厚さを有し得る。さらに別の側面においては、PEEK粉末の層は、約10ミクロン〜約500ミクロン未満の、約25ミクロン〜約250ミクロンの、または約50ミクロン〜約100ミクロンの厚さを有しうる。
三次元物品を一層ずつプリントする方法は、図1に示されている。図1のAにおいては、ローラー5は、一つまたは複数の粉末床リザーバ2から粉末床1へ、粉末としてのHPP固体を堆積させる。構築プレート3は、必要に応じて垂直方向に移動することができる。ヘッド4は、粉末床1上にHPP組成物をプリントする。HPP組成物は、溶媒に溶けたHPPを有する。溶媒は、上記で開示した溶媒のいずれであってもよく、たとえば低蒸気圧の溶媒であり、スペアミント油、α-テルピネン、リモネン、α-ピネン、フェンコンおよびそれらの組み合わせのように食品に使っても安全、あるいはGRAS〔一般に安全と認められる〕である。HPP組成物は、いかなるプリント機構によって構築プレート上の粉末床上へプリントすることもできる。たとえば、プリントには、インクジェットプリント、スクリーンプリント、グラビアプリント、オフセットプリント、フレキソグラフィー(フレキソグラフィックプリント)、スプレーコーティング、スリットコーティング、押出コーティング、メニスカスコーティング、マイクロスポッティング、ペンコーティング、ステンシル、スタンプ、シリンジ分注および/またはポンプ分注によって、活性化剤溶液を、所定のパターンで印刷することが含まれうる。
ある側面においては、三次元物品は、図1に示されるように、構築プレート上でHPP組成物をプリントするようシリンジまたはシリンジ様ディスペンサーを使用することによって形成されることができる。図1のBは、パターン化された単一層を示している。典型的には、シリンジは、二次元パターンで、構築プレート上にHPP組成物の第一層を堆積する。Norm-Ject〔商標〕というルアーロック(Luer Lock)プラスチックシリンジなどのシリンジは、好ましくは、小さい開口直径を有し、それにより、微細な最小構造サイズ(minimum feature size)を有する電子的構造(electronic features)の形成を可能にする。ある側面においては、シリンジまたは他の堆積ツールは、約200μm以下、より好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは約25μmの直径を有する堆積開口を含む。プリント速度は、構造サイズおよび使用される材料に依存し、所望に応じて、当業者により容易に決定され、調整されることができ、約1mm/秒〜約1000mm/秒、約5mm/秒〜約500mm/秒、約20mm/秒〜約100mm/秒、または約10mm/秒〜約50mm/秒でありうる。よって、プリント速度は、約5mm/秒〜約30mm/秒、または約10mm/秒〜約20mm/秒でありうる。
プリントシステムはHPP組成物をHPP固体または粉末上へプリントするためのプリント機構を有しうる。たとえば、プリントは、インクジェットプリント、シングルジェットプリント、スクリーンプリント、グラビアプリント、オフセットプリント、フレキソグラフィー(フレキソグラフィックプリント)、スプレーコーティング、スリットコーティング、押出コーティング、メニスカスコーティング、マイクロスポッティング、ペンコーティング、ステンシル、スタンプ、シリンジ分注および/またはポンプ分注によって、HPP溶液を所定のパターンに印刷することを含みうる。よって、三次元物品は、インクジェット型のプリントカートリッジを使って、インクジェットからのHPP組成物を構築プレート上へ堆積することにより形成されることができる。開示される方法において使用できるインクジェット・プリントヘッドには、MH5420、MH2480、MH2420、およびMH1801が含まれ、これらはみなRicoh Printing Systems America社から入手可能である。
典型的には、インクジェットノズルは、HPP組成物の二次元パターンを、構築プレート上に堆積されたHPP粉末上にプリントする。プリントされた組成物を刺激と接触させることができ、ここで、HPPが、少なくとも部分的に最終ポリマーに変換される。のちに詳細に述べるように、選択される刺激はHPPに依存し、熱、化学的酸化剤、還元剤、酸、光、電気分解、金属触媒、遷移金属触媒などでありうる。HPPが部分的または完全に最終ポリマーに変換できるように選択された、事前設定された時間期間の経過後、HPP粉末の次の層が堆積されて粉末床を形成することができ、前記ステップが繰り返される。このようにして、3D物品は一層ずつ製造されることができる。
