JP2018142519A - 白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ触媒活性を向上し得る、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体を提供する。【解決手段】フラーレン、単層又は200層以下の多層グラフェン、単層又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体と、平均円相当径が0.35nm以上10nm以下、単斜晶の単位格子のa軸長及びb軸長が0.35nm以上0.42nm以下、c軸長が0.35nm以上0.48nm以下(a軸長=b軸長=c軸長は除く)、90°<β≦98°又は82°≦β<90°を満たし、バルク白金結晶の単位格子の体積に対する前記単斜晶の単位格子の体積の比が0.83以上1.23以下である白金ナノ粒子と、を含み、炭素系担体の表面に、前記白金ナノ粒子が担持されており、ラマン分光法によるDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比が2.0以上である、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体。【選択図】図3A

Description

本開示は、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体及びその製造方法に関する。
従来、炭素系担体に金属粒子を担持させた複合体(以下、「金属炭素複合体」ともいう)が知られている。
金属炭素複合体は、電池の電極用触媒として有用であり、近年では、固体高分子形燃料電池の電極用触媒として、具体的には、燃料電池自動車や家庭用電源の電極用触媒として利用されている。
この金属炭素複合体について、触媒活性を向上させることを目的として様々な検討が行われている。
例えば、特許文献1には、カーボンナノチューブに、白金を気相で担持させてなる電極材料であって、カーボンナノチューブのラマン分光法によるDバンドとGバンドのピーク比(D/G)が0.3以下であることを特徴とする電極材料が開示されている。
また、特許文献2には、触媒金属を蒸着材料とし、真空アークプラズマ蒸着法によって導電性を有する担体に触媒金属を担持させることを特徴とする燃料電池用触媒の製造方法が開示されている。
また、非特許文献1には、ナノプレート上に形成されたPtPb/Pt(コアシェル構造体)が二軸方向に歪むこと及びこの構造体によって酸素還元反応活性が増大し得ることが報告されている。
国際公開第2011/136186号 特開2007−179963号公報
16 Dec 2016、VOL.354,Issue 6318,pp.1410−1414
しかし、特許文献1に記載の電極材料は、担体(カーボンナノチューブ)と白金粒子との結合力が十分とは言い難い。また、特許文献2に記載の燃料電池用触媒の製造方法では、金属粒子の蒸着を比較的高エネルギーで行うため、担体上で白金粒子等の金属粒子が粗大化しやすい。
このように金属炭素複合体は知られているものの、担体と白金粒子との相互作用を制御できれば触媒活性の更なる向上が期待できる。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものである。
本開示の目的は、白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ触媒活性を向上し得る、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体を提供することである。
本開示の目的は、良好な結晶性を有する担体に比較的低エネルギーで白金を蒸着することで、担体と白金粒子との間に相互作用を発現させることにより白金ナノ粒子の担持形態が制御された、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体と、
平均円相当径が0.35nm以上10nm以下であり、単斜晶の結晶構造を有しかつ前記結晶構造における単位格子のa軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βが下記要件を満たし、バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する前記単斜晶の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A)が、0.83以上1.23以下である白金ナノ粒子と、を含み、
前記炭素系担体の表面に、前記白金ナノ粒子が担持されており、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が2.0以上である、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体。
0.35nm≦a軸長≦0.42nm
0.35nm≦b軸長≦0.42nm
0.35nm≦c軸長≦0.48nm
(但し、a軸長=b軸長=c軸長の場合は除く)
90°<β≦98°又は82°≦β<90°
<2> 前記炭素系担体の表面に複数の前記白金ナノ粒子からなる白金層を有し、
前記白金層の厚さは、0.35nm以上30nm以下である、<1>に記載の複合体。
<3> 燃料電池の電極用触媒である、<1>又は<2>に記載の複合体。
<4> 前記電極用触媒は、カソード電極用触媒である、<3>に記載の複合体。
<5> フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体であって、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が3.0以上である炭素系担体を準備する工程と、
真空アークプラズマ蒸着装置により、1ショットあたりの放電電圧が10V以上200V以下で、かつコンデンサ容量が30μF以上1800μF以下の条件で、白金プラズマを発生させ、前記炭素系担体の表面に、白金ナノ粒子を担持させる工程と、
を有し、
