JP2018139277A - エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法および固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法および固体撮像素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高いゲッタリング能力を有し、かつ、エピタキシャル欠陥の発生を抑制したエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のエピタキシャルシリコンウェーハ100の製造方法は、シリコンウェーハ10の表面10Aにクラスターイオン12を照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層14を形成する第1工程と、前記シリコンウェーハの改質層14上にエピタキシャル層20を形成する第2工程と、を有し、前記第1工程では、予めXPS測定により求めた前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と、前記エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数との関係に基づき、前記クラスターイオンの照射条件を調整することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法および固体撮像素子の製造方法に関する。
半導体デバイスの特性を劣化させる要因として、金属汚染が挙げられる。例えば、裏面照射型固体撮像素子では、この素子の基板となる半導体エピタキシャルウェーハに混入した金属は、固体撮像素子の暗電流を増加させる要因となり、白傷欠陥と呼ばれる欠陥を生じさせる。裏面照射型固体撮像素子は、配線層などをセンサー部よりも下層に配置することで、外からの光をセンサーに直接取り込み、暗所などでもより鮮明な画像や動画を撮影することができるため、近年、デジタルビデオカメラやスマートフォンなどの携帯電話に広く用いられている。そのため、白傷欠陥を極力減らすことが望まれている。
ウェーハへの金属の混入は、主に半導体エピタキシャルウェーハの製造工程および固体撮像素子の製造工程(デバイス製造工程)において生じる。前者の半導体エピタキシャルウェーハの製造工程における金属汚染は、エピタキシャル成長炉の構成材からの重金属パーティクルによるもの、あるいは、エピタキシャル成長時の炉内ガスとして塩素系ガスを用いるために、その配管材料が金属腐食して発生する重金属パーティクルによるものなどが考えられる。近年、これら金属汚染は、エピタキシャル成長炉の構成材を耐腐食性に優れた材料に交換するなどにより、ある程度は改善されてきているが、十分ではない。一方、後者の固体撮像素子の製造工程においては、イオン注入、拡散および酸化熱処理などの各処理中で、半導体基板の重金属汚染が懸念される。
このような重金属汚染を抑制するために、重金属を捕獲するためのゲッタリングサイトを半導体ウェーハ中に形成する技術がある。その方法の一つとして、半導体ウェーハ中にイオンを注入し、その後エピタキシャル層を形成する方法が知られている。この方法では、イオン注入領域がゲッタリングサイトとして機能する。
特許文献1には、シリコンウェーハの表面にクラスターイオンを照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層を形成する第1工程と、前記シリコンウェーハの改質層上にエピタキシャル層を形成する第2工程と、を有するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法が記載されている。
国際公開第2012/157162号
特許文献1では、クラスターイオンを照射して形成した改質層は、モノマーイオン(シングルイオン)を注入して得たイオン注入領域よりも高いゲッタリング能力が得られることを示している。ここで、特許文献1における改質層によるゲッタリング能力をより高くするには、例えばクラスターイオンのドーズ量を多くすることが有効である。しかしながら、ドーズ量を多くしすぎると、その後に形成するエピタキシャル層にエピタキシャル欠陥が多数発生してしまう。特許文献1では、ゲッタリング能力の向上にのみ着目しており、エピタキシャル欠陥の発生を抑制することは考慮されておらず、この点において改善の余地があった。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、高いゲッタリング能力を有し、かつ、エピタキシャル欠陥の発生を抑制したンエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために如何にしてクラスター照射条件を設定するかを検討するべく、種々の照射条件でクラスターイオンを照射したシリコンウェーハ上に、エピタキシャル層を形成する試験を行った。そして、エピタキシャル欠陥の発生を予測する手法として、クラスターイオン照射後かつエピタキシャル成長前のシリコンウェーハの最表層領域(表面から数nmの領域)をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)法により測定して、得られるSi2pスペクトルに基づいて最表層領域の結晶性を評価することを着想した。