任意的に、プリントされた溶液を刺激に曝露して、三次元物品のポリマー層を形成することができる。たとえば、刺激は、熱または化学的イミド化反応物でありうる。HPPがケタールである場合には、刺激は、ブレンステッド酸、ルイス酸、または光でありうる。HPPがポリスルフィドである場合には、刺激は、有機ペルオキシ酸、有機過酸化物、無機過酸化物、またはそれらの混合物などの酸化剤でありうる。HPPが架橋する部位を含む場合には、刺激は、可視光またはUV光などの光でありうる。このように、刺激は、熱、光、酸化、還元、酸触媒、塩基触媒、遷移金属触媒またはそれらの組み合わせであることができる。
図1のCにおいては、堆積機構としてのローラー5は、粉末床リザーバ2から粉末床1へHPP粉末を堆積する。図1のDは、HPP粉末が新たな粉末床層を形成したところを示しており、このプロセスを繰り返して一層ずつ三次元物品をプリントすることができる。
別の側面においては、三次元物品は、リソグラフィーを使用して、構築プレート上で一連の層をパターニングすることにより形成されることができる。三次元物品は、HPP粉末の層を塗布して構築プレート上で粉末床を形成することにより形成されることができる。粉末床を、所定の温度まで加熱する。HPP組成物を、マスクまたは網線などのパターン化されたイメージングプレートを通して、粉末床上にプリントする。HPP組成物は、任意の既知の方法を使って、たとえばスプレー噴霧により、シリンジを使用することにより、インクジェット・プリントヘッドを使用することにより、などで堆積されることができる。
噴出されたHPP組成物を受容した領域を、保持時間の間にわたって温度を維持することにより重合させることができる。よって、HPP組成物に曝露されたHPP粉末は、約1分〜約2時間、好ましくは約5分〜約30分、より好ましくは約8分〜約15分、または約1秒〜約300秒、好ましくは約5秒〜約30秒、より好ましくは約8秒〜約15秒、保持温度または現在の温度に留まることができる。よって、HPP組成物に曝露されたHPP粉末は、保持温度または現在の温度で、約7分間、約8分間、約9分間、約10分間、約11分間、約12分間、約13分間、約14分間、約15分間などの保持時間にわたってプレート上に滞留することができる。理論に縛られることなく、保持期間は、溶媒などの流体の揮発性成分が蒸発することを可能にし、前記層が重合してまたは少なくとも部分的に重合して最終ポリマーを形成することを可能にする。よって、保持時間は、HPPが重合して最終ポリマーとなるように選択される。
上記プロセスは、HPP粉末の新しい層が構築プレート上で先の層の上に塗布されることで、繰り返される。次いで、その新しい粉末層上にHPP組成物がプリントされて、所望されるプロダクトの次の断面がプリントされる。
構築プレートにHPP粉末の層を塗布して、活性化剤溶液を堆積して、所定の温度で所定の保持時間の期間にわたって構築プレート上に留まらせる上記の諸ステップが、最終物品が完成するまで繰り返される。望むなら、プロセス期間中のいかなる時にでも未反応のHPP粉末を除去することができる。よって、三次元物品は、構築プレート上に一連のHPP層を堆積して粉末床を形成し、該粉末床上にHPP組成物をプリントすることにより、一層ずつ構築されることができる。
別の側面では、三次元プリントシステムを使用して三次元物品を創出するためのプロセスにおいて使用するためのHPP組成物が構築プレート上に堆積されることができ、三次元物品を創出するために三次元プリントシステムを使用して刺激がプリントされることができる。HPP組成物は、上記で詳細に述べたように、溶媒に溶解した第一のHPPおよび固体として存在する第二のHPPを含む。こうして得られる混合物は、粉末床として構築プレート上に堆積されることができる。刺激が光開始剤である場合、UV光のような光への曝露が、3D物品を創出するために使用できる。
別の側面では、刺激と混合されたHPP粉末が構築プレート上に堆積されることができ、溶媒に溶解した別のHPPを含むHPP組成物が、三次元物品を創出するために三次元プリントシステムを使用してプリントされることができる。溶媒は、上記で開示した溶媒のいずれであってもよく、たとえば低蒸気圧の溶媒であり、スペアミント油、α-テルピネン、リモネン、α-ピネン、フェンコンおよびそれらの組み合わせのように食品に使っても安全、あるいはGRAS〔一般に安全と認められる〕である。HPP組成物は、いかなるプリント機構によって構築プレート上の粉末床上へプリントすることもできる。刺激が光開始剤である場合、UV光のような光への曝露が、3D物品を創出するために使用できる。任意的に、三次元プリントシステムは、酸、塩基またはブレンステッド酸/塩基のような別の刺激を、あるパターンで、3D物品上にプリントし、それにより選択された領域をさらに硬化させるために使用されることができる。このプロセスは、異なる架橋密度をもつ異質な諸部分をもつ3D物品を作るために使用できる。