前記白金ナノ粒子は、平均円相当径が0.35nm以上10nm以下であり、単斜晶の結晶構造を有しかつ前記結晶構造における単位格子のa軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βが下記要件を満たし、バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する前記単斜晶の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A)が、0.83以上1.23以下である、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法。
0.35nm≦a軸長≦0.42nm
0.35nm≦b軸長≦0.42nm
0.35nm≦c軸長≦0.48nm
(但し、a軸長=b軸長=c軸長の場合は除く)
90°<β≦98°又は82°≦β<90°
<6> 前記真空アークプラズマ蒸着装置は、同軸型である、<5>に記載の複合体の製造方法。
<7> 前記白金ナノ粒子を担持させる工程は、前記炭素系担体に、複数の前記白金ナノ粒子からなる、厚さが0.35nm以上30nm以下である白金層を形成する、<5>又は<6>に記載の複合体の製造方法。
<8> 前記白金ナノ粒子を担持させる工程は、不活性ガスを導入せずに前記白金プラズマを発生させる、<5>〜<7>のいずれか1つに記載の複合体の製造方法。
<9> 燃料電池の電極用触媒の製造方法である、<5>〜<8>のいずれか1つに記載の複合体の製造方法。
<10> 前記電極用触媒の製造方法は、カソード電極用触媒の製造方法である、<9>に記載の複合体の製造方法。
本開示によれば、白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ触媒活性を向上し得る、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体が提供される。
また、本開示によれば、良好な結晶性を有する担体に比較的低エネルギーで白金を蒸着することで、担体と白金粒子との間に相互作用を発現させることにより白金ナノ粒子の担持形態が制御された、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法が提供される。
本開示の製造方法に用いる同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置の一例を示す概略図である。 白金ナノ粒子と多層グラフェンとの複合体のTEM写真である。 白金ナノ粒子と多層グラフェンとの複合体のTEM写真である。 白金ナノ粒子と多層カーボンナノチューブとの複合体の断面TEM写真である。 図3Aの一部拡大写真である。 図3Bの丸印部分の拡大写真である
以下、本開示の内容について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
〔白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体〕
本開示の白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体(以下、単に「本開示の複合体」ともいう)は、
フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体と、
平均円相当径が0.35nm以上10nm以下であり、単斜晶の結晶構造を有しかつ前記結晶構造における単位格子のa軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βが下記要件を満たし、バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する前記単斜晶の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A)が、0.83以上1.23以下である白金ナノ粒子と、を含み、
前記炭素系担体の表面に、前記白金ナノ粒子が担持されており、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が2.0以上である。
0.35nm≦a軸長≦0.42nm
0.35nm≦b軸長≦0.42nm
0.35nm≦c軸長≦0.48nm
(但し、a軸長=b軸長=c軸長の場合は除く)
90°<β≦98°又は82°≦β<90°
以下では、上記a軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βを、「白金ナノ粒子の格子定数(a、b、c及びβ)」と称して説明することがある。
白金ナノ粒子の格子定数(a、b、c及びβ)が上記範囲であるとは、白金ナノ粒子の結晶構造(以下、「白金ナノ粒子結晶」ともいう)が、バルク白金の結晶構造(以下、「バルク白金結晶」ともいう)に対し歪んでいることを意味する。
以下では、白金ナノ粒子の結晶構造が歪んでいることを、「白金ナノ粒子が歪んでいる」と表現することがある。
上記比(体積B/体積A)が0.83以上1.23以下であるとは、白金ナノ粒子結晶がバルク白金結晶に対して圧縮して歪んでいるか(0.83以上1.00未満)、膨張して歪んでいるか(1.00を超え1.23以下)又は両結晶の格子定数(a、b、c及びβ)が異なるが単位格子の体積が同一であること(1.00)を意味する。
上記複合体の上記Dバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が2.0以上であるとは、複合体の結晶性が比較的良好であることを示している。
ここで、Gバンドとは、ラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピークを示し、Dバンドとは、ラマンスペクトルにおける1350cm−1付近のピークを示す。
上記比(G/D比)とは、ラマン分光法によって得られたスペクトルから、1570cm−1〜1620cm−1の範囲に検出されたピークの積分強度(Dバンドのピーク積分強度)に対する、1330cm−1〜1360cm−1の範囲に検出されたピークの積分強度(Gバンドのピーク積分強度)の比から算出される値をいう。
本開示によれば、白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ触媒活性を向上し得る、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体が実現される。
