JP2018137923A - 回転電機のロータ、及び回転電機のロータ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸21に設けられ、回転軸21が有する係合部22に係合される円環状のロータコア17を有する回転電機11のロータ15である。ロータコア17は、周方向に沿って複数設けられる磁石収容孔23と、磁石収容孔23を回転軸21の係合部22に連通させるように径方向に沿って複数設けられるキー連通孔27とを有する。磁石収容孔23には永久磁石25が収容されている。磁石収容孔23及び永久磁石25の隙間、キー連通孔27、並びに、ロータコア17の内径部17a及び回転軸21の係合部22の隙間には、これらを埋めるように樹脂体キー31が一体に設けられている。
【選択図】図2
Description
特許文献1に係る回転電機のロータは、ロータコアと、回転軸に固定されると共にロータコアを保持する保持部材とを備える。保持部材は、外周部にロータコアが固定される筒状部と、筒状部と回転軸とを連結する連結部と、ロータコアに発生するトルクを伝達するトルク伝達部と、を備える。これら筒状部、連結部、及びトルク伝達部を備える保持部材は、樹脂によって一体に形成される。
はじめに、本発明の実施形態に係る回転電機11の概要について、図面を参照して説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材又は対応する部材間には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズ及び形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
さらに、以下の説明において、「軸方向」とはロータ15の回転軸21(図1参照)に沿う方向、「周方向」とはロータ15(図1参照)の外周面に沿う方向、「径方向」とはロータ15の半径方向を、それぞれ意味するものとする。
本発明の実施形態に係る回転電機11は、図1に示すように、円環状のステータコア13を有するステータ14と、ステータ14の内径側に回転自在に設けられるロータ15とを備えて構成されている。ステータコア13は、鋼板を軸方向に積層させて構成される。回転電機11は、例えば、車両に搭載されて電動機や発電機として用いられる。
ステータコア13は、図1に示すように、それぞれにコイル13bが巻き回される複数のティース13aを周方向に沿って配列して構成されている。
次に、本発明の実施形態に係る回転電機11のロータ15について、図2〜図5を参照して説明する。
図2は、回転電機11のロータ15が有するロータコア17の回転軸21への取り付け状態を表す正面図である。図3は、ロータコア17の回転軸21への取り付け状態を、各種機能部材の横断面を分解して表す斜視図である。図4は、ロータコア17の回転軸21への取り付け状態を表す斜視図である。図5は、ロータコア17の回転軸21への取り付け状態を表す分解斜視図である。
磁石収容孔23の内壁と、永久磁石25の外壁との間には、図2〜図5に示すように、適宜設定される所定形状の隙間が設けられている。後記の樹脂注入工程(図6のステップS13参照)において、この隙間に樹脂体キー31となる樹脂が注入される。磁石収容孔23に充填された樹脂体キー31の磁石固定部31cの働きにより、永久磁石25を所定の位置に固定することができる。
次に、本発明の実施形態に係る回転電機11のロータ製造方法について、主として図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る回転電機11のロータ製造方法の手順を表す工程図である。
樹脂の素材としては、特に限定されないが、例えば、熱硬化性を有する樹脂を好適に採用することができる。樹脂の注入量は、磁石収容孔23及び永久磁石25の隙間、キー連通孔27、並びに、ロータコア17の内径部17a及び回転軸21の係合部22の隙間をもれなく埋め得ることを考慮して、適宜の値に設定すればよい。
樹脂の注入ポイントは、特に限定されないが、基端部31a、連通部31b、及び磁石固定部31cからなる樹脂体キー31の中央付近が好ましい。前記各機能部への樹脂の流れを均一化することができるからである。
次に、本発明の実施形態に係る回転電機11のロータ15、回転電機11のロータ製造方法の作用効果について説明する。
