JP2018136879A - Cadシステム、設計データの作成方法 - Google Patents

Cadシステム、設計データの作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを簡易に作成するためのCADシステムを提供する。
【解決手段】素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを作成するCADシステムであって、前記マイクロ流体デバイスの構成要素それぞれの座標値を設定する座標値設定部と、座標値が設定された前記構成要素それぞれに対し、前記素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、前記設計データを作成する設計データ作成部と、を有するCADシステム。
【選択図】図4

Description

本発明は、素材内部に形成される流路、及び流路と素材外部とを連通する開口部分を有するポートに相当する設計データを作成するためのCADシステム、及び当該設計データを作成する方法である。
マイクロ流体デバイスは、バイオ・生化学分野や化学工学において広く利用されている。マイクロ流体デバイスは、微細加工により形成された、試薬等を注入するためのポートや、ポートから注入された試薬等が流れる流路のような構成要素を備える。
マイクロ流体デバイスの構成要素を作成する場合、素材(樹脂材料、ガラス材料等)の表面にレーザー照射やエッチング処理(微細加工の一例)を行って溝を形成し、その上から別の素材を貼り合わせることが一般的である。
一方、特許文献1には、ガラス基板内にレーザーを直接照射してエッチング耐性を低下させた後、レーザーを照射した箇所に対してエッチング処理を施すことにより、素材内部に流路を形成するというマイクロ流体デバイスの製造方法が開示されている。
特開2016−148592号公報
ここで、マイクロ流体デバイスの構成要素は、その目的に応じて様々な形状に設計できることが好ましい。そこで、三次元CADシステムを用い、このような構成要素に相当する三次元データを予め作成し、その三次元データを利用して加工することが考えられる。
しかし、三次元CADシステムを用いたデータの作成は非常に複雑であるため、専門家でなければ困難である。従って、マイクロ流体デバイスを実際に利用する者(バイオ・生化学分野の研究者)にとっては、三次元CADシステムを利用して構成要素に相当する三次元データを作成することは難しい。
マイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを簡易に作成するためのCADシステム、及び作成方法を提供する。
上記目的を達成するための一の発明は、素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを作成するCADシステムであって、前記マイクロ流体デバイスの構成要素それぞれの座標値を設定する座標値設定部と、座標値が設定された前記構成要素それぞれに対し、前記素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、前記設計データを作成する設計データ作成部と、を有するCADシステムである。
本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
本発明によれば、マイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを簡易に作成することができる。
第1実施形態に係るCADシステムのハードウェア構成を示す図である。 第1実施形態に係るCADシステムのソフトウェア構成を示す図である。 第1実施形態に係る素材選択用画面を示す図である。 第1実施形態に係る作図・編集画面を示す図である。 第1実施形態に係る属性情報設定画面を示す図である。 第1実施形態の変形例に係る作図・編集画面を示す図である。 第1実施形態の変形例に係る作図・編集画面を示す図である。 第2実施形態に係る加工システムの構成を示す模式図である。 第2実施形態に係る加工データの作成方法を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る加工物を示した図である。 第2実施形態に係る加工物の形状データを示した図である。 第2実施形態に係る加工物の形状データを示した図である。 第2実施形態に係る分割断面データを示した図である。 第2実施形態に係る分割断面データを示した図である。 第2実施形態に係る加工領域を示した図である。 第2実施形態に係る加工領域を示した図である。 第2実施形態に係る加工方法を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図1〜図5を参照して、第1実施形態に係るCADシステム300について説明を行う。本実施形態に係るCADシステム300は、素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを作成することができる。マイクロ流体デバイスの構成要素は、マイクロ流体デバイスが備える構成であれば特に限定されない。構成要素は、たとえば、流路、及び流路と素材外部とを連通する開口部分を有するポート、反応室、マイクロポンプ等である。以下の例では、流路及びポートに相当する設計データを作成する例について述べる。
[CADシステムのハードウェア構成]
図1はCADシステム300のハードウェア構成例を示す図である。CADシステム300は、記憶部300a、通信部300b、操作部300c、表示部300d、及び制御部300eを備える。
記憶部300aは、CADシステム300に関する各種情報を記憶する。通信部300bは、CADシステム300と、CAMシステム200(図6参照)とを接続するためのインターフェースを提供する。操作部300cは、作業者がCADシステム300に対して各種の操作入力を行うための構成である。操作部300cは、たとえば、マウス、キーボード或いは、GUIである。表示部300dは、各種の情報を表示させたり、設計データ(後述)を作成するための表示画面を提供する。
制御部300eは、CADシステム300における各種処理を制御する。制御部300eはCPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の機能を実現する。動作プログラムは、たとえば予めインストールされた設計データ作成用ソフトウェアを立ち上げるにより実行される。
[CADシステムのソフトウェア構成]
図2はCADシステム300のソフトウェア構成例を示す図である。CADシステム300は、素材データ記憶部301a、表示データ記憶部302a、表示制御部301e、素材データ決定部302e、座標値設定部303e、設計データ作成部304e、出力部305eを備える。素材データ記憶部301a及び表示データ記憶部302aは、記憶部300aの記憶領域の一部として提供される。表示制御部301e、素材データ決定部302e、座標値設定部303e、設計データ作成部304e、及び出力部305eは、制御部300eのCPUがメモリに記憶される動作プログラムを実行することにより実現される。
(素材データ記憶部)
素材データ記憶部301aは、加工物(マイクロ流体デバイス)の元となる素材を特定するための情報を記憶している。素材を特定するための情報は、たとえば、材質(ガラス、樹脂、ジルコニア等)、形状(円柱、直方体、立方体等)、サイズ(縦、横、高さ(厚み)等)、色である。
(表示データ記憶部)
表示データ記憶部302aは、設計データを作成する際に作業者が表示画面上で選択する各種アイコンに関する情報や各種画像データ、或いは表示画面のレイアウトを記憶している。各種アイコンは、たとえば、ポートを描くための丸アイコンや、流路を描くための線分アイコン(直線、曲線、自由曲線)である。
(表示制御部)