〈VIII.硬化〉
上記の方法およびプロセスを使用して得られた三次元物品を硬化して、最終三次元物品を得ることができる。物品の硬化は、物品が構築プレートに取り付けられている間に行なうことができ、あるいは物品の硬化は、まず物品を構築プレートから分離して次いで硬化させることにより行なうことができる。硬化プロセスにおいて、未反応のプレポリマーが最終ポリマーに変換される。よって、たとえば、プレポリマーが、ポリ(アミド酸)である場合には、未反応のポリ(アミド酸)は、硬化プロセスの間にイミド化を介してポリイミドポリマーに変換される。
ある側面においては、硬化プロセスの間にポリ(アミド酸)は、水が除去される脱水により、ポリイミドポリマーに変換されることができる。ポリイミドを生成するイミド化、すなわち、ポリ(アミド酸)中の閉環は、熱処理、化学的脱水またはその両方およびその後の縮合物の除去を通じて実施されることができる。ポリイミドポリマーは、既知の方法による重合/イミド化反応により生成することができる。既知の方法は、溶媒の除去を伴う熱処理による熱的イミド化およびたとえば、溶媒の除去を伴う無水酢酸での処理による化学的イミド化などである。
ある側面においては、化学的イミド化を使用してポリ(アミド酸)をポリイミドに変換することができる。化学的イミド化は、無水酢酸;オルトギ酸トリエチルなどのオルトエステル;カルボジイミド、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ボロン酸、ボロン酸エステルなどのカップリング剤;などの既知の試薬を使用して実行することができる。
さらに別の側面においては、ポリイミドなどの化合物およびポリイミドを含む組成物または物品の硬化は、約190°Cより高い、好ましくは約250°Cより高い、より好ましくは約290°Cより高い温度での等温加熱により達成することができる。このように、熱的イミド化は、約280°C、約290°C、約300°C、約310°C、約320°C、約350°C、約375°Cなどで、実行することができる。硬化温度は、ポリ(アミド酸)がポリイミドに変換され、かつ該温度が前記ポリイミドのガラス転移温度または融点より低くなるように選択される。
あるいはまた、高温での硬化は、等温段階的プロセス(isothermal staging process)において実行することができる。例として、かかる等温段階的プロセスは、いくらかの時間、典型的には1〜2時間、180°C〜220°C、たとえば約200°Cまで材料を加熱することにより、開始することができる。しかしながらまた、1時間未満または30分未満などの、より短い時間を使用することができる。さらにまた、10時間までなどの、より長い時間を使用してもよい。その後、温度をステップ状に上げていくことができる。各ステップは、10°C〜50°Cの温度の上昇に対応してもよい。さらに、各ステップは、30分〜10時間、たとえば1〜2時間の継続時間を有していてもよい。最後のステップは、250〜400°C、たとえば約300°Cの温度での硬化であってもよい。等温段階的プロセスにおいて、各等温ステップの継続時間は、温度が上昇するにつれて減少させてもよい。等温段階的プロセスのさらなる例は、150°Cで始まって、300°Cに到達するまで温度が毎時25°Cずつ上昇させられるプロセスである。
高温で最終生成物を硬化させることは、連続的に温度を上昇させて行なうことができる。好ましくは、加熱速度は、初期は遅いが、温度が上昇するにつれて徐々に増加させられる。よって、たとえば、加熱プロセスは150°Cで始まることができ、300°C以上に到達するまで温度は連続的に増加させられる。
熱的イミド化のための加熱時間は、約0.1時間〜約48時間、たとえば0.5時間〜15時間または0.5時間〜5時間でありうる。
このように生産されたポリイミドポリマーは、150MPa以上の、より好ましくは200MPa以上の、特に好ましくは250MPa以上の切断点引張強度を有する。引張強度は、Instronロード・フレーム機器を使用することによるなどの、既知の方法を使用して測定することができる。
このように生産されたポリイミドポリマーは、1.5GPa以上の、より好ましくは2.0GPa以上の、特に好ましくは2.5GPa以上の引張係数を有する。
本発明の方法、プロセス、およびシステムを使用して調製された三次元物品は、回路用途、医療用途、輸送用途などに有用である。たとえば、三次元物品は、プリント回路、絶縁体、医療用構築物、たとえば矯正デバイス、歯科用インプラント、人工装具ソケットなど、密封リング、ワッシャーなどでありうる。
