(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前面枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、LEDが内蔵された操作手段としての演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられており、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には14個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。加えて、第1始動入賞装置33a、一般入賞口31、及び、スルーゲート34には、遊技領域を移動する遊技球が常に入球可能、又は、通過可能に構成されているのに対し、第2始動入賞装置33b、及び、可変入賞装置32に関しては、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されている。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(遊技釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。図4、図50、図51に示すように、本実施形態の第1始動入賞装置33aは、上方に開口し、遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な入球開口部331と、入球開口部331に入球した遊技球が入球可能な左右一対の第1入賞口332及び第2入賞口333と、入球開口部331に入球した遊技球を第1入賞口332又は第2入賞口333へ案内する第1案内通路334及び第2案内通路335と、第1案内通路334と第2案内通路335との分岐点に設けられ、入球開口部331に入球した遊技球を第1案内通路334及び第2案内通路335に交互に案内する振分け装置336とを備えている。
振分け装置336は、前後に延びる円柱状をなし、前後方向を中心軸線方向として回転自在に設けられた軸部337と、軸部337から放射状に延び、軸部337を中心とする均等位置に配置された3枚の回転板338とを備えている。また、振分け装置336は、図50に示すように、入球開口部331に入球した遊技球を第1入賞口332へと案内する第1位置と、図51に示すように、入球開口部331に入球した遊技球を第2入賞口333へと案内する第2位置との間を変位可能に構成されている。さらに、第1始動入賞装置33aは、第2位置から第1位置へと変位した振分け装置336の所定の回転板338に当接して、振分け装置336のそれ以上の変位を規制するとともに、第1位置から第2位置へと変位した振分け装置336のうち前記所定の回転板338とは別の回転板338に当接して、振分け装置336のそれ以上の変位を規制する回動量規制部339を備えている。
振分け装置336が第1位置にある場合、振分け装置336の複数の回転板338は、第1案内通路334及び第2案内通路335の両方を閉塞した格好とされているが、第1始動入賞装置33aの入球開口部331に遊技球が入球した場合、該遊技球が、軸部337から左方に延びている回転板338に案内されるとともに、該回転板338に載った遊技球の重さにより、振分け装置336は、回動が許容されている第2位置側へと反時計回り方向に回動変位する。これにより、該遊技球は、第1案内通路334へと案内され、第1入賞口332に入球するとともに、振分け装置336は自重バランスにより第2位置にて維持されるようになっている。
また、振分け装置336が第2位置にある場合、振分け装置336の複数の回転板338は、第1案内通路334及び第2案内通路335の両方を閉塞した格好とされているが、第1始動入賞装置33aの入球開口部331に遊技球が入球した場合、該遊技球が、軸部337から右方に延びている回転板338に案内されるとともに、該回転板338に載った遊技球の重さにより、振分け装置336は、回動が許容されている第1位置側へと時計回り方向に回動変位する。これにより、該遊技球は、第2案内通路335へと案内され、第2入賞口333に入球するとともに、振分け装置336は自重バランスにより第1位置にて維持されるようになっている。
以上のような構成により、遊技球を第1始動入賞装置33aに入球させることで、該遊技球は、第1入賞口332及び第2入賞口333に対して交互に入賞することとなる。尚、上記ステージ153の導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。また、振分け装置336の具体的な構成は特に限定されるものではなく、遊技球を第1入賞口332及び第2入賞口333に対して交互に入球させることができるように構成されていれば、適宜設計変更可能である。尚、回動量規制部339に磁石を埋設するとともに、当該回動量規制部339に当接し得る2枚の回転板338にそれぞれ金属などの(常)磁性体を埋設するように構成し、遊技球の重さによる振分け装置336の動作を許容しつつ、少しの振動では振分け装置336の姿勢が維持されるように構成してもよい。
遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(右側方領域)には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。
右側方領域におけるスルーゲート34の下流側には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、左右一対の羽根部材371を備えている。羽根部材371は、上下に延びる閉位置と、外側に開く開位置との間を回動変位可能に構成されている。本実施形態では、第2始動入賞装置33bの直上方に遊技釘が配設されており、羽根部材371が閉位置とされている場合には、該遊技釘と羽根部材371との間に遊技球が通過する余地がなくなる。従って、羽根部材371が閉位置とされることで、第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球不可能な閉状態とされる。一方、羽根部材371が開位置に変位することで、前記遊技釘と羽根部材371との間に遊技球が通過可能な間隔が確保されるとともに、第2始動入賞装置33bの側方を移動する遊技球が羽根部材371によって第2始動入賞装置33bの入賞口へと案内されるようになる。従って、羽根部材371が開位置とされることで、第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な開状態とされる。
尚、詳しくは後述するが、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
また、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33aには、第1入賞口332に入球した遊技球を検知する左始動入賞スイッチ224aと、第2入賞口333に入球した遊技球を検知する右始動入賞スイッチ224bとが設けられている。さらに、第2始動入賞装置33bには、第2始動入賞装置33bに入球した遊技球を検知する第2始動入賞スイッチ224cが設けられている。当該始動入賞スイッチ224a、224b、224cにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態を発生させるか否かの抽選(当否抽選)等が行われるとともに、後述する特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて大当たり状態に当選した場合には、可変入賞装置32が開放される大当たり状態が付与される。
尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332の左始動入賞スイッチ224aが第1条件成立検知手段を構成し、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333の右始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入賞装置33bの第2始動入賞スイッチ224cが第2条件成立検知手段を構成する。
第2始動入賞装置33bの下流側には、可変入賞装置32が設けられている。可変入賞装置32は、通常、遊技球が入賞不能な閉状態となっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
尚、本実施形態の可変入賞装置32の大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、可変入賞装置32の閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、可変入賞装置32の開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
加えて、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域(左側方領域)の下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って複数の一般入賞装置31が配設されている。尚、本実施形態では、左側方領域には、スルーゲート34が配置されていない。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材371が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、羽根部材371がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
さらに、本実施形態では、通常モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、確変モードは、大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43bにおける変動表示が予め設定された規定回数(本例では、100回)行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
尚、確変モードにおいては、第2始動入賞装置33bの羽根部材371が比較的頻繁に開放されて入球し易くなっており、スルーゲート34についても右側方領域にのみ設けられていることから、遊技者は、確変モードになると、第2始動入賞装置33bが設けられている右側方領域に向けて遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」をする)こととなる。さらに、本実施形態では、可変入賞装置32が右側方領域に設けられていることから、大当たり状態中においても「右打ち」を行うこととなる。
また、本実施形態では、遊技球を左側方領域に打ち出した場合には、該遊技球を第1始動入賞装置33aに到達させて入球させることができるものの、遊技球を右側方領域に打ち出した場合には、基本的に該遊技球を第1始動入賞装置33aに入球させることができないような盤面構成となっている。さらに、通常モードにおいては、第2始動入賞装置33b(羽根部材371)の開放がほぼ見込めないことから、通常モードにおいては、遊技球を左側方領域に向けて発射させる(所謂、「左打ち」をする)こととなる。加えて、右打ちや左打ちのタイミングに際しては、装飾図柄表示装置42等において、遊技球の打出し位置(発射の強さ)を示唆するアナウンスが行われるようになっている。
また、大当たり状態の種別(大当たり種別)としては、15ラウンド確変大当たり(以下「15RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、4ラウンド確変大当たり(以下「4RS」と言う)とがある。「15RS」、「8RS」、「4RS」に関しては、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「15RS」に関しては、それが15回繰り返され、「8RS」に関しては、それが8回繰り返され、「4RS」に関しては、それが4回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。
また、「15RS」、「8RS」、及び、「4RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」(本例では、変動表示100回分)が付与される。つまり、本実施形態では、大当たりすれば、大当たり状態終了後に、必ず確変モードが付与されるようになっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、10%の割合で「15RS」となり、40%の割合で「8RS」となり、50%の割合で「4RS」となる。その一方で、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、50%の割合で「15RS」となり、50%の割合で「8RS」となる。さらに、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、50%の割合で「15RS」となり、50%の割合で「8RS」となる。
つまり、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合に比べ、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合の方が、より多くの遊技球を獲得可能な種別の大当たり(大当たりラウンド数の多い大当たり)が付与される可能性が高まることとなる。
また、略楕円形状の遊技領域の右上部に隣接して、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への遊技球の入球に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第1特別表示装置43aと、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への遊技球の入球、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第2特別表示装置43bと、特別表示装置43a、43bにおける変動表示中に始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球があった場合に、当該入球に対応する変動表示を保留記憶したことを示す第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bと、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通図柄表示装置41と、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合に、当該通過に対応する変動表示を保留記憶したことを示す普通保留表示装置44とが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。本実施形態では、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、主制御装置261により直接的に表示制御される。
第1特別表示装置43aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。そして、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。そして、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球、又は、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、本実施形態では、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43b、若しくは、後述する装飾図柄表示装置42によって可変表示手段が構成され、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを可変表示手段とする場合には、主制御装置261の第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの変動表示を行う機能が表示制御手段に相当し、装飾図柄表示装置42を可変表示手段とする場合には、主制御装置261のコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42における変動表示を表示制御装置45に行わせるサブ制御装置262の機能が表示制御手段に相当する。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて変動表示が所定時間行われた後、当否抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合わせ)と、当否抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「15RS」、「8RS」、及び、「4RS」のどれであるかについても教示される。また、各種大当たり種別や、外れであることをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。尚、当否抽選の結果を示す点灯態様の態様がそのまま維持される構成としてもよい。
第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bは、それぞれ2個の(第1保留ランプ、第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と称する)を4回分まで保留記憶可能に構成されている。さらに、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への遊技球の入球に基づく変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と称する)を合計で4回分まで保留記憶可能に構成されている。
上記のように、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aに入球した遊技球を第1入賞口332又は第2入賞口333に対して交互に案内する振分け装置336が設けられている。このため、特別表示装置43a、43bにおける変動表示が消化されるよりも速いペースで遊技球を第1始動入賞装置33aに入賞させることができれば、比較的効率的に、第1変動表示及び第2変動表示を4回分ずつ、合計で8回分まで保留記憶させることができるようになっている。
また、例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。本実施形態では、第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bにより、(後述する保留先読み演出の行われない)第1保留表示手段が構成される。
また、本実施形態では、保留された変動表示は、第1変動表示及び第2変動表示のどちらであるかに関係なく、保留された順番で消化されるようになっている。つまり、例えば、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、どちらかが優先的に消化されるような構成ではない。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。そして、普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側(遊技領域外周側)の普図ランプが点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合わせ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置によって構成され、装飾図柄を表示可能な装飾図柄表示装置42が設けられている。装飾図柄表示装置42は、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示させるように構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。尚、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域のうち、基本的に、1番目に装飾図柄が停止表示されることとなる上図柄表示領域のことを「第1図柄表示領域」とも称し、2番目に装飾図柄が停止表示されることとなる下図柄表示領域のことを「第2図柄表示領域」とも称し、最後に装飾図柄が停止表示されることとなる中図柄表示領域のことを「第3図柄表示領域」とも称する。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「15RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「15RS」、「8RS」、及び、「4RS」のいずれかが発生する。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において(背景等のモチーフ等が異なる)複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることを示す「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることを示す「通常ステージ」とがある。つまり、「15RS」、「8RS」、及び、「4RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。さらに、「確変ステージ」において、特別表示装置43a、43bの変動表示(装飾図柄表示装置42の変動表示)が100回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる特別表示装置43a、43bの変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。詳しくは後述するが、図52に示すように、装飾図柄表示装置42の表示領域のうち下部の領域である保留表示エリア461において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン471が表示される。さらに、本実施形態の保留アイコン471に関しては、当該保留アイコン471が第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかを把握可能な態様をなしている。本実施形態では、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461が保留表示手段(第2保留表示手段)を構成する。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、及び、始動入賞装置33a、33b等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。さらに、第1始動入賞装置33aには、第1入賞口332への遊技球の入球を検知する左始動入賞スイッチ224a、及び、第2入賞口333への遊技球の入球を検知する右始動入賞スイッチ224bが設けられ、第2始動入賞装置33bには、第2始動入賞スイッチ224cが設けられている。加えて、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入賞スイッチ224cは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられている。また、第2始動入賞装置33bには、上記のように羽根部材371を開閉駆動する羽根側モータが設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41、第1及び第2保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,223b,224c、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド、第2始動入賞装置33b(羽根部材371)を開閉させるための羽根側モータ等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、各種電飾部及びランプ102、104等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。本実施形態では、サブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示制御手段が構成される。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。加えて、本実施形態のROM552には、遊技機IDが記憶されている。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43a、43bの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33a(第1入賞口332及び第2入賞口333)、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。本実施形態では、第1特別表示装置43aで行われる第1変動表示、及び、第2特別表示装置43bで行われる第2変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。尚、特別変動保留エリアの各保留エリア、及び、実行エリアがそれぞれ保留記憶手段の記憶領域を構成する。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜695の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり695)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜695)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている。本例では、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への遊技球の入球に対応して大当たりした場合に参照される第1種別判定テーブルと、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に対応して大当たりした場合に参照される第2種別判定テーブルとが設けられている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。また、ROM502には、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。そして、当否抽選にて当選しなかった場合に、変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチ状態を発生させるのか否か、さらには、リーチ状態を発生させる場合にはリーチ種別が決定されることとなる。
尚、変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり232に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値は「1」のみである。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は232であり、その範囲は「1〜232」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態での入球サポート抽選において参照される低入球時サポート判定テーブルと、高入球状態での入球サポート抽選において参照される高入球時サポート判定テーブルとが用意されている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する点灯態様が表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では695)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、695、19、238、232)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。ステップS305の後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への遊技球の入球に基づく第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNb、保留されている変動表示の総数(第1変動表示の保留数と、第2変動表示の保留数とを合わせた数)をカウントする保留総数カウンタNxが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリア、及び、各保留エリアには、第1変動表示であるのか、或いは、第2変動表示であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33b、又は、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333のどちらかに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224c、及び、右始動入賞検知スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS511に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNb、及び、保留総数カウンタNxを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。
ステップS504の後、ステップS505において、ステップS504で各カウンタ値が記憶された保留エリア(以下、「新規保留エリア」とも称する)の変動記憶エリアに第2変動フラグをオン設定する。続くステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された(新規保留エリアに記憶された)当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新規保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する第2種別判定処理を行う。尚、第2種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS508では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新規保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。先ず、ステップS5101では、新規保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新規保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モード(高確率状態)でのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途第1当否フラグ及び第2当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。つまり、説明の便宜上、当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生する情報が記憶されることを、第1当否フラグ及び第2当否フラグをオン設定することと称している。
尚、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設ける等して、この時点では当否乱数カウンタC1の値を記憶したままにしておき、後述の変動表示の開始に際して行われる変動表示設定処理において、当否乱数カウンタC1の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、当否を判定するように構成してもよい。
次に、ステップS507の第2種別判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5301では、新規保留エリアを参照し、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5301で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5302において、第2種別判定テーブルを参照し、新規保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RS」に対応する値「0〜9」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
次に、ステップS508のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、新規保留エリアの第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5402において、リーチ判定テーブルを参照し、新規保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、リーチ判定テーブルを参照し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜11」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS508に続くステップS509では、先発コマンドの設定処理を行う。本実施形態の先発コマンドには、当否判定処理の結果(第1当否フラグがオン設定されたこと、第2当否フラグがオン設定されたこと、或いは、両方ともオン設定されなかったこと)や、種別判定処理の結果(15RS、8RS、4RSのどれであるか)や、リーチ判定処理の結果(変動表示のリーチ発生の有無、又は、リーチ種別)や、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか等の各種遊技情報が含まれる。そして、設定された先発コマンドは、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にて、サブ制御装置262に出力される。
続くステップS510では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第2保留ランプを点灯させたまま左側の第2保留ランプを点滅させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS510の処理の後、又は、ステップS501、或いは、ステップS502で否定判別された場合には、ステップS511において、遊技球が第1始動入賞装置33aの第1入賞口332に入賞したか否かを左始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、肯定判別された場合には、ステップS512において、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への遊技球の入球に基づく第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS512で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS512で肯定判別された場合には、ステップS513に進み、第1保留カウンタNa、及び、保留総数カウンタNxを1インクメントする。
続くステップS514では、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS514の後、ステップS515において、ステップS514で各カウンタ値が記憶された保留エリア(新規保留エリア)の変動記憶エリアに第1変動フラグをオン設定する。
続くステップS516では、新規保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。つまり、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否判定処理と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否判定処理とが共通であり、ひいては、同一の遊技モードであれば、当否抽選における大当たり当選確率が同じとなっている。
続くステップS517では、ステップS516で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新規保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。第1種別判定処理の詳細については既に上述している。
ここで、ステップS517の第1種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、新規保留エリアを参照し、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参照し、新規保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RS」に対応する値「0、1」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5203において、第1種別判定テーブルを参照し、新規保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「8RS」に対応する値「2〜9」と一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、4RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS517に続くステップS518では、ステップS516で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新規保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、本実施形態では、上記したステップS508と同様の処理が行われる。
ステップS518の後、ステップS519において、先発コマンドの設定処理を行う。続くステップS520では、第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプを点灯させたまま左側の第1保留ランプを点滅させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS520の後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS504、ステップS514の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS504、ステップS514の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。また、ステップS506、ステップS516(ステップS5101、ステップS5103)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104の処理が結果記憶処理を構成する。さらに、ステップS504、ステップS514の当否乱数カウンタC1の値等を抽出する機能が情報取得手段を構成し、
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。
続くステップS605では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプを点灯させたまま左側の普通保留ランプを点滅させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点滅させるための処理を行う。ステップS605の後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43a、43b等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンドをサブ制御装置262に送信する。つまり、これらのコマンドは、特別表示装置43a、43bにて行われる変動表示に合わせた演出である装飾図柄の変動表示を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動種別について説明する。「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」となる変動表示時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、「15RS」大当たり図柄の組合わせ、大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
すなわち、「15RS」大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドを受信した場合、1,3,5,7,9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドを受信した場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせ(通常大当たり図柄)のうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、サブ制御装置262は、これら外れの図柄コマンドを受信した場合、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、主制御装置261で装飾図柄表示装置42の停止パターン(確変大当たり図柄、通常大当たり図柄、前後外れ図柄、前後外れ以外図柄、完全外れ図柄)を決定し、図柄コマンドを出力しているが、これに限らず、例えば、サブ制御装置262は、主制御装置261から出力される大当たり種別及びやリーチ種別の情報に基づいて、装飾図柄表示装置42における変動表示の停止態様(装飾図柄の組合わせ)を決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43a、43bに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。また、当該可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞装置33b(羽根部材371)に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では695)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、特別表示装置43a、43bの変動表示の後に設定される変動インターバル期間の残り時間を計測するための変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS801で否定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間である場合には、ステップS802において、変動インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、変動インターバル期間を1秒(1000msec)として、変動インターバルタイマに「249(ステップS801の前にステップS802が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS801で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間ではない場合には、ステップS803において、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、「大当たり状態中」には、特定表示装置43a、43bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間のオープニング期間と、可変入賞装置32が開状態とされるラウンド期間と、可変入賞装置32が閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とが含まれる。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶され、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されるように構成されている。すなわち、当該ステップS803では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS803で否定判別された場合、すなわち大当たり状態である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS803で肯定判別された場合には、ステップS804において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオンの場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフの場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中ではなく、さらに、変動表示中でもない場合には、ステップS805に移行し、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右の第1特図ランプ、又は、第2特図ランプのみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定を行う。つまり、本実施形態の第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバル期間の間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。
ステップS805の後、ステップS806に進み、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする変動表示の合計の保留数をカウントする保留総数カウンタNxの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS806で否定判別された場合、すなわち、変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS806で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS807において、保留総数カウンタNxから1を減算する。
続くステップS808では、特別変動保留エリアに格納されたデータ(変動情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1エリア〜保留第8エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS808の後、ステップS809において、実行エリアの第1変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS809で肯定判別された場合、すなわち、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく第1変動表示に対応する変動情報である場合には、ステップS810において、第1保留カウンタNaから1を減算する。
続くステップS811では、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプを点滅させたまま右側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させたまま右側の第1保留ランプを消灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS811の後、ステップS812において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS809で否定判別された場合、すなわち、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球、又は、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示に対応する変動情報である場合には、ステップS813において、第2保留カウンタNbから1を減算する。続くステップS814では、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第2保留ランプを点滅させたまま右側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させたまま右側の第2保留ランプを消灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS814の後、ステップS812において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS812の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、又は、「21」の値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参照し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照して、15RSフラグ(図15、図16の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS905で肯定判別された場合、すなわち「15RS」である場合には、ステップS906にて15RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。15RSパターン設定処理は、「15RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43a、43bや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示の時間、停止態様、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動表示時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS906の後、後述するステップS916に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合には、ステップS907において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照して、8RSフラグがオン設定されている否かを判別する。ステップS907で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS908にて8RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。ステップS908の後、ステップS916に移行する。
一方、ステップS907で否定判別された場合には、ステップS909において4RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。ステップS909の後、ステップS916に移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS910に移行し、第2当否フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合には、後述するステップS912にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS916へ移行する。
ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合、又は、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS911において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参照し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS911で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS912にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS916へ移行する。
また、ステップS911で否定判別された場合には、ステップS913において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参照し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS913で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS914にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS916へ移行する。
また、ステップS913で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS916に移行する。
ステップS916では、特別表示装置43a、43bにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS917では、特別表示装置43a、43bにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参照される。
尚、本実施形態における特別表示装置43a、43bの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、(基本的に、)特別表示装置43a、43bの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43a、43bの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS504、S514の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS506、S513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS906、ステップS908、ステップS909、ステップS912、ステップS914、ステップS915の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS815に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS816に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参照して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS816が肯定判別される。
ステップS816で否定判別された場合には、ステップS822において、特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)が実現される。ステップS822の後、本処理を終了する。
一方、ステップS816で肯定判別された場合には、ステップS817において特図表示中フラグをオフし、ステップS818において特別表示装置43a、43bにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れ等に対応する停止態様で停止表示させる。
また、ステップS818の後、ステップS819において、サブ制御装置262に対して、装飾図柄表示装置42の停止表示を行わせる停止コマンドの設定を行う。これにより、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、特別表示装置43a、43bによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS820において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための判別情報設定処理を行うとともに、ステップS821で変動インターバルタイマに対して変動インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
ここで、判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、実行エリアに15RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「15」を設定する。
続くステップS1004では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1005では、当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1006では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1007では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。ステップS1007の後、本処理を終了する。
また、ステップS1002で否定判別された場合には、ステップS1008において、実行エリアに8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1008で肯定判別された場合には、ステップS1009において、ラウンド数カウンタに対して「8」を設定してから、上記ステップS1004に移行する。一方、ステップS1008で否定判別された場合には、ステップS1009において、ラウンド数カウンタに対して「4」を設定してから、上記ステップS1004に移行する。
また、ステップS1001にて否定判別された場合には、ステップS1011において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否か、すなわち、確変モードであるか否かを判別する。ステップS1011で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1011で肯定判別された場合には、ステップS1012において、確変モードの継続期間(期限)を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり状態終了時において、変動回数カウンタに対し、確変モードの期限に相当する変動表示の回数(例えば100回)が設定される。そして、特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に、当該ステップS1012において変動回数カウンタの値が1減算される。
続くステップS1013では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。一方、ステップS1013で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了後に、確変モードの期限として設定された規定回数分の特別表示装置43a、43bの変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS1013で肯定判別された場合には、ステップS1014において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて変動表示が規定回数行われた時点で確変モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1014の後、ステップS1015において、サブ制御装置262に対して確変モードの終了を知らせるサポート終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。尚、サポート終了コマンドを受信したサブ制御装置262は、装飾図柄表示装置42の演出ステージを通常ステージに移行させる等の処理を実行することとなる。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置32を開閉させるための可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)には、ステップS1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」が設定されている。
続くステップS1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1206では、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップS1206の後、ステップS1207において、可変入賞装置32を開状態とさせる処理を行い、ステップS1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1209において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1209で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1210においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1211では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1212に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1213において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。
ステップS1213の後、ステップS1214において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1215において、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、ステップS1216において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32の開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1217に移行し、可変入賞装置32への入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32に遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1217で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1217で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1210に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1218に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1218の後、ステップS1219において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
ステップS1219の後、ステップS1220において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1217で肯定判別された後の流れでステップS1218以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1217で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1220で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1220の後、ステップS1221では、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1222では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1209で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1223に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401において、モード記憶エリアに対し、確変モードに対応する値「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。
続くステップS1402では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。ステップS1402の後、ステップS1403において、サブ制御装置262に対して確変モードの開始を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS1223の終了設定処理の後、ステップS1224において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1225において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、通常処理における前記ステップS207の普通表示制御処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定される普図インターバル期間の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間である場合には、ステップS2102において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバル期間を1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップS2101の前にステップS2102が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップS2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2103で否定判別された場合には、ステップS2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップS2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップS2104で肯定判別された場合には、ステップS2105において、普通保留カウンタNcから1を減算する。続くステップS2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態でもない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄表示装置41の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜232」の場合に当選となる。
ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、又は、ステップS2305で肯定判別された場合には、本処理を終了する。
また、ステップS2302で否定判別された場合、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1」の場合に当選となる。
ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2309において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2309の後、又は、ステップS2308で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2107の後、ステップS2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプを点滅させたまま右側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させたまま右側の普通保留ランプを消灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップS2108の後、本処理を終了する。
また、ステップS2103で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2110で肯定判別された場合には、ステップS2111において普図表示中フラグをオフし、ステップS2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、左右一対の普図ランプの両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプのみを点灯させる。
続いてステップS2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「21」が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を4秒にするべく「1000」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2113の後、ステップS2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2110で否定判別された場合には、ステップS2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプを交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。ステップS2115の後、本処理を終了する。
