JP2018133259A - 電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の電池状態を高精度に推定して、二次電池を効率的に使用することができる電池システムを提供する。
【解決手段】電池システム100は複数の二次電池2と電池状態推定部1とを含む。電池状態推定部1には特性情報記憶部30に二次電池2の電池情報と二次電池2の正極及び負極の特性値との対応関係を示す正極特性情報及び負極特性情報が二次電池2の使用履歴情報と対応付けられて予め記憶されている。特性情報抽出部60は特性情報記憶部30から二次電池2の使用履歴情報に対応する正極特性情報及び負極特性情報を抽出して正極及び負極の特性値を算出する。推定部62は算出された正極及び負極の特性値に基づいて二次電池2の電池状態を推定する。計画作成部12は推定結果に基づいて、充放電させる二次電池2を特定する充放電計画を作成し、充放電計画に基づき切替制御部13が複数の二次電池2の通電状態を切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池システムに関する。
二次電池を含む電池システムでは、二次電池を効率的に使用するために、二次電池の劣化を考慮して二次電池の残寿命などの電池状態を推定する必要がある。そして、二次電池の劣化は、二次電池における正極の劣化状態と負極の劣化状態との関係によって決まり、より劣化度合いが高い方の影響を強く受ける。そして、正極及び負極のどちらの劣化度合いが高くなるかは、電池が使用された環境や使用のされ方などの使用履歴によって異なり、電池の固体差も影響する。従って、複数の二次電池において取得した電池容量や端子電圧、入出力抵抗値等が同じ値であっても、それらの正極及び負極の劣化状態は互いに異なる場合があるため、単に電池容量や端子電圧、入出力抵抗値等から二次電池における電池状態を正確に推定することは困難である。
そこで、各電池の正極及び負極の特性を直接測定してそれぞれの劣化状態を考慮して電池状態を推定することが考えられる。しかしながら、正極及び負極の特性を直接測定するには、測定装置が必要となるため装置の大型化や複雑化を招く。特に、多数の二次電池を備えるPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)やHEMS(Home Energy Management System)などの電池システムではこの問題が顕著となる。
特許文献1には、二次電池の劣化を反映する劣化特性マップを用いて、二次電池の劣化を考慮した二次電池の残寿命を算出する構成が開示されている。
特開2014−190763号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、正極及び負極の劣化は同等に進むものとして劣化特性マップを設定している。そして、上述の如く、二次電池の使用履歴によって正極及び負極の劣化度合いは異なるため、特許文献1に開示の構成により二次電池の電池状態を正確に推定するには改善の余地がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、二次電池の電池状態を高精度に推定して、二次電池を効率的に使用することができる電池システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、複数の二次電池(2)と、
上記複数の二次電池における通電状態を切り替え可能に構成された通電切替部(11)と、
上記複数の二次電池における電池状態を推定する電池状態推定部(1)と、
該電池状態推定部による推定結果に基づいて、上記複数の二次電池において充放電させる二次電池を特定するための充放電計画を作成する計画作成部(12)と、
上記充放電計画に基づいて、上記通電切替部を制御する切替制御部(13)と、
を有する電池システム(100)であって、
上記電池状態推定部は、上記二次電池の電池情報を取得する電池情報取得部(40)と、
上記二次電池の使用履歴情報を取得する履歴情報取得部(41)と、
上記二次電池の電池情報と上記二次電池における正極の特性値及び負極の特性値との対応関係を示す正極特性情報及び負極特性情報がそれぞれ、上記二次電池の使用履歴情報と対応付けられて、予め記憶されている特性情報記憶部(30)と、
上記履歴情報取得部により取得された上記使用履歴情報に対応する上記正極特性情報及び上記負極特性情報を上記特性情報記憶部から抽出する特性情報抽出部(60)と、
上記電池情報取得部により取得された上記電池情報と、上記特性情報抽出部により抽出された上記正極特性情報及び上記負極特性情報とに基づいて、上記二次電池における正極の特性値及び負極の特性値をそれぞれ算出する特性値算出部(61)と、
上記特性値算出部により算出された上記正極の特性値及び上記負極の特性値に基づいて、上記二次電池における電池状態を推定する推定部(62)と、
を有する、電池システムにある。
上記電池システムでは、電池状態推定部において、正極特性情報及び負極特性情報が使用履歴情報に対応付けられて記憶されている。そして、二次電池における電池状態を推定する際には、当該二次電池の使用履歴情報に対応する正極特性情報及び負極特性情報を抽出した上で、当該正極特性情報及び負極特性情報に基づいて、正極の特性値と負極の特性値とを個別に算出する。そして、当該正極の特性値と負極の特性値とから当該二次電池における電池状態を推定する。これにより、使用履歴に応じて互いに異なる正極及び負極の劣化度合いが反映されるため、二次電池における電池状態が高精度に推定される。そして、上記電池システムは、当該推定結果に基づいて、充放電させる二次電池を特定するための充放電計画を作成して、当該充放電計画に基づいて二次電池における通電状態を制御する。これにより、二次電池の使用状態や使用目的などに応じて、二次電池を効率的に使用することができる。
