以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前枠としての前面枠14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠14が開閉可能に取付けられている。前面枠14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、下払出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段(発射操作手段)としての遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、回動可能に設けられた操作部としての回転操作体18aが設けられるとともに、図示されない位置において、ハンドル18に人手が触れたことを検知可能なタッチ検知手段としてのタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な停止操作手段としてのストップレバー18bが設けられている。当該ストップレバー18bを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
図2に示すように、下皿15の上方には、上払出口17から払出された遊技球を貯留可能な上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び下払出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には、貸出スイッチ121と、返却スイッチ122と、残高表示部124とが設けられている。遊技ホール等において、パチンコ機10の(左)側方に配置されるCRユニットに対して残高のある遊技カードが投入(挿入)された状態で貸出スイッチ121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却スイッチ122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。また、残高表示部124では、CRユニットに挿入されているカードの残高がいくらあるのかが表示される。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123は、上皿19上面から出没可能に構成され、図示しない付勢手段によって常には上皿19上面から突出する側へと付勢されている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19と下皿15との間が開通し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内されるようになっている。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、演出操作手段としての演出ボタン125、十字ボタン126、及び、特定操作手段としての特定演出ボタン127が設けられている。演出ボタン125、及び、特定演出ボタン127にはLEDが内蔵されているとともに、演出ボタン125、十字ボタン126、及び、特定演出ボタン127を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
さらに、下皿15の左方には、手前側に突出した触覚伝達手段としての演出ハンドル401が設けられている。図58、図59に示すように、演出ハンドル401は、前後方向にスライド可能に設けられた第1スライド部材402と、第1スライド部材402の右方に隣接して、前後方向にスライド可能に設けられた第2スライド部材403と、第2スライド部材403の右方に隣接して設けられた支持プレート404と、第1スライド部材402、及び、第2スライド部材403をそれぞれ変位可能とする駆動機構405と、第1スライド部材402、第2スライド部材403、及び、支持プレート404をまとめて覆う軟質樹脂製(オレフィン系エラストマー等)で袋状のカバー部材406とを備えている。
第1スライド部材402は、前後方向において、前端部が支持プレート404の前端部とほぼ同じ位置となる基準位置と、基準位置よりも後方に変位した退避位置との間を変位可能に構成されている。第2スライド部材403は、前後方向において、前端部が支持プレート404の前端部とほぼ同じ位置となる基準位置と、基準位置よりも前方に変位した突出位置との間を変位可能に構成されている。
また、第2スライド部材403については、駆動機構405に支持されるベース片407と、ベース片407の前端部に対して上下方向を軸線方向として回動可能に連結された先片408とを備えている。第1スライド部材402及び第2スライド部材が基準位置にある場合には、先片408が第1スライド部材402及び支持プレート404に支持されて、ベース片407の延長線上に延在する。その一方で、第2スライド部材403が突出位置に変位し、第1スライド部材402が退避位置に変位した場合には、先片408がカバー部材406に案内されて若干左側に傾斜した姿勢で延在するようになっている。
さらに、図示は省略するが、第1スライド部材402、第2スライド部材403、及び、支持プレート404は、前面枠14の前面よりも後方において左右方向に延びる軸線と、上下方向に延びる軸線と、前後方向に延びる軸線とをそれぞれ中心として回動可能に構成されている。演出ハンドル401の駆動機構405は、後述するサブ制御装置262と電気的に接続されており、演出等に応じて駆動制御される。
加えて、本実施形態の演出ハンドル401には、カバー部材406に被せるようにして、ゴム製(スポンジゴム等)で袋状の専用パーツ411を取付可能に構成されている。専用パーツ411には、材質、ペイント(色や図柄)、表面形状等の異なる複数のバリエーションが存在し、例えば、遊技者が自ら遊技機メーカー等から購入して、遊技ホールに持参し、演出ハンドル401に取付けたり、或いは、遊技ホールにおいて貸出可能としたりしてもよい。
専用パーツ411の開口縁には、開口形状を保持するための保持枠412が埋設されている。さらに、専用パーツ411の開口縁の一部(演出ハンドル401への取付状態において右側に配置される部位)に対して、係合部413が設けられている。
また、演出ハンドル401には、カバー部材406の右方に隣接して、係合部413と係合可能な被係合部414と、被係合部414と係合状態とされた係合部413を検知可能な図示しない取付検知手段(赤外線センサ、光センサ、スイッチ等)と、被係合部414の上方位置に設けられ、係合部413と被係合部414との係合状態をワンタッチで解除可能な解除ボタン416(図1参照)と、解除ボタン416に内蔵され、取付検知手段により係合部413が検知されている状態において発光する取付ランプ417(図1参照)とが設けられている。取付検知手段の検知信号はサブ制御装置262に入力され、サブ制御装置262は、取付検知手段の検知信号に応じて取付ランプ417の点灯制御を行っている。
尚、演出ハンドル401に専用パーツ411を取付けなくても、後述する演出ハンドル401による演出を楽しむことが可能である。また、カバー部材406には、前後に延びる溝部が形成され、専用パーツ411の取付に際して、専用パーツ411と、カバー部材406との間の空気が、かかる溝部を通じて、外部に抜けるように構成されていることとしてもよい。さらに、取付検知手段による検知が行われている状態で返却スイッチ122が操作された場合に、装飾図柄表示装置42において、専用パーツ411が取付けられている旨を伝える表示を導出可能に構成してもよい(導出しない設定も可能とする)。本実施形態では、演出ハンドル401がパーツ取付部を構成する。
また、前面枠14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞装置31、可変入球手段としての第1可変入賞装置32a(第1可変入球手段)、及び、第2可変入賞装置32b(第2可変入球手段)、始動入球手段としての第1始動入賞装置33a(第1始動入球手段)、及び、第2始動入賞装置33b(第2始動入球手段)、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。周知の通り、一般入賞装置31、可変入賞装置32a、32b、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞装置に遊技球が入球(入賞)すると、各種検知スイッチにより検知され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの入球があった場合には3個、一般入賞装置31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技領域において遊技球が通過するだけの(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。加えて、第1始動入賞装置33a、一般入賞装置31、及び、スルーゲート34には、遊技領域を移動する遊技球が常に入球可能、又は、通過可能に構成されているのに対し、第2始動入賞装置33b、及び、可変入賞装置32a、32bに関しては、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する条件成立検知手段、始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bが開放される特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選等が行われるとともに、後述する特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態が付与されることとなる。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞装置31等の各種入賞装置に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(遊技釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には左右一対の入球口151が設けられており、該入球口151を介してセンターフレーム47の内部に入球した遊技球は、装飾図柄表示装置42の左右側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。加えて、ポケット154は、第1始動入賞装置33aの直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で、後述する第1始動入賞装置33aに入球するようになっている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口(始動入賞口)が開口している。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような構成(開閉部材等)は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの右下方位置には、第1可変入賞装置32aが設けられている。第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉するシャッタと、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ223aとを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
第1可変入賞装置32aは、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、本実施形態の第1可変入賞装置32aの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1可変入賞装置32aの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1可変入賞装置32aの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
また、本実施形態では、遊技領域に設けられた遊技釘等の配置により、遊技球を第1始動入賞装置32aへ入球させる場合には、当該遊技球を、遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域(左側方領域)に通過させる(左打ちする)必要があり、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(右側方領域)に通過させても(右打ちしても)、第1始動入賞装置32aには入球させることができないようになっている。その一方で、遊技球を第1可変入賞装置32aへ入球させる場合には、当該遊技球を右側方領域に通過させる必要があり、左側方領域に通過させても、第1可変入賞装置32aにはほぼ入球させることができないようになっている。
右側方領域の下部において、第1可変入賞装置32aの右上方位置には、第2始動入賞装置33bが設けられている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能に設けられた一対の羽根部材37を備えている。本実施形態では、羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、一対の羽根部材37の先端部と、遊技釘との間に遊技球が通過する余地がなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球を入球させることが不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変化することで、第2始動入賞装置33bは、羽根部材37と遊技釘との間に遊技球が通過する隙間が確保されて遊技球の入球が許容されるとともに、羽根部材37によって第2始動入賞装置33bの側方を移動する遊技球が第2始動入賞装置33bの始動入賞口へと案内される(遊技球が入球し易くなる)開状態となる。
右側方領域の上部において、第2始動入賞装置33cの上方位置には、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能なスルーゲート34が設けられている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。尚、本実施形態では、右側方領域には、スルーゲート34が設けられていない。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選(開放抽選)が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33cへ入球させ易くなる第2入球状態としての「高入球状態」と、高入球状態よりも羽根部材37が開放される時間帯が減少する第1入球状態としての「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード(或いは、時短モード)」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(4)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
さらに、本実施形態では、通常モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モード、及び、確変モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43bにおける変動表示が予め設定された規定回数(本例では、100回)行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
センターフレーム47の右下部において、第2始動入賞装置33bの上方、かつ、スルーゲート34の下方の位置には、第2可変入賞装置32bが設けられている。本実施形態の第2可変入賞装置32bは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域141と、特定領域141への入口となる入球開口部142を開閉させる開閉部材143と、開閉部材143を開閉動作させる図示しないソレノイドとを備え、当該ソレノイドを駆動制御し、開閉部材143を開閉させることで、第2可変入賞装置32bを閉状態と開状態とに切替えている。第2可変入賞装置32bは、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入球可能な開状態とされる。
尚、本実施形態の開閉部材143は、入球開口部142の下部において前後方向に延びる軸部(図示略)を中心として回動可能に軸支されており、第2可変入賞装置32bの閉状態では、開閉部材143が上下に延びて入球開口部142を閉塞する。一方、第2可変入賞装置32bの開状態では、開閉部材143が右方に開き(上面が右方に向けて若干上方傾斜している)、第2可変入賞装置32bの右方に流下してきた遊技球を開閉部材143の裏面(上面)で受けて入球開口部142へと案内するようになっている。
さらに、第2可変入賞装置32bは、特定領域141に入球した全ての遊技球を検知可能な入球カウントスイッチ226と、特定領域141に入球し、入球カウントスイッチ226に検知された遊技球が入球可能な特定入球部145、及び、非特定入球部146と、特定入球部145に入球した遊技球を検知する特定入球検知スイッチ223bと、非特定入球部146に入球した遊技球を検知する非特定入球検知スイッチ223cと、入球カウントスイッチ226に検知された遊技球を特定入球部145又は非特定入球部146のうち一方に案内する振分け装置149とを備えている。
振分け装置149は、特定入球部145への入球を規制する閉位置と、特定入球部145への入球を許容する開位置とに変位するスライドバー149aと、所定間隔毎にスライドバー149aを開位置へと変位させるソレノイド(図示略)とを備えている。特定領域141に入球した遊技球が振分け装置149へ到達した際にスライドバー149aが開位置にあれば、当該遊技球が特定入球部145に入球し、スライドバー149aが閉位置にあれば、当該遊技球が非特定入球部146に入球することとなる。
本実施形態では、第2可変入賞装置32bの特定領域141に入球した遊技球が特定入球部145に入球した場合に、確変モードが付与されるようになっている。
また、本実施形態の大当たり種別としては、15ラウンド確変大当たり(以下「15RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」と言う)とがある。「15RS」に関しては、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが15回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。本実施形態では、第1〜第7ラウンド、及び、第9〜第15ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが開状態とされ、第8ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが開状態とされるようになっている。つまり、「15RS」については、第8ラウンドにおいて、遊技球を第2可変入賞装置32bに入球させることで、当該遊技球が特定入球部145に入球することとなり、当該「15RS」の大当たり状態終了後には、「確変モード」が付与されるようになっている。
「8RS」に関しては、第1〜第7ラウンドが、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとし、第8ラウンドが、第2可変入賞装置32bが30秒間開放されること、又は、第2可変入賞装置32bに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして行われる。つまり、「8RS」についても、第8ラウンドにおいて遊技球を第2可変入賞装置32bの特定入球部145に入球させることができ、大当たり状態終了後には、「確変モード」が付与されるようになっている。
「8RN」に関しては、第1〜第7ラウンドが、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとし、第8ラウンドが、第2可変入賞装置32bが0.1秒間開放されること、又は、第2可変入賞装置32bに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして行われる。すなわち、「8RN」の「第8ラウンド」に関しては、第2可変入賞装置32bへの遊技球の入球が見込めず、遊技球の増加も見込めない大当たりラウンドとなっている。このため、「8RN」の大当たり状態では、特定入球部145へ遊技球を入球させることができず、大当たり状態終了後には、「時間短縮モード」が付与されるようになっている。
尚、「15RS」、及び、「8RS」の第8ラウンド以外において、遊技球が第2可変入賞装置32bの特定領域141に入球しても、振分け装置149のスライドバー149aが閉位置にあって、特定入球部145には入球しない(開閉部材143の開放時に入球した遊技球が振分け装置149に到達するタイミングと、スライドバー149aが開位置とされるタイミングとが合わない)ような構成としてもよい。
また、略楕円形状の遊技領域の右上部に隣接して、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる特別表示手段としての第1特別表示装置43aと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる特別表示手段としての第2特別表示装置43bと、特別表示装置43a、43bにおける変動表示中に始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球があった場合に、当該入球に対応する変動表示を保留記憶したことを示す保留表示手段としての第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bと、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通表示手段としての普通図柄表示装置41と、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合に、当該通過に対応する変動表示を保留記憶したことを示す普通保留表示装置44とが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。本実施形態では、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、後述する主制御手段としての主制御装置261により直接的に表示制御される。
第1特別表示装置43aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。そして、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて変動表示が所定時間行われた後、当否抽選の結果に基づいて、変動表示が停止されることとなる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合せ)と、当否抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示されるようになっている。
さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「15RS」、「8RS」、及び、「8RN」のうちいずれであるかについても教示される。また、各種大当たり種別や、外れであることをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選では、「15RS」、「8RS」、及び、「8RN」に当選する可能性があり、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選では、「15RS」、及び、「8RS」に当選する可能性があり、「8RN」に当選する可能性はないようになっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後(変動インターバル後)に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。尚、当否抽選の結果を示す点灯態様がそのまま維持される構成としてもよい。
第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bは、それぞれ2個のLED(第1保留ランプ、第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と称する)を4回分まで保留記憶可能に構成されている。さらに、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と称する)についても4回分まで保留記憶可能に構成されている。
また、例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
本実施形態では、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるのであるが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。そして、普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側(遊技領域外周側)の普図ランプが点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合せ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置によって構成され、装飾図柄を表示可能な演出表示手段としての装飾図柄表示装置42が設けられている。装飾図柄表示装置42は、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせて、演出として装飾図柄を変動表示させるように構成されている。以下、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示のことを「演出変動表示」とも称する。さらに、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合せで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合せで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、通常モードにおいて、装飾図柄の数字柄が奇数のゾロ目となる場合には、「15RS」、又は、「8RS」が発生し、偶数のゾロ目となる場合には、「15RS」、「8RS」、又は、「8RN」のいずれかが発生し、「7」のゾロ目となる場合には、「15RS」が発生する。さらに、確変モード、及び、時間短縮モードにおいて、装飾図柄の数字柄が奇数のゾロ目となる場合には、「15RS」、又は、「8RS」が発生し(「15RS」となる可能性が高い)、偶数のゾロ目となる場合には、「15RS」、又は、「8RS」が発生し(「8RS」となる可能性が高い)、「7」のゾロ目となる場合には、「15RS」が発生する。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において(背景等が異なる)複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることが確定する「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、時間短縮モードに滞在している「引き戻しステージ」とがある。つまり、「15RS」、及び、「8RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。また、「8RN」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「引き戻しステージ」に移行する。さらに、確変ステージ、及び、引き戻しステージにおいて変動表示が100回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。詳しくは後述するが、図42に示すように、装飾図柄表示装置42の下部(保留表示エリア462)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461が表示されるようになっている。
左側方領域の下部には、遊技領域の周縁部に沿って一般入賞装置31が配設されている。一般入賞装置31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の下払出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
さらに、上皿19と、球送り装置63との間を連通させ、上皿19に貯留された遊技球を球送り装置63へと案内する発射球通路74が設けられている。加えて、発射球通路74(上皿19の下流部でも可)には、下皿連通路71と連通する連通孔(図示略)が形成されるとともに、当該連通孔を開閉させる第1シャッタ(図示略)が設けられている。第1シャッタは、図示しない付勢手段によって常には連通孔を閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第1シャッタは、球抜きボタン123と連動し、球抜きボタン123が押圧操作された場合には、連通孔を開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図2に示すように、下皿15には、下皿15に貯留されている遊技球をパチンコ機10の外部へと排出可能な排出口15aが形成されるとともに、当該排出口15aを開閉させる第2シャッタ15bが設けられている。第2シャッタ15bは、図示しない付勢手段によって常には排出口15aを閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第2シャッタ15bは、球抜きレバー25と連動するように構成されており(例えば、連結、又は、一体形成されており)、球抜きレバー25が(左側へ)押圧操作された場合には、排出口15aを開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞装置31、可変入賞装置32a、32b、及び、始動入賞装置33a、33b等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞装置に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞装置31等の各種入賞装置に対応して、当該各種入賞装置へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞装置31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32aには、カウントスイッチ223aが設けられ、第2可変入賞装置32bには、入球カウントスイッチ226、特定入球検知スイッチ223b、及び、非特定入球検知スイッチ223cが設けられている。また、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、及び、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223a、入球カウントスイッチ226、特定入球検知スイッチ223b、非特定入球検知スイッチ223c、及び、スルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検知スイッチにて各々検知された検知結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検知された場合を除く)。
この他、図示は省略するが、遊技盤30の裏面には、可変入賞装置32a、32bの大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドや、第2始動入賞装置33bの羽根部材37を開閉させるソレノイド等が設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(変動表示の開始、大当たり状態の開始、確変モードの開始、確変モードの継続等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検知される前面枠14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞装置31等の各入賞装置に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞装置にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、及び、CRユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。電源・発射制御装置310は、発射制御回路312と、電源回路313とを備え、基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、CRユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源回路313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠14の閉鎖時において検知部が前面枠14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても、電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び、普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223a、特定入球検知スイッチ223b、非特定入球検知スイッチ223c、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、入球カウントスイッチ226等の各種検知スイッチや、保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44等の情報表示装置や、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、サブ制御装置262等の各種基板や、可変入賞装置32a、32bを開閉させるためのソレノイド、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)を開閉させるためのモータ等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、特定演出ボタン127、演出ハンドル401、環状電飾部102、及び、エラー表示ランプ104等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを教示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、電源・発射制御装置310(発射制御回路312)、払出装置358、CRユニット接続基板314等がそれぞれ接続されている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(貸出スイッチ121及び返却スイッチ122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(カードリーダーユニット、球貸しユニット)と、払出制御装置311とにそれぞれ電気的に接続されている。そして、遊技者による貸球操作部、又は、CRユニットへの球貸し操作に関する情報がCRユニットに入力され、かつ、CRユニットに挿入されている記録媒体であるカードに遊技価値の残高が記憶されている場合には、カードの残高が減算されるとともに、減算に対応する数の遊技球の払出要求信号が払出制御装置311に出力される。なお、CRユニットの記録媒体は、カードタイプに限定されず、コインタイプやスティックタイプのものであってもよい。
また、払出制御装置311は、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して定期的(例えば、2msec毎)に出力するように構成されている。
電源・発射制御装置310の発射制御回路312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものである。発射制御回路312には、ハンドル18、払出制御装置311、主制御装置261が電気的に接続されている。また、発射制御回路312は、ハンドル18から、ハンドル18(回転操作体18a)の回動操作量(回転角度)を示す可変抵抗器からのダイヤル位置信号と、遊技者がハンドル18をタッチしていることを示すタッチセンサからのタッチ信号と、遊技者がストップレバー18bを操作していないことを示す発射スイッチ信号とを入力可能に構成されている。さらに、発射制御回路312は、払出制御装置311から、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を入力可能に構成されている。
そして、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号が入力されていることを条件に、発射状態信号を主制御装置261に出力し、主制御装置261では、発射状態信号が入力されていることを条件に、発射許可信号、及び、球送り信号を発射制御回路312に出力する。主制御装置261は、発射状態信号が入力されている状態において、0.6秒間隔で、発射許可信号が出力されるようになっている。
また、発射制御回路312は、球送り信号が入力された場合に、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置に送るように構成されている。尚、球送り装置63に設けられ、発射位置に遊技球が存在するか否かを検知可能な準備球検知センサによって発射位置に既に遊技球が存在すると検知される状態においては、球送り装置63を駆動させない(球送り信号を受信しても、遊技球を発射位置に送らない)ようになっている。
さらに、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、(ダイヤル位置信号、)及び、発射許可信号が入力されていることを条件に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させるように構成されている。これにより、発射位置にセットされた遊技球が、発射装置60により、ダイヤル位置信号に基づく強さで打ち出されるようになっている。
また、電源回路313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(VDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチパターンの抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア、及び、第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43a、43bにおける変動表示(第1変動表示、及び、第2変動表示)をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜631の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり631)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜631)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている(本例では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に対応する大当たりでも、大当たり種別の振分けを同じとするため、種別判定テーブルは1つ)。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチパターンとの対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが1つであるが、例えば、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第1リーチ判定テーブルと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第2リーチ判定テーブルとを設けることとしてもよい。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり255)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜31の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり31)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。加えて、特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間と、装飾図柄表示装置42における変動表示の大まかな変動パターン(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチパターン)とが対応付けられており、特別表示装置43a、43bの変動時間が決まれば、装飾図柄表示装置42の変動パターンも決まる(特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間に丁度収まるような装飾図柄表示装置42における変動パターンを選択させる)ようになっている。例えば、変動種別カウンタCS1に基づいて変動時間が決定され、変動種別カウンタCS2によって、特別表示装置43a、43bにおける停止表示態様が決定される(例えば、15RSの大当たりに対応する場合には、15RSの大当たりに対応する停止表示態様のうちいずれかを決定する)ように構成してもよい。
尚、変動時間や変動パターンを決定するために使用されるカウンタ等は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、第1変動種別カウンタCS1だけで装飾図柄のリーチパターンを決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合せて装飾図柄のリーチパターンを決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり232)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は31であり、その範囲は「1〜31」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は232であり、その範囲は「1〜232」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態での入球サポート抽選において参照される低入球時サポート判定テーブルと、高入球状態での入球サポート抽選において参照される高入球時サポート判定テーブルとが用意されている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、(普通図柄表示装置41を構成する普図ランプが交互に点滅した後)、当選に対応する態様(点灯パターン)で停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検知情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1及び第2始動入賞装置33a、33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。続くステップS306では、電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する等の処理を行うための発射許可コマンド設定処理を行う。その後、ステップS307において、第2可変入賞装置32b内の遊技球を監視する残存球監視処理を行ってから、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。尚、保留されている変動表示の総数(第1変動表示の保留数と、第2変動表示の保留数とを合わせた数)をカウントする保留総数カウンタを設けることとしてもよい。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS511に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第2保留ランプを点灯させたまま左側の第2保留ランプを点滅させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS505において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS505の後、ステップS506に移行する。
ステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS508では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、高確率状態(確変モード)でのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、ステップS507の第2種別判定処理について、図15(b)を参照して説明する。先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5301で否定判別された(大当たり状態が発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5302において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RS」に対応する値「0〜11」と一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
次に、ステップS508のリーチ判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5402において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS508に続くステップS509では、第2変動表示の第2変動時間を判定する変動時間判定処理を行う。つまり、遊技モード(ここでは、確変モード又は時間短縮モードである可能性が高い)に対応する変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動時間を把握する。さらに、把握された変動時間は、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶する(同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消さない)。
ステップS509に続くステップS510では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、当否判定処理、種別判定処理、リーチ判定処理、及び、変動時間判定処理の結果を示す変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)や、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらへの入球を契機とする変動情報であるのかを示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS510の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS511において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS512において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS512で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS512で肯定判別された場合には、ステップS513に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS514では、第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプを点灯させたまま左側の第1保留ランプを点滅させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS514の後、ステップS515において、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS515の後、ステップS516に移行する。
ステップS516では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS517では、ステップS514で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。
ここで、ステップS517の第1種別判定処理について、図15(a)を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「8RS」に対応する値「0〜9」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「15RS」に対応する値「10,11」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球を契機として大当たり状態に当選した場合、第2可変入賞装置32bの特定入球部145への入球が望める、ひいては、高確率状態が付与される大当たり状態(15RS、又は、8RS)が付与される割合は60%であるのに対し、第2始動入賞装置33bへの入球を契機として大当たり状態に当選した場合には、高確率状態が付与される大当たり状態(15RS、又は、8RS)が100%で付与されるようになっている。
図13の説明に戻り、ステップS517に続くステップS518では、ステップS516で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理(図16参照)の詳細については既に上述している。
ステップS518に続くステップS519では、第1変動表示の第1変動時間を判定する変動時間判定処理を行う。つまり、遊技モード(ここでは、通常モードである可能性が高い)に対応する変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を把握する。さらに、把握された変動時間は、第1特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶する(同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消さない)。
ステップS519の後、ステップS520において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリアを設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS505、ステップS515の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS505、ステップS515の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。さらに、当否乱数カウンタC1の値を抽出し、記憶する機能が情報取得手段を構成する。また、ステップS506、ステップS516(ステップS5101、ステップS5103)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、タイマ割込み処理(図11参照)のスルーゲート通過処理(ステップS305)について図17のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプを点灯させたまま左側の普通保留ランプを点滅させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS604の後、ステップS605において、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図11参照)の残存球監視処理(ステップS307)について、図18を参照して説明する。先ず、ステップS1301では、第2可変入賞装置32bの特定領域141における遊技球の監視を行う状態であることを示す残存球監視フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1301で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1301で肯定判別された場合には、ステップS1302において、入球カウントスイッチ226の検知情報に基づいて、第2可変入賞装置32bの特定領域141に遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1302で肯定判別された場合には、ステップS1303において、第2可変入賞装置32bの特定領域141に存在する遊技球の数を計数する入球カウンタの値を1加算する。
ステップS1303の後、又は、ステップS1302で否定判別された場合には、ステップS1304において、特定入球検知スイッチ223bの検知情報に基づいて、特定入球部145に遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1304で肯定判別された場合には、ステップS1305において、特定入球部145に遊技球が入球したことを示す特定入球フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1305で否定判別された場合には、ステップS1306において、特定入球フラグをオン設定する。さらに、ステップS1307において、特定入球部145への入球をサブ制御装置262に伝える特定入球コマンドを設定する。
ステップS1307の後、又は、ステップS1305で肯定判別された場合には、ステップS1308において、入球カウンタの値を1減算する。
また、ステップS1308の後、又は、ステップS1304で否定判別された場合には、ステップS1309において、非特定入球検知スイッチ223cの検知情報に基づいて、非特定入球部146に遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1309で肯定判別された場合には、ステップS1310において、入球カウンタの値を1減算する。
ステップS1310の後、又は、ステップS1309で否定判別された場合には、ステップS1311において、監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。監視タイマには、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たりラウンドが開始される際に、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たりラウンドにおいて第2可変入賞装置32bに入球する遊技球が第2可変入賞装置32bから排出されるまでにかかる時間に対して余裕を見て予め定められた時間に対応する値が設定される。ステップS1311で否定判別された場合には、ステップS1312において、監視タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップS1311で肯定判別された場合には、ステップS1313において、入球カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1313において肯定判別された場合には、ステップS1314において、残存球監視フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS1313で否定判別された場合には、ステップS1314において、エラー処理を行ってから、本処理を終了する。エラー処理については、機種毎に適宜設定されるものであり、例えば、外部端子板240を介して第2可変入賞装置32bの球詰りを知らせる信号を外部出力してもよいし、大当たり終了時に、通常の遊技状態が開始されないように、エラー発生を知らせるエラー発生状態とする等してもよい。尚、入球カウンタがマイナスの値も取得るようにして、マイナスの値の場合に不正行為に対応するエラー処理が行われるように構成してもよい。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源・発射制御装置310の電源回路313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43a、43bや始動入賞装置33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドは、第1及び第2特別表示装置43a、43bにて行われる表示(特別図柄の変動表示)に合わせた表示(演出表示)を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(当否抽選の結果を教示又は示唆する装飾図柄の変動表示、及び、装飾図柄の変動表示とともに行われる演出表示等)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動種別について説明する。「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示の時間(変動時間)は、通常モード時には「12秒」、又は、「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「9秒」、又は、「12秒」となっている。尚、通常モードにおいても、第1変動表示が4つ保留されている状態から開始される第1変動表示についても、一時的な時間短縮状態となり、該第1変動表示の変動時間がノーマルリーチであれば「9秒」、又は、「12秒」に設定される。
「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチが導出される変動表示の変動時間は、通常モード時には「25秒」、又は、「30秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「22秒」、又は、「27秒」となっている。尚、スーパーリーチが発生する場合の変動表示の変動時間はいずれの遊技モードにおいても「25秒」、又は、「30秒」に設定されるように構成してもよい。
「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチが導出される変動表示は、スーパーリーチが導出される変動表示よりも変動時間が長く、また、高入球状態及び低入球状態のどちらの状態においても同じ長さ(例えば、60秒)となっている。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」となる変動表示の変動時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン、及び、変動時間の情報に基づき、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示の停止図柄(停止図柄の組合せ)を決定して、変動時間経過後に停止表示させる。つまり、「15RS」に当選した場合には、1〜9のいずれかのゾロ目からなる装飾図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)で変動表示が停止表示され、「8RS」に当選した場合には、1〜6、8,9のいずれかのゾロ目からなる装飾図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)で変動表示が停止表示され、通常大当たり(「8RN」)に当選した場合には、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)で変動表示が停止表示される。
前後外れ図柄の組合せは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合せは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合せは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。また、詳しくは後述するが、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドを受信した場合、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合せを停止図柄として決定する。尚、主制御装置261において、大当たり図柄の組合せ、ラッシュ付大当たり図柄の組合せ、時短付大当たり図柄の組合せ、前後外れ図柄の組合せ、前後外れ以外図柄の組合せ、及び、完全外れ図柄の組合せのいずれかを決定し、それを指定する図柄コマンドを設定し、変動パターンコマンドとともにサブ制御装置262に出力するような構成としてもよい。
ステップS201の後、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では255、31)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43a、43bに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。また、当該可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では631)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では255、31)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、特別表示装置43a、43bの変動表示の後に設定される変動インターバルの残り時間を計測するための変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS801で否定判別された場合、すなわち、変動インターバルの期間内である場合には、ステップS802において、変動インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、変動インターバルを1秒(1000msec)として、変動インターバルタイマに「249(ステップS801の前にステップS802が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS801で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバルではない場合には、ステップS803において、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、大当たり状態中には、特別表示装置43a、43bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間のオープニング期間と、可変入賞装置32が開状態とされるラウンド期間と、可変入賞装置32が閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1,4,5」のいずれか、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS803では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS803で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS803で肯定判別された場合には、ステップS804において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS805に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。
ステップS805で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS806において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS805の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS807では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS807の後、ステップS808において、特別変動保留エリアの実行エリアの第2変動フラグをオン設定する。続くステップS809では、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第2保留ランプを点滅させたまま右側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させたまま右側の第2保留ランプを消灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS809の後、ステップS810において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS805で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS811において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。
当該ステップS811で否定判別された場合には、ステップS812に移行し、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右から1番目及び2番目の第1特図ランプ、又は、第2特図ランプのみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定を行う。つまり、本実施形態の第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバルの間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバルが終了すると(さらに所定時間の経過を条件としてもよい)、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。ステップS812の後、本処理を終了する。
一方、ステップS811で肯定判別された場合には、ステップS813において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS814では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS814の後、ステップS815において、特別変動保留エリアの実行エリアの第1変動フラグをオン設定する。続くステップS816では、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプを点滅させたまま右側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させたまま右側の第1保留ランプを消灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS816の後、ステップS810において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS810の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、及び、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌して、15RSフラグ(図15の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS905で肯定判別された場合、すなわち「15RS」である場合には、ステップS906にて15RSパターン設定処理を行う。15RSパターン設定処理は、「15RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43a、43bや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の変動表示の停止態様、装飾図柄表示装置42の変動表示の演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンドの設定等を行う。