表示制御部301eは、CADシステム300における各種表示制御を行う。たとえば、設計データ作成用ソフトウェアを立ち上げると、表示制御部301eは表示部300dの表示画面に素材選択用画面を表示させる(図3A参照)。
(素材データ決定部)
素材データ決定部302eは、設計データを作成する際に使用される素材を特定する情報を示す素材データを決定する。
具体例として、図3Aのような素材選択用画面が表示されているとする。この場合、作業者は、素材に関する各種情報(材質、形状、サイズ)のアイコンを選択し、所望の材質、形状、サイズを選択、或いは入力する。なお、表示される各種情報は、素材データ記憶301aに記憶されている。その後、決定ボタンが押下されると、素材データ決定部302eは、選択された素材に関する情報を一の素材データとして決定する。素材データ決定部302eは、決定した素材データを設計データ作成部304eに出力する。
なお、CADシステム300は、他のシステム等で予め決定された素材に対して設計データの作成を行うように構成されていてもよい。この場合、素材データ決定部302eは不要である。
(座標値設定部)
座標値設定部303eは、マイクロ流体デバイスの構成要素それぞれの座標値を設定する。本実施形態において、座標値設定部303eは、ポート、及び流路それぞれの座標値を設定する。
上述の通り、ポートは、マイクロ流体デバイスにおいて試薬等を注入するための部分である。ポートは、マイクロ流体デバイスの表面に開口部分を有する。ポートは開口部分から所定の深さを有する中空の形状となっている。流路は、ポートから注入された試薬等が流れる部分である。つまり、マイクロ流体デバイスにおいてポート(中空の部分)と流路とは連結している。また、ポートの開口部分は、流路と素材外部とを連通する部分に相当する。
図3Aにおいて決定ボタンが押下された場合、表示制御部301eは、表示部300dの表示画面にポートや流路を描画するための作図・編集画面を表示させる(図3B参照)。この画面には、作図エリア、座標軸(この例では横方向をX軸、縦方向をY軸としている)、及びポート等を描画するためのアイコンが表示されている。作図エリアや座標軸の画像データ及びアイコンデータは、表示データ記憶302aに記憶されている。
作業者は、操作部300cを介して所望のアイコンを選択し、ポートや流路を作図・編集する。流路は複数の線分に分けて作図することも可能である。たとえば、図3Bに示すように、三つのポート(ポートP1〜P3)を作図すると共に、それらに連結する二股の流路部分を五つの線分(流路F1〜F5)に分けて作図することができる。なお、この例において、作図されたポートの位置は開口部分に相当する。
作図が完了した後、決定ボタンが押下されると、座標値設定部303eは、ある点(たとえば、作図エリアの左上)を原点とし、作図されたポートP1〜P3のXY座標値、及び作図された流路F1〜F5のXY座標値(各流路の始点と終点それぞれの座標値)を設定する。座標値設定部303eは、設定した座標値を設計データ作成部304eに出力する。
なお、図3Bの例では、X軸及びY軸の二次元平面で作図する例を示しているが、たとえば、Z方向に延びる流路またはZ方向に傾斜する流路を設けたい場合等には、Z軸方向の作図を可能とすることもできる。この場合、Z方向の流路はXYZの三次元の座標値が設定される。
また、マイクロ流体デバイスにおいては、ポートから注入された試薬等が流路を流れる必要があるため、隣り合う各要素(ポート、流路)同士は必ず連結されていることを要する。一方、入力ミス等により、各要素が上手く連結されていない状態で作図される可能性もありうる。
そこで、座標値設定部303eは、作図が完成した後、隣り合う各要素が連結されているかを判断し、連結されていない場合にはその旨の信号を表示制御部301eに出力する。そして、表示制御部301eは、当該信号に基づいて表示画面に警告メッセージ(エラーメッセージ)を表示させることも可能である。或いは、座標値設定部303eは、連結されていない場合には、その旨の信号及び連結されていない要素の座標値を表示制御部301eに出力する。そして、表示制御部301eは、当該信号及び座標値に基づいて、連結されていない要素を他の要素(連結されている要素)と異なる態様で表示(色を変える、点滅させる等)させることも可能である。
(設計データ作成部)
設計データ作成部304eは、座標値が設定されたマイクロ流体デバイスの構成要素それぞれに対し、素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、設計データを作成する。本実施形態において、設計データ作成部304eは、流路及びポートそれぞれに対し、設計データを作成する。
ポートの属性情報は、開口部分に相当する位置から素材内部における所定位置までの深さ(上記例のようにXY平面においてポートが作図された場合には、開口部分に相当する位置から所定位置までのZ方向の距離)、太さ(円形であれば直径や半径、方形であれば対角線の長さ等)、及び断面形状(円形、方形)を含む情報である。流路の属性情報は、素材内部における深さ方向の位置(上記例のようにXY平面で流路が作図された場合には、Z方向の位置)、太さ(円形であれば直径や半径、方形であれば対角線の長さ等)、及び断面形状(円形、方形)を含む情報である。ポートや流路の属性情報として流速や連結先の情報(座標値)を含めてもよい。
図3Bにおいて決定ボタンが押下された場合、表示制御部301eは、表示部300dの表示画面に作図したポートや流路の属性情報を設定するための画面を表示させる(図3C参照)。
作業者は、操作部300cを介して各ポートや各流路を選択し、ポートや流路に属性情報を付与する。たとえば、流路F1を選択すると、画面に「深さ」、「太さ」、「断面形状」の項目を入力できるポップアップ画面が表示される。作業者は、各項目に対し、操作部300cを介して任意の値を入力し、確定ボタンを押下する。
確定ボタンが押下された場合、設計データ作成部304eは、入力された属性情報が、素材データ決定部302eで決定された素材データに対して妥当かどうかを判断する。
たとえば、素材データにおけるZ方向の厚みが1mmの場合において、属性情報として流路F1の太さが直径2mmと入力された場合、流路F1は素材内部に収まらない。この場合、設計データ作成部304eは、その旨の信号を表示制御部301eに出力する。そして、表示制御部301eは、当該信号に基づいて表示画面に警告メッセージ(エラーメッセージ)を表示させる。或いは、設計データ作成部304eは、素材データに基づいて、素材内部に収まらないような値を入力できないように制御してもよい。
一方、素材データにおけるZ方向の厚みが1mmの場合において、属性情報として流路F1の太さが直径0.5mmと入力された場合、設計データ作成部304eは、流路F1の太さとして0.5mmを設定する。
或いは、素材データにおけるZ方向の厚みが1mmの場合において、属性情報としてポートP1の深さが直径0.7mmと入力された場合、設計データ作成部304eは、ポートP1の開口部分に相当する位置からの深さ(Z方向の距離)として0.7mmを設定する。
各項目の入力を全てのポート及び流路に対して行った後、決定ボタンが押下されると、設計データ作成部304eは、設定された値をまとめた一の設計データを作成する。作成された設計データは、たとえば、素材データと関連付けて記憶部300aに記憶される。
なお、設定された値に基づいて、表示制御部301eは、立体形状を表示部300dの表示画面に表示させてもよい。この場合、作業者は作図したポート及び流路の三次元的なイメージを掴むことができる。
(出力部)
出力部305eは、素材データ、及び作成した設計データを、マイクロ流体デバイスを加工するための加工データを作成するCAMシステム200、またはマイクロ流体デバイスを加工する加工システム100(図6参照)に出力する。
