JP2018138531A - ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法 - Google Patents

ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハチ、アブ類に対する個人防除において、特定の薬剤を保持させた衣類を組合せて着用することによる、効果的なハチ、アブ類の刺咬被害防止方法の提供。【課題の解決手段】ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服とピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用するか、もしくは前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服と前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用する、ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。前記忌避成分としては、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル[イカリジン]及び3−(N−n−ブチルアセトアミド)プロピオン酸エチル[IR3535]が好ましく、前記ピレスロイド系殺虫成分としては、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg未満である難揮散性ピレスロイド系殺虫成分が好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法、より具体的には、ハチ類やアブ類の攻撃を回避し、刺咬等の被害を未然に防ぐための方法に関するものである。
近年、宅地化が進んだ都市周辺の丘陵地帯や、山沿いの土木工事ならびに林業関連等の作業現場等において、ハチ類やアブ類に関する被害や苦情が増えている。特にハチ類については、日本で約3000種類が知られているが、そのうち、約20種類は刺咬性が強く、これらによる人的被害は人命に関わることも少なくない。
従来の対策方法は、(1)個人防除(ハチ類駆除エアゾール等を用いたハチ類の直接駆除)と、(2)環境防除(薬剤散布によるハチの巣駆除や営巣防止)が主体であり、これまで薬剤処方の改良については様々な提案がなされてきた。
(1)個人防除において、スズメバチのような攻撃性の強いハチと対峙せざるを得ない場面では、速効性を有する薬剤が求められる。そこで、例えば、特許文献1(特開平1−299202号公報)は、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シクロペンタ−2−エニル クリサンマートを有効成分とするハチ駆除剤を、また、特許文献2(特開2009−173608号公報)は、一層速効性に優れたハチ防除用組成物として、メトフルトリンとテトラメトリンを有効成分とした組成物を開示した。しかしながら、薬剤を噴霧することによって、ハチ類が攻撃性を増し危険性が増大することも有り得る。
一方、(2)環境防除の面からも検討が進められ、例えば、特許文献3(特開2014−62086号公報)には、難揮散性ピレスロイド系殺虫成分と沸点が180℃以上の高級脂肪酸エステル化合物を含有すると共にその配合比率を特定することによって有用なハチの営巣防除用エアゾール剤が得られる旨記載されている。このような営巣防止対策は、予防的措置として一定の効果を奏するものの、突然ハチ類に攻撃された場合に、(2)環境防除だけで対処できるものではない。
本発明者らは、かかる現状を鑑み、ハチ類やアブ類の刺咬被害を防止するにあたっては、(1)個人防除と、(2)環境防除の両面からのアプローチが必要で、かつ、(1)個人防除においても、従来のような「ハチ類駆除エアゾール等を用いたハチ類の直接駆除」のみでは不十分であることを認識し、鋭意検討を重ねた。その結果、緊急事態に備えてハチ類駆除エアゾール等を携行することの有用性は認めつつ、これとの併用手段として、特定の薬剤を保持させた衣類を組合せて着用すれば、ハチ類やアブ類が接近するとしても刺咬被害を回避できることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
特開平1−299202号公報 特開2009−173608号公報 特開2014−62086号公報
本発明は、ハチ、アブ類に対する個人防除において、特定の薬剤を保持させた衣類を組合せて着用することによって、効果的なハチ、アブ類の刺咬被害防止方法を提供しようとするものである。
本発明は、以下の構成が上記目的を達成するために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服とピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用するか、もしくは前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服と前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用する、ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(2)前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服を着用し、その衣服の一部を被ってその上に更に前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服を着用する(1)に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(3)前記ハチ、アブ類に対する忌避成分は、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、及び3−(N−n−ブチルアセトアミド)プロピオン酸エチルである(1)又は(2)に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(4)前記ピレスロイド系殺虫成分は、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg未満である難揮散性ピレスロイド系殺虫成分である(1)ないし(3)のいずれか一に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(5)前記難揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、エトフェンプロックス、及びシラフルオフェンである(4)に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