以下の例は、例示的な目的のためのみに提供されるものであり、いかなる意味においても、本発明の範囲を限定することは意図されていない。使用される数値(たとえば、量、温度など)に関する正確性を保証するよう努めたが、若干の実験誤差および偏差は当然許容されるべきである。
市販の粉末PEEKを直径20μmのものをEvonikから、直径50μmのものをVictrexから購入し、受け取った形で使用した。用意されたPEEK試料の機械的特性を、PerkinElmerからの動力学解析器(DMA: dynamic mechanical analyzer)8000によって調べた。線形の粘弾性領域内の直方体試料に正弦波状の力(ひずみ0.03mm)を一定周波数(長方形試料については1Hz、架橋したフィルム試料については10Hz)で、3°C/minでの24°Cから270°C(架橋したフィルムについては150°C)の温度の関数として、加えた。ガラス転移温度(Tg)を、tan(δ)のピークであると決定した。ドッグボーン試料(厚さ3.1mm、幅5.2mm)の引っ張り試験をInstron 5500Rによって、伸び計(初期長さ25.4mm)を用いて1mm/minの速度で実行した。張力係数(またはヤング率)を、ひずみの関数としての引っ張り応力のプロットにおける傾きから計算した。市販の粉末PEEKおよび合成されたBPA-PEEKの差動走査熱量測定(DSC: differential scanning calorimetry)調査を、窒素のもとで、TA DSC Q20熱量計によって実施した。アルミニウム・パン内に封印された粉末試料をまず室温から380°Cまで10°C/minで加熱して、試料中に熱的履歴があってもそれが除去されるようにし、室温まで冷ました。次いで、試料を再び380°Cまで10°C/minで加熱し、この第二の加熱からのワットとしての熱流を記録した。合成されたBPA-PEEKの分子量を、それぞれ103、103および105オングストロームの孔径の三つのMZゲル10μmカラムを備えたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、Wyatt Technologies社のDAWN-HELOS IIという18角の多角度レーザー光散乱検出器およびOptiLab T-rEx屈折率検出器によって決定した。1mL/minの速度で溶離剤としてTHFを使った。絶対的な重量平均分子量を、カラム通過後のポリマーの100%質量回収を仮定して測定されたdn/dc値によって決定した。粉末PEEKおよびBPA-PEEKの熱重量分析(TGA)をTA TGA Q50によって、室温から800°Cまで10°C/minで実施した。
例1
高分子量BPA-PEEKポリマーの合成
次の構造をもつPEEKポリマーを合成した。
ビスフェノールA(BPA、11.46g、50mmol)、4,4'-ジフルオロベンゾフェノン(10.91g、50mmol)および炭酸カリウム(7.6g、55mmol)を、N2ガス取り入れ口およびディーン・スターク・トラップを用いて凝縮器と接続された三ツ口フラスコにおいて、100mLの乾燥DMSOおよび50mLの乾燥トルエン中で混合した。この混合物を油浴中で150°C(160°Cまで)で2時間、次いで170°C(180°Cまで)で15時間(ないし24時間)にわたって攪拌した。重合が進むにつれて、固体の生成物が沈殿した。溶液は室温まで冷まされ、溶媒を傾捨〔デカンテーション〕して固体生成物を得た。固体生成物をDCM(約200mL)に溶解し、氷浴において冷たいメタノールを加えてポリマー固体を沈殿させることによって、固体生成物を精製した。結果として得られた固体は、水で洗って、残っている可能性のあるK2CO3を除去して、濾過した。さらなる精製のために、乾燥後、固体生成物を溶解させて氷浴において冷たいメタノールを加えてポリマー固体を沈殿させた。ポリマー固体を空気乾燥させて、薄茶色ないし黄褐色の固体を最終産物として得た(21g、94%の収率)。
例2
アルケン部位を含むポリマーの合成
次の構造を有するPEEKポリマーを合成した。
100mLフラスコに、4,4'-ジフルオロベンゾフェノン(3.30g、15.12mmol)、ビスフェノールA(1.72g、7.53mmol)、2,2'-ジアリルビスフェノールA(2.33g、7.55mmol)およびDMSO(30mL)を添加した。懸濁液をすべての固体が溶解するまで、50°Cまで加熱した。この溶液に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物(5.54g、30.57mmol)を添加し、反応温度を120°Cまで上昇させた。90分後、反応物を室温まで冷却し、液体を傾捨した。残留する固体をジクロロメタン中で溶解し、メタノール中で沈殿させてアルケン含有PEEK(4.69g、70%の収率)を得た。1H NMRスペクトロスコピーによる分析は、約1:1の比のBPA:ジアリルBPA単位を示した。