出力される設計データは、上述のように、ポート及び流路それぞれの座標値、属性情報を有するデータであってもよいし、それらを用いて作成された三次元データ(ソリッドデータ等)であってもよい。
[効果]
このように、本実施形態に係るCADシステム300によれば、マイクロ流体デバイスの構成要素の一例である、素材内部に形成される流路、及び流路と素材外部とを連通する開口部分を有するポートに相当する設計データを作成することができる。具体的には、CADシステム300の座標値設定部303eは、ポート、及び流路それぞれの座標値を設定する。そして、設計データ作成部304eは、座標値が設定されたポート、及び流路それぞれに対して素材を特定する情報を示す素材データを考慮した属性情報を設定することにより、設計データを作成する。この場合、作業者は、表示画面上でポートや流路を任意に作図し、それぞれの属性情報を入力するだけで設計データを得ることが可能となる。すなわち、本実施形態に係るCADシステム300によれば、マイクロ流体デバイスのポートや流路に相当する設計データを簡易に作成することができる。
また、CADシステム300は、素材データ、及び作成した設計データを、CAMシステム200、または加工システム100に出力する出力部を有する。このように、素材データ及びCADシステム300で作成した設計データをCAMシステム200に出力することでCAMシステム200は、設計データに応じた流路及びポートを加工するための加工データを作成することができる。或いは、加工システム100は、設計データに基づいて、直接、マイクロ流体デバイスの加工を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係るCADシステム300で実行される処理を設計データの作成方法として特定することも可能である。設計データを作成する方法は、マイクロ流体デバイスの構成要素の一例である、素材内部に形成される流路、及び前記流路と素材外部とを連通する開口部分を有するポートに相当する設計データを作成する方法である。具体的には、ポート、及び流路それぞれの座標値を設定する第1のステップと、座標値が設定されたポート、及び流路それぞれに対し、素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、設計データを作成する第2のステップと、を有する。このような方法を実施することにより、作業者は、表示画面上でポートや流路を任意に作図し、それぞれの属性情報を入力するだけで設計データを得ることが可能となる。すなわち、本実施形態に係る設計データの作成方法によれば、マイクロ流体デバイスのポートや流路に相当する設計データを簡易に作成することができる。
[変形例]
なお、マイクロ流体デバイスによっては、流路の多層化が要求される場合もありうる。多層化は、たとえば、図3Bで示したような二次元平面(層)が複数重なった構造である。このような場合であっても、各層について上記と同様の方法により、構成要素を作図・編集することにより、多層化されたマイクロ流体デバイスの設計データを得ることが可能となる。
また、複雑な流路を作図する場合、屈曲部分や複数の流路が交わる部分に、各流路同士を接続する接続点を設定することも可能である。
この場合、座標値設定部303eは、ポート、及び流路の座標値に加え、接続点の座標値を設定する。
たとえば、図4の作図・編集画面に示すように、三つのポート(ポートP´1〜P´3)を作図すると共に、それらに連結する流路部分を13の線分(流路F´1〜F´13)に分けて作図することができる。更に、各流路同士を接続する部分に、接続点(接続点C1〜C11)を作図することができる。
作図が完了した後、決定ボタンが押下されると、座標値設定部303eは、ある点を原点とし、ポートP´1〜P´3のXY座標値、流路F´1〜F´13のXY座標値(始点と終点それぞれの座標値)、及び接続点C1〜C11のXY座標値を設定する。座標値設定部303eは、設定した座標値を設計データ作成部304eに出力する。
設計データ作成部304eは、座標値が設定されたポート、流路、及び接続点それぞれに対し、素材を特定する情報を示す素材データに応じた属性情報を設定することにより、設計データを作成する。ここで、ポート及び流路の属性情報としては、上記実施形態で述べたように、素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む。一方、接続点は、流路同士の接続部分に相当するため、接続される流路と同じ深さ、太さ、及び断面情報を含む。たとえば、流路F´3の終点において、「深さ:1mm」、「太さ:直径0.3mm」、「断面形状:円形」が設定され、流路F´4の始点において、「深さ:1mm」、「太さ:直径0.3mm」、「断面形状:円形」が設定されているとする。この場合、接続点C2の属性情報としては、「深さ:1mm」、「太さ:直径0.3mm」、「断面形状:円形」が設定される。
このように、座標値設定部303eは、流路同士を接続する接続点の座標値を更に設定し、設計データ作成部304eは、座標値が設定された接続点の属性情報を設定することにより、接続点に相当する部分のデータを含む設計データを作成することができる。このように接続点を設けることにより、流路同士が連結されているかどうかを確実に把握することが可能となる。
また、流路及びポート以外の構成要素として、マイクロ流体デバイスが、ポートを介して注入された試薬と検体を反応させるための反応室を有する場合の例について述べる。
この場合、座標値設定部303eは、ポート、及び流路の座標値に加え、反応室の座標値を設定する。
たとえば、たとえば、図5の作図・編集画面に示すように、三つのポート(ポートP4〜P6)を作図すると共に、それらに連結する流路部分を四つの線分(流路F6〜F9)に分けて作図することができる。更に、流路F8と流路F9の間に反応室R1を作図することができる。
作図が完了した後、決定ボタンが押下されると、座標値設定部303eは、ある点を原点とし、ポートP4〜P6のXY座標値、流路F6〜F9のXY座標値(始点と終点それぞれの座標値)、及び反応室R1のXY座標値を設定する。座標値設定部303eは、設定した座標値を設計データ作成部304eに出力する。
設計データ作成部304eは、座標値が設定されたポート、流路、及び反応室それぞれに対し、素材を特定する情報を示す素材データに応じた属性情報を設定することにより、設計データを作成する。ここで、ポート及び流路の属性情報としては、上記実施形態で述べたように、素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む。また、反応室の属性情報としては、素材内部における深さ方向の位置(上記例のようにXY平面で反応室が作図された場合には、Z方向の位置)、太さ(円形であれば直径や半径、方形であれば対角線の長さ等)、及び断面形状(円形、方形)を含む情報である。
このように、座標値設定部303eは、流路中に形成される反応室の座標値を更に設定し、設計データ作成部304eは、座標値が設定された反応室の属性情報を設定することにより、反応室に相当する部分のデータを含む設計データを作成することができる。
<第2実施形態>
次に、図6〜図10を参照して、第2実施形態に係る加工方法について述べる。本実施形態では、第1実施形態で作成された設計データを用いて加工物(マイクロ流体デバイス)を加工する方法について述べる。
==加工方法の概要==
本実施形態に係る加工方法は、レーザーを照射して素材を加工することにより、外部に開口する開口部分、及び開口部分と連通する所定形状の空洞部分を有する加工物を作成する方法である。開口部分は素材表面に形成され、空洞部分は素材内部に形成される。レーザーを用いることにより、素材に対して非接触での加工が可能となる。以下、素材表面または素材内部においてレーザーが照射される領域を「加工領域」という場合がある。
