JP2018144274A - 成形品の製造方法および成形品 本発明は、金属と繊維強化複合材料からなる成形品の製造方法および成形品に関する。 - Google Patents

成形品の製造方法および成形品 本発明は、金属と繊維強化複合材料からなる成形品の製造方法および成形品に関する。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、繊維強化複合材料の成形と金属部材との接合を同時に達成できる製造方法およびその成形品を提供する。【解決手段】強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を加熱、加圧することによる成形品の製造方法であって、前記樹脂供給材料(C)は、連続多孔質体及び樹脂(c)を含み、工程2及び工程3を有する、成形品の製造方法。工程2:強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を成形機構に供する工程。工程3:成形機構による加圧及び加熱によって、樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)を供給し、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を一体化させる工程。【選択図】図1

Description

近年、自動車や航空機などの輸送機器分野、スポーツ用品や義肢装具といった産業分野では、軽量性の向上に対する市場要求が年々高まっている。構造体の軽量化方法として、例えば、超高張力鋼材(ハイテン材)を利用することによる薄肉化や、スチール材の代替としてアルミ合金、さらには繊維強化複合材料などのプラスチック材料の利用が進められている。特に、繊維強化複合材料などのプラスチック材料は軽量化効果が期待できることから、金属の代替品として適用が進められている。しかしながら、他の構造材との組み立てに用いるための継手といった形状特性や導電性・熱伝導性といった物理特性の観点から、全ての金属部品を繊維強化複合材料で代替することは困難な場合も多い。そのため、金属部材と繊維強化複合材料を一体化させる技術の開発が進められている。
例えば、特許文献1では、表面に微細な凹凸を形成した金属部材に対して、充填剤として強化繊維を含む樹脂を射出インサートすることで、金属部材と樹脂部材を一体化させる技術が開示されている。
一方、連続繊維を含む繊維強化複合材料の製造工程で、他の部材と一体化させる製造方法の開発が進められている。特許文献2では、RTM(Resin Transfer Molding:樹脂注入成形法)において、樹脂を含浸していない強化繊維基材からなるプリフォームに他の部材を接着剤で固定した予備成形体に、樹脂を注入して一体化させる方法が開示されている。接着剤の粘度条件を制御することで、注入した樹脂の流動が均一になり、強化繊維基材に好適に樹脂を含浸して、他の部材と一体化することができる。
特開2014−223781号公報 特開2016−221731号公報
しかしながら特許文献1に記載の方法は、微細な凹凸に強化繊維が入り込むことで、金属部材と樹脂部材の接合強度が向上するものの、凹凸に強化繊維を入り込ませるためには、繊維長を短くする必要がある。そのため、樹脂部材では強化繊維の補強効果が十分に得られず、成形品の剛性に劣るため、構造部材への適用が困難であった。
また特許文献2に記載の方法は、強化繊維基材の積層体に他の部材を接着剤で固定して予備成形体を形成するため、工程に時間を要して、成形サイクルタイムが長くなる問題がある。また、他の部材の形状や配置場所に従って、強化繊維基材の裁断形状を調整する必要があり、工程が煩雑になるという問題がある。さらに、得られる成形品の接合部では、固定のために用いた接着剤と注入した樹脂の2種類が存在するため、安定した接着強度を発現できないといった問題がある。
以上の背景から、金属部材と繊維強化複合材料を一体化した成形品を構造部材に適用するためには、各部材の剛性を維持しつつ、繊維強化複合材料の成形と金属部材との接合を同時に達成できる製造方法を開発する必要がある。
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、繊維強化複合材料の成形と金属部材との接合を同時に達成できる製造方法を提供することである。また、繊維強化複合材料と金属部材が他の成分を介することなく一体化された成形品を提供することである。
そこで、本発明の成形品の製造方法は、以下である。
強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を加熱、加圧することによる成形品の製造方法であって、
前記樹脂供給材料(C)は、連続多孔質体及び樹脂(c)を含み、
工程2及び工程3を有する、成形品の製造方法。
工程2:強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を成形機構に供する工程。
工程3:成形機構による加圧及び加熱によって、樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)を供給し、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を一体化させる工程。
