JP2018141781A - 放射線検出器および放射線検出装置 - Google Patents

放射線検出器および放射線検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】散乱した放射線の光電変換部への入射を抑制してノイズを抑制しつつ、解像度の低下を抑制する。
【解決手段】放射線検出器1は、入射した放射線に応じて蛍光を発する長尺の波長変換部材11と、波長変換部材11が発した蛍光を受光して電気信号を生成する光電変換素子4と、波長変換部材11と光電変換素子4との間に設けられており、波長変換部材11が発する蛍光を光電変換素子4に結像させる集光体13とを有し、波長変換部材11に入射する放射線の光軸LXと集光体の光軸LFとは、波長変換部材11の長尺方向視において互いに異なる方向であり、集光体13の一方の焦点F1は波長変換部材11に位置しており他方の焦点F2は光電変換素子4に位置している。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射線検出器および放射線検出装置に関する。
放射線検出器には、放射線が入射すると励起して蛍光を発する蛍光体と、蛍光体が発する蛍光に応じて電気信号を生成する(光電変換する)光電変換素子とを有するものがある。特許文献1には、放射線源から出射され、対象物を透過した放射線の入射に応じてシンチレーション光を発生させる平板状の波長変換部材と、波長変換部材の放射線の入射面から入射面の法線方向に対して傾斜した方向に出射されるシンチレーション光を集光して撮像する第1の撮像手段(光電変換部)と、波長変換部材の入射面とは反対側の面から反対側の面の法線方向に対して傾斜した方向に出射されるシンチレーション光を集光して撮像する第2の撮像手段(光電変換部)とを備える放射線画像取得装置が開示されている。
ところで、放射線検出器においては、放射線に起因するノイズを抑制するため、放射線がセンサに入射しないようにすることが好ましい。しかしながら、特許文献1に記載の構成では、波長変換部材と第1の撮像素子(光電変換部)および第2の撮像素子(光電変換部)とが離れた位置に設けられているため、光電変換部において検出される像(光学像)の解像度の低下を招く。
特開2012−154735号公報
上述した実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、蛍光体で散乱した放射線の光電変換部への入射を抑制しつつ、解像度の低下を防止または抑制することである。
前記課題を解決するため、本発明は、入射した放射線に応じて蛍光を発する長尺の波長変換部と、前記波長変換部が発した蛍光を受光して電気信号を生成する光電変換部と、前記波長変換部と前記光電変換部との間に設けられており、前記波長変換部が発する蛍光を前記光電変換部に結像させる集光部と、を有し、前記波長変換部の長尺方向視において、前記波長変換部に入射する放射線の光軸と前記集光部の光軸とは互いに異なる方向であり、前記集光部の一方の焦点は前記波長変換部に位置しており、前記集光部の他方の焦点は前記光電変換部に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、蛍光体で散乱した放射線の光電変換部への入射を抑制しつつ、解像度の低下を防止または抑制することができる。
図1は、放射線検出器の構成例を模式的に示す分解斜視図である。 図2は、放射線検出器の構成例を模式的に示す外観斜視図である。 図3は、放射線検出器の構成例を模式的に示す断面図である。 図4は、集光体と波長変換部材と光電変換素子の位置関係を模式的に示す図である。 図5Aは、支持部の構成例を模式的に示す上面図である。 図5Bは、支持部の構成例を模式的に示す下面図である。 図6は、放射線検出装置の構成例を模式的に示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る放射線検出器は、所定の一側を対象物および放射線源に向けて使用される。そして、放射線検出器は、放射線源から曝射されて前記所定の一側から入射した放射線を検出して光電変換し、放射線画像信号(放射線画像データ)を生成する。本発明の実施形態に係る放射線検出器は、いわゆるラインセンサを有しており、一次元状(線状)の放射線を検出できる。そして、放射線検出器は、対象物と相対的に移動することにより、対象物の二次元の放射線画像信号を生成できる。説明の便宜上、各図においては放射線検出器の3次元の各方向を、X,Y,Zの各矢印で示す。X方向は放射線検出器の蛍光部材の長尺方向であり、例えば主走査方向(ラインセンサにおける複数の受光部の配列の方向)である。Y方向は放射線検出器の一方の短尺方向(長尺方向および放射線の入射方向に直角な方向)であり、例えば副走査方向(使用時における対象物との相対的な移動方向)である。Z方向はもう一方の短尺方向であり、放射線の入射方向である。説明の便宜上、Y方向を幅方向と称し、Z方向を上下方向と称する。また、上下方向については、使用時において放射線源や対象物に向ける前記所定の一側(放射線を入射させる一側)を上側とし、その反対側を下側とする。さらに、放射線検出器の筐体(本体フレーム)のY方向の端面を側面と称する。
<放射線検出器>
まず、放射線検出器1の構成例について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、放射線検出器1の構成例を模式的に示す分解斜視図である。図2は、放射線検出器1の構成例を模式的に示す外観斜視図である。図3は、放射線検出器1の構成例を模式的に示す断面図であり、波長変換部材11の長尺方向に直角な面で切断した断面を示す。図1〜図3に示すように、放射線検出器1は、波長変換部の例である波長変換部材11と、センサ基板12と、集光部の例である集光体13と、本体フレーム14と、支持部15とを有している。さらに、放射線検出器1は、第1の遮蔽部材21と、第2の遮蔽部材22と、第3の遮蔽部材23と、第4の遮蔽部材24とを有している。