次に、上記通常処理におけるステップS208の始動入賞装置制御処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bの開閉の状態を維持する期間である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合には、ステップS2204において、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、現在、第2始動入賞装置33bが開状態にあって、閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS2205に移行し、普通可変フラグをオフする。続くステップS2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2207では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2210の後、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)にあって、インターバル期間を終了させるタイミングが到来した場合には、ステップS2211で普通可変フラグをオンし、ステップS2212で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「1000」)を設定し、ステップS2213で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たりに対応するかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報等が含まれる。特に、本実施形態では、第2遊技モードとしての確変モードだけではなく、第1遊技モードとしての通常モードでも大当たりとなる変動表示である(第1当否フラグオンに対応する)のか、或いは、確変モードでしか大当たりにならない変動表示である(第2当否フラグオンに対応する)のかを判別可能とする情報も含まれるようになっている。本実施形態では、保留情報記憶エリアが、主制御装置261の特別変動保留エリアとともに、保留記憶手段を構成している。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。保留情報記憶エリアには、先発コマンドの受信履歴に合わせて、当該先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチ種別、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応しているのかの情報等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。結果的に、主制御装置261の特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
以下、保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする変動保留カウンタNdを1インクメントする。さらに、ステップS4103において、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチ種別、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応しているのかの情報等を、保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初の(変動情報が記憶されていない保留エリアのうち最も番号の小さい)保留エリアに記憶する。
続くステップS4104では、確変モードであるか否かを判別する。ステップS4104で否定判別された場合、すなわち、通常モードである場合には、ステップS4105に移行する。
ステップS4105では、保留アイコン設定処理を行う。すなわち、本実施形態では、図52(a)に示すように、装飾図柄表示装置42の下部に設定された保留表示エリア461において、特別表示装置43a、43bの変動表示が保留記憶されていることを示す保留表示(第2保留表示)としての保留アイコン471が表示されるようになっている。図52(b)等に示すように、保留アイコン471には、保留されている変動表示の内容、より具体的には、大当たり状態の発生期待度(大当たり期待度)を示唆する保留アイコン471(以下、「先読み保留アイコン472」とも称する)と、大当たり期待度を示唆しないデフォルトの保留アイコン471とが存在する。
図53に示すように、先読み保留アイコン472は、「宝箱」を模したベースオブジェクト473と、基本的に、開いた「宝箱」の中に納まるようにして表示されるキャラクタオブジェクト474とによって構成されている。先読み保留アイコン472の態様には、キャラクタオブジェクト474を異ならせることで複数のパターンが用意されており、先読み保留アイコン472の態様パターンと、大当たり期待度とが対応付けされている。より具体的に、先読み保留アイコン472の態様によって大当たり期待度が5段階で示唆されるようになっており、ランク1;「開いた宝箱の中にアンコウ」、ランク2;「開いた宝箱の中にサメ」、ランク3;「開いた宝箱の中に亀」、ランク4;「開いた宝箱の中にカニ」、ランク5「開いた宝箱の中にジュゴン」といった態様の順に大当たり期待度が高くなるように設定されている。
一方、デフォルトの保留アイコン471の態様は「閉じた宝箱」であり、キャラクタオブジェクト474は表示されない。ちなみに、デフォルトの保留アイコン471は、大当たり期待度が低いことを示すのではなく、大当たり期待度を加味していない(変動情報の内容の示唆を行わない)ことを示す態様となっている。
尚、本実施形態では、先読み保留アイコン472を表示すること(ベースオブジェクト473にキャラクタオブジェクト474を組合わせて表示すること)が、保留先読み演出に相当する。さらに、本実施形態では、便宜上、先読み保留アイコン472の各態様ランクのパターンを1つにしているが、それぞれに複数のパターンを設定することも可能である。
また、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく第1変動表示に対応する保留アイコン471は「白色の宝箱」であり、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示に対応する保留アイコン471は「黒色の宝箱」となっている。つまり、保留アイコン471の態様(宝箱の色)を確認すれば、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらに対応するものであるかを特定することができる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく変動情報が第1当否関連情報に相当し、該変動情報に対応する保留アイコン471が第1保留表示であり、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく変動情報が第2当否関連情報に相当し、該変動情報に対応する保留アイコン471が第2保留表示である。
尚、デフォルトの保留アイコン471は、大当たり期待度が低いことを示すのではないとは言え、遊技者の印象としては、単なる「閉じた宝箱」の保留アイコン471よりも、キャラクタオブジェクト474を伴う先読み保留アイコン472の方に大当たり状態発生への期待をしてしまう。さらに、先読み保留アイコン472にもランク付けが行われており、低ランクの先読み保留アイコン472が導出された場合、逆に、大当たり状態が発生しない可能性が高まっただけではないかと遊技者に思われてしまうことが懸念される。そこで、詳しくは後述するが、本実施形態では、先読み保留アイコン472が保留表示エリア461に表示された後の段階でも、当該先読み保留アイコン472の態様が変化する場合があるように構成されている。さらに、デフォルト態様の保留アイコン471が、先読み保留アイコン472へと変化する場合もあるように構成されている。これにより、デフォルトの保留アイコン471や、低ランクの先読み保留アイコン472が表示された後も、かかる保留アイコン471のランクアップ、ひいては、対応する変動表示での大当たりへの期待が持てるようになっている。
また、図52(a)に示すように、本実施形態の保留表示エリア461は、保留情報記憶エリアの実行エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471が表示される実行対応エリア462(本例では、保留表示エリア461の左端)と、保留情報記憶エリアの保留エリア(保留第1エリア〜保留第8エリア)に記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471が表示される保留対応エリア463(本例では、左側から順に、第1保留対応エリア〜第8保留対応エリア)とを備えている。このため、保留表示エリア461では、実行対応エリア462に最大で1つの保留アイコン471を表示可能とし、保留対応エリア463に最大で8つの保留アイコン471を表示可能としている。
ここで、ステップS4105の保留アイコン設定処理について、図38を参照して説明する。先ず、ステップS6101では、保留演出に関する各種カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4103にて変動情報を新たに記憶した保留エリア(以下、「新規記憶保留エリア」とも称する)に記憶する。
より具体的に説明すると、サブ制御装置262のRAM553には、保留先読み演出を行うか否か(先読み保留アイコン472を表示するか否か)を決定するための保留先読み演出抽選カウンタ(0〜99のループカウンタ)が設けられている。さらに、先読み保留アイコン472を用いる演出として、保留情報記憶エリアに記憶されている変動情報と、装飾図柄表示装置42に表示されている先読み保留アイコン472との対応関係を変更する「保留先読み対象変更演出」が行われる場合があり、RAM553には、当該「保留先読み対象変更演出」を行うか否かを決定するための保留設定カウンタ(0〜199のループカウンタ)が設けられている。
また、「保留先読み対象変更演出」の1種として、保留表示エリア461に表示される保留アイコン471の並びに関して、所定の先読み保留アイコン472を変動順(消化の順番)が早くなるように移動させる「保留前移動演出」があり、RAM553には、当該「保留前移動演出」を実行するか否かを決定するための留保解除抽選カウンタ(0〜49のループカウンタ)が設けられている。さらに、「保留先読み対象変更演出」の1種として、保留表示エリア461に表示される保留アイコン471の並びに関して、所定の先読み保留アイコン472を変動順が遅くなるように移動させる「保留後移動演出」があり、RAM553には、当該「保留後移動演出」を実行するか否かを決定するための変更設定抽選カウンタ(0〜19のループカウンタ)が設けられている。加えて、「保留先読み対象変更演出」の1種として、保留表示エリア461に表示されている先読み保留アイコン472同士を入れ替える「保留交換演出」があり、RAM553には、当該「保留交換演出」を実行するか否かを決定するための交換設定抽選カウンタ(0〜9のループカウンタ)が設けられている。
そして、ステップS4103では、保留先読み演出抽選カウンタの値、保留設定カウンタの値、留保解除抽選カウンタの値、変更設定抽選カウンタの値、及び、交換設定抽選カウンタの値が取得され、かつ、記憶される。
また、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、保留アイコン471に関する状況を示す保留演出カウンタがそれぞれ設けられている。保留演出カウンタは、「0〜7」の値を取り得るように構成されている。
保留演出カウンタの値が「0」の場合は、対応する保留アイコン471では保留先読み演出(「キャラクタ付き宝箱」の表示)が行われず、デフォルトの保留アイコン471が表示されていることを示す。
保留演出カウンタの値が「1」の場合は、対応する保留アイコン471が先読み保留アイコン472となっていることを示す。以下、保留演出カウンタに「1」が設定されていることを、「実行フラグがオン設定されている」とも称する。
保留演出カウンタの値が「2」の場合は、「保留前移動演出」が実行される可能性がある(保留前移動演出を留保している)ことを示している。そして、いざ「保留前移動演出」が実行された場合には、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461のうち、保留演出カウンタに「2」が設定されている実行エリア又は保留エリアに対応する位置が、先読み保留アイコン472の移動先として指定されることとなる。以下、保留演出カウンタに「2」が設定されていることを、「留保フラグがオン設定されている」とも称する。
保留演出カウンタの値が「3」の場合は、「保留前移動演出」を実行することを示している。すなわち、当該保留演出カウンタに「3」が設定されている保留エリアに対応する保留アイコン471として、所定の態様の先読み保留アイコン472を導出した後、当該所定の態様の先読み保留アイコン472を、保留演出カウンタに「2」が設定されている保留エリア又は実行エリアに対応する保留アイコン471として表示変更する処理を行うことを示している。以下、保留演出カウンタに「3」が設定されていることを、「解除フラグがオン設定されている」とも称する。
保留演出カウンタの値が「4」の場合は、「保留後移動演出」が実行される可能性があることを示している。そして、いざ「保留後移動演出」が実行された場合には、当該保留演出カウンタに「4」が設定されている実行エリア又は保留エリアに対応して表示されている先読み保留アイコン472が、デフォルトの保留アイコン471に変更されることとなる。以下、保留演出カウンタに「4」が設定されていることを、「変更前フラグがオン設定されている」とも称する。
保留演出カウンタの値が「5」の場合は、「保留後移動演出」を実行することを示している。すなわち、当該保留演出カウンタに「5」が設定されている保留エリアに対応する保留アイコン471として、デフォルトの態様の保留アイコンを導出した後、保留演出カウンタに「4」が設定されている保留エリア又は実行エリアに対応して表示されている先読み保留アイコン472を、当該保留演出カウンタに「5」が設定されている保留エリアに対応する保留アイコン471として表示変更することを示す。以下、保留演出カウンタに「5」が設定されていることを、「変更先フラグがオン設定されている」とも称する。
保留演出カウンタの値が「6」の場合は、「保留交換演出」が実行される可能性があることを示している。以下、保留演出カウンタに「6」が設定されていることを、「第1交換フラグがオン設定されている」とも称する。
保留演出カウンタの値が「7」の場合は、「保留交換演出」を実行することを示している。すなわち、当該保留演出カウンタの値が「7」になっている保留エリアに対応する保留アイコン471として表示される先読み保留アイコン472と、保留演出カウンタの値が「6」になっている保留エリア又は実行エリアに対応する先読み保留アイコン472とを交換する(入れ替える)ことを示す。以下、保留演出カウンタに「7」が設定されていることを、「第2交換フラグがオン設定されている」とも称する。
尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアの保留演出カウンタが導出情報記憶手段を構成し、保留演出カウンタの値で示される各種情報が導出情報に相当する。また、以下に説明する保留アイコン設定処理を行う機能が保留演出設定処理を構成する。さらに、上記した「実行フラグ」が「保留演出実行フラグ」に相当し、「留保フラグ」が「保留演出留保フラグ」に相当し、「解除フラグ」が「留保解除フラグ」に相当する。
さて、ステップS6101の後、ステップS6102では、保留情報記憶エリアにおいて留保フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=2の)実行エリア又は保留エリアが存在するか否かを判別する。本実施形態では、実行エリア及び各保留エリアの留保フラグ(保留演出カウンタ)とは別に、留保受付フラグが設けられており、留保受付フラグは、留保フラグがオン設定される場合に、オン設定されることとなる。当該ステップS6102では、留保受付フラグを確認することで、留保フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、留保受付フラグを省略し、実行エリア及び各保留エリアを参照して、留保フラグがオンされているか否かを確認するように構成することも可能である。
ステップS6102で否定判別された場合には、ステップS6103において、先読み保留アイコン472を利用する保留先読み演出を行うか否かを決定する保留先読み演出抽選処理を行う。図39に示すように、保留先読み演出抽選処理に際して参照される保留先読み演出抽選テーブルは、確変モード中に参照されるものと、その他の遊技モードにおいて参照されるものとがある。確変モード中に参照される保留先読み演出抽選テーブルとしては、確変モードが終了するまでの変動表示が残り4回以内であるときに大当たりとなる場合の「確変中大当たりST終了直前4回時用」と、確変モード中において、最後の4回以外の変動表示で大当たりとなる場合の「確変中大当たりそれ以外時用」と、確変モードの最後の4回の変動表示であって外れである場合に選択される「ST終了直前4回外れ時用」と、確変モード中において前後外れリーチとなる場合の「確変中前後外れリーチ時用」と、確変モード中におけるその他の場合の「確変中その他用」とがある。
また、通常モード及び時間短縮モードにおいて参照される保留先読み演出抽選テーブルとしては、いずれの遊技モードでも大当たりとなる場合の「大当たり確定時用」と、確変モードでしか大当たりとならない場合の「条件付き大当たり時用」と、「前後外れリーチ時用」と、「前後外れ以外リーチ時用」と、「完全外れ時用」とが設けられている。
そして、新規記憶保留エリアの変動情報に応じて、参照する保留先読み演出抽選テーブルを選択し、保留先読み演出抽選カウンタの値に基づいて、当該新規記憶保留エリアに記憶された変動情報に対応して保留先読み演出を実行するか否かを決定する。また、当該ステップS6103では、保留先読み演出を実行することが決定された場合に、新規記憶保留エリアの保留演出カウンタに対して「1」を設定する(実行フラグをオン設定する)ように構成されている。
特に、本実施形態では、確変モードの最後の4回の大当たりとなる変動表示であるか否か、確変モードのそれ以外の大当たりとなる変動表示であるか否か、確変モードの最後の4回の外れとなる変動表示であるか否か、確変モードの前後外れリーチが発生する変動表示であるか否かの順に判別が行われ、かかる判別結果に応じた保留先読み演出抽選テーブルが参照されるように構成されており、かかる判別のうち上位の判別で肯定判別されて選択された保留先読み演出抽選テーブルが参照される方が、実行フラグがオン設定される可能性が高くなるように構成されている。つまり、確変モードの最後の4回の変動表示に際しては、実行フラグがオン設定され易くなっている(本例では、大当たり時が80%、外れ時が25%)。尚、詳しくは後述するが、この時点で保留演出カウンタに対して「1」が設定されたとしても、保留先読み演出としての先読み保留アイコン472が導出されない場合もある。
また、詳しくは後述するが、サブ制御装置262には、確変モードで行うことのできる残りの変動表示回数をカウントする変動回数カウンタが設けられるだけでなく、確変モードにおいて実行される変動表示として変動情報を保留記憶することのできる残り回数をカウントする保留回数カウンタが設けられている。つまり、本実施形態では、「変動表示の保留」が行われることから、変動回数カウンタの値が「0」になる前に、確変モードにおいて行われる最後の変動表示が保留記憶されたり、通常モードにおいて行われる変動表示が保留記憶されたりする。そこで、変動表示が保留記憶された際に、保留回数カウンタを参照することで、当該変動表示が確変モードにおいて行われる変動表示か否かを把握することが可能となる。
さらに、詳しくは後述するが、保留情報記憶エリアの実行エリア及び各保留エリアには、記憶されている変動情報に対応する変動表示が、確変モードにおいて行われる変動表示であり、かつ、確変モードが終了するまで残り4回以内の変動表示であることを示すラスト4フラグが設けられている。そして、当該ラスト4フラグを確認することで、該当する変動表示が、確変モードが終了する直前4回以内に行われる変動表示であるか否かを判別可能に構成されている。尚、本実施形態では、第2遊技モードとしての確変モードにおいて変動表示が行われることとなる変動情報が第2対応当否関連情報に相当し、当該変動情報に対応する保留アイコン471が第2対応保留表示であり、第1遊技モードとしての通常モードにおいて変動表示が行われることとなる変動情報が第1対応当否関連情報に相当し、当該変動情報に対応する保留アイコン471が第1対応保留表示である。
また、本実施形態では、確変モード中は、大当たりとなる場合に60%の確率で保留先読み演出が行われる。その一方で、確変モード中で外れとなる場合、確変モードが終了する直前4回の変動表示に関しては例外的に25%の確率で保留先読み演出が行われるものの、かかる4回の変動を除けば、前後外れリーチとなる場合にしか保留先読み演出が行われる可能性はなく、しかも、前後外れリーチとなる場合であっても、保留先読み演出が行われる確率は5%となっている。つまり、確変モード中は、外れとなる場合に保留先読み演出が導出される可能性が低く、保留先読み演出が導出されただけで、大当たり状態の発生への期待度が飛躍的に高まるようになっている。但し、例外的に、確変モードが終了する直前4回の変動表示のうち1回程度は、保留先読み演出が導出されるような構成となっている。
加えて、通常モード中、及び、時間短縮モード中は、「大当たり確定時用」を参照した場合に最も保留先読み演出が導出され易くなっており、「条件付き大当たり時用」、「前後外れリーチ時用」、「前後外れリーチ以外時用」、「完全外れ時用」の順に、保留先読み演出が導出され難くなる。また、確変モード中に比べると、外れとなる場合にも比較的保留先読み演出が導出され易くなっており、前後外れリーチとなる場合には40%もの確率で保留先読み演出が行われ、また、前後外れ以外リーチや完全外れとなる場合にも、保留先読み演出が導出される可能性があるようになっている。
ステップS6103の後、ステップS6104では、新規記憶保留エリアの実行フラグがオン設定されているか否か(保留演出カウンタの値が「1」であるか否か)を判別する。ステップS6104で肯定判別された場合、新規記憶保留エリアの変動情報を参照して、大当たりにならず、リーチ状態も発生しない「完全外れ」の変動表示に対応するものであるか否かを判別する。
ステップS6105で否定判別された場合、ステップS6106において、第1交換フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=6の)実行エリア又は保留エリアが存在するか否かを判別する。尚、本実施形態では、実行エリア及び各保留エリアの第1交換フラグ(保留演出カウンタ)とは別に、交換受付フラグが設けられており、交換受付フラグは、第1交換フラグがオン設定される場合に、オン設定されることとなる。当該ステップS6106では、交換受付フラグを確認することで、第1交換フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS6106で否定判別された場合、ステップS6107において、変更前フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=4の)実行エリア又は保留エリアが存在するか否かを判別する。尚、本実施形態では、実行エリア及び各保留エリアの変更前フラグ(保留演出カウンタ)とは別に、変更受付フラグが設けられており、変更受付フラグは、変更前フラグがオン設定される場合に、オン設定されることとなる。当該ステップS6107では、変更受付フラグを確認することで、変更前フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS6107で否定判別された場合、ステップS6108において、保留先読み演出の種別を決定する保留設定処理を行う。図40に示すように、保留設定処理に際して参照される保留設定テーブルは、確変モードが終了するまでの変動表示が残り4回以内であり、かつ、大当たりとなる(確変モード中であるため、第1当否フラグがオンされた変動情報、及び、第2当否フラグがオンされた変動情報のどちらに対応していても大当たりとなる)場合の「ST終了直前4回の大当たり時用」と、「それ以外の大当たり確定時用」と、「それ以外の条件付き大当たり時用」と、確変モードが終了するまでの変動表示が残り4回以内であり、かつ、外れとなる場合の「ST終了直前4回の外れ時用」と、「それ以外の外れ時用」とが設けられている。そして、新規記憶保留エリアの変動情報に応じて、参照する保留設定テーブルを選択し、保留設定カウンタの値に基づいて、新規記憶保留エリアに記憶された変動情報に対応して行われる保留先読み演出の種別を決定する。
より具体的に、本実施形態では、「ST終了直前4回の大当たり時用」の保留設定テーブルを参照した場合、70%の割合で「留保フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「2」)、20%の割合で「第1交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「6」)、10%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。尚、新規記憶保留エリアの保留演出カウンタには、既に、ステップS6103において「1」が設定されていることから、該保留演出カウンタに「2」や「6」を設定する場合には上書きが行われる(「1」を設定する場合には、そのままとする)。
「ST終了直前4回の外れ時用」の保留設定テーブルを参照した場合、20%の割合で「留保フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「2」)、5%の割合で「第1交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「6」)、75%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。
「それ以外の大当たり確定時用」の保留設定テーブルを参照した場合、50%の割合で「留保フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「2」)、5%の割合で「第1交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「6」)、45%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。本実施形態では、ST終了直前4回の大当たりとなる変動表示において留保フラグがオン設定される確率の方が高くなっている。
「それ以外の条件付き大当たり時用」の保留設定テーブルを参照した場合、35%の割合で「留保フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「2」)、15%の割合で「第1交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「6」)、50%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。
「それ以外の外れ時用」の保留設定テーブルを参照した場合、25%の割合で「留保フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「2」)、25%の割合で「第1交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「6」)、15%の割合で「実行フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「1」)、35%の割合で「変更前フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「4」)。尚、本実施形態では、大当たりになる可能性のある変動情報に対しては「変更前フラグ」がオン設定されることがないように構成されているが、オン設定される場合もあるように構成してもよい。
また、ステップS6106で肯定判別された場合、すなわち、第1交換フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=6の)実行エリア又は保留エリアが存在する場合には、ステップS6109において、新規記憶保留エリアに第2交換フラグをオン設定するか否か(保留演出カウンタに「7」を設定するか否か)を決定する交換設定処理を実行する。
図41に示すように、交換設定処理に際して参照される交換設定テーブルは、いずれの遊技モードでも大当たりとなる場合の「大当たり確定時用」と、確変モードでしか大当たりとならない場合の「条件付き大当たり時用」と、「それ以外用」とが設けられている。そして、新規記憶保留エリアの変動情報に応じて、参照する交換設定テーブルを選択し、保留交換設定抽選カウンタの値に基づいて、新規記憶保留エリアの第2交換フラグをオン設定するか否かを決定する。
より具体的に、本実施形態では、「大当たり確定時用」の交換設定テーブルを参照した場合、80%の割合で「第2交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「7」)、20%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。
「条件付き大当たり時用」の交換設定テーブルを参照した場合、50%の割合で「第2交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「7」)、50%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。
「それ以外用」の交換設定テーブルを参照した場合、20%の割合で「第2交換フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「7」)、60%の割合で「実行フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「1」)、20%の割合で「留保フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「2」)。
また、当該ステップS6109で第2交換フラグがオン設定された場合には、交換受付フラグをオフにする。尚、交換受付フラグを設けることで、例えば、保留演出カウンタ=6の保留エリアが1つしかないのにもかかわらず、保留演出カウンタ=6の保留エリアの後に、保留演出カウンタ=7の保留エリアが複数発生してしまうといった事態を回避することができる。加えて、交換受付フラグは1つである。さらに、解除の対象とされる(保留演出カウンタ=6の)保留エリア又は実行エリアを特定する際には、保留第8エリア→保留第7エリア→・・・→実行エリアの順に保留演出カウンタの確認を行う。つまり、第1始動入賞装置33aに対して2つの遊技球が立て続けに入球し、かつ、対応する変動情報に関して、両方とも第1交換フラグがオン設定されることとなった場合、後の方の変動情報に応じて、第2交換フラグの設定が行われることとなる。ちなみに、第1交換フラグがオン設定されたとしても、保留表示エリア461では、態様ランク2以下の先読み保留アイコン472が表示されているだけであり、「保留交換演出」が発生せず、対応する変動情報がそのまま消化されたとしても、何ら問題(保留表示エリア461の見た目の違和感など)は生じない。
また、ステップS6107で肯定判別された場合、すなわち、変更前フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=4の)実行エリア又は保留エリアが存在する場合には、ステップS6110において、新規記憶保留エリアに変更先フラグをオン設定するか否か(保留演出カウンタに「5」を設定するか否か)を決定する変更設定処理を実行する。
図42に示すように、変更設定処理に際して参照される変更設定テーブルは、いずれの遊技モードでも大当たりとなる場合の「大当たり確定時用」と、確変モードでしか大当たりとならない場合の「条件付き大当たり時用」と、「それ以外用」とが設けられている。そして、新規記憶保留エリアの変動情報に応じて、参照する変更設定テーブルを選択し、変更設定抽選カウンタの値に基づいて、新規記憶保留エリアの変更先フラグをオン設定するか否かを決定する。
より具体的に、本実施形態では、「大当たり確定時用」の変更設定テーブルを参照した場合、80%の割合で「変更先フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「5」)、20%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。
「条件付き大当たり時用」の変更設定テーブルを参照した場合、50%の割合で「変更先フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「5」)、50%の割合で「実行フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「1」)。
「それ以外用」の変更設定テーブルを参照した場合、20%の割合で「変更先フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「5」)、60%の割合で「実行フラグ」がオン設定され(保留演出カウンタ→「1」)、20%の割合で「留保フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「2」)。
また、当該ステップS6110で変更先フラグがオン設定された場合には、変更受付フラグをオフにする。尚、変更受付フラグを設けることで、例えば、保留演出カウンタ=4の保留エリアが1つしかないのにもかかわらず、保留演出カウンタ=4の保留エリアの後に、保留演出カウンタ=5の保留エリアが複数発生してしまうといった事態を回避することができる。加えて、変更受付フラグは1つである。さらに、解除の対象とされる(保留演出カウンタ=4の)保留エリア又は実行エリアを特定する際には、保留第8エリア→保留第7エリア→・・・→実行エリアの順に保留演出カウンタの確認を行う。つまり、第1始動入賞装置33aに対して2つの遊技球が立て続けに入球し、かつ、対応する変動情報に関して、両方とも変更前フラグがオン設定されることとなった場合、後の方の変動情報に応じて、変更先フラグの設定が行われることとなる。ちなみに、変更前フラグがオン設定されたとしても、保留表示エリア461では、態様ランク2以下の先読み保留アイコン472が表示されているだけであり、「保留後移動演出」が発生せず、対応する変動情報がそのまま消化されたとしても、何ら問題(保留表示エリア461の見た目の違和感など)は生じない。
また、ステップS6102で肯定判別された場合、すなわち、留保フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=2の)実行エリア又は保留エリアが存在する場合には、ステップS6111において、新規記憶保留エリアに解除フラグをオン設定するか否か(保留演出カウンタに「3」を設定するか否か)を決定する留保解除抽選処理を実行する。
図43に示すように、留保解除抽選処理に際して参照される留保解除抽選テーブルは、いずれの遊技モードでも大当たりとなる場合の「大当たり確定時用」と、確変モードでしか大当たりとならない場合の「条件付き大当たり時用」と、確変モードが終了するまでの変動表示が残り4回以内である場合の「ST終了直前4回用」と、「それ以外用」とが設けられている。そして、留保フラグがオン設定され、解除の対象とされる(保留演出カウンタ=2の)保留エリア又は実行エリアの変動情報に応じて(新規記憶保留エリアの変動情報に関係なく)、参照する留保解除抽選テーブルを選択し、留保解除抽選カウンタの値に基づいて、新規記憶保留エリアの解除フラグをオン設定するか否かを決定する。
より具体的に、本実施形態では、「大当たり確定時用」の留保解除抽選テーブルを参照した場合、70%の割合で「解除フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「3」)。「条件付き大当たり時用」の留保解除抽選テーブルを参照した場合、40%の割合で「解除フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「3」)。「ST終了直前4回用」の留保解除抽選テーブルを参照した場合、30%の割合で「解除フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「3」)。「それ以外用」の留保解除抽選テーブルを参照した場合、20%の割合で「解除フラグ」がオン設定される(保留演出カウンタ→「3」)。
また、当該ステップS6111で解除フラグがオン設定された場合には、留保受付フラグをオフにする。尚、留保受付フラグを設けることで、例えば、保留演出カウンタ=2の保留エリアが1つしかないのにもかかわらず、保留演出カウンタ=2の保留エリアの後に、保留演出カウンタ=3の保留エリアが複数発生してしまうといった事態を回避することができる。加えて、留保受付フラグは1つである。さらに、解除の対象とされる(保留演出カウンタ=2の)保留エリア又は実行エリアを特定する際には、保留第8エリア→保留第7エリア→・・・→実行エリアの順に保留演出カウンタの確認を行う。つまり、第1始動入賞装置33aに対して2つの遊技球が立て続けに入球し、かつ、対応する変動情報に関して、両方とも留保フラグがオン設定されることとなった場合、後の方の変動情報に応じて、解除フラグの設定が行われることとなる。ちなみに、留保フラグがオン設定されたとしても、保留表示エリア461では、デフォルトの保留アイコン471が表示されているだけであり、「保留前移動演出」が発生せず、対応する変動情報がそのまま消化されたとしても、何ら問題(保留表示エリア461の見た目の違和感など)は生じない。
ステップS6111の後、ステップS6112において、新規記憶保留エリアに解除フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=3)か否かを判別する。ステップS6112で否定判別された場合には、上記ステップS6103に移行する。
ステップS6105で肯定判別された(「完全外れ」の変動表示である)場合、ステップS6112で肯定判別された場合、又は、ステップS6108、ステップS6109、ステップS6110の後、すなわち、新規記憶保留エリアの保留演出カウンタに対して「0」以外の値が設定された場合には、ステップS6113に移行して、新規記憶保留エリアの変動情報に対応する保留アイコン471の態様を決定する態様ランク設定処理を行う。
ここで、態様ランク設定処理について、図44を参照して説明する。先ず、ステップS6201では、ランク抽選カウンタ(0〜149のループカウンタ)の値を取得し、当該カウンタ値を新規記憶保留エリアに記憶する。
ステップS6201の後、ステップS6202において、保留アイコン471の態様、より具体的には、上記した大当たり期待度に対応した態様のランクを決定する。本実施形態では、新規記憶保留エリアに記憶された変動情報に対応して、保留表示エリア461に表示される保留アイコン471の態様ランクを示す実行ランクと、保留表示エリア461に導出され得る態様ランクの上限を示す上限ランクとを決定するように構成されている。保留情報記憶エリアの実行エリア及び各保留エリアには、上限ランクを記憶する上限ランク記憶エリアと、実行ランクを記憶する実行ランク記憶エリアとが設けられている。
尚、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461には、実行エリア及び各保留エリアの実行ランクに対応する態様の保留アイコン471(先読み保留アイコン472)が表示される。また、先読み保留アイコン472は、保留表示エリア461に表示された後、上の態様ランクに変化する場合があり、その上限が上限ランクによって定められている。本実施形態では、各保留エリア及び実行エリアの実行ランク記憶エリアが、態様情報記憶手段を構成する。
図45に示すように、保留アイコン471の態様の決定に際して参照されるランク決定テーブルは、確変モード中に参照されるものと、その他の遊技モードにおいて参照されるものとがある。確変モード中に参照される保留先読み演出抽選テーブルとしては、確変モード中において大当たりとなる場合の「確変中大当たり時用」と、確変モード中において外れとなる場合の「確変中外れ時用」とがある。
また、通常モード及び時間短縮モードにおいて参照される保留先読み演出抽選テーブルとしては、いずれの遊技モードでも大当たりとなる場合の「大当たり確定時用」と、確変モードでしか大当たりとならない場合、及び、前後外れリーチが発生するが外れる場合の「条件付き大当たり時・前後外れリーチ時用」と、前後外れ以外リーチ状態が発生する場合の「前後外れ以外リーチ時用」と、リーチ状態も発生しない「完全外れ用」とが設けられている。
そして、新規記憶保留エリアの変動情報に応じて、参照するランク決定テーブルを選択し、ランク抽選カウンタの値に基づいて、上限ランク、及び、実行ランクを決定する。尚、本実施形態では、「確変中大当たり時用」や「大当たり確定時用」を参照した場合に高ランクの上限ランクや実行ランクが選択され易くなっており、「確変中外れ時用」、「条件付き大当たり時・前後外れリーチ時用」、「前後外れ以外リーチ時用」、「完全外れ時用」の順に、高ランクが選択され難い、或いは、高ランクが選択されないようになる。
ステップS6202の後、ステップS6203において、新規記憶保留エリアに変更前フラグ、又は、第1交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「4」又は「6」)か否かを判別する。ステップS6203で肯定判別された場合には、ステップS6204において、新規記憶保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている実行ランクが「3」以下であるか否かを判別する。ステップS6204で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6204で否定判別された場合、すなわち、実行ランクとして「3,4,5」のいずれかが設定されている場合には、ステップS6205において、新規記憶保留エリアの実行ランク記憶エリアに対して、規定ランクとしての「2」を強制的に上書き記憶してから、本処理を終了する。
また、ステップS6203で否定判別された場合には、ステップS6206において、新規記憶保留エリアに第2交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「7」)か否かを判別する。ステップS6206で肯定判別された場合には、ステップS6207において、新規記憶保留エリアの実行ランク記憶エリアに対して、第1交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「6」の)実行エリア又は保留エリアの上限ランク記憶エリアに記憶されている値と同じ値を強制的に上書き記憶する。
さらに、ステップS6207では、新規記憶保留エリアの上限ランク記憶エリアに対して、第1交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「6」の)実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている値と同じ値を強制的に上書き記憶する。尚、第2交換フラグがオン設定される場合にのみ、実行ランク記憶エリアの値が、上限ランク記憶エリアの値よりも大きくなるといった現象が生じ得る。ステップS6207の後、本処理を終了する。
一方、ステップS6206で否定判別された場合には、ステップS6208において、新規記憶保留エリアに変更先フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「5」)か否かを判別する。ステップS6208で肯定判別された場合には、ステップS6209において、新規記憶保留エリアの実行ランク記憶エリアに対して、変更前フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「4」の)実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている値と同じ値を強制的に上書き記憶してから、本処理を終了する。
一方、ステップS6208で否定判別された場合には、ステップS6210において、新規記憶保留エリアに解除フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「3」)か否かを判別する。ステップS6210で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6210で肯定判別された場合には、ステップS6211において、新規記憶保留エリアの実行ランク記憶エリアに対して、留保フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「2」の)実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている値と同じ値を強制的に上書き記憶してから、本処理を終了する。
図38の説明に戻り、ステップS6113の後、又は、ステップS6104で否定判別された(保留先読み演出を行わないことが決定され、保留演出カウンタ=「0」)場合には、ステップS6114において、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461に対し、新規記憶保留エリアの変動情報に対応する保留アイコン471を表示させるための保留アイコン表示処理を実行する。
より具体的に、新規記憶保留エリアの保留演出カウンタの値が「0」の場合、デフォルトの態様の保留アイコン471を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。
新規記憶保留エリアに実行フラグが設定されている(保留演出カウンタ=1の)場合、新規記憶保留エリアに記憶されている実行ランクに対応する態様の先読み保留アイコン472を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。
新規記憶保留エリアに留保フラグが設定されている(保留演出カウンタ=2の)場合、デフォルトの態様の保留アイコン471を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。
新規記憶保留エリアに解除フラグが設定されている(保留演出カウンタ=3の)場合、新規記憶保留エリアに記憶されている実行ランクに対応する態様の先読み保留アイコン472を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。尚、上記のように、解除フラグが設定されている新規記憶保留エリアの変動情報に対応する先読み保留アイコン472は、新規記憶保留エリアの変動情報よりも先に消化される変動情報が記憶され、かつ、留保フラグが設定されている実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている実行ランクと同じランクの態様となっている。
新規記憶保留エリアに変更前フラグが設定されている(保留演出カウンタ=4の)場合、新規記憶保留エリアに記憶されている実行ランクに対応する態様の先読み保留アイコン472を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。尚、上記のように、変更前フラグが設定されている場合には、新規記憶保留エリアに対応して表示される先読み保留アイコン472の態様ランクは最高でも「2」となっている。
新規記憶保留エリアに変更先フラグが設定されている(保留演出カウンタ=5の)場合、デフォルトの態様の保留アイコン471を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。
新規記憶保留エリアに第1交換フラグが設定されている(保留演出カウンタ=6の)場合、新規記憶保留エリアに記憶されている実行ランクに対応する態様の先読み保留アイコン472を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。尚、上記のように、第1交換フラグが設定されている場合には、新規記憶保留エリアに対応して表示される先読み保留アイコン472の態様ランクは最高でも「2」となっている。
新規記憶保留エリアに第2交換フラグが設定されている(保留演出カウンタ=7の)場合、新規記憶保留エリアに記憶されている実行ランクに対応する態様の先読み保留アイコン472を、保留表示エリア461のうち新規記憶保留エリアに対応する位置に導出させるための処理を行う。尚、上記のように、第2交換フラグが設定されている新規記憶保留エリアの変動情報に対応する先読み保留アイコン472は、新規記憶保留エリアの変動情報よりも先に消化される変動情報が記憶され、かつ、第1交換フラグが設定されている実行エリア又は保留エリアの上限ランク記憶エリアに記憶されている上限ランクと同じランクの態様となっている。ステップS6114の後、本処理を終了する。
図35の説明に戻り、ステップS4104で肯定判別された場合、すなわち、確変モードである場合には、ステップS4106において、確変モードにおいて実行される変動表示として変動情報を保留記憶することのできる残り回数を記憶する保留回数カウンタの値が「1」であるか否かを判別する。ステップS4106で肯定判別された場合、すなわち、確変モードで行われる最後の1回の変動表示を保留記憶した場合には、ステップS4107において、確変モードにおいて行われる変動表示なのか、或いは、通常モードにおいて行われる変動表示なのかを区別するための表示処理(STライン設定処理)を行う。
より具体的に、保留情報記憶エリアの実行エリア及び各保留エリアには、確変モードで行われる最後の1回の変動表示であることを示すラスト1フラグが設けられており、STライン設定処理では、新規記憶保留エリアのラスト1フラグをオン設定する。さらに、図52(d)に示すように、ラスト1フラグがオン設定された実行エリア又は保留エリアに対応する保留表示エリア461の実行対応エリア462又は保留対応エリア463と、その右隣の保留対応エリア463との間に、上下に延びる境界表示としてのSTボーダーライン465を表示する処理が行われる。
すなわち、確変モードで行われる最後の1回の変動表示に対応する保留アイコン471と、通常モードにおいて最初に行われる変動表示に対応する保留アイコン471との間に、STボーダーライン465によって目に見える線引きを行うようになっている。
続くステップS4108では、対応する保留エリア(新規記憶保留エリア)に対して、確変モードが終了する直前4回以内の変動表示であることを示すラスト4フラグを設定する。
また、ステップS4106で否定判別された場合には、ステップS4109において、保留回数カウンタの値が「2〜4」のいずれかであるか否かを判別する。ステップS4109で肯定判別された場合にも、上記ステップS4108に移行し、ラスト4フラグを設定する。
ステップS4108の後、又は、ステップS4109で否定判別された場合に、ステップS4109において、保留回数カウンタの値を1減算してから、上記ステップS4105に移行する。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3914へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す図柄コマンドを受信した場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す図柄コマンドを受信した場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(左右の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、変動保留カウンタNdの値を1減算する。
ステップS4202の後、ステップS4203において、保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留情報記憶エリアの保留第1エリア〜保留第8エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4204では、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461に表示されている先読み保留アイコン472の態様ランクをアップさせるか否かの保留表示ランクアップ抽選処理を行う。つまり、保留情報記憶エリアの実行エリア及び保留エリアにおいて、実行フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=1の)保留エリアが存在する場合、該保留エリアの実行ランク記憶エリアの値が、上限ランク記憶エリアの値未満であるか否かを判別する。保留エリアの実行ランク記憶エリアの値が、上限ランク記憶エリアの値よりも小さい場合には、抽選を行い、該抽選で当選した場合に、実行ランク記憶エリアの値を1加算する。これにより、保留演出カウンタの値、及び、実行ランク記憶エリアの値に基づいて保留アイコン471の態様を再描画することで、先読み保留アイコン472の態様が1ランクアップすることとなる。
続くステップS4205では、保留表示エリア461に表示されている保留アイコン471の態様を変化させる先読み演出進行設定処理を行う。すなわち、本実施形態では、保留情報記憶エリアに記憶されている変動情報と、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン471との対応関係を変更する「保留先読み対象変更演出」が行われる場合があり、ステップS4205では、当該保留先読み対象変更演出に関する処理が行われる。
ここで、先読み演出進行設定処理について、図46を参照して説明する。尚、サブ制御装置262のRAM553には、「保留先読み対象変更演出」の種別を特定する値が記憶される種別カウンタ(0〜3の値を取る)と、保留先読み演出の対象とされる2つの変動情報のうち、先に消化される方の変動情報が記憶されている実行エリア又は保留エリアを特定する値が記憶される対象第1カウンタ(保留情報記憶エリアの実行エリア及び保留第1エリア〜保留第7エリアに対応して0〜7の値を取る)と、保留先読み演出の対象とされる2つの変動情報のうち、後に消化される方の変動情報が記憶される対象第2カウンタ(保留情報記憶エリアの保留第1エリア〜保留第8エリアに対応して1〜8の値を取る)とによって構成される保留先読み演出要求記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップS6301では、保留先読み演出要求記憶エリアをリセットする処理を行う。ここで、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「0」が設定されることで、保留先読み対象変更演出を行う状態ではないことが示される。尚、本実施形態の保留先読み演出要求記憶エリアは3つ(3セット)存在する。
ステップS6301の後、ステップS6302では、保留情報記憶エリアにおいて、解除フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=3の)保留エリアが存在するか否かを判別する。ステップS6302で肯定判別された場合、ステップS6303において、所定の保留エリアの変動情報に対応して表示されていた先読み保留アイコン472を、前記所定の保留エリアの変動情報よりも先に消化される変動情報に対応した保留アイコン471として表示変更する保留先読み対象変更演出としての「保留前移動演出」を行うための保留前移動演出処理を行う。
より具体的に、保留前移動演出処理では、先ず、装飾図柄表示装置42において、「保留前移動演出」に伴う演出表示(後述する「繋ぎ演出」等)を行うための記憶処理を行う。つまり、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに対し、「保留前移動演出」を示す「1」を設定し、対象第1カウンタに対し、留保フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=2の)実行エリア又は保留エリアを示す値を設定し、対象第2カウンタに対し、解除フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=3の)保留エリアを示す値を設定する。
次に、解除フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=3の)保留エリアの保留演出カウンタに対し、「0」を設定する。さらに、留保フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=2の)実行エリア又は保留エリアの保留演出カウンタに対し、「1」を設定する。これにより、保留演出カウンタの値、及び、実行ランク記憶エリアの値に基づいて保留アイコン471の態様を再描画することで、保留演出カウンタの値が「3→0」に変化した保留アイコン471は、所定の先読み保留アイコン472の態様からデフォルトの態様に変化し、保留演出カウンタの値が「2→1」に変化した保留アイコン471は、デフォルトの態様から前記所定の先読み保留アイコン472の態様に変化することとなる。
尚、本例では、当該処理において、留保フラグがオン設定されていた保留演出カウンタに必ず「1」が設定されるが、例えば、抽選で、「1」、「4」、「6」のいずれかが設定されるように構成することも可能である。さらに、本例では、当該処理において、解除フラグがオン設定されていた保留演出カウンタに必ず「0」が設定されるが、例えば、抽選で、「0」、「2」のどちらかが設定されるように構成することも可能である。
ステップS6303の後、又は、ステップS6302で否定判別された場合には、ステップS6304において、変更先フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=5の)保留エリアが存在するか否かを判別する。ステップS6304で肯定判別された場合、ステップS6305において、所定の保留エリアの変動情報に対応して表示されていた先読み保留アイコン472を、前記所定の保留エリアの変動情報よりも後に消化される変動情報に対応した保留アイコン471として表示変更する保留先読み対象変更演出としての「保留後移動演出」を行うための保留後移動演出処理を行う。
すなわち、保留後移動演出処理では、先ず、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに対し、「保留後移動演出」を示す「2」を設定し、対象第1カウンタに対し、変更前フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=4の)実行エリア又は保留エリアを示す値を設定し、対象第2カウンタに対し、変更先フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=5の)保留エリアを示す値を設定する。
次に、変更前フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=4の)実行エリア又は保留エリアの保留演出カウンタに対し、「0」を設定する。さらに、変更先フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=5の)保留エリアの保留演出カウンタに対し、「1」を設定する。これにより、保留演出カウンタの値、及び、実行ランク記憶エリアの値に基づいて保留アイコン471の態様を再描画することで、保留演出カウンタの値が「4→0」に変化した保留アイコン471は、所定の先読み保留アイコン472の態様からデフォルトの態様に変化し、保留演出カウンタの値が「5→1」に変化した保留アイコン471は、デフォルトの態様から前記所定の先読み保留アイコン472の態様に変化することとなる。
尚、本例では、当該処理において、変更前フラグがオン設定されていた保留演出カウンタに必ず「0」が設定されるが、例えば、抽選で、「0」、「2」のどちらかが設定されるように構成することも可能である。さらに、本例では、当該処理において、変更先フラグがオン設定されていた保留演出カウンタに必ず「1」が設定されるが、例えば、抽選で、「1」、「4」、「6」のいずれかが設定されるように構成することも可能である。
ステップS6305の後、又は、ステップS6304で否定判別された場合には、ステップS6306において、第2交換フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=7の)保留エリアが存在するか否かを判別する。ステップS6306で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6306で肯定判別された場合、ステップS6307において、所定の保留エリアの変動情報に対応して表示されていた先読み保留アイコン472と、別の保留エリアの変動情報に対応した先読み保留アイコン472とを入れ替える(交換する)保留先読み対象変更演出としての「保留交換演出」を行うための保留交換演出処理を行う。
すなわち、保留交換演出処理では、先ず、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに対し、「保留交換演出」を示す「3」を設定し、対象第1カウンタに対し、第1交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=6の)実行エリア又は保留エリアを示す値を設定し、対象第2カウンタに対し、第2交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=7の)保留エリアを示す値を設定する。
次に、第2交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=7の)保留エリアの保留演出カウンタに対し、「1」を設定するとともに、当該第2交換フラグがオン設定されている保留エリアの実行ランク記憶エリアに対し、同じ保留エリアの上限ランク記憶エリアに記憶されている値(態様ランク)と同じ値を記憶させる。さらに、第1交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=6の)実行エリア又は保留エリアの保留演出カウンタに対し、「1」を設定するとともに、当該第1交換フラグがオン設定されている実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアに対し、同じ実行エリア又は保留エリアの上限ランク記憶エリアに記憶されている値(態様ランク)と同じ値を記憶させる。これにより、保留演出カウンタの値、及び、実行ランク記憶エリアの値に基づいて保留アイコン471の態様を再描画することで、保留演出カウンタの値が「6→1」に変化する保留アイコン471の態様と、保留演出カウンタの値が「7→1」に変化する保留アイコン471の態様とが入れ替わったかのように変化することとなる。
尚、本例では、当該処理において、第1変更フラグがオン設定されていた保留演出カウンタに必ず「1」が設定されるが、例えば、抽選で、「1」、「2」のどちらかが設定されるように構成することも可能である。さらに、本例では、当該処理において、第2変更フラグがオン設定されていた保留演出カウンタに必ず「1」が設定されるが、例えば、抽選で、「1」、「4」、「6」のいずれかが設定されるように構成することも可能である。
ステップS6307の後、本処理を終了する。尚、本実施形態の保留先読み演出要求記憶エリアは3つ存在することから、「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、「保留交換演出」のうち複数の「保留先読み対象変更演出」が同時に行われる場合もある。但し、同じ種類の保留先読み対象変更演出が同時に行われることはないようになっている。
図36の説明に戻り、ステップS4205の後、ステップS4206において、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン471をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。つまり、上記ステップS4203のデータシフト処理において、保留情報記憶エリアの変動情報がシフトされたことから、かかる変動情報が記憶されている保留エリアと、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461の保留アイコン471の表示位置との整合を取るべく、保留アイコン471の再描画を行うこととしている。ここで、保留アイコンシフト処理について、図47を参照して説明する。
先ず、ステップS6401では、3つ全ての保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS6401で肯定判別された場合、すなわち、「保留先読み対象変更演出」が行われない場合には、ステップS6402に移行する。
ステップS6402では、保留情報記憶エリアの実行エリア及び保留エリアにそれぞれ記憶されている保留演出カウンタの値、及び、実行ランク記憶エリアの値、並びに、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するかの情報等に基づいて、保留アイコン471の再描画(保留再描画処理)を行う。つまり、直前の(保留処理のステップS4203における)保留情報記憶エリアのデータシフト処理によって記憶場所がシフトされた前記情報に基づいて保留アイコン471が再描画されることにより、保留表示エリア461では、変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、保留表示エリア461の左端に位置する実行対応エリア462の保留アイコン471が消去されるとともに、保留対応エリア463の保留アイコン471が一つ左にシフトされる(表示場所が1コマ左に移動する)こととなる。特に、保留対応エリア463の一番左に配置されていた保留アイコン471は、実行対応エリア462にシフトされる。
ステップS6402の後、ステップS6403において、STボーダーライン465(図52(d)参照)についてもシフトさせる処理を行う。つまり、ラスト1フラグがオン設定された実行エリア又は保留エリアが存在する場合、対応する保留表示エリア461の実行対応エリア462又は保留対応エリア463の右側にSTボーダーライン465を表示し直す処理を行う。ステップS6403の後、本処理を終了する。
一方、ステップS6401で否定判別された場合、すなわち、何らかの「保留先読み対象変更演出」が行われる場合には、ステップS6404〜ステップS6406において、「保留先読み対象変更演出」を分かり易くする「繋ぎ演出」を導出するための処理を行う。すなわち、ステップS6404において、繋ぎ演出中フラグをオン設定し、ステップS6405において、繋ぎ演出タイマに対して2秒に相当する値をセットする。さらに、ステップS6406において、種別カウンタの値が「1〜3」になっている全ての保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタ及び対象第2カウンタで示される実行エリア及び保留エリアのデフォルトホールドフラグをオン設定する。尚、デフォルトホールドフラグがオン設定されている場合、対応する保留アイコン471の態様がデフォルト態様で維持されるようになっている。
ステップS6406の後、ステップS6407において、種別カウンタの値が「1」になっている保留先読み演出要求記憶エリアが存在するか否かを判別する。ステップS6407で肯定判別された場合、すなわち、「保留先読み対象変更演出」の一種である「保留前移動演出」が行われる場合には、ステップS6408において、前繋ぎ演出設定処理を行う。尚、前繋ぎ演出設定処理により、「保留前移動演出」の生成及び表示等が開始され、その後、繋ぎ演出中フラグがオン設定されていることを条件として、「保留前移動演出」の生成及び表示等が継続され、「保留前移動演出」としての2秒の動画等が行われることとなる。
「保留前移動演出」は、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに対応する先読み保留アイコン472にて表示されていたキャラクタが、対象第1カウンタの値で示される保留エリアに対応する先読み保留アイコン472にて表示されるようになるといった演出である。そこで、該キャラクタを瞬間移動させるのではなく、移動する途中の様子が見て取れるようにする「繋ぎ演出」を行うことで、キャラクタの対象が、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに対応する保留アイコン471から、対象第1カウンタの値で示される保留エリアに対応する保留アイコン471に変更されたことを認識してもらい易くしている。
より具体的に、種別カウンタの値が「1」になっている保留先読み演出要求記憶エリアの対象第2カウンタの値で示される保留エリアの実行ランク記憶エリアで示される値に対応する態様ランクの先読み保留アイコン472で表示される「キャラクタ」を、「宝箱」から飛び出させて、保留表示エリア461の上方位置に表示させる処理を行う。特に、「キャラクタ」は、保留表示エリア461のうち、対象第1カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアに対応する部位の上方位置と、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに対応する部位の上方位置との間の位置において、対象第1カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアに対応する部位の上方位置側(左側)に向かうような格好で表示されることとなる。
ステップS6408の後、又は、ステップS6407で否定判別された場合には、ステップS6409において、種別カウンタの値が「2」になっている保留先読み演出要求記憶エリアが存在するか否かを判別する。ステップS6409で肯定判別された場合、すなわち、「保留先読み対象変更演出」の一種である「保留後移動演出」が行われる場合には、ステップS6410において、後繋ぎ演出設定処理を行う。尚、後繋ぎ演出設定処理により、「保留後移動演出」の生成及び表示等が開始され、その後、繋ぎ演出中フラグがオン設定されていることを条件として、「保留後移動演出」の生成及び表示等が継続され、「保留後移動演出」としての2秒の動画等が行われることとなる。