さらに本発明の成形品は、以下である。
繊維強化複合材料及び金属部材(B)が一体化した成形品であって、
前記繊維強化複合材料が、強化繊維基材(A)及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(I)、並びに、連続多孔質体及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(II)を含み、
前記繊維強化複合材料及び前記金属部材(B)が、他の層を介することなくマトリックス樹脂(c’)によって一体化しており、
前記成形品の最表面が、前記層(I)及び/または前記金属部材(B)である、成形品。
本発明の成形品の製造方法によれば、繊維強化複合材料の成形と金属部材との接合を同時に達成できる製造方法を提供できる。繊維強化複合材料と金属部材が他の成分を介することなく一体化された成形品を提供できる。
図1は、成形機構において両面型を用いた場合の、本発明の製造方法の一例の断面の模式図である。 図2は、両面型を用いたRTM法の一例の断面の模式図である。 図3は、本発明の製造方法により得られるサンドイッチ構造のコア層に金属部材が埋め込まれた成形品の一例の断面の模式図である。 図4は、成形機構において両面型を用いた場合の、本発明の製造方法の一例の断面の模式図である。 図5は、本発明の成形品の一例の断面の模式図である。
以下、本発明の成形品の製造方法について説明する。
本発明の成形品の製造方法は、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を加熱、加圧することによる成形品の製造方法であって、前記樹脂供給材料(C)は、連続多孔質体及び樹脂(c)を含み、工程2及び工程3を有する、成形品の製造方法である。
工程2:強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を成形機構に供する工程。
工程3:成形機構による加圧及び加熱によって、樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)を供給し、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を一体化させる工程。
なお、工程3において、樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)が強化繊維基材(A)に含浸するとともに、金属部材(B)の表面に行き渡り、その後、樹脂(c)が硬化又は固化することによって、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)が一体化することとなる。
<強化繊維基材(A)>
強化繊維基材(A)としては、強化繊維を含む基材であれば特に限定されないが、織物基材、一方向基材、及びマット基材から選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、強化繊維束単体、強化繊維束を一方向に配列させてステッチ糸により縫合一体化した物、連続繊維からなる織物基布を単独又は積層したもの、連続繊維からなる織物基布をステッチ糸により縫合一体化した物、立体織物や編組物などの繊維構造物、不連続繊維を不織布形態としたものなどが好ましく用いられる。
なお、連続繊維とは、強化繊維を短繊維の状態に切断することなく、強化繊維束を連続した状態で引き揃えた強化繊維を意味する。
強化繊維基材(A)に用いられる強化繊維の形態や配列については、一方向に引き揃えられた長繊維、織物、ロービングなどの連続繊維の形態から適宜選択できる。
また、強化繊維基材(A)は、強化繊維を含み、さらに少なくとも一部に樹脂を含まない未含浸部を有するものであれば、他の物質、例えば種々の添加剤などを含んでいても構わない。しかし、成形時の賦形性の観点から、強化繊維基材(A)は樹脂を含んでいない状態、すなわちドライ状態のものが好ましい。つまり強化繊維基材(A)は強化繊維のみで構成されたものが好ましい。
高力学特性の成形品を得る目的からは、強化繊維基材(A)としては連続繊維で構成された一方向基材を用いることが好ましい。さらに、高力学特性と形状自由度の高い成形品を得る目的から、強化繊維基材(A)としては連続繊維で構成された織物基材を用いることがより好ましい。また、樹脂供給材料(C)から供給される樹脂(c)の含浸速度を速め、成形品の生産性を高める目的からは、強化繊維基材(A)としては不連続繊維で構成されたマット基材を用いることが好ましい。
強化繊維基材(A)を構成する強化繊維の種類としては特に限定されず、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維などが好適に用いられるが、炭素繊維であることがより好ましい。炭素繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が、力学特性の向上、繊維強化複合材料の軽量化効果の観点から好ましく使用でき、これらは1種又は2種以上を併用しても良い。
<金属部材(B)>