以上のごとく、本発明によれば、二次電池の電池状態を高精度に推定して、二次電池を効率的に使用することができる電池システムを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、電池システムの構成を示すブロック図。 実施形態1における、第1の温度履歴に対応した第1の正極特性情報及び負極特性情報の例を示す図。 実施形態1における、第2の温度履歴に対応した第2の正極特性情報及び負極特性情報の例を示す図。 実施形態1における、第1の温度履歴に対応した第1の正極特性情報及び負極特性情報の他の例を示す図。 実施形態1における、第2の温度履歴に対応した第2の正極特性情報及び負極特性情報の他の例を示す図。 実施形態1における、電池状態を推定する工程を示すフロー図。 比較例における、電池状態を推定する工程を示すフロー図。
(実施形態1)
上記電池システムの実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。
図1に示すように、電池システム100は、二次電池2、通電切替部11、電池状態推定部1、計画作成部12、切替制御部13を備える。
二次電池2は複数備えられている。
通電切替部11は、複数の二次電池2における通電状態を切り替え可能に構成されている。
電池状態推定部1は、複数の二次電池2における電池状態を推定する。
計画作成部12は、電池状態推定部1による推定結果に基づいて、複数の二次電池2において充放電させる二次電池2を特定するための充放電計画を作成する。
切替制御部13は、充放電計画に基づいて、通電切替部11を制御する。
そして、電池状態推定部1は、図1に示すように、電池情報取得部40、履歴情報取得部41、特性情報記憶部30、特性情報抽出部60、特性値算出部61及び推定部62を有する。
電池情報取得部40は、二次電池2の電池情報を取得する。
履歴情報取得部41は、二次電池2の使用履歴情報を取得する。
特性情報記憶部30は、二次電池2の電池情報と二次電池2における正極の特性値及び負極の特性値との対応関係を示す正極特性情報及び負極特性情報がそれぞれ、二次電池2の使用履歴情報と対応付けられて、予め記憶されている。
特性情報抽出部60は履歴情報取得部41により取得された使用履歴情報に対応する正極特性情報及び負極特性情報を特性情報記憶部30から抽出する。
特性値算出部61は、電池情報取得部40により取得された電池情報と、特性情報抽出部60により抽出された正極特性情報及び負極特性情報とに基づいて、二次電池2における正極の特性値及び負極の特性値をそれぞれ算出する。
推定部62は、特性値算出部61により算出された正極の特性値及び負極の特性値に基づいて、二次電池2における電池状態を推定する。
以下、本実施形態の電池システム100について、詳述する。
図1に示すように、電池システム100は、ビルや住宅に備えられる発電蓄電システムの制御ユニットに搭載されて、二次電池2の出力電力がビルや住宅における電気設備に利用されるとともに、ビルや住宅に備えられた太陽光発電装置等の発電装置から生成された電力が二次電池2に入力されるように構成されている。電池システム100は、複数の二次電池2を含む電池部20を有する。電池部20は、第1組電池21、第2組電池22及び第3組電池23を有する。各組電池21〜23は、いずれも二次電池2が直列接続されて形成されている。そして、組電池21〜23は通電切替部11を介して、並列接続されている。
通電切替部11は、第1スイッチ111、第2スイッチ112及び第3スイッチ113を有する。第1スイッチ111は第1組電池21に接続され、第1組電池21の通電状態を切り替え可能となっている。そして、第1スイッチ111がオンのときは第1組電池21は外部負荷等101と通電可能な状態となり、第1スイッチ111がオフのときは第1組電池21は外部負荷等101と通電不能な状態となる。従って、第1組電池21において互いに直列接続された複数の二次電池2の通電状態は第1スイッチ111によって一括して変更可能となっている。同様に第2スイッチ112及び第3スイッチ113はそれぞれ第2組電池22及び第3組電池23の通電状態を切り替え可能となっている。従って、通電切替部11のスイッチ111〜113によって、各組電池21〜23の通電状態が個別に切り替え可能となっている。なお、本実施形態では二次電池2は、リチウムイオン電池であって、LiFePO4からなる鉄系正極と、グラファイトからなる炭素系負極とを有する。複数の二次電池2はいずれも同一の構成を有している。
図1に示すように、電池状態推定部1は、記憶部3、取得部4、格納部5、演算部6を備える。記憶部3は特性情報記憶部30を有する。特性情報記憶部30は書き換え不能な不揮発性メモリであって、二次電池2の正極特性情報と負極特性情報とが予め記憶されている。
特性情報記憶部30に記憶された正極特性情報及び負極特性情報とは、二次電池2の正極の特性及び負極の特性と、二次電池2の電池状態との対向関係を示す情報である。正極の特性及び負極の特性としては、正極及び負極における抵抗上昇率、容量維持率、電極電位など、正極及び負極に関する種々の情報を採用することができる。二次電池2の電池状態としては、二次電池2における充放電電力量の積算値である積算充放電電力量、電極に流れた電流量の積算値である積算電流量、充放電回数、通電時間、二次電池2が搭載された車両の走行距離、電池温度、電池電圧、充電状態、残容量など、二次電池2の使用に関する種々の情報を採用することができる。例えば、図2、図3に示すように、正極特性情報及び負極特性情報として正極及び負極における抵抗上昇率を採用したり、図4、図5に示すように、正極及び負極における容量維持率を採用したりすることができる。なお、抵抗上昇率とは、正極及び負極における初期抵抗値Rdch,intと検出時の抵抗値Rdchとの変化率であるRdch/Rdch,intを示す。また、容量維持率とは、正極及び負極における初期の充放電可能な電気容量Vintに対する検出時の充放電可能な電気容量Vの維持率であるV/Vint×100(%)を示す。