「保留後移動演出」は、対象第1カウンタの値で示される保留エリアに対応する先読み保留アイコン472にて表示されていたキャラクタが、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに対応する先読み保留アイコン472にて表示されるようになるといった演出である。そこで、該キャラクタを瞬間移動させるのではなく、移動する途中の様子が見て取れるようにする「繋ぎ演出」を行うことで、キャラクタの対象が、対象第1カウンタの値で示される保留エリアに対応する保留アイコン471から、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに対応する保留アイコン471に変更されたことを認識してもらい易くしている。
より具体的に、種別カウンタの値が「2」になっている保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアで示される値に対応する態様ランクの先読み保留アイコン472で表示される「キャラクタ」を、「宝箱」から飛び出させて、保留表示エリア461の上方位置に表示させる処理を行う。特に、「キャラクタ」は、保留表示エリア461のうち、対象第1カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアに対応する部位の上方位置と、対象第2カウンタの値で示される保留エリアの上方位置との間の位置において、対象第2カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアに対応する部位の上方位置側(右側)に向かうような格好で表示されることとなる。
ステップS6410の後、又は、ステップS6409で否定判別された場合には、ステップS6411において、種別カウンタの値が「3」になっている保留先読み演出要求記憶エリアが存在するか否かを判別する。ステップS6411で肯定判別された場合、すなわち、「保留先読み対象変更演出」の一種である「保留交換演出」が行われる場合には、ステップS6412において、交換繋ぎ演出設定処理を行う。
尚、交換繋ぎ演出設定処理により、「保留交換演出」の生成及び表示等が開始され、その後、繋ぎ演出中フラグがオン設定されていることを条件として、「保留交換演出」の生成及び表示等が継続され、「保留交換演出」としての2秒の動画等が行われることとなる。また、3つある保留先読み演出要求記憶エリアが、それぞれ装飾図柄表示装置42の異なる画像レイヤーと対応付けられ、「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、及び、「保留交換演出」のうち複数が同時に行われる場合に、キャラクタが(一部)前後に重なるようにして移動表示されるよう構成してもよい。
「保留交換演出」は、対象第1カウンタの値で示される保留エリアに対応する先読み保留アイコン472にて表示されていたキャラクタと、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに対応する先読み保留アイコン472にて表示されていたキャラクタとを入れ替える(交換する)といった演出である。そこで、該キャラクタを瞬間移動させるのではなく、移動する途中の様子が見て取れるようにする「繋ぎ演出」を行うことで、キャラクタが入れ替わったことを認識してもらい易くしている。
より具体的に、種別カウンタの値が「3」になっている保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリアで示される値に対応する態様ランクの先読み保留アイコン472で表示される「キャラクタ」を、「宝箱」から飛び出させて、保留表示エリア461の上方位置に「右向き」で表示させるとともに、対象第2カウンタの値で示される保留エリアの実行ランク記憶エリアで示される値に対応する態様ランクの先読み保留アイコン472で表示される「キャラクタ」を、「宝箱」から飛び出させて、保留表示エリア461の上方位置に「左向き」で表示させる。
また、ステップS6412の後、ステップS6413では、「保留交換演出」の対象とされる変動情報が記憶されている実行エリア又は保留エリアの実行ランク記憶エリア、及び、上限ランク記憶エリアの値を変更する処理を行う。つまり、種別カウンタの値が「3」の対象第1カウンタ及び対象第2カウンタの値で示される実行エリア又は保留エリアに関して、それぞれ、実行ランク記憶エリアに記憶されている値と、上限ランク記憶エリアに記憶されている値とを入れ替える処理を行う。例えば、対象第1カウンタで示される第2保留エリアの実行ランク記憶エリア、及び、上限ランク記憶エリアに記憶されている値がそれぞれ「2」、及び、「4」である場合、対象第2カウンタで示される第4保留エリアの実行ランク記憶エリア、及び、上限ランク記憶エリアに記憶されている値がそれぞれ(第2保留エリアの実行ランク記憶エリア、及び、上限ランク記憶エリアの値とは逆に)「4」、及び、「2」となっている筈であり、当該ステップS6410では、対象第1カウンタで示される第2保留エリアの実行ランク記憶エリア、及び、上限ランク記憶エリアに記憶されている値をそれぞれ「4」、及び、「2」とするとともに、対象第2カウンタで示される第4保留エリアの実行ランク記憶エリア、及び、上限ランク記憶エリアに記憶されている値をそれぞれ「2」、及び、「4」とする設定を行う。
ステップS6413の後、又は、ステップS6411で否定判別された場合には、ステップS6402に移行して、保留アイコン471の再描画処理を行う。但し、デフォルトホールドフラグがオン設定されている実行エリア及び保留エリアに関しては、保留演出カウンタ及び実行ランク記憶エリアの記憶情報に関わらず、デフォルト態様の保留アイコン471を表示する。その後、ステップS6403でSTボーダーライン465をシフトさせる処理を行ってから、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3907では、主として保留表示エリア461において行われる「繋ぎ演出」を行うための繋ぎ表示中処理を行う。ここで、繋ぎ表示中処理について、図48を参照して説明する。
先ず、ステップS6501では、繋ぎ演出中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS6501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6501で肯定判別された場合には、ステップS6502において、繋ぎ演出タイマを1減算する。
続くステップS6503では、繋ぎ演出タイマの値が0であるか否かを判別する。尚、繋ぎ演出タイマには、保留アイコンシフト処理において、2秒に相当する値が設定される。また、本実施形態では、「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、「保留交換演出」のいずれの繋ぎ演出でも2秒となっている。
ステップS6503で否定判別された場合には、ステップS6508において、繋ぎ演出を継続して表示させるための繋ぎ表示継続処理を行ってから、本処理を終了する。本実施形態では、装飾図柄表示装置42において繋ぎ演出として導出される全体として2秒の動画が生成される。
一方、ステップS6503で肯定判別された場合には、ステップS6504において、繋ぎ演出(表示及び音声等)を終了させる繋ぎ演出終了処理を行う。続くステップS6505では、オン設定されているデフォルトホールドフラグをオフする。
続くステップS6506では、実行エリア及び保留エリアの保留演出カウンタの値、実行ランク記憶エリアの記憶情報、及び、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するかの情報に基づいて保留アイコン471の再描画処理を行う。これにより、保留演出カウンタに「1」が設定されていたものの、デフォルトホールドフラグがオン設定されていたために、デフォルトの態様で表示されていた保留アイコン471が、先読み保留アイコン472に変化することとなる。
その後、ステップS6507において、繋ぎ演出中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
次に、各「保留先読み対象変更演出」の流れについて、具体的な例を挙げ、図55〜図57を参照して説明する。ちなみに、「保留先読み対象変更演出」が行われない場合には、図54に示すように、保留アイコンシフト処理に伴って、保留情報記憶エリアの各種情報が1つ先の保留エリア又は実行エリアにシフトされるとともに、保留表示エリア461の保留アイコン471が一つ先(左隣)の保留対応エリア463又は実行対応エリア462にシフトされる。尚、図54〜図57は、保留情報記憶エリアに記憶されている保留演出カウンタの情報と、保留表示エリア461に表示されている保留アイコン471との対応関係を示す説明図である。また、これらの図では、便宜上、保留情報記憶エリアの保留エリアを保留第4エリアまでとして説明する。
先ず、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第2カウンタの値で示される保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471に表示されていたキャラクタを、対象第1カウンタの値で示される保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471にまで移動させる「保留前移動演出」の流れについて説明する。
例えば、図55に示すように、保留情報記憶エリアの保留第2エリアに留保フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「2」の)状態で、保留第4エリアに解除フラグがオン設定(保留演出カウンタ→「3」、保留アイコン設定処理のステップS6111参照)された場合、保留第2エリアの実行ランク記憶エリアにおいて「態様ランク2」に相当する「2」が記憶されているとすると、保留第4エリアの実行ランク記憶エリアにも「2」が強制的に設定され(態様ランク設定処理のステップS6211参照)、保留表示エリア461の第4保留対応エリアにおいて、「態様ランク2」に相当する「サメ付き宝箱」の先読み保留アイコン472が表示される。ちなみに、留保フラグがオン設定されている場合には、実行ランク記憶エリアに記憶されている値に関係なく、デフォルトの保留アイコン471が表示される設定となっているため、保留表示エリア461のうち留保フラグがオン設定された保留第2エリアに対応する第2保留対応エリアには、デフォルト(閉じた宝箱のみ)の保留アイコン471が表示されている。
そして、サブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信し、保留情報記憶エリアのデータシフト処理が行われることで、留保フラグがオン設定されている保留エリアが保留第2エリアから保留第1エリアに移り、解除フラグがオン設定されている保留エリアが保留第4エリアから保留第3エリアに移ることとなる。また、この段階で、先読み演出進行設定処理が行われる。これによって、保留第1エリアの留保フラグが実行フラグ(保留演出カウンタ→「1」)に変更され、保留第3エリアの解除フラグがオフ(保留演出カウンタ→「0」)される。さらに、この段階で、保留先読み演出要求記憶エリアへの記憶処理が行われる。これによって、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに対し、「保留前移動演出」の実行に対応する「1」が設定され、対象第1カウンタに対し、保留第1エリアに対応する「1」が設定され、対象第2カウンタに対し、保留第3エリアに対応する「3」が設定される。
続く、保留アイコンシフト処理では、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「0」が設定されていないことが確認されると、繋ぎ演出中フラグがオン設定され、繋ぎ演出タイマに対して2秒に相当する値がセットされ、対象第1カウンタ及び対象第2カウンタで示される保留第1エリア及び保留第3エリアのデフォルトホールドフラグがオン設定される(ステップS6406参照)。
さらに、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「1」が設定されていることから、対象第2カウンタで示される保留第3エリアの実行ランク記憶エリアで示されている態様ランク2に対するキャラクタである「サメ」を、保留表示エリア461のうち第3保留対応エリアの上方に表示させる処理が行われる(ステップS6408参照)。
続いて、保留アイコン471を左にシフトさせる処理を行う。すなわち、保留情報記憶エリアの変動情報は既にシフトされているため、実行エリア及び各保留エリアの保留演出カウンタの値、実行ランク記憶エリアの記憶情報、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するかの情報に基づいて、保留アイコン471を再描画すれば、保留アイコン471が左にシフトされる格好となる(ステップS6402参照)。但し、デフォルトホールドフラグがオン設定されている保留第1エリア及び保留第3エリアに関しては、保留演出カウンタ及び実行ランク記憶エリアの記憶情報に関わらず、(キャラクタオブジェクト474の移動中は)デフォルト態様の保留アイコン471を表示する。つまり、保留第1エリアには、実行フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「1」)のであるが、第1保留対応エリアには、先読み保留アイコン472は表示されず、デフォルトの保留アイコン471が表示される。
特に、保留アイコン471のシフト処理が行われる前まで保留表示エリア461の第4保留対応エリアに表示されていた「開いた宝箱の中からサメがこちらを覗いている」態様の先読み保留アイコン472に関しては、当該保留アイコン471のシフト処理に伴い、「蓋の閉じた宝箱」のデフォルト態様に変化するとともに、保留表示エリア461の第3保留対応エリアに移動する。但し、上記のように、当該「蓋の閉じた宝箱」の上方位置には、「宝箱」を抜け出して、左側に向かって泳いでいるような「サメ」が表示されている。
その後、「宝箱」を抜け出した「サメ」が、2秒をかけて、保留表示エリア461の上方を左側に泳ぐような表示が行われる(一方向に一定速度で移動してもよいし、蛇行したり往復したりする等してもよいし、速度を変えたり、一旦止まったり、戻ったりしてもよいし、表情や仕草を変えてもよい)。そして、2秒後に、デフォルトホールドフラグがオフされるとともに、保留アイコン471の再描画が行われる。これにより、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタの値で示される保留第1エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471である第1保留対応エリアに表示されている「宝箱」に対して、上方を泳いでいた「サメ」が潜り込み、第1保留対応エリアにおいて「サメ付き宝箱」が表示されることとなる。本実施形態では、「サメ」等のキャラクタオブジェクト474がベースオブジェクト473である「宝箱」間を移動する(泳ぐ)表示演出が「繋ぎ演出」を構成する。
「保留前移動演出」の基本的な流れについては以上であるが、特に、図52(d)に示すように、確変モードと、通常モードとの境目を教示するSTボーダーライン465が表示されている場合に、とにかく、先読み保留アイコン472が導出されて欲しい、いざ導出されたとなれば「保留前移動演出」が発生して欲しい、いざ発生したとなれば「宝箱」を飛び出したキャラクタオブジェクト474がSTボーダーライン465を確変モード側に越えていってほしいといった非常に熱の入る遊技性を付加することができる。尚、本実施形態では、特別表示装置43a、43bの変動時間が最短でも2秒以上(例えば、6秒以上であって、リーチ状態が発生するタイミングよりも前に先読み対象変更演出が終了している)となっており、「サメ」等のキャラクタオブジェクト474が泳ぐ表示が行われている間にシフト処理が行われないように構成されている。
次に、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタの値で示される保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471に表示されていたキャラクタを、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471にまで移動させる「保留後移動演出」の流れについて説明する。
例えば、図56に示すように、保留情報記憶エリアの保留第1エリアに変更前フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「4」の)状態で、保留第4エリアに変更先フラグがオン設定(保留演出カウンタ→「5」)された場合、保留第1エリアの実行ランク記憶エリアにおいて「態様ランク2」に相当する「2」が記憶されているとすると、保留第4エリアの実行ランク記憶エリアにも「2」が強制的に設定される(態様ランク設定処理のステップS6209参照)。但し、変更先フラグがオン設定されている場合には、実行ランク記憶エリアに記憶されている値に関係なく、デフォルトの保留アイコン471が表示される設定となっている。
このため、保留表示エリア461のうち保留第1エリアに対応する第1保留対応エリアに、「態様ランク2」に相当する「サメ付き宝箱」の先読み保留アイコン472が表示されている状態から、保留第4エリアに対応する位置に対し、デフォルト(閉じた宝箱のみ)の保留アイコン471が追加で表示されるような態様が導出される。
そして、サブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信し、保留情報記憶エリアのデータシフト処理が行われることで、変更前フラグがオン設定されている保留エリアが保留第1エリアから実行エリアに移り、変更先フラグがオン設定されている保留エリアが保留第4エリアから保留第3エリアに移ることとなる。また、この段階で、先読み演出進行設定処理が行われることによって、実行エリアの留保フラグがオフされ(保留演出カウンタ→「0」)、保留第3エリアの変更先フラグが実行フラグに変更される(保留演出カウンタ→「1」)。さらに、この段階で、保留先読み演出要求記憶エリアへの記憶処理が行われることによって、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに対し、「保留後移動演出」の実行に対応する「2」、が設定され、対象第1カウンタに対し、実行エリアに対応する「0」が設定され、対象第2カウンタに対し、保留第3エリアに対応する「3」が設定される。
続く、保留アイコンシフト処理では、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「0」が設定されていないことが確認されると、繋ぎ演出中フラグがオン設定され、繋ぎ演出タイマに対して2秒に相当する値がセットされ、対象第1カウンタ及び対象第2カウンタで示される実行エリア及び保留第3エリアのデフォルトホールドフラグがオン設定される。
さらに、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「2」が設定されていることから、対象第1カウンタで示される実行エリアの実行ランク記憶エリアで示されている態様ランク2に対するキャラクタである「サメ」を、保留表示エリア461のうち実行対応エリアの上方に表示させる処理が行われる(ステップS6410参照)。
続いて、保留アイコン471を左にシフトさせる処理を行う。すなわち、保留情報記憶エリアの変動情報は既にシフトされているため、実行エリア及び各保留エリアの保留演出カウンタの値、実行ランク記憶エリアの記憶情報、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するかの情報に基づいて、保留アイコン471を再描画すれば、保留アイコン471が左にシフトされる格好となる(ステップS6402参照)。但し、デフォルトホールドフラグがオン設定されている実行エリア及び保留第3エリアに関しては、保留演出カウンタ及び実行ランク記憶エリアの記憶情報に関わらず、(キャラクタオブジェクト474の移動中は)デフォルト態様の保留アイコン471を表示する。つまり、保留第3エリアには、実行フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「1」)のであるが、先読み保留アイコン472は表示されず、デフォルトの保留アイコン471が表示される。
特に、保留アイコン471のシフト処理が行われる前まで保留表示エリア461の実行対応エリアに表示されていた「開いた宝箱の中からサメがこちらを覗いている」態様の先読み保留アイコン472に関しては、保留アイコン471のシフト処理に伴い、「蓋の閉じた宝箱」の態様に変化するとともに、保留表示エリア461の実行対応エリアに移動する。但し、上記のように、当該「蓋の閉じた宝箱」の上方位置には、「宝箱」を抜け出して、右側に向かって泳いでいるような「サメ」が表示されている。
その後、「宝箱」を抜け出した「サメ」が、2秒をかけて、保留表示エリア461の上方を右側に泳ぐような表示が行われる。そして、2秒後に、デフォルトホールドフラグがオフされるとともに、保留アイコン471の再描画が行われる。これにより、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第2カウンタの値で示される保留第3エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471である第3保留対応エリアにおいて表示されている「宝箱」に、上方を泳いでいた「サメ」が潜り込み、第3保留対応エリアに対応する位置に「サメ付き宝箱」が表示されることとなる。
次に、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタの値で示される保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471に表示されていたキャラクタと、対象第2カウンタの値で示される保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471に表示されていたキャラクタとを交換させる「保留交換演出」の流れについて説明する。
例えば、図57に示すように、保留情報記憶エリアの保留第2エリアに第1交換フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「6」の)状態で、保留第4エリアに第2交換フラグがオン設定(保留演出カウンタ→「7」)された場合、保留第2エリアの実行ランク記憶エリアにおいて「態様ランク2」に相当する「2」が記憶され、保留第2エリアの上限ランク記憶エリアにおいて「態様ランク4」に相当する「4」が記憶されているとすると、(それとはあべこべに、)保留第4エリアの実行ランク記憶エリアに「4」が強制的に設定され、保留第4エリアの上限ランク記憶エリアに「2」が強制的に設定される(態様ランク設定処理のステップS6207参照)。このため、保留表示エリア461のうち第2保留対応エリアにおいて、「態様ランク2」に相当する「サメ付き宝箱」の先読み保留アイコン472が表示されている状態から、第4保留対応エリアに対し、「態様ランク4」に相当する「カニ付き宝箱」の先読み保留アイコン472が追加で表示されるような態様が導出される。
そして、サブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信し、保留情報記憶エリアのデータシフト処理が行われることで、第1交換フラグがオン設定されている保留エリアが保留第2エリアから保留第1エリアに移り、第2交換フラグがオン設定されている保留エリアが保留第4エリアから保留第3エリアに移ることとなる。また、この段階で、先読み演出進行設定処理が行われることによって、保留第1エリアの第1交換フラグが実行フラグに変更され(保留演出カウンタ→「1」)、保留第3エリアの第2交換フラグが実行フラグに変更される(保留演出カウンタ→「1」)。さらに、この段階で、保留先読み演出要求記憶エリアへの記憶処理が行われることによって、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに対し、「保留交換演出」の実行に対応する「3」、が設定され、対象第1カウンタに対し、保留第1エリアに対応する「1」が設定され、対象第2カウンタに対し、保留第3エリアに対応する「3」が設定される。
続く、保留アイコンシフト処理では、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「0」が設定されていないことが確認されると、繋ぎ演出中フラグがオン設定され、繋ぎ演出タイマに対して2秒に相当する値がセットされ、対象第1カウンタ及び対象第2カウンタで示される保留第1エリア及び保留第3エリアのデフォルトホールドフラグがオン設定される。
さらに、保留先読み演出要求記憶エリアの種別カウンタに「3」が設定されていることから、対象第1カウンタで示される保留第1エリアの実行ランク記憶エリアで示されている態様ランク2に対するキャラクタである「サメ」を、保留表示エリア461のうち第1保留対応エリアの上方に表示させるとともに、対象第2カウンタで示される保留第3エリアの実行ランク記憶エリアで示されている態様ランク4に対するキャラクタである「カニ」を、保留表示エリア461のうち第3保留対応エリアの上方に表示させる処理が行われる(ステップS6412参照)。
加えて、対象第1カウンタで示される第1保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている値「2」と、上限ランク記憶エリアに記憶されている値「4」とが入れ替えられ、ランク記憶エリア及び上限ランク記憶エリアに記憶されている値がそれぞれ「4」及び「2」とされる。並びに、対象第2カウンタで示される第3保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている値「4」と、上限ランク記憶エリアに記憶されている値「2」とが入れ替えられ、ランク記憶エリア及び上限ランク記憶エリアに記憶されている値がそれぞれ「2」及び「4」とされる。
続いて、保留アイコン471を左にシフトさせる処理を行う。すなわち、保留情報記憶エリアの変動情報は既にシフトされているため、実行エリア及び各保留エリアの保留演出カウンタの値、実行ランク記憶エリアの記憶情報、第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するかの情報に基づいて、保留アイコン471を再描画すれば、保留アイコン471が左にシフトされる格好となる(ステップS6402参照)。但し、デフォルトホールドフラグがオン設定されている保留第1エリア及び保留第3エリアに関しては、保留演出カウンタ及び実行ランク記憶エリアの記憶情報に関わらず、(キャラクタオブジェクト474の移動中は)デフォルト態様の保留アイコン471を表示する。つまり、保留第1及び保留第3エリアには、実行フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=「1」)のであるが、先読み保留アイコン472は表示されず、デフォルトの保留アイコン471が表示される。
また、保留アイコン471のシフト処理が行われる前まで保留表示エリア461の第2保留対応エリアに表示されていた「開いた宝箱の中からサメがこちらを覗いている」態様の先読み保留アイコン472に関しては、保留アイコン471のシフト処理に伴い、「蓋の閉じた宝箱」の態様に変化するとともに、保留表示エリア461の第1保留対応エリアに移動する。さらに、保留アイコン471のシフト処理が行われる前まで保留表示エリア461の第4保留対応エリアに対応する位置に表示されていた「開いた宝箱の中からカニがこちらを覗いている」態様の先読み保留アイコン472に関しては、保留アイコン471のシフト処理に伴い、「蓋の閉じた宝箱」の態様に変化するとともに、保留表示エリア461の保留第3エリアに対応する位置に移動する。
但し、上記のように、保留表示エリア461の第1保留対応エリアにおいて表示される「蓋の閉じた宝箱」の上方位置には、「宝箱」を抜け出して、右側に向かって泳いでいるような「サメ」が表示され、第3保留対応エリアにおいて表示される「蓋の閉じた宝箱」の上方位置には、「宝箱」を抜け出して、左側に向かって泳いでいるような「カニ」が表示されている。
その後、「宝箱」を抜け出した「サメ」及び「カニ」が、2秒をかけて、保留表示エリア461の上方を泳ぐような表示が行われる。そして、2秒後に、デフォルトホールドフラグがオフされるとともに、保留アイコン471の再描画が行われる。これにより、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第2カウンタの値で示される保留第3エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471である第3保留対応エリアにおける「宝箱」に、上方を泳いでいた「サメ」が潜り込み、第3保留対応エリアにおいて「サメ付き宝箱」が表示されるとともに、保留先読み演出要求記憶エリアの対象第1カウンタの値で示される保留第1エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471である第1保留対応エリアの「宝箱」に、上方を泳いでいた「カニ」が潜り込み、第1保留対応エリアにおいて「カニ付き宝箱」が表示されることとなる。
図32の説明に戻り、ステップS3908では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。また、当該ステップS3908の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
また、本実施形態では、表示コマンドの生成が行われる場合に、保留表示エリア461の実行対応エリア462の保留アイコン471の表示態様を変化させる実行対応エリア表示処理についても行われるようになっている。すなわち、図52(b)、図52(c)に示すように、保留アイコン471を構成する「宝箱」を開けて中身を見るといった演出表示が行われるようになっており、中身については複数パターン用意されている。例えば、海洋生物、貝殻、財宝、航海や海水浴等の用具等が収納されている場合や、何も収容されていない場合があり、それぞれ大当たり期待度と対応付けされている。その中でも、開いた宝箱の中から発生する「泡」の量が多い、又は、「泡」が大きい場合や、「魚群」が飛び出すような場合には、大当たり期待度もアップするようになっている。さらに、当該「泡」や「魚群」が、装飾図柄表示装置42のうち装飾図柄を変動表示するメインの表示領域にまで及ぶ場合もあり、保留表示に関連する保留関連表示と、装飾図柄の変動表示に関連する変動関連情報とがコラボレーションするといった大当たり期待度の高い演出も用意されている。
本実施形態では、デフォルトの保留アイコン471よりも、先読み保留アイコン472の方が、「泡」や「魚群」が発生する確率が高くなるように構成されている。例えば、保留表示エリア461の実行対応エリア462に到達した先読み保留アイコン472は、キャラクタオブジェクト474が宝箱から飛び出すとともに、かかるキャラクタオブジェクト474に続く格好で、「泡」や「魚群」等が必ず導出されることとしてもよい。ちなみに、「魚群」の方が「泡」よりも大当たり期待度が高く、先読み保留アイコン472の態様ランクが高いほど、「魚群」が選択され易くなっている。
さらに、本実施形態では、当該ステップS3908の表示設定処理において、大当たり中の表示処理(当たり表示処理)が行われるようになっている。ここで、当たり表示処理について、図37を参照して説明する。先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「15RS」、又は、「15RN」であれば「15」を設定し、「2RS」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉無し大当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3908の表示設定処理の後、ステップS3909において、装飾図柄表示装置42の変動表示の停止に関する変動停止処理を実行する。ここで、変動停止処理について、図49を参照して説明する。
先ず、ステップS6601では、停止コマンド(特別表示制御処理のステップS819参照)を受信したか否かを判別する。ステップS6601で肯定判別された場合、ステップS6602において、装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる処理を行う。続くステップS6603では、確変モードの残り期間を把握するための変動回数カウンタの値を1減算する。
ステップS6603の後、又は、ステップS6601において否定判別された場合には、ステップS6604において、サポート終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS6604で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6604で肯定判別された場合には、ステップS6605において、装飾図柄表示装置42に表示されている演出ステージを、「確変ステージ」から、通常ステージに変更させる処理を行う。その後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3910のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3911の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3911で行われる。
ステップS3912では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップS3913では、上記ステップS3905〜S3913の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3913の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3914に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3915に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3914で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3916において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、第1実施形態では、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球することに基づいて第1変動表示又は第2変動表示が保留記憶された場合、変動表示が保留記憶されたことを遊技者に教示するべく、第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bの表示態様(第1保留ランプ、第2保留ランプの点灯パターン;本例では第1保留表示に相当する)を変化させるとともに、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461において保留アイコン471を表示するように構成されている。特に、保留アイコン471に関しては、対応する変動表示の内容、すなわち、大当たり状態の発生期待度(大当たり期待度)を示唆する態様とされた先読み保留アイコン472として導出される場合がある。
さらに、本実施形態の先読み保留アイコン472は、所定の変動表示に対応する保留アイコン471が、現段階では先読み保留アイコン472とされていなくても、当該所定の変動表示が実行されるまでに、別の変動表示に対応する保留アイコン461として導出されていた先読み保留アイコン472の対象が変更されることで、当該所定の変動表示に対応して先読み保留アイコン472が導出される可能性が残されるように構成されている。より具体的には、先読み保留アイコン472は、「宝箱」を模したベースオブジェクト473に対してキャラクタオブジェクト474を組合わせた態様で導出され、デフォルトの保留アイコン471は、「宝箱のみ」の態様で導出される。そして、キャラクタオブジェクト474を所定の宝箱から別の宝箱へと移動させる(キャラクタオブジェクト474を付随して表示させる対象とされるベースオブジェクト473を変更する)ことで、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されるようになっている。つまり、保留アイコン471がデフォルト態様で導出された後のタイミングでも、当該保留アイコン471に対応する変動表示が消化されるまでの間に、該保留アイコン471が、先読み保留アイコン472に変化する可能性が残されるように構成されている。これにより、デフォルトの保留アイコン471が消化されるまで、該保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変化するかもしれないといった期待を持つことができる。
従って、先読み保留アイコン472と、デフォルトの保留アイコン471とが存在することに起因して、遊技者の感情として、デフォルトの保留アイコン471に対する大当たり状態への発生の期待度等が相対的に低下してしまい、かかる保留アイコン471に対して興味を示せなくなってしまう、さらには、かかる保留アイコン471に対応する変動表示に対してマイナスのイメージを持ってしまう(どうせ当たらないのだから、早く終わって欲しい等と考えてしまう)といった事態を回避することができる。特に、保留表示エリア461において、先読み保留アイコン472と、デフォルトの保留アイコン471とが表示されている状態では、かかる作用効果がより一層奏されることとなる。結果として、先読み保留アイコン472を導出可能とすることによるマイナス面を解消することができ、先読み保留アイコン472を利用した演出を行うことで、より確実に興趣の向上を図ることができる。
さらには、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく第1変動表示で大当たりに当選するよりも、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示で大当たりに当選する場合の方が、遊技者にとって有利な大当たり種別が選択され易くなっている(第2変動表示の大当たりでは「4RS」が選択されない上、「15RS」の選択割合が増加している)。このため、遊技者は、できれば第2変動表示で大当たり状態に当選して欲しいと考える。ところが、例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示の両方が保留されている状態(本例の通常モードでは、基本的に交互に保留される)において、第1変動表示の保留表示に対して、大当たり状態への期待度が非常に高められる先読み保留アイコン472が導出された場合には、第2変動表示の保留表示に対して先読み保留アイコン472が導出されればよかったのにと落胆してしまうことが懸念される。さらに、遊技者によっては、先読み保留アイコン472が導出された第1変動表示の大当たり期待度が高められる分、先読み保留アイコン472が導出されなかった第2変動表示の大当たり期待度が相対的に低下したのではないかという印象を受けてしまうことが懸念される。この場合、先読み保留アイコン472に対するマイナスのイメージがより強くなってしまい、結果的に、興趣の低下を招いてしまうおそれがある。
この点、上記のように、所定の変動表示に対応して先読み保留アイコン472が導出された後でも、当該先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示を、前記所定の変動表示から、それ以外の変動表示に変更可能に構成することによって、先読み保留アイコン472が第1変動表示に対応して導出されたとしても、先読み保留アイコン472の対象が第1変動表示から第2変動表示に変更されることへの期待を持つことができる。従って、上記懸念を払拭することができる。
さらに、例えば、先読み保留アイコン472が第2変動表示に対応して導出されていても、該先読み保留アイコン472の対象が第1変動表示に変更される可能性もあることから、遊技性に緊張感を持たせることができる。例えば、所望とする保留アイコン471(例えば、第2変動表示に対応する保留アイコン471)が先読み保留アイコン472とされた場合に、そのまま導出対象が変わらずに対応する変動表示が消化されて欲しいといった具合に、熱心に保留表示の挙動を確認し堪能することができる。また、所定条件をクリアすれば、そのような遊技者にとって好ましくない変更が免除される等の遊技性を付加することができ、遊技に抑揚を付加するポイントを増やすことができる。尚、先読み保留アイコン472の導出対象が規定回数の変動表示が行われる間にずっと変わらなければ、それ以降も変わらないように構成したり、所定の抽選が行われた結果として所定の演出が導出された場合に、所定の先読み保留アイコン472の導出対象の変更が禁止されるように構成したりしてもよい。
また、先読み保留アイコン472の態様には複数パターン用意されているが、先読み保留アイコン472の対象の変動表示が変更される場合、変更前の先読み保留アイコン472の態様を保ったまま、先読み保留アイコン472の対象が変更されるように構成されている。つまり、図55〜図57に示すように、所定のベースオブジェクト473(宝箱)に組合わせて表示されていたキャラクタオブジェクト474が別のベースオブジェクト473(宝箱)まで移動させることで、先読み保留アイコン472の対象の変動表示が変更されたことを示している。このため、先読み保留アイコン472の対象の変動表示が変更されても、変更前の先読み保留アイコン472の態様と、変更先の先読み保留アイコン472の態様とが同一であることから、先ほどまで所定の変動表示に対応していた先読み保留アイコン472が、前記所定の変動表示に対応するのではなく、別の変動表示に対応するように変更されたのだということ、ひいては、先読み保留アイコン472によって示唆される内容は、前記所定の変動表示についてのものではなく、前記別の変動表示についてのものであることをより理解し易くすることができる。
また、先読み保留アイコン472の対象の変動表示が変更されたとしても、先読み保留アイコン472の態様、ひいては、示唆内容については踏襲されていることを認識してもらうことができる。つまり、大当たり期待度が高まる先読み保留アイコン472の対象が、第1の変動表示から第2の変動表示へと変更された場合、第1の変動表示については期待度が低下することになる。そこで、第1の変動表示について導出されていた先読み保留アイコン472の示唆内容(大当たり期待度)が担保されていなければ、遊技者が不安感や不信感を抱くことが懸念される。
この点、本実施形態では、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されても、同一態様の先読み保留アイコン472(キャラクタオブジェクト474)が導出されることから、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されただけであって、保留表示エリア461において表示されている保留アイコン471全体としてみると、先読み保留アイコン472が導出されたことによる効果(大当たり期待度等)は変わらないといった状況とすることができる。従って、例えば、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されるだけでなく、先読み保留アイコン472の態様も変更されてしまうことで、先読み保留アイコン472の示唆内容があやふやになったり、先読み保留アイコン472の示唆内容の価値が変化したりしてしまい、変更前に対象とされていた変動表示への先読み保留アイコン472の効果(大当たり期待度等)はどこへ行ってしまったのか等といったように遊技者が不信感等を抱いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、本実施形態では、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更された後、先読み保留アイコン472の態様を変更可能に構成されている。つまり、一旦は変更前の先読み保留アイコン472の態様を踏襲させることにより、先読み保留アイコン472の態様が変更されたことへの理解を助け、また、不信感等を抑制し、さらに、先読み保留アイコン472の態様が変化する可能性を付与することで、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更された後も、先読み保留アイコン472の更なるステップアップ等に期待することができる。
また、主制御装置261からサブ制御装置262に送られた先発コマンドに含まれる変動情報が、サブ制御装置262の保留情報記憶エリアの所定の保留エリアに対して記憶された場合に、当該変動情報、すなわち、新規に保留された変動表示に対応する保留アイコン471に関する設定についても行われる。本実施形態では、この時点で、保留アイコン471が保留表示エリア461の保留対応エリア463に表示されてから、実行対応エリア462にまでシフトされて消化されるまでの流れがある程度定められる。
より具体的に、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、保留アイコン471に関する状況を示す保留演出カウンタが設けられている。そして、先発コマンドに含まれる変動情報が所定の保留エリアに記憶された場合であって、かつ、当該保留エリアの保留演出カウンタに対し「1」が設定された場合、図54に示すように、保留表示エリア461のうち対応する保留対応エリア463に先読み保留アイコン472が表示され、実行対応エリア462にまでシフトされた後、消化されるという流れとなる。尚、途中で、先読み保留アイコン472の態様が変化する(態様ランクがステップアップする)場合はあるものの、先読み保留アイコン472が途中で、デフォルトの保留アイコン471になってしまうといった場合はないようになっている。
図55に示すように、保留演出カウンタに対し「2」が設定された場合、先読み保留アイコン472を導出させる可能性はあるが、新たに保留された変動表示に対応する保留アイコン471を追加で表示する当該タイミングでは導出されない。但し、先読み保留アイコン472の態様については、変動情報に基づいて決定しておくように構成されている。その後、新たに変動情報が記憶された保留エリアの保留演出カウンタに対して「3」が設定された場合に、当該保留エリアに記憶された変動情報に対応する保留アイコン471として、保留演出カウンタに「2」が設定されている保留エリアの実行ランク記憶エリアに記憶されている態様と同じ態様の先読み保留アイコン472が導出されるとともに、次回のシフト処理において、保留演出カウンタに「3」が設定されている保留エリアに対応して導出されていた先読み保留アイコン472(キャラクタオブジェクト474)が、保留演出カウンタに「2」が設定されている保留エリアに対応する保留アイコン471となるように移動する(先行する保留対応エリア463のデフォルトの保留アイコン471と、後続の保留対応エリア463の先読み保留アイコン472とが入れ替わる)ようになっている。
以上のように、保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が存在せず、さらに、保留表示エリア461に対して保留アイコン471が新たに導出された時点で、当該保留アイコン471が先読み保留アイコン472ではなくても、その後のタイミングで、当該保留アイコン471が先読み保留アイコン472になるといった演出(保留前移動演出)を導出させることができる。これにより、先読み保留アイコン472が導出されるチャンスがまだあるかもしれないといった遊技者の期待を、デフォルトの保留アイコン471に対応する変動表示が実行されるまで持続させることができ、保留アイコン471で対応する変動表示の内容の示唆を行うといった先読み保留アイコン472を導出可能とすることで興趣の向上を図るといった作用効果がより一層奏されることとなる。
また、上記のように、「先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示を変更可能」とされていても、変更先の変動表示の内容が、先読み保留アイコン472の示唆内容(態様ランク)に見合うものでなければならない。つまり、例えば、既に保留情報記憶エリアの所定の保留エリアに記憶されている変動情報に対応するデフォルトの保留アイコン471に代えて先読み保留アイコン472を後付けで導出(宝箱のみの表示のベースオブジェクト473に対してキャラクタオブジェクト474を追加表示)しようとする場合、当該変動情報を(もう一度)参照して、先読み保留アイコン472を導出させるのに値するような内容であるか否かを判別し、否定判別された場合には、先読み保留アイコン472の導出を取り止める、或いは、保留情報記憶エリアのその他の保留エリアに記憶されている変動情報についても、先読み保留アイコン472を導出させるのに値するようなものが見つかるまで、内容を確認する処理を繰り返し続けるといった具合に、変動表示が保留された(変動情報が記憶された)際の処理が膨大になってしまうことが懸念される。
この点、変動情報が記憶された際に設定され得る「留保フラグ」を確認すれば、先読み保留アイコン472を導出させることのできる変動情報が記憶されているか否かを簡単に把握することができる。従って、闇雲に先読み保留アイコン472を導出させるのに値する変動情報を探し続けるといった処理を行わなくとも済むため、後付けで先読み保留アイコン472を行うことを決定する構成において、いざ決定された場合の処理が複雑化し、場合によっては処理落ち等を招いてしまうといった事態を防止することができる。
さらに、解除フラグをオンするか否かは抽選(留保解除抽選処理)で決定される。当該抽選は、変動情報を保留情報記憶エリアに記憶した場合に、留保フラグがオンされている保留エリアが存在すれば行われるようになっており、留保フラグ等がオン設定されるよりも高確率でオン設定されるようになっている。このため、留保フラグが設定された後に、保留情報記憶エリアに対して新たに変動情報が記憶されただけで、その内容を問わず、必ず留保フラグが設定された変動情報に対応する保留アイコン471に対して先読み保留アイコン472が導出されることを回避することができる。さらに、留保フラグがオン設定されたものの、その後に解除フラグがオン設定される確率が低く、「保留前移動演出」がほとんど導出されないといった事態を回避することができる。これにより、「保留前移動演出」の導出機会が多過ぎたり、少な過ぎたり、一義的になり過ぎたりすることを回避することができる。結果として、演出性及び遊技性の向上等を図ることができる。
また、例えば、変動表示が100回行われるまでを上限とする確変モードから、通常モードへと切り替わる前後においては、確変モードで行われる変動表示と、通常モードで行われる変動表示との両方が保留記憶され、保留表示エリア461において、確変モードで消化される保留アイコン471と、通常モードで消化される保留アイコン471とが混在する場合がある。本実施形態では、保留表示エリア461において、確変モードで消化される保留アイコン471と、通常モードで消化される保留アイコン471との境界が分かり易くなるように、STボーダーライン465が表示されるようになっている(図52(d)参照)。
但し、確変モードにおいて実行される予定の保留アイコン471と、通常モードにおいて実行される予定の保留アイコン471とで、態様を変化させることはない。このため、例えば、実行される遊技の差異を教示するために保留アイコン471の態様を変化させてしまうような場合に、保留アイコン471の態様パターンの複雑化(先読み保留アイコン472の態様も含めると、各種演出等との対応関係が分かり難くなる)を招くおそれを回避することができる。さらには、確変モードで行われる予定の変動表示に対応する保留アイコン471と、通常遊技モードで行われる予定の変動表示に対応する保留アイコン471とが両方表示されている状態で大当たり状態が発生した場合、大当たり状態終了後には遊技モードと、保留アイコン471の遊技モードに関する態様との対応関係が変化してしまうことから、大当たり状態前の保留アイコン471の態様が結果的に矛盾していたことになるといった事態を回避することができる。従って、遊技を分かり易くスムースに進行させることができる。
さらに、保留表示エリア461において先読み保留アイコン472が導出されることで大当たり期待度が上昇するのではあるが、通常モードと確変モードとでは、大当たり確率が(10倍)異なることから、先読み保留アイコン472が通常モードで導出されるよりも、確変モードで導出される方が大当たり期待度も高くなる(結果的に、確変モードで導出される先読み保留アイコン472の方が価値が高くなる)。このため、確変モードで消化される保留アイコン471、及び、通常モードで消化される保留アイコン471の両方が表示されている状態において、通常モードで消化される保留アイコン471が先読み保留アイコン472とされてしまうことで、遊技者が「先読み保留アイコン472の対象がもう少し前であればよかった」等といった感情を抱いてしまうことが懸念される。
この点、本実施形態では、留保フラグがオン設定された(保留演出カウンタ=2)変動情報が確変モードの最後の4回の変動表示に対応している場合であって、かつ、該変動表示が消化される前に、通常モードで行われる変動表示の変動情報に解除フラグ(保留演出カウンタ=3)がオン設定された場合、先読み保留アイコン472が、通常モードに対応する場所から、確変モードに対応する場所まで移動することとなる。従って、確変モードが終了間近のときに、確変モードで消化される保留アイコン471ではなく、通常モードで消化される保留アイコン471として先読み保留アイコン472が導出された後も、先読み保留アイコン472の対象が確変モードで消化される変動表示に変更される可能性が残される。これにより、確変モードが終了間近のときに、確変モードで消化される保留アイコン471として先読み保留アイコン472が導出されなくても、まだ、かかる確変モードで消化されるデフォルトの保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変更されるといった希望を持つことができ、先読み保留アイコン472が通常モードに対応して導出されることで盛り下がってしまう等といった上記不具合を解消することは勿論のこと、先読み保留アイコン472が通常モードに対応して導出されることを、確変モードで消化される保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変更されるまでのステップが上がったとして好意的に捉えることができる。このため、単純に、「先読み保留アイコン472が導出されること」が「遊技者にとって好ましいこと」という意義付けを行うことができる。結果として、先読み保留アイコン472を導出することによるマイナス面を解消することができ、先読み保留アイコン472を導出可能に構成することで、より確実に興趣の向上を図ることができる。
また、確変モードで消化される保留アイコン471と、通常モードで消化される保留アイコン471との両方が表示されている状態で、確変モードで消化される保留アイコン471には先読み保留アイコン472が導出されず、通常モードで消化される保留アイコン471には先読み保留アイコン472が導出されるといった状況が発生することを回避するべく、確変モードで消化される保留アイコン471と、通常モードで消化される保留アイコン471との両方が表示されている状態では、通常モードで消化される保留アイコン471に関して先読み保留アイコン472を導出しないようにするといった制御(禁則処理)を行わなくても済む。従って、通常モードで消化される保留アイコン471に関して先読み保留アイコン472を導出するといった演出機会をわざと潰したり、また、そのための処理量が増加してしまったりするといった遊技性や演出性の向上に寄与しない悪循環を回避することができる。
さらに、確変モードで行われる変動表示の変動情報に対応して留保フラグがオン設定されるだけでは、当該変動情報に対応する保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変更されることはなく、当該留保フラグがオン設定された変動情報が消化される前までに、解除フラグがオン設定された変動情報が保留されることで、留保フラグがオン設定された変動情報に対応する保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変更されることとなる。従って、確変モードが間もなく終了するにもかかわらず、確変モードで消化される保留アイコン471として先読み保留アイコン472が導出されなかったという場合に、もっと変動表示を保留させようとする遊技意欲を高めることができる。
図56に示すように、保留情報記憶エリアに記憶された所定の変動情報に対応して保留演出カウンタに対し「4」が設定された(変更前フラグがオン設定された)場合、当該変動情報に対応して先読み保留アイコン472が表示されるものの、その後、新たに保留情報記憶エリアに記憶された変動情報に対応して保留演出カウンタに対し「5」が設定された(変更先フラグがオン設定された)場合に、次回のシフトのタイミングで、保留演出カウンタ「4」の変動情報に対応する保留アイコン471が、先読み保留アイコン472から、デフォルトの保留アイコン471に変更されることとなる。その一方で、保留演出カウンタ「4」の変動情報に対応する保留アイコン471は、当初、デフォルトの態様で導出されるものの、シフトのタイミングで(繋ぎ演出を介して)、保留演出カウンタ「5」の変動情報に対応する保留アイコン471として表示されていた先読み保留アイコン472の態様に変更される(先行する保留対応エリア463の先読み保留アイコン472と、後続の保留対応エリア463のデフォルトの保留アイコン471とが入れ替わる)こととなる。
以上のように、保留表示エリア461に対して新たに導出された保留アイコン471が先読み保留アイコン472ではなくても、その後のタイミングで、当該デフォルトの保留アイコン471が、保留表示エリア461に既に存在している先読み保留アイコン472と交換されるといった演出(保留後移動演出)を導出させることができる。これにより、先読み保留アイコン472の対象が変更されるのではないかという状況をより多くつくる(先読み保留アイコン472がどこに行くか分からないといった遊技性を付加する)ことができ、遊技の進行に緊張感を付与し、倦怠感の抑制等を図ることができる。結果として、保留アイコン471で対応する変動表示の内容の示唆を行うといった演出として先読み保留アイコン472を導出可能とすることにより興趣の向上を図るといった作用効果がより一層奏されることとなる。また、複数の保留アイコン471が連動する演出となることから、例えば、複数の保留アイコン471においてそれぞれ単独で保留アイコン471の態様を変化させる場合に比べて、演出性の向上等を図ることができる。
加えて、「保留後移動演出」は、保留表示エリア461に表示されている保留アイコン471のうち、先行して導出されていた先読み保留アイコン472が、それよりも後に導出されたデフォルトの保留アイコン471と入れ替わるといった演出であるため、先行して導出された先読み保留アイコン472(変更前フラグがオン設定されることで導出された先読み保留アイコン472)の態様のランクが高すぎると、当該ランクに見合う変動情報が保留記憶されるまで、変更先フラグを設定することができなくなる。
これに対し、本実施形態では、変更前フラグの先読み保留アイコン472の態様ランクを最高でも「2」とする(態様ランクとしては「1」〜「5」まで存在し、数が大きいほどタンクが高い)ことで、かかる懸念を抑制することができ、演出の機会が極端に少なくなるといった事態を回避することができる。さらに、導出される態様ランクが高くない上、変更前フラグの設定条件をある程度限定しているため、変更先フラグがオン設定されることなく、変更前フラグがオン設定された変動情報に対応する変動表示が消化されてしまう(実行対応エリア462に先読み保留アイコン472が表示されたまま変動表示が行われる)としても、特に違和感等を与えることなく、遊技を進行させることができる。
また、本実施形態では、大当たり状態が発生する可能性のある変動表示(変動情報)に対応しては、変更前フラグがオン設定されないように(保留演出カウンタに「4」が設定されることがないように)構成されている。すなわち、例えば、所定の変動表示に対応して導出されていた先読み保留アイコン472が、それよりも後に保留された変動表示に対応するように変更されたのではあるが、先読み保留アイコン472が当初導出されていた前記所定の変動表示において大当たり状態が発生した(さらには、変更後の先読み保留アイコン472に対応する変動表示では大当たり状態が発生しない)といった具合に、先読み保留アイコン472の信憑性が著しく低下してしまうおそれがある。この点、変更前フラグを設定する場合には、先読み保留アイコン472の対象が変更される前の変動情報が当否抽選にて当選しないものであること(「外れ」であること)を確認しているため、上記懸念を払拭することができる。
さらに、本実施形態では、「外れ」となる変動表示であっても、確変モードの最後の4回となる変動表示(変動情報)に対応しては、変更前フラグがオン設定されないように(保留演出カウンタに「4」が設定されることがないように)構成されている。つまり、遊技者にとっては、極力、確変モードに対応して先読み保留アイコン472が表示されていて欲しいのにもかかわらず、先読み保留アイコン472が、確変モードの圏内から、圏外(通常モード)に逃げてしまうといった痛恨の演出が導出されてしまい、興趣の著しい低下を招くことを回避することができる。
図57に示すように、保留情報記憶エリアに記憶された所定の変動情報に対応して保留演出カウンタに対し「6」が設定された(第1交換フラグがオン設定された)場合には、その後、新たに保留情報記憶エリアに記憶された変動情報に対応して保留演出カウンタに対し「7」が設定された(第2交換フラグがオン設定された)場合に、次回のシフトのタイミングで、保留演出カウンタ「6」の変動情報に対応する先読み保留アイコン472と、保留演出カウンタ「7」の変動情報に対応する先読み保留アイコン472とが入れ替わる演出(保留交換演出)が行われるようになっている。これにより、保留アイコン471に関する演出の多様化を図ることができる。
加えて、本実施形態では、保留表示エリア461において先読み保留アイコン472が増加するタイミングは、変動表示が保留された(サブ制御装置262が先発コマンドを受信した)ことに基づいて保留アイコン471を増加させるタイミングのみとなっている。このため、先読み保留アイコン472が新たに導出されるタイミングが限定されることで、先読み保留アイコン472が導出されたことをより気付き易くすることができる。従って、例えば、デフォルトの保留アイコン471のみが表示されている状態において、保留アイコン471が増加するタイミングではないにもかかわらず、いきなり所定の保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変化していたといった現象が生じるような構成に比べ、保留アイコン471を利用した演出が混とんとして理解し難くなってしまう(遊技者が取っ付きにくくなってしまう)といった事態を防止することができる。また、保留アイコン471が増えなければ、先読み保留アイコン472も増えないこととなるため、保留アイコン471を増やすこと(始動入賞させること)への意欲をより向上させることができる。
また、本実施形態では、先読み保留アイコン472の対象とする変動表示を変更する先読み対象変更演出(保留前移動演出、保留後移動演出、保留交換演出)を行う場合、保留表示エリア461において、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更される過程(途中)を可視化する「繋ぎ演出」が導出されるように構成されている。つまり、先読み保留アイコン472は、「宝箱」のベースオブジェクト473に対してキャラクタオブジェクト474を組合わせた態様であり、キャラクタオブジェクト474が別の「宝箱」に移動する表示(アニメーション)が行われることで、先読み保留アイコン472の対象が変更されたことを比較的容易に認識することができる。
このため、例えば、所定の変動表示に対応して導出されていた先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474が突然に消失し、別の保留アイコン471に対して前記消失したキャラクタオブジェクト474が突如として導出される場合、先の先読み保留アイコン472と、後の先読み保留アイコン472とが、それぞれ独立したものである(全く関係がない)という捉え方をされてしまうことが懸念される。特に、先の先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474が消去されてから、後に先読み保留アイコン472となる保留アイコン471に前記キャラクタオブジェクト474が導出されるまでの間に僅かでもタイムラグが生じる場合や、先の先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474を消去するタイミングが、後に先読み保留アイコン472となる保留アイコン471に前記キャラクタオブジェクト474を導出するタイミングよりも遅れた場合(重複して導出されてしまう期間がある)には、かかる懸念がより顕著なものとされる。
これに対して、繋ぎ演出を行うことによって、先読み保留アイコン472の対象が変更される変更元の保留アイコン471から、変更先の保留アイコン471まで、遊技者の視線を誘導することができるようになり、先読み保留アイコン472の対象が変更されることをより認識してもらい易くすることができる。また、遊技者が先読み保留アイコン472の対象の変更が行われたこと自体に気付かないといった事態を抑制することができる。
加えて、保留アイコン471が表示される保留表示エリア461には、対応する変動表示が未だ行われていない変動情報に対応する保留アイコン471が導出される保留対応エリア463だけでなく、対応する変動表示が実行されている最中である変動情報に対応する保留アイコン471が導出される実行対応エリア462が設けられている。このため、保留表示エリア461において、例えば、対応する変動表示が実行される直前に、対応する保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変更された(キャラクタオブジェクト474が移動してきた)場合に、遊技者がそのことを確認し難い(実質確認できない)といった事態を回避することができる。また、変動表示に際して(変動表示中に)、当該変動表示に対応して先読み保留アイコン472が導出されていたのか否かや、先読み保留アイコン472の態様(示唆内容)を確認することができ、先読み保留アイコン472の内容と、変動表示に際しての演出等とを併せて、様々な推測を行い、変動表示をより一層楽しむことが可能となる。
また、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461において表示される保留アイコン471とは別に、演出等は行われず、端的に第1変動表示、及び、第2変動表示の保留数を教示する第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bが設けられている。このため、保留表示エリア461において様々な演出を行い、保留アイコン471と、保留されている変動表示との対応関係が多少分かり難くなるような場面が発生したとしても、第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bによって特別表示装置43a、43bの変動表示が保留されているか否かが確実に把握できる。従って、保留表示エリア461における保留アイコン471に関する演出の自由度や演出性等の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、保留表示エリア461にキャラクタオブジェクト474を伴う先読み保留アイコン472が既に表示されている状態において、新たに保留された変動表示に対応して先読み保留アイコン472を導出させることが決定された場合、先に表示されている先読み保留アイコン472との間隔に応じて、当該先読み保留アイコン472を導出させるか否かを決定するように構成されている。つまり、新たに保留された変動表示に対応して先読み保留アイコン472を導出させることが決定されたとしても、当該先読み保留アイコン472をすぐには(新たに保留された変動表示に対応する保留アイコン471としては、ひとまず)導出させない(待機させる)場合がある。以下、特徴部分を中心に説明する。
尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。また、第2実施形態では、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bによって可変表示手段が構成され、装飾図柄表示装置42によって演出表示手段が構成される。
ここで、第2実施形態の保留アイコン設定処理について、図58を参照して説明する。尚、第2実施形態では、保留情報格納処理(図35)のステップS4104、ステップS4106〜ステップS4109は省略する。
先ず、ステップS7101では、詳しくは後述する保留演出(保留アイコン471)に関する各種カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を保留情報記憶エリアのうち変動情報を新たに記憶した保留エリア(新規記憶保留エリア)に記憶する。尚、保留演出(保留アイコン471)に関する各種カウンタの値や、後述する各種フラグ等の情報のうち、対応する変動情報とともに保留情報記憶エリアに記憶されるものについては、保留情報記憶エリアのデータシフト処理において変動情報とともにシフトされる。以下、保留情報記憶エリアに記憶される保留演出に関する情報については、変動情報に含まれる情報、すなわち、変動情報として説明する。