なお、第1変動種別カウンタCS1、及び、第2変動種別カウンタCS2の数値と、変動パターン、及び、変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。すなわち、15RSパターン設定処理では、リーチパターンを、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチの中から決定し、決定されたリーチパターンと、時間短縮状態(確変モード、時間短縮モード、又は、第1変動表示の保留が4つある状態)であるか否かの判別結果とに基づいて、特別表示装置43a、43b、装飾図柄表示装置42における変動時間を決定する。そして、15RSであること、決定されたリーチパターン、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定するとともに、変動時間を把握可能な情報を対応する記憶エリアに記憶する。また、15RSに対応する特別表示装置43a、43bの停止態様の中からいずれを停止させるかを決定し、対応する記憶エリアに記憶する。ステップS906の後、後述するステップS915に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合には、ステップS907において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS907で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS908にて8RSパターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
一方、ステップS907で否定判別された場合には、ステップS909において、8RNパターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合、又は、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態で大当たりに当選しなかった場合には、ステップS910において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後フラグ(図16のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS911にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS915へ移行する。
さらに、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS913にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS915へ移行する。
加えて、ステップS912で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS914において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
ステップS915では、特別表示装置43a、43bにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS916では、特別表示装置43a、43bにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43a、43bの変動時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43a、43bの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43a、43bの停止表示と同時に、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を停止表示させる。ステップS916の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS505、S515の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS506、516の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS906、ステップS908、ステップS909、ステップS911、ステップS913、ステップS914の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS817に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が12秒(12000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「3000」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS818に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS818が肯定判別される。
ステップS818で否定判別された場合には、ステップS823において、特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)が実現される。ステップS823の後、本処理を終了する。
一方、ステップS818で肯定判別された場合には、ステップS819において特図表示中フラグをオフし、ステップS820において特別表示装置43a、43bにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて、変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別や外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップS820の後、ステップS821において、サブ制御装置262に対して、装飾図柄表示装置42の停止表示を行わせる停止コマンドの設定を行う。これにより、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、特別表示装置43a、43bによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS822において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための判別情報設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS822の判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において大当たり確定フラグをオフし、ステップS1003において大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグをオンする。さらに、ステップS1004において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、15RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1004で肯定判別された場合、すなわち、「15RS」の大当たりである場合には、ステップS1005において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「15」を設定する。
続くステップS1006では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1007では、当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1008では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報により判別し、可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1009では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1009の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「8RS」、又は、「15RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で「7図柄」以外の奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1004で肯定判別された場合には、ステップS1010において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。ステップS1010の後、上記したステップS1006に移行する。
また、ステップS1001にて否定判別された場合には、ステップS1011で変動インターバルタイマに対して変動インターバル(例えば、1秒)に相当する値を設定する。尚、装飾図柄表示装置42では、基本的に、特別表示装置43a、43bの変動表示の停止表示のタイミングで装飾図柄の変動表示が停止表示され、特別表示装置43a、43bにおいて停止表示された図柄がそのまま表示され続ける変動インターバルが終わるまで(次回の特別表示装置43a、43bの変動表示が開始されるまで)は、停止表示された装飾図柄が表示され続ける。そして、変動インターバルが終わり、変動表示が保留記憶されている場合には、特別表示装置43a、43bにおける変動表示と、装飾図柄表示装置42における変動表示とが同時に開始される。一方、変動インターバルが終わっても、変動表示が保留記憶されていない場合には、装飾図柄表示装置42における停止図柄がしばらく導出され続け、その後、遊技を待機する表示(デモ画面表示)に切替わる。また、装飾図柄表示装置42の変動表示において装飾図柄が偶数のゾロ目の組合せで停止表示された場合、変動インターバル期間において、装飾図柄の組合せが奇数のゾロ目に変換されるかもしれない(導出された場合には必ず変換される構成でも可)といった再抽選演出が行われる場合がある。
ステップS1011の後、ステップS1012において、モード記憶エリアに「12」、及び、「22」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モード、及び、確変モードのどちらかであるか否かを判別する。ステップS1012で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1012で肯定判別された場合には、ステップS1013において、通常大当たりの大当たり状態の終了後に付与される時間短縮モード、及び、確変大当たりの大当たり状態の終了後に付与される確変モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり状態終了時において、変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数(例えば100回)が設定され、特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1013において1減算される。
続くステップS1014では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1014で否定判別された場合、すなわち、「8RN」の大当たり状態終了後に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合、又は、「15RS」、及び、「8RS」の大当たり状態終了後に、確変モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1014で肯定判別された場合には、ステップS1015において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モード、又は、確変モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1015の後、ステップS1016において、サブ制御装置262に対して時間短縮モード、又は、確変モードの終了を知らせるサポート終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の第1、及び、第2可変入賞装置32a、32bを開閉させるための可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「5」のいずれかが設定されている場合)には、ステップS1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに対し、オープニング演出の時間に対応する値である「2000」が設定されている。
続くステップS1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1206では、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップS1206の後、ステップS1207では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせる処理を行い、ステップS1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1209において、当たり状況記憶エリアにおいて「4」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、「15RS」及び「8RS」の大当たり状態において、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たりラウンドの、直前の、インターバル期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「4」が設定されることとなる。
ステップS1209で否定判別された場合には、ステップS1210において、当たり状況記憶エリアにおいて「5」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、「8RN」の大当たり状態において、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たりラウンドの、直前の、インターバル期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「5」が設定されることとなる。
ステップS1210で否定判別された場合、ステップS1211において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1212においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1213では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1213で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1214に移行し、ラウンド数カウンタの値が「1」であるか否かを判別する。
ステップS1214で否定判別された場合、すなわち、「8RS」、及び、「8RN」の第8ラウンド、並びに、「15RS」の第14ラウンド以外の大当たりラウンドの開始直前(のインターバル)となる場合には、ステップS1215において、ラウンド数カウンタの値が「8」であるか否かを判別する。
ステップS1215で否定判別された場合、すなわち、「15RS」の第8ラウンド以外の大当たりラウンドの開始直前(のインターバル)となる場合には、ステップS1216において、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1217の後、ステップS1218において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1219において、開状態とされている第1及び第2可変入賞装置32a、32bを閉状態とさせる処理を行い、ステップS1220において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1215で肯定判別された場合、すなわち、「15RS」の第8ラウンドの大当たりラウンドの開始直前(のインターバル)となる場合には、ステップS1222において、当たり状況記憶エリアに対して「4」を設定する。その後、上述したステップS1217に移行する。
また、ステップS1214で肯定判別された場合には、ステップS1223において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。さらに、ステップS1223で否定判別された場合には、ステップS1224において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1224で肯定判別された場合、すなわち、「8RS」の第8ラウンドの開始直前のインターバル期間となる場合には、ステップS1225において、当たり状況記憶エリアに対して「4」を設定する。その後、上述したステップS1217に移行する。
その一方で、ステップS1224で否定判別された場合には、「15RS」の第14ラウンドであり、本例では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせるため、上述したステップS1216に移行する。
また、ステップS1223で肯定判別された場合、すなわち、「8RN」の第8ラウンドの開始直前のインターバル期間となる場合には、ステップS1226において、当たり状況記憶エリアに対して「5」を設定する。続く、ステップS1227では、特別可変タイマに対してインターバルの時間(0.1秒)に対応する値「25」を設定する。その後、上述したステップS1218に移行する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32a、32bの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1228に移行し、可変入賞装置32a、32bへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32a、32bに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1228で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1228で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1212に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32a、32bに対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1209で肯定判別された場合、すなわち、「15RS」、又は、「8RS」の第8ラウンドが開始される場合には、ステップS1229において、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。続くステップS1230では、サブ制御装置262に対して、確変モードの獲得のために第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させるべき大当たりラウンドを開始する旨の情報を伝えるV入賞ラウンドコマンドを設定する。
ステップS1230の後、ステップS1231では、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。さらに、ステップS1232において、第2可変入賞装置32bを開状態とさせる第2開放処理を行う。
続くステップS1233では、第2可変入賞装置32bの特定領域141における遊技球の監視(残存球監視処理;図18参照)を実行させるための残存球監視フラグをオン設定する。ステップS1234において、残存球監視処理を行う期間を示す監視タイマの設定を行う。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1210で肯定判別された場合、すなわち、「8RN」の第8ラウンドが開始される場合には、ステップS1235において、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(0.1秒)に対応する値「25」を設定する。続くステップS1236では、サブ制御装置262に対して、第2可変入賞装置32bを短く開放させる大当たりラウンドを開始する旨の情報を伝えるショートラウンドコマンドを設定する。ステップS1236の後、上述したステップS1231に移行する。
また、ステップS1213で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1237に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1237の後、ステップS1238において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
ステップS1238の後、ステップS1239において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1228で肯定判別された後の流れでステップS1237以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1221で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1239で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1239の後、ステップS1240では、開状態とされている可変入賞装置32a、32bを閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1241では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1242に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特定入球フラグ(図18の残存球監視処理のステップS1305、ステップS1306参照)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、モード記憶エリアに対し確変モードに対応する値「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。
続くステップS1403では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、変動回数に上限が設定された確変モード、及び、時間短縮モードにおいて、変動回数の上限に達したことを把握するためのものである。ステップS1403の後、ステップS1404において、サブ制御装置262に対して確変モードの開始(確変ステージへの移行)を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、ステップS1405で大当たり中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1406において、モード記憶エリアに対し時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。ステップS1406の後、ステップS1407において、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。その後、ステップS1408において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの開始(引き戻しステージへの移行)を知らせる時短開始コマンドを設定する。その後、ステップS1405で大当たり中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS1242の終了設定処理の後、ステップS1243において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1244において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定されるインターバル(普図インターバル)の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバルである場合には、ステップS2116において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバルを1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップS2101の前にステップS2116が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップS2102において、第2始動入賞装置33bの開閉制御の最中であることを示すサポート期間中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2102で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2102で否定判別された場合には、ステップS2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2103で否定判別された場合には、ステップS2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップS2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップS2104で肯定判別された場合には、ステップS2105において、普通保留カウンタNcから1を減算する。続くステップS2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS2302で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態ではない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜232」の場合に当選となる。
ステップS2305で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1〜31」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜31」の場合に当選となる。また、普通図柄の変動表示時間を抽選によって決定することとしてもよい。
ステップS2308で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、上記ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定した後、本処理を終了する。尚、普通図柄の変動表示時間や、入球サポート抽選での当選確率等については、パチンコ機の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、高入球状態時における入球サポート抽選の当選確率を、低入球状態における入球サポート抽選の当選確率よりも高くなるように構成してもよい。
図24の説明に戻り、ステップS2107の後、ステップS2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプを点滅させたまま右側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させたまま右側の普通保留ランプを消灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップS2108の後、本処理を終了する。
また、ステップS2103で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2110で肯定判別された場合には、ステップS2111において普図表示中フラグをオフし、ステップS2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。つまり、入球サポート抽選に当選した場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、普通図柄表示装置41の左右一対の普図ランプの両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプのみを点灯させる。
続いてステップS2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を1.8秒にするべく「450」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2113の後、ステップS2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2110で否定判別された場合には、ステップS2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプを交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。ステップS2115の後、本処理を終了する。
次に上記ステップS208の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bの開閉の状態を維持する期間である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合には、ステップS2204において、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、現在、第2始動入賞装置33bが開状態にあって、閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS2205において、普通可変フラグをオフする。続くステップS2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2207では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「250」)を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)にあって、インターバル期間を終了させるタイミングが到来した場合には、ステップS2211で普通可変フラグをオンし、ステップS2212で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では、高入球状態時;「450」)を設定し、ステップS2213で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
尚、第2始動入賞装置33bが開状態とされている場合に、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が規定数(例えば1個)入球した場合には、第2始動入賞装置33bが直ちに閉状態とされるように構成してもよい(例えば、ステップS2203で否定判別された場合に、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われたか否かの判別を行い、肯定判別された場合に、ステップS2205に移行するように構成してもよい。)。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。
受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、CRユニット接続基板314から、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信しているか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合には、ステップS3203において、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に送信する。
ステップS3203の後、又は、ステップS3202で否定判別された場合には、ステップS3204において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3204で肯定判別されれば、ステップS3205で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3206では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検知信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3207では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3208では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3209で払出個数設定処理を行い、ステップS3210においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3211においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3212では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3213では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報等が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報記憶エリア、及び、第2保留情報記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチパターン、及び、変動時間等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
ここで保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチパターンの情報、及び、変動時間情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。ステップS4106の連続予告抽選処理では、既に連続予告フラグがオン設定された保留エリアが存在するか否かを確認する。そこで連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認されない場合であって、さらに、第1保留エリアにおいて完全外れ(リーチ状態が発生しない外れ)に対応する変動情報のみが記憶されている場合に、連続予告の抽選を行うようになっている。その一方で、連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認された場合には、連続予告の抽選を行わないようになっている。
尚、ステップS4106の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブル(大当たりに対応するものの方が外れに対応するものよりも当選し易い)を参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
ステップS4106の後、ステップS4107では、装飾図柄表示装置42において変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461を1つ追加表示するための保留アイコン設定処理を行う。
図42(a)に示すように、装飾図柄表示装置42の下部に設けられた保留表示エリア462には、「浮き輪」を模した保留アイコン461が表示されるようになっている。本実施形態の保留表示エリア462は、保留情報記憶エリアの実行エリアに対応する実行対応エリア462aと、保留情報記憶エリア(第1及び第2保留情報記憶エリア)の保留エリアに対応する保留対応エリア462bとを備えており、最大で9つの保留アイコン461を表示可能となっている。尚、本実施形態では、第1変動表示に対応する保留アイコン461と、第2変動表示に対応する保留アイコン461とが共通の態様となっており、保留アイコン461を視認するだけでは、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応する保留アイコン461であるかを識別不可能となっている。加えて、保留対応エリア462bのうち、先に消化される4つの保留アイコン461を表示する各保留対応エリア462bは、5つ目以降に消化される保留アイコン461を表示する各保留対応エリア462bよりも大きく、実行対応エリア462aよりも小さい。
また、保留アイコン461は、対応する変動表示の大当たり期待度を示唆する態様で導出される場合がある。以下、かかる態様の保留アイコン461を「先読み保留アイコン463」とも称する。本実施形態の先読み保留アイコン463は、キャラクタが「浮き輪」を使用している態様で導出される。さらに、先読み保留アイコン463のキャラクタは複数種類用意されており、先読み保留アイコン463のパターンと、大当たり状態発生への当選期待度(大当たり期待度)とが対応付けられている。これにより、先読み保留アイコン463は、その態様によって大当たり期待度に関するランク付けがなされることとなり、先読み保留アイコン463を導出させることによって、大当たり期待度を示唆する(先読み保留予告演出を行う)ように構成されている。
また、先読み保留アイコン463が導出される場合には、当該先読み保留アイコン463に対応する変動表示が消化されるまでの間に、当該先読み保留アイコン463のパターンが変化する(保留変化演出が導出される)場合がある。
つまり、ステップS4107の保留アイコン設定処理では、先読み保留アイコン463を導出させるか否かの抽選が行われ、否当選の場合には、保留アイコン461のパターンがデフォルト(浮き輪のみ)のものに決定される。一方、当選の場合には、保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選の場合には、対応する保留エリアの保留変化フラグをオン設定するとともに、先読み保留アイコン463のパターンとして、最終的に表示される可能性のある上限パターンと、上限パターンよりも大当たり期待度の低い(低ランクの)態様であって、最初に表示される仮パターンとを決定する。尚、仮パターンでは、最初はデフォルトの保留アイコン461を表示するにとどめるといった選択肢が存在するように構成してもよい。一方、否当選の場合には、先読み保留アイコン463のパターンとして1つのパターンを決定する。
そして、基本的には、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461のうち一番右側のものの右側に並ばせるようにして、決定されたパターンの保留アイコン461を表示させるといった処理が行われる。尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示に優先されて消化される構成のため、第1変動表示が保留されている状態において第2変動表示が新たに保留された場合には、保留対応エリア462bにおいて、第1変動表示に対応する保留アイコン461のうち最も左側の保留アイコン461の左側の位置に、新たに保留された第2変動表示に対応する保留アイコン461が表示されるようになっている。
また、本実施形態では、ステップS4107において、保留表示エリア462に先読み保留アイコン463が導出される場合に、先読み保留演出中フラグがオン設定されるようになっている。ステップS4107の後、本処理を終了する。
また、ステップS4102で肯定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチパターンの情報、変動時間情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。ステップS4111の連続予告抽選処理では、既に連続予告フラグがオン設定された保留エリアが存在するか否かを確認する。そこで存在が確認された場合には、連続予告の抽選を行わない上、連続予告フラグがオンされた保留エリアが第1保留エリアであるか否かを判別する。第1保留エリアであると判別された場合には、第1保留エリアの連続予告フラグをオフするとともに、新しく変動情報が保留記憶された第2保留エリアに連続予告の最終回の表示態様を導出させるためのフラグをセットする。つまり、第1変動表示に関して連続予告が行われている途中で、第2変動表示が保留された場合には、第2変動表示により、第1変動表示の連続予告演出が途切れることになることから、当該第2変動表示において、連続予告演出を終わらせる表示態様が導出されるようになっている。
その一方で、連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認されない場合であって、さらに、第2保留エリアにおいて完全外れ(リーチ状態が発生しない外れ)に対応する変動情報のみが記憶されている場合に連続予告の抽選を行う。尚、ステップS4111の連続予告抽選処理は、ステップS4106の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
ステップS4111の後、ステップS4112において、保留アイコン設定処理を行ってから、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3903に続くステップS3904では、高入球状態を介在させながら連続する一連の大当たり状態において払出される遊技球の数(払出総数)を計数する連チャン中カウント処理を行う。
ここで、連チャン中カウント処理について、図41を参照して説明する。先ず、ステップS4901では、大当たり状態が開始されてから低入球状態に移行するまでの間(連チャン中)にオン設定されている連チャン中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4901で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4901で肯定判別された場合には、ステップS4902において、可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かを判別する。ステップS4902で肯定判別された場合には、ステップS4903において、連チャン中の払出総数を計数する期間払出総数計数手段としての連チャン中カウンタに15を加算する。
続くステップS4904では、連チャン中の払出総数が、予め定められた規定の数に達したことを判別するための教示契機カウンタの値を15減算する。本実施形態では、連チャン中の払出総数が2500個増える度に、払出総数が予め定められた規定数に達したことを教示する特定払出数表示としての2500球到達表示、5000球到達表示、7500球到達表示等が装飾図柄表示装置42に導出されるようになっている。図44(h)に示すように、特定払出数表示は、装飾図柄表示装置42の画面中央に表示される。詳しくは後述するが、装飾図柄表示装置42は、複数のレイヤを備え、特定払出数表示が行われるレイヤは、文字や数の表示以外の領域が透過領域とされ、当該透過領域では、下側(奥側)のレイヤの表示態様が視認可能となっている。
ステップS4904の後、又は、ステップS4902で否定判別された場合には、ステップS4905において、教示契機カウンタの値が「0」以下であるか否かを判別する。ステップS4905で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4905で肯定判別された場合には、ステップS4906において、特定払出数表示を導出させる特定払出数表示処理を行う。本例では、連チャン中カウンタで計数された払出総数のうち百の位以上の数を表示するようになっている。尚、特定払出数表示を実行した回数を計数するカウンタを設け、かかるカウンタの数に基づいて、対応する特定払出数表示を行うように構成してもよい。また、教示契機カウンタを用いて遊技球が2500個払出されたことを把握する機能が特定払出数表示タイミング算出手段に相当する。
ステップS4906に続くステップS4907では、教示契機カウンタに対して再度、「2500」を設定する。ステップS4907の後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、連チャン中において可変入賞装置32a、32bへの入球に基づいて払出された遊技球の数のみを連チャン中カウンタにカウントしているが、始動入賞装置33bや一般入賞装置31等への入球に基づいて払出された遊技球についてもカウントするように構成してもよい。また、例えば、確変モードの残り変動回数をリセットすることを趣旨として、ラウンド数が少ないものの、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態(例えば、全2ラウンド)や、これに似せた小当たり状態(小当たり状態が発生しても、特定入球部145に遊技球は入球せず、また、確変モードや時間短縮モードの残り回数はリセットされない)を発生させ得る(通常の大当たり状態のような演出は行われない)よう構成してもよい。
図32の説明に戻り、ステップS3904の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3905へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3906へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3914へと移行する。
ステップS3906では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から確変大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合せを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3906のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、変動パターンコマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、通常大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合せを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合せを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合せがリーチ図柄の組合せ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合せである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合せ(左右の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが前後外れ図柄の組合せであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合せである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合せである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合せである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合せになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3907では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報記憶エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4204の後、ステップS4207に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4205において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4206では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4206の後、ステップS4207に移行する。尚、本実施形態では、保留情報記憶エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS4207では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4207の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチパターンは何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
ステップS4207の後、ステップS4208において、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア、及び、実行エリアには、保留アイコン461の種別を記憶する保留アイコン記憶エリアが設けられており、当該保留アイコン461に関する情報についても、上記した保留情報記憶エリアのデータシフト処理にてシフトされるようになっている。
当該保留アイコンシフト処理は、かかるデータシフトに応じて保留アイコン461を再描画させるための処理であり、装飾図柄表示装置42では、変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコン461が消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコン461が一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。ステップS4208の後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、ステップS4208において、保留アイコン461を再描画する処理に先立って、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在する場合には、先読み保留アイコン463の保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選した場合に、先読み保留アイコン463のパターンを高ランクのものに変化させる(但し、上限パターンのランクは越えない)ようになっている。加えて、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在しないと判別される場合には、先読み保留演出中フラグがオフされる。さらに、先読み保留アイコン463のパターンを変化させることで、該先読み保留アイコン463が上限パターンに達した場合には、先読み保留演出中フラグがオフされるとともに、保留変化フラグがオフされるようになっている。
図32の説明に戻り、ステップS3908では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、遊技状態(遊技モード)、変動種別(大当たりの場合には大当たりの種別、外れの場合にはリーチパターン)、及び、変動時間等に基づいて、対応するテーブルを参照し、装飾図柄の変動表示の図柄構成、装飾図柄の変動表示とともに行われる演出表示の演出パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。また、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3908の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップS3908の表示設定処理において行われる変動表示設定処理について、図39を参照して説明する。
先ず、ステップS4501において、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する。尚、変動パターンコマンドに含まれる各種変動情報は、保留情報記憶エリアの実行エリアに記憶されるように構成してもよいし、別途の記憶エリアに記憶されるように構成してもよい。さらに、例えば、保留処理(図36参照)において変動パターンコマンドを受信したことに対応する処理を行った場合に対応するフラグをオンし、当該表示設定処理で変動表示の設定が行われることで前記フラグがオフされるような構成とし、前記フラグを確認することで、変動パターンコマンドを受信したか否かの判別を行うこととしてもよい。
ステップS4501で肯定判別された場合には、ステップS4502において、確変モードであるか否かを判別する。ステップS4502で否定判別された場合には、ステップS4503において、通常モード、及び、時間短縮モードにおける演出表示(装飾図柄の変動表示)を設定する処理(通常・時間短縮モードパターン設定処理)を行う。一方、ステップS4502で肯定判別された場合には、ステップS4504において、確変モードにおける演出表示(装飾図柄の変動表示)を設定する処理(確変モードパターン設定処理)を行う。
さて、本実施形態の演出表示手段としての装飾図柄表示装置42は、主に動画が再生されるレイヤ1、レイヤ2、及び、レイヤ3と、主に静止画や動きの少ない動画(短期的に導出される画像、エフェクト画像等)に使用されるレイヤ4、及び、レイヤ5とを備えている。レイヤ1よりもレイヤ2が上側(手前側)に表示され、レイヤ2よりもレイヤ3が上側に表示され、レイヤ3よりもレイヤ4が上側に表示され、レイヤ4よりもレイヤ5が上側に表示される。
また、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD、キャラクタE、キャラクタF、キャラクタG、及び、キャラクタHが登場する演出表示が行われる。特に、本実施形態では、遊技者によってその中の1人を特定することができる。つまり、大当たり状態ではない状態である通常遊技状態の変動表示が行われていない状態において、図43(a)に示すように、装飾図柄表示装置42において、メニュー画面からキャラクタ選択画面を開き(非変動表示中に特定演出ボタン127を操作するとダイレクトでキャラクタ選択画面が開かれるようにしてもよい)、十字ボタン126を操作してカーソルを所定のキャラクタアイコンに合わせ、演出ボタン125を操作することで、該当のキャラクタの選択情報が、特定キャラクタ選択記憶エリアに記憶される。
そして、特定キャラクタ選択記憶エリアで示されるキャラクタ(以下、「特定キャラクタ」とも称する)の導出される演出(以下、「特定キャラクタ表示」とも称する)は、その他のキャラクタ(一般キャラクタ)の導出される演出よりも優先的に導出されるようになっている。尚、特定キャラクタが優先的に導出されるとは、その他のキャラクタよりも導出され易い、或いは、表示される機会が多いといった趣旨であり、詳しくは後述するが、大当たり状態中において1回は、特定キャラクタが導出される大当たり動画が導出されたり、特定キャラクタの表示中は、基本的に、その他の表示によって特定キャラクタ表示の視認態様が阻害されないように構成されていたり、通常の遊技状態において、複数の変動表示を跨いで装飾図柄表示装置42に表示され続けると表示(後述のストックポイント表示465)として特定キャラクタが選択されたりする。
さらに、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において導出される装飾図柄の一部がキャラクタの画像によって構成されており、キャラクタAが数字柄「1」の装飾図柄に対応し、キャラクタBが数字柄「2」の装飾図柄に対応し、キャラクタCが数字柄「3」の装飾図柄に対応し、キャラクタDが数字柄「4」の装飾図柄に対応し、キャラクタEが数字柄「5」の装飾図柄に対応し、キャラクタFが数字柄「6」の装飾図柄に対応し、キャラクタGが数字柄「8」の装飾図柄に対応し、キャラクタHが数字柄「9」の装飾図柄に対応している。さらに、本実施形態では、遊技者に特定キャラクタとして特定されたキャラクタが数字柄「7」の装飾図柄に対応するようになっている(特定キャラクタは、2つの装飾図柄に対応することとなる)。
また、特定キャラクタの設定に関しては、パチンコ機10の電源がオフ・オンされただけではリセットされず、RAM消去スイッチ323を操作しながらパチンコ機10の電源をオンすることでリセットされるようになっている。本実施形態では、パチンコ機10の初期状態では、キャラクタCが特定キャラクタとして設定される(「3」及び「7」の装飾図柄がキャラクタCになる)ように構成されている。
尚、装飾図柄表示装置42に登場するキャラクタの数は特に限定されるものではなく、また、登場キャラクタのうち特定キャラクタとして特定可能なキャラクタの数についても特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。また、パチンコ機10の電源がオフ・オンされただけで特定キャラクタがリセットされるように構成してもよいし、初期化処理における特定キャラクタの設定に際して設定される特定キャラクタについても特に限定されず、例えば、ランダム(抽選)で決定することとしてもよい。さらに、本実施形態では、特定キャラクタが登場する演出表示(特定キャラクタ表示)が「特定演出表示」に相当し、キャラクタA〜Hのいずれかを特定キャラクタとして選択させ、当該特定キャラクタの選択情報を記憶し、当該特定キャラクタが、対象の演出表示で導出されるのかを判定する機能が演出表示特定手段を構成する。
ここで、ステップS4503の通常・時間短縮モードパターン設定処理について、図45を参照して説明する。尚、図48に示すように、通常モード、及び、時間短縮モードにおける装飾図柄の変動表示においては、基本的に、「レイヤ1」で動画の演出表示(以下、「メイン演出」とも称する)が再生され、「レイヤ3」で装飾図柄の変動表示が再生され、「レイヤ4」で静止画の演出表示(以下、「サブ演出」とも称する)が再生される。また、本実施形態では、特定演出ボタン127の操作に基づいて、演出表示の態様が切替えられる場合があり、「レイヤ2」及び「レイヤ5」では、その切替えられる画像を再生する(裏チャンネル表示をする)ようになっている。つまり、「レイヤ2」では、レイヤ1の動画に対応する動画が再生され、「レイヤ5」では、レイヤ4の静止画に対応する静止画が再生されるようになっている。
先ず、ステップS6101では、変動パターンコマンドに基づいて、レイヤ3の装飾図柄の変動パターンを決定し、設定する。つまり、装飾図柄の停止図柄の組合せと、装飾図柄のうち最初に停止される第1(停止)図柄(本例では、基本的に、上図柄表示領域の装飾図柄)、2番目に停止される第2(停止)図柄(本例では、基本的に、下図柄表示領域の装飾図柄)、及び、最後に停止される第3(停止)図柄(本例では、基本的に、中図柄表示領域の装飾図柄)の停止のタイミングと、装飾図柄の動作(速度の変化、進行方向の変化、形状変化等)のパターンとが決定される。
続くステップS6102では、レイヤ1のメイン演出のパターンを決定し、設定する。当該メイン演出は、装飾図柄の変動表示の開始から終了にかけて時間の経過とともに展開するものであって、本例では、4つのシーンに区切られて構成されるとともに、最後のシーンにおいて当否抽選の結果が教示又は示唆されるようになっている。
より具体的に説明すると、変動開始から第2図柄が停止表示される「第2停止」までの「シーン1」と、「第2停止」から「スーパーリーチ演出」に発展するタイミング(以下、単に「スーパー発展」と称する)までの「シーン2」と、「スーパー発展」から「決着演出」までの「シーン3」と、「決着演出」の開始から変動表示の終了(全ての装飾図柄が停止表示される第3停止)までの「シーン4(ラストシーン)」とに分けられている。
さらに、「決着演出」は、メイン演出が成功のかたちで終わるか否かの「結果教示演出」と、結果教示演出の直前、かつ、シーン3のスーパーリーチ演出のアニメーションの続きであって、結果教示演出の導出をじらしたり、スーパーリーチ演出を煽ったりする「キワ演出」とから構成されている。尚、装飾図柄の変動表示に関し、「キワ演出」が導出される期間は、未だに変動表示されている第3図柄(中図柄表示領域の装飾図柄)の移動速度が遅くなり、かつ、第3図柄の大きさが拡大される(音声や電飾の態様も変化する)等、第3図柄が強調される。また、第3図柄を強調するのではなく、当否抽選の結果を示すアニメーション(例えば、キャラクタの所定のチャレンジの最終の所作)が強調される(例えば、スローモーション又は静止画になったり、キャラクタの顔やチャレンジの結果が分かる箇所がクローズアップ、デフォルメされたりする)ようなパターンもある。
尚、決着演出のキワ演出としては、同一の動画が繰り返し導出される、又は、同一の静止画が導出され続ける、若しくは、所定の動画がスローモーションで導出される態様として構成されている。
また、サブ制御装置262には、シーン情報記憶エリアが設けられ、シーン1〜シーン4のそれぞれに対応付けられた第1シーン記憶エリア〜第4シーン記憶エリアが設けられている。さらに、シーン1〜シーン4の各時間に関しては、装飾図柄の変動パターンが決定された時点で決まることから、上記ステップS6101(或いは、当該ステップS6102)で、各シーンの時間が対応するシーン記憶エリアに記憶される。
また、ステップS6102では、各種テーブルや各種乱数カウンタを使用して、変動情報や各シーンの時間に合致する演出パターンを決定し、各シーン記憶エリアに記憶する。さらに、特定キャラクタが導出される特定キャラクタ表示が選択された場合には、対応するシーン記憶エリアのメイン用特定キャラクタフラグをオン設定する。
ステップS6102の後、ステップS6103では、レイヤ2の裏チャンネル表示の設定を行う。詳しくは後述するが、本実施形態では、所定条件を満たした状態において、特定キャラクタ表示を遊技者のタイミングで導出可能に構成されており、通常モード、及び、時間短縮モードでは、特定キャラクタ表示が導出され得るタイミングで、特定キャラクタ表示が導出されていない場合に、特定演出ボタン127の操作に基づいて、特定キャラクタ表示が導出されるようになっている。
ステップS6103は、かかる構成のうち、動画に対応する部分を実現するための処理であり、レイヤ1で特定キャラクタ表示が導出され得る期間において、特定キャラクタ表示が表示されない設定がなされた場合に、レイヤ2において、その期間に特定キャラクタ表示を再生させる設定を行う。但し、レイヤ2は、通常は非表示とされ、特定キャラクタ表示が再生されていても、視認されることはない。その一方で、第2レイヤが(可視)表示された場合には、第2レイヤよりも下側(奥側)に表示される第1レイヤが視認不可能となる。
続くステップS6104では、各種テーブルや各種乱数カウンタを使用し、レイヤ4のサブ演出のパターンを決定する。当該サブ演出は、メイン演出の一時期においてメイン演出と並行して行われる(表示される)ものであって、例えば、カットイン演出、ボタン演出等がある。
例えば、図43(b)に示すように、シーン3でキャラクタCが登場して走り幅跳びをする演出が導出される場合がある。この場合、図43(c)のようにキャラクタCが跳躍をしたところまでシーン3とし、その直後、図43(d)の決着演出に移行し、その後着地するのであるが、当該決着演出のキワ演出のところで、図43(f)のサブ演出(カットイン演出、ボタン演出)が導出される。
サブ演出の導出が決定された場合、シーン情報記憶エリアのうち対応するシーン記憶エリアに対し、サブ演出が実行されることを示す各サブ演出フラグ(カットインフラグ、ボタン演出フラグ等)をオン設定し、サブ演出のパターンを記憶する。さらに、サブ演出が、特定キャラクタ表示の場合には、サブ用特定キャラクタフラグをオン設定する。
ステップS6104の後、ステップS6105では、レイヤ5の裏チャンネル表示の設定を行う。ステップS6105は、特定演出ボタン127の操作に基づいて、特定キャラクタ表示を導出させるための構成のうち、静止画に対応する部分を実現するための処理であり、レイヤ4で特定キャラクタ表示となるパターンも選択され得るサブ演出が導出される場合において、特定キャラクタ表示となるパターンが選択されなかった場合に、レイヤ5において、特定キャラクタ表示となるパターンのサブ演出を再生させる設定を行う。但し、レイヤ5は、通常は非表示とされ、特定キャラクタ表示が再生されていても、視認されることはない。その一方で、第5レイヤが(可視)表示された場合には、第5レイヤよりも下側(奥側)に表示される第4レイヤが視認不可能となる。
その後、ステップS6106において、シーン情報記憶エリアの各シーン記憶エリアのメイン用特定キャラクタフラグを参照し、メイン演出において特定キャラクタ表示が導出されるシーンが存在するか否かを判別する。ステップS6106で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6106で肯定判別された場合には、ステップS6107において、特定キャラクタフラグがオン設定されたシーン記憶エリアのサブ演出フラグを参照し、メイン演出で特定キャラクタ表示が行われるシーンにおいて、サブ演出表示が実行される予定であるか否かを判別する。ステップS6107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6107で肯定判別された場合には、ステップS6108において、サブ用特定キャラクタフラグを参照し、メイン演出で特定キャラクタ表示が行われるシーンで実行されるとされたサブ演出が、特定キャラクタ表示であるか否かを判別する。ステップS6108で肯定判別された場合、すなわち、メイン演出の特定キャラクタ表示と、サブ演出の特定キャラクタ表示とが重複して導出される場合には、ステップS6109において、対応するシーン記憶エリアのストック演出フラグをオン設定する。
つまり、キャラクタCが特定キャラクタとして特定されている(特定キャラクタ選択記憶エリアに記憶されている)場合であって、図43(d)のメイン演出と、図43(f)のサブ演出とが重複する場合、両方とも特定キャラクタ表示であるが、図43(d)の態様が(ほぼ)視認不可能とされる。この場合、本例では、メイン演出の特定キャラクタ表示(図43(d)の態様)を見せることのできなかった代償として、ストックポイントが付与されるようになっている。
本実施形態では、ストックポイントが5ポイント貯まることで、特定キャラクタ表示を遊技者の好きなタイミングで(特定演出ボタン127の操作に基づいて)1回導出させる権利が付与されるようになっている。当該ステップS6109では、特定キャラクタ表示が重複したためにストックポイントが加算されたというストック演出表示を実行させるためのストック演出フラグをオン設定することとしている。ステップS6109の後、本処理を終了する。尚、ストックポイントは、当該ステップS6109のタイミングではなく、ストック演出表示が導出される際に加算される。
また、図42に示すように、装飾図柄表示装置42の右下部には、ストックポイントがいくら溜まっているかを示す特定演出ストック表示としてのストックポイント表示465が導出される。ストックポイントが5ポイント貯まった状態では、ストックポイント表示465が特定キャラクタの表示に変化するようになっている。また、ストックポイントは最大で7ポイントまで貯めることができ、6ポイント目、7ポイント目のストックポイント表示465については、特定キャラクタの右側に小さく表示される。