特性情報記憶部30に記憶された正極特性情報及び負極特性情報は、それぞれ別個に、二次電池2の使用履歴情報に対応付けられた状態で記憶されている。二次電池2の使用履歴情報とは、二次電池2における温度履歴、電力入出力履歴、通電履歴、二次電池2が搭載された車両の走行履歴、充放電履歴、積算充電容量、積算放電容量、総充電容量、総放電容量、平均電池電圧など、二次電池2の使用履歴に関する種々の情報を採用することができる。
本実施形態では、特性情報記憶部30には、正極特性情報及び負極特性情報としての正極及び負極における抵抗上昇率と二次電池2における積算充放電電力量との対応関係が、二次電池2の使用履歴情報としての二次電池2の温度履歴に対応付けられて記憶されている。本実施形態では、特性情報記憶部30には、例えば、図2に示す第1の温度履歴に対応する第1の正極特性情報及び負極特性情報が記憶されており、図3に示す第2の温度履歴に対応する第2の正極特性情報及び負極特性情報が記憶されている。この場合は、第2の温度履歴では、第1の温度履歴の場合よりも、負極の劣化に比べて正極の劣化が進みやすい温度環境で使用されている。なお、特性情報記憶部30に記憶された正極特性情報及び負極特性情報の形態は特に限定されず、例えば、算出式、マップ、表などの形態とすることができる。なお、特性情報記憶部30に記憶される正極特性情報及び負極特性情報は、測定用の二次電池2を用いて加速劣化試験を行って分解調査して得られた実測定値を基に作成したり、二次電池2のモデルを用いて正極及び負極の状態変化を理論的に導き出す算出式により作成することができる。
図1に示すように、取得部4は、電池情報取得部40と履歴情報取得部41とを有する。電池情報取得部40は、電池状態推定部1に接続された二次電池2から上述の電池情報を取得する。電池情報取得部40は、例えば、各種センサや計測器により構成することができる。本実施形態では、電池情報取得部40は、二次電池2に流れた電流量、二次電池2の電圧値及び流れた時間に基づいて、二次電池2において充放電された電力量を計測する計測器からなる。履歴情報取得部41は、電池状態推定部1に接続された二次電池2から二次電池2における上述の使用履歴情報を取得する。本実施形態では、電池状態推定部1に接続された二次電池2の使用環境の温度を計測する温度センサからなる。なお、電池情報取得部40が所定のタイミングや間隔で取得して蓄積した情報を二次電池2の使用履歴情報として取得するようにしてもよい。
次に、格納部5は、電池情報格納部50と、履歴情報格納部51とを有する。電池情報格納部50は揮発性のメモリであって、電池情報取得部40が取得した電池情報が一時的に格納される。履歴情報格納部51は書き換え可能な不揮発性のメモリであって、履歴情報取得部41が取得した二次電池2の使用履歴情報が蓄積される。
演算部6は、特性情報抽出部60、特性値算出部61、推定部62を有する。演算部6はマイコンにより構成され、特性情報抽出部60、特性値算出部61、推定部62としての機能を果たすプログラムを実行可能に構成されている。当該プログラムは演算部6に設けられた図示しないメモリに格納されている。特性情報抽出部60は、特性情報記憶部30から、履歴情報格納部51に格納された二次電池2の使用履歴情報に対応する正極特性情報及び負極特性情報を抽出する。特性値算出部61は、電池情報格納部50に格納された二次電池2の電池情報と、特性情報抽出部60により抽出された正極特性情報及び負極特性情報とに基づいて、正極の特性値と負極の特性値とを算出する。そして、推定部62は、劣化度推定部63を有する。劣化度推定部63は、正極の特性値から正極の劣化度合いを推定し、負極の特性値から負極の劣化度合いを推定する。本実施形態では、劣化度推定部63に推定される正極及び負極の劣化度合いとして、二次電池2における正極及び負極の入出力可能な電力、又は正極及び負極の充放電可能な電力量が推定される。
電池システム100において、計画作成部12は、電池状態推定部1の推定結果に基づいて、充放電計画を作成する。充放電計画は、複数の二次電池2のうち充放電させる二次電池2を特定するためのものである。
本実施形態では、計画作成部12は残寿命算出部121と電池特定部122とを有する。残寿命算出部121は、電池状態推定部1の推定結果と、電池システム100における要求値とに基づいて各二次電池2の正極及び負極における残寿命を算出する。電池システム100における要求値は、電池システム100が搭載される装置や、電池システム100から出力される電力を使用する装置又は電池システム100に入力される電力を発生させる装置等に応じて、電池システム100において適宜設定されるものである。本実施形態では、電池システム100が搭載される発電蓄電システムの制御ユニットが安定的に動作するように、正極及び負極ごとに図2、図3に示す抵抗上昇率の要求値や、図4、図5に示す容量維持率の要求値としての動作範囲下限値が設定されている。そして、残寿命算出部121は、正極及び負極における抵抗上昇率や容量維持率が当該正極要求値及び負極要求値に達すると推定される時点までの期間を残寿命として算出する。そして、上述の如く、複数の二次電池2における正極及び負極の劣化状態は、当該二次電池2の使用履歴によって異なるため、二次電池2ごとに正極及び負極の残寿命も異なることとなる。
電池特定部122は、残寿命算出部121により算出された各二次電池2の正極及び負極における残寿命に基づいて、充放電させる二次電池2を特定する。電池特定部122では、二次電池2が使用される環境、目的などに応じて、充放電させる二次電池2を特定することができ、複数の二次電池2のうち一つまたは複数を特定することができる。例えば、電池システム100の寿命を長く保つことを目的とする場合には、電池特定部122が特定する二次電池2には、電池状態推定部1によって推定された現在の推定結果と上記要求値とから、残寿命算出部121によって算出された正極の残寿命又は負極の残寿命が最も長いものが含まれているようにすることができる。本実施形態では、組電池21〜23ごとに充放電させる対象を特定する。そして、計画作成部12は、当該特定結果に基づいて充放電計画を作成する。