波長変換部の例である波長変換部材11は、入射した放射線を光電変換素子4(後述)が光電変換可能な波長の光(本発明の実施形態では、可視光)に変換する。波長変換部材11は、長尺形状を有している部材であり、例えば長尺板状や長尺シート状の構成が適用できる。波長変換部材11は、基材層111と、基材層111の一方の表面に重ねて設けられている蛍光層112と、蛍光層に重ねて設けられている反射層113とを有している(図3参照)。
基材層111には、透明な材料(より具体的には、蛍光層112が発する蛍光(可視光)の透過率が高い材料)の板やシートが適用される。例えば、基材層111には、ポリエチレンテレフタラート(PET)などといった、透明な樹脂材料の板やシートが適用できる。蛍光層112は、放射線が入射すると励起して蛍光(可視光)を発する材料からなる層、またはこのような材料を含有する層である。蛍光層112には、例えば、ガドリニウムオキサイドサルファ(GOS)や、ヨウ化セシウム(CSI)やアモルファスセレン(A−SE)などといった蛍光材料や、このような蛍光材料を含有する材料が適用できる。反射層113は、蛍光層112が発する蛍光の反射率が高く放射線の透過率が高い層である。反射層113には、例えば、アルミナや炭酸カルシウムなどといった、可視光の反射率が高く、かつ、放射線の透過率が高い材料が適用できる。
なお、波長変換部材11は、前記構成に限定されるものではない。波長変換部材11は、長尺形状であり、入射した放射線により励起して光電変換素子4が光電変換可能な波長の蛍光を発する蛍光層112を有していればよい。例えば、波長変換部材11の蛍光層112は、前記材料に限定されるものではない。また、基材層111も、ポリエチレンテレフタラートに限定されるものではなく、各種樹脂材料やガラスなどが適用できる。反射層113も、可視光の反射率が高く、かつ、放射線の透過率が高い材料であればよい。なお、蛍光層112が潮解性を有する材料からなる場合には、波長変換部材11は、蛍光層112の潮解を抑制するために、蛍光層112を覆う保護層を有していることが好ましい。この場合、保護層には、フッ素系樹脂などといった、遮水性や撥水性の高い材料が適用される。
集光体13は集光部の例である。集光体13は、波長変換部材11が発する蛍光を光電変換素子4の受光部41(後述)に結像(合焦)させる光学部材であり、長尺棒状の構成を有している。集光体13には、例えばロッドレンズアレイやマイクロレンズアレイなどが適用できる。ロッドレンズアレイは、複数の正立等倍結像型の結像素子(ロッドレンズ)を有し、これらが長尺方向に直線状に配列されている。なお、集光体13は、線状光を光電変換素子4の受光部41に結像させることができる構成であればよい。このため、集光体13は、ロッドレンズアレイに限定されるものではなく、具体的な構成も特に限定されるものではない。
センサ基板12は、配線板3と、この配線板3に実装されている所定の数の光電変換素子4とを有している。
センサ基板12の配線板3は、例えば長尺の平板状の構成を有する。配線板3には、後述する光電変換素子4と電気的に接続するためのパッドや、光電変換素子4が出力する電気信号を外部に伝送するための配線などといった配線パターンが設けられている。なお、配線板3の構成(材質等)は特に限定されるものではなく、従来公知の各種プリント配線板など、従来公知の各種配線板が適用できる。また、配線板3に設けられている配線パターンの具体的な構成(数や形状など)も特に限定されるものではなく、配線板3に実装される光電変換素子4の構成などに応じて適宜設定される。説明の便宜上、配線板3の表面のうち、光電変換素子4が実装されている表面を第1の表面31と称し、その反対側の面を第2の表面32と称する。
光電変換部の例である複数の光電変換素子4は、波長変換部材11の蛍光層112が発する蛍光を受光する複数の受光部41を有し、受光部41で受光した蛍光に応じた電気信号を生成して出力する。光電変換素子4(光電変換部)として、例えば、フォトダイオードアレイが適用できる。フォトダイオードアレイは、複数の受光部41として複数のフォトダイオードを有する電子部品(素子)であり、受光部41で受光した光(受光部41に入射した光)の強度に応じた電気信号を生成する。
なお、光電変換素子4として適用されるフォトダイオードアレイは、直線状に配列されている所定の数の受光部41を有すればよく、それ以外の構成は特に限定されるものではない。さらに、光電変換素子4はフォトダイオードに限定されるものではない。光電変換素子4は、波長変換部材11の蛍光層112が発する蛍光を電気信号に変換(光電変換)できる電子部品(素子など)であればよい。例えば、光電変換素子4には、フォトダイオードやイメージセンサICなどといった、公知の各種光電変換素子が適用できる。
このほか、センサ基板12の配線板3には、光電変換素子4が出力した電気信号に所定の処理を施すための回路や素子が実装されていてもよい。ただし、光電変換素子4が出力する電気信号を処理するための回路や素子の構成は、特に限定されるものではない。さらに、配線板3には、外部と電気的に接続するためのコネクタが実装されていてもよい。この場合、コネクタの構成は特に限定されるものではなく、公知の各種コネクタが適用できる。
本体フレーム14は、放射線検出器1の筐体である。本体フレーム14は、長尺の直方体状や棒状の形状を有している。そして、本体フレーム14の長尺方向が放射線検出器1の主走査方向となる。本体フレーム14は、遮光性を有する材料により形成される。遮光性を有する材料としては、例えば、黒色に着色されたポリカーボネート(PC)など、各種の樹脂材料が適用できる。
本体フレーム14には、波長変換部材11を支持するための支持部15が設けられている。なお、本発明の実施形態では、支持部15が本体フレーム14と別体である例を示すが、支持部15が本体フレーム14に一体に設けられている構成であってもよい。さらに、本体フレーム14には、集光体13を収容可能な集光体収容部141と、センサ基板12を収容可能なセンサ基板収容部143とが設けられている。