素材はレーザーを透過する材料(光透過性材料)を用いる。具体的には、ガラス材料や光透過性の高い樹脂材料(たとえば、アクリル樹脂)を用いる。素材の光透過率は100%である必要はなく、素材内部の加工領域までレーザーが届き加工可能な程度の値であればよい。
レーザーは超短パルスレーザーを用いる。超短パルスレーザーは、一のパルス幅が数ピコ秒〜数フェムト秒のレーザーである。超短パルスレーザーを素材の加工領域に短時間照射することにより、アブレーション加工(非熱加工)を行うことができる。アブレーション加工は、レーザーの照射により素材を溶融またはガス化させる方法である。溶融またはガス化(プラズマ化)した素材は、瞬時に蒸発・飛散し除去されるため、レーザーが照射された位置には空洞が形成される。アブレーション加工は、一般的なレーザー加工(熱加工)と比べ、熱による加工部分の損傷が少ない。なお、本実施形態で用いるアブレーション加工は、内部加工による空孔を生成することで、たとえばマイクロ流体デバイスの流路を作る手法であり、熱加工や3Dレーザー彫刻のような素材に微小なキズ(クラック)を形成する手法とは技術的に区別される。
素材に対するレーザーの照射は、予め作成された加工データ(後述)に基づいて行われる。また、本実施形態に係る加工方法は、たとえば、図6に示すような加工システム100により実施される。加工システム100は、CAMシステム200で作成された加工プログラムを実行することにより素材の加工を行う。以下、「加工データ」、「加工システム」、「加工システムによる加工(加工方法)」について詳述する。
==加工データ==
加工データは、外部に開口する開口部分、及び開口部分と連通する空洞部分を有する加工物を作成する際に加工システム100で使用されるデータである。加工データは、CADシステム100で作成された設計データ(第1実施形態参照)に基づいて、CAMシステム200で作成される。
本実施形態に係る加工データは、少なくとも照射順序データ、スライス断面データ、及び加工領域データを含む。
照射順序データは、加工領域に対してレーザーの照射を行う順序を規定したデータである。この順序は、開口部分や空洞部分の形状等により決定される。溶融またはガス化した素材を素材外部に排出するためには、レーザーを照射する加工領域が開口部分を介して常に素材外部と連通している必要がある。すなわち、アブレーションによる内部加工は、開口部分から順に空洞部分の形状に沿って行われることを要する。従って、開口部分に対応する加工領域から優先的に加工されるよう、順序が決定される。なお、照射順序としては、断面積が広い加工領域から順に照射することがより好ましい。広い加工領域から順にレーザー照射を行って加工することにより、開口部分と連通する空間を広く確保することができる。この場合、溶融またはガス化した素材が素材外部に排出され易くなる結果、空洞部分により蒸着し難くなる。従って、より精度の高い加工物を作成できる。
スライス断面データは、素材の形状データを所定の厚みで所定方向にスライスして得られるデータである。スライス断面データは、一の形状データから複数(少なくとも2以上)得られる。本実施形態において、スライスの厚みやスライスする方向は、レーザーの波長に対する材料の吸収率や加工後の空孔の加工性、レーザーの照射順序や照射方向、加工形状、などを考慮して決定される。なお、スライスの厚み及びスライスの方向は、レーザーの照射回数が極力少なくなるよう(各スライス断面における加工領域が極力最大となるよう)に設定されることが好ましい。レーザーの照射回数を少なくすることにより、加工時間を短縮すること、材料への熱影響による改質を必要最小限に抑えるなどの効果が得られる。
加工領域データは、複数のスライス断面データそれぞれにおいて抽出されたデータである。加工領域データは、加工領域を特定するためのデータ(加工領域に相当するデータ)である。なお、加工領域データは、スライス断面データの数に応じて複数抽出されるが、加工領域の形状、スライスの厚み、スライスの方向等によっては、加工領域データが存在しないスライス断面データも存在する可能性がある。
更に、一のスライス断面データは、複数に分割された分割断面データとして得られてもよい。この場合、加工領域データは、分割された分割断面データ毎に抽出される。一のスライス断面データをいくつの分割断面データに分割するかは、特に限定されない。たとえば、CAMシステム200毎に予め決まった所定数で分割してもよい。或いは、CAMシステム200が、加工物の形状や内部に形成される空洞部分の形状等に基づいて、適当な数を設定してもよい。また、CAMシステム200を介し、作業者が都度、任意の数を設定することでもよい。
加工データは、照射パターンデータを含んでいてもよい。照射パターンデータは、加工領域に対するレーザーの照射方法を決定するためのデータである(照射パターンの具体例は後述)。照射パターンデータは、ある加工データに対して一のデータが設定されていてもよいし、スライス断面データ毎や加工領域データ毎、或いは分割断面データ毎に異なる照射パターンデータが設定されていてもよい。なお、加工システム100によって、搭載するレーザーの性能や調整部20の構成が決まっている。従って、CAMシステム200側で照射パターンを設定したとしてもそれを実行できない場合もありうる。そこで、加工データに照射パターンを含めず、加工時に加工システム100側で照射パターンを設定することでもよい。
加工データは、照射パターン以外のレーザーの出力に関する情報(レーザーの照射速度または単位時間あたりの照射時間、強度等)や加工精度に関する情報、加工後の壁面処理に関する情報(仕上げ処理。鏡面加工や表面改質)を含んでいてもよい。
==加工データの作成方法==
図7〜図8Eを参照して、本実施形態に係る加工データの作成方法について説明する。図7は加工データの作成方法を示すフローチャートである。ここでは、二股の流路部分Fを有するマイクロ流体デバイスDを加工するための加工データを作成する例について述べる。図7〜図8Eにおいて、マイクロ流体デバイスD(または三次元形状データd)の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とし、縦方向をZ方向とする。
図8Aに示すように、マイクロ流体デバイスDは、三つの開口部分O1〜開口部分O3、ポートP1〜ポートP3、及び二股の流路部分Fを有する。
開口部分O1〜開口部分O3は、素材表面において外部に開口する部分である。ポートP1〜ポートP3それぞれは、開口部分O1〜開口部分O3それぞれと連通するZ軸方向に延びる筒状の空洞である(筒状の底面は閉塞している)。流路部分Fは、ポートP1とポートP3、及びポートP2とポートP3を連通する二股の筒状の空洞である。ポートP1〜ポートP3及び流路部分Fは、「空洞部分」の一例である。
CAMシステム200は、マイクロ流体デバイスDの元となる素材の形状データ、及び開口部分や空洞部分の形状を規定する設計データ(ポート、流路のXYZ方向における座標値、形状、直径等)を予め有している。
まず、CAMシステム200は、素材データに含まれる素材の形状データ、及び開口部部分や空洞部分の形状を規定する設計データに基づいて、マイクロ流体デバイスDの三次元形状データd(三次元CADモデル。たとえば、STLデータやソリッドデータ)を作成する(三次元形状データの作成。S10)。三次元形状データdは、開口部分及び空洞部分に相当する加工領域データを含んでいる。この例において、加工領域データは、開口部分O1〜O3に対応する加工領域データo1〜o3、ポートP1〜P3に対応する加工領域データp1〜p3、及び流路部分Fに対応する加工領域データfを含む(図8B参照)。