計画作成部12において作成された充放電計画は切替制御部13に送信される。切替制御部13では、充放電計画に基づく制御信号を通電切替部11に送信して通電切替部11を制御する。通電切替部11は制御信号に基づき、充放電させる対象となる組電池21〜23に直列接続された各スイッチ111〜113のオンオフを切り替えて、組電池21〜23の通電状態を切り替える。
本実施形態では、電池システム100は、表示部70を含む報知部7を有する。表示部70は、充放電計画、推定部62の推定結果、正極の特性値、負極の特性値、正極の残寿命及び負極の残寿命のうち少なくとも一つを表示して、ユーザにこれらの情報を報知する。なお、報知部7は、表示部70に替えて、又はこれとともに、充放電計画や推定部62の推定結果を音声で報知したり、所定のランプで報知する出力部を備えていてもよい。例えば、推定結果である二次電池2における正極及び負極の入出力可能な電力が、所定の基準値よりも高い場合又は低い場合に所定態様の音声を出力したり、所定態様でランプを点灯させるようにしてもよい。
次に、電池システム100の使用態様について、図6に示すフロー図を用いて説明する。まず、図6に示すように、ステップS1において、履歴情報取得部41により、二次電池2の使用履歴情報を取得し、履歴情報格納部51に格納する。本実施形態では、履歴情報取得部41は所定間隔で二次電池2の温度を取得し、二次電池2の使用履歴情報として温度履歴情報を履歴情報格納部51に格納する。また、履歴情報取得部41は二次電池2における積算充放電電力量(Wh)も所定間隔で取得して、履歴情報格納部51に格納する。
次に、ステップS2において、複数の二次電池2のうち充放電させる二次電池2を特定する充放電計画を作成するための電池状態推定タイミングが到来したか否かを判定する。当該判定は図示しない判定部により行う。電池状態推定タイミングが到来していないと判定された場合は、再度ステップS1に戻る。
ステップS2において、電池状態推定タイミングが到来していると判定された場合は、ステップS3に進み、電池情報取得部40により、二次電池2の電池情報を取得し、電池情報格納部50に格納する。本実施形態では、電池情報取得部40は、履歴情報格納部51に格納されている電池状態推定タイミングまでの二次電池2における積算充放電電力量(Wh)を電池情報として取得する。
そして、ステップS4において、特性情報抽出部60により、履歴情報格納部51に格納された温度履歴情報に対応する正極特性情報及び負極特性情報を特性情報記憶部30から抽出する。例えば、履歴情報格納部51に格納された温度履歴情報が第1の温度履歴である場合には、特性情報記憶部30から図2又は図4に示す第1の正極特性情報及び負極特性情報を抽出し、履歴情報格納部51に格納された温度履歴情報が第2の温度履歴である場合には、特性情報記憶部30から図3又は図5に示す第2の正極特性情報及び負極特性情報を抽出する。
その後、図6に示すステップS5において、特性値算出部61により、電池情報格納部50に格納された二次電池2の電池情報と、特性情報抽出部60により抽出された正極特性情報及び負極特性情報とに基づいて、正極の特性値と負極の特性値とを算出する。本実施形態では、例えば、履歴情報格納部51に格納された温度履歴情報が第1の温度履歴である場合には、図2に示す第1の正極特性情報及び負極特性情報と、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)とに基づいて、正極の特性値及び負極の特性値として正極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)及び負極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)を算出する。あるいは、図4に示す第1の正極特性情報及び負極特性情報と、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)とに基づいて、正極の特性値及び負極の特性値として正極の容量維持率(V/Vint)及び負極の容量維持率(V/Vint)を算出する。また、履歴情報格納部51に格納された温度履歴情報が第2の温度履歴である場合には、図3に示す第2の正極特性情報及び負極特性情報と、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)とに基づいて、正極の特性値及び負極の特性値として、正極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)及び負極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)を算出する。あるいは、図5に示す第2の正極特性情報及び負極特性情報と、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)とに基づいて、正極の特性値及び負極の特性値として、正極の容量維持率(V/Vint)及び負極の容量維持率(V/Vint)を算出する。
例えば、図2及び図3に示すように、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)がWh1である場合には、正極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)はR1pであり、負極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)はR1nである。また、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)がWh2である場合には、正極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)はR1pであり、負極の抵抗上昇率(Rdch/Rdch,int)はR1nである。また、例えば、図4及び図5に示すように、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)がWh1である場合には、正極の容量維持率(V/Vint)はV1pであり、負極の容量維持率(V/Vint)はV1nである。また、電池情報格納部50に格納された二次電池2における積算充放電電力量(Wh)がWh2である場合には、正極の容量維持率(V/Vint)はV1pであり、負極の容量維持率(V/Vint)はV1nである。