続くステップS7102では、新規記憶保留エリアに保留された変動情報は「大当たり」に対応するものであるか否かを判別する。ステップS7102で否定判別された場合、ステップS7103において、当たり代理要求フラグ、又は、外れ代理要求フラグがオン設定されているか否かを判別する。
代理要求フラグは、所定の変動情報に対応して、先読み保留アイコン472を導出させることが決定された(権利は付与された)ものの、未だ導出しない場合にオン設定されるものである。さらに、前記所定の変動情報が「大当たり」に対応するものであれば「当たり代理要求フラグ」がオン設定され、前記所定の変動情報が「外れ」に対応するものであれば「外れ代理要求フラグ」がオン設定される。また、代理要求フラグは、保留情報記憶エリアとは別に設けられている。尚、本実施形態では、代理要求フラグが待機状態記憶手段を構成し、代理要求フラグをオン設定する処理が待機状態記憶処理に相当する。
ステップS7103で否定判別された場合には、ステップS7104において、保留情報記憶エリアの保留エリアのいずれかにおいて、代理フラグがオン設定されているか否かを判別する。
代理フラグは、保留情報記憶エリアの各保留エリアに設けられており、保留情報記憶エリアのデータのシフト処理が行われた場合には、代理フラグの設定状態についても同様にシフトされる。そして、所定の変動情報に対応して、先読み保留アイコン472を導出させることが決定された(権利は付与された)ものの、前記所定の変動情報に対応する保留アイコン471としてではなく、別の変動情報(前記所定の変動情報よりも後に保留された変動情報)の保留アイコン471として、仮に導出されることとなった場合に、前記別の変動情報が記憶されている保留エリアの代理フラグがオン設定されるようになっている。これにより、前記別の変動情報に対応する保留アイコン471が、前記所定の変動情報に対応する先読み保留アイコン472を代理で導出させていることを判別可能としている。
尚、ステップS7104において、変動情報が記憶されている全ての保留エリアの代理フラグを確認しなくても済むように、代理フラグがオン設定された場合にオン設定される代理チェックフラグを設けることとしてもよい。
ステップS7104で否定判別された場合、ステップS7105において、先読み保留アイコン472を導出させる権利を付与するか否かを決定する保留先読み演出抽選処理を行う。より具体的には、サブ制御装置262のRAM553には、先読み保留アイコン472を導出させる(権利を付与する)か否かを決定するための保留先読み演出抽選カウンタ(本例では、0〜18のループカウンタ)と、先読み保留アイコン472を導出させる権利が付与されること(当選)となる保留先読み演出抽選カウンタの値を記憶する保留先読み演出抽選テーブルとが設けられている。
保留先読み演出抽選カウンタの値は、上記ステップS7101において取得され、新規記憶保留エリアに記憶されている。保留先読み演出抽選テーブルとしては、新規記憶保留エリアに記憶された変動情報が、「大当たりに対応するとき用」と、「前後外れリーチに対応するとき用」と、「前後外れ以外リーチに対応するとき用」との3つが設けられている。図59に示すように、本実施形態では、新規記憶保留エリアに記憶された変動情報が、前後外れ以外リーチに対応する場合には、当該リーチになる場合の半分弱の確率(9/19)で先読み保留アイコン472の導出の権利が付与され、大当たり、及び、前後外れリーチに対応する場合には、前後外れ以外リーチの場合よりもかなり高い高確率(16/19)で先読み保留アイコン472の導出の権利が付与されるようになっている。
ステップS7105の後、ステップS7106において、保留先読み演出抽選処理にて当選したか否か(先読み保留アイコン472の導出の権利が付与されたか否か)を判別する。
ステップS7106で肯定判別された場合、ステップS7107において、保留情報記憶エリアの保留エリアのいずれかにおいて、キャラクタフラグがオン設定されているか否かを判別する。
キャラクタフラグは、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアに設けられており、保留情報記憶エリアのデータのシフト処理が行われた場合には、キャラクタフラグの設定状態についても同様にシフトされる。そして、所定の変動情報に対応して先読み保留アイコン472が導出される場合に、前記所定の変動情報が記憶されている保留エリアのキャラクタフラグがオン設定されるようになっている。これにより、前記所定の変動情報に対応して先読み保留アイコン472が導出されていることを判別可能としている。
尚、ステップS7107において、変動情報が記憶されている全ての保留エリアのキャラクタフラグを確認しなくても済むように、キャラクタフラグがオン設定された場合にオン設定されるキャラクタチェックフラグを保留情報記憶エリアとは別に設けることとしてもよい。
ステップS7107で否定判別された場合、すなわち、保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が導出されていない状態である(かつ、上記のように、代理要求フラグがオン設定されることもなく、保留情報記憶エリアに代理フラグがオンされた保留エリアも存在しない)場合には、ステップS7108において、新規記憶保留エリアのキャラクタフラグをオン設定する。
ステップS7109では、先読み保留アイコン472の種別(キャラクタオブジェクト474のパターン)を設定するキャラクタパターン設定処理を行う。すなわち、上記ステップS7101において取得され、新規記憶保留エリアに記憶されているキャラクタ決定カウンタの値に基づいて、その値と、キャラクタパターンとの対応関係を記憶するキャラクタ決定テーブル(例えば、当たり用、前後外れリーチ用、それ以外外れ用を用意する)を参照して、キャラクタパターンを決定し、その内容を新規記憶保留エリアに記憶する。尚、当該キャラクタパターン情報に関しても、保留情報記憶エリアのデータシフト処理によって、その他の変動情報とともにシフトされるようになっている。
ステップS7110では、上記キャラクタフラグがオン設定された情報を含む変動情報が、保留情報記憶エリアの実行エリア又は保留エリアのうちどこに存在するのかを示す先行位置カウンタに対し、保留されている変動表示の数を示す変動保留カウンタNdの値を設定する。尚、先行位置カウンタは、「−1〜8」の値を取り得るように構成され、「0」は実行エリアにあることを示し、「1〜8」は各保留エリアにあることを示し、「−1」は存在しないことを示す。
さらに、ステップS7111において、キャラクタフラグがオン設定された情報を含む変動情報(が記憶されている実行エリア又は保留エリア)と、その後に保留された所定の変動情報(が記憶されている保留エリア)との間の間隔(第1間隔)を把握するための第1間隔記憶手段としての第1間隔カウンタに「1」を設定する。尚、第1間隔カウンタは、「0〜7」の値を取り得るように構成され、「1〜7」は該当の間隔があることを示し、「0」は上記キャラクタフラグがオン設定された情報を含む変動情報が、もはや存在しないことを示す。
その後、ステップS7136の保留アイコン表示処理において、新規記憶保留エリアのキャラクタフラグがオン設定されていることに基づいて、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、ステップS7109で決定されたパターンの先読み保留アイコン472を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7107で肯定判別された場合、すなわち、保留表示エリア461において先読み保留アイコン472が既に導出されている場合には、ステップS7112において、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使するか否かの第1現出抽選処理を行う。つまり、保留表示エリア461において先読み保留アイコン472が導出されていない、或いは、導出される予定もない場合には、上記ステップS7108以下のように、無条件で先読み保留アイコン472を導出する権利が行使されるのに対し、保留表示エリア461において導出される先読み保留アイコン472が複数になりそうな場合には、第1現出抽選処理にて当選しなければ、先読み保留アイコン472を導出する権利を行使することができない構成となっている。
さらに、本実施形態では、第1間隔カウンタの値、すなわち、既に保留表示エリア461において導出された先読み保留アイコン472に対応する(変動情報が記憶されている)保留情報記憶エリアの保留エリア又は実行エリアと、新規記憶保留エリアとの間の間隔に応じて、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使する確率が異なるように構成されている。
より具体的には、サブ制御装置262のRAM553には、現出抽選カウンタ(本例では、0〜9のループカウンタ)と、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使すること(当選)となる現出抽選カウンタの値を記憶する現出抽選テーブルとが設けられている。現出抽選カウンタの値は、上記ステップS7101において取得され、新規記憶保留エリアに記憶されている。現出抽選テーブルとしては、第1間隔カウンタの値が「2のとき用」、「3のとき用」、「4のとき用」、「5のとき用」、「6以上用」が設けられている。図60に示すように、本実施形態では、第1間隔カウンタの値が「2」の場合には1/10の確率で前記権利を行使し、第1間隔カウンタの値が「3」の場合には2/10の確率で前記権利を行使し、第1間隔カウンタの値が「4」の場合には5/10の確率で前記権利を行使し、第1間隔カウンタの値が「5」の場合には6/10の確率で前記権利を行使し、第1間隔カウンタの値が「6以上」の場合には9/10の確率で前記権利を行使するようになっている。さらに、第1間隔カウンタの値が「1」の場合には、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使することはない。つまり、先行する先読み保留アイコン472との間隔が短い程、後続の先読み保留アイコン472が導出され難くなっている。また、第1間隔カウンタの値が「0」の場合、すなわち、既に、先行する先読み保留アイコン472が消化されてしまっている場合には、100%の確率で前記権利を行使するようになっている。
ステップS7112の後、ステップS7113において、第1現出抽選処理にて当選したか否か(先読み保留アイコン472の導出の権利を行使するか否か)を判別する。ステップS7113で肯定判別された場合、すなわち、変動情報が新規記憶保留エリアに記憶され、かつ、その段階で、先読み保留アイコン472の導出の権利を行使することが決定された場合には、上記ステップS7108に移行し、新規記憶保留エリアのキャラクタフラグをオン設定する。
続く、ステップS7109では、先読み保留アイコン472のパターンを決定・記憶する。尚、本実施形態では、保留表示エリア461に既に先読み保留アイコン472が表示されている状態、及び、表示されていない状態のどちらであっても、新規記憶保留エリアにキャラクタフラグがオン設定される場合には、共通のキャラクタ決定テーブルが参照されるように構成されているが、選択されるキャラクタの選択率が異なるテーブルを参照して決定するように構成してもよいし、或いは、先行する先読み保留アイコン472の情報に基づいて、例えば、かかる先読み保留アイコン472と被らないようにキャラクタパターンを決定するように構成してもよい。
さらに、ステップS7110では、先行位置カウンタに変動保留カウンタNdの値を設定する。ここで、先行位置カウンタには、既に先行して表示されていた先読み保留アイコン472に対応して設定されていた値が設定されているため、上書きするような格好となる。加えて、ステップS7111において、第1間隔カウンタに「1」を設定(上書き)する。
その後、ステップS7136の保留アイコン表示処理において、新規記憶保留エリアのキャラクタフラグがオン設定されていることに基づいて、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、ステップS7109で決定されたパターンの先読み保留アイコン472を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。つまり、ステップS7113で肯定判別された場合には、保留情報記憶エリアにおいて複数のエリアのキャラクタフラグがオン設定され、保留表示エリア461において複数のエリアに先読み保留アイコン472が表示される状態となる。
また、ステップS7113で否定判別された場合には、ステップS7114において、新規記憶保留エリアの帰還フラグをオン設定する。
帰還フラグは、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアに設けられており、保留情報記憶エリアのデータのシフト処理が行われた場合には、帰還フラグの設定状態についても同様にシフトされる。そして、変動情報が新たに保留エリア(新規記憶保留エリア)に記憶された際に、当該変動情報に対応して、先読み保留アイコン472を導出させることが決定された(権利は付与された)ものの、当該変動情報に対応する保留アイコン471としては、とりあえず先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使しないことが決定された場合に、新規記憶保留エリアの帰還フラグがオン設定されるようになっている。
続くステップS7115では、当たり代理要求フラグ、又は、外れ代理要求フラグをオン設定する。つまり、変動情報が新規記憶保留エリアに記憶された際に、先読み保留アイコン472を導出させる権利は得られたものの、当該変動情報に対応する保留アイコン471としては、前記先読み保留アイコンを導出させること(権利を行使すること)ができなかったため、当該権利を、その後に保留される変動表示の変動情報に対応する保留アイコン471に(代理で)行使してもらうべく、当たり代理要求フラグ、又は、外れ代理要求フラグをオン設定するようになっている。
続くステップS7116では、先読み保留アイコン472の種別(キャラクタオブジェクト474のパターン)を設定するキャラクタパターン設定処理を行う。すなわち、先読み保留アイコン472をすぐには導出させない場合であっても、新規記憶保留エリアに記憶されているキャラクタ決定カウンタの値に基づいて、その値と、キャラクタパターンとの対応関係を記憶するキャラクタ決定テーブル(例えば、当たり用、前後外れリーチ用、それ以外外れ用を用意する)を参照して、キャラクタパターンを決定し、その内容を新規記憶保留エリアに記憶する。また、当該ステップS7116で参照されるキャラクタ決定テーブルは、上記ステップS7109のときに参照されるものとは異なるものであって、先行する先読み保留アイコン472とはキャラクタオブジェクト474が被らない、或いは、被り難いようになっている。尚、例えば、先行する先読み保留アイコン472を参照して、キャラクタが絶対に被らないように構成してもよいし、大当たり期待度がより高いものが選択され易くなるように構成してもよい。
さらに、ステップS7117において、上記帰還フラグがオン設定された情報を含む変動情報(が記憶されている実行エリア又は保留エリア)と、その後に保留された所定の変動情報(が記憶されている保留エリア)との間の間隔(第2間隔)を把握するための第2間隔記憶手段としての第2間隔カウンタに「1」を設定する。尚、第2間隔カウンタは、「0〜7」の値を取り得るように構成され、「1〜7」は該当の間隔があることを示し、「0」は、先読み保留アイコン472を導出させる権利が付与された変動情報(が記憶されている保留エリア又は実行エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463又は実行対応エリア462)と、当該権利に基づいて導出された先読み保留アイコン472の導出位置(保留表示エリア461の保留対応エリア463又は実行対応エリア462)とが合致したことを示す。
続くステップS7118では、保留情報記憶エリアの保留エリア及び実行エリアのうち帰還フラグがオン設定されたエリアはどこなのかを示す帰還位置カウンタに対し、変動保留カウンタNdの値を設定する。尚、帰還位置カウンタは、「−1〜8」の値を取り得るように構成され、「0」は実行エリアにあることを示し、「1〜8」は各保留エリアにあることを示し、「−1」は存在しないことを示す。
ステップS7118の後、ステップS7136の保留アイコン表示処理において、新規記憶保留エリアの帰還フラグがオン設定されていることに基づいて、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、デフォルトの保留アイコン471を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアにおいて、「0〜3」の値を取り、その値によって、先読み保留アイコン472の導出状況を示す導出状況記憶手段としての保留演出カウンタが設けられている。すなわち、本実施形態では、キャラクタフラグ、代理フラグ、及び、帰還フラグがそれぞれ個別に設けられているのではなく、保留演出カウンタの値を「1」とすることで、キャラクタフラグのオンを示し、保留演出カウンタの値を「2」とすることで、帰還フラグのオンを示し、保留演出カウンタの値を「3」とすることで、代理フラグのオンを示している。さらに、保留演出カウンタの値を「0」とすることで、これらフラグがいずれもオフされていることを示している。
また、ステップS7103で肯定判別された場合、すなわち、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使していない状態であって、該権利に基づく先読み保留アイコン472を代わりに導出する変動情報の出現を待機している状態であることを示す当たり代理要求フラグ又は外れ代理要求フラグがオン設定されている場合には、ステップS7119において、先読み保留アイコン472を導出させる権利を、代理で行使するか否かを決定する第2現出抽選処理を行う。
ステップS7119の第2現出抽選処理は、基本的にステップS12の第1現出抽選処理と同じであり、第1間隔カウンタの値に基づいて、参照する現出抽選テーブルを決定し、現出抽選カウンタの値に基づいて、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、当該変動情報よりも先に保留情報記憶エリアに記憶されて現存するとともに、先読み保留アイコン472を対応して導出させる権利が付与されている変動情報(帰還フラグがオン設定された変動情報)の分の先読み保留アイコン472を、新規記憶保留エリアの変動情報に対応させたような格好として(あたかも、たった今、先読み保留アイコン472の保留が行われたような見た目として)代理で導出させるか否かを決定する処理である。
ステップS7119の後、ステップS7120において、第2現出抽選処理にて当選したか否かを判別する。ステップS7120で肯定判別された場合には、ステップS7121において、新規記憶保留エリアの代理フラグをオン設定する。
続くステップS7122では、代理で導出された先読み保留アイコン472(代理保留アイコン)の位置(先読み保留アイコン472の導出を代理で務めている変動情報が記憶されている保留情報記憶エリアの保留エリアを把握可能な情報)を示す後行位置カウンタに対し、変動保留カウンタNdの値を設定する。尚、後行位置カウンタは、「0〜8」の値を取り得るように構成され、「0」は実行エリアにあることを示し、「1〜8」は各保留エリアにあることを示す。
続くステップS7123では、帰還フラグがオン設定されている保留エリアにおいてオン設定されている当たり代理要求フラグ又は外れ代理要求フラグをオフする。
続くステップS7124では、帰還フラグがオン設定されている保留エリアに記憶されている先読み保留アイコン472の態様の情報(キャラクタパターン情報、ステップS7116で既に決定されている)を、新規記憶保留エリアに移動させる(キャラクタパターン情報を新規記憶保留エリアにコピーして、元の保留エリアのキャラクタパターン情報を消す)キャラクタパターン情報移管処理を行う。
その後、ステップS7125において、先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474により複雑な挙動をさせる特定演出としてのシナリオ演出を行うか否かを決定するシナリオ抽選処理(特定演出抽選処理)を行う。より具体的には、サブ制御装置262のRAM553には、シナリオ演出を行うか否かを決定するためのシナリオ抽選カウンタと、シナリオ演出を行うこと(当選)となるシナリオ抽選カウンタの値を記憶するシナリオ抽選テーブルとが設けられている。例えば、帰還フラグがオン設定されている保留エリアに記憶されている変動情報が大当たりに対応するものであれば60%の確率で当選し、前後外れリーチに対応するものであれば30%の確率で当選し、前後外れ以外リーチに対応するものであれば当選しないよう構成されていることとしてもよい。
但し、本実施形態のシナリオ演出としては、先行の先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474と、後続する代理の先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474とが連動する表示態様とされている。このため、シナリオ抽選に際しては、先ず、第1間隔カウンタが「0」ではないこと(先行位置カウンタが「−1」ではないこと)を確認してからシナリオ抽選を行う(先行キャラクタが存在しなければシナリオ抽選を行わない)ようになっている。
ステップS7125の後、ステップS7126において、シナリオ抽選に当選したか否かを判別する。ステップS7126で肯定判別された場合には、ステップS7127において、シナリオパターンを決定し、その内容を記憶する特定演出抽選処理としてのシナリオパターン設定処理を行う。より具体的には、サブ制御装置262のRAM553には、シナリオパターンを決定するためのシナリオパターン決定カウンタと、シナリオパターン決定カウンタの値と、シナリオパターンとの対応関係を記憶するシナリオパターン決定テーブルとが設けられている。
本実施形態のシナリオ演出は、先のキャラクタオブジェクト474、及び、後のキャラクタオブジェクト474を含む複数のキャラクタオブジェクト474が協同で演出を行い、帰還フラグがオン設定されていた保留エリアに記憶されている変動情報に対応する保留アイコン471(先読み保留アイコン472)の大当たり期待度を高めることを趣旨としている。例えば、図68(b)〜(f)に示すように、本実施形態では、キャラクタオブジェクト474の挙動のシナリオ演出として5パターン設定されている。図68(b)に示すパターン1は、先のキャラクタオブジェクト474、及び、後のキャラクタオブジェクト474のうち一方が他方に(図では先のキャラクタオブジェクト474が後のキャラクタオブジェクトに)プレゼントを渡すパターンである。図68(c)に示すパターン2は、先のキャラクタオブジェクト474と、後のキャラクタオブジェクト474とが戦い、勝った方が残るパターンである。図68(d)に示すパターン3は、先のキャラクタオブジェクト474、及び、後のキャラクタオブジェクト474のうち、一方が他方を肩に載せるパターンである。図68(e)に示すパターン4は、キャラクタオブジェクト474が一人増え、先のキャラクタオブジェクト474、及び、後のキャラクタオブジェクト474と3人で手を繋ぐパターンである。図68(f)に示すパターン5は、キャラクタオブジェクト474が一人増え、先のキャラクタオブジェクト474、及び、後のキャラクタオブジェクト474が、登場してきたキャラクタオブジェクト474を肩に載せるパターンである。
また、詳しくは後述するが、シナリオを開始する契機としては、第2間隔カウンタが「0」になった場合と、先行位置カウンタが「0」になった場合とがある。それに応じて、シナリオの導入部分についても、第2間隔カウンタが「0」になった場合に対応する図68(a−1)のパターンと、先行位置カウンタが「0」になった場合に対応する図68(a−1)のパターンとが存在する。
さらに、サブ制御装置262のRAM553には、実行される予定のシナリオパターンを示す第1〜第5シナリオフラグが設けられている。そして、ステップS7127に続くステップS7128において、上記のように、シナリオパターン決定テーブルを参照し、シナリオパターン決定カウンタの値に基づいて決定されたシナリオパターンに対応するシナリオフラグがオン設定される。
尚、第4シナリオフラグ、第5シナリオフラグがオン設定された場合には、装飾図柄表示装置42に関して特殊な表示設定が行われるように構成してもよい。例えば、第4シナリオフラグがオン設定された場合、装飾図柄表示装置42における連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)こととしてもよい。つまり、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアに対して、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグを設け、図68(e)に示す場合には、第2〜第4保留エリアの連続予告フラグがオン設定され、対応する変動表示が導出される際に連続予告の表示態様が導出されるように構成してもよい。当該保留先読み演出が行われた場合、連続予告が発生することと、どこからどこまでの変動表示に対応して導出されるのかについてを把握することが可能となる。加えて、連続予告の変動表示が消化される毎に、対応する先読み保留アイコン472が(付随するキャラクタオブジェクト474についても)消去されることとなる。
また、例えば、第5シナリオフラグがオン設定された場合には、装飾図柄表示装置42のメインの表示エリアにおける連続する複数の変動表示が1つにまとまったような表示演出(結合変動表示演出)が行われる。例えば、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアに対して、第5シナリオフラグがオン設定され、結合変動表示演出が導出されることが決定された場合にオンされる結合変動フラグを設ける。より具体的に、図68(f)に示す場合には、第2〜第4保留エリアの結合変動フラグがオン設定され、保留表示エリア461では、該3つの保留対応エリア463に跨るようにして先読み保留アイコン472が表示される。
また、装飾図柄表示装置42のメインの表示エリアでは、対応する3回分の変動表示の時間(例えば、4秒+4秒+10秒で合計18秒)を使って、一連の結合変動表示演出を行う。結合変動表示演出は、装飾図柄が小さく表示される、或いは、消去されるとともに、基本的に、途中で装飾図柄以外の演出(動画等)が停止表示することはない。但し、合計された変動時間に合わせて、結合変動表示演出の動画を引き延ばしたり、短縮したりするための調整のためのシーンで止まっているように見えるような場合はあってもよい。
さらに、特別表示装置43a、43bの変動表示は通常通り行われる。つまり、特別表示装置43a、43bの停止態様と、大当たりするか否か等との対応関係を把握している遊技者が特別表示装置43a、43bを視認していれば、結合変動表示演出に対応する複数の変動表示のうちいずれの変動表示で大当たりしたのか等を把握することが可能である。
加えて、複数の保留対応エリア463に跨る先読み保留アイコン472の態様としては、第5シナリオフラグがオン設定されている場合に、結合変動フラグがオン設定された変動情報が消化されたとしても、基本的な態様が変化することはなく、例えば、図68(f)では、3人の体形が崩れることなく、実行対応エリア462に表示され続ける。但し、先読み保留アイコン472が何らかの動作を起こしたり、色や細部の形状等が変形したりして、演出を盛り上げる等のことは行われる。尚、当該保留先読み演出が行われる場合には、実行対応エリア462にまでシフトされた大きな先読み保留アイコン472に対応するべく、実行対応エリア462が拡がるような格好となる。また、複数の保留対応エリア463に跨る先読み保留アイコン472が実行対応エリア462にまでシフトされた際に、態様が変化する(例えば、保留対応エリア463ではロボット(大当たり期待度が90%、70%、50%のいずれかロボット)を製造しているアニメーションが導出され、実行対応エリア462ではそれが完成するアニメーションが導出される)ように構成してもよい。
尚、「連続予告」については、第4シナリオフラグがオン設定された場合だけでなく、保留情報記憶エリアに保留情報を記憶する際に、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、変動情報に応じて、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブル、及び、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルを参照して、適宜行うように構成してもよい。また、本実施形態では、第4シナリオフラグ、第5シナリオフラグがオン設定された場合に装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461で行われる保留先読み演出が統合保留先読み演出に相当する。
ステップS7128の後、又は、ステップS7126で否定判別された場合にはステップS7136の保留アイコン表示処理において、新規記憶保留エリアの代理フラグがオン設定されていることに基づいて、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、ステップS7124で設定されたパターンのベース対応保留先読み演出としての先読み保留アイコン472を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7120で否定判別された場合、すなわち、新たに記憶された変動情報に対応して、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使しないことが決定された場合には、ステップS7129において第1間隔カウンタの値を1加算し、ステップS7130において第2間隔カウンタの値を1加算する。つまり、この度の保留でも先読み保留アイコン472の代理導出が行われなかったことから、キャラクタフラグがオン設定されている保留エリアとの間の第1間隔や、帰還フラグがオン設定されている保留エリアとの間の第2間隔が、保留1つ分だけ広がることに対応して、各間隔カウンタの値を1加算することとしている。
ステップS7130の後、ステップS7136の保留アイコン表示処理において、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、デフォルトの保留アイコン471を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7104で肯定判別された場合、すなわち、代理の先読み保留アイコン472が導出されている場合には、ステップS7136の保留アイコン表示処理に移行して、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、デフォルトの保留アイコン471を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、代理の先読み保留アイコン472が表示されている状態においては、新たに保留記憶された変動情報に対応して先読み保留アイコン472を導出させる権利を付与しないように構成されている。
加えて、ステップS7106で否定判別された場合、すなわち、新たに保留記憶された変動情報に対応して先読み保留アイコン472を導出させる権利を付与するか否かの保留先読み演出抽選において否当選となった場合には、ステップS7131で第1間隔カウンタの値を1加算した後、ステップS7136の保留アイコン表示処理において、新規記憶保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463に対し、デフォルトの保留アイコン471を表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7102で肯定判別された場合、すなわち、新たに大当たりに対応する変動情報が保留記憶された場合には、ステップS7132において、外れ代理要求フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7132で肯定判別された場合には、ステップS7133において、外れ代理要求フラグをオフする。続くステップS7134において、保留情報記憶エリアのいずれかの保留エリア(帰還位置カウンタの値に対応する番号の第1〜第8保留エリア)においてオン設定されている帰還フラグをオフする。ステップS7134の後、上記ステップS7105に移行して、上記保留先読み演出抽選を行う。
つまり、基本的に、当たり代理要求フラグ、又は、外れ代理要求フラグがオン設定されている状態においては、上記ステップS7103において肯定判別されることから、該ステップS7103において否定判別された場合に行われる可能性のある上記ステップS7105の保留先読み演出抽選が行われないようになっている。但し、新たに大当たりに対応する変動情報が記憶された場合であって、外れ代理要求フラグがオン設定されている場合には、新たに記憶された変動表示に関して、優先的に、保留先読み演出を行うべく、ステップS7133、ステップS7134の処理を行い、新たに保留記憶された変動情報に対応して先読み保留アイコン472を導出させる可能性を付与することとしている。尚、本実施形態では、代理要求フラグと、代理フラグとが同時期にオン設定されているといったことがないように構成されている。
また、ステップS7132で否定判別された場合、ステップS7135において、当たり代理要求フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7135において肯定判別された場合、すなわち、大当たりに対応する変動表示が既に保留記憶され、さらには、先読み保留アイコン472も導出される予定である場合には、新たに保留記憶された変動表示が大当たりに対応するものであっても、保留先読み演出抽選を行うことなく、上記ステップS7119に移行する。
ステップS7135において否定判別された場合、すなわち、当たり代理要求フラグ、及び、外れ代理要求フラグが両方ともオフであった場合には、上記ステップS7104に移行する。尚、本実施形態では、新たに保留記憶された変動情報が大当たりに対応するものであっても、ステップS7104で、既に代理フラグがオン設定された保留エリアが存在すると判別された場合には、保留先読み演出抽選を行うこともなく、ステップS7136に移行するように構成されているが、例えば、保留先読み演出抽選が行われるように構成(例えば、各保留エリアに保留演出カウンタを複数設ける等)してもよい。
次に、第2実施形態の保留アイコンシフト処理について、図61を参照して説明する。尚、第2実施形態では、保留処理(図36)のステップS4204、及び、ステップS4205は省略する。
先ずステップS7201では、先行位置カウンタの値が「0」であるか否か、すなわち、前回のシフト処理で、先行する先読み保留アイコン472に対応する変動情報が、保留情報記憶エリアの実行エリアにシフトされ、今回のシフト処理で、かかる変動情報が消去されることとなったか否かを判別する。
ステップS7201で肯定判別された場合、すなわち、先行する先読み保留アイコン472が既に消化されて存在しない状態である場合には、ステップS7202において、第1間隔カウンタに「0」を設定する。
ステップS7202の後、又は、ステップS7201で否定判別された場合には、ステップS7203において、先行位置カウンタの値、後行位置カウンタの値、及び、帰還位置カウンタの値をそれぞれ1減算する。
続くステップS7204では、実行エリアの帰還フラグがオン設定されているか否かを判別する(例えば、保留アイコン設定処理のステップS7134の帰還フラグオフの処理をした後に、帰還位置カウンタの値を「−1」に設定処理を行う構成とする場合には、帰還位置カウンタの値が「0」であるか否かを判別することでも代替え可能)。
ステップS7204で否定判別された場合、すなわち、実行エリアの帰還フラグがオフである場合には、ステップS7205において、(後行位置カウンタが1以上の値であれば、その値が示す保留エリアを確認し、)保留情報記憶エリアにおいて代理フラグがオン設定されている保留エリアが存在するか否かを判別する。
ステップS7205で肯定判別された場合、ステップS7206において、先行位置カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS7206で肯定判別された場合、すなわち、今回のシフト処理で、先行する先読み保留アイコン472に対応する変動情報が、保留情報記憶エリアの実行エリアにシフトされた場合には、ステップS7207において、シナリオフラグ(第1〜第5シナリオフラグのいずれか)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS7207で肯定判別された場合には、ステップS7208において、シナリオ演出中であることを示すシナリオ開始フラグをオン設定する。
続くステップS7209では、シナリオ演出設定処理を行う。シナリオ演出設定処理では、先行位置カウンタで示される実行エリア又は保留エリアに記憶されているキャラクタパターン情報に基づく先行する先読み保留アイコン472の先行キャラクタオブジェクト474と、後行位置カウンタで示される保留エリアに記憶されているキャラクタパターン情報に基づく後行する先読み保留アイコン472の後行キャラクタオブジェクト474とが、帰還位置カウンタで示される保留エリアに対応する保留表示エリア461の保留対応エリア463において、シナリオフラグの種別に対応する態様をとるためのシナリオ表示設定を行う。
さらに、シナリオ演出設定処理では、シナリオ表示設定の後、先行位置カウンタで示される実行エリア又は保留エリアのキャラクタパターンフラグをオフし、後行位置カウンタで示される保留エリアの代理フラグをオフし、帰還位置カウンタで示される保留エリアの帰還フラグをオフし、帰還位置カウンタで示される保留エリアのキャラクタフラグをオンし、後行位置カウンタで示される保留エリアに記憶されているキャラクタパターン情報を、帰還位置カウンタで示される保留エリアに移動させるといったシナリオ演出に伴う処理を行う。
ステップS7209の後、ステップS7210においてシナリオフラグをオフしてから、ステップS7211に移行する。
ステップS7211では、保留アイコン471の再描画(保留再描画処理)を行う。但し、シナリオ開始フラグがオン設定されている場合には、帰還位置カウンタで示される保留エリアに記憶されているキャラクタパターン情報に基づいて先読み保留アイコン472をそのまま表示させるのではなく、シナリオ演出設定処理で設定されたシナリオ演出を優先させて表示させる(先読み保留アイコン472の表示を待機させる)。
また、ステップS7206で否定判別された場合、又は、ステップS7207で否定判別された場合には、ステップS7212において、代理フラグがオン設定された保留エリアに対応する先読み保留アイコン472(代理のキャラクタオブジェクト474)を、帰還フラグがオン設定された保留エリアに対応する保留対応エリア463側に接近させるか否かの接近抽選処理を行う。
より具体的には、サブ制御装置262のRAM553には、代理キャラクタオブジェクト474を本来の表示位置に近付けるか否かを決定するための接近抽選カウンタ(本例では、0〜39のループカウンタ)と、接近させること(当選)となる接近抽選カウンタの値を記憶する接近抽選テーブルとが設けられている。接近抽選カウンタの値は、上記ステップS7101において取得され、その時点での新規記憶保留エリアに記憶される。接近抽選テーブルとしては、シナリオ演出が行われる場合と、(シナリオ演出が行われずとも)帰還フラグがオン設定されている保留エリアの変動情報が大当たりに対応する場合とに参照される「当たり・シナリオ時用」と、それ以外の「外れ時用」とがあり、それぞれに複数のテーブルが用意されている。
図62(a)に示すように、第1〜第5のシナリオフラグがオン設定されている場合、或いは、(帰還位置カウンタで示される)帰還フラグがオン設定されている保留エリアに記憶されている変動情報が「大当たり」に対応する場合であって、第1間隔が「2コマ」の場合には、当選に対応する接近抽選カウンタの値が「0〜7」であり、20%の確率で当選する。また、第1間隔が「3コマ」の場合には20%の確率で当選し、第1間隔が「4コマ」の場合には20%の確率で当選し、第1間隔が「5コマ」の場合には30%の確率で当選し、第1間隔が「6コマ以上」の場合には50%の確率で当選し、第1間隔が「0コマ」の場合(既に先行キャラクタオブジェクト474が存在しない場合)には80%の確率で当選する。
その一方で、図62(b)に示すように、(帰還位置カウンタで示される)帰還フラグがオン設定されている保留エリアに記憶されている変動情報が、シナリオ演出が導出されない「外れ」に対応する場合であって、第1間隔が「2コマ」の場合には、全く当選しないようになっている。また、第1間隔が「3コマ」の場合には5%の確率で当選し、第1間隔が「4コマ」の場合には5%の確率で当選し、第1間隔が「5コマ」の場合には10%の確率で当選し、第1間隔が「6コマ以上」の場合には20%の確率で当選し、第1間隔が「0コマ」の場合(既に先行キャラクタオブジェクト474が存在しない場合)には50%の確率で当選する。
以上のように、先行する先読み保留アイコン472と、代理の先読み保留アイコン472との間隔が短い程、接近抽選にて当選し難く、前記間隔が詰められ難くなっている。また、第1間隔カウンタの値が「0」の場合、すなわち、既に、先行する先読み保留アイコン472が消化されてしまっている場合には、比較的高確率で接近抽選にて当選するようになっている。さらに、シナリオ演出が行われたり、大当たりに対応していたりする場合には、それ以外の外れに対応する場合に比べて、比較的接近抽選にて当選し易く構成されている。
ステップS7212の後、ステップS7213において、近接抽選にて当選したか否かを判別する。ステップS7213で否定判別された場合には、上記ステップS7211に移行して、保留再描画処理を行ってから、本処理を終了する。
一方、ステップS7213において肯定判別された場合、すなわち、保留表示エリア461において代理キャラクタオブジェクト474(先読み保留アイコン472)を一区画左に移動させることが決定された場合には、ステップS7214において、後行位置カウンタで示される保留エリアに記憶されている代理フラグの設定状態を、一つ先の(番号の若い)保留エリアにシフトする(当該保留エリアの代理フラグをオフし、一つ先の保留エリアの代理フラグをオンする)。
続くステップS7215では、代理フラグのシフトに伴い、代理フラグがオンされていた保留エリアに記憶されていたキャラクタパターン情報についても、一つ先の保留エリアにシフトさせる。
また、ステップS7216では、キャラクタフラグがオンされた保留エリア、又は、実行エリア(先行の先読み保留アイコン472、キャラクタオブジェクト474)と、代理フラグがオンされた保留エリア(後行の先読み保留アイコン472、代理のキャラクタオブジェクト474)との間隔、及び、帰還フラグがオンされた保留エリアと、代理フラグがオンされた保留エリアとの間隔が詰められたことに伴い、第1間隔カウンタ、及び、第2間隔カウンタの値をそれぞれ1減算する。
さらに、ステップS7217では、代理フラグのシフトに伴い、後行位置カウンタの値を1減算する。
ステップS7218では、第2間隔カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS7218で否定判別された場合には、上記ステップS7211に移行して、保留再描画処理を行ってから、本処理を終了する。
一方、ステップS7218で肯定判別された場合、すなわち、帰還フラグがオン設定された保留エリアにまでオン設定の代理フラグがシフトされ(所定の保留エリアに帰還フラグ及び代理フラグの両方がオン設定され)、所定の変動情報に基づいて導出される権利が付与された先読み保留アイコン472が、保留表示エリア461のうち、前記所定の変動情報が記憶されている保留エリアに対応する保留対応エリア463に表示されることとなった場合には、ステップS7219において、帰還位置カウンタで示される保留エリアの帰還フラグをオフする。
さらに、ステップS7220において、代理位置カウンタで示される保留エリアの代理フラグをオフする。
加えて、ステップS7221において、帰還位置カウンタで示される保留エリアのキャラクタフラグをオン設定する。
ステップS7221の後、ステップS7222において、第1〜第5シナリオフラグのいずれかがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7222で肯定判別された場合には、上記ステップS7208に移行して、シナリオ演出を開始させるための処理を行う。つまり、本実施形態では、シナリオ演出が開始されるタイミングとしては、先行する先読み保留アイコン472に対応するキャラクタフラグがオン設定された情報を含む変動情報が実行エリアにまでシフトされた(先行キャラクタオブジェクト474が実行対応エリアにまでシフトされた)場合と、帰還フラグがオン設定された情報を含む変動情報が実行エリアにまでシフトされた場合とがある。
一方、ステップS7222で否定判別された場合には、ステップS7223において、代理キャラクタオブジェクト474を移動させるキャラクタ移動表示を行うことを示すキャラクタ移動フラグをオン設定する。さらに、ステップS7224において、キャラクタ移動設定処理を行う。つまり、後行位置カウンタで示される保留エリアに記憶されているキャラクタパターン情報に対応するキャラクタオブジェクト474(代理キャラクタオブジェクト474)が、保留表示エリア461のうち、後行位置カウンタで示される保留エリアの1つ後の保留エリア(このときは、保留情報記憶エリアの保留情報は既にシフトされているが、保留表示エリア461の保留アイコン471の表示は未だシフトされていない段階であるため、前記1つ後の保留エリアに対応する位置に、代理の先読み保留アイコン472が表示されている。)から、後行位置カウンタで示される保留エリアにまで移動するといった表示を行うための設定を行う。
その後、上記ステップS7211に移行して、保留再描画処理を行ってから、本処理を終了する。但し、キャラクタ移動フラグがオンされている場合には、キャラクタ移動表示を行ってから、保留情報記憶エリアの先読み保留アイコン472の再描画が行われる(保留アイコン471を1つずつ左のコマにずらし、保留アイコン471の数を1つ減らすといった、先読み保留アイコン472を規定位置に導出する以外の保留アイコン471の再描画は行われる)。
また、ステップS7204で肯定判別された場合、すなわち、オン設定された帰還フラグを含む変動情報が実行エリアにまでシフトされた場合には、ステップS7225において、当たり代理要求フラグ、又は、外れ代理要求フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、ステップS7204において肯定判別される状況としては、所定の変動情報に基づき、所定の先読み保留アイコン472の導出の権利が付与されたものの、当該所定の変動表示が実行エリアにまでシフトされても、未だに、保留表示エリアのうち、当該所定の変動情報に対応する位置に対し、前記所定の先読み保留アイコン472が導出されていない状況である。
ステップS7225において肯定判別された場合には、ステップS7226において、オン設定されている当たり代理要求フラグ、又は、外れ代理要求フラグをオフする。その後、上記ステップS7211に移行して、保留再描画処理を行ってから、本処理を終了する。つまり、帰還フラグがオン設定された情報を含む変動情報が実行エリアにまでシフトされた場合であって、先読み保留アイコン472を導出させる権利を未だ行使していない(代理キャラクタオブジェクト474を導出してもいない)場合には、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使しないようになっている。
一方、ステップS7225において、否定判別された場合、すなわち、保留エリアのいずれかの代理フラグがオン設定されている場合には、ステップS7227において、保留表示エリア461のうち、代理フラグがオンされている変動情報に対応する位置において導出されている先読み保留アイコン472(代理キャラクタオブジェクト474)を、帰還フラグがオンされている変動情報に対応する位置に移動させる「つじつま表示」を行うことを示すつじつま表示フラグをオン設定する。
ステップS7228では、つじつま表示設定処理をおこなう。つまり、後行位置カウンタで示される保留エリアに記憶されているキャラクタパターン情報に対応するキャラクタオブジェクト474(代理キャラクタオブジェクト474)が、保留表示エリア461のうち、後行位置カウンタで示される保留エリアから、帰還位置カウンタで示される保留エリア(この場合は、実行エリア)にまで移動するといった表示を行うための設定を行う。
その後、ステップS7229において、後行位置カウンタで示す保留エリアの代理フラグをオフし、ステップS7230において、帰還位置カウンタで示す保留エリア(この場合は実行エリア)の帰還フラグをオフし、ステップS7231において、キャラクタフラグをオンする。
その後、上記ステップS7211に移行して、保留再描画処理を行ってから、本処理を終了する。但し、つじつま表示フラグがオンされている場合には、つじつま表示を行ってから、保留情報記憶エリアの先読み保留アイコン472の再描画が行われる(保留アイコン471を1つずつ左のコマにずらし、保留アイコン471の数を1つ減らすといった、先読み保留アイコン472を規定位置に導出する以外の保留アイコン471の再描画は行われる)。
尚、本実施形態では、帰還フラグ、帰還フラグ、及び、代理フラグがそれぞれ個別に設けられているのではなく、「0〜3」の値を取り、「1」はキャラクタフラグのオンを示し、「2」は帰還フラグのオンを示し、「3」は代理フラグのオンを示し、「0」はこれらフラグがいずれもオフされていることを示す保留演出カウンタが設けられている。このため、保留アイコンシフト処理では、便宜上、ステップS7219、ステップS7220、ステップS7230において、同一の保留エリア又は実行エリアに関し、キャラクタフラグをオンする処理とは別に、帰還フラグや代理フラグをオフする処理を行うこととしているが、キャラクタフラグをオンすれば、必要のない処理である。
次に、保留情報記憶エリアのデータシフト処理に伴う保留表示エリア461の推移について、図63〜図67を参照しつつ説明する。尚、図63〜図67は、保留情報記憶エリアの各実行エリア及び保留エリアの保留演出カウンタと、保留表示エリア461の各実行対応エリア462及び保留対応エリア463の保留アイコン471との対応関係を示している。
図63(a)に示すように、保留情報記憶エリアの実行エリア、第1、第2、第4保留エリアの保留演出カウンタの値は「0」であり、第3保留エリアの保留演出カウンタの値は「1(キャラクタフラグオン)」である。そこへ、第5保留エリアに対して、新たに変動情報が保留記憶されたことに伴い、保留先読み演出抽選(ステップS7105参照)が行われ、それに当選したが、第1現出抽選処理では当選せず、先読み保留アイコン472の導出を待機する(代理で導出してくれる変動情報を待機する)こととなった場合、第5保留エリアの保留演出カウンタに「2」が設定(帰還フラグオン)される。また、新たに第5保留エリアに保留記憶された変動情報が大当たりに対応するものであるとすると、保留情報記憶エリアとは別に設けられた当たり代理要求フラグがオン設定される。
加えて、既に先読み保留アイコン472が表示されている変動情報が記憶されている保留エリア及び実行エリアの位置を示す先行位置カウンタの値は「3」であり、また、帰還フラグがオン設定されている保留エリア及び実行エリアの位置を示す帰還位置カウンタには、保留されている保留情報の数(新規記憶保留エリアとされ、帰還フラグがオン設定された保留エリアの番号)と同じ「5」が設定される。
尚、先行する先読み保留アイコン472に対応する変動情報が記憶されている保留エリア又は実行エリアと、後続の先読み保留アイコン472に対応する変動情報が記憶されている(代理フラグがオン設定されている)保留エリアとの間の間隔を示す第1間隔カウンタに関しては、先行する先読み保留アイコン472に対応する変動情報が記憶された(キャラクタフラグがオン設定された)段階でカウントを開始する。図63(a)に関して、第5保留エリアに変動情報を記憶する前、及び、かかる記憶する保留アイコン設定処理を行っている段階では「2」が設定されており、保留アイコン設定処理を終える段階で「1」加算されて「3」とされる。
さらに、帰還フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=2の)保留エリアと、代理フラグがオン設定されている(保留演出カウンタ=3の)保留エリアとの間隔を示す第2間隔カウンタとに関しては、帰還フラグがオン設定された段階でカウントを開始する。図63(a)に関して、第5保留エリアに変動情報を記憶する保留アイコン設定処理を終える段階で「1」が設定される。
また、図63(b)に示すように、保留表示エリア461の実行対応エリア462、第1、第2、第4、第5保留対応エリア463にデフォルトの保留アイコン471が表示され、第3保留対応エリア463に先読み保留アイコン472が表示される。本実施形態では、帰還フラグがオン設定された場合、最終的には、保留表示エリア461のうち、帰還フラグがオン設定された変動情報に対応する位置に先読み保留アイコン472を極力導出させる構成としているが、帰還フラグがオン設定されている限りは、対応する位置での先読み保留アイコン472の表示はされないようになっている。
次に、図64は、図63の状態から、変動情報が1つ消化され(データシフト処理が1回行われ)、2つの変動情報が新たに保留記憶され、そのうち新しい方の変動情報に対応して、第2現出抽選処理(ステップS7119)で当選した状態を示す。つまり、第6保留エリアの保留演出カウンタに「3」が設定され(代理フラグがオンされ)、これに伴い、当たり代理要求フラグがオフされる。
また、代理の先読み保留アイコン472が導出されたことで、第1間隔、及び、第2間隔が確定し、第1間隔カウンタ及び第2間隔カウンタをカウントアップさせる処理が行われなくなる。ちなみに、先行位置カウンタの値は「2」であり、帰還位置カウンタの値は「4」であり、後行位置カウンタの値は「6」である。そして、第1間隔を示す第1間隔カウンタの値は「4」であり、第2間隔を示す第2間隔カウンタの値は「2」である。
尚、本実施形態では、第1間隔が「4」の場合に現出抽選で当選する確率は50%であるが、第1間隔が「4」未満となると、第1間隔が「3」では20%、第1間隔が「2」では10%、第1間隔が「1」では0%とされており、当選の可能性が低く設定されている(図60参照)。
図65は、図64の状態から変動情報が2つ消化された(データシフト処理が2回行われた)状態を示す。この状態では、先行する先読み保留アイコン472が実行対応エリア462にまでシフトされた(ステップS7206で肯定判別される)ことにより、第1〜第5シナリオフラグのいずれかがオン設定されていれば、対応するシナリオ演出が開始されることとなる。但し、図65に示す態様例は、シナリオフラグがオン設定されていない場合を示している。
尚、先行する先読み保留アイコン472が実行対応エリア462にシフトされたことで開始されるシナリオ演出としては、例えば、図68(a−2)で示すように、先行キャラクタオブジェクト474の積極的な動作が契機となってシナリオ演出が開始され、先行キャラクタオブジェクト474と、後行キャラクタオブジェクト474(代理キャラクタオブジェクト474)とが、帰還フラグがオン設定された保留エリアに対応する保留対応エリア463の付近で、図68(b)〜(f)のいずれかのパターンのシナリオ演出が展開されるようになっている。
さらに、図65の状態では、先行する先読み保留アイコン472が実行対応エリア462にまでシフトされたのもの、シナリオフラグがオン設定されていない(ステップS7207で否定判別される)ことにより、第1間隔及び第2間隔を詰めるか否かの接近抽選(ステップS7212)が行われる。図65に示す態様例は、接近抽選(図62(a)に示すように、帰還フラグオンの変動情報が大当たりに対応し、第1間隔が4コマの場合には20%の確率で当選する)で当選しない場合を示している。つまり、先行の先読み保留アイコン472(先行キャラクタオブジェクト474)が導出されている状態において後行の先読み保留アイコン472(代理キャラクタオブジェクト474)が導出された後、先行の先読み保留アイコン472と、後行の先読み保留アイコン472との間隔が4コマ(両者間にあるデフォルトの保留アイコン471が導出されている保留表示エリア461のコマ数は3つ)で維持されたまま、先行の先読み保留アイコン472が実行対応エリア462に至るまで保留アイコン471がシフトされたことになる。
図66は、図65の状態から(先行する先読み保留アイコン472に対応する)変動情報が1つ消化された(データシフト処理が1回行われた)状態を示す。この状態では、既に先行する先読み保留アイコン472が消化されていることから、データシフト処理に伴って行われる接近抽選処理の接近抽選(ステップS7212)にて当選する確率が飛躍的に高まる(本例では、80%の確率。図62(a)参照)こととなり、図66でも、接近抽選に当選し、後行の先読み保留アイコン472(代理キャラクタオブジェクト474)が1つ前の保留対応エリア463に移動した態様を示している。
図67は、図66の状態から(先行する先読み保留アイコン472に対応する)変動情報が1つ消化された(データシフト処理が1回行われた)状態を示す。この状態では、実行エリアの保留演出カウンタに「2」が設定される(帰還フラグがオンされる)。つまり、所定の変動情報が保留情報記憶エリアに保留記憶された際に行われた保留先読み演出抽選処理にて先読み保留アイコン472を導出させる権利を得て、当該所定の変動情報に基づいてキャラクタパターンまで決定されたものの、保留表示エリア461において、前記所定の変動情報が記憶されている実行エリアに対応する実行対応エリア462に未だ前記先読み保留アイコン472は導出されず、別の(後の)位置に代理で導出されている(ステップS7204で肯定判別され、ステップS7225で否定判別される)場合には、前記先読み保留アイコン472を、強制的に、実行対応エリア462に移動させる表示が行われる(ステップS7227参照)。
これによって、図67のように、保留情報記憶エリア(ここでは実行エリア)に記憶されている変動情報と、保留表示エリア(ここでは実行対応エリア462)に導出されている保留アイコン471(先読み保留アイコン472)との対応関係が合致することとなり、変動表示の内容と、先読み保留アイコン472の態様との対応関係が崩れてしまう(例えば、大当たりに対応する先読み保留アイコン472が導出されているにもかかわらず、対応する変動表示で大当たりが発生しない等)といった事態が回避される。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、所定の変動情報が保留情報記憶エリアの所定の保留エリア(新規記憶保留エリア)に記憶されることを契機として保留先読み演出としての先読み保留アイコン472を導出させる権利が取得された場合に、当該権利が、前記所定の変動情報が保留記憶されたことを示す保留アイコン471に対してすぐに行使される場合だけでなく、後続の変動情報に対応する保留アイコン471に対して行使される場合もあるように構成されている。特に、先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使させるか否かについては、そのときに保留表示エリア461に表示されている先読み保留アイコン472に対応する変動情報が記憶されている保留エリアとの間の間隔に基づいて決定されるようになっている。
より具体的に、前記権利を取得した(ステップS7106;YES)としても、保留表示エリア461において既に表示されている先読み保留アイコン472(先行の先読み保留アイコン472)が存在するか否かを確認し、表示されている場合(ステップS7107;YES)には、第1現出抽選処理(ステップS7112)を行って当選しなければ、前記権利がすぐには行使されない(待機される)。しかも、かかる第1現出抽選処理や、後続の変動情報に対して前記権利を行使するか否かの第2現出抽選処理では、先行の先読み保留アイコン472との間隔(第1間隔)が近いほど、前記権利が行使され難く(現出抽選処理で当選し難く)、間隔が離れる程、前記権利が行使され易くなるようになっている(図60参照)。
以上のように、既に先読み保留アイコン472が導出されている状態で新たに先読み保留アイコン472を導出する権利が得られた場合に、先の先読み保留アイコン472との間隔(変動表示として実行される順番の差)に応じて、新たに保留記憶された変動情報に対応して新たに導出させるか、或いは、導出を後回しにする(導出させる権利を持った状態で待機する)のかを決定するように構成されている。つまり、保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が複数導出される場合に、先読み保留アイコン472同士の間隔の調整を行い、それぞれの先読み保留アイコン472が極力生かされるような相対配置とすることができる。
従って、保留表示エリア461において、1つだけではなく、複数の保留アイコン471を先読み保留アイコン472として導出可能とする(複数の保留アイコン471に対してキャラクタオブジェクト474を導出可能とする)ことで演出性の向上を図ることができるとともに、保留表示エリア461において複数の先読み保留アイコン472の間隔が近付き過ぎてしまうことに起因して、対応する変動表示の内容や結果が見え透いて面白味を欠き、各先読み保留アイコン472の演出効果や存在意義を低下させてしまうといった事態を低減させることができる。結果として、先読み保留アイコン472を導出させることでのマイナス面を抑制することができ、先読み保留アイコン472を利用した保留先読み演出と、興趣の向上とをより確実に結びつけることができる。
さらに、本実施形態では、基本的に、前記権利を得ているものの、行使しておらず、待機している(前記権利を代理で行使してもらう変動情報が保留記憶されることを待機している)状態であることを示す代理要求フラグや、前記権利を代理で行使して、代理の先読み保留アイコン472を導出していることを示す代理フラグがオン設定されている場合には、新規記憶保留エリアの変動情報に対応してキャラクタフラグや代理要求フラグがオン設定されないように構成されているのであるが、新規記憶エリアに対して大当たりに対応する変動表情報が保留記憶された場合であって、外れ代理要求フラグがオン設定されている状況である場合には、かかる外れ代理要求フラグをオフして、保留先読み演出抽選処理を行うように構成されている。加えて、代理要求フラグがオン設定される場合であっても、その時点で、先読み保留アイコン472の態様が決定されるようになっており、かかる先読み保留アイコン472の態様の決定に際しては、新規記憶保留エリアに対してすぐにキャラクタフラグがオン設定される場合に参照されるキャラクタ決定テーブルとは異なるキャラクタ決定テーブルが参照されるようになっている。
従って、保留表示手段において保留先読み演出が導出される複数の保留表示の並びに関して、保留先読み演出の効果を下げるようなパターンや、遊技者の興趣の低下を招くようなパターンを低減させる等、保留表示手段において複数の保留表示に保留先読み演出が導出される場合の各種バランス調整等を行うことができる。結果として、保留先読み演出によってより確実に興趣の向上を図ることができる。
さらに、所定の変動情報が保留記憶されることを契機として得られた先読み保留アイコン472の導出の権利を、前記所定の変動情報に対応する保留アイコン471に対して行使させるのではなく、その後に保留記憶された変動情報に対応する保留アイコン471に対して行使させた場合には、先読み保留アイコン472と、所定の変動情報との対応関係がずれた状態となる。つまり、変動表示の内容の示唆を行うための先読み保留アイコン472は、変動情報等の内容によって、導出される確率が変化したり、パターンが変化したりするように構成される。そこで、変動情報と、先読み保留アイコン472との対応関係がずれていては、先読み保留アイコン472による示唆が的外れとなり、先読み保留アイコン472の意味がなくなるおそれがある。
この点、本実施形態では、変動情報と、先読み保留アイコン472との対応関係をずらしたとしても、最終的には合致させるように構成されていることから、先読み保留アイコン472の態様で示唆される内容と、先読み保留アイコン472に対応する変動情報の変動表示の内容とが合致しないといった事態を防止することができる。
尚、本実施形態では、先読み保留アイコン472が導出されるタイミングとしては、保留アイコン471が保留表示エリア461に新たに表示されるときのみである。また、代理要求フラグがオン設定されていても、帰還フラグがオン設定された変動情報が実行されてしまえば、その分の先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使させないようになっている。このため、いきなり先読み保留アイコン472の数が増えるといった事態を回避することができ、知らぬ間に先読み保留アイコン472の数が増えても気付かない、先読み保留アイコン472の価値が低下する等といった事態を抑制することができる。
また、例えば、保留情報記憶エリアにおいて、第1変動情報が記憶され、当該第1変動情報に対応して第1先読み保留アイコン472が導出されている状態において、保留情報記憶エリアに対して新たに第2変動情報が記憶され、当該第2変動情報に関して、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利が付与されたものの、当該第2変動情報に対応する保留アイコン471として第2先読み保留アイコンが導出されない場合であって、第2先読み保留アイコンを導出させる権利が行使される前に、第1先読み保留アイコン472が保留表示エリアから消去された場合、その後に保留情報記憶エリアに対して保留記憶された第3変動情報に関して、第3変動情報に対応する保留アイコン471として必ず前記第2先読み保留アイコン472が代理で導出されようになっている。このため、第1先読み保留アイコン472と、第2先読み保留アイコン472とが近付き過ぎるといった事態を防止しつつ、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利を極力無駄にしないようにすることができる。尚、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利を有している状態において、第1先読み保留アイコン472が保留表示エリアから消去された場合、その後に保留情報記憶エリアに対して保留記憶された第3変動情報に関して、必ず前記第2先読み保留アイコン472が代理で導出されるのではなく、第2現出抽選処理の当選確率が高められるように構成してもよい。
さらに、例えば、保留情報記憶エリアにおいて、第1変動情報が記憶され、当該第1変動情報に対応して第1先読み保留アイコン472が導出されている状態において、保留情報記憶エリアに対して新たに第2変動情報が記憶され、当該第2変動情報に関して、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利が付与されたものの、当該第2変動情報に対応する保留アイコン471として第2先読み保留アイコンが導出されず、第2変動情報よりも後に保留情報記憶エリアに対して保留記憶された第3変動情報に対応する保留アイコン471に対して、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利が行使された場合であって、第2変動情報に対応する保留アイコン471が実行対応エリア462にシフトされた場合、第3変動情報に対応する保留アイコン471として導出されている第2先読み保留アイコン472の対象が、第2変動情報に対応する保留アイコン471に変更されるようになっている。これにより、第2先読み保留アイコン472と、第2変動情報(に対応する保留アイコン471)とを確実に合致させるようにすることができる。
保留情報記憶エリアにおいて、第1変動情報が記憶され、当該第1変動情報に対応して第1先読み保留アイコン472が導出されている状態において、保留情報記憶エリアに対して新たに第2変動情報が記憶され、当該第2変動情報に関して、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利が付与されたものの、当該第2変動情報に対応する保留アイコン471として第2先読み保留アイコンが導出されず、第2変動情報よりも後に保留情報記憶エリアに対して保留記憶された第3変動情報に関して第2現出抽選処理に当選した場合には、当該第3変動情報に対応する保留アイコン471として第2先読み保留アイコン472を導出させる権利が行使される構成であって、第1変動情報の変動表示が実行される順番と、第2先読み保留アイコン472の対象とされた保留アイコン471に対応する変動情報の変動表示が実行される順番との差(第1間隔)を記憶する第1間隔カウンタと、第2変動情報の変動表示が実行される順番と、第3変動情報の変動表示が実行される順番との差を記憶する第2間隔カウンタとが設けられている。
第1間隔カウンタが設けられることにより、第2先読み保留アイコン472を導出させる権利を行使させるか否かの第1及び第2現出抽選処理において、第1先読み保留アイコンとの間の間隔を迅速に把握することが可能となる。第2間隔カウンタが設けられることにより、第3変動情報に対応する保留アイコン471として第2先読み保留アイコン472が、接近抽選処理等を経て、第2変動情報に対応する保留アイコン471と合致したか否か等の判断をより迅速に把握することが可能となる。
加えて、前記第2変動情報(帰還フラグがオンされている変動情報)に対応する保留アイコン471と、前記第3変動情報(代理フラグがオンされている変動情報)に対応する保留アイコン471との間が2つ以上離れている場合、第2先読み保留アイコンが一気に飛ぶのではなく、間の(隣の)保留アイコン471へと一旦移動してから、さらに移動する格好で最終的な目標の第2変動表示に対応する保留アイコン471に導出されることとなる。従って、先読み保留アイコン472の対象の変更を比較的分かり易くすることができる。さらに、1つ移動しただけでは遊技者が有利になるまでには至らないような状況では、「もっと動け」等といった熱を入れることのできる演出とすることができる。従って、保留先読み演出をより壮大に、かつ、より分かり易く実行することができるようになる。