CAMシステム200は、レーザーを照射する順序を決定する(照射順序の決定。ステップ11)。たとえば、CAMシステム200は、S10で作成した三次元形状データdに含まれる加工領域データに基づき、開口部分に対応する加工領域から優先的に加工されるよう、照射順序を決定する。この例では、(1)開口部分O1〜開口部分O3、(2)ポートP1〜ポートP3、(3)流路部分F(ポートP1及びポートP2側からポートP3側に向かう方向)の順序が決定されたとする。CAMシステム200は、決定した順序を照射順序データとして記憶する。
CAMシステム200は、S11で決定された順序を考慮して、S10で作成した三次元形状データdを所定の厚みで所定方向にスライスした複数のスライス断面データを作成する(スライス断面データの作成。S12)。CAMシステム200は、S11で決定された順序で加工を行い易くなるよう、スライスの厚み及びスライスの方向を設定する。CAMシステム200は、設定された厚み及び方向に基づいて三次元形状データdをスライスすることにより、複数のスライス断面データを得ることができる。図3Cは、マイクロ流体デバイスDの三次元形状データdに対して複数のスライス断面データSd1〜スライス断面データSd6が形成された状態を示している。これらのスライス断面データは、マイクロ流体デバイスDをYZ平面でスライスしたスライス断面に対応する。
CAMシステム200は、複数のスライス断面データそれぞれにおいて、加工領域データを抽出する(加工領域データの抽出。S13)。たとえば、図8Cの例において、CAMシステム200は、スライス断面データSd1において、開口部分O1、開口部分O2、ポートP1及びポートP2に対応する加工領域データo1、o2、p1及びp2を抽出し、スライス断面データSd6において、開口部分O3及びポートP3に対応する加工領域データo3及びp3を抽出し、スライス断面データSd2〜Sd5において、流路部分Fに対応する加工領域データf1〜f5を抽出する(この例では、流路部分Fに対応する加工領域データfは、スライス断面データの数に応じて5分割されている)。
上述の処理を行うことにより、CAMシステム200は、S11で決定された照射順序データ、S12で作成された複数のスライス断面データ、及びS13で抽出された加工領域データを含む加工データを作成することができる(加工データの完成。ステップ14)。
CAMシステム200は、作成した加工データを加工システム100に出力する。加工システム100は、加工データに基づき、加工領域に対して決定された順序でレーザーを照射することにより素材の加工を行う。出力されるデータの形式は、加工システム100で使用できるものであれば特に限定されない。
なお、CAMシステム200は、S12で作成されたスライス断面データを複数の分割断面データに分割することも可能である。たとえば、CAMシステム200は、図8Bに示したスライス断面データSd5を予め設定された数の分割断面データに分割することができる。
スライス断面データの分割は様々な形が可能である。図8D及び図8Eは、スライス断面データSd5をX方向から見た図である。スライス断面データSd5には、加工領域データf5が含まれている。
たとえば、図8Dに示すように、スライス断面データSd5を格子状に四分割することが可能である。或いは、図8Eに示すように、スライス断面データSd5を放射状に八分割することも可能である。なお、一のスライス断面の分割数及び分割される各領域の面積は、特に限定されるものではない。但し、分割された一のスライス断面データに含まれる加工領域の面積は、照射部10がレーザーを一回で照射できる範囲に含まれることが好ましい。
このように一のスライス断面データを複数の分割断面データに分割した場合、CAMシステム200は、分割断面データ毎に加工領域データを抽出する。たとえば、図8Dの例において、CAMシステム200は、スライス断面データSd5に含まれる各分割断面データそれぞれ、加工領域データf51〜f54を抽出する(図8D参照)。
==加工システム==
図6は、加工システム100を模式的に示した図である。加工システム100は、レーザーを用いて素材を加工することにより、外部に開口する開口部分、及び開口部分と連通する所定形状の空洞部分を有する加工物を作成する。加工システム100は、加工装置1及びコンピューター2を有する。但し、コンピューター2の果たす機能を加工装置1で実現することによって、加工システム100が加工装置1単体で構成されてもよい。
本実施形態に係る加工装置1は、5軸(X軸、Y軸、Z軸、A回転軸(X軸回りの回転軸)、B回転軸(Y軸回りの回転軸))の駆動軸を有する。加工装置1は、加工データに基づいて素材Mにレーザーを照射することにより、素材Mの表面及び素材Mの内部をアブレーション加工する。加工装置1は、照射部10、調整部20、保持部30、及び駆動機構40を含む。
照射部10は、素材Mに対してレーザーを照射する。照射部10は、レーザーの発振器10a、及び発振器10aからのレーザー光を素材Mに集光させるためのレンズ群10b等を含む。レーザーの発振器10aは、加工装置1の外部に設けられていてもよい。
調整部20は、レーザーの照射パターンを調整する。調整部20は、たとえば、ガルバノミラー、フレネルレンズ、回折光学素子(DOE)、空間光位相変調器(LCOS−SLM)等の部材である。調整部20は、照射部10内において、たとえば、発振器10aとレンズ群10bとの間に配置される。ある加工装置において使用できる照射パターンは、各装置が備える調整部20の構成により決定される。
ここで、照射パターンの具体例について説明する。
たとえば、スライス断面毎(当該スライス断面に含まれる加工領域毎)に一括でレーザーを照射するパターンは、調整部20として空間光位相変調器を用いることにより実現できる。空間光位相変調器は、液晶の配向を調整することにより、発信器10aからのレーザーを任意の形状に成形することができる。たとえば、空間光位相変調器は、ビーム状のレーザーを平面に成形し且つ所定の厚みを持たせることで、薄板状のレーザー(3次元形状のレーザー)を照射することを可能とする。このような空間光位相変調器を用いることにより、たとえば、一のスライス断面に含まれる加工領域全体に対して一回の照射でアブレーション加工を実施できる。すなわち、空間光位相変調器を利用することにより広範囲の加工領域を一括で加工できるため、加工時間を短縮することができる。また、空間光位相変調器は、加工領域の形状が複雑な場合(たとえば、加工領域の境界面が波状)であっても、液晶の配向を調整することによって、レーザーのビーム形状を様々な形(点状、線状等)に変形することができる。なお、上記照射パターンを実現できる構成であれば、調整部20は空間光位相変調器でなくてもよい。たとえば、レーザーを平面状にするためには、調整部20としてMEMSミラーを使用できる。
一方、加工領域の範囲によっては、一括でレーザーを照射することが困難な場合もある。このような場合には、あるスライス断面における加工領域中の異なる領域それぞれにレーザーを照射するパターンであって、異なる領域それぞれに照射されるレーザーのエネルギー密度が等しくなるような照射パターンを使用することが可能である。エネルギー密度は単位面積当たりのエネルギー量である。
このような照射パターンは、たとえば以下の二つ(第一の照射パターン、第二の照射パターン)が可能である。第一の照射パターン及び第二の照射パターンは「所定の照射パターン」の一例である。
まず、第一の照射パターンについて説明する。第一の照射パターンは、分割された加工領域それぞれに対してレーザーを照射するパターンである。たとえば、加工データにおいて、図8Dに示したような分割断面データが含まれているとする。この場合、調整部20は、加工領域データf51〜f54に対応する加工領域それぞれに対してレーザーの照射が行われるように照射パターンを調整する。
第一の照射パターンにおいて、各加工領域に照射されるレーザーのエネルギー密度は等しくなっている。エネルギー密度は、たとえば、各加工領域の面積に応じ、照射するレーザーの出力値(強度)を変更することにより等しくすることができる。或いは、分割断面データを作成する際、各分割断面に含まれる加工領域の面積が等しくなるように分割することにより、レーザーの出力値(強度)を変更せずに、各加工領域に照射されるレーザーのエネルギー密度を等しくすることができる。