かかる効果が奏される理由は明らかではないが、以下のように考えられる。
本開示の複合体は、結晶性が比較的良好であり、かつ炭素系担体表面に、歪んだ白金ナノ粒子が担持された複合体である。
このような複合体の構造から、炭素系担体の表面では、白金ナノ粒子に非等方的な歪みが発生するような変形応力が炭素系担体と白金ナノ粒子との相互作用によって生じていることが示唆される。
即ち、本開示の複合体は、炭素系担体表面に、炭素系担体と相互作用をもつ歪んだ白金ナノ粒子が担持された構造体であると考えられ、言い換えれば、担体と白金粒子との相互作用に基づいて白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ白金ナノ粒子の担持形態が制御された構造体であると考えられる。
したがって、本開示の複合体によれば、上記相互作用に基づき制御された白金粒子の歪みが、触媒活性の向上に寄与していると考えられる。
以下、本開示の効果が奏される理由について、図3A〜図3Cを参照しながら詳細に説明する。
図3Aは、本開示の複合体の一例である、白金ナノ粒子と多層カーボンナノチューブ(炭素系担体の一例で以下「MWCNT」ともいう)との複合体の断面TEM写真であり、図3Bは、図3Aの一部拡大写真であり、図3Cは、図3Bの丸印部分の拡大写真である。なお、図3A〜図3Cでは、Pt粒子を、単に「Pt」と表記している。
図3Aに示すように、複合体2Aは、MWCNTの表面に、複数の白金ナノ粒子(以下、「Pt粒子」ともいう)が担持された構造をなしている。具体的には、複合体2Aでは、MWCNTの表面に、複数のPt粒子からなる白金層4が形成されている。
また、図3Bを更に拡大すると、Pt粒子の格子面が波状に湾曲している様子が確認される。
したがって、MWCNTの表面では、Pt粒子に非等方的な歪みが発生するような変形応力が生じていること及びこの変形応力がMWCNTとPt粒子との相互作用によって生じていることが示唆される。
このような相互作用に基づく白金粒子の歪みによって、複合体2Aにおける触媒活性が向上し得ると考えられる。
更に、図3A〜図3Cに示すように、複合体2Aでは、MWCNTの表面においてPt粒子同士の凝集が生じていない。このことも本開示の複合体における炭素系担体と白金ナノ粒子との相互作用の寄与である。
以下、本開示の複合体、本開示における炭素系担体及び白金ナノ粒子の好ましい特性等について説明する。
本開示の複合体において、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が2.0以上である。
比(G/D比)が2.0以上であると、炭素原子と白金原子との間に相互作用が発現しやすくなり、本開示の効果が発現されやすくなる。
上記比(G/D比)としては、2.5以上が好ましく、2.8以上がより好ましい。
上記比(G/D比)の上限値は特に制限はないが、製造適正の観点から、30.0以下であることが好ましく、20.0以下であることがより好ましい。
なお、上記比(G/D比)の測定方法は実施例の項に記載する。
<白金ナノ粒子>
本開示の複合体において、白金ナノ粒子の格子定数(a、b、c及びβ)の範囲は前述の通りである。
白金ナノ粒子の格子定数(a、b、c及びβ)が上記範囲であると、炭素系担体の表面において、白金ナノ粒子が歪みやすくなり、触媒活性が発現されやすくなると考えられる。
上記a軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βは、以下の範囲であることが好ましい。
0.36nm≦a軸長≦0.42nm
0.36nm≦b軸長≦0.42nm
0.36nm≦c軸長≦0.46nm
90°<β≦95°又は85°≦β<90°
なお、上記格子定数(a、b、c及びβ)の測定方法は実施例の項に記載する。
本開示の複合体において、バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する白金ナノ粒子結晶(単斜晶)の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A)は、0.83以上1.23以下である。
白金ナノ粒子結晶が圧縮して歪んでいる場合、上記比(体積B/体積A)としては、0.85以上0.95以下が好ましく、0.87以上0.93以下がより好ましい。
白金ナノ粒子結晶が膨張して歪んでいる場合、上記比(体積B/体積A)としては、1.02以上1.20以下が好ましく、1.05以上1.18以下がより好ましい。
なお、上記比(体積B/体積A)の測定方法は実施例の項に記載する。
本開示の複合体において、白金ナノ粒子の平均円相当径は、0.35nm以上10nm以下である。
白金ナノ粒子の平均円相当径が0.35nm以上であると、結晶面を形成することができる。
白金ナノ粒子の平均円相当径が10nm以下であると、白金ナノ粒子が歪みやすくなる。
上記平均円相当径としては、白金ナノ粒子がより歪みやすくなる観点から、例えば8nm以下が好ましく、6nm以下がより好ましく、4nm以下が更に好ましい。
下限値は、結晶面をより形成しやすくする観点から、例えば0.35nm以上が好ましく、0.50nm以上がより好ましく、0.70nm以上が更に好ましい。
即ち、上記平均円相当径としては、0.35nm以上8nm以下が好ましく、0.50nm以上6nm以下がより好ましく、0.70nm以上4nm以下が更に好ましい。
なお、上記平均円相当径の測定方法は実施例の項に記載する。
<炭素系担体>
本開示における炭素系担体は、フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブ(MWCNT)である。
炭素系担体としては、200層以下の多層グラフェン、200層以下のMWCNTが好ましい。
炭素系担体が多層グラフェンの場合、多層グラフェンの層数は、好ましくは2層以上200層以下、より好ましくは5層以上150層以下、更に好ましくは10層以上100層以下である。
炭素系担体がMWCNTの場合、MWCNTの層数は、好ましくは2層以上200層以下、より好ましくは5層以上150層以下、更に好ましくは10層以上150層以下である。
