JP2018134831A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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【課題】耐水性に優れ、かつオゾンの影響に伴うインク受容層のひび割れが改善されたインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法を提供する。【解決手段】非吸収性支持体上に、無機微粒子、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ほう酸またはその塩、およびグリオキシル酸塩を少なくとも含有するインク受容層を設けた後、インク受容層を、極性溶媒を主体とする処理液5にて処理する。【選択図】図1

Description

本発明は、耐水性に優れ、かつオゾンの影響に伴うインク受容層のひび割れが改善されたインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録材料が知られている。かかるインク受容層としては、水溶性ポリマーを主成分とするインク受容層と、無機微粒子を主体に含有する多孔質のインク受容層の2種に大別される。前者のインク受容層は水溶性ポリマーが膨潤することによってインクを吸収し、後者のインク受容層は無機微粒子によって形成された空隙にインクを吸収する。このようなインク吸収のメカニズムの違いから前者は膨潤型(あるいはポリマー型)、後者は空隙型(あるいはマイクロポーラス型)と呼ばれている。
インクジェット記録材料の支持体としては、一般に上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の紙支持体、および紙(基紙)の少なくとも一方の面を樹脂で被覆した樹脂被覆紙や、各種プラスチック樹脂フィルム等の非吸収性支持体が知られている。非吸収性支持体は紙支持体よりも表面の平滑性が高く、インクジェット記録材料に銀塩写真並みの高い光沢性を付与することが可能となる。しかし非吸収性支持体は紙支持体と異なり、支持体自身がインク吸収性を有さないため、非吸収性支持体上に設けられるインク受容層には極めて高いインク吸収性が求められ、このようなインクジェット記録材料のインク受容層には前記した空隙型のインク受容層が好適である。
空隙型のインク受容層においてインク吸収性を高めるには、インク受容層の空隙率及び空隙容量を高めることが一般的に行われる。このためインク受容層は多量の顔料と低比率のバインダーで構成する必要があるが、その結果、インク受容層の塗布・乾燥時に風紋及びひび割れ、亀裂等の塗布欠陥が発生しやすくなった。
このような塗布欠陥を防止するため、架橋剤を含有するインク受容層の塗布液を支持体に塗布した後、乾燥を比較的穏やかな条件で行う方法が知られている。例えば、特開平10−119423号公報、特開2000−27093号公報、特開2001−96900号公報等では、ポリビニルアルコールの架橋剤としてほう酸、ほう酸塩等のほう素化合物を用い、塗布液を塗布し一度冷却して塗布液の粘度を上昇させた後、比較的低温で乾燥する方法が開示されている。しかし塗布・乾燥条件が制約を受けることから生産性が低下し、また少しの乾燥温度変化でひび割れ、亀裂等の塗布欠陥の発生が顕著になる場合があった。
また、常温あるいは加熱することで塗布液の粘度を上昇させた後、乾燥するインクジェット記録材料の製造方法も知られている。例えば特開2005−145043号公報(特許文献1)には、ケト基を有する変性PVA系樹脂を用い、架橋剤としてヒドラジド基を分子内に2個以上有する化合物を用いる方法が開示されており、特開2010−149305号公報(特許文献2)には、アセト酢酸エステル基含有高分子化合物を用い、架橋剤としてグリオキシル酸塩を用いる方法が開示されている。後者の方法は、優れた耐水性が得られると共に、インクジェット記録材料を保存した際のインク受容層の変色も改善されることから好ましいが、オゾンの影響によりインク受容層に折れ割れが発生する場合があり、改善が求められていた。
一方、特開2004−25723号公報(特許文献3)には、高湿高温環境下で保存した場合の画像の滲みを改善することを目的に、インク受容層を酸性溶液で浸漬・乾燥処理する技術が開示され、特開2007−313844号公報(特許文献4)には、インク受容層を塗設した際のひび割れやインク受容層の透明性を改善することを目的に、インク受容層の粘度を上昇させた後、余分な硼砂を水により洗浄して取り除く技術が開示され、特開2011−148137号(特許文献5)には、インク受容層を処理する処理液中の残留架橋剤濃度を特定の値以下に維持することで、連続生産中の品質の振れが解消できることが記載される。
特開2005−145043号公報 特開2010−149305号公報 特開2004−25723号公報 特開2007−313844号公報 特開2011−148137号公報
本発明は、耐水性に優れ、かつオゾンの影響に伴うインク受容層のひび割れが改善されたインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法を提供することを課題とする。
(1)非吸収性支持体上に、無機微粒子、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ほう酸またはその塩、およびグリオキシル酸塩を少なくとも含有するインク受容層を設けた後、該インク受容層を、極性溶媒を主体とする処理液にて処理することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
本発明により、耐水性に優れ、かつオゾンの影響に伴うインク受容層のひび割れが改善されたインクジェット記録材料が得られるインクジェット記録材料の製造方法を提供することができる。
本発明の処理に利用される処理装置の一例を示す概略図。 本発明の処理に利用される処理装置の別の一例を示す概略図。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法ではインク受容層を、極性溶媒を主体とする処理液にて処理する。ここで、該処理液で処理されるインク受容層は、非吸収性支持体上にインク受容層を形成するために用いるインク受容層用塗布液が塗布された後に、少なくとも常温あるいは加熱することで、あるいは、塗布された後に冷却することで、該塗布液の粘度が上昇した(ゲル化した)インク受容層であれば、該処理液で処理することが可能であり、粘度が上昇した後に塗層を乾燥する工程の恒率乾燥領域、減率乾燥領域、乾燥終了のいずれの段階でも、極性溶媒を主体とする処理液にて処理することが可能である。中でも恒率乾燥領域以降で実施することが好ましい。恒率乾燥領域以降で実施することにより、インク受容層用塗布液が含有するバインダーが処理液中に流出することを極力防ぐことができ、このことはインク受容層のひび割れを防止する観点から、好ましい。