次に、図9A及び図9Bを参照して第二の照射パターンについて説明する。図9A及び図9Bは、素材Mのあるスライス断面における加工領域PEを示す図である。
第二の照射パターンは、一の加工領域に対し、レーザーの照射領域を変えながら(各照射領域が重複しないように)、複数回のレーザー照射を行うパターンである。たとえば、第二の照射パターンでは、最初に加工領域PEの中心部分に対して所定のスポット径のレーザーを照射する(図9A参照。照射領域IR1は、一回目にレーザー照射された加工領域である)。次に、加工領域PEに対し、照射領域IR1の外周から外側に向かってリング状のレーザーを複数回照射する。たとえば、図9Bに示す照射領域IR2は、二回目にレーザー照射された加工領域(照射領域IR1の外側に位置するリング状の領域)である。照射領域IR3は、三回目にレーザー照射された加工領域(照射領域IR2の外側に位置するリング状の領域)である。照射領域IR4は、四回目にレーザー照射された加工領域(照射領域IR3の外側に位置するリング状の領域)である。リング状のレーザー照射は、たとえば、調整部20としてヘリカルドリリングに使用する回転体と光学系を使用することで、リング状ライトガイドと同様な形状を作成することが可能となる。
また、第二の照射パターンにおいて、各照射領域におけるエネルギー密度は等しくなっている。たとえば、照射領域IR1〜照射領域IR4の面積が等しくなるようにレーザーの照射範囲を調整することにより、エネルギー密度を等しくすることができる。
別の照射パターンとして、加工領域に対してレーザーを所定方向に走査しながら照射するパターンも可能である。
これは、調整部20として、ガルバノミラーを用いることにより実現できる。ガルバノミラーは2つのミラーを有し、各ミラーを別々に駆動させることにより、発信器10aからのレーザーをXY平面で走査することができる。ガルバノミラーは、高速で走査することが可能であるため、加工時間を短縮することができる。
或いは、フレネルレンズや回折光学素子といった光学系は、レーザーをその光軸に平行または垂直な方向に複数の焦点(多焦点)を持つように調整することができる。これらの光学系を調整部20として使用することにより、一回の照射で加工領域の幅方向(図8CのXY方向)または厚さ方向(図8CのZ方向)の所定領域に対して加工が可能となる。更に、ガルバノミラーとフレネルレンズまたは回折格子とを組み合わせることにより、より広範囲でレーザーを走査することも可能である。
保持部30は素材Mを保持する。素材Mを保持する方法は、保持された素材Mを5軸に沿って移動・回転させることができれば、特に限定されるものではない。
駆動機構40は、照射部10(調整部20)及び保持部30を相対的に移動させる。駆動機構40は駆動用のサーボモータ等を含む。
コンピューター2は、加工装置1が備える各種構成の動作を制御する。たとえば、コンピューター2は、加工領域にレーザーの焦点が位置するよう、駆動機構40を制御して照射部10と保持部30(保持部30に保持される素材M)との相対的な位置関係を調整する。そして、コンピューター2は、照射部10を制御し、加工領域毎にレーザーを照射する。
本実施形態において、コンピューター2は、加工データに基づき、素材表面の加工領域(開口部分に対応)から、素材内部の加工領域(空洞部分に対応)に沿ってレーザーを照射してアブレーション加工を行い、開口部分や空洞部分を形成するよう照射部10及び駆動機構40を制御する。また、コンピューター2は、加工領域毎に所定の照射パターンでレーザーが照射されるよう、調整部20を制御することも可能である。
更に、コンピューター2は、照射部10を制御し、レーザーの強度や照射時間等の調整を行ってもよい。レーザーの強度や照射時間は、照射されるレーザーの出力(エネルギー)に影響を与えるものである。これらの値は、上述の通り加工データに予め組み込まれていてもよいし、加工装置1側で設定することでもよい。また、これらの値を決定する際には、加工対象となる素材の種類や特性を加味してもよい。コンピューター2は、「制御部」の一例である。
なお、後述の加工方法を実施することが可能であれば、加工システム100は5軸である必要はない。たとえば、照射部10をZ方向に駆動させる駆動軸、保持部30をX方向及びY方向に駆動させる駆動軸の3軸の加工装置を用いることも可能である。また、開口部分及び空洞部分を有する加工物を加工するためであれば、調整部20は必須の構成ではない。調整部20がない場合、照射部10から照射されるレーザーは単焦点となるため、加工領域に対して点として照射される。このように加工領域の加工を点(点群)で行う場合、調整部20を有する場合に比べ加工時間を要するが、より細かい加工が可能となる。或いは、調整部20を備える加工システム100において、調整部20を介してレーザーを照射することで加工領域を粗く加工した後、調整部20を介さずにレーザーを照射することで仕上げ加工を行うことも可能である。
また、加工システム100は、CAMシステム200からの加工データに基づいて加工を行う代わりに、CADシステム100から直接、設計データ及び素材データを受け取り、当該データに応じて加工を行うことも可能である。
==加工システムによる加工==
次に図10を参照して、本実施形態に係る加工方法の具体例について説明する。本実施形態においては、素材Mを加工し、図8Aに示したマイクロ流体デバイスDを作成する例について述べる。
マイクロ流体デバイスDの加工データはCAMシステム200により予め作成されている。この加工データは、照射順序データ、スライス断面データSd1〜Sd6及び加工領域データo1〜o3、p1〜p3、f1〜f5を含む。照射順序データは、(1)開口部分O1〜開口部分O3、(2)ポートP1〜ポートP3、(3)流路部分F(ポートP1及びポートP2側からポートP3側に向かう方向)の順序が規定されているとする。
図10は、本実施形態に係る加工方法を示すフローチャートである。加工方法は、加工システム100によって実行される。また、加工方法は、専用の加工プログラムとして、加工システム100に予めインストールされている。
まず、使用する素材Mを選択し、加工装置1の保持部30にセットする(素材のセット。S10)。素材Mは、加工データを作成する際に使用した形状データ(外形)に対応する形状であることが好ましい。但し、素材Mは、少なくともマイクロ流体デバイスDを包含する形状であればよい。
コンピューター2は、マイクロ流体デバイスDの加工データに基づいて、加工装置1に素材Mの加工を実行させる。
まず、コンピューター2は、照射順序データに基づいて、最初にレーザー照射を行う開口部分O1〜開口部分O3を特定する。そして、コンピューター2は、特定した開口部分O1〜O3に対応する加工領域データo1〜o3を含むスライス断面データSd1及びSd6を複数のスライス断面データから選択する(開口部分を含むスライス断面データの選択。S11)。
次に、コンピューター2は、S11で選択されたスライス断面データに対応するスライス断面において、開口部分O1〜O3に対応する加工領域に対してレーザーの照射を行うよう加工装置1を制御する(開口部分に対応する加工領域にレーザーを照射。S12)。コンピューター2は、レーザーの焦点位置が加工領域に合うよう調整を行う。具体的には、コンピューター2は、照射部10及び駆動機構40の相対的な位置を調整したり、照射部10に含まれるレンズ群の向きや角度、調整部20の状態等を調整する。なお、焦点位置等の調整は、素材の屈折率を考慮して行われることが好ましい。レーザーの焦点位置と加工領域とを一致させた後、コンピューター2は、加工領域に対して所定の照射パターンでレーザーを照射させる。