ストックポイントが5ポイント以上たまった状態で特定演出ボタン127を操作することで、特定キャラクタ表示(或いは、詳しくは後述する演出ハンドル401を使用したパーツ演出)が導出される(ストックされていた特定キャラクタ表示を導出させる権利が行使される)とともに、ストックポイントが5ポイント減算され、ストックポイント表示465も5ポイント減算されたポイントに対応する表示態様に変化する。さらに、ストックポイントが7ポイントを超えた場合、遊技者が特定演出ボタン127を操作しなくても、特定キャラクタ表示のストックの権利が強制的に行使されるようになっている。尚、本実施形態のストックポイント表示465は、演出変動表示でスーパーリーチ演出に発展した場合に非表示とされるが、表示され続けるように構成してもよい。
また、ステップS6108で否定判別された場合には、ステップS6110において、メイン演出の特定キャラクタ表示と重複するサブ演出は、許可表示であるか否かを判別する。つまり、サブ演出には、メイン演出の特定キャラクタ表示と重複して導出されることが許可される許可表示と、不許可とされる不許可表示とが予め設定されており、基本的に、許可表示は、特定キャラクタ表示を阻害しない、或いは、逆に引き立てる表示であり、不許可表示は、特定キャラクタ表示の少なくとも一部の視認を阻害してしまうような表示である。尚、不許可表示の導出期間が、特定表示禁止期間に相当する。
例えば、図43(d)がメイン演出の特定演出表示である場合、図43(e)は許可表示であって、エフェクト表示(半透明赤色の炎)であり、両方を重ねることで、特定キャラクタCの気合が入っているような表示となる。これに対し、図43(g)は不許可表示であって、キャラクタBが登場するカットイン演出であり、これを図43(d)と重ねた場合には、図43(d)の特定キャラクタCが視認できなくなる。尚、許可表示、不許可表示の設定(規定)は、機種毎に適宜設定されるものである。
また、ステップS6110で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6110で否定判別された場合には、ステップS6111において、サブ演出の導出タイミングを変更させるための処理を実行する。つまり、図48の2番目の変動表示のように、変動表示の設定段階において、「レイヤ3」のシーン4(決着演出)でサブ演出(ボタン演出)を導出させることが仮決定されたが、「レイヤ1」のシーン3及びシーン4において特定キャラクタ表示としてのキャラクタCの動画が導出されることから、キャラクタCの動画を優先的に視認させつつ、サブ演出も堪能してもらうべく、サブ演出の導出タイミングを、特定キャラクタ表示と重複せず、また、その他のサブ演出も行われる予定のないタイミング(例えば、シーン1の最後)に変更する。ステップS6111の後、本処理を終了する。
次に、図39のステップS4504の確変モードパターン設定処理について、図46を参照して説明する。
尚、図49に示すように、確変モードにおける装飾図柄の変動表示においては、基本的に、「レイヤ2」で動画の演出表示(メイン演出)が再生され、「レイヤ3」で装飾図柄の変動表示が再生され、「レイヤ4」で静止画の演出表示(以下、「サブ演出」とも称する)が再生される。さらに、本実施形態では、「レイヤ5」で裏チャンネル表示が再生されるようになっている。
また、「レイヤ1」では、装飾図柄の変動表示に関係のない背景動画が、確変モードの間中再生され続けるようになっている。本実施形態では、確変モードにおいて、30秒均一の背景動画が順次再生されるようになっている。図50に示すように、背景動画としては、キャラクタA〜キャラクタHの個別に特化したパターンが3つずつ(合計24パターン)と、キャラクタA〜Dが登場するパターンが3つと、キャラクタE〜Hが登場するパターンが3つと、キャラクタA、C、E、Gが登場するパターンが3つと、キャラクタB、D、F、Hが登場するパターンが3つと、オールキャストが登場するパターンが4つとなっている。
詳しくは後述するが、確変モードが開始される際に、背景動画の選択決定に使用される組合せ決定カウンタを取得し、組合せ決定テーブルを参照して、背景動画のパターンを決定する。また、確変モードにおいて実行される背景動画の情報を記憶する背景動画記憶エリアが設けられている。本例では、背景動画記憶エリアは、背景動画の情報を記憶可能な記憶エリアを4つ備え、それぞれに背景動画情報が記憶される。そして、各記憶エリアの背景動画が順次再生され、対応する背景動画が再生を終えた記憶エリアには、新たな背景動画情報が再度設定される。
先ず、ステップS6201では、変動パターンコマンドに基づいて、レイヤ3の装飾図柄の変動パターンを決定し、設定する。また、装飾図柄の変動パターンが決定されることにより、メイン演出の各シーンの時間も決定されることから、シーン情報記憶エリアの各シーン記憶エリアに対し、各シーンの時間が記憶される。
続くステップS6202では、レイヤ2のメイン演出のパターンを決定し、各シーン記憶エリアに記憶する。さらに、特定キャラクタが導出される特定キャラクタ表示が選択された場合には、対応するシーン記憶エリアのメイン用特定キャラクタフラグをオン設定する。本実施形態の確変モードにおいては、リーチ状態が発生しない変動表示が行われる場合には、基本的に、レイヤ2のメイン演出の設定が行われないようになっている。また、リーチ状態が発生する場合であっても、シーン1やシーン2では、メイン演出が設定されるパターンは少ない。加えて、大当たりとなる変動表示に対応する演出表示であっても、レイヤ2のメイン演出が設定されないパターンもある。尚、本実施形態では、確変モードにおいても、シーンの数が通常モード等と同様にして4つに設定されているが、通常モード等よりも少なく設定することも可能である。
ステップS6202の後、ステップS6203では、レイヤ4のサブ演出のパターンを決定し、サブ演出の導出が決定された場合、シーン情報記憶エリアのうち対応するシーン記憶エリアに対し、サブ演出が実行されることを示す各サブ演出フラグ(カットインフラグ、ボタン演出フラグ等)をオン設定し、サブ演出のパターンを記憶する。さらに、サブ演出が、特定キャラクタ表示の場合には、サブ用特定キャラクタフラグをオン設定する。
ステップS6203の後、ステップS6204では、レイヤ5の裏チャンネル表示の設定を行う。ステップS6204は、特定演出ボタン127の操作に基づいて、特定キャラクタ表示を導出させるための構成のうち、確変モードにおける静止画に対応する部分を実現するための処理であり、レイヤ4で特定キャラクタ表示となるパターンも選択され得るサブ演出が導出される場合において、特定キャラクタ表示となるパターンが選択されなかった場合に、レイヤ5において、特定キャラクタ表示となるパターンのサブ演出を再生させる設定を行う。
尚、確変モードでは、動画に対応する裏チャンネルの設定は行われないようになっている。
その後、ステップS6205において、レイヤ1の背景動画において特定キャラクタが登場する特定キャラクタ表示が再生中であることを示す特定背景動画フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6205で肯定判別された場合には、ステップS6206において、特定キャラクタ表示の背景動画(再生中のもの)と重複するメイン演出を「非表示」にする設定を行う(図49参照)。但し、メイン演出のうち、特定キャラクタ表示が導出されるシーンに関しては「表示」される設定とし、さらに、対応するシーン記憶エリアのストック演出フラグをオン設定する。
続くステップS6207では、特定キャラクタ表示の背景動画と重複するサブ演出が設定されている場合には、かかるサブ演出を中止させる処理を行う。
続くステップS6208では、特定キャラクタ表示の背景動画と重複する装飾図柄の変動表示をミニ表示(例えば、装飾図柄表示装置42の左上部において装飾図柄を小さく表示し、レイヤ3の装飾図柄以外の領域は透過領域)とする処理を行う。ステップS6208の後、本処理を終了する。
また、ステップS6205で否定判別された場合、ステップS6209において、シーン情報記憶エリアの各シーン記憶エリアのメイン用特定キャラクタフラグを参照し、メイン演出において特定キャラクタ表示が導出されるシーンが存在するか否かを判別する。ステップS6209で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6209で肯定判別された場合には、ステップS6210において、特定キャラクタフラグがオン設定されたシーン記憶エリアのサブ演出フラグを参照し、メイン演出で特定キャラクタ表示が行われるシーンにおいて、サブ演出表示が実行される予定であるか否かを判別する。ステップS6210で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6210で肯定判別された場合には、ステップS6211において、サブ用特定キャラクタフラグを参照し、メイン演出で特定キャラクタ表示が行われるシーンで実行されるとされたサブ演出が、特定キャラクタ表示であるか否かを判別する。ステップS6211で肯定判別された場合、すなわち、メイン演出の特定キャラクタ表示と、サブ演出の特定キャラクタ表示とが重複して導出される場合には、ステップS6212において、対応するシーン記憶エリアのストック演出フラグをオン設定する。ステップS6212の後、本処理を終了する。
また、ステップS6211で否定判別された場合には、ステップS6213において、メイン演出の特定キャラクタ表示と重複するサブ演出は、許可表示であるか否かを判別する。ステップS6213で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6213で否定判別された場合には、ステップS6214において、サブ演出の導出タイミングを変更させるための処理を実行する。ステップS6214の後、本処理を終了する。
図39の説明に戻り、ステップS4504の後、ステップS4505において、装飾図柄の変動表示のシーンの把握に使用されるシーンカウンタに対し、シーン1であることを示す「1」を設定する。ステップS4505の後、ステップS4506においてシーンの把握に使用されるシーン把握タイマに対し、シーン1の時間に対応する値を設定する。
続くステップS4507では、シーン情報記憶エリアの第1シーン記憶エリアのサブ演出フラグを参照し、シーン1のサブ演出があるか否かを判別する。ステップS4507で肯定判別された場合には、ステップS4508において、サブ演出フラグに該当するサブ演出の設定を行う。
ステップS4508の後、又は、ステップS4507で否定判別された場合には、ステップS4509において、シーン情報記憶エリアの第1シーン記憶エリアのストック演出フラグを参照し、シーン1のストック演出があるか否かを判別する。ステップS4509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4509で肯定判別された場合には、ステップS4510において、ストック演出の設定を行い、ステップS4511において、ストックポイントの加算を行ってから、本処理を終了する。
尚、ストック演出は、特定キャラクタ表示が行われている最中に導出されることから、装飾図柄表示装置42の右下部(ストックポイント表示465が表示されていた部位、又は、その近傍)において小さく「ストックポイント獲得」といったような表示が導出されるのみである。また、ストックポイントの加算に関し、1ポイントずつ加算されることとしてもよいし、抽選で1乃至複数ポイントが加算されるようにしてもよいし、重複した(視認が妨げられた方の)特定キャラクタ表示の種別に応じて加算ポイント数が異なるようにしてもよい。加えて、遊技者による演出ボタン125及び十字ボタン126の操作により、特定キャラクタ表示に際してストック演出が導出されなくなる設定を行えるように構成してもよく、さらに、ストック演出が導出されない設定がなされた場合、その代わりに、専用パーツ411による報知(ストック演出)が行われるように構成してもよい。また、ストックポイントの加算のタイミングに関し、必ずしも当該ステップS4511ではなく、実際にストック演出が導出されるタイミングで、ストックポイントの加算が行われるように構成してもよい。
次に、ステップS3908の表示設定処理で行われる装飾図柄の変動表示に伴うメイン演出のシーンを更新するシーン更新処理について、図47を参照して説明する。
先ずステップS6301では、シーンカウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS6301で否定判別された場合、すなわち、変動表示中である場合には、ステップS6302において、シーン把握タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS4602で肯定判別された場合には、ステップS6303において、シーンカウンタの値が「1」であるか否かを判別する。ステップS6303で肯定判別された場合、すなわち、シーン1が終了した場合には、ステップS6304において、シーン把握タイマに対し、シーン2の時間に対応する値を設定する。
続くステップS6305では、シーンカウンタの値を1加算する。その後、ステップS6306において、シーンカウンタで示されるシーンに対応するシーン情報記憶エリアのシーン記憶エリアのサブ演出フラグを参照し、当該シーンにおいてサブ演出が行われるか否かを判別する。ステップS6306で肯定判別された場合には、ステップS6307において、同シーン記憶エリアのサブ演出フラグの種別等の情報に基づいて、サブ演出の設定を行う。
ステップS6307の後、又は、ステップS6306で否定判別された場合には、ステップS6308において、シーンカウンタで示されるシーンに対応するシーン情報記憶エリアのシーン記憶エリアのストック演出フラグを参照し、当該シーンにおいてストック演出が行われるか否かを判別する。ステップS6308で肯定判別された場合には、ステップS6309において、特定キャラクタ表示の重複が生じるタイミングに合致して導出されるように、ストック演出の設定を行う。
続くステップS6310では、ストックポイントを加算する。ステップS6310の後、後述するステップS6316に移行する。
また、ステップS6303で否定判別された場合には、ステップS6311において、シーンカウンタの値が「2」であるか否かを判別する。ステップS6311で肯定判別された場合、すなわち、シーン2が終了した場合には、ステップS6312において、シーン把握タイマに対し、シーン3の時間に対応する値を設定する。その後、上記したステップS6305に移行する。
また、ステップS6311で否定判別された場合には、ステップS6313において、シーンカウンタの値が「3」であるか否かを判別する。ステップS6313で肯定判別された場合、すなわち、シーン3が終了した場合には、ステップS6314において、シーン把握タイマに対し、シーン4(ラストシーン)に対応する値を設定する。その後、上記したステップS6315に移行する。
一方、ステップS6313で否定判別された場合、すなわち、シーン4が終了した場合には、ステップS6315において、シーンカウンタの値を「0」に設定する。その後、ステップS6316に移行する。
ステップS6316では、確変モードであるか否かを判別する。ステップS6316で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6316で肯定判別された場合には、ステップS6317において、背景動画の残り時間を計測する背景動画タイマを1減算する。
ステップS6317の後、ステップS6318では、背景動画タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS6318で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6318で肯定判別された場合、すなわち、再生されていた背景動画が終了した場合には、ステップS6319において、背景動画記憶エリアの4つの記憶エリアのうちどの記憶エリアの背景動画が再生中であるかを示す背景動画ポインタが示している記憶エリアの背景動画の情報を再設定する。つまり、組合せ決定カウンタを取得し、組合せ決定テーブルを参照して、背景動画のパターンを決定し、その情報を該当する記憶エリアに記憶する。
ステップS6319の後、ステップS6320において、背景動画ポインタを更新する(背景動画記憶エリアにおいて、次の記憶エリアを示すように設定する)。尚、背景動画は、背景動画ポインタの更新が行われることで、その背景動画の生成が開始されるのではなく、その前から、順次、生成が開始される。
続くステップS6321では、背景動画タイマに対し、30秒に対応する値「3500」が設定される。ステップS6321の後、ステップS6322において、更新された背景動画ポイントで示される背景動画が特定キャラクタの登場する特定キャラクタ表示であるか否かを判別する。尚、本実施形態では、オールキャストが登場する背景動画は、特定キャラクタ表示に含まれないようになっている。
ステップS6322で肯定判別された場合には、ステップS6323において、特定背景動画フラグをオン設定する。さらに、ステップS6324において、特定キャラクタ表示の背景動画と重複するメイン演出を「非表示」とする設定を行う。但し、メイン演出のうち特定キャラクタ表示が導出されるシーンに関しては「表示」される設定とし、かつ、対応するシーン記憶エリアのストック演出フラグをオン設定する。
続くステップS6325では、特定キャラクタ表示の背景動画と重複する装飾図柄を「ミニ表示」とする設定を行う。さらに、ステップS6326において、特定キャラクタ表示の背景動画と重複するサブ演出を中止させる設定を行ってから、本処理を終了する。
一方、ステップS6322で否定判別された場合には、ステップS6327において、特定背景動画フラグをオフし、ステップS6328において、メイン演出を「表示」させる設定とし、ステップS6329において、装飾図柄を通常の表示とする設定(ミニ表示を解除する設定)としてから、本処理を終了する。尚、ステップS6322で否定判別された場合に、特定背景動画フラグがオフであれば、そのまま本処理を終了するように構成してもよい。
また、ステップS6302で否定判別された場合、すなわち、シーンを切替えるタイミングに至っていない場合には、ステップS6330において、シーン把握タイマの値を1減算する。尚、シーン把握タイマの減算処理をステップS6302の前に行う構成としてもよい(その場合には、シーン把握タイマへの設定値が1増える)。
ステップS6330の後、ステップS6331において、特定演出ボタン127の操作が行われたか否かを判別する。ステップS6331で否定判別された場合には、上記したステップS6316に移行する。
一方、ステップS6331で肯定判別された場合には、ステップS6332において、ストックがあるか否か(ストックポイントが5ポイント以上たまっているか否か)を判別する。ステップS6332で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。尚、シーン更新処理において、ステップS6332で否定判別された場合に、エラー報知表示が導出されるか否かを判別し、肯定判別された場合に、メイン演出で特定キャラクタ表示の再生中であるか否かを判別し、特定キャラクタ表示の再生中であると判別される場合に、ストック演出を導出させ、ストックポイントを加算する処理を行うこととしてもよい。
一方、ステップS6332で肯定判別された場合には、ステップS6333において、裏チャンネル表示(通常モード及び時間短縮モードではレイヤ2、又は、レイヤ5で行われ、確変モードではレイヤ5で行われる特定キャラクタ表示)が再生中であるか否かを判別する。
ステップS6333で肯定判別された場合には、ステップS6334で、裏チャンネル表示が行われているレイヤを可視表示として、裏チャンネル表示を視認可能な状態とする。これにより、装飾図柄表示装置42では、特定キャラクタ表示以外の表示態様から、特定キャラクタ表示に切替わるようになっている。ステップS6334の後、ステップS6335において、ストックを1つ減算してから(ストックポイントを5減算してから)、上記したステップS6316に移行する。
また、ステップS6333で否定判別された場合には、ステップS6336において、特定キャラクタ表示の最中であるか否かを判別する。ステップS6336で肯定判別された場合には、ステップS6316に移行する。一方、ステップS6336で否定判別された場合には、ステップS6337において、演出ハンドル401を使用したパーツ演出中であるか否かを判別する。ステップS6337で肯定判別された場合には、ステップS6316に移行する。
一方、ステップS6337で否定判別された場合には、ステップS6338において、変動表示が大当たり又は前後外れリーチに対応する場合には、1/2でパーツ演出を行い、それ以外の場合には、1/6でパーツ演出を行うパーツ演出設定を行う。当該パーツ演出設定において、パーツ演出が設定された場合には、ストックポイントを5減算する。ステップS6338の後、ステップS6316に移行する。
本実施形態のパーツ演出としては、演出ハンドル401は、通常、図58のように、第1スライド部材402、及び、第2スライド部材403の先端部の位置が揃っている状態であるが、「握手演出」として、所定のキャラクタとの握手が成功するか否かの表示態様が導出され、成功の場合には、図59のように、演出ハンドル401が第1スライド部材402が前方に飛び出すような格好(手に似せた形状)に変形し、若干上下に変位するようになっている。また、例えば、「誘導演出」として、装飾図柄表示装置42において選択肢が導出されるとともに、十字ボタン126、及び、演出ボタン125で、かかる選択肢のいずれかを選択させる表示態様が導出された状態において、装飾図柄表示装置42に特定キャラクタが登場するとともに、演出ハンドル401を握る案内表示を導出し、演出ハンドル401の動作で、前記選択肢のうちどれが正解なのかが把握できる(例えば、2択の場合、演出ハンドル401が正解の選択肢側に動く、或いは、3択の場合、十字ボタン126を操作して、カーソルが正解の選択肢のアイコンに重なった場合に震える等する)ようになっている。
尚、ステップS6334において、裏チャンネル表示への切替えを行う場合、切替え条件を複数種類設けることとしてもよい。例えば、特定演出ボタン127を5回操作することで裏チャンネル表示に切替わる(例えば、4回の操作までは、操作の度に、裏チャンネル表示が1瞬だけ表示される)ように構成してもよい。さらに、かかる演出が導出された場合に、必ずしも裏チャンネルに切替わらないようにするべく、ステップS6337で否定判別された場合に、裏チャンネル表示に切替わりそうで切替わらないフェイク演出を設定可能としてもよい。また、裏チャンネル表示への切替わりの条件として、大当たり期待度が高いほど、切替わり易くなるように構成してもよい。
次に、ステップS3908の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37、図38を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、サブ制御装置262側で大当たり状態中であることを確認するためのサブ側大当たり中フラグをオン設定する。ステップS4702の後、ステップS4703において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「15RS」であれば「15」を設定し、「8RS」、「8RN」であれば「8」を設定する。
その後、ステップS4704において、8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行う。続くステップS4705では、大当たり状態におけるレイヤ1で行われる演出表示の各シーンの残り時間を計測する残り時間計測タイマに対し、オープニング演出の時間に対応する値「2000」が設定される。
ステップS4705の後、ステップS4706において、高入球状態を介在させつつ大当たり状態を重ねている連チャン中であることを示す連チャン中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4706で否定判別された場合、すなわち、高入球状態が途切れて通常モードで大当たり状態に当選した所謂、「初当たり」である場合には、ステップS4707において、連チャン中フラグをオン設定する。
続くステップS4708では、連チャン中において、可変入賞装置32a、32bへの入球に基づいて払出された遊技球の数(払出総数)を計数する連チャン中カウンタの値を「0」に設定する。さらに、ステップS4709では、連チャン中において、払出総数が2500個(2500発)増えたタイミングを把握するための教示契機カウンタに対し「2500」を設定する。
ステップS4709の後、又は、ステップS4706で肯定判別された場合には、ステップS4710において、大当たり状態に際して装飾図柄表示装置42において導出される大当たり動画の設定を行う大当たり動画設定処理を行う。
ここで、ステップS4710の大当たり動画設定処理について、図53を参照して説明する。尚、本実施形態では、大当たり状態のラウンド期間(オープニング演出の終了から、エンディング演出の開始までの間)において、15秒均一の大当たり動画が順次再生されるようになっている。また、図56等に示すように、大当たり動画は、レイヤ1で再生・表示されるようになっている。
図50に示すように、大当たり動画としては、キャラクタA〜キャラクタHの個別に特化したパターンが3つずつ(合計24パターン)と、キャラクタA〜Dが登場するパターンが3つと、キャラクタE〜Hが登場するパターンが3つと、キャラクタA、C、E、Gが登場するパターンが3つと、キャラクタB、D、F、Hが登場するパターンが3つと、オールキャストが登場するパターンが4つとなっている。また、複数のキャラクタが登場する大当たり動画は、図44(a)〜(d)のように、必ずしも、常時、対象のキャラクタの全員が表示されるわけではない。さらに、図44(e)、(f)のように、キャラクタに個別に対応した大当たり動画に関しては、その他のキャラクタが登場しないようになっている。尚、本実施形態では、大当たり動画は、確変モードの背景動画のパターンと同じ数となっており、後述する大当たり動画の決定に際しては、組合せ決定カウンタ、及び、組合せ決定テーブルが兼用されるようになっている。但し、実際に導出される動画の内容は、背景動画とは異なるものとなっている。
また、図51(a)に示すように、大当たり状態において実行される大当たり動画の情報(大当たり動画の組合せ)を記憶する組合せ記憶手段としての組合せ記憶エリアが設けられている。本例では、組合せ記憶エリアは、大当たり動画の情報を記憶可能な第1記憶エリア〜第16記憶エリアを備え、それぞれに大当たり動画情報が記憶される。そして、各記憶エリアの大当たり動画が順次再生される。
尚、確変モードで使用される背景動画記憶エリアは、対応する背景動画が再生を終えた記憶エリアに対し新たな背景動画情報が再度設定されるようになっているが、組合せ記憶エリアは、大当たり状態の開始時に設定された後、再設定されることはなく、全ての記憶エリアの大当たり動画が再生された場合には、最初に再生された記憶エリアの大当たり動画を再生するようになっている。また、組合せ記憶エリアのうち、当たりキャラクタ動画の導出のタイミング(順番)を記憶する機能は、期間特定手段に相当する。
先ず、ステップS6501では、組合せ記憶エリアの記憶情報をリセットする。続くステップS6502では、組合せ記憶エリアの第1〜第16記憶エリアのうちどの記憶エリアの大当たり動画が再生中であるかを示す組合せ順番ポインタが第1記憶エリアとなるように設定する。
その後、ステップ6503において、「15RS」の大当たり状態であるか否かを判別する。ステップS6503で肯定判別された場合には、ステップS6504において、15RSスケジュール設定処理を行う。
図51(b)に示すように、本実施形態では、各大当たりラウンドで行われるイベントを把握するための期間特定手段としてのラウンドスケジュール記憶エリアが設けられている。また、図56に示すように、本実施形態では、「15RS」の大当たり状態において、オープニング演出の終了後、ラウンド期間の開始時において、レイヤ4において、図44(g)に示すようなキャラクタの紹介画像が導出されるようになっている。ステップS6504では、ラウンドスケジュール記憶エリアの第1ラウンドに対応するエリア(第1エリア)に対し、キャラクタの紹介画像を導出することを示す情報が記憶される。また、第15エリアに対し、最終ラウンドであることの情報を記憶し、第8エリアに対し、開状態とされる第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させる旨を教示する「V入賞チャレンジ演出」を行うことの情報を記憶する。
ステップS6504の後、ステップS6505において、組合せ記憶エリアのうち第2記憶エリアの当たりキャラクタフラグをオン設定する(図51(a)参照)。
図56に示すように、本実施形態では、「15RS」の大当たり状態の直前に行われた装飾図柄の変動表示において、メイン演出のシーン4で導出されたキャラクタ(以下、「当たりキャラクタ」とも称する)が、キャラクタ紹介画像の対象とされるように構成されている。また、当たりキャラクタを特定するための情報を記憶する当たりキャラクタ記憶エリアが設けられ、大当たり状態の発生を教示する変動表示の設定に際して、当たりキャラクタ記憶エリアに対し、シーン4で導出されるキャラクタを示す情報が記憶される。
尚、キャラクタ紹介画像は、レイヤ4で再生・表示されるようになっている。また、シーン4でメインとなるキャラクタが複数登場した場合には、(それらのキャラクタの中から)紹介画像の対象がランダムに決定される。本実施形態では、キャラクタ紹介表示が特別教示関連表示(第1特別教示関連表示)、優先演出表示(第1優先演出表示)に相当する。また、本実施形態のオープニング演出は、複数のパターンのなかから、連続大当たり回数(通常モードを間に挟むことなく重ねられた大当たり状態の発生回数)に応じたパターンが選択されるように構成されているが、例えば、オープニング演出に関しても、各キャラクタに対応付けられた複数のパターンを記憶しておき、オープニング演出の設定に際し、当たりキャラクタに該当するパターンが選択・再生されるように構成してもよい。
さらに、大当たり動画に関し、紹介画像が終了すると、間もなく、当たりキャラクタが登場する大当たり動画が開始されるようになっている。後述のように、キャラクタの紹介画像は、大当たりラウンドの第1ラウンドに対応して(第1ラウンドの開始から終了まで)導出される構成であり、遊技球を通常通り発射させていれば、1ラウンドが10秒程度で終了するようになっている。
そこで、ステップS6505では、1つが15秒である大当たり動画のうち2番目に行われる大当たり動画が、当たりキャラクタが登場する大当たり動画(以下、「当たりキャラクタ動画」と称する)となるように、組合せ記憶エリアの第2記憶エリアの当たりキャラクタフラグを(仮で)オン設定する。尚、大当たり動画のうちキャラクタ紹介表示にも登場したキャラクタが登場する当たりキャラクタ動画が特別教示関連表示(第2特別教示関連表示)、優先演出表示(第2優先演出表示)に相当する。また、組合せ記憶エリアの当たりキャラクタフラグ、及び、当たりキャラクタ記憶エリアが、優先演出関連表示記憶手段を構成する。
続くステップS6506では、当たりキャラクタ動画のパターンを設定する。つまり、キャラクタA〜Hのそれぞれに対応して3パターンずつの大当たり動画が用意されているため、抽選により、その中の1つを選択する。
さらに、ステップS6507では、当たりキャラクタ動画と同期してレイヤ2で再生される動画の設定を行う。すなわち、各大当たりラウンドは、可変入賞装置32a、32bに遊技球が8個入球する、又は、30秒の経過で終了することから、長さが一定ではない。そこで、例えば、第1ラウンドの消化に20秒程度を要した場合、第1ラウンドの終了時には、2番目の大当たり動画が既に開始されている。この場合、上記のように、2番目の大当たり動画は「当たりキャラクタ動画」として設定されたものの、当該当たりキャラクタ動画の冒頭5秒程度が、「キャラクタの紹介画像」に隠れて、ほぼ視認できなくなってしまう。
この点、詳しくは後述するが、本実施形態では、「当たりキャラクタ動画」が「キャラクタの紹介画像」等のその他の表示と重複する場合に、レイヤ1で行われる「当たりキャラクタ動画」に対し、レイヤ2で当たりキャラクタ、及び、特定キャラクタ以外のキャラクタ(以下、「特定以外キャラクタ」と称する)が登場する大当たり動画(以下、「特定以外キャラクタの動画」と称する)をあえて被せるようにして表示し、「当たりキャラクタ動画」が視認されないようにする。さらに、視認可能に表示されなかった「当たりキャラクタ動画」と同じ大当たり動画を、「キャラクタの紹介画像」等と重複しないタイミングで、レイヤ2において、レイヤ1の大当たり動画と同期させるようにして表示させるようになっている。
当該ステップS6507では、大当たり状態の開始時において、「当たりキャラクタ動画」が、「キャラクタの紹介画像」等と重複してしまった場合に備えて、レイヤ2で「特定以外キャラクタの動画」を「当たりキャラクタ動画」に被せて導出させることができるようにしておくための設定を行う。ステップS6507の後、ステップS6511に移行する。
また、ステップS6503で否定判別された場合には、ステップS6508において、「8RS」の大当たり状態であるか否かを判別する。ステップS6508で肯定判別された場合には、ステップS6509において、8RSスケジュール設定処理を行う。すなわち、ラウンドスケジュール記憶エリアの第8エリアに対し、最終ラウンドであることの情報を記憶し、第8エリアに対し、開状態とされる第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させる旨を教示する「V入賞チャレンジ演出」を行うことの情報を記憶する。加えて、確変モードが付与されることの告知がなされていない場合には、第7エリアに対し、確変大当たりに昇格するかもしれないといった演出が行われる「確変昇格チャレンジ演出」を行うことの情報を記憶する。
ステップS6508で否定判別された場合、ステップS6510において、8RNスケジュール設定処理を行う。すなわち、ラウンドスケジュール記憶エリアの第8エリアに対し、最終ラウンドであることの情報を記憶し、「確変昇格チャレンジ演出」を行うことの情報を記憶する。尚、V入賞チャレンジ演出、確変昇格チャレンジ演出は、レイヤ3で再生・表示されるようになっている。
ステップS6507、ステップS6509、又は、ステップS6510の後、ステップS6511において、大当たり状態において遊技球が2500個払出される毎に行われる特定払出数表示(2500球到達表示、5000球到達表示、7500球到達表示等)が行われるタイミングを推測するための特定払出数表示タイミング推測処理を行う。
つまり、本実施形態では、可変入賞装置32a、32bに遊技球が入球することで、15個の遊技球が払出され、さらに、大当たりラウンドの可変入賞装置32a、32bへの入賞上限が8個となっていることから、基本的に1ラウンドで120個の遊技球が払出されることとなる。
当該ステップS6511では、2500個の払出しに達するまでの残りの数がカウントされている教示契機カウンタの値を参照し、教示契機カウンタの値が「0以下」になる大当たりラウンドを推測し、「特定払出数表示」が行われる予定である情報をラウンドスケジュール記憶エリアの該当エリアに記憶する。尚、8RNの大当たり状態に関し、第8ラウンドは、第2可変入賞装置32bの開放時間が非常に短く、実質的に遊技球が増えないことから、特定払出数表示が行われる予定の大当たりラウンドの対象とならない。
ステップS6511の後、ステップS6512において、特定キャラクタが登場する大当たり動画(以下、「特定キャラクタ動画」とも称する)を設定する処理を行う。本実施形態では、基本的に、大当たり状態中において特定キャラクタ動画が1回導出されるようになっている。
先ず、ステップS6512では、「特定キャラクタ」と、「当たりキャラクタ」とが一致するか否かを判別し、一致すると判別された場合には、特定キャラクタ動画の設定処理をスキップするように構成されている(後述の特定キャラクタフラグはオン設定されない)。尚、大当たり状態中に特定キャラクタ動画が導出される回数を1回とする構成に限定されるものではなく、複数回導出可能(例えば、抽選で回数を決定)としてもよい。また、「当たりキャラクタ動画」で「特定キャラクタ」が導出されても、当該「当たりキャラクタ動画」を「特定キャラクタ動画」として判別しないように構成してもよい(この場合、特定キャラクタが登場する大当たり動画が2回導出される)。
さて、「特定キャラクタ」と、「当たりキャラクタ」とが一致しないと判別された場合には、特定キャラクタとして特定されたキャラクタA〜Hに対応して用意された3パターンの大当たり動画の中から抽選により1つを選択する。
さらに、ステップS6512では、特定キャラクタ動画を導出する順番を決定する。本実施形態では、「特定キャラクタ動画」が、「キャラクタ紹介画像」、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、「確変昇格チャレンジ」、「特定払出数表示」等と重複しないように設定される。
より具体的に、例えば、図51、図56に示すように、大当たりラウンドの1ラウンドを10秒と仮定すると、1番目の大当たり動画はキャラクタ紹介画像と重複し、2番目の大当たり動画では「当たりキャラクタ動画」を行う予定が入っており、5番目、及び、6番目の大当たり動画は「V入賞チャレンジ演出」と重複する可能性が高い。また、11番目の大当たり動画は途中で大当たりラウンドの終了に伴って途切れる可能性があり、それ以降の順番の大当たり動画は、それまでに大当たり状態が終了していて再生されない可能性がある。
加えて、7番目の大当たり動画についても、「V入賞チャレンジ演出」が後にずれる可能性を考えて、予定を開けておくことが望ましい。さらに、10番目の大当たり動画についても、大当たり状態が早めに終了してしまう可能性を考えて、予定を開けておくことが望ましい。
そこで、特定キャラクタ動画を導出させるとすると、3番目、4番目、8番目、9番目の大当たり動画の中から選択することとなる。さらに、特定キャラクタ動画を急遽後ろの順番にずらす(特定キャラクタ動画と同じ動画を次の順番で見せる)ことを可能とするべく、連番のうちの最初の順番である3番目又は8番目を選択することとなる。つまり、ステップS6512では、「15RS」の大当たり状態の場合、3番目又は8番目のどちらに「特定キャラクタ動画」を設定するかを決定する。
本実施形態では、ステップS6511の特定払出数表示タイミング推測処理により、「特定払出数表示」が導出されるラウンドが推測されているため、例えば、第4ラウンドにおいて「特定払出数表示」が行われる可能性が高いとされている場合には、第4ラウンドに重複する3番目の大当たり動画に特定キャラクタ動画を設定することは回避する。従って、この場合、8番目の大当たり動画に特定キャラクタ動画を設定することを決定する。
続くステップS6513では、組合せ記憶エリアの記憶エリアのうち、ステップS6512で特定キャラクタ動画を行うものとして決定された大当たり動画の順番に対応する記憶エリア(例えば、第8記憶エリア)に対し、特定キャラクタ動画を行うことを示す特定キャラクタフラグをオン設定する。尚、特定払出数表示が行われる可能性のない「15RS」の大当たり状態の場合、特定キャラクタ動画の導出の順番を、3番目又は8番目のどちらかに決定するための抽選を行うこととする。
以上のように、本実施形態では、大当たり状態の開始に際し、特定キャラクタ動画を、「キャラクタ紹介画像」、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、「確変昇格チャレンジ」、及び、「特定払出数表示」等と重複させないとする禁則設定に従い、これらの演出表示が行われない、或いは、行われる可能性の低い大当たりラウンドを特定し、さらに、当該大当たりラウンドが複数存在する場合には、その中から特に条件の良いものを特定し、当該大当たりラウンドが複数存在する場合には、その中から抽選で1つを選択し、当該大当たりラウンドにおいて特定キャラクタ動画が行われるように設定している。当該設定(禁則処理)により、特定キャラクタ動画がその他の演出表示と重複して、特定キャラクタ動画の視認が阻害されてしまうといった事態を回避している。
尚、「8RS」、「8RN」の大当たり状態の場合、キャラクタ紹介画像、及び、当たりキャラクタ動画の設定が行われないことから、1番目〜4番目の中から「特定払出数表示」を回避できる順番を選択する。また、本実施形態では、「キャラクタ紹介画像」、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、「確変昇格チャレンジ」、及び、「特定払出数表示」が行われる可能性の高い大当たりラウンドを避けて、特定キャラクタ表示を導出するタイミングを決定するように構成されているが、表示をするかしないかの優先度(重複した場合にどちらを表示するのかの対応付け)、或いは、表示タイミングの設定に際しての優先度(重複したとしても一方のタイミングをずらして両方表示する場合にどちらをずらすのかの対応付け)については、機種毎に適宜設定することができる。
尚、本実施形態では、大当たり状態の開始時に特定払出数表示が導出される可能性の高いタイミング(大当たりラウンド)を推測するように構成されているが、例えば、各大当たりラウンドの開始時に、当該大当たりラウンドに特定払出数表示が導出される可能性が高いか否かを判別してもよい。この場合、大当たり状態の開始時には、特定払出数表示の導出のタイミングを考慮することなく、その他の演出表示のタイミングを決定する。すなわち、特定キャラクタ動画の導出タイミングの設定に関しても、「キャラクタ紹介画像」、「V入賞チャレンジ演出」、及び、「確変昇格チャレンジ」と同様にして、予め定められたタイミングで導出されるように構成する(例えば、3番目の大当たり動画として設定されるようにする)。そして、各大当たりラウンドの開始時に、当該大当たりラウンドに特定払出数表示が導出される可能性が高いと判別され、かつ、当該大当たりラウンドの期間中において特定キャラクタ動画が導出される設定もなされている場合に、当該特定キャラクタ動画の導出のタイミングを変更する(当該大当たりラウンドと重複しなくなるまで後のタイミングにずらす、或いは、その後の大当たりラウンドの中から重複させないとされている表示が設定されていない大当たりラウンドを探して、そこに変更する)ように構成してもよい。
本実施形態では、特定キャラクタ表示を各種不許可表示と重複させてはいけないということが「特定表示禁止条件」に相当し、不許可表示が導出されている期間が「特定表示禁止期間」に相当し、不許可表示の導出タイミングを把握する機能(組合わせ記憶エリアやラウンドスケジュール記憶エリアに対し、各種不許可表示に相当する表示演出の導出タイミングを設定し、当該組合わせ記憶エリアやラウンドスケジュール記憶エリアを参照して不許可表示との重複を把握する機能)が「禁止期間特定手段」に相当する。また、大当たり状態や演出変動表示のように、複数の大当たり動画や、複数のシーン演出を繋げて構成される演出表示(演出変動表示の開始から終了まで、大当たり状態の第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了まで等)が「複合演出」に相当する。特に、特定キャラクタ表示がいずれかのタイミングで導出される演出表示(特定キャラクタ表示が導出される演出変動表示、特定キャラクタ動画及び特定キャラクタ表示の少なくとも一方が導出される大当たり状態中の演出表示)が「特定含有表示」に相当する。さらに、大当たり状態の開始から終了までの間に装飾図柄表示装置42で表示される演出(オープニング演出やエンディング演出を含む)が「特別遊技状態中演出表示」に相当する。
ステップS6513の後、ステップS6514において、特定キャラクタ動画と同期してレイヤ2で再生される動画の設定を行う。すなわち、大当たり状態において、大当たりラウンドの消化スピードが(本例で基準としている10秒に比べて)長短して「特定払出数表示」のタイミングがずれた場合や、その他の報知表示(エラー表示等)が発生した場合、特定キャラクタ動画と重複するおそれがある。「8RS」の大当たり状態の流れを示す図57では、15秒ずつ行われる大当たり動画のうち、2番目の大当たり動画として特定キャラクタ動画(図57では、キャラクタCが登場する大当たり動画を特定キャラクタ動画としている)を設定している。但し、第1ラウンドの消化が(本例で基準としている10秒よりも5秒以上)遅れ、第1ラウンドの終了のタイミングが、2番目の大当たり動画の開始後となっている。本実施形態では、そのような事態が発生しても、特定キャラクタ動画を極力その他の表示と重複しない態様で視認してもらえるように構成されている。
詳しくは後述するが、本実施形態では、「特定キャラクタ動画」がその他の表示と重複する場合に、レイヤ1で行われる「特定キャラクタ動画」に対し、レイヤ2で「特定以外キャラクタの動画」をあえて被せるようにして表示し、「特定キャラクタ動画」が視認されないようにする。さらに、視認可能に表示されなかった「特定キャラクタ動画」と同じ大当たり動画を、その他の表示と重複しないタイミングで、レイヤ2において、レイヤ1の大当たり動画と同期させるようにして表示させるようになっている。
当該ステップS6514では、大当たり状態の開始時において、「特定キャラクタ動画」が、その他の表示と重複してしまった場合に備えて、レイヤ2で「特定以外キャラクタの動画」を「特定キャラクタ動画」に被せて導出させることができるようにしておくための設定を行う。つまり、レイヤ1の動画と、レイヤ2の動画とが、両方とも再生され、かつ、両方ともに可視表示される場合、上側のレイヤ2の動画のみが視認され、レイヤ1の動画は視認不可能とされる。その一方で、レイヤ1の動画と、レイヤ2の動画とがともに再生されていても、レイヤ2が非表示とされる場合には、レイヤ1の動画が視認されることとなる。
尚、本実施形態では、所定の動画を非表示とする場合に、当該所定の動画が表示されるレイヤよりも上側のレイヤで動画を表示することで、前記所定の動画を隠すような格好で非表示とするように構成されているが、例えば、非表示とする所定の動画を、表示する動画に差替える(所定の動画の再生データを消去し、差替える動画の再生データを新たに生成する)こととしてもよいし、所定の動画の表示を取り消す可能性のあるタイミングでは、前記所定の動画を設定しないように構成してもよい。また、例えば、複数のレイヤで同時に動画等を再生するのではなく、リアルタイムでレンダリングを行う3DCGアニメーションのように、可視表示される動画だけを生成・再生するように構成してもよい。さらに、例えば、表示する可能性のある複数の再生データは並行して生成するものの、レイヤを複数設けるのではなく、表示する再生データを選択して導出させる(動画を切替える場合には、選択する再生データを変更する)ように構成してもよい。
尚、「8RS」や「8RN」の大当たり状態においても、大当たりラウンド(第1ラウンド)の開始に際して、「当たりキャラクタ」に対応する表示(本例ではキャラクタの紹介画像)が導出されるように構成してもよい。また、「当たりキャラクタ」に対応するキャラクタの紹介画像を省略する場合に、1番目の大当たり動画として、「当たりキャラクタ動画」が設定されるように構成してもよい。加えて、オープニング演出に関しても、各キャラクタに対応したパターンを用意し、大当たり状態が教示された演出変動表示において登場したキャラクタに対応するパターンが選択されるように構成してもよい。さらに、キャラクタ紹介画像や、キャラクタ紹介画像が終了した後に冒頭から可視表示される大当たり動画として、当たりキャラクタに対応するパターンが選択されるといった構成を省略してもよい。
ステップS6514の後、ステップS6515において、同じ大当たり動画が連続したりすること等を回避する設定に使用されるNGナンバーフラグの設定を行う、図52に示すように、本実施形態では、40パターン用意された各大当たり動画に個別に対応付けされた40のNGナンバーフラグからなる特定演出表示特定手段としてのNGナンバーフラグ群が設けられている。
例えば、NGナンバーフラグと、組合せ決定カウンタ(図50参照)の値とが対応しているとして、ステップS6515では、当たりキャラクタ動画として使用されるキャラクタの個別の大当たり動画の全て(本例では3つ)に対応するNGナンバーフラグと、特定キャラクタ動画として使用されるキャラクタの個別の大当たり動画の全て(本例では3つ)に対応するNGナンバーフラグとをオン設定する。尚、オン設定されるNGナンバーフラグは基本的に合計6つとなるが、当たりキャラクタと特定キャラクタとが一致している場合には合計3つとなる。
続いて、ステップS6516において、組合わせ記憶エリアのうち、当たりキャラクタ動画や特定キャラクタ動画が設定されなかった残りの記憶エリアに対して、大当たり動画の設定を行う。「1〜40」の値をとる組合せ決定カウンタを使用し、組合せ決定テーブルを参照して、大当たり動画のパターンを選択する。さらに、NGナンバーフラグ群を参照し、対象のNGナンバーフラグがオフである場合に、当該NGナンバーフラグをオンするとともに、組合せ記憶エリアの対象の記憶エリアに、大当たり動画のパターンを記憶する。
選択された大当たり動画のパターンに対応するNGナンバーフラグがオンであった場合、大当たり動画のパターンを示す値を1加算して(40の場合は1にする)、その値のNGナンバーフラグがオフであるか否かを判別する。これを肯定判別されるまで繰り返し、肯定判別された時点で、該当のNGナンバーフラグをオンし、組合せ記憶エリアの対象の記憶エリアに、オン設定されたNGナンバーフラグに対応する大当たり動画のパターンを記憶する。これを、組合せ記憶エリアの16の記憶エリアの全てに大当たり動画のパターンが記憶されるまで繰り返し、終了する。
以上のように大当たり動画が設定されることで、特定キャラクタ表示が、特定キャラクタ表示以外の演出表示として処理され、不許可表示と重複してしまうといった事態を回避することができる。また、組合せ記憶エリアに設定された大当たり動画のパターンに対応してNGナンバーフラグがオン設定されるため、組合わせ記憶エリアに記憶されている一連の大当たり動画が一巡するまでは、同一の大当たり動画が導出されないようになっている。
ステップS6517では、大当たり状態の開始時点で保留されている変動情報の中に大当たりとなるものが含まれていることを示唆・教示する保留連チャレンジ演出の設定を行う。本実施形態では、今回の大当たり状態が初当たりの場合には、保留連チャレンジ演出を行わず、保留されている変動表示の中に大当たりとなるものが含まれている場合に3/4の確率で実行され、保留されている変動表示の中に大当たりとなるものが含まれていない場合に1/20の確率で実行される。尚、保留連チャレンジ演出は、レイヤ3で行われるようになっている。また、「保留連チャレンジ演出」よりも「キャラクタ紹介画像」、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、「確変昇格チャレンジ演出」及び、「特定キャラクタ動画」が優先されることから、「保留連チャレンジ演出」は、これらの表示と重複しないタイミングで導出されるように設定され(これらの表示のタイミングが保留連チャレンジ演出のタイミングと重複するようにずれ込んだ場合には保留連チャレンジ演出のタイミングが変更され)、特に、大当たり状態において保留連チャレンジ演出を導出する時間的な余地がなくなった場合には、省略される。加えて、「特定払出数表示」は、「キャラクタ紹介画像」、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、「確変昇格チャレンジ演出」、「保留連チャレンジ演出」と導出のタイミングが重複する場合、そのまま重複して導出される。
尚、導出タイミングをずらすことの可能な「当たりキャラクタ動画」、「保留連チャレンジ演出」については、これらの導出タイミングをずらして特定払出数表示との重複が回避されるように構成してもよい。また、本実施形態では、「不許可表示」のなかでも、特定キャラクタ表示と重複すると判別された場合に、特定キャラクタ表示の導出タイミングの方を調節する「キャラクタ紹介画像」、「V入賞チャレンジ演出」、及び、「確変昇格チャレンジ」等は、「第1不許可表示」に相当し、特定キャラクタ表示と重複すると判別された場合に不許可表示の導出タイミングの方を調節する「保留連チャレンジ演出」等は「第2不許可表示」に相当する。
尚、特定払出数表示の導出に際し、特定払出数表示と、特定キャラクタ動画とが重複するか否かの判別を行い、重複すると判別された場合に、特定キャラクタ動画が可視表示されるタイミングを1つ後の順番に変更するとともに、特定キャラクタ動画が可視表示される筈であった順番で、別の大当たり動画(特定キャラクタ動画以外の大当たり動画)が可視表示され得るように設定されることとしてもよい。
さらに、ステップS6517では、保留連チャレンジ演出を行うことが決定された場合に、保留連チャレンジを実行する大当たりラウンドを選択する。本実施形態では、キャラクタ紹介画像、特定払出数表示、V入賞チャレンジ演出、及び、確変昇格チャレンジ演出が行われる大当たりラウンドではなく、かつ、当たりキャラクタ動画、及び、特定キャラクタ動画と重複しない大当たりラウンド(図51、図56の場合は第6ラウンド)を選択する。
続くステップS6518では、ラウンドスケジュール記憶エリアのうち、ステップS6517で選択された大当たりラウンドに対応する記憶エリアに対し保留連チャレンジ演出を行うことを示す保留連チャレンジフラグをオン設定する。その後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、一律15秒間の大当たり動画が「定期演出表示」に相当し、大当たり動画を繋げて、ラウンド期間の開始(第1ラウンドの開始)から終了(最終ラウンドの終了)にかけて行われる演出表示(背景動画)が「第1演出表示」に相当する。また、所定の大当たりラウンドに対応して設定され、そのために、開始から終了までの長さが可変である「キャラクタ紹介画像」、「V入賞チャレンジ演出」、及び、「確変昇格チャレンジ」等は、「第2演出表示」に相当する。さらに、「特定キャラクタ動画」が「定期特定演出表示」に相当する。
図37の説明に戻り、ステップS4710の後、ステップS4711において、大当たりラウンドの開始を待機している状態であることを示す大当たり動画待機フラグをオン設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4712においてサブ側大当たり中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、残り時間計測タイマの値を1減算する。続くステップS4714では、残り時間計測タイマが「0」であるか否かを判別する。ステップS4714で肯定判別された場合、すなわち、レイヤ1で行われる動画を更新するタイミングが到来した場合には、ステップS4715において、大当たり動画待機フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4715で肯定判別された場合、すなわち、オープニング演出が終了し、第1ラウンドが開始される場合には、ステップS4716において、大当たり動画待機フラグをオフしてから、ステップS4718に移行する。
一方、ステップS4715で否定判別された場合には、ステップS4717において、組合せ順番ポインタが、組合せ記憶エリアの次の記憶エリアを示すように、組合せ順番ポインタの更新を行う。
ステップS4718では、各大当たり動画の開始時に行われる大当たり動画個別開始処理を行う。
ここで、ステップS4718の大当たり動画個別開始処理について、図54を参照して説明する。
先ずステップS6601では、組合せ順番ポインタが示す組合せ記憶エリアの記憶エリアにおいて、特定キャラクタ動画を再生することを示す特定キャラクタフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6601で肯定判別された場合には、ステップS6602において、「特定払出数表示」やエラー表示等の不許可表示が導出中であって、特定キャラクタ動画を導出すると、当たりキャラクタ動画と、不許可表示とが重複してしまうか否かを判別する。ステップS6602で否定判別された場合、すなわち、特定キャラクタ動画を導出しても、不許可表示と重なることなく表示することのできる場合には、ステップS6603において、特定以外キャラクタ動画が再生されるレイヤ2を非表示に切替えてから、本処理を終了する。これにより、大当たり状態の開始当初の予定通り、大当たり状態の開始当初に設定された順番の大当たり動画として、特定キャラクタ動画が表示される。
一方、ステップS6602で肯定判別された場合には、ステップS6604において、表示される予定の特定キャラクタ動画が未だ表示されていないことを示す特定キャラ待機フラグをオン設定する。
続くステップS6605において、レイヤ2を可視表示に切替える。つまり、レイヤ2では、レイヤ1で今から行われる順番の大当たり動画と重複(同期)して、特定以外キャラクタ動画が再生されることから、レイヤ2を可視表示に切替えることで、レイヤ1で再生・表示される特定キャラクタ動画が視認不可能とされる。
さらに、ステップS6606において、次の大当たり動画に重複させる特定キャラクタ動画をレイヤ2に設定する。つまり、今回の大当たり動画では、特定キャラクタ動画を視認させることができなかったため、可能であれば、次回の大当たり動画の際に、特定キャラクタ動画(と同一の動画)を視認してもらうための設定(レイヤ2の特定キャラクタ動画の生成)を行う。ステップS6606の後、本処理を終了する。
また、ステップS6601で否定判別された場合には、ステップS6607において、特定キャラ待機フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6607で肯定判別された場合には、ステップS6608において、不許可表示が導出中であって、特定キャラクタ動画を導出すると、特定キャラクタ動画と、不許可表示とが重複してしまうか否かを判別する。
ステップS6608で否定判別された場合には、ステップS6609において、今回の大当たり動画の最中に大当たりラウンドの最終ラウンドが終了し、エンディング演出に突入する可能性があるか否かを判別する。ステップS6609で否定判別された場合には、ステップS6610において、レイヤ2を可視表示に切替える。つまり、レイヤ2では、レイヤ1で行われる大当たり動画と重複(同期)して、(レイヤ1で今しがた終了した大当たり動画として再生されたものの、レイヤ2でかかる大当たり動画に重複させて特定以外キャラクタ動画を可視表示したことから遊技者に視認されることのなかった)特定キャラクタ動画(と同じ動画)が再生されることから、レイヤ2を可視表示に切替えることで、レイヤ1で再生・表示される特定以外キャラクタ動画が視認不可能とされる。これにより、特定キャラクタ動画が不許可表示と重複しないように、導出のタイミングが変更される格好となる。
ステップS6610の後、ステップS6611において、特定キャラ待機フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS6608で肯定判別された場合には、ステップS6612において、レイヤ1で行われる次の大当たり動画(特定以外キャラクタ動画)に重複させるレイヤ2の特定キャラクタ動画を設定する。その後、ステップS6613でレイヤ2を非表示に切替えてから、本処理を終了する。
尚、サブ演出や報知演出等の不許可表示の開始時にも、当該不許可表示と、特定キャラクタ動画とが重複するか否かの判別が行われ、重複すると判別された場合には、不許可表示と、特定キャラクタ表示とのどちらが優先であるかを判別し、優先されない方の導出タイミングを重複が回避されるように設定する。例えば、図56の<特例>に示すように、レイヤ1で行われる2番目の大当たり動画(特定キャラクタ動画であるキャラクタCの動画)に対し、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示(所定のエラー報知表示)が重複する場合、当該特定キャラクタ動画に重複して再生されるレイヤ2の特定以外キャラクタ動画(代替演出表示)を可視表示とするとともに、レイヤ1の3番目の大当たり動画(特定以外キャラクタ動画が設定されている)に重複させるようにして、前記可視表示が中止された特定キャラクタ動画と同一の特定キャラクタ動画(再演出表示)がレイヤ2で再生されるように設定を行う。
これにより、2番目の大当たり動画では、レイヤ2の特定以外キャラクタ動画が視認され、3番目の大当たり動画において、レイヤ2の特定キャラクタ動画が視認されるようになる。但し、図56の<特例>では、3番目の大当たり動画にも、エラー報知表示が重複するようになっている。このため、2番目の大当たり動画の開始に際して、レイヤ2の特定キャラクタ動画と、エラー報知表示との重複が把握され、レイヤ2(再演出表示)を非表示とし、レイヤ1の特定以外キャラクタ表示を視認させるとともに、レイヤ1の4番目の大当たり動画に重複させるようにして、レイヤ2で特定キャラクタ動画(再演出表示)が再生される(特定キャラクタ動画の可視表示をさらに延期する)ように設定を行う。その後、4番目の大当たり動画の開始時において、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示(エラー報知表示)と、特定キャラクタ動画との重複が確認されなければ、4番目の大当たり動画においてレイヤ2の特定キャラクタ動画が可視表示されることとなる。
また、ステップS6609で肯定判別された場合には、ステップS6614において、特定キャラ待機フラグをオフする。その後、上記したステップS6613でレイヤ2を非表示に切替えてから、本処理を終了する。
また、ステップS6607で否定判別された場合には、ステップS6615において、組合せ順番ポインタが示す組合せ記憶エリアの記憶エリアにおいて、当たりキャラクタフラグがオン設定されているか否かを判別する(基本的に、「15RS」となる場合に、第2記憶エリアにおいて当たりキャラクタフラグがオン設定される)。
ステップS6615で肯定判別された場合には、ステップS6616において、大当たりラウンドの第1ラウンドが終了したか否か、ひいては、第1ラウンドと同期して行われているキャラクタ紹介画面が終了したか否かを判別する。ステップS6616で肯定判別された場合には、ステップS6617において、「特定払出数表示」やエラー表示等の不許可表示が導出中であって、当たりキャラクタ動画を導出すると、当たりキャラクタ動画と、不許可表示とが重複してしまうか否かを判別する。ステップS6617で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。これにより、「15RS」の開始当初の予定通り、2番目の大当たり動画として、当たりキャラクタ動画が表示される(特定以外キャラクタ動画が再生されるレイヤ2が「非表示」のまま維持される)。
一方、ステップS6616で否定判別された場合、又は、ステップS6617で肯定判別された場合には、ステップS6618において、表示される予定の当たりキャラクタ動画が未だ表示されていないことを示す当たりキャラ待機フラグをオン設定する。
続くステップS6619において、レイヤ2を可視表示に切替える。つまり、レイヤ2では、レイヤ1で行われる2番目の大当たり動画と重複(同期)して、特定以外キャラクタ動画が再生されることから、レイヤ2を可視表示に切替えることで、レイヤ1で再生・表示される当たりキャラクタ動画が視認不可能とされる。
さらに、ステップS6620において、次の(3番目の)大当たり動画に重複させる当たりキャラクタ動画をレイヤ2に設定する。つまり、今回の大当たり動画では、当たりキャラクタ動画を視認させることができなかったため、可能であれば、次回の大当たり動画の際に、当たりキャラクタ動画(と同一の動画)を視認してもらうための設定(レイヤ2の当たりキャラクタ動画の生成)を行う。ステップS6620の後、本処理を終了する。
また、ステップS6615で否定判別された場合には、ステップS6621において、当たりキャラ待機フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6621で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6621で肯定判別された場合には、ステップS6622において、第1ラウンドが終了したか否かを判別する。ステップS6622で肯定判別された場合には、ステップS6623において、「特定払出数表示」やエラー表示等の不許可表示が導出中であって、当たりキャラクタ動画を導出すると、当たりキャラクタ動画と、不許可表示とが重複してしまうか否かを判別する。
ステップS6623で否定判別された場合には、ステップS6624において、レイヤ2を可視表示に切替える。つまり、レイヤ2では、レイヤ1で行われる大当たり動画と重複(同期)して、(レイヤ1で2番目の大当たり動画として再生されたものの、レイヤ2でかかる大当たり動画に重複させて特定以外キャラクタ動画を可視表示したことから遊技者に視認されることのなかった)当たりキャラクタ動画(と同じ動画)が再生されることから、レイヤ2を可視表示に切替えることで、レイヤ1で再生・表示される特定以外キャラクタ動画が視認不可能とされる。これにより、当たりキャラクタ動画が、キャラクタ紹介画像や、その他の不許可表示と重複しないように、導出のタイミングが変更される格好となる。尚、不許可表示(ステップS6623で肯定判別)であっても、当たりキャラクタ動画よりも優先度が低く設定される保留連チャレンジ演出と、当たりキャラクタ動画とが重複すると判別される場合には、保留連チャレンジ演出の導出タイミングが変更される(その後、ステップS6624に移行する)こととする。また、保留連チャレンジ演出の導出タイミングの変更は、ステップS6624の前後で行ってもよいし、保留連チャレンジ演出を開始させる際の設定で行ってもよい。
ステップS6624の後、ステップS6625において、当たりキャラ待機フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS6622で否定判別された場合、又は、ステップS6623で肯定判別された場合には、ステップS6626において、レイヤ2を非表示に切替える。例えば、レイヤ1の2番目の当たりキャラクタ動画に重複させたレイヤ2の特定以外キャラクタ動画を可視表示とした場合、レイヤ1の3番目の特定以外キャラクタ動画に重複させてレイヤ2で当たりキャラクタ動画を再生するのであるが、レイヤ1の3番目の大当たり動画(特定以外キャラクタ動画)に関しても、キャラクタ紹介画像や、その他の不許可表示と重複する場合には、当該ステップS6626でレイヤ2を非表示とすることで、レイヤ1の特定以外キャラクタ動画を視認させるようになっている。
さらに、続くステップS6627において、レイヤ1で行われる次の大当たり動画(特定以外キャラクタ動画)に重複させるレイヤ2の当たりキャラクタ動画を設定する。ステップS6627の後、本処理を終了する。
図37の説明に戻り、ステップS4718の後、ステップS4719において、残り時間計測タイマに対し、大当たり動画の15秒に対応する値「1750」を設定する。
ステップS4719の後、又は、ステップS4714で否定判別された場合には、ステップS4720において、ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4720で肯定判別された場合には、ステップS4721において、現在の大当たりラウンド数を示すラウンド表示を行うためのラウンド表示設定を行う。例えば、「15RS」でラウンド把握カウンタの値が「15」であれば「第1ラウンド」と表示する。尚、「8RN」の第8ラウンドはラウンド表示を導出しないようになっている。
続くステップS4722では、「15RS」の第1ラウンドであるか否かを判別する。ステップS7222で肯定判別された場合には、ステップS4723において、ラウンドスケジュール記憶エリア(図51(b)参照)を参照し、レイヤ4でキャラ紹介画像を導出させるためのキャラ紹介設定を行う。その後、ステップS4728に移行する。
また、ステップS4722で否定判別された場合には、ステップS4724において、ラウンド把握カウンタで示される大当たりラウンドに対応するラウンドスケジュール記憶エリアの記憶エリアを確認し、保留連チャレンジフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4724で肯定判別された場合には、ステップS4725において、保留連チャレンジ演出を導出させるための設定を行う。その後、ステップS4728に移行する。
また、ステップS4724で否定判別された場合には、ステップS4726において、ラウンド把握カウンタで示される大当たりラウンドに対応するラウンドスケジュール記憶エリアの記憶エリアを確認し、確変昇格チャレンジフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4726で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4726で肯定判別された場合には、ステップS4727において、確変昇格チャレンジ演出を導出させるための設定を行う。その後、ステップS4728に移行する。