なお恒率乾燥領域とは、湿潤塗層中の水や溶剤が蒸発潜熱を奪いながら単純に蒸発していくため、湿潤塗層の表面温度が湿球温度(湿り空気の平衡状態での水滴の温度であり、空気の湿度が小さいほど低い。)とほぼ等しくなる領域であり、減率乾燥領域とは、湿潤塗層に含まれる物質と水とのインターラクションを乖離させるためのエネルギーが必要となったり、形成されはじめる空隙により水分移動が阻害されるため、湿潤塗層中における水や溶媒の移動速度が湿潤塗層表面からの水や溶媒の蒸発速度より低下し、蒸発潜熱が次第に奪われにくくなり、塗層の表面温度が湿球温度と比較して高くなる領域であり、乾燥終了点とは蒸発潜熱が奪われなくなり、塗層の表面温度が乾燥空気の温度と等しくなる段階である。
本発明においてインク受容層を、極性溶媒を主体として含有する処理液にて処理する方法としては、例えば処理液貯留槽内の処理液中に浸漬する方法、処理液貯留槽から送液された処理液をインク受容層となる塗膜に付与する方法のいずれであってもよい。図1は本発明の処理に利用される処理装置の一例を示す概略図であり、前者の方法に好適な処理装置の一例である。図2は本発明の処理に利用される処理装置の別の一例を示す概略図であり、後者の方法に好適な処理装置の一例である。なお上述のように極性溶媒を主体として含有する処理液での処理は、塗布工程で塗布されたインク受容層用塗布液が増粘(ゲル化)した後に実施することが好ましく、この段階ではインク受容層となる塗膜にインク受容性は発現されないが、本発明ではこの状態も含めて、インク受容層と称する。
図1の製造装置は、処理液貯留槽中にインク受容層を浸漬して処理する方法に用いる製造装置である。図1において図示しない塗布装置にてインク受容層用塗布液が塗布されたウエブ100は、図中の矢印の方向に搬送され、ロール1、及び液中ロール2によって処理液5が貯留された処理液貯留槽6内に搬送される。処理液貯留槽6内にてウエブ100は移動することで処理液5にて処理され、その後、処理液絞りロール3、4によってウエブ100の表面に付着した余剰の処理液50を除去し、ロール7により図示しない乾燥装置、例えばエアードライヤーを有する乾燥装置内に搬送、乾燥される。なお図1においてインク受容層はウエブ100の上面側に位置する。
図2の製造装置は処理液貯留槽から送液された処理液をインク受容層に付与して処理する方法に用いる製造装置である。図2において図示しない塗布装置にてインク受容層用塗布液が塗布されたウエブ100は、搬送ロール21、22により図中の矢印の方向に搬送され、搬送ロール21、22及び処理液絞りロール3、4の間の位置にて、下方に複数の処理液供給口が設けられた処理液供給管30から流出する処理液5をウエブ100に付与することで処理される。その後処理液絞りロール3、4によって表面に付着した余剰の処理液50を除去し、図示しない乾燥装置に搬送、乾燥され、処理工程が終了する。また図2では下方に複数の処理液供給口が設けられた処理液供給管30を記載したが、これに代わって例えばウエブ100の幅方向に沿って、複数のスプレーノズルを設けた形態の処理液供給管でもよい。なお図2においてインク受容層はウエブ100の上面側に位置する。
図2において処理液貯留槽6内に貯留された処理液5は、ギアポンプ17、及び送液管18を介して、下方に複数の処理液供給口が設けられた処理液供給管30に供給される。処理液供給管30より流出した処理液5はウエブ100上に落下した後、ウエブ100の両端部より落下し循環利用され、処理液貯留槽6内に戻る。
極性溶媒を主体とする処理液で処理した後の乾燥は、効率のよい乾燥条件を適宜設定すればよく、10〜40℃で乾燥することが好ましい。また、上記した処理液での処理は必要に応じて複数回繰り返してもよい。
本発明で使用する処理液は極性溶媒を主体として含有する処理液であり、具体的には水、酸性溶液、中性〜塩基性を有する処理液等が挙げられる。水は、水道水、イオン交換水、ミネラルウオーター、電子工業用の超純水など、種々のグレードのものを使用できるが、好ましくはイオン交換水以上の精製を施した、水溶性成分の含有量が100ppm以下の水であることが好ましい。
酸性溶液に含有せしめる酸としては、有機酸、無機酸のいずれも使用することができる。その例としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、スルホフタル酸、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸などを挙げることができる。この酸を溶解する溶媒としては極性溶媒が使用される。例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、スルホランなどを挙げることができる。この中でも、水もしくはアルコール系溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。
中性〜塩基性を有する処理液が含有する塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの塩基性無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の塩基性有機化合物が挙げられ、また、その他に安息香酸リチウムやフタル酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩を使用することも可能である。また用いる溶媒としては上記酸性溶液が含有する溶媒と同様のものが好ましく用いられる。
本発明のインクジェット記録材料の製造方法において、非吸収性支持体上にインク受容層を設ける方法としては、インク受容層を設けるために使用するインク受容層用塗布液を非吸収性支持体上に塗布することが好ましく、かかる塗布方法としては、スライドビードコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の塗布装置を単独及び組み合わせて使用することができる。