金属部材(B)を構成する金属の種類としては、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、金、銀、鉄、マグネシウム、クロム、タングステン、亜鉛、鉛など及びこれらの合金を例示できる。また、金属部材は1種類の金属より構成されていても良いし、2種類以上の金属を組み合わせても良い。金属部材(B)の態様としては、板状、箔状、塊状等が例示でき、成形品の用途に合わせて、機械加工により予め所定の形状に形成されていても良いし、成形品の製造後に所定形状に形成されても良い。
また、金属部材(B)は、樹脂(c)との接着の観点から、表面に凹凸形状を有することが好ましい。金属部材(B)の表面に凹凸形状を形成する方法としては、侵食性水溶液または侵食性懸濁液に浸漬する方法、サンドブラストやレーザー加工を表面に施す方法が例示できる。金属部材(B)の表面が凹凸形状を有することで、工程3において樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)が凹凸形状中の凹部に浸透して、アンカリング構造を形成し、接合強度が向上するため好ましい。また、樹脂供給材料(C)の樹脂(c)との化学結合を形成する観点から、プラズマ処理などを用いて金属部材(B)の表面に極性官能基を付与してもよい。付与される極性官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基等が例示できる。
<樹脂供給材料(C)>
樹脂供給材料(C)は、連続多孔質体と樹脂(c)を含む。つまり樹脂供給材料(C)は、樹脂(c)を連続多孔質体に担持させたものである。
なお、樹脂供給材料(C)は、樹脂(c)と連続多孔質体を含みさえすれば、他の物質、例えば種々の添加剤などを含んでいても構わない。また、連続多孔質体の形態としては、取扱性の観点から、シート状であることが好ましい。
樹脂供給材料(C)の形態としては、シート状であることが好ましい。熱樹脂供給材料(C)の厚みは、樹脂供給性や力学特性の観点から0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましい。また、取扱性、成形性の観点から、樹脂供給材料(C)の厚みは100mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましく、30mm以下がさらに好ましい。
樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の質量含有率Wcは、取扱性の観点から0.5%(質量基準)以上が好ましく、1.0%(質量基準)以上がより好ましく、1.5%(質量基準)以上がさらに好ましい。また、樹脂供給性の観点から前記質量含有率Wcは30%(質量基準)以下が好ましく、22%(質量基準)以下がより好ましく、15%(質量基準)以下がさらに好ましい。樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の質量含有率Wcを0.5%(質量基準)以上30%(質量基準)以下とすることで、室温での取扱性と成形時の樹脂供給性を両立することができる。
なお、樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の質量含有率Wcは、下記式により求められる。
Wc=W1/(W1+W2)×100(%)
W1:樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の質量(g)
W2:樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)及び添加物等他の物質の質量(g)
ここで、樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の質量含有率Wcは、後述する条件で切り出したサンプルにおいて樹脂(c)及び添加剤等他の物質を除去する前後の質量差から求めることができる。樹脂供給材料(C)から樹脂(c)及び添加剤等他の物質を除去する方法としては、樹脂供給材料(C)を加熱条件下に置いて樹脂(c)及び添加剤等他の物質を焼き飛ばす方法や、連続多孔質体は溶解せずに、樹脂(c)及び添加剤等他の物質を溶解させる溶剤中に浸漬させる方法が例示できる。
樹脂供給材料(C)を切り出す方法としては、樹脂(c)が室温で固体の場合、これを粉砕しないよう注意して切り出せば良く、樹脂(c)が室温で液体の場合は、凍結条件下で切り出せば良い。凍結条件としては、示差走査熱量測定(DSC)によって求めた樹脂(c)の融点より10℃以上低い温度雰囲気が例示できる。融点が検出出来ない場合はガラス転移点を代用して求める方法が例示できる。
樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の体積含有率Vcは、取扱性の観点から0.3%(体積基準)以上が好ましく、0.6%(体積基準)以上がより好ましく、1.0%(体積基準)以上がさらに好ましい。また、樹脂供給性の観点から前記体積含有率Vcは20%(体積基準)以下が好ましく、15%(体積基準)以下がより好ましく、10%(体積基準)以下がさらに好ましい。樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の体積含有率Vcを0.3%(体積基準)以上20%(体積基準)以下とすることで、室温での取扱性と成形時の樹脂供給性を両立することができる。