また、本実施形態では、保留先読み演出のより一層の多様化を図るべく、代理フラグがオン設定される際に、先行する第1先読み保留アイコン472の態様と、後続する第2先読み保留アイコン472(代理の先読み保留アイコン472)の態様とを使用したシナリオ演出を導出するか否かの抽選が行われ、当選した場合には、5つのパターンのうちのいずれかのパターンのシナリオ演出が導出され得るように構成されている。特に、シナリオ演出のパターンとして図68(f)に示すパターンが選択された場合には、先行する第1先読み保留アイコン472の態様と、後続する第2先読み保留アイコン472の態様とが組み合わされた態様が、帰還フラグがオンされた第2変動情報に対応する保留対応エリア463を含む表示範囲において導出される。
通常、先読み保留アイコン472は、それぞれの態様によって、対応する1つの変動表示の内容(当選期待度等)を示唆するだけであるが、図68(f)に示すような複数の保留対応エリア463を跨ぐ先読み保留アイコン472を導出させる演出を行うことで、複数の保留先読み演出で(対応する変動表示において結果が出るよりも先に)、複数の変動表示の内容(当選期待度等)を示唆することができる。従って、保留先読み演出の多様化を図り、演出性の向上を図ることができる。
また、第1先読み保留アイコン472の態様と、第2先読み保留アイコン472の態様とが組み合わされる(統合される)ことで、もはや、第1先読み保留アイコン472及び第2先読み保留アイコン472の順番や間隔等にとらわれず、対象とされた保留表示(のいずれか)に対応して、遊技者の期待する状態(大当たり状態等)が発生してくれればいいといった心持ちとさせることができる。従って、保留先読み演出が導出されることで、遊技者の期待感が向上するといった対応付けをより確実なものとすることができる。
さらに、第1先読み保留アイコン472の態様と、第2先読み保留アイコン472の態様とが組み合わされた態様の先読み保留アイコン472が導出される場合には、当該先読み保留アイコン472に対応する複数の変動表示に関し、装飾図柄表示装置42における連続する複数の変動表示が1つにまとまったような表示演出(結合変動表示演出)が行われる。例えば、前記組合せの先読み保留アイコン472が3つの保留対応エリア463に跨って導出された場合には、対応する変動表示が導出される際には、3つの変動表示の時間を足した変動時間の変動表示が行われるようになっている。これにより、装飾図柄表示装置42を視認しているだけでは、いずれの変動情報が当選したのか等を把握することが困難となる。従って、保留先読み演出の順番や間隔等にとらわれることなく、遊技を進行させることができるといった作用効果がより確実に奏される。
また、保留表示装置46a、46bでは、特別表示装置43a、43bの変動表示の保留数を確定的に表示している。このため、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461にて様々な保留先読み演出を行い、保留を示す表示(保留アイコン471)と、保留されている変動表示との対応関係が多少分かり難くなるような場面が発生したとしても、保留表示装置46a、46bによって変動表示が保留されているか否かが確実に把握できる。従って、保留先読み演出の自由度や演出性等の向上を図ることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、遊技者による演出ボタン125等の操作に応じて、保留アイコン471の態様を変化させる演出が行われる。以下、特徴部分を中心に説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
図69に示すように、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461には、「赤」、「青」、「緑」、「黄色」、「黒」、「白」の色が付いた「石」をモチーフとした保留アイコン471が表示され、基本的に、「赤石」、「青石」、「緑石」、「黄石」、「黒石」が実行対応エリア462にまでシフトされた際に、かかる「石」に魂が宿る演出が発生し、所定の示唆が行われるようになっている。加えて、装飾図柄表示装置42における演出ステージは、「赤」、「青」、「緑」、「黄色」、「黒」の5つあり、演出ステージに応じて、「石」の導出割合が変化するようになっている。
また、保留表示エリア461において、同じ色(白色は除く)の「石」が3つ以上並ぶこと、或いは、4つ以上の「石」が規定の色の組合わせで並ぶことで、かかる保留アイコン471が、先読み保留アイコン472に変化するかもしれないという先読み変化演出が発生する。変動表示が普通に保留記憶されていく過程で、上記のような特定の「石」の並びになる場合もあるが、その機会は少ない。このため、本実施形態では、該機会を増やす演出が行われるようにもなっている。
例えば、図70に示すように、遊技者が演出ボタン125を操作することで、保留表示エリア461に表示されている保留アイコン471同士の位置を入替える入替演出がある。例えば、シフト処理が行われ、新たな変動表示が開始された場合に、装飾図柄表示装置42のメイン表示エリア468において、演出ボタン125の操作を促す表示が導出され、演出ボタン125を操作することで、抽選で決定された保留アイコン471が、右隣の保留アイコン471と位置を入替えられ、図71(a)の状態とされる。図71(a)では、第6保留対応エリアと、第7保留対応エリアに同色の「石」が表示されることとなり、それに対応して、同色石が横並びになったことを示す表示(同色石同士を連結するようにして延びるホールド線490の表示)が行われている。
上記入替演出を行うことのできる(状態である再設定有効状態には)期間が設定されており、期間内でなければ保留アイコン471の入替えは行われない上、期間内であれば、保留アイコン471の入替えを複数回行うこともできる。図71(b)は、図71(a)の状態から入替演出の期間中にさらに演出ボタン125を操作した場合の状態を示している。同色の「石」が横並びとなった保留アイコン471に関しては、保留アイコン471を入替える対象から外され、横並びした状態が維持されるようになっている。また、横並びとされている同色の「石」と同じ色の「石」がその他の保留対応エリアに存在すれば、積極的にかかる「石」を移動させるようになっている。
但し、入替演出が可能な期間において演出ボタン125を操作すれば必ず入替演出が生じるといった構成ではなく、どの保留アイコン471を対象とするのか、及び、入替演出を実行するか否かの抽選(再設定態様抽選処理)が行われる。例えば、保留情報記憶エリアに記憶されている変動情報の内容に応じて、「近づく方向への移動」が行われる確率が異なる(例えば、大当たりに対応する変動情報が含まれる場合には当選し易く、完全外ればかりの場合にはほぼ当選しない)ようになっている。
そして、図71(c)に示すように、第5〜第7保留対応エリアにおいて、同色の「石」が3つ横並びとされた場合には、装飾図柄表示装置42のメイン表示エリア468において、演出ボタン125の操作を促す表示(図71(c)では省略するが、図70と同じような表示)が導出される。かかる表示期間内に演出ボタン125が操作された場合、図71(d)に示すように、横並びとされた3つの同色石が爆発する表示が導出される。
その後、再び保留アイコン471が視認される状態となるが、保留アイコン471に対して色以外の情報が付加されている場合がある。本実施形態では、爆発後の態様として表示される可能性のある保留アイコン471には、スーパーリーチが発生することを示す先読み保留アイコン472、大当たりが発生することを示す先読み保留アイコン472、特定の予告演出(が発生することを示す先読み保留アイコン472、演出ステージの変更があることを教示する保留アイコン471、及び、「白石」の態様をなすデフォルトの保留アイコン471がある。
図71(e)では、爆発の結果、第6保留対応エリアにおいて、スーパーリーチが発生することを示す先読み保留アイコン472が表示された状態を示している。但し、スーパーリーチが発生する変動表示は、第6保留対応エリアで表示されている先読み保留アイコン472に対応する変動情報に対応するものではなく、第3保留対応エリアで表示されている保留アイコン471に対応する変動情報に対応するものであったとする場合、先読み保留アイコン472の態様(で示唆される変動表示の内容)と、変動情報(に基づいて行われる変動表示の内容)とが一致していない。
そこで、図71(f)、図71(g)、図71(h)に示すように、次回のシフト処理が行われた際に、先読み保留アイコン472と、変動情報との対応関係を変更する演出が行われる場合がある。つまり、スーパーリーチを示す先読み保留アイコン472と、スーパーリーチが発生する変動表示の変動情報に対応する位置に導出されている保留アイコン471とを交換する演出が行われる。これにより、対応関係の不一致が解消されることとなる。尚、入替演出は1回で完結してもよいし、複数回で完結するようにしてもよい。さらに、対応関係が不一致な状態のまま、入替演出の対象とされる変動表示以外の変動表示が消化される場合があってもよいし、入替演出が複数回行われる場合に、1回の変動表示で複数回行われる場合があってもよいし、複数回の変動表示にかけて行われる場合があってもよい。また、入替演出の対象とされる変動表示が消化されそうな場合(対応する保留アイコン471が実行対応エリア462にシフトされた場合)には、その時点で対応関係の不一致が解消されるように、入替演出が必ず行われることとする。
また、上記のような保留アイコン471の入替演出を行うべく、サブ制御装置262の保留情報記憶エリアの実行エリア、及び、各保留エリアには、保留演出カウンタ、及び、連結カウンタが設けられている。保留演出カウンタは、保留アイコン471の種別を示すものであり、「0」が「白石」、「1」が「赤石」、「2」が「緑石」、「3」が「黄石」、「4」が「青石」、「5」が「黒石」に対応している。さらに、保留演出カウンタは、先読み保留アイコン472とされた場合等の、色以外の情報を有する態様とされた保留アイコン471の種別についても示すようになっている。すなわち、保留演出カウンタには、スーパーリーチが発生することを示す先読み保留アイコン472に対応して「11」が設定され、大当たりが発生することを示す先読み保留アイコン472に対応して「12」が設定され、特定の第1予告演出及び第2予告演出(導出されることで大当たり期待度が示唆されることとなる)が発生することを示す先読み保留アイコン472に対応して「13」、「14」が設定される。加えて、演出ステージの変更があることを教示する保留アイコン471に対応して「17」が設定される。
上記入替演出が行われた場合、当該入替演出を実行する処理の最後に、実行エリア及び各保留エリアの保留演出カウンタを順番に、1つ前の値と同じであるかや、後述のように、1つ前の値と特定の関係にある値となっているか等をチェックする処理が行われる。尚、高確率状態かつ低入球状態の潜確モード等が設けられ、潜確モードと通常モードとの間の遊技モードの変更に伴い、演出ステージも変更されるという構成を採用する場合には、演出ステージの変更があることを教示する保留アイコン471についても、先読み保留アイコン472であるともいえる。
連結カウンタは、同色の石との関連を示している。例えば、同色の石と2つ横並びとなっていてその左側である場合には「11」、同色の石と2つ横並びとなっていてその右側である場合には「12」、同色の石と3つ横並びとなっていてその左側である場合には「21」、同色の石と3つ横並びとなっていてその真ん中である場合には「22」、同色の石と3つ横並びとなっていてその右側である場合には「23」、同色の石と横並びにはなっておらず、かつ、離れた位置に同色の石が複数横並びとされていることもない場合には「00」、同色の石と横並びにはなっていないものの、右側に離れた位置に同色の石が複数横並びとされている場合には「01」、同色の石と横並びにはなっていないものの、左側に離れた位置に同色の石が複数横並びとされている場合には「02」がそれぞれ設定される。
尚、保留演出カウンタ及び連結カウンタは、保留情報が新たに記憶された場合、保留アイコン471の並びや種別を変えるような保留演出が行われた場合、同色の石が横並びとされた場合、(変動消化や上記爆発によって)同色の石の横並びが解消された場合に、相関関係のチェック等に基づいて再設定される。
また、保留情報記憶エリアとは別に、保留表示エリア461において「赤石」、「青石」、「緑石」、「黄石」、「黒石」がそれぞれ幾つ表示されているのかを示す赤カウンタ、青カウンタ、緑カウンタ、黄カウンタ、黒カウンタが設けられている。上記入替演出は、これら色カウンタの値のいずれかが「3」以上でないと実行されないようになっている。尚、色カウンタの値のいずれかが「2」以上であれば上記入替演出が行われるように構成してもよい。
加えて、入替演出を導出可能な期間であっても、演出ボタン125の操作がなければ、入替演出は導出されない。さらに、入替演出を導出可能な期間において、演出ボタン125の操作が行われてから、保留表示エリア461における入替演出が完了する(保留アイコン471の再設定が完了する)までは、入替演出を導出不可能な状態(再設定無効状態)とされるようになっている。これにより、保留アイコン471の態様の再設定がいつまでたっても完了しないといった事態を回避している。従って、保留アイコン471の態様の再設定といった演出の確立、及び、制御の簡素化等が図られる。
尚、演出ボタン125の操作がない場合には、操作がある場合に比べ、入替演出を導出可能な期間が、早めに終了するように構成してもよい。さらに、入替演出が可能な期間において演出ボタン125が2度操作されて入替演出が2度行われた場合に、装飾図柄表示装置42における演出ボタン125の操作を促す案内表示が消去されるように構成してもよい(入替演出が可能な期間において、演出ボタン125の操作が規定時間行われていない場合に、演出ボタン125の操作を促す案内表示が導出されるように構成してもよい)。
また、入替演出とは別の保留演出として、保留アイコン471が合体する合体演出が行われる場合がある。図72(a)に示すように、保留アイコン471である4つ以上の石が特定の並びになった場合(例えば、保留情報記憶エリアのいずれかにおいて、保留演出カウンタの値が「1」、「2」、「3」、「4」と並んだ場合に)に、保留表示エリア461のうち対象とされる保留アイコン471の範囲を示す表示と、かかる範囲の上方において演出ボタン125の操作を促す表示とが導出される。
演出ボタン125を操作することで、対象の保留アイコン471が小さく動作する表示が行われるとともに、対象の保留アイコン471を合体させる演出を行うか否かの抽選が行われ、当選した場合には、図72(b)、図72(c)に示すように、合体演出が行われる。これにより、保留アイコン471の数は減るものの、合体された保留アイコン471は、対象の保留アイコン471が表示されていた複数の保留対応エリア463に跨るようにして大きく表示されることとなる。
尚、対象の保留アイコン471を合体させる演出を行うか否かの抽選は、大当たりに対応する変動情報が保留情報記憶エリアに記憶されている場合に当選し易くなっており、以下、前後外れ、前後以外外れ、完全外れの順に当選し難くなっている。また、前記抽選の当選確率を決める根拠とされた(大当たりに対応する等の)変動情報が、合体演出の対象とされた保留アイコン471に対応する変動情報に含まれない場合には、対応関係が合致するように、合体された保留アイコン471を移動させる。さらに、合体演出の契機として演出ボタン125の操作がなければ、合体演出が導出されないようになっている。
加えて、図72(d)に示すように、合体された保留アイコン471が実行対応エリア462(を含む位置)にまでシフトされた場合、実行対応エリア462が横に拡がる分だけ、保留対応エリア463が縮小されるような格好となる。また、合体された保留アイコン471の対象とされる(4回分の)外れの変動表示が終了するまで、或いは、対象の変動表示に含まれる大当たりに対応する変動表示が終了するまでは、対象の変動表示が順次消化されていっても、合体された保留アイコン471は、同様の態様で、実行対応エリア462に表示されることとなる。
さらに、本実施形態では、変動表示4回分の合体された保留アイコン471が実行対応エリア462(を含む位置)に存在する場合には、保留対応エリア463は、保留アイコン471を5つ表示可能な領域だけ表示される状態とされ、それ以上の保留アイコン471については、対応する変動情報が保留記憶されたとしても、合体された保留アイコン471が消去されるまでは、表示が控えられるようになっている。
以上のように、複数の保留アイコン471が合体した大きな保留アイコン471が複数の保留対応エリア463に跨るように表示され、合体された保留アイコン471によって変動表示が複数保留記憶されていることを示している。また、合体した保留アイコン471が実行対応エリア462にシフトされたとしても、実際には、保留情報記憶エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶されている変動情報の内容をも示唆している意味合いもあり、特に、本実施形態では、合体した保留アイコン471に対応して、装飾図柄表示装置42において、複数の変動表示がまとめられた統合変動表示が導出される。このように、合体した保留アイコン471によって、統合変動表示が導出されることが示唆され、結果的に、大当たり期待度が高いことが示唆されるようになっている。従って、合体された保留アイコン471は、先読み保留アイコン472でもある。
尚、保留対応エリア463の表示枠以上の変動表示が保留されていることを教示する表示を導出させるように構成してもよいし、合体された保留アイコン471に対応する変動情報以外の変動情報に対応する保留アイコン471を全て表示する(後に消化される方の保留アイコン471を小さく表示する等)ように構成してもよい。ちなみに、実行対応エリア462に表示される単体の保留アイコン471は、表情や動作等が追加され、その表情等によって、現在行われている装飾図柄の変動表示の示唆や、保留表示エリア461における挙動の示唆等を行う場合があるが、未だ行われていない変動表示の示唆ではなく、従って、先読み保留アイコン472ではない。
また、入替演出や合体演出とは別の保留演出として、保留表示エリア461の保留アイコン471を含む表示が、メイン表示エリア468の表示と連動して変動表示を消化させていく連動演出が行われる場合がある。連動演出としては、例えば、図73に示すように、保留表示エリア461から実行対応エリア462が消去され、保留対応エリア463に表示されていた保留アイコン471が、保留表示エリア461全体に均等に広がるように配置される。保留表示エリア461の直上方には、連動演出専用の疑似保留アイコン491が表示される演出保留表示エリア492が出現する。演出保留表示エリア492では、保留表示エリア461の各保留アイコン471を含む縦の列が形成されるように、上下2列の疑似保留アイコン491が、左右方向において保留アイコン471の数と同じ数の列をなすようにして表示される。疑似保留アイコン491は、色付きの(変動内容の示唆等の保留があること以外の情報を有しないノーマルの)保留アイコン471と同じく、「白石」、「赤石」、「緑石」、「黄石」、「青石」、「黒石」のいずれかの態様をなすようになっている。
演出保留表示エリア492の上方のメイン表示エリア468では、装飾図柄とともに、怪獣が表示され、当該連動演出では、特定の怪獣を討伐すれば、大当たり状態が発生するようになっている。怪獣への攻撃を行うためには、保留表示エリア461及び演出保留表示エリア492において、保留アイコン471及び疑似保留アイコン491を3つ縦や斜めに揃える必要がある。これに対し、演出保留表示エリア492では、各疑似保留アイコン491を1つずつターゲットとするカーソル493が表示され、演出ボタン125を操作すると、カーソル493内の擬似保留アイコン471の態様がランダムに変化する。但し、カーソル493内の擬似保留アイコン471の態様が、直下方に位置する保留アイコン471と同じ態様とされた場合には、それ以上変化しないようになっている。
また、カーソル493については、十字ボタン126を使用して移動させることができる。さらに、カーソル493内の擬似保留アイコン471の態様が、直下方に位置する保留アイコン471と同じ態様とされた状態で演出ボタン125を操作した場合には、別の疑似保留アイコン491にカーソル493が(ランダムで、或いは、態様が揃っていない擬似保留アイコン471の中からランダムで)移動することとなる。従って、カーソル493を使用せずに、演出ボタン125を連打しているだけでも、疑似保留アイコン491を態様変化させ、保留アイコン471及び疑似保留アイコン491を縦に3つ揃えていくことができる(図らずに斜めに揃う場合もある)。
加えて、本実施形態の装飾図柄表示装置42の枠部には、上辺部及び下辺部に対応して左右一対の近接検知センサ495が設けられ、左右の側辺部に対応して上下一対の近接検知センサ495が設けられている。そして、装飾図柄表示装置42の前方にかざした手を右から左に動かした場合にはカーソル493が右に移動し、左から右に動かした場合にはカーソル493が左に移動し、上から下に動かした場合にはカーソル493が上に移動し、下から上に動かした場合にはカーソル493が下に移動するように構成されている。尚、当該連動演出の冒頭では、各種操作方法を説明する表示が導出される。
また、保留アイコン471及び疑似保留アイコン491が縦又は斜めに3つ揃った場合には、そのうちの保留アイコン471の態様が、「石」に魂が宿って妖精に変化するとともに、その後、妖精がさらに攻撃のツールに変化し、怪獣への攻撃が行われるといった一連の演出が発生する。
また、連動演出においては、保留アイコン471の数と、実際に保留されている変動表示の数とが、連動演出の開始時には一致しているが、その後は、必ずしも一致しない。さらに、連動演出の開始当初に保留されていた特別表示装置43a、43bの変動表示が全て消化された場合、又は、連動演出の開始当初に保留されていた特別表示装置43a、43bの変動表示に含まれる大当たりの変動表示が消化された場合には、連動演出もそれに合わせて完結する(逃げられる、又は、討伐する)ようになっている。
尚、当該連動演出は、保留情報記憶エリアの全ての保留エリアに変動情報が記憶された(全ての保留対応エリア463に対して、白以外の色付き保留アイコン471が表示された)場合であって、大当たりに対応する変動情報や、前後外れリーチに対応する変動表示が含まれている場合に発生し易くなっている。また、連動演出中に演出ボタン125の操作がなければ、疑似保留アイコン491の変化がない上、交戦の表示態様が一切導出されないように構成してもよいし、所定時間毎に疑似保留アイコン491がランダムに態様変化するように構成してもよい。
また、入替演出や合体演出や連動演出とは別の保留演出として、保留表示エリア461の全ての保留アイコン471の態様が変化する可能性のある混沌演出が行われる場合がある。混沌演出としては、例えば、図74に示すように、遊技者の演出ボタン125の操作に応じて、保留表示エリア461に保留アイコン471と同じ態様である「色付き石」が降り積もる表示が導出された後、遊技者の演出ボタン125の操作に応じて、不必要な「色付き石」が消去されるといった演出が行われる。そして、不必要な「色付き石」が消去され、保留された変動表示に対応する保留アイコン471が明らかとされる際に、同色の石が3つ以上並んでいたり、特定の組合わせで並んでいたりする場合がある。
加えて、当該混沌演出は、変動時間の長い変動情報が実行エリアにシフトされた場合(混沌演出中に保留の変動表示があまり減って欲しくはない)であって、保留情報記憶エリアに大当たりに対応する変動情報や、前後外れリーチに対応する変動表示が記憶されている場合に発生し易くなっている。尚、演出ボタン125の操作がなければ、混沌演出が開始されることはなく、混沌演出中に演出ボタン125の操作がなければ、演出期間経過した時点で、保留アイコン471がすべて「白石」とされる。
以上詳述したように、第3実施形態によれば、装飾図柄表示装置42において、基本的には、保留表示エリア461に表示されている各保留アイコン471の態様と、保留情報記憶エリア(特別変動保留エリア)の各保留エリア及び実行エリアに記憶されている変動情報(変動表示)とが1対1で対応している合致状態とされているのであるが、上記各種保留演出が行われることにより、各保留アイコン471と、保留情報記憶エリアの各変動情報とが対応していない非合致状態を導出することとしている。従って、例えば、合致状態を崩さないように保留演出を行うだけの場合に比べ、保留アイコン471を利用した保留演出をより多様に、より自由に、よりダイナミックに行うことができる。
さらには、合致状態を崩さない範囲で演出を行おうとする場合には、逆に演出に無理やり感が生じたり、演出実行の条件が厳しく演出の機会が少なくなったり、遊技者が自分で操作している感覚がなくなったり(ランダム性がない)、或いは、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示だけでなく、その前後の変動表示の内容についても見え透いてしまったりすることが懸念される。
これに対し、本実施形態の入替演出のように、必要に応じて非合致状態を介在させることにより、最終的な態様とするまでの各演出を分かり易く(演出上の飛躍を少なくして)簡潔に見せていくことが可能であり、一度に行う制御の量も低減させる(最終的な態様とするまでの制御を分割する)ことができる。具体的に、例えば、隣り合う保留アイコン471同士の位置をランダムに入替える出ボタン125の操作を伴うボタン演出を行い、同態様の保留アイコン471が3つ並ぶような格好とされた場合に、保留情報記憶エリアのどこかに大当たりに対応する変動情報が記憶されているか否かを判別して、肯定判別されると、3つ並んだ保留アイコン471のうちのいずれかの保留アイコン471を、大当たり期待度を高める態様の先読み保留アイコン472に変換し、当該先読み保留アイコン472の表示位置と、大当たりに対応する変動情報とが合致していない場合には、後で、合致するように先読み保留アイコン472の位置を移動させるといった具合である。この場合、最終的な矛盾が生じない上、途中での態様変化の流れも比較的スムースであり、最初のボタン演出の自分が操作している感覚も十分に受けることができる。
さらに、先読み保留アイコン472が導出され、変動表示の内容が示唆されるからといって、未だ非合致状態であるかもしれないため、緊張感を維持させることができるとともに、周囲の変動表示との関連性についても見当がつかなくすることができる。従って、遊技性や演出性の向上、単調感の抑制、制御の簡素化等を図ることができる。
また、合体演出では、複数の保留アイコン471が1つにまとめられ、保留表示エリア461に表示されている保留アイコン471の数としては、保留記憶されている変動情報の数よりも少なく表示される。さらに、連動演出では、保留アイコン471の表示態様がメイン表示エリア468の表示態様と連動した演出が行われるため、保留アイコン471を視認しても、保留記憶されている変動情報の数が把握不可能になっている。加えて、混沌演出では、保留されている変動情報以上の保留アイコン471(と同じ態様の表示)が表示されるようになっている。このように、保留記憶されている変動情報の数に捉われず、保留アイコン471の数を自由に変化させる保留演出を導出可能とすることにより、保留アイコン471を利用する保留演出の演出効果を飛躍的に高めることができ、対応する変動表示の期待度を飛躍的に高める等の効果的な演出を行うことができる。
加えて、合体演出が導出される場合には、1つにまとめられた複数の保留アイコン471に対応して行われる装飾図柄の変動表示についてもまとめられるようになっている。従って、保留表示エリア461において複数の保留アイコン471がまとめられた(合体された)態様と、装飾図柄表示装置42のメイン表示エリア468における装飾図柄の変動表示とを確実に対応させることができ、該変動表示の期待度等を向上させることができる。
また、近年、変動表示時間(変動時間)が比較的長く設定されるものがあるが、遊技を進行させる上で効率が悪くなる上、例えば、変動表示の保留上限を超えて始動入賞装置33a、33bへの入球が行われると遊技者に不利益が生じるような構成において、変動時間が長くなると、そのような状況が起き易くなってしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、1つの変動表示ではなく、複数の変動表示の変動時間を使用して、比較的長めの演出を行うこととしているため、上記不具合を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、特別表示装置43a、43bの変動表示の保留数を表示する第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bが設けられているため、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461の保留アイコン471の数が特別表示装置43a、43bの変動表示の保留数、ひいては、保留情報記憶エリアに記憶されている変動情報の数と合致しなくても、第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bを確認すれば、保留されている変動表示の数を確実に把握することができる。
また、本実施形態では、遊技者の演出ボタン125等への操作が、保留演出の各種契機とされ、保留アイコン471の再設定等が行われるようになっている。従って、遊技者の意思を遊技に反映させることのできる演出機会を(変動表示の結果がどうなるのかが決定するタイミング以外の比較的退屈な時間に)増やすことができ、遊技性や演出性の向上、単調感の抑制等を図ることができる。
さらに、保留表示の態様の再設定に関して、遊技者自身が操作をするためにより多くの満足感が得られるとともに、遊技者自身の考えで操作を行ったり、行わなかったりするといった具合に、保留演出に対し遊技者が選択的に関わることができる。従って、保留演出が多過ぎたり少な過ぎたり感じるといった遊技者毎の差異を緩和するとともに、実際に、保留演出が過多に導出されることに起因して、保留演出の信頼度等が低下したり、保留演出が希少過ぎて、堪能できる遊技者が少なくなってしまったりするといった事態を回避することができる。結果として、遊技に積極的に関わりたい遊技者、及び、シンプルな演出を好む遊技者のいずれの遊技者でも、保留演出の量に満足することができるとともに、保留演出を導出させるための制御が増加する割には、保留演出を導出することによる演出効果が低くなってしまうといった事態を回避することができる。
また、本実施形態では、同種別の保留アイコン471が3つ以上並ぶ、或いは、保留アイコン471が特定の組合わせで4つ以上並ぶこととされた場合に、先読み保留アイコン472への変化が生じる(保留先読み演出が導出される)ように構成されている。さらには、入替演出を実行可能な期間であれば、演出ボタン125を操作して、何度でも保留アイコン471の入替を行うことができ、連動演出を実行可能な期間であれば、演出ボタン125等を操作して、何度でも疑似保留アイコン491を態様変化させることができるようになっている。従って、保留アイコン471を利用した新たな遊技性を付与することができ、単調感の抑制等を図るといった上記作用効果がより一層奏される。特に、複数の保留アイコン471の組合わせによる態様が特定態様に向けて段階的に変化していく様子を堪能することができ、かかる演出に対してより興味を引くことが可能となる上、単調感の抑制等を図るといった上記作用効果がより一層奏される。また、保留演出においては、演出ボタン125が操作された場合に導出される演出が予め決定されているのではなく、演出ボタン125が操作された場合に、その他の変動情報(保留情報)に応じて決定されるようになっている。このため、遊技者が演出ボタン125を操作して保留アイコン471の態様を再設定すること自体に遊技性を付加することができる。従って、単調感の抑制等を図るといった上記作用効果がより一層奏される。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a;遊技モード、大当たり種別)上記第1実施形態では、当否抽選を実行可能な遊技モードが、通常モード、及び、確変モードの2つとなっているが、例えば、低確率状態かつ高入球状態である時間短縮モードや、高確率状態かつ低入球状態である潜確モードを設定することとしてもよい。また、時間短縮モードを設定した場合に確変モードを省略してもよく、大当たり確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン設定されるように構成してもよい。さらに、上記第1実施形態では、確変モードの上限が設定されているが、次回の大当たりまで継続するように構成してもよい。
加えて、大当たり確率や、大当たり種別のパターンの内容(大当たり状態におけるラウンド数や、ラウンド終了条件)及びパターン数等についても、機種毎に適宜設定されるものである。例えば、大当たり種別として、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)を設け、「2RS」に関しては、可変入賞装置32が0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了するように構成してもよい。この場合、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。また、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」(例えば、変動表示100回分)が付与されるように構成してもよい。尚、「潜確モード」では、装飾図柄表示装置42において、潜確モードとされた可能性がある(通常モード及び潜確モードのどちらかである)ということを示唆する演出ステージ(前兆ステージ)に移行するように構成してもよい。
また、大当たり状態終了後に、高確率状態の遊技モード、及び、低確率状態の遊技モードのいずれかが選択される構成を採用する場合であって、上記第1実施形態のような第1当否判定テーブル及び第2当否判定テーブルを採用する場合、当否乱数カウンタC1の値のなかには、高確率状態でのみ大当たりする値(8〜16、308〜316)と、高確率状態及び低確率状態のどちらでも大当たりする値(7、307)とが存在することとなる。
すなわち、確変モードにおいて、高確率状態でのみ大当たりする当否乱数カウンタC1値(8〜16、308〜316)が取得され、変動情報として保留記憶されるとともに、当該変動情報よりも先に保留記憶されている変動情報に対応する変動表示において、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与される通常大当たり状態が発生する場合、高確率状態でのみ大当たりする当否乱数カウンタC1値(8〜16、308〜316)が取得された変動情報に対応する変動表示では、大当たり状態が発生しない。
ところで、上記第1実施形態では、状況に応じて、実行フラグ、留保フラグ、解除フラグ、変更前フラグ、変更先フラグ、第1交換フラグ、第2交換フラグがオン設定される割合が変化するようになっている。特に、大当たり状態が発生する変動表示であるか否かによって、上記割合が変化するような構成となっている。そして、上記フラグの設定に際し、上記第1実施形態のように、高確率状態でのみ大当たりする場合と、高確率状態及び低確率状態のどちらでも大当たりする場合とを区別して判断し、それぞれの割合で、フラグの設定を行うようにすることとする。これにより、例えば、高確率状態でのみ大当たりする当否乱数カウンタC1値(8〜16、308〜316)が取得された変動情報に対応する変動表示が低確率状態で行われるにもかかわらず、大当たり期待度の高い先読み保留アイコン472が導出され続ける(上記第1実施形態では発生し得ないが、大当たり状態の発生が確定したとする態様の先読み保留アイコン472を導出してしまう)といった事態を回避することができる。
このように、先読み保留アイコン472で示唆される変動表示の内容が変化しても対応できる(支障が生じない)ように、初めから先読み保留アイコン472の態様を設定することで、前記変化が生じた場合、或いは、変化が生じる可能性があるタイミングが訪れた場合に、先読み保留アイコン472を再度、一から確認するといった事態を回避しつつ、先読み保留アイコン472の態様の矛盾によるトラブル発生を防止することができる。また、大当たり状態の前後で変動表示の内容(価値)が変化し得る可能性がある変動表示に関しては「先読み対象変更演出」を実行しないといった構成に比べ、「先読み対象変更演出」の機会を増やすことができる。
尚、上記第1実施形態においては、大当たり状態に当選した場合には、大当たり状態終了後に確変モードが必ず付与される上、保留回数カウンタにより、保留された変動情報が確変モードで行われるか否かを確実に把握することができる(急に低確率状態で行われることになってしまうといった状況になり得ない)。このため、上記第1実施形態では、保留演出カウンタの設定(実行フラグ、留保フラグ、解除フラグ、変更前フラグ、変更先フラグ、第1交換フラグ、第2交換フラグの設定)に際して参照されるテーブルとして、大当たり確定時用(通常モードでも大当たり)と、条件付き大当たり時用(確変モードでしか大当たりしない)とが用意されているが、大当たり用として、1つにまとめることとしてもよい。
尚、時間短縮モードが設定されるとともに、確変モードと時間短縮モードとの継続期間が異なる(例えば、時間短縮モードは大当たり終了後の変動表示100回が終了するまでの期間、確変モードは次回大当たりまでの期間)場合、当選した大当たり種別についての教示が、遅くとも対応する大当たり状態が終了するまでの間に必ず行われるように構成してもよいし、対応する大当たり状態が終了しても行われない(内部的に確変モードである場合でも、装飾図柄表示装置42では、時間短縮モード及び確変モードのどちらかであることを示唆する演出ステージである引き戻しステージに移行し、時間短縮モードにおいて特別表示装置43a、43bの変動表示が時間短縮モードの上限回数(100回)を超えた場合に、次回大当たりまで継続する確変ステージに移行するように構成してもよい。
(b;小当たり)さらに、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において、「小当たり」に当選する場合があるように構成してもよい。例えば、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、可変入賞装置32が0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、可変入賞装置32に関し、外見上は、上記した「2RS」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、例えば、通常モードにおいて「2RS」に当選すると、潜確モードに移行するのであるが、通常モードにおいて小当たりに当選しても、通常モードが継続される。これにより、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において、高確率状態が付与されない2ラウンド大当たり(2ラウンド通常大当たり)に当選するような振分けを行わなくても、可変入賞装置32が短く2回開放されることで必ず高確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
また、「小当たり」や、「出玉無し確変大当たり」を設定することで、保留先読み演出の導出機会を増やしたり、態様パターンを異ならせる(出玉有り大当たり用の演出時とは異なる態様を用意する)等の多様化等を図ったりすることができる。尚、2ラウンド通常大当たりを設定する場合には、当該2ラウンド通常大当たりも大当たりであることから、トータルの大当たり確率がその分高められることとなるが、2ラウンド通常大当たりは実質的に出玉はなく、遊技モードの変更もないため、遊技者としては、一般的にパチンコ機10の視認可能な位置に表示されるトータルの大当たり確率と、遊技者が大当たりとして実感できる出玉有り大当たり(及び「2RS」)の確率との間の差によって違和感や不信感等を抱くおそれがあり、不人気台になることが懸念される。このため、「小当たり」及び「出玉無し確変大当たり」を設定し、出玉無しの通常大当たりを設定しないことで、潜確モード及び通常モードのどちらに移行したかを判別し難くすることで演出性を確保しつつ、上記懸念を払拭することができる。
尚、通常モードでは「小当たり」が発生する可能性があるが、確変モードでは「小当たり」が発生しないように構成するとともに、「小当たり」が発生する変動表示に対応する保留アイコン471であっても、「大当たり」が発生する場合に導出され得る先読み保留アイコン472が導出されるように構成してもよい。この場合、確変モードに対応して導出される先読み保留アイコン472の価値(大当たり期待度の信憑性等)がより高められることとなる。また、例えば、遊技球が入球可能又は容易な開状態と、遊技球が入球不可能又は困難な閉状態とに状態変化する可変入球手段を複数設ける(例えば、遊技領域の右側方領域と左側方領域とに1つずつ設ける)とともに、複数の可変入球手段のうちどの可変入球手段が開状態とされるのか、或いは、どのタイミングで開状態とされるのかを教示する開放教示手段を設けることとしてもよい。さらに、開放教示手段は、可変入球手段の開放に関する教示を行う機能状態と、教示を行わない休止状態とに状態変化可能に構成され、先読み保留アイコン472が特定の表示態様とされることによって、開放教示手段が機能状態とされる権利が得られるように構成してもよい。
(c;始動入賞装置)
(c−1;優先消化)上記第1実施形態では、保留された変動表示は、保留された順番で消化されるようになっているが、例えば、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合には、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化されるように構成してもよい。この場合、第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1変動表示が行われない(後回しにされる)構成となる。尚、かかる構成を採用する場合、主制御装置261の特別変動保留エリアには、第1変動表示に対応する変動情報を記憶する4つの第1保留エリアと、第2変動表示に対応する変動情報を記憶する4つの第2保留エリアと、1つの実行エリアとが設けられ、第2保留エリアに変動情報が記憶されている場合には、第2保留エリアの変動情報が実行エリアにシフトされて実行され、第2保留エリアに変動情報が記憶されておらず、第1保留エリアに変動情報が記憶されている場合に、第1保留エリアの変動情報が実行エリアにシフトされて実行されるように構成してもよい。
(c−2)上記第1実施形態では、第1始動入賞装置33aにおいて、第1入賞口332及び第2入賞口333が設けられているが、第2入賞口333を省略することとしてもよい。また、上記第1実施形態では、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与される当たりの種別の割合が異なり、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別の割合が同じとなるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、同一の大当たり種別テーブルが参照され、付与され得る大当たり種別の振分け割合が同一となるように構成してもよい。
尚、上記第1実施形態では、第1始動入賞装置33a(第1入賞口332及び第2入賞口333)への入球があった場合と、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合とで、遊技者に付与される賞球の数が同じであるが、異なるように構成してもよい。また、始動入賞装置33a、33bの配置についても機種毎に適宜変更可能である。
(c−3;オーバー入賞)また、第2変動表示が優先消化される構成を採用する場合、保留上限である4回分の第2変動表示が保留記憶されている状態において、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、又は、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合、(第3実施形態においては、保留表示エリア461における所定の第1変動表示に対応する保留アイコン471を含む態様が特定態様となり、その後、前記)所定の第1変動表示に対応する保留アイコン471に対してキャラクタオブジェクト474が導出される(先読み保留アイコン472に変化する)、又は、所定の第1変動表示に対応する保留アイコン471に対してキャラクタオブジェクト474を導出させる(先読み保留アイコン472に変化させる)権利が付与されることとしてもよい。
すなわち、従来、例えば、特別変動保留エリアに対してそれ以上の変動情報を保留記憶させることができない(空きの保留エリアがない)状態で、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球しても(所謂、「オーバー入賞」しても)、その分の変動情報が特別変動保留エリアに記憶されない(変動表示の保留が行われない)ことから、遊技者としては、かかる事象が発生すると、損をした気分になっていた。これに対し、特別変動保留エリアの保留エリアの数を増やすことも考えられるが、その場合、パチンコ機10の個体差等によって、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球させ易さが異なることに基づいて、発射させた遊技球の数に対する変動表示の回数の割合の差異が大きくなってしまったり、或いは、変動表示を保留させ易くなった分、遊技バランス(遊技球の発射数と、遊技球の払出し数との割合等)の調整を行うべく、当否抽選の確率を下げたり、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づく遊技球の払出し数を減らしたり等することで、前記差異がより大きくなったり、設計の自由度が低下したりすることが懸念される。
この点、上記構成を採用することにより、遊技球が第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、第2始動入賞装置33bにオーバー入賞すると、所定の第1変動表示に対応する保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変換される、又は、先読み保留アイコン472に変換させる権利が付与されることとなる。このため、遊技球が第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、第2始動入賞装置33bにオーバー入賞することが全くの無駄になるといった事態を回避することができ、遊技球を第1始動入賞装置33aの第2入賞口333、第2始動入賞装置33bにオーバー入賞させてしまったことに対する悪印象の軽減を図ることができる。
また、例えば、第1変動情報及び第2変動情報の両方が特別変動保留エリアに記憶されている場合、特別変動保留エリアにおいて第2変動情報が記憶されている状態を途切れさせなければ、第1変動表示の消化を先送りにすることができ、また、高入球状態(本例では、右打ちを行う確変モード)においてはそれが可能である。つまり、第1変動表示で大当たりに当選した場合には、第2変動表示で大当たりに当選した場合に比べ、確変モードに振り分けられる比率が低いことから、確変モードにおいては、第2変動情報の方で当否抽選にて当選することを期待するものの、第1変動情報が特別変動保留エリアに記憶されている場合には、第1変動情報を消化させたくないばかりに、席を離れたくても離れられない(第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させ続ける)といった事態を招くことが懸念される。
この点、上記態様例によれば、遊技球を第2始動入賞装置33bにオーバー入賞させることで、第1変動情報に対応する保留アイコン471に対し優先して先読み保留アイコン472への変換が行われるようになっている。従って、かかる先読み保留アイコン472の態様により、第1変動情報の内容(当否)を事前に把握できる場合があり、第1変動情報を消化しても損はないかを、第1変動情報を消化する前段階において判断することができる。結果として、離席を我慢するといった状況の低減を図ることができる。特に、第1変動情報の当否抽選の結果そのものを教示する態様で先読み保留アイコン472が導出される場合には、かかる作用効果がより確実に奏される。
但し、大当たり状態等の変動表示が行われない状態では、オーバー入賞させても、保留記憶されている所定の第1変動表示に対応する保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変換されたり、先読み保留アイコン472に変換させる権利が付与されたりしないように構成する。尚、「第2変動表示のオーバー入賞で、特別変動保留エリアに記憶されている所定の第1変動表示に対応する保留アイコン471に関して、先読み保留アイコン472に変換される、又は、先読み保留アイコン472に変換させる権利が付与されることが決定された場合、前記所定の第1変動表示が大当たりに当選するかを教示する態様で導出されること」としてもよい。また、例えば、1回のオーバー入賞で、第1変動表示に対応する保留アイコン471のうち1つが先読み保留アイコン472に変更されるように構成してもよいし、抽選で対象数を決定してもよいし、第1変動表示に対応する保留アイコン471の全てを先読み保留アイコン472に変更してもよいし、1回のオーバー入賞で、1つの第1変動表示の先読み保留アイコン472の示唆の正確さが段階的に上がっていく場合もあるように(その場合には正確さが遊技者から理解できるようにする)構成してもよい。
加えて、低入球状態(通常モード)では第2変動情報の記憶を途切れさせないことが実質不可能であることから、「高入球状態においてのみ、始動入賞装置33a、33bへのオーバー入賞によって先読み保留アイコン472への変換が行われること」としてもよい。また、「遊技者の所有する通信携帯端末を介して、サーバとの間で遊技情報を交換可能なパチンコ機10において、サーバからの情報を入力した状態で行われるモバイル連動遊技中である場合にのみ、始動入賞装置33a、33bへのオーバー入賞によって先読み保留アイコン472への変換が行われること」としてもよい。この場合、モバイル連動遊技への参加意欲の向上を図ることができる。
(d;可変入賞装置)上記第1実施形態では、大当たり状態において開状態とされ得る可変入賞装置32が1つ設けられているが、複数設けられることしてもよい。また、大当たり種別と、可変入賞装置32の開閉パターンとの対応関係についても特に限定されるものではなく、機種毎の適宜設定可能である。例えば、遊技領域の左側方領域を通過した遊技球が入球可能な第1可変入賞装置と、遊技領域の右側方領域を通過した遊技球が入球可能な第2可変入賞装置とを設け、第1始動入賞装置33aへの入賞に基づく大当たり状態においては第1可変入賞装置が開閉され、第2始動入賞装置33bへの入賞に基づく大当たり状態においては第2可変入賞装置が開閉されるように構成してもよい。
(e;V−ST)さらに、例えば、遊技領域の右側方領域を通過した遊技球が入球可能な第1可変入賞装置、及び、第2可変入賞装置を設けるとともに、第2可変入賞装置に入球した遊技球を検知可能なV入賞スイッチを設け、大当たり状態においてV入賞スイッチによる検知が行われた場合に、上限付き(例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示100回分)の確変モードが付与されるように構成されてもよい。
また、大当たり種別として、第1可変入賞装置、又は、第2可変入賞装置が30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置、又は、第2可変入賞装置が開放されてから第1可変入賞装置、又は、第2可変入賞装置に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが15回繰り返される15ラウンド確変大当たり(以下「15RS」と言う)と、第1可変入賞装置が30秒間開放されること、或いは、第2可変入賞装置が0.2秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置、又は、第2可変入賞装置が開放されてから第1可変入賞装置、又は、第2可変入賞装置に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが15回繰り返される15ラウンド通常大当たり(以下「15RN」と言う)とを設定する。
「15RS」及び「15RN」ともに、第1ラウンド〜第7ラウンド、及び、第9ラウンド〜第15ラウンドは第1可変入賞装置が開放され、第8ラウンドは第2可変入賞装置が開放されるようになっているが、「15RN」の第8ラウンドは、第2可変入賞装置が0.2秒間しか開放されず、第2可変入賞装置への遊技球の入球はほぼ望めない。このため、かかるラウンドにおける遊技球の増加は見込めなくなっている(「15RN」の大当たり状態全体として、遊技球の増加が見込めるラウンドが実質14ラウンドとなっている)とともに、第2可変入賞装置に遊技球を入球させることができない、つまりは、遊技球をV入賞スイッチに検知させることができないことにより、確変モードを獲得することができないようになっている。
以上のような構成により、「15RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」(例えば、変動表示100回分)が付与され、「15RN」の大当たり状態終了後には「通常モード」が付与されるようになっている。
さらに、大当たり種別の振分けとしては、例えば、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、50%の割合で「15RS」となり、50%の割合で「15RN」となる。一方、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球に基づく当否抽選、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、100%の割合で「15RS」となる。つまり、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、大当たり状態終了後に高確率状態が付与される割合が50%であるのに対し、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合については、大当たり状態終了後に必ず高確率状態が付与されることとなる。
以上のように構成されたパチンコ機(所謂、V−ST機)においては、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332への入球に基づく当否抽選において大当たりに当選するよりも、第1始動入賞装置33aの第2入賞口333への入球に基づく当否抽選、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選する方が圧倒的に有利であり、当該構成において、上記第1実施形態の先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されるといった「先読み対象変更演出」を行うことにより、より一層の興趣の向上を図ることができる。
尚、第2可変入賞装置に入球した遊技球が、必ずV入賞スイッチに検知される構成としてもよいし、(第2可変入賞装置の内部に振分け装置が設けられ)少なくとも「15RN」の大当たり状態においては、第2可変入賞装置3に入球してもV入賞スイッチに検知されない遊技球が発生する(第2可変入賞装置への入球した遊技球を検知する第2カウントスイッチには検知され、賞球は行われる)ように構成してもよい。
(f;保留アイコン、保留表示エリア)上記第1実施形態において、保留アイコン471の形状(モチーフ)や態様の変化(例えば、動作態様)等は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定される。例えば、上記第1実施形態では、保留アイコン471が、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらに対応するものであるかを把握できる態様をなしているが、把握することのできない、或いは、把握し難い態様をなしていることとしてもよい。さらに、通常は保留アイコン471が、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらに対応するものであるかを把握不可能な態様をなしているが、所定条件が成立した場合にのみ、どちらに対応するものであるかを教示可能な態様となるように構成してもよい。
さらに、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461は、最大で1個の保留アイコン471を表示可能な実行対応エリア462と、最大で8個の保留アイコン471を表示可能な保留対応エリア463とを備えているが、例えば、実行対応エリア462を省略してもよい。但し、実行対応エリア462を省略する場合には、保留アイコン471を利用した各種演出(先読み対象変更演出、保留演出)を、対象の変動表示が開始される前までに完了させる必要がある。
また、例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示が合計で5つ以上保留されている場合であっても、保留表示エリア461では保留アイコン471が最大で4つまでしか表示されないように構成してもよい。さらに、例えば、表示される保留対応エリア463の位置に応じて、保留アイコン471の態様が変化するように構成してもよく、例えば、先に消化される4つの保留アイコン471が、後に消化される保留アイコン471よりも大きく表示されるように構成してもよいし、後に消化される保留アイコン471の態様について、保留の数が把握可能な程度の簡略化されたような態様となるように構成してもよい。
また、保留表示エリア461の位置についても特に限定されるものではなく、例えば、上記第1実施形態では、保留表示エリア461が装飾図柄表示装置42の下部において横長に設定されているが、装飾図柄表示装置42の上部に設定してもよいし、装飾図柄表示装置42の左部、又は、右部に対して縦長となるようにして設定してもよい。さらに、例えば、遊技者の操作(演出ボタン125や十字ボタン126、或いは、変形例として設けられるタッチセンサ、タッチパネルによる操作)に応じて、装飾図柄表示装置42の表示部における保留表示エリア461の位置を設定可能に構成してもよい。また、保留表示エリア461の大きさを大小させたり、複数に分割したりすることができるように構成してもよい。加えて、保留表示エリア461と、メインの表示エリアとを入れ替えるようにして、保留アイコン471を装飾図柄表示装置42の中央部を含む範囲に設定し、装飾図柄の変動表示(簡易版でも可)をその周りで行うように構成してもよい(装飾図柄の変動表示においてリーチが発生する等の注目すべき事象が発生した場合には自動で入れ替わるようにしてもよい)。
さらに、保留表示エリア461を、装飾図柄表示装置42とは別に設ける表示装置の表示部において設けることとしてもよい。また、かかる表示装置は液晶表示装置に限定されるものではなく、EL表示装置、ドット表示装置、三色LEDや態様変化可能なパネルを保留に対応して複数配置したもの等が挙げられる。
加えて、上記実施形態では、保留表示エリア461において、通常モードで行われる予定の変動表示に対応する保留アイコン471と、確変モードで行われる予定の変動表示に対応する保留アイコン471とが区別可能なように、STボーダーライン465を表示するように構成されているが、別の方法で区別ができるように構成してもよい。例えば、保留表示エリア461の背景を異ならせたり、保留アイコン471の態様を異ならせたりすることとしてもよい。但し、保留アイコン471のパターンの複雑化(対応関係の分かり難さ)や、通常モードで行われる予定の変動表示に対応する保留アイコン471と、確変モードで行われる予定の変動表示に対応する保留アイコン471とが両方表示されている状態で大当たり状態が発生した場合に、大当たり終了後に遊技モードと保留アイコン471との対応関係が変化する場合があることを考慮すると、保留アイコン471自体ではなく、その背景の部分等で境界表示が行われるようにすることが好ましい。
(g;近接近検知手段)上記第1実施形態において、装飾図柄表示装置42の複数箇所への物体の近接又は当接を検知可能であり、サブ制御装置262の入出力ポート554に接続される接近検知手段(例えば、発光部及び受光部を有する近接検知センサやタッチパネル等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461に表示された保留アイコン471に対し、遊技者が指等を近接させた場合に、かかる指等の検知に基づいて、近接が検知された対象が、留保フラグがオン設定されている変動情報に対応する保留アイコン471であり、かつ、解除フラグがオン設定された変動情報が保留されている場合には、近接が検知された対象の保留アイコン471が、先読み保留アイコン472に変化するように構成してもよい。この場合、先読み対象変更演出に対し遊技者に動作を取り入れることで、保留アイコン471への関心を向上させることができる。
(h;先読み保留アイコン)
(h−1)上記第1実施形態では、先読み保留アイコン472を、ベースオブジェクト473と、キャラクタオブジェクト474とによって構成し、キャラクタオブジェクト474を所定のベースオブジェクト473から別のベースオブジェクト473に移動させることで、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されたことを表現しているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、保留アイコン471にベースオブジェクト473及びキャラクタオブジェクト474等の区別がなく、先読み保留アイコン472の対象の変更が行われる際には、保留アイコン471の全体が移動するようにしてもよい。さらに、例えば、先読み保留アイコン472の対象の変更の前後で、対象の変更があった先読み保留アイコン472の態様が変化する(例えば、大当たり期待度がより高いものに変更される)ように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、デフォルトの保留アイコン471と、先読み保留アイコン472とでベースオブジェクト473が共通のモチーフとなっているが、異なってもよい。尚、先読み保留アイコン472が移動しただけであると遊技者に認識してもらうべく、変更の直前と直後とで、先読み保留アイコン472の示唆する内容(保留先読み演出の価値)を維持したり、先読み保留アイコン472の態様の全部が変化したりしない(変更前の先読み保留アイコン472の態様の少なくとも一部が引き継がれるように構成することが望ましい。また、保留対象変更演出と、保留ランクのランクアップ演出(必ずアップする構成、必ずアップするわけではない構成のどちらでも可)とがセットとなるように構成してもよい。例えば、保留対象変更演出が行われた後、対象の先読み保留アイコン472が、その態様(形状)を保ったまま動作する、又は、該先読み保留アイコン472に重なるような動的な表示演出が導出される等した後に、ランプアップする場合には、先読み保留アイコン472の態様が変化するように構成してもよい。
(h−2)さらに、保留アイコン471の態様等に応じて、「繋ぎ演出」の態様や挙動についても適宜設定可能である。例えば、先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクトを「卵」として、「先読み対象変更演出」が発生する場合には、所定のキャラクタが「卵」を持ち運んだり、投げたりするように構成してもよい。
また、「繋ぎ演出」の途中で、キャラクタオブジェクト474の態様が変化する(例えば、キャラクタオブジェクト474が別のキャラクタオブジェクト474と入れ替わり、当該別のキャラクタオブジェクト474が移動後の先読み保留アイコン472に表示される、或いは、コスチュームチェンジをして移動後の先読み保留アイコン472に表示される)ような演出を行う場合には、変更前の先読み保留アイコン472の態様と、変更後の先読み保留アイコン472の態様とが異なっていても、先読み保留アイコン472の対象とされる変動表示が変更されることを認識し易くすることができる。
さらに、繋ぎ演出の途中で、キャラクタオブジェクト474等に関して大当たり期待度が上がるような演出(例えば、キャラクタオブジェクト474が仲間を連れてくる、所定の仕草を行う等)を行うこととしてもよいし、キャラクタオブジェクト474の移動先を示唆する演出(遊技者としては、第2変動表示の保留アイコン471や、確変モードの保留アイコン471に移動することを望むので、該保留アイコン471に到達するかの演出)を行うように構成してもよい。
(h−3)上記第1実施形態では、先読み保留アイコン472が保留表示エリア461に対していきなり導出されるように構成されているが、先読み保留アイコン472が導出されるか否かの前兆の演出を行うように構成してもよい。例えば、デフォルトの保留アイコン471に対して、先読み保留アイコン472に変更されるかもしれないといった前兆オブジェクトを表示してから、前兆オブジェクトに代えてキャラクタオブジェクト474を表示したり、前兆オブジェクトを消去してベースオブジェクト473のみとしたりするようにしてもよい。また、前兆オブジェクトが表示された状態で、演出ボタン125を操作することで、その結果が表示されるように構成してもよい。さらに、前兆オブジェクトがキャラクタオブジェクト474に変更される可能性を高めたり、比較的期待度の高いキャラクタオブジェクト474が表示されることを示唆したりするための演出(例えば、キャラクタ軍団が通過する、保留表示エリア461の背景の色が変化する、様々なモニュメントが出現する等)を行うように構成してもよい。加えて、保留表示エリア461に表示される保留アイコン471の最大数の設定を行うことができるように構成してもよい(保留表示エリア461の大きさや形状等が変化する場合には、それに合わせて自動で保留アイコン471の最大表示数が自動で変更されるように構成してもよい)。
尚、導出されていたキャラクタオブジェクト474を単に消去するだけのパターンもあってもよいが、期待度や興趣が低下するおそれがあるため、上記第1実施形態のように、保留表示エリア461において表示されている保留アイコン471全体の大当たり期待度が変化しないように、保留表示エリア461の範囲内で移動させる等の演出を行うように構成することが望ましい。また、繋ぎ演出を行わなくてもよいが、その場合には、所定の先読み保留アイコン472をデフォルトの保留アイコン471に変更するタイミングと、所定のデフォルトの保留アイコン471を先読み保留アイコン472に変更するタイミングとを合わせることが望ましい。この場合、先の変更と、後の変更との関連性が弱くなり、連動した演出であることを認識してもらえなくなるといった事態を抑制することができる。
(h−4)上記第1実施形態では、留保フラグ、変更前フラグ、及び、第1交換フラグに関して、保留情報記憶エリアに同一のフラグは2つ以上オン設定することはできないが、別のフラグであれば共存してオン設定することができるように構成されている。さらに、上記第1実施形態では、留保フラグ、変更前フラグ、及び、第1交換フラグのうち複数がオン設定されている状態であっても、「保留前移動演出」が行われない場合に、「保留交換演出」が行われるかを確認し、「保留交換演出」が行われない場合に「保留後移動演出」が行われるかを確認するようにして、「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、及び、「保留交換演出」は1つずつ実行されるようになっている。
これに対し、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアにおいて、保留演出カウンタを複数設けたり、或いは、解除フラグ、変更先フラグ、及び、第2交換フラグが設定されてから次回のシフト処理に際して必ず「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、及び、「保留交換演出」が開始されるのではなく、該開始のタイミングを複数設定する(例えば、次々回のシフト処理や、さらにその後のシフト処理のタイミングも選択され得るようにする)ように構成したりして、「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、及び、「保留交換演出」のうちの複数が一挙に(立続きに)行われる場合もあるように構成してもよい。この場合、「先読み対象変更演出」の多様化等を図ることができる。
尚、「保留前移動演出」、「保留後移動演出」、及び、「保留交換演出」が一挙に行われる場合には、保留表示エリア461の周辺部が煩雑になって分かり難くなることも懸念されることから、わざとずらして(順番に)各「先読み対象変更演出」を開始させるように構成してもよいし、複数の「先読み対象変更演出」が同時に実行されるとの決定が行われても、それらのいずれかの「先読み対象変更演出」の実行を中止するように構成してもよい。
また、例えば、留保フラグ、変更前フラグ、及び、第1交換フラグに関して、保留情報記憶エリアに同一のフラグを複数オン設定する(例えば、保留第1エリア及び保留第3エリアの保留演出カウンタに「2」を設定する等)ことができるように構成してもよい。この場合、例えば、2つの変動情報に対応して留保フラグがオン設定されている状態において、解除フラグがオン設定された場合に、先に保留された(先に消化される)変動表示の方と保留前移動演出が行われるように構成してもよいし、変動情報の内容を見て、大当たり期待度の高い方(大当たりする変動表示が高く、前後外れリーチが発生する変動表示、前後外れ以外リーチが発生する変動表示の順に低くなる)の変動表示と保留前移動演出が行われるように構成してもよいし、留保フラグがオン設定された変動表示の全てと一挙に保留前移動演出が行われるように構成してもよい。