なお、多層グラフェン及びMWCNTの層数は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEOL社製:JEM−2800、200kV)観察によって確認することができる。
炭素系担体の形態及び大きさは特に制限されない。
但し、炭素系担体がMWCNTの場合、MWCNTの平均外径は、好ましくは1.5nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下、更に好ましくは5nm以上25nm以下である。
MWCNTの平均外径の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEOL社製:JEM−2800、200kV)観察によって得られるMWCNTの断面像より、外径を解析して行う。測定はMWCNT100個について行い、その平均値をMWCNTの平均外径とする。
<白金ナノ粒子の担持の形態>
本開示の複合体において、炭素系担体の表面には、白金ナノ粒子が担持されているが、この白金ナノ粒子の担持の形態は特に制限されない。
白金ナノ粒子の担持の形態としては、複数の白金ナノ粒子からなる白金層が形成されている形態が好ましい。この場合、白金層の厚さは特に制限はないが、好ましくは0.35nm以上30nm以下、より好ましくは0.35nm以上25nm以下、更に好ましくは0.35nm以上20nm以下、特に好ましくは0.35nm以上10nm以下である。
即ち、本開示の複合体は、炭素系担体の表面に複数の前記白金ナノ粒子からなる白金層を有し、かつ白金層の厚さは0.35nm以上30nm以下であることが好ましい。
これにより、炭素原子と白金原子との間に相互作用が発現しやすくなり、本開示の効果がより発現されやすくなる。
本開示の複合体を得るための方法としては、例えば、後述する本開示の複合体の製造方法によって複合体を製造する方法が挙げられる。即ち、本開示の複合体は、比較的低エネルギーの条件で発生させた白金プラズマを炭素系担体に衝突させることにより得ることができる。
比較的低エネルギーの条件とは、例えば真空アークプラズマ蒸着装置を用いた場合、1ショットあたりの放電電圧が10V以上200V以下で、かつコンデンサ容量が30μF以上1800μF以下の条件をいう。
本開示の複合体の用途には特に制限はない。
複合体の用途としては、例えば、電池の電極用触媒、脱臭触媒、環境浄化触媒、水素化触媒、選択酸化触媒、電界放出ディスプレイ(FED)、平面蛍光管、冷陰極管のカソード等が挙げられる。
中でも、電池の電極用触媒が好ましい。
電池の電極用触媒としては、燃料電池の電極用触媒が好ましく、特にカソード電極用触媒がより好ましい。
次に、本開示の「白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法」について説明する。
〔白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法〕
本開示の、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法(以下、単に「本開示の製造方法」ともいう)は、
フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体であって、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が3.0以上である炭素系担体を準備する工程(以下、「準備工程」ともいう)と、
真空アークプラズマ蒸着装置により、1ショットあたりの放電電圧が10V以上200V以下で、かつコンデンサ容量が30μF以上1800μF以下の条件で、白金プラズマを発生させ、前記炭素系担体の表面に、白金ナノ粒子を担持させる工程(以下、「担持工程」ともいう)と、を有する。
上記準備工程における上記Dバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が3.0以上であるとは、炭素系担体の欠陥量が比較的少なく、炭素系担体の結晶性が良好であることを示している。
本開示における白金ナノ粒子は、既述の白金ナノ粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。即ち、上記白金ナノ粒子は、格子定数(a、b、c及びβ);バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する白金ナノ粒子結晶(単斜晶)の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A);が既述の範囲に調整された白金ナノ粒子である。
即ち、本開示の製造方法によれば、担体と白金粒子との間に相互作用を発現させることにより白金ナノ粒子の担持形態が制御された、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法が実現される。また、得られた複合体は、白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ触媒活性を向上し得るものとなる。
以下、本開示の製造方法の各工程について説明する。
<準備工程>
準備工程は、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が3.0以上である炭素系担体を準備する工程である。
準備工程は、便宜上の工程である。
即ち、準備工程は、上記炭素系担体を製造する工程であってもよいし、予め製造された上記炭素系担体を単に準備する工程であってもよい。
上記比(G/D比)としては、3.5以上が好ましく、4.0以上がより好ましく、4.5以上が更に好ましい。
上記比(G/D比)の上限値は特に制限はないが、30.0以下であることが好ましく、20.0以下であることがより好ましい。
なお、上記比(G/D比)の測定方法は実施例の項に記載する。
上記比(G/D比)が3.0以上の炭素系担体を得る方法としては、準備した炭素系担体を不活性ガス中で熱処理する方法が挙げられる。これにより、炭素系担体中に含まれる不純物(金属等)が除去されとともに、結晶化が促進されやすくなるため、上記比(G/D比)が高められ、その結果、3.0以上の炭素系担体が得られやすくなる。