なお、樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体の体積含有率Vcは、下記式により求められる。
Vc=Faw/(ρ×Tc×10)(%)
Faw:連続多孔質体の目付(g/m
ρ:連続多孔質体の構成材料の密度(g/cm
Tc:樹脂供給材料(C)の厚さ(mm)
樹脂供給材料(C)を切り出す方法としては、樹脂(c)が室温で固体の場合、これを粉砕しないよう注意して切り出せば良く、樹脂(c)が室温で液体の場合は、凍結条件下で切り出せば良い。凍結条件としては、示差走査熱量測定(DSC)によって求めた樹脂(c)の融点より10℃以上低い温度雰囲気が例示できる。融点が検出出来ない場合はガラス転移点を代用して求める方法が例示できる。
また、厚さTc(単位:mm)と連続多孔質体の目付Faw(単位:g/m)、連続多孔質体の構成材料の密度ρ(単位:g/cm)を用いて上式により連続多孔質体の体積含有率Vcを求めることができる。厚さTcは、顕微鏡により樹脂供給材料(C)の縦50mm、横50mmの範囲内における任意の10点の厚さ平均から求められる。
樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体としては、熱硬化性樹脂フォーム、熱可塑性樹脂フォーム、不織布などを例示でき、連続孔を有していれば特に限定されない。また、取扱性の観点から、連続多孔質体はシート状の形態が好ましい。
成形品の強度・剛性の観点から、樹脂供給材料(C)中の連続多孔質体は、不連続繊維から構成されており、束形状もしくは短繊維形状で不連続繊維が分散し、繊維間に空隙を有する構造である不織布が好ましい。不織布に好適な不連続繊維としては、天然繊維、合成繊維などの有機繊維や、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維が挙げられる。なかでも不織布に好適な不連続繊維としては、比強度、比弾性率に優れる炭素繊維が好ましい。不織布の形態や形状に制限はなく、例えば、2種類以上の繊維を混合したり、有機化合物や無機化合物が混合されていたり、繊維同士が他の成分で目留めされていたり、繊維が樹脂成分と接着されていたりしても良い。繊維が分散した構造を容易に製造する観点から、不織布としては乾式法や湿式法で得られる不織布形態で、繊維が十分に開繊され、かつ繊維同士が有機化合物からなるバインダーで接着された不織布が好ましい形状として例示できる。
樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)の種類としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂などが好ましく用いられる。エポキシ樹脂単体の他、エポキシ樹脂と熱硬化性樹脂の共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂なども用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂が好ましく用いられ、また、これらのいずれかの樹脂の前駆体である環状のオリゴマーも好ましく用いられる。
樹脂(c)が熱硬化性樹脂の場合には、工程3における加熱により、また必要に応じて工程3の後(成形後)に熱硬化性樹脂が硬化する温度にさらに加熱することにより、熱硬化性樹脂が硬化し、成形品が得られる。樹脂(c)が熱可塑性樹脂の場合には、工程3における加熱により溶融した樹脂を、その後冷まして固化させることで、成形品が得られる。中でも、比較的低い温度の加熱によって樹脂の粘度が低下する熱硬化性樹脂が、工程3において強化繊維基材(A)への樹脂供給を効率よく行うことができるため、樹脂(c)としては熱硬化性樹脂が好ましい。
また、樹脂(c)を連続多孔質体に担持させる方法としては、例えば、樹脂(c)を指定の目付に合わせたフィルム形状として、連続多孔質体の少なくとも片面に貼付し、樹脂(c)が熱硬化性樹脂の場合は、硬化反応が進行しない温度で加熱加圧し、熱可塑性樹脂の場合は溶融する温度で加熱加圧して連続多孔質体に樹脂(c)を担持させ、巻き取る方法を例示できる。
連続多孔質体に樹脂(c)を担持させる際の加熱加圧方法としては、ヒータなどの熱源を有した多段ロール、ダブルベルトプレスなどを用いる方法が挙げられる。これらの方法は、連続的に加熱加圧機構に樹脂(c)と連続多孔質体を搬送できるため、長尺の樹脂供給材料(C)が得られる利点がある。
また、分割方式で樹脂(c)を連続多孔質体に担持させる方法も例示できる。所定のサイズに裁断した連続多孔質体とあらかじめ秤量した樹脂(c)を閉空間内に配置して、該閉空間内を減圧し、樹脂(c)が熱硬化性樹脂の場合は、硬化反応が進行しない温度で加熱し、熱可塑性樹脂の場合は溶融する温度で加熱することによって、連続多孔質体内に存在する空気を樹脂(c)に置換して連続多孔質体に樹脂(c)を担持させる、真空バック方法などが挙げられる。
<成形品の製造方法>
本発明の成形品の製造方法は、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を加熱、加圧することによる成形品の製造方法であって、後述する工程2及び工程3を含む点を特徴としている。そしてより好ましい態様としては、後述する工程1を有する。以下では、このような本発明に係る成形品の製造方法について説明する。