(6)前記第二の衣服は、安全チョッキ、安全ベスト、もしくはこれに類した衣服である(1)ないし(5)のいずれか一に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
本発明のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法は、特定の薬剤を保持させた衣類を組合せて着用することによって、ハチ類やアブ類の刺咬被害を効果的に防止できるので極めて実用的である。
本発明では、「第一の衣服」とは、上半身及び下半身を被う上着、ズボン等を含み、その材質は、綿、麻等の天然繊維や、レーヨン、ポリエステル、ナイロン等の半合成繊維ならびに合成繊維等、様々である。
また、「第二の衣服」とは、安全チョッキ、安全ベスト、もしくはこれに類したものであり、その材質としては、ポリエステルやナイロン製が多く、一般には「第一の衣服」の一部、通常上半身を被って着用される。
そして、忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた「第一の衣服」、あるいは「第二の衣服」を着用するとは、衣服に忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた後着用してもよいし、衣服を着用した後、これに忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させる手段を講じる場合も包含する。
本発明で用いる、ハチ、アブ類に対する忌避成分としては、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル[以降、イカリジンと称す]、3−(N−n−ブチルアセトアミド)プロピオン酸エチル[以降、IR3535と称す]、ディート、p−メンタン−3,8−ジオール、フタール酸ジメチル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ベンジルアセテート、シトロネラール、シトロネロール、シトラール、リナロール、テルピネオール、メントール、α―ピネン、カンファー、ゲラニオール、カランー3,4−ジオール等の合成あるいは天然の各種化合物、更には、桂皮、シトロネラ油、レモングラス油、クローバ油、ベルガモット油、ユーカリ油等の精油、抽出液等があげられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合使用することもできる。このような忌避成分が蚊類に対して高い忌避効果を示すことはよく知られているが、ハチ、アブ類に対する忌避効果はそれほど高くないと言われている。
しかるに、本発明者らが検討を重ねた結果、後記するように、ピレスロイド系殺虫成分の駆除効果と協働させた時に、ハチ、アブ類に対する忌避効果が相乗的に向上することを知見するに至った。
なかでも、イカリジン及びIR3535については、その忌避効果の向上度合いが顕著であり、しかも、上記の各種繊維に対して殆ど影響を及ぼさないので、本発明の目的に特に適していることが判明したものである。
本発明では、前述の忌避成分の少なくとも1種以上を、「第一の衣服」又は「第二の衣服」のいずれに保持させてもよいが、効果的には「第一の衣服」に保持させるのが好ましい。その忌避成分の保持量は、使用場面や対象とするハチ、アブ類の種類等によって設定すればよいが、10mg〜2000mg/m程度が適当である。また、その保持方法についても公知の方法を適宜選択すればよく、例えば、液剤又はエアゾール剤を噴霧又は塗布することによって調製可能である。
本発明は、前述の忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた衣服とともに、ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた別の衣服を着用して、ハチ、アブ類の刺咬被害を防止することを特徴とする。
本発明で用いるピレスロイド系殺虫成分としては、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg未満である難揮散性ピレスロイド系殺虫成分、例えば、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、エトフェンプロックス、及びシラフルオフェンや、易揮散性ピレスロイド系殺虫成分に該当するトランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン、メペルフルトリン、ヘプタフルトリン、及びテフルトリン等があげられる。
なお、ピレスロイド系殺虫成分の酸成分やアルコール部分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、これらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることは勿論である。
本発明では、前述のピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を、「第一の衣服」又は「第二の衣服」のいずれに保持させてもよいが、効果的には「第二の衣服」に保持させるのが好ましい。そのピレスロイド系殺虫成分の保持量も、忌避成分の場合と同様に、使用場面や対象とするハチ、アブ類の種類等によって設定すればよく、5mg〜1000mg/m程度が適当である。また、その保持方法についても同様で、例えば、液剤又はエアゾール剤を噴霧又は塗布することによって適宜調製すればよい。
本発明は、「第一の衣服」と「第二の衣服」を共に着用して、忌避成分による忌避効果とピレスロイド系殺虫成分の駆除効果を、好ましくは「第一の衣服」における前者の忌避効果と「第二の衣服」における後者の駆除効果を相乗的に協働させ、ハチ、アブ類が接近するとしても刺咬被害を回避できることを見出したものである。
その相乗的協働効果のメカニズムは不明であるが、まず忌避効果が作用し、それでも接近した場合にはピレスロイド系殺虫成分に接触して確実な刺咬回避行動を惹起させるものと推察される。
本発明者らが、ピレスロイド系殺虫成分の種類について検討を重ねたところ、トランスフルトリンやメトフルトリンのような易揮散性ピレスロイド系殺虫成分よりはむしろ、シフルトリン、フェノトリンやフタルスリンのような難揮散性ピレスロイド系殺虫成分の方が、刺咬被害防止の点でより効果的に作用することが認められた。当初の予想では、易揮散性ピレスロイド系殺虫成分は徐々に揮散してある程度の忌避性を示すため難揮散性ピレスロイド系殺虫成分よりも有利と思われたが、予想に反して、忌避成分による忌避効果と難揮散性ピレスロイド系殺虫成分による持続的な駆除効果を協働させる方がより有効であるとの結論に至ったのである。