そして、図6に示すステップS6において、推定部62における劣化度推定部63により、正極及び負極の劣化度合いとして、二次電池2における正極及び負極の入出力可能な電力、又は正極及び負極の充放電可能な電力量を推定する。
例えば、劣化度推定部63において、正極及び負極の入出力可能な電力を推定する場合では、図2に示すように、第1の温度履歴の場合には、二次電池2の積算充放電電力量がWh1のとき、正極の特性値R1pから正極における入出力可能な電力を推定し、負極の特性値R1nから負極における入出力可能な電力を推定する。また、二次電池2の積算充放電電力量がWh2のとき、正極の特性値R2pから正極における入出力可能な電力を推定し、負極の特性値R2nから負極における入出力可能な電力を推定する。また、図3に示すように、第2の温度履歴の場合においても第1の温度履歴の場合と同様に、正極及び負極における入出力可能な電力を推定する。
また、例えば、劣化度推定部63において、正極及び負極の充放電可能な電力量を推定する場合では、図4に示すように、第1の温度履歴の場合には、二次電池2の積算充放電電力量がWh1のとき、正極の特性値V1pから正極における充放電可能な電力量を推定し、負極の特性値V1nから負極における充放電可能な電力量を推定する。また、二次電池2の積算充放電電力量がWh2のとき、正極の特性値V2pから正極における充放電可能な電力量を推定し、負極の特性値V2nから負極における充放電可能な電力量を推定する。また、図5に示すように、第2の温度履歴の場合においても第1の温度履歴の場合と同様に、正極及び負極における充放電可能な電力量を推定する。
その後、図6に示すステップS7において、計画作成部12における残寿命算出部121により、劣化度推定部63における現在の推定結果としての正極及び負極における入出力可能な電力又は充放電可能な電力量と、電池システム100が要求する要求値とから、正極及び負極の残寿命を算出する。
そして、ステップS8において、計画作成部12における電池特定部122により、残寿命算出部121により算出された正極及び負極の残寿命に基づいて、充放電させる二次電池2を特定する。そして、計画作成部12により、特定結果に基づいて、充放電計画が作成される。本実施形態では、充放電計画は組電池21〜23ごとに充放電するか否かを特定するものとなっている。作成された充放電計画は計画作成部12から切替制御部13に送信される。
計画作成部12により作成される充放電計画では、例えば、電池システム100が使用される環境が正極の劣化が進みやすい温度である場合には正極の残寿命が長い二次電池2を充放電させる二次電池2として特定したり、負極の劣化が進みやすい温度である場合には負極の残寿命が長い二次電池2を充放電させる二次電池2として特定したりすることができる。また、例えば、電池システム100が搭載された発電蓄電システムにおいて、放電よりも充電しやすい使用環境の場合には充電可能な電力量の多い二次電池2を充放電させる二次電池2として特定したり、充電よりも放電しやすい使用環境の場合には放電可能な電力量の多い二次電池2を充放電させる二次電池2として特定することもできる。
その後、ステップS9において、切替制御部13は、受信した充放電計画に基づいて、通電切替部11を制御する。通電切替部11では、組電池21〜23に接続されたスイッチ111〜113のオンオフが制御される。これにより、ステップS10において、充放電計画で充放電させるように特定された組電池21〜23を通電可能な状態とし、充放電計画で充放電させるように特定されていない組電池21〜23を通電不能な状態とする。
以上のように、電池システム100では、電池状態推定部1の推定結果に基づいて作成された充放電計画に従って、特定の組電池21〜23が充放電されるようになる。
(評価試験1)
次に、電池システム100の電池状態推定部1における使用履歴に関する以下の評価試験1を行った。
試験例の電池状態推定部として実施形態1の電池状態推定部1を使用し、比較例として電極非分離方式の推定方法により電池状態を推定する電池状態推定部を使用した。
比較例の電池状態推定部は、二次電池における積算充放電電力量(Wh)と二次電池の抵抗上昇率との関係を示す情報である電池特性情報を有している。比較例の電池状態推定部による二次電池における入出力可能な電力の推定は、図7に示すフローに従って行った。まず、ステップS101において、二次電池2における積算充放電電力量を検出し、記憶する。そして、ステップS102において、電池状態推定タイミングに到達したか否かを判定する。電池状態推定タイミングに到達していないと判定された場合は、再度ステップS101に戻る。一方、ステップS102において電池状態推定タイミングに到達していると判定された場合は、測定時点までの二次電池における積算充放電電力量を取得する。そして、ステップS104において、ステップS102で取得した当該二次電池における積算充放電電力量と電池特性情報とに基づいて、ステップS105によって二次電池2の電池状態としての入出力可能な電力を推定する。
評価試験1は以下のように行った。まず、電池システム100が搭載された車両を温度環境が異なる使用履歴A、B及びCにおいて所定期間使用した後、試験例の電池状態推定部1及び比較例の電池状態推定部によって二次電池2における入出力可能な電力を推定した。また、二次電池2において当該推定時点で実際に入出力できた電力を実測定値として取得した。使用履歴Aは通常温度の市街地で使用した場合であり、使用履歴Bは高温度の地域で使用した場合であり、使用履歴Cは低温度の地域で使用した場合である。そして、試験例1−1及び比較例1−1を使用履歴Aとし、試験例1−2及び比較例1−2を使用履歴Bとし、試験例1−3及び比較例1−3を使用履歴Cとした。評価結果は表1に示した。なお、各試験例及び比較例のいずれにおいても、リン酸リチウムからなる正極と、非晶質炭素からなる負極とを有する二次電池2を使用した。