Si2pはシリコンの電子軌道の一つであり、電子軌道は電子の存在する空間である。Siの電子配置は、K殻(1s)とL殻(2s,2p)が満たされた状態であり、最外殻のM殻(3s,3p)で構成されている。そして、このXPS測定で得られたSi2pスペクトルから、シリコンの完全結晶のSi2pスペクトルを差し引いて得られるスペクトル(以下、「アモルファス成分スペクトル」という。)は、クラスターイオン照射後の最表層領域のアモルファス度合いを示すものと考えられ、このアモルファス成分スペクトルのピーク強度と、その後形成されたエピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数とに相関があることを見出した。
そこで、このアモルファス成分スペクトルのピーク強度が所定の値以下(後述する目標ピーク強度)となるように、クラスターイオンを照射することにより、その後形成するエピタキシャル層でのエピタキシャル欠陥の発生を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記知見に基づき完成した本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)試験用シリコンウェーハの表面に第1クラスターイオンを照射して、該試験用シリコンウェーハの表層部に、前記第1クラスターイオンの構成元素が固溶した第1改質層を形成する工程と、
その後、前記表層部をXPS測定して、第1のSi2pスペクトルを得る工程と、
前記第1のSi2pスペクトルから、前記第1クラスターイオンの照射前に予め前記試験用シリコンウェーハの表層部をXPS測定して求めた第2のSi2pスペクトルを差し引いて、アモルファス成分スペクトルを得る工程と、
前記試験用シリコンウェーハの第1改質層上に第1エピタキシャル層を形成する工程と、
前記第1エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数を検出する工程と、
を含む試験を複数のクラスターイオン照射条件下でくり返し、
前記試験により得たアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記エピタキシャル欠陥数との関係に基づき、前記エピタキシャル欠陥数が目標値以下となる目標ピーク強度を求め、
シリコンウェーハの表面に、第2クラスターイオンを照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記第2クラスターイオンの構成元素が固溶した第2改質層を形成する第1工程と、
前記シリコンウェーハの第2改質層上に第2エピタキシャル層を形成する第2工程と、
を有し、前記第1工程は、前記シリコンウェーハの表層部から求めるアモルファス成分スペクトルのピーク強度が、前記目標ピーク強度となる照射条件下で行うことを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(2)前記試験は、前記第1クラスターイオンを同一クラスターイオン種で固定して、複数のドーズ量にてくり返し、
前記ドーズ量と前記試験により得た前記アモルファス成分スペクトルのピーク強度との関係に基づき、前記目標ピーク強度が実現できる目標ドーズ量を求め、
前記第1工程は、前記第2クラスターイオンを前記第1クラスターイオンと同一クラスターイオン種として、ドーズ量を前記目標ドーズ量とした照射条件下で行う、上記(1)に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(3)前記試験は、前記第1クラスターイオンを同一クラスターイオン種で固定して、複数のドーズ量にてくり返し、これを複数のクラスターイオン種について行い、
前記複数のクラスターイオン種ごとに、前記ドーズ量と前記試験により得た前記アモルファス成分スペクトルのピーク強度との関係に基づき、前記目標ピーク強度が実現できる目標ドーズ量を求め、
前記第1工程は、前記第2クラスターイオンのクラスターイオン種に対応する前記目標ドーズ量の照射条件下で行う、上記(1)に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(4)前記クラスターイオンが、構成元素として炭素を含む上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(5)前記クラスターイオンが、構成元素として炭素を含む2種以上の元素を含む上記(4)に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(6)前記クラスターイオンの炭素数が16個以下である上記(4)または(5)に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(7)シリコンウェーハの表面にクラスターイオンを照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層を形成する第1工程と、
前記シリコンウェーハの改質層上にエピタキシャル層を形成する第2工程と、
を有し、