<工程1>
本発明の成形品の製造方法は、工程2の前に、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を配置して、予備成形体を形成する工程(工程1)を有することが好ましい。予め所望の形状・サイズに裁断した強化繊維基材(A)と樹脂供給材料(C)と、所望の形状に加工した金属部材(B)とを配置して、予備成形体を形成することで、複雑形状のへの賦形が容易なる。加えて、得られる成形品において、金属部材(B)を精度良く接合できるため、寸法精度が向上する。本発明において工程1を有する場合には、工程2は、工程1において得られた予備成形体をそのまま成形機構に配置するだけで済むため、工程2の時間を短時間化できる。
<工程2>
本発明の成形品の製造方法は、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を成形機構に供する工程2を含む。強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を成形機構に供する形態としては、分割方式と連続方式が挙げられる。
前者の分割方式では、上述の<工程1>で形成した予備成形体を成型機構に供する方法を例示できる。分割方式の成型機構としては、雌雄一対の両面型を具備したプレス機や、片面に形状を有する賦形型を用いた真空圧成形機が例示できる。
また、後者の連続方式では、長尺状の強化繊維基材(A)と樹脂供給材料(C)を巻きだし、所望の積層構成となるよう金属部材(B)と接触させて成形機構に供する方法が例示できる。このような連続方式の成形機構としては、押出成形機、引き抜き成形機、ベルトプレス成形機が例示でき、同一断面で長尺状の成形品を容易に得ることができる。
好ましくは、工程2において金属部材(B)の表面の一部が樹脂供給材料(C)と接触するように配置するのが良い。樹脂供給材料(C)が後述する工程3で樹脂(c)を排出して厚さが変化して図1に示される樹脂供給材料と金属部材で形成される空間が埋められるため、図2に示されるようなRTM成形で予備成形体を形成する工程において必要であった強化繊維基材の中間層6を必要とせず、工程を簡略化することができる。ここで強化繊維基材の中間層とは、金属部材(B)と同等の厚さとなるよう所定のサイズに裁断した強化繊維基材を積層した層を指す。また工程2において金属部材(B)の表面の一部が樹脂供給材料(C)と接触するように配置することにより、金属部材(B)が形成する段差を緩和するため、得られる成形品の外観が向上する。このような態様では、図3に示されるような樹脂供給材料(C)の硬化物をコア層、強化繊維基材(A)と樹脂(c)の硬化物からなる層をスキン層としたサンドイッチ構造体において、コア層に金属部材(B)が埋め込まれた成形品の製造が好適に実施できるため、好ましい。
また、好ましくは、工程2において金属部材(B)と樹脂供給材料(C)の間に強化繊維基材(A)が配置されるようにするのが良い。図4に示されるように、工程2において金属部材(B)と樹脂供給材料(C)の間に強化繊維基材(A)を配置することによって、樹脂が未含浸の強化繊維基材(A)が、金属部材(B)との摩擦を抑制して、金属部材(B)の形状に容易に賦形できるため、得られる成形品の寸法精度が向上する。また、後述する工程3で樹脂供給材料(C)の樹脂(c)が、強化繊維基材(A)に含浸した後、金属部材(B)の表面に流れ込み、金属部材(B)は、高剛性の繊維強化基材(A)の層と同一樹脂で接合され、成形品の接合強度のバラツキが抑制されるため好ましい。
また、好ましくは、工程2において成形機構と接触するように金属部材(B)を配置し、当該金属部材(B)の成形機構と接触する側の面とは異なる側の面に、強化繊維基材(A)が接触するように配置するのが良い。金属部材(B)が、樹脂が未含浸の強化繊維基材(A)及び成形機構に接触することで、金属部材(B)と成型機構間、並びに、強化繊維基材(A)と金属部材(B)間の摩擦を抑制して、賦形性が向上する。そのため、複雑形状の成形品を容易に得ることができるため好ましい。
<工程3>
本発明の製造方法は、工程2の後に、成形機構による加圧及び加熱によって、樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)を供給し、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を一体化させる工程3を含む。
工程3における加圧方式としては、両面型をプレス機に取り付け、該両面型を型締めして加圧する方法や、片面の賦形型と可撓性を有するフィルムで構成された閉空間内に強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を配置して該閉空間を減圧する方法が挙げられる。後者の場合、成形空間である閉空間が外部よりも減圧であるため、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)が加圧された状態となる。