熱処理の温度は、500℃以上3000℃以下であることが好ましく、1000℃以上3000℃以下であることがより好ましく、1800℃以上3000℃以下であることが更に好ましい。
また、準備工程における炭素系担体は、フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブ(MWCNT)である。
なお、準備工程における炭素系担体の好ましい態様は、既述の「本開示における炭素系担体」の好ましい態様と同様である。
<担持工程>
担持工程は、真空アークプラズマ蒸着装置により、1ショットあたりの放電電圧が10V以上200V以下で、かつコンデンサ容量が30μF以上1800μF以下の条件で、白金プラズマを発生させ、前記炭素系担体の表面に、白金ナノ粒子を担持させる工程である。
本開示における担持工程は、より詳細には、真空アークプラズマ蒸着装置により、上記放電電圧及びコンデンサ容量の条件で白金プラズマを発生させ、発生した白金プラズマに由来する、白金イオン、白金原子又は白金クラスターを、炭素系担体に衝突させることにより、炭素系担体表面に、白金ナノ粒子を担持させる工程である。
担持工程において、1ショットあたりの放電電圧及びコンデンサ容量が上記範囲であるとは、白金プラズマを比較的低エネルギーで発生させていることを意味する。
即ち、本開示の製造方法では、担持工程で発生させた比較的低エネルギーの白金プラズマに由来する、比較的低エネルギーの白金イオン、白金原子又は白金クラスターを、結晶性が良好でかつ熱伝導性が良好な炭素系担体に衝突させ、その炭素系担体表面に白金ナノ粒子を担持させることができる。
このため、担持工程では、炭素系担体表面への白金イオン、白金原子又は白金クラスターの衝突が比較的穏やかに行われる。これにより、衝突の際に、炭素系担体の結晶性が損なわれにくく、また白金ナノ粒子の過剰な堆積や偏析が起こりにくい。また、炭素系担体表面への白金ナノ粒子の衝突が比較的穏やかに行われることで、炭素系担体表面の炭素原子と白金原子との間に相互作用が発現しやすくなる。
即ち、本開示の製造方法によれば、炭素系担体と白金ナノ粒子との相互作用に基づいて白金ナノ粒子の担持形態が制御された複合体が得られると考えられる。
したがって、本開示の製造方法で得られた複合体は、触媒活性を向上し得るものとなる。
担持工程における上記真空アークプラズマ蒸着装置としては、真空中において、アーク放電により、電極(カソード電極)又はその近くで、白金蒸着源である白金材料を蒸発させて白金プラズマを発生できるものであればよい。
中でも、上記真空アークプラズマ蒸着装置は、同軸型であることが好ましい。これにより、炭素系担体と白金ナノ粒子との相互作用に基づいて白金ナノ粒子の担持形態が制御された複合体が得られやすくなる。
また、上記白金蒸着源と炭素系担体との距離(最短距離)は、白金ナノ粒子の担持形態を制御しやすくする観点から、好ましくは10mm以上200mm以下、より好ましくは30mm以上150mm以下、更に好ましくは50mm以上100以下である。
なお、後述する図1において、上記白金蒸着源はカソード電極12に該当し、上記炭素系担体は炭素系担体10に該当する。
担持工程において、1ショットあたりの放電電圧は好ましくは10V以上180V以下であり、より好ましくは20V以上150V以下であり、更に好ましくは50V以上120V以下である。
また、1ショットあたりのコンデンサ容量は、好ましくは50μF以上1800μF以下、より好ましくは50μF以上1500μF以下、更に好ましくは50μF以上1200μF以下である。
担持工程では、1ショットあたりの放電電圧及びコンデンサ容量並びにショット数を調整することで、炭素系担体へ担持させる白金ナノ粒子の数、平均円相当径、白金層の厚さを調整することができる。
担持工程において、白金プラズマを発生させるための圧力(以下、「アーク放電発生圧力」ともいう)は、白金プラズマを安定して発生させる観点から、好ましくは1.0×10−3Pa以下、より好ましくは5.0×10−4Pa以下である。下限値は特に制限はない。
本開示の製造方法において、担持工程では、不活性ガスを導入せずに白金プラズマを発生させることが好ましい。即ち、真空アークプラズマ蒸着装置により発生させた白金プラズマは、不活性ガスを実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、白金プラズマ全体積に占める不活性ガスの割合が、好ましくは10体積%以下、より好ましくは5体積%以下であることを意味する。
これにより、比較的低エネルギーの白金プラズマに由来する、比較的低エネルギーの白金イオン、白金原子又は白金クラスターが、不活性ガスと衝突することなく、より均質なエネルギー状態で炭素系担体に到達できる。
本開示の製造方法において、担持工程では、炭素系担体に、複数の白金ナノ粒子からなる、厚さが0.35nm以上30nm以下である白金層を形成することが好ましい。
上記白金層の厚さは、より好ましくは0.35nm以上25nm以下、更に好ましくは0.35nm以上20nm以下、特に好ましくは0.35nm以上10nm以下である。
これにより、炭素系担体と白金ナノ粒子との相互作用に基づいて白金ナノ粒子の担持形態が制御された複合体が得られやすい。また、得られた複合体は、触媒活性をより向上し得るものとなりやすい。
以下、本開示の製造方法の一実施形態として、同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置を用いて複合体を製造する方法について説明する。
図1は、本開示の製造方法に用いる同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置の一例を示す概略図である。
図1に示すように、同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置100は、真空チャンバ24と、アーク放電ガン20と、アーク放電ガン20に対向して配置される支持体8と、を備えている。また、支持体8には、その上に配置される炭素系担体10を撹拌するための撹拌機構(不図示)が備えられている。
アーク放電ガン20は、白金材料22からなるカソード電極12と、カソード電極12の周りに同軸状に配置された断面T形状のガイシ16(図1参照)と、ガイシ16の周りに同軸状に配置されたトリガ電極18と、トリガ電極18の周りに離間し、かつ同軸状に配置されたアノード電極14と、真空チャンバ24の外部に配置されたトリガ電源26及びアーク電源28と、を備えている。アーク電源28は、直流電源28aと、コンデンサ28bとを有している。