ステップS4728では、導出の設定が行われたサブ演出(キャラクタ紹介画像、保留連チャレンジ演出、確変昇格チャレンジ演出等)の導出と並行して、特定キャラクタが登場するパターンのサブ演出をレイヤ2又はレイヤ5において非表示で再生させる(裏チャンネル表示させる)ための処理を行う。但し、前記サブ演出自体が特定キャラクタ表示の場合には、裏チャンネルを設定する必要はない。尚、キャラクタの紹介画像(レイヤ4)の裏チャンネル表示はレイヤ5で再生され、保留連チャレンジ演出、及び、確変昇格チャレンジ演出(レイヤ3)の裏チャンネル表示はレイヤ2で再生される。
ステップS4728の後、ステップS4729において、前記サブ演出が、「レイヤ1」で行われる特定キャラクタ動画と重複するか否か(特定キャラクタ動画の表示中であるか否か)を判別する。つまり、大当たり状態の開始に際して、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複することを回避するようにして、特定キャラクタ表示等の設定が行われるものの、大当たりラウンドの長さは一定ではないため、各サブ演出の開始時においても、特定キャラクタ表示と、不許可表示との重複を確認することとしている。
ステップS4729で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4729で肯定判別された場合には、ステップS4730において、前記サブ演出が特定キャラクタ表示であるか否かを判別する。ステップS4730で肯定判別された場合には、ステップS4731において、ストック演出に関する設定を行う。すなわち、ストック演出を導出させる処理を行い、ストックポイントを加算する処理を行う。ステップS4731の後、本処理を終了する。
また、ステップS4730で否定判別された場合には、ステップS4732において、前記サブ演出が保留連チャレンジ演出であるか否かを判別する。ステップS4732で肯定判別された場合には、ステップS4733において、保留連チャレンジ演出の導出タイミングを変更する処理を行う。つまり、ラウンドスケジュール記憶エリアで所定のサブ演出フラグがオン設定されていない記憶エリアの保留連チャレンジフラグをオンにする(空きがなければ、保留連チャレンジフラグをオンにする設定は行われない)。ステップS4733の後、本処理を終了する。
また、ステップS4732で否定判別された場合、すなわち、前記サブ演出が、確変昇格チャレンジ演出、キャラクタ紹介(本例では、キャラクタ紹介が第1ラウンドにしか導出されない構成であるため、実質的に重複することはない)、後述のV入賞チャレンジ演出である場合には、ステップS4734において、サブ演出ではなく、特定キャラクタ動画の導出のタイミングを変更する処理を行う。つまり、特定以外キャラクタ動画が非表示で再生されている「レイヤ2」を可視表示とし、次の大当たり動画を特定キャラクタ動画に書き換える処理を行う。ステップS4734の後、本処理を終了する。
また、ステップS4720で否定判別された場合には、ステップS4735において、主制御装置261からV入賞ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4735で肯定判別された場合には、ステップS4736において、V入賞チャレンジ演出を導出させるための設定を行う。
その後、上記したステップS4728に移行し、V入賞チャレンジ演出が特定キャラクタの登場する特定キャラクタ表示ではなかった場合に、特定キャラクタが登場するパターンのV入賞チャレンジ演出をレイヤ2で再生させる(但し、非表示)ための処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS4735で否定判別された場合、ステップS4737において、主制御装置261からショートラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4737で肯定判別された場合には、ステップS4738において、ショートラウンド用の演出設定を行う。つまり、第2可変入賞装置32bが0.1秒間だけ開状態とされる「8RN」の第8ラウンドの開始時であることから、その間の表示が途切れないように、第7ラウンドの大当たり動画と、エンディング演出との間を違和感なく繋ぐ演出(装飾図柄表示装置42の表示態様をそのまま引き継ぎ、0.1秒後に終了させる)を導出させるための設定を行う。その後、本処理を終了する。
また、ステップS4737で否定判別された場合には、ステップS4739において、主制御装置261からインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4739で肯定判別された場合、ステップS4740でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4741でラウンド表示を消去してから、本処理を終了する。
ステップS4739で否定判別された場合、図38のステップS4742において、エンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4742で肯定判別された場合、ステップS4743でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4744で10秒のエンディング演出の設定を行う。尚、本実施形態のエンディング演出は、複数のパターンのなかから、大当たり種別に応じたパターンが選択されるように構成されているが、例えば、エンディング演出に関しても、各キャラクタに対応付けられた複数のパターンを記憶しておき、エンディング演出の設定に際し、当たりキャラクタに該当するパターンが選択・再生されるように構成してもよい。さらに、例えば、大当たり状態の最初から最後まで、当たりキャラクタが表示され続けるように構成してもよい。つまり、例えば、大当たり状態の大当たり動画は、当たりキャラクタ動画、当たりキャラクタとその他のキャラクタとが登場する動画のなかから選択されるように構成してもよいし、装飾図柄表示装置42の一部(例えば、通常の遊技状態では、ストックポイント表示465が表示される領域)において、当たりキャラクタが表示され続けるように構成してもよい。
ステップS4744の後、ステップS4745において、確変モードに移行するか否かを判別する。ステップS4745で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4745で肯定判別された場合には、ステップS4746において、レイヤ1で導出される背景動画を設定する処理を行う。上記のように、背景動画記憶エリアの4つの記憶エリアに対し背景動画のパターンを決定して記憶させ、背景動画ポインタが背景動画記憶エリアのうち第1記憶エリアを示すように設定する。
続くステップS4747では、背景動画ポインタで示される背景動画は特定キャラクタ表示であるか否かを判別する。ステップS4747で肯定判別された場合には、ステップS4748において、特定背景動画フラグをオン設定する。尚、ステップS4748で特定背景動画フラグがオン設定されることにより、装飾図柄の変動表示(に伴う演出表示)の設定に際し、特定キャラクタ表示である背景動画と重複するメイン演出が「非表示」とされ(メイン演出も特定キャラクタ表示である場合を除く)、特定キャラクタ表示の背景動画と重複する装飾図柄が「ミニ表示」とされ、特定キャラクタ表示の背景動画と重複するサブ演出が中止されることになる。
ステップS4748の後、又は、ステップS4747で否定判別された場合には、ステップS4749において、背景動画タイマに対して15秒に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS4742で否定判別された場合、ステップS4750において、特定払出数表示を行うことを示す特定払出数表示フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4750で肯定判別された場合、ステップS4751において、レイヤ4で特定払出数表示を導出させるための処理を行うとともに、ステップS4752において、当該特定払出数表示と同期して、レイヤ5で特定キャラクタ表示として特定キャラクタ(図56ではキャラクタC)が登場するパターンの特定払出数表示を裏チャンネル表示として設定する。尚、裏チャンネル表示(レイヤ5)は基本的に非表示とされ、特定キャラクタ表示を導出させる権利がある(ストックがある)状態で特定演出ボタン127が操作された場合に、裏チャンネル表示が可視表示とされる。
続く、ステップS4753では、特定払出数表示フラグをオフにする。ステップS4753の後、又は、ステップS4750で否定判別された場合には、ステップS4754において、特定演出ボタン127が押圧操作されているか否かを対応する検知情報に基づいて判別する。ステップS4754で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4754で肯定判別された場合には、ステップS4755において、特定キャラクタ表示を導出させる権利がある(ストックがある、ストックポイントが5ポイント以上ある)か否かを判別する。ステップS4755で否定判別された場合には、本処理を終了する。
一方、ステップS4755で肯定判別された場合には、ステップS4756において、裏チャンネル表示(レイヤ2又はレイヤ5において非表示で)が再生されているか否かを判別する。ステップS4756で肯定判別された場合には、ステップS4757において、裏チャンネル表示を可視表示に切替える処理を行う。続くステップS4758では、ストックを1減算し(ストックポイントを5減算し)、その後、本処理を終了する。
また、ステップS4756で否定判別された場合には、ステップS4759において、所定の演出を導出した場合に、特定キャラクタ表示(特定キャラクタ動画)と重複するタイミングであるか否かを判別する。ステップS4759で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4759で肯定判別された場合には、ステップS4760において、裏演出を導出するための設定を行ってから、本処理を終了する。裏演出としては、例えば、専用の演出、特定キャラクタが導出される特定キャラクタ表示、或いは、通常では導出され難い演出であって、適宜設定することが可能である。本実施形態では、例えば、装飾図柄表示装置42において特定キャラクタ表示が導出されるとともに、演出ハンドル401が所定の動作を行うパーツ演出が導出されることとなる。
図32の説明に戻り、ステップS3909では、装飾図柄表示装置42の変動表示の停止に関する変動停止処理を実行する。ここで、変動停止処理について、図40を参照して説明する。
先ず、ステップS4401では、停止コマンド(特別表示制御処理のステップS821参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4401において否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4401で肯定判別された場合には、ステップS4402において、装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる処理を行う。
ステップS4402の後、ステップS4403において、サポート終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4403で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4403で肯定判別された場合には、ステップS4404において、装飾図柄表示装置42に表示されている演出ステージを、「確変ステージ」や「引き戻しステージ」から、「通常ステージ」に変更させる処理を行う。
続くステップS4405において、連チャン中フラグをオフし、ステップS4406において、連チャンの内容(総払出数等)を教示する連チャン終了カウント表示処理を行ってから、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3910のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3911の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3911で行われる。
ステップS3912では、客待ち演出の制御設定等その他の処理を行う。つまり、遊技者が遊技していない状態が規定時間継続した場合に、客寄せモード又は省エネモードに移行する構成であって、装飾図柄表示装置42では、客待ち演出として、装飾図柄が表示されない(代わりに一連の動画が表示される、或いは、静止画が表示される)、画面が暗めになる等するデモ画面表示が導出されるようになっている。
ステップS3913では、上記ステップS3906〜S3913の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3906〜S3913の処理が実行された後、又は、上記ステップS3905で否定判別された場合には、ステップS3914に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3915に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3914で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3916において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態では、遊技者による演出ボタン125、及び、十字ボタン126による入力に応じて、装飾図柄表示装置42で表示されるキャラクタA〜Hのいずれかを特定キャラクタとして特定し、当該特定キャラクタが登場する特定キャラクタ表示を優先的に表示可能に構成されている。
より具体的には、通常モード、及び、時間短縮モードでは、演出変動表示の開始にあたり、メイン演出、及び、サブ演出を設定してから、メイン演出に特定キャラクタ表示が存在するかを判別し、特定キャラクタ表示が存在する場合に、それと重複するサブ表示(ボタン演出等の不許可表示)が存在するかを判別するようになっている。そして、特定キャラクタと重複するサブ表示については、重複しないタイミングへと変更されるようになっている。つまり、演出変動表示の開始に際して、メイン演出の特定キャラクタ表示と、サブ演出の不許可表示とが重複するか否かを判別し、重複すると判別された場合には、不許可表示の導出タイミングを変更するようになっている(図45ステップS6111等参照)。例えば、図48の2番目の演出変動表示の設定のように、「レイヤ1」で行われる「特定キャラクタ表示」としてのキャラクタCの動画と、「レイヤ4」で行われる「不許可表示」としてのボタン演出とが重複する場合には、ボタン演出を、キャラクタCの動画と重複しないタイミングに変更させることとしている。
また、上記実施形態では、大当たり状態の開始にあたり、「V入賞チャレンジ演出」、「キャラクタ紹介画像」、「特定払出数表示」の設定が行われた後、(さらに、「当たりキャラクタ動画」の設定が行われた後、)、それらと重複しないタイミングで「特定キャラクタ動画」が導出されるよう設定が行われる。つまり、例えば、図56の大当たり状態の表示の設定のように、大当たり状態の開始に際し、「レイヤ1」で行われる特定キャラクタ表示としてのキャラクタCの動画が、「レイヤ3」で行われる「不許可表示」としてのV入賞チャレンジ演出や、「レイヤ4」で行われる「不許可表示」としてのキャラクタ紹介画像、及び、特定払出数表示と重複しないように設定される(図53ステップS6512等参照)。
さらに、図56の<特例>にあるように、大当たり状態の開始後(大当たり状態中の各種演出表示の設定後)、特定キャラクタ表示としてのキャラクタCの動画に対して、急遽、「レイヤ4」のエラー報知表示が重複することになった場合、キャラクタCの動画は、エラー報知表示が終わった後に導出されるように、タイミングが変更されるようになっている。つまり、本実施形態では、特定キャラクタ動画の開始に際し、特定キャラクタ動画と、不許可表示とが重複するか否かの判別(図54;ステップS6601、ステップS6602)が行われるようになっており、重複すると判別される場合に、特定キャラクタ動画が1つ後の順番で可視表示されるように変更されるとともに、特定キャラクタ動画が可視表示される筈であった順番(期間)では、別の大当たり動画(特定キャラクタ動画以外の動画)が導出される(エラー報知表示が消去された場合に可視表示される)ようになっている。
加えて、図57の大当たり状態の表示の設定のように、大当たり状態の開始後、特定キャラクタ表示(特定キャラクタ動画)としてのキャラクタCの動画に対して、急遽、「レイヤ4」の特定払出数表示が重複することになった場合(特定払出数表示の予測が外れ、特定払出数表示が、1つ後の大当たり動画と重複するようになり、これによって、特定払出数表示が、キャラクタCの動画に重複する場合)、キャラクタCの動画は、特定払出数表示が終わった後に導出されるように、タイミングが変更されるようになっている。つまり、特定キャラクタ動画の開始に際し、現在行われている大当たりラウンドに対応するラウンドスケジュール記憶エリアの第1エリアを参照すると、不許可表示である特定払出数表示が行われることの情報が記憶されているため、特定キャラクタ動画の可視表示を1つ後の順番に変更し、その代わりに、特定キャラクタ以外の大当たり動画が可視表示されるように設定することとしている。本実施形態では、特定キャラクタ動画の代わりに可視表示されるレイヤ2の特定キャラクタ以外の大当たり動画が代替演出表示に相当し、代替演出表示の後にレイヤ2で行われ、前記レイヤ1の不可視とされた特定キャラクタ動画と同一の大当たり動画が再演出表示に相当する。
また、図37のステップS4729で、大当たり状態中のサブ演出の導出(不許可表示の開始)に際して、大当たり動画と重複する(大当たり動画再生中である)と判別される場合であって、サブ演出が保留連チャレンジ演出の場合には、保留連チャレンジ演出のタイミングを変更し(ステップS4733)、V入賞チャレンジ演出、キャラクタ紹介表示、確変昇格チャレンジ演出の場合には、大当たり動画のタイミングを変更する(ステップS4734)ようになっている。
尚、上記のように、「V入賞チャレンジ演出」、「キャラクタ紹介画像」、「特定払出数表示」、及び、「エラー報知表示」は、特定キャラクタ表示との重複が許可されない不許可表示であるのに対し、特定キャラクタ表示と重複可能な許可表示(例えば、図43(d)の特定キャラクタ表示に対する図43(e)の表示)も存在し、当該許可表示に関しては、特定キャラクタ表示と導出のタイミングが重複したとしても、そのまま重複させるような格好で導出されるようになっている。つまり、「特定キャラクタ表示」については、遊技者に十分に堪能してもらうために、特定キャラクタ表示と重複して導出されることで特定キャラクタ表示の視認態様が阻害されてしまうような表示を「不許可表示」として設定し、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複しないように、導出のタイミングが調節されるようになっている。その一方で、特定キャラクタ表示を引き立てるような表示演出や、特定キャラクタ表示の視認態様をほぼ阻害しないような表示については、「不許可表示」として設定されず(「許可表示」とされ)、特定キャラクタ表示との重複が許可されるようになっている。
以上のように、通常モード、時間短縮モード、及び、大当たり状態においては、演出変動表示の開始時、及び、大当たり状態の開始時に、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複しないように設定(禁則処理が行われる)が行われる。さらに、大当たり状態中の特定キャラクタ動画、及び、各不許可表示(大当たりラウンドに対応して行われる演出表示や、所定の教示・報知を行うための表示)の開始時に特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複しないように設定(導出タイミングの変更)が行われる。このため、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複することに起因して、特定キャラクタ表示、及び、不許可表示のうち一方が省略される、又は、一方、或いは、両方が認識し難くなる(特定キャラクタ表示、及び、不許可表示が入り交じって各表示が分かり難くなる)等といった事態を回避することができる。また、特定キャラクタ表示や不許可表示を通しで視認させることができる(中断され、その後、中断されたところから再開される等の事態を回避することができる)。従って、遊技者が楽しみにしている特定キャラクタ表示の導出が、不許可表示の導出によって阻害され、遊技者がストレスを溜めるといった事態を回避することができるとともに、不許可表示についても視認することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
特に、本実施形態では、大当たり状態の第1ラウンドに対応するキャラクタ紹介画像、第8ラウンドに対応するV入賞チャレンジ演出、大当たり状態において払出された遊技球の総数が規定数を超えるタイミングで行われる特定払出数表示のタイミングは、本来のタイミングで行われるように(特定キャラクタ表示の導出タイミングの方をやりくりするように)構成されている。つまり、第2可変入賞装置32bへの遊技球の入球を促すV入賞チャレンジ演出を第2可変入賞装置32bが開状態とされる第8ラウンド以外に導出しても何ら意味がなくなってしまうため、V入賞チャレンジ演出の導出タイミングは第8ラウンドからずらしてはいけない。また、特定払出数表示についても、特定キャラクタ表示と重複するからと言って導出のタイミングをどんどんと先延ばしにすると、特定払出数表示と、実際の遊技球の払出し総数とが乖離して、特定払出数表示の情報の価値(意味)がなくなってしまう。さらに、キャラクタ紹介画像では、大当たりが表示された変動表示に登場したキャラクタ(若しくは、大当たり図柄のキャラクタでもよいし、大当たり図柄と、変動表示に登場したキャラクタが一致するように構成してもよい)が表示されるが、大当たり状態の開始から離れたタイミングになると、その対応関係が分かり難くなるため、極力近いタイミングで行われることが望ましい。
この点、「キャラクタ紹介画像」、「V入賞チャレンジ演出」、及び、「特定払出数表示」は、特定キャラクタ動画よりも先に導出タイミングが設定され、特定キャラクタ動画はこれ多と重複しない期間に設定されるようになっている、このため、「キャラクタ紹介画像」、「V入賞チャレンジ演出」、「特定払出数表示」のタイミングが保守されることで、これらの「報知表示」の導出タイミングが遅れることに起因して、報知表示から得られる情報が古くなり、価値が薄れてしまう、意味がなくなってしまう、又は、矛盾してしまうといった事態を回避することができる。従って、報知表示の情報を本来のタイミングで確実に得ることができ、報知表示の情報に基づいて、遊技を安心して進行することができる。
また、本実施形態では、確変モードにおいて、レイヤ1の大当たり動画で特定キャラクタ動画が導出される場合に、レイヤ3の装飾図柄の変動表示が小さくミニ表示されるようになっている(図49参照)。このため、装飾図柄の変動表示は、特定キャラクタ動画と重複する場合でも遊技者に視認させた方が良いものの、そのままの表示態様では、特定キャラクタ動画の視認態様を阻害し過ぎてしまうといった懸念を払拭することができる。また、特定キャラクタ動画に関しては、本来の表示態様で視認してもらうことができる。
加えて、「15RS」の大当たり状態の第1ラウンドにおいて、大当たり状態が教示された装飾図柄表示装置42の演出変動表示のシーン4で登場したキャラクタ(当たりキャラクタ)と同じキャラクタが登場するキャラクタ紹介画像がレイヤ4で表示される(キャラクタ紹介表示が行われる)ようになっている(図56参照)。さらに、大当たりラウンドの開始から終了まで(オープニング演出の終了からエンディング演出の開始まで)の間にレイヤ1で順次導出される大当たり動画に関し、キャラクタ紹介画像の表示(第1ラウンド)の終了後において最初に開始される大当たり動画には、当たりキャラクタが登場する当たりキャラクタ動画が選択されるようになっている。
このため、演出変動表示における「15RS」の大当たり状態の発生の教示から、「15RS」の大当たり状態の冒頭にかけて、互いに関連する演出表示(当たりキャラの表示)を繋げることができ、大当たり状態の発生が教示されたときの高揚感を大当たり状態にスムースに繋げることができる。従って、大当たり状態に当選し、大当たり状態が開始されるといった遊技者にとって非常に喜ばしい状況において、より印象深い演出を導出することができ、演出効果の向上を図ることができる。さらに、大当たり状態の冒頭で大当たりが教示された演出変動表示の演出表示に関する表示(上記例では当たりキャラクタ)を視認することにより、演出変動表示においてどのようにして大当たり状態の発生が教示されたかの回想に誘うことができ、演出変動表示、及び、大当たり状態中の演出表示の演出効果を相乗的に高めることができる。
また、当該構成により、当たりキャラクタが登場する演出表示に対し意識付けがなされる(注目される)ことから、当該大当たり状態において、当たりキャラクタが登場する演出表示が何らかの要因で途切れたり、視認が阻害されたりすると、気分を害してしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、当たりキャラクタ動画は、キャラクタ紹介画像やその他の不許可表示と重複しないように構成されている(図55のステップS6615〜ステップS6627参照)ことから、かかる懸念を払拭することができ、大当たり状態における演出表示をより快く堪能することができる。
さらには、シーン4の演出表示(当選時演出表示)、及び、キャラクタ紹介画像の記憶が新しいうちに、当たりキャラクタ動画が導出されるようになっているため、結果的に、シーン4の演出表示の意義を強めることができる。従って、シーン4の演出表示をより興味深いものとすることができ、遊技性の向上等を図ることができる。
また、本実施形態では、大当たり状態中に1回は特定キャラクタ動画が導出されるようになっている。さらに、大当たり状態の開始時において、特定の大当たりラウンドに対応して不許可演出(キャラクタ紹介画像、V入賞チャレンジ演出、確変昇格チャレンジ演出)が導出されることを事前に把握し、当該不許可表示に対して、特定キャラクタ動画が極力重複しないようなタイミングで導出されるように設定される。つまり、特定キャラクタ動画の導出の設定がなされた後に、不許可表示が導出されるからといって、特定キャラクタ動画の設定を変更する(再設定する)ことは、処理の複雑化や特定キャラクタ動画の態様における所定の不具合(ずれ等)等を招くことが懸念されることから、特定キャラクタ動画の設定の際に、極力、不許可表示との重複が避けられるように設定が行われることで、かかる懸念を抑制することができる。さらに、大当たり状態の開始時に、不許可表示の導出タイミングに応じて、特定キャラクタ動画の導出タイミングの設定を行うことで、例えば、特定キャラクタ動画の開始時に不許可演出との重複が判明したが、変更の余地がないといった事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり状態において可変入賞装置32a、32bへの入球に基づいて払出される遊技球の数(払出総数)が2500個ほど増加する度に、装飾図柄表示装置42において特定払出数表示が導出されるようになっている。特定払出数表示は不許可表示であり、大当たり状態の開始時に、特定払出数表示がどの大当たりラウンドで導出される可能性が高いのかを判断し、かかる大当たりラウンドを避けて、極力、特定キャラクタ動画が特定払出数表示と重複しないように、大当たり状態に導出する複数の大当たり動画の順番を決定するようになっている。従って、特定払出数表示が導出されるタイミングの予測に応じて、特定キャラクタ動画の導出タイミングを重複の可能性が低くなるようにする等といった対応を柔軟にとることができる。特に、特定キャラクタ動画の導出中に急遽特定払出数表示が割り込んで導出されてしまうといった特定キャラクタ動画と特定払出数表示との重複、又は、特定キャラクタ動画の中断のどちらかが生じてしまう事態を回避することができる。
また、特定キャラクタ表示(特定キャラクタ動画)と、不許可表示(特定キャラクタ表示を含む)との重複判別は、大当たり状態の開始時(ステップS4710)だけではなく、特定キャラクタ表示の開始時(ステップS4718)、及び、不許可表示の開始時(ステップS4720〜ステップS4736)にも行われるようになっている。このため、大当たり状態(不許可含有演出や特定表示含有演出としての大当たり動画)の開始後に、不許可表示や特定キャラクタ表示のタイミングが急遽変わる等した場合であっても、重複が回避されるような対応等を行うことが可能となる。従って、不許可表示と、特定キャラクタ表示との重複を回避するといった上記作用効果が一層確実に奏される。
尚、演出変動表示に関しても、演出変動表示の開始時に特定キャラクタ表示と、不許可表示との重複が判別されるとともに、特定キャラクタ表示の開始後も、エラー報知表示や背景動画の開始時には、不許可表示との重複が判別され、対応する処理(ストック表示処理等)が行われるようになっている。
加えて、本実施形態では、特定キャラクタ表示(特定キャラクタ動画)と重複する不許可表示が特定キャラクタ表示、及び、報知表示以外の一般演出表示(ボタン演出、保留チャレンジ演出等)である場合、一般演出表示の導出タイミングが変更され、特定キャラクタ表示の導出タイミングは変更されないようになっている。このため、特定キャラクタ表示が導出される機会を確保することができ、特定キャラクタ表示が導出された場合には、一般演出表示等との重複が回避されて特定キャラクタ表示を満喫してもらうことができる。さらに、特定キャラクタ表示の導出タイミングも(本来なら一般演出表示と重複していたような場合には)維持されることから、特定キャラクタ表示の導出される筈のタイミングで導出されないといった事態を抑制することができ、かかる事態の発生に起因して興趣の低下を招く事態を低減させることができる。
また、上記実施形態では、大当たり状態において、レイヤ1で大当たり動画が複数回導出され、そのうち1回が、特定キャラクタ動画とされるとともに、レイヤ1の上側(手前側)に表示されるレイヤ2で特定キャラクタ動画と重複する代替演出表示として特定以外キャラクタの動画が導出されるようになっている(図53のS6507、図56参照)。そして、特定キャラクタ動画が導出される際に、特定キャラクタ動画が、急遽(大当たり状態の開始時の予測と違って)、報知表示(特定払出数表示等)と重複することとなった場合には、第2レイヤが可視表示(表示状態)とされ、第1レイヤの特定キャラクタ動画が視認不可能とされる。その一方で、特定キャラクタ動画が不許可表示と重複しない場合には、第2レイヤが非表示(非表示状態)とされ、特定キャラクタ動画が予定通り視認可能に表示される。
すなわち、例えば、特定キャラクタ動画の設定が行われた後に、当該特定キャラクタ動画に重複してしまう報知表示の導出が決定された場合、特定キャラクタ動画の内容を変更する(やり直す)とすると、サブ制御装置262の制御負担の大幅な増加を招いたり、特定キャラクタ動画に所定の不具合(ずれ等)の発生リスクが高まったりすることが懸念される。また、例えば、特定キャラクタ動画として生成している(生成された)動画データを消去し、別の動画データに差し替える処理は困難なものとなるおそれがある。
この点、本実施形態では、特定キャラクタ動画が導出される場合には、当該特定キャラクタ動画と同期して特定以外キャラクタ動画を導出可能に設定しておき、特定キャラクタ動画と、報知表示とが急遽重複してしまうことになった場合において、特定キャラクタ動画の導出タイミングを変更しようとする場合に、基本的にレイヤ1の特定キャラクタ動画(に関する処理)はそのままとして、レイヤ2の特定以外キャラクタ動画を表示状態に切替えるだけで、特定キャラクタ動画と報知表示とが重複した態様が視認されることを回避することができる。
さらに、レイヤ2の特定以外キャラクタ動画が可視表示とされた場合には、次の順番の大当たり動画と重複するようにして、前記レイヤ2の特定以外キャラクタと重複されたことで視認不可能とされた特定キャラクタ動画と同じ大当たり動画がレイヤ2で導出されるように設定される(図54、図56の<特例>参照)。そして、レイヤ2の特定キャラクタ動画が報知表示と重複しないと判別された場合にはレイヤ2が可視表示とされる。つまり、レイヤ2で、視認されることが控えられた特定キャラクタ動画と同じ大当たり動画を視認可能に導出することで、特定キャラクタ動画が後のタイミングに変更されて導出されたような格好となる。
その一方で、レイヤ2の特定キャラクタ動画が報知表示と重複すると判別された場合には、もう一度、レイヤ2が非表示とされ、かつ、次の大当たり動画と重複するようにして第2レイヤで前記特定キャラクタ動画と同じ大当たり動画が導出されるように設定される。
以上のように、特定キャラクタ動画と報知表示との重複を急遽回避する場合に備えて、特定キャラクタ動画と重複する特定以外キャラクタ動画を設定しておく(特定キャラクタと同時に再生されるようにしておく)ことで、前記重複を回避するとなった場合に、装飾図柄表示装置42の態様を特定キャラクタ動画が視認されない態様へと比較的スムースに切替えることができる。従って、特定キャラクタ動画の急なタイミング変更に関する処理の負担の増加を抑制しつつ、特定キャラクタ表示を確実に堪能してもらうことができる。
さらに、レイヤ1の報知表示と重複する特定キャラクタ動画は、レイヤ2の特定以外キャラクタ動画を重複させることで、完全に視認不可能とすることができる。このため、例えば、大部分が報知表示の後側に重なった格好となって視認性が悪化した特定キャラクタ動画が導出されてしまうこと、ひいては、特定キャラクタ動画が行われていることは(視認可能な一部から)確認できるものの、よく見えない(見られる筈だったのに見られない)といった興趣の低下を招く事態を回避することができる。
加えて、レイヤ2の特定キャラクタ動画が報知表示と重複する場合には、当該特定キャラクタ動画が非表示とされるとともに、レイヤ2でレイヤ1の次の大当たり動画と同期する特定キャラクタ動画が導出されるように設定される。このため、特定キャラクタ表示の導出タイミングを変更した先のタイミングでも報知表示と重複してしまう場合の対処を、第1レイヤの演出表示(特定以外キャラクタ動画)を活かしつつ、比較的スムースに行うことができる。
また、大当たりキャラクタ動画の時間は均一であり、また、大当たりキャラクタ動画の開始タイミングについても残り時間計測タイマで確実に把握することができる。このため、レイヤ1の特定キャラクタ動画等の大当たり動画に対して、レイヤ2の特定以外キャラクタ動画や特定キャラクタ動画を比較的容易かつ正確に同期させることができる。
また、本実施形態では、所定のキャラクタを特定キャラクタとして特定するだけで、特定キャラクタが表示される演出表示が包括的に特定キャラクタ表示として特定されることとなる。このため、特定キャラクタ表示を目当てに遊技を行う遊技者にとって、特定キャラクタ表示を特定する設定が簡単なものとなり、ストレスなくスムースに遊技を開始させることができる。また、特定キャラクタ表示を特定する設定が簡単になることで、より多くの遊技者に、特定キャラクタ表示の機能を楽しんでもらうことができる。加えて、特定キャラクタの導出予定を把握する導出期間把握手段としての機能(組合せ記憶エリア等)により、特定キャラクタ表示の導出期間を確実に把握することができ、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複するか否かを確実に判断することができる。
また、本実施形態では、演出表示のパターンとして、特定キャラクタ表示が選択され得る(選択肢の一つとされる)場合に、特定以外キャラクタ表示が選択された場合には、別のレイヤにおいて、当該特定以外キャラクタ表示と同期して、特定キャラクタ表示が再生されるように構成されている(図48、図56の「レイヤ2」、「レイヤ5」参照)。つまり、特定キャラクタ表示が表示されることもあり得る期間(導出可能性期間)において、特定キャラクタ表示ではなく、特定以外キャラクタ表示が導出される場合には、特定以外キャラクタ表示の画像の生成だけではなく、特定キャラクタ表示の画像の生成についても行われるように構成されている。このため、導出可能性期間の開始後の決定に基づいて、装飾図柄表示装置42において視認される表示態様を、特定以外キャラクタ表示から特定キャラクタ表示に切替えたり、特定キャラクタ表示から特定以外キャラクタ表示に切替えたりすることを比較的スムースに行うことができる。
例えば、表示(動画)の内容を切替える際に、切替先の動画(少なくとも冒頭の部分)を生成する時間を稼ぐため、静止画(しかも、あまり細かくないもの、あまり画質の良くないもの)を挟んだり、装飾図柄表示装置42を一時的に可動役物で覆ったりするといったことをしなくても、見栄えを悪くすることなく、表示をスムースに切替えることができる。また、複数パターンの演出表示の画像生成を同時進行するといった構成を採用することで、同時に再生される複数パターンの演出表示のどれを視認させるかを適宜変更することができる。従って、導出可能性期間では、特定演出表示をいつでも即座に表示させることができ、特定演出表示が導出される機会を増やしたり、特定演出表示との間の切替えをスムースなものとしたりするとともに、特定演出表示の導出のバリエーションを増やしたり、導出可能性期間の開始後の所定条件成否で、臨機応変に特定演出表示と特定以外演出表示との間で切替えを行ったりすることができる。さらに、動画の内容が動画の開始時に全て決まっている構成に比べ、特定キャラクタ表示に絡めたリアルタイムで変化するドラマチックな演出を導出することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
また、装飾図柄表示装置42は、大当たり動画や、通常モードの演出変動表示のメイン演出表示が再生されるメインレイヤとしてのレイヤ1と、レイヤ1の動画と同期させる動画が再生される裏メインレイヤとしてのレイヤ2と、レイヤ1の動画よりも短い動画、又は、静止画が再生されるサブレイヤとしてのレイヤ4と、レイヤ4の動画又は静止画と同期させる動画又は静止画が再生される裏サブレイヤとしてのレイヤ5とを備え、レイヤ1よりも上側(遊技者側)にレイヤ2が配置され、レイヤ2よりも上側にレイヤ4が配置され、レイヤ4よりも上側にレイヤ5が配置されている。このため、各レイヤで生成する画像の量を低減させることができ、所定のレイヤで再生する画像のパターン違いの画像を別のレイヤで再生する場合の負担を軽減することができる。
また、上記実施形態では、特定キャラクタ表示同士が重複した場合や、特定キャラクタ表示と、報知表示とが重複した場合に、特定キャラクタ表示を導出させる権利をストック可能に構成されるとともに、遊技者によるパチンコ機10への入力に応じて、ストックされている特定キャラクタ表示を導出させる権利を行使可能に構成されている。このため、特定キャラクタ表示を導出させる権利をストックし、自分のタイミングで特定キャラクタ表示を導出させるといった新たな遊技性に楽しみを見出してもらうことができる。また、例えば、特定キャラクタ表示が導出されている場合に、エラー状態の報知等の緊急性を有する表示が導出される場合、どうしても特定キャラクタ表示の視認態様が阻害されてしまうが、かかる特定キャラクタ表示をストックさせる構成とすることにより、かかるストックの行使を後程の楽しみとすることができる。従って、特定キャラクタ表示に対して何らかの表示が重複して特定キャラクタ表示の視認性が悪化することに起因する興趣の低下を抑制することができ、特定キャラクタ表示を堪能するといった遊技性を確保し、結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。加えて、当然、ストックされる演出表示は、特定キャラクタ表示であることから、例えば、遊技者にとって興味のない演出表示がストックされ、それに付属する各種演出等が導出される等といった構成に比べ、無駄な演出の導出(過多)により、遊技者が辟易とするといった事態を回避することができる。
また、上記のように、本実施形態では、特定キャラクタ表示を導出させる権利をストック可能に構成されており、特定キャラクタ表示を導出させる権利がストックされている状態で特定演出ボタン127を操作することにより、特定キャラクタ表示を導出させる権利が行使されるようになっている。つまり、ストックがあり、レイヤ1やレイヤ4で特定以外キャラクタ表示が導出されている状況で、特定演出ボタン127が操作された場合に、レイヤ2やレイヤ5で特定キャラクタ表示が非表示で再生されていれば、かかる特定キャラクタ表示と可視表示に切替えるようになっている。
これにより、特定キャラクタ表示を導出させる権利をストックし、自分のタイミングで特定キャラクタ表示を導出させるといった新たな遊技性に楽しみを見出してもらうことができる。また、例えば、特定キャラクタ表示が導出されている場合に、エラー状態の報知等の緊急性を有する表示が導出される場合、どうしても特定キャラクタ表示の視認態様が阻害されてしまうが、かかる特定キャラクタ表示をストックさせる構成とすることにより、かかるストックの行使を後程の楽しみとすることができる。従って、特定キャラクタ表示に対して何らかの表示が重複して特定キャラクタ表示の視認性が悪化することに起因する興趣の低下を抑制することができ、特定キャラクタ表示を堪能するといった遊技性を確保し、結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。加えて、当然、ストックされる演出表示は、特定キャラクタ表示であることから、例えば、遊技者にとって興味のない演出表示がストックされ、それに付属する各種演出等が導出される等といった構成に比べ、無駄な演出の導出(過多)により、遊技者が辟易とするといった事態を回避することができる。
また、導出可能性期間が途中に存在する所定の演出表示が開始された後に、ストックされている特定キャラクタ表示を導出させる権利を行使して特定キャラクタ表示を導出させる場合であっても、導出可能性期間では、元々、特定以外キャラクタ表示とともに、特定キャラクタ表示が再生される予定であることから、特定キャラクタ表示のストック権利の行使をスムースに行うことができる。さらには、導出可能性期間が開始された後でも、当該導出可能性期間に対応する特定キャラクタ表示を即座に導出させることができ、例えば、タイミングが少し遅れただけで特定キャラクタ表示を導出させるための対応ができなくなったり、特定キャラクタ表示に切替えるために、動画が中断したり、画像が乱れたりする等の事態を回避することができる。従って、特定キャラクタ表示をストックし、ストックの権利を遊技者のタイミングで行使するといった機能を十分に発揮させることができる。
加えて、特定演出ボタン127が操作されたときに導出されている特定以外キャラクタ表示に対応する特定キャラクタ表示が導出されるため、このタイミングで特定キャラクタ表示を導出させる権利を行使するとどのような態様で導出されるのかといった楽しみを付加することができる。従って、特定キャラクタ表示をストックさせるといった行為に付加価値を付けることができる。
また、装飾図柄表示装置42の右下部では、特定キャラクタ表示を導出させる権利がストックされている(該権利を保持している)ことを示すストックポイント表示465が表示される。そして、ストックポイントが5ポイント貯まり、特定キャラクタ表示を導出させる権利が付与された状態では、5ポイント分のストックポイント表示465が特定キャラクタの表示に変化するようになっている(図42(c)参照)。このため、特定キャラクタ表示がストックされるといった機能に気付かない、或いは、特定キャラクタ表示がストックされていることに気付かないといった事態を抑制することができる。さらに、ストックポイント表示465自体が特定キャラクタの表示(特殊ストック表示)とされることから、特定キャラクタ表示をストックさせることや、特殊ストック表示の態様に楽しみを見出してもらうことができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、ストックポイントが7ポイントを超えた場合、遊技者が特定演出ボタン127を操作しなくても、特定キャラクタ表示のストックの権利が強制的に行使されるようになっている。このため、例えば、特定キャラクタ表示のストックが、当該ストックの消費に見合うような適当なところで(例えば、演出変動表示のシーン3及びシーン4で)自動に行使されるようにすることで、特定キャラクタ表示を導出させる権利がストックされているだけで権利が行使されず、特定キャラクタ表示を堪能してもらうためのストック機能が上手く活かされないといった事態を回避することができる。さらに、ストックを消費すると特殊ストック表示(ストックポイントを示すストックポイント表示465が特定キャラクタの態様に変化した表示)が消失するので消費するのが惜しいという感情からストックが消費されない事態が予想されるため、自動的に消費されるように構成しておけば、遊技者はためらわずにストックを消費することができるとともに、特殊ストック表示がずっと表示され続けることで、ありがたみがなくなるといった事態を抑制することができ、特殊ストック表示の価値を高めることができる。
尚、本実施形態では、保留アイコン461として、演出変動表示の内容を示唆する先読み保留アイコン463が導出される場合がある。これにより、当該先読み保留アイコン463により、大当たり状態の発生への期待が持てるような状況において、ストックされている特定キャラクタ表示を導出させる権利を行使する等といった具合に、ストックの利用に際しての利便性等を向上させることができる。
また、本実施形態では、外形状を変化可能、かつ、変位可能な演出ハンドル401が設けられ、触覚により、各種情報を遊技者に伝達可能に構成されている。従って、演出の幅を広げることができる。特に、装飾図柄表示装置42の表示態様や音声態様を変化させることなく情報を伝えることができることから、特定キャラクタ表示やそれに伴う音声を阻害することなく、特定キャラクタ表示に関連する演出(例えば、十字ボタンで選択させる演出で正解の選択肢を演出ハンドル401の動作で知らせる等)を行ったり、特定キャラクタ表示とは関係のない情報を遊技者に伝えたりすることができる。結果として、演出性の向上、遊技者への情報伝達の利便性の向上等を図ることができる。
例えば、上記実施形態では、演出ボタン125及び十字ボタン126で遊技者が選択肢をいずれかを選択するという演出が導出される場合があり、さらに、当該演出に際して、演出ハンドル401の動作による正解の選択肢の示唆が行われる場合がある。このように、入力操作手段による入力が可能な状態(どのような入力をしようか迷っている状態)において、当該入力の指針が教示されることで、遊技者は、驚き、喜び、そして、入力の結果が教示されることを大いに期待しながら、その間も高揚感を得ることができる。結果として、興趣の向上を図ることのできる演出を導出することができる。
尚、上記実施形態では特に言及していないが、例えば、特定キャラクタ表示の導出中において始動入賞装置33a、33b、可変入賞装置32a、32bへの入球があった場合に演出ハンドル401が振動するように構成し、特定キャラクタ表示中の前記入球に対応して演出ハンドル401が振動することの案内を導出したり、当該振動の機能を停止させる設定を行えるように構成したりする場合、特定キャラクタ表示の視認態様や、それに伴う音声態様を一切阻害することなく、各種入球情報を遊技者に伝えることができる。結果として、特定キャラクタ表示をより一層堪能してもらうことができる。
さらに、演出ハンドル401は、発射操作用のハンドル18のほぼ左右対称位置に設けられている。このため、ハンドル18を操作する手(右手)とは反対の手(左手)で、比較的長時間触れていても疲れないようにすることができる。従って、特定キャラクタ表示が導出されている間、比較的容易に演出ハンドル401に触れ続けることができ、演出ハンドル401の機能を十分に活かすことができる。
また、本実施形態では、パーツ取付部及び態様変化手段としての演出ハンドル401に対し、専用パーツ411を取付可能に構成されている。専用パーツ411は、遊技者が持ち込んだり、遊技ホールでレンタルされたりするものであって、演出ハンドル401に専用パーツ411を取付けることで、パチンコ機10の外観を変化させることができる。従って、自分の部屋をコーディネートするような感覚で、遊技を行う環境のうち、パチンコ機10の外観を遊技者の好みにすることができ、気分よく遊技を行ってもらうことができる。また、遊技ホールにおいてサービスとして予め専用パーツ411を取付ける場合であっても、個々にパチンコ機10の外観を変化させることができる。加えて、パチンコ機10そのものとしては取付けることが難しい(搬送時に邪魔になる、壊れ易い等)前面枠14の前方に突出するようなものをパチンコ機10に取付けることができ、意匠性などの向上を図ることができる。
さらに、演出ハンドル401に取付けられた専用パーツ411の態様が変化可能に構成されている。すなわち、本実施形態の演出ハンドル401は、前面枠14の前方に突出する第1スライド部材402、及び、第2スライド部材403と、第1スライド部材402及び第2スライド部材403を覆う軟質樹脂製のカバー部材406とを備え、第1スライド部材402、及び、第2スライド部材403はそれぞれ前後に変位可能、かつ、全体として、上下、左右に傾動可能に構成されている。このように、演出ハンドル401が変位したり、変形(外形状が変化)したりすることにより、演出ハンドル401に被せるようにして取付けられた専用パーツ411についても、変位したり、変形(外形状が変化)したりすることとなる。このため、パチンコ機10に取付けられた専用パーツ411を動作させる(今までにない演出用の可動役物を設ける)ことができ、専用パーツ411が単なる置物になることなく、装飾物としての性能を強化させたり、演出等の一環として使用したりすることができ、専用パーツ411、ひいては、パチンコ機10への興味をより一層高めることができる。また、専用パーツ411に遊技者が触れることで感触等の変化を利用した演出や示唆を行うことができ、演出性や遊技性の向上をより一層図ることができる。
結果として、遊技者が自分で選んだ専用パーツ411をパチンコ機10に取付けて外観を自身の趣味・嗜好に合わせることで、パチンコ機10への興味・愛着をより積極的に高めてもらうことができ、比較的早期に飽きられてしまうことを抑制し、パチンコ機10へのリピート率の向上を図ることができる。尚、演出ハンドル401は、第1スライド部材402を変位させることで、演出ハンドル401から専用パーツ411に付加される圧力を変更することができ、これにより、専用パーツ411の感触(硬さ、張り感)が変わる(第1スライド部材402が前方に位置する場合は、後方に位置する場合に比べて専用パーツ411が硬く感じる)といった斬新な演出を提供することができる。
また、演出ハンドル401に専用パーツ411が取付けられている状態と、専用パーツ411が取付けられていない状態とを区別可能な(図示されない)取付検知手段が設けられている。このため、例えば、専用パーツ411を遊技ホール側が用意して遊技者にレンタルする場合において、専用パーツ411が取付状態から外された状態とされることで、パチンコ機10において専用パーツ411の返却をお願いするアナウンス等を導出したり、対応する信号がパチンコ機10の外部に出力されるように構成し、遊技ホール関係者が、専用パーツ411が外されたことを把握し得るようにしたりすることができ、専用パーツ411が遊技者によって無断で持ち去られてしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、例えば、専用パーツ411を遊技者が用意する場合において、遊技者が遊技を終了させる操作を行った場合(例えば、遊技価値を記憶可能な遊技価値記憶媒体を返却する操作が行われた場合や、デジタル化されて記憶されている遊技価値(遊技球)を実物の遊技価値として払出させる操作が行われた場合等)に、専用パーツ411を忘れないように注意喚起する(専用パーツ411が付いていることを教示する表示及び音声を導出する)ことができる。
加えて、本実施形態では、演出ハンドル401に専用パーツ411が取付けられた場合に発光するパーツ反応部としての取付ランプ417(図1参照)が設けられている。このため、専用パーツ411が的確に取付けられているかの確認を行うことができる。尚、演出ハンドル401に専用パーツ411が取付けられることに連動して態様変化するパーツ反応部としての可動役物や発光手段等を設けることとしてもよい。この場合、専用パーツ411を取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a;許可表示、不許可表示、報知表示)許可表示や不許可表示の設定(規定)は機種毎に行われるものであって、基本的に、「許可表示」は、特定キャラクタ表示(の主体)に被らない、ほぼ被らない、被っても特定キャラクタ表示が透けるようにして見える表示であり、「不許可表示」は、特定キャラクタ表示(の主体)と全体、又は、主要な部位と被って、特定キャラクタ表示の該当部位(全体又は一部)が見えなくなる表示であればよい。
また、不許可表示のうち「報知表示」についても、機種毎に設定することができ、例えば、大当たり状態等の権利を獲得したことの教示、大当たり状態が開始されることの教示、大当たり状態が終了したことの教示、変動表示が終了したことの教示、遊技者に払出された遊技価値(遊技球等)の数に関する教示等が挙げられる。また、「許可表示である報知表示が存在すること」としてもよい。つまり、例えば、特定キャラクタ表示の1種として、導出タイミングを変更させることのできない超特定キャラクタ表示が存在し、超特定キャラクタ表示と、報知表示とが重複すると判別された場合に、報知表示を許可表示となるように変更するように構成してもよい。また、報知表示として、所定の遊技状態の付与・移行が決定されたことの教示、遊技を進行する上での区切り(小目標)として設定された条件が達成された(払出総数以外にも、通常モードを介さずに大当たり状態に5回当選した、プレミアムの演出が導出された等が挙げられる)ことの教示、エラー状態が発生したことの教示等が挙げられる。
また、上記実施形態では、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが重複すると判別されるような場合に、基本的に、どちらか一方のタイミングを変更するように構成されているが、特定キャラクタ表示及び不許可表示の導出タイミングを両方とも変更する(両方の融通を効かせる)ように構成してもよい。尚、演出変動表示において、シーン1に導出される不許可表示を、シーン2〜4に移動させないこと(シーン1内での移動、或いは、導出の中止)が望ましい。つまり、一般に、シーン1では、リーチ状態が発生するかもしれない程度の演出表示(例えば、ボタン演出)であるが、シーン2〜4の演出表示(例えば、ボタン演出)は、大当たり状態が発生するかもしれないといった演出表示であるため(或いは、既に外れることがほぼ確定していてただ残り時間を消化しているだけの演出表示となる場合もある)、シーン1の演出表示を後のシーンに移動させると、シーンにそぐわない違和感のある演出表示となってしまうことが懸念される。従って、前のシーンから後のシーンに移動させないことが望ましい。さらに、所定の演出等を解説する表示は、許可表示としてその他の表示を阻害しないようにその時点で表示してしまうことが望ましい。
また、上記実施形態では特に言及していないが、大当たり状態(大当たりラウンド)の開始後において、特定キャラクタ動画と、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示とが重複した場合、特に、最終ラウンドが終了するまでの間に特定キャラクタ動画の導出タイミングを変更して導出させる時間が残されていない場合には、特定キャラクタ動画を視認不可能とし(中止し)、特定キャラクタ動画が行われる筈であった期間において、別の大当たり動画(特定キャラクタ動画以外の大当たり動画)を導出するとともに、不許可表示を特定キャラクタ表示として扱われる態様に変更する特定演出が行われることとしてもよい(例えば、図56のレイヤ3におけるV入賞チャレンジ演出を非表示として、レイヤ2におけるキャラクタCによるV入賞チャレンジ演出を可視表示とする)。この場合、特定キャラクタ動画の導出タイミングを変更する時間的余地がない場合であっても、特定キャラクタ表示(特定キャラクタ動画に関連する特定演出)が視認されるようにすることができる。従って、特定キャラクタ動画と、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示(第1不許可表示)とが重複することで、特定キャラクタ動画が導出されなくなってしまい、特定キャラクタ動画(特定キャラクタ表示)を楽しみにしていた遊技者の興趣の低下を招いてしまうといった事態を抑制することができる。
(b;報知表示の割込みによる特定キャラクタ表示の中断)さらに、「特定キャラクタ表示が導出されている状態において、不許可表示である報知表示が導出される場合には、特定キャラクタ表示が中断されて報知表示が導出されるとともに、報知表示の終了後に特定キャラクタ表示が中断されたところから、又は、中断されたところよりも前に戻したところから(中断されたタイミングよりも少し前のタイミングから、又は、特定キャラクタ表示の最初から)再開されること」としてもよい。尚、上記実施形態では、特定キャラクタ動画の再生中に、V入賞チャレンジ演出、確変昇格チャレンジ演出が導出される場合、大当たり動画が視認不可能とされ(第2レイヤの特定以外キャラクタ動画が視認されるようになり)、その代わりに、次の順番の大当たり動画として、視認できなくなった特定キャラクタ動画が設定されるようになっている(ステップS4734参照)。
つまり、特定キャラクタ表示の導出が決定されているが未導出である場合には、特定キャラクタ表示全体の導出タイミングを変更させることが可能であるが、特定キャラクタ表示の途中で不許可表示の報知表示が導出され、当該報知表示を優先させるとすると、特定キャラクタ表示はどうしても途切れてしまう。このような場合であっても、上記のように中断、再開することで、特定キャラクタ表示をできる限り堪能してもらうことができる。加えて、中断した特定キャラクタ表示を再開することを教示する案内表示、中断した特定キャラクタ表示の再開までの時間を(カウントダウン)表示する案内表示等を導出可能に構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示が再開されること(を事前に知ること)に安堵してもらうことができたり、特定キャラクタ表示が再開されたことに気付かずに冒頭部分を見逃す等といった事態を抑制したりすることができる。
(c;特定キャラクタボイス)上記実施形態では特に言及していないが、特定キャラクタ表示とともに導出される特定キャラクタボイス(特定演出音声)についても特定キャラクタ表示と同様に扱われるように構成してもよい。つまり、特定キャラクタボイスの導出期間と少なくとも一部が重複する音声が「不許可音声」であると判別される場合に、特定キャラクタボイスと不許可音声とが重複しないように、特定キャラクタボイス、及び、不許可音声のうち少なくとも一方の導出タイミングが変更されることとしてもよい。また、特定キャラクタボイスを特定するための遊技者によるパチンコ機10への入力としては特に限定されるものではないが、例えば、装飾図柄表示装置42において特定キャラクタ表示の設定画面を導出可能に構成し、遊技者が操作可能に設けられた演出ボタン125、及び、十字ボタン126の操作に応じて特定キャラクタ表示を設定可能に構成したり、携帯通信端末を介して、パチンコ機10とサーバとの間でデータのやりとりを行うモバイル連動遊技が行われる場合に、サーバで発行されるパスワードをパチンコ機10に入力することで、前回の遊技の特定キャラクタ表示の記憶が今回の遊技に反映されるように構成したりすることとしてもよい。
(d;ストック機能)上記実施形態では、特定キャラクタ表示同士が重複することで、特定キャラクタ表示を導出させる権利がストックされるように構成されているが、ストックの条件等は特に限定されるものではない。例えば、成功することでストックポイントが加算されるミニゲームを導出可能にしたり、変動表示や大当たり状態等が所定数行われる毎にストックポイントが加算されたり、演出変動表示の開始に際しての所定の抽選に基づいて(導出される所定の演出表示に対応付けされて)ストックポイントが加算されたりするように構成してもよい。また、例えば、特定キャラクタ表示が報知表示と重複した場合に、特定キャラクタ表示の導出タイミングをずらすのではなく、ストックが実施されるように構成してもよい。さらに、特定キャラクタ表示同士が重複する場合に、ストックが実施されるのではなく、特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更されるように構成してもよい。加えて、特定キャラクタ表示同士が重複する場合、下側のレイヤで視認し難くなった特定キャラクタ表示がそのまま表示されるようになっているが、裏チャンネル表示により、その表示態様を隠すように構成してもよい。尚、ストック機能を省略することも可能である。
また、上記実施形態では特に言及していないが、大当たり状態(大当たりラウンド)の開始後において、特定キャラクタ動画と、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示とが重複し、特定キャラクタ動画の導出タイミングを後に変更するといった設定が行われる場合に、最終ラウンドが終了するまでの間に特定キャラクタ動画を導出する時間が残されていない場合には、特定キャラクタ表示のストックが行われるとともに、特定キャラクタ動画が行われる筈であった期間において、別の大当たり動画(特定キャラクタ動画以外の大当たり動画)、及び、特定演出としてのストック演出表示が導出されるように構成することとしてもよい。
(e;確変モード中の演出表示)上記実施形態では、確変モードにおいて、レイヤ1の背景動画で特定キャラクタが登場する特定キャラクタ動画が導出される場合、レイヤ2の演出表示が非表示とされ(但し、レイヤ2の演出表示が特定キャラクタ表示の場合には、当該演出表示は可視表示とされる)、レイヤ4のサブ演出表示は中止されるように構成されているが、重複して導出されるとともに、ストックポイントの加算が行われるように構成してもよい。
さらに、レイヤ2にて可視表示で開始された演出表示(メイン演出表示)については、途中で特定キャラクタ動画が導出されようとも、装飾図柄の変動表示の停止まで可視表示されるように構成してもよい。つまり、ストーリーのある動画であるメイン演出表示が、途中で消去されてしまう(ストーリーのある動画が完結しない)という違和感のある表示を導出しなければならないといった事態を回避することができる。
また、レイヤ1の背景動画で特定キャラクタ動画が導出される場合、レイヤ3の装飾図柄の変動表示が小さくミニ表示されるようになっているが、装飾図柄を薄く(半透過)して表示してもよいし、表示態様を変えずに表示してもよいし、装飾図柄の変動表示を視認不可能にしてもよい。但し、装飾図柄の停止表示の情報は遊技者にとって重要であり、さらに、特定キャラクタ動画についても堪能してもらうべく、特定キャラクタ表示の視認態様をそれ程妨げないように装飾図柄の変動表示を行うことが望ましい。
尚、確変モード中でレイヤ2の演出表示が導出されないパターンの変動表示に際して、演出ハンドル401の態様変化によるパーツ演出が行われる確率が高まるように構成してもよい。この場合、装飾図柄表示装置42の表示態様を変えることなく演出を盛り上げることができる。
(f;キャラクタ紹介、当選キャラクタ動画)上記実施形態では、大当たり状態において、キャラクタ紹介が「15RS」の第1ラウンドにのみ導出され得る構成となっているが、その他のラウンドで導出される場合があったり、その他の種別の大当たり状態においても導出される可能性があったりするように構成してもよい。また、1回の大当たり状態中にキャラクタ紹介が複数回行われるように構成してもよい。但し、大当たり状態の発生が教示された装飾図柄表示装置42における変動表示(スーパーリーチ演出)で登場したキャラクタ(当選キャラクタ)に対応するキャラクタ紹介が含まれることが望ましく、さらには、かかるキャラクタ紹介が極力前記変動表示から時間的に離れていないタイミングで行われることが望ましい。尚、大当たり状態におけるキャラクタ紹介を省略することも可能である。
また、上記実施形態では、当選キャラクタの大当たり動画(当選キャラクタ動画)が、キャラクタ紹介(第1ラウンド)が終了した後、当該キャラクタ紹介と一部も重複しない大当たり動画として導出されるように特別扱い(特定演出表示と同様に不許可表示と重複しないように処理される)で設定されているが、当選キャラクタ動画をその他の大当たり動画と区別することなく、適宜設定されるように構成してもよい。但し、上記実施形態のように、装飾図柄の変動表示と、キャラクタ紹介と、当選キャラクタ動画とを繋げて導出することにより、大当たり状態の教示から開始にかけての印象、特には、いずれにも登場するキャラクタの印象を強くする(良くする)ことができ、結果として、遊技意欲の向上を図ることができる。
(g;特定払出数表示)上記実施形態では、大当たり状態の発生から通常モードに移行するまでの状態(連チャン状態)において、可変入賞装置32a、32bへの入球に基づいて払出される遊技球の数(払出総数)がカウントされ、その数が装飾図柄表示装置42で表示されるとともに、払出総数が2500個ほど増加する度に、払出総数が所定数を超えたことを教示する特定払出数表示を装飾図柄表示装置42の中央で大々的に表示するようになっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり状態中の可変入賞装置32a、32bへの入球に基づいて払出される遊技球の数だけではなく、その他の入賞装置(始動入賞装置33a、33b、一般入賞装置31等)への入球に基づいて払出される遊技球の数もカウントに入れたり、確変モードや時間短縮モードにおける入賞装置への入球に基づいて払出された遊技球の数もカウントに入れたりしてもよい。
さらに、確変モードや時間短縮モードで特定払出数表示が導出される場合もあるように構成してもよい。加えて、払出総数のカウントは、増加だけでなく、減少する場合もある(発射された遊技球の数を減算する)ように構成してもよい。また、例えば、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選において「小当たり」に当選する場合があり、小当たりに当選した場合には、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bのどちらかが短時間開状態とされる(第2可変入賞装置32bの特定入球部145には入球させないようにする)ように構成してもよい。尚、特定払出数表示の導出機能を省略することも可能である。
また、特定払出数表示の予測が1つの大当たりラウンドに限定されるように構成されているが、連続する複数の大当たりラウンドにおいて特定払出数表示が導出され得るとして予測し、当該大当たりラウンドを避けて特定キャラクタ動画等が設定されるように構成してもよい。この場合、特定払出数表示の予測が外れて、特定キャラクタ動画の導出タイミングを急遽ずらす必要が生じるといった事態を抑止することができる。
(h;重複判別処理のタイミング、及び、特定キャラクタ表示と、報知表示とが重複する場合の態様例)上記実施形態では、大当たり状態の開始時と、大当たり状態開始後の大当たり動画の開始時(特定キャラクタ動画の開始時を含む)と、各不許可表示の開始時とにおいて、特定キャラクタ表示(特定キャラクタ動画)と、不許可表示との重複が判別され、重複が回避されるような設定が行われるよう構成されているが、例えば、大当たり状態の開始時にのみ重複回避のための処理を行うこととしてもよいし、特定キャラクタ表示の開始時、及び、不許可表示の開始時にのみ重複回避のための処理を行うこととしてもよい。
また、上記実施形態において、報知表示又は特定キャラクタ表示の開始時に、報知表示と特定キャラクタ表示とが重複すると判別されることで、特定キャラクタ表示の導出のタイミングが(急遽)変更される場合に、報知表示が、特定キャラクタ表示に相当する態様(特定キャラクタが報知表示に登場する、報知表示に対応する音声が特定キャラクタのものになる等)に設定されるように構成してもよい。この場合、報知表示が特定キャラクタ表示に相当する態様になり、特定キャラクタ表示を視認する機会が増える上、本来の特定キャラクタ表示の態様とは異なるものの、報知表示である特定キャラクタ表示を、本来のタイミングで堪能することができ、前記重複に対するイメージの向上を図ることができる。