工程3における加熱方式としては、プレス機構に取り付けた両面型に熱源を接触させて、成形機構である両面型を直接加熱する方法が例示できる。加熱温度は、樹脂(c)が熱硬化性樹脂の場合は、硬化速度と、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)が成形機構に投入されてから取り出される時間(成形時間)から設定できるが、100℃以上300℃以下の範囲が好ましい。加熱温度をかかる範囲とすることで、成形サイクルを短縮することができ、成形品の生産性を向上させることができるために好ましい。また、樹脂(c)が熱可塑性樹脂の場合は、樹脂の溶融粘度から設定できるが、成形サイクルの観点から、100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また工程3では、加圧と加熱を同時に進行させることが好ましい。加圧と加熱とを同時に進行させるとは、加圧と加熱の両方が行われている時間に重なりがあること、つまり両方を同時に実施している時間が存在することを意味する。加圧の開始時間及び終了時間と、加熱の開始時間及び終了時間に差があっても構わない。つまり、加圧と加熱とを同時に開始して、加圧と加熱とを同時に終了させる態様も含めば、加圧を開始した後に加熱を開始して、その後加圧を終了して、最後に加熱を終了させる態様や、加圧を開始した後に加熱を開始して、その後加熱を終了して、最後に加圧を終了させる態様や、加圧と加熱とを同時に開始して、その後加圧を終了して、最後に加熱を終了させる態様などを含む。加圧と加熱の両方を同時に実施している時間が存在することで、加圧による形状賦形効果及び樹脂(c)の強化繊維基材(A)への含浸、及び金属部材(B)の表面への流れ込みを促す効果、並びに、加熱による樹脂供給材料(C)の軟化による形状追従性向上の効果及び樹脂(c)の粘度低下に伴う強化繊維への含浸性向上の効果の双方を利用できるため好ましい。
<成形品>
本発明の成形品は、繊維強化複合材料及び金属部材(B)が一体化した成形品であって、前記繊維強化複合材料が、強化繊維基材(A)及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(I)、並びに、連続多孔質体及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(II)を含み、前記繊維強化複合材料及び前記金属部材(B)が、他の層を介することなくマトリックス樹脂(c’)によって一体化しており、前記成形品の最表面が、前記層(I)及び/または前記金属部材(B)である特徴を有する。
ここで繊維強化複合材料とは、強化繊維基材(A)及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(I)と連続多孔質体及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(II)からなる。繊維強化複合材料中における層(I)及び層(II)の配置は、特に限定されないが、層(I)と層(II)を交互に積層した構成、層(II)の両表面に層(I)を積層したサンドイッチ構成が例示できる。
本発明の成形品は、成形品の最表面が、層(I)及び/又は金属部材(B)である。成形品の最表面に剛性の高い層(I)を配置することで、曲げ荷重に対する変形量が抑制できる。また、成形品の最表面に金属部材(B)があることにより、金属部材(B)を継ぎ手とした他の構造との組み立てが容易となる効果が得られる。加えて、金属部材(B)の意匠性や放熱性の効果を得ることが出来る。
また本発明の成形品は、繊維強化複合材料と金属部材(B)が、他の層を介することなくマトリックス樹脂(c’)によって一体化している。繊維強化複合材料と金属部材(B)が、他の層を介することなくマトリックス樹脂(c’)によって一体化しているとは、繊維強化複合材料と金属部材(B)の界面に接着剤層などを含むことなく、マトリックス樹脂(c’)を介して直接接触していることを示す。
本発明の成形品に好適な強化繊維基材(A)及び前記金属部材(B)は、前述の本発明の成形品の製造方法において説明した強化繊維基材(A)及び前記金属部材(B)を用いることができる。
さらに本発明の成形品に好適なマトリックス樹脂(c’)は、前述の本発明の成形品の製造方法において説明した樹脂(c)をその原料として用いることができる。つまりマトリックス樹脂(c’)としては、樹脂(c)として熱可塑性樹脂を用いた場合にはそれを用いることができ、樹脂(c)として熱硬化性樹脂を用いた場合には、その硬化物を用いることができる。
また、本発明の成形品に含まれる強化繊維基材(A)は織物基材であることが、成形品の意匠性と力学特性のバランスから好ましい。強化繊維基材(A)を、連続繊維の強化繊維より構成された織物基材とすることで、織組織の形状追従効果と強化繊維の補強効果を両立できるため好ましい。また、炭素繊維など強化繊維の織組織は、高級感を呈する意匠性を発現するため、好ましく用いられる。
また、マトリックス樹脂(c’)は、本発明の製造方法において樹脂(c)が工程3を経たものを示す。樹脂(c)が熱可塑性樹脂の場合は、工程3の加熱加圧工程により、溶融した樹脂(c)が樹脂供給材料(C)から排出され、強化繊維基材(A)に含浸され、さらに金属部材(B)の表面に浸透し、冷却・固化してマトリックス樹脂(c’)となる。また、樹脂(c)が熱硬化性樹脂の場合は、工程3の加熱加圧工程により、樹脂供給材料(C)から排出された樹脂(c)が、強化繊維基材(A)に含浸され、さらに金属部材(B)の表面に浸透し、硬化反応することでマトリックス樹脂(c’)は熱硬化性樹脂の硬化物となる。中でも、最低粘度が低い熱硬化性樹脂を樹脂(c)として用いることが、強化繊維基材(A)への含浸性が高いため、未含浸部を抑制した、熱硬化性樹脂の硬化物からなるマトリックス樹脂(c’)を有する成形品を得ることが出来るため好ましい。