本発明においてインク受容層が含有する無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、印字濃度、画像の鮮明性の点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましい。さらに好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。気相法シリカの平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは10〜300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均二次粒子径が500nm以下である湿式法シリカ粒子が好ましく、さらには平均二次粒子径が20〜300nmである湿式法シリカ微粒子を使用することが好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカ微粒子を粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記した気相法シリカ及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用等が挙げられる。
本発明においてインク受容層が含有するアセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとジケテンの反応等の公知の方法によって製造することができる。アセトアセチル化度は0.1〜20モル%が好ましく、さらに1〜15モル%が好ましい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、さらに85モル%以上が好ましい。重合度としては、500〜5000のものが好ましく、特に2000〜4500のものがさらに好ましい。このようなアセトアセチル変性ポリビニルアルコールとしては市販品を入手し使用することも可能であり、例えば日本合成化学工業(株)からゴーセネックスZシリーズとして市販されている。
本発明ではアセトアセチル変性ポリビニルアルコールに加えて、さらに他の公知の高分子バインダーを併用してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や各種変性澱粉、ゼラチンや各種変性ゼラチン、キトサン、カラギーナン、カゼイン、大豆蛋白、未変性ポリビニルアルコールや各種アセトアセチル変性以外の変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を必要に応じて併用することができる。さらに、バインダー樹脂として各種ラテックスを併用してもよい。
他の高分子バインダーを併用する際、塗布後の表面光沢の点で、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールと相溶性の高い高分子バインダーを併用することが好ましく、完全または部分ケン化ポリビニルアルコール、またはカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましく併用できる。特に、ケン化度が80%以上で、平均重合度200〜5000のものが好ましく使用できる。また、他の高分子バインダーの含有量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して100質量%未満であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。これにより耐水性にとりわけ優れたインクジェット記録材料が得られる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが例示される。
また、インク受容層中におけるバインダーの含有量は、無機微粒子に対して3〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明においてインク受容層は、ほう酸またはその塩を含有する。本発明で使用されるほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸等が、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。ほう酸またはほう酸塩の添加量はアセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明においてインク受容層は、グリオキシル酸塩を含有する。該グリオキシル酸塩としては、グリオキシル酸のアルカリ金属塩、グリオキシル酸のアルカリ土類金属塩、グリオキシル酸のアミン塩等が挙げられ、好ましくは、グリオキシル酸のアルカリ金属、及びアルカリ土類金属塩が用いられる。かかるアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどを代表的なものとして挙げることができる。
本発明においてインク受容層に、上記したほう酸またはその塩、およびグリオキシル酸塩を含有せしめる方法としては、上記した無機微粒子やアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと共に、ほう酸またはその塩、およびグリオキシル酸塩を含有するインク受容層用塗布液を塗布する方法が例示されるが、無機微粒子とアセトアセチル変性ポリビニルアルコール及び、ほう酸またはその塩を含有するインク受容層用塗布液を、非吸収性支持体上に塗布、乾燥した後、グリオキシル酸塩及びカチオンポリマーを含有するオーバーコート液を、インク受容層に付与する方法が好ましい。これによりインク受容層用塗布液を塗布した際に生じる塗布欠陥を、低減することができる。オーバーコート液中におけるグリオキシル酸塩の含有量は、固形分濃度で0.1〜5質量%の範囲が好ましい。なお、グリオキシル酸塩及びカチオンポリマーを含有するオーバーコート液の粘度は、12mPa・s未満であることが好ましい。
オーバーコート液が含有するカチオンポリマーとしては、種々のカチオンポリマーを用いることができる。例えば昭和電工(株)からポリフィックス、(株)センカからパピオゲンやユニセンスといった各種製品が市販されているので、これらを入手し利用することができる。