前記第1工程では、予めXPS測定により求めた前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と、前記エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数との関係に基づき、前記クラスターイオンの照射条件を調整することを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(8)前記第1工程では、予め求めた、前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数との関係、および、前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記クラスターイオンのドーズ量との関係に基づき、前記クラスターイオンの照射条件としてドーズ量を調整する、上記(7)に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたエピタキシャルシリコンウェーハの、前記エピタキシャル層に、固体撮像素子を形成することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法によれば、高いゲッタリング能力を有し、かつ、エピタキシャル欠陥の発生を抑制したエピタキシャルシリコンウェーハを得ることができる。
本発明の一実施形態によるエピタキシャルシリコンウェーハ100の製造方法を説明する模式断面図である。 シリコンウェーハの表層部をXPS測定して得たSi2pスペクトルの概略図であり、(A)は表層部が完全に単結晶である場合、(B)は表層部が離散的にアモルファス化している場合、(C)は表層部が完全にアモルファス化している場合を示す。 本発明においてアモルファス成分スペクトルを求める方法を説明する図面であり、(A)はクラスターイオン照射後のシリコンウェーハの表層部をXPS測定して得たSi2pスペクトルの一例であり、(B)は、当該Si2pスペクトルから、クラスターイオン照射前のシリコンウェーハの表層部をXPS測定して得たSi2pスペクトルを差し引いて得た、アモルファス成分スペクトルの一例である。 クラスターイオンのドーズ量と、アモルファス成分スペクトルの規格化後ピーク強度との関係を示すグラフである。 アモルファス成分スペクトルの規格化後ピーク強度と、その後形成されたエピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図1では説明の便宜上、実際の厚さの割合とは異なり、シリコンウェーハ10に対して改質層14およびエピタキシャル層20の厚さを誇張して示す。
(エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法)
本発明の一実施形態によるエピタキシャルシリコンウェーハ100の製造方法は、図1に示すように、シリコンウェーハ10の表面10Aにクラスターイオン12を照射して、シリコンウェーハ10の表層部に、このクラスターイオン12の構成元素が固溶した改質層14を形成する第1工程(図1(A),(B))と、シリコンウェーハ10の改質層14上にエピタキシャル層20を形成する第2工程(図1(C))と、を有する。図1(C)は、この製造方法の結果得られた半導体エピタキシャルウェーハ100の模式断面図である。エピタキシャル層20は、裏面照射型固体撮像素子等の半導体素子を製造するためのデバイス層となる。
シリコンウェーハ10としては、例えば、表面にエピタキシャル層を有しないバルクの単結晶シリコンウェーハが挙げられる。また、より高いゲッタリング能力を得るために、シリコンウェーハ10に炭素および/または窒素を添加してもよい。さらに、シリコンウェーハ10に任意のドーパントを所定濃度添加して、いわゆるn+型もしくはp+型、またはn−型もしくはp−型の基板としてもよい。
また、シリコンウェーハ10としては、バルクの単結晶シリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハを用いてもよい。シリコンエピタキシャル層は、CVD法により一般的な条件で形成することができる。エピタキシャル層は、厚さが0.1〜10μmの範囲内とすることが好ましく、0.2〜5μmの範囲内とすることがより好ましい。
ここで、本実施形態の特徴的工程は、図1(A)に示すクラスターイオン照射工程である。本明細書において「クラスターイオン」とは、原子または分子が複数集合して塊となったクラスターに正電荷または負電荷を与え、イオン化したものを意味する。クラスターは、複数(通常2〜2000個程度)の原子または分子が互いに結合した塊状の集団である。
シリコンウェーハに、例えば炭素と水素からなるクラスターイオンを照射する場合、クラスターイオン12は、シリコンウェーハに照射されるとそのエネルギーで瞬間的に1350〜1400℃程度の高温状態となり、シリコンが融解する。その後、シリコンは急速に冷却され、シリコンウェーハ中の表面近傍に炭素および水素が固溶する。すなわち、本明細書における「改質層」とは、照射するイオンの構成元素が半導体ウェーハ表面部の結晶の格子間位置または置換位置に固溶した層を意味する。二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Iron Mass Spectrometry)によるシリコンウェーハの深さ方向における炭素の濃度プロファイルは、クラスターイオンの加速電圧およびクラスターサイズに依存するが、モノマーイオンの場合に比べてシャープになり、照射された炭素の局所的に存在する領域(すなわち、改質層)の厚みは、概ね500nm以下(例えば50〜400nm程度)となる。この改質層14がゲッタリングサイトとなる。