なお、本発明の成形品の製造方法は特に限定されるものではないが、好適には前述の本発明の製造方法、つまり、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を加熱、加圧することによる成形品の製造方法であって、前記樹脂供給材料(C)は、連続多孔質体及び樹脂(c)を含み、工程2及び工程3を有する、成形品の製造方法により製造することができる。
以下に、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[強化繊維基材(A−1)]
東レ(株)社製の“トレカ”クロス、CO6343B(平織、繊維目付け198g/m)を強化繊維基材(A−1)とした。
[熱硬化性樹脂(c−1)]
“jER(登録商標)”828(三菱化学(株)製)を30質量部、“jER(登録商標)”1001を35質量部、“jER(登録商標)”154を35質量部、ニーダー中に投入し、混練しながら150℃まで昇温し、150℃において1時間混練することで透明な粘調液を得た。粘調液を60℃まで混練しながら降温させた後、硬化剤としてDYCY7(三菱化学(株)製)を3.7質量部、硬化促進剤としてDCMU99(保土谷化学工業(株)製)を3質量部、粒子として“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M(松本油脂製薬(株)製)を3質量部配合し、60℃において30分間混練することにより、熱硬化性樹脂組成物を調製した。該熱硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型紙上に塗布して、単位面積当たりの質量が50g/mと100g/mのフィルム状の熱硬化性樹脂(c−1)を作製した。
[連続多孔質体1]
以下の手順で強化繊維からなる不織布(連続多孔質体1)を準備した。
(手順1)PANを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面処理を行い、総単繊維数12,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:0.8g/m
密度:1.8g/m
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa
(手順2)上記(手順1)で得られた連続炭素繊維をカートリッジカッターで長さ6mmにカットし、チョップド繊維を得た。水と界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名)、ナカライテクス(株)製)からなる分散液を作製し、この分散液と上記チョップド繊維とを用いて、抄紙基材の製造装置で抄紙基材を製造した。抄紙は分散液中の繊維濃度を調整することで、単位面積当たりの質量を調整した。抄紙基材に、バインダーとしてポリビニルアルコール水溶液(クラレポバール、(株)クラレ製)を5質量%ほど付着させ、140℃の乾燥炉で1時間乾燥し、単位面積当たりの質量が100g/mの不織布(連続多孔質体1)を作製した。
[連続多孔質体2]
(株)イノアックコーポレーション製のウレタンフォーム“モルトプレン(登録商標)”ER−1を連続多孔質体2として準備した。なお、単位面積当たりの質量は175g/mであった。
[樹脂供給材料(C−1)]
連続多孔質体1及び750g/mの熱硬化性樹脂(c−1)を、熱硬化性樹脂(c−1)/連続多孔質体1/熱硬化性樹脂(c−1)となるように積層し、70℃に温調したプレス機において、面圧0.1MPaの加圧下で1.5時間加熱し、樹脂供給材料(C−1)を作製した。
[樹脂供給材料(C−2)]
50g/mの熱硬化性樹脂(c−1)を1層と100g/mの熱硬化性樹脂(c−1)を7層積層して、合計8層からなる750g/mの熱硬化性樹脂(c−1)を作製した。連続多孔質体2及び前記750g/mの熱硬化性樹脂(c−1)を、熱硬化性樹脂(c−1)/連続多孔質体2/熱硬化性樹脂(c−1)となるように積層し、70℃に温調したプレス機において、面圧0.1MPaの加圧下で1.5時間加熱し、樹脂供給材料(C−1)を作製した。
(実施例1)
予めサンドブラスト処理をして表面に凹凸形状を付与した金属部材(B)の表と裏に、樹脂供給材料(C−1)を、さらにその上面と下面に強化繊維基材(A−1)を2層ずつ、つまり繊維基材(A−1)/強化繊維基材(A−1)/樹脂供給材料(C−1)/金属部材(B)/樹脂供給材料(C−1)/繊維基材(A−1)/強化繊維基材(A−1)となるように積層し、予備成形体を形成した。
図1に示されるような構成となるよう、該予備成形体をプレス機に取り付けた両面型内に投入し、両面型を型締めして面圧1MPaの圧力を加えた。プレス機に具備されている熱盤を温調し、両面型を1.5℃/分の昇温速度で室温(25℃)から150℃まで昇温させ、150℃に到達後から10分間ホールドして成形品を製造した。10分間のホールド後に両面型の加圧を開放して、成形品(1)を脱型した。