Figure 2018133259
表1に示すように、試験例1−1、1−2及び1−3のいずれにおいても、推定値と実測定値との差は±1Wの範囲内の高い推定精度を示すとともに、使用履歴A〜Cによってその推定精度に変化はなかった。一方、比較例1−1、1−2及び1−3では、推定値と実測定との差はいずれも試験例の場合よりも大きく、使用履歴Cの比較例1−3では、出力値における推定値と実測定値との差が+17Wと最も大きかった。
以上のように、試験例1−1、1−2及び1−3では推定値と実測定値との差は小さく、その精度は比較例のいずれよりも高いことが確認できた。
(評価試験2)
次に、電池状態推定部と二次電池とを有する電池システムに関する以下の評価試験2を行った。評価試験2では、二次電池の電極の構成を変更した。試験例2−1及び比較例2−1では、正極がリン酸鉄リチウムからなり、負極が非晶質炭素からなる二次電池とした。試験例2−2及び比較例2−2では、正極がニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなり、負極が非晶質炭素からなる二次電池とした。試験例2−3及び比較例2−3では、正極がニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなり、負極がチタン酸リチウムからなる二次電池とした。なお、各試験例及び比較例では使用履歴として、評価試験1における高温地域の使用履歴Bを採用し、評価試験1の場合と同様に、二次電池2の入出力可能な電力を推定するとともに実際に入出力可能な電力の実測定値を測定した。評価結果は以下の表2に示す。
Figure 2018133259
表2に示すように、試験例2−1及び2−2では、推定値と実測定値との差は±2Wの範囲内であって高い推定精度を示すとともに、二次電池2の正極がリン酸鉄リチウムである場合と、ニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなる場合とで差はなかった。一方、負極がチタン酸リチウムからなる試験例2−3の場合では、負極が非晶質炭素からなる試験例2−1及び2−3の場合に比べて、推定値と実測定値との差が若干大きくなっていた。なお、試験例2−1、2−2及び2−3の全てで、比較例2−1、2−2及び2−3よりも推定値と実測定値との差が小さく、その推定精度が高いことが確認できた。
(評価試験3)
次に、電池状態推定部と二次電池とを有する電池システムに関する以下の評価試験3を行った。評価試験3ではさらに、二次電池の電極の構成を変更した。試験例3−1、3−2、3−3及び比較例3−1、3−2、3−3では、正極をリン酸鉄リチウムからなる二次電池とし、試験例3−4、3−5及び比較例3−4、3−5では正極をニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなる二次電池とした。また、試験例3−1、3−4及び比較例3−1、3−4では、負極を非晶質炭素からなる二次電池とし、試験例3−2及び比較例3−2では、負極を黒鉛比表面積が1.2m2/gの高比表面黒鉛からなる二次電池とし、試験例3−3、3−5及び比較例3−3、3−5では、負極を黒鉛比表面積が0.8m2/gの低比表面黒鉛からなる二次電池とした。なお、各試験例及び比較例では使用履歴として、評価試験1における高温地域の使用履歴Bを採用し、評価試験1の場合と同様に、二次電池の入出力可能な電力を推定するとともに実際に入出力可能な電力の実測定値を測定した。評価結果は以下の表3に示す。
Figure 2018133259
表3に示すように、すべての試験例において、対応する比較例よりも推定値と実測定値との差が少なくなっており、高い推定精度を示すことが確認できた。なお、試験例3−2では、試験例3−1に対して推定値と実測定値との差が若干大きくなっており、負極が高比表面黒鉛からなる場合は、負極が非晶質炭素からなる場合に比べて推定精度が若干劣ることが分かった。しかし、試験例3−3における推定値と実測定値との差は、試験例3−1と同程度であることから、負極が低比表面黒鉛からなる場合には十分高い推定精度が得られることが分かった。また、正極がニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなる場合には、負極が非晶質炭素からなる試験例3−4の方が負極が低比表面黒鉛からなる試験例3−5の方が推定精度が若干高かかった。
(評価試験4)
次に、電池システム100の電池状態推定部1における使用履歴に関する以下の評価試験4を行った。
評価試験4では、比較例の電池状態推定部構は、二次電池における積算充放電電力量(Wh)と二次電池の容量維持率との関係を示す情報である電池特性情報を有しており、評価試験1の場合と同様に、図7に示すステップS101〜S104のフローに従うとともに、ステップS105で二次電池2の電池状態として充放電可能な電力量を推定する。
評価試験4は以下のように行った。まず、電源システム100が搭載された車両を、評価試験1と同様に温度環境が異なる使用履歴A、B及びCにおいて所定期間使用した後、試験例の電池状態推定部1及び比較例の電池状態推定部によって二次電池2における充放電可能な電力量を推定した。また、二次電池2において当該推定時点で実際に充放電できた電力量を実測定値として取得した。そして、試験例4−1及び比較例4−1を使用履歴Aとし、試験例4−2及び比較例4−2を使用履歴Bとし、試験例4−3及び比較例4−3を使用履歴Cとした。評価結果は表4に示した。なお、各試験例及び比較例のいずれにおいても、リン酸リチウムからなる正極と、非晶質炭素からなる負極とを有する二次電池2を使用した。
Figure 2018133259