クラスターイオンは結合様式によって多種のクラスターが存在し、例えば以下の文献に記載されるような公知の方法で生成することができる。ガスクラスタービームの生成法として、(1)特開平9−41138号公報、(2)特開平4−354865号公報、イオンビームの生成法として、(1)荷電粒子ビーム工学:石川 順三:ISBN978-4-339-00734-3:コロナ社、(2)電子・イオンビーム工学:電気学会:ISBN4-88686-217-9:オーム社、(3)クラスターイオンビーム基礎と応用:ISBN4-526-05765-7:日刊工業新聞社。また、一般的に、正電荷のクラスターイオンの発生にはニールセン型イオン源あるいはカウフマン型イオン源が用いられ、負電荷のクラスターイオンの発生には体積生成法を用いた大電流負イオン源が用いられる。
このようにクラスターイオン照射により、高いゲッタリング能力を得られるが、本実施形態では、さらに、XPS法による測定結果に基づいて、クラスターイオン照射条件を適切に設定することにより、その後形成するエピタキシャル層20におけるエピタキシャル欠陥の発生を十分に抑制することを指向するものである。以下に、XPS測定によるシリコンウェーハの表層部の結晶性評価方法と、本発明を完成に導いた実験例を説明する。
(XPS法)
XPS法は、超高真空下で試料表面にX線を照射すると、光電効果により表面から光電子が真空中に放出される現象に基づいて、その光電子の運動エネルギーを観測することによって、その表面の元素組成や化学状態に関する情報を得ることができる分析法として一般的に知られている。本発明では、このXPS法によって、シリコンウェーハの表層部の結晶性を評価する点に特徴がある。以下、結晶性の評価方法について、より詳細に説明する。
本発明では、シリコンウェーハの表層部をXPS測定して得られるSi2pスペクトルに着目する。まず、クラスターイオン照射前のシリコンウェーハの表層部をXPS測定すると、得られるSi2pスペクトルは図2(A)に示すような単結晶シリコンに固有のスペクトルであり、99.3eV付近と99.8eV付近に2つのピークが現れる。
ここで、シリコンウェーハの表面にクラスターイオンを照射すると、その照射条件に依存して、表層部の改質層の一部又は全部がアモルファス化することがわかった。例えば、あるクラスター種のクラスターイオンを種々のドーズ量でシリコンウェーハに照射すると、ドーズ量が大きくなるにつれて表層部のアモルファス化の程度が徐々に進み、ある閾値以上のドーズ量においては、表層部が全体的にアモルファス化する。閾値となるドーズ量はクラスター種によって異なるが、いずれのクラスター種でも、この傾向は同じであった。
そして、表層部が完全にアモルファス化している場合、得られるSi2pスペクトルは、図2(C)に示すように、99.8eVのピークが消失し、99.3eV付近のみ残るブロードなスペクトルとなった。表層部が完全な単結晶である図2(A)の場合と、表層部が完全なアモルファスである図2(C)の場合との中間の状態、すなわち、表層部が離散的にアモルファス化している場合には、図2(B)に示すように、2つのピークは認識できつつも、図2(A)よりはブロードなSi2pスペクトルとなった。
以上のような知見から、図3(A)に示すような、ある照射条件下でクラスターイオンを照射したシリコンウェーハの表層部をXPS測定して得られたSi2pスペクトルから、図2(A)の表層部が完全な単結晶である場合のSi2pスペクトルを差し引いて得られるスペクトル(図3(B)に示すようなアモルファス成分スペクトル)は、クラスターイオン照射後の最表層領域のアモルファス度合いを示すものと考えられた。
例えば、あるシリコンウェーハにおいて、アモルファス成分スペクトルでピークがない場合には、当該シリコンウェーハの表層部は、完全に単結晶であることがわかる。そして、図3(B)に示すアモルファス成分スペクトルのピーク強度が大きくなるほど、表層部のアモルファス化が進行していることになる。そして、表層部が完全にアモルファス化した場合に、アモルファス成分スペクトルのピーク強度が最大を示すことになる。
本発明では、このようにして評価したアモルファス成分スペクトルのピーク強度と、その後形成されたエピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数とに相関があるとの知見を、本発明者らが初めて見出した。この知見に基づき、本発明では、シリコンウェーハ表層部にクラスターイオン照射によって改質層を形成し、その後改質層上にエピタキシャル層を形成して、エピタキシャルシリコンウェーハを得るにあたり、当該エピタキシャル層でのエピタキシャル欠陥の発生を抑制できるクラスターイオン照射条件を、XPS測定によって決定するのである。
(実験例1)