オーバーコート液が含有するカチオンポリマーとして、特に4級カチオンポリマーを好ましく用いることができる。これによりインク吸収性にとりわけ優れたインクジェット記録材料が得られる。4級カチオンポリマーとは、カチオンポリマーのカチオン基が4級アンモニウム塩主体で構成されているカチオンポリマーのことであり、例えば、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、エピクロルヒドリン・アンモニア・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物及びその共重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重縮合物などが挙げられる。中でもエピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物やエピクロルヒドリン・アンモニア・ジメチルアミン付加重合物が好ましく用いられ、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物が特に好ましい。このようなエピクロルヒドリン・ジメチルアミン付加重合物としては市販品を入手し使用することも可能であり、例えば(株)センカからユニセンスKHE104Lとして市販されている。なお、ここでいう4級アンモニウム塩主体とは、カチオンポリマー中のカチオン基の少なくとも50%以上が4級アンモニウム塩であることを意味する。
オーバーコート液を付与する手段としてはスライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の塗布方式が好適であるが、オーバーコート液の湿潤塗布量はインク受容層の空隙容量以下とすることが好ましいため、予め所定の塗布量となるように計量しておいた塗布液を塗布する方式である、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式等が好ましい。中でも、オーバーコート液へ与える剪断力の大きさの観点からグラビアロール方式が特に好ましい。
本発明においてインク受容層は、耐水性向上等のため水溶性多価金属化合物を含有してもよい。水溶性多価金属化合物としては水溶性アルミニウム化合物が好ましく利用できる。
水溶性アルミニウム化合物としては例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
上記した水溶性多価金属化合物の含有量は、インク受容層が含有する無機微粒子に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層には、さらに着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、本発明のインク受容層の塗布液のpHは3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジド及びその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を改良することができる。
本発明で用いられるカルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、特開2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
インク受容層は、上述したほう酸またはその塩、およびグリオキシル酸塩に加え、さらに他の架橋剤を適宜含有しても構わない。他の架橋剤としては、以下の化合物が挙げられる。
(1)ポリアミン類
脂肪族ポリアミン類;
・アルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)。
・ポリアルキレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、イミノビス(プロピルアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)。
・これらのアルキルまたはヒドロキシアルキル置換体(例えば、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビス(プロピルアミン)など)。
・脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン(例えば、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど)。
・芳香環含有脂肪族アミン類(例えば、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)。
C4〜C15の脂環式ポリアミン;
例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、4,4′−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等。
C4〜C15の複素環式ポリアミン;
例えば、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノピペラジン等。
C6〜C20の芳香族ポリアミン類;
・非置換芳香族ポリアミン(例えば1,2−,1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4′−及び4,4′−ジフェニルメタンジアミン、ポリフェニルポリメチレンポリアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン,チオジアニリン,ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリアミン、ナフチレンジアミンなど)。
・核置換アルキル基(例えばC1〜C4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン(例えば、2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン,4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,3′,5,5′−テトライソプロピルベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラブチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3′−メチル−2′,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3′−メチル−2′,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエチル−2,2′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホンなど)。