次の構造を有するPEEKポリマーも合成した。
(上記の構造においてnを0としたもの。)100mLフラスコに、4,4'-ジフルオロベンゾフェノン(2.3g、10.54mmol)、2,2'-ジアリルビスフェノールA(3.25g、10.54mmol)およびDMSO(20mL)を添加した。懸濁液をすべての固体が溶解するまで、50°Cまで加熱した。この溶液に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物(3.96g、21.85mmol)を添加し、反応温度を120°Cまで上昇させた。60分後、反応物を室温まで冷却し、液体を傾捨した。残留する固体をジクロロメタン中で溶解し、メタノール中で沈殿させてアルケンPEEKを得た(4.54g、82%の収率)。
例3
エポキシド部位を含むポリマーの合成
ジクロロメタン(75mL)中の例1において調製されたアルケン含有PEEK(4.69g、10.51mmol)の溶液に、m-CPBA(5.21g、21.13mmol)を添加した。2時間の撹拌後、メタノール中にポリマーが沈殿してエポキシPEEKポリマーを得た(4.23g、87%の収率)。GPC分析は、Mn=21.6KDa;Mw=39.4KDa;D=1.82であることを示した。
次の構造を有するPEEKポリマーも合成した。
(上記の構造においてmを0としたもの。)
ジクロロメタン(30mL)中の例2において調製されたアルケンPEEK(2.1g、4.3mmol)の溶液に、m-CPBA(3.7g、15mmol)を添加した。2時間の撹拌後、メタノール中にポリマーが沈殿してエポキシPEEKポリマーを得た(1.79g、85%の収率)。GPC分析は、Mn=54.9KDa;Mw=127.5KDa;D=2.32であることを示した。
例4
スペアミント油中でのエポキシPEEKの光架橋
例2で調製したエポキシPEEK(構造中のnが0の場合のもの)をスペアミント油に溶解して、7重量%のエポキシPEEK溶液を得た。対照実験はエポキシPEEKポリマーが存在していなかった。このエポキシPEEK溶液に、1重量%もしくは8重量%のトリアリールスルホニウム光開始剤、0もしくは1重量%のパラトルエンスルホン酸(PTSA)、0もしくは1重量%のフルオロアンチモン酸六水和物(HSbF6・6H2O)および0もしくは1重量%のトリフルオロ酢酸(TFA)を添加した。溶液の約0.3mLがガラス・スライド上に堆積し、365nmの発光波長をもつ100Wランプを使ってUV光に曝露されるか、UV光に曝露されないかした。材料が硬くなり、ガラス・スライドから取り外されても自立するために必要とされる時間を記録した。データを表1にまとめておく。
結果は、光開始剤がないときの酸の添加は硬化時間短縮に効果がないことを示した。表1のデータは、pTSA単独では効果的でなく(項目1)、TFAも同様である(項目4)ことを示している。しかしながら、HSbF6・6H2Oを使ったときは、光開始剤なしでも1分という硬化時間が観察された(項目2)。さらに、スペアミント油中での酸と光開始剤の組み合わせは、いずれかの活性化剤単独よりも効果的であった。たとえば、光開始剤/UV光もpTSAも個別にはエポキシPEEKの効果につながらなかったが、組み合わされると(項目6)、成功した7分という硬化時間が観察された。同様の相乗効果が、TFAと光開始剤の組み合わせ(項目8)から観察された。HSbF6・6H2Oの光開始剤との組み合わせ(項目7)はHSbF6・6H2O単独の使用(項目2)と同じくらいの硬化時間だった。
例5
テルペン溶媒中でのエポキシPEEKの光架橋
エポキシPEEKポリマーのテルペン溶媒中での光架橋を例4に詳述したように実行した。ただし、溶媒はスペアミント油およびテルペンであった。材料が硬くなり、ガラス・スライドから取り外されても自立するために必要とされる時間を記録した。データを表2にまとめておく。
結果は、テルペンを共溶媒として加えることによって、スペアミント油を溶媒とする場合に比べて、硬化時間が短縮されることを示した。α-テルピネン、リモネンおよびα-ピネンを共溶媒としてスペアミント油と一緒に使うと(項目1〜6)、それぞれ、スペアミント油単独で使う場合よりよい結果を与えた(表1の項目5では効果が観察されなかった)。共溶媒の低い極性のため、7重量%でエポキシPEEKを溶解するためにいくらかのスペアミント油を必要とした。光開始剤の重量%を1から8重量%に増すと、三つの溶媒混合物のそれぞれについて、硬化時間を短縮することが観察された。
例6
フェンコン中でのエポキシPEEKの光架橋
エポキシPEEKポリマーの溶媒としてのフェンコン中での光架橋を例4に詳述したように実行した。材料が硬くなり、ガラス・スライドから取り外されても自立するために必要とされる時間を記録した。データを表3にまとめておく。