CZ単結晶シリコンインゴットから得たn型シリコンウェーハ(直径:300mm、厚さ:725μm、ドーパント:リン、ドーパント濃度:5.0×1014atoms/cm)を用意した。XPS分析装置(アルバック・ファイ株式会社製、PHI Quantera)を用いて、シリコンウェーハの表層部をXPS測定して、表層部が完全な単結晶である場合のSi2pスペクトルを得た。
次に、クラスターイオン発生装置(日新イオン機器社製、型番:CLARIS)を用いて、C1610ガスよりCクラスターを生成して、クラスターイオンのドーズ量を1.0×1014〜5.0×1014Clusters/cmの範囲の種々の値として、シリコンウェーハの表面に照射し、改質層を形成した。クラスター当りの加速電圧は80keV/Cluster、ビーム電流値は2.5mAで固定した。
その後、上記XPS分析装置を用いて、各シリコンウェーハの表層部をXPS測定して、Si2pスペクトルを得た。
その後、シリコンウェーハを枚葉式エピタキシャル成長装置(アプライドマテリアルズ社製)内に搬送し、装置内で1120℃の温度で30秒の水素ベーク処理を施した後、水素をキャリアガス、トリクロロシランをソースガスとして1150℃でCVD法により、シリコンウェーハの改質層上にシリコンエピタキシャル層(厚さ:8μm、ドーパント:リン、ドーパント濃度:1.0×1015atoms/cm)をエピタキシャル成長させ、エピタキシャルシリコンウェーハを得た。
SIMS測定により炭素および水素の濃度プロファイルを測定した。シリコンウェーハ表面から80nmの範囲において、急峻なピークが確認されたことから、改質層が特定できた。
また、エピタキシャルシリコンウェーハのシリコンエピタキシャル層の表面を、光散乱方式のパーティクルカウンター(Surfscan SP1,KLA−Tencor社製)にてNormalモード条件にて測定し、90nm以上のLPDとしてカウントされるもののうち、LPD−Nとしてカウントされるものをエピタキシャル欠陥と定義し、その数を求めた。
(実験例2)
さらに、クラスターイオン種を、シクロヘキサンより生成したCクラスターとした以外は、上記と同じ手順で実験を行った。ドーズ量は、3.3×1013〜3.3×1015Clusters/cmの範囲の種々の値とした。
(実験結果および考察)
実験例1,2について、各シリコンウェーハの表層部から得られたSi2pスペクトルから、表層部が完全な単結晶である場合のSi2pスペクトルを差し引いて、アモルファス成分スペクトルを得た。そして、各アモルファス成分スペクトルにおいて、ピーク強度を求めた。実験例1,2とも、ある閾値以上のドーズ量においては、アモルファス成分スペクトルのピーク強度が飽和した。この飽和ピーク強度の場合、表層部は全体的にアモルファス化しているものと考えられる。そこで、飽和ピーク強度を「1」として、各シリコンウェーハにおけるアモルファス成分スペクトルのピーク強度を規格化して求めた。この規格化後のピーク強度を、以下「表層アモルファス化率」と称する。図4に、クラスターイオンのドーズ量と、表層アモルファス化率との関係を示す。また、図5に、表層アモルファス化率とエピタキシャル欠陥数との関係を示す。
図5を参照して、表層アモルファス化率とエピタキシャル欠陥数とには相関があることがわかった。実験例1,2の結果から、表層アモルファス化率が0.37以下ではエピタキシャル欠陥が発生せず、0.50以上でエピタキシャル欠陥が発生した。つまり、エピタキシャル欠陥数を確実にゼロとするための目標表層アモルファス化率は、0.37以下であることがわかった。
次に図4を参照して、実験例1の場合では、黒丸のプロットをつないだ検量線に基づいて、上記目標表層アモルファス化率0.37以下を実現するためのクラスターイオンドーズ量を求めることができる。また、実験例2の場合では、黒い四角のプロットをつないだ検量線に基づいて、上記目標表層アモルファス化率0.37以下を実現するためのクラスターイオンドーズ量を求めることができる。このように、炭素ドーズ量以外のクラスター照射条件を固定した場合、炭素ドーズ量と表層アモルファス化率との間にも相関があることがわかった。
よって、ドーズ量以外のクラスターイオン照射条件を実験例1または実験例2の条件とする場合には、図4より求めた目標クラスターイオンドーズ量で、クラスターイオンを照射すれば、エピタキシャル欠陥の発生を抑えることができる。
このように、炭素のドーズ量が3.3×1013〜3.3×1015atoms/cmという広い範囲において、XPS測定から求めたアモルファス成分スペクトルのピーク強度とエピタキシャル欠陥数との間に相関が取れることがわかった。
(クラスターイオンの照射条件)
上記実験例に示したように、本実施形態ではまず、試験用シリコンウェーハの表面に第1クラスターイオンを照射して、該試験用シリコンウェーハの表層部に、前記第1クラスターイオンの構成元素が固溶した第1改質層を形成する工程と、その後、前記表層部をXPS測定して、第1のSi2pスペクトルを得る工程と、前記第1のSi2pスペクトルから、前記第1クラスターイオンの照射前に予め前記試験用シリコンウェーハの表層部をXPS測定して求めた第2のSi2pスペクトルを差し引いて、アモルファス成分スペクトルを得る工程と、前記試験用シリコンウェーハの第1改質層上に第1エピタキシャル層を形成する工程と、前記第1エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数を検出する工程と、を含む試験を複数のクラスターイオン照射条件下でくり返す。