表4に示すように、試験例4−1、4−2及び4−3のいずれにおいても、推定値と実測定値との差は−0.01〜0.00Ahの範囲内の高い推定精度を示した。一方、比較例4−1、4−2及び4−3では、推定値と実測定との差はいずれも試験例の場合よりも大きかった。
以上のように、試験例4−1、4−2及び4−3では推定値と実測定値との差は小さく、その精度は比較例のいずれよりも高いことが確認できた。
(評価試験5)
次に、電池状態推定部と二次電池とを有する電池システムに関する以下の評価試験5を行った。評価試験5では、二次電池の電極の構成を変更した。試験例5−1及び比較例5−1では、正極がリン酸鉄リチウムからなり、負極が非晶質炭素からなる二次電池とした。試験例5−2及び比較例5−2では、正極がニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなり、負極が非晶質炭素からなる二次電池とした。試験例5−3及び比較例5−3では、正極がニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなり、負極がチタン酸リチウムからなる二次電池とした。なお、各試験例及び比較例では使用履歴として、評価試験4における高温地域の使用履歴Bを採用し、評価試験4の場合と同様に、二次電池2の充放電可能な電力量を推定するとともに実際に充放電可能な電力量の実測定値を測定した。評価結果は以下の表5に示す。
Figure 2018133259
表5に示すように、試験例5−1、5−2及び5−3の全てで、比較例5−1、5−2及び5−3よりも推定値と実測定値との差が小さく、その推定精度が高いことが確認できた。
(評価試験6)
次に、電池状態推定部と二次電池とを有する電池システムに関する以下の評価試験6を行った。評価試験6ではさらに、二次電池の電極の構成を変更した。試験例6−1、6−2、6−3及び比較例6−1、6−2、6−3では、正極をリン酸鉄リチウムからなる二次電池とし、試験例6−4、6−5及び比較例6−4、6−5では正極をニッケル−マンガン−コバルト酸リチウムからなる二次電池とした。また、試験例6−1、6−4及び比較例6−1、6−4では、負極を非晶質炭素からなる二次電池とし、試験例6−2及び比較例6−2では、負極を黒鉛比表面積が1.2m2/gの高比表面黒鉛からなる二次電池とし、試験例6−3、6−5及び比較例6−3、6−5では、負極を黒鉛比表面積が0.8m2/gの低比表面黒鉛からなる二次電池とした。なお、各試験例及び比較例では使用履歴として、評価試験4における高温地域の使用履歴Bを採用し、評価試験4の場合と同様に、二次電池の充放電可能な電力量を推定するとともに実際に充放電可能な電力量の実測定値を測定した。評価結果は以下の表6に示す。
Figure 2018133259
表6に示すように、すべての試験例において、対応する比較例よりも推定値と実測定値との差が少なくなっており、高い推定精度を示すことが確認できた。特に、負極が低比表面黒鉛からなる場合には十分高い推定精度が得られることが分かった。
次に、本実施形態の電池システム100における作用効果について、詳述する。
電池システム100では、電池状態推定部1において、正極特性情報及び負極特性情報が使用履歴情報に対応付けられて記憶されている。そして、二次電池2における電池状態を推定する際には、二次電池2の使用履歴情報に対応する正極特性情報及び負極特性情報を抽出した上で、当該正極特性情報及び負極特性情報に基づいて、正極の特性値と負極の特性値とを個別に算出する。そして、当該正極の特性値と負極の特性値とから当該二次電池2における電池状態を推定する。これにより、使用履歴に応じて互いに異なる正極及び負極の劣化度合いが反映されるため、二次電池2における電池状態が高精度に推定される。そして、電池システム100は、当該推定結果に基づいて、充放電させる二次電池2を特定するための充放電計画を作成して、当該充放電計画に基づいて二次電池2における通電状態を制御する。これにより、二次電池2の使用状態や使用目的などに応じて、二次電池を効率的に使用することができる。
また、本実施形態では、電池状態推定部1は、二次電池2における充放電可能な電力量を推定可能なように構成されている。これにより、二次電池2における充放電可能な電力量から二次電池2における電池状態を高精度に推定することができる。
また、本実施形態では、電池状態推定部1は、二次電池2における入出力可能な電力を推定可能なように構成されている。これにより、二次電池2における入出力可能な電力から二次電池2における電池状態を高精度に推定することができる。
また、本実施形態では、複数の二次電池2は、互いに直列接続されて複数の組電池21〜23を形成しており、複数の組電池21〜23は、互いに並列接続されている。そして、通電切替部11は、組電池21〜23ごとに通電状態を切り替え可能に構成されており、計画作成部12は、複数の組電池21〜23の少なくとも一つを充放電させる二次電池2として特定する充放電計画を作成するように構成されている。これにより、複数の組電池21〜23が備えられた構成において、効率的に通電状態を切り替えることができ、特に直列数の多い組電池を有するPHEVやHEMSなどにおいて、構成を簡素化できるとともに通電状態の切替制御が容易となる。
また、本実施形態では、計画作成部12は、電池状態推定部1による推定結果と電源システム100が要求する要求値とから正極の残寿命及び負極の残寿命を算出する残寿命算出部121と、該残寿命に基づいて充放電させる二次電池2を特定する電池特定部122とを有する。これにより、計画作成部12は、正極の残寿命及び負極の残寿命に基づいて充放電計画を作成することができるため、二次電池2を一層効率的に使用することができる。
また、本実施形態では、電池特定部122によって特定される二次電池2には、電池状態推定部1による現在の推定結果と電源システム10の要求値とに基づいて算出された正極の残寿命又は負極の残寿命が最も長い二次電池2が含まれている。これにより、正極又は負極の残寿命が最も長い二次電池2が優先的に使用されるため、複数の二次電池2において寿命の均一化が図られ、電池システム100の長寿命化が図られる。特に直列数の多い組電池を有するPHEVやHEMSなどにおいては、組電池内の二次電池2の劣化状態のバラつきが電池システム全体に影響しやすいが、本実施形態の電池システム100では二次電池2の寿命の均一化が図られるため、劣化状態のバラつきの影響を低減することができる。