ポリアミドポリアミン;
例えば、ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類:(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量(例えば分子量200〜5000)ポリアミドポリアミンなど)。
ポリエーテルポリアミン;
例えば、分子量100〜5000のポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など)。
(2)ジシアンジアミド誘導体;
ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物など。
(3)ヒドラジン化合物;
ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、ヒドラジンの無機塩類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、チオシアン酸、炭酸などの無機塩類)、ヒドラジンの有機塩類(例えば、ギ酸、シュウ酸などの有機塩類)。
(4)ポリヒドラジド化合物(ジヒドラジド、トリヒドラジド);
カルボヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等。
(5)アルデヒド類;
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、1,8−オクタンジアール、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、両末端アルデヒド化PVA等のジアルデヒド類、アリリデン酢酸ビニルジアセテート共重合体をケン化して得られる側鎖アルデヒド含有共重合体、ジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン等。
(6)メチロール化合物;
メチロールホスフィン、ジメチロール尿素、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、尿素樹脂初期重合物、メラミン樹脂初期重合物等。
(7)活性化ビニル化合物;
ジビニルスルホン系化合物、β−ヒドロキシエチルスルホン系化合物等。
(8)エポキシ化合物;
エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、ポリエポキシ化合物等。
(9)イソシアネート系化合物;
トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス−4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物、ポリイソシアネート等が挙げられる。
(10)フェノール系化合物;
フェノール系樹脂初期縮合物、レゾルシノール系樹脂等。
(11)多価金属塩;
・ジルコニウム塩(硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウム化合物等)。
・チタン塩(4塩化チタン、乳酸チタン、テトライソプロピルチタネート等)。
・アルミニウム塩(塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム等)。
・カルシウム塩(塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等)。
・マグネシウム塩(塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等)。
・亜鉛塩(塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等)。
また、本発明のインク受容層には、他の添加剤として界面活性剤等を含有することができる。
本発明のインクジェット記録材料が有する非吸収性支持体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルムや、ポリプロピレン樹脂に無機充填材を配合して、二軸延伸フィルム成形法によって製造された合成紙(例えば、ユポ(登録商標):株式会社ユポ・コーポレーション社製)や、基紙の少なくとも一方の面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙支持体が好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0質量%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0質量%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性のよいものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの二つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、ヒンダードフェノール系化合物などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる非吸収性支持体のインク受容層が塗設される側は、下引き層を有することが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め非吸収性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。さらに、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。非吸収性支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料のインク吸収性を有する側と非吸収性支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写をさらに改善させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は質量基準である。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレンの樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥して非吸収性支持体を作製した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100質量部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2質量部