第1の観点に基づく発明は、回転軸(回転軸部材)21に設けられ、回転軸21が有する係合部22に係合される円環状のロータコア17を有する回転電機11のロータ15である。ロータコア17は、周方向に沿って複数設けられる磁石収容孔23と、磁石収容孔23を回転軸21の係合部22に連通させるように径方向に沿って複数設けられるキー連通孔27とを有する。磁石収容孔23には永久磁石25が収容されている。磁石収容孔23及び永久磁石25の隙間、キー連通孔27、並びに、ロータコア17の内径部17a及び回転軸21の係合部22の隙間には、これらを埋めるように樹脂体キー31が一体に設けられている。
なお、「回転軸部材」とは、回転軸21それ自体の他、回転軸21と同期して動作する物体(例えば、特許文献1の保持部材等)をも、回転軸21と同等に扱う趣旨である。
また、樹脂体キー31による耐せん断力の作用を考慮して、圧入による嵌合力を弱める(圧入締め代の低減する)調整を可能とする効果を期待することができる。
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば図7及び図8に示す本発明の実施形態の変形例に係る発明のように、磁石収容孔23にひとつの永久磁石25を設け、この磁石収容孔23とは独立した一対の磁石収容孔33を、磁石収容孔23の両脇にそれぞれ設け(つまり、独立した磁石収容孔が3つある)、これら一対の磁石収容孔33のそれぞれにひとつの永久磁石25を設け、都合3本の永久磁石25を設ける構成を採用しても構わない。
15 ロータ
17 ロータコア
17a ロータコアの内径部
19 複数の単位コア
21 回転軸(回転軸部材)
22 回転軸の係合部
23 磁石収容孔
25 永久磁石
27 キー連通孔
29 収容凹部
31 樹脂体キー
31a 樹脂体キーの基端部
31b 樹脂体キーの連通部
31c 樹脂体キーの磁石固定部
Claims (6)
- 回転軸部材に設けられ、前記回転軸部材が有する係合部に係合される円環状のロータコアを有する回転電機のロータであって、
前記ロータコアは、周方向に沿って複数設けられる磁石収容孔と、当該磁石収容孔を前記回転軸部材の係合部に連通させるように径方向に沿って複数設けられるキー連通孔とを有し、
前記磁石収容孔には永久磁石が収容されており、
前記磁石収容孔及び前記永久磁石の隙間、前記キー連通孔、並びに、前記ロータコア及び前記回転軸部材の係合部の隙間には、これらを埋めるように樹脂体キーが設けられている
ことを特徴とする回転電機のロータ。 - 請求項1に記載の回転電機のロータであって、
前記ロータコアは、前記回転軸部材に対して加圧状態で接している
ことを特徴とする回転電機のロータ。 - 請求項1又は2に記載の回転電機のロータであって、
前記ロータコアの内径部は、前記回転軸部材を囲むように設けられている
ことを特徴とする回転電機のロータ。 - 請求項3に記載の回転電機のロータであって、
前記ロータコアは、複数の単位コアを周方向に沿って配列して構成され、
前記磁石収容孔及び前記キー連通孔は、複数の前記単位コアのそれぞれに設けられ、
前記キー連通孔は、前記単位コアにおける周方向中央に設けられている
ことを特徴とする回転電機のロータ。 - 請求項4に記載の回転電機のロータであって、
複数の前記単位コアのうち、前記キー連通孔に連通すると共に前記回転軸部材の係合部に対向する部分には、前記樹脂体キーの一部が収容される収容凹部が設けられており、
前記収容凹部の周方向寸法は、前記キー連通孔の周方向寸法と比べて大きく設定されている
ことを特徴とする回転電機のロータ。 - 回転軸部材を囲うように設けられ、前記回転軸部材が有する係合部に係合される円環状のロータコアを有するロータを製造するための回転電機のロータ製造方法であって、
周方向に沿って設けられる磁石収容孔と、当該磁石収容孔を前記回転軸部材の係合部に連通させるように径方向に沿って設けられるキー連通孔とをそれぞれ複数有する前記ロータコアを、前記磁石収容孔に永久磁石を収容することで組み立てる工程と、
前記ロータコアの内径部に前記回転軸部材を圧入する工程と、
前記磁石収容孔及び前記永久磁石の隙間、前記キー連通孔、並びに、前記ロータコアの内径部及び前記回転軸部材の係合部の隙間に、これらを埋めるように樹脂を注入することで樹脂体キーを一体形成する工程と、
を有することを特徴とする回転電機のロータ製造方法。
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