支持部15は、波長変換部材11を支持する部材であり、本体フレーム14の一方の側面(放射線の入射方向および長尺方向に直角な方向の端面)に設けられている。支持部15は、波長変換部材11を、その長尺方向が本体フレーム14の長尺方向に平行な向きで支持できる。また、支持部15は、波長変換部材11を、波長変換部材11の長尺方向視において、その上面が入射する放射線の光軸LXおよび集光体13の光軸LF(光路)に対して傾斜する向きで支持できる。例えば、支持部15は、本体フレーム14の一方の側面から突出して長尺方向に延伸するリブ状の構成が適用できる。なお、本発明の実施形態では、支持部15の上面(放射線の入射方向の上流側の面)に波長変換部材11を配置して支持する構成を示す。この場合、波長変換部材11がシート状または平板状の構成であれば、支持部15の上面を、波長変換部材11の長尺方向視において入射する放射線の光軸LXおよび集光体13の光軸LFに対して傾斜させておくことにより、波長変換部材11の表面を入射する放射線の光軸LXおよび集光体13の光軸LFに対して傾斜した状態で支持できる。また、図1〜図3では、支持部15が本体フレーム14とは別体に形成されている構成を示すが、支持部15は本体フレーム14に一体に形成さていてもよい。支持部15が本体フレーム14とは別体に形成される場合には、支持部15には例えば樹脂材料が適用できる。さらに支持部15には、上下方向に貫通する貫通孔状の第1の開口部151が設けられている。
集光体収容部141は、集光体13の長尺方向と波長変換部材11の長尺方向とが同じ(平行)となり、かつ、それらの長尺方向視において、集光体13の光軸LFと波長変換部材11に入射する放射線の光軸LXとが異なる向きとなるように、集光体13を収容可能である。例えば、集光体収容部141は、本体フレーム14のY方向視(副走査方向視)で本体フレーム14の長尺方向に長い断面形状を有しており、一方の側面からセンサ基板収容部143に至る貫通孔状の構成を有している。そして、集光体13は、その光軸LFが集光体収容部141の貫通方向と同じ(平行)となる向きで、集光体収容部141に収容可能である。また、本体フレーム14の一方の側面(支持部15が設けられている側の側面)には、支持部15よりも上側(放射線の入射方向の上流側)に、集光体収容部141の開口部(すなわち、蛍光の入口)が設けられている。説明の便宜上、この開口部を「本体開口部142」と称する。集光体収容部141がこのような構成を有していれば、集光体収容部141の内部に挿入(収容)された集光体13は、その長尺方向が支持部15に支持されている波長変換部材11の長尺方向と同じ(平行)となる。また、波長変換部材11および集光体13の長尺方向視において、集光体13の光軸LFが本体フレーム14の上下方向(すなわち、入射する放射線の光軸LX)と異なる方向となる。
なお、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、集光体収容部141に収容されている集光体13の光軸LFと波長変換部材11に入射する放射線の光軸LXとがなす角度α(図4参照)は、45〜135°の範囲が適用される。さらにこの角度αは、80〜100°の範囲であることが好ましく、90°(直角)であることがより好ましい。図1〜図4においては、この角度αが90°である例を示す。
センサ基板収容部143は、本体フレーム14の支持部15が設けられている側とは反対側の側面寄りに設けられている。センサ基板収容部143は、本体フレーム14の長尺方向視において、センサ基板12の配線板3の第1の表面31が支持部15の側を向き、かつ、第1の表面31が放射線の入射方向に平行となるように収容できる。例えば、センサ基板収容部143には、本体フレーム14の側面のうちの支持部15が設けられている側とは反対側の側面に設けられている溝や凹部などが適用できる。また、センサ基板収容部143の内周面と、本体フレーム14の支持部15が設けられている側の側面とは、蛍光が通過可能なように、集光体収容部141を介して繋がっている。
第1の遮蔽部材21と第2の遮蔽部材22と第3の遮蔽部材23と第4の遮蔽部材24とは、いずれも、放射線の透過率が低い材料からなるか、または、放射線の透過率が低い材料を含む。例えば、第1〜第4の遮蔽部材21〜24には、タングステンや、タングステンを含有する紙やゴムや樹脂などが適用できる。また、第1〜第4の遮蔽部材21〜24には、シート状や板状の構成が適用できる。
第1の遮蔽部材21は、支持部15の上側(放射線の入射方向の上流側)に設けられている。そして、上下方向視(放射線の入射方向視)において、第1の遮蔽部材21は支持部15に重なっている。特に、上下方向視において、第1の遮蔽部材21の外周縁が、支持部15の外周縁の外側に位置している。第1の遮蔽部材21には、放射線の経路となる第2の開口部211が設けられている。この第2の開口部211は、上下方向視において本体フレーム14の長尺方向に長い形状を有し、上下方向に貫通するスリット状の貫通孔が適用される。そして、上下方向視において、支持部15に設けられている第1の開口部151が、第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211の内側に位置する。
第2の遮蔽部材22は、センサ基板12(光電変換素子4および配線板3)の上側(放射線の入射方向の上流側)に設けられている。そして、上下方向視において、センサ基板12と重なっている。なお、上下方向視において、第2の遮蔽部材22の外周縁の内側にセンサ基板12が収まっている構成であることが好ましい。また、図3に示すように、第2の遮蔽部材22が、本体フレーム14の上面の全域を覆うように設けられている構成であってもよい。