開口部分O1〜O3に対応する加工領域へのレーザー照射が全て完了した後(S13でYの場合)、コンピューター2は、照射順序データに基づいて、開口部分O1〜O3と連通するポートP1〜P3を特定する。そして、コンピューター2は、特定したポートP1〜P3に対応する加工領域データp1〜p3を含むスライス断面データSd1及びSd6を複数のスライス断面データから選択する(ポートを含むスライス断面データの選択。S14)。この例では、加工領域データp1、p2と加工領域データo1、o2は、同じスライス断面データSd1に含まれており、加工領域データp3と加工領域データo3は、同じスライス断面データSd6に含まれている。
コンピューター2は、S14で選択されたスライス断面データSd1及びSd6に対応するスライス断面において、ポートP1〜P3に対応する加工領域に対してレーザーの照射を行うよう加工装置1を制御する(ポートに対応する加工領域にレーザーを照射。S15)。
このように加工を行う場合、レーザーが照射される加工領域は開口部分O1〜O3のいずれかを介して、常に素材外部と連通した状態となる。よって、アブレーション加工により溶融またはガス化した素材は、開口部分O1〜O3から素材外部に排出される。
ポートP1〜P3に対応する加工領域へのレーザー照射が全て完了した後(S16でYの場合)、コンピューター2は、照射順序データに基づいて、ポートP1〜P3と連通する流路部分Fを特定する。そして、コンピューター2は、特定した流路部分Fに対応する加工領域データf1〜f5を含むスライス断面データSd2〜Sd5を複数のスライス断面データから選択する(流路部分を含むスライス断面データの選択。S17)。
コンピューター2は、S17で選択されたスライス断面データSd2〜Sd5に対応するスライス断面において、流路部分Fに対応する加工領域に対してレーザーの照射を行うよう加工装置1を制御する(流路部分に対応する加工領域にレーザーを照射。S18)。この際、照射順序データによれば、ポートP1及びポートP2側からポートP3側に向かってY軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させ流路部分Fを作成する。従って、コンピューター2は、流路部分Fに対応する加工領域のうち、スライス断面データSd2に対応するスライス断面に含まれる加工領域からスライス断面データSd5に対応するスライス断面に含まれる加工領域に向かって順番にレーザー照射を行うように加工装置1を制御する。
このように加工を行う場合、レーザーが照射される加工領域はポートP1及び開口部分O1を介して(或いはポートP2及び開口部分O2を介して)、常に素材外部と連通した状態となる。よって、アブレーション加工により溶融またはガス化した素材は、開口部分O1(或いは開口部分O2)から素材外部に排出される。
流路部分Fに対応する加工領域全てに対してレーザー照射を行うことにより(S19でYの場合)、開口部分O1〜O3、ポートP1〜P3及び空洞部分Fが形成されたマイクロ流体デバイスDが得られる(加工物の完成。S20)。
なお、上記例では、開口部分O1〜開口部分O3全てに対してレーザー照射を行った後に、空洞部分に対してレーザー照射を行う照射順序で説明を行ったが、順番はこれに限られない。すなわち、本実施形態に係る加工方法においては、レーザーが照射される加工領域が開口部分を介して常に素材外部と連通した状態となればよい。従って、たとえば、(1)開口部分O1、(2)ポートP1、(3)流路部分F、(4)ポートP2、(5)開口部分O2、(6)ポートP3、(7)開口部分O3の順で規定された照射順序データを用いることができる。このような照射順序データに基づいて加工を行った場合、一番初めに加工される開口部分O1を介して、他の加工領域は常に素材外部と連通した状態となる。
或いは、上記例のように、開口部分に対応する加工領域とポートに対応する加工領域が同じスライス断面に含まれている場合、開口部分に対応する加工領域へのレーザー照射とポートに対応する加工領域へのレーザー照射とを連続的に行なってもよい。たとえば、開口部分O1からZ軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させポートP1を作成する。この場合、ポートP1に対応する加工領域は開口部分O1を介して常に素材外部と連通した状態となる。よって、アブレーション加工により溶融またはガス化した素材は、開口部分O1から素材外部に排出される。同様に、コンピューター2は、加工装置1を制御し、開口部分O2からZ軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させポートP2を作成し、加工部分O3からZ軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させポートP3を作成する。
このように、本実施形態に係る加工方法によれば、開口部分に対応する素材表面の加工領域から、空洞部分に対応する加工領域に沿ってレーザーを照射してアブレーション加工を行い、素材内部に空洞部分を形成する。この場合、アブレーション加工によって溶融またはガス化した素材は、先に加工された開口部分を通じて素材外部に排出される。従って、溶融またはガス化した素材がアブレーション加工により形成された空洞部分に蒸着することがない。すなわち、本実施形態に係る加工方法によれば、内部に空洞部分を有する加工物を高精度で作成することが可能となる。
また、スライス断面毎に抽出された加工領域に対してスライス断面毎にレーザーを照射することにより、細かい加工が可能となる。従って、空洞部分の形状が複雑な場合等であっても加工物を簡易に作成することができる。
また、レーザーの照射パターンとして、あるスライス断面における加工領域中の異なる領域それぞれにレーザーを照射するパターンであって、異なる領域それぞれに照射されるレーザーのエネルギー密度が等しくなるようなパターンを用いることができる。この場合、照射されるエネルギー変動による素材の加工負荷が軽減される。従って、レーザー照射による素材の破損を防止することができる。
或いは、本実施形態に係る加工方法を加工システム100により実現することも可能である。加工システム100は、開口部分に対応する素材表面の加工領域から、空洞部分に対応する加工領域に沿ってレーザーを照射してアブレーション加工を行い、素材内部に空洞部分を形成するよう照射部10及び駆動機構40を制御することができる。この場合、アブレーション加工によって溶融またはガス化した素材は、先に加工された開口部分を通じて素材外部に排出される。従って、溶融またはガス化した素材がアブレーション加工により形成された空洞部分に蒸着することがない。すなわち、本実施形態に係る加工システム100によれば、内部に空洞部分を有する加工物を高精度で作成することができる。
また、本実施形態に係る加工プログラムによれば、加工システム100に、開口部分に対応する素材表面の加工領域から、空洞部分に対応する加工領域に沿ってレーザーを照射させ、アブレーション加工により素材内部に空洞部分を形成させることができる。この場合、アブレーション加工によって溶融またはガス化した素材は、先に加工された開口部分を通じて素材外部に排出される。従って、溶融またはガス化した素材がアブレーション加工により形成された空洞部分に蒸着することがない。すなわち、本実施形態に係る加工プログラムを加工システム100で実行することにより、内部に空洞部分を有する加工物を高精度で作成することが可能となる。
[その他]
上記実施形態では、開口部分に対応する素材表面の加工領域から順番に空洞部分を加工する例について述べたが、開口部分や空洞部分の一部が形成された素材に対して上記実施形態と同様のレーザー加工を行うことも可能である。