尚、留保フラグ、変更前フラグ、及び、第1交換フラグに関して、保留情報記憶エリアにいずれか1つでもオン設定されている場合には、これらのフラグをそれ以上オン設定することができないように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、所定の変動表示(保留アイコン471)に関して、「先読み対象変更演出」が1回行われると、同変動表示に関して2回目の「先読み対象変更演出」は行われないように構成されているが、複数回でも行われ得るように構成してもよい。例えば、「先読み対象変更演出」において、保留演出カウンタに「3」、「5」、「7」が設定された際に、キャラクタオブジェクト474が最終目的地(保留演出カウンタが「2」、「4」、「6」となっている保留エリア)に到着するまでの移動回数を決定し、その回数を記憶する残り移動回数カウンタに設定し、残り移動回数カウンタが「0」になるまで、或いは、当該「先読み対象変更演出」に関わる変動情報が実行エリアにシフトされるまで、キャラクタオブジェクト474が移動を繰り返し(保留演出カウンタに「3」、「5」、「7」が設定される保留エリアが変更され)、残り移動回数カウンタの値が「0」になったときに、或いは、当該「先読み対象変更演出」に関わる変動情報が実行エリアにシフトされたときに、保留前移動演出であれば、保留演出カウンタの値が「2」→「1」、及び、「3」→「0」に変更され、保留後移動演出であれば、保留演出カウンタの値が「4」→「0」、及び、「5」→「1」に変更され、保留交換演出であれば、保留演出カウンタの値が「6」→「1」、及び、「7」→「1」に変更されるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、「先読み対象変更演出」が行われるのではないかという期待感を途切れることなく持ち続けることが可能となる。
尚、キャラクタオブジェクト474の移動を繰り返す際に、途中で、保留演出カウンタに「2」、「4」、「6」が設定された設定された保留エリアに対応する保留対応エリア463には止まらないように構成してもよいし、キャラクタオブジェクト474の移動を繰り返す途中で、たまたま、キャラクタオブジェクト474が最終目的地に止まっているだけであることが把握可能なように(例えば、キャラクタオブジェクト474の移動を繰り返す途中で、保留演出カウンタの値が「2」の保留エリアに対応する保留対応エリア463に、キャラクタオブジェクト474が移動した場合に、該保留エリアの保留演出カウンタの値が「32」とされる、すなわち、最終目的地であることを示す「2」と、キャラクタオブジェクト474に対応している解除フラグの存在を示す「3」とが分かるように構成してもよい。
(h−5)上記第1実施形態では、「保留前移動演出」等の「先読み対象変更演出」が行われる場合に、繋ぎ演出において、解除フラグがオン設定された変動情報に対応する保留アイコン471から、留保フラグがオン設定された変動情報に対応する保留アイコン471に向けて、キャラクタオブジェクト474が真っ直ぐに移動する(その他の保留アイコン471に関与しない)ように構成されているが、途中で、キャラクタオブジェクト474が、別の保留アイコン471にも絡むような演出が行われるように構成してもよい。この場合、キャラクタオブジェクト474がどこに行きつくのか、どの変動表示が先読み保留アイコン472の対象とされるのかについてより濃厚な演出を行うことができる。さらに、繋ぎ演出において、キャラクタオブジェクト474の態様が変化するか否かの演出が行われたり、キャラクタオブジェクト474の態様は変化しないが、当該キャラクタオブジェクト474に絡めて別の表示演出が導出される等して、繋ぎ演出のパターンで大当たり期待度を示唆したりするように構成してもよい。
(h−6)上記第1実施形態において、例えば、保留表示エリア461に表示されている保留アイコン471のうち、遊技者にとって先読み保留アイコン472として導出されるのが望ましい保留アイコン471が先読み保留アイコン472とされた場合に、かかる先読み保留アイコン472に関して、それ以上の先読み対象変更演出(キャラクタオブジェクト474の移動)は行われないことを示すホールド演出が導出されるように構成してもよい。この場合、演出機会を増やすとともに、いざホールド演出が導出されることで安心感という特典を付与することができる。尚、遊技者の所定の操作によってホールド状態とすることができるように構成してもよい。
また、例えば、先読み保留アイコン472の対象が、第1の保留表示から第2の保留表示に変更される場合があるが、第2の保留表示から第1の保留表示に変更される場合はないように構成されていることとしてもよい。この場合、先読み保留アイコン472の対象が変更されるといった先読み対象変更演出において、遊技者にとって喜ばしくないパターンが存在するといった事態を回避することができる。結果として、先読み対象変更演出を遊技者にとって好ましい現象とすることができ、先読み対象変更演出の発生を期待するといった遊技性をより確実なものとすることができる。
(h−7)上記第1実施形態では特に言及していないが、「先読み対象変更演出」が行われる場合や、保留演出カウンタに「1、3、4、6」が設定され、先読み保留アイコン472が表示される場合に、対応する効果音や所定のランプの発光態様を発生させるように構成してもよい。この場合、保留表示エリア461を直接視認していなくても、効果音によって、先読み保留アイコン472等の発生を認識し、その態様を確認することができ、よりスムースに遊技を進行させることができる。
(h−8)上記第1実施形態の「保留交換演出」において第1交換フラグに対応する先読み保留アイコン472の態様(キャラクタオブジェクト474)と、第2交換フラグに対応する先読み保留アイコン472の態様とが同一にならないように(同一ならば、キャンセルする、或いは、一方のキャラクタオブジェクト474のランクを上げる、又は、下げる、若しくは、同一の意義を有するものの中から別のキャラクタ(同一ランクに複数のキャラクタを設定する、キャラクタをマイナーチェンジしたものを用意する等)を選択する)構成してもよい。尚、第1交換フラグ及び第2交換フラグに対応する先読み保留アイコン472に関し、大当たりに対応する先読み保留アイコン472と、外れに対応する先読み保留アイコン472とでは、大当たりに対応する先読み保留アイコン472の方を高ランクとする(高ランクとなり易い)ように構成する(制御する)ことが望ましい。
(h−9)上記第1実施形態において、第2変動表示が保留記憶され(第2当否関連情報が取得され)、かつ、サブ制御装置262の保留情報記憶エリアにおいて実行フラグが仮でオンされた(ステップS6103参照)場合に、対応する保留アイコン471が、保留表示エリア461において、第1変動表示に対応する保留アイコン471とともに表示される可能性があるか否かを判別し、表示される可能性があると判別された場合には、表示されないと判別される場合に比べ、留保フラグが設定される割合が高められることとしてもよい。この場合、先読み保留アイコン472の対象が、第1変動表示から第2変動表示に切替えられるといった先読み対象変更演出のなかでもうれしいパターンが発生する機会を増やすことができる。尚、信頼度の低下を回避するべく、当たり時のみ留保フラグが設定される割合を高めるようにしてもよい。
(h−10)上記第1実施形態では、大当たり状態の前後で保留表示エリア461(保留対応エリア463)における保留アイコン471の態様パターンが変化しないように構成されているが、例えば、先読み保留アイコン472の各態様ランクのパターン数を増やすとともに、大当たり状態の終了時において、保留演出カウンタ、上限ランク記憶エリア、実行ランク記憶エリアの値に基づき、保留アイコン471の態様パターンの再設定を行うように構成してもよい。この場合、大当たり状態の前段階において、保留表示エリア461においても様々な演出(例えば、保留アイコン471と変動表示との対応関係を取り払ったような複雑な演出等)を行ったとしても、大当たり状態の後にはリセットすることができる。
(h−11)上記第1実施形態において、デフォルトの保留アイコン471が先読み保留アイコン472に変化するといった態様変化以外にも、デフォルトの保留アイコン471が別のデフォルトの保留アイコン471の態様に変化したり、先読み保留アイコン472が別の先読み保留アイコン472の態様に変化したりする場合もあるように構成してもよい。
(h−12)上記実施形態では特に言及していないが、大当たり状態が発生した場合に大当たり種別の振分けに関して有利な第2変動表示に対応する保留アイコン471として表示されていた先読み保留アイコン472が、第1変動表示に対応する保留アイコン471として導出対象が変更される場合があってもよい。この場合、第2変動表示に対応して先読み保留アイコン472が導出されたまま、当該第2変動表示が消化されて欲しいといった具合に、遊技性に緊張感を持たせることができ、熱心に保留表示の挙動を確認し堪能することができる。尚、先読み保留アイコン472の導出対象が規定回数の変動表示が行われる間にずっと変わらなければ、それ以降も変わらないように構成してもよい。
(i;先読み保留アイコン472の示唆内容)上記第1実施形態では、保留アイコン471の態様を変化させること(先読み保留アイコン472を導出可能に構成すること)ことにより、大当たり状態が発生するか否か(大当たり期待度)の示唆を行うように構成されているが、別の示唆が行われる場合もあるように構成してもよい。例えば、大当たり期待度の示唆とは関係なく、仮に当該変動表示で大当たり状態が発生した場合には、確変モードが付与される(確変大当たりになる)ことを示唆したり、或いは、仮にリーチ状態が発生しさえすれば大当たり状態の発生が確定するといったことを示唆したりするように構成してもよい。この場合、かかる示唆の先読み保留アイコン472(連続する複数の保留アイコン471にそれぞれ導出してもよい)が確変モードに対応して導出された場合には、対応する変動表示への関心をより高めることができ、遊技の抑揚を付与することができる。
尚、第1実施形態において、先読み保留アイコン472によって大当たり状態等の特別遊技状態等の発生が教示された場合、特別遊技状態が発生するまでは、「先読み対象変更演出」が行われない(例えば、保留演出カウンタへの1〜7の値の設定が行われない)ように構成してもよい。
また、例えば、低確率状態かつ高入球状態である時間短縮モードや、高確率状態かつ低入球状態である潜確モードを設定するとともに、装飾図柄表示装置42等を視認するだけでは、潜確モード及び通常モードのどちらに滞在しているのか、時間短縮モードの期間がまだ残されているのか否か、或いは、確変モード及び時間短縮モードのどちらに滞在しているのかが認識できない、或いは、認識し難いような構成(共通の演出ステージを設定する)とし、先読み保留アイコン472の態様により、潜確モードや確変モードに滞在していることを示唆する場合もあるように構成してもよい。さらに、例えば、かかる先読み保留アイコン472に対応する変動表示が終了する際に(ボタン演出等の演出等を伴ってもよい)、潜確モードであることや、確変モードであることの教示が行われる場合があるように構成してもよい(演出不参加の場合は教示しない構成としてもよい)。この場合にも、演出機会を増やすことができるとともに、遊技に際して新たな抑揚を付加することができる。
加えて、遊技者の意思で、保留演出が生じないように、或いは、保留アイコン471の態様変化(先読み保留アイコン472への変化)自体が生じないように、遊技者の操作によって設定が行えるように構成してもよい。また、上記第3実施形態では、保留アイコン471を各種抽選に基づいて保留表示エリア461に導出させていくことで、偶然に、連続する保留アイコン471が、同種別で3つ並んだり、特定の組合わせで4つ並んだりする場合もあるように構成されているが、並ばないように(導出されるものとして決定された保留アイコン471が、前記特定の並びになる場合には強制的に別のものに書き換える)構成してもよい。さらにその場合には、所定の保留演出のなかから導出するものを決定する、或いは、保留演出の導出確率を高めるように構成してもよい。
(j;モバイル連動遊技との関連)
(j−1)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。例えば、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信され、再び(例えば、後日、)モバイル連動遊技を開始する場合に、携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、各遊技者に対応する蓄積データ等に応じて発行されるパスワードをパチンコ機10に入力する構成としてもよい。
また、例えば、モバイル連動遊技を行うことで、遊技者によって行われた各種設定、或いは、遊技者のこれまでに蓄積された遊技情報に応じて、装飾図柄表示装置42等において導出される演出等のパターンの選択に際して変化が生じるように構成してもよい。例えば、遊技者が、パチンコ機10で、或いは、サーバ側で、選択される演出のバランスを変更したり、装飾図柄表示装置42等に登場し易いキャラクタの設定を行ったりすることができるように構成してもよい。特に、本実施形態においては、保留表示エリア461において導出され易い演出や先読み保留アイコン472のパターンを設定可能に構成することとしてもよい。例えば、保留表示エリア461において、保留アイコン471をお皿(料理)やフライパンなどの調理器具に見立てるとともに、その後方にキャラクタを表示し、かかるキャラクタが料理を行う(「先読み対象変更演出」では、皿を入れ替える等の表示を行う)といった演出を行うように構成し、かかるキャラクタを変更することができたり、料理の内容(示唆の方法と対応付けてもよい)を変更することができたりするように構成してもよい。
さらに、蓄積された遊技情報の内容(規定量の遊技情報や特定の遊技情報が遊技者個人に対応してサーバに記憶されることで更新されるランク)に応じて、設定できる内容が多くなったり、より珍しい演出を選択できるようになったりするように構成してもよい。
(j−2)モバイル連動遊技を行うことで、パチンコ機10で導出される装飾図柄表示装置42における表示データや、音声データ等に関する装飾データ(キャラクタの画像、アイテムの画像、アクションパターン、キャラクタボイス、効果音等)のコレクションが可能な構成において、特定の装飾データを取得可能な、或いは、取得し易い期間(コレクション高確状態)が設定されるように構成してもよい。
例えば、先読み保留アイコン472が導出された変動表示において大当たり状態が発生した場合や、先読み保留アイコン472に対応する変動表示が消化される前に装飾データの取得に関する当否演出(例えば、演出ボタン125を利用する演出)が行われた場合に、対応する先読み保留アイコン472に表示されていたキャラクタオブジェクト474に関連する装飾データが所定の確率で取得可能な構成とし、コレクション高確状態では、かかる確率が100%となるようにしたり、先読み保留アイコン472に表示されていたキャラクタオブジェクト474に関連する装飾データのなかでもレアなパターンの装飾データが取得し易くなったりするように構成してもよい。このような構成を採用する場合、装飾データをコレクションしている遊技者にとっては、コレクション高確状態において先読み保留アイコン472が導出されることを希望することとなり、コレクション高確状態に絡んで「先読み対象変更演出」が導出されることで、新たな抑揚が付与されることとなる。
尚、コレクション低確状態からコレクション高確状態への移行条件としては、例えば、抽選に当選した場合、コレクション低確状態において規定回数の変動表示が行われた場合、電源投入から規定時間が経過した場合等が挙げられ、コレクション高確状態からコレクション低確状態への移行状態としては、例えば、コレクション高確状態において規定回数の変動表示が行われた場合、(転落)抽選に当選した場合、コレクション高確状態において規定時間が経過した場合、コレクション高確状態において規定数の装飾データを取得した場合、大当たり状態が発生した場合等が挙げられる。
尚、上記態様例では、遊技者の所有する携帯通信端末に装飾データが記憶されない構成となっているが、携帯通信端末に装飾データ或いはそれに関連するデータが記憶され、それの基づく画像や音声等を携帯通信端末において導出されるように構成してもよい。また、サーバのウェブサイト上で、サーバに記憶されている遊技者の装飾データに基づく画像や音声等を導出させることができるように構成してもよい。但し、遊技意欲の向上を図るべく、装飾データはパチンコ機10でしか開けないようにする、或いは、装飾データをパチンコ機10で開くことにより、その他の方法では導出されない画像や音声が導出されるように構成することが望ましい。
尚、装飾データのコレクションが行えることにより、保留アイコン471や演出ボタン125等を利用した保留演出をより盛り上げることができ、例えば、保留アイコン471の態様により所定のコレクションが表示され、保留演出としてのミニゲームを遊技者が成功した場合にコレクションが付与されるように構成してもよい。この場合、単調感の抑制、遊技意欲の向上等を図るといった作用効果がより一層奏される。
(j−3)遊技者による操作に応じて異なる結果が付与されるゲームを実行可能に構成され、かかるゲームの結果が当否抽選やリーチ抽選に応じて変更される遊技反映状態が設けられていることとしてもよい。すなわち、パチンコ機10の遊技とともに、ゲームを行えるようにすることで、倦怠感の抑制等を図ることができる。特に、モバイル連動遊技を行うことで、今回のゲーム内容を遊技内容とともにデータとして残すことができ、データを積み重ねることによる楽しみをより大きくことができる。
また、パチンコ機10の遊技の結果が、ゲームの結果に反映される状態と、反映されない状態とに状態変化するように構成してもよい。例えば、基本的に、ゲームは、遊技者の操作に応じて結果が決まる構成であって、大当たり状態が発生したり、スーパーリーチが発生したりする変動表示が行われることが決定された場合には、その当否抽選の結果に応じて、ゲームの内容や結果が強制的に決定される(対応するシナリオが組まれている等)ように構成してもよい。但し、ゲームを進行させるためには、遊技を進行させる(始動入賞させていく)ことを必須とする。
尚、ゲームの操作に関して、パチンコ機10では、ハンドル18を握らない方の手だけで操作ができるようにする、又は、(発射停止ボタンを操作しながらの)ハンドル18の回動量、或いは、遊技球の移動経路や入球先(検知手段があり遊技球を検知するが、該検知が行われても賞球がなく、遊技に関与する抽選もない)に応じてゲームの結果が変化するようにすることとしてもよい(そのためには、遊技球をどこに打っても、遊技の結果にあまり差が出ないように構成することが望ましい)。
(k;先読み保留アイコン472の発生(キャラクタオブジェクト474の登場)に関する演出)
(k−1)上記第1実施形態では、先読み保留アイコン472が導出される場合、新たに保留記憶された変動表示に対応する保留アイコン471を導出させるタイミングでのみ、保留アイコン471(ベースオブジェクト471)とともに、キャラクタオブジェクト474が導出されるように構成されているが、別のパターンが存在していてもよい。
例えば、先読み保留アイコン472のキャラクタオブジェクト474を、(例えば、変動表示が保留されたタイミングで)保留表示エリア461以外の場所に登場させてから、保留表示エリア461に表示されている所定の保留アイコン471(ベースオブジェクト473)と組合わされる場合があるように構成してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42のうち装飾図柄等が表示されるメイン表示エリアにおいてキャラクタオブジェクト474、或いは、それに関連するオブジェクト(似顔絵、餌、トレーナー等)を表示し、かかるオブジェクトの挙動等のパターンに応じて、キャラクタオブジェクト474が所定のベースオブジェクト473と組合わされて先読み保留アイコン472とされるか否か決定されるといった演出を行うように構成してもよい。また、キャラクタオブジェクト474をモチーフにした可動役物や、内蔵されたランプで浮かび上がる発光情報手段等としてもよい。
(k−2)さらに、装飾図柄表示装置42のメイン表示エリアに表示されたキャラクタオブジェクト474(背景等に隠れる、逃げ回る、表示領域内外を往来する等してもよい)を遊技者がタッチする、或いは、引っ張ってくるようにして動かす(所定条件の成立で捕まえ易くなるようにしてもよく、例えば、網が表示される、眠らせる、餌をまいて、一定の場所に寄せる、又は、表示領域に全く存在しない状態から呼び込んでくる等)ことで、該キャラクタオブジェクト474が、保留表示エリア461に移動してベースオブジェクト473に収まるか否か(失敗(フェイク)のときは途中で逃げる等)といった演出を行うように構成してもよい。
(k−3)また、上記実施形態では特に言及していないが、先読み対象変更演出が導出される場合には、先読み対象変更演出が導出されるよりも前に、先読み対象変更演出が導出されることを示唆する先読み変更示唆演出を導出可能に構成してもよい。先読み変更示唆演出として、例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア461又はその近傍においてキャラクタが表示され、先読み対象変更演出の対象とされる先読み保留アイコン472に対して当該キャラクタが所定のアクションを起こすアニメーションが導出されるように構成してもよい。また、例えば、先読み対象変更演出の対象とされる先読み保留アイコン472の態様自体に所定の変化が生じる(先読み保留アイコン472が揺れる、先読み保留アイコン472の前方に霧がかかるような表示が導出される等)ように構成してもよい。このように、先読み変更示唆演出を導出することによって、先読み対象変更演出が導出されることをより積極的にアピールすることができ、先読み対象変更演出を冒頭から視認してもらい易くすることができる。
(l;先読み対象変更演出のタイミング)上記第1実施形態では、保留アイコン471がシフトされるタイミングでのみ「先読み対象変更演出」が開始されるように構成されているが、別のタイミングでも開始される場合があるように構成してもよい。例えば、先読み対象変更演出を開始させる契機として演出ボタン125の操作が選択され、当該操作を案内するとともに、演出ボタン125の操作を先読み対象変更演出の契機とする状態とする処理を行い、かかる状態において演出ボタン125の操作が行われた場合に、先読み対象変更演出を開始させるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、解除フラグ、変更先フラグ、又は、第2交換フラグがオン設定された場合、次のシフト処理に際して、先読み対象変更演出が必ず導出されるように構成されているが、例えば、解除フラグ、変更先フラグ、又は、第2交換フラグがオン設定された状態のシフト処理で先読み対象変更演出を開始させるか否かの演出許可抽選を行い、個々で当選した場合に先読み対象変更演出が導出されるように構成してもよい。
さらに、上記第1実施形態では、保留表示エリア461に対して新たに保留アイコン471が追加表示されるタイミングでのみ、先読み保留アイコン472の数が増え得るように構成されているが、別のタイミングでも増加する場合があるように構成してもよい。例えば、保留表示エリア461において特定の演出(キャラクタが保留アイコン471に対して所定のアクションを起こすアニメーション等)が導出された後に先読み保留アイコン472が導出されるように構成してもよいし、遊技者の演出ボタン125の操作や、所定の変動表示(例えばリーチ状態が発生する変動表示等)が行われることなどを条件に、先読み保留アイコン472が導出されるように(或いは態様ランクがステップアップするように)構成してもよい。また、例えば、実行フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグがオン設定されただけでは、先読み保留アイコン472が導出されないように構成し、かかる先読み保留アイコン472を導出させる権利を有している状態において、さらに、保留アイコン471のシフト処理に際して行われる許可抽選に当選することで、先読み保留アイコン472が導出可能とされるように構成してもよい。
但し、装飾図柄表示装置42のメイン表示エリアにおける装飾図柄に関する演出との干渉を避けるべく、「先読み対象変更演出」や、先読み保留アイコンを増加させる演出は、変動表示の開始から、リーチ状態が発生するタイミングの間で行われることが望ましい。また、かかる演出開始の契機として、該演出許可が出ている状態において演出ボタン125を操作するように構成してもよい。
(m;入賞履歴)また、例えば、左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入賞検知スイッチ224cの検知履歴(当否抽選の結果と、各検知の時間とを対応付けたもの)をそれぞれ記憶可能な検知履歴記憶手段と、保留演出カウンタの値の初回設定値(保留情報記憶エリアに変動情報が記憶された際に設定された保留演出カウンタの値)を記憶可能な保留演出番号記憶手段とを設け、検知履歴記憶手段及び保留演出番号記憶手段の記憶情報を出力可能に構成してもよい。例えば、検知履歴記憶手段及び保留演出番号記憶手段は、主制御装置261と電気的に接続される制御装置において設けられ、ホール関係者による所定の操作が行われた場合に、検知履歴記憶手段及び保留演出番号記憶手段の記憶情報を読み出して、それを装飾図柄表示装置42において表示可能に構成してもよい。さらには、パチンコ機10が設置される遊技ホールのホールコンピュータに対しても、検知履歴記憶手段及び保留演出番号記憶手段に記憶される情報と同じ情報が出力されるように構成してもよい。この場合、例えば、「先読み対象変更演出」に関する勘違いに起因するトラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。
(n;普通図柄の保留)上記実施形態において、普通図柄表示装置41に関する変動表示が保留されていることを示す保留表示(普図保留アイコン)を装飾図柄表示装置42に表示するよう構成してもよい。さらに、かかる普図保留アイコンに関して、上記実施形態の保留アイコンのように、消化される順番を入れ替える等の演出を行うように構成してもよい。
例えば、通常モードの入球サポート抽選においても、当選した場合には、第2始動入賞装置33bが例えば4秒開放されるような当たり種別(ロング開放当たり)が設定され、普図保留アイコンでは、かかるロング開放当たりの教示、又は、示唆を行うように構成することとしてもよい。尚、時間短縮モードや確変モード中では、ロング開放当たりの教示、又は、示唆を止めたり、普図保留アイコンそのものの表示を止めたりすることとしてもよい。
(o)上記第2実施形態では、基本的に先行する先読み保留アイコン472との間隔に基づいて、先読み保留アイコン472(代理の先読み保留アイコン472等)を導出させるか否かを決定していたが、例えば、先行する先読み保留アイコン472との間の間隔だけでなく、該先読み保留アイコンに対応する変動情報の内容(大当たりの当否やリーチ種別等)にも基づいて、後続の先読み保留アイコンを導出するか否かを決定(現出抽選処理の当選確率を異ならせる等)してもよい。
また、間隔と、先読み保留アイコンを導出させる確率との対応関係についても、機種毎に適宜設定することができる。さらに、保留アイコン設定処理(図58参照)の第1現出抽選処理(ステップS7112)と、第2現出抽選処理(ステップS7119)とで参照されるテーブルを上記実施形態のように別々に設けることとしてもよいし、共通で使用するように構成してもよい。
(p)また、上記第2実施形態では、新規記憶保留エリアにキャラクタフラグがオン設定される場合に先読み保留アイコン472のパターンを決定する場合と、代理要求フラグをオン設定する場合に先読み保留アイコン472のパターンを決定する場合とで異なるキャラクタ決定テーブルが参照される程度であったが、先行する先読み保留アイコン472のパターンを参照して、当該先行する先読み保留アイコン472のパターンと被らないように、或いは、当該先行する先読み保留アイコン472のパターンとの組合わせによって所定の対応付けがなされている場合に所定の意義が生じるように、後行(代理)の先読み保留アイコン472の先読み保留アイコン472のパターンを決定したり、先行する先読み保留アイコン472のパターン及び対応する変動情報と、後行の先読み保留アイコン472のパターン及び対応する変動情報とを参照して、(順番等に基づいて)シナリオ演出のパターン等を決定したりするように構成してもよい。尚、シナリオ演出の開始契機は特に限定されるものではなく、例えば、シナリオフラグがオン設定されている状態でのデータシフト処理に際して行われる所定の抽選にて当選した場合にしなりをフラグを開始したり、或いは、遊技者の演出ボタン125等の入力操作に基づいて、変動表示を途中で途切れさせるような格好でシナリオ演出を開始させたりすることも可能である。
(q)上記第2実施形態では、保留表示エリア461において先読み保留アイコン472が複数表示されるような状況とならない限り、先読み保留アイコン472の対象とされる変動情報が変更されることがないように構成されているが、先読み保留アイコン472が表示されていない状態であっても、新たに保留情報記憶エリアに変動情報が記憶されることを契機として行われた保留先読み演出抽選処理で当選した場合に、先読み保留アイコン472をすぐに導出させるか否かの第1現出抽選処理を行うように構成してもよい。
さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアに対して複数の保留演出カウンタを設け、複数の保留エリア及び実行エリアにおいて複数の帰還フラグがオン設定された状態とされたり、複数の代理フラグがオン設定された状態とされたりもするように構成してもよい。
これらの構成を採用する場合、先読み保留アイコン472同士の間隔や順番等がより複雑に変化することとなり、先読み保留アイコン472が導出されてから消去されるまでの間の遊技性や演出性の向上等を図ることができる。
また、上記第2実施形態において、演出ボタン125の操作に基づいて、代理フラグがオン設定された保留エリアに対応する先読み保留アイコン472(代理のキャラクタオブジェクト474)を、帰還フラグがオン設定された保留エリアに対応する保留対応エリア463側に接近させるか否かの接近抽選処理が行われるように構成してもよい。加えて、接近抽選処理の結果、先読み保留アイコン472が実行対応エリア462側に移動する場合だけでなく、先読み保留アイコン472が実行対応エリア462から遠ざかる側に移動する場合もあるように構成してもよい。
(r)上記第2実施形態では、図68(d)、(f)に示すような第1先読み保留アイコン472の態様と、第2先読み保留アイコン472の態様とをまとめて、複数の保留対応エリア463を跨ぐ先読み保留アイコン472を導出させる場合、第1先読み保留アイコン472の態様、及び、第2先読み保留アイコン472の態様のうち、大当たり状態発生への期待度が高い方の期待度を最低でも有していることが望ましく、先読み保留アイコン472が統合された(合体した)分だけ、或いは、相乗的に、期待度が向上する場合があるように構成することがより望ましい。つまり、例えば、図68(d)に示すように、第1及び第2先読み保留アイコン472の対象を1つの変動情報にまとめてしまう場合、先読み保留アイコン472の対象となる変動表示が1つ減ってしまうことになるが、その分、期待度が高められたことを示す態様を導出させることで、遊技者の不満を抑制することができる。
(s;操作手段)上記第3実施形態において、演出ボタン125の操作時間を計測する操作時間計測手段としての操作時間計測タイマ、及び、演出ボタン125の規定時間当たりの操作回数を計数する操作回数計数手段としての操作回数計測カウンタのうち少なくとも一方を設けることとしてもよい。さらに、演出ボタン125により、操作時間計測タイマの計測時間が第1閾値を超えるか否か、或いは、操作回数計測カウンタの計測回数が第2閾値を超えるか否かによって、保留演出の各種抽選で使用される各種テーブルに関して、それぞれ異なるテーブルが選択されるように構成されることとしてもよい。例えば、演出ボタン125をオンした状態でルーレットが回転し続け、離すと止まるような演出や、演出ボタン125の上方に手をかざすと風船が膨らんだりしぼんだりする挙動が繰り返され、演出ボタン125を操作すると弾けるといったような演出を行うこととしてもよい。
この場合、1つの演出ボタン125で多様な入力を行うことができる。従って、保留アイコン471の態様を変化させるといった保留演出に関して遊技者の意思を反映させ易くした上で、所定の操作が保留アイコン471の態様の再設定の契機となる演出ボタン125の数を極力少なくしたり、操作性の向上を図ったり、操作への興味を強めたりすることができる。そして、演出ボタン125を極力少なくすることにより、演出ボタン125の操作を伴う演出について遊技者により理解してもらい易くすることができるとともに、演出ボタン125の設置に要するスペースの増大を抑制することができる。
さらに、例えば、装飾図柄表示装置42の枠部に設けられ、装飾図柄表示装置42の前方空間へ物体が近接したことを検知する近接検知センサ495の検知が保留アイコン471の再設定の契機となるような状態を設定してもよいし、演出ボタン125に近接した物体を検知可能なボタン接近検知センサを設け、演出ボタン125を操作する際の速度や、演出ボタン125の上方で演出ボタン125に触れずに手をかざしていた時間等に応じて、保留演出の各種抽選で異なるテーブルが選択されるように構成してもよい。さらに、ボタン近接検知センサの検知を契機として保留演出の再設定が行われるように構成してもよい。これらの構成を採用する場合には、保留アイコン471の態様を再設定する際の多様な入力を可能とすることができ、より多様な演出を行うことができる。
加えて、保留表示エリア461の各保留対応エリア463及び実行対応エリア462に対応するボタンやセンサを設けたり、保留表示エリア461を装飾図柄表示装置42とは別のタッチパネルに設けたりするように構成してもよい。この場合、各保留アイコン471を直接触れるような格好となるため、直感的な操作となり、分かり易い。従って、保留表示エリア461の視認態様、保留アイコン471の挙動に関してより興味を抱かせることができるとともに、保留表示の態様を再設定を見逃すといった事態を抑制することができる。さらに、操作を分かり易くすることにより、操作に戸惑ってタイムオーバーになったり、かかる操作用に比較的長めの時間を設定することで遊技テンポが悪くなってしまったりすること等を回避することができる。特に、複数の保留アイコン471に関して、複数の中からいずれかを選択するような操作を求められる場合に、対象とされる保留表示の選択をより分かり易く、確実に行えるようにすることができる。
(t;被覆手段)上記実施形態において、保留表示エリア461の前方に位置する被覆位置と、保留表示エリア461の前方位置から退避する退避位置との間を変位可能な被覆手段としての目隠し板を設けることとしてもよい。例えば、第3実施形態において、装飾図柄表示装置42の下枠部から上方に出没可能な目隠し板を各保留対応エリア463に対応させて8つ設け、保留演出が発生するかもしれないタイミングで被覆位置とされて、その後方に位置する保留アイコン471の全体、或いは、一部を隠し、保留演出が終了したタイミングで退避位置とされるように構成してもよい。また、目隠し板を各保留対応エリア463に対応させてそれぞれ複数設け、当該複数の目隠し板は、それぞれの視認態様の差異によって所定の情報を有し(図柄等がプリントされたシールが貼着されていたり、ドット表示装置や7セグメント表示装置等の表示装置によって構成されていたり等するとともに、期待度の示唆等を行い)、状態に応じて、被覆位置や退避位置とする目隠し板を選択決定するように構成してもよい。さらに、目隠し板を、前方からの視認面積を変化させるようにして回転可能に設けたり、保留アイコン471のシフト方向に沿って左右にスライド可能(保留アイコン471のシフト動作に追従して見せないように動作可能)に設けたりすることも可能である。
これらの構成を採用する場合、保留アイコン471や保留演出の態様変化と、目隠し板の動作とを組合わせて、より面白味のある演出を導出することができる。また、目隠し板が各保留アイコン471の全体を視認不可能又は視認困難とするまでに被覆した(全被覆位置とされた)場合には、保留アイコン471や保留演出の態様の変化する瞬間を見えなくしたりして、どのように変化したのか、或いは、変化しなかったかの演出性の向上を図ることができる。特に、目隠し板が、保留表示エリア461に表示される各保留アイコン471を個別に被覆可能なため、複数ある保留アイコン471のうち、注目してほしい保留アイコン471を限定させることもでき、態様変化が行われたか否かをより認識してもらい易くすることができる。さらに、目隠し板が保留アイコン471の一部を視認不可能又は視認困難とするまでに被覆した(部分被覆位置とされた)場合には、保留アイコン471や保留演出の態様と、目隠し板の態様とを組合わせて、より面白味のある態様を導出する(目隠し板の脇から保留アイコン471の一部が見え隠れするが、それがどの保留アイコン471であるのかについては、いくつかのパターンには絞り込めるが、正確には分かり難い等)ことができる。
また、目隠し板は、装飾図柄表示装置42のうち保留表示エリア461のみを被覆可能であり、演出表示手段としてのメイン表示エリア468については、目隠し板で隠されることはない。このため、例えば、被覆手段が装飾図柄表示装置42の表示部全体を被覆するような構成に比べ、保留表示エリア461の態様に注目してもらうことができ、保留表示エリア461における態様変化をより認識してもらい易くすることができる。また、被覆位置にある被覆手段によって装飾図柄表示装置42のその他の部位の視認を妨げることを回避することができる。結果として、被覆手段を利用した演出のタイミングの自由度を向上させることができる。
尚、被覆手段は特に可動式の役物に限定されるものではなく、保留表示エリア461の前方に配設されたEL表示装置や、液晶表示装置等によって構成されてもよい。また、目隠し板を複数の保留アイコン471の前方を覆うことのできるように構成してもよい。さらに、半透明の素材でプリズム状(凹凸状)に構成したり、網目状にしたりして、保留アイコン471の態様がぼやけて見えるようにしてもよい。加えて、被覆位置とされた目隠し板の後方には、必ず保留アイコン471が存在するように構成してもよいし、目隠し板が保留アイコン471が導出されていない部位にも被覆位置とされるように構成してもよいし、目隠し板が被覆位置とされることで、当該目隠し板によって保留があることを教示するように構成してもよい。
(u)上記実施形態では特に言及していないが、保留表示エリア461において保留アイコン471の態様変化(保留演出等)が行われる場合に、装飾図柄表示装置42のメイン表示エリア468において、保留アイコン471の態様変化の前後で視認態様が変化する視認変化オブジェクトを表示可能に構成されていることとしてもよい。この場合、遊技者の注意が保留表示エリア461に集まるなか、装飾図柄表示装置42のその他の部位においてひっそりと(効果音などを伴わずに)視認態様が変化することで、その後、遊技者の注意がメイン表示エリア468の方に移った場合に、視認態様の変化に気付くことで、驚きと面白みとを感じてもらうことができる。
(v)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(w)上記実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理の結果(当否フラグ等の状態)に応じて変動表示のパターン等が決定されるように構成してもよい。
(x)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
例えば、スロットマシンに具体化する場合、始動操作手段(スタートレバー)の操作を検知する始動検知手段の検知に基づいて開始された可変表示手段における識別情報(各種図柄が付されたリール等)の変動表示(回転)が、停止操作手段(ストップボタン)の操作に基づいて停止表示されるまでを1ゲームとし、始動検知手段の検知に基づいて行われる当否抽選(所謂、ボーナス、アシストタイム、アシストリプレイタイム等の遊技者にとって有利な特別状態を付与するか否かの抽選)等の各種抽選に基づく結果のなかには、当該始動検知手段の検知に基づいて行われる可変表示手段の変動表示が行われたゲームの所定ゲーム数後に教示される先延ばし結果(各種当否抽選の結果、特定の演出を導出するか否かの抽選の結果等のなかから、機種毎に適宜設定可能)が存在するような構成とし、かかる先延ばし結果の内容を、上記実施形態の保留アイコンのように示唆又は教示するよう構成し、かかる保留アイコンに関して、順番を入れ替える等の演出を行うこととしてもよい。
(y)上記第1実施形態では、保留前移動演出(保留表示エリア461において先読み保留アイコン472を変動表示の実行順で後の位置から前の位置に移動させる先読み対象変更演出)が行われる場合、予め留保フラグがオン設定されている状態でないと解除フラグがオン設定されない、すなわち、保留前移動演出が行われないように構成されているが、変動情報が保留情報記憶エリアに新たに記憶された(新規保留された)段階で、当該変動情報に対応して先読み保留アイコン472を導出させた後、当該先読み保留アイコン472を、既に保留情報記憶エリアに記憶されている変動情報に対応するようにして移動させるように構成してもよい。例えば、実行フラグがオンされた場合に、先読み対象変更演出の種別を決定し、保留前移動演出が選択された場合には、保留情報記憶エリアの変動情報が記憶されている保留エリアの上限ランク記憶エリアを(先に消化されるものから)参照し、所定ランク以上の変動情報を確認した場合に、かかる変動情報を先読み保留アイコン472の移動先として設定するとともに、かかる変動情報の上限ランク又は実行ランクに基づいて、新規保留に対応した(仮で出す)先読み保留アイコン472の態様を決定するように構成してもよい。尚、当該構成では、先読み保留アイコン472が導出されない場合であっても、各変動情報に対応して、上限ランク及び実行ランクを決定し、記憶するものとする。
また、保留交換演出、保留後移動演出についても、予め第1交換フラグや変更前フラグを設定するのではなく、新規保留が行われた段階で、保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が表示されている状態か否かを判別し、肯定判別された場合に、保留後移動演出や保留交換演出を導出するのか、又は、実行フラグをオンして単純に先読み保留アイコン472を導出するのか、或いは、通常の保留アイコン471を表示させる処理を行うだけなのかを決定するように構成してもよい。この場合にも、保留情報記憶エリアに記憶されている変動表示について、先読み対象変更演出の対象としてふさわしいかについて把握し易くするために、各変動情報に対応して、上限ランクや実行ランクが決定され、記憶されていることが望ましい。
(z)
(z−1)上記第1実施形態において、保留先読み演出抽選処理(図38の保留アイコン設定処理参照)に先立って、保留情報記憶エリアにおいて、実行フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグがオン設定されている変動情報が記憶されているか(保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が表示されているか)否かを判別し、記憶されていない場合には、上記実施形態のように保留先読み演出抽選処理を行い、記憶されている場合には、留保フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグ、変更前フラグはオン設定されないように(実行フラグのみがオン設定される可能性があるように)構成してもよい。この場合、保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が3つ以上表示された状態において、一番先に消化される先読み保留アイコン472に関係のない(絡みのない)先読み対象変更演出が導出されるといった事態を回避することができる。従って、一番先に消化される先読み保留アイコン472ではなく、それよりも後で消化される先読み保留アイコン472に関して先読み対象変更演出が行われることで、遊技者の興味が、後に行われる先読み保留アイコン472の方に傾倒してしまい、一番先に消化される先読み保留アイコン472に関する興味がなくなる(先読み保留アイコン472の価値がなくなる、無駄になる)といった事態を回避することができる。結果として、先読み保留アイコン472に対応する変動表示を、順を追って堪能していくことができる。
尚、留保フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグがオン設定されている変動情報が複数保留記憶された状態となる可能性があるように構成してもよいが、その後、解除フラグ、変更先フラグ、第2交換フラグがオン設定された場合には、留保フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグがオン設定されている変動情報のうち先に消化される変動情報を対象として、先読み対象変更演出が導出されるように構成することとする。
(z−2)また、例えば、保留前移動演出、保留交換演出、保留後移動演出を行う場合に、変更前フラグ、第1交換フラグ、変更前フラグがオン設定されている変動情報よりも先に消化される変動表示に対して、実行フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグがオン設定されている変動情報が記憶されているか(保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が表示されているか)否かを判別し、記憶されている場合には、保留前移動演出、保留交換演出、保留後移動演出が行われないように構成してもよい。この場合においても、保留表示エリア461に先読み保留アイコン472が3つ以上表示された状態において、一番先に消化される先読み保留アイコン472に関係のない(絡みのない)先読み対象変更演出が導出されるといった事態を回避することができる。
(z−3)さらに、上記(z−1)や(z−2)のように、先読み対象変更演出の対象とされた変動情報よりも先に消化される変動情報に対応して先読み保留アイコン472が導出されている場合には先読み対象変更演出を行わないといった構成ではなく、例えば、上記(y)のように、留保フラグ、変更前フラグ、第1交換フラグを省略し、保留表示エリア461で表示されている先読み保留アイコン472のうち一番先に消化される先読み保留アイコン472に絡むように先読み対象変更演出の設定を行うように構成してもよい。その場合、先読み対象変更演出の導出機会の低減を抑制することができる。
具体的に、例えば、新規保留が行われた段階で、先読み保留アイコン472を導出させる権利を付与するか否かの権利付与抽選(図38の保留アイコン設定処理の保留先読み演出抽選処理と同じような抽選で可)を行い、権利付与抽選に当選した場合に、先読み保留アイコン472を単に表示させる処理を行うのか、或いは、先読み対象変更演出を行うのかを決定する。
そして、先読み対象変更演出の「保留前移動演出」を行う場合には、先読み保留アイコン472の移動先を探す処理を行う。つまり、先読み対象変更演出は、大当たり期待度を高めるための演出であることから、例えば、当たりに対応する変動情報、又は、上限ランクが4以上の変動情報がなければ、保留前移動演出の導出を中止する。また、対象の変動情報が存在していても、保留表示エリア461に表示されている先読み保留アイコン472の変動情報であったり、該変動情報よりも後で消化される変動情報であったりする場合にも、保留前移動演出を中止する。尚、「保留前移動演出」に関する処理に関しては、上記実施形態のように、予め留保フラグの設定を行っておくことによって、移動先の変動情報を探しても無駄になるといった事態を回避することができ、効率が良い。
また、先読み対象変更演出の「保留後移動演出」を行う場合には、新規保留に対応する保留アイコン471として移動させてくる先読み保留アイコン472を探す処理を行う。ここで、先読み保留アイコン472が表示されているか否かの確認は、先に消化される変動情報から順番に行う。先読み保留アイコン472が表示されていない状態では、保留後移動演出を中止する。さらに、先読み保留アイコン472を見つけた場合には、対応する変動情報を参照して、保留後移動演出で使用してもよい先読み保留アイコン472であるか否かを判別する。ここで、例えば、当たりに対応するものや、実行ランクが4以上のものであった場合には、保留後移動演出を中止する。加えて、保留後移動演出で使用してもよい先読み保留アイコン472であるかの確認は1回だけであり、先読み保留アイコン472が複数表示されている状態であっても、2番目以降に消化される先読み保留アイコン472に関しての確認は行われない。尚、「保留後移動演出」に関する処理に関しては、上記実施形態のように、当該先読み保留アイコン472が後に別の変動情報に対応するようにして移動してしまう可能性があることを念頭に、留保フラグの設定とともに、態様ランク(実行ランク)の設定を行うことによって、例えば、移動元の先読み保留アイコン472は実際に大当たり期待度が高いので先読み保留アイコン472が設定されているために、移動させ難い、又は、移動先として、移動元と同程度或いはそれ以上の大当たり期待度となるような適当な変動情報が、移動元が消化される前までになかなか保留記憶される機会がないといった事態を回避することができ、効率が良い。
さらに、先読み対象変更演出の「保留交換演出」を行う場合には、保留交換演出の対象とされる2つの変動情報を決定する処理を行う。つまり、先読み保留アイコン472が導出されている変動情報があるか否かを先に消化される方から確認する。先読み保留アイコン472が導出されている変動情報が見つからなかった場合には、保留交換演出を中止する。一方、先読み保留アイコン472が導出されている変動情報を見つけた場合、該変動情報の第1交換フラグをオンする。さらに、残りの変動表示について、先読み保留アイコン472が導出されているかを確認し、見つけられなかった場合には、新規保留の変動情報の第2交換フラグをオンする。このとき、新規保留の先読み保留アイコン472の態様は、第1交換フラグがオンされた変動情報の上限ランクを参照して決定され(強制的に上書きされ)、次のシフト処理に際して、第1交換フラグに対応する先読み保留アイコン472と、第2交換フラグに対応する先読み保留アイコン472とが交換される保留交換演出が行われる。尚、第1交換フラグに対応する変動情報の実行ランクが上限ランクと同じだった場合には、保留交換演出を中止することとしてもよい。
また、所定の変動表示の第1交換フラグをオンした後、残り全ての変動情報に関して、先読み保留アイコン472が導出されているか否かを判別して、先読み保留アイコン472が導出されている変動情報、及び、新規保留の変動情報の中から実行ランクの最も高い変動情報を選択し、第2交換フラグをオンする。実行ランクが最も高い変動情報が複数存在する場合には、先に消化される変動情報の第2交換フラグをオンする。
さらに、第1交換フラグがオンされた変動情報の実行ランクと、第2交換フラグがオンされた変動情報の実行ランクとを比べ、第2交換フラグの変動情報の実行ランクの方が低い場合には、第1交換フラグ及び第2交換フラグをオフし、保留交換演出を中止する。
当該構成を採用することで、一番先に消化される先読み保留アイコン472と絡まない先読み対象移動演出が行われることで、遊技者の興味が、後に行われる先読み保留アイコン472の方に傾倒してしまい、一番先に消化される先読み保留アイコン472に関する興味がなくなるといった事態を回避することができる。また、保留表示エリア461の見た目において、先読み対象変更演出が行われることで、一番先に消化される先読み保留アイコン472の大当たり期待度が、その時点では最も高くなるような格好となることから、一番先に消化される先読み保留アイコン472に対応する変動表示を確実に盛り上げることができる。
尚、権利付与抽選は、シフト処理が行われる段階で行われ、当選した場合には、先読み対象変更演出の対象とする2つの好適な変動情報を選択するように構成してもよい。また、保留表示エリア461において先読み保留アイコン472が3つ以上表示される状態において先読み対象変更演出が行われる場合に、かかる複数の先読み保留アイコン472のうち少なくとも一番先に消化されることとなる先読み保留アイコン472を先読み対象変更演出の対象とするように構成するための処理や、先読み対象変更演出が行われた(先読み対象変更演出が成功するか否かの演出が行われるような場合には、かかる演出が成功して先読み対象変更演出が行われた)場合に、かかる複数の先読み保留アイコン472のうち一番先に消化されることとなる先読み保留アイコン472の態様ランク(大当たり期待度)が最も高くなる(同点の先読み保留アイコン472があるように構成してもよいし、同点の保留アイコン472がなくなるように構成してもよい)ように構成するための処理については特に言及されるものではなく、適宜設定することができる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
近年では、変動表示が行われている状態において当否抽選が行われた場合に、該当否抽選に対応する変動表示が保留されるように構成されているものが多い。このような遊技機には、一般に、保留されている変動表示の数を把握可能とする保留表示を導出可能な保留表示手段が設けられている。さらに、保留されている変動表示が実行される前段階において、所定の変動表示の内容を示唆する演出(所謂、保留先読み演出)が、前記所定の変動表示に対応する保留表示に対して行われるものがある。
また、近年、始動入球手段が複数個設けられるとともに、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて行われた当否抽選にて当選した場合に付与される特別遊技状態の種別の振分けに関し、第2始動入球手段への入球に基づく振分けの方が、第1始動入球手段への入球に基づく振分けよりも、遊技者にとってより有利な特別遊技種別が選択され易くなっているといったものがある。また、保留表示手段では、保留されている変動表示が、第1始動入球手段への遊技球の入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入球手段への遊技球の入球に基づく第2変動表示のどちらなのかを識別可能とされるものもある。
ところで、複数の変動表示が保留されている状態において、そのうちのいずれかに関して、保留先読み演出が行われた場合、対象外とされた変動表示に対して、遊技者は、それ程関心を示さなくなってしまうことが懸念される。すなわち、遊技者の心象として、保留先読み演出の行われた変動表示への関心が高められる一方で、それ以外の変動表示への関心が相対的に低下してしまうことが懸念され、当該対象外の変動表示の消化に際して、マイナスのイメージを抱いてしまう(どうせ当選しないのだから、早く終わって欲しい等と考えてしまう)おそれがある。
特に、例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示の両方が保留されている状態において、第1変動表示の保留に対して、特別遊技状態への期待度が高められる保留先読み演出が行われた場合には、当否抽選にて当選した場合に第1変動表示よりも有利になり易い第2変動表示の当選期待度が相対的に低下するといった事態を招くこととなる。このため、「第2変動表示の保留に対して保留先読み演出が導出されて欲しかった」等というマイナスのイメージが発生することが懸念され、結果的に、興趣の低下を招いてしまうおそれがある。
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、保留先読み演出を行うことで、より確実に興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において識別情報を変動表示させた後、前記当否抽選の結果に基づく前記識別情報を停止表示可能な表示制御手段とを備える遊技機において、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記保留表示の態様が、当該保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する特定態様とされる保留先読み演出と、
所定の前記当否関連情報に対応する第1保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記第1保留表示から第2保留表示に変更され、前記第2保留表示の態様が前記特定態様とされる先読み対象変更演出とを導出可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、第2保留表示に対して現段階では保留先読み演出が導出されていなくても、当該第2保留表示に対応する識別情報の変動表示が実行されるまでに、第1保留表示に対応して導出されていた保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が第2保留表示となるように変更され、当該第2保留表示に対応して保留先読み演出が導出されるといった可能性が残されるように構成されている。従って、保留先読み演出が導出された保留表示と、導出されていない保留表示とが存在することに起因して、遊技者の感情として、保留先読み演出が導出されない保留表示に対する興味が相対的に低下してしまい(保留先読み演出の特定態様が特別遊技状態への発生期待度を示唆するものである場合には、保留先読み演出が導出されない保留表示の期待度が相対的に低下してしまい)、かかる保留表示に対応する識別情報の変動表示に対してマイナスのイメージを持ってしまう(どうせ当たらないのだから、早く終わって欲しい等と考えてしまう)といった事態を回避することができる。結果として、保留先読み演出を行うことによるマイナス面を解消することができ、保留先読み演出を行うことで、より確実に興趣の向上を図ることができる。
尚、「所定の前記当否関連情報に対応する第1保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記第1保留表示から第2保留表示に変更され、前記第2保留表示の態様が前記特定態様とされる」とは、「所定の当否関連情報に対応する第1保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、前記第1保留表示に関する前記保留先読み演出が消去されるとともに、前記第1保留表示に対して導出されていた前記保留先読み演出の態様の少なくとも一部を引き継いだ態様、又は、同一の態様の前記保留先読み演出が、前記保留表示手段に表示されている前記保留表示のうち、前記第1保留表示とは別の第2保留表示に対応して導出される」という趣旨を含むものである。
また、複数の保留表示に対して保留先読み演出が導出された状態となり得るように構成してもよい。つまり、例えば、特別遊技状態発生期待度の高い第1保留先読み演出と、低い第2保留先読み演出とが導出された状態では、第2保留先読み演出の対象とされている保留表示についても、遊技者の関心が薄れがちになることが懸念されるが、第1保留先読み演出及び第2保留先読み演出の対象が変更される可能性を有することにより、どの保留表示についても期待を持てるようにすることができる。
手段A−2.前記条件成立検知手段は、第1条件が成立したことを検知する第1条件成立検知手段と、第2条件が成立したことを検知する第2条件成立検知手段とを備え、
前記条件成立検知手段の検知を契機として行われた前記当否抽選にて当選した場合に付与される前記特別遊技状態の種別の振分けに関し、前記第2条件成立検知手段の検知に対応する振分けの方が、前記第1条件成立検知手段の検知に対応する振分けよりも、遊技者にとってより有利な種別が選択され易く構成され、
前記保留表示手段では、前記保留表示の態様によって、前記当否関連情報が記憶されている前記保留記憶手段の前記記憶領域の数を把握可能とするとともに、前記保留記憶手段の前記各記憶領域に記憶されている前記当否関連情報が、前記第1条件成立検知手段の検知に基づく第1当否関連情報、及び、前記第2条件成立検知手段の検知に基づく第2当否関連情報のどちらなのかを識別可能に構成され、
前記保留表示手段において、前記第1当否関連情報に対応する第1保留表示、及び、前記第2当否関連情報に対応する第2保留表示の両方が表示されている状態において、前記第1保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記第1保留表示から、前記第2保留表示に変更可能に構成されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、第1当否関連情報に対応する識別情報の変動表示(第1変動表示)で特別遊技状態に当選するよりも、第2当否関連情報に対応する識別情報の変動表示(第2変動表示)で特別遊技状態に当選する方が、遊技者にとってより有利な特別遊技状態の種別が選択され易くなっているため、遊技者は、できれば第2変動表示で特別遊技状態に当選して欲しいと考える。ところが、例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示の両方が保留されている状態において、第1変動表示の保留表示に対して、特別遊技状態への期待度が高められる保留先読み演出が導出された場合には、第2変動表示の保留表示に対して保留先読み演出が導出されればよかったのにと落胆してしまうことが懸念される。さらに、遊技者によっては、保留先読み演出が導出された第1変動表示の保留表示に対する特別遊技状態への期待度が高められる分、保留先読み演出が導出されなかった第2変動表示の保留表示に対する特別遊技状態への期待度が相対的に低下したのではないかという印象を受けてしまうことが懸念される。この場合、保留先読み演出に対するマイナスのイメージがより強くなってしまい、結果的に、興趣の低下を招いてしまうおそれがある。
この点、上記手段A−1に記載されるように、所定の当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出された後でも、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記所定の当否関連情報に対応する保留表示から、それ以外の保留表示に変更可能に構成することによって、保留先読み演出が第1変動表示の第1保留表示に対して導出されたとしても、保留先読み演出の対象が第1変動表示から第2変動表示に変更されることへの期待を持つことができる。従って、上記懸念を払拭することができる。
さらに、例えば、保留先読み演出が第2変動表示の第2保留表示に対して導出されていても、第1変動表示の第1保留表示に変更される可能性も残されるように構成する場合には、遊技性に緊張感を持たせることができる。すなわち、所望とする保留表示に保留先読み演出が導出された場合に、そのまま導出対象が変わらずに対応する変動表示が消化されて欲しいといった具合に、熱心に保留表示の挙動を確認し堪能することができる。尚、保留先読み演出の導出対象が規定回数の変動表示が行われる間にずっと変わらなければ、それ以降も変わらないように構成してもよい。
尚、例えば、保留先読み演出が第2変動表示の保留表示に対して導出された後、それ以上の変更は行われないということを示すホールド演出が導出されるように構成してもよい。この場合、演出機会を増やすとともに、いざホールド演出が導出されることで安心感という特典を付与することができる。また、例えば、保留先読み演出の対象が、第1保留表示から第2保留表示に変更される場合はあるが、第2保留表示から第1保留表示に変更される場合はないように構成されていることとしてもよい。この場合、保留先読み演出の対象が変更されるといった先読み対象変更演出において、遊技者にとって喜ばしくないパターンが存在するといった事態を回避することができる。結果として、先読み対象変更演出を遊技者にとって好ましい現象とすることができ、保留先読み演出の発生を期待するといった遊技性をより確実なものとすることができる。
手段A−3.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検知する前記条件成立検知手段としての始動入球検知手段とを備え、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に前記当否抽選が行われる構成であって、
前記始動入球手段は、
遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な入球開口部と、入球開口部に入球した遊技球が入球可能な左右一対の第1入賞口及び第2入賞口と、入球開口部に入球した遊技球を第1入賞口及び第2入賞口に交互に案内する振分け装置とを具備する特定始動入球手段を少なくとも含み、
前記始動入球検知手段として、前記第1入賞口に入球した遊技球を検知する第1始動入球検知手段が設けられるとともに、前記第2入賞口に入球した遊技球を検知する第2始動入球検知手段が設けられ、
前記保留記憶手段には、前記第1始動入球検知手段の検知に基づいて取得された第1当否関連情報を、所定数を上限として記憶可能に構成されるとともに、前記第2始動入球検知手段の検知に基づいて取得された第2当否関連情報を、所定数を上限として記憶可能に構成され、
前記第1始動入球検知手段により前記第1条件成立検知手段が構成され、前記第2始動入球検知手段により前記第2条件成立検知手段が構成されていることを特徴とする手段A−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、特定始動入球手段に遊技球を入球させていくだけで、遊技球を第1入賞口及び第2入賞口に交互に入球させることができ、第1当否関連情報及び第2当否関連情報(変動表示)を効率よく保留記憶させていくことができる。
その一方で、保留表示手段において、第1当否関連情報に対応する第1保留表示、及び、第2当否関連情報に対応する第2保留表示の両方が表示された状態とされる機会が増えることとなる。そこで、第1条件成立検知手段の検知を契機として行われる当否抽選にて当選した場合よりも、第2条件成立検知手段の検知を契機として行われる当否抽選にて当選した場合の方が、遊技者にとって有利になる可能性が高いと認識している遊技者は、保留先読み演出が第1保留表示及び第2保留表示のうち第1保留表示に対して導出されることに辟易としてしまい、保留先読み演出によって興趣の低下を招いてしまうといった可能性を高めてしまうことが懸念される。このような構成において、上記手段A−2に記載のように、保留先読み演出が、第1保留表示に対して導出された後も、かかる保留先読み演出の導出の対象が、前記第1保留表示から、第2保留表示に変更される可能性が残されるといった構成を採用することによって、上記不具合を大幅に抑制することができ、保留先読み演出を行うことで興趣の向上を図るといった作用効果がより顕著に奏されることとなる。
手段A−4(制御例1、後から前).前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の導出状況に関する導出情報を記憶する導出情報記憶手段が設けられ、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶された場合に、当該当否関連情報に対応した前記保留先読み演出の設定を行う保留演出設定処理が行われ、前記保留演出設定処理の結果が前記導出情報記憶手段に記憶される構成であって、
前記導出情報記憶手段には、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使したことを示す保留演出実行フラグ、及び、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使していないことを示す保留演出留保フラグを設定可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4によれば、保留表示が導出された時点で、当該保留表示に対して保留先読み演出が導出されなくても、その後のタイミングで、当該保留表示に対して保留先読み演出を導出させることができる。これにより、保留先読み演出が導出されるかもしれないといった遊技者の期待を保留表示に対応する変動表示が実行されるまで持続させることができ、保留先読み演出を行うことで興趣の向上を図るといった作用効果がより一層奏されることとなる。
また、上記手段A−1のように、「保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を変更可能」とされていても、変更先の保留表示に対応する変動表示の内容が、保留先読み演出の示唆内容に見合うものでなければならない。つまり、例えば、既に保留記憶手段の所定の記憶領域に記憶されている当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出を後付けで導出しようとする場合、当該当否関連情報を(もう一度)参照して、保留先読み演出を導出させるのに値するような内容であるか否かを判別し、否定判別された場合には、保留先読み演出の導出を取り止める、或いは、保留記憶手段のその他の記憶領域に記憶されている当否関連情報についても、保留先読み演出を導出させるのに値するようなものが見つかるまで、内容を確認する処理を続けるといった具合に、当否関連情報が取得された際(始動入球時)の処理が膨大になってしまうことが懸念される。
この点、手段A−4によれば、当否関連情報が取得された際に設定され得る保留演出留保フラグを確認すれば、保留先読み演出を導出させることのできる当否関連情報が記憶されているか否かを簡単に把握することができる。従って、闇雲に保留先読み演出を導出させるのに値する当否関連情報を探し続けるといった処理を行わなくとも済むため、後付けで保留先読み演出を行うことを決定する構成において、いざ決定された場合の処理が複雑化し、場合によっては処理落ち等を招いてしまうといった事態を防止することができる。
また、手段A−2に対応して、「前記第2当否関連情報が取得され、かつ、保留先読み演出の実行が決定された場合、対応する前記第2保留表示が、前記保留表示手段において、前記第1保留表示とともに表示される可能性があるか否かを判別し、表示される可能性があると判別された場合には、表示されないと判別される場合に比べ、前記保留演出留保フラグが設定される割合が高められること」としてもよい。この場合、保留先読み演出の対象が、第1の保留表示から第2の保留表示に切替えられるといった先読み対象変更演出のなかでも最もうれしいパターンが発生する機会を増やすことができる。
手段A−5.前記導出情報記憶手段には、前記保留演出留保フラグが設定されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記保留先読み演出を導出させる権利を行使させる(前記保留先読み演出を導出させる)ことを示す留保解除フラグを設定可能に構成され、
前記保留演出設定処理が行われた場合に、前記保留演出実行フラグ、前記保留演出留保フラグ、及び、前記留保解除フラグの設定が行われる構成であって、