第3の遮蔽部材23は遮蔽部の例であり、本体フレーム14の一方の側面(支持部15が設けられている側の側面)を覆うように設けられている。なお、第3の遮蔽部材23には、蛍光が通過可能な第3の開口部231が設けられている。この第3の開口部231は、本体フレーム14の長尺方向(主走査方向)に長い形状を有し、本体フレーム14のY方向(副走査方向)に貫通するスリット状の貫通孔が適用できる。そして、第3の遮蔽部材23が本体フレーム14の一方の側面を覆うように設けられている状態では、第3の開口部231が本体フレーム14に設けられている集光体収容部141の開口部(本体開口部142)と一連に繋がる。
第4の遮蔽部材24は、本体フレーム14の他方の側面(支持部15が設けられていない側の側面)を覆うように設けられている。なお、第4の遮蔽部材24は、本体フレーム14の他方の側面を覆うことができる寸法および形状であればよい。
このほか、本体フレーム14の長尺方向(主走査方向)の端面を覆う遮蔽部材が設けられていてもよい。さらに、本体フレーム14の下面を覆う遮蔽部材が設けられていてもよい。
(放射線検出器の組み付け構成)
ここで、放射線検出器1の組み付け構成について説明する。
センサ基板12の配線板3の第1の表面31には、複数の光電変換素子4が直線状に並べて実装されている。これにより、配線板3の長尺方向に配列されている複数の受光部41を有するラインセンサが形成される。また、図3に示すように、複数の光電変換素子4は、配線板3の短尺方向の一側寄りに偏った位置に(換言すると、一方の長辺に沿って)実装される。この他、配線板3の第1の表面31と第2の表面32の一方または両方には、光電変換素子4が出力した電気信号を処理するための素子や電子・電気部品等が実装されていてもよい。さらに、配線板3には、外部と電気的に接続するためのコネクタが実装されていてもよい。
そして、センサ基板12は、本体フレーム14のセンサ基板収容部143に収容されて固定されている。なお、センサ基板12がセンサ基板収容部143に収容されている状態では、配線板3の一方の長辺であって光電変換素子4に近い側の長辺が、上側(放射線の入射方向の上流側)に位置する。また、配線板3の第1の表面31は、支持部15に支持されている波長変換部材11の長尺方向に平行であり、支持部15に支持されている波長変換部材11の長尺方向視において、集光体13の光軸LFに直角である。
集光体13は集光体収容部141に収容されており、位置決めされて本体フレーム14に固定されている。集光体収容部141に収容されている集光体13は、例えば紫外線硬化型の接着剤などによって本体フレーム14に固定されている。
本体フレーム14の上面には、第2の遮蔽部材22が設けられている。そして、本体フレーム14の上面は第2の遮蔽部材22によって覆われている。ただし、第2の遮蔽部材22は、本体フレーム14の上面の全域を覆う構成でなくてもよく、少なくとも、センサ基板収容部143に収容されているセンサ基板12を覆う構成であればよい。すなわち、第2の遮蔽部材22は、センサ基板収容部143に収容されているセンサ基板12の上側(放射線の入射方向の上流側)に位置しており、上下方向視においてセンサ基板12(配線板3および光電変換素子4)の全体に重なっている構成であればよい。
なお、第1の遮蔽部材21と第2の遮蔽部材22とは別体でなくてもよく、一体であってもよい。すなわち、1つの遮蔽部材が本体フレーム14の上側に設けられており、その一部が支持部15と重なって第1の遮蔽部材21として機能し、他の一部がセンサ基板12と重なって第2の遮蔽部材22として機能する構成であってもよい。
本体フレーム14の一方の側面には第3の遮蔽部材23が設けられており、この第3の遮蔽部材23によって本体フレーム14の一方の側面が覆われている。また、第3の遮蔽部材23に設けられている第3の開口部231は、本体フレーム14に設けられている本体開口部142(集光体収容部141の開口部)と繋がっている。このため、本体フレーム14の外部から集光体収容部141に収容されている集光体13に至る光路が確保される。
本体フレーム14の一方の側面には、支持部15が設けられている。例えば、支持部15が本体フレーム14と別体である場合には、支持部15の長尺方向の両端部のそれぞれが、本体フレーム14の両端部のそれぞれにネジなどによって固定される。このような構成によれば、第3の遮蔽部材23に第3の開口部231以外の開口部を設けることなく、支持部15を本体フレーム14に取付けることができる。ただし、支持部15が本体フレーム14と一体に設けられている構成であってもよい。この場合には、第3の遮蔽部材23に支持部15との干渉を避けるための開口部が設けられている構成が適用できる。
波長変換部材11は、支持部15の上面に配置されている。例えば、波長変換部材11は、接着剤等によって、支持部15の上面に接着されている。これにより、波長変換部材11は支持部15に支持されている状態となる。なお、波長変換部材11は、反射層113が下側に位置し基材層111が上側に位置する向きで配置される。そして、支持部15の上面は、本体フレーム14の長尺方向視において入射する放射線の光軸LXに対して傾斜しているから、支持部15に支持されている波長変換部材11の表面も、入射する放射線の光軸LXに対して傾斜している状態となる。なお、波長変換部材11は、その上面が本体フレーム14の一方の側面に傾斜して対向する向きで配置されている。
波長変換部材11の上面は、集光体13の一方の焦点F1に位置している。また、センサ基板12の光電変換素子4の受光部41は、集光体13の他方の焦点F2に位置している。また、前述のとおり、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、配線板3の第1の表面31は集光体13の光軸LFに直角であり、このため、配線板3の第1の表面31に実装されている光電変換素子4の受光部41の表面も集光体13の光軸LFに直角である。このような構成であると、波長変換部材11の蛍光層112が発する蛍光は、集光体13によって、光電変換素子4の受光部41に結像(合焦)する。前述のとおり、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、集光体13の光軸LFと波長変換部材11に入射する放射線の光軸LXとがなす角度αは45〜135°の範囲であるから、光電変換素子4は、放射線の入射方向とは異なる方向に進行する蛍光を受光して光電電変換することになる。なお、集光体13の長尺方向視において、集光体13の光軸LFと光電変換素子4の受光部41とは直角となる。このため、集光体13の焦点F2のいわゆるピント面と受光部41の表面とが一致する(平行となる)から、MTFの低下を防止または抑制できる。