クロム明ばん 10質量部
以下のようにして気相法シリカ分散液を作製した。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)3質量部と気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)100質量部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。気相法シリカの平均二次粒子径は135nmであった。
<インク受容層用塗布液1の作製>
気相法シリカ分散液が含有する気相法シリカ100質量部に対し、ほう酸を4質量部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ−410:日本合成化学工業株式会社製)を25質量部を添加混合し、最終的に固形分濃度14質量%に調節したインク受容層用塗布液1を得た。
<オーバーコート液1の作製>
3質量%エタノール水溶液に、グリオキシル酸ナトリウム1質量%、ユニセンスKHE104L(4級カチオンポリマー:センカ株式会社製)6質量%を添加混合し、固形分濃度7質量%のオーバーコート液1を得た。B型粘度は2mPa・sであった。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の下引き層が塗布された面にインク受容層用塗布液1を固形分塗布量が25g/mになるようにした。塗布後10℃で20秒間冷却した後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。さらにオーバーコート液1を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置にて塗布を行い、45℃の温風を吹き付けて乾燥し、インクジェット記録材料1を得た。オーバーコートの湿潤塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し、20g/mとした。
<処理液>
イオン交換水
得られたインクジェット記録材料1を、図1に示した製造装置を用いて、上記した処理液を投入した処理液貯留槽(処理液の温度は60℃)に1.2秒間浸積し、その後乾燥して、インクジェット記録材料1を得た。
(実施例2)
実施例1において、オーバーコート液1を下記オーバーコート液2に変更した以外は同様にして、インクジェット記録材料2を得た。
<オーバーコート液2の作製>
3質量%エタノール水溶液に、グリオキシル酸ナトリウム1質量%、ポリフィックス301(カチオンポリマー:昭和電工株式会社製)6質量%を添加混合し、固形分濃度7質量%のオーバーコート液2を得た。B型粘度は6mPa・sであった。
(実施例3)
実施例1において、オーバーコート液1を下記オーバーコート液3に変更した以外は同様にして、インクジェット記録材料3を得た。
<オーバーコート液3の作製>
3質量%エタノール水溶液に、グリオキシル酸カルシウム1質量%、ポリフィックス301(カチオンポリマー:昭和電工株式会社製)6質量%を添加混合し、固形分濃度7質量%のオーバーコート液2を得た。B型粘度は6mPa・sであった。
(比較例1)
実施例1において、イオン交換水での処理を行わなかった以外は同様にして、インクジェット記録材料4を得た。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料1〜4について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。なお得られたインクジェット記録材料1〜4はいずれも塗布欠陥が生じることなく生産性は良好であり、インク受容層表面を目視で観察したところ、ひび割れや亀裂等は認められなかった。またセイコーエプソン社製インクジェットプリンターSC−PX5VII(用紙種類:EPSON写真用紙、印刷品質:スーパーフォト、双方向印刷:オン、カラー設定:色補正なし)を用いて画像を印刷したところ、インクジェット記録材料1は、インクジェット記録材料2及び3よりも、インク吸収性に優れていた。
<耐水性>
得られたインクジェット記録材料のインク受容層表面に水滴を落とし、1分間放置した後に表面を擦り、表面状態を観察し、下記の基準で評価した。
○:変化なし
△:インク受容層の一部が削り取られ、光沢が低下した状態となる。
×:インク受容層の大部分が削り取られた状態となる。
<オゾンの影響に伴うインク受容層のひび割れ>
オゾン発生装置を使用し、オゾン濃度20ppmかつ23℃50%RHの環境下に3日間暴露し、白紙部を目視評価した。
○:ひび割れ、亀裂が無い
×:ひび割れあるいは亀裂の発生が認められる。
表1の結果から、本発明よって耐水性に優れ、かつオゾンの影響に伴うインク受容層のひび割れが改善された、インクジェット記録材が得られることが判る。
1 ロール
2 液中ロール
3,4 処理液絞りロール
5 処理液
6 処理液貯留槽
7 ロール
17 ギアポンプ
18 送液管
21、22 搬送ロール
30 処理液供給管
50 余剰の処理液
100 ウエブ

Claims (1)

  1. 非吸収性支持体上に無機微粒子、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ほう酸またはその塩、およびグリオキシル酸塩を少なくとも含有するインク受容層を設けた後、該インク受容層を、極性溶媒を主体とする処理液にて処理することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
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