また、カソード電極12は白金材料22で構成されており、アノード電極14は公知の電極材料で構成されている。
アーク放電ガン20では、カソード電極12と、トリガ電極18と、アノード電極14とが互いに絶縁されており、カソード電極12とトリガ電極18との間には、トリガ電源26が接続され、カソード電極12とアノード電極14との間にはアーク電源28(直流電源28a、コンデンサ28b)が接続されている。
本開示の複合体は、上記同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置100を用いた場合、以下のようにして作製される。
まず、G/D比が3.0以上である炭素系担体10を準備して支持体8上に配置する。次に、真空チャンバ24を、公知の減圧手段(例えばターボ分子ポンプ、不図示)を用いて真空雰囲気にする。
真空チャンバ24内の圧力は、白金プラズマを安定して発生させる観点から、既述のアーク放電発生圧力と同様の範囲に調整することが好ましい。
次に、アーク放電ガン20により、1ショットあたりの放電電圧(50V以上200V以下)及びコンデンサ容量(30μF以上1800μF以下)を調整し、例えば、アーク放電ガン20を以下のように動作させて白金プラズマを発生させる。
放電電圧及びコンデンサ容量を上記範囲に調整したアーク電源28から、カソード電極12に負電圧(対アノード電極14)を印加する。この状態でトリガ電源26からパルス状のトリガ電圧を出力して、このトリガ電圧をカソード電極12とトリガ電極18との間に印加してトリガ放電を発生させる。これにより、カソード電極12とアノード電極14との間にアーク放電が発生する。そして、発生したアーク放電により、カソード電極12から白金材料22が蒸発して白金プラズマが発生する。
発生した白金プラズマは、図1中、カソード電極12に対向する炭素系担体10に向かって照射され、上記白金プラズマに由来する、白金イオン、白金原子又は白金クラスターが炭素系担体10に衝突する。
なお、ショット数を調整することで、炭素系担体に、目的とする量の白金イオン、白金原子又は白金クラスターを衝突させることができる。また、白金プラズマの照射は、必要に応じて、撹拌機構(不図示)により炭素系担体10を撹拌しながら行ってもよい。
以上のようにして、炭素系担体10の表面に白金ナノ粒子が担持された複合体(好ましくは炭素系担体10の表面に複数の白金ナノ粒子からなる白金層が形成された複合体)が得られる。
なお、真空アークプラズマ蒸着装置は上記態様に限定されない。例えば、真空チャンバ内に白金材料蒸発源を有し、アーク放電により白金材料を蒸発させて白金プラズマを発生できるものであれば公知の装置(真空アークプラズマ蒸着装置)を用いることができる。カソード電極は白金材料のみで構成されていなくてもよい。カソード電極、トリガ電極及びアノード電極は公知のものを用いることができる。また、真空チャンバがアノード電極として機能する態様であってもよい。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
本実施例において、白金ナノ粒子を「Pt粒子」、多層グラフェン担体を「多層GP担体」、多層カーボンナノチューブ担体を「MWCNT担体」と称して説明することがある。
〔実施例1〕
<Pt粒子と多層GP担体との複合体の作製>
多層グラフェン粉末(Graphene Platform社製:GNH−XZ、層数;約10層)をヘリウムガス中で2400℃まで昇温することにより熱処理した。この熱処理した多層グラフェン粉末を、多層GP担体(炭素系担体)として用いた。
次に、図1に示す同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置と同様の構成を有する同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置(アドバンス理工社製:APD−1P)を用いて、以下のようにして、Pt粒子と、上記多層グラフェン粉末担体(多層GP担体)との複合体を作製した。
まず、真空チャンバ内の支持体に、多層GP担体;0.613gを設置し、ターボ分子ポンプを用いて、真空チャンバを3×10−4Paに減圧した。次に、1ショットあたりの放電電圧100V、コンデンサ容量720μF、放電周波数1Hzの条件で、トリガ電源から3.4kVのパルス状のトリガ電圧を出力してアーク放電を発生させた。このアーク放電により、カソード電極(白金材料)から白金プラズマを発生させ、白金プラズマをショット数7171として多層GP担体に照射した。なお、白金プラズマの照射は、支持に装備した回転式の撹拌機構により多層GP担体をかき混ぜながら行った。
これにより、多層GP担体の表面にPt粒子が担持された複合体(以下、「Pt−多層GP複合体」ともいう)を得た。
〔実施例2〕
<Pt粒子とMWCNT担体との複合体の作製>
MWCNT(1)(東京化成工業社製:MWCNT、TCI、層数;約90層、平均外径;約100nm)をヘリウムガス中で2400℃まで昇温することにより熱処理した。この熱処理したMWCNT(1)用いて、以下のようにして炭素系担体としてのMWCNT担体を作製した。
まず、MWCNT(1)1.27mgをブタノール2mL(特級(関東化学社製、純度:99.0%))に分散させてMWCNT分散液を得た。得られたMWCNT分散液を直径4mm、厚さ17mmのグラッシーカーボンディスク上に1μL塗布して、大気下、60℃で乾燥させたのち、更に3回(初回と合わせて計4回)、1μLのMWCNT分散液の塗布と乾燥操作とを繰り返した。これにより、グラッシーカーボンディスク上にMWCNT(1)が2.54μg付着したMWCNT担体(炭素系担体)を得た。
次に、図1に示す同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置と同様の構成を有する同軸型の真空アークプラズマ蒸着装置(アドバンス理工社製:APD−1P)を用いて、以下のようにして、Pt粒子と、MWCNT担体との複合体を作製した。