また、波長変換部材11は、その下面が本体フレーム14の一方の側面(すなわち、光電変換素子4)に傾斜して対向する向きで配置されている構成であってもよい。この場合、本体フレーム14の長尺方向視における支持部15の傾斜方向は、図1〜図3に示す方向と反対になる。そして、波長変換部材11は、下面側に基材層111が位置し、上面側に反射層113が位置する向きで設けられている。そして、この場合には、波長変換部材11の下面が、集光体13の一方の焦点F1に位置している。このような構成であっても、上述の効果を奏することができる。
このように、本発明の実施形態では、センサ基板12と波長変換部材11の間に集光体13が設けられる構成である。このため、波長変換部材11が発する蛍光は、集光体13によって光電変換素子4の受光部41に結像(合焦)する。また、センサ基板12と波長変換部材11の間に第3の遮蔽部材23が介在している。そして、第3の遮蔽部材23には、蛍光が通過可能な第3の開口部231が設けられている。このため、波長変換部材11が発する蛍光は、第3の遮蔽部材23に設けられている第3の開口部231を通じて光電変換素子4の受光部41に結像(合焦)する。
符号231は開口部としたが、蛍光が透過可能であればよく、例えば、透明ガラスや透明樹脂が配置されている構成であってもよい。透明ガラスとしては、例えば鉛(Pb)やバリウム(Ba)、タングステン(W)などの放射線を遮蔽する性質を持つ元素が含まれていてもよい。この構成によれば、波長変換部で散乱されて光電変換素子4の受光部41へ入射する放射線をいっそう抑制することができる。
放射線を遮蔽する性質を持つ元素が含まれている透明部材(例えば、透明ガラスや透明樹脂)は、開口部231に配置される構成(波長変換部材11と集光体13との間に配置される構成)であってもよく、集光体13と波長変換部材11の間に設けられる構成であってもよい。さらには、それらの両方に設けられる構成であってもよい。このような構成によれば、波長変換部材11で散乱されて光電変換素子4の受光部41へ入射する放射線をいっそう抑制することができる。透明部材が開口部231に配置される構成では、集光体13への放射線入射を抑制することができ、集光体13の放射線によるダメージを抑制することができる。透明部材が集光体13と波長変換部材11の間に設けられる構成では、集光体で減弱された放射線が前記透明部材に侵入するため、透明部材が開口部231に配置される構成よりも透明部材で効率よく放射線を吸収でき、光電変換素子4の受光部41へ入射する放射線をいっそう抑制することができる。また、波長変換部材11と集光体13の間と集光体13と光電変換素子4の間の両方に透明部材を配置してもよい。この構成では光電変換素子4の受光部41へ入射する放射線をさらにいっそう抑制することができる。これらの構成は目的に合わせて使い分けることが望ましい。
(放射線検出器の動作)
ここで、放射線検出器1の動作について説明する。放射線検出器1は、放射線源51(図6参照)から離れた位置に配置されて使用される。また、放射線検出器1は、放射線源51から曝射された放射線が入射するように、放射線を入射させる側(第1の遮蔽部材21および第2の遮蔽部材22が設けられている側)を放射線源51の側(換言すると、入射する放射線の進行方向上流側)に向けて配置されて使用される。そして、対象物Qを放射線源51と放射線検出器1との間を通過させながら、放射線源51が対象物Qに向けて放射線を曝射し、放射線検出器1が対象物Qを透過した放射線を検出する。
支持部15の上側には第1の遮蔽部材21が設けられており、第1の遮蔽部材21には第2の開口部211が設けられている。このため、放射線源51から曝射されて対象物Qを通過した放射線は、第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211を通過して波長変換部材11に入射する。
波長変換部材11に放射線が入射すると、波長変換部材11の蛍光層112が励起して蛍光(ここでは可視光)を発する。蛍光層112が発した蛍光は、第3の遮蔽部材23に設けられている第3の開口部231と、本体フレーム14の集光体収容部141に収容されている集光体13とを通過して、センサ基板12の光電変換素子4の受光部41に入射する。集光体13は、その一方の焦点F1が波長変換部材11の上面に位置し、他方の焦点F2がセンサ基板12の光電変換素子4の受光部41に位置するように位置決めされている。なお、前述のとおり、集光体13は、その一方の焦点F1が波長変換部材11の下面に位置するように位置決めされていてもよい。このため、蛍光層112が発する蛍光は、集光体13によってセンサ基板12の光電変換素子4の受光部41に結像(合焦)する。
センサ基板12の光電変換素子4は、受光部41に入射した蛍光の強度に応じた電気信号を生成して出力する。センサ基板12に設けられている画像処理のための素子や回路によって、ある1回のサンプリングタイミングにおける複数の受光部41に入射した蛍光の強度に応じた電気信号から画像信号の1ライン分の信号が生成される。そして、放射線検出器1は、このような動作を所定のサンプリング周期で継続的に行うことにより、対象物Qの内部情報が含まれる2次元の放射線画像信号(放射線画像データ)を生成して出力する。
(集光体と波長変換部材と光電変換素子との位置関係)
ここで、集光体13と波長変換部材11と光電変換素子4との位置関係について、図4を参照して説明する。図4は、集光体13と波長変換部材11と光電変換素子4の位置関係を模式的に示す図であり、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視の図である。