本発明では、本発明の効果に支障を来たさない限りにおいて、前記忌避成分やピレスロイド系殺虫成分の外に、他の機能性成分、例えば、ピレスロイド系殺虫成分以外の他のタイプの殺虫成分や、除菌・抗菌成分、消臭成分、衣服の柔軟成分等を保持させてもよい。
ピレスロイド系殺虫成分以外の他のタイプの殺虫成分としては、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物、ジノテフラン、イミダクロプリド、クロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物があげられる。
また、除菌・抗菌成分としては、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、オルト−フェニルフェノール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メルカプトベンゾチアゾール等を例示できる。更に、消臭成分としては、イネ科、ツバキ科、イチョウ科、モクセイ科、クワ科、ミカン科、キントラノオ科、カキノキ科の中から選ばれる植物抽出物、例えば、サトウキビエキス、緑茶抽出エキス、チャ乾留物、柿抽出エキス、グレープフルーツ抽出エキス、レンギョウ抽出エキス等が代表的である。また、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド等を添加してリラックス効果を付与することもできる。
「第一の衣服」や「第二の衣服」を調製するにあたっては、前述のとおり、公知の方法を適宜採用すればよいが、所定の成分を含有する液剤又はエアゾール剤を衣服にスプレー又は噴霧する方法が代表的なので、以下これについて述べる。
衣服処理用に用いる液剤は、所定の忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分に、必要ならば他の機能性成分を加え、これに溶剤や適宜補助剤を配合して製する。忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分の液剤全体量に対する配合量は1〜50質量%程度が適当であり、溶剤は、通常、速乾性や火気への安全性等を考慮のうえ決定される。
かかる溶剤としては、炭素数が2〜3のアルコール類、例えば、エチルアルコールやイソプロピルアルコール(IPA)が好ましいが、必要ならば、他の種類の溶剤、例えば、水、灯油等の炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等を適宜配合してもよい。
液剤が露出した人の肌にかかるような場面では、水の配合は人体への安全性やさらさら感を付与できるので好適である。水の種類については特に限定されないが、硬度700以下の天然ミネラル水が好ましい。海洋深層水、海洋表層水、地下深層水、山麓の涌き水等のミネラル水は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン等の金属イオンを含み、人体に不足しがちなミネラル成分を補給しやすいことから各方面で注目されており、例えば、逆浸透膜法等により濾過、脱塩処理を行い硬度を100〜1000程度に調整したものが飲料として販売されている。
また、液剤調製に際し、補助剤として、更に界面活性剤や可溶化剤、滑沢剤、安定化剤、pH調整剤、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤、着色剤、香料等を適宜配合することもできる。
界面活性剤や可溶化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の非イオン系界面活性剤や、ラウリルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤を例示することができる。
更に、肌にさらさら感を付与するための滑沢剤として、無水ケイ酸、タルク等の無機粉末、変性デンプン、シルク繊維粉末等の有機粉末があげられ、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤としては、パラアミノ安息香酸、アミルサリシネート、オクチルシンナメート、メトキシ桂皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等があげられる。
衣服処理用に用いる剤型として、液剤に噴射剤を加えてエアゾール形態とすれば、スプレー粒子を微粒化でき、利便性が高いものとなる。その場合の噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)があげられる。
前記液剤又はエアゾール剤が充填される容器のノズル、バルブ、噴口等の形状は、その用途、対象害虫等に応じて適宜決定すればよい。例えば、広角ノズル付きのトリガースプレータイプは、一度の操作で広い範囲を処理することが可能となり便利である。また、容器の材質としてPETを使用することによって、液量を視認できると共にデザイン性にも優れるというメリットを有する。
こうして得られた液剤又はエアゾール剤の所定量を衣服にスプレー又は噴霧し、本発明で用いる「第一の衣服」や「第二の衣服」を調製する。そして、草むらや森林等に入る前に、「第一の衣服」と「第二の衣服」を共に着用することによって、忌避成分による忌避効果とピレスロイド系殺虫成分の駆除効果が、好ましくは「第一の衣服」における前者の忌避効果と「第二の衣服」における後者の駆除効果が相乗的に協働し、およそ6〜12時間にわたり、ハチ類やアブ類の刺咬被害を回避できるのである。
本発明のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法は、フタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ、ミツバチ、クマバチなどのハチ類や、イヨシロアブ、アカウシアブ、シロフアブ、キンイロアブなどのアブ類に対して極めて有用な方法であるが、当然のことながら、ハチ、アブ類よりも防除が比較的容易な他の刺咬性飛翔害虫、例えば、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカなどの蚊類、蚋、ユスリカ類、ハエ類、コバエ類(ショウジョウバエ類、ノミバエ類等)、チョウバエ類、イガ類などに対しても効果的であり、その実用性は非常に高い。
次に具体的な実施例及び試験例に基づき、本発明のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