さらに、報知表示又は特定キャラクタ表示の開始時に、報知表示と特定キャラクタ表示とが重複すると判別されることで、特定キャラクタ表示の導出のタイミングが(急遽)変更される場合に、報知表示が、特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更された(特定キャラクタ表示が後に表示される)ことを示す態様に設定されるように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示が導出される機会が失われたのではなく、特定キャラクタ表示が後に導出されることを遊技者に知らせて安心させることができる。
尚、上記実施形態の大当たり状態は、少なくとも1回は所定ラウンドに対応して不許可演出が行われる(少なくともV入賞チャレンジ演出、又は、確変昇格チャレンジ演出が行われる)ようになっている(不許可表示付き特別遊技状態となっている)が、行われることのない大当たり状態が存在してもよい。
(i;特定キャラクタ表示の対象、特定方法)上記実施形態では、遊技者が選択したキャラクタが登場する特定キャラクタ表示を、その他の演出表示よりも優先的に表示する特定演出表示として特定するように構成されているが、特定演出表示とする対象については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、所定のキャラクタを選択することで、当該キャラクタが登場するキャラクタ表示が特定キャラクタ表示として包括的に特定されるように構成されているが、かかる機能を省略してもよいし、個別に設定する(例えば、大当たり状態中のキャラクタA、ラストシーンのキャラクタB等)ことができるように構成してもよい。
また、例えば、装飾図柄表示装置42において所定の演出表示が導出されている際に、特定演出ボタン127による所定の操作入力(特定入力操作)が行われることで、装飾図柄表示装置42において導出されている前記所定の演出表示を特定演出表示として特定可能に構成してもよい。例えば、大当たり状態中に特定演出ボタン127が操作されることで、再生中の大当たり動画(組合わせ記憶エリアの該当の記憶エリアに記憶されている大当たり動画の情報)が、特定演出表示として特定される(次回の大当たり状態から適応される)ように構成してもよい。また、特定演出ボタン127が操作された場合に、表示中の演出表示を確認し、当該演出表示を特定演出表示として特定することとなるが、複数の演出表示が重複しているときに特定演出ボタン127の操作が行われた場合には、後ほど、それらのいずれを特定演出表示とするのかの選択入力操作用の画面を表示可能とするとともに、その案内が表示されるように構成してもよい(選択入力操作がなければ、とりあえず全てが特定演出表示として特定される)。
以上の構成を採用することで、遊技者が好きな演出表示を特定演出表示として特定することができる。従って、より細かなニーズに対応することも可能となり、遊技に対する満足度を向上させることができる。例えば、特定キャラクタとして包括的に特定可能なキャラクタ以外の所定のキャラクタが好きで、当該所定のキャラクタが導出される演出表示を特定演出表示としたい場合には、遊技者は自力で特定演出表示を1つずつ特定していくことができる。加えて、キャラクタ選択画面だけでは分からなかった情報(各キャラクタが登場するリーチ演出のパターン、キャラクタのディテール等)を実際に見て、すぐに、特定キャラクタ表示を特定することも可能になる(登場キャラクタを覚え、変動表示が途切れることを待ち、キャラクタ選択画面を表示し、先ほど登場したキャラクタと、キャラクタ紹介画面のどのキャラクタとが一致するのかを確認し、選択・設定するといった作業をしなくても済む)ことから、利便性の向上等を図ることができる。
尚、特定演出ボタン127による所定の操作が行われることで特定演出表示として特定された所定の演出表示の情報を記憶する特定演出情報記憶手段を備え、特定演出情報記憶手段には、前記操作が行われた際に導出されていた(全ての)演出パターンと(演出が重複している状態だとどれか分からないので、後で遊技者に選択してもらう)、該演出パターンが導出されてからの時間(1回押しの場合には、操作から規定時間(規定時間経過前に再度押された場合には、延長されるような格好で、そこからまた規定時間;延長の上限回数有り)が特定演出表示とされ、長押しの場合には、操作が行われている間を特定演出表示とされる)とが記憶されることとしてもよい。
さらに、操作の少し前からを特定演出表示とすると、対象の演出表示を冒頭から特定演出表示として設定し易く、加えて、演出パターンを確認することで、どのキャラクタが、開始○秒後に導出される等の情報を取得できるように構成しておくと、直近に登場したキャラクタの導出開始タイミングから導出終了タイミングまでピンポイントで特定することが可能になる。つまり、上記実施形態の演出変動表示ではシーンに対応して演出が設定されることから、特定演出ボタン127が操作されたシーンの演出表示の情報を記憶する。また、例えば、所定のキャラクタと、所定の演出表示とが1対1で対応しているような場合、すなわち、前記所定の演出の表示(例えば、シーン4)の最初から最後まで前記所定のキャラクタが基本的に導出され続けるといった場合には、前記所定の演出中に特定演出ボタンによる所定の操作が行われることで、前記所定の演出表示の全体が前記特定演出表示として特定されるように構成してもよい。
尚、現在表示されている演出表示を把握可能とし(例えば、キャラクタCとキャラクタZとが表示されている状態ではキャラクタCフラグ及びキャラクタZフラグがオン設定とされる等とする)、特定演出ボタン127による所定の操作が行われた際に表示されている演出表示に関連する演出表示を、特定演出表示として特定してもよい。また、より詳細に表示されている表示演出を把握可能(例えば、ミニキャラクタが導出されている、キャラクタCのセリフ演出表示のうちのセリフ表示C−21が導出されている、所定のキャラクタのリーチパターンBが導出されている、プレミアムリーチが導出されている等が把握可能)としてもよい。また、演出変動表示や大当たり状態が進行している最中の特定キャラクタ表示の個別設定が可能な構成であっても、遊技者のタイミングで特定キャラクタ表示の特定を行えるような構成や、包括的な特定が行える構成をも具備するように構成することが望ましい。この場合、特定キャラクタを変更したいが遊技者のタイミングでは行うことができない、対象の演出が導出されるのを待たなければならない(導出されても設定を失念した等の場合は再度待つことになる)といった事態を回避することができる。
加えて、例えば、特定演出情報記憶手段に記憶されている情報は、古いものから順次消去されるように構成されてもよいし、パチンコ機10の電源がオフにされることで全て消去されるように構成されてもよいし、特定演出情報記憶手段に記憶されている情報を全て消去する場合には、消去操作手段(RAM消去スイッチ323)を操作しながら電源をオンするように構成されることとしてもよい。また、モバイル連動遊技を行っている場合には、遊技の終了時に遊技機から出力可能な情報を携帯通信端末で受取り、かかる情報をサーバに記憶させるとともに、次回の遊技の開始時に、前回までの情報の少なくとも一部が含まれる情報(パスワードをサーバに発行させ、該パスワード)をパチンコ機10に入力することで、前回までの遊技の特定演出表示に関する設定を引き継げるように構成してもよい。
尚、特定演出ボタン127が入力操作されている間の演出表示が特定演出表示として特定されるように構成してもよいし、特定演出ボタン127の所定期間内(例えば1秒以内)の2回以上の操作を検知することで、特定演出表示の特定が実行されるように構成してもよいし、特定演出ボタン127の操作に基づく特定演出表示の個別の設定を可能とするための設定が行われていることを特定入力操作の条件としてもよい。つまり、特定演出ボタン127を意図せずに操作してしまった場合に行われていた演出表示が特定演出として置くていされることを抑制するべく、特定演出ボタン127の1回の操作で特定演出表示の特定が実行されないように構成することが望ましい。
また、前の遊技者の特定内容を消去する手間を軽減するべく、遊技者の操作で、又は、モバイル連動遊技を終了させる操作に基づいて、或いは、一定時間の経過で、前の遊技者に特定されて特定演出表示として記憶されている情報を一括で消去可能に構成してもよい。さらに、特定演出表示のストックがある状態(例えば、上記実施形態に対応してはストックポイントが5ポイント以上の場合)では、特定入力操作が行われないように構成してもよい。
尚、特定演出表示の対象はキャラクタに限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、所定の予告演出や所定のリーチ演出に対応付けて特定演出表示を設定可能としてもよい。また、遊技者が操作可能なボタン(演出ボタン125、特定演出ボタン127)が複数存在すると、どれを操作したらよいのかが分かり難くなることから、操作することで所定の反応動作が発生する操作有効状態と、操作しても反応動作が発生しない操作無効状態とで、ボタン又はその近傍の視認態様が変化するように構成することとしてもよい。例えば、ボタン内蔵の発光手段の発光態様が変化するように構成してもよいし、ボタンを出没変位可能に構成し、操作有効状態では突出量が大きくなる、或いは、操作無効状態では被取付部(上皿19の上面)に没入するように構成してもよい。さらに、ボタンを操作可能とする開状態と、操作不可能とする閉状態とに状態変化可能なキャップ手段を設けることとしてもよい。
加えて、例えば、各キャラクタに対応して複数のストーリー演出が設定され、プレミアムリーチが選択された場合に、特定キャラクタとして特定されているキャラクタのストーリー演出が順番に導出されるように構成してもよい。この場合、所定のストーリー演出を見逃すと、次に視認されるまでに、ストーリー演出を一巡させなければならない。このため、ストーリー演出(特定キャラクタ演出)と、その他の演出表示(不許可表示)との重複が回避される構成を具備することで、ストーリー演出の視認態様がその他の演出表示によって阻害される等の事態を抑止することのできる作用効果がより顕著に奏されることとなる。
(j;キャラクタ)上記実施形態の装飾図柄表示装置42において、特定画像オブジェクトとしての特定キャラクタの対象とされるキャラクタ以外にもキャラクタが登場し得るように構成してもよい。また、特定演出ボタン127を操作することで、装飾図柄表示装置42にて表示中の画像を保存し、当該画像を装飾図柄の画像に当て嵌めたり、キャラクタ紹介画像が導出される期間にキャラクタ紹介画像の代わりに選択され得るようにしたりすることができるように構成してもよい。さらに、大当たり動画の再生中に、特定演出ボタン127を操作することで、当該特殊キャラクタ動画として特定し、特定キャラクタの対象ではない装飾図柄が停止表示されて大当たり状態の発生の教示がなされた場合に、当選キャラクタ動画として特殊キャラクタ動画が導出されるように構成してもよい。この場合、キャラクタを多数登場させる構成において、全てのキャラクタを特定キャラクタとする場合に比べて、容量の増大や処理の複雑化等を抑制しつつ、特定キャラクタ以外のキャラクタを特定キャラクタとしたい遊技者にとっても、当該キャラクタを自力で極力特定キャラクタと同じような扱いとすることができ、一定の満足を得てもらうように構成することができる。
尚、遊技者が予め撮影したい演出表示を登録すると、実際に該当の演出表示が導出される際に、所定の案内(例えば、装飾図柄表示装置42の上部にシャッターチャンス等を表示したり、演出ハンドル401を振動させたりする)ように構成してもよい。
(k;特定キャラクタ表示のランク付け)また、上記実施形態において、特定キャラクタ表示のなかでも、優先度に関するランク付けが行われ、特定キャラクタ表示のランクと、それ以外の一般演出表示の種別との組合せによって、一般演出表示が特定キャラクタ表示との重複が許可される許可表示、及び、不許可表示のどちらと判別されるのかが変化するように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示のなかでも、導出頻度が高いものや小さく表示されるものは、導出頻度が低いものや大きく表示されるものに比べて優先度が低く設定される等といった具合に、特定キャラクタを設定することで特定キャラクタ表示が包括的に特定される構成において、演出バランス等を向上させることができる。
また、携帯通信端末を介してパチンコ機10とサーバとの間でデータのやりとりを行うモバイル連動遊技を行っている場合に、一般演出表示が許可表示、及び、不許可表示のどちらと判別されるのかの基準が、遊技者の遊技量に応じて変化してもよいし、遊技者が設定できるように構成してもよい。例えば、遊技者の遊技量が少ない場合には、特定キャラクタ表示として、一時的に導出されるだけのカットイン演出や、装飾図柄表示装置42の小さな領域で導出されるだけの表示と、遊技解説の表示とが重複して表示されるが、遊技量が多い場合には、遊技解説が表示されないようになるように構成してもよい。また、特定キャラクタがその他多数のキャラクタと同時に小さく導出されるだけであったり、名前だけ表示されたり等といった具合に、特定キャラクタがほぼ目立たない、特定キャラクタとの関連性が低い等といったような演出表示は、特定演出表示として特定されないこととしてもよい。加えて、特定キャラクタの優先度に関するランク付けを遊技者によって(ある程度は)行うことができるように構成してもよい。
また、「前記特定キャラクタとして設定され得るキャラクタに対応して、演出変動表示や大当たり動画の進行とともに変位する特定キャラクタの表示位置を特定可能とするキャラクタ軌道情報(オブジェクト画像情報)が予め記憶されているキャラクタ軌道情報記憶エリア(オブジェクト軌道情報記憶手段)を備えていること」としてもよい。この場合、例えば、所定条件の成立に応じて特定キャラクタを大写しにする等の演出表示を行うことが可能となる。
(l;特定キャラクタの非設定)上記実施形態では、パチンコ機10の電源がオフ・オンされただけではリセットされず(電源オフ時の特定キャラクタが電源オンの後も特定キャラクタとして引き継がれ、RAM消去スイッチ323を操作しながらパチンコ機10の電源をオンすることでリセットされ、パチンコ機10の初期状態では、所定のキャラクタ(上記例ではキャラクタC)が特定キャラクタとして設定されるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、パチンコ機10の電源がオフ・オンされただけで特定キャラクタがリセットされるように構成してもよいし、初期化処理における特定キャラクタの設定に際して設定される特定キャラクタについても特に限定されず、例えば、ランダム(抽選)で決定することとしてもよい。
また、遊技者が演出ボタン125、十字ボタン126等を操作することにより特定キャラクタを特定しないという設定を行えるように構成してもよい。さらに、当該設定が行われた場合に、特定キャラクタ表示の重複判別等を行わないように構成してもよい。当該構成を採用する場合には、特定キャラクタ表示に関する演出表示をくどい、或いは、演出表示を(どのキャラクタについても)万遍なく見たい等と感じる遊技者の要求に応えることができる。また、特定キャラクタ表示の設定をする気があっても、先ずは特定キャラクタ表示として特定可能な演出表示をいろいろと見てから特定キャラクタ表示の設定をしたい等といった要求に応えることができる(モバイル連動遊技を行う場合に、自動的にそのような流れで遊技が進行されるようにしてもよい)。尚、当該構成を採用する場合には、特定キャラクタに対応する装飾図柄が個別に設けられないようにしてもよいし、「7」図柄に対応するキャラクタがランダム、又は、固定で設定されるように構成してもよい。
(m;特定演出表示の導出予告)上記実施形態において、少なくとも特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更された場合に、当該特定キャラクタ表示が導出されることを教示する特定演出予告演出を導出可能に構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更されて、特定キャラクタ表示がイレギュラーなタイミングで導出される場合であっても、変更されたタイミングで導出される特定キャラクタ表示を確実に視認することができる。また、例えば、特定演出予告演出が、特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更された場合にのみ行われる構成、又は、特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更された場合と、その他の場合とで態様が異なる構成を採用する場合、導出タイミングが変更された特定キャラクタ表示であるということを確認することができる。
尚、特定キャラクタ表示が導出されることを事前に把握可能な機能を利用して、導出タイミングの変更の有無にかかわらず(特定キャラクタ表示の導出タイミングの変更が行われない場合であっても)、特定演出予告演出が全ての特定キャラクタ表示の事前に導出される場合には、演出キャラクタ手段から目を離していても、特定演出予告演出に基づいて演出キャラクタ手段に目を移せば特定演出表示を冒頭から確実に堪能することができる。
尚、遊技者によって、特定演出予告演出の導出を許可するか否かの設定が可能に構成されていることとしてもよい。また、導出されるタイミングが変更された場合と、変更されていない場合とで、特定キャラクタ表示が導出されることの意味に差異がない場合には、特定演出予告演出が、例えば、導出タイミングが変更された場合にのみ導出されることで、当該特定演出予告演出(を伴う特定キャラクタ表示)に対して、遊技者が特別な期待をしてしまう(例えば、大当たり状態の発生の期待度が特別に高いのではないかと勘違いしてしまう)といった事態を回避するべく、導出タイミングの変更されない特定キャラクタ表示に対応しても導出されるように構成することとしてもよい。
(n;特定演出表示の導出タイミングが変更されたことの案内)特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更されたことを教示する特定タイミング変更表示を導出可能に構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示の導出タイミングが変更されたということを把握することができる。尚、特定タイミング変更表示は、本来の導出タイミングよりも前に導出される場合に、導出タイミングが変更された特定キャラクタ表示の導出に際して導出されるように構成され、本来の導出タイミングよりも後に導出される場合に、本来の導出タイミングに際して導出されるように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示が早まって導出されたことや、特定キャラクタ表示が後に控えていることなどを把握することができる。
(o;特定キャラクタ表示が一定期間導出されない場合の措置)上記実施形態において、特定キャラクタ表示が規定期間の間導出されないことに基づいて、特定キャラクタ表示を導出可能に構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示を楽しみにしているのに導出されなさ過ぎて興趣の低下を招いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、規定期間とは、大当たり状態を発生させるか否かを決定する当否抽選の結果を教示する特別表示装置43a、43bの変動表示の開始から終了までを1変動(1ゲーム)として、それが規定回数行われた場合や、(所定の種別の)大当たり状態が規定回数行われた場合等が挙げられる。つまり、例えば、特定キャラクタ表示が導出されていない変動表示の回数(変動回数)を計数可能なカウンタを設け、変動開始に応じて1加算され、特定キャラクタ表示の導出に基づいてリセットされ、当該カウンタが例えば100回を超えているか否かを判別して肯定判別された場合には、ストックポイントが5加算される、又は、シーン3、及び、シーン4で特定キャラクタ表示が導出される演出パターンが選択される、或いは、特定キャラクタ表示の導出されない変動回数が20回連続した場合にストックポイントが1加算されることとしてもよい。
また、上記実施形態において、特定キャラクタ表示が導出された場合に、ストックポイントが1減算されるように構成してもよい。さらに、特定キャラクタ表示が一定期間導出されなかったことで導出されることとなった特定キャラクタ表示は、レアパターン、又は、専用パターンの特定キャラクタ表示であることとしてもよい。加えて、特定キャラクタ表示が導出された(導出の設定が行われた)ことでポイントが初期値に戻る構成でもよいし、ポイントが使用した分だけ減るように構成してもよい。勿論、ストックポイントを増加させるのではなく、特定キャラクタ表示の導出の設定が行われるように構成してもよい。
(p;特定キャラクタ表示にあえて重複させるサブ特定演出表示)上記実施形態において、遊技者の演出ボタン125及び十字ボタン126への操作による入力に応じて、装飾図柄表示装置42における所定の演出表示をサブ特定演出表示として特定可能に構成してもよい(サブ制御装置262のサブ特定演出表示を特定する機能がサブ演出表示特定手段に相当する)。そして、サブ特定演出表示として特定された演出表示(サブ特定キャラクタ表示)は、その他の演出表示に比べ、特定演出表示(特定キャラクタ表示)と重複して導出される可能性が高められるように構成してもよい。例えば、キャラクタ選択画面で、特定キャラクタと、ライバルキャラクタと、仲良しキャラクタとを選択してもらい、特定キャラクタが登場する「かけっこ演出」が選択され、ロングバージョンのスーパーリーチが選択される場合に、80%〜90%の確率でライバルキャラクタが最後まで争うパターンが選択され(例えば、ショートバージョンではその他のキャラクタの選択割合と同じで約15%程度)、特定キャラクタが登場する「二人三脚演出」が選択され、ロングバージョンのスーパーリーチが選択される場合に、80%〜90%の確率で仲良しキャラクタがパートナーになるパターンが選択される(例えば、ショートバージョンでは30%〜40%程度)ように構成してもよい。この場合、特定キャラクタの表示に対しあえて重複し易くなるようにサブ特定キャタクタの表示を設定することにより、特定キャラクタと、サブ特定キャラクタとの間で、関係(因縁など)が深くなるような演出(ライバル演出、仲良し演出等)を遊技者が設定することができ、より楽しみを増やすことができる。
また、サブ演出としても、サブ特定キャラクタ表示は、特定されていないキャラクタに比べ、選択され易くしてもよい。例えば、大当たりとなる変動表示のシーン4のカットイン演出で、特定キャラクタの登場が40%、ライバルキャラクタの登場が30%、仲良しキャラクタの登場が20%、その他のキャラクタの登場が10%とされ、外れとなる変動表示のシーン4のカットイン演出で、特定キャラクタの登場が20%、ライバルキャラクタの登場が20%、仲良しキャラクタの登場が20%、その他のキャラクタの登場が40%(その他のキャラクタ一人当たり約7%)とされることとしてもよい。
尚、サブ特定キャラクタ表示が特定キャラクタ表示と重複する場合(特定キャラクタを応援するサブ特定キャラクタのカットイン表示(その他のキャラクタのカットイン演出よりも選択される可能性は高い)が導出された場合等)、特定キャラクタ表示と同様に、特定キャラクタ表示をストックする処理を行うように構成してもよい。但し、サブ特定キャラクタが単独で(特定キャラクタ表示が表示されていない状態で)表示されたとしても、特定キャラクタ表示のように不許可表示との重複が判別されて重複が極力回避されるといった制御は行われない。
(q;特定キャラクタ演出中の記録)上記実施形態において、サブ制御装置262が、少なくとも特定キャラクタ表示が導出されている状態において行われた遊技の経過に関わる情報を記憶可能な経過情報記憶手段を備え、特定キャラクタ表示の後に、経過情報記憶手段に記憶されている情報を装飾図柄表示装置42で閲覧可能に構成されていることとしてもよい。この場合、特定キャラクタ表示の最中に起きた出来事を後で確認することができる。従って、特定キャラクタ表示に心置きなく集中することができる。尚、例えば、特定の種別の大当たり状態の最初から最後まで特定キャラクタ表示とされ、当該特別キャラクタ状態において特定キャラクタ表示と重複する表示は、特定キャラクタ表示との重複が許可される許可表示とされ(報知表示であっても視認性をあまり妨げない態様とされ)、或いは、特定キャラクタ表示とされ、大当たり状態終了後自動で、或いは、大当たり状態の終了後にメニュー画面等から、大当たり状態中の情報、例えば、パチンコ機であれば、各ラウンドに遊技球が上限まで入球していたか、各ラウンドの消化に要した時間等の情報を得られる表示を導出可能に構成してもよい。
(r;装飾図柄表示装置のレイヤ)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において5つのレイヤが設けられているが、レイヤの数が、どのレイヤでどの表示を導出させるかの設定等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。例えば、3つのレイヤで同時に異なるカットイン演出を再生し、演出ボタン125の操作と、大当たり期待度とに応じて、途中、視認可能とするレイヤを入替えながら、最終的にどのレイヤのカットイン演出に確定したのかといったような演出を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では特に言及していないが、特定以外キャラクタ表示の一部で、当該特定以外キャラクタ表示と同期して、当該特定以外キャラクタ表示が再生されるレイヤよりも下側のレイヤで再生されている特定キャラクタ表示が視認可能となるクリッピング、マスキングや、特定キャラクタ表示が特定以外キャラクタ表示と重なって薄く見える状態を挟むフェードイン、フェードアウト等の表示態様等を導出させる演出を実行可能としてもよい。
(s;特定キャラクタ表示のストック、ストック権利行使の条件)上記実施形態では、ストックポイントが5ポイントで特定キャラクタ表示を導出させる権利が1回分ストックされたという設定となっているが、かかる構成に限定されず、例えば、1ポイントでストック1回分としてもよい。また、ストック可能な数についても特に限定されず、適宜設定可能である。さらに、ストックポイントが溜まる契機についても機種毎に適宜設定することができる。
また、ストックがある状態で、特定演出ボタン127が操作されても、導出される特定キャラクタ表示が報知表示と重複すると判別される場合には、ストックの権利が行使されないように構成してもよい。この場合、ストックの権利を行使しての特定キャラクタ表示を、報知表示と重複させることなく、確実に視認してもらうことができる。さらに、報知手段を確実に遊技者に認識してもらうことができる。尚、ストックを使用して演出ハンドル401によるパーツ演出を行うこととしてもよいが、報知表示の報知情報をしっかりと確認してもらうべく、行わない方が望ましい。
また、上記実施形態において、特定キャラクタ表示のストックの権利を行使した場合にのみ導出される、又は、導出される可能性が高まる希少特定演出表示を設けることとしてもよい。この場合、特定キャラクタ表示をストックさせるといった行為に付加価値を付けることができる。尚、ストックを行使して導出された特定キャラクタ表示には、その他の特定キャラクタ表示に比べ、プラスアルファの情報(当否抽選等に関わる示唆が行われたり、その信頼性が高められたり、或いは、単に演出性がアップしたりする)が付加されるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態において、特定キャラクタ表示がストックされ易いストック高確状態を設ける(例えば、演出ボタン125を操作することで、特定キャラクタ表示が順次導出され、特定キャラクタ表示が重複し易くなる状態がある)こととしてもよい。すなわち、例えば、特定キャラクタ表示を導出させる権利を複数回分ストック可能に構成し、所定条件を満たした場合、例えば、演出変動表示の開始時にストック高確状態とするか否かの抽選を行い、当選した場合に、当該変動表示中に、変動表示規定回数分のストック高確状態とする案内表示を行い、次の演出変動表示から変動表示が規定回数行われるまでの間をストック高確状態とするように構成してもよい。また、初当たり時(「8RN」の大当たり状態後)の時間短縮モードの間、ストック高確状態とするようにしてもよい。この場合、特定キャラクタ表示を導出させる権利をストックするという構成を利用した遊技性の多様化を図ることができる。また、特定キャラクタ表示を好ましく思っている遊技者にとって、大当たりは発生して欲しいが、極力時間短縮モードの終了付近が望ましい、さらに、初当たりは、「8RS」よりも「8RN」の方がむしろ好ましい等といった価値観の変化する興味深い遊技性を提供することができる。
また、ストックされた特定キャラクタ表示は、100%の確率で導出されるわけではなく、ストック行使抽選で当選した場合に導出されるといった場合があるように構成してもよい。例えば、権利行使をするという入力を行うと、特定演出ボタン127の操作を促す案内が導出され、特定演出ボタン127を操作することに基づいてストック行使抽選が行われる(当選確率は一定でなくてもよく、また、当選確率は、ストック時に、ストックされた特定キャラクタ表示の種別やストックされた時の遊技状況等に応じて)決定されてもよいし、抽選時に決定されてもよい。さらに、ストック行使抽選の結果を教示するための演出表示(出ることをじらすような表示)を導出可能に構成してもよい。
(t;ストックポイント表示)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42の右下部において、ストックポイントを示すストックポイント表示465が表示され、ストックポイントが5ポイント貯まった場合に、5ポイント分のストックポイント表示が特定キャラクタの表示(特殊ストック表示)となるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、ストックを規定回数分ストックした場合に特殊ストック表示が導出されるようにしてもよいし、特殊ストック表示が装飾図柄表示装置42の画面全体を移動するように構成してもよい。
また、特殊ストック表示で、大当たり期待度等の示唆を行うようにしてもよい(特殊ストック表示が導出される前段階で、各ストックポイント表示での示唆を行ってもよい)。この場合、ストックポイント表示465の価値を高めるとともに、ストックポイント表示465の態様を視認することで、このタイミングで特定キャラクタ表示のストックを使用すれば珍しい特定キャラクタ表示が導出されたり、成功裏に終わる特定キャラクタ表示が導出されたりする可能性が高い等といったことを把握することができる。
加えて、特殊ストック表示が導出されている状態において、特定キャラクタ表示のストックが行われた場合に、特殊ストック表示の態様が変化するように構成してもよい。例えば、特殊ストック表示としての特定キャラクタが所定のアクションを行う、衣装チェンジする等の変化が挙げられる。この場合、特定キャラクタ表示のストックが上限に達した後も、特定キャラクタ表示をストックさせる(契機が訪れることへの)楽しみを確保することができる。
また、例えば、ストックポイントが6ポイント貯まった状態で特定演出ボタン127を操作すると、5ポイント減算されて特定キャラクタ表示が導出されるように構成してもよいし、全てのポイントを消費して(ストックポイントを0にして)特定キャラクタ表示が導出される(ポイント使用量が多いほど、レアパターン、又は、専用パターンの特定演出表示が導出される)ように構成してもよいし、遊技者がどちらか選べるようにしてもよい。
(u;保留アイコンと、ストックポイント表示との連動)保留アイコン461の形態として、通常の保留アイコン461と、演出変動表示の内容示唆となる先読み保留アイコン463と、先読み保留アイコン463に変化するかもしれない導出準備保留アイコン(導出準備教示手段)とがあり、ストックポイント表示が5ポイント未満を示す態様で表示されている状態で特定演出ボタンを操作すると、ストックポイントを1減算して、導出準備保留アイコンが、先読み保留アイコン463に変化するように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示のストックの使用価値や、使用の幅を広げることができ、特定キャラクタ表示をストックするという機能をより有効活用することができる。尚、導出準備保留アイコンを経由せずに先読み保留アイコン463が導出される場合があるように構成してもよい。
(v;演出ハンドルの報知利用)上記実施形態において、少なくとも特定キャラクタ表示が導出されている状態において、装飾図柄表示装置42以外の入賞装置を視認することで得られる情報を、演出ハンドル401の態様変化(視覚以外の感覚で伝える反応態様)で遊技者に伝達可能に構成してもよい。例えば、大当たり状態中に第1又は第2可変入賞装置32a、32bへの入球が検知された場合に、演出ハンドル401が上下に1回小さく変位し、第2可変入賞装置32bの特定入球部145への入球が検知された場合に、上下に複数回演出ハンドル401が変位する(振動する)ように構成してもよい。
つまり、遊技を進行させるためには、パチンコ機10であれば、始動入賞装置33a、33bに遊技球を入球させる必要があり、また、大当たり状態においては、可変入賞装置32a、32bに対し遊技球を効率的に入球させることが遊技者にとって有利となる。従って、遊技者が楽しみにしている特定キャラクタ表示が導出されているものの、遊技の進行に関わる(アナログ)部位に関する挙動(例えば、遊技球を始動入賞装置32a、32bに上手く入球させることができているか等)も気になることから、そちらに目を移してしまう場合があり、特定キャラクタ表示等を十分に堪能することができないといった事態を招くことが懸念される。
この点、本態様例によれば、装飾図柄表示装置42に導出された特定キャラクタ表示を視認し続けたとしても、反応態様により、所定の入賞装置への入球等を把握することができる。従って、所定の入賞装置の方へ視線を移さなくても、所定の入賞装置へ上手く遊技球を入球させることができているか等を把握することができ、特定キャラクタ表示や、それに伴う音声を全く阻害することがなく、結果として、特定キャラクタ表示をより堪能することができる。
また、逆に、反応態様(遊技球が始動入賞装置33a、33bや、可変入賞装置32a、32bに入球していることを示す演出ハンドル401の振動)が発生してもよい状況において反応態様が全く発生しないといった具合に、所定の入賞装置に関連する構成の方に目を向けなければならないといった状況(遊技領域に発射される遊技球の狙い所がよくない、遊技領域や遊技球を発射する構成のいずれかにおいて球詰りが発生している、手持ちの遊技球がない等)であることも把握することができ、これらに気付かずに遊技を進行させてしまうことで、遊技者が不利益を被る等してしまうといった事態を防止することができる。
尚、反応態様は、視線を装飾図柄表示装置42の特定キャラクタ表示に保ったまま確認できるようになっていればよく、例えば、効果音、特定キャラクタ表示を視認する遊技者の視界に入るように発光可能な発光手段による発光、特定演出表示、又は、その近傍における表示、遊技者が触れる部位の触覚の変化等が挙げられる。但し、反応態様を演出ハンドル401(触覚変化による伝達)とすることにより、特定キャラクタ表示やそれに伴う音声を、反応態様用の発光や音声により邪魔されてしまうといった事態を回避することができ、特定キャラクタ表示を堪能してもらうといった作用効果が一層確実に奏される。また、始動入賞装置33a、33bや、可変入賞装置32a、32bへの入球以外の反応態様、例えば、スルーゲート34の通過(スルーゲートスイッチ225の検知)に対応する反応態様を設定することも可能である。
加えて、演出ハンドル401に圧力センサを設け、例えば、キャタクタ選択画面において、演出ハンドル401の左方又は右方のうち一方からの所定以上の圧力を検知することでキャラクタ選択のカーソルが移動し、演出ハンドル401を握るような操作が行われ、左方及び右方の両方からの所定以上の圧力を検知することで、カーソルで示されるキャラクタが選択・決定されるように構成してもよい。さらに、演出ハンドル401を握る力を圧力センサで検知し、その力の大きさに応じて、装飾図柄表示装置42における演出の結果が変化するように構成してもよい。
また、演出ハンドル401の動作で伝達する内容については特に限定されるものではなく、各種エラー状態の発生を教示可能に構成してもよい。例えば、演出ハンドル401の上方において、各種エラー状態等に対応するランプを設け、エラー状態の発生時に、演出ハンドルが各エラー状態に対応する動作を行うとともに、対応するランプが点灯するように構成してもよい。この場合、演出ハンドル401の動作を把握するまでは、演出ハンドル401の動作の意味やエラー内容を知りたい遊技者はランプを見て確認することができる。
尚、演出ハンドル401を使用する演出に際して装飾図柄表示装置42に登場するキャラクタに応じて、演出ハンドル401の動作を変化させるようにしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において登場するキャラクタが発表される前に、演出ハンドル401を先に動作させて、遊技者が登場するキャラクタを予想することができるように構成してもよい。また、演出ハンドル401の感触の変化(硬い、柔らかい等の硬さの変化や、細い、太い、大きい(開いている)、小さい(閉じている)等の形状の変化や、変形動作・変位動作等)で、対応するキャラクタを当ててもらうゲームを導出可能としてもよい。
(w;演出ハンドルによる保留数案内)さらに、始動入賞装置33a、33bへの入球時には演出ハンドル401の振動が行われる構成において、通常モードにおいて第1変動表示が上限である4つ保留記憶された場合、並びに、確変モード、及び、時間短縮モードにおいて第2変動表示が上限である4つ保留記憶された場合には、その他の保留記憶が行われた場合とは異なる演出ハンドル401の態様変化が行われることとしてもよい。
この場合、始動入賞装置33a、33bに遊技球を入球させてもその分の変動表示が保留されない状態で始動入賞装置33a、33bへ遊技球が入球する(オーバー入賞する)といった無駄を回避し易くすることができる。換言すれば、例えば、変動表示の保留が行われていない状況で特定キャラクタ表示が導出された場合に、視線は特定キャラクタ表示としたまま、オーバー入賞を恐れることなく、遊技球を発射し続けて保留させることができる。従って、極力、変動表示がいくつか保留されている状態を維持し、遊技をスムースに進行させることができる。
また、演出ハンドル401が動作するパーツ演出に際し、装飾図柄表示装置42等の演出ハンドル401以外の部位において、パーツ演出が開始されることを知らせるアナウンスを実行可能に構成してもよい。さらに、演出ハンドル401に遊技者の手が近接又は当接していることを検知する演出ハンドル検知手段(赤外線センサ、光センサ等)を設け、パーツ演出に際して演出ハンドル検知手段の検知がない場合に、演出ハンドル401の操作を促す案内を行ったり、パーツ演出における演出ハンドル401の動作導出条件が成立していても、演出ハンドル検知手段の検知を条件に(遊技者に手が演出ハンドル401に接近することで)、演出ハンドル401が動作するように構成してもよい。
(x;演出ハンドルの変形例等)上記実施形態では、触覚により変化を感じ取れるように態様を変更可能な反応態様手段、触覚伝達手段として演出ハンドル401が設けられているが、別の構成を採用してもよい。例えば、上記実施形態では、演出ハンドル401が、発射操作用のハンドル18のほぼ左右対称位置に設けられているが、別の位置に設けられていることとしてもよい。但し、演出ハンドル401を上記実施形態の位置に設けることで、演出ハンドル401に触れ続けることへの疲れを極力軽減させることができる。
また、演出ハンドル401の構成、設置位置、動作等については特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、演出ハンドル401を回転可能、スライド変位可能に構成してもよい。さらに、例えば、演出ハンドル401の外形状を変化させるための構成についても特に限定されるものではなく、例えば、中空状(ほぼ半球状)で鉄製のベースに形成された複数のスリットからゴム製の移動パーツが出没可能となるように構成してもよい。加えて、当該移動パーツのスリットから突出する部分の先端が平坦状の移動パーツと、略先鋭状の移動パーツとがあり、スリットから突出する移動パーツが演出等により適宜変更されるように構成してもよい。
(y;専用パーツ)上記実施形態では、パチンコ機10に対して遊技者が着脱可能な専用パーツ411として、演出ハンドル401に被せるようにして設けられるゴム製のものに具体化されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、専用パーツの形状、専用パーツを取付可能なパーツ取付部の位置、パーツ取付部の数等は適宜設定可能である。また、同一の専用パーツに取付可能な専用パーツに複数のバリエーションがあることが望ましい。さらに、取付可能な専用パーツが異なる複数のパーツ取付部を設けることとしてもよい。尚、専用パーツ411が装着されていなくても、遊技の進行に影響のないようにすることが好ましい。さらに、専用パーツ411は、演出として遊技者に触れられることを想定していないもの(触覚伝達手段として機能しないもの)としてもよい。
具体的に、例えば、装飾図柄表示装置42の演出で複数の動物キャラクタが登場する構成であって、前面枠14の前面の上部に動物(の一部)の形をした専用パーツをパーツ取付部を設け、専用パーツを動かす、点灯状態を切替えたり、発色を変化させたりする(発光手段は専用パーツ及びパーツ取付部のどちらにあってもよい)、専用パーツ又はその近傍を介して音声が出力される等するように構成してもよい。また、例えば、上皿19の前部に専用パーツを取付けることで、専用パーツが左右にスライド変位可能となるように構成してもよい。尚、専用パーツが装飾等に利用される場合には、専用パーツがパーツ取付部に取付けられていないと、専用パーツの態様を変化させるための処理、及び、駆動動作が無駄になるおそれがある。この点、パーツ取付部に専用パーツ411が取付けられていることを把握可能な取付検知手段の検知情報を確認することで、パーツ取付部に専用パーツが取付けられていないにもかかわらず、専用パーツの態様を変化させるための処理、及び、駆動動作が実行されるといった事態を回避することができる。従って、制御の簡素化、省電力化、使用による劣化の抑制等を図ることができる。
尚、取付検知手段は、専用パーツ411の所定部位を検知可能な複数のセンサ又はスイッチを遊技者から見えない位置や触れない位置に備えていることとしてもよい。さらに、取付検知手段は、専用パーツ411に設けられたパーツ情報手段としてのICタグ等のRFID(Radio frequency identification)の情報を読取可能なパーツ読取手段を備えていることとしてもよい。つまり、パーツ取付部から専用パーツ411を外す代わりに別の何かを取付けて、分からないようにされてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、専用パーツ411に記憶される情報は特に限定されるものではなく、専用パーツ411が所定のキャラクタに対応している場合には、専用パーツ411が取付けられるだけで、対応するキャラクタが特定キャラクタとして設定されるように構成してもよい。また、専用パーツ411に対し、後述のようなモバイル連動遊技の代わりとなるように、専用パーツ411に対応するパチンコ機10と同一機種に関する遊技者の通算の大当たり回数、及び、通算の変動表示回数等の遊技情報等を記憶可能とし、パチンコ機10との間で、かかる遊技情報等のやりとりが行われるように構成してもよい。
さらに、専用パーツにおいて、音声データ記憶手段と、音声出力手段と、パチンコ機10と電気的に接続される音声制御手段とを設け(音声を表示に置き換える或いは併用することも可能)、パチンコ機10に専用パーツを取付けた状態で遊技上の所定条件(回転数、当たり回数、対象の演出出現、)をクリアすること(或いは、所定の日時の到来)で、音声データ記憶手段に記憶されている所定の音声データの再生が許可される状態となるように構成してもよい。この場合、専用パーツにおいて随時目新しい演出を追加していくことができる。尚、専用パーツにおいて電気的に作動する手段が設けられている場合に、専用パーツに蓄電手段が設けられるとともに、専用パーツをパチンコ機10に取付けることで、蓄電手段に充電がなされるように構成してもよい。
また、遊技者の身長等に適合させることができるように、専用パーツ411の取付位置や取付向きを調節可能(パーツ取付部が所定間隔毎に複数設けられる、或いは、パーツ取付部が変位可能に構成される)としてもよい。例えば、専用パーツがスピーカの機能を有し、前面枠14の前面の左右に取付可能に構成され、遊技者の耳の位置に合わせられるように、高さ及び向きを変更可能に構成されることとしてもよい。尚、専用パーツ411に、当該情報を記憶しておき、専用パーツ411を取付けるだけで、上記設定が自動で行われるように構成してもよい。
加えて、専用パーツ411を演出ハンドル401に取付けることで、演出ハンドル401から離れた位置で遊技者の手が演出ハンドル401の動作を感覚により判別可能に構成してもよい。この場合、例えば、左腕を椅子の肘掛に置いたまま、左手で、専用パーツを介して、演出ハンドルの振動等を感知することができる。また、専用パーツをハンドル18に取付可能に構成し、右腕を椅子の肘掛に置いたまま、右手でハンドル18の操作(回転操作体18aの回動操作、及び、ストップレバー18bの発射停止操作のうち少なくとも回動操作)を可能に構成することとしてもよい。尚、専用パーツは、ハンドル18の基部(前面枠14から前方に突出し、回転操作体18aを支持する基部)に取付固定されるパーツ本体と、パーツ本体に回転可能に支持され、回転操作体18aに取付固定される回転連動部と、ストップレバー18bを押圧操作する操作位置と、離間する非操作位置との間を変位可能なスイッチ部とを備え、遊技者が回転連動部を回動操作することで回転操作体18aが回動し、スイッチ部を操作することでストップレバー18bが操作されるように構成してもよい。
また、専用パーツ411の素材としては特に限定されるものではなく、ゴム、熱可塑性エラストマー(オレフィン系エラストマー)、スポンジゴム、合成スポンジ、布、チェーン状の金属や樹脂を組合わせたもの等を適宜選択することができる。尚、上記のように、専用パーツ411を弾性変形可能な素材で袋状に構成し、その内側で、演出ハンドル401の第1スライド部材402及び第2スライド部材403が適宜変位する構成を採用することにより、専用パーツ411に加わるテンションを変更することができる。これにより、専用パーツ411の感触(硬さ、張り感)が変わるといった斬新な演出を提供することができる。
さらに、専用パーツ411のうち、パチンコ機10との取付部位(保持枠412)と、遊技者が触れる接触部位(袋状の部位)とを着脱自在に構成してもよい。この場合、取付部位の共通化により遊技者側のコストの削減を図ることができたり、(取付部位に電子部品があっても)接触部位の洗濯ができたりするようになる。
尚、その他の遊技者が触れる部位に対して専用パーツを取付可能に構成してもよい。例えば、ハンドル18の打ち手で触れる部位、演出ボタン125や十字ボタン126、球抜きボタン123、球抜きレバー25等が挙げられる。この場合、より一層パチンコ機10に愛着を持ってもらうことができたり、衛生面を特に気にするような遊技者にも満足してもらったりすることができたりする。また、例えば、大当たり状態が発生することを示す(大当たり状態が発生する際の何割かで、サブ制御装置262から出力され、対応する視認態様へと変化させられる信号が入力されることとなる)告知手段(告知ランプ等)を専用パーツとして取付可能としてもよい。さらに、パチンコ機10に告知手段が備えられている場合に、専用パーツとしての外付けの告知手段と、備え付けの告知手段とにパラレルに信号が送られる場合だけでなく、備え付けの告知手段と、外付けの告知手段とに別の信号を送る場合や、外付けの告知手段だけに信号が送られる場合等があるように構成してもよい。
また、専用パーツ411は、折畳み可能に構成されることが望ましい。例えば、専用パーツ411の上下左右においてその他の部位よりも薄肉な屈曲部(ソリッドゴムや微発泡ゴムで構成してもよい)を前後に延在させるとともに、前部(突出方向先端部)を屈曲部と同様に構成し、横方向に1回折畳み、及び、縦方向に1回折り畳めるように構成してもよい。
(z;取付検知手段)上記実施形態では特に言及していないが、取付検知手段及びサブ制御装置262が、演出ハンドル401に取付けられた専用パーツ411の種別を把握可能に構成されるとともに、サブ制御装置262は、演出ハンドル401に対し第1専用パーツが取付けられていると判別した場合には、第1専用パーツの態様を第1専用パーツに応じた態様に変化させ、演出ハンドル401に対し第1専用パーツとは異なる第2専用パーツが取付けられていると判別した場合には、第2専用パーツの態様を第1専用パーツの態様変化とは異なる第2専用パーツに応じた態様に変化可能に構成されていることとしてもよい。この場合、専用パーツ411の種別ごとに異なる機能を付与する(演出ハンドル401の動作が異なることで各専用パーツ411の差別化を図る)ことができ、専用パーツ411をパチンコ機10に取付けることでの興趣をより一層向上させることができる。
尚、第1専用パーツ及び第2専用パーツのどちらであるかの判別は、形状の違いによる検知の差異で(例えば、1つのパーツ取付部に検知センサを複数設け、検知のあった検知センサの違い或いは組合せによって)判別してもよいし、専用パーツ411にICタグ等のRFIDを埋設して、かかるICタグ等の情報を読取る(演出ハンドル401又はその近傍にパーツ読取手段としてのICタグリーダー等を設ける)ことで判別してもよい。この場合、専用パーツ411を取付けただけで、演出ハンドル401に取付けられた専用パーツ411の種別等を判別し、当該専用パーツ411等の態様を対応する態様に変化させる等することができる。従って、利便性の向上を図ることができるとともに、専用パーツ411を取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。
例えば、前面枠14のカバーが透光性を有する白色半透明の樹脂製であって、その後方に3色LED等が搭載され、青色の専用パーツをパーツ取付部に取付けると、前記3色LEDが青色を主体とした発光色に変化し、赤色の専用パーツをパーツ取付部に取付けると、前記3色LEDが赤色を主体とした発光色に変化するように構成してもよい。また、例えば、パチンコ機であれば遊技球が移動可能な遊技領域、スロットマシンであれば、リール等の回転体が設置される変動表示領域の前方の全体、又は、ほぼ全体が、透過型表示手段(有機ELディスプレイなど)により覆われるよう構成し、専用パーツをパーツ取付部に取付けると、透過型表示手段において専用パーツに対応する装飾用の表示(対応モチーフの枠背景(額縁のような)表示、対応キャラクタの表示等)が導出されるように構成してもよい。
さらに、同一のパーツ取付部に対し、第1専用パーツ、及び、第2専用パーツのどちらでも取付可能(取付部位の構造が共通)な構成に限定されるものではなく、第1パーツ取付部には、第1専用パーツのみを取付可能に構成され、第2パーツ取付部には、第2専用パーツのみを取付可能に構成されるといった具合に、取付対象が限定されるような構成としてもよい。この場合、第1パーツ取付部は第1専用パーツに対応する動作ができればよく、第2パーツ取付部は第2専用パーツに対応する動作ができればよい。また、当該構成を採用する場合に、第1パーツ取付部に第1専用パーツ以外の専用パーツが取付けられた場合、及び、第2パーツ取付部に第2専用パーツ以外の専用パーツが取付けられた場合に、取付ける専用パーツが間違っていることの報知を導出可能に構成してもよい。
また、演出ハンドル401に取付けられた専用パーツ411が、特定キャラクタに対応するものであって、大当たり状態(大当たりラウンド)の開始後において、特定キャラクタ動画と、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示とが重複し、特定キャラクタ動画の導出タイミングを後に変更するといった設定が行われる場合に、最終ラウンドが終了するまでの間に特定キャラクタ動画を導出する時間が残されていない場合には、特定キャラクタ動画が行われる筈であった期間において、別の大当たり動画(特定キャラクタ動画以外の大当たり動画)が導出されるとともに、特定演出としてのパーツ演出が行われることとしてもよい。
(aa;専用パーツと装飾図柄表示装置との連携)また、上記実施形態では特に言及していないが、専用パーツ411が演出ハンドル401に取付けられた場合に、取付検知手段の検知に基づいて、当該取付に対応する取付反応態様としての取付反応演出が行われるように構成してもよい。つまり、上記実施形態では、専用パーツ411が演出ハンドル401に取付けられると、取付ランプ417が点灯するように構成されているが、それだけではなく、サブ制御装置262が取付検知手段の検知に基づいて、装飾図柄表示装置42において専用パーツ411が取付けられたことに対応する取付反応表示や、取付反応音声を導出させるように構成してもよい。
特に、モバイル連動遊技のパスワードを先に入力してから、専用パーツ411を演出ハンドル401に取付けることで、パスワードに含まれる遊技者が特定したキャラクタに対応する取付反応表示、及び、取付反応音声が導出されるように構成してもよい。または、専用パーツ411がどのキャラクタに対応するのかの情報を有するとともに、パチンコ機10がかかる情報を読取り可能な読取手段を備え(ICタグとリーダを用いてもよいし、専用パーツ411の係合部413の形状を専用パーツ411の種別毎に変更し、その形状の差異をパチンコ機10側で読取る(係合部413の各担当部位を検知する複数のセンサ、又は、専用パーツ411が取付けられ、さらに、専用パーツ411が一度回動させられることで、係合部413の各担当部位によりオンされる複数のスイッチで読取る)等してもよい)ることとしてもよい。
この場合、例えば、装飾図柄表示装置42において専用パーツ411に対応するキャラクタが登場して来店の挨拶や遊技への意気込みの表示を行う等、演出の中核となるところにも対応する変化をもたらすことで、遊技の開始を盛り上げるとともに、専用パーツ411を取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。ひいては、装飾図柄表示装置42等と、専用パーツ411との連携した演出への期待感を高めてもらうことができる。
尚、専用パーツ411が演出ハンドル401から取外された場合に(例えば、専用パーツ411が取付けられている状態を示す専用パーツフラグがオンからオフに切替えられた場合に)、取付ランプ417が消灯するだけでなく、装飾図柄表示装置42において、専用パーツが取外されたことに対応する表示を導出するように構成してもよい。この場合、例えば、専用パーツ411に対応のキャラクタがお別れの挨拶をする等、遊技を気分よく終了してもらうことができる。
さらに、パーツ取付部に専用パーツが取付けられた状態と、取付けられていない状態とで、特定キャラクタ表示の態様が異なるように構成してもよい。この場合、専用パーツを取付けることで、遊技者によって特定される特定キャラクタ表示の態様を変化させることができる。従って、特定キャラクタ表示の導出や専用パーツへの興味をより一層高めることができる。
加えて、上記実施形態では、特定キャラクタを特定するために演出ボタン125や十字ボタン126を操作してキャラクタ選択画面でキャタクタを選択する入力を行っているが、専用パーツをパーツ取付部に取付けることが、特定キャラクタ表示を特定するための遊技者によるパチンコ機10への入力操作となるように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示の特定のための入力操作の手間を省くとともに、専用パーツ411を取付けることで対応する態様に変化する遊技機への遊技への気分を盛り上げることができる。
また、上記実施形態では、特定キャラクタ表示と報知表示とが重複した場合や、特定キャラクタ表示同士が重複した場合に、特定キャラクタ表示を導出させる権利がストックされるように構成されているが、例えば、ストックに代えて、又は、加えて、専用パーツ411の態様を変化させるパーツ演出が行われるように構成してもよい。この場合、遊技者が視認することを楽しみにしていた特定キャラクタ表示が、何らかの表示と重複してしまった場合に、特定キャラクタ表示の視認性が低下する代わりに、専用パーツ411の態様が変化する。このため、特定キャラクタ表示の視認が妨げられることによる興趣の低下を抑制することができる。尚、特定キャラクタ表示の重複時に導出されるパーツ演出としては、特定キャラクタ表示同士の重複時には、特定キャラクタ表示に関連する挙動を行うように構成し、報知表示との重複時には、報知表示に関連する挙動(演出であれば内容示唆の挙動、エラー報知等であれば再開の約束又は再開のあいさつの握手のような挙動)を行うように構成してもよい。
(bb;専用パーツのロック)上記実施形態において、演出ハンドル401に取付けられた専用パーツ411の取外しを不可能とするロック手段を設けることとしてもよい。例えば、係合部413に孔部を設けるとともに、係合部413を被係合部414に係合させることで、係合部413の穴部にロックバーが挿通されるように構成してもよい。さらに、例えば、専用パーツ411が取付けられた後、ロックが行われる前、又は、後において、装飾図柄表示装置42にロック解除のパスワードの入力画面が表示され(パスワード入力でロックされるように構成してもよい)、入力完了で入力画面が消去される。また、解除ボタン416を操作することで、或いは、装飾図柄表示装置42のメニュー画面で対応する選択操作を行うことで、若しくは、モバイル連動遊技を終了させる操作を行うことで、装飾図柄表示装置42にロック解除のパスワードを入力する画面が表示され、正しいパスワードの入力完了でロック解除されるように構成してもよい。尚、内枠12の裏側における所定の操作など、パスワードを忘れても取外しができるような構成を設けることが望ましい。また、専用パーツ411のロック状態を解除する機能がロック解除手段を構成する。
以上のように、専用パーツ411のロック機能を設けることで、トイレに行く、飲料を買う等の短時間の離席のために、専用パーツ411の盗難防止のため、専用パーツ411をわざわざ取外して持ち歩くといった事態を回避することができる。また、当該盗難対策により遊技ホールで用意したものを装着しておくこともでき、利便性の向上等を図ることができる。
尚、ロック手段やロック解除手段の構成は特に限定されるものではなく、専用パーツ411が取付けられることで鍵を取外し可能とし、鍵の挿入及び所定操作でロック状態を解除する鍵穴を設けることとしてもよい。この場合、鍵だけ持ち去るといった迷惑行為を抑制できるものの、紛失への対処が困難であることから、パスワード入力や、十字ボタン126の入力の組合わせ等でロック状態の切替えを行う構成とすることが望ましい。また、ロック手段として、通常時は、解除ボタン416、又は、専用パーツ411を外部からの接触が禁止されるように収容状態とし、所定の演出が行われた場合、及び、専用パーツ411を取外す操作・入力が行われた場合に、外部からの接触が可能なように露出状態とするような(例えば、収容状態で略ドーム状となるような)構成のものとしてもよい。
尚、演出ハンドル401の未使用時(パーツ演出が行われない状態)において、演出ハンドル401を接触不可能な状態(カバーのようなもので覆う、演出ハンドル401を前面枠14の内側に収容する等)とすることで、演出ハンドル401へのいたずら、演出ハンドル401の損傷等を抑制することができる。
(cc;演出ハンドルへの操作の検知)上記実施形態の演出ハンドル401に対して圧力が負荷されていることを検出可能な圧力センサを設けることとしてもよい。この場合、演出ハンドル401に対して乱暴に力が加えられた場合に警告音を出したりして、演出ハンドル401が破壊されてしまうといった事態を抑制することができる。尚、圧力計と、圧力計の計測値を記憶する圧力記憶手段とを備え、圧力記憶手段に記憶された値に基づいて所定の演出を行ったり、演出ハンドル401が損傷等した場合に、その要因を突き止める材料(遊技ホールに設置された監視カメラとの併用)としたりすることができる。
また、演出ハンドル401をジョイスティックのように略半球が描かれるような範囲を変位可能、かつ、各姿勢を検知可能に構成したり、演出ハンドル401に対してジャイロスコープを搭載したりすることとしてもよい。この場合、より多彩な演出を導出することができる。さらに、例えば、演出ハンドル401の表面に導電性材料による複数の接触検知ポイントが設けて遊技者が触れた接触検知ポイントを特定可能に構成したり、演出ハンドル401の表面部を互いに離間した2層構造とし、操作に応じて、表面側の第1層が可撓変形し、第2層と接触した部位を特定可能としたりする等して、演出ハンドル401のどの部位が操作されたかを検知可能に構成してもよい。
(dd;演出ハンドルの損傷)上記実施形態では特に言及していないが、演出ハンドル401のうち被係合部414のみを、或いは、カバー部材406のみを、若しくは、第1スライド部材402、第2スライド部材403を個別に、その他の部位と切り離して着脱可能に構成してもよい。つまり、専用パーツ411の着脱や使用に際して摩耗する等、比較的、損傷・劣化し易い部位については、単独で取替可能とすることにより、部品交換に際しての利便性の向上を図ることができる。例えば、専用パーツ411の係合部413と係合する被係合部414に対し、悪意のある遊技者が異物を詰める等のいたずらをすることで、専用パーツ411が使用できなくなってしまう、或いは、再使用までの作業(例えば、詰め物の除去)が大変になるといった事態を回避することができる。
尚、演出ハンドル401へのいたずら行為を抑制するべく、取付検知手段により把握される情報に基づいて、専用パーツ411以外のものが演出ハンドル401に取付けられる等した場合に、対応する情報をパチンコ機10の外部に出力したり、パチンコ機10において対応する態様を導出したりするように構成することとしてもよい。
(ee;視線による操作入力)遊技者の目の動きに基づく入力を可能とする視線入力手段を備えていることとしてもよい。この場合、遊技者の両手が埋まっている(右手がハンドル18、左手が演出ハンドル401を操作している)ような状態でも、遊技者の意志に基づく所定の入力を行うことが可能となる。従って、演出でできることの幅が広がり、演出性の向上等を図ることができる。
尚、前方に位置する遊技者に向けて光(赤外線)を照射可能な投光部と、前記投光部から発せられ、遊技者の眼球で反射した光を検知する受光部と、前記受光部の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を解析する解析手段とを具備する視線検知手段を備えていることとしてもよい。つまり、遊技者がどこを見ているのか、すなわち、遊技者が何の情報を得ようとしているのか、或いは、遊技者がどのような操作をしようとしているのかをパチンコ機10側で判別することができる。このため、例えば、遊技者が手を動かさなくても、遊技者の視線を検知して、対応する処理を実行したりすることができる。結果として、操作の複雑化を抑制しつつ、比較的多くの情報を遊技者に提供することができる。
また、全く手を動かさなくても、遊技のメニュー操作等を行えるように構成することで、例えば、演出ハンドル401に取付けられた専用パーツ411や、飲料や、携帯通信端末等を手に持っている状態での急な選択も可能となったり、手をけがしている等の極力手を使用したくない状況での選択も可能となったりする。従って、手の使用が差し控えられるような状況でも、遜色ない操作性を実現することができ、利便性の向上等を図ることができる。さらに、所定の選択・決定行為を恥ずかしいと思っている遊技者でも、こっそりと、かつ、それ程手間取らずに選択・決定することができる。従って、恥ずかしがり屋や面倒くさがり屋の遊技者でも十分に遊技を満喫することができる。
加えて。遊技者がよそ見や目をつぶっている場合に特定キャラクタ表示が導出される場合に、演出ハンドル401が対象の動作をするように構成してもよい。
(ff;演出ハンドルからの入力)上記実施形態において、演出ハンドル401への所定の入力(変位動作等)をサブ制御装置262に入力可能としてもよい。この場合、演出ハンドル401に対して所定の操作を行うことで(演出ハンドル401の稼動範囲を演出に応じて設定した上で、遊技者の操作に応じて演出ハンドル401が変位した方向等に応じて)装飾図柄表示装置42等における表示態様を変化させることができ、専用パーツ411に関連したより多彩な演出を行うことができる。
また、演出ハンドル401において温度計を設け、遊技者の温度などを計測してサブ制御装置262に入力可能に構成してもよい。例えば、日時を計測可能なリアルタイムクロックの情報と組合わせ、キャラクタが体調や天候などに関する話題を出すように構成してもよい。
(gg;遊技領域前方の表示)遊技領域の前方(ガラスユニット137)において、遊技領域の前方のほぼ全体を覆うようにして透過型の表示装置(透過型液晶表示装置等)を設けることとしてもよい。例えば、遊技領域のうち(現在の状況では)遊技球が通過する可能性が低い領域の前方の範囲において、所定の演出表示(パーツ演出)、又は、所定の遊技状態(確変モード)に対応して、透過型表示装置の表示が行われるように構成してもよい。例えば、パーツ演出において、透過型表示装置の所定のキャラクタの表示と、専用パーツ411(演出ハンドル401)とで、前記所定のキャラクタと対峙しているような演出を導出することができる。また、遊技球の軌道が定まっていない状態(ハンドル18が所定期間以内に所定量以上動いている)では透過型表示装置を非表示とするように構成してもよい。
(hh;遊技者の操作により特定キャラクタ表示のみを表示)上記実施形態において、特定キャラクタ表示が導出されている状態において特定演出ボタン127(その他の操作入力に変更可)が操作されている場合には、特定キャラクタ表示以外の表示(その他のレイヤ)が非表示とされるように構成してもよい。
(ii;ハンドル操作で演出変化)遊技球を検知した情報の価値(賞球等)が同じである第1入賞装置、及び、第2入賞装置(入賞装置ではなくスルーゲートでも可、さらに、2つ以外の複数でも可)を設け、第1入賞装置に入球した場合と、第2入賞装置に入球した場合とで、異なる演出表示が選択されるように構成してもよい。この場合、演出ボタン125等への直接的な操作ではなく、遊技球の入賞先で演出表示が変化するといった新たな演出を提供することができる。尚、遊技者のハンドル18の操作により、第1入賞装置と、第2入賞装置との打ち分け可能であることが望ましい。この場合、入賞先で変化する演出表示をランダムでなく、遊技者に意志を持って選択することができる。
(jj;演出手段)演出用の表示手段の数、形状、種別については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、装飾図柄表示装置42の他に、可動式の表示装置を設けることとしてもよい。また、ドットマトリックス表示装置やEL表示装置等を搭載してもよい。
さらに、上記実施形態において、演出表示手段としての装飾図柄表示装置42の(表示部の)前方に位置する機能位置と、装飾図柄表示装置42の(表示部の)前方から外れる退避位置との間を変位可能な演出手段としての可動式の役物(可動役物)を設け、ボタン演出等に対応して、可動役物を機能位置に変位可能に構成してもよい。また、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42における特定キャラクタ表示が、装飾図柄表示装置42における不許可表示と重複するか否かの判別が行われるようになっているが、可動役物を機能位置とする演出を「不許可表示」とし、特定キャラクタ表示と重複しないように設定することとしてもよい。加えて、可動役物を機能位置とする演出の全てを不許可表示としなくてもよく、例えば、特定キャラクタ表示の一環として、可動役物が機能位置に変位するように構成してもよい。例えば、特定キャラクタ表示の一部期間に演出ボタン125の操作を促すボタン演出期間が設定され、その間は、特定キャラクタ表示の動画が進行せず、演出ボタン125が操作された場合に、可動役物が機能位置に変位し得るとともに、可動役物が退避位置に変位した後、或いは、可動役物が機能位置に変位しなかった場合の装飾図柄表示装置42における反応演出表示が終了した後(ボタン演出期間が終了した後)に、特定キャラクタ動画が進行するように構成してもよい。