フェンコンは食品に加えても安全な溶媒であり、極性のカルボニル官能基をもつが、ラジカル種との反応につながりうるα,β-不飽和を欠いている。データは、フェンコンを溶媒として使った結果、スペアミント油や、スペアミント油とテルペンの混合物が使われる溶媒系に比べて、ずっと短い硬化時間になることを示している。特に、HSbF6・6H2Oを使った場合には、光開始剤なしでも(項目2)、30秒という硬化時間が観察された。光開始剤を使った場合は、さらに速い15秒という硬化時間が観察された(項目5)。光開始剤および酸の使用(項目6、7、8)は硬化時間を30秒未満には上げなかった。しかしながら、表3のデータは、架橋のために溶媒としてフェンコンを使うことは、ずっと速い硬化時間を与えることを示している。
例7
PEEKポリマーを使ったモデル・プロダクトの用意
例1で調製されたBPA-PEEKポリマーをスペアミント油に溶解して、6重量%ないし8重量%のBPA-PEEK溶液を得た。このBPA-PEEK溶液の2mLに、約20μmの直径をもつ粉末PEEK(1g、Evonicから購入)を加え、混合物を室温で一晩攪拌してペースト(半固体、図2のA)を得た。このペーストを架橋されたポリシロキサンの直方体形(ドッグボーン形)に成形した(3.8mm(T)×5.7mm(W)×28.6mm、図2のB)。成形された形をオーブンに入れ、温度を120°C(100°Cから150°Cの範囲)まで上昇させた。高温への速い加熱による割れを防ぐために、昇温は0.5°C/minの割合とした。3時間加熱した後、PEEK粉末およびBPA-PEEKの混合物において鋳造された直方体のプロダクトを型から取り出した(図2のC)。鋳造されたプロダクトはさらに、3時間にわたって220°Cで乾燥された。残っている溶媒があればそれを除去するためである。乾燥されたプロダクトは高温で次のような二つの方法でベーキングした。第一の方法では、乾燥されたプロダクトを、粉末PEEKの融点(345°C)より下の332°C(温度範囲:345°Cまで)で2ないし3時間にわたってベーキングした。第二の方法では、乾燥されたプロダクトを、粉末PEEKの融点より上の、360°Cより上で短時間(すなわち5分間)ベーキングした。試料は220°Cから365°C(温度範囲:360°Cないし380°C)まで、約7°C/minの割合で加熱され、5分間(試料のサイズに依存して20分まで)365°Cに保持され、室温まで冷まされた(図2のD)。第二の方法によってベーキングされた(360°Cより上でベーキングされた)プロダクトは、試料の歪みや曲がりを最小限にするため、ゆっくりと(少なくとも1時間かけて)150°Cまで冷まされるべきである。長方形の下側が完全に融解せず、試料が曲がった場合には、試料は上下逆さまにされて、さらに5分間365°Cでベーキングされた。365°Cでのベーキング後、試料の寸法は2.9mm×5.0mm×22.4mmに縮小した。
PEEK試料の機械的特性に対する液浸の効果を調べるために、DMA実験後の最初のベーキングされた長方形試料をスペアミント中のPEEK溶液(6重量%または8重量%)に30分間浸した。試料を室温で空気乾燥させ、さらに加熱オーブンで220°Cで2時間にわたって乾燥させた。次いで、試料を365°Cで5分間ベーキングした。この手順は、本研究では「第一の液浸、第二のベーキング」と呼ぶ。この試料をDMAによって調べた。DMA実験のための長方形試料のエリアは同一に保たれる。次いで、DMA後の同じ試料をPEEK溶液に浸し、乾燥させ、ベーキングした。条件は同一で、これは「第二の液浸、第三のベーキング」と呼ぶ。結果を図3に示す。追加的な液浸およびベーキング・サイクルは、535MPaの貯蔵弾性率(E')の増大を示したが、追加的な液浸およびベーキング・サイクルはE'を改善しなかった(図3のA)。さらに、ガラス転移温度Tgは液浸およびベーキング・サイクルによって変わらなかった(図3のB)。
例8
シリンジ・プリントによる3D PEEKプロダクトの用意
例1で調製されたBPA-PEEKポリマーをスペアミント油に溶解して、6重量%のBPA-PEEK溶液を得た。このBPA-PEEK溶液の7.6mLに、約20μmの直径をもつ粉末PEEK(2.5g、Evonicから購入)を加え、混合物を室温で一晩攪拌して粉末PEEKとBPA-PEEK溶液の粘性混合物を得た。
1mLシリンジを使って、この混合物を、室温のガラス・スライドまたはホットプレート上に置くことで約50°Cに加熱したガラス・スライドにプリントした。プリントされた領域に複数の層が加えられた。いくつかの場合には、10個までの層が加えられた。プリントされた試料はホットプレート上で少なくとも3時間、乾燥された。図4のAは、複数層の3Dの丸太状の構造を示しており、図4のBは、複数層をもつ文字「W」を示している。いずれも上記の方法によって用意されたものである。