イカリジンを45g(15w/v%)、3−メチル−4−イソプロピルフェノールを0.3g(0.1w/v%)及び精製水を120g(40w/v%)に、99%エタノールを加えて全量を300mLとし、「第一の衣服」用の液剤を調製した。なお、衣服着用後に、この液剤を5mL/mの割合でレーヨン/ポリエステル製の上着にスプレーし、「第一の衣服」を構成することとした。
一方、シフルトリンを1.0g(エアゾール剤全体量に対して0.33w/v%)及びd−T80−フタルスリンを2.6g(エアゾール剤全体量に対して0.87w/v%)にネオチオゾールを加えて全量を150mLとしたエアゾール原液をエアゾール容器に入れ、LPG115mLとDME35mLの混合ガスを加圧充填した。噴射用ノズルを一体にて備えた噴射用ボタンをこのエアゾール容器に装填して、「第二の衣服」用のエアゾール剤を調製した。このエアゾール剤を予めポリエステル製の安全ベストに10mL/mの割合で噴霧し、「第二の衣服」を構成した。
山麓の土木作業現場に出かける前に、上着を着用後、これに液剤を所定量スプレーして「第一の衣服」を構成し、その上に「第二の衣服」、即ち予め処理済みの安全ベストを着用した。
現場で午前8時から午後6時まで作業中、作業現場付近で何匹かのスズメバチやイヨシロアブが飛来し作業員に接近したが刺咬被害を受けることなく飛び去り、本発明の実用性を実感できた。
「第一の衣服」及び「第二の衣服」の刺咬被害防止効果の検証は、下記の模擬試験系により行った。
20cm平方のレーヨン/ポリエステル製布地に、表1に示す処方の液剤をスプレーしてそれぞれ所定量の忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた「第一の衣服」を調製した。また、10cm×20cmのポリエステル製メッシュ状布地に、表1に示す処方のエアゾール剤を噴霧してそれぞれ所定量の忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分を保持させた「第二の衣服」を調製した。1m立方のガラス箱の底面中央に「第一の衣服」を置き、その上に「第一の衣服」の半分を被うように「第二の衣服」を重ねて供試検体とした。供試検体は、薬剤処理後2時間、8時間、12時間の3種を試験に用いた。
上記の供試検体上に、炭酸麻酔したフタモンアシナガバチ雌成虫を1匹置き、麻酔から覚醒した後の行動を観察した。ハチが供試検体上で、さかんに羽ばたき行動を行う、もしくはその場から飛び立とうとするといった、忌避行動を行った回数を10分間記録した。結果を表2に示した。
試験の結果、ハチ類やアブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた衣服とピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた別の衣服とを組合わせて着用することにより、ハチ類やアブ類を忌避させて刺咬被害を防止できることが確認された。なお、忌避成分としては、イカリジンやIR3535が好ましく、また、ピレスロイド系殺虫成分としては、シフルトリン、フェノトリンやフタルスリンのような難揮散性ピレスロイド系殺虫成分が好ましく、例えば、トランスフルトリンのような易揮散性ピレスロイド系殺虫成分のみの場合(本発明4)、刺咬被害防止効果の持続性が幾分短くなる傾向が観察された。更に、本発明5と本発明10との対比から、忌避成分の少なくとも1種以上を「第一の衣服」保持させ、ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を「第二の衣服」に保持させる組合わせがより効果的であった。
比較例1及び比較例2が示すように、忌避成分又はピレスロイド系殺虫成分単独では、刺咬被害防止効果が乏しく、両者の相乗的協働作用が不可欠であった。また、その定かな理由は不明ながら、忌避成分とピレスロイド系殺虫成分を共に「第一の衣服」に保持させた比較例3は刺咬被害防止効果が劣り、両者を別体に保持させる本発明が極めて有用なハチ、アブ類の刺咬被害防止方法を提供することは明らかである。
本発明は、ハチ、アブ類の刺咬被害防止用途だけでなく、他の分野にも利用できる可能性がある。

Claims (6)

  1. ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服とピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用するか、もしくは前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服と前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服とを着用する、ハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
  2. 前記ハチ、アブ類に対する忌避成分の少なくとも1種以上を保持させた第一の衣服を着用し、その衣服の一部を被ってその上に更に前記ピレスロイド系殺虫成分の少なくとも1種以上を保持させた第二の衣服を着用する、請求項1に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
  3. 前記ハチ、アブ類に対する忌避成分は、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、及び3−(N−n−ブチルアセトアミド)プロピオン酸エチルである請求項1又は2に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
  4. 前記ピレスロイド系殺虫成分は、25℃における蒸気圧が1×10−5mmHg未満である難揮散性ピレスロイド系殺虫成分である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
  5. 前記難揮散性ピレスロイド系殺虫成分は、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、レスメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、モンフルオロトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、エトフェンプロックス、及びシラフルオフェンである請求項4に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
  6. 前記第二の衣服は、安全チョッキ、安全ベスト、もしくはこれに類した衣服である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のハチ、アブ類の刺咬被害防止方法。
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