加えて、遊技領域の前方に導光板を設けるとともに、導光板に対して光を入射させる光源を設け、所定の契機に応じて光源を発光させ、導光板において所定の表示態様を視認させるように構成してもよい。尚、導光板の表示に関しても、機種毎に、不許可表示等の設定を行い、不許可表示とする場合には、特定キャラクタ表示との重複を回避するように構成することとしてもよい。
(kk)装飾図柄表示装置42において表示される保留アイコン461の態様や表示位置や保留アイコン461を利用しての演出(変動情報が保留記憶された段階で変動情報の内容を把握し、保留アイコン461の態様で対応する演出(大当たり期待度の示唆等)を行う保留先読み演出)等は機種毎に適宜設定可能である。また、上記実施形態では、保留アイコン461の態様では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に基づく変動表示なのかが教示されない構成となっているが、例えば、保留アイコン461が第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかの情報を有するような態様となる、或いは、そのような態様となる場合があるように構成してもよい。
(ll)また、上記実施形態において、装飾図柄表示装置42の複数箇所への物体の近接又は当接を検知可能であり、サブ制御装置262の入出力ポート554に接続される近接検知手段(例えば、発光部及び受光部を有する近接検知センサやタッチパネル等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に表示された保留アイコン461に対し、遊技者が指等を近接させた場合に、かかる指等の検知に基づいて、かかる保留アイコン461の態様が変化したり移動したりする場合があるように構成してもよい。この場合、保留アイコン461への関心を向上させたりすることができる。
(mm)上記実施形態では、発射装置60の発射のタイミング(発射の間隔)を主制御装置261が決定しているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、発射制御回路312によって、発射タイミング(発射の間隔)を計るように構成してもよい。この場合、主制御装置261の制御負担の抑制を図ることができる。
(nn)上記実施形態のパチンコ機10において、拡張現実や仮想現実(複合現実)の機能を設けることとしてもよい。つまり、遊技者が遊技機メーカーのサーバ等で提供されるARアプリケーションを携帯通信端末にインストールし、当該ARアプリケーションを起動させた状態で携帯通信端末をパチンコ機10に向けると、携帯通信端末の撮影手段(カメラ)で撮影されたパチンコ機10の画像に対し、ARアプリケーションの機能で追加される仮想の画像オブジェクト(キャラクタ動画等)が合成されて、携帯通信端末の表示手段(液晶等のディスプレイ)で表示されるようにする。また、ARアプリケーションに対し、導出する画像オブジェクトの種別及び場所を認識させるマーカを、例えば、装飾図柄表示装置42で表示可能とするとともに、演出ハンドル401の近傍にも、マーカを表示可能なマーカ表示手段を設けることとしてもよい。そして、マーカが撮影範囲に含まるように、ARアプリケーションを起動させた状態で携帯通信端末をパチンコ機10に向けると、例えば、装飾図柄表示装置42の前方にキャラクタが飛び出したように表示され、さらに、携帯通信端末を演出ハンドル401に向けると、キャラクタの手が演出ハンドル401の位置に出現したように表示されるように構成してもよい。
また、例えば、遊技者が持参した仮想現実用のゴーグル(VRヘッドセット)を装着し、VRヘッドセットと、パチンコ機10との位置合わせをマーカの読取り等の方法で行うことで、基本的に、パチンコ機10の前面(遊技領域、上皿19、ハンドル18、下皿15等)以外の領域には、パチンコ機10のモチーフに関する画像(例えば、海中の画像)が表示され、モチーフの世界を移動するような疑似体験が提供される。演出ハンドル401の位置には、イベントに関する画像(魚等の海洋生物等)が表示され、演出ハンドル401は対応する動作を行う。
尚、演出ハンドル401が比較的大きく変位する場合には、演出ハンドル401にマーカを設けて、仮想の画像オブジェクトが演出ハンドル401からずれないようにする。加えて、VRヘッドセットを装着して、VR機能をオンにすると、遊技者の現実への感度が低下することから、パチンコ機10の機械的なエラーや振動検知機能を利用した地震の検知等は、VRヘッドセットを介して遊技者が視認している画像に表示(報知)されることが望ましい。また、仮想現実の表示は、装飾図柄表示装置42を中心(頂点)に、180度程度の範囲で行われ、振り返る(或いは、マーカーの撮影を表示条件とした場合に、マーカを撮影範囲から外す)等すれば、現実の世界が見えるように構成することが望ましい。
(oo;モバイル連動遊技)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。さらに、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信される構成において、パチンコ機10は、特別表示装置43a,43bの変動回数をカウントする変動回数カウンタや、各種大当たり状態の発生回数をカウントする大当たりカウンタ等を備え、モバイル連動遊技の終了に際して装飾図柄表示装置42で表示される2次元コードに、各種前記カウンタの値を示す情報が含まれるように構成されていることとしてもよい。さらには、遊技球の発射総数の情報、導出された演出の種別、及び、その回数、遊技者がボタン演出中に演出ボタン125を操作した回数等についても、該2次元コードに含ませることとしてもよい。この場合、遊技機メーカー側で、遊技状況を把握することができる。
尚、上記カウンタの値は、2次元コード化されることで消去され、それ以外は(電源が落とされたとしても)蓄積される(RAM消去スイッチ323を操作しながらの電源オンで消去される)こととしてもよい。また、疑似羽根部材431の挙動パターンの傾向について、(モバイル連動遊技を行っている遊技者に関し、)遊技者が数種類のうちから選択することが可能に構成してもよい。
(pp)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。また、上記実施形態では、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たりラウンドが第8ラウンドに設定されているが、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たりラウンドの順番や回数については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、第2ラウンド、及び、第7ラウンドが第2可変入賞装置32bの開状態とされる大当たりラウンドとしてもよい。
また、高確率状態かつ低入球状態である状態(「潜確モード」)を設けることとしてもよい。さらに、潜確モードが付与される大当たり状態は、遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)ではなく、第1可変入賞装置32aの開放時間が短く、かつ、大当たりラウンド数が少ない、遊技球の増加がほぼ見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)としてもよい。例えば、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了するように構成してもよい。また、第1可変入賞装置32aが、潜確モードが付与される大当たり状態と同様のパターンで開閉される小当たり状態(大当たり状態が発生しなかった場合に所定の確率で当選する)を設けることとしてもよい。この場合、潜確モードの付与が分かり難くなることから、潜確モードが付与されているか否かを示唆する演出等を行うことができる。
加えて、「潜確モード」の大当たりとなる場合には、ゾロ目ではなく、装飾図柄が有効ライン上において特定の組合せ(チャンス図柄の組合せ、例えば、上・中・下図柄表示領域で「3」・「4」・「1」が停止表示される態様)で停止表示されるようにしてもよい。また、装飾図柄表示装置42の演出ステージとして、「潜確モード」の大当たり状態終了後、及び、「小当たり」状態の終了後に移行する「前兆ステージ」を設け、当該「前兆ステージ」では、背景が通常ステージ等と比べて若干変化するとともに、演出バランス又は演出内容が変化する(例えば、通常は選択され難い演出パターンが選択され易くなる等)ように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。さらに、入球サポート抽選における当選確率や、当選した場合の第2始動入賞装置33bの開閉パターン等についても、機種毎に適宜設定可能である。
(qq)上記実施形態では、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化されるよう構成されているが、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく第2変動表示のどちらであるかに関係なく、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球順に、対応する変動表示が保留され、先に保留された変動表示から順に消化されるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与され得る大当たり種別の振分け割合が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。加えて、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく賞球数と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく賞球数とが同じとなっているが、一方が他方よりも多くなるように構成してもよい。
また、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、少なくとも一方の変動表示に関して保留記憶することができないように構成することも可能である。
(rr)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(ss)また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理の結果(当否フラグ等の状態)に応じて大当たり状態を発生させるか否かや、変動表示のパターン等が決定されるように構成してもよい。
(tt)日時を把握可能なリアルタイムクロックを設け、リアルタイムクロックの日時の情報に応じた演出態様を導出可能に構成してもよい。また、時刻や日付によって、選択され易い演出に変化が生じる(選択され易い演出用のテーブルが変わる)ように構成してもよい。例えば、リアルタイムクロックをサブ制御装置262に設けるとともに、決着演出を長くすることが決定された場合に参照される決着時間設定テーブルを複数設け、決定演出を長くすることが決定された時刻が午前であった場合には、第1決着時間設定テーブルが参照され、午後(夜まで)であった場合には、第1決着時間設定テーブルよりも長い時間が設定され易い第2決着時間設定テーブルが参照され、遊技ホールの閉店時間も近付く夜(例えば、21時以降)であった場合には、第1決着時間設定テーブル、又は、第1決着時間設定テーブルよりも短い時間が設定され易い第3決着時間設定テーブルが参照されるように構成してもよい。尚、リアルタイムクロックを主制御装置261に設けるとともに、特別表示装置43a、43bの変動時間の決定に際して参照される変動時間決定テーブルを複数設け、夜(例えば、21時以降)になると、比較的短い変動時間が設定され易い変動時間決定テーブルが選択され易くなるように構成してもよい。
(uu)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検知手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させ、小当たり状態において特別入球検知手段の検知が行われた場合に大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。
加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
スロットマシン(回動式遊技機)の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
尚、液晶表示装置等の演出表示手段を備えるスロットマシンに具体化する場合には、演出表示手段で特定キャラクタ表示が導出されている状態で、始動用操作手段、及び、停止用操作手段の操作に基づいて演出表示手段に導出される演出表示が、前記導出されている特定キャラクタ表示との重複が許可されているものであるか否かを判別して、判別結果に対応する処理を行うこととする。
パチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機(球使用回動式遊技機)の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用する(パチンコ機の遊技球を共用する)と共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
(vv;確変モードの移行条件等)上記実施形態では2つの可変入賞装置32a、32bが設けられているが1つでもよい。さらに、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変入賞装置32a、32b等の配置、数についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜配置可能である。
また、上記実施形態では、大当たり状態において第2可変入賞装置32bの特定入球部145に遊技球が入球することを条件として、大当たり状態終了後に確変モードが付与される権利が得られるように構成されているが、所定の大当たり種別(例えば、「15RS」、及び、「8RS」)と対応付けされ、前記所定の大当たり種別の大当たり状態に当選した場合に、当該大当たり状態終了後に確変モードが付与される権利が得られるように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、確変モードに関し、変動回数の上限が設定されているが、例えば、大当たり状態が発生するまでは確変モードが維持されるように構成してもよい。
(ww;同時変動)上記実施形態では、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bのうち一方が変動表示を行っている場合、他方の変動表示は行われない(待機される)ように構成されているが、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの変動表示を同時に実行可能に構成してもよい。つまり、第1変動表示、及び、第2変動表示のそれぞれに関して保留があれば、対応する変動表示を実行する(当たり状態中は除く)。尚、大当たり状態の発生を教示する変動表示が行われている状態では、当該変動表示に重複する変動表示が新たに開始されないように構成してもよい。さらに、一方の変動表示が大当たり状態の発生を教示する態様で停止表示された場合に、他方の変動表示が変動中であっても、当該他方の変動表示が中断される(大当たり状態終了後に再開)、又は、消去されることとしてもよい。
また、例えば、装飾図柄表示装置42では、第1変動表示、及び、第2変動表示にそれぞれ対応する装飾図柄による変動表示(以下、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示)を同時に表示してもよいし、どちらか一方(第2変動表示、或いは、先に停止表示される方)を優先的に表示するようにしてもよいし、両方が視認される状態と一方のみが視認される状態とに適宜切替わるように構成してもよい。
さらに、特定キャラクタ表示が導出される方の演出変動表示を優先的に装飾図柄表示装置42に表示するように構成してもよい。例えば、第1演出変動表示及び第2演出変動表示の一方の開始時に、他方の変動中であるか否かを判別し、他方の変動中であれば、一方の演出変動表示で特定キャラクタ表示が導出されるかを確認し、否定判別で当該一方を表示せず、肯定判別で他方の演出変動表示で特定キャラクタ表示が導出されるかを確認し、導出される場合に一方を表示せず、導出されない場合に一方を表示する(装飾図柄表示装置42の態様を他方の演出変動表示から一方の演出変動表示にどこかで切替える)ように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示を導出させる機会を増やすことができる。
尚、他方の演出変動表示で特定キャラクタ表示が導出されるか否かを一方の演出変動表示の可視表示の条件にするだけでなく、(大当たりの際には前後外れリーチを経由するものとして)前後外れリーチが導出されるか否かを一方の演出変動表示の可視表示の条件としてもよい。
また、第1演出変動表示及び第2演出変動表示のうち一方の演出変動表示において特定キャラクタ表示が導出され、当該一方の演出変動表示と重複する他方の演出変動表示において大当たり状態の発生の教示が行われる場合に、前記一方の演出変動表示が、前記他方の演出変動表示よりも遅く終わる場合には、前記一方の演出変動表示が前記他方の演出変動表示の終了のタイミングまで短縮(強制終了)され、前記一方の演出変動表示が、前記他方の演出変動表示よりも早く終わる場合には、前記一方の演出変動表示が前記他方の演出変動表示の終了のタイミングまで延長されるように構成してもよい。この場合、特定キャラクタ表示を活かして大当たり状態に当選した旨を示唆・教示することができる。従って、特定キャラクタ表示が別の演出表示に代わってしまうことを抑制することができる。
加えて、特定キャラクタ表示には、前記第1演出変動表示、及び、前記第2演出変動表示を延長させる場合に使用される延長用演出表示と、短縮させる場合に使用される短縮用演出表示とが用意されていることとしてもよい。この場合、違和感を抑制しつつ、特定キャラクタ表示が導出された演出変動表示を急遽延長させたり、短縮させたりする(大当たり状態の当選を示唆・教示する態様に繋ぐ)ことが可能となる。
加えて、高入球状態では、第1変動表示、及び、第2変動表示の変動時間が比較的短く設定されるように構成してもよいし、第2変動表示の変動時間のみが比較的短く設定されるように構成してもよい。また、低入球状態では第2変動時間が比較的長く設定され、高入球状態では第1変動時間が比較的長く設定されるように構成してもよい。尚、第1変動時間、及び、第2変動時間の残り時間を示唆又は教示する残り時間表示を行うこととしてもよい。
(xx)上記実施形態では、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて大当たりに当選した場合にのみ大当たり状態が発生するように構成されているが、別の条件装置により大当たり状態を発生させ得るように構成してもよい。例えば、当否抽選にて大当たりに当選しなかった場合に小当たりの抽選が行われ、小当たりに当選した場合に、第2可変入賞装置32bが開状態とされ、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が特定入球部145に入球した場合にも、第1可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態が発生する(特定入球部145に遊技球が入球することで、確変モードではなく、大当たり状態の発生(継続)の権利が付与される)といった遊技機に適用することも可能である。
さらに、例えば、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1当否抽選にて、第1確率で第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態に当選し、通常モード及び時間短縮モードのうち時間短縮モードが付与される割合が第1の割合とされ、入球サポート抽選に当選し易く、第2可変入賞装置32bへの入球が容易となる時間短縮モードでは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2当否抽選にて、第2確率で第2可変入賞装置32bが開状態とされる小当たり状態に当選し、開状態とされた第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が第2の割合で特定入球部145に入球し、大当たり状態が発生する(第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態に継続する)といった遊技機に適用することも可能である。尚、当該構成を採用する場合、第1当否抽選や第2当否抽選で大当たり状態に当選する場合よりも、時間短縮モードで小当たり状態に当選し、かつ、特定入球部145に遊技球を入球させて大当たり状態を発生させる方が、大当たり状態を発生させ易く、また、小当たり状態に当選し、かつ、特定入球部145に遊技球を入球させた場合の方が、時間短縮モードが付与される大当たり種別が選択され易いといった構成にすることもできる。
(yy;動画の作成方法)上記実施形態では、事前に最初から最後までの内容が定められている動画データを読取ることで動画を生成しているが、リアルタイムでレンダリングを行う3DCG(三次元コンピュータグラフィックス)のアニメーションのように、リアルタイムに状況に応じた動画を生成する(例えば、状況に応じてキーフレームを随時作成し、画像を繋げていく)ように構成してもよい。また、複数のレイヤを使用するような構成としなくてもよく、可視表示する動画だけを再生する(動画を随時生成する、或いは、変更があった場合にキーフレームを再度作成する)ように構成してもよい(複数のレイヤを概念的なものとし、画像オブジェクトを適宜組合わせて生成する)。
さらに、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、所定のレイヤで再生される第1動画に対し、それよりも上側のレイヤで再生される第2動画を可視表示として被せることで、装飾図柄表示装置42の視認態様を、前記所定のレイヤの第1動画から、前記上側のレイヤの第2動画に切替えるよう構成されているが、複数のレイヤを使用せず、第1動画を切替のタイミングまで再生した後、第1動画の再生(生成)を止めるとともに、第2動画の再生(生成)を開始するように構成してもよい。加えて、前記第1動画から第2動画の切替えの準備が十分に整えるだけの時間が確保できなかった(切替えの契機が急遽発生した)場合には、切替えのタイミングに際し、静止画や動きの少ない動画等の情報量の少ない(すぐに表示できる)定型データを読み出して、それをさしあたり導出するように構成してもよい。また、前記切替のタイミングに際して、装飾図柄表示装置42の前方に出没する可動役物を突出状態としてもよい。尚、これらのように、装飾図柄表示装置42においてカットイン演出を導出したり、可動役物を飛び出させたりした場合、何かしら遊技者にとって有利な特別遊技状態の期待度を変化させてしまう(遊技者の大当たりへの期待、確変モードへの期待等を大いに高めてしまう)ことから、特別有利状態への期待度を変化させずに動画を切替えるためには、上記実施形態のように、カットイン演出等を挟むことなく、動画から動画へ移行することが望ましい。また、複数のレイヤを使用しなくても、複数の動画を同時に生成し、そのうちのいずれかを可視表示するように構成してもよいし、可視表示されない動画についても可視表示されていた場合にどこまで進行しているかを把握可能に構成して、可視表示される動画の切替えが行われた場合に、そこから視認されるように構成してもよい(少なくとも、動画のパターンと、当該動画のどのタイミングからの画像を生成すればよいかの情報とがあればよい)。
(zz;大当たり状態中の演出設定)大当たり状態の開始に際して行われる大当たり状態の演出設定に際し、「キャラクタ紹介画像」、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、及び、「確変昇格チャレンジ演出」の導出タイミングを決定し、「特定払出数表示」の導出タイミングを予測(推定)してから、「特定キャラクタ動画」の導出タイミングを決定し、さらに、「保留連チャレンジ演出」の導出タイミングを決定しているが、導出タイミングを決定する順番については特に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、特定払出数表示の導出タイミングを回避するようにして、特定キャラクタ動画の導出タイミングを設定しているが、先に特定キャラクタ動画の導出タイミングを設定してから、特定払出数表示の導出タイミングを予測し、両者が重複した場合に、特定キャラクタ動画の導出タイミングを変更するように構成してもよい。
但し、演出表示のうち、導出タイミングが重複した場合に、導出タイミングを変更しない方(優先度の高い方)の導出タイミングを先に決定することが望ましい。尚、大当たり状態中のミニゲームに成功した場合のみ確変昇格チャレンジ演出が導出されるよう構成してもよい。
また、上記実施形態において、特定キャラクタ動画の導出タイミングの設定に関しても、「キャラクタ紹介画像」、「V入賞チャレンジ演出」、及び、「確変昇格チャレンジ」と同様にして、予め定められたタイミングで導出される(例えば、「15RS」の大当たり状態では3番目の大当たり動画として設定され、「8RS」及び「8RN」の大当たり状態では1番目の大当たり動画として設定される)ように構成してもよい。さらに、特定キャラクタ動画の導出タイミングの設定後に、特定キャラクタ動画よりも優先度が高く設定されている演出表示が特定キャラクタ動画と重複するように設定される場合には、特定キャラクタ動画を1つ後の順番にずらす処理と、ずらした先の導出タイミングにおいて、特定キャラクタ動画との重複が不許可となる不許可表示と重複するか否かを判別する処理と、特定キャラクタ動画をずらしたことで空いた期間に別のキャラクタ動画を実行させる処理とを行う。そして、重複すると判別された場合に、重複すると判別された演出表示が、特定キャラクタ動画よりも優先度の高い演出表示の場合には、特定キャラクタ動画をさらに1つ後の順番にずらす処理と、不許可表示と重複するか否かを判別する処理と、ずれた特定キャラクタ動画の代わりに別のキャラクタ動画(例えば抽選で選択)を設定する処理とを行う。当該特定キャラクタ動画を後にずらす処理等は、特定キャラクタ動画の設定が行われるまで、或いは、大当たりラウンドの最終ラウンドの確認を終えるまで継続される。
但し、導出タイミングをずらすといった処理の回数を極力抑制するべく、上記実施形態のように、特定キャラクタ動画を最初から上記不許可演出と重複しないタイミングに設定することが望ましい。
加えて、特定キャラクタ動画の導出タイミングをずらした先で、特定キャラクタ動画と重複すると判別された演出表示が、特定キャラクタ動画よりも優先度が低い演出表示であった場合には、当該優先度の低い演出表示を、特定キャラクタ動画と重複しないタイミングにずらす処理(或いは、当該優先度の低い演出を中止する処理)と、特定キャラクタ動画をずらした先のタイミングで導出させる設定処理とを行う。
尚、例えば、各大当たりラウンドの開始時に、当該大当たりラウンドに特定払出数表示が導出される可能性が高いか否かを判別し、高いと判別され、かつ、当該大当たりラウンドに重複して特定キャラクタ動画が導出されると判別される場合に、特定キャラクタ動画の導出タイミングを変更する(例えば、1つ後のタイミングにずらす)ように構成してもよい。
(aaa;通常遊技状態中の演出設定)確変モード、時間短縮モードにおいても、総獲得球数を表示し、かつ、特定払出数表示が導出され得るよう構成してもよい。尚、特定払出数表示の導出時間(長さ)を状況に応じて変更することとしてもよい。さらに、特定払出数表示の導出タイミングを予め定められた規定時間以内であれば後ろにずらしてもよい。
また、確変モード、及び、時間短縮モードにおいて変動回数の上限がつけられている場合には、演出変動表示の冒頭に、所定の残り回数(例えば、残り半分、残り10回、3回、2回、最後等)を教示する残り回数表示を導出するように構成してもよい。残り回数表示は、導出を中止できない表示とし、特定キャラクタ表示と重複した場合には、例えば、両方とも視認される格好で表示されることとする(ストックポイントが溜まるように構成してもよいし、パーツ演出を付加してもよい)。尚、残り回数表示の導出時間(長さ)を状況に応じて変更することとしてもよい。
さらに、保留されている演出変動表示(変動情報)に関し、特定キャラクタ表示と重複することで、何らかしらの設定変更が必要になり得る要素(特定払出数表示、残り回数表示等)が発生するか否かを判別するように構成してもよい。この場合、各演出変動表示の設定に際しての特定キャラクタ表示の導出に関する処理を比較的スムースにすることができる。
(bbb;特定演出表示がいずれかのタイミングで導出される特定含有表示)上記実施形態では、特定キャラクタ表示がいずれかのタイミングで導出される特定含有表示として、演出変動表示、及び、大当たり状態が例示されているが、特定含有表示の対象は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定することができる。例えば、遊技者にとって有利な状態(大当たり状態、高入球状態、及び、高確率状態等)が終了した場合に導出されるリザルト表示(通常モードを挟むことなく重ねた大当たり回数、大当たり状態の開始から通常モードに移行するまでに獲得した遊技価値の数等が表示される)、大当たり状態のオープニング演出、大当たり状態の特定のエンディング演出、所定の演出が成功した場合に導出される成功画面、所定量の遊技価値、又は、所定の特典を獲得した場合の獲得画面等において、導出期間の少なくとも一部の期間で特定キャラクタ表示が導出される構成としてもよい。
(ccc;大当たり状態への導入、当たりキャラクタ)上記実施形態では、オープニング演出は、複数のパターンのなかから、連続大当たり回数に応じたパターンが選択されるように構成されているが、例えば、オープニング演出に関しても、当たりキャラクタに該当するパターンが選択・再生されるように構成してもよいし、オープニング演出に際して特定キャラクタが登場する(必ず、又は、抽選で、若しくは、所定条件が満たされた場合のみ)ように構成してもよい。また、特定キャラクタや当たりキャラクタの表示とともに、音声を特定キャラクタや当たりキャラクタに対応したものとしてもよいし、音声だけを特定キャラクタや当たりキャラクタに対応したものとしてもよい。加えて、オープニング演出において当たりキャラクタ(特別教示関連表示)が導出される構成の場合には、当たりキャラクタ動画や、キャラクタ紹介画像を当たりキャラクタとする構成を省略してもよい。
さらに、上記実施形態では、当たりキャラクタが登場するキャラクタ紹介画像や、当たりキャラクタ動画が「15RS」の大当たり状態にのみ導出されるが、「8RS」や「8RN」の大当たり状態においても、導出される、又は、導出される可能性(所定条件を満たす、或いは、抽選で決定する)があるように構成してもよい。また、「当たりキャラクタ」に対応するキャラクタの紹介画像を省略する場合に、1番目の大当たり動画として、「当たりキャラクタ動画」が設定されるように構成してもよい。さらに、キャラクタ紹介画像や、キャラクタ紹介画像が終了した後に冒頭から可視表示される大当たり動画として、当たりキャラクタに対応するパターンが選択されるといった構成(当たりキャラクタ動画の設定)を省略してもよい。
加えて、大当たり状態の開始に伴って導出される当たりキャラクタに関連する演出表示については特に限定されるものではなく、例えば、キャラクタ紹介画像に代えて、演出変動表示で所定の希望がかなえられた表示が導出された後、第1ラウンドに対応する動画、或いは、1番目の大当たり動画として、その後の当たりキャラクタの様子を紹介する表示が導出されるように構成してもよい。さらに、大当たりが教示された演出変動表示と、大当たり状態の開始に際しての演出表示とが、当たりキャラクタにより対応付けられているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、互いが連動できるものであればよい。
また、上記実施形態では、第2特別教示関連表示としての当たりキャラクタ動画と、特定キャラクタ動画よりも優先される不許可表示とが重複した場合には、当たりキャラクタ動画の導出タイミングを後に変更するように構成されているが、重複して導出されるように構成してもよい。この場合、当たりキャラクタ動画や不許可表示の導出タイミングの変更に伴って、大当たり状態において特定キャラクタ動画を導出可能な期間を狭めてしまうといった事態を抑制することができる。尚、上記実施形態では特に言及していないが、第1特別教示関連表示としてのキャラクタ紹介画像と、特定キャラクタ表示よりも優先度の高い不許可表示(第1不許可表示)とが重複した場合には、どちらの導出タイミングも変更させることができないため、重複したまま導出されることとする(優先度の低い不許可表示の場合には、重複させてもよいし、不許可表示の導出タイミングを変更させてもよい)。
(ddd;特定キャラクタ動画)上記実施形態では、大当たり状態において導出される大当たり動画において、特定キャラクタが登場する大当たり動画(特定キャラクタ動画)を1回に限定し、また、特定キャラクタと、当たりキャラクタとが一致している場合には、当たりキャラクタ動画を特定キャラクタ動画としてカウントし、別途の特定キャラクタ動画の設定をスキップするように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり状態中に特定キャラクタ動画を複数回導出可能(例えば、抽選で回数を決定)としてもよい。つまり、特定キャラクタ動画の実行回数を決定し、当該回数を記憶するカウンタの数が基本的に「0」になるまで(特定キャラクタを行う時間的余地がなくなった場合には、そこまで)、特定キャラクタ動画の設定が行われるように構成してもよい。また、大当たり状態開始後に、「当たりキャラクタ動画」、「V入賞チャレンジ演出」、「特定払出数表示」、及び、「確変昇格チャレンジ演出」が、「特定キャラクタ動画」と重複することが判明した場合であって、「特定キャラクタ動画」の移動先(導出させる時間的余地)が確保できない場合には、特定キャラクタ動画を省略する(代わりに非特定キャラクタ動画を当て嵌める)こととしてもよい。
加えて、特定キャラクタ動画の導出回数が多いほど、大当たり状態終了後に確変モードが付与される可能性が高まるような対応付けをする(例えば、2回の導出で期待度アップ、3回の導出で確定)こととしてもよい。この場合、「確変昇格チャレンジ演出」が行われ得る状況(大当たり状態終了後に確変モードが付与されるか否かの確定的な教示が装飾図柄表示装置42においてされてない状況)において、「特定キャラクタ動画」が導出されることへの新たな楽しみを追加することができる。
さらに、全ての大当たり動画が特定キャラクタ動画となるようなパターンが存在してもよい。また、「当たりキャラクタ動画」で「特定キャラクタ」が導出されても、当該「当たりキャラクタ動画」を「特定キャラクタ動画」として判別しないように構成してもよい(この場合、特定キャラクタが登場する大当たり動画が2回導出される)。また、特定キャラクタとして特定された場合にのみ導出され得る動画を設けることとしてもよい。例えば、キャラクタが話しかける動画がキャラクタ毎に複数用意され、大当たり状態中に、特定キャラクタが話しかける動画が導出される構成としてもよい。
加えて、所定のキャラクタが当たりキャラクタとなり、演出変動表示、オープニング演出、及び、キャラクタ紹介画面に連続して登場する場合に、キャラクタが装飾図柄表示装置において連続的に表示され続けるように構成してもよい。つまり、演出変動表示のラストシーンで装飾図柄がゾロ目で停止された後、表示キャラクタだけがラストシーンから飛び出したような特別な態様となり、装飾図柄が消去され、オープニング演出が開始されるタイミングとなっても、当たりキャラクタがそのままの位置、或いは、その位置から自然な移動の範囲で表示され続け、さらに、第1ラウンドのキャラクタ紹介画面が表示されても(しばらくは)表示され続けるように構成してもよい。
(eee;演出表示の切り上げ)上記実施形態では、特定キャラクタ表示の開始時、及び、不許可表示の開始時において、特定キャラクタ表示と、不許可表示とが一部でも重複していれば、どちらか一方の導出タイミングを変更する、不許可表示を省略(中止)する、特定キャラクタ表示をストックする等の措置がとられるように構成されているが、特定キャラクタ表示と、不許可表示との重複の程度に応じて、異なる対応(特定キャラクタ表示を単に中止するのか、或いは、特定キャラクタ表示を中止し、かつ、同一の特定キャラクタ表示を再設定するのかを決定する)がとられるように構成してもよい。
以下、不許可表示と、特定キャラクタ表示(特定演出表示)との少なくとも一部が重複するか否かの重複判別処理で重複すると判別された場合に、導出タイミングが変更されない不許可表示(特定演出表示側の導出タイミングが変更される)を「第1不許可表示」と称し、導出タイミングが変更される不許可表示(特定演出表示側の導出タイミングは変更されない)を「第2不許可表示」と称して態様例について説明する。
(eee−1)例えば、演出変動表示や大当たり状態において導出される特定キャラクタ表示に関し、ここまで視認してもらえれば十分であるというタイミングが存在するのであれば、そのタイミングよりも後の表示をカット可能に構成してもよい。
より具体的には、演出ボタン125の操作を要求するボタン演出が特定キャラクタ表示とされている場合には、特定キャラクタ表示は、演出ボタン125の操作を促して、演出ボタン125の操作を待っている待受状態と、演出ボタン125が操作されたことに対応するリアクション演出を行う状態と、演出ボタン125の操作がリアクション演出の導出契機として有効なボタン有効期間が経過しても演出ボタン125が操作されなかった場合に導出される無操作演出を行う状態とで構成される。サブ制御装置262は、リアクション演出、及び、無操作演出の開始(又は、開始から規定時間の経過)でオン・オフの切替えが行われる(例えば、特定キャラクタ表示の開始時にオンされ、リアクション演出、及び、無操作演出の開始でオフされる)進行判別フラグを備えることとする。
そして、第1不許可表示の開始時に、特定キャラクタ表示の導出中であって、特定キャラクタ表示と、第1不許可表示とが重複すると判別される場合に、進行判別フラグを確認して、特定キャラクタ表示が、リアクション演出、又は、無操作演出(これらが特定プログラムに相当する)を完了しているか否かを判別する(当該判別機能が進行判別手段に相当する)。そこで、特定キャラクタ表示がリアクション演出、又は、無操作演出を完了していると判別される場合に、特定キャラクタ表示を中止する設定が行われ、リアクション演出、及び、無操作演出のどちらも完了していないと判別される場合に、特定キャラクタ表示を中止するとともに、当該特定キャラクタ表示を再度導出する設定(例えば、1つ後の順番にずらす、第1不許可表示と重複しないタイミングを探してそこに設定する)が行われる。
以上のように構成することにより、特定キャラクタ表示が特定プログラム(例えば、リアクション演出、又は、無操作演出)を完了していない場合、すなわち、重複の度合いが大きく、特定キャラクタ表示の主要部分が未だ終わっていないような場合には、当該特定キャラクタ表示を一旦は終了するが、当該特定キャラクタ表示を再度改めて視認してもらうべく、同一の特定キャラクタ表示の導出タイミングを再度設定することとしている。
その一方で、特定キャラクタ表示が特定プログラムを完了している場合、すなわち、重複の度合いが小さく、特定キャラクタ表示の主要部分が既に終わっているような場合には、そこで特定キャラクタ表示を中止し、第1不許可表示に視認態様を切替えるようになっている。このため、特定キャラクタ表示の大部分が終わっているにもかかわらず、特定キャラクタ表示の最後の極一部が第1不許可表示と重複したがために、当該特定キャラクタ表示がもう一度導出される(例えば、第1不許可表示を挟んで、同一の特定キャラクタ表示が導出される)といった事態を回避することができる。従って、基本的には、特定キャラクタ表示、及び、第1不許可表示を最初から最後まで通しで視認させるといった概念を踏まえつつ、内容などに影響の出ない範囲で特定キャラクタ表示の最後の部分をカット可能にすることで、特定キャラクタ表示の導出タイミングを変更する処理を低減させ、処理の簡素化を図りつつ、特定キャラクタ表示及び第1不許可表示を含む一連の演出表示の流れを比較的スムースなものとし、かつ、同一の特定キャラクタ表示が繰り返されることに起因する興趣の低下を防止することができる。
尚、例えば、図56のレイヤ1において大当たりラウンドの開始後に2番目に導出される大当たり動画であるキャラクタAの動画を「特定キャラクタ動画」として見立てた場合であって、大当たりラウンドの進行が、同図の進行よりも早く進んだ場合、第1不許可表示としての5000発達成表示が、キャラクタAの動画と重複する可能性がある。そして、5000発達成表示の開始時に、キャラクタAの動画(特定キャラクタ表示)が導出中であるか否かを判別し、肯定判別された場合に、キャラクタAの特定プログラムが完了しているか否かを判別するように構成してもよい。また、特定プログラムが完了したか否かの判別に関し、特定キャラクタ動画のように、特定キャラクタ表示の開始時に、特定プログラム(一連のアクション等のこれだけは見てもらいたいといったような演出、又は、所定の情報の教示等)の完了のタイミングを把握可能なもの(途中で特定プログラムの完了のタイミングが変わらないもの)に関しては、特定プログラムが完了するまでの時間を計測可能な進行判別タイマを設け、特定キャラクタ動画の開始時に進行判別タイマに対して特定プログラムが完了するまでの時間に相当する値をセットするように構成してもよい。この場合、第1不許可表示の開始時に、当該第1不許可表示と、特定キャラクタ表示との重複が確認され、かつ、進行判別タイマの値が「0」ならば、特定キャラクタ表示を中止させるといった処理が行われる。尚、大当たり動画等は、最後の部分(例えば、1秒、2秒等)がカットされる可能性があることを踏まえ、カットされても違和感のないような動画とされることが望ましい。
(eee−2)また、サブ制御装置262は、第1不許可表示において、特定の表示(V入賞チャレンジ演出や確変昇格チャレンジ演出で成功したことを教示する表示)が導出された場合(又は、その表示の開始から規定時間の経過)に、オン・オフの切替えが行われる(例えば、第1不許可表示の開始時にオンされ、特定の表示の開始でオフされる)要件判別フラグを備えることとしてもよい。
この場合、特定キャラクタ表示の開始時に、当該特定キャラクタ表示と、第1不許可表示との重複の有無を判別する重複判別処理を行い、重複すると判別された場合に、要件判別フラグを確認して、前記特定の表示(要件プログラムに相当する)が完了しているか否かを判別し(当該判別機能が要件判別手段に相当する)、前記特定の表示(による教示)が完了していないと判別される場合には、特定キャラクタ表示の導出タイミングを第1不許可表示と重複しなくなるように変更し、前記特定の表示を完了していると判別される場合に、第1不許可表示を中止する。
以上のように構成することにより、所定時間後の特定キャラクタ表示の導出が先に決定されている状況で、第1不許可表示が前記特定キャラクタ表示と重複するタイミングで開始されることが決定された場合に、第1不許可表示が要件プログラム(例えば、V入賞チャレンジ演出が成功したことを示す表示)を完了していない(V入賞チャレンジ演出が成功したことが教示されていない)、すなわち、重複の度合いが大きい場合には、第1不許可表示、及び、特定キャラクタ表示の全体を確実に視認してもらうべく、特定キャラクタ表示の導出タイミングを第1不許可表示と重複しないように変更することとしている。
その一方で、第1不許可表示が要件プログラムを完了している、すなわち、重複の度合いが小さく、第1不許可表示で視認してもらうべき表示は既に表示している(伝えるべき情報が伝え終わっている)場合には、そこで第1不許可表示を中止し、特定キャラクタ表示に視認態様を切替えるようになっている。このため、第1不許可表示の必要な部分が終わっているにもかかわらず、第1不許可表示の最後の極一部が特定キャラクタ表示と重複したがために、当該特定キャラクタ表示の導出タイミングを変更する必要が生じる(特定キャラクタ表示を導出可能な期間を探して設定し、場合によってはその他の演出表示の導出タイミングを変更する)といった事態を回避することができる。従って、特定キャラクタ表示の導出タイミングを変更する処理を低減させ、処理の簡素化を図りつつ、特定キャラクタ表示及び第1不許可表示を含む一連の演出表示の流れを比較的スムースなものとするといった作用効果がより一層奏される。
(eee−3)さらに、上記(eee−1)の構成において、第2不許可表示の開始に際し、第2不許可表示と、特定キャラクタ表示とが重複すると判別され、かつ、進行判別フラグにより、特定キャラクタ表示が前記特定プログラムまで進行していないと判別される場合には、第2不許可表示の導出タイミングを変更し、特定キャラクタ表示が前記特定プログラムまで進行していると判別される場合に、前記特定キャラクタ表示を中止することとしてもよい。この場合、第2不許可表示の導出タイミングを変更するといった処理を低減させ、処理の簡素化を図りつつ、特定キャラクタ表示及び第2不許可表示を含む一連の演出表示の流れを比較的スムースなものとすることができる。
(eee−4)上記実施形態では、大当たり動画の開始から終了までの時間として定められた15秒の演出表示データを読み出すことで特定キャラクタ動画を導出するように構成されているが、例えば、各大当たり動画用の演出表示データは、大当たり動画の開始から終了までの時間として定められた時間よりも長い一連の演出表示を導出可能なデータであることとしてもよい。
つまり、上記(eee−1)の構成において、特定プログラムを未だ完了していない特定キャラクタ動画に対して第1不許可表示が重複した場合に、特定キャラクタ動画が中止(強制終了)され、第1不許可表示が終了した後、中止された特定キャラクタ動画が導出される。ここで、中止された特定キャラクタ動画をまた最初から導出する場合、特定キャラクタ動画の冒頭部分が繰り返しとなり、興趣の低下を招いてしまうことが懸念される。
この点、定期特定演出表示としての特定キャラクタ動画は、定期演出表示としての大当たり動画の一定の時間の長さよりも長い(例えば、45秒の)一連の演出表示として定期特定演出表示記憶手段としての定期特定演出表示記憶エリアに記憶されている定期特定演出表示データの一部に基づいて導出されることとする。さらに、特定キャラクタ動画が終了した時点の特定キャラクタ動画の進行状況を記憶する進行記憶手段としての進行記憶エリアを設けることとする。そして、進行記憶エリアの記憶情報に基づいて、定期特定演出表示記憶エリアに記憶されている定期特定演出表示データが読み出され、特定キャラクタ動画が開始されるように構成する。
当該構成を採用する場合、各大当たり動画(定期特定演出表示データ)に関しては、大当たり動画の1回分の導出時間で完結するようなものではなく、これにより、どこで途切れ、どこから再開されても、違和感の少ない演出表示となっている。さらに、特定プログラムを未だ完了していない特定キャラクタ動画に対して第1不許可表示が重複した場合に、特定キャラクタ動画が中止(強制終了)され、第1不許可表示が終了した後、特定キャラクタ動画を、中止されたところの続き、或いは、その付近(例えば、少し前など)から導出可能となっている。このため、同一の定期特定演出表示の冒頭部分が繰り返されることで、興趣の低下を招くといった事態を回避することができ、導出タイミングの変更が行われた特定キャラクタ動画を第1不許可表示の終了後の最初の大当たり動画の開始のタイミングで導出しても、興趣の低下を回避することができる。
(fff;サンプル表示)上記実施形態において、特定キャラクタ表示のサンプルを導出可能に構成してもよい。例えば、キャラクタ紹介画面で各キャラクタのサンプル表示を選択し、入力操作を行うことで、特定キャラクタ表示の一部が、通常であれば不許可表示とされるような表示と重複させる格好で導出されるように構成してもよい。
(ggg;特定キャラクタ表示を利用した演出)上記実施形態では、基本的に、第1演出表示としての大当たり状態において特定キャラクタ動画が必ず1回導出されるように構成されているが、例えば、特定キャラクタ動画の設定を行う際に、保留されている変動表示に(特定の)大当たりとなるものが含まれているか否か(所謂、「保留連」当たりするか否か)を判別し、保留連すると判別される場合には、特定キャラクタ動画を導出しない設定を行うか否かの抽選が行われるように構成してもよい。尚、保留連することに対応して特定キャラクタ動画を導出しない場合、保留連チャレンジ演出を導出しない、或いは、導出しても成功しないことが望ましい。さらに、保留連することに対応して特定キャラクタ動画を導出しない構成に加えて、又は、代えて、保留連しない場合に選択されないパターンの特定キャラクタ動画が導出され得るように構成してもよい。加えて、保留連した大当たり状態(保留連特別遊技状態)では、当たりキャラクタに特定キャラクタが設定される、大当たり動画が特定キャラクタ動画のみになる(大当たり動画として単に選択される数が増えるだけでも可)、保留連の大当たり状態ではない場合に選択されないパターン(例えば、視認態様が異なる等)の特定キャラクタ動画が導出される等してもよい。
尚、上記実施形態の保留連チャレンジ演出は、大当たり状態の開始時に設定され、大当たり状態の開始時点で保留されている変動情報の中に大当たりとなるものが含まれていることを示唆・教示するものであったが、保留連チャレンジ演出が導出される時点で保留されている変動情報の中に当たりとなるもの(つまり、大当たり状態開始後に保留された変動表示についても判断の対象に入れる)が含まれていることを示唆・教示するものとしてもよい。
また、「15RS」の大当たり状態において、「保留連」する場合に、キャラクタ紹介画像が、当たりキャラクタに対応していないケースが発生したり、キャラクタ紹介画像(第1ラウンド)の後に、冒頭から視認可能に導出される大当たり動画として、当たりキャラクタに対応する当たりキャラクタ動画が選択されないケースが発生したりするように構成してもよい。さらに、キャラクタ紹介画像で当たりキャラクタが紹介されない場合に、折れ以降の大当たり動画として、当たりキャラクタ動画がいつもよりも多く設定されたり、通常は設定されることのない、或いは、設定される割合の少ない当たりキャラクタ動画が設定されたりするように構成してもよい。加えて、キャラクタ紹介画像(第1ラウンド)の後に、冒頭から視認可能に導出される大当たり動画として、当たりキャラクタ以外のキャラクタの大当たり動画が導出された場合に、それ以降の大当たり動画のいずれかとして(本来は導出されないタイミングで)当たりキャラクタ動画が導出されるように構成してもよい。また、いつもと異なるタイミングで導出される当たりキャラクタ動画は、いつもと視認態様が異なるよう構成してもよい。
尚、当該態様例(ggg)では、いつもと異なる演出(違和感演出)によって教示される内容が「保留連」とされているが、別のこと(例えば、大当たり状態後に確変モードが付与されること等)が教示されるように構成してもよい。また、違和感演出は、大当たり状態のラウンド期間を対象としてではなく、通常モードや時間短縮モードの演出変動表示や確変モードの開始から終了までを対象とし、教示の対象を大当たり状態の発生やリーチ状態の発生としてもよい。つまり、例えば、演出変動表示において少なくとも一回は特定キャラクタ表示が導出されるような特定演出期間が設けられ、当該特定演出期間であるにもかかわらず、大当たりの教示を行う演出変動表示において、特定キャラクタ表示が導出されないといった違和感演出が導出される場合があるように構成してもよい。
また、例えば、大当たり状態や演出変動表示において、特定キャラクタが登場することと、確変モードの付与や、保留連や、大当たり状態の発生等の遊技者にとって有利な状態の発生とが対応付けられるような第1ミッション演出表示を行うこととしてもよい。この場合、特定キャラクタ表示は確実に視認されることが好ましく、上記実施形態のように、特定キャラクタ表示がその他の演出表示と重複しないようにするといった作用効果がより一層奏されることとなる。
さらに、例えば、大当たり状態や演出変動表示において、特定キャラクタ表示が少なくとも1回は導出され、かつ、特定キャラクタ表示の導出されるタイミング、或いは、特定キャラクタ表示の導出される回数と、遊技者にとって有利な状態の発生とが対応付けられるような第2ミッション演出表示を行うこととしてもよい。例えば、時間短縮モードの上限が複数パターン存在する構成において、大当たり状態において特定キャラクタ動画の導出が遅れる程、時間短縮モードの上限が多くなるように設定してもよい。また、例えば、演出変動表示において特定キャラクタ表示の登場回数が多いほど、大当たり期待度が高まるように構成してもよい。さらに、例えば、演出変動表示において、特定キャラクタ表示が後のタイミングに導出されるほど、大当たり期待度が高まるように構成し、演出変動表示の開始後に、演出ボタン125を操作することに起因して、特定キャラクタ表示の導出されるタイミングが示唆されるルーレット演出を行うこととしてもよい。ちなみに、スーパーリーチ演出の前半が示唆される場合よりも、スーパーリーチ演出の後半(決着演出)が選択される方が、大当たり期待度が高く、スーパーリーチよりも後(変動停止)が示唆される場合には、一度失敗したように見せかけた演出が逆転で成功すること、すなわち、大当たり状態の発生が確定していることが教示されるよう構成してもよい。
尚、特定キャラクタ表示が導出されることが、所定の状態の示唆と対応付けられているタイミングは特に限定されるものではなく、例えば、大当たり状態のラウンド期間の一部であったりしてもよい。
(hhh;大当たり動画の設定)上記実施形態では、大当たり状態の開始時において、順番に導出される複数の大当たり動画のパターンをそれぞれ決定しているが、(確変モードの背景動画のように)大当たり状態の時間の長さよりも長尺に構成される大当たり動画を予め用意しておき、大当たり状態の開始時に、当該大当たり動画のどこから開始させるかを決定するように構成してもよい。例えば、キャラクタAの大当たり動画、キャラクタBの大当たり動画、キャラクタCの大当たり動画、キャラクタDの大当たり動画、キャラクタEの大当たり動画、キャラクタFの大当たり動画、キャラクタHの大当たり動画、及び、キャラクタIの大当たり動画が順番に表示され、キャラクタIの大当たり動画の後にキャラクタAの大当たり動画に戻るように構成され、大当たりの開始時に、抽選で、どの大当たり動画から始めるのかを決定することとしてもよい。或いは、前回の大当たりで最後に表示されていた大当たり動画を記憶しておき、今回の大当たり状態では、その大当たり動画から開始されるように構成してもよい。
さらに、かかる構成における大当たり動画の設定として、例えば、8ラウンドの大当たり状態のラウンド期間の時間の長さは、概ね、大当たり動画の3つから5つ分とされる場合、ラウンド期間の開始とともに所定の大当たり動画が開始された場合に、通常では、特定キャラクタ動画が大当たり状態中に導出されないケースがある。
この点、特定キャラクタ動画が、大当たり状態のラウンド期間に確実に収まる1番目、又は、2番目の大当たり動画として設定されるように構成してもよい。つまり、特定キャラクタ動画が1番目、又は、2番目の大当たり動画として設定されているか否かの判別(再設定不要判別処理)を行い、元々、特定キャラクタ動画が1番目、又は、2番目の大当たり動画として設定されている場合は、そのままでよい。その一方で、1番目、又は、2番目の大当たり動画として、特定以外キャラクタ動画キャラクタが設定されている場合、抽選で、特定キャラクタ動画を1番目、及び、2番目のどちらの大当たり動画に設定するかを決定し、強制的に設定する。
例えば、組合せ記憶エリアの他に、強制的に設定する特定キャラクタ動画のパターンを記憶する強制動画記憶エリアを設けるとともに、組合せ記憶エリアの各記憶エリアに強制動画フラグを設け、大当たり開始時に、特定キャラクタ動画を強制的に設定することとされた組合わせ記憶エリアの記憶エリアの強制動画フラグをオン設定し、各大当たりキャラクタ動画の開始時に、対応する組合わせ記憶エリアの記憶エリアの強制動画フラグがオン設定されている場合には、強制設定処理として、先に、強制動画記憶エリアに記憶されている特定キャラクタ動画を導出し(かつ、強制動画フラグをオフし)、その後、強制動画フラグがオフされた記憶エリアの大当たりキャラクタ動画が導出されるように構成してもよい。
この場合、特定キャラクタ動画が、大当たり状態において、ほぼ必ず1回は、最初から最後まで途切れずに導出されることとなる。このため、遊技者が楽しみにしている特定キャラクタ動画の導出の機会を確実に増やすことができる。従って、演出の多様化が図られて、演出のパターンが多数設けられる構成においても、特定キャラクタ動画をより堪能することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
また、特定キャラクタ動画が、元々、1番目、及び、2番目のどちらかの大当たり動画に設定されていれば、1番目、及び、2番目のどちらかの大当たり動画に特定キャラクタ動画を設定する処理(強制設定処理)を行わないように構成されている。このため、処理の簡素化等を図ることができる。さらに、極力、本来のラウンド期間の演出表示(大当たり動画)の流れを維持することができる。
また、特定キャラクタ動画に差替えられた大当たり動画は、その後ろの順番にずらされることとなる。このため、極力、本来のラウンド期間の演出表示(大当たり動画)の流れを維持することができる。また、遊技者が特定キャラクタ表示としての設定はできなかったものの、その次に好きな演出(キャラクタ)が特定キャラクタ動画に差替えられることで省略されてしまうような場合に興趣の低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。
尚、特定キャラクタ動画に差替えられた大当たり動画は、特定キャラクタ動画に上書きされる格好で導出が見送られるようにしてもよい。また、特定キャラクタ動画が、ラウンド期間にほぼ必ず収まる順番以外の順番ではあるが、導出される可能性の高い順番に設定されている場合、そのままにしてもよいし、当該特定キャラクタ表示を省略(スキップ)してもよい。また、例えば、特定キャラクタを選択しないという選択が可能な構成においては、大当たり動画の設定(パターン決定処理)後に、特定キャラクタの設定が行われているか否かを判別し(強制判別処理を行い)、設定されていると判別される場合に、上記のように特定キャラクタ動画の全体が必ず大当たりラウンド期間内に収まるように導出される設定(強制設定処理など)が行われ、否定判別される場合に、かかる処理がスキップされるように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、当たりキャラクタ動画、及び、特定キャラクタ動画の設定の後に、その他の大当たり動画の設定が行われるよう構成されているが、大当たり動画の設定の後に、特定キャラクタ動画の設定が行われるように構成してもよい。また、上記(hhh)の保留連に際しての構成を採用する場合等において、大当たり状態において、あえて特定キャラクタ動画を導出しないように構成してもよい。つまり、例えば、保留連があると判別される場合に、大当たり状態において特定キャラクタ動画が導出される順番になった場合に、特定キャラクタ動画を導出せず、その次の大当たり動画を導出する、或いは、特定キャラクタ動画に差替える大当たり動画をランダムに設定するように構成してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、変動表示や特別遊技状態の進行とともに様々な演出が導出されるように構成されており、特定の演出を見ることを楽しみに遊技ホールに足を運ぶ遊技者も少なくない。
ところで、一般には、演出の種類を増やしたり、演出の組合わせを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、遊技者の楽しみにしている特定の演出や、遊技機の目玉としているような演出が、他の演出等によって阻害される等した場合には、興趣の低下を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に視認させるべき演出を確実に視認してもらうことのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、
前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段と、
予め定められた前記特定演出表示の導出を禁止する特定表示禁止条件に基づいて、前記特定表示禁止条件に当て嵌まる特定表示禁止期間を特定可能な禁止期間特定手段とを備え、
前記特定演出表示がいずれかのタイミングで導出される特定含有表示の設定に関し、前記特定含有表示における前記特定表示禁止期間を特定し、前記特定含有表示における前記特定表示禁止期間に該当しない期間のいずれかのタイミングで前記特定演出表示を導出させる設定が行われることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、特定演出表示が特定表示禁止期間に導出されることを回避することができる。つまり、例えば、特定演出表示が遊技者に視認してもらいたい演出表示である場合に、特定演出表示が、その他の演出(演出表示の重複、可動役物の演出表示手段前方への突出等)によって阻害され、特定演出表示の真価が発揮されない、或いは、十分に堪能してもらえない(例えば、プロモーションビデオなどで見ていたものと異なり、期待していたものと違う)等の不具合を回避することができる。また、例えば、特定演出表示が遊技者の視認意欲の高い演出表示である場合に、特定演出表示がその他の表示によって阻害され、遊技者がストレスを溜めるといった事態を回避することができる。結果として、遊技者に視認させることが好ましい特定演出表示を確実に視認させることができ、特定演出表示を有効に活かす遊技を展開することができる。
さらに、特定含有表示の開始に際し、特定表示禁止期間に該当しない期間(特定演出表示の導出が許可されるタイミング)を特定して、当該期間において特定演出表示が行われるよう設定される。このため、例えば、特定演出表示が開始される段階で、特定演出表示と、特定表示禁止期間との重複を回避するべく、特定演出表示の導出タイミング等を変更するといった事態の発生を抑制することができる。従って、特定含有表示のスムースな進行を図ることができる。さらに、特定演出表示を通しで(中断なく)視認させることができる。
尚、「特定演出表示」は、遊技機の機種毎に予め設定されていてもよいし(例えば、遊技機のモチーフにされている画像オブジェクトが導出される演出表示や、プロモーションビデオ等でも紹介されるようなお勧めの演出表示等)、遊技者によって特定可能としてもよいし、遊技者の遊技履歴(これまでの遊技情報)によって特定されるように構成してもよいし、遊技機側でランダムに、或いは、日時と対応付けて特定されるように構成してもよい。
手段A−2.遊技者による遊技機への入力に応じて、前記演出表示手段における所定の演出表示を前記特定演出表示として特定可能に構成されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、演出表示手段における演出表示を遊技者の好みに近付けることができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
手段A−3.複数の演出表示を繋げて構成される複合演出により前記特定含有表示が構成され、
前記複合演出の前記各演出表示に対応して前記特定表示禁止期間を設定可能に構成されていることを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、特定表示禁止期間を特定し易くすることができる上、特定表示禁止期間を避けて特定演出表示の導出タイミングを設定し易くなる。
手段A−4.前記演出表示手段における表示として、前記特定演出表示との重複が許可される許可表示と、前記特定演出表示との重複が禁止される不許可表示とがあり、
前記特定表示禁止期間は、前記不許可表示の導出期間であることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4によれば、特定演出表示と、不許可表示との重複を防止することができる。従って、特定演出表示と、不許可表示とが重複することで、特定演出表示、及び、不許可表示の視認性が低下してしまうといった事態を防止することができる。
手段A−5.前記不許可表示には、第1不許可表示と、第2不許可表示とがあり、
前記重複判別処理において、前記特定演出表示と前記第1不許可表示との重複が確認された場合に、前記特定演出表示の導出タイミングを変更して前記重複を回避し、
前記重複判別処理において、前記特定演出表示と前記第2不許可表示との重複が確認された場合に、前記第2不許可表示の導出タイミングを変更して前記重複を回避することを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−5によれば、その他の遊技機の挙動(可動部材の動作のタイミング等)と同期して行われるようなタイミングをずらせない表示、又は、タイミングをずらせる範囲の少ない表示は、第1不許可表示として設定することにより、当該第1不許可表示の導出タイミングが変更されるといった事態を回避しつつ、特定演出表示との重複を回避することができる。その一方で、導出のタイミングにある程度の融通を持たせることのできる表示は、第2不許可表示として設定することにより、特定演出表示を第2不許可表示よりも優先させ、特定演出表示が導出される期間をより確実に確保することができる。
尚、「前記第1不許可表示は、遊技の進行に関する情報を有し、リアルタイムで教示する必要のある報知表示であること」としてもよい。この場合、報知表示の導出タイミングが遅れることで、報知表示から得られる情報が古くなり、価値が薄れてしまう、意味がなくなってしまう、又は、矛盾してしまうといった事態を回避することができる。
手段A−6.前記第1不許可表示は、前記特定含有表示の設定に際して、前記特定演出表示よりも先に導出のタイミングが決定され、その導出期間が前記特定表示禁止期間とされ、
前記第2不許可表示は、前記特定含有表示の設定に際して、前記特定演出表示よりも後に導出のタイミングが決定され、当該導出のタイミングは、前記特定含有表示において前記特定演出表示が表示される期間に該当しない期間のいずれかのタイミングとされることを特徴とする手段A−5に記載の遊技機。
手段A−6によれば、特定演出表示は、特定演出表示よりも先に導出のタイミングが決定される第1不許可表示を避けたタイミングに設定される(第1不許可表示は、特定演出表示よりも優先度が高く設定されている)。その一方で、導出のタイミングにある程度の融通を持たせることのできる第2不許可表示に関しては、特定演出表示の導出タイミングの決定後に、特定演出表示の導出タイミングと重複しないように、導出のタイミングが決定される(第2不許可表示は、特定演出表示よりも優先度が低く設定されている)。従って、特定含有表示において、特定演出表示を第2不許可表示よりも優先させる(導出のタイミングを変更しない)ことで、特定演出表示が導出される期間をより確実に確保することができる。さらに、特定演出表示が導出されるタイミングをある程度絞ることができ、当該導出タイミングを把握し、特定演出表示を楽しみにしている遊技者は、特定演出表示に十分に備えること(冒頭から見逃さない、撮影の準備をする等)ができる。
手段A−7.所定期間に遊技者に払出された遊技価値の総数を計数する期間払出総数計数手段を備え、
前記期間払出総数計数手段にて計数されている遊技価値の数が規定数に達したことを教示する特定払出数表示が導出可能に構成され、
前記特定払出数表示の導出期間が前記特定表示禁止期間として構成され、
前記期間払出総数計数手段により遊技価値の数が計数される前記所定期間において、前記期間払出総数計数手段にて計数されている遊技価値の数が規定数に達する可能性の高いタイミングを算出する特定払出数表示タイミング算出手段を備え、
前記特定含有表示の開始に際して、前記特定払出数表示タイミング算出手段により前記特定含有演出表示において前記特定払出数表示が導出される可能性の高いタイミングが予測され、当該タイミングと重複しない期間のいずれかのタイミングで前記特定演出表示を導出させる設定が行われることを特徴とする手段A−1乃A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−7によれば、特定払出数表示タイミング算出手段により、期間払出総数計数手段にて計数されている遊技価値の数が規定数に達する可能性の高いタイミングを算出することができる。従って、特定払出数表示が導出されるタイミングの予測に応じて、特定演出表示の導出タイミングを重複の可能性がほぼなくなるようにする等といった対応を柔軟にとることができる。