たとえば、マイクロ流体デバイスの中には、開口部分及びポートの位置は同じで流路部分の形状のみが異なるものがある。このようなマイクロ流体デバイスを作成する場合、位置の変わらない開口部分及びポートについては切削加工によって予め形成しておき、流路部分だけをレーザー加工することも可能である。
すなわち、開口部分及び当該開口部分と連通する空洞部分の一部が形成された素材に対し、残りの空洞部分に対応する加工領域に沿ってレーザーを照射してアブレーション加工を行い、素材内部に前記空洞部分を形成することも可能である。
このような加工方法は、加工システム100によって実行できる。また、加工方法は、専用の加工プログラムとして、加工システム100に予めインストールされている。この場合、加工システム100のコントローラー2は、開口部分及び当該開口部分と連通する空洞部分の一部が形成された素材に対し、残りの空洞部分に対応する加工領域に沿ってレーザーを照射してアブレーション加工を行い、素材内部に空洞部分を形成するよう照射部10及び駆動機構40を制御する。
たとえば、図8Aの例において、開口部分O1〜O3及びポートP1〜P3が既に形成されているとする。このような素材に対して、ポートP1〜P3と連通する流路部分Fに対応する加工領域から順番にレーザー加工を行うことにより、アブレーション加工によって溶融またはガス化した素材は、ポート及び開口部分を介して素材外部に排出される。
従って、溶融またはガス化した素材がアブレーション加工により形成された空洞部分に蒸着することがない。すなわち、このような加工方法、加工システム、及び加工プログラムによっても、内部に空洞部分を有する加工物を高精度で作成することが可能となる。
なお、上記実施形態では、スライス断面毎の加工領域を加工する例について述べたが、スライス断面毎に加工することは必ずしも必要ない。たとえば、内部の空洞部分がマイクロ流体デバイスDの流路部分Fのように複雑な形状でない場合、スライス断面に分割することなく、照射順序データ及び加工領域データに基づき、素材内部の加工領域に対してレーザーを照射することで直接、空洞部分を形成することができる。
たとえば、上記例において、コンピューター2は、加工データから、素材表面の開口部分O1〜開口部分O3に対応する加工領域を特定する。次に、コンピューター2は、特定された開口部分O1〜開口部分O3に対応する加工領域に対してレーザーの照射を行うよう加工装置1を制御する。
開口部分O1〜開口部O3に対応する加工領域へのレーザー照射が全て完了した後、コンピューター2は、加工データから開口部分O1〜開口部分O3と連通する空洞部分(ポートP1〜ポートP3及び流路部分F)に対応する加工領域を特定する。コンピューター2は、特定された空洞部分に対応する加工領域に対し、照射順序データに基づいて、開口部分O1からZ軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させポートP1を作成する。同様に、コンピューター2は、開口部分O2からZ軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させポートP2を作成し、加工部分O3からZ軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させポートP3を作成する。
その後、コンピューター2は、照射順序データに基づいて、ポートP1及びポートP2側からポートP3側に向かってY軸方向の加工領域に順次レーザーを照射させ流路部分Fを作成する。空洞部分に対応する加工領域全てに対してレーザー照射を行うことにより、開口部分O1〜O3、ポートP1〜P3及び空洞部分Fが形成されたマイクロ流体デバイスDが得られる。
上記加工方法で作成できる加工物は、マイクロ流体デバイスに限らない。上記加工方法は、内部に空洞部分を有する加工物を作成する場合に広く利用することができる。
上記実施形態の加工方法を実施する加工プログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(non-transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD−ROM(Read Only Memory)等がある。
上記実施形態は、発明の例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
300 CADシステム
301a 素材データ記憶部
302a 表示データ記憶部
301e 表示制御部
302e 素材データ決定部
303e 座標値設定部
304e 設計データ作成部
305e 出力部

Claims (7)

  1. 素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを作成するCADシステムであって、
    前記マイクロ流体デバイスの構成要素それぞれの座標値を設定する座標値設定部と、
    座標値が設定された前記構成要素それぞれに対し、前記素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、前記設計データを作成する設計データ作成部と、
    を有するCADシステム。
  2. 素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの流路、及び前記流路と素材外部とを連通する開口部分を有するポートに相当する設計データを作成するCADシステムであって、
    前記ポート、及び前記流路それぞれの座標値を設定する座標値設定部と、
    座標値が設定された前記ポート、及び前記流路それぞれに対し、前記素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、前記設計データを作成する設計データ作成部と、
    を有するCADシステム。
  3. 前記素材データ、及び作成した前記設計データを、前記マイクロ流体デバイスを加工するための加工データを作成するCAMシステム、または前記マイクロ流体デバイスを加工する加工システムに出力する出力部を有することを特徴とする請求項1または2記載のCADシステム。
  4. 素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの構成要素に相当する設計データを作成する方法であって、
    前記マイクロ流体デバイスの構成要素それぞれの座標値を設定する第1のステップと、
    座標値が設定された前記構成要素それぞれに対し、前記素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、前記設計データを作成する第2のステップと、
    を有する設計データの作成方法。
  5. 素材内部に形成されるマイクロ流体デバイスの流路、及び前記流路と素材外部とを連通する開口部分を有するポートに相当する設計データを作成する方法であって、
    前記ポート、及び前記流路それぞれの座標値を設定する第1のステップと、
    座標値が設定された前記ポート、及び前記流路それぞれに対し、前記素材内部における深さ、太さ、及び断面形状を含む属性情報を、素材を特定する情報を示す素材データに応じて設定することにより、前記設計データを作成する第2のステップと、
    を有する設計データの作成方法。
  6. 前記第1のステップは、前記流路同士を接続する接続点の座標値を更に設定し、
    前記第2のステップは、座標値が設定された前記接続点の属性情報を設定することにより、前記設計データを作成することを特徴とする請求項5記載の設計データの作成方法。
  7. 前記第1のステップは、前記流路中に形成される反応室の座標値を更に設定し、
    前記第2のステップは、前記反応室の属性情報を設定することにより、前記設計データを作成することを特徴とする請求項5または6記載の設計データの作成方法。
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