例9
種々の粒径を使った3D PEEKプロダクトの用意
例1で調製された、大きな分子量(Mw=121kDa)をもつBPA-PEEKポリマーをスペアミント油に溶解して、8重量%のBPA-PEEK溶液を得た。このBPA-PEEK溶液の2mLに、約20μmまたは約50μmの直径をもつ粉末PEEK(2.5g、Evonicから購入)を加え、混合物を室温で一晩攪拌してペーストを得た。例4で述べたように、ペーストは長方形に成形した。成形された形を型から取り外し、オーブンに入れ、温度を約0.5°C/minの割合で120°C(100°Cから150°Cまでの範囲)まで上昇させた。3時間加熱したのち、鋳造されたプロダクトをさらに220〜230°Cで乾燥させて、残っている可能性のある溶媒を除去した。乾燥したプロダクトを、粉末PEEKの融点より上の370〜385°Cで短時間(すなわち5〜20min)ベーキングして、次いで150°Cまで、試料の歪みや曲がりを最小限にするためにゆっくりと、冷ました。
大きな分子量のPEEKおよび異なる粒径を使ってこうして得られた3DプロダクトをDMAによって解析した。ガラス転移温度(Tg)を温度対Tan(δ)のプロットから決定した(図5)。約20μmまたは約50μmの粒径を使って上記で生産された3Dプロダクトは、174〜177°CのTg値を有していた。比較のために、Victrexからの市販のPEEK試料のTgは183°Cであると決定された。この結果は、ポリマーの適切な粒径を選択することによって、3Dプロダクトの強度が変えられることを示している。さらに、20μmPEEKを使って得られた未硬化のボディ・オブジェクトはより堅牢であった。このように、所望される機械的特性をもつ3Dプロダクトを与える粒径を選択することができる。
20μmポリマーを使って作られる3Dプロダクトを、ヤング率および切断点引張強度を決定するために、Instronロード・フレームを使って試験した。その結果を図6に示す。応力対ひずみの傾きは1.33GPaのヤング率を与える。切断点引張強度は29.6MPaであると見出された。比較として、市販のPEEKについての引張強度は典型的には90〜100MPaである。
例10
フェンコン中でのエポキシPEEKの噴射による3D PEEKプロダクトの用意
測定された粘性プロファイルに基づいて、Gen4Lヘッドを使ってエポキシPEEKおよびUV光開始剤の溶液を噴射する初期実験の実行に進んだ。65°Cに設定されたGen4Lヘッド温度では、溶液は顕微鏡スライド上にうまく噴射された。フェンコン溶液を噴射した顕微鏡スライドをUVランプの下に置き、1分未満でゲルに硬化させた。ゲルは、環境室内光への継続する曝露の結果として、固まって、固体になった。フェンコン溶液を用いてプリントするときは、溶媒としてカルボンを使ったときと同じように、溶媒がシリコーンのチューブに浸透する問題を観察したことを注意しておくべきである。だが、カルボン溶液で作業するときに見出された手法はこの場合にも有効である。柔軟性が要求されない場合には、テフロン(登録商標)のチューブを使うことができる。移動プリント・ヘッドに取り付けられるチューブについては、柔軟性が重要であり、よってチューブをシリコーン・グリースで密封するという代替的な解決策(チューブの保護外層を用いて可能)が評価されているところである。
例11
フェンコン中のエポキシPEEKとPEEK粉末の組み合わせによる3D PEEKプロダクトの用意
PEEK粉末をベース上に堆積させ、次いでエポキシPEEKおよび光開始剤のフェンコン溶液を加え、層をUV光源に約1分間曝露した。このプロセスを繰り返して、2層標本を創生した。UV硬化が標本に追加的な安定性を提供することを見出した。結果として得られた3D PEEKプロダクトが図7に示されている。
本発明を、好ましい実施形態およびさまざまな代替的実施形態を参照して具体的に示し、記載してきたが、形式および詳細におけるさまざまな変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされうることが当業者には理解されるであろう。本願において言及されるすべての特許文献および刊行物は、ここに参照により、その全体において本願に組み込まれる。
1 粉末床
2 粉末床リザーバ(貯留槽)
4 ヘッド
3 構築プレート
5 ローラー

Claims (20)

  1. 三次元物品を製造する方法であって:
    a.溶媒に溶解した第一のHPPと、固体としての第二のHPPとを含む高性能ポリマー(HPP)組成物を堆積させる段階と;