手段A−8.前記特定演出表示の開始に際し、当該特定演出表示が、前記特定表示禁止期間の少なくとも一部と重複するか否かの重複判別処理が行われ、
前記重複判別処理により前記特定演出表示と、前記特定表示禁止期間とが重複すると判別される場合に、前記特定演出表示、及び、前記特定表示禁止期間のうち一方の導出タイミングが変更されることを特徴とする手段A−1乃至手段A−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、特定含有表示が開始された後、すなわち、特定演出表示の導出タイミングの変更が行われた後に、特定演出表示、及び、特定表示禁止期間のうち少なくとも一方の予定が変わることで、特定演出表示と、特定表示禁止期間とが重複してしまうことを、特定演出表示の開始時に把握することができる。従って、特定演出表示と、特定表示禁止期間とが重複しそうな場合には、特定演出表示、及び、特定表示禁止期間のうち一方の導出タイミングを(特定演出表示の開始直前で)変更ことができ、特定演出表示と、特定表示禁止期間との重複をより確実に防止することができる。
手段A−9.前記特定表示禁止期間の開始に際し、当該特定表示禁止期間が、前記特定演出表示の少なくとも一部と重複するか否かの重複判別処理が行われ、
前記重複判別処理により前記特定演出表示と、前記特定表示禁止期間とが重複すると判別される場合に、前記特定演出表示、及び、前記特定表示禁止期間のうち一方の導出タイミングが変更されることを特徴とする手段A−1乃至手段A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、特定含有表示が開始された後、すなわち、特定演出表示の導出タイミングの変更が行われた後に、特定演出表示、及び、特定表示禁止期間のうち少なくとも一方の予定が変わることで、特定演出表示と、特定表示禁止期間とが重複してしまうことを、特定表示禁止期間の開始時に把握することができる。従って、特定演出表示と、特定表示禁止期間とが重複しそうな場合には、特定演出表示、及び、特定表示禁止期間のうち一方の導出タイミングを(特定表示禁止期間の開始直前で)変更ことができ、特定演出表示と、特定表示禁止期間との重複をより確実に防止することができる。
手段A−10.前記特定含有表示における前記特定表示禁止期間と、前記特定表示禁止期間以外の期間とを特定可能とする期間特定手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−9のいずれかに記載の遊技機。
手段A−10によれば、特定演出表示と、特定表示禁止期間とが重複するか否かの判別を比較的容易なものとし、さらに、特定演出表示と、特定表示禁止期間とが重複すると判別された場合に、特定演出表示及び特定表示禁止期間のうち一方の導出タイミングを前記重複が回避されるように変更する場合の処理の簡素化を図ることができる。
手段A−11.前記特定含有表示において導出され得る演出表示のうち、今回の前記特定含有表示において前記特定演出表示とされ得る演出表示を特定可能とする特定演出表示特定手段を備え、
前記特定含有表示において前記特定演出表示以外の演出表示の設定を行う場合に、前記特定演出表示特定手段を参照することを特徴とする手段A−1乃至A−10のいずれかに記載の遊技機。
手段A−11によれば、特定演出表示が、特定演出表示以外の演出表示として処理され、特定表示禁止期間と重複してしまうといった事態を回避することができる。
手段A−12.期間内に導出される演出表示の1つとして前記特定演出表示が選択され得るとともに、前記特定演出表示が導出されることと、遊技者にとって有利な状態の発生とが対応付けられているミッション演出表示が設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−11のいずれかに記載の遊技機。
手段A−12の構成を採用する場合、特定演出表示は確実に視認されることが好ましく、特定演出表示がその他の演出表示と重複しないようにするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、変動表示や特別遊技状態の進行とともに様々な演出が導出されるように構成されており、特定の演出を見ることを楽しみに遊技ホールに足を運ぶ遊技者も少なくない。
ところで、一般には、演出の種類を増やしたり、演出の組合わせを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、遊技者の楽しみにしている特定の演出や、遊技機の目玉としているような演出が、他の演出等によって阻害される等した場合には、興趣の低下を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に視認させるべき演出を確実に視認してもらうことのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記演出表示手段における表示として、前記特定演出表示との重複が許可される許可表示と、前記特定演出表示との重複が禁止される不許可表示とがあり、
前記特定演出表示がいずれかのタイミングで導出される特定含有表示において、前記特定演出表示が開始される場合に、当該特定演出表示と、前記不許可表示との少なくとも一部が重複するか否かの重複判別処理が行われ、
前記重複判別処理により前記特定演出表示と、前記不許可表示とが重複すると判別される場合に、前記特定演出表示、及び、前記不許可表示のうち一方の導出タイミングが変更されることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、特定含有表示における特定演出表示の開始時に、当該特定演出表示が不許可表示と重複するか否かの判別が行われるため、不許可表示が導出されている最中であって、特定演出表示が新たに開始されることで重複してしまうこと、又は、特定演出表示が開始されてから所定時間後に開始される不許可演出と重複してしまうことを把握可能となる。従って、特定演出表示と、不許可表示との重複をより確実に把握することができ、特定キャラクタ、及び、不許可表示のうち少なくとも一方の導出のタイミングを変更する、不許可表示を許可表示に変更する、或いは、不許可表示を中止する等して、特定演出表示と、不許可表示との重複をより確実に回避させることが可能となる。結果として、遊技者に視認させることが好ましい特定演出表示を確実に視認させることができ、特定演出表示を有効に活かす遊技を展開することができる。
特に、特定含有演出の進行に伴い、特定演出表示の導出タイミングと、不許可表示の導出タイミングとの間でずれが生じた場合であっても、特定演出表示の開始のタイミングで、当該特定演出表示が、不許可表示と重複するか否かを確実に把握することができ、把握さえすることができれば、上記のように重複が回避されるような対応等を十分にとることができる。
手段B−2.前記特定含有表示において、前記不許可表示が開始される場合に、当該不許可表示と、前記特定演出表示との少なくとも一部が重複するか否かの重複判別処理が行われることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、特定含有表示における不許可表示の開始時に、当該不許可表示が特定演出表示と重複するか否かの判別が行われるため、特定演出表示が導出されている最中であって、不許可表示が新たに開始されることで重複してしまうこと、又は、不許可表示が開始されてから所定時間後に開始される特定演出表示と重複してしまうことを把握可能となる。従って、特定演出表示と、不許可表示との重複をより確実に把握することができ、特定キャラクタ、及び、不許可表示のうち少なくとも一方の導出のタイミングを変更する、不許可表示を許可表示に変更する、或いは、不許可表示を中止する等して、特定演出表示と、不許可表示との重複をより確実に回避させることが可能となる。
特に、特定含有演出の進行に伴い、特定演出表示の導出タイミングと、不許可表示の導出タイミングとの間でずれが生じた場合であっても、不許可表示の開始のタイミングで、当該不許可表示が、特定演出表示と重複するか否かを確実に把握することができ、把握さえすることができれば、上記のように重複が回避されるような対応等を十分にとることができる。
手段B−3.前記不許可表示には、第1不許可表示と、第2不許可表示とがあり、
前記重複判別処理において、前記特定演出表示と前記第1不許可表示との重複が確認された場合に、前記特定演出表示の導出タイミングを変更して前記重複を回避し、
前記重複判別処理において、前記特定演出表示と前記第2不許可表示との重複が確認された場合に、前記第2不許可表示の導出タイミングを変更して前記重複を回避することを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、その他の遊技機の挙動(可動部材の動作のタイミング等)と同期して行われるようなタイミングをずらせない表示、又は、タイミングをずらせる範囲の少ない表示は、第1不許可表示として設定することにより、当該第1不許可表示の導出タイミングが変更されるといった事態を回避しつつ、特定演出表示との重複を回避することができる。その一方で、導出のタイミングにある程度の融通を持たせることのできる表示は、第2不許可表示として設定することにより、特定演出表示を第2不許可表示よりも優先させ、特定演出表示が導出される期間をより確実に確保することができる。
尚、不許可表示と、特定演出表示とがそれぞれ決まったタイミングで導出されるとしても、開始及び終了の契機(更新の条件)が異なる場合には、不許可表示の導出タイミングと、特定演出表示の導出タイミングとにずれが生じる。例えば、特定演出表示が、一定の時間の経過で更新される演出表示であるのに対し、不許可表示が、一定の時間の経過、又は、所定条件の成立で更新される演出表示である場合には、前記所定条件が成立するまでの時間が一定ではないため、当初は、特定演出表示と、不許可表示とが重複しないように設定されていたが、重複するようにタイミングがずれてしまうといった事態が発生する場合がある。
手段B−4.前記重複判別処理において、前記特定演出表示と前記第1不許可表示との重複が確認された場合、前記特定演出表示の導出タイミングが変更されるとともに、当該特定演出表示が導出される筈であった期間に、当該特定演出表示と同じ時間尺の別の演出表示が設定されることを特徴とする手段B−3に記載の遊技機。
手段B−4によれば、特定演出表示と第1不許可表示とが重複した表示演出が導出される筈であったものから単に特定演出表示を省略した態様としてしまうことで、演出表示に違和感が生じてしまうといった事態を回避することができる。また、特定演出表示の導出タイミングが変更されたことを遊技者に悟られ難くすることができ、特定演出表示が不許可表示と重複しない表示態様を純粋に堪能してもらうことができる。
手段B−5.複数の演出表示を繋げて構成される複合演出により前記特定含有表示が構成され、
前記複合演出の前記各演出表示に対応して前記特定演出表示を設定可能に構成され、
前記重複判別処理において、前記特定演出表示と、前記第1不許可表示とが重複すると判別される場合には、前記特定演出表示を1つ後の前記演出表示のタイミングに変更することを特徴とする手段B−3又はB−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、不許可表示の期間を特定し易くすることができる上、特定演出表示の導出タイミングを設定し易くすることができる。また、例えば、特定演出表示の開始時や、第1不許可表示の開始時において、特定演出表示と第1不許可表示との重複が判明した場合には、特定演出表示をそれ以降のタイミングに変更する必要があるが、変更後のタイミングを後にし過ぎてしまうと、もう一度、変更の必要が生じた場合等において、特定含有表示の期間内に特定演出表示を導出させることが不可能になってしまうことが懸念される。この点、手段B−5によれば、特定演出表示の導出タイミングに変更の必要が生じた場合、特定演出表示の導出タイミングを、当初の導出タイミングの直ぐ後に設定することにより、上記懸念を抑制することができる。
手段B−6.前記重複判別処理において、前記特定演出表示と、前記第1不許可表示とが重複すると判別される場合に、前記特定含有演出の期間内において、前記特定演出表示の導出タイミングを変更して導出させる期間を確保することができない場合には、前記特定演出表示が中止され、前記特定演出表示が導出される筈であった期間において、前記特定演出表示とは別の演出表示が導出されるとともに、前記中止された特定演出表示に関連する特定演出が導出されることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、特定演出表示の導出タイミングを変更する時間的余地がない場合であっても、特定演出表示に関連する特定演出が視認されるようにすることができる。従って、特定演出表示特定演出表示と、第1不許可表示とが重複することで、特定演出表示が導出されなくなってしまい、特定演出表示を楽しみにしていた遊技者の興趣の低下を招いてしまうといった事態を抑制することができる。
手段B−7.前記中止された特定演出表示に関連する特定演出として、前記第1不許可表示の視認態様が、前記中止された特定演出表示に関連する視認態様に変更されることを特徴とする手段B−6に記載の遊技機。
手段B−7によれば、特定演出表示が第1不許可表示と重複することで視認することができなくなっても、第1不許可表示が特定演出表示に関連する視認態様(例えば、中止された特定演出表示のそのものではないが、特定演出表示として扱われ得る視認態様)とされることから、特定演出表示を楽しみにしていた遊技者の興趣の低下を招いてしまうといった事態を抑制することができる。また、第1不許可表示の視認態様を、レア演出表示として楽しんでもらうことができる。
手段B−8.前記特定演出表示と、前記許可表示とが重複する場合には、前記許可表示のうち前記特定演出表示と重複する期間の視認態様が、前記特定演出表示と重複せずに導出される場合の視認態様とは異なる特定態様に変更されることを特徴とする手段B−1乃至B−7のいずれかに記載の遊技機。
手段B−8によれば、特定演出表示をより見易くする、特定演出表示をより強調する等の特定演出表示の演出効果をより高める等することができる。
手段B−9.前記特定含有表示の設定に関し、前記特定含有表示において前記不許可表示が導出される期間を特定し、前記特定演出表示を前記不許可表示が導出されない期間のいずれかのタイミングで導出させる設定が行われることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、特定含有表示の開始に際し、不許可表示が導出されない期間(特定演出表示の導出が許可されるタイミング)を特定して、その期間に特定演出表示が導出されるよう設定されることから、例えば、特定演出表示が開始される段階や、不許可表示が開始される段階で、特定演出表示と、特定表示禁止期間との重複を回避するべく、特定演出表示の導出タイミング等を変更するといった事態の発生を抑制することができる。従って、特定含有表示のスムースな進行を図ることができる。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。また、変動表示や特別遊技状態の進行とともに様々な演出が導出されるように構成されている。
ところで、変動表示や特別遊技状態の進行とともに導出される演出は、単発的であり、派手にしたところで、印象が薄くなりがちである。特に、近年では、遊技機の演出が軒並み派手になっており、個別に遊技の印象を残せるようにすることが求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、より印象的な演出を導出することのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技を実行可能な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備え、
前記演出表示手段では、前記特別表示手段の識別情報の変動表示に対応して演出変動表示が行われるとともに、前記特別遊技状態に対応して特別遊技状態中演出表示が行われる遊技機において、
前記特別遊技状態の発生を教示した前記特別表示手段の変動表示に対応して行われた前記演出表示手段の演出変動表示で導出された所定の演出表示に関連する特別教示関連表示が、前記特別遊技状態中演出表示のうち、前記特別遊技状態の開始を告知するタイミング、及び、前記特別遊技の開始のタイミングのうち少なくとも一方で導出されることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、特別遊技状態の発生の教示から、特別遊技状態の冒頭にかけて、互いに関連する演出表示を繋げることができ、特別遊技状態の発生が教示されたときの高揚感を特別遊技状態にスムースに繋げることができる。従って、特別遊技状態が当選し、特別遊技状態が開始されるといった遊技者にとって非常に喜ばしい状況において、より印象深い演出を導出することができ、演出効果の向上を図ることができる。さらに、特別遊技状態の冒頭で特別教示関連表示を視認することにより、演出変動表示においてどのようにして特別遊技状態の発生が教示されたかの回想に誘うことができ、演出変動表示、及び、特別遊技状態中演出表示の演出効果を相乗的に高めることができる。
また、特別遊技状態の発生の教示が行われた演出変動表示の所定の演出表示に関連する表示態様が、演出変動表示から特別遊技状態の冒頭にかけて導出されるのであるが、途中で、遊技の状態が、通常の遊技を行う通常遊技状態から、特別遊技状態に切り替わっており、例えば、同一の遊技状態において、単に長い演出表示を導出するだけといった構成に比べ、演出表示が単調になることを回避しつつ、演出表示に対する印象を強めることができる。
尚、パチンコ機において、「前記特別遊技状態の開始を告知するタイミング」は「オープニング演出の期間」に相当し、「前記特別遊技の開始のタイミング」は「ラウンド期間(第1ラウンド)の開始時」に相当する。
手段C−2.前記特別教示関連表示には、前記特別遊技の開始のタイミングで行われる第1特別教示関連表示と、前記第1特別教示関連表示の後に行われる第2特別教示関連表示とがあり、
前記特別遊技状態中演出表示には、開始から終了までの長さが一定の定期演出表示を繋げて、前記特別遊技が行われている期間の開始から終了にかけて行われる第1演出表示と、前記特別遊技が行われている期間の一時期において行われ、開始から終了までの長さが可変である第2演出表示とがあり、
前記第1特別教示関連表示は、前記第2演出表示であり、
前記第2特別教示関連表示は、前記定期演出表示であり、
前記第2特別教示関連表示の開始時において、前記第2特別教示関連表示と、前記第1特別教示関連表示とが重複するか否かの判別が行われ、前記判別において重複しないと判別された場合に、前記第2特別教示関連表示が開始され、前記判別において重複すると判別された場合に、前記第2特別教示関連表示の開始が延期されるとともに、前記第2特別教示関連表示の代わりに別の前記定期演出表示が開始されることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、第1特別教示関連表示の後、第2特別教示関連表示が行われる。従って、特別教示関連表示をより一層印象深いものとすることができる。また、第1特別教示関連表示と、第2特別教示関連表示との重複が回避される。つまり、第2特別教示関連表示を第1特別教示関連表示と重複させて導出してしまい、例えば、第2特別教示関連表示の前半部分が視認不可能であったにもかかわらず、第2特別教示関連表示が導出されたものとして扱われてしまうといった事態を回避することができる。従って、第1特別教示関連表示、及び、第2特別教示関連表示を、それぞれより一層堪能してもらうことができる。さらに、第1特別教示関連表示の後、第2特別教示関連表示が開始されるまでの間隔が、特定演出表示の1回分の長さ以上となることがないため、第1特別教示関連表示と、第2特別教示関連表示との間の間隔が開き過ぎて、関連性が弱くなってしまうといった事態を抑制することができる。加えて、第2特別教示関連表示が、第1演出表示の定期演出表示であり、第2特別教示関連表示の期間を特定し易くすることができ、第1特別教示関連表示との重複を判別し易くすることができる。
手段C−3.前記サブ制御手段は、遊技者による遊技機への入力に応じて、前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記特別遊技状態中演出表示において、前記特定演出表示と、前記特別教示関連表示とが重複しないように設定されることを特徴とする手段C−1又はC−2に記載の遊技機。
手段C−3によれば、特別教示関連表示と、特定演出表示との重複を回避することができ、特別教示関連表示、及び、特定演出表示が互いに視認態様を阻害し合ってしまう、或いは、一方が他方により視認不可能(中止)となってしまうといった事態を回避することができる。従って、遊技者が選んだ特定演出表示、及び、特別教示関連表示のそれぞれをより一層堪能してもらうことができる。
また、上記手段C−1のように、特別教示関連表示の対象となる演出表示が、演出変動表示から特別遊技状態の冒頭にかけて導出されるため、特別教示関連表示とされた演出表示に対し意識付けがなされる(注目される)。従って、当該特別遊技状態において、特別教示関連表示が何らかの要因で途切れたり、視認が阻害されたりすると、気分を害してしまうことが懸念される。この点、本手段では、特別教示関連表示と、特定演出表示との重複が回避されることから、かかる懸念を抑止することができ、特別遊技状態における特別遊技状態中演出表示をより快く堪能することができる。
手段C−4.前記特別遊技状態中演出表示の設定に際して、前記特定演出表示と、前記特別教示関連表示とが重複する場合には、前記特定演出表示の導出タイミングが変更されることを特徴とする手段C−3に記載の遊技機。
手段C−4によれば、特別教示関連表示の開始のタイミングを保持することができる。従って、特別教示関連表示の開始タイミングが変更されることに起因して、特別教示関連表示の開始のタイミングと、特別遊技状態(特別遊技)の開始のタイミングとの間隔が大きく開いてしまい、特別遊技状態が教示された演出変動表示で導出された所定の演出表示との関連性が薄れてしまうといった事態を抑止することができる。
手段C−5.前記特別遊技状態中演出表示において導出される前記特定演出表示の回数が定められている構成であって、
前記特別遊技状態中演出表示の設定に際して、前記特別教示関連表示として、今回の前記特別遊技状態中演出表示において前記特定演出表示として選択され得る演出表示が設定された場合には、当該特別教示関連表示を、前記特定演出表示の回数に含めて、前記特定演出表示の設定が行われることを特徴とする手段C−3又はC−4に記載の遊技機。
手段C−5によれば、特別遊技状態中演出表示の特定演出表示の導出回数をある程度制限することにより、特別遊技状態中演出表示における特定演出表示を導出させることによる楽しみを所定の水準に保つことができる。例えば、特別遊技状態中に特定演出表示が少なくとも1回は導出されるようにすることで、特定演出表示を楽しみにしている遊技者が特別遊技状態の発生をより楽しみにすることができる上、特定演出表示の導出回数のばらつきが大きくなったり、毎回、特定演出表示が導出され過ぎてしまうことで特定演出表示を飽きられてしまったりすることを抑制することができる。さらに、特定演出表示の導出の回数等によって、遊技者にとって有利な状態が付与される可能性等の示唆等を行うこともできる。また、特定教示関連表示の枠で特定演出表示が導出された場合にも、特定演出表示が行われたとしてカウントされるため、特別演出表示の導出回数の制御を確実に行うことができる。
手段C−6.前記演出表示手段における表示として、前記特定演出表示との重複が許可される許可表示と、前記特定演出表示との重複が禁止される不許可表示とがあり、
前記特別教示関連表示と、前記不許可表示との少なくとも一部が重複する場合であっても、前記特別教示関連表示、及び、前記不許可表示がそのまま導出されることを特徴とする手段C−3乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、特別教示関連表示や不許可表示の導出タイミングの変更に伴って、特別遊技状態中演出表示において特定演出表示を導出可能な期間を狭めてしまうといった事態を抑制することができる。尚、上記手段C−2の第2特別教示関連表示が、上記手段C−5のように、特定演出表示である場合には、不許可表示との重複が回避されるように、第2特別教示関連表示、及び、不許可表示のうち少なくとも一方の導出タイミングを変更することとしてもよい。
手段C−7.前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記識別情報の変動表示が実行されるよりも前の段階において、前記所定の当否関連情報が前記特別遊技状態に対応するものであるか否かを判別する先読み処理が行われる構成であって、
前記特別遊技状態において前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報が前記特別遊技状態に対応するものである場合に、前記特別教示関連表示の導出を禁止する設定を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
手段C−7によれば、導出されているものと思われていた特別教示関連表示が導出されなかったことで、逆に嬉しいという感情を付与することができる。つまり、特別教示関連表示が導出されてもされなくても嬉しいといった面白い状況をつくることができ、興趣の向上を図ることができる。尚、「前記特別教示関連表示の導出を禁止する設定が行われた場合には、前記特別遊技状態において前記特別教示関連表示が本来設定されるタイミングよりも後のタイミングで前記特別教示関連表示が(態様を変えて)導出されるように構成されること」としてもよい。
D.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、一般には、演出の種類を増やしたり、演出の組合わせを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、遊技者の楽しみにしている特定の演出や、遊技機の目玉としているような演出が、他の演出等によって阻害される等した場合には、興趣の低下を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に視認させるべき演出を確実に視認してもらうことのできる遊技機を提供することにある。
手段D−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記演出表示手段における表示として、前記特定演出表示との重複が許可される許可表示と、前記特定演出表示との重複が禁止される不許可表示とがあり、
少なくとも前記不許可表示が開始される場合に、前記不許可表示と、前記特定演出表示との少なくとも一部が重複するか否かの重複判別処理が行われ、
前記不許可表示には、第1不許可表示と、第2不許可表示とがあり、
前記重複判別処理において、前記第1不許可表示と前記特定演出表示との重複が確認された場合に、前記特定演出表示の導出タイミングを変更して前記重複を回避し、
前記重複判別処理において、前記第2不許可表示と前記特定演出表示との重複が確認された場合に、前記第2不許可表示の導出タイミングを変更して前記重複を回避する構成であって、
前記第1不許可表示の開始に際し、前記特定演出表示の導出中であって、前記重複判別処理により前記不許可表示と、前記特定演出表示とが重複すると判別される場合に、前記特定演出表示が特定プログラムを完了しているか否かを判別する進行判別手段を備え、
前記進行判別手段により、前記特定演出表示が前記特定プログラムを完了していると判別される場合には、前記特定演出表示を中止する設定が行われ、前記特定演出表示が前記特定プログラムを完了していないと判別される場合には、前記特定演出表示を中止するとともに、当該特定演出表示を再度導出する設定が行われることを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、特定演出表示との重複が不許可とされる不許可表示と、特定演出表示とが重複するタイミングで導出されそうな場合、特定演出表示、及び、不許可表示のうち少なくとも一方の導出タイミングが変更されることで、特定演出表示と、不許可表示との重複が回避されるようになっている。このため、特定演出表示と、不許可表示とが重複することに起因して、特定演出表示、及び、不許可表示のうち一方が省略される、又は、一方、或いは、両方が認識し難くなる(特定演出表示、及び、不許可表示が入り交じって各表示が分かり難くなる)等といった事態を回避することができる。
また、手段D−1によれば、特定演出表示との重複が禁止され、かつ、導出タイミングも変更されない第1不許可表示の開始に際し、特定演出表示の導出中であると判別された場合には、特定演出表示側の導出タイミングの調節を行って、重複を回避する必要がある。そこで、本手段D−1によれば、特定演出表示が特定プログラムを完了していない場合、すなわち、重複の度合いが大きく、特定演出表示の主要部分が未だ終わっていないような場合には、当該特定キャラクタ表示を一旦は終了するが、当該特定演出表示を再度改めて視認してもらうべく、同一の特定演出表示を再度設定することとしている。
その一方で、特定演出表示が特定プログラムを完了している場合、すなわち、重複の度合いが小さく、特定演出表示の主要部分が既に終わっているような場合には、そこで特定演出表示を中止し、第1不許可表示に視認態様を切替えるようになっている。このため、特定演出表示の大部分が終わっているにもかかわらず、特定演出表示の最後の極一部が第1不許可表示と重複したがために、当該特定演出表示がもう一度導出される(例えば、第1不許可表示を挟んで、同一の特定演出表示が導出される)といった事態を回避することができる。従って、基本的には、特定演出表示、及び、第1不許可表示を最初から最後まで通しで視認させるといった概念を踏まえつつ、内容などに影響の出ない範囲で特定演出表示の最後の部分をカット可能にすることで、特定演出表示の導出タイミングを変更する処理を低減させ、処理の簡素化を図りつつ、特定演出表示及び第1不許可表示を含む一連の演出表示の流れを比較的スムースなものとし、かつ、同一の特定演出表示が繰り返されることに起因する興趣の低下を防止することができる。
手段D−2.前記特定演出表示の開始に際し、前記第1不許可表示と、前記特定演出表示とが重複すると判別される場合に、前記第1不許可表示が要件プログラムを完了しているか否かを判別する完了判別手段を備え、
前記完了判別手段により、前記第1不許可表示が前記要件プログラムを完了していないと判別される場合に、前記特定演出表示の導出タイミングを変更し、前記第1不許可表示が前記要件プログラムを完了していると判別される場合に、前記第1不許可表示を中止することを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−2によれば、所定時間後の特定演出表示の導出が先に決定されている状況で、第1不許可表示が前記特定演出表示と重複するタイミングで開始されることが決定された場合に、第1不許可表示が要件プログラムを完了していない場合、すなわち、重複の度合いが大きい場合には、第1不許可表示、及び、特定演出表示の全体を確実に視認してもらうべく、特定演出表示の導出タイミングを第1不許可表示と重複しないように変更することとしている。
その一方で、第1不許可表示が要件プログラムを完了している場合、すなわち、重複の度合いが小さく、第1不許可表示で視認してもらうべき表示は既に表示している(伝えるべき情報が伝え終わっている)場合には、そこで第1不許可表示を中止し、特定演出表示に視認態様を切替えるようになっている。このため、第1不許可表示の必要な部分が終わっているにもかかわらず、第1不許可表示の最後の極一部が特定演出表示と重複したがために、当該特定演出表示の導出タイミングを変更する必要が生じる(特定演出表示を導出可能な期間を探して設定し、場合によってはその他の演出表示の導出タイミングを変更する)といった事態を回避することができる。従って、特定演出表示の導出タイミングを変更する処理を低減させ、処理の簡素化を図りつつ、特定演出表示及び第1不許可表示を含む一連の演出表示の流れを比較的スムースなものとするといった作用効果がより一層奏される。
手段D−3.前記第2不許可表示の開始に際し、前記第2不許可表示と、前記特定演出表示とが重複すると判別され、かつ、
前記進行判別手段により、前記特定演出表示が前記特定プログラムまで進行していないと判別される場合に、前記第2不許可表示の導出タイミングを変更し、前記特定演出表示が前記特定プログラムまで進行していると判別される場合に、前記特定演出表示を中止することを特徴とする手段D−1又はD−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、第2不許可表示の導出タイミングを変更するといった処理を低減させ、処理の簡素化を図りつつ、特定演出表示及び第2不許可表示を含む一連の演出表示の流れを比較的スムースなものとすることができる。
手段D−4.前記特定演出表示がいずれかのタイミングで導出される特定含有表示には、開始から終了までの時間の長さが一定の定期演出表示を繋げて、前記特別遊技が行われている期間の開始から終了にかけて行われる第1演出表示と、前記特別遊技が行われている期間の一時期において行われ、開始から終了までの長さが可変である第2演出表示とがあり、
前記定期演出表示として構成される前記特定演出表示である定期特定演出表示は、前記定期演出表示の一定の時間の長さよりも長い一連の演出表示として定期特定演出表示記憶手段に記憶されている定期特定演出表示データの一部に基づいて導出され、
前記定期特定演出表示が終了した時点の前記定期特定演出表示の進行状況を記憶する進行記憶手段を備え、
前記進行記憶手段の記憶情報に基づいて、前記定期特定演出表示記憶手段に記憶されている前記定期特定演出表示データが読み出され、前記定期特定演出表示が開始されることを特徴とする手段D−1乃至D−3のいずれかに記載の遊技機。
手段D−4によれば、各定期特定演出表示(定期特定演出表示データ)に関しては、定期演出表示の1回分の導出時間で完結するようなものではなく、これにより、どこで途切れ、どこから再開されても、違和感の少ない演出表示となっている。さらに、特定プログラムを未だ完了していない定期特定演出表示に対して第1不許可表示が重複した場合に、定期特定演出表示が中止(強制終了)され、第1不許可表示が終了した後、定期特定演出表示を、中止されたところの続き、或いは、その付近から導出可能となっている。このため、定期特定演出表示が中止され、第1不許可表示が終了した後、定期特定演出表示がまた最初から導出されるといった場合のように、同一の定期特定演出表示の冒頭部分が繰り返され、興趣の低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。また、同一の定期特定演出表示の冒頭部分が繰り返されることが回避されることから、特定プログラムを未だ完了していない定期特定演出表示に対して第1不許可表示が重複した場合に、定期特定演出表示が中止(強制終了)され、第1不許可表示が終了した後、定期特定演出表示を第1不許可表示の終了後の最初の定期演出表示の開始のタイミングで導出しても、興趣の低下を回避することができる。
E.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、変動表示や特別遊技状態の進行とともに様々な演出が導出されるように構成されており、特定の演出を見ることを楽しみに遊技ホールに足を運ぶ遊技者も少なくない。
ところで、一般には、演出の種類を増やしたり、演出の組合わせを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、遊技者の楽しみにしている特定の演出や、遊技機の目玉としているような演出が、他の演出等によって阻害される等した場合には、興趣の低下を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に視認させるべき演出を確実に視認してもらうことのできる遊技機を提供することにある。
手段E−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、(遊技者による遊技機への入力に応じて、)前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記演出表示手段において、前記特定演出表示の導出期間と、前記特定演出表示との重複が不許可とされる不許可表示の導出期間との少なくとも一部が重複して導出されると判別される場合には、前記特定演出表示の導出期間と、前記不許可表示の導出期間とが重複しないように、前記特定演出表示、及び、前記不許可表示のうち少なくとも一方の導出タイミングが変更されることを特徴とする遊技機。
手段E−1によれば、特定演出表示との重複が不許可とされる不許可表示が、特定演出表示と重複するタイミングで導出されそうな場合、特定演出表示、及び、不許可表示のうち少なくとも一方の導出タイミングが変更されることで、特定演出表示と、不許可表示との重複が回避されるようになっている。このため、特定演出表示と、不許可表示とが重複することに起因して、特定演出表示、及び、不許可表示のうち一方が省略される、又は、一方、或いは、両方が認識し難くなる(特定演出表示、及び、不許可表示が入り交じって各表示が分かり難くなる)等といった事態を回避することができる。
従って、遊技者が楽しみにしている特定演出表示の導出が、不許可表示の導出によって阻害され、遊技者がストレスを溜めるといった事態を回避することができるとともに、不許可表示についても視認することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
尚、特定演出表示とともに導出される特定演出音声についても特定演出表示と同様に扱われるように構成してもよい。つまり、特定演出音声の導出期間と少なくとも一部が重複する音声が「不許可音声」であると判別される場合に、特定演出音声と不許可音声とが重複しないように、特定演出音声、及び、不許可音声のうち少なくとも一方の導出タイミングが変更されることとしてもよい。また、特定演出表示を特定するための遊技者による遊技機への入力としては特に限定されるものではないが、例えば、演出表示手段において特定演出表示の設定画面を導出可能に構成し、遊技者が操作可能に設けられた演出操作手段の操作に応じて特定演出表示を設定可能に構成したり、携帯通信端末を介して、遊技機とサーバとの間でデータのやりとりを行うモバイル連動遊技が行われる場合に、サーバで発行されるパスワードを遊技機に入力することで、前回の遊技の特定演出表示の記憶が今回の遊技に反映されるように構成したりすることとしてもよい。
さらに、「前記演出表示手段において、前記特定演出表示の導出期間と、前記特定演出表示との重複が許可される許可表示の導出期間との少なくとも一部が重複して導出されると判別される場合には、前記特定演出表示の導出期間と、前記許可表示の導出期間との少なくとも一部が重複して導出されること」としてもよい。また、「許可表示」は、特定演出表示(の主体)に被らない、ほぼ被らない、被っても特定演出表示が透けるようにして見える表示であることとしてもよい。「不許可表示」は、特定演出表示(の主体)と全体、又は、主要な部位と被って、特定演出表示の該当部位(全体又は一部)が見えなくなる表示であることとしてもよい。
手段E−2.前記特定演出表示の導出期間の少なくとも一部と重複して導出される前記不許可表示が、遊技の進行に関する情報を有し、リアルタイムで教示する必要のある報知表示である場合には、前記不許可表示の導出タイミングは変更されないことを特徴とする手段E−1に記載の遊技機。
手段E−2によれば、報知表示の導出タイミングが遅れることで、報知表示から得られる情報が古くなり、価値が薄れてしまう、意味がなくなってしまう、又は、矛盾してしまうといった事態を回避することができる。例えば、所定期間内に遊技者に払出された遊技価値の総数を教示する報知表示が後回しにされて、当該報知表示が導出されたときには、報知表示の内容と、実際に払出された遊技価値の数とがかけ離れてしまったりする等の事態を回避することができる。また、例えば、遊技者に対して特定条件を達成させることのできる特定の操作を案内する報知表示が後回しにされて、当該報知表示が導出されたときには、前記特定の操作を行うことがなんら意味をなさなくなってしまうといった事態を回避することができる。従って、報知表示の情報を本来のタイミングで確実に得ることができ、報知表示の情報に基づいて、遊技を安心して進行することができる。
尚、特定演出表示との重複が判別されることとなる報知表示は遊技機の機種毎に設定することができ、例えば、特別遊技状態等の権利を獲得したことの教示、特別遊技状態が開始されることの教示、特別遊技状態が終了したことの教示、識別情報の変動表示が終了したことの教示、遊技者に払出された遊技価値の数に関する教示等が挙げられる。また、「許可表示である報知表示が存在すること」としてもよい。つまり、例えば、特定演出表示の1種として、導出タイミングを変更させることのできない超特定演出表示が存在し、超特定演出表示と、報知表示とが重複すると判別された場合に、報知表示を許可表示となるように変更するように構成してもよい。
また、報知表示として、所定の遊技状態の付与・移行が決定されたことの教示、遊技を進行する上での区切り(小目標)として設定された条件が達成されたことの教示、エラー状態が発生したことの教示等が挙げられる。さらに、「前記特定演出表示が導出されている状態において、前記不許可表示である前記報知表示が導出される場合には、前記特定演出表示が中断されて前記報知表示が導出されるとともに、前記報知表示の終了後に前記特定演出表示が中断されたところから、又は、中断されたところよりも前に戻したところから(中断されたタイミングよりも少し前のタイミングから、又は、特定演出表示の最初から)再開されること」としてもよい。つまり、特定演出表示の導出が決定されているが未導出である場合には、特定演出表示全体の導出タイミングを変更させることが可能であるが、特定演出表示の途中で不許可表示の報知表示が導出され、当該報知表示を優先させるとすると、特定演出表示はどうしても途切れてしまう。このような場合であっても、上記のように中断、再開することで、特定演出表示をできる限り堪能してもらうことができる。加えて、中断した特定演出表示を再開することを教示する案内表示、中断した特定演出表示の再開までの時間を(カウントダウン)表示する案内表示等を導出可能に構成してもよい。この場合、特定演出表示が再開されることに安堵してもらうことができたり、特定演出表示が再開されたことに気付かずに冒頭部分を見逃す等といった事態を抑制したりすることができる。
手段E−3.前記特定演出表示との重複が許可される許可表示に関し、前記特定演出表示と重複する場合と、前記特定演出表示と重複しない場合とで、表示態様を変更可能に構成されていることを特徴とする手段E−1又はE−2に記載の遊技機。
手段E−3によれば、特定演出表示と重複する場合でも遊技者に視認させた方が良いものの、そのままの表示態様では、特定演出表示の視認態様を阻害し過ぎてしまうといった許可表示(例えば、前記特別表示手段の識別情報の変動表示の開始から終了にかけて導出され、最終的に当否抽選の結果が示唆又は教示される演出変動表示等)を導出させる場合の懸念を払拭することができる。また、特定演出表示に関しては、本来の表示態様で視認してもらうことができる。
手段E−4.前記演出表示手段では、前記特別表示手段の識別情報の変動表示に対応して演出変動表示が行われるとともに、前記特別遊技状態に対応して特別遊技状態中演出表示が行われる遊技機において、
前記特別遊技状態の発生を教示した前記特別表示手段の変動表示に対応して行われた前記演出表示手段の演出変動表示で導出された所定の表示オブジェクトが表示される演出表示である優先演出表示が、前記特別遊技状態中演出表示の開始に伴って導出可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−3のいずれかに記載の遊技機。
手段E−4によれば、特別遊技状態の発生の教示から、特別遊技状態の冒頭にかけて、互いに関連する演出表示を繋げることができ、特別遊技状態の発生が教示されたときの高揚感を特別遊技状態にスムースに繋げることができる。従って、特別遊技状態が当選し、特別遊技状態が開始されるといった遊技者にとって非常に喜ばしい状況において、より印象深い演出を導出することができ、演出効果の向上を図ることができる。さらに、特別遊技状態の冒頭で優先演出表示を視認することにより、演出変動表示においてどのようにして特別遊技状態の発生が教示されたかの回想に誘うことができ、演出変動表示、及び、特別遊技状態中演出表示の演出効果を相乗的に高めることができる。
手段E−5.前記優先演出表示には、第1優先演出表示と、前記第1優先演出表示の後に行われる第2優先演出表示とがあり、
前記特別遊技状態には、遊技者の所定の操作に基づいて遊技価値が付与される確率が高められた特別遊技が開始されることを教示するオープニング演出が行われるオープニング期間と、前記特別遊技が行われるラウンド期間と、前記特別遊技状態が終了することを教示するエンディング演出が行われるエンディング期間とがあり、
前記特別遊技状態中演出表示には、開始から終了までの長さが一定の定期演出表示を繋げて、前記ラウンド期間の開始から終了にかけて行われる第1演出表示と、前記ラウンド期間の一時期において行われ、開始から終了までの長さが可変である第2演出表示とがあり、
前記第1演出表示の前記定期演出表示として少なくとも1回は前記優先演出表示が導出される構成であって、
前記第1演出表示として導出される前記定期演出表示の組合せを記憶する組合せ記憶手段と、
前記第1演出表示として導出される前記優先演出表示を記憶する優先演出表示記憶手段とを備え、
前記第1優先演出表示は、前記第2演出表示であり、前記ラウンド期間の開始とともに導出され、
前記第2優先演出表示は、前記定期演出表示であり、前記ラウンド期間において、前記第1優先演出表示が終了するとともに、前記第1優先演出表示と重複して導出されていた前記定期演出表示が終了した場合に、前記第2優先演出表示が導出されることを特徴とする手段E−4に記載の遊技機。
手段E−5によれば、第1優先演出表示の記憶が新しいうちに、第2優先演出表示が導出されるようになっており、結果的に、特別遊技状態の発生を教示する特別表示手段の変動表示の停止表示に伴って演出表示手段において表示された演出表示(当選時演出表示)の意義を強めることができる。従って、当選時演出表示をより興味深いものとすることができ、遊技性の向上等を図ることができる。
また、第1優先演出表示と、第2優先演出表示との重複が回避されるように構成されている。このため、第1優先演出表示、及び、第2優先演出表示が、互いの視認態様を阻害してしまうといった事態を回避することができる。特に、優先演出表示は、演出変動表示から繋がる演出表示であって、意識付けがなされる(注目される)ことから、優先演出表示が何らかの要因で途切れたり、視認が阻害されたりすると、気分を害してしまうことが懸念される。この点、本手段E−5では第1優先演出表示と、第2優先演出表示との重複が回避されることから、かかる懸念を払拭することができ、特別遊技状態中演出表示をより快く堪能してもらうことができる。
手段E−6.前記ラウンド期間は、複数の個別ラウンドにより構成され、
前記第1優先演出表示は、最初の前記個別ラウンドに対応して設定されていることを特徴とする手段E−5に記載の遊技機。
手段E−6によれば、第1優先演出表示の導出期間を把握し易くすることができ、第1優先演出表示と、第2優先演出表示との重複の判別を行い易くすることができる。
手段E−7.前記優先演出表示と、前記特定演出表示とが重複するか否かの判別が行われ、重複すると判別される場合に、前記特定演出表示の導出タイミングが変更されることを特徴とする手段E−4乃至E−6のいずれかに記載の遊技機。
手段E−7によれば、特定演出表示、及び、優先演出表示をより確実に堪能してもらうことができる。
手段E−8.前記特定演出表示が規定のタイミングで導出されるように組み込まれた特定表示含有演出が設けられ、
前記特定表示含有演出が開始される場合に、前記不許可表示と、前記特定演出表示との少なくとも一部が重複するか否かの判別処理が行われることを特徴とする手段E−1乃至E−7のいずれかに記載の遊技機。
手段E−8によれば、特定表示含有演出であれば、特定表示含有演出の特定演出表示が導出される前の段階で、特定表示含有演出の特定演出表示と、不許可表示との重複の判断を行うことができ、特定表示含有演出の特定演出表示が導出される前の段階で、不許可表示、又は、特定演出表示の導出タイミングを変更する処理を行うことができる。これにより、例えば、特定表示含有演出の特定演出表示と、不許可表示とが重複することが、当該特定演出表示が開始される前に把握された場合には、不許可表示及び特定演出表示の導出期間を後のタイミングにずらすといった方法だけでなく、前のタイミングにずらすといった方法を取ることができる。従って、例えば、報知手段と重複する特定演出表示のタイミングを重複しないようにずらそうとしても、特定表示含有演出において、報知表示と被らないように特定演出表示を導出できるような余地がなく、ずらしようがない(やむなく少なくとも一部を省略する)といった事態を抑制することができる。また、不許可表示、及び、特定演出表示の導出期間の変更が行われた表示の違和感を抑制することができる。さらに、手段E−2の構成を採用する場合に、特定演出表示が導出されている途中で不許可表示としての報知表示が導出されてしまい、特定演出表示が途切れてしまうといった事態を極力なくすことができる。
手段E−9.所定期間に遊技者に払出された遊技価値の総数を計数する期間払出総数計数手段を備え、
前記期間払出総数計数手段にて計数されている遊技価値の数が規定数に達したことを教示する特定払出数表示が導出可能に構成され、
前記期間払出総数計数手段により遊技価値の数が計数される前記所定期間において、前記期間払出総数計数手段にて計数されている遊技価値の数が規定数に達する可能性の高いタイミングを算出する特定払出数表示タイミング算出手段を備えていることを特徴とする手段E−1乃至E−8のいずれかに記載の遊技機。
手段E−9によれば、特定払出数表示タイミング算出手段により、期間払出総数計数手段にて計数されている遊技価値の数が規定数に達する可能性の高いタイミングを算出することができる。従って、(上記手段E−2の報知表示に相当する)特定払出数表示が導出されるタイミングの予測に応じて、特定演出表示を特定払出数表示との重複の可能性がほぼなくなるタイミングで導出するように設定することができる。このため、特定払出数表示の導出の時点で初めて特定演出表示との重複が判明し、特定演出表示の導出タイミングを変更する処理が必要になる、或いは、変更先を確保することができなくなってしまう等の事態を回避することができる。
手段E−10.前記不許可表示、及び、前記特定演出表示が開始される場合に、前記不許可表示と、前記特定演出表示との少なくとも一部が重複するか否かの判別処理が行われることを特徴とする手段E−1乃至E−9のいずれかに記載の遊技機。
手段E−10によれば、実際に不許可表示や特定演出表示が開始されるタイミングにおいて重複の判別が行われることとなるため、例えば、不許可表示や特定演出表示の導出のタイミングは前もってきめられていたが、その後に、不許可表示や特定演出表示のタイミングが急遽変わる等した場合であっても、重複が回避されるような対応等を行うことが可能となる。従って、不許可表示と、特定演出表示との重複を回避するといった上記作用効果が一層確実に奏される。
手段E−11.前記演出表示手段において表示される所定の画像オブジェクト(キャラクタ)を特定画像オブジェクト(特定キャラクタ)として特定する入力が行われることで、前記特定画像オブジェクトが表示される演出表示が前記特定演出表示として特定され、
前記演出表示手段において導出されることが決定された演出表示のうち、前記特定画像オブジェクトが導出される前記特定演出表示の導出期間を把握可能な導出期間把握手段を備えていることを特徴とする手段E−1乃至E−10のいずれかに記載の遊技機。
手段E−11によれば、所定の画像オブジェクト(キャラクタ)を特定画像オブジェクト(特定キャラクタ)として特定するだけで、特定画像オブジェクトが表示される演出表示が包括的に特定演出表示として特定されることとなる。このため、特定画像オブジェクトの演出表示を目当てに遊技を行う遊技者にとって、特定演出表示を特定する設定が簡単なものとなり、ストレスなくスムースに遊技を開始させることができる。また、特定演出表示を特定する設定が簡単になることで、より多くの遊技者に、特定演出表示の機能を楽しんでもらうことができる。加えて、導出期間把握手段により、特定画像オブジェクトが導出される特定演出表示の導出期間を確実に把握することができ、特定演出表示と、不許可表示とが重複するか否かを確実に判断することができる。
尚、「前記特定演出表示のなかでも、優先度に関するランク付けが行われ、前記特定演出表示のランクと、前記一般演出表示の種別との組合せによって、前記一般演出表示が前記特定演出表示との重複が許可される許可表示、及び、前記不許可表示のどちらと判別されるのかが変化すること」としてもよい。この場合、特定画像オブジェクトが導出される特定演出表示のなかでも、導出頻度が高いものや小さく表示されるものは、低いものや大きく表示されるものに比べて優先度が低く設定される等といった具合に、特定画像オブジェクトを設定することで特定演出表示が包括的に特定される構成において、演出バランス等を向上させることができる。
また、携帯通信端末を介して遊技機とサーバとの間でデータのやりとりを行うモバイル連動遊技を行っている場合に、前記一般演出表示が前記許可表示、及び、前記不許可表示のどちらと判別されるのかの基準が、遊技者の遊技量に応じて変化してもよいし、遊技者が設定できるように構成してもよい。例えば、遊技者の遊技量が少ない場合には、特定演出表示として、一時的に導出されるだけのカットイン演出や、演出表示手段の小さな領域で導出されるだけの表示と、遊技解説の表示とが重複して表示されるが、遊技量が多い場合には、遊技解説が表示されないようになるように構成してもよい。また、特定画像オブジェクト(特定キャラクタ)がその他多数の画像オブジェクト(キャラクタ)と同時に小さく導出されるだけであったり、名前だけ表示されたり等といった具合に、特定画像オブジェクトがほぼ目立たない、特定キャラクタとの関連性が低い等といったような演出表示は、特定演出表示として特定されないこととしてもよい。加えて、特定画像オブジェクトの優先度に関するランク付けを遊技者によって(ある程度は)行うことができるように構成してもよい。
また、「前記特定画像オブジェクトとして設定され得る画像オブジェクトに対応して、前記特定演出表示の進行とともに変位する前記演出表示手段における前記特定画像オブジェクトの表示位置を特定可能とするオブジェクト軌道情報が予め記憶されているオブジェクト軌道情報記憶手段を備えていること」としてもよい。この場合、例えば、所定条件の成立に応じて特定キャラクタを大写しにする等の演出表示を行うことが可能となる。
手段E−12.遊技者が操作可能な特定操作手段を備え、
前記演出表示手段において所定の演出表示が導出されている際に、前記特定操作手段の所定の操作入力が行われることで、前記演出表示手段において導出されている前記所定の演出表示を前記特定演出表示として特定可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−11のいずれかに記載の遊技機。
手段E−12によれば、遊技者が好きな演出表示を特定演出表示として特定することができる。従って、より細かなニーズに対応することも可能となり、遊技に対する満足度を向上させることができる。例えば、上記手段E−8のような構成において、特定キャラクタとして包括的に特定可能なキャラクタ以外の所定のキャラクタが好きで、当該所定のキャラクタが導出される演出表示を特定演出表示としたい場合には、遊技者は自力で特定演出表示を1つずつ特定していくことができる。
尚、特定操作手段による所定の操作が行われることで特定演出表示として特定された所定の演出表示の情報を記憶する特定演出情報記憶手段を備え、特定演出情報記憶手段には、前記操作が行われた際に導出されていた(全ての)演出パターンと(演出が重複している状態だとどれか分からないので、後で遊技者に選択してもらう)、該演出パターンが導出されてからの時間(1回押しの場合には、操作から規定時間(規定時間経過前に再度押された場合には、延長されるような格好で、そこからまた規定時間;延長の上限回数有り)が特定演出表示とされ、長押しの場合には、操作が行われている間を特定演出表示とされる)とが記憶されることとしてもよい。
さらに、操作の少し前からを特定演出表示とすると、対象の演出表示を冒頭から特定演出表示として設定し易く、加えて、演出パターンを確認することで、どのキャラクタが、開始○秒後に導出される等の情報を取得できるように構成しておくと、直近に登場したキャラクタの導出開始タイミングから導出終了タイミングまでピンポイントで特定することが可能になる。また、例えば、所定のキャラクタと、所定の演出表示とが1対1で対応しているような場合、すなわち、前記所定の演出の表示の最初から最後まで前記所定のキャラクタが基本的に導出され続けるといった場合には、前記所定の演出中に特定操作手段による所定の操作が行われることで、前記所定の演出表示の全体が前記特定演出表示として特定されるように構成してもよい。
加えて、例えば、特定演出情報記憶手段に記憶されている情報は、古いものから順次消去されるように構成されてもよいし、遊技機の電源がオフにされることで全て消去されるように構成されてもよいし、特定演出情報記憶手段に記憶されている情報を全て消去する場合には、消去操作手段を操作しながら電源をオンするように構成されることとしてもよい。また、モバイル連動遊技を行っている場合には、遊技の終了時に遊技機から出力可能な情報を携帯通信端末で受取り、かかる情報をサーバに記憶させるとともに、次回の遊技の開始時に、前回までの情報の少なくとも一部が含まれる情報(パスワードをサーバに発行させ、該パスワード)を遊技機に入力することで、前回までの遊技の特定演出表示に関する設定を引き継げるように構成してもよい。
手段E−13.前記特定演出表示を特定しない(前記不許可表示との重複を判別する処理を行わない)設定が可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−12のいずれかに記載の遊技機。
手段E−13によれば、特定演出表示に関する演出表示をくどい、或いは、演出表示を万遍なく見たい等と感じる遊技者の要求に応えることができる。また、特定演出表示の設定をする気があっても、先ずは特定演出表示として特定可能な演出表示をいろいろと見てから特定演出表示の設定をしたい等といった要求に応えることができる。
手段E−14.少なくとも前記特定演出表示の導出タイミングが変更された場合に、当該特定演出表示が導出されることを教示する特定演出予告演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−13のいずれかに記載の遊技機。
手段E−14によれば、特定演出表示の導出タイミングが変更されて、特定演出表示がイレギュラーなタイミングで導出される場合であっても、変更されたタイミングで導出される特定演出表示を確実に視認することができる。また、例えば、特定演出予告演出が、特定演出表示の導出タイミングが変更された場合にのみ行われる構成、又は、特定演出表示の導出タイミングが変更された場合と、その他の場合とで態様が異なる構成を採用する場合、導出タイミングが変更された特定演出表示であるということを確認することができる。さらに、特定演出予告演出が全ての特定演出表示に対応して導出される場合には、演出表示手段から目を離していても、特定演出予告演出に基づいて演出表示手段に目を移せば特定演出表示を冒頭から確実に堪能することができる。
尚、遊技者によって、特定演出予告演出の導出を許可するか否かの設定が可能に構成されていることとしてもよい。また、導出されるタイミングが変更された場合と、変更されていない場合とで、特定演出表示が導出されることの意味に差異がない場合には、特定演出予告演出が、例えば、導出タイミングが変更された場合にのみ導出されることで、当該特定演出予告演出(を伴う特定演出表示)に対して、遊技者が特別な期待をしてしまう(例えば、特別遊技状態の発生の期待度が特別に高いのではないかと勘違いしてしまう)といった事態を回避するべく、導出タイミングの変更されない特定演出表示に対応しても導出されるように構成することとしてもよい。
手段E−15.前記特定演出表示の導出タイミングが変更されたことを教示する特定タイミング変更表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−14のいずれかに記載の遊技機。
手段E−15によれば、特定演出表示の導出タイミングが変更されたということを把握することができる。尚、特定タイミング変更表示は、本来の導出タイミングよりも前に導出される場合に、導出タイミングが変更された特定演出表示の導出に際して導出されるように構成され、本来の導出タイミングよりも後に導出される場合に、本来の導出タイミングに際して導出されるように構成してもよい。この場合、特定演出表示が早まって導出されたことや、特定演出表示が後に控えていることなどを把握することができる。
手段E−16.前記特定演出表示が規定期間の間導出されないことに基づいて、前記特定演出表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−15のいずれかに記載の遊技機。
手段E−16によれば、特定演出表示を楽しみにしているのに導出されなさ過ぎて興趣の低下を招いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、規定期間とは、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを決定する当否抽選の結果を教示する変動表示の開始から終了までを1変動(1ゲーム)として、それが規定回数行われた場合、(所定の)特別遊技状態が規定回数行われた場合等が挙げられる。
また、特定演出表示が規定期間の間導出されないことでポイントが加算又は減算される特定演出ポイント記憶手段を備え、前記特定演出ポイント記憶手段に記憶されているポイントが規定ポイント以上又は規定ポイント以下になった場合に、特定演出表示を導出させる権利が付与されることとしてもよい。さらに、特定演出ポイント記憶手段のポイントに応じて導出されることとなった特定演出表示は、レアパターン、又は、専用パターンの特定演出表示であることとしてもよい。加えて、特定演出表示が導出された(導出の設定が行われた)ことでポイントが初期値に戻る構成でもよいし、ポイントが使用した分だけ減るように構成してもよい。
手段E−17.前記サブ制御手段は、遊技者による遊技機への入力に応じて、前記演出表示手段における所定の演出表示をサブ特定演出表示として特定可能なサブ演出表示特定手段を備え、
前記サブ特定演出表示として特定された演出表示は、その他の演出表示に比べ、前記特定演出表示と重複して導出される可能性が高められることを特徴とする手段E−1乃至E−16のいずれかに記載の遊技機。
手段E−17によれば、特定演出表示に対しあえて重複し易くなるようにサブ特定演出表示を設定することにより、特定演出表示と、サブ特定演出表示との間で、関係(因縁など)が深くなるような演出を遊技者が設定することができ、より楽しみを増やすことができる。
手段E−18.前記特定演出表示の導出期間の少なくとも一部と重複して導出される前記不許可表示が、前記特定演出表示以外の前記演出表示である一般演出表示の場合には、
前記一般演出表示の導出タイミングが変更され、前記特定演出表示の導出タイミングは変更されないことを特徴とする手段E−1乃至E−17のいずれかに記載の遊技機。
手段E−18によれば、特定演出表示が導出される機会を確保することができ、特定演出表示が導出された場合には、一般演出表示等との重複が回避されて特定演出表示を満喫してもらうことができる。さらに、特定演出表示の導出タイミングも(本来なら一般演出表示と重複していたような場合には)維持されることから、特定演出表示の導出される筈のタイミングで導出されないといった事態を抑制することができ、かかる事態の発生に起因して興趣の低下を招く事態を低減させることができる。
手段E−19.少なくとも前記特定演出表示が導出されている状態において行われた遊技の経過に関わる情報を記憶可能な経過情報記憶手段を備え、
前記特定演出表示の後に、前記経過情報記憶手段に記憶されている情報を閲覧可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−18のいずれかに記載の遊技機。
手段E−19によれば、特定演出表示の最中に起きた出来事を後で確認することができる。従って、特定演出表示に心置きなく集中することができる。尚、例えば、特定の特別遊技状態の最初から最後まで特定演出表示とされ、当該特別遊技状態において特定演出表示と重複する表示は、特定演出表示との重複が許可される許可表示とされ(報知表示であっても視認性をあまり妨げない態様とされ)、特別遊技状態の終了後に、メニュー画面等から、特別遊技状態中の情報、例えば、パチンコ機であれば、各ラウンドに遊技球が上限まで入球していたか、各ラウンドの消化に要した時間等の情報を得られる表示を導出可能に構成してもよい。
手段E−20.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入球手段とを備え、
少なくとも前記特定演出表示が導出されている状態においては、所定の前記入球手段への入球に対応する(視覚以外の感覚で伝えることができる)反応態様を導出可能な反応態様手段を(前記演出表示手段とは別に)備えていることを特徴とする手段E−1乃至E−19のいずれかに記載の遊技機。
遊技を進行させるためには、例えば、パチンコ機であれば、始動入球手段に遊技球を入球させる必要があり、また、特別遊技状態においては、可変入球手段に対し遊技球を効率的に入球させることが遊技者にとって有利となる。従って、遊技者が楽しみにしている特定演出表示が導出されているものの、遊技の進行に関わる(アナログ)部位に関する挙動(例えば、遊技球を始動入球手段に上手く入球させることができているか等)も気になることから、そちらに目を移してしまう場合があり、特定演出表示等を十分に堪能することができないといった事態を招くことが懸念される。
この点、手段E−20によれば、演出表示手段に導出された特定演出表示を視認し続けたとしても、反応態様により、所定の入球手段への入球を把握することができる。従って、所定の入球手段の方へ視線を移さなくても、所定の入球手段へ上手く遊技球を入球させることができているか等を把握することができ、結果として、特定演出表示をより堪能することができる。
また、逆に、反応態様が発生してもよい状況において反応態様が全く発生しないといった具合に、所定の入球手段に関連する構成の方に目を向けなければならないといった状況(遊技領域に発射される遊技球の狙い所がよくない、遊技領域や遊技球を発射する構成のいずれかにおいて球詰りが発生している、手持ちの遊技球がない等)であることも把握することができ、これらに気付かずに遊技を進行させてしまうことで、遊技者が不利益を被る等してしまうといった事態を防止することができる。
尚、反応態様は、視線を特定演出表示に保ったまま確認できるようになっていればよく、例えば、効果音、特定演出表示を視認する遊技者の視界に入るように発光可能な発光手段による発光、特定演出表示、又は、その近傍における表示、遊技者が触れる部位の触覚の変化等が挙げられる。また、入球手段としては、入球させることで前記当否抽選が行われる始動入球手段、特別遊技状態が発生した場合に遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態とされる可変入球手段等が挙げられる。
手段E−21.前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検知する前記条件成立検知手段としての始動入球検知手段とを備え、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に前記当否抽選が行われる構成であって、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を所定複数有する保留記憶手段と(、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段と)を備え、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて前記反応態様を導出可能に構成されるとともに、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて導出される前記反応態様は、前記保留記憶手段の前記所定複数の記憶領域のうち規定数以上の記憶領域に前記当否関連情報が記憶されている状態において前記始動入球検知手段の検知が行われた場合と、それ以外の場合とで、態様が異なることを特徴とする手段E−20に記載の遊技機。