まず、真空チャンバ内の支持体に、2.54μgのMWCNT担体が付着したグラッシーカーボンディスクを、MWCNT付着面が上面となるように設置し、ターボ分子ポンプを用いて、真空チャンバを3×10−4Paに減圧した。次に、1ショットあたりの放電電圧70V、コンデンサ容量360μF、放電周波数1Hzの条件で、トリガ電源から3.4kVのパルス状のトリガ電圧を出力してアーク放電を発生させた。このアーク放電により、カソード電極(白金材料)から白金プラズマを発生させ、白金プラズマをショット数301としてMWCNT担体に照射した。
これにより、グラッシーカーボンに付着したMWCNT担体の表面にPt粒子が担持された複合体(以下、「Pt−MWCNT複合体」ともいう)を得た。
〔測定〕
<担体のG/D比>
各例で得られた多層GP担体及びMWCNT担体(どちらも熱処理後の担体)を用いて、ラマン分光法(JASCO社製:NRS−3000)により、励起波長532.30nm、レーザー強度4.1mW、露光時間90秒、積算回数5回、の条件でラマンスペクトルを測定し、Dバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)を求めた。
G/D比は、ラマン分光法によって得られたスペクトルから、1570cm−1〜1620cm−1の範囲に検出されたピークの積分強度(Dバンドのピーク積分強度)に対する、1330cm−1〜1360cm−1の範囲に検出されたピークの積分強度(Gバンドのピーク積分強度)の比から算出した。
なお、G/D比は、多点測定によって10点測定して得られた各々のG/D比の平均値とした。
結果を表1に示す。
<複合体のG/D比>
各例で得られた複合体を用いて、担体のG/D比の測定と同様にして、複合体のG/D比を求めた。結果を表1に示す。
<Pt粒子の平均円相当径>
まず、各例で得られた複合体を、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM、JEOL社製:JEM−2800、2000kV)により観察し、グレースケールのTEM画像(tiffファイル)から任意に選んだ100個のPt粒子を、画像処理ソフトAdobe Photoshop(登録商標) CS6を用いて切り取り、さらに2階調化画像処理を施して、各Pt粒子の存在領域を抽出した。
次に、各Pt粒子の存在領域の画素数を、画像解析ソフトHALCON(バージョン12.0、MVTec Software GmbH)を用いて計測し、存在領域の面積を計算した。存在領域の面積を円形換算し、得られた円相当径の面積基準の累積頻度における50%径を「Pt粒子の平均円相当径」とした。なお、HRTEMは1視野中にPt粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせてPt粒子の円相当径を求めた。
結果を表1に示す。
<Pt粒子の格子定数(a、b、c及びβ)>
各例で得られた複合体を用いて、Pt粒子の格子定数(a、b、c及びβ)を以下のようにして測定した。
以下の格子像の撮影は、上記の高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)を用いて行い、HRTEMによる画像計測は、上記のPhotoshop(登録商標)とHALCONを用いて行った。
まず、高純度シリコンウェハー(オプトスター社製)をメノウ乳鉢で破砕し、シリコンの小片の格子像を撮影して、面心立方晶シリコンの格子定数の実測値を求めた。この実測値とシリコンの格子定数の文献値(JCPDS 27−1402、格子定数a=0.543088nm)を比較することにより、TEMの倍率を較正した。
次に、[110]軸上入射にあるPt粒子の格子像から、2つの(111)面の面間隔及び、(200)面の面間隔を求め(下記実測値)、下記式(1)を用いて、関数F(a、b、c、β)の値が最小となるように、つまり(面間隔の計算値−面間隔の実測値)の平方和が最小となるように、Pt粒子の格子定数を決定した(最小二乗法)。
上記測定は、任意に選んだ100個のPt粒子の格子像について行い、各Pt粒子(つまり100個のPt粒子)から決定された格子定数(a、b、c及びβ)の平均値を、白Pt粒子の格子定数a[nm]、b[nm]、c[nm]及び軸角β[°]とした。なお、HRTEMは1視野中にPt粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせてPt粒子の格子定数(a、b、c及びβ)を求めた。
結果を表1に示す。
計算においては、電子線の入射方向を[110]入射表記で統一した。また、計算ソフトは、Wolfram Mathematica 9を用いた。
関数F(a,b,c,β)=(d(1−1 1)−d(1−1 1))+(d(1−1−1)−d(1−1−1))+(d(002)−d(002)) ・・・式(1)
実測値:d(1−1 1)、d(1−1−1)、d(002)
計算値(理論値):d(1−1 1)、d(1−1−1)、d(002)
<バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対するPt粒子の単位格子(単斜晶)の体積Bの比(体積B/体積A)>
Pt粒子の単位格子の体積Bは、上記で求めた格子定数a[nm]、b[nm]、c[nm]及びβ[°](つまり100個のPt粒子の格子定数(a、b、c及びβ)の平均値)に基づき、下記式により求めた。
式:a×b×c×sin(π×β/180)
(但し、πは3.14159である。)
バルク白金結晶の単位格子の体積Aは、「JCPDS 00−004−0802」に記載の文献値「0.0604nm」を用いた。
上記で求めた体積Bを上記体積Aで割ることにより、比(体積B/体積A)を算出した。結果を表1に示す。なお、上記体積Bは、表1中「単斜晶体積B」と表記した。
〔TEM観察〕
各例で得られた複合体を用いて、上記の高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)により複合体を観察した。なお、Pt−MWCNT複合体の断面TEM写真は、集束イオンビーム加工観察装置(FIB−SEM、Hitachi NB5000)を用いて、Pt−MWCNT複合体の断面組織を作製し、この断面組織を観察することにより得た。なお、図2A、図2B、図3A〜図3Cでは、Pt粒子を、単に「Pt」と表記している。