前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の態様に関する態様情報を記憶する態様情報記憶手段が設けられ、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記保留演出実行フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されるとともに、当該保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記決定された態様の保留先読み演出が導出され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記保留演出留保フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記保留演出留保フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記留保解除フラグが設定された場合には、
当該留保解除フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記保留演出留保フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されている態様情報に基づいて決定された態様の前記保留先読み演出が(仮の保留先読み演出として)導出され、
その後、当該(仮の)保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記留保解除フラグが設定された前記記憶領域の前記当否関連情報に対応する保留表示から、前記保留演出留保フラグが設定された前記記憶領域の前記当否関連情報に対応する保留表示に変更される(ことで、前記仮の保留先読み演出が、真の保留先読み演出として導出される)ことを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−5によれば、保留演出留保フラグが設定された当否関連情報の後に、当否関連情報がその内容を問わず記憶されただけで、必ず保留演出留保フラグが設定された当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されることを回避することができる。さらに、保留演出留保フラグが設定された当否関連情報の後に、保留演出実行フラグが設定された当否関連情報が記憶されなければ、保留演出留保フラグが設定された当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されないといった事態を回避することができる。これにより、所定の当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出された後に、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記所定の当否関連情報に対応する保留表示から、それよりも前の保留表示に変更するといった演出機会が多過ぎたり、少な過ぎたり、一義的になり過ぎたりすることを回避することができる。結果として、演出性及び遊技性の向上等を図ることができる。
尚、保留記憶手段に記憶されている複数の当否関連情報に保留演出留保フラグが設定されている状態で留保解除フラグが設定された場合に、保留演出留保フラグが設定されている全ての当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出を導出するように構成してもよいし、保留演出留保フラグが設定されている当否関連情報のうちのいずれかにのみ保留先読み演出を導出する(例えば、新しく記憶されたものから先に記憶されたものへと順番に保留演出留保フラグが設定されているか否かを判別し、保留演出留保フラグが設定されていると判別された段階で、保留演出留保フラグの確認処理を終了する)ように構成してもよい。
また、保留先読み演出が最終的な示唆を行う(真の保留先読み演出とされる)までの間に対象とされる保留表示が変更される回数の上限については1回に限定されるものではなく、複数回変更される場合があってもよい。尚、対象とされる保留表示の変更回数が多いほど、特別遊技状態の発生期待度が高くなるように構成してもよいし、対象とされる保留表示の変更に際しての法則が崩れた(レアな変更パターンが選択された)場合には、特別遊技状態の発生期待度が飛躍的に高まる、或いは、発生が確定するように構成してもよい。
尚、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して前記保留演出実行フラグが設定される場合、既に前記保留演出留保フラグが設定されている前記当否関連情報が存在するか否かを判別し、存在すると判別された場合に、前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して、(前記保留演出留保フラグに代えて)前記留保解除フラグを設定可能に構成されること」としてもよい。
手段A−6(制御例2、前から後).前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の導出状況に関する導出情報を記憶する導出情報記憶手段が設けられ、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶された場合に、当該当否関連情報に対応した前記保留先読み演出の設定を行う保留演出設定処理が行われ、前記保留演出設定処理の結果が前記導出情報記憶手段に記憶される構成であって、
前記導出情報記憶手段には、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使したことを示す保留演出実行フラグと、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使したが、該権利を譲渡する可能性があること(該保留先読み演出の対象が変更される可能性があること)を示す変更前フラグと、
前記変更前フラグに対応する前記保留先読み演出を導出させる権利が譲渡されること(前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して導出されている前記保留先読み演出の変更先であること)を示す変更先フラグとを設定可能に構成され、
前記保留演出設定処理が行われた場合に、前記保留演出実行フラグ、前記変更前フラグ、及び、前記変更先フラグの設定が行われる構成であって、
前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の態様に関する態様情報を記憶する態様情報記憶手段が設けられ、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記保留演出実行フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されるとともに、当該保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記決定された態様の保留先読み演出が導出され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記変更前フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記変更前フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されるとともに、当該変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記決定された態様の保留先読み演出が導出され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記変更先フラグが設定された場合には、
前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して導出されていた前記保留先読み演出の対象が、前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示から、前記変更先フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に変更されることを特徴とする手段A−1乃至A−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−6によれば、先に記憶された当否関連情報に対応する保留表示に対して導出されていた保留先読み演出の対象を、その後に記憶された当否関連情報に対応する保留表示へと変更することができる。従って、保留先読み演出の対象が変更されるのではないかという状況をより多くつくることができ、遊技の進行に緊張感を付与し、倦怠感の抑制等を図ることができる。また、複数の保留表示が連動する演出となることから、例えば、複数の保留表示においてそれぞれ単独で保留先読み演出を導出する場合に比べて、演出性の向上等を図ることができる。
手段A−7.前記保留先読み演出は、自身の態様により前記特別遊技状態の発生期待度を示唆するとともに、前記特別遊技状態の発生期待度に応じてランク付けされた複数パターンの態様が用意され、
前記保留先読み演出の態様の決定に際しては、前記当否関連情報に基づいてランクの上限を決定するとともに、当該上限ランク以下のランクのなかから選択される実行ランクとを決定するように構成され、
前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に関する前記保留先読み演出の態様の決定に際しては、前記実行ランクの選択に際して、前記上限ランク以下とする条件の他にも、規定ランク以下とする条件が設定され、
前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記実行ランクに対応する態様の前記保留先読み演出が導出されることを特徴とする手段A−6に記載の遊技機。
変更前フラグが設定された所定の記憶領域に記憶されている所定の当否関連情報に対応する保留表示に対して導出された所定の保留先読み演出は、その後、別の当否関連情報が記憶された記憶領域に変更先フラグが設定された場合に、当該所定の保留先読み演出の対象が、前記別の当否関連情報に対応する保留表示に変更されることとなる。このため、所定の保留先読み演出の態様のランクが高すぎると、当該ランクに見合う当否関連情報が保留記憶されるまで、変更先フラグを設定することができなくなる。
これに対し、手段A−7のように、変更前フラグの保留先読み演出のランクを極力低く設定することで、かかる懸念を抑制することができ、演出の機会が極端に少なくなるといった事態を回避することができる。さらに、導出される態様ランクが高くない(上、変更前フラグの設定条件をある程度限定している)ため、変更先フラグがオン設定されることなく、変更前フラグがオン設定された当否関連情報に対応する変動表示が消化されてしまうとしても、特に違和感等を与えることなく、遊技を進行させることができる。
手段A−8.前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報が前記特別遊技状態の発生に対応するものである場合には、当該当否関連情報に関して前記変更前フラグは設定されないことを特徴とする手段A−6又はA−7に記載の遊技機。
例えば、所定の保留表示に対応して導出されていた保留先読み演出が、それよりも後の保留表示に対応するように変更されたのではあるが、保留先読み演出が当初導出されていた前記所定の保留表示に対応する識別情報の変動表示において特別遊技状態が発生した(変更後に保留先読み演出が導出された保留表示に対応する変動表示では特別遊技状態が発生しない)といった具合に、保留先読み演出の信憑性が著しく低下してしまうおそれがある。
この点、手段A−8によれば、変更前フラグを設定する場合に、保留先読み演出の対象が変更される前の当否関連情報が当否抽選にて当選しないものであること(「外れ」であること)を確認していることから、上記懸念を払拭することができる。
尚、特別遊技状態の前後において、保留先読み演出の態様決定の判断基準が変化する可能性がある機種においては、「保留演出実行フラグが設定されている前記当否関連情報が前記特別遊技状態の発生に対応するものであると判別された場合に、前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して、前記保留演出実行フラグの設定を止めること」が望ましい。
手段A−9.前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示を変更させることが決定された場合、前記保留先読み演出の対象が変更される前の前記保留先読み演出の態様の少なくとも一部を保ったまま、前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示が変更されることを特徴とする手段A−1乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されても、保留先読み演出の態様の少なくとも一部が保たれている(例えば、態様の変化はなく、同一である)ことから、先ほどまで第1の保留表示に対応していた保留先読み演出が、第1の保留表示に対応するのではなく、第2の保留表示に対応するように変更されたのだということ、ひいては、保留先読み演出によって示唆される内容は、第1の保留表示に対応する第1変動表示についてのものではなく、第2の保留表示に対応する第2変動表示についてのものであることをより理解し易くすることができる。
また、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されたとしても、保留先読み演出の態様、ひいては、示唆内容については踏襲されていることを認識してもらうことができる。つまり、例えば、特別遊技状態の発生期待度が高まる保留先読み演出の対象が第1の保留表示から第2の保留表示へと変更された場合、第1の保留表示については期待度が低下することになる。そこで、第1の保留表示について導出されていた保留先読み演出の示唆内容(例えば、特別遊技状態の発生期待度)が担保されていなければ、遊技者が不安感や不信感を抱くことが懸念される。この点、本手段では、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されても、同一態様の保留先読み演出が導出されることから、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されただけであって、表示されている保留表示全体としてみると、保留先読み演出が導出されたことによる効果(特別遊技状態の発生期待度等)は変わらないといった状況とすることができる。従って、例えば、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されるだけでなく、保留先読み演出の態様も変更されてしまうことで、保留先読み演出の示唆内容があやふやになったり、保留先読み演出の示唆内容の価値が変化したりしてしまい、変更前に対象とされていた保留表示への保留先読み演出の効果(特別遊技状態の期待度等)はどこへ行ってしまったのか等といったように遊技者が不信感等を抱いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、「前記保留先読み演出の態様が変化可能に構成され、前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示を変更し、かつ、前記保留先読み演出の態様を変化させることが決定された場合、対象とされる前記保留表示が変更される前の前記保留先読み演出の態様を保ったまま、前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示が変更され、その後、前記保留先読み演出の態様が変化するように構成されていること」としてもよい。つまり、上記のような場合でも、一旦は変更前の保留先読み演出の態様を踏襲させることにより、保留先読み演出の態様が変更されたことへの理解を助け、また、不信感等を抑制することができる。加えて、対象とされる保留表示が変更された保留先読み演出の態様の変化は、保留先読み演出の態様が示唆する内容が、遊技者にとって有利になる、又は、現状維持となるような変化に限定されることとしてもよい。以上のように、先読み対象変更演出と、保留先読み演出の態様変化(ステップアップ)とを対応付けることで、先読み対象変更演出が発生するだけで、保留先読み演出のステップアップが発生するのではないかという期待感を発生させることができる。
尚、保留先読み演出の態様が変化可能に構成されることによって、例えば、特別遊技状態の発生期待度の異なる複数の保留先読み演出の態様が存在する場合に、期待度の低い保留先読み演出が導出されることで、遊技者が、逆に盛り下がってしまうといった事態を抑制することができる。また、「前記保留先読み演出の対象が変更される先読み対象変更演出が行われた場合には、行われなかった場合に比べ、前記保留先読み演出の態様を変化させる保留変化演出が行われる割合が高められる、又は、必ず行われること」としてもよい。この場合、先読み対象変更演出の価値をより一層高めることができる。
手段A−10.前記保留表示手段において、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記所定の当否関連情報に対応する保留表示から、それ以外の保留表示に変更される過程(途中)を可視化する繋ぎ演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−9のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出が突然に消失し、別の保留表示に保留先読み演出が突然に導出される場合、先の保留先読み演出と、後の保留先読み演出とが、それぞれ独立したものである(全く関係がない)という捉え方をされてしまうことが懸念される。特に、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出が消去されてから、該保留先読み演出が別の保留表示に導出されるまでの間に僅かでもタイムラグが生じる場合や、所定の保留表示に導出されている保留先読み演出を、別の保留表示にも導出した後、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出を消すような場合(重複して導出されてしまう期間がある)には、かかる懸念がより顕著なものとされる。
これに対して、手段A−10によれば、繋ぎ演出によって、保留先読み演出の対象が変更される変更元の保留表示から、変更先の保留表示まで、遊技者の視線を誘導することができるようになり、保留先読み演出の対象が変更されることをより認識してもらい易くすることができる。また、遊技者が保留先読み演出の対象の変更が行われたこと自体に気付かないといった事態を抑制することができる。
尚、繋ぎ演出としては、例えば、保留先読み演出の変更が行われる前の段階で、変更元の保留表示と、変更先の保留表示とにおいてキャラクタ等の表示を行い、保留先読み演出の変更が行われる段階で、変更元の保留表示に対応しては、保留先読み演出を送り出したような表示を行い、変更先の保留表示に対応しては、保留先読み演出を受け取ったような表示を行うこととしてもよい。また、繋ぎ演出として、例えば、保留先読み演出の変更元の保留表示から、変更先の保留表示にかけて、保留先読み演出の態様の移動の軌跡が分かるような表示(例えば、キャラクタが保留先読み演出の態様を持ち運ぶような表示)が行われるように構成してもよい。
手段A−11.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記表示制御手段は、前記操作手段への操作に基づいて、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を変更可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−10のいずれかに記載の遊技機。
手段A−11によれば、「先読み対象変更演出」が遊技者による操作手段への操作に基づいて行われることから、「先読み対象変更演出」に対してより興味を抱かせることができるとともに、「先読み対象変更演出」を見逃すといった事態を抑制することができる。
手段A−12.前記保留表示手段において前記各保留表示が表示されている部位への物体の当接、又は、近接を検知可能な接近検知手段を備え、
前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を変更可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−11のいずれかに記載の遊技機。
手段A−12によれば、「先読み対象変更演出」が遊技者による接近検知手段への操作に基づいて行われることから、「先読み対象変更演出」に対してより興味を抱かせることができるとともに、「先読み対象変更演出」を見逃すといった事態を抑制することができる。特に、遊技者が保留表示を手で直接触れるような格好となることから、「先読み対象変更演出」をより認識し易くすることができる。従って、かかる操作に戸惑ってタイムオーバーになったり、かかる操作用に比較的長めの時間を設定することで遊技テンポが悪くなってしまったりすること等を回避することができる。特に、複数の保留表示に対して「先読み対象変更演出」が同時に導出される(複数の中からいずれかを選択する)ような場合に、対象とされる保留表示の選択をより分かり易く、確実に行えるようにすることができる。
手段A−13.前記保留表示手段には、
対応する前記識別情報の変動表示が未だ行われていない前記当否関連情報に対応する前記保留表示が導出される保留対応エリアと、
対応する前記識別情報の変動表示が実行されている最中である前記当否関連情報に対応する前記保留表示が導出される実行対応エリアとが設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−12のいずれかに記載の遊技機。
手段A−13によれば、保留表示手段において、例えば、対応する識別情報の変動表示が実行される直前に、対応する保留表示に対して、保留先読み演出の変更が行われた場合に、確認し難い(実質確認できない)といった事態を回避することができる。また、識別情報の変動表示に際して、当該変動表示に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されていたのか否かや、保留先読み演出の種別(示唆内容)を確認することができ、保留先読み演出の内容と、識別情報の変動表示に際しての演出等とを併せて、様々な推測を行い、変動表示をより一層楽しむことが可能となる。
尚、保留先読み演出が導出されていた保留表示が実行対応エリアに移動した場合、当該保留表示が態様変化する演出が導出されることとしてもよい。また、保留先読み演出が導出されていた保留表示が実行対応エリアに移動する場合、実行対応エリアには、保留表示に対して導出されていた保留先読み演出の態様のみが表示されるように構成してもよい。
手段A−14.前記保留表示手段において前記保留先読み演出が導出されるタイミングは、前記保留表示が増加するタイミングのみであることを特徴とする手段A−1乃至A−13のいずれかに記載の遊技機。
手段A−14によれば、保留先読み演出が新たに導出されるタイミングが、保留表示が新たに表示されるタイミングに限定されることで、保留先読み演出が導出されたことをより気付き易くすることができる。従って、例えば、保留先読み演出が導出されていない保留表示のみが表示されている状態において、保留表示が増加する(新たな当否関連情報が保留記憶される)タイミングではないにもかかわらず、いきなり所定の保留表示に対して保留先読み演出が導出されるといった現象が生じるような構成に比べ、保留先読み演出が混とんとして理解し難くなってしまう(遊技者が取っ付きにくくなってしまう)といった事態を防止することができる。また、保留表示が増えなければ、保留先読み演出の態様となる保留表示も増えないこととなるため、保留表示を増やすこと(始動入球させること)への意欲をより向上させることができる。
手段A−15.前記保留先読み演出の態様は、前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報が、遊技状態に応じて前記当否抽選にて当選するか否かが異なる前記当否関連情報と、遊技状態が変化しても前記当否抽選の結果が異ならない前記当否関連情報とのどちらであるかの判別結果に基づいて設定されることを特徴とする手段A−1乃至A−14のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定のタイミングで(例えば、特別遊技状態等の前後で)当否抽選の当選確率や保留先読み演出の意味合い等が変化する場合があり、その場合、所定タイミングの前に表示されていた保留先読み演出を、所定タイミングの後もそのまま導出させてしまうと、矛盾などが生じることが懸念される。例えば、特別遊技状態の前後で当否抽選にて当選する確率が変更される構成において、特別遊技状態の前では特別遊技状態にて当選する筈であったが、特別遊技状態を挟むことで、特別遊技状態に当選しなくなった当否関連情報に対応する保留表示に対して、特別遊技状態の発生を示す保留先読み演出を、特別遊技状態の後にも引き続き導出してしまうと、該保留先読み演出を見て付与される筈の特別遊技状態が付与されなかったとして、トラブルが発生するおそれがある。
この点、手段A−15によれば、当否関連情報が保留記憶された時点と、当該当否関連情報に対応する変動表示が実行される時点とで遊技状態(遊技モード)が変化しても対応できる(支障が生じない)ように、保留先読み演出の態様を予め設定することができる。このため、遊技状態が変化した場合、或いは、変化が生じる可能性があるタイミングが訪れた場合に、保留先読み演出の態様を再度確認したり、一から設定し直したりするといった事態を回避することができる。また、例えば、遊技状態の変化に伴い、当否関連情報の意味合い(解釈)に変化が生じた場合に、保留先読み演出の態様が強制的に変更されるといった事態を回避することもできる。
尚、前記特別遊技状態の終了後、前記保留先読み演出の態様を再設定することとしてもよい。この場合、特別遊技状態の前段階において、保留先読み演出を利用して様々な演出(例えば、保留先読み演出と保留表示との対応関係を取り払ったような複雑な演出等)を行ったとしても、特別遊技状態の後にはリセットすることができる。
尚、「前記当否関連情報が保留記憶された時点で、前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報が前記当否抽選にて当選するものであるか否かを判別する第1当否判別処理と、
前記第1当否判別処理の結果を記憶する結果記憶処理と、
前記可変表示手段における変動表示の実行に先立って、前記第1当否判別処理の結果に基づいて特別遊技状態を発生させるか否かを決定する第2当否判別処理と、
前記第2当否判別処理の結果に基づいて、変動表示の設定を行う変動表示設定処理とを実行可能であり、
特別遊技状態に当選する確率として予め定められた第1確率で前記当否抽選が行われる第1遊技モードと、
前記第1確率よりも特別遊技状態に当選する確率が高い第2確率で前記当否抽選が行われる第2遊技モードとが設定可能に構成され、
前記第1当否判別処理では、
前記当否関連情報が、前記第1遊技モード及び前記第2遊技モードのどちらでも前記当否抽選にて当選するか否かを判別する共通当選値判別処理と、
前記当否関連情報が、前記第2遊技モードでは前記当否抽選にて当選する一方で、前記第1遊技モードでは前記当否抽選にて否当選となる値であるか否かを判別する限定当選値判別処理と、
前記共通当選値判別処理にて肯定判別された場合に第1当否判別結果保持手段を肯定判別状態とする第1判別結果設定処理と、
前記限定当選値判別処理にて肯定判別された場合に第2当否判別結果保持手段を肯定判別状態とする第2判別結果設定処理と
を、前記第1遊技モード及び前記第2遊技モードのどちらであっても実行し、
(前記第2当否判別処理では、
前記第1遊技モードであるか否かの判別、及び、前記第2遊技モードであるか否かのモード判別処理と、
前記モード判別処理で前記第1遊技モードであると判別された場合に、前記第1当否判別結果保持手段が肯定判別状態とされているか否かを判別する第1遊技モード時当否判別処理と、
前記モード判別処理で前記第2遊技モードであると判別された場合に、前記第1当否判別結果保持手段又は前記第2当否判別結果保持手段が肯定判別状態とされているか否かを判別する第2遊技モード時当否判別処理とを実行する構成であって、)
前記保留先読み演出の態様は、前記第1当否判別結果保持手段又は前記第2当否判別結果保持手段の判別状態に基づいて設定されること」としてもよい。
手段A−16.前記保留表示手段は、
前記当否関連情報が記憶されている前記保留記憶手段の前記記憶領域の数を示す保留表示を導出可能な第1保留表示手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な第2保留表示手段とを備え、
前記第2保留表示手段の前記第2保留表示に対して前記保留先読み演出が導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−15のいずれかに記載の遊技機。
手段A−16によれば、第2保留表示手段において様々な演出を行い、保留表示と、保留されている変動表示との対応関係が多少分かり難くなるような場面が発生したとしても、第1保留表示手段によって変動表示が保留されているか否かが確実に把握できる。従って、第2保留表示手段における保留先読み演出の自由度や演出性等の向上を図ることができる。
手段A−17.前記先読み対象変更演出が導出される場合に、前記先読み対象変更演出が導出されるよりも前に、前記先読み対象変更演出が導出されることを示唆する先読み変更示唆演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−16のいずれかに記載の遊技機。
手段A−17によれば、先読み対象変更演出が導出されることをより積極的にアピールすることができ、先読み対象変更演出を冒頭から視認してもらい易くすることができる。
手段A−18.前記先読み対象変更演出は、前記保留表示手段において前記保留先読み演出が導出されている前記保留表示のうち、少なくとも一番先に消化される保留表示に対して導出されている前記保留先読み演出を対象として行われることを特徴とする手段A−1乃至A−17のいずれかに記載の遊技機。
手段A−18によれば、一番先に消化される保留先読み演出付きの保留表示ではなく、それよりも後で消化される保留先読み演出付きの保留表示に関して先読み対象変更演出が行われることで、遊技者の興味が、後に行われる保留先読み演出付きの保留表示の方に傾倒してしまい、一番先に消化される保留先読み演出付きの保留表示に関する興味がなくなる(保留先読み演出の価値がなくなる、無駄になる)といった事態を回避することができる。結果として、保留先読み演出付きの保留表示に対応する変動表示を、順を追って堪能していくことができる。
手段A−19.前記保留先読み演出は、自身の態様により前記特別遊技状態の発生期待度を示唆するとともに、前記特別遊技状態の発生期待度に応じてランク付けされた複数パターンの態様が用意され、
前記先読み対象変更演出が行われた場合、前記保留表示手段において前記保留先読み演出が導出されている前記保留表示のうち、一番先に消化される保留表示に対して導出されている前記保留先読み演出の態様が、前記保留表示手段において導出されている前記保留先読み演出のなかで最もランクが高くなるように構成されていることを特徴とする手段A−18に記載の遊技機。
手段A−19によれば、一番先に消化される保留先読み演出付きの保留表示に対応する変動表示を確実に盛り上げることができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
近年では、変動表示が行われている状態において当否抽選が行われた場合に、該当否抽選に対応する変動表示が保留されるように構成されているものが多く、一般には、変動表示が保留されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段が設けられている。さらに、変動表示が実行される前段階において、所定の変動表示の内容を示唆する演出(所謂、「保留先読み演出」)が行われるものがある。
また、当否抽選にて第1確率で当選する低確率モードと、当否抽選にて第1確率よりも高い第2確率で当選する高確率モードとが設定されていたり、所定の始動入球手段に対し遊技球を入球させ易い高入球モードと、それよりも入球させ難い、或いは、入球させることのできない低入球モードとが設定されていたりするものが知られている。さらに、高確率モードや、高入球モード等の遊技者にとって付加価値の高い特定遊技モードの期間が、規定回数の変動表示が行われるまでとして設定されるものが知られている。
ところで、所定の保留先読み演出が、上記「特定遊技モード」で行われる場合と、それ以外の「通常遊技モード」で行われる場合とで、態様が同じであるにもかかわらず、価値(例えば、当選期待度等)や意味合いが異なるようなものが多く存在する。例えば、特定遊技モード中は、保留先読み演出Aが導出されただけで特別遊技状態が発生する、又は、かなりの高確率(例えば、当選期待度が70%〜95%)で発生するのに対し、通常モードでは、特別遊技状態が発生しない可能性の方が高い(例えば、特別遊技状態の当選期待度が25%〜45%)といった構成や、特定遊技モード中は保留先読み演出Bが導出された変動表示で特別遊技状態の発生が教示されると、特別遊技状態の終了後に特定遊技モードが付与されるのに対し、通常遊技モードでは、特定遊技モードが付与されるとは限らないといった構成などが挙げられる。
このため、特定遊技モードから、通常遊技モードに切り替わった直後、一般には、保留表示手段において、特定遊技モードにて実行される変動表示に対応する保留表示、及び、通常遊技モードにて実行される変動表示に対応する保留表示がともに表示されている状態において、通常遊技モードに対応する保留表示に対して、保留先読み演出が導出された場合には、特定遊技モードに対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されたらよかったのに、という盛り下がった気持ちで、保留表示に対応する変動表示を消化しなければならなくなってしまうおそれがある。
これに対し、例えば、特定遊技モードから、通常遊技モードに切り替わった直後の変動表示に対応する保留表示(特定遊技モードに対応する保留表示と同時期に表示される通常遊技モードに対応する保留表示)に関しては、保留先読み演出を導出させないといった制御を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、演出機会を潰すことになる上、処理量も増加してしまうといった悪循環を招くことが懸念される。
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、保留先読み演出を行うことで、より確実に興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において識別情報を変動表示させた後、前記当否抽選の結果に基づく前記識別情報を停止表示可能な表示制御手段とを備える遊技機において、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段とを備え、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段を備え、
前記当否抽選が行われる遊技状態として、第1遊技モードと、第2遊技モードとが設定され、
前記保留表示手段では、前記保留表示の態様によって、前記当否関連情報が記憶されている前記保留記憶手段の前記記憶領域の数を把握可能とするとともに、前記保留記憶手段の前記各記憶領域に記憶されている前記当否関連情報が、前記第1遊技モードにおいて対応する識別情報の変動表示が行われることとなる(予定の)第1対応当否関連情報、及び、前記第2遊技モードにおいて対応する識別情報の変動表示が行われることとなる(予定の)第2対応当否関連情報のどちらなのかを識別可能に構成され、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記保留表示の態様が、当該保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する特定態様とされる保留先読み演出を導出可能に構成され、
所定の前記保留先読み演出が、前記第1対応当否関連情報に対応する第1対応保留表示に対して導出されるよりも、前記第2対応当否関連情報に対応する第2対応保留表示に対して導出される方が、当該所定の保留先読み演出の価値が高くなるように構成され、
前記保留表示手段において前記第1対応保留表示及び前記第2対応保留表示の両方が表示されている状態において、前記第1対応保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記第1対応保留表示から、前記第2対応保留表示に変更可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、例えば、保留表示手段において第1対応保留表示及び前記第2対応保留表示の両方が表示されている状態において、第1対応保留表示に対して導出されていた保留先読み演出Aを、第1対応保留表示に対して導出するのを止めて、第2対応保留表示に対して導出すること(先読み対象変更演出)ができるように構成されている。つまり、遊技者にとって保留先読み演出は、第1対応保留表示に導出されるよりも、第2対応保留表示に導出される方が望ましいのであって、第1対応保留表示及び第2対応保留表示の両方が表示されている状態において、第1対応保留表示の方に保留先読み演出が導出されてしまうことで、遊技者が「保留先読み演出の対象(タイミング)がもう少しずれていればよかった」等といった感情を抱いてしまうことが懸念される。
この点、第1対応保留表示に対して保留先読み演出が導出された後も、保留先読み演出の対象が第2対応保留表示に変更される可能性が残されることによって、保留先読み演出が第1対応保留表示に対して導出されることで盛り下がってしまう等といった上記不具合を解消することができ、第2対応保留表示に保留先読み演出が導出されることに期待しつつ遊技を進行させることができる。特に、第2対応保留表示が第1対応保留表示よりも先行して実行される順番とされている状態において、第2対応保留表示に保留先読み演出が導出されるためには、先ず、新たに表示される第1対応保留表示に対して保留先読み演出が導出されることが前提とされるため、単純に、「保留先読み演出が導出されること」が「遊技者にとって好ましいこと」という意義付けを行うことができる。結果として、保留先読み演出を行うことによるマイナス面を解消することができ、保留先読み演出を行うことで、より確実に興趣の向上を図ることができる。
また、第1対応保留表示及び第2対応保留表示の両方が表示されている状態で、第2対応保留表示には保留先読み演出が導出されず、第1対応保留表示には保留先読み演出が導出されるといった状況が発生することを回避するべく、第1対応保留表示及び第2対応保留表示の両方が表示されている状態では、第1対応保留表示に対して保留先読み演出を導出しないようにするといった制御(禁則処理)を行わなくても済む。従って、第1対応保留表示に保留先読み演出を導出するといった演出機会をわざと潰したり、また、そのための処理量が増加してしまったりするといった遊技性や演出性の向上に寄与しない悪循環を回避することができる。
さらに、第1対応保留表示及び第2対応保留表示の両方が表示されている場合に、第1対応保留表示に表示された保留先読み演出が第2対応保留表示に対象を変更する可能性が遊技者に認知されることによって、第2遊技モードが終了し、第1遊技モードが開始されるにあたって、「第2対応保留表示とともに表示され得る第1対応保留表示を極力表示させたい」といった具合に遊技意欲を高めることができる。
尚、「当該所定の保留先読み演出の価値が高くなる」とは、所定の保留先読み演出の態様が同じであっても、遊技者にとってより好ましい意義を持つようになるといった趣旨を含むものである。例えば、第1遊技モードでは、特別遊技状態への当選期待度が約35%程度であることを示唆し、第2遊技モードでは、特別遊技状態への当選期待度が約80%程度であることを示唆するといった構成や、第1遊技モードでは、導出されない場合に比べて特別遊技状態への当選期待度が向上するだけであるが、第2遊技モードでは、特別遊技状態が発生した場合に、遊技者にとってより有利な種別の特別遊技状態が付与されることを示唆するといった構成等が挙げられる。
また、「前記保留表示手段において前記第1対応保留表示及び前記第2対応保留表示の両方が表示されている状態において、前記第1対応保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記第1対応保留表示から、前記第2対応保留表示に変更可能に構成されている」とは、「前記第1対応保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該第1対応保留表示に関する前記保留先読み演出を消去する一方で、前記第1対応保留表示に対して導出されていた前記保留先読み演出の態様の少なくとも一部を引き継いだ態様、又は、同一の態様の前記保留先読み演出(前記所定の当否関連情報に対応する前記保留表示に対して導出されていた前記保留先読み演出と同意義の(同一の)前記保留先読み演出、或いは、より価値の高い前記保留先読み演出)を、前記保留表示手段に表示されている前記第2対応保留表示に対応して導出可能に構成されていること」という趣旨を含むものである。
また、「保留先読み演出」の態様としては、導出当初から、変動表示に関する所定の情報を示唆しているといったパターンに限定されず、例えば、導出当初は、所定の示唆を行う態様の保留先読み演出が導出されるかもしれないといった示唆を行う態様で導出され、その後、所定の示唆を行う態様の保留先読み演出が導出される場合と、保留先読み演出が消滅してしまう(保留先読み演出の対象が変更されることで消去されるのではなく、単にその分の保留先読み演出が消去される)場合とが存在するように構成してもよい。
尚、「前記第2遊技モードは、前記第1遊技モードよりも前記当否抽選における当選確率が高められた状態であること」としてもよいし、「遊技球を発射させる発射手段と、遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、前記始動入球手段へ入球した遊技球を検知する前記条件成立検知手段としての始動入球検知手段とを備え、前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に前記当否抽選が行われる構成であって、前記第2遊技モードは、前記第1遊技モードよりも前記始動入球手段への入球し易さが高められた状態であること」としてもよいし、「前記第2遊技モードにおいては、前記第1遊技モードにおいて導出されない、又は、導出する確率の低い演出が導出され易い状態であること」としてもよいし、「前記第2遊技モードに対応する前記保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された場合には、遊技者にとって有利な特典が付与される、又は、付与される可能性が高く、前記第1遊技モードに対応する前記保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された場合には、前記特典が付与されない、又は、前記特典が付与される可能性が前記第1遊技モードに比べて低くなるように構成されていること」としてもよい。
手段B−2.前記条件成立検知手段は、第1条件が成立したことを検知する第1条件成立検知手段と、第2条件が成立したことを検知する第2条件成立検知手段とを備え、
前記条件成立検知手段の検知を契機として行われた前記当否抽選にて当選した場合に付与される前記特別遊技状態の種別の振分けに関し、前記第2条件成立検知手段の検知に対応する振分けの方が、前記第1条件成立検知手段の検知に対応する振分けよりも、遊技者にとってより有利な種別が選択され易く構成され、
前記第2遊技モードでは、前記第1遊技モードよりも、前記第2条件が成立し易く構成されていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、第2遊技モードでは、第1遊技モードよりも、第2条件が成立し易く、有利な種別の特別遊技状態が付与され易い。従って、第1対応保留表示及び第2対応保留表示の両方が表示されている状態では第2対応保留表示に保留先読み演出が導出されることを期待するといった遊技性がより確実なものとなることから、上記手段B−1の作用効果がより一層奏されることとなる。
手段B−3.前記保留表示手段では、前記第1遊技モードにおいて実行される予定の前記保留表示が導出される範囲と、前記第2遊技モードにおいて実行される予定の前記保留表示が導出される範囲との境界を教示する境界教示が、前記保留表示の態様を変えずに導出されることを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、保留表示手段を視認することにより、保留表示に対応する変動表示が第1遊技モード及び第2遊技モードのどちらで行われるかをより確実に把握することができる。
また、例えば、保留表示の態様を異ならせることで、対応する変動表示が第1遊技モード及び第2遊技モードのどちらで行われるかを教示する場合には、保留表示の態様パターンの複雑化(先読み演出の態様も含む各種保留表示と、各種演出等との対応関係の分かり難さ)を招くおそれがある。さらには、第1遊技モードで行われる予定の変動表示に対応する保留表示と、第2遊技モードで行われる予定の変動表示に対応する保留表示とが両方表示されている状態で特別遊技状態が発生し、それを契機として遊技モードの変更が生じる場合、特別遊技状態終了後には遊技モードと保留表示との対応関係が変化してしまうことから、特別遊技状態前の保留表示が結果的に矛盾していたことになってしまう。
この点、本手段B−3のように、保留表示の態様とは関係なく、境界表示を行うことによって上記のような不具合を払拭することができ、遊技を分かり易くスムースに進行させることができる。尚、境界表示としては、保留表示領域において、第1遊技モードにおいて実行される予定の保留表示が導出される範囲と、前記第2遊技モードにおいて実行される予定の保留表示が導出される範囲とで背景色を異ならせる、前記範囲の境界部にライン等を表示する等が挙げられる。
手段B−4.前記保留先読み演出が前記第2対応保留表示に対して導出されていても、前記第1対応保留表示に変更される可能性があるように構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、第2対応保留表示に保留先読み演出が導出されていても、当該保留先読み演出の導出対象が第2対応保留表示から第1対応保留表示に変更されてしまう可能性があることによって、遊技性に緊張感を持たせることができる。例えば、所望とする保留表示に保留先読み演出が導出された場合に、そのまま導出対象が変わらずに対応する変動表示が消化されて欲しいといった具合に、熱心に保留表示の挙動を確認し堪能することができる。また、所定条件をクリアすれば、そのような遊技者にとって好ましくない変更が免除される等の遊技性を付加することができ、遊技に抑揚を付加するポイントを増やすことができる。尚、保留先読み演出の導出対象が規定回数の変動表示が行われる間にずっと変わらなければ、それ以降も変わらないように構成したり、所定の抽選が行われた結果として所定の演出が導出された場合に、所定の保留先読み演出の導出対象の変更が禁止されるように構成したりしてもよい。
手段B−5.前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示を変更させることが決定された場合、前記保留先読み演出の対象が変更される前の前記保留先読み演出の態様の少なくとも一部を保ったまま、前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示が変更されることを特徴とする手段B−1乃至B−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されても、保留先読み演出の態様の少なくとも一部が保たれている(例えば、態様の変化はなく、同一である)ことから、先ほどまで第1対応保留表示に対応していた保留先読み演出が、第1対応保留表示に対応するのではなく、第2対応保留表示に対応するように変更されたのだということ、ひいては、保留先読み演出によって示唆される内容は、第1対応保留表示に対応する第1変動表示についてのものではなく、第2対応保留表示に対応する第2変動表示についてのものであることをより理解し易くすることができる。
また、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されたとしても、保留先読み演出の態様、ひいては、示唆内容については踏襲されていることを認識してもらうことができる。つまり、例えば、特別遊技状態の発生期待度が高まる保留先読み演出の対象が第1対応保留表示から第2対応保留表示へと変更された場合、第1対応保留表示については期待度が低下することになる。そこで、第1対応保留表示について導出されていた保留先読み演出の示唆内容(例えば、特別遊技状態の発生期待度)が担保されていなければ、遊技者が不安感や不信感を抱くことが懸念される。この点、本手段では、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されても、同一態様の保留先読み演出が導出されることから、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されただけであって、表示されている保留表示全体としてみると、保留先読み演出が導出されたことによる効果(特別遊技状態の発生期待度等)は変わらないといった状況とすることができる。従って、例えば、保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更されるだけでなく、保留先読み演出の態様も変更されてしまうことで、保留先読み演出の示唆内容があやふやになったり、保留先読み演出の示唆内容の価値が変化したりしてしまい、変更前に対象とされていた保留表示への保留先読み演出の効果(特別遊技状態の期待度等)はどこへ行ってしまったのか等といったように遊技者が不信感等を抱いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、「前記保留先読み演出の態様が変化可能に構成され、前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示を変更し、かつ、前記保留先読み演出の態様を変化させることが決定された場合、対象とされる前記保留表示が変更される前の前記保留先読み演出の態様を保ったまま、前記保留先読み演出の導出対象とされる前記保留表示が変更され、その後、前記保留先読み演出の態様が変化するように構成されていること」としてもよい。つまり、上記のような場合でも、一旦は変更前の保留先読み演出の態様を踏襲させることにより、保留先読み演出の態様が変更されたことへの理解を助け、また、不信感等を抑制することができる。加えて、対象とされる保留表示が変更された保留先読み演出の態様の変化は、保留先読み演出の態様が示唆する内容が、遊技者にとって有利になる、又は、現状維持となるような変化に限定されることとしてもよい。以上のように、先読み対象変更演出と、保留先読み演出の態様変化(ステップアップ)とを対応付けることで、先読み対象変更演出が発生するだけで、保留先読み演出のステップアップが発生するのではないかという期待感を発生させることができる。
尚、保留先読み演出の態様が変化可能に構成されることによって、例えば、特別遊技状態の発生期待度の異なる複数の保留先読み演出の態様が存在する場合に、期待度の低い保留先読み演出が導出されることで、遊技者が、逆に盛り下がってしまうといった事態を抑制することができる。また、「前記保留先読み演出の対象が変更される先読み対象変更演出が行われた場合には、行われなかった場合に比べ、前記保留先読み演出の態様を変化させる保留変化演出が行われる割合が高められる、又は、必ず行われること」としてもよい。この場合、先読み対象変更演出の価値をより一層高めることができる。
手段B−6(制御例1).前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の導出状況に関する導出情報を記憶する導出情報記憶手段が設けられ、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶された場合に、当該当否関連情報に対応した前記保留先読み演出の設定を行う保留演出設定処理が行われ、前記保留演出設定処理の結果が前記導出情報記憶手段に記憶される構成であって、
前記導出情報記憶手段には、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使したことを示す保留演出実行フラグ、及び、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使していないことを示す保留演出留保フラグを設定可能に構成されていることを示す保留演出留保フラグを設定可能に構成されていることを特徴とする手段B−1又はB−5に記載の遊技機。
手段B−6によれば、保留表示が導出された時点で、当該保留表示に対して保留先読み演出が導出されなくても、その後のタイミングで、当該保留表示に対して保留先読み演出を導出させることができる。これにより、保留先読み演出が導出されるかもしれないといった遊技者の期待を保留表示に対応する変動表示が実行されるまで持続させることができ、保留先読み演出を行うことで興趣の向上を図るといった作用効果がより一層奏されることとなる。
また、上記手段B−1のように、「保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を変更可能」とされていても、変更先の保留表示に対応する変動表示の内容が、保留先読み演出の示唆内容に見合うものでなければならない。つまり、例えば、既に保留記憶手段の所定の記憶領域に記憶されている当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出を後付けで導出しようとする場合、当該当否関連情報を(もう一度)参照して、保留先読み演出を導出させるのに値するような内容であるか否かを判別し、否定判別された場合には、保留先読み演出の導出を取り止める、或いは、保留記憶手段のその他の記憶領域に記憶されている当否関連情報についても、保留先読み演出を導出させるのに値するようなものが見つかるまで、内容を確認する処理を続けるといった具合に、当否関連情報が取得された際の処理が膨大になってしまうことが懸念される。
この点、手段B−6によれば、当否関連情報が取得された際に設定され得る保留演出留保フラグを確認すれば、保留先読み演出を導出させることのできる当否関連情報が記憶されているか否かを簡単に把握することができる。従って、闇雲に保留先読み演出を導出させるのに値する当否関連情報を探し続けるといった処理を行わなくとも済むため、後付けで保留先読み演出を行うことを決定する構成において、いざ決定された場合の処理が複雑化し、場合によっては処理落ち等を招いてしまうといった事態を防止することができる。
尚、所定の状態(特別遊技状態等)が付与されることを教示する保留先読み演出(保留先読み確定演出)が存在する場合、当該保留先読み確定演出が既に導出されている状態では、それ以上に別の保留先読み演出が導出されないように構成してもよい。
手段B−7.前記導出情報記憶手段には、前記保留演出留保フラグが設定されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記保留先読み演出を導出させる権利を行使させる(前記保留先読み演出を導出させる)ことを示す留保解除フラグを設定可能に構成され、
前記保留演出設定処理が行われた場合に、前記保留演出実行フラグ、前記保留演出留保フラグ、及び、前記留保解除フラグの設定が行われる構成であって、
前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の態様に関する態様情報を記憶する態様情報記憶手段が設けられ、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記保留演出実行フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されるとともに、当該保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記決定された態様の保留先読み演出が導出され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記保留演出留保フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記保留演出留保フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記留保解除フラグが設定された場合には、
当該留保解除フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記保留演出留保フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されている態様情報に基づいて決定された態様の前記保留先読み演出が(仮の保留先読み演出として)導出され、
その後、当該(仮の)保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記留保解除フラグが設定された前記記憶領域の前記当否関連情報に対応する保留表示から、前記保留演出留保フラグが設定された前記記憶領域の前記当否関連情報に対応する保留表示に変更される(ことで、前記仮の保留先読み演出が、真の保留先読み演出として導出される)ことを特徴とする手段B−6に記載の遊技機。
手段B−7によれば、保留演出留保フラグが設定された当否関連情報の後に、当否関連情報がその内容を問わず記憶されただけで、必ず保留演出留保フラグが設定された当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されることを回避することができる。さらに、保留演出留保フラグが設定された当否関連情報の後に、保留演出実行フラグが設定された当否関連情報が記憶されなければ、保留演出留保フラグが設定された当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されないといった事態を回避することができる。これにより、所定の当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出された後に、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記所定の当否関連情報に対応する保留表示から、それよりも前の保留表示に変更するといった演出機会が多過ぎたり、少な過ぎたり、一義的になり過ぎたりすることを回避することができる。結果として、演出性及び遊技性の向上等を図ることができる。
尚、保留記憶手段に記憶されている複数の当否関連情報に保留演出留保フラグが設定されている状態で留保解除フラグが設定された場合に、保留演出留保フラグが設定されている全ての当否関連情報に対応する保留表示に対して保留先読み演出を導出するように構成してもよいし、保留演出留保フラグが設定されている当否関連情報のうちのいずれかにのみ保留先読み演出を導出する(例えば、新しく記憶されたものから先に記憶されたものへと順番に保留演出留保フラグが設定されているか否かを判別し、保留演出留保フラグが設定されていると判別された段階で、保留演出留保フラグの確認処理を終了する)ように構成してもよい。
また、保留先読み演出が最終的な示唆を行う(真の保留先読み演出とされる)までの間に対象とされる保留表示が変更される回数の上限については1回に限定されるものではなく、複数回変更される場合があってもよい。尚、対象とされる保留表示の変更回数が多いほど、特別遊技状態の発生期待度が高くなるように構成してもよいし、対象とされる保留表示の変更に際しての法則が崩れた(レアな変更パターンが選択された)場合には、特別遊技状態の発生期待度が飛躍的に高まる、或いは、発生が確定するように構成してもよい。
尚、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して前記保留演出実行フラグが設定される場合、既に前記保留演出留保フラグが設定されている前記当否関連情報が存在するか否かを判別し、存在すると判別された場合に、前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して、(前記保留演出留保フラグに代えて)前記留保解除フラグを設定可能に構成されること」としてもよい。
手段B−8.前記第2当否関連情報が取得された段階で、対応する前記第2対応保留表示が、前記保留表示手段において、前記第1対応保留表示とともに表示される可能性があるか否かを判別し、表示される可能性があると判別された場合には、表示されないと判別される場合に比べ、前記保留演出留保フラグが設定される割合が高められることを特徴とする手段B−6又はB−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、保留先読み演出の対象が、第1対応保留表示から第2対応保留表示に切替えられるといった先読み対象変更演出のなかでも最もうれしいパターンが発生する機会を増やすことができる。
尚、「前記第2遊技モードにおいて前記識別情報の変動表示が第1規定回数行われることにより、前記第1遊技モードに移行する構成において、
前記第2遊技モードにおいて実行可能な前記識別情報の変動表示の残り回数を計測可能な残り計測手段と、
前記残り計測手段で計測される前記識別情報の変動表示の残り回数が第2規定回数以下とされたことを検知する終期検知手段とを備え、
前記残り計測手段で計測される前記識別情報の変動表示の残り回数が、前記第2規定回数以下、かつ、1回以上であると判別される状況で前記第2当否関連情報が取得された場合には、判別されない状況で前記第2当否関連情報が取得された場合に比べ、前記保留演出留保フラグが設定される割合が高められること」としてもよい。
また、「前記第2遊技モードにおいて前記識別情報の変動表示が第1規定回数行われることにより、前記第1遊技モードに移行する構成において、
前記第2遊技モードにおいて実行可能な前記識別情報の変動表示の残り回数を計測可能な残り計測手段と、
前記残り計測手段で計測される前記識別情報の変動表示の残り回数が第2規定回数以下とされたことを検知する終期検知手段とを備え、
前記保留記憶手段において前記保留演出留保フラグが設定されている状態において、
前記残り計測手段で計測される前記識別情報の変動表示の残り回数が、前記第2規定回数以下、かつ、1回以上であると判別される状況で、前記当否抽選にて否当選となる前記第2当否関連情報が取得された場合には、判別されない状況で、前記当否抽選にて否当選となる前記第2当否関連情報が取得された場合に比べ、前記留保解除フラグが設定される割合が高められること」としてもよい。
手段B−9(制御例2).前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の導出状況に関する導出情報を記憶する導出情報記憶手段が設けられ、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶された場合に、当該当否関連情報に対応した前記保留先読み演出の設定を行う保留演出設定処理が行われ、前記保留演出設定処理の結果が前記導出情報記憶手段に記憶される構成であって、
前記導出情報記憶手段には、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使したことを示す保留演出実行フラグと、
前記保留先読み演出を導出させる権利を得て、行使したが、該権利を譲渡する可能性があること(該保留先読み演出の対象が変更される可能性があること)を示す変更前フラグと、
前記変更前フラグに対応する前記保留先読み演出を導出させる権利が譲渡されること(前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して導出されている前記保留先読み演出の変更先であること)を示す変更先フラグとを設定可能に構成され、
前記保留演出設定処理が行われた場合に、前記保留演出実行フラグ、前記変更前フラグ、及び、前記変更先フラグの設定が行われる構成であって、
前記保留記憶手段の各前記記憶領域には、前記保留先読み演出の態様に関する態様情報を記憶する態様情報記憶手段が設けられ、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記保留演出実行フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されるとともに、当該保留演出実行フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記決定された態様の保留先読み演出が導出され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記変更前フラグが設定された場合には、前記保留先読み演出の態様が決定され、当該態様情報が、前記変更前フラグが設定された前記記憶領域の前記態様情報記憶手段に記憶されるとともに、当該変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記決定された態様の保留先読み演出が導出され、
新たに前記当否関連情報が記憶された前記記憶領域の前記導出情報記憶手段に前記変更先フラグが設定された場合には、
前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して導出されていた前記保留先読み演出の対象が、前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示から、前記変更先フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に変更されることを特徴とする手段A−1乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、先に記憶された当否関連情報に対応する保留表示に対して導出されていた保留先読み演出の対象を、その後に記憶された当否関連情報に対応する保留表示へと変更することができる。従って、保留先読み演出の対象が変更されるのではないかという状況をより多くつくることができ、遊技の進行に緊張感を付与し、倦怠感の抑制等を図ることができる。また、例えば、所定の保留表示に対して保留先読み演出が既に導出されている状態で、後続の保留表示に対して、遊技者にとってより有利な情報(例えば、特別遊技状態等の付与が確定していること)が示唆、又は、教示する保留先読み演出を導出させることが決定された場合には、既に導出されている保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が変更された後、保留先読み演出が、遊技者にとってより有利な態様に昇格するといった一連の態様等を導出することができる。従って、複数の保留表示においてそれぞれ単独で保留先読み演出を導出する場合に比べて、演出性の向上等を図ることができる。
尚、「既に前記保留演出実行フラグが設定された前記当否関連情報が存在するか否かを判別して、存在すると判別された場合」に、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して、前記変更前フラグを必ず設定する」ように構成してもよいし、「(所定の抽選に基づいて、)前記保留演出実行フラグに代えて前記変更前フラグを設定する場合と、前記保留演出実行フラグをそのまま設定し続ける場合とが存在する」ように構成してもよい。
また、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して前記変更前フラグが設定された場合」には、「既に前記保留演出実行フラグが設定されている前記当否関連情報が存在するか否かの判別で、存在すると判別されることとなった前記当否関連情報に関して、前記保留演出実行フラグに代えて、消去予定フラグが設定され、その後、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記消去予定フラグが設定されている前記当否関連情報に対応する保留表示から、前記変更前フラグが設定されている前記当否関連情報に対応する保留表示に変更されること」としてもよい。
加えて、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して前記保留演出実行フラグが設定される場合」とあるのは、「設定された場合」だけでなく、「既に前記保留演出実行フラグが設定されている前記当否関連情報が存在するか否かの判別において「存在しない」と判別されるような状態であれば、前記保留演出実行フラグが設定されることが確実とされる場合」を含む趣旨である。
手段B−10.前記保留先読み演出は、自身の態様により前記特別遊技状態の発生期待度を示唆するとともに、前記特別遊技状態の発生期待度に応じてランク付けされた複数パターンの態様が用意され、
前記保留先読み演出の態様の決定に際しては、前記当否関連情報に基づいてランクの上限を決定するとともに、当該上限ランク以下のランクのなかから選択される実行ランクとを決定するように構成され、
前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に関する前記保留先読み演出の態様の決定に際しては、前記実行ランクの選択に際して、前記上限ランク以下とする条件の他にも、規定ランク以下とする条件が設定され、
前記変更前フラグが設定された前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報に対応する前記保留表示に対して、前記実行ランクに対応する態様の前記保留先読み演出が導出されることを特徴とする手段B−9に記載の遊技機。
変更前フラグが設定された所定の記憶領域に記憶されている所定の当否関連情報に対応する保留表示に対して導出された所定の保留先読み演出は、その後、別の当否関連情報が記憶された記憶領域に変更先フラグが設定された場合に、当該所定の保留先読み演出の対象が、前記別の当否関連情報に対応する保留表示に変更されることとなる。このため、所定の保留先読み演出の態様のランクが高すぎると、当該ランクに見合う当否関連情報が保留記憶されるまで、変更先フラグを設定することができなくなる。
これに対し、手段B−10のように、変更前フラグの保留先読み演出のランクを極力低く設定することで、かかる懸念を抑制することができ、演出の機会が極端に少なくなるといった事態を回避することができる。