そして、この試験により得たアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記エピタキシャル欠陥数との関係に基づき、前記エピタキシャル欠陥数が目標値以下となる目標ピーク強度を求める。上記実験例1,2では、図5に基づいて目標ピーク強度を定めることができる。
そして、図1で説明したとおりに、シリコンウェーハ10の表面10Aにクラスターイオン12(第2クラスターイオン)を照射して、シリコンウェーハ10の表層部に、クラスターイオン12の構成元素が固溶した改質層14(第2改質層)を形成する第1工程と、シリコンウェーハの改質層14上にエピタキシャル層20(第2エピタキシャル層)を形成する第2工程と、を行う。この際、第1工程は、シリコンウェーハ10の表層部から求めるアモルファス成分スペクトルのピーク強度が、前記目標ピーク強度となる照射条件下で行う。このようにすることで、エピタキシャル層20におけるエピタキシャル欠陥の発生を十分に抑制することができる。
上記実験例1,2のように、この試験は、クラスターイオン種(すなわちクラスターサイズ)を固定して、複数のドーズ量にてくり返し、ドーズ量と試験により得たアモルファス成分スペクトルのピーク強度との関係に基づき、目標ピーク強度が実現できる目標ドーズ量を求めることが好ましい。しかも、これを複数のクラスターイオン種について行い、複数のクラスターイオン種ごとに、ドーズ量と試験により得たアモルファス成分スペクトルのピーク強度との関係に基づき、目標ピーク強度が実現できる目標ドーズ量を求めることが好ましい。上記実験例1,2では、図4に基づいて目標ドーズ量を定めることができる。
そして、図1における第1工程を、照射するクラスターイオン12のクラスターイオン種に対応する目標ドーズ量の照射条件下で行う。このようにすることで、エピタキシャル層20におけるエピタキシャル欠陥の発生を十分に抑制することができる。このとき、ドーズ量以外のクラスターイオン照射条件(加速電圧、ビーム電流値)およびエピタキシャル層の成長条件は、目標ドーズ量を算出するための試験における条件と同じとする。
このように、ドーズ量以外のクラスターイオン照射条件を任意の条件に固定して、上記実験例1,2のように、複数のドーズ量にてくり返せば、当該照射条件における、エピタキシャル欠陥の発生を十分に抑制できるドーズ量を求めることができるのである。
以下で、考慮すべき代表的なクラスター照射条件について説明する。
まず、照射する元素はゲッタリングに寄与する元素であれば特に限定されず、炭素、ホウ素、リン、砒素などを挙げることができる。しかし、より高いゲッタリング能力を得る観点から、クラスターイオンが、構成元素として炭素を含むことが好ましい。
また、照射元素としては炭素を含む2種以上の元素がより好ましい。特に、炭素に加えて、ホウ素、リン、砒素およびアンチモンからなる群より選択された1または2以上のドーパント元素を照射することが好ましい。固溶する元素の種類により効率的にゲッタリング可能な金属の種類が異なるため、2種以上の元素を固溶させることにより、より幅広い金属汚染に対応できるからである。例えば、炭素の場合、ニッケルを効率的にゲッタリングすることができ、ホウ素の場合、銅、鉄を効率的にゲッタリングすることができる。
イオン化させる化合物も特に限定されないが、イオン化が可能な炭素源化合物としては、エタン、メタン、二酸化炭素(CO)などを用いることができ、イオン化が可能なホウ素源化合物としては、ジボラン、デカボラン(B1014)などを用いることができる。例えば、ジベンジルとデカボランを混合したガスを材料ガスとした場合、炭素、ホウ素および水素が集合した水素化合物クラスターを生成することができる。また、シクロヘキサン(C12)を材料ガスとすれば、炭素および水素からなるクラスターイオンを生成することができる。炭素源化合物としては特に、ピレン(C1610)、ジベンジル(C1414)などより生成したクラスターC(3≦n≦16,3≦m≦10)を用いることが好ましい。小サイズのクラスターイオンビームを制御し易いためである。
イオン化させる化合物としては、炭素および上記ドーパント元素の両方を含む化合物とすることも好ましい。このような化合物をクラスターイオンとして照射すれば、1回の照射で炭素およびドーパント元素の両方を固溶させることができるからである。
クラスターイオンを照射したシリコンウェーハの表層部のアモルファス成分スペクトルは、クラスターイオンのドーズ量、クラスターサイズ、クラスターイオンの加速電圧、およびビーム電流値などにより制御される。本明細書において「クラスターサイズ」とは、1つのクラスターを構成する原子または分子の個数を意味する。
クラスターサイズは2〜100個、好ましくは60個以下、より好ましくは50個以下で適宜設定することができる。上記実験例では、クラスターサイズ8個のCと、クラスターサイズ10個のCを用いた。クラスターサイズの調整は、ノズルから噴出されるガスのガス圧力および真空容器の圧力、イオン化する際のフィラメントへ印加する電圧などを調整することにより行うことができる。なお、クラスターサイズは、四重極高周波電界による質量分析またはタイムオブフライト質量分析によりクラスター個数分布を求め、クラスター個数の平均値をとることにより求めることができる。