<Pt−GP複合体>
図2A、図2Bに、得られたPt−多層GP複合体のTEM写真を示す。
図2A、図2Bに示すように、Pt−多層GP複合体2は、多層GP担体(Graphene)の表面に、複数のPt粒子が凝集することなく良好に接合されていた。また、表1に示す格子定数及び比(体積B/体積A)の測定結果からわかるように、Pt粒子は多層GP担体の表面で歪んでいることが確認された。またPt粒子同士の凝集も生じていなかった。
このことから、Pt−多層GP複合体2は、多層GP担体とPt粒子との相互作用に基づいて白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ白金ナノ粒子の担持形態が制御されていることが示唆された。
したがって、Pt−多層GP複合体2は、触媒活性が向上し得る構造体であると考えられる。
<Pt−MWCNT複合体>
図3Aに、得られたPt−MWCNT複合体の断面TEM写真を示し、図3Bに、図3Aの一部拡大写真を示し、図3Cに、図3Bの丸印部分の拡大写真を示す。既述した通り、図3A〜図3Cに示すPt−MWCNT複合体2Aは、MWCNT担体の表面に、複数のPt粒子からなる白金層4が形成されていた。なお、白金層4の厚さを上記HRTEMで測定したところ、厚さは約5nmであった。また、図3Bを拡大すると、Pt粒子の格子面が波状に湾曲している様子が確認された。更にPt粒子の粗大化も生じていなかった。
このことから、Pt−MWCNT複合体2Aは、MWCNT担体とPt粒子との相互作用に基づいて白金ナノ粒子が均一性高く担持され、かつ白金ナノ粒子の担持形態が制御されていることが示唆された。
したがって、Pt−MWCNT複合体2Aは、触媒活性が向上し得る構造体であると考えられる。
2、2A 複合体
4 白金層
8 支持体
10 炭素系担体
12 カソード電極
14 アノード電極
16 ガイシ
18 トリガ電極
20 アーク放電ガン
22 白金材料
24 真空チャンバ
26 トリガ電源
28 アーク電源
28a 直流電源
28b コンデンサ
100 同軸型のアークプラズマ蒸着装置

Claims (10)

  1. フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体と、
    平均円相当径が0.35nm以上10nm以下であり、単斜晶の結晶構造を有しかつ前記結晶構造における単位格子のa軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βが下記要件を満たし、バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する前記単斜晶の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A)が、0.83以上1.23以下である白金ナノ粒子と、を含み、
    前記炭素系担体の表面に、前記白金ナノ粒子が担持されており、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が2.0以上である、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体。
    0.35nm≦a軸長≦0.42nm
    0.35nm≦b軸長≦0.42nm
    0.35nm≦c軸長≦0.48nm
    (但し、a軸長=b軸長=c軸長の場合は除く)
    90°<β≦98°又は82°≦β<90°
  2. 前記炭素系担体の表面に複数の前記白金ナノ粒子からなる白金層を有し、
    前記白金層の厚さは、0.35nm以上30nm以下である、請求項1に記載の複合体。
  3. 燃料電池の電極用触媒である、請求項1又は請求項2に記載の複合体。
  4. 前記電極用触媒は、カソード電極用触媒である、請求項3に記載の複合体。
  5. フラーレン、単層グラフェン、200層以下の多層グラフェン、単層カーボンナノチューブ又は200層以下の多層カーボンナノチューブである炭素系担体であって、ラマン分光法で得られたラマンスペクトルのDバンドのピーク積分強度に対するGバンドのピーク積分強度の比(G/D比)が3.0以上である炭素系担体を準備する工程と、
    真空アークプラズマ蒸着装置により、1ショットあたりの放電電圧が10V以上200V以下で、かつコンデンサ容量が30μF以上1800μF以下の条件で、白金プラズマを発生させ、前記炭素系担体の表面に、白金ナノ粒子を担持させる工程と、
    を有し、
    前記白金ナノ粒子は、平均円相当径が0.35nm以上10nm以下であり、単斜晶の結晶構造を有しかつ前記結晶構造における単位格子のa軸長、b軸長及びc軸長並びにa軸及びc軸のなす角度βが下記要件を満たし、バルク白金結晶の単位格子の体積Aに対する前記単斜晶の単位格子の体積Bの比(体積B/体積A)が、0.83以上1.23以下である、白金ナノ粒子と炭素系担体との複合体の製造方法。
    0.35nm≦a軸長≦0.42nm
    0.35nm≦b軸長≦0.42nm
    0.35nm≦c軸長≦0.48nm
    (但し、a軸長=b軸長=c軸長の場合は除く)
    90°<β≦98°又は82°≦β<90°
  6. 前記真空アークプラズマ蒸着装置は、同軸型である、請求項5に記載の複合体の製造方法。
  7. 前記白金ナノ粒子を担持させる工程は、前記炭素系担体に、複数の前記白金ナノ粒子からなる、厚さが0.35nm以上30nm以下である白金層を形成する、請求項5又は請求項6に記載の複合体の製造方法。
  8. 前記白金ナノ粒子を担持させる工程は、不活性ガスを導入せずに前記白金プラズマを発生させる、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  9. 燃料電池の電極用触媒の製造方法である、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  10. 前記電極用触媒の製造方法は、カソード電極用触媒の製造方法である、請求項9に記載の複合体の製造方法。
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