手段B−11.前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報が前記特別遊技状態の発生に対応するものである場合には、当該当否関連情報に関して前記変更前フラグは設定されないことを特徴とする手段B−9又はB−10に記載の遊技機。
保留先読み演出の導出対象とされる保留表示の変更前と、変更後とで、例えば、当否関連情報に基づく当否抽選にて当選しない「外れ」から「外れ」に変更される場合や、「外れ」から「当たり」に変更される場合であれば問題ないが、「当たり」から「外れ」に変更される場合、違和感等が生じることが懸念される。すなわち、例えば、所定の保留表示に対応して導出されていた保留先読み演出が、それよりも後の保留表示に対応するように変更されたのではあるが、保留先読み演出が当初導出されていた前記所定の保留表示に対応する識別情報の変動表示において特別遊技状態が発生した(変更後に保留先読み演出が導出された保留表示に対応する変動表示では特別遊技状態が発生しない)といった具合に、保留先読み演出の信憑性が著しく低下してしまうおそれがある。
この点、手段B−11によれば、保留先読み演出の対象が変更される前の当否関連情報が当否抽選にて当選しないものであること(「外れ」ではあるものの保留先読み演出が導出された当否関連情報であること)を確認していることから、上記懸念を払拭することができる。
尚、特別遊技状態の前後において、保留先読み演出の態様決定の判断基準が変化する可能性がある機種においては、「保留演出実行フラグが設定されている前記当否関連情報が前記特別遊技状態の発生に対応するものであると判別された場合に、前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して新たに記憶された前記当否関連情報に関して、前記保留演出実行フラグの設定を止めること」が望ましい。
尚、「前記第1当否関連情報が取得された段階で、対応する前記第1対応保留表示が、前記保留表示手段において、前記第2対応保留表示とともに表示される可能性があるか否かを判別し、表示される可能性があると判別された場合には、表示されないと判別される場合に比べ、前記変更前フラグが設定される割合が高められること」としてもよい。この場合、保留先読み演出の対象が、第1対応保留表示から第2対応保留表示に切替えられるといった先読み対象変更演出のなかでも最もうれしいパターンが発生する機会を増やすことができる。
手段B−12.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段へ入球した遊技球を検知する前記条件成立検知手段としての始動入球検知手段とを備え、
前記主制御手段は、前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選を行う構成であって、
前記始動入球手段は、第1始動入球手段と、第2始動入球手段とを備え、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて行われた前記当否抽選にて当選した場合に付与される前記特別遊技状態の種別の振分けに関し、前記第2始動入球手段への入球に基づく振分けの方が、前記第1始動入球手段への入球に基づく振分けよりも、遊技者にとってより有利な種別が選択され易く構成され、
前記保留表示手段では、前記保留表示の態様によって、前記当否関連情報が記憶されている前記保留記憶手段の前記記憶領域の数を把握可能とするとともに、前記保留記憶手段の前記各記憶領域に記憶されている前記当否関連情報が、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に基づく第1当否関連情報、及び、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に基づく第2当否関連情報のどちらなのかを識別可能に構成され、
前記保留表示手段において、前記第1当否関連情報に対応する第1保留表示、及び、前記第2当否関連情報に対応する第2保留表示の両方が表示されている状態において、前記第1保留表示に対して前記保留先読み演出が導出された後、当該保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を、前記第1保留表示から、前記第2保留表示に変更可能に構成されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
ていることを特徴とする手段B−1乃至B−11のいずれかに記載の遊技機。
手段B−12によれば、第1当否関連情報に対応する識別情報の変動表示(第1変動表示)で特別遊技状態に当選するよりも、第2当否関連情報に対応する識別情報の変動表示(第2変動表示)で特別遊技状態に当選する方が、遊技者にとってより有利な特別遊技状態の種別が選択され易いため、遊技者は、できれば第2変動表示で特別遊技状態に当選して欲しいと考える。ところが、例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示の両方が保留されている状態において、第1変動表示の保留表示に対して、特別遊技状態への期待度が高められる保留先読み演出が導出された場合には、第2変動表示の保留表示に対して保留先読み演出が導出されればよかったのにと落胆してしまうことが懸念される。さらに、遊技者によっては、保留先読み演出が導出された第1変動表示の保留表示に対する特別遊技状態への期待度が高められる分、保留先読み演出が導出されなかった第2変動表示の保留表示に対する特別遊技状態への期待度が相対的に低下したのではないかという印象を受けてしまうことが懸念される。この場合、保留先読み演出に対するマイナスのイメージがより強くなってしまい、結果的に、興趣の低下を招いてしまうおそれがある。
この点、本手段B−12によれば、保留先読み演出が第1変動表示の保留表示に対して導出されたとしても、保留先読み演出の対象が第1変動表示から第2変動表示に変更されることへの期待を持つことができる。従って、上記懸念を払拭することができる。
尚、例えば、保留先読み演出が第2変動表示の保留表示に対して導出された後、それ以上の変更は行われないということを示すホールド演出が導出されるように構成してもよい。この場合、演出機会を増やすとともに、いざホールド演出が導出されることで安心感という特典を付与することができる。また、例えば、保留先読み演出の対象が、第1対応保留表示から第2対応保留表示に変更される場合があるが、第2対応保留表示から第1対応保留表示に変更される場合はないように構成されていることとしてもよい。この場合、保留先読み演出の対象が変更されるといった先読み対象変更演出において、遊技者にとって喜ばしくないパターンが存在するといった事態を回避することができる。結果として、先読み対象変更演出を遊技者にとって好ましい現象とすることができ、保留先読み演出の発生を期待するといった遊技性をより確実なものとすることができる。
尚、「前記第2遊技モードは、前記第1遊技モードに比べ、前記第2始動入球手段への遊技球の入球させ易さが向上すること」としてもよい。
手段B−13.前記保留表示手段において、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記所定の当否関連情報に対応する保留表示から、それ以外の保留表示に変更される過程(途中)を可視化する繋ぎ演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−12のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出が突然に消失し、別の保留表示に保留先読み演出が突然に導出される場合、先の保留先読み演出と、後の保留先読み演出とが、それぞれ独立したものである(全く関係がない)という捉え方をされてしまうことが懸念される。特に、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出が消去されてから、該保留先読み演出が別の保留表示に導出されるまでの間に僅かでもタイムラグが生じる場合や、所定の保留表示に導出されている保留先読み演出を、別の保留表示にも導出した後、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出を消すような場合(重複して導出されてしまう期間がある)には、かかる懸念がより顕著なものとされる。
これに対して、手段B−13によれば、繋ぎ演出によって、保留先読み演出の対象が変更される変更元の保留表示から、変更先の保留表示まで、遊技者の視線を誘導することができるようになり、保留先読み演出の対象が変更されることをより認識してもらい易くすることができる。
尚、繋ぎ演出としては、例えば、保留先読み演出の変更が行われる前の段階で、変更元の保留表示と、変更先の保留表示とにおいてキャラクタ等の表示を行い、保留先読み演出の変更が行われる段階で、変更元の保留表示に対応しては、保留先読み演出を送り出したような表示を行い、変更先の保留表示に対応しては、保留先読み演出を受け取ったような表示を行うこととしてもよい。また、繋ぎ演出として、例えば、保留先読み演出の変更元の保留表示から、変更先の保留表示にかけて、保留先読み演出の態様の移動の軌跡が分かるような表示(例えば、キャラクタが保留先読み演出の態様を持ち運ぶような表示)が行われるように構成してもよい。
手段B−14.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記表示制御手段は、前記操作手段への操作に基づいて、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を変更可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−13のいずれかに記載の遊技機。
手段B−14によれば、「先読み対象変更演出」が遊技者による操作手段への操作に基づいて行われることから、「先読み対象変更演出」に対してより興味を抱かせることができるとともに、「先読み対象変更演出」を見逃すといった事態を抑制することができる。
手段B−15.前記保留表示手段において前記各保留表示が表示されている部位への物体の当接、又は、近接を検知可能な接近検知手段を備え、
前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示を変更可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−14のいずれかに記載の遊技機。
手段B−15によれば、「先読み対象変更演出」が遊技者による接近検知手段への操作に基づいて行われることから、「先読み対象変更演出」に対してより興味を抱かせることができるとともに、「先読み対象変更演出」を見逃すといった事態を抑制することができる。特に、遊技者が保留表示を手で直接触れるような格好となることから、「先読み対象変更演出」をより認識し易くすることができる。従って、かかる操作に戸惑ってタイムオーバーになったり、かかる操作用に比較的長めの時間を設定することで遊技テンポが悪くなってしまったりすること等を回避することができる。特に、複数の保留表示に対して「先読み対象変更演出」が同時に導出される(複数の中からいずれかを選択する)ような場合に、対象とされる保留表示の選択をより分かり易く、確実に行えるようにすることができる。
手段B−16.前記保留表示手段には、
対応する前記識別情報の変動表示が未だ行われていない前記当否関連情報に対応する前記保留表示が導出される保留対応エリアと、
対応する前記識別情報の変動表示が実行されている最中である前記当否関連情報に対応する前記保留表示が導出される実行対応エリアとが設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−15のいずれかに記載の遊技機。
手段B−16によれば、保留表示手段において、例えば、対応する識別情報の変動表示が実行される直前に、対応する保留表示に対して、保留先読み演出の変更が行われた場合に、確認し難い(実質確認できない)といった事態を回避することができる。また、識別情報の変動表示に際して、当該変動表示に対応する保留表示に対して保留先読み演出が導出されていたのか否かや、保留先読み演出の種別(示唆内容)を確認することができ、保留先読み演出の内容と、識別情報の変動表示に際しての演出等とを併せて、様々な推測を行い、変動表示をより一層楽しむことが可能となる。
尚、保留先読み演出が導出されていた保留表示が実行対応エリアに移動した場合、当該保留表示が態様変化する演出が導出されることとしてもよい。また、保留先読み演出が導出されていた保留表示が実行対応エリアに移動する場合、実行対応エリアには、保留表示に対して導出されていた保留先読み演出の態様のみが表示されるように構成してもよい。
手段B−17.前記保留表示手段において前記保留先読み演出が導出されるタイミングは、前記保留表示が増加するタイミングのみであることを特徴とする手段B−1乃至B−16のいずれかに記載の遊技機。
手段B−17によれば、保留先読み演出が新たに導出されるタイミングが、保留表示が新たに表示されるタイミングに限定されることで、保留先読み演出が導出されたことをより気付き易くすることができる。従って、例えば、保留先読み演出が導出されていない保留表示のみが表示されている状態において、保留表示が増加する(新たな当否関連情報が保留記憶される)タイミングではないにもかかわらず、いきなり所定の保留表示に対して保留先読み演出が導出されるといった現象が生じるような構成に比べ、保留先読み演出が混とんとして理解し難くなってしまう(遊技者が取っ付きにくくなってしまう)といった事態を防止することができる。
手段B−18.前記保留先読み演出の態様は、前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報が、遊技状態に応じて前記当否抽選にて当選するか否かが異なる前記当否関連情報と、遊技状態が変化しても前記当否抽選の結果が異ならない前記当否関連情報とのどちらであるかの判別結果に基づいて設定されることを特徴とする手段B−1乃至B−17のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定のタイミングで(例えば、特別遊技状態等の前後で)当否抽選の当選確率や保留先読み演出の意味合い等が変化する場合があり、その場合、所定タイミングの前に表示されていた保留先読み演出を、所定タイミングの後もそのまま導出させてしまうと、矛盾などが生じることが懸念される。例えば、特別遊技状態の前後で当否抽選にて当選する確率が変更される構成において、特別遊技状態の前では特別遊技状態にて当選する筈であったが、特別遊技状態を挟むことで、特別遊技状態に当選しなくなった当否関連情報に対応する保留表示に対して、特別遊技状態の発生を示す保留先読み演出を、特別遊技状態の後にも引き続き導出してしまうと、該保留先読み演出を見て付与される筈の特別遊技状態が付与されなかったとして、トラブルが発生するおそれがある。
この点、手段B−18によれば、当否関連情報が保留記憶された時点と、当該当否関連情報に対応する変動表示が実行される時点とで遊技状態(遊技モード)が変化しても対応できる(支障が生じない)ように、保留先読み演出の態様を予め設定することができる。このため、遊技状態が変化した場合、或いは、変化が生じる可能性があるタイミングが訪れた場合に、保留先読み演出の態様を再度確認したり、一から設定し直したりするといった事態を回避することができる。また、例えば、遊技状態の変化に伴い、当否関連情報の意味合い(解釈)に変化が生じた場合に、保留先読み演出の態様が強制的に変更されるといった事態を回避することもできる。
尚、前記特別遊技状態の終了後、前記保留先読み演出の態様を再設定することとしてもよい。この場合、特別遊技状態の前段階において、保留先読み演出を利用して様々な演出(例えば、保留先読み演出と保留表示との対応関係を取り払ったような複雑な演出等)を行ったとしても、特別遊技状態の後にはリセットすることができる。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
近年では、変動表示が行われている状態において当否抽選が行われた場合に、該当否抽選に対応する変動表示が保留されるように構成されているものが多い。このような遊技機には、一般に、保留されている変動表示の数を把握可能とする保留表示を導出可能な保留表示手段が設けられている。さらに、保留されている変動表示が実行される前段階において、所定の変動表示の内容を示唆する演出(所謂、保留先読み演出)が、前記所定の変動表示に対応する保留表示に対して行われるものがある。
ところで、保留表示手段において、保留先読み演出が導出された保留表示を複数表示可能に構成する場合、保留表示手段に表示される保留先読み演出の組合わせ等によって、保留先読み演出に対する遊技者の心象が大きく異なる場合がある。例えば、保留表示手段において、特別遊技状態の発生期待度が若干高められる保留先読み演出Aのみが表示されている場合と、保留先読み演出Aよりも特別遊技状態の発生期待度が高められる保留先読み演出Bとともに保留先読み演出Aが表示される場合とで、保留先読み演出Aに対する期待感が大きく異なることが考えられる。すなわち、前者の保留先読み演出Aについては期待することができるものの、後者の保留先読み演出Aについてはむしろ期待できないといった心象になることが考えられる。特に、保留先読み演出Aが導出された保留表示と、保留先読み演出Bが導出された保留表示との間隔が近くなるほど、両者の関連性が強いような印象を与え、上記のような傾向が強くなるおそれがある。従って、保留先読み演出を折角導出したとしても、状況によって演出効果が薄くなってしまったり、保留先読み演出に対して、逆にマイナスのイメージを持たれたりしてしまうことが懸念される。
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、保留先読み演出を行うことで、より確実に興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において識別情報を変動表示させた後、前記当否抽選の結果に基づく前記識別情報を停止表示可能な表示制御手段とを備える遊技機において、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記保留表示の態様が、当該保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する特定態様とされる保留先読み演出を導出可能に構成され、
前記保留表示手段において、少なくとも(第1保留表示に対して、当該)第1保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する第1保留先読み演出が導出されている状態において、第2保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する前記第2保留先読み演出を導出させる権利が付与された場合には、前記第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出を導出させる権利を行使させるか否かを決定する第1現出抽選処理が行われ、
前記第1現出抽選処理で前記権利を行使させる決定がなされた場合には、前記第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出され、
前記第1現出抽選処理で前記権利を行使させない決定がなされた場合には、前記第2保留先読み演出を導出させる権利を得ているが行使はしていない待機状態であることを待機状態記憶手段に記憶する構成であって、
前記第1現出抽選処理では、前記第1保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番と、前記第2保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番との間の差が規定数未満の場合には、前記規定数以上の場合に比べて、当該第1現出抽選処理における当選確率が低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
例えば、特別遊技状態への期待度が比較的低い保留先読み演出と、特別遊技状態への期待度が比較的高い保留先読み演出とが連続で導出された場合、遊技者は、期待度の低い保留先読み演出に対応する変動表示に対して全く期待をしないことになるばかりか、当該変動表示に時間を費やされたくない等の悪印象を持ってしまうことも懸念される。
その一方で、かかる事態を回避するべく、複数の保留表示に保留先読み演出を導出させないようにする場合には、保留先読み演出の機会を減らし、また、保留先読み演出を導出させる効果が非常に高い(例えば、対応する変動表示が特別遊技状態に対応している等)場合であっても、既に保留先読み演出が導出されている状態なので、導出させることができない等といった演出効果に関する著しい損失を招くおそれがある。
さらに、例えば、既に保留先読み演出が導出されている状態で新たに保留先読み演出を導出する場合に、先の保留先読み演出に対応する変動表示の内容を見て、新たな保留先読み演出のパターンを差し障りのないものに変更したりすることが考えられる。この場合、複数の保留先読み演出の組合わせにより、対応する変動表示の内容が遊技者に見透かされてしまうといった事態を招くことが懸念される。例えば、保留先読み演出が連続して複数導出される場合には、少なくとも先の保留先読み演出に対応する変動表示については特別遊技状態に当選していない等と捉えられてしまうことが考えられる。
この点、手段C−1によれば、既に保留先読み演出が導出されている状態で新たに保留先読み演出を導出する権利が得られた場合に、先の保留先読み演出との間隔(変動表示として実行される順番の差)に応じて、新たに保留先読み演出を導出させるか、或いは、導出を後回しにする(導出させる権利を持った状態で待機する)のかを決定するように構成されている。つまり、保留表示手段に保留先読み演出が複数導出される場合に、保留先読み演出同士の間隔の調整を行い、それぞれの保留先読み演出が極力生かされるような相対配置とすることができる。
従って、保留表示手段において複数の保留表示に対して保留先読み演出を導出可能とすることで演出性の向上を図ることができるとともに、例えば、保留表示手段において保留先読み演出が導出される複数の保留表示の間隔が近付き過ぎてしまうことに起因して、対応する変動表示の内容や結果が見え透いて面白味を欠き、各保留先読み演出の演出効果や存在意義を低下させてしまうといった事態を低減させることができる。結果として、保留先読み演出を行うことでのマイナス面を抑制することができ、保留先読み演出と、興趣の向上とをより確実に結びつけることができる。
加えて、第1現出抽選処理で第2保留先読み演出を導出させる権利を行使させない決定がなされた場合に、前記権利が破棄されるのではなく、前記権利が持ち越されるように構成されている。従って、保留先読み演出を導出させる機会を増やすことができる。
尚、「前記第1現出抽選処理では、前記第1保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番と、前記第2保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番との間の差が規定数未満の場合には、前記規定数以上の場合に比べて、当該第1現出抽選処理における当選確率が低くなるように構成されている」という構成には、「前記第1保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番と、前記第2保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番との間の差が規定数未満の場合には、前記現出抽選処理で当選しないように構成されていること」といった構成をも含む趣旨である。
手段C−2.前記待機状態記憶手段に前記待機状態であることが記憶されている場合に、第3保留表示を対象として、既に得られている前記第2保留先読み演出を導出させる権利を行使するか否かを決定する第2現出抽選処理を実行可能に構成され、
前記第2現出抽選処理で前記権利を行使させる決定がなされた場合には、前記第3保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出され、
前記第2現出抽選処理で前記権利を行使させない決定がなされた場合には、前記待機状態記憶手段の記憶状態が維持される構成であって、
前記第2現出抽選処理では、前記第1保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番と、前記第3保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が実行される順番との間の差が規定数未満の場合には、前記規定数以上の場合に比べて、当該第2現出抽選処理における当選確率が低くなるように構成されていることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、第2保留先読み演出を導出させる権利が持ち越される回数が1回ではなく、複数回にすることも可能となる。従って、前記権利を1回持ち越すだけではまだ足りないといった事態にも十分に対処することができる。
尚、手段C−2における「規定数」とは、手段C−1における「規定数」と同じ数(前記規定数)であってもよいし、別の数(手段C−1の規定数が第1規定数であり、手段C−2の規定数が第2規定数である)であってもよい。
手段C−3.前記第2保留先読み演出が前記第3保留表示に導出されている場合には、前記第2保留表示が前記保留表示手段から消去されるまでの間に(例えば、前記第2保留表示に対応する前記識別情報の変動表示が開始される、又は、停止表示されるまでの間に)、
前記第2保留先読み演出が前記第2保留表示に対して導出されるまで前記保留表示手段の表示態様を変更可能に構成されていることを特徴とする手段C−2に記載の遊技機。
上記手段C−2のように、第2保留先読み演出を第2保留表示に導出させるのではなく、第3保留表示に導出した場合には、第3保留表示の態様と、第3保留表示に対応する当否関連情報(に対応する識別情報の変動表示)の内容との対応関係がずれた状態となる。この場合、第2保留先読み演出による示唆が的外れなものとなっており、保留先読み演出の意味がなくなるおそれがある。
この点、本手段C−3によれば、保留表示の態様と、保留表示に対応する当否関連情報(に対応する識別情報の変動表示)の内容との対応関係がずれた状態が生じたとしても、最終的にはかかるずれを修復して合致させるように構成されている。このため、保留先読み演出の態様で示唆される内容と、保留先読み演出が導出された保留表示に対応する当否関連情報の変動表示の内容とが合致しないといった事態を防止することができる。
手段C−4.前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2当否関連情報よりも後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して、前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使された場合であって、
前記第1保留表示が前記保留表示手段から消去された場合、前記第3保留表示に対して導出されている前記第2保留先読み演出の対象が、前記第2保留表示に変更される、又は、前記第3保留表示に対して導出されている前記第2保留先読み演出の対象を前記第2保留表示側に寄せる接近抽選処理にて当選する確率が高められることを特徴とする手段C−3に記載の遊技機。
手段C−4によれば、第1保留先読み演出と、第2保留先読み演出とが近付き過ぎるといった事態を防止しつつ、先行する第1保留先読み演出が消化された後は、第2保留先読み演出と、第2保留表示(第2当否関連情報)とを確実に合致させるようにすることができる。
手段C−5.前記保留記憶手段は、実行中の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される実行エリアと、保留状態の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される複数の保留エリアとを備え、
前記保留表示手段は、前記実行エリアに対応する実行対応エリアと、各前記保留エリアに対応する保留対応エリアとを備え、
前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2当否関連情報よりも後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して、前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使された場合であって、
前記第2保留表示が前記実行対応エリアに移動した場合、前記第3保留表示に対して導出されている前記第2保留先読み演出の対象が、前記第2保留表示に変更されることを特徴とする手段C−2乃至C−4のいずれかに記載の遊技機。
手段C−5によれば、第2保留先読み演出と、第2保留表示(第2当否関連情報)とを確実に合致させるようにすることができる。
手段C−6.前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して新たに第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使される前に、前記第1保留表示が前記保留表示手段から消去された場合、その後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に関して、前記第2現出抽選処理の当選確率が高められる、又は、前記第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して必ず前記第2保留先読み演出が導出されることを特徴とする手段C−2乃至手段C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、第1保留先読み演出と、第2保留先読み演出とが近付き過ぎるといった事態を防止しつつ、第2保留先読み演出を導出させる権利を極力無駄にしないようにすることができる。
手段C−7.前記保留記憶手段は、実行中の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される実行エリアと、保留状態の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される複数の保留エリアとを備え、
前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2当否関連情報よりも後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に関して前記第2現出抽選処理に当選した場合には、当該第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して、前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使される構成であって、
前記第1当否関連情報の変動表示が実行される順番と、前記第2保留先読み演出の対象とされた保留表示に対応する当否関連情報の変動表示が実行される順番との差を記憶する第1間隔記憶手段を備えていることを特徴とする手段C−2乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
手段C−7によれば、第2保留先読み演出を導出させる権利を行使させるか否かの第1及び第2現出抽選処理において、第1保留表示との間の間隔を迅速に把握することが可能となる。尚、第3保留表示に対して第2保留先読み演出が導出された状態では、第1間隔記憶手段には、第1保留表示と、第3保留表示との間隔が記憶されていることとなる。
手段C−8.前記保留記憶手段は、実行中の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される実行エリアと、保留状態の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される複数の保留エリアとを備え、
前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2当否関連情報よりも後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に関して前記第2現出抽選処理に当選した場合には、当該第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して、前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使される構成において、
前記第2当否関連情報の変動表示が実行される順番と、前記第3当否関連情報の変動表示が実行される順番との差を記憶する第2間隔記憶手段を備えていることを特徴とする手段C−2乃至C−7のいずれかに記載の遊技機。
手段C−8によれば、第3保留表示に対して導出された第2保留先読み演出が、第2保留表示と合致したか否か等の判断をより迅速に把握することが可能となる。
手段C−9.前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2当否関連情報よりも後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に関して前記第2現出抽選処理に当選した場合には、当該第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して、前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使される構成において、
前記第3保留表示に対して導出されている前記第2保留先読み演出の対象を前記第2保留表示側に寄せる接近抽選処理にて当選した場合であって、前記第2保留表示と、前記第3保留表示との間に、別の保留表示が存在する場合には、前記第2保留先読み演出の対象が、前記第3保留表示から、前記別の保留表示に変更され、さらに前記接近抽選にて当選することにより、前記別の保留表示から、前記第2保留表示に変更されることを特徴とする手段C−2乃至C−8のいずれかに記載の遊技機。
手段C−9によれば、第2保留表示と、第3保留表示との間が2つ以上離れている場合、第2保留先読み演出が一気に飛ぶのではなく、間の(隣の)保留表示へと一旦移動してから、さらに移動する格好で最終的な目標の第2保留表示に導出されることとなる。従って、保留先読み演出の対象の変更を比較的分かり易くすることができる。さらに、1つ移動しただけでは遊技者が有利になるまでには至らないような状況では、「もっと動け」等といった熱を入れることのできる演出とすることができる。従って、保留先読み演出をより壮大に、かつ、より分かり易く実行することができるようになる。
手段C−10.前記保留記憶手段は、実行中の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される実行エリアと、保留状態の変動表示に対応する前記当否関連情報が記憶される複数の保留エリアとを備え、
前記保留記憶手段において第1当否関連情報が記憶され、当該第1当否関連情報に対応する第1保留表示に対して第1保留先読み演出が導出されている状態において、前記保留記憶手段に対して第2当否関連情報が記憶されることで、当該第2当否関連情報に関して、第2保留先読み演出を導出させる権利が付与されたものの、当該第2当否関連情報に対応する第2保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されず、前記待機状態とされた場合において、
前記第2当否関連情報よりも後に前記保留記憶手段に対して保留記憶された第3当否関連情報に関して前記第2現出抽選処理に当選した場合には、当該第3当否関連情報に対応する第3保留表示に対して、前記第2保留先読み演出を導出させる権利が行使される構成において、
(前記第2現出抽選処理に当選した場合に、)前記第1保留先読み演出の態様と、前記第2保留先読み演出の態様とを使用した特定演出を導出するか否かを決定する特定演出抽選処理が行われる構成であって、
前記特定演出抽選処理で当選した場合には、
前記保留表示手段において、前記第1保留表示に対して前記第1保留先読み演出が導出され、前記第3保留表示に対して前記第2保留先読み演出が導出されている状態から、
前記第1保留先読み演出の態様と、前記第2保留先読み演出の態様とが組み合わされた態様、又は、前記第1保留先読み演出の態様及び前記第2保留先読み演出の態様に代替する態様が、前記第2保留表示を含む表示範囲において導出される統合保留先読み演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−2乃至C−9のいずれかに記載の遊技機。
通常、第1保留先読み演出、及び、第2保留先読み演出は、それぞれの保留先読み演出の態様によって、対応する1つの変動表示の内容(当選期待度等)を示唆するだけであるが、手段C−10の統合保留先読み演出を行うことで、(対応する変動表示において結果が出るよりも先に)複数の保留先読み演出の態様で1つの変動表示の示唆を行ったり、1つの保留先読み演出の態様で複数の変動表示の示唆を行ったりすることができる。従って、保留先読み演出の多様化を図り、演出性の向上を図ることができる。
また、第1保留先読み演出と第2保留先読み演出とが組み合わされる(統合される)ことで、もはや、第1保留先読み演出及び第2保留先読み演出の順番や間隔等にとらわれず、統合保留先読み演出の対象とされた保留表示(のいずれか)に対応して、遊技者の期待する状態(特別遊技状態)が発生してくれればいいといった心持ちとさせることができる。従って、保留先読み演出が導出されることで、遊技者の期待感が向上するといった対応付けをより確実なものとすることができる。
尚、統合保留先読み演出(の態様)は、第1保留先読み演出(の態様)、及び、第2保留先読み演出(の態様)のうち、特別遊技状態発生への期待度が高い方の期待度を最低でも有していることが望ましく、保留先読み演出が統合された(合体した)分だけ、或いは、相乗的に、期待度が向上する場合があるように構成することがより望ましい。つまり、例えば、第1及び第2保留先読み演出の対象を1つの保留表示にまとめてしまう場合、保留先読み演出の対象となる保留表示が1つ減ってしまうことになるが、その分、期待度が高められたことを示す態様を導出させることで、遊技者の不満を抑制することができる。また、3つ以上の保留表示に跨るようにして統合保留先読み演出の態様を導出させてもよい。この場合、よりスケールの大きい一連の演出を導出することが可能となる。
手段C−11.前記当否抽選の結果を教示可能に構成され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示と対応して行われる演出用変動表示を導出可能な演出表示手段を備え、
前記保留表示手段において前記統合保留先読み演出が導出されていない場合、前記演出表示手段における前記演出用変動表示は、前記可変表示手段における識別情報の変動表示とともに開始され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示の停止表示とともに停止表示され、
前記保留表示手段において前記統合保留先読み演出が導出された場合、前記演出表示手段において、前記統合保留先読み演出の対象とされた全ての前記保留表示に対応する前記可変表示手段における識別情報の変動表示の開始から停止表示までの間、前記演出用変動表示が(、前記可変表示装置における識別情報の複数回の変動表示にわたって(跨いで)、途中で停止表示されることなく)継続して導出されることを特徴とする手段C−2乃至C−10のいずれかに記載の遊技機。
手段C−11によれば、統合保留先読み演出に対応する期間中は、演出表示手段を視認しているだけでは、統合保留先読み演出の対象とされた複数の保留表示のうちいずれに対応する当否関連情報が当選したのかを把握することが困難となる。従って、保留先読み演出の順番や間隔等にとらわれることなく、遊技を進行させることができるといった作用効果がより確実に奏される。
また、近年、識別情報の変動表示時間(変動時間)が比較的長く設定されるものがあるが、遊技を進行させる上で効率が悪くなる上、例えば、変動表示の保留上限を超えて条件成立検知手段の検知が行われると遊技者に不利益が生じるような構成において、前記変動時間が長くなると、そのような状況が起き易くなってしまうことが懸念される。この点、本手段では、1つの変動表示ではなく、複数の変動表示の変動時間を使用して、比較的長めの演出を行うこととしているため、上記不具合を抑制することができる。
手段C−12.前記保留表示手段は、
前記当否関連情報が記憶されている前記保留記憶手段の前記記憶領域の数を示す保留表示を導出可能な第1保留表示手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な第2保留表示手段とを備え、
前記第2保留表示手段の前記第2保留表示に対して前記保留先読み演出が導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−2乃至C−11のいずれかに記載の遊技機。
手段C−12によれば、第2保留表示手段において様々な演出を行い、保留表示と、保留されている変動表示との対応関係が多少分かり難くなるような場面が発生したとしても、第1保留表示手段によって変動表示が保留されているか否かが確実に把握できる。従って、第2保留表示手段における保留先読み演出の自由度や演出性等の向上を図ることができる。特に、手段C−10、C−11を採用する場合に、かかる作用効果がより一層顕著なものとなる。
手段C−13.前記保留表示手段において、前記保留先読み演出の導出対象とされる保留表示が、前記所定の当否関連情報に対応する保留表示から、それ以外の保留表示に変更される過程(途中)を可視化する繋ぎ演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−2乃至C−12のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出が突然に消失し、別の保留表示に保留先読み演出が突然に導出される場合、先の保留先読み演出と、後の保留先読み演出とが、それぞれ独立したものである(全く関係がない)という捉え方をされてしまうことが懸念される。特に、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出が消去されてから、該保留先読み演出が別の保留表示に導出されるまでの間に僅かでもタイムラグが生じる場合や、所定の保留表示に導出されている保留先読み演出を、別の保留表示にも導出した後、所定の保留表示に導出されていた保留先読み演出を消すような場合(重複して導出されてしまう期間がある)には、かかる懸念がより顕著なものとされる。
これに対して、手段C−13によれば、繋ぎ演出によって、保留先読み演出の対象が変更される変更元の保留表示から、変更先の保留表示まで、遊技者の視線を誘導することができるようになり、保留先読み演出の対象が変更されることをより認識してもらい易くすることができる。
尚、繋ぎ演出としては、例えば、保留先読み演出の変更が行われる前の段階で、変更元の保留表示と、変更先の保留表示とにおいてキャラクタ等の表示を行い、保留先読み演出の変更が行われる段階で、変更元の保留表示に対応しては、保留先読み演出を送り出したような表示を行い、変更先の保留表示に対応しては、保留先読み演出を受け取ったような表示を行うこととしてもよい。また、繋ぎ演出として、例えば、保留先読み演出の変更元の保留表示から、変更先の保留表示にかけて、保留先読み演出の態様の移動の軌跡が分かるような表示(例えば、キャラクタが保留先読み演出の態様を持ち運ぶような表示)が行われるように構成してもよい。
D.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
近年では、変動表示が行われている状態において当否抽選が行われた場合に、該当否抽選に対応する変動表示が保留されるように構成されているものが多く、一般に、保留されている変動表示の数を把握可能とする保留表示を導出可能な保留表示手段が設けられている。さらに、変動表示が実行される前段階において、該当する変動表示の内容を示唆する演出(所謂、保留先読み演出)が行われるものがある。
ところで、保留先読み演出を利用して、より一層の興趣の向上を図ることが求められている。
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、保留先読み演出によってより一層の興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段D−1.所定条件が成立したことを検知する条件成立検知手段と、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において識別情報を変動表示させた後、前記当否抽選の結果に基づく前記識別情報を停止表示可能な表示制御手段とを備える遊技機において、
前記条件成立検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段とを備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の当否関連情報に対応する前記識別情報の変動表示が実行されるよりも前の段階において、前記所定の当否関連情報に対応する前記保留表示の態様が、当該保留表示に対応する前記識別情報の変動表示の内容を示唆する特定態様とされる保留先読み演出を導出可能に構成され、
前記保留表示手段に表示されている各前記保留表示の態様と、前記保留記憶手段の各前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報とが(1対1で)対応している合致状態と、対応していない非合致状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、合致状態を崩さないように保留に関する演出を行うだけの場合に比べ、保留表示を利用した演出をより多様に、より自由に、よりダイナミックに行うことができる。さらには、合致状態を崩さない範囲で演出を行おうとする場合には、逆に演出に無理やり感が生じたり、演出実行の条件が厳しく演出の機会が少なくなったり、遊技者が自分で操作している感覚がなくなったり(ランダム性がない)、或いは、保留先読み演出の導出対象とされる変動表示だけでなく、その前後の変動表示の内容についても見え透いてしまったりすることが懸念される。これに対し、本手段のように、必要に応じて非合致状態を介在させることにより、最終的な態様とするまでの各演出を分かり易く(演出上の飛躍を少なくして)簡潔に見せていくことが可能であり、一度に行う制御の量も低減させる(最終的な態様とするまでの制御を分割する)ことができる。さらには、保留先読み演出で変動表示の内容が示唆されるからといって、未だ非合致状態であるかもしれないため、緊張感を維持させることができるとともに、周囲の変動表示との関連性についても見当がつかなくすることができる。従って、遊技性や演出性の向上、単調感の抑制、制御の簡素化等を図ることができる。
手段D−2.前記保留表示手段は、
前記当否関連情報が記憶されている前記保留記憶手段の前記記憶領域の数を示す保留表示を導出可能な第1保留表示手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が(1つでも)記憶されていることを示す保留表示を導出可能な第2保留表示手段とを備え、
前記第2保留表示手段の前記第2保留表示に対して前記保留先読み演出が導出可能に構成されるとともに、
前記合致状態では、前記第2保留表示手段に表示されている各前記保留表示の数と、前記保留記憶手段の各前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報の数とが一致し、前記非合致状態では一致していないことを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−2によれば、例えば、第2保留表示手段において実際の変動保留数よりも多い数の保留表示が、保留先読み演出を伴って導出され、その後の演出により、そのうちの不必要な保留表示が消去され、必要なものだけが残るといった演出や、複数の保留表示が1つにまとまるといった演出等のように、保留記憶されている当否関連情報の数に捉われず、保留表示の数を自由に変化させる保留演出を導出可能とすることにより、保留演出の演出効果を飛躍的に高めることができ、対応する変動表示の期待度を飛躍的に高める等の効果的な演出を行うことができる。
また、たとえ、第2保留表示手段における保留表示の数が変動保留数と合致しなくても、第1表示手段を確認すれば、保留されている変動表示の数を確実に把握することができる。
手段D−3.前記当否抽選の結果を教示可能に構成され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示と対応して行われる演出用変動表示を導出可能な演出表示手段を備え、
複数の前記第2保留表示が1つにまとめられる統合保留先読み演出を導出可能に構成され、
前記第2保留表示手段において前記統合保留先読み演出が導出されていない場合、前記演出表示手段における前記演出用変動表示は、前記可変表示手段における識別情報の変動表示とともに開始され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示の停止表示とともに停止表示され、
前記第2保留表示手段において前記統合保留先読み演出が導出された場合、前記演出表示手段において、前記統合保留先読み演出の対象とされた全ての前記保留表示に対応する前記可変表示手段における識別情報の変動表示の開始から停止表示までの間、前記演出用変動表示が、前記可変表示装置における識別情報の複数回の変動表示にわたって継続して導出されることを特徴とする手段D−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、第2保留表示手段において複数の第2保留表示がまとめられた態様と、演出表示手段における変動表示とを確実に対応させることができ、統合保留先読み演出に対応する変動表示の期待度等を向上させることができる。
また、近年、識別情報の変動表示時間(変動時間)が比較的長く設定されるものがあるが、遊技を進行させる上で効率が悪くなる上、例えば、変動表示の保留上限を超えて条件成立検知手段の検知が行われると遊技者に不利益が生じるような構成において、前記変動時間が長くなると、そのような状況が起き易くなってしまうことが懸念される。この点、本手段では、1つの変動表示ではなく、複数の変動表示の変動時間を使用して、比較的長めの演出を行うこととしているため、上記不具合を抑制することができる。
手段D−4.前記合致状態では、前記保留表示手段に表示されている各前記保留表示に対応して導出されている保留先読み演出の態様と、前記保留記憶手段の各前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報の内容とが対応し、前記非合致状態では対応していないことを特徴とする手段D−1乃至D−3のいずれかに記載の遊技機。
手段D−4によれば、必要に応じて、保留先読み演出の導出対象とされる変動表示を適宜変更することができ、演出を分かり易くするとともに、遊技性や演出性の向上、単調感の抑制、制御の簡素化等を図るといった上記作用効果がより確実に奏される。
手段D−5.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記操作手段の操作に基づく所定の入力に応じて、前記保留表示手段における前記保留表示の態様を再設定可能に構成されていることを特徴とする手段D−1乃至D−4のいずれかに記載の遊技機。
保留先読み演出は、対応する変動表示の内容、ひいては、当否抽選の結果に基づいて設定されることから、当否抽選における「外れ」に対応し、とりたてて演出も行われることのない変動表示が連続する場合には、対応する保留表示に保留先読み演出を導出したとしても単調感が拭えなかったり、保留先読み演出自体が導出されない期間が続いたりすることが懸念される。
その一方で、保留先読み演出が過多に導出される場合には、保留先読み演出の信頼度等が低下し、保留先読み演出を導出することによる演出効果が低下してしまうことが懸念される。
この点、手段D−5によれば、遊技者の操作手段への操作が、保留先読み演出の各種契機とされ、保留表示の再設定等が行われるようになっている。従って、遊技者の意思を遊技に反映させることのできる演出機会を(変動表示の結果がどうなるのかが決定するタイミング以外の比較的退屈な時間に)増やすことができ、遊技性や演出性の向上、単調感の抑制等を図ることができる。
さらに、保留表示の態様の再設定に関して、遊技者自身が操作をするためにより多くの満足感が得られるとともに、遊技者自身の考えで操作を行ったり、行わなかったりするといった具合に、保留先読み演出に対し遊技者が選択的に関わることができる。従って、保留先読み演出が多過ぎたり少な過ぎたり感じるといった遊技者毎の差異を緩和するとともに、実際に、保留先読み演出が過多に導出されることに起因して、保留先読み演出の信頼度等が低下したり、保留先読み演出が希少過ぎて、堪能できる遊技者が少なくなってしまったりするといった事態を回避することができる。結果として、遊技に積極的に関わりたい遊技者、及び、シンプルな演出を好む遊技者のいずれの遊技者でも、保留先読み演出の量に満足することができるとともに、保留先読み演出を導出させるための制御が増加する割には、保留先読み演出を導出することによる演出効果が低くなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、前記操作手段の操作に基づく所定の入力がなくても、(保留表示手段における保留表示の態様が特定態様となれば、或いは、ならなくても、)保留先読み演出が導出される場合があるように構成することとしてもよい。また、シンプルな演出を好む遊技者のために、遊技者の意思で、前記保留表示の態様変化が生じない状態とすることが可能に構成されていることとしてもよい。
手段D−6.前記操作手段の操作に基づく所定の入力に応じて再設定される前記保留表示手段における前記保留表示の態様は複数パターン用意されているとともに、前記保留表示手段における前記保留表示の態様が特定態様となった場合に、前記保留先読み演出が導出される、又は、前記保留先読み演出が導出させる権利が付与されることを特徴とする手段D−5に記載の遊技機。
手段D−6によれば、保留表示を利用した新たな遊技性を付与することができ、単調感の抑制等を図るといった上記作用効果がより一層奏される。
尚、「前記保留表示手段における複数の前記保留表示の組合わせによる態様が特定態様となった場合に、前記保留先読み演出が導出されること」としてもよい。この場合、複数の保留表示の組合わせによる態様が特定態様に向けて段階的に変化していく様子を堪能することができ、かかる演出に対してより興味を引くことが可能となる上、単調感の抑制等を図るといった上記作用効果がより一層奏される。
手段D−7.前記操作手段の操作に基づく所定の入力が、前記保留表示手段における前記保留表示の態様の再設定の契機として有効な再設定有効状態と、再設定無効状態とに切替可能に構成され、
前記再設定有効状態において前記操作手段の操作に基づく所定の入力が検知された場合、前記保留表示手段における前記保留表示の態様を決定する再設定態様抽選処理が行われることを特徴とする手段D−5又はD−6に記載の遊技機。
手段D−7によれば、遊技者が操作手段に基づく所定の入力を行った場合にどのような態様が導出されるのかについて予め決定されているものではないことから、保留表示の態様を再設定すること自体に遊技性を付加することができる。従って、単調感の抑制等を図るといった上記作用効果がより一層奏される。
尚、「前記再設定有効状態において、前記操作手段の操作に基づく前記所定の入力が行われてから、前記保留表示手段における前記保留表示の態様の再設定が完了するまでは前記再設定無効状態とされること」としてもよい。この場合、保留表示の態様の再設定がいつまでたっても完了しないといった事態を回避することができる。従って、保留表示の態様の再設定といった演出の確立、及び、制御の簡素化等を図ることができる。また、「前記再設定有効状態であることを示す有効教示手段を備えていること」としてもよい。また、「前記再設定有効状態と、前記再設定無効状態とで、前記操作手段の視認態様が変化すること」、「前記有効教示手段では、前記操作手段への操作を促す表示が導出されること」としてもよい。
手段D−8.前記操作手段の操作時間を計測する操作時間計測手段、及び、
前記操作手段の規定時間当たりの操作回数を計数する操作回数計数手段
のうち少なくとも一方を備え、
前記操作手段により、第1の入力が行われた場合と、第2の入力が行われた場合とで、前記再設定態様抽選処理のアルゴリズムが異なることを特徴とする手段D−5乃至D−7のいずれかに記載の遊技機。
手段D−8によれば、1つの操作手段で多様な入力を行うことができる。従って、保留表示の態様を変化させるといった演出に関して遊技者の意思を反映させ易くした上で、所定の操作が保留表示の態様の再設定の契機となる操作手段の数を極力少なくしたり、操作性の向上を図ったり、操作への興味を強めたりすることができる。そして、操作手段を極力少なくすることにより、操作手段の操作を伴う演出について遊技者により理解してもらい易くすることができるとともに、操作手段の設置に要するスペースの増大を抑制することができる。
手段D−9.遊技機の前面側に設けられた所定部位への当接、又は、近接を検知する接近検知手段を備え、
前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記保留表示手段における前記保留表示の態様を再設定可能に構成されていることを特徴とする手段D−5乃至D−8のいずれかに記載の遊技機。
手段D−9によれば、保留表示の態様を再設定する際の多様な入力を可能とすることができる。例えば、接近検知手段が操作手段へ接近した物体を検知可能に構成される場合には、操作手段を操作する前に、操作手段の手前で手をかざしていた時間によって結果が変わったり、操作手段を操作する前に、接近検知手段の検知を契機として再設定が行われたりすることが可能である。また、例えば、接近検知手段が、前記保留表示手段(の各前記保留表示が表示される部位)への当接、又は、近接を検知可能に構成される場合には、各保留表示を直接触れるような格好となるため、直感的な操作となり、分かり易い。従って、保留表示に対してより興味を抱かせることができるとともに、「保留表示の態様を再設定」を見逃すといった事態を抑制することができる。さらに、操作を分かり易くすることにより、操作に戸惑ってタイムオーバーになったり、かかる操作用に比較的長めの時間を設定することで遊技テンポが悪くなってしまったりすること等を回避することができる。特に、複数の保留表示に対して、複数の中からいずれかを選択するような操作を求められる場合に、対象とされる保留表示の選択をより分かり易く、確実に行えるようにすることができる。
手段D−10.前記保留表示手段の前方を被覆する被覆状態と、前記保留表示手段を前方に露出させる露出状態とに状態変化可能な被覆手段を備え、
前記被覆状態にある前記被覆手段により、前記保留表示手段に表示される前記保留表示の少なくとも一部の前方が覆われることを特徴とする手段D−1乃至D−9のいずれかに記載の遊技機。
手段D−10によれば、保留表示や保留先読み演出の態様変化と、被覆手段の挙動とを組合わせて、より面白味のある演出を導出することができる。また、被覆手段が保留表示の全体を視認不可能又は視認困難とするまでに被覆可能に構成される場合には、保留表示や保留先読み演出の態様の変化する瞬間を見えなくしたりして、どのように変化したのか、或いは、変化しなかったかの演出性の向上を図ることができる。特に、被覆手段が、保留表示手段に表示される各保留表示を個別に被覆可能に構成される場合には、複数ある保留表示のうち、注目してほしい保留表示を限定することができ、態様変化が行われたか否かをより認識してもらい易くすることができる。さらに、被覆手段が保留表示の一部を視認不可能又は視認困難とするまでに被覆可能に構成される場合には、保留表示や保留先読み演出の態様と、被覆手段の態様とを組合わせて、より面白味のある態様を導出することができる。
尚、被覆手段が、所定の保留表示の全体を被覆可能な全被覆状態(事実上、保留表示を認識不可能)と、所定の保留表示の一部を被覆可能な部分被覆状態(保留表示を複数のパターンに絞り込めるが、正確には分かり難い)と、退避状態とに状態変化可能に構成されていることとしてもよい。
手段D−11.前記当否抽選の結果を教示可能に構成され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示と対応して行われる演出用変動表示を導出可能な演出表示手段を備え、
前記演出表示手段における前記演出用変動表示は、前記可変表示手段における識別情報の変動表示とともに開始され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示の停止表示とともに停止表示される構成において、
前記保留表示手段は、前記演出表示手段の一部によって構成され、
前記被覆手段は、前記演出表示手段のうち、前記保留表示手段に対応する部位のみを被覆可能に構成されていることを特徴とする手段D−10に記載の遊技機。
手段D−11によれば、例えば、被覆手段が演出表示手段の全体を被覆するような構成に比べ、保留表示手段の態様に注目してもらうことができ、保留表示手段における態様変化をより認識してもらい易くすることができる。また、被覆位置にある被覆手段によって演出表示手段のその他の部位の視認を妨げることを回避することができる。結果として、被覆手段を利用した演出のタイミングの自由度を向上させることができる。
手段D−12.前記当否抽選の結果を教示可能に構成され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示と対応して行われる演出用変動表示を導出可能な演出表示手段を備え、
前記演出表示手段における前記演出用変動表示は、前記可変表示手段における識別情報の変動表示とともに開始され、前記可変表示手段における識別情報の変動表示の停止表示とともに停止表示される構成において、
前記保留表示手段は、前記演出表示手段の一部によって構成され、
前記保留表示手段において前記保留表示の態様変化(再設定)が行われる場合に、前記演出表示手段の前記保留表示手段以外の領域において、前記保留表示の態様変化の前後で視認態様が変化する視認変化オブジェクトを表示可能に構成されていることを特徴とする手段D−1乃至D−11のいずれかに記載の遊技機。
手段D−12によれば、遊技者の注意が保留表示手段に集まるなか、演出表示手段のその他の部位においてひっそりと(効果音などを伴わずに)視認態様が変化することで、その後、遊技者の注意が演出表示手段の演出用変動表示の方に移った場合に、演出表示手段の視認態様の変化に気付くことで、驚きと面白みとを感じてもらうことができる。
手段D−13.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技者が操作可能な位置に設けられ、遊技者の操作に基づいて前記発射手段により遊技球が発射される前記操作手段としての発射操作手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段へ入球した遊技球を検知する始動入球検知手段とを備え、
前記主制御手段は、前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選を行う構成であって、
前記可変表示手段における識別情報の変動表示中に前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報が前記保留記憶手段の空いている前記記憶領域に記憶され、
前記保留記憶手段は、前記始動入球検知手段の検知に基づいて取得された前記当否関連情報を規定数記憶可能に構成され、
前記保留記憶手段において、前記始動入球検知手段の検知に基づいて取得された前記当否関連情報が前記規定数記憶されている状態で、前記始動入球検知手段の検知が行われた場合には、(前記保留表示手段における前記保留表示の態様が特定態様となり、)前記保留先読み演出が導出される、又は、前記保留先読み演出を導出させる権利が付与されることを特徴とする手段D−1乃至D−12のいずれかに記載の遊技機。
従来、保留記憶手段に対してそれ以上の当否関連情報を記憶させることができない(空きの記憶領域がない)状態で、始動入球手段に遊技球が入球しても(所謂、「オーバー入賞」しても)、その分の当否関連情報が保留記憶手段に記憶されない(変動表示の保留が行われない)ことから、遊技者としては、かかる事象が発生すると、損をした気分になっていた。これに対し、保留記憶手段の記憶領域の数を増やすことも考えられるが、その場合、遊技機の個体差等によって、始動入球手段への遊技球の入球させ易さが異なることに基づいて、発射させた遊技球の数に対する識別情報の変動表示の回数の割合の差異が大きくなってしまったり、或いは、変動表示を保留させ易くなった分、遊技バランス(遊技球の発射数と、遊技球の払出し数との割合等)の調整を行うべく、当否抽選の確率を下げたり、始動入球手段への遊技球の入球に基づく遊技球の払出し数を減らしたり等することで、前記差異がより大きくなったり、設計の自由度が低下したりすることが懸念される。
この点、手段D−13によれば、遊技球が始動入球手段にオーバー入賞すると、保留先読み演出が導出される、又は、保留先読み演出を導出させる権利が付与されることとなる。このため、遊技球が始動入球手段にオーバー入賞することが全くの無駄になるといった事態を回避することができ、遊技球を始動入球手段にオーバー入賞させてしまったことに対する悪印象の軽減を図ることができる。尚、本手段によれば、始動入球検知手段による始動入球手段へ入球した遊技球の検知が、前記操作手段の操作に基づく所定の入力に相当する。また、特別遊技状態等の変動表示が行われない特殊な状態では、オーバー入賞させても保留先読み演出が導出されたり、保留先読み演出を導出させる権利が付与されたりしないように構成してもよい。
手段D−14.前記始動入球手段は、第1始動入球手段と、第2始動入球手段とを備え、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球が困難又は不可能とされる第1入球モードと、前記第1入球モードに比べて遊技球が前記第2始動入球手段へ入球し易くなる第2入球モードとが存在し、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて行われた前記当否抽選にて当選した場合に付与される前記特別遊技状態の種別の振分けに関し、前記第2始動入球手段への入球に基づく振分けの方が、前記第1始動入球手段への入球に基づく振分けよりも、前記第2入球モードが付与される種別が選択され易く構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に基づいて取得される第1当否関連情報と、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて取得される第2当否関連情報とが、前記保留記憶手段において記憶されている場合には、前記第2当否関連情報に対応する識別情報の変動表示が、前記第1当否関連情報に対応する識別情報の変動表示よりも優先的に消化される構成であって、
前記保留記憶手段は、前記第1当否関連情報を第1規定数記憶可能に構成されるとともに、前記第2当否関連情報を第2規定数記憶可能に構成され、
前記保留記憶手段において、前記第2当否関連情報が前記第2規定数記憶されている状態で、前記第2始動入球検知手段の検知が行われた場合には、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に記憶されている前記第1当否関連情報に対応する前記保留表示に対し優先して前記保留先読み演出が導出されることを特徴とする手段D−13に記載の遊技機。
特に、「前記保留記憶手段において、前記第2当否関連情報が前記第2規定数記憶されている状態で、前記第2始動入球検知手段の検知が行われることで、前記保留先読み演出が導出される、又は、前記保留先読み演出を導出させる権利が付与されることが決定された場合、前記保留記憶手段に記憶されている所定の前記第1当否関連情報の前記当否抽選の結果そのものを教示する態様で、前記所定の第1当否関連情報に対応する保留表示に対し前記保留先読み演出が導出されること」としてもよい。
第1当否関連情報及び第2当否関連情報の両方が保留記憶手段に記憶されている場合、保留記憶手段において第2当否関連情報が記憶されている状態を途切れさせなければ、第1当否関連情報の消化を先送りにすることができ、また、第2入球モードにおいてはそれが可能である。つまり、第2入球モードにおいては、第2当否関連情報の方で当否抽選にて当選することを期待するものの、第1当否関連情報が保留記憶手段に記憶されている場合には、第1当否関連情報を消化させたくないばかりに、席を離れたくても離れられない(第2始動入球手段に遊技球を入球させ続ける)といった事態を招くことが懸念される。
この点、手段D−14によれば、遊技球を始動入球手段にオーバー入賞させることで、第1当否関連情報に対応する保留表示に対し優先して保留先読み演出が導出されるようになっている。従って、かかる保留先読み演出により、第1当否関連情報の内容(当否)を事前に把握できる場合があり、第1当否関連情報を消化しても損はないかを、第1当否関連情報を消化する前段階において判断することができる。結果として、離席を我慢するといった状況の低減を図ることができる。特に、第1当否関連情報の当否抽選の結果そのものを教示する態様で保留先読み演出が導出される場合には、かかる作用効果がより確実に奏される。
尚、第1入球モードでは第2当否関連情報の記憶を途切れさせないことが実質不可能であることから、「前記第2入球モードにおいてのみ、前記始動入球検知手段による検知に応じて前記保留先読み演出が導出されること」としてもよい。また、「遊技者の所有する通信携帯端末を介して、サーバとの間で遊技情報を交換可能な遊技機において、サーバからの情報を入力した状態で行われるモバイル連動遊技中である場合にのみ、前記始動入球検知手段による検知に応じて前記保留先読み演出が導出されること」としてもよい。この場合、モバイル連動遊技への参加意欲の向上を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
d.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
e.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。