手段E−21によれば、始動入球手段に遊技球を入球させてもその分の当否関連情報を保留記憶手段に記憶させることができない(変動表示の保留の上限に達した)状態で始動入球手段へ遊技球が入球する(オーバー入賞する)といった無駄を回避し易くすることができる。換言すれば、例えば、変動表示の保留が行われていない状況で特定演出表示が導出された場合に、視線は特定演出表示としたまま、オーバー入賞を恐れることなく、遊技球を発射し続けて保留させることができる。従って、極力、変動表示がいくつか保留されている状態を維持し、遊技をスムースに進行させることができる。
手段E−22.前記反応対応手段は、前記反応態様としての効果音を出力可能な音声出力手段であることを特徴とする手段E−20又はE−21に記載の遊技機。
手段E−22によれば、視線を全く動かさなくても、対応する事象を把握することができるとともに、演出表示手段に反応態様に対応する表示を導出させる場合のように特定演出表示が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。
手段E−23.前記反応態様手段は、遊技者が触れることのできる位置に設けられ、触覚に作用する態様変化可能(触覚により変化を感じ取れるように態様を変更可能)な触覚伝達手段であり、前記反応態様は前記触覚伝達手段の態様の変化であることを特徴とする手段E−20乃至E−22のいずれかに記載の遊技機。
手段E−23によれば、視線を全く動かさなくても、対応する事象を把握することができる。さらに、特定演出表示や、それに伴う音声を全く阻害することなく、入球手段への入球を遊技者に教示することができる。
手段E−24.遊技者が操作可能な位置に設けられ、遊技者の操作に基づいて前記発射手段により遊技球が発射される発射操作手段を備え、
前記触覚伝達手段は、遊技機において、前記発射操作手段の左右対称位置、又は、その近傍位置に設けられていることを特徴とする手段E−23に記載の遊技機。
手段E−24によれば、発射操作手段を操作する手(一般に右手)とは反対の手(左手)で、比較的長時間触れていても疲れないような位置(肩まで動かさなくても届く位置)に設けられている。従って、特定演出表示が導出されている間、比較的容易に触覚伝達手段に触れ続けることができ、触覚伝達手段の機能を十分に活かすことができる。
手段E−25.前記特定演出表示を導出させる権利をストック可能に構成されるとともに、
遊技者による遊技機への入力に応じて、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−24のいずれかに記載の遊技機。
手段E−25によれば、特定演出表示を導出させる権利をストックし、自分のタイミングで特定演出表示を導出させるといった新たな遊技性に楽しみを見出してもらうことができる。また、例えば、特定演出表示が導出されている場合に、エラー状態の報知等の緊急性を有する表示が導出される場合、どうしても特定演出表示の視認態様が阻害されてしまうが、かかる特定演出表示をストックさせる構成とすることにより、かかるストックの行使を後程の楽しみとすることができる。従って、特定演出表示に対して何らかの表示が重複して特定演出表示の視認性が悪化することに起因する興趣の低下を抑制することができ、特定演出表示を堪能するといった遊技性を確保し、結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。加えて、当然、ストックされる演出表示は、特定演出表示であることから、例えば、遊技者にとって興味のない演出表示がストックされ、それに付属する各種演出等が導出される等といった構成に比べ、無駄な演出の導出(過多)により、遊技者が辟易とするといった事態を回避することができる。
手段E−26.発射装置により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入球手段、及び、第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な前記条件成立検知手段としての第1始動入球検知手段と、
前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な前記条件成立検知手段としての第2始動入球検知手段と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成された可変入球手段(第1可変入球手段、及び、第2可変入球手段)と、
前記第1始動入球検知手段による検知が行われた場合に、前記可変入球手段(第1可変入球手段)を開状態とさせる特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生させるか否かの(第1)当否抽選を行うとともに、当該(第1)当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生させる前記主制御手段としての第1特別遊技発生手段と、
前記第1特別遊技発生手段が行う前記(第1)当否抽選の結果を教示する第1特別図柄による第1変動表示が行われる前記特別表示手段としての第1特別表示手段と、
前記第2始動入球検知手段による検知が行われた場合に、(前記第1当否抽選、及び、)前記可変入球手段(第2可変入球手段)を開状態とさせる特別遊技状態(第2特別遊技状態;所謂、小当たり)を発生させるか否かの(第2)当否抽選を行うとともに、当該(第2)当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態(前記第2特別遊技状態)を発生させる前記主制御手段としての第2特別遊技発生手段と、
前記第2特別遊技発生手段が行う前記(第1当否抽選及び前記第2)当否抽選の結果を教示する第2特別図柄による第2変動表示が行われる前記特別表示手段としての第2特別表示手段と(、
前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部に入球した遊技球を検知可能な特定入球検知手段と、
前記特定入球検知手段による検知が行われた場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる役物特別遊技状態発生手段と)を備え、
前記第1特別表示手段における前記第1変動表示と、前記第2特別表示手段における前記第2変動表示とを並行して実行可能に構成され、
前記サブ制御手段は、前記第1特別遊技発生手段、及び、前記第2特別遊技発生手段からの信号に基づいて制御を実行可能に構成され、
前記演出表示手段は、前記第1特別表示手段、及び、前記第2特別表示手段の変動表示に関連する演出表示を導出可能に構成され、
前記演出表示手段では、前記第1特別表示手段の変動表示に対応する第1変動対応演出表示、及び、前記第2特別表示手段の変動表示に対応する第2変動対応演出表示を導出可能に構成されるとともに、
前記演出表示手段において、前記第1変動対応演出表示、及び、前記第2変動対応演出表示のうち、前記第1変動対応演出表示のみが導出される第1表示状態と、前記第2変動対応演出表示のみが導出される第2表示状態とに状態変化可能に構成され、
前記第1表示状態において、前記特定演出表示が導出される前記第2変動対応演出表示が設定された場合、前記第1変動対応演出表示の導出中でも、前記第2変動対応演出表示を導出可能に構成され(、
前記第2表示状態において、前記特定演出表示が導出される前記第1変動対応演出表示が設定された場合、前記第2変動対応演出表示の導出中でも、前記第1変動対応演出表示を導出可能に構成され)ていることを特徴とする手段E−1乃至E−25のいずれかに記載の遊技機。
手段E−26によれば、第1変動表示と、第2変動表示とが並行して行われる構成において、特定演出表示を導出させる機会を増やすことができる。
手段E−27.前記第1変動対応演出表示及び前記第2変動対応演出表示のうち一方の変動対応演出表示において前記特定演出表示が導出され、当該一方の変動対応演出表示と重複する他方の変動対応演出表示において前記特別遊技状態の発生の教示が行われる場合に、
前記一方の変動対応演出表示が、前記他方の変動対応演出表示よりも遅く終わる場合には、前記一方の変動対応演出表示が前記他方の変動対応演出表示の終了のタイミングまで短縮(強制終了)され、
前記一方の変動対応演出表示が、前記他方の変動対応演出表示よりも早く終わる場合には、前記一方の変動対応演出表示が前記他方の変動対応演出表示の終了のタイミングまで延長されることを特徴とする手段E−26に記載の遊技機。
手段E−27によれば、特定演出表示を活かして特別遊技状態に当選した旨を示唆・教示することができる。従って、特定演出表示が別の演出表示に代わってしまうことを抑制することができる。
手段E−28.前記特定演出表示には、前記第1変動対応演出表示、及び、前記第2変動対応演出表示を延長させる場合に使用される延長用演出表示と、短縮させる場合に使用される短縮用演出表示とが用意されていることを特徴とする手段E−27に記載の遊技機。
手段E−28によれば、違和感を抑制しつつ、特定演出表示が導出された変動対応演出表示を急遽延長させたり、短縮させたりする(特別遊技状態の当選を示唆・教示する態様に繋ぐ)ことが可能となる。
F.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、一般には、演出の種類を増やしたり、演出の組合わせを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、遊技者の楽しみにしている特定の演出や、遊技機の目玉としているような演出が、他の演出等によって阻害される等した場合には、興趣の低下を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に視認させるべき演出を確実に視認してもらうことのできる遊技機を提供することにある。
手段F−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、(遊技者による遊技機への入力に応じて、)前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記特定演出表示との重複が不許可とされる不許可表示と、前記特定演出表示とが重複すると判別される場合に、前記特定演出表示の導出のタイミングを変更可能に構成され、
前記演出表示手段において、前記特定演出表示が導出される場合には、当該特定演出表示の画像の生成とともに、前記特定演出表示以外の演出表示である特定以外演出表示の画像の生成が行われるように構成され、前記特定演出表示の代わりに前記特定以外演出表示を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段F−1によれば、特定演出表示と不許可表示とが重複した場合に、特定演出表示の導出タイミングを変更することで、重複を回避することができる。このため、特定演出表示と、不許可表示とが重複することに起因して、特定演出表示、及び、不許可表示のうち一方、或いは、両方が認識し難くなる(特定演出表示、及び、不許可表示が入り交じって各表示が分かり難くなる)等といった事態を回避することができる。従って、遊技者が楽しみにしている(或いは、遊技者に視認してもらうことで興趣の向上が図られる)特定演出表示の観賞が、不許可表示の導出によって阻害され、遊技者がストレスを溜めるといった事態を回避することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
また、特定演出表示の画像が生成される場合には、特定演出表示から切替可能とする特定以外演出表示としての代替演出表示の画像も生成されることから、特定演出表示の導出のタイミングを変更する必要が生じた場合において、特定演出表示が表示される筈であった期間の特定演出表示から代替演出表示への切替えをスムースに行うことができる。つまり、例えば、特定演出表示の設定が行われた後に、当該特定演出表示に重複してしまう不許可表示の導出が決定された場合、特定演出表示の内容を変更する(やり直す)とすると、サブ制御手段の制御負担の大幅な増加を招いたり、特定演出表示に所定の不具合(ずれ等)の発生リスクが高まったりすることが懸念される。さらに、例えば、特定演出表示として生成している(生成された)動画データを消去し、別の動画データに差し替える処理(選択対象の特定・選択・決定・生成)は困難なものとなるおそれがある。
この点、本手段F−2では、代替演出表示を予め用意しておくことで、特定演出表示と、不許可表示とが急遽重複することとなり、特定演出表示の導出タイミングを変更しようとする場合に、特定演出表示に代えて代替演出表示を比較的スムースに可視表示させることができ、非表示状態から表示状態に即座に切替可能である。その後、視認不可能とされた特定演出表示を不許可表示と重複しないように導出することで、不許可表示と重複した特定演出表示が後のタイミングにずれて導出されたような格好となる。従って、特定演出表示の表示タイミングを急遽変更することのなった場合の処理を比較的スムースに行うことができるとともに、特定演出表示の表示タイミングを変更する場合であっても演出表示手段における表示態様をスムースに進行させることができる。
手段F−2.前記特定演出表示の設定が行われる場合に、前記特定以外演出表示として少なくとも前記特定演出表示の開始から最後までの長さと同じ長さの代替演出表示を前記特定演出表示の代わりに表示可能とする設定が行われ、
前記特定演出表示が可視表示され、前記代替演出表示が不可視とされる表示状態と、前記代替演出表示が可視表示され、前記特定演出表示が不可視とされる非表示状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段F−1に記載の遊技機。
手段F−2によれば、非表示状態とすることで、特定演出表示を可視表示する予定であった期間において、特定演出表示を視認させることなく、特定演出表示以上の長さを有する代替演出表示を視認させ、特定演出表示が行われないことによる演出表示の穴を完全に埋めることができる。さらに、非表示状態とすることで特定演出表示を完全に視認不可能とすることができる。このため、例えば、特定演出表示の大部分が不許可表示と重複するが一部だけ視認可能であること、ひいては、特定演出表示が行われていることは確認できるものの、満足いく態様ではないといった一部が視認可能とされたことによる興趣の低下を招く事態を回避することができる。また、代替演出表示の終了のタイミングを、特定演出表示が行われていた場合の特定演出表示の終了のタイミングと同じとすることができるため、その後の演出表示の進行を、特定演出表示が行われていた場合と変わりなく、スムースに繋げることができる。
尚、「前記特定演出表示とされ得る前記演出表示には、時間が同じで態様の異なる複数のパターンが存在し、前記特定演出表示とされ得る前記演出表示が開始されるタイミングを把握可能な開始タイミング把握手段を備えていること」としてもよい。この場合、特定演出表示に対して代替演出表示を比較的容易かつ正確に同期させることができる。
手段F−3.前記特定演出表示がいずれかのタイミングで導出される特定含有表示は、当該特定含有表示の開始に際して、当該特定含有表示全体の演出表示の設定が行われ、
前記特定演出表示、及び、前記不許可表示の開始に際し、前記特定演出表示と、前記不許可表示とが重複するか否かの重複判別処理が行われる構成であって、
前記重複判別処理で、前記特定演出表示と、前記不許可表示とが重複しないと判別される場合に、前記表示状態とされ、前記特定演出表示と、前記不許可表示とが重複すると判別される場合に、前記非表示状態とするとともに、不可視とされる前記特定演出表示と同じ特定演出表示である再演出表示を設定する処理が行われることを特徴とする手段F−2に記載の遊技機。
手段F−3によれば、非表示状態とされた場合の特定演出表示の再度の設定は、非表示状態とされた場合にのみ行われる。このため、特定演出表示の再度の設定についても予め行ってしまうような場合に比べ、制御の簡素化を図ることができる。
手段F−4.前記再演出表示が導出される場合に、前記代替演出表示の画像の生成とともに、前記特定以外演出表示の画像の生成が行われるよう構成され、
前記再演出表示の代わりに前記特定以外演出表示を表示可能に構成され、
前記再演出表示の開始に際し、前記重複判別処理において、前記再演出表示と、前記不許可表示とが重複しないと判別される場合に、前記再演出表示が可視表示され、前記再演出表示と、前記不許可表示とが重複すると判別される場合に、前記再演出表示が不可視とされ、前記特定以外演出表示が可視表示されるとともに、不可視とされる前記再演出表示を再度設定する処理が行われることを特徴とする手段F−3に記載の遊技機。
手段F−4によれば、再演出表示が不許可表示と重複した(特定演出表示の導出タイミングを変更した先のタイミングでも不許可表示と重複してしまった)としても、再演出表示の可視表示をさらに延期させ、再演出表示の元の特定演出表示を不許可表示と重複させることなく、遊技者に視認してもらうことができる。
F−5.前記特定演出表示と重複すると判別された前記不許可表示が、遊技の進行に関する情報を有し、リアルタイムで教示する必要のある報知表示である場合には、前記特定演出表示の導出タイミングを変更し、
前記特定演出表示と重複すると判別された前記不許可表示が、前記報知表示以外である場合には、前記不許可表示の導出タイミングを変更することを特徴とする手段F−1乃至F−4のいずれかに記載の遊技機。
手段F−5によれば、報知表示が本来のタイミングで導出されない(報知表示が遅れる)ことで、報知表示による情報が実際の状況に合致しなくなってしまう(例えば、情報が古くなってしまう)等といった不具合を回避することができる。また、特定演出表示を重複した不許可表示が、導出タイミングをずらしてもいいような表示である場合には、不許可表示の導出タイミングを変更することから、特定演出表示を極力本来のタイミングで導出させることができ、その導出タイミングを計っていた遊技者が肩透かしを食らうような事態を低減させることができる。
手段F−6.前記特定演出表示を導出させる権利をストック可能に構成され、
前記特定演出表示を、前記不許可表示と重複させずに可視表示させることが不可能となった場合に、前記特定演出表示を導出させる権利がストックされることを特徴とする手段F−1乃至F−5のいずれかに記載の遊技機。
手段F−6によれば、特定演出表示を不許可表示と重複させずに可視表示させることができなかった代わりに、特定演出表示を導出させる権利がストックされるため、特定演出表示が満足に導出されなかったことに起因する興趣の低下を抑制することができる。加えて、当然、ストックされる演出表示は、特定演出表示であることから、例えば、遊技者にとって興味のない演出表示がストックされ、それに付属する各種演出等が導出される等といった構成に比べ、無駄な演出の導出(過多)により、遊技者が辟易とするといった事態を回避することができる。
手段F−7.遊技者による遊技機への入力に応じて、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使可能に構成されていることを特徴とする手段F−6に記載の遊技機。
手段F−7によれば、特定演出表示を導出させる権利をストックし、自分のタイミングで特定演出表示を導出させるといった新たな遊技性に楽しみを見出してもらうことができる。
G.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、変動表示や特別遊技状態の進行とともに様々な演出が導出されるように構成されており、特定の演出を見ることを楽しみに遊技ホールに足を運ぶ遊技者も少なくない。
ところで、一般には、異なる演出を重複させて導出したり、所定期間(例えば、1回の変動表示)に導出される演出の組合せを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、遊技者の楽しみにしている特定の演出が別の演出等によって阻害されたり、いつも通りに行われなかったりするような場合には、興趣の低下を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することのできる遊技機を提供することにある。
手段G−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、遊技者による遊技機への入力に応じて、前記演出表示手段における所定の演出に係る表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記演出表示手段において、遊技者の入力に応じて特定された前記特定演出表示が表示され得る期間である導出可能性期間において、前記特定演出表示を含む前記演出表示のなかから、前記特定演出表示以外の特定以外演出表示が選択され、当該特定以外演出表示が導出される場合には、当該特定以外演出表示の画像の生成とともに、前記特定演出表示の画像の生成が行われるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段G−1によれば、特定演出表示が表示されることもあり得る導出可能性期間において、特定演出表示ではなく、特定以外演出表示が導出される場合には、特定以外演出表示の画像の生成だけではなく、特定演出表示の画像の生成についても行われるように構成されている。このため、導出可能性期間の開始後の決定に基づいて、演出表示手段において視認される表示態様を、特定以外演出表示から特定演出表示に切替えたり、特定演出表示から特定以外演出表示に切替えたりすることを比較的スムースに行うことができる。
例えば、動画の内容を切替える際に、切替先の動画(少なくとも冒頭の部分)を生成する時間を稼ぐため、静止画(しかも、あまり細かくないもの、あまり画質の良くないもの)を挟んだり、演出表示手段を一時的に可動役物で覆ったりするといったことをしなくても、見栄えを悪くすることなく、表示をスムースに切替えることができる。また、複数パターンの演出表示の画像生成を同時進行するといった構成を採用することで、同時に再生される複数パターンの演出表示のどれを視認させるかを適宜変更することができる。従って、導出可能性期間では、特定演出表示をいつでも即座に表示させることができ、特定演出表示が導出される機会を増やしたり、特定演出表示との間の切替えをスムースなものとしたりするとともに、特定演出表示の導出のバリエーションを増やしたり、導出可能性期間の開始後の所定条件成否で、臨機応変に特定演出表示と特定以外演出表示との間で切替えを行ったりすることができる。さらに、動画の内容が動画の開始時に全て決まっている構成に比べ、特定演出表示に絡めたリアルタイムで変化するドラマチックな演出を導出することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
手段G−2.前記演出表示手段は、画像を表示可能な複数のレイヤを備え、
前記導出可能性期間において、前記特定以外演出表示、及び、前記特定演出表示の両方の画像が生成される場合には、記特定以外演出表示、及び、前記特定演出表示の画像が、異なるレイヤにおいて、同時に再生開始されることを特徴とする手段G−1に記載の遊技機。
手段G−2によれば、特定以外演出表示と、特定演出表示とを複数のレイヤを使用して同時に再生開始させている(例えば、演出表示手段において特定演出表示が見えないだけで再生されている)ことから、演出表示手段の表示に関して、特定以外演出表示と、特定演出表示との間の切替えを比較的簡単、かつ、スムースに行うことができる。さらに、特定以外演出表示と、特定演出表示とを急遽切替えても、演出表示の進行の程度を合わせることができ、演出表示に矛盾や大きな違和感等が生じることを抑制することができる。加えて、特定以外演出表示の一部で特定演出表示が視認可能となるクリッピング、マスキングや、特定演出表示が特定以外演出表示と重なって薄く見える状態を挟むフェードイン、フェードアウト等の表示態様等を導出させることができる。
手段G−3.前記演出表示手段は、動画が再生されるメインレイヤと、前記メインレイヤの動画と同期させる動画が再生される裏メインレイヤと、前記メインレイヤの動画よりも短い動画、又は、静止画が再生されるサブレイヤと、前記サブレイヤの動画又は静止画と同期させる動画又は静止画が再生される裏サブレイヤとを備え、
前記メインレイヤよりも上側(遊技者側)に前記裏メインレイヤが配置され、前記裏メインレイヤよりも上側に前記サブレイヤが配置され、前記サブレイヤよりも上側に前記裏サブレイヤが配置されることを特徴とする手段G−2に記載の遊技機。
手段G−3によれば、各レイヤで生成する画像の量を低減させることができ、所定のレイヤで再生する画像のパターン違いの画像を別のレイヤで再生する場合の負担を軽減することができる。
手段G−4.遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記特定以外演出表示が導出されている前記導出可能性期間における前記演出操作手段の操作に基づいて前記特定演出表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段G−1乃至G−3のいずれかに記載の遊技機。
手段G−4によれば、特定演出表示と、特定以外演出表示とを切替可能な機能を演出表示として十分に発揮させることが可能となる。
手段G−5.前記特定演出表示を導出させる権利をストック可能に構成されるとともに、
遊技者による遊技機への入力に応じて、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使可能に構成されていることを特徴とする手段G−1乃至G−4のいずれかに記載の遊技機。
手段G−5によれば、特定演出表示を導出させる権利をストックし、自分のタイミングで特定演出表示を導出させるといった新たな遊技性に楽しみを見出してもらうことができる。また、例えば、特定演出表示が導出されている場合に、エラー状態の報知等の緊急性を有する表示が導出される場合、どうしても特定演出表示の視認態様が阻害されてしまうが、かかる特定演出表示をストックさせる構成とすることにより、かかるストックの行使を後程の楽しみとすることができる。従って、特定演出表示に対して何らかの表示が重複して特定演出表示の視認性が悪化することに起因する興趣の低下を抑制することができ、特定演出表示を堪能するといった遊技性を確保し、結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。加えて、当然、ストックされる演出表示は、特定演出表示であることから、例えば、遊技者にとって興味のない演出表示がストックされ、それに付属する各種演出等が導出される等といった構成に比べ、無駄な演出の導出(過多)により、遊技者が辟易とするといった事態を回避することができる。
また、導出可能性期間が途中に存在する所定の演出表示が開始された後に、ストックされている特定演出表示を導出させる権利を行使して特定演出表示を導出させる場合、上記手段G−1のように、導出可能性期間では、元々、(特定以外演出表示とともに、)特定演出表示が再生される予定であることから、特定演出表示のストック権利の行使をスムースに行うことができる。さらには、導出可能性期間が開始された後でも、当該導出可能性期間に対応する特定演出表示を即座に導出させることができ、例えば、タイミングが少し遅れただけで特定演出表示を導出させるための対応ができなくなったり、特定演出表示に切替えるために、動画が中断したり、画像が乱れたりする等の事態を回避することができる。従って、特定演出表示をストックし、ストックの権利を遊技者のタイミングで行使するといった機能を十分に発揮させることができる。
手段G−6.前記特定演出表示と、前記特定演出表示とが(規定回数;1乃至複数回)重複する場合に、前記特定演出表示を導出させる権利をストック可能に構成されていることを特徴とする手段G−5に記載の遊技機。
手段G−6によれば、特定演出表示同士が重複して損をしたという感情ではなく、得をしたという感情になってもらうことができる。従って、特定演出表示を楽しむという遊技をより向上させることができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、複数の特定演出表示が重複して導出されることで見え難くなった方の特定演出表示がストックされる(導出されたものと同じ特定演出表示を導出させる権利が付与される)ように構成してもよいし、単に特定演出表示を導出する権利がストックされ、ストックされた権利を使用する際に、その時の状況に応じた態様の特定演出表示が導出されるように構成してもよい。
手段G−7.前記演出表示手段において、前記特定演出表示の導出期間と、前記特定演出表示との重複が不許可とされる不許可表示の導出期間との少なくとも一部が重複して導出されると判別される場合には、前記特定演出表示の導出期間と、前記不許可表示の導出期間とが重複しないように、前記特定演出表示、及び、前記不許可表示のうち少なくとも一方の導出タイミングが変更される、又は、前記特定演出表示を導出させる権利がストックされることを特徴とする手段G−5又はG−6に記載の遊技機。
手段G−7によれば、特定演出表示と不許可表示とが重複しないように一方の導出タイミングを変更することで、特定演出表示を十分に堪能してもらうことができ、また、重複したとしても、特定演出表示がストックされることから、特定演出表示と、不許可表示とが重複して損をしたという感情の発生を抑制ことができる。従って、特定演出表示を楽しむという遊技をより向上させることができ、興趣の向上を図ることができる。
手段G−8.ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使する場合に、その時の遊技状況に応じた態様の前記特定演出表示が設定され、導出されることを特徴とする手段G−5乃至G−7のいずれかに記載の遊技機。
手段G−8によれば、このタイミングで特定演出表示を導出させる権利を行使するとどのような態様で導出されるのかといった楽しみを付加することができる。従って、特定演出表示をストックさせるといった行為に付加価値を付けることができる。
手段G−9.ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使する操作が行われた場合に、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利が行使された場合に導出される前記特定演出表示の導出期間と、遊技の進行に関する情報を有し、リアルタイムで教示する必要のある報知表示の導出期間との少なくとも一部が重複すると判別される場合に、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使しないことを特徴とする手段G−5乃至G−8のいずれかに記載の遊技機。
手段G−9によれば、報知表示の情報を遊技者により確実に認識してもらうことができる。また、せっかくストックを使って導出させた特定演出表示に対して報知表示が重複し、特定演出表示の態様が阻害されるといった事態を回避することができる。
手段G−10.前記特定演出表示には、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使した場合にのみ導出される、又は、導出される可能性が高まる希少特定演出表示が設けられていることを特徴とする手段G−5乃至G−9のいずれかに記載の遊技機。
手段G−10によれば、特定演出表示をストックさせるといった行為に付加価値を付けることができる。尚、ストックを行使して導出された特定演出表示には、その他の特定演出表示に比べ、プラスアルファの情報(当否抽選等に関わる示唆が行われたり、その信頼性が高められたり、或いは、単に演出性がアップしたりする)が付加されるように構成してもよい。
手段G−11.前記特定演出表示がストックされ易いストック高確状態が設けられていることを特徴とする手段G−5乃至G−10のいずれかに記載の遊技機。
手段G−11によれば、特定演出表示を導出させる権利をストックするという構成を利用した遊技性の多様化を図ることができる。
尚、ストックされた特定演出表示は、100%の確率で導出されるわけではなく、所定の抽選で当選した場合に導出されるといった場合があるように構成してもよい。例えば、権利行使をするという入力を行うと、特定演出ボタン127の操作を促す案内が導出され、特定演出ボタン127を操作することに基づいて抽選が行われる(当選確率は一定でなくてもよく、また、当選確率は、ストック時に、ストックされた特定演出表示の種別やストックされた時の遊技状況等に応じて)決定されてもよいし、抽選時に決定されてもよい。
手段G−12.前記特定演出表示を導出させる権利がストックされている(該権利を保持している)ことを示す特定演出ストック表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段G−5乃至G−11のいずれかに記載の遊技機。
手段G−12によれば、特定演出表示がストックされるといった機能に気付かない、或いは、特定演出表示がストックされていることに気付かないといった事態を抑制することができる。
尚、「前記特定演出ストック表示において、前記当否抽選の結果(前記特別遊技状態の当選期待度)を教示又は示唆可能に構成されていること」としてもよい。この場合、特定演出ストック表示の価値を高めるとともに、特定演出ストック表示の態様を視認することで、このタイミングで特定演出表示のストックを使用すれば珍しい特定演出表示が導出されたり、成功裏に終わる特定演出表示が導出されたりする可能性が高い等といったことを把握することができる。
手段G−13.規定回数分の前記特定演出表示を導出させる権利がストックされた状態とされた場合に、規定回数分の前記特定演出表示を導出させる権利がストックされた状態を示す前記特定演出ストック表示自体が前記特定演出表示に対応する特殊ストック表示として導出されることを特徴とする手段G−5乃至G−12のいずれかに記載の遊技機。
手段G−13によれば、特定演出表示をストックさせることや、特殊ストック表示の態様に楽しみを見出してもらうことができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
手段G−14.前記特殊ストック表示が導出されている状態において、前記特定演出表示を導出させる権利をストックさせる契機が訪れた場合に、前記特殊ストック表示が対応する態様に変化する(例えば、特殊ストック表示としてのキャラクタが所定のアクションを行う)ことを特徴とする手段G−13に記載の遊技機。
手段G−14によれば、特殊ストック表示が導出された後も、特定演出表示をストックさせる(契機が訪れることへの)楽しみを確保することができる。
手段G−15.規定回数分の前記特定演出表示を導出させる権利がストックされた状態では、遊技者による遊技機への入力がなくても、ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使可能に構成されていることを特徴とする手段G−5乃至G−14のいずれかに記載の遊技機。
手段G−15によれば、例えば、特定演出表示のストックが、当該ストックの消費に見合うような適当なところで(特別遊技状態の発生期待度の高い変動表示に対応して)自動に行使されるようにする等することで、特定演出表示を導出させる権利がストックされているだけで権利が行使されず、特定演出表示を堪能してもらうためのストック機能が上手く活かされないといった事態を回避することができる。特に、上記手段G−13に関しては、ストックを消費すると特殊ストック表示が消失するので消費するのが惜しいという感情からストックが消費されない事態が予想されるため、自動的に消費されるように構成しておけば、遊技者はためらわずにストックを消費することができるとともに、特殊ストック表示がずっと表示され続けることで、ありがたみがなくなるといった事態を抑制することができ、特殊ストック表示の価値を高めることができる。
手段G−16.前記特定演出表示が規定期間の間導出されないことに基づいて、前記特定演出表示を導出させる権利がストックされることを特徴とする手段G−5乃至G−15のいずれかに記載の遊技機。
手段G−16によれば、特定演出表示を楽しみにしているのに導出されなさ過ぎて興趣の低下を招いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、規定期間とは、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを決定する当否抽選の結果を教示する変動表示の開始から終了までを1変動(1ゲーム)として、それが規定回数行われた場合、(所定の)特別遊技状態が規定回数行われた場合等が挙げられる。
また、特定演出表示が規定期間の間導出されないことでポイントが加算又は減算される特定演出ポイント記憶手段を備え、前記特定演出ポイント記憶手段に記憶されているポイントが規定ポイント以上又は規定ポイント以下になった場合に、特定演出表示を導出させる権利が付与されることとしてもよい。加えて、特定演出表示が導出された(導出の設定が行われた)ことでポイントが初期値に戻る構成(ポイント使用量が多いほど、レアパターン、又は、専用パターンの特定演出表示が導出される)でもよいし、ポイントが使用した分だけ減るように構成してもよい。
手段G−17.前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記識別情報の変動表示が実行されるよりも前の段階において、前記所定の当否関連情報に対応する前記保留表示の態様が、当該保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する特定態様とされる保留先読み演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段G−5乃至G−16のいずれかに記載の遊技機。
手段G−17によれば、保留先読み演出により、特別遊技状態の発生への期待が持てるような状況において、ストックされている特定演出表示を導出させる権利を行使する等といった具合に、ストックの利用に際しての利便性等を向上させることができる。
手段G−18.前記保留表示手段にて表示されている所定の前記保留表示に対応して、前記先読み保留演出を導出可能な導出準備状態であることを示す導出準備教示手段(例えば、保留表示手段において導出準備状態であることを示す導出準備表示を導出可能な機能)を備え、
前記導出準備状態において、前記特定演出表示を導出させる権利がストックされている場合には、当該ストックされている前記特定演出表示を導出させる権利を行使することで、前記保留表示が前記特定演出表示を伴って前記特定態様とされ得る前記保留先読み演出が導出されることを特徴とする手段G−17に記載の遊技機。
例えば、保留先読み演出の存在により、特別遊技状態の発生への期待が持てるような状況でなければ、ストックされている特定演出表示を導出させる権利を行使したくない等といった具合に、遊技者によっては、保留先読み演出によって、逆に、ストックの行使が抑制されてしまうことが懸念される。この点、手段G−18によれば、特定演出表示のストックを使用すれば、保留表示を特定態様とする保留先読み演出を導出させることができるとともに、同時に、特定演出表示についても楽しむことができる。従って、特定演出表示のストックの使用価値や、使用の幅を広げることができ、特定演出表示をストックするという機能をより有効活用することができる。尚、導出準備状態を経由せずに保留先読み演出が導出される場合があるように構成してもよい。
H.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、近年では、明るさや音量等を調節可能なものや、携帯通信端末を介して遊技機とサーバとの間で情報のやりとりを行うモバイル連動遊技を行うことで、遊技機の表示手段における表示態様等を遊技者の好みに応じて変化可能なものも増えている。これにより、居心地が悪くなるような要素を極力排除したり、遊技機への愛着を高めてもらったりすることができ、結果として、遊技機へのリピート率の向上が図られている。
しかしながら、依然として、比較的早期に飽きられてしまう場合もある。このため、極力長期にわたって、再度、遊技したいという気持ちになってもらうべく、遊技機への興味をより高める要素をより強化することが求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、早期に飽きられることを抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段H−1.(遊技者により)専用パーツを着脱可能なパーツ取付部と、
前記パーツ取付部に取付けられた前記専用パーツの態様を変化させる態様変化手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段H−1によれば、パーツ取付部に専用パーツを取付けることで、遊技機の外観を変化させることができる。従って、例えば、遊技者自身が専用パーツを持ち込んだり、遊技ホールにおいて専用パーツをレンタルしたりするような場合には、自分の部屋をコーディネートするような感覚で、遊技を行う環境のうち、遊技機の外観を遊技者の好みにすることができ、気分よく遊技を行ってもらうことができる。また、遊技ホールにおいて予め専用パーツを取付ける場合であっても、個々に遊技機の外観を変化させることができる。さらに、パーツ取付部に取付けられた専用パーツの態様が変化可能に構成されているため、専用パーツが単なる置物になることなく、装飾物としての性能を強化させたり、演出等の一環として使用したりすることができ、専用パーツを遊技機に取付けるといった楽しみをより強化することができる。さらに、遊技機そのものとしては取付けることが難しい遊技機の前方に突出するようなものを遊技機に取付けることができ、意匠性などの向上を図ることができる。
結果として、遊技者が自分で選んだ専用パーツを遊技機に取付けて外観を自身の趣味・嗜好に合わせることで、遊技機への興味・愛着をより積極的に高めてもらうことができ、比較的早期に飽きられてしまうことを抑制し、遊技機へのリピート率の向上を図ることができる。
尚、態様変化手段による専用パーツの態様変化としては、パーツ取付部が変位することに伴って専用パーツが変位するように構成してもよいし、透光性を有する専用パーツの場合には、光の点灯・消灯、明るさ、発光色等の変化による態様変化が生じてもよいし、変形可能な専用パーツの場合には、外形状に変化が生じるような構成としてもよい。また、遊技者が専用パーツの取付位置や取付向きを適宜変更可能に構成してもよい。
手段H−2.前記パーツ取付部に前記専用パーツが取付けられている状態と、前記専用パーツが取付けられていない状態とを区別可能な取付検知手段を備えていることを特徴とする手段H−1に記載の遊技機。
手段H−2によれば、パーツ取付部に専用パーツが取付けられていないにもかかわらず、専用パーツの態様を変化させるための処理、及び、駆動動作が実行されるといった事態を回避することができる。従って、制御の簡素化、省電力化、使用による劣化の抑制等を図ることができる。
また、例えば、専用パーツを遊技ホール側が用意して遊技者にレンタルする場合において、専用パーツが取付状態から外された状態とされることで、遊技機において専用パーツの返却をお願いするアナウンス等を導出したり、対応する信号が遊技機外部に出力されるように構成し、遊技ホール関係者が、専用パーツが外されたことを把握し得るようにしたりすることができ、専用パーツが遊技者によって無断で持ち去られてしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、例えば、専用パーツを遊技者が用意する場合において、遊技者が遊技を終了させる操作を行った場合(例えば、遊技価値を記憶可能な遊技価値記憶媒体を返却する操作が行われた場合、遊技機のデジタル化されて記憶されている遊技価値を実物の遊技価値として払出させる操作が行われた場合等)に、専用パーツを忘れないように注意喚起する(専用パーツが付いていることを教示する表示及び音声を導出する)ことができる。
尚、取付検知手段は、専用パーツの所定部位を検知可能な複数のセンサ又はスイッチを遊技者から見えない位置や触れない位置に備えていることとしてもよい。さらに、取付検知手段は、専用パーツに設けられたパーツ情報手段としてのICタグ等のRFID(Radio frequency identification)の情報を読取可能なパーツ読取手段を備えていることとしてもよい。つまり、パーツ取付部から専用パーツを外す代わりに別の何かを取付けて、分からないようにされてしまうといった事態を抑制することができる。
手段H−3.前記取付検知手段の検知に基づいて、前記専用パーツが前記パーツ取付部に取付けられたことに対応する取付反応態様が導出されることを特徴とする手段H−2に記載の遊技機。
手段H−3によれば、専用パーツがパーツ取付部に的確に取付けられたことを遊技者が認識し易くなる上、例えば、取付反応態様として、来店の挨拶や遊技への意気込みの取付反応演出が行われる等する場合、遊技の開始を盛り上げるとともに、専用パーツを取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。
手段H−4.前記態様変化手段は、
前記パーツ取付部に対し第1専用パーツが取付けられた場合には、前記第1専用パーツの態様を前記第1専用パーツに応じた態様に変化させ、
前記パーツ取付部に対し前記第1専用パーツとは異なる第2専用パーツが取付けられた場合には、前記第2専用パーツの態様を前記第1専用パーツの態様変化とは異なる前記第2専用パーツに応じた態様に変化可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−3のいずれかに記載の遊技機。
手段H−4によれば、専用パーツの種別ごとに異なる機能を付与することができ、専用パーツを遊技機に取付けることでの興趣をより一層向上させることができる。尚、同一のパーツ取付部に第1専用パーツ及び第2専用パーツを取付可能とし、当該パーツ取付部が第1専用パーツ及び第2専用パーツのどちらであるかを判別可能とする手段を備えるように構成してもよいし、第1専用パーツのみを取付可能な第1パーツ取付部と、第2専用パーツのみを取付可能な第2パーツ取付部とを備えるように構成してもよい。
手段H−5.前記パーツ取付部に対し前記専用パーツが取付けられていることに基づいて態様が変化するパーツ反応部が、前記パーツ取付部とは異なる位置において設けられていることを特徴とする手段H−1乃至H−4のいずれかに記載の遊技機。
手段H−5によれば、専用パーツを取付けただけで、パーツ反応部の態様を対応する態様に変化させることができる。従って、専用パーツを取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。また、専用パーツが的確に取付けられているかの確認を行うことができる。
手段H−6.前記パーツ取付部には、前記専用パーツに設けられたパーツ情報手段の情報を読取可能なパーツ読取手段が設けられ、前記パーツ読取手段により読取られた情報に基づく処理が実行可能に構成されていること(例えば、パーツ取付部に取付けられた専用パーツの態様を変化させる処理をオンの状態にする等)を特徴とする手段H−1乃至H−5に記載の遊技機。
手段H−6によれば、専用パーツを取付けただけで、パーツ取付部に取付けられた専用パーツの種別等を判別し、当該専用パーツ(さらには、上記手段H−3の取付反応態様が行われる演出手段等や、上記手段H−5のパーツ反応部)の態様を対応する態様に変化させる等することができる。従って、利便性の向上を図ることができるとともに、専用パーツを取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。
手段H−7.(所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、)遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段により制御され、前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記特別表示手段の変動表示に関連する演出表示を導出可能な演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、前記パーツ取付部に前記専用パーツが取付けられた場合に、前記演出表示手段において、前記専用パーツが取付けられたことに対応する表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−6のいずれかに記載の遊技機。
手段H−7によれば、例えば、専用パーツが取付けられた場合に演出表示手段において表示されているキャラクタが別の態様に変化する等、演出の中核となるところにも対応する変化をもたらすことで、専用パーツを取付けることへの興味を一層高めてもらうことができる。ひいては、演出表示手段と、専用パーツとの連携した演出への期待感を高めてもらうことができる。尚、本手段の演出表示手段は、上記手段H−3の取付反応態様を導出する手段や、上記手段H−5のパーツ反応部に相当する。
手段H−8.前記サブ制御手段は、遊技者による遊技機への入力に応じて、前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
前記パーツ取付部に前記専用パーツが取付けられた状態では、前記特定演出表示の態様が、前記専用パーツの取付けられていない状態とは異なる態様として導出されることを特徴とする手段H−7に記載の遊技機。
手段H−8によれば、専用パーツを取付けることで、遊技者によって特定される特定演出表示の態様を変化させることができる。従って、特定演出表示の導出や専用パーツへの興味をより一層高めることができる。尚、前記専用パーツを前記パーツ取付部に取付けることが、前記特定演出表示を特定するための遊技者による遊技機への入力操作であることとしてもよい。この場合、特定演出表示の特定のための入力操作の手間を省くとともに、専用パーツを取付けることで対応する態様に変化する遊技機への遊技への気分を盛り上げることができる。
手段H−9.前記パーツ取付部に取付けられた前記専用パーツを取外不可能なロック状態とするロック手段と、
前記ロック手段によるロック状態を解除可能なロック解除手段とを備えていることを特徴とする手段H−1乃至H−8のいずれかに記載の遊技機。
手段H−9によれば、トイレに行く、飲料を買う等の短時間の離席のために、専用パーツの盗難防止のため、専用パーツをわざわざ取外して持ち歩くといった事態を回避することができる。また、当該盗難対策により、遊技ホールで用意したものを装着しておくこともでき、利便性の向上等を図ることができる。
手段H−10.(所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、)遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段により制御され、前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記特別表示手段の変動表示に関連する演出表示を導出可能な演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、遊技者による遊技機への入力に応じて、前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
少なくとも前記特定演出表示が導出されている状態において、前記特定演出表示以外の特定の演出、又は、特定の報知の代わりとして、前記パーツ取付部の変位に基づく前記専用パーツの態様変化を実行可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−9のいずれかに記載の遊技機。
手段H−10によれば、特定演出表示が導出されている状態においては、特定演出表示を堪能することができるとともに、特定演出表示以外の情報については、パーツ取付部、及び、専用パーツを介しての触覚によって入手するといった構成とすることができる。従って、特定演出表示がその他の演出や報知等によって阻害されるといった事態を抑制するとともに、視線は特定演出表示に保ったまま、前記その他の演出や報知によって入手できた筈の情報についても入手することができる。尚、「少なくとも前記特定演出表示が導出されている状態においては、前記パーツ取付部の変位というかたちで、所定の前記入球手段への入球に対応する反応態様が導出されること」としてもよい。
手段H−11.前記演出表示手段において、前記特定演出表示の導出期間と、前記特定演出表示との重複が不許可とされる(前記特定演出表示の視認態様の少なくとも一部の視認性を低下させる、又は、視認不可能とさせる)不許可表示の導出期間との少なくとも一部が重複して導出されると判別される場合には、前記態様変化手段は、前記パーツ取付部に取付けられた前記専用パーツの態様を変化させる演出を実行することを特徴とする手段H−10に記載の遊技機。
手段H−11によれば、遊技者が視認することを楽しみにしていた特定演出表示が阻害演出表示と重複してしまった場合に、特定演出表示の視認性が低下する代わりに、専用パーツの態様が変化する。このため、特定演出表示の視認が妨げられることによる興趣の低下を抑制することができる。
手段H−12.前記パーツ取付部は、少なくとも一部が遊技機本体に対して相対変位可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−11のいずれかに記載の遊技機。
手段H−12によれば、パーツ取付部に取付けられた専用パーツを動作させることができ、演出性の向上等を図ることができる。また、パーツ取付部に取付けられた専用パーツに遊技者が触れていられるような構成とする場合、感触などの変化を利用した演出や示唆を行うことができ、演出性や遊技性の向上をより一層図ることができる。
手段H−13.前記パーツ取付部は、遊技機の前面から前方に突出する第1構成部、及び、第2構成部を備え、
前記第1構成部は前記第2構成部に対して相対変位可能に構成され、
前記専用パーツは、弾性を有する袋状をなし、前記第1構成部、及び、前記第2構成部を覆うようにして設けられていることを特徴とする手段H−12に記載の遊技機。
手段H−13によれば、パーツ取付部に取付けられた専用パーツは、パーツ取付部の変形部の変位に応じて変形(外形状が変化)することとなる。従って、今までにない演出用の可動役物が設けられることとなり、専用パーツ、ひいては、遊技機への興味をより一層高めることができる。特に、遊技者が常時接触できる位置にパーツ取付部が設けられ、演出に応じて変形部が変位する構成とした場合には、触覚による伝達を活かした演出を行うことができ、かかる作用効果がより顕著に奏されることとなる。
尚、パチンコ機に関しては、遊技球を発射させる際に操作する発射操作手段(発射ハンドル)を操作する手(右手)とは反対側の手(左手)で常時(肩まで動かすような必要はなく)触れる(握る)ことのできる位置(発射ハンドルの左右対称位置)において、触覚に作用する態様変化可能(触覚により変化を感じ取れるように態様を変更可能)な触覚伝達手段としてのパーツ取付部が設けられていることとしてもよい。また、専用パーツの素材としては、ゴム、熱可塑性エラストマー(オレフィン系エラストマー)、スポンジゴム、合成スポンジ等が挙げられる。
手段H−14.前記第2構成部は、前記第1構成部、及び、前記専用パーツとともに、遊技機の前面に対して相対変位可能に構成されていることを特徴とする手段H−13に記載の遊技機。
手段H−14によれば、パーツ取付部及び専用パーツによる演出の幅を広げることができ、より一層の興趣の向上を図ることができる。
手段H−15.前記パーツ取付部は、前記専用パーツに加わるテンションを変更可能に構成されていることを特徴とする手段H−13又はH−14に記載の遊技機。
手段H−15によれば、専用パーツの感触(硬さ、張り感)が変わるといった斬新な演出を提供することができる。
手段H−16.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入球手段と、
遊技者が操作可能な位置に設けられ、遊技者の操作に基づいて前記発射手段により遊技球が発射される発射操作手段とを備え、
前記パーツ取付部は、遊技機において、前記発射操作手段の左右対称位置、又は、その近傍位置に設けられていることを特徴とする手段H−11乃至H−15のいずれかに記載の遊技機。
手段H−16によれば、発射操作手段を操作する手(一般に右手)とは反対の手(左手)で、比較的長時間触れていても疲れないような位置(肩まで動かさなくても届く位置)に設けられている。従って、特定演出表示が導出されている間、比較的容易にパーツ取付部に取付けられた専用パーツに触れ続けることができ、専用パーツの機能を十分に活かすことができる。
手段H−17.遊技者が入力操作可能な入力操作手段を備え、
前記演出表示手段において、前記入力操作手段による入力が正しければ成功し、入力が正しくなければ失敗するといった演出が導出される構成において、
前記入力操作手段による入力が行われた場合に演出が成功することが決定されている場合に、
前記入力操作手段の操作が可能とされている状態において、前記入力操作手段の正しい入力を前記パーツ取付部の動作によって教示する演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−16のいずれかに記載の遊技機。
手段H−17によれば、入力操作手段による入力が可能な状態(どのような入力をしようか迷っている状態)において、当該入力の指針が教示されることで、遊技者は、驚き、喜び、そして、入力の結果が教示されることを大いに期待しながら、その間も高揚感を得ることができる。結果として、興趣の向上を図ることのできる演出を導出することができる。
手段H−18.前記パーツ取付部に対して圧力が負荷されていることを検出可能な圧力センサを備えていることを特徴とする手段H−1乃至H−17のいずれかに記載の遊技機。
手段H−18によれば、パーツ取付部に対して乱暴に力が加えられた場合に警告音を出したりして、パーツ取付部が破壊されてしまうといった事態を抑制することができる。尚、圧力計と、圧力計の計測値を記憶する圧力記憶手段とを備え、圧力記憶手段に記憶された値に基づいて所定の演出を行ったり、パーツ取付部が損傷等した場合に、その要因を突き止める材料としたりすることができる。
手段H−19.前記パーツ取付部は、前記専用パーツとの接触部位が取替可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−18のいずれかに記載の遊技機。
手段H−19によれば、専用パーツの着脱や使用に際して摩耗する等、比較的、損傷・劣化し易い部位については、単独で取替可能とすることにより、部品交換に際しての利便性の向上を図ることができる。例えば、専用パーツの係合部と係合するパーツ取付部の被係合部が穴状に構成され、悪意のある遊技者が係合部に異物を詰める等のいたずらをすることで、パーツ取付部が使用できなくなってしまう、或いは、再使用までの作業(例えば、詰め物の除去)が大変になるといった事態を回避することができる。
尚、パーツ取付部へのいたずら行為を抑制するべく、上記手段H−2に記載の取付検知手段により把握される情報に基づいて、専用パーツ以外のものがパーツ取付部に取付けられる等した場合に、対応する情報を遊技機外部に出力したり、遊技機において対応する態様を導出したりするように構成することとしてもよい。
手段H−20.前記パーツ取付部は、外部からの接触が禁止される収容状態と、外部からの接触が可能とされる露出状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段H−1乃至H−19のいずれかに記載の遊技機。
手段H−20によれば、パーツ取付部へのいたずらを抑制することができる。
手段H−21.遊技者の目の動きに基づく入力を可能とする視線入力手段を備えていることを特徴とする手段H−1乃至H−20のいずれかに記載の遊技機。
手段H−21によれば、遊技者の両手が埋まっているような状態でも、遊技者の意志に基づく所定の入力を行うことが可能となる。従って、演出でできることの幅が広がり、演出性の向上等を図ることができる。
尚、前方に位置する遊技者に向けて光(赤外線)を照射可能な投光部と、前記投光部から発せられ、遊技者の眼球で反射した光を検知する受光部と、前記受光部の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を解析する解析手段とを具備する視線検知手段を備えていることとしてもよい。つまり、遊技者がどこを見ているのか、すなわち、遊技者が何の情報を得ようとしているのか、或いは、遊技者がどのような操作をしようとしているのかを遊技機側で判別することができる。このため、例えば、遊技者が手を動かさなくても、遊技者の視線を検知して、対応する処理を実行したりすることができる。結果として、操作の複雑化を抑制しつつ、比較的多くの情報を遊技者に提供することができる。
また、全く手を動かさなくても、遊技のメニュー操作等を行えるように構成することで、例えば、パーツ取付部に取付けられた専用パーツや、飲料や、携帯通信端末等を手に持っている状態での急な選択も可能となったり、手をけがしている等の極力手を使用したくない状況での選択も可能となったりする。従って、手の使用が差し控えられるような状況でも、遜色ない操作性を実現することができ、利便性の向上等を図ることができる。さらに、所定の選択・決定行為を恥ずかしいと思っている遊技者でも、こっそりと、かつ、それ程手間取らずに選択・決定することができる。従って、恥ずかしがり屋や面倒くさがり屋の遊技者でも十分に遊技を満喫することができる。
I.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、変動表示や特別遊技状態の進行とともに様々な演出が導出されるように構成されており、特定の演出を見ることを楽しみに遊技ホールに足を運ぶ遊技者も少なくない。
ところで、一般には、異なる演出を重複させて導出したり、所定期間(例えば、1回の変動表示)に導出される演出の組合せを変えたりする等して、演出の多様化等が図られているのであるが、多様な演出のなかで、楽しみにしている特定の演出(例えば、遊技機の目玉としているような演出や、特定のキャラクタが登場する演出等)をもっと堪能したいといった要望がある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することのできる遊技機を提供することにある。
手段I−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示する識別情報の変動表示が行われる特別表示手段と、
前記主制御手段からの情報に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される演出表示手段とを備える遊技機において、
前記サブ制御手段は、前記演出表示手段における所定の演出表示を特定演出表示として特定可能な演出表示特定手段を備え、
期間内に導出される演出表示の1つとして前記特定演出表示が選択され得る第1演出表示が設けられ、
前記第1演出表示に関し、当該第1演出表示の期間内に所定の前記特定演出表示の全体を収めて導出されるように設定する強制設定処理を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段I−1によれば、遊技者が楽しみにしている、或いは、遊技機の目玉の演出となる特定演出表示の導出の機会を確実に増やすことができる。従って、演出の多様化が図られて、演出のパターンが多数設けられる構成においても、特定演出表示をより堪能することができる。結果として、遊技者の趣味・嗜好をより尊重した遊技を展開することができる。
手段I−2.前記第1演出表示の開始に際し、当該第1演出表示の期間内に導出される演出表示のパターンを決定するパターン決定処理と、
前記パターン決定処理で決定された演出表示のうち、前記第1演出表示の期間内に全体が収まるタイミングで導出される演出表示として、前記特定演出表示が設定されているか否かを判別する再設定不要判別処理とを実行可能に構成されていることを特徴とする手段I−1に記載の遊技機。
手段I−2によれば、処理の簡素化等を図ることができる。また、極力、本来の第1演出表示の流れを維持することができる。
手段I−3.前記パターン決定処理にて設定され、その後、前記強制設定処理で前記特定演出表示に差替えられることとなった演出表示は、前記特定演出表示の後に導出されるように順番がずらされることを特徴とする手段I−2に記載の遊技機。
手段I−3によれば、極力、本来の第1演出表示の流れを維持することができる。また、特定演出表示としての設定はできなかったものの、その次に好きな演出が特定演出表示に差替えられることで省略されてしまうような場合に興趣の低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。
手段I−4.遊技者が操作可能な特定操作手段を備え、
前記演出表示手段において所定の演出表示が導出されている際に、前記特定操作手段の所定の操作入力が行われることで、前記演出表示手段において導出されている前記所定の演出表示を前記特定演出表示として特定可能に構成され、
前記強制設定処理に際し、前記特定演出表示の設定が行われた状態か否かを判別し、肯定判別された場合に前記強制設定処理を実行し、否定判別された場合に前記強制設定処理をスキップすることを特徴とする手段I−1又はI−2に記載の遊技機。
手段I−4によれば、遊技者が好きな演出表示を特定演出表示として特定することができる。従って、より細かなニーズに対応することも可能となり、遊技に対する満足度を向上させることができる。また、強制設定処理を確実に行うことができる。
手段I−5.前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記識別情報の変動表示が実行されるよりも前の段階において、前記所定の当否関連情報が前記特別遊技状態に対応するものであるか否かを判別する先読み処理が行われる構成であって、
前記特別遊技状態が前記第1演出表示として構成され、
前記特別遊技状態において前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報が前記特別遊技状態に対応するものである場合に、前記特定演出表示の導出を禁止する設定を実行可能に構成されていることを特徴とする手段I−1乃至I−4のいずれかに記載の遊技機。
手段I−5によれば、導出されているものと思われていた特定演出表示が導出されなかったことで、逆に嬉しいという感情を付与することができる。つまり、特定演出表示が導出されてもされなくても嬉しいといった面白い状況をつくることができ、興趣の向上を図ることができる。
手段I−6.前記特別遊技状態において前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報が前記特別遊技状態に対応するものであることに起因して、当該特別遊技状態において前記特定演出表示が導出されなかった場合には、
前記特別遊技状態において前記保留記憶手段に記憶されていた当否関連情報に対応する前記特別遊技状態である保留連特別遊技状態が実行される場合に、当該保留連特別遊技状態において導出される演出表示として、前記特定演出表示の選択割合が増加する、又は、前記保留連特別遊技状態以外では導出されない、若しくは、導出され難い前記特定演出表示が導出されるよう構成されていることを特徴とする手段I−5に記載の遊技機。
手段I−6によれば、直前の特別遊技状態で特定演出表示が導出されなかった分、今回の特別遊技状態で特定演出表示を大いに堪能してもらうことができる。
手段I−7.前記演出表示手段において、前記特定演出表示の導出期間と、前記特定演出表示との重複が不許可とされる不許可表示の導出期間との少なくとも一部が重複して導出されると判別される場合には、前記特定演出表示の導出期間と、前記不許可表示の導出期間とが重複しないように、前記特定演出表示、及び、前記不許可表示のうち少なくとも一方の導出タイミングを変更可能に構成されていることを特徴とする手段I−1乃至I−6のいずれかに記載の遊技機。
手段I−7によれば、特定演出表示をより確実に堪能してもらうことができる。
尚、上記各手段A、手段B、手段C、手段D、手段E、手段F、手段G、手段H、及び、手段Iに記載されている各技術事項を適宜組合せて実施することも可能(各手段の一部同士を組合せることも可能)である。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
d.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
e.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の球使用の回動式遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。