クラスターイオンのドーズ量は、イオン照射時間を制御することにより調整することができる。本実施形態において、炭素のドーズ量は概ね1×1014atoms/cm以上1×1016atoms/cm以下の範囲内において、前記目標ドーズ量が設定される。
クラスターイオンの加速電圧は、クラスターサイズとともに、アモルファス成分スペクトルのピーク強度に影響を与える。クラスターイオンとしてC(3≦n≦16,3≦m≦10)を用いる場合、炭素1原子あたりの加速電圧は、0keV/atom超え50keV/atom以下とし、好ましくは、40keV/atom以下とすることが好ましい。
なお、加速電圧の調整には、(1)静電加速、(2)高周波加速の2方法が一般的に用いられる。前者の方法としては、複数の電極を等間隔に並べ、それらの間に等しい電圧を印加して、軸方向に等加速電界を作る方法がある。後者の方法としては、イオンを直線状に走らせながら高周波を用いて加速する線形ライナック法がある。
シリコンウェーハ10の表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度が目標ピーク強度となる条件で行うためには、ビーム電流値は概ね0.3mA以上3.0mA以下とすることが好ましい。
(回復熱処理)
クラスターイオンは一般的に10〜100keV/Cluster程度の加速電圧で照射するが、クラスターは複数の原子または分子の集合体であるため、1原子または1分子あたりのエネルギーを小さくして打ち込むことができ、シリコンウェーハの結晶へ与えるダメージは小さい。そのため、一実施形態では、上記第1工程の後、シリコンウェーハに対して結晶性回復のための熱処理を行うことなく、シリコンウェーハをエピタキシャル成長装置に搬送して上記第2工程を行うことができ、高いゲッタリング能力を有するエピタキシャルシリコンウェーハ100を効率的に製造することができる。すなわち、RTA(Rapid Thermal Annealing)やRTO(Rapid Thermal Oxidation)などの、エピタキシャル装置とは別個の急速昇降温熱処理装置などを用いて回復熱処理を行う必要がない。
それは、以下に述べるエピタキシャル層20を形成するためのエピタキシャル装置内で、エピタキシャル成長に先立ち行われる水素ベーク処理によって、シリコンウェーハ10の結晶性を十分回復させることができるからである。水素ベーク処理の一般的な条件は、エピタキシャル成長装置内を水素雰囲気とし、600℃以上900℃以下の炉内温度でシリコンウェーハ10を炉内に投入し、1℃/秒以上15℃/秒以下の昇温レートで1100℃以上1200℃以下の温度範囲にまで昇温させ、その温度で30秒以上1分以下の間保持するものである。この水素ベーク処理は、本来はエピタキシャル層成長前の洗浄処理によりウェーハ表面に形成された自然酸化膜を除去するためのものであるが、上記条件の水素ベークによりシリコンウェーハ10の結晶性を十分回復させることができる。
もちろん第1工程の後、第2工程の前に、エピタキシャル装置とは別個の熱処理装置を用いて回復熱処理を行ってもよい。この回復熱処理は、900℃以上1200℃以下で10秒以上1時間以下行えばよい。この回復熱処理は、例えば、シリコンウェーハ10をエピタキシャル成長装置内に搬送する前に、RTAやRTOなどの急速昇降温熱処理装置や、バッチ式熱処理装置(縦型熱処理装置、横型熱処理装置)を用いて行うことができる。
(エピタキシャル成長工程)
改質層14上に形成するシリコンエピタキシャル層20は、一般的な条件により形成することができる。例えば、水素をキャリアガスとして、ジクロロシラン、トリクロロシランなどのソースガスをチャンバー内に導入し、使用するソースガスによっても成長温度は異なるが、概ね1000〜1200℃の範囲の温度でCVD法によりシリコンウェーハ10上にエピタキシャル成長させることができる。エピタキシャル層20は、厚さが1〜15μmの範囲内とすることが好ましい。1μm未満の場合、シリコンウェーハ10からのドーパントの外方拡散によりエピタキシャル層20の抵抗率が変化してしまう可能性があり、また、15μm超えの場合、固体撮像素子の分光感度特性に影響が生じるおそれがあるからである。
(固体撮像素子の製造方法)
本発明の実施形態による固体撮像素子の製造方法は、上記の製造方法で製造されたエピタキシャルシリコンウェーハ100の表面に位置するエピタキシャル層20に、固体撮像素子を形成することを特徴とする。この製造方法により得られる固体撮像素子は、従来に比べ白傷欠陥の発生を十分に抑制することができる。
本発明により製造されたエピタキシャルシリコンウェーハは、固体撮像素子などの各種半導体デバイスの作製に用いることができる。
100 エピタキシャルシリコンウェーハ
10 シリコンウェーハ
10A シリコンウェーハの表面
12 クラスターイオン
14 改質層
20 エピタキシャル層

Claims (9)

  1. 試験用シリコンウェーハの表面に第1クラスターイオンを照射して、該試験用シリコンウェーハの表層部に、前記第1クラスターイオンの構成元素が固溶した第1改質層を形成する工程と、