また、本実施形態では、充放電計画、推定部62の推定結果、正極の特性値、負極の特性値、正極の残寿命及び負極の残寿命のうち少なくとも一つを表示する表示部70を有する。これにより、充放電計画、推定結果、正極の特性値、負極の特性値、正極の残寿命及び負極の残寿命を容易に視認することができる。
また、二次電池2はリチウムイオン二次電池であるとともに、比表面積が3.0m2/g以下である黒鉛からなる負極を有することが好ましく、1.0m2/g以下である黒鉛からなる負極を有することがより好ましい。これにより、電池状態推定部1により二次電池2における電池状態が高精度に推定されることとなる。その結果、電池システム100において、二次電池2を一層効率的に使用することができる。
なお、本実施形態では、電池部20では、組電池21〜23が互いに並列接続されているが、これに限らず、互いに並列接続された組電池21〜23を1つのモジュールとして、当該モジュールが複数直列接続された構成であってもよい。この場合は組電池ごとに通電状態を制御してもよいし、モジュールごとに通電状態を制御してもよい。また、本実施例では、二次電池2ごとに電池状態を推定して充放電計画を作成したが、これに替えて、組電池21〜23のそれぞれを一つの二次電池とみなして組電池21〜23ごとに電池状態を推定して充放電計画を作成してもよい。
本発明は上記実施形態及び変形形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態1における電池システム100が報知部7を有していない構成としてもよい。
1 電池状態推定部
2 二次電池
11 通電切替部
12 計画作成部
13 切替制御部
40 電池情報取得部
41 履歴情報取得部
30 特性情報記憶部
60 特性情報抽出部
61 特性値算出部
62 推定部
100 電池システム

Claims (8)

  1. 複数の二次電池(2)と、
    上記複数の二次電池における通電状態を切り替え可能に構成された通電切替部(11)と、
    上記複数の二次電池における電池状態を推定する電池状態推定部(1)と、
    該電池状態推定部による推定結果に基づいて、上記複数の二次電池において充放電させる二次電池を特定するための充放電計画を作成する計画作成部(12)と、
    上記充放電計画に基づいて、上記通電切替部を制御する切替制御部(13)と、
    を有する電池システム(100)であって、
    上記電池状態推定部は、上記二次電池の電池情報を取得する電池情報取得部(40)と、
    上記二次電池の使用履歴情報を取得する履歴情報取得部(41)と、
    上記二次電池の電池情報と上記二次電池における正極の特性値及び負極の特性値との対応関係を示す正極特性情報及び負極特性情報がそれぞれ、上記二次電池の使用履歴情報と対応付けられて、予め記憶されている特性情報記憶部(30)と、
    上記履歴情報取得部により取得された上記使用履歴情報に対応する上記正極特性情報及び上記負極特性情報を上記特性情報記憶部から抽出する特性情報抽出部(60)と、
    上記電池情報取得部により取得された上記電池情報と、上記特性情報抽出部により抽出された上記正極特性情報及び上記負極特性情報とに基づいて、上記二次電池における正極の特性値及び負極の特性値をそれぞれ算出する特性値算出部(61)と、
    上記特性値算出部により算出された上記正極の特性値及び上記負極の特性値に基づいて、上記二次電池における電池状態を推定する推定部(62)と、
    を有する、電池システム。
  2. 上記電池状態推定部は、上記二次電池における充放電可能な電力量を推定するように構成されている、請求項1に記載の電池システム。
  3. 上記電池状態推定部は、上記二次電池における入出力可能な電力を推定するように構成されている、請求項1に記載の電池システム。
  4. 上記複数の二次電池は、互いに直列接続されて複数の組電池(21、22、23)を形成しており、
    該複数の組電池は、互いに並列接続されており、
    上記通電切替部は、上記組電池ごとに通電状態を切り替え可能に構成されており、
    上記計画作成部は、上記複数の組電池の少なくとも一つを上記充放電させる二次電池として特定する上記充放電計画を作成するように構成されている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池システム。
  5. 上記計画作成部は、上記電池状態推定部による上記推定結果と上記電源システムが要求する要求値とから上記正極の残寿命及び上記負極の残寿命を算出する残寿命算出部(121)と、該残寿命に基づいて上記充放電させる二次電池を特定する電池特定部(122)とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池システム。
  6. 上記電池特定部によって特定される上記二次電池には、上記電池状態推定部による現在の推定結果と上記要求値とに基づいて算出された上記正極の残寿命又は上記負極の残寿命が最も長い上記二次電池が含まれる、請求項5に記載の電池システム。
  7. 上記充放電計画、上記推定部の推定結果、上記正極の特性値、上記負極の特性値、上記正極の残寿命及び上記負極の残寿命のうち少なくとも一つを表示する表示部(70)を有する、請求項5又は6に記載の電池システム。
  8. 上記二次電池はリチウムイオン二次電池であるとともに、比表面積が3.0m2/g以下である黒鉛からなる負極を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電池システム。
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