    b.前記HPP組成物を刺激にさらして前記三次元物品のポリマー層を形成する段階と;
    c.段階a〜bを繰り返して前記三次元物品の残りを形成する段階とを含む、
    方法。
  2. 前記第一のHPPがポリケトンを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記ポリケトンが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)またはポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)である、請求項2記載の方法。
  4. 前記第二のHPPが、ポリイミド、ポリケトン、還元された形態のポリケトンまたはポリエーテルスルホンを含み、前記第二のHPPは前記溶媒に可溶でない、請求項1記載の方法。
  5. 前記溶媒が低い蒸気圧をもち、食品でも安全である、請求項1記載の方法。
  6. 前記溶媒がスペアミント油、α-テルピネン、リモネン、α-ピネン、フェンコンまたはそれらの組み合わせを含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記刺激が、熱、光、酸化、還元、酸触媒作用、塩基触媒作用、遷移金属触媒作用またはそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  8. 硬化させる段階をさらに含み、硬化は化学的硬化または熱的硬化によってなされる、請求項1記載の方法。
  9. 三次元物品を製造する方法であって:
    a.第一のHPPの粉末を構築プレート上に堆積させて粉末床を形成する段階と;
    b.前記粉末床上の選択された諸位置において、溶媒に溶解した第二のHPPを含む溶液をプリントする段階と;
    c.プリントされた溶液を刺激にさらして、前記三次元物品のポリマー層を形成する段階と;
    d.段階a〜cを繰り返して前記三次元物品の残りを製造する段階とを含む、
    方法。
  10. 前記第一のHPPが、ポリイミド、ポリケトン、還元された形態のポリケトンまたはポリエーテルスルホンを含み、前記第一のHPPは前記溶媒に可溶でない、請求項9記載の方法。
  11. 前記第二のHPPがポリケトンを含む、請求項9記載の方法。
  12. 前記ポリケトンが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)またはポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)である、請求項11記載の方法。
  13. 前記溶媒が低い蒸気圧をもち、食品でも安全である、請求項9記載の方法。
  14. 前記溶媒がスペアミント油、α-テルピネン、リモネン、α-ピネン、フェンコンまたはそれらの組み合わせを含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記刺激が、熱、光、酸化、還元、酸触媒作用、塩基触媒作用、遷移金属触媒作用またはそれらの組み合わせを含む、請求項9記載の方法。
  16. 硬化させる段階をさらに含み、硬化は化学的硬化または熱的硬化によってなされる、請求項9記載の方法。
  17. プロセスによって作られる三次元物品であって、前記プロセスは:
    a.溶媒に溶解した第一のHPPと、固体としての第二のHPPとを含む高性能ポリマー(HPP)組成物をプリントする段階と;
    b.前記HPP組成物を刺激にさらして、前記三次元物品のポリマー層を形成する段階と;
    c.段階a〜bを繰り返して前記三次元物品の残りを形成する段階と;
    d.前記物品を約1分未満にわたって硬化させる段階とを含む、
    三次元物品。
  18. 前記第一のHPPがポリケトンを含み、前記ポリケトンが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)またはポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)であり、前記第二のHPPが、ポリイミド、ポリケトン、還元された形態のポリケトンまたはポリエーテルスルホンを含み、前記第二のHPPは前記溶媒に可溶でない、請求項17記載の三次元物品。
  19. 前記溶媒がスペアミント油、α-テルピネン、リモネン、α-ピネン、フェンコンおよびそれらの組み合わせを含む、請求項17記載の三次元物品。
  20. 前記刺激が、熱、光、酸化、還元、酸触媒作用、塩基触媒作用、遷移金属触媒作用またはそれらの組み合わせを含む、請求項17記載の三次元物品。
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