放射線が波長変換部材11に入射して散乱し、散乱した放射線が光電変換素子4に入射すると、ノイズの原因となり得る。このため、ノイズの発生を防止や抑制するためには、散乱した放射線の光電変換素子4への入射を防止や抑制することが好ましい。本発明の実施形態によれば、波長変換部材11と光電変換素子4とが離れて設けられているため、波長変換部材11で散乱した放射線が光電変換素子4に入射することが抑制される。また、波長変換部材11と光電変換素子4との間には集光体13が設けられており、この集光体13によって、波長変換部材11が発する蛍光が光電変換素子4に結像(合焦)する。このため、放射線画像の解像度の低下を防止または抑制を図ること(MTFの向上を図ること)ができる。
さらに、本発明の実施形態では、集光体13と波長変換部材11と光電変換素子4とを、図4に示すような位置関係とすることにより、さらなるノイズの防止または抑制を図る(MTFの向上を図る)ことができる。すなわち、波長変換部材11において散乱する放射線の強度は、波長変換部材11への入射方向に直角な方向が最も弱く、入射方向に平行な方向に近づくにしたがって強くなっていく。そこで、本発明の実施形態では、波長変換部材11の長尺方向視において、波長変換部材11に入射する放射線の光軸LXと集光体13の光軸LFとがなす角度αを、45〜135°の範囲とする。このような構成によれば、波長変換部材11で散乱した放射線が弱い方向に光電変換素子4が設けられる構成となる。したがって、波長変換部材11で散乱した放射線の光電変換素子4への入射を抑制できる。この角度αは、80〜100°の範囲であることが好ましく、90°(直角)であることがより好ましい。この角度αが80〜100°の範囲であると、光電変換素子4に入射する放射線の強度をさらに弱くできる。さらに、この角度αが90°であると、光電変換素子4に入射する放射線を最も弱くできる。したがって、ノイズの発生を防止または抑制できる。
また、図4に示すように、波長変換部材11の長尺方向視において、その上面に直角な直線Nは、集光体13の光軸LFに平行ではなく傾斜している。このため、集光体13から波長変換部材11の上面までの距離は、上下方向位置によって異なる。具体的には、集光体13から波長変換部材11の上面までの距離は、下側に向かうにしたがって短くなり、上側に向かうにしたがって長くなる。このように、集光体13の一方の焦点F1のいわゆるピント面と波長変換部材11の上面とは平行ではない。そして、図4に示すように、波長変換部材11の蛍光層112の幅A2は、集光体13の視野(集光幅)を波長変換部材の表面に投影した領域の幅A1よりも大きく、かつ、集光体13の視野を投影した領域(A1で示す領域)は、波長変換部材11の蛍光層112の範囲内に位置している。このような構成によれば、集光体13の視野(集光幅)よりも広い幅の波長変換部材11からの蛍光を集光できるので、光量を増大させることができる。
ところで、集光体13に設けられている結像素子(ロッドレンズなど)は、集光体13の長尺方向視において、光軸LFに直角で一方の焦点F1を含む平面(いわゆるピント面)から他方の焦点F2を含む平面(いわゆるピント面)に像を転写(結像(合焦))することができる。このため、MTFを高くするためには、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、波長変換部材11の上面(発光面)が集光体13の一方の焦点F1に位置しており、かつ、その上面に直角な直線Nと集光体13の光軸LFとがなす角度βは0°(平行)であることが好ましい。一方、集光体13に入射する蛍光の光量を増加させるためには、集光体13の視野内に存在する「波長変換部材11の蛍光層112のうちの実際に蛍光を発する領域(放射線が入射して蛍光を発する領域)」の面積を大きくすることが好ましい。そして、この面積を大きくするためには、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、波長変換部材11の上面に直角な直線Nと集光体13の光軸LFのなす角度βが、90°(直角)に近づくほど好ましい。
このように、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、波長変換部材11の上面に直角な直線Nと集光体13の光軸LFとがなす角度βは、MTFの向上の観点からは0°(平行)に近いほど好ましく、光量(輝度)の観点からは90°(直角)に近いほど好ましい。そこで、本発明の実施形態では、MTFの向上と光量の向上の両立を図るため、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、波長変換部材11の上面に直角な直線Nと集光体13の光軸LFとがなす角度βを45°とする。このような構成によれば、MTFの向上(または低下の抑制)と光量(輝度)の増加(または低下の抑制)の両立を図ることができる。
なお、MTFの向上を図るためには、集光体13の他方の焦点F2が光電変換素子4の受光部41に位置しており、かつ、集光体13の長尺方向視において、集光体13の光軸LFと受光部41の表面とが90°(直角)であることが好ましい。そこで、本発明の実施形態では、光電変換素子4は、集光体13の長尺方向視において、受光部41の表面と集光体13の光軸LFとが直角となるように設けられている。
(支持部)
次に、支持部15の構成例について、図5Aと図5Bを参照して説明する。図5Aと図5Bは、第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211と支持部15に設けられている第1の開口部151の構成例を模式的に示す図である。また、図5Aは、放射線が入射する側(上側)から見た図であり、図5Bはその反対側(下側)から見た図である。支持部15の上面には波長変換部材11が設けられており、支持部15および波長変換部材11の上側には第1の遮蔽部材21が設けられている(図3参照)。
第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211には、例えば、本体フレーム14の長尺方向に長い長尺形状を有し、放射線の入射方向に貫通するスリット状の貫通孔が適用される。支持部15に設けられている第1の開口部151も、本体フレーム14の長尺方向に長い長尺形状を有し、放射線の入射方向(上下方向)に貫通するスリット状の貫通孔が適用される。そして、図5Aと図5Bに示すように、放射線の入射方向視(上下方向視)において、第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211は、支持部15に設けられている第1の開口部151および波長変換部材11の外周縁(輪郭)の内側に位置している(収まっている)。すなわち、上下方向視において、支持部15に設けられている第1の開口部151の内周面が最も外側に位置し、その内側に波長変換部材11が収まるように位置しており、さらに波長変換部材11の外周縁の内側に第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211が収まるように位置している。
このように、支持部15に第1の開口部151が設けられている構成であると、入射した放射線が散乱しうる領域の面積を小さくできる。特に、第1の開口部151が上下方向に貫通する貫通孔状の構成を有していれば、上側から入射した放射線が第1の開口部151を通過するため、支持部15において放射線が散乱することを抑制できる。このため、支持部15において散乱した放射線がセンサ基板12に入射することが防止または抑制できるから、センサ基板12においてノイズの発生を防止または抑制できる。
特に、上下方向視において、支持部15に設けられている第1の開口部151の内周面が、第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211の内周面よりも外側に位置していると、第1の遮蔽部材21の第2の開口部211を通過した放射線は、支持部15に設けられている第1の開口部151を通過することになる。このため、放射線が支持部15の上面に直接に入射することが防止または抑制されるから、放射線の散乱を防止または抑制する効果を高めることができる。
すなわち、支持部15に第1の開口部151が設けられていない構成や、上下方向視において支持部15に設けられている第1の開口部151が第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211の内側に位置している構成では、第1の遮蔽部材21に設けられている第2の開口部211と波長変換部材11とを通過した放射線は、支持部15の上面に入射する。このため、支持部15の上面に入射した放射線が反射して散乱し、散乱した放射線がセンサ基板12の光電変換素子4や配線板3に入射することがある。その結果、光電変換素子4や配線板3において、放射線の入射に起因するノイズが発生することがある。これに対して、本発明の実施形態によれば、前述のとおり支持部15の上面への放射線の入射が防止または抑制されるから、支持部15の上面における放射線の散乱を防止または抑制できる。したがって、散乱した放射線によるノイズの発生を防止または抑制できる。
また、本体フレーム14の一方の側面(支持部15が設けられている側の側面)には、第3の遮蔽部材23が設けられている。このような構成であると、センサ基板12の光電変換素子4や配線板3において放射線の入射に起因するノイズの発生を抑制する効果をさらに高めることができる。すなわち、前述のとおり、波長変換部材11の表面で散乱した放射線がセンサ基板12の光電変換素子4や配線板3に入射すると、光電変換素子4や配線板3において放射線の入射に起因するノイズが発生することがある。そこで、第3の遮蔽部材23が本体フレーム14の一方の側面を覆うように設けられることによって、波長変換部材11で散乱した放射線がセンサ基板12の光電変換素子4や配線板3に入射することが抑制される。換言すると、センサ基板12と波長変換部材11との間に第3の遮蔽部材23を設けることによって、波長変換部材11で反射して散乱した放射線がセンサ基板12の光電変換素子4や配線板3に入射することが抑制される。したがって、センサ基板12の光電変換素子4や配線板3において放射線の入射に起因するノイズの発生を抑制する効果をさらに高めることができる。
また、本発明の実施形態では、波長変換部材11と集光体13の長尺方向視において、入射する放射線の光軸LXと集光体13の光軸LFとは直角である。このような構成であれば、上下方向視において、センサ基板12を第1の遮蔽部材21の第2の開口部211と重なる位置に設けなくてもよい。そして、上下方向視において、センサ基板12(配線板3および光電変換素子4)を第1の遮蔽部材21および支持部15からずれた位置に設ける構成とする。特に、第1の遮蔽部材21の第2の開口部211とずれた位置(重ならない位置)に設ける構成とする。これにより、第1の遮蔽部材21を通過した放射線がセンサ基板12に入射しないようにできる。したがって、センサ基板12におけるノイズの発生を防止または抑制できる。さらに、上下方向視において、センサ基板12を第1の遮蔽部材21の第2の開口部211とずれた位置に設ける構成とすることにより、センサ基板12の上側に第2の遮蔽部材22を設けることができる。したがって、第2の遮蔽部材22によりセンサ基板12に放射線が入射しないようにできるから、センサ基板12におけるノイズの発生を防止または抑制する効果を高めることができる。
本体フレーム14の他方の側面には、第4の遮蔽部材24が設けられている。そして、第4の遮蔽部材24が設けられている状態では、本体フレーム14の他方の側面が第4の遮蔽部材24によって覆われている状態となる。このため、センサ基板収容部143に収容されているセンサ基板12が、第4の遮蔽部材24によって覆われている状態となり、センサ基板12の第2の表面32の側から放射線が入射することが防止または抑制される。したがって、センサ基板12におけるノイズの発生を防止または抑制できる。
<放射線検出装置>
次に、放射線検出装置5の構成例について、図6を参照して説明する。図6は、放射線検出装置5の構成例を模式的に示す断面図である。放射線検出装置5は、放射線源51と、本発明の実施形態に係る放射線検出器1とを有する。放射線源51には、線状の放射線を曝射することができる放射線源51が適用される。なお、放射線源51は、線状の放射線を曝射できる構成であればよく、具体的な構成は限定されない。そして、放射線源51と放射線検出器1とは、対象物Qの搬送経路Pを挟んで対向して配置される。放射線源51が曝射した放射線は、搬送経路Pを搬送される対象物Qを透過して、放射線検出器1に入射する。そして、放射線検出器1は、前述の動作によって、対象物Qの内部情報を有する2次元の放射線画像信号(放射線画像データ)を生成して出力する。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述の実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、光電変換素子にフォトダイオードアレイが適用される構成を示したが、光電変換素子はフォトダイオードアレイに限定されない。光電変換素子は、蛍光層が発する蛍光(可視光)を光電変換できるものであればよい。
本発明は、蛍光層および蛍光層が発する蛍光を光電変換する光電変換素子を有する放射線検出器と、この放射線検出器を有する放射線検出装置に有効に利用できるものである。そして、本発明によれば、放射線の入射に起因して生じるノイズを抑制することができる。
1:放射線検出器、11:波長変換部材、111:基材層、112:蛍光層、113:反射層、12:センサ基板、13:集光体、14:本体フレーム、141:集光体収容部、142:本体開口部、143:センサ基板収容部、15:支持部、151:第1の開口部、21:第1の遮蔽部材、22:第2の遮蔽部材、23:第3の遮蔽部材、24:第4の遮蔽部材、3:配線板、31:第1の表面、32:第2の表面、4:光電変換素子、41:受光部、5:放射線検出装置、51:放射線源、Q:対象物

Claims (14)

  1. 入射した放射線に応じて蛍光を発する長尺の波長変換部と、
    前記波長変換部が発した蛍光を受光して電気信号を生成する光電変換部と、
    前記波長変換部と前記光電変換部との間に設けられており、前記波長変換部が発する蛍光を前記光電変換部に結像させる集光部と、
    を有し、
    前記波長変換部の長尺方向視において、前記波長変換部に入射する放射線の光軸と前記集光部の光軸とは互いに異なる方向であり、
    前記集光部の一方の焦点は前記波長変換部に位置しており、前記集光部の他方の焦点は前記光電変換部に位置していることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記波長変換部の長尺方向視において、前記波長変換部に入射する放射線の光軸と前記集光部の光軸とがなす角度は45〜135°の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記波長変換部の長尺方向視において、前記波長変換部に入射する放射線の光軸と前記集光部の光軸とがなす角度は90°であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出器。
  4. 前記波長変換部の長尺方向視において、前記波長変換部の前記光電変換部の側を向く面に直角な線と前記集光部の光軸とがなす角度は45°であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  5. 前記波長変換部と前記光電変換部との間には、放射線を遮蔽する遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  6. 前記波長変換部と前記集光部との間には、放射線を遮蔽する遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出器。
  7. 前記集光部と前記光電変換部との間には、放射線を遮蔽する遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出器。
  8. 前記遮蔽部は、可視光を透過可能であることを特徴とする請求項6に記載の放射線検出器。
  9. 前記遮蔽部は、可視光を透過可能であることを特徴とする請求項7に記載の放射線検出器。
  10. 前記遮蔽部は、前記集光部の光路上に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の放射線検出器。
  11. 前記遮蔽部は、前記集光部の光路上に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の放射線検出器。
  12. 前記遮蔽部には、前記波長変換部が発する蛍光が通過可能な開口部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出器。
  13. 前記光電変換部は、前記波長変換部の放射線が入射する側の面に対向するように設けられていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  14. 放射線源と、
    前記放射線源が発する放射線を検出する放射線検出器と、
    を有し、
    前記放射線源と前記放射線検出器との間の対象物の放射線画像を生成する放射線検出装置であって、
    前記放射線検出器は、請求項1から13のいずれか1項に記載の放射線検出器であることを特徴とする放射線検出装置。
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