成形品(1)の表面品位は良好で、金属部材(B)が表面に転写されるような段差は確認できなかった。断面観察を行ったが強化繊維基材(A−1)と熱硬化性樹脂(a−1)の硬化物からなる層にボイドは確認されなかった。また、金属部材(B)の凹凸部まで、熱硬化性樹脂(a−1)が含浸していることを確認した。なお、本実施例においてボイドの有無は、顕微鏡観察画像において5μm以上の直径を有する空隙の有無により判定した。
(実施例2)
樹脂供給材料(C−2)の表と裏に、強化繊維基材(A−1)を2層ずつ、つまり強化繊維基材(A−1)/強化繊維基材(A−1)/樹脂供給材料(C−2)/強化繊維基材(A−1)/強化繊維基材(A−1)となるように積層して積層体とした。図4の概略図のように、外戚相体の上面に、予めサンドブラスト処理をして表面に凹凸形状を付与した金属部材(B)を配して予備成形体を形成した。該予備成形体をプレス機に取り付けた両面型内に投入した。
両面型を型締めして面圧1MPaの圧力を加えた。プレス機に具備されている熱盤を温調し、両面型を1.5℃/分の昇温速度で室温(25℃)から150℃まで昇温させ、150℃に到達後から10分間ホールドして成形品を製造した。10分間のホールド後に両面型の加圧を開放して、成形品(2)を脱型した。
成形品(2)の表面品位は良好で、断面観察を行ったが強化繊維基材(A−1)と熱硬化性樹脂(a−1)の硬化物からなる層にボイドは確認されなかった。また、金属部材(B)の凹凸部まで、熱硬化性樹脂(a−1)が含浸していることを確認した。なお、本実施例においてボイドの有無は、顕微鏡観察画像において5μm以上の直径を有する空隙の有無により判定した。
本発明によれば、繊維強化複合材料の成形と金属部材との接合を同時に達成できる製造方法を提供できる。
1:強化繊維基材
2:金属部材
3:樹脂供給材料
4:両面型(上型)
5:両面型(下型)
6:強化繊維基材の中間層
7:樹脂注入口
8:樹脂排出口
9:強化繊維基材と樹脂硬化物からなるスキン層
10:樹脂供給材料の硬化物からなるコア層
11:層(I)
12:層(II)

Claims (9)

  1. 強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を加熱、加圧することによる成形品の製造方法であって、
    前記樹脂供給材料(C)は、連続多孔質体及び樹脂(c)を含み、
    工程2及び工程3を有する、成形品の製造方法。
    工程2:強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を成形機構に供する工程。
    工程3:成形機構による加圧及び加熱によって、樹脂供給材料(C)中の樹脂(c)を供給し、強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を一体化させる工程。
  2. 前記工程2の前に、以下の工程1を有することを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
    工程1:強化繊維基材(A)、金属部材(B)、及び樹脂供給材料(C)を配置して、予備成形体を形成する工程。
  3. 前記工程2において、金属部材(B)の表面の一部が樹脂供給材料(C)と接触するように配置する、請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
  4. 前記工程2において、金属部材(B)と樹脂供給材料(C)の間に強化繊維基材(A)が配置されるようにする、請求項1から3のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  5. 前記工程2において、成形機構と接触するように金属部材(B)を配置し、
    当該金属部材(B)の成形機構と接触する側の面とは異なる側の面に、強化繊維基材(A)が接触するように配置する、請求項1から4のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  6. 前記樹脂(c)が熱硬化性樹脂である、請求項1から5のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  7. 繊維強化複合材料及び金属部材(B)が一体化した成形品であって、
    前記繊維強化複合材料が、強化繊維基材(A)及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(I)、並びに、連続多孔質体及びマトリックス樹脂(c’)を含む層(II)を含み、
    前記繊維強化複合材料及び前記金属部材(B)が、他の層を介することなくマトリックス樹脂(c’)によって一体化しており、
    前記成形品の最表面が、前記層(I)及び/または前記金属部材(B)である、成形品。
  8. 前記強化繊維基材(A)が織物基材である、請求項7に記載の成形品。
  9. 前記マトリックス樹脂(c’)が熱硬化性樹脂の硬化物である、請求項7又は8に記載の成形品。
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