    その後、前記表層部をXPS測定して、第1のSi2pスペクトルを得る工程と、
    前記第1のSi2pスペクトルから、前記第1クラスターイオンの照射前に予め前記試験用シリコンウェーハの表層部をXPS測定して求めた第2のSi2pスペクトルを差し引いて、アモルファス成分スペクトルを得る工程と、
    前記試験用シリコンウェーハの第1改質層上に第1エピタキシャル層を形成する工程と、
    前記第1エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数を検出する工程と、
    を含む試験を複数のクラスターイオン照射条件下でくり返し、
    前記試験により得たアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記エピタキシャル欠陥数との関係に基づき、前記エピタキシャル欠陥数が目標値以下となる目標ピーク強度を求め、
    シリコンウェーハの表面に、第2クラスターイオンを照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記第2クラスターイオンの構成元素が固溶した第2改質層を形成する第1工程と、
    前記シリコンウェーハの第2改質層上に第2エピタキシャル層を形成する第2工程と、
    を有し、前記第1工程は、前記シリコンウェーハの表層部から求めるアモルファス成分スペクトルのピーク強度が、前記目標ピーク強度となる照射条件下で行うことを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記試験は、前記第1クラスターイオンを同一クラスターイオン種で固定して、複数のドーズ量にてくり返し、
    前記ドーズ量と前記試験により得た前記アモルファス成分スペクトルのピーク強度との関係に基づき、前記目標ピーク強度が実現できる目標ドーズ量を求め、
    前記第1工程は、前記第2クラスターイオンを前記第1クラスターイオンと同一クラスターイオン種として、ドーズ量を前記目標ドーズ量とした照射条件下で行う、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記試験は、前記第1クラスターイオンを同一クラスターイオン種で固定して、複数のドーズ量にてくり返し、これを複数のクラスターイオン種について行い、
    前記複数のクラスターイオン種ごとに、前記ドーズ量と前記試験により得た前記アモルファス成分スペクトルのピーク強度との関係に基づき、前記目標ピーク強度が実現できる目標ドーズ量を求め、
    前記第1工程は、前記第2クラスターイオンのクラスターイオン種に対応する前記目標ドーズ量の照射条件下で行う、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記クラスターイオンが、構成元素として炭素を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  5. 前記クラスターイオンが、構成元素として炭素を含む2種以上の元素を含む請求項4に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  6. 前記クラスターイオンの炭素数が16個以下である請求項4または5に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  7. シリコンウェーハの表面にクラスターイオンを照射して、該シリコンウェーハの表層部に、前記クラスターイオンの構成元素が固溶した改質層を形成する第1工程と、
    前記シリコンウェーハの改質層上にエピタキシャル層を形成する第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程では、予めXPS測定により求めた前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と、前記エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数との関係に基づき、前記クラスターイオンの照射条件を調整することを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  8. 前記第1工程では、予め求めた、前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記エピタキシャル層の表面のエピタキシャル欠陥数との関係、および、前記表層部のアモルファス成分スペクトルのピーク強度と前記クラスターイオンのドーズ量との関係に基づき、前記クラスターイオンの照射条件としてドーズ量を調整する、請求項7に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたエピタキシャルシリコンウェーハの、前記エピタキシャル層に、固体